(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】ウイルス様粒子を作製するためのベクターおよびその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/85 20060101AFI20230508BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/33 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/50 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/49 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/44 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/37 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/51 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20230508BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230508BHJP
C12N 15/54 20060101ALI20230508BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230508BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230508BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230508BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20230508BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230508BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20230508BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230508BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20230508BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20230508BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20230508BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20230508BHJP
A61K 35/768 20150101ALI20230508BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230508BHJP
A61K 39/215 20060101ALI20230508BHJP
A61K 39/145 20060101ALI20230508BHJP
A61K 39/12 20060101ALI20230508BHJP
A61K 39/29 20060101ALI20230508BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20230508BHJP
【FI】
C12N15/85 Z
C12N15/11 Z ZNA
C12N15/33
C12N15/63 Z
C12N15/50
C12N15/49
C12N15/44
C12N15/37
C12N15/51
C12N15/09 100
C12N15/09 Z
C12N15/13
C12N5/10
C12N15/54
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12P21/02 C
A61P31/12
A61P37/04
A61P31/14
A61P31/16
A61P31/18
A61P31/20
A61K35/76
A61K35/768
A61K48/00
A61K39/215
A61K39/145
A61K39/12
A61K39/29
A61K47/69
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559858
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 IB2021052710
(87)【国際公開番号】W WO2021198963
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522384732
【氏名又は名称】メディフェイジ・バイオシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MEDIPHAGE BIOCEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100218268
【氏名又は名称】及川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】スラブチェフ,ロデリック
(72)【発明者】
【氏名】ナフィッシ,ナフィセー
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4B064AG01
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE12
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA87X
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4B065BA02
4B065CA44
4C076AA95
4C076CC07
4C076CC35
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA13
4C084NA05
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4C084ZB051
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4C084ZB331
4C084ZC551
4C085AA03
4C085BA51
4C085BA69
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4C085BA87
4C085CC08
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4C085GG06
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4C085GG10
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZB02
4C087ZB05
4C087ZB09
4C087ZB33
4C087ZC55
(57)【要約】
本開示は、ウイルス様粒子(VLP)を作製するための、発現ベクターおよび細菌配列非含有のベクター、例えば、ミニストリングDNA(msDNA)など、ならびにその組成物および方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、ベクター、組成物、およびVLPによって対象のウイルス感染症を治療する工程を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルス由来の保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む発現カセットと、
前記発現カセットの両側に隣接する第1のリコンビナーゼに対する標的配列と、
前記第1のリコンビナーゼに対する前記標的配列の非結合領域内に統合された1つまたは複数の追加のリコンビナーゼに対する1つまたは複数の追加の標的配列と
を含む発現ベクターであって、
前記発現カセットから細胞内において発現されたタンパク質がウイルス様粒子(VLP)を形成することができる、発現ベクター。
【請求項2】
前記免疫原性アミノ酸配列が、前記保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である、請求項1に記載の発現ベクター。
【請求項3】
前記保存されたアミノ酸配列が、ウイルス糖タンパク質由来である、請求項1または2に記載の発現ベクター。
【請求項4】
前記免疫原性アミノ酸配列が、前記同じウイルス糖タンパク質由来である、請求項3に記載の発現ベクター。
【請求項5】
ウイルスエンベロープタンパク質をコードする核酸配列および/またはウイルスマトリックスタンパク質をコードする核酸配列をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項6】
前記ウイルスエンベロープタンパク質および/または前記ウイルスマトリックスタンパク質が、前記保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である、請求項5に記載の発現ベクター。
【請求項7】
前記保存されたアミノ酸配列、前記免疫原性アミノ酸配列、前記ウイルスエンベロープタンパク質、および/または前記ウイルスマトリックスタンパク質が、コンセンサス配列である、請求項1~6のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項8】
前記組換えタンパク質が、中和抗体を含む前記ウイルスに対する免疫反応を刺激することができる、請求項1~7のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項9】
前記組換えタンパク質が、前記ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる、請求項1~8のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項10】
前記免疫反応が、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である、請求項8または9に記載の発現ベクター。
【請求項11】
前記組換えタンパク質が、非中和抗体を含む免疫反応を刺激するおよび/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激するウイルス由来のアミノ酸配列を排除している、請求項1~10のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項12】
前記発現カセットが、タンパク質をコードする各核酸配列の間の自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含む単一のオープンリーディングフレームを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項13】
前記ウイルスが、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである、請求項1~12のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項14】
前記ウイルスがコロナウイルスである、請求項13に記載の発現ベクター。
【請求項15】
前記コロナウイルスがCOVID-19である、請求項14に記載の発現ベクター。
【請求項16】
前記発現カセットが、コロナウイルス膜(M)タンパク質、コロナウイルスエンベロープ(E)タンパク質、およびコロナウイルススパイク(S)タンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む、請求項14または15に記載の発現ベクター。
【請求項17】
前記保存されたアミノ酸配列が、前記Sタンパク質S2’切断部位および内部融合ペプチド(IFP)由来である、請求項16に記載の発現ベクター。
【請求項18】
前記保存されたアミノ酸配列が、配列番号12を含む、請求項16または17に記載の発現ベクター。
【請求項19】
前記免疫原性アミノ酸配列が、前記Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)由来である、請求項16~18のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項20】
前記免疫原性アミノ酸配列が、配列番号11に対して少なくとも約90%同一である、請求項16~19のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項21】
前記組換えタンパク質が、前記Sタンパク質由来の膜貫通(TM)ドメイン配列をさらに含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項22】
前記組換えタンパク質が、非中和抗体を含む免疫反応を刺激するおよび/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する前記Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している、請求項16~21のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項23】
前記組換えタンパク質の前記アミノ酸配列が、配列番号55に対して少なくとも約90%同一である、請求項16~21のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項24】
前記発現カセットが、配列番号57に対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む、請求項16~23のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項25】
前記組換えタンパク質が、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる、請求項16~24のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項26】
前記組換えタンパク質が、COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる、請求項16~25のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項27】
前記免疫反応が、他のコロナウイルスに対して交差反応性である、請求項25または26に記載の発現ベクター。
【請求項28】
前記免疫反応が、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である、請求項27に記載の発現ベクター。
【請求項29】
前記第1のリコンビナーゼに対する前記標的配列および前記1つまたは複数の追加のリコンビナーゼに対する前記1つまたは複数の追加の標的配列が、PY54 pal部位、N15 telRL部位、loxP部位、φK02 telRL部位、FRT部位、phiC31 attP部位、およびλ attP部位からなる群から選択される、請求項1~28のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項30】
前記標的配列のそれぞれを含む、請求項29に記載の発現ベクター。
【請求項31】
前記Telリコンビナーゼpal部位と、前記pal部位内に統合された前記telRL、loxP、およびFRTリコンビナーゼ標的結合配列とを含む、請求項30に記載の発現ベクター。
【請求項32】
細菌配列非含有のベクターを作製するためのベクターである、請求項1~31のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項33】
前記細菌配列非含有のベクターが、円形に共有結合した閉鎖端を有する、請求項32に記載の発現ベクター。
【請求項34】
前記細菌配列非含有のベクターが、直鎖状に共有結合した閉鎖端を有する、請求項32に記載の発現ベクター。
【請求項35】
前記第1のリコンビナーゼに対する前記標的配列の両側に隣接する少なくとも1つのエンハンサー配列をさらに含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の発現ベクター。
【請求項36】
前記少なくとも1つのエンハンサー配列が、少なくとも2つのエンハンサー配列である、請求項35に記載の発現ベクター。
【請求項37】
少なくとも1つのエンハンサー配列が、SV40エンハンサー配列である、請求項35または36に記載の発現ベクター。
【請求項38】
誘導性プロモーターの制御下において少なくとも第1のリコンビナーゼをコードするように設計された組換え細胞を含むベクター作製システムであって、前記細胞が、請求項1~37のいずれか一項に記載の発現ベクターを含む、ベクター作製システム。
【請求項39】
前記誘導性プロモーターが、熱的調節性、化学的調節性、IPTG調節性、グルコース調節性、アラビノース誘導性、T7ポリメラーゼ調節性、低温衝撃誘導性、pH誘導性、またはそれらの組み合わせである、請求項38に記載のベクター作製システム。
【請求項40】
前記第1のリコンビナーゼが、telNおよびtelから選択され、ならびに
前記発現ベクターが、少なくとも前記第1のリコンビナーゼに対する前記標的配列を組み入れる、請求項38または39に記載のベクター作製システム。
【請求項41】
前記組換え細胞が、ヌクレアーゼゲノム編集システムをコードするようにさらに設計されており、ならびに前記発現ベクターが、前記ヌクレアーゼゲノム編集システムのための切断部位を含むバックボーン配列をさらに含む、請求項38~40のいずれか一項に記載のベクター作製システム。
【請求項42】
前記ヌクレアーゼゲノム編集システムが、CasヌクレアーゼおよびgRNAを含むCRISPRヌクレアーゼシステムであり、ならびに前記発現ベクターが、前記バックボーン配列内に前記gRNAのための標的配列を含む、請求項41に記載のベクター作製システム。
【請求項43】
前記第1のリコンビナーゼの発現にとって好適な条件下において請求項38~42のいずれか一項に記載のベクター作製システムをインキュベートする工程を含む、細菌配列非含有のベクターを製造する方法。
【請求項44】
前記第1のリコンビナーゼおよび前記ヌクレアーゼゲノム編集システムの発現にとって好適な条件下において請求項41または42に記載のベクター作製システムをインキュベートする工程を含む、細菌配列非含有のベクターを製造する方法。
【請求項45】
前記細菌配列非含有のベクターを収穫する工程をさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
請求項43~45のいずれか一項に記載の方法によって製造される細菌配列非含有のベクター。
【請求項47】
免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルス由来の保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む発現カセットを含む細菌配列非含有のベクターであって、前記発現カセットから細胞内において発現されるタンパク質がVLPを形成することができる、細菌配列非含有のベクター。
【請求項48】
前記免疫原性アミノ酸配列が、前記保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である、請求項47に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項49】
前記保存されたアミノ酸配列が、ウイルス糖タンパク質由来である、請求項47または48に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項50】
前記免疫原性アミノ酸配列が、前記同じウイルス糖タンパク質由来である、請求項49に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項51】
前記発現カセットが、ウイルスエンベロープタンパク質をコードする核酸配列および/またはウイルスマトリックスタンパク質をコードする核酸配列をさらに含む、請求項47~50のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項52】
前記ウイルスエンベロープタンパク質および/または前記ウイルスマトリックスタンパク質が、前記保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である、請求項51に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項53】
前記保存されたアミノ酸配列、前記免疫原性アミノ酸配列、前記ウイルスエンベロープタンパク質、および/または前記ウイルスマトリックスタンパク質が、コンセンサス配列である、請求項47~52のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項54】
前記組換えタンパク質が、中和抗体を含む前記ウイルスに対する免疫反応を刺激することができる、請求項47~53のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項55】
前記組換えタンパク質が、前記ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる、請求項47~54のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項56】
前記免疫反応が、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である、請求項54または55に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項57】
前記組換えタンパク質が、非中和抗体を含む免疫反応を刺激するおよび/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する前記ウイルス由来のアミノ酸配列を排除している、請求項47~56のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項58】
前記発現カセットが、タンパク質をコードする各核酸配列の間の自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含む単一のオープンリーディングフレームを含む、請求項47~57のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項59】
前記ウイルスが、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである、請求項47~58のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項60】
前記ウイルスがコロナウイルスである、請求項59に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項61】
前記コロナウイルスがCOVID-19である、請求項60に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項62】
前記発現カセットが、コロナウイルスMタンパク質、コロナウイルスEタンパク質、およびコロナウイルスSタンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む、請求項60または61に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項63】
前記保存されたアミノ酸配列が、前記Sタンパク質S2’切断部位およびIFP由来である、請求項62に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項64】
前記保存されたアミノ酸配列が、配列番号12を含む、請求項62または63に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項65】
前記免疫原性アミノ酸配列が、前記Sタンパク質RBD由来である、請求項62~64のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項66】
前記免疫原性アミノ酸配列が、配列番号11に対して少なくとも約90%同一である、請求項62~65のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項67】
前記組換えタンパク質が、前記Sタンパク質由来のTMドメイン配列をさらに含む、請求項62~66のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項68】
前記組換えタンパク質が、非中和抗体を含む免疫反応を刺激するおよび/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する前記Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している、請求項62~67のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項69】
前記組換えタンパク質の前記アミノ酸配列が、配列番号55に対して少なくとも約90%同一である、請求項62~68のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項70】
前記発現カセットが、配列番号57に対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む、請求項62~69のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項71】
前記組換えタンパク質が、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる、請求項62~70のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項72】
前記組換えタンパク質が、COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる、請求項62~71のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項73】
前記免疫反応が、他のコロナウイルスに対して交差反応性である、請求項71または72に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項74】
前記免疫反応が、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である、請求項73に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項75】
前記発現カセットの両側に隣接する少なくとも1つのエンハンサー配列をさらに含む、請求項47~74のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項76】
前記少なくとも1つのエンハンサー配列が、少なくとも2つのエンハンサー配列である、請求項75に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項77】
少なくとも1つのエンハンサー配列が、SV40エンハンサー配列である、請求項75または76に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項78】
円形に共有結合した閉鎖端を含む、請求項47~77のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項79】
直鎖状に共有結合した閉鎖端を含む、請求項47~77のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター。
【請求項80】
配列番号57に対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。
【請求項81】
請求項1~37のいずれか一項に記載の発現ベクターまたは請求項46~79のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクターを含む組換え細胞。
【請求項82】
前記発現ベクターまたは前記細菌配列非含有のベクターからの前記VLPの作製にとって好適な条件下において請求項81に記載の組換え細胞を培養する工程を含む、VLPを製造する方法。
【請求項83】
前記VLPを単離する工程をさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記単離工程が、アフィニティー精製によって行われる、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記VLPが、請求項14~37のいずれか一項に記載の発現ベクターまたは請求項60~79のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクターによって作製される、請求項82~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記アフィニティー精製が、アンギオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体ペプチドまたは抗Sタンパク質モノクローナル抗体を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記ACE2受容体ペプチドが、配列番号70のアミノ酸配列に対して少なくとも約90同一であるアミノ酸配列を含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記ACE2受容体ペプチドが、前記ペプチドのC末端またはN末端にビオチン受容体ペプチド(BAP)タグを含む、請求項86または87に記載の方法。
【請求項89】
前記BAPタグが、配列番号71のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記ACE2受容体ペプチドまたは抗Sタンパク質モノクローナル抗体が、ビオチン化され、ならびにストレプトアビジン被覆ビーズ上に固定される、請求項86~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記アフィニティー精製が、マイクロフルイディクスおよび/またはクロマトグラフィーを含む、請求項84~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
請求項82~91のいずれか一項に記載の方法によって作製されたVLP。
【請求項93】
免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルス由来の保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質を含むVLP。
【請求項94】
前記免疫原性アミノ酸配列が、前記保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である、請求項93に記載のVLP。
【請求項95】
前記保存されたアミノ酸配列が、ウイルス糖タンパク質由来である、請求項93または94に記載のVLP。
【請求項96】
前記免疫原性アミノ酸配列が、同じウイルス糖タンパク質由来である、請求項93~95のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項97】
ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質をさらに含む、請求項93~96のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項98】
前記ウイルスエンベロープタンパク質および/または前記ウイルスマトリックスタンパク質が、前記保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である、請求項97に記載のVLP。
【請求項99】
前記保存されたアミノ酸配列、前記免疫原性アミノ酸配列、前記ウイルスエンベロープタンパク質、および/または前記ウイルスマトリックスタンパク質が、コンセンサス配列である、請求項93~98いずれか一項に記載のVLP。
【請求項100】
前記組換えタンパク質が、中和抗体を含む前記ウイルスに対する免疫反応を刺激することができる、請求項93~99のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項101】
前記組換えタンパク質が、前記ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる、請求項93~100のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項102】
前記免疫反応が、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である、請求項100または101に記載のVLP。
【請求項103】
前記組換えタンパク質が、非中和抗体を含む免疫反応を刺激するおよび/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する前記ウイルス由来のアミノ酸配列を排除している、請求項93~102のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項104】
前記ウイルスが、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである、請求項93~103のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項105】
前記ウイルスがコロナウイルスである、請求項104に記載のVLP。
【請求項106】
前記コロナウイルスがCOVID-19である、請求項105に記載のVLP。
【請求項107】
コロナウイルス膜(M)タンパク質、コロナウイルスエンベロープ(E)タンパク質、およびコロナウイルススパイク(S)タンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質を含む、請求項105または106に記載のVLP。
【請求項108】
前記保存されたアミノ酸配列が、前記Sタンパク質S2’切断部位および内部融合ペプチド(IFP)由来である、請求項107に記載のVLP。
【請求項109】
前記保存されたアミノ酸配列が、配列番号12を含む、請求項107または108に記載のVLP。
【請求項110】
前記免疫原性アミノ酸配列が、前記Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)由来である、請求項107~109のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項111】
前記免疫原性アミノ酸配列が、配列番号11に対して少なくとも約90%同一である、請求項107~110のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項112】
前記組換えタンパク質が、前記Sタンパク質由来の膜貫通(TM)ドメイン配列をさらに含む、請求項107~111のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項113】
前記組換えタンパク質が、非中和抗体を含む免疫反応を刺激するおよび/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する前記Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している、請求項107~112のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項114】
前記組換えタンパク質のアミノ酸配列が、配列番号55に対して少なくとも約90%同一である、請求項107~113のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項115】
配列番号55に対して少なくとも約90%同一の組換えタンパク質、配列番号1に対して少なくとも約90%同一のMタンパク質、および配列番号3に対して少なくとも約90%同一のEタンパク質を含むVLP。
【請求項116】
前記組換えタンパク質が、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる、請求項107~115のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項117】
前記組換えタンパク質が、COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる、請求項107~116のいずれか一項に記載のVLP。
【請求項118】
前記免疫反応が、他のコロナウイルスに対して交差反応性である、請求項116または117に記載のVLP。
【請求項119】
前記免疫反応が、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である、請求項118に記載のVLP。
【請求項120】
請求項1~37のいずれか一項に記載の発現ベクター、請求項46~79のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター、または請求項92~119のいずれか一項に記載のウイルス様粒子を含む組成物。
【請求項121】
デリバリー剤をさらに含む、請求項120に記載の組成物。
【請求項122】
前記デリバリー剤がナノ粒子である、請求項121に記載の組成物。
【請求項123】
前記デリバリー剤が、標的化リガンドを含む、請求項121または122に記載の組成物。
【請求項124】
前記標的化リガンドが、Sタンパク質ペプチドを含む、請求項123に記載の組成物。
【請求項125】
前記Sタンパク質ペプチドが、配列番号76~99のうちのいずれか1つに対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項124に記載の組成物。
【請求項126】
請求項1~37のいずれか一項に記載の発現ベクター、請求項46~79のいずれか一項に記載の細菌配列非含有のベクター、請求項92~119のいずれか一項に記載のVLP、または請求項120~125のいずれか一項に記載の組成物を含む、対象におけるウイルス感染症を治療する方法であって、前記発現ベクターまたは前記細菌配列非含有のベクターの細胞内発現がVLPを作製する、方法。
【請求項127】
前記投与工程が、腸管外または非腸管外投与によって行われる、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記投与工程が、経口、経肺、鼻腔内、静脈内、表皮、経皮、皮下、筋肉内、または腹腔内注射によって、あるいは吸入によって行われる、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記VLPが、前記ウイルス感染症に対する中和抗体を含む前記対象における免疫反応を刺激する、請求項126~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記VLPが、前記ウイルス感染症に対する対象におけるTh1細胞媒介性免疫反応を刺激する、請求項126~129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記免疫反応が、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である、請求項129または130に記載の方法。
【請求項132】
前記VLPが、前記対象における非中和抗体を含む免疫反応を刺激せず、および/または前記対象におけるTh2細胞媒介性免疫反応を刺激しない、請求項126~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記VLPが、ウイルス受容体への結合に対して前記感染性ウイルスと交差競合する、請求項126~132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記VLPが、前記ウイルス受容体への結合に対して関連するウイルスまたは株と交差競合する、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記ウイルス感染が、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである、請求項126~134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記ウイルス感染症が、コロナウイルスである、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記ウイルス感染症が、COVID-19である、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記VLPが、COVID-19に対する中和抗体を含む、前記対象における免疫反応を刺激する、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記VLPが、COVID-19に対する対象におけるTh1細胞媒介性免疫反応を刺激する、請求項137または138に記載の方法。
【請求項140】
前記免疫反応が、他のコロナウイルスに対して交差反応性である、請求項138または139に記載の方法。
【請求項141】
前記免疫反応が、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記VLPが、前記対象における非中和抗体を含む免疫反応を刺激せず、および/または前記対象におけるTh2細胞媒介性免疫反応を刺激しない、請求項137~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
前記投与工程が、吸入によって行われる、請求項137~142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記VLPが、ACE2受容体、ニューロピリン-1、または他の受容体への結合に対してCOVID-19と交差競合する、請求項137~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記VLPが、ACE2受容体、ニューロピリン-1、および/または他の受容体への結合に対して他のコロナウイルスと交差競合する、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記VLPが、ACE2受容体、ニューロピリン-1、および/または他の受容体への結合に対して他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスと交差競合する、請求項145に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
このPCT出願は、2020年3月31日に出願された米国特許仮出願第63/003,281号および2020年12月11日に出願された米国特許仮出願第63/124,397号の優先権利益を主張するものであり、なお、この特許仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
開示の分野
本開示は、ウイルス様粒子(VLP)を作製するためのベクターおよびそれを用いて対象を治療する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
ワクチン技術における多くの進歩にもかかわらず、ウイルス感染症は、しばしば限られた制御下にある、一般的な健康懸念のままである。例えば、COVID-19コロナウイルスパンデミックは、世界的流行および経済的衝撃の両方において、世界が1世紀以上経験してきたものとは異なるものとなった。そしてそれは、次々と増加する死亡者数および新たな感染により、多くの先進国世界において活動停止を繰り返す結果となった。
【0004】
COVID-19は、呼吸器感染症を引き起こし、重症の場合には、急性呼吸窮迫症候群を伴う。発症前/無症候性空気感染および疾患の経過の早期における高いウイルス性力価は、SARS-CoVなどの他のコロナウイルスと比較して、COVID-19の感染性を著しく増加させ、そのことが、パンデミックの管理にとってワクチンの開発を重要にしている。
【0005】
VLPは、ウイルス増殖を可能にすることなくウイルスの物理化学性および構造を模倣する強力なワクチン候補を代表する(Cimica, V., & Galarza, J. M., Clin. Immunol. 183: 99-108 (2017))。そのため、それらは、強い体液性反応だが、それらは外因的に投与された抗原のままであるため、多くの場合、「ウイルス全体」に対する制限された細胞媒介性反応を与える。その上、それらの製造、精製、および貯蔵は、コスト高である。
【0006】
従来のワクチンは、多くの場合、ウイルスは進化的圧力に応じてそれらのゲノムを変異し続けるという事実によって複雑化される、異なるウイルス株の間における限定された交差防御を示した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ウイルス感染症を治療する改良されたVLPおよび方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルス由来の保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む発現カセット、発現カセットの両側に隣接する第1のリコンビナーゼに対する標的配列、ならびに第1のリコンビナーゼに対する標的配列の非結合領域内に統合された1つまたは複数の追加のリコンビナーゼに対する1つまたは複数の追加の標的配列を含む発現ベクターであって、発現カセットから細胞内において発現されたタンパク質がウイルス様粒子(VLP)を形成することができる、上記発現ベクターを対象とする。
【0009】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、ウイルス糖タンパク質由来である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、同じウイルス糖タンパク質由来である。
【0010】
いくつかの態様において、発現カセットは、ウイルスエンベロープタンパク質をコードする核酸配列および/またはウイルスマトリックスタンパク質をコードする核酸配列をさらに含む。いくつかの態様において、ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。
【0011】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、免疫原性アミノ酸配列、ウイルスエンベロープタンパク質、および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、コンセンサス配列である。
【0012】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、中和抗体を含むウイルスに対する免疫反応を刺激することができる。
【0013】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0014】
いくつかの態様において、免疫反応は、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である。
【0015】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、ウイルス由来のアミノ酸配列を排除している。
【0016】
いくつかの態様において、発現カセットは、タンパク質をコードする各核酸配列の間の自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含む単一のオープンリーディングフレームを含む。
【0017】
いくつかの態様において、ウイルスは、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである。
【0018】
いくつかの態様において、ウイルスはコロナウイルスである。いくつかの態様において、コロナウイルスはCOVID-19である。
【0019】
いくつかの態様において、発現カセットは、コロナウイルス膜(M)タンパク質、コロナウイルスエンベロープ(E)タンパク質、およびコロナウイルススパイク(S)タンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、Sタンパク質S2’切断部位および内部融合ペプチド(IFP)由来である。
【0020】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、配列番号12を含む。
【0021】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)由来である。
【0022】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11に対して少なくとも約90%同一である。
【0023】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、Sタンパク質由来の膜貫通(TM)ドメイン配列をさらに含む。
【0024】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している。
【0025】
いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55に対して少なくとも約90%同一である。
【0026】
いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号57に対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。
【0027】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる。
【0028】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0029】
いくつかの態様において、免疫反応は、他のコロナウイルスに対して交差反応性である。いくつかの態様において、免疫反応は、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0030】
いくつかの態様において、第1のリコンビナーゼに対する標的配列ならびに1つまたは複数の追加のリコンビナーゼに対する1つまたは複数の追加の標的配列は、PY54 pal部位、N15 telRL部位、loxP部位、φK02 telRL部位、FRT部位、phiC31 attP部位、およびλ attP部位からなる群から選択される。いくつかの態様において、発現ベクターは、各標的配列を含む。いくつかの態様において、発現ベクターは、Telリコンビナーゼpal部位と、pal部位内に統合されたtelRL、loxP、およびFRTリコンビナーゼ標的結合配列とを含む。
【0031】
いくつかの態様において、発現ベクターは、細菌配列非含有のベクターを作製するためのベクターである。いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、円形に共有結合した閉鎖端を有する。いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、直鎖状に共有結合した閉鎖端を有する。
【0032】
いくつかの態様において、発現ベクターは、第1のリコンビナーゼに対する標的配列の両側に隣接する少なくとも1つのエンハンサー配列をさらに含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのエンハンサー配列は、少なくとも2つのエンハンサー配列である。いくつかの態様において、少なくとも1つのエンハンサー配列は、SV40エンハンサー配列である。
【0033】
本開示は、誘導性プロモーターの制御下において少なくとも第1のリコンビナーゼをコードするように設計されたリコンビナーゼ細胞を含むベクター製造システムであって、細胞が上記発現ベクターのうちのいずれかを含む、ベクター製造システムを対象とする。いくつかの態様において、誘導性プロモーターは、熱的調節性、化学的調節性、IPTG調節性、グルコース調節性、アラビノース誘導性、T7ポリメラーゼ調節性、低温衝撃誘導性、pH誘導性、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、第1のリコンビナーゼは、telNおよびtelから選択され、ならびに発現ベクターは、少なくとも第1のリコンビナーゼに対する標的配列を組み入れる。いくつかの態様において、組換え細胞は、ヌクレアーゼゲノム編集システムをさらにコードするように設計されており、この場合、発現ベクターは、ヌクレアーゼゲノム編集システムのための切断部位を含むバックボーン配列をさらに含む。いくつかの態様において、ヌクレアーゼゲノム編集システムは、CasヌクレアーゼおよびgRNAを含むCRISPRヌクレアーゼシステムであり、ならびに発現ベクターは、バックボーン配列内にgRNAのための標的配列を含む。
【0034】
本開示は、第1のリコンビナーゼの発現にとって好適な条件下において、上記ベクター製造システムのいずれかをインキュベートする工程を含む、細菌配列非含有のベクターを作製する方法を対象とする。
【0035】
本開示は、第1のリコンビナーゼおよびヌクレアーゼゲノム編集システムの発現にとって好適な条件下において、ヌクレアーゼゲノム編集システムをコードするように設計された組換え細胞を含む上記ベクター製造システムのいずれかをインキュベートする工程を含む、細菌配列非含有のベクターを作製する方法を対象とする。
【0036】
いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターを製造する上記方法のうちのいずれかは、細菌配列非含有のベクターを収穫する工程をさらに含む。
【0037】
本開示は、細菌配列非含有のベクターを製造する上記方法のうちのいずれかによって作製される細菌配列非含有のベクターを対象とする。
【0038】
本開示は、免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルス由来の保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む発現カセットを含む細菌配列非含有のベクターであって、発現カセットから細胞内において発現されるタンパク質がVLPを形成することができる、上記細菌配列非含有のベクターを対象とする。
【0039】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、ウイルス糖タンパク質由来である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、同じウイルス糖タンパク質由来である。
【0040】
いくつかの態様において、発現カセットは、ウイルスエンベロープタンパク質をコードする核酸配列および/またはウイルスマトリックスタンパク質をコードする核酸配列をさらに含む。いくつかの態様において、ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。
【0041】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、免疫原性アミノ酸配列、ウイルスエンベロープタンパク質、および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、コンセンサス配列である。
【0042】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、中和抗体を含むウイルスに対する免疫反応を刺激することができる。
【0043】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0044】
いくつかの態様において、免疫反応は、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である。
【0045】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、ウイルス由来のアミノ酸配列を排除している。
【0046】
いくつかの態様において、発現カセットは、タンパク質をコードする各核酸配列の間の自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含む単一のオープンリーディングフレームを含む。
【0047】
いくつかの態様において、ウイルスは、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである。
【0048】
いくつかの態様において、ウイルスはコロナウイルスである。いくつかの態様において、コロナウイルスはCOVID-19である。
【0049】
いくつかの態様において、発現カセットは、コロナウイルスMタンパク質、コロナウイルスEタンパク質、ならびにコロナウイルスSタンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、Sタンパク質S2’切断部位およびIFP由来である。
【0050】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12を含む。
【0051】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、Sタンパク質RBD由来である。
【0052】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11に対して少なくとも約90%同一である。
【0053】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、Sタンパク質由来のTMドメイン配列をさらに含む。
【0054】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している。
【0055】
いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55である。
【0056】
いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号57に対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。
【0057】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる。
【0058】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0059】
いくつかの態様において、免疫反応は、他のコロナウイルスに対して交差反応性である。いくつかの態様において、免疫反応は、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0060】
いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、発現カセットの両側に隣接する少なくとも1つのエンハンサー配列をさらに含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのエンハンサー配列は、少なくとも2つのエンハンサー配列である。いくつかの態様において、少なくとも1つのエンハンサー配列は、SV40エンハンサー配列である。
【0061】
いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、円形に共有結合した閉鎖端を含む。
【0062】
いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、直鎖状に共有結合した閉鎖端を含む。
【0063】
本開示は、配列番号57に対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを対象とする。
【0064】
本開示は、上記発現ベクターのいずれかまたは上記細菌配列非含有のベクターのいずれかを含む組換え細胞を対象とする。
【0065】
いくつかの態様において、本開示は、発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターからのVLPの作製にとって好適な条件下において組換え細胞を培養する工程を含む、VLPを作製する方法を対象とする。
【0066】
いくつかの態様において、VLPを作製する方法は、VLPを単離する工程をさらに含む。いくつかの態様において、単離工程は、アフィニティー精製によって行われる。いくつかの態様において、VLPは、上記発現ベクターのいずれかまたは上記細菌配列非含有のベクターのいずれかによって作製され、この場合、ウイルスはコロナウイルスである。いくつかの態様において、アフィニティー精製は、アンギオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体ペプチドまたは抗Sタンパク質モノクローナル抗体を含む。いくつかの態様において、ACE2受容体ペプチドは、配列番号70のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ACE2受容体ペプチドは、ペプチドのC末端またはN末端にビオチン受容体ペプチド(BAP)タグを含む。いくつかの態様において、BAPタグは、配列番号71のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ACE2受容体ペプチドまたは抗Sタンパク質モノクローナル抗体は、ビオチン化され、ストレプトアビジン被覆ビーズ上に固定される。いくつかの態様において、アフィニティー精製は、マイクロフルイディクスおよび/またはクロマトグラフィーを含む。いくつかの態様において、本開示は、VLPを作製する方法のいずれかによって作製されたVLPを対象とする。
【0067】
本開示は、免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルス由来の保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質を含むVLPを対象とする。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、ウイルス糖タンパク質由来である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、同じウイルス糖タンパク質由来である。
【0068】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質をさらに含む。いくつかの態様において、ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。
【0069】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、免疫原性アミノ酸配列、ウイルスエンベロープタンパク質、および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、コンセンサス配列である。
【0070】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、中和抗体を含むウイルスに対する免疫反応を刺激することができる。
【0071】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0072】
いくつかの態様において、免疫反応は、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である。
【0073】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、ウイルス由来のアミノ酸配列を排除している。
【0074】
いくつかの態様において、ウイルスコロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスはコロナウイルスである。
【0075】
いくつかの態様において、コロナウイルスはCOVID-19である。
【0076】
いくつかの態様において、VLPは、コロナウイルス膜(M)タンパク質、コロナウイルスエンベロープ(E)タンパク質、ならびにコロナウイルススパイク(S)タンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質を含む。
【0077】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、Sタンパク質S2’切断部位および内部融合ペプチド(IFP)由来である。
【0078】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12を含む。
【0079】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)由来である。
【0080】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11に対して少なくとも約90%同一である。
【0081】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、Sタンパク質由来の膜貫通(TM)ドメイン配列をさらに含む。
【0082】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している。
【0083】
いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55に対して少なくとも約90%同一である。
【0084】
本開示は、配列番号55に対して少なくとも約90%同一の組換えタンパク質、配列番号1に対して少なくとも約90%同一のMタンパク質、および配列番号3に対して少なくとも約90%同一のEタンパク質を含むVLPを対象とする。
【0085】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる。
【0086】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0087】
いくつかの態様において、免疫反応は、他のコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0088】
いくつかの態様において、免疫反応は、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0089】
本開示は、上記発現ベクターのいずれか、上記細菌配列非含有のベクターのいずれか、または上記ウイルス様粒子のいずれかを含む組成物を対象とする。いくつかの態様において、組成物は、デリバリー剤をさらに含む。いくつかの態様において、デリバリー剤はナノ粒子である。いくつかの態様において、デリバリー剤は、標的化リガンドを含む。いくつかの態様において、標的化リガンドは、Sタンパク質ペプチドを含む。いくつかの態様において、Sタンパク質ペプチドは、配列番号76~99のうちのいずれか1つに対して少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含む。
【0090】
本開示は、対象におけるウイルス感染症を治療する方法であって、上記発現ベクターのいずれか、上記細菌配列非含有のベクターのいずれか、上記発VLPのいずれか、または上記組成物のいずれかを対象に投与する工程を含み、上記発現ベクターまたは上記細菌配列非含有のベクターの細胞内発現がVLPを生じる、方法を対象とする。
【0091】
いくつかの態様において、投与工程は、腸管外または非腸管外投与によって行われる。いくつかの態様において、投与工程は、経口、経肺、鼻腔内、静脈内、表皮、経皮、皮下、筋肉内、または腹腔内投与によって、あるいは吸入によって行われる。
【0092】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス感染症に対する中和抗体を含む、対象における免疫反応を刺激する。
【0093】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス感染症に対する対象におけるTh1細胞媒介性免疫反応を刺激する。
【0094】
いくつかの態様において、免疫反応は、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である。
【0095】
いくつかの態様において、VLPは、対象における非中和抗体を含む免疫反応を刺激せず、および/または対象におけるTh2細胞媒介性免疫反応を刺激しない。
【0096】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス受容体への結合に対して感染性ウイルスと交差競合する(cross-compete)。
【0097】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス受容体への結合に対して関連ウイルスまたは株と交差競合する。
【0098】
いくつかの態様において、ウイルス感染症は、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである。
【0099】
いくつかの態様において、ウイルス感染症は、コロナウイルスである。いくつかの態様において、ウイルス感染症は、COVID-19である。
【0100】
いくつかの態様において、VLPは、COVID-19に対する中和抗体を含む、対象における免疫反応を刺激する。
【0101】
いくつかの態様において、VLPは、COVID-19に対する対象におけるTh1細胞媒介性免疫反応を刺激する。
【0102】
いくつかの態様において、免疫反応は、他のコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0103】
いくつかの態様において、免疫反応は、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0104】
いくつかの態様において、VLPは、対象における非中和抗体を含む免疫反応を刺激せず、および/または対象におけるTh2細胞媒介性免疫反応を刺激しない。
【0105】
いくつかの態様において、投与工程は、吸入によって行われる。
【0106】
いくつかの態様において、VLPは、ACE2受容体、ニューロピリン-1、または他の受容体への結合に対してCOVID-19と交差競合する。
【0107】
いくつかの態様において、VLPは、ACE2受容体、ニューロピリン-1、および/または他の受容体への結合に対して他のコロナウイルスと交差競合する。
【0108】
いくつかの態様において、VLPは、ACE2受容体、ニューロピリン-1、および/または他の受容体への結合に対して他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスと交差競合する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【
図1】
図1は、シミアンウイルス40エンハンサー(SV40E);サイトメガロウイルスプロモーター(P
CMV);コロナウイルスエンベロープ(E)タンパク質をコードする配列;コロナウイルス膜(M)タンパク質をコードする配列;受容体結合ドメイン(RBD)に由来する配列と、第2のサブユニット切断ドメインおよび内部融合タンパク質(S2’IFP)と、コロナウイルスSタンパク質の膜貫通(TM)ドメインとを含む組換えタンパク質(本明細書において、組換えスパイク(S)タンパク質RBD::S2’IFP::TMと呼ばれる)をコードする配列;発現カセットのタンパク質コード配列を切り離すための豚テシオウイルス-1に由来する2A自己切断性ペプチド(P2A)をコードする配列;ならびにポリアデニル化(pA)シグナルを含むコロナウイルスVLPを作製するための例示的発現カセットの概略図を示す。
【
図2】
図2は、pAシグナルがウシ成長ホルモンに由来する、
図1において説明される発現カセットを含む例示的発現ベクター(pGL2-SS-CMV-VLP-BGH-SS)のベクターマップを示す。
【
図3】
図3は、
図2の発現ベクターからの遺伝子およびタンパク質のインビトロ(in vitro)発現を示す。
図3Aは、
図2の発現ベクターを含む細胞(VLP)ならびに発現ベクターを含まないコントロール細胞(CTL)に由来する、
図1において説明されるEタンパク質、Mタンパク質、および組換えSタンパク質(RBD::S2’IFP::TM)をコードする遺伝子の相対的発現を表す棒グラフを示す。***=p<0.001であり、****=p<0.0001である。
図3Bは、RBDに結合する抗体を使用した組換えSタンパク質(α-スパイク(RBD))の発現を表す代表的なウエスタンブロットを示す。α-ベータ-アクチン抗体によるベータ-アクチンの検出は、ローディングコントロールとして機能した。コントロール=発現ベクターを含まない細胞由来のタンパク質。VLP=
図2の発現ベクターを含む細胞由来のタンパク質。
図3Cは、(B)において説明されるウエスタンブロット(n=3)からの組換えSタンパク質発現の相対平均強度を示す。
【
図4】
図4は、
図2の発現ベクターによってコードされる本明細書において説明される例示的msDNA-VLP(msDNAVLPCov19-BGHポリ)を示す。
【
図5】
図5は、0日目および14日目における
図2の発現ベクターによる筋肉内注射(ブースター)の後の、0日目、7日目、14日目、21日目、28日目、35日目、42日目、および49日目における、C57マウス由来の血清中での、COVID-19スパイクタンパク質(スパイクAB)のS1サブユニットに結合する抗体の濃度(ng/mL)を示す。
図5Aおよび5Bは、抗体濃度の棒グラフを示す。
【
図6A】
図6は、代表的COVID-19ゲノムの配列保存分析を示す。
図6Aは、水平バーが武漢参照ゲノム(NC_045512.2)に従ってy軸上に一覧されるCOVID-19ゲノムのそれぞれのx軸上でのゲノム位置を示すバープロットを示す。
図6Bは、バーの高さが各ゲノム位置において武漢参照ゲノムとは異なる3928の代表的COVID-19ゲノムのパーセンテージに対応するヒストグラムを示す。
【
図6B】
図6は、代表的COVID-19ゲノムの配列保存分析を示す。
図6Aは、水平バーが武漢参照ゲノム(NC_045512.2)に従ってy軸上に一覧されるCOVID-19ゲノムのそれぞれのx軸上でのゲノム位置を示すバープロットを示す。
図6Bは、バーの高さが各ゲノム位置において武漢参照ゲノムとは異なる3928の代表的COVID-19ゲノムのパーセンテージに対応するヒストグラムを示す。
【
図7】
図7は、バーの高さが各ゲノム位置における武漢参照ゲノムとは異なる分析したゲノムのパーセンテージに対応するヒストグラムを示し、分析したゲノムは、3928の代表的COVID-19ゲノム、120の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)ゲノム、および257の中東呼吸症候群コロナウイルス(MERS-CoV)ゲノムである。
【
図8A】
図8は、バーの高さが各ゲノム位置における武漢参照ゲノムとは異なる分析したゲノムのパーセンテージに対応するヒストグラムを示し、
図8Aは、分析したゲノムは、変異株B.1.1.7の233のCOVID-19ゲノムであり、
図8Bは、変異株B.1.351の104のCOVID-19ゲノムであり、
図8Cは、変異株P.1の39のCOVID-19ゲノムであり、
図8Dは、変異株B.1.427/429の62のCOVID-19ゲノムである。
【
図8B】
図8は、バーの高さが各ゲノム位置における武漢参照ゲノムとは異なる分析したゲノムのパーセンテージに対応するヒストグラムを示し、
図8Aは、分析したゲノムは、変異株B.1.1.7の233のCOVID-19ゲノムであり、
図8Bは、変異株B.1.351の104のCOVID-19ゲノムであり、
図8Cは、変異株P.1の39のCOVID-19ゲノムであり、
図8Dは、変異株B.1.427/429の62のCOVID-19ゲノムである。
【
図8C】
図8は、バーの高さが各ゲノム位置における武漢参照ゲノムとは異なる分析したゲノムのパーセンテージに対応するヒストグラムを示し、
図8Aは、分析したゲノムは、変異株B.1.1.7の233のCOVID-19ゲノムであり、
図8Bは、変異株B.1.351の104のCOVID-19ゲノムであり、
図8Cは、変異株P.1の39のCOVID-19ゲノムであり、
図8Dは、変異株B.1.427/429の62のCOVID-19ゲノムである。
【
図8D】
図8は、バーの高さが各ゲノム位置における武漢参照ゲノムとは異なる分析したゲノムのパーセンテージに対応するヒストグラムを示し、
図8Aは、分析したゲノムは、変異株B.1.1.7の233のCOVID-19ゲノムであり、
図8Bは、変異株B.1.351の104のCOVID-19ゲノムであり、
図8Cは、変異株P.1の39のCOVID-19ゲノムであり、
図8Dは、変異株B.1.427/429の62のCOVID-19ゲノムである。
【
図9】
図9は、
図1において説明されるE、M、および組換えSタンパク質を含む、本明細書において説明される真核細胞でのVLP作製のための、例示的真核細胞発現ベクター(pFastBac
TM Dual-VLP)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0110】
本開示は、ウイルス様粒子(VLP)を作製するための発現ベクターおよび細菌配列非含有のベクター(例えば、ミニストリングDNA(msDNA))、ベクター作製システム、およびVLP、ならびにその組成物および方法を提供する。本開示のいくつかの態様は、対象におけるウイルス感染症(例えば、ヒト対象におけるコロナウイルス感染症、例えば、COVID-19など)を治療することを対象とする。
【0111】
これらに限定されるものではないが、本明細書において引用される全ての雑誌記事、書籍、マニュアル、特許出願、および許を含む、本明細書において引用される全ての刊行物は、それぞれ個々の刊行物が参照により具体的に且つ個別に示されたかのような程度に、その全体が参照により本明細書に組み入れる。
【0112】
I.用語
本開示をさらに容易に理解できるために、最初に、ある特定の用語を定義する。本願において使用される場合、本明細書において特に明記されない限り、下記の用語のそれぞれは、以下において説明される意味を有する。追加の定義は、本願を通じて説明される。
【0113】
用語「a」または「an」を伴う名詞は、その名詞が1つまたは複数であることを意味し;例えば、「ヌクレオチド配列」は、1つまたは複数のヌクレオチド配列を表すと理解されることは留意されたい。そのため、用語「1つの(「a」(または「an」))、「1つまたは複数の」、および「少なくとも1つの」は、本明細書において相互互換的に使用することができる。
【0114】
本明細書において使用される用語「および/または」は、他方を伴うかまたは伴わない2つの指定された特徴または構成要素のそれぞれの特定の開示として理解される。したがって、用語「および/または」は、本明細書において「Aおよび/またはB」のような語句において使用される場合、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(のみ)、および「B」(のみ)を含むことが意図される。同様に、用語「および/または」は、「A、B、および/またはC」などの語句において使用される場合、以下の態様:A、B、およびC;A、B、またはC;A、またはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(のみ);B(のみ);およびC(aのみ)、のそれぞれを包含することが意図される。
【0115】
態様が、言語「含む(comprising)」によって本明細書において説明される場合、「からなる(consisting of)」および/または「「から実質的になる(consisting essentially of)」の用語において説明される別の類似の態様も提供されることは理解されるべきである。
【0116】
用語「約(about)」または「を実質的に含む(comprising essentially of)」は、当業者によって決められる特定の値または組成に対する許容可能な誤差範囲内である値または組成を意味し、それらは、値または組成がどのように測定または決定されるか、すなわち、測定システムの限界、に部分的に依存するであろう。例えば、「約」または「を実質的に含む」は、当技術分野における1回の実施あたり1標準偏差以内または1を超える標準偏差を意味し得る。あるいは、「約」または「を実質的に含む」は、最大で10%までの範囲を意味し得る。その上、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、最大で値の1桁までまたは最大で値の5倍までを意味し得る。本願または特許請求項において特定の値または組成が提供される場合、特に明記しない限り、「約」または「を実質的に含む」の意味は、その特定の値または組成に対する許容可能な誤差範囲内であることが想定されるべきである。
【0117】
本明細書において説明されるように、任意の濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲、または整数範囲は、特に明記されない限り、列記された範囲内の任意の整数の値、ならびに適切であればその分率(例えば、整数の10分の1および100分の1など)を含むと理解されるべきである。数値範囲は、範囲を定義する数値を含む。
【0118】
特に明記されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が関連する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press;Dictionary of Cell and Molecular Biology, 5th ed., 2013, Academic Press;およびOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, 2006, Oxford University Pressは、本開示において使用される用語の多くの一般的な辞書における技能の1つを提供する。
【0119】
単位、接頭語、および記号は、それらの国際単位系(SI)に受け入れられた形態において指示される。
【0120】
特に明記しない限り、ヌクレオチド配列は、5’から3’の方向に左から右へと記述される。アミノ酸配列は、カルボキシ方向にアミノにおいて左から右へと記述される。
【0121】
本明細書において提供される見出しは、本開示の様々な態様の限定ではなく、それらは、全体として本明細書を参照することにより得ることができる。したがって、このすぐ後に定義される用語は、本明細書を参照することによって、より完全に定義される。
【0122】
「アミノ酸」は、中央炭素原子(アルファ-炭素原子)が、水素原子、カルボン酸基(その炭素原子は、本明細書において「カルボキシル炭素原子」と呼ばれる)、アミノ基、(その窒素原子は、本明細書において「アミノ窒素原子」と呼ばれる)、および側鎖基Rに結合している構造を有する分子である。ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質に組み入れられるとき、アミノ酸は、1つのアミノ酸を別のアミノ酸に連結する脱水素反応においてそのアミノ酸カルボキシル基の1つまたは複数の原子を失う。結果として、タンパク質に組み入れられる場合、アミノ酸は、「アミノ酸残基」と呼ばれる。
【0123】
「タンパク質」または「ポリペプチド」は、ペプチド結合を介して連結された2つ以上の個別のアミノ酸の任意のポリマー(天然に存在するか否かにかかわらず)を意味し、1つのアミノ酸(またはアミノ酸残基)のアルファ-炭素に結合したカルボン酸基のカルボキシル炭素原子が、隣接するアミノ酸の非アルファ-炭素に結合したアミノ基のアミノ窒素原子に共有結合するようになったときに生じる。用語「タンパク質」は、用語「ポリペプチド」および「ペプチド」(時折、本明細書において相互互換的に使用され得る)をその意味内に包含すると理解される。加えて、複数のポリペプチドサブユニットを含むタンパク質も、本明細書において使用される場合、「タンパク質」の意味内に包含されると理解されるであろう。同様に、タンパク質およびポリペプチドの断片も、本開示の範囲内であり、本明細書において「タンパク質」と呼ばれ得る。本開示の一態様において、ポリペプチドは、2つ以上の親ペプチドセグメントのキメラを含む。用語「ポリペプチド」も、ポリペプチドの翻訳後改変(「PTM」)、例えば、これらに限定されるわけではないが、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、カルバミル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解的切断、天然には存在しないアミノ酸による改変、または任意の他の操作または改変、例えば、ラベリング成分とのコンジュゲーションなど、の産物を意味しおよび包含することが意図される。ポリペプチドは、自然の生物学的供給源から得ることができるか、または組換え技術によって作製することができるが、必ずしも指定された核酸配列から翻訳されるわけではない。それは、化学合成を含む任意の方法において作製することができる。「単離された」ポリペプチドあるいはその断片、変異体、または誘導体は、その自然環境にはないポリペプチドを意味する。精製の特定のレベルは必要ではない。例えば、単離されたポリペプチドは、単に、その天然環境または自然環境から取り出すことができる。宿主細胞において発現される、組換え的に産生されたポリペプチドおよびタンパク質は、それが任意の好適な技術によって分離、分別、または部分的にもしくは実質的に精製されている天然または組換えポリペプチドである場合、本開示の目的のために単離されたと見なされる。
【0124】
「ドメイン」は、本明細書に使用される場合、用語「ペプチドセグメント」と相互互換的に使用することができ、より大きいポリペプチドまたはタンパク質の一部または断片を意味する。ドメインは、それ自身が機能的活性を有する必要はないが、いくつかの場合において、ドメインは、それ自体が生物学的活性を有することができる。
【0125】
「融合された」、「作動可能に連結された」、および「作動可能に関連付けられた」は、2つ以上のドメインについて言及する場合、本明細書において開示される組換えポリペプチドの形成における2つ以上のドメインの任意の化学的または物理的カップリングを広く意味するために、本明細書において相互互換的に使用される。一実施形態において、本明細書において開示される組換えポリペプチドは、2つ以上の異なるペプチドに由来する複数のドメインを含むキメラポリペプチドである。
【0126】
本明細書において開示される2つ以上のドメインおよび/またはタンパク質を含む組換えポリペプチド(すなわち、組換えタンパク質)は、各ドメインおよび/またはタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む単一のコード配列によってコードされ得る。明記されない限り、各ドメインおよび/またはタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、「インフレーム(in frame)」であり、それにより、ポリヌクレオチド配列を含む単一のmRNAの翻訳は、結果として、各ドメインおよび/またはタンパク質を含む単一のポリペプチドを生じる。典型的には、本明細書において説明される組換えポリペプチドにおけるドメインおよび/またはタンパク質は、お互いに直接的に融合されるか、またはペプチドリンカーによって分離されるであろう。ペプチドリンカーをコードする様々なポリペプチド配列は、当技術分野において既知であり、例えば、自己切断ペプチドなどを含む。
【0127】
「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、本明細書に使用される場合、ヌクレオチドの重合形態を意味する。いくつかの場合において、ポリヌクレオチドは、コード配列に直接的には隣接していないか、または直接的に隣接する(5’末端または3’末端において)配列を含み、この場合、コード配列は、それらが由来する有機体の天然に存在するゲノムに存する。したがって、この用語は、例えば、ベクター、自己複製プラスミドまたはウイルス、あるいは原核細胞または真核細胞のゲノムDNAに組み入れられるか、または他の配列から独立して別々の分子(例えば、cDNA)として存在する、組換えDNAを含む。本開示のヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはどちらかのヌクレオチドの改変形態であり得る。ポリヌクレオチドは、本明細書に使用される場合、中でも特に、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、および一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖領域、より典型的には二本鎖領域、または一本鎖および二本鎖領域の混合物であり得るDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子を意味する。用語ポリヌクレオチドは、ゲノムDNAまたはRNA(有機体に応じて、すなわち、ウイルスのRNAゲノム)、ならびにゲノムDNAによってコードされるmRNA、およびcDNAを包含する。ある特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、従来的リン酸ジエステル結合または非従来的結合(例えば、アミド結合、例えば、ペプチド核酸(PNA)に見出される結合)を含む。「単離された」核酸またはポリヌクレオチドによって、その自然環境から取り出されている核酸分子、例えば、DNAまたはRNA、が意図される。例えば、ベクターに含まれる組換えポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子は、本開示の目的のために「単離された」と見なされる。単離されたポリヌクレオチドのさらなる例としては、異種宿主細胞中に維持されるかまたは溶液中において他のポリヌクレオチドから精製された(部分的にまたは実質的に)組換えポリヌクレオチドが挙げられる。単離されたRNA分子は、本開示のポリヌクレオチドのインビボ(in vivo)またはインビトロRNA転写物を含む。本開示による単離されたポリヌクレオチドまたは核酸は、合成によって作製されたポリヌクレオチドおよび核酸(例えば、核酸分子)をさらに含む。
【0128】
本明細書において使用される場合、「コード領域」または「コード配列」は、アミノ酸へ翻訳可能なコドンからなる、ポリヌクレオチドの一部である。「停止コドン」(TAG、TGA、またはTAA)は、典型的には、が、コード領域の一部と見なされ得るが、任意の隣接する配列、例えば、プロモーター、リボソーム結合部位、転写ターミネーター、イントロン、および同様のものは、コード領域の一部ではない。コード領域の境界は、典型的には、結果物のポリペプチドのアミノ末端をコードする、5’末端の開始コドンと、結果物のポリペプチドのカルボキシル末端をコードする、3’末端の翻訳停止コドンとによって決定される。
【0129】
本明細書において使用される場合、用語「発現制御領域」は、コード領域によってコードされる産物の発現を対象とするかまたは制御するようにコード領域に作動可能に関連付けられた転写制御要素、例えば、プロモーター、エンハンサー、オペレーター、レプレッサー、リボソーム結合部位、翻訳文リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化認識配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位、ステム-ループ構造、および転写停止シグナルなどを意味する。例えば、コード領域およびプロモーターは、プロモーター機能の導入が結果として、産物をコードするコード領域を含むmRNAの転写を生じる場合、ならびにプロモーターとコード領域との間の連結の性質が、プロモーターがコード領域によってコードされる産物の発現を対象とする能力を妨げないか、またはDNA鋳型の転写される能力を妨げない場合、「作動可能に関連付けられる」(すなわち、「作動可能に連結される」)。発現制御領域は、コード領域の上流(5’非コード配列)、コード領域の内、または下流(3’非コード配列)に位置され、関連するコード領域の転写、RNAプロセシング、安定性、または翻訳に影響を及ぼす、ヌクレオチド配列を含む。コード領域が、真核細胞における発現を意図される場合、ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列は、通常、3’からコード領域までに位置されるであろう。
【0130】
本明細書において使用される場合、用語「宿主細胞」および「細胞」は、相互互換的に使用することができ、ならびに、核酸分子(例えば、組換え核酸分子)を抱えるかまたは抱えることができる、細胞または細胞の集団の任意のタイプ、例えば、一次細胞、培養中の細胞、または細胞系に由来する細胞を意味することができる。宿主細胞は、原核細胞であり得、あるいは、宿主細胞は、真核細胞であり得、例えば、真菌細胞、例えば、酵母細胞など、および様々な動物細胞、例えば、昆虫細胞または哺乳動物物細胞など、であり得る。
【0131】
「培養(Culture)」、「培養する(to culture)」、および「培養すること(culturing)」は、本明細書に使用される場合、細胞増殖または細胞分裂を可能にするインビトロ条件下において細胞をインキュベートすること、または細胞を生きた状態に維持することを意味する。「培養細胞」は、本明細書に使用される場合、インビトロにおいて増殖させられる細胞を意味する。
【0132】
「対象」は、任意のヒトまたは非ヒト動物を包含する。用語「非ヒト動物」は、例えば、これらに限定されるわけではないが、脊椎動物、例えば、哺乳動物、トリ、愛玩動物、農場動物、非ヒト霊長類、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ブタ、ニワトリ、イヌ、ネコ、および齧歯動物、例えば、マウス、ラット、およびモルモットなどを包含する。好ましい態様において、対象はヒトである。用語「対象」および「患者」は、本明細書において相互互換的に使用される。
【0133】
「投与すること(Administering)」は、当業者に既知の任意の様々な方法およびデリバリーシステムを使用した、対象への治療薬の物理的導入を意味する。
【0134】
対象を「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、対象の「治療(treatment)」、または「療法(therapy)」なる用語は、本明細書に使用される場合、症状、併発症、状態、または疾患の生化学的兆候の進行、発症、重症化、または再発を逆転、軽減、改善、阻害、あるいは鈍化または予防するかあるいは全生存を増強する目的において、対象に対して実施される任意のタイプの介入またはプロセス、あるいは対象に活性剤を投与することを意味する。治療は、疾患を有する対象または疾患を有さない対象(例えば、ワクチン接種など予防のため)に対して為され得る。
【0135】
用語「有効用量(effective dose)」、「有効投薬量(effective dosage)」、または「有効量(effective amount)」は、所望の効果を達成するためまたは少なくとも部分的に達成するために十分な量として定義される。薬物または治療薬の「治療有効量(therapeutically effective amount)」または「治療有効投薬量(therapeutically effective dosage)」は、単独においてまたは他の治療薬と組み合わせて使用した場合に、疾患症状の重篤度の減少、疾患無症状期間の頻度および持続期間の増加、全生存の増加(疾患を有すると診断された患者が依然として生存している、疾患に対する診断日または治療の開始日からの時間の長さ)、または疾患心労による障害または身体障害の防止によって明示される疾患の逆行を促進する薬物の任意の量である。薬物の治療有効量または治療有効投薬量は、疾患を発症するリスクにある対象または疾患の再発に苦しむ対象に単独でまたは別の治療薬と組み合わせて投与される場合に、疾患の発症または再発を抑制する薬物の任意の量である、「予防的有効量(prophylactically effective amount)」または「予防的有効投薬量(prophylactically effective dosage)」を包含する。治療薬が疾患の改善を促進する能力または疾患の発症または再発を抑制する能力は、例えば、臨床試験の際のヒト対象において、ヒトでの有効性を予測するための動物モデル系において、またはインビトロアッセイにおいて薬剤の活性を検査することによってなど、熟練した開業医に既知の様々な方法を使用して見積もることができる。
【0136】
本開示の様々な態様は、以下のサブセクションにおいてより詳細に説明される。
【0137】
II.VLPを作製するためのベクター
細菌配列非含有のベクターおよびその作製は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第9,290,778号および同第9,862,954号;Nafissi and Slavcev, Microbial Cell Factories 11:154 (2012);およびNafissi et al., Nucleic Acids 3(6):e165 (2014)に記載される。これらの細菌配列非含有のベクターは、リコンビナーゼのための標的配列を含む特化された「スーパー配列(Super Sequence))」(「SS」)部位を含む発現ベクター(例えば、プラスミド)から作製される。SS部位は、目的の核酸を含む発現カセットに隣接する。適切なリコンビナーゼを発現する組換え細胞に発現ベクターが存在する場合、発現カセットを含む細菌配列非含有のベクターは、発現ベクターバックボーンDNAから分離される。円形に共有結合によって閉鎖された(CCC)細菌配列非含有のベクターを作製するために、組換え細胞が、例えば、CreまたはFlpリコンビナーゼを発現し、ならびに発現ベクターが、リコンビナーゼのための対応する標的配列を含むような作製システムが使用される。本明細書においてミニストリングDNA(msDNA)とも呼ばれる、線形に共有結合によって閉鎖された(LCC)細菌配列非含有のベクターを作製するために、作製システムが使用され、その場合、例えば、組換え細胞は、TelNまたはTelリコンビナーゼを発現し、ならびに発現ベクターは、リコンビナーゼのための対応する標的配列を含む。次いで、細菌配列非含有のベクターを、細胞から精製することができ、デリバリーベクターとして直接使用することができる。米国特許第9,290,778号および同第9,862,954号、Nafissi and Slavcev, and Nafissi et alを参照されたい。
【0138】
LCC末端を有するmsDNAは、ねじれがなく、ならびに、大腸菌(E.coli)におけるそれらの作製の際にジャイレース指向性の負の超螺旋化を受けない。例示的msDNAベクターは、真核性プロモーター、目的の遺伝子(GOI)、イントロン、およびポリA配列を有する発現カセットと、核移行増強配列(nuclear translocation enhancing sequence)とを運搬する(Nafissi and Slavcev, and Nafissi et al.)。その上、その二本鎖LCCトポロジーにより、細胞の染色体へのmsDNAの統合は、染色体切断を生じ、それにより、集団から細胞を排除する。したがって、msDNAは、挿入突然変異誘発の全てのリスクを排除し、msDNAを投与された患者を、潜在的遺伝毒性およびがんから保護する(Nafissi et al.)。
【0139】
いくつかの態様において、本明細書において開示されるVLPを作製するための細菌配列非含有のベクターは、当技術分野において既知の任意の他の方法により作製されたCCCまたはLCCを含む。
【0140】
A.細菌配列非含有のベクターを作製するための、発現ベクター、発現カセット、およびベクター作製システム、ならびにVLP
免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルスからの保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む発現カセットを含む発現ベクターであって、発現カセットから細胞内において発現されるタンパク質がVLPを形成することができる、上記発現ベクターが本明細書において提供される。
【0141】
免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルスからの保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む発現カセットと、発現カセットの両側に隣接する第1のリコンビナーゼに対する標的配列と、第1のリコンビナーゼに対する標的配列の非結合領域内に統合された1つまたは複数の追加のリコンビナーゼに対する1つまたは複数の追加の標的配列とを含む発現ベクターであって、発現カセットから細胞内において発現されるタンパク質がVLPを形成することができる、上記発現ベクターが本明細書において提供される。
【0142】
保存された免疫原性アミノ酸配列としては、当技術分野において既知のもの、ならびに既知の技術によって特定されたものが挙げられる。例えば、ゲノムベースの逆ワクチン学(reverse vaccinology)は、異なる病原性株の間においてゲノム配列を比較するために使用することができる生物学研究の分野である比較ゲノミクス分析(comparative genomics analysis)に適用することができる(例えば、Sieb et al., Clin. Microbiol. Infect. 18(Suppl. 5):109-116 (2012)を参照されたい)。他の配列決定法、構造的手法、およびコンピュータ的手法も使用することができる(例えば、Liljeroos et al., J. Immunol. Res. 2015: 156241;Sette and Rappuoli, Immunity 33(4):530-541 (2010)を参照されたい)。
【0143】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、ウイルス糖タンパク質由来である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、同じウイルス糖タンパク質由来である。
【0144】
いくつかの態様において、発現カセットは、ウイルスエンベロープタンパク質をコードする核酸配列および/またはウイルスマトリックスタンパク質をコードする核酸配列をさらに含む。いくつかの態様において、ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。
【0145】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、免疫原性アミノ酸配列、ウイルスエンベロープタンパク質、および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、コンセンサス配列である。
【0146】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、中和抗体を含むウイルスに対する免疫反応を刺激することができる。保存された部位は、例えば、多くの場合、広範な中和抗体によって認識され、ならびに、抗体不活性化を受けやすい(例えば、Nabel, N. Engl. J. Med. 368(6): 551-560 (2013)を参照されたい)。
【0147】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。細胞媒介性免疫は、細胞傷害性T細胞が抗原に感染した細胞を認識して細胞溶解を誘導するプロセスである。
【0148】
いくつかの態様において、免疫反応は、関連ウイルスまたは関連株対して交差反応性である。例えば、異なるウイルス抗原型/株の間において保存された配列は、万能ワクチンとして、複数の抗原型/株に対して保護を提供するために利用することができる。
【0149】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、ウイルス由来のアミノ酸配列を排除している。
【0150】
いくつかの態様において、発現カセットは、発現カセットの翻訳産物が2つ以上のタンパク質へと細胞内において切断されるように、タンパク質をコードする各核酸配列の間の自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含む単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、自己切断ペプチドは、2A自己切断ペプチドである。いくつかの態様において、2A自己切断ペプチドは、豚テッショウウイルス-1由来のP2Aである。いくつかの態様において、2A自己切断ペプチドは、ゾーシーアシグナ(Thosea asigna)ウイルス2A由来のT2Aである。
【0151】
いくつかの態様において、発現カセットは、ウイルスマトリックスタンパク質をコードする核酸配列とウイルスエンベロープタンパク質との間、ウイルスマトリックスタンパク質をコードする核酸配列と組換えタンパク質との間、および/またはウイルスエンベロープタンパク質をコードする核酸配列と組換えタンパク質との間の自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含む。いくつかの態様において、発現カセットは、ウイルスマトリックスタンパク質、自己切断性ペプチド、ウイルスエンベロープタンパク質、自己切断性ペプチド、および組換えタンパク質をコードする5’から3’の核酸配列を含む。いくつかの態様において、発現カセットは、ウイルスエンベロープタンパク質、自己切断性ペプチド、ウイルスマトリックスタンパク質、自己切断性ペプチド、および組換えタンパク質をコードする5’から3’の核酸配列を含む。
【0152】
いくつかの態様において、発現カセットは、遺伝子発現のためのマーカーをコードする核酸配列をさらに含む。いくつかの態様において、遺伝子発現のためのマーカーは、蛍光レポーター遺伝子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、または近赤外蛍光タンパク質(iRFP)など;ルシフェラーゼなどの生物発光性レポーター遺伝子;選択可能な抗生物質マーカー;またはLacZである。いくつかの態様において、発現カセットは、遺伝子発現のためのマーカーをコードする核酸配列とタンパク質をコードする任意の他の核酸配列の間自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0153】
発現カセットは、タンパク質コード核酸配列に作動可能に連結された、当業者に既知の任意の発現制御領域を含むことができる。いくつかの態様において、発現制御領域は、プロモーター、エンハンサー、オペレーター、レプレッサー、リボソーム結合部位、翻訳文リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化認識配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位、ステム-ループ構造、転写停止シグナル、またはそれらの組み合わせである。
【0154】
いくつかの態様において、第1のリコンビナーゼに対する標的配列ならびに1つまたは複数の追加のリコンビナーゼに対する1つまたは複数の追加の標的配列は、PY54 pal部位、N15 telRL部位、loxP部位、φK02 telRL部位、FRT部位、phiC31 attP部位、およびλ attP部位からなる群から選択される。いくつかの態様において、発現ベクターは、各標的配列を含む。いくつかの態様において、発現ベクターは、Telリコンビナーゼpal部位と、pal部位内に統合されたtelRL、loxP、およびFRTリコンビナーゼ標的結合配列とを含む。
【0155】
いくつかの態様において、発現ベクターは、細菌配列非含有のベクターを製造するためのベクターである。いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、円形に共有結合した閉鎖端を有する。いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、直鎖状に共有結合した閉鎖端を有する。
【0156】
いくつかの態様において、発現ベクターは、第1のリコンビナーゼに対する標的配列の両側に隣接する少なくとも1つのエンハンサー配列をさらに含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのエンハンサー配列は、少なくとも2つのエンハンサー配列である。いくつかの態様において、少なくとも1つのエンハンサー配列は、SV40エンハンサー配列である。
【0157】
保存されたアミノ酸配列、免疫原性アミノ酸配列、および/または本明細書において開示されるウイルスタンパク質の供給源は、ヒト感染症または動物感染症に関連する任意のウイルスであり得る。
【0158】
いくつかの態様において、ウイルスコロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである。
【0159】
いくつかの態様において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザA型ウイルスである。いくつかの態様において、インフルエンザA型ウイルスは、H1N1、H5N1、またはH3N2である。
【0160】
いくつかの態様において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザB型ウイルスである。
【0161】
いくつかの態様において、コロナウイルスは、ヒトコロナウイルス、例えば、これらに限定されるわけではないが、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2(すなわち、COVID-19))、および/またはMERS-CoVなど、である。
【0162】
いくつかの態様において、コロナウイルスは、COVID-19(すなわち、武漢-胡-1またはその変異株、例えば、これに限定されるわけではないが、イギリス変異株B.1.1.7、南アフリカ変異株B.1.351、ブラジル変異株P.1、またはカリフォルニア変異株B.1.427/429など)である。
【0163】
誘導性プロモーターの制御下において少なくとも1つの第1のリコンビナーゼをコードするように設計されたリコンビナーゼ細胞を含むベクター製造システムであって、細胞が、少なくとも第1のリコンビナーゼに対する標的を含む本明細書において開示される発現ベクターを含む、ベクター製造システムが本明細書において提供される。いくつかの態様において、誘導性プロモーターは、熱的調節性、化学的調節性、IPTG調節性、グルコース調節性、アラビノース誘導性、T7ポリメラーゼ調節性、低温衝撃誘導性、pH誘導性、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、少なくとも第1のリコンビナーゼは、telNおよびtelから選択され、ならびに発現ベクターは、少なくとも第1のリコンビナーゼに対する標的配列を組み入れる。いくつかの態様において、少なくとも第1のリコンビナーゼは、CreまたはFlpから選択され、ならびに発現ベクターは、少なくとも第1のリコンビナーゼに対する標的配列を組み入れる。いくつかの態様において、組換え細胞は、ヌクレアーゼゲノム編集システムをコードするようにさらに設計されており、ならびに発現ベクターは、ヌクレアーゼゲノム編集システムのための切断部位を含むバックボーン配列をさらに含む。いくつかの態様において、ヌクレアーゼゲノム編集システムは、CasヌクレアーゼおよびgRNAを含むCRISPRヌクレアーゼシステムであり、ならびに発現ベクターは、バックボーン配列内にgRNAのための標的配列を含む。
【0164】
少なくとも第1のリコンビナーゼあるいは第1のリコンビナーゼおよびヌクレアーゼゲノム編集システムの発現にとって好適な条件下において、本明細書において説明されるベクター作製システムをインキュベートする工程を含む、細菌配列非含有のベクターを作製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様において、方法は、細菌配列非含有のベクターを収穫する工程をさらに含む。本開示は、方法によって作製される細菌配列非含有のベクターも対象とする。
【0165】
A.1コロナウイルス配列を含む発現カセット
コロナウイルスは、コロナウイルス亜科(subfamily Coronovirinae)、ならびにアルファコロナウイルス属(Alphacoronavirus)、ベータコロナウイルス属Betacoronavirus)、ガンマコロナウイルス属(Gammacoronavirus)、およびデルタコロナウイルス属(Deltacoronavirus)を含む、コロナウイルス科(Coronaviridae)の任意のウイルスを含む。例えば、Fung and Liu (2019)を参照されたい。コロナウイルスは、ヒトコロナウイルス(HCoVs)、例えば、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1など、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV、例えば、SARS-CoV-1およびSARS-CoV-2(すなわち、COVID-19))、中東呼吸性症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、動物原性感染症コロナウイルス(例えば、SARS-CoVおよびMERS-CoV)、バットコロナウイルス(BtCoV)、トリコロナウイルス、マウスコロナウイルス、およびヒヨドリコロナウイルス(BuCoV)を含む。
【0166】
コロナウイルスゲノムは、約27キロベースから32キロベースの範囲のポジティブセンスの非セグメント化一本鎖RNAである(例えば、Fung and Liu, Annu. Rev. Microbiol. 73:529-557 (2019)を参照されたい)。例えば、それぞれ、27.9kbおよび30.1kbのゲノムのSARS-CoVおよびMERS-CoVと比較して、COVID-19(武漢-胡-1コロナウイルス(WHCV)、SARS-CoV-2、および2019-nCoVとも呼ばれる)の完全ゲノムは、29.9キロベースのサイズを有する(Zhou et al., Nature 579: 270-273 (2020))。COVID-19ゲノムは、Bat CoV RaTG13ゲノムに対して96.2%同一であることが分かっており、それは、コウモリにおいて見出されるSARS-CoV-2におけるタイプであり、おそらく未知の中間宿主を介してヒトに伝播したウイルスの源である。
【0167】
コロナウイルスは、膜(M)タンパク質を有し、それは、ウイルスエンベロープを支持し、3つの膜貫通ドメインをエンベロープに埋め込む、最も豊富な構造タンパク質である。Mタンパク質は、ウイルスアセンブリおよび出芽にとって必須である。
【0168】
エンベロープ(E)タンパク質は、コロナウイルスにおける小さい膜貫通タンパク質であり、Mタンパク質より少ない量においてエンベロープにも存在する。Eタンパク質も、ウイルスアセンブリおよび出現に関与する。
【0169】
コロナウイルスにおけるヌクレオカプシド(N)タンパク質は、beads-on-a-string(糸を通したビーズ)状のRNAゲノムに結合し、左右対称のヌクレオカプシドを形成する。
【0170】
コロナウイルスのビリオン表面は、三量体スパイク(S)タンパク質で飾られている。いくつかのベータコロナウイルスは、二量体ヘマグルチニン-エステラーゼ(HE)タンパク質も有し、それは、ビリオン表面状のより短い突起部を構築する。Sタンパク質およびHEタンパク質のそれぞれは、大きなエクトドメインと短いエンドドメインとを有するI型膜貫通タンパク質である。
【0171】
Sタンパク質は、2つのサブユニットS1およびS2を含み、ならびにそのC末端においてウイルスエンベロープにアンカー固定される。例えば、COVID-19のS1サブユニットは、N-末端ドメイン(NTD)および受容体結合ドメイン(RBD)を含み、その一方で、S2サブユニットは、融合ペプチド(FP)、内部融合タンパク質(IFP)、ヘプタッドリピート(heptad repeat)1/2(HR1/2)、および膜貫通ドメイン(TM)を含む。Sタンパク質の大きなエクトドメインは、三量体化して、ビリオンの表面において特徴的なコロナウイルススパイクを形成する。Sタンパク質は、受容体結合および宿主細胞へのビリオンの侵入を担っている(Fehr and Perlman, Coronaviruses: An Overview of Their Replication and Pathogenesis. In: Maier H., Bickerton E., Britton P. (eds) Coronaviruses. Methods in Molecular Biology, vol 1282. Humana Press, New York, NY; Wall et al., Cell 180: 1-12 (2020))。
【0172】
多くのウイルスに由来する融合タンパク質は、標的細胞への病原菌の侵入を可能にするための、融合タンパク質の付近でのタンパク質分解的事象を必要とする。例えば、COVID-19に由来するSタンパク質は、2つの切断部位を有し、第1の切断部位は、S1/S2境界にあるが、融合ペプチドに密接には連結されていない。第2の切断部位(S2’)は、全ての配列決定されたコロナウイルスの間において高度に保存されるS2’のすぐ下流のモチーフである内部融合ペプチド(IFP)を露出される。IFPの配列は、SFIEDLLFNKVTLADAGF(配列番号7)であり、その中の太字のLLF残基は、膜融合および感染力にとって重要である(Madu et al., J. Virol. 83(15): 7411-7421 (2009))。COVID-19は、同じ分岐群における他のコロナウイルスには見出されないが特にインフルエンザの病原型(H5N1)において同様に見出されるS1/S2部位における標準のフューリン様切断モチーフの存在を実証する。S1/S2境界面でのフューリンなどの他のプロテアーゼによる切断は、おそらく、ウイルスの指向性を広げ、動物からヒトへの伝播の可能性を高める(Coutard et al., Antiviral Res. 176:104742 (2020))。
【0173】
いくつかの態様において、発現カセットは、コロナウイルス膜(M)タンパク質、コロナウイルスエンベロープ(E)タンパク質、コロナウイルススパイク(S)タンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む。M、E、およびSタンパク質は、本明細書において、相互互換的に、M、E、およびS糖タンパク質糖とも呼ばれ得る。
【0174】
いくつかの態様において、Mタンパク質は、配列番号1に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、Mタンパク質は、配列番号1を含む。いくつかの態様において、Mタンパク質は、配列番号1である。
【0175】
いくつかの態様において、Mタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、Mタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号2を含む。いくつかの態様において、Mタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号2である。
【0176】
いくつかの態様において、Eタンパク質は、配列番号3に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、Eタンパク質は、配列番号3を含む。いくつかの態様において、Eタンパク質は、配列番号3である。いくつかの態様において、Eタンパク質は、別のアミノ酸による配列番号3におけるアミノ酸番号71に位置されたプロリン(配列番号3のP71における)の置換を含む。いくつかの態様において、配列番号3のP71における置換は、プロリンからロイシンへの変更である(すなわち、P71L)。
【0177】
いくつかの態様において、Eタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号4に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、Eタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号4を含む。いくつかの態様において、Eタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号4である。いくつかの態様において、Eタンパク質をコードする核酸配列は、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号4のヌクレオチド番号211~213におけるプロリンに対するコドンの置換を含む。いくつかの態様において、配列番号4のヌクレオチド番号211~213におけるプロリンに対するコドンは、ロイシンに対するコドンで置換される。
【0178】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、Sタンパク質のS1サブユニットまたはS2サブユニット、Sタンパク質のRBD、Sタンパク質のSタンパク質S2’切断部位および内部融合ペプチド(IFP)(本明細書においてS2’IFPと呼ばれる)、Mタンパク質、またはEタンパク質に由来する。
【0179】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12~54のいずれか1つに対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12~54のいずれか1つを含む。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12~54のいずれか1つである。
【0180】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号7に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号7を含む。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号7である。
【0181】
いくつかの態様において、組換えタンパク質の保存されたアミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号8に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質の保存されたアミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号8を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質の保存されたアミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号8である。
【0182】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)由来である。
【0183】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11を含む。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11である。いくつかの態様において、免疫原性タンパク質は、別のアミノ酸による、配列番号11における、アミノ酸番号88に位置されたリジン(すなわち、K88)、アミノ酸番号123に位置されたロイシン(すなわち、L123)、アミノ酸番号155に位置されたグルタメート(すなわち、E155)、またはアミノ酸番号172に位置されたアスパラギン(すなわち、N172)のうちの1つまたは複数の置換それぞれ、配列番号5にK417、L452、E484、およびN501に対応する)を含む。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Nである(すなわち、リジンからアスパラギンへの変更)。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Tである(すなわち、リジンからトレオニンへの変更)。いくつかの態様において、L123における置換は、L123Rである(すなわち、ロイシンからアルギニンへの変更)。いくつかの態様において、E155における置換は、E155Kである(すなわち、グルタメートからリジンへの変更)。いくつかの態様において、N172における置換は、N172Yである(すなわち、アスパラギンからチロシンへの変更)。
【0184】
いくつかの態様において、組換えタンパク質の免疫原性アミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号101に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質の免疫原性アミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号101を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質の免疫原性アミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号101である。いくつかの態様において、免疫原性タンパク質をコードする核酸配列は、以下:別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号101のヌクレオチド番号262~264におけるリジンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号101のヌクレオチド番号367~369におけるロイシンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号101のヌクレオチド番号463~465におけるグルタメートに対するコドンの置換、または別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号101のヌクレオチド番号514~516におけるアスパラギンに対するコドン置換のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号262~264におけるリジンに対するコドンは、アスパラギンまたはトレオニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号367~369におけるロイシンに対するコドンは、アルギニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号463~465におけるグルタメートに対するコドンは、リシンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号514~516におけるアスパラギンに対するコドンは、チロシンに対するコドンで置換される。
【0185】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、Sタンパク質由来の膜貫通(TM)ドメイン配列をさらに含む。
【0186】
いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102を含む。いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102である。
【0187】
いくつかの態様において、組換えタンパク質のTMドメイン配列をコードする核酸配列は、配列番号103に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質のTMドメイン配列をコードする核酸配列は、配列番号103を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質のTMドメイン配列をコードする核酸配列は、配列番号103である。
【0188】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、S2’IFP由来の保存されたアミノ酸配列、RBD由来の免疫原性アミノ酸配列、およびSタンパク質のTMドメイン配列を含む。
【0189】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している。
【0190】
いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55である。いくつかの態様において、組換えタンパク質は、別のアミンによる、配列番号55におけるK88、L123、E155、またはN172のうちの1つまたは複数の置換を含む。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Nである。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Tである。いくつかの態様において、L123における置換は、L123Rである。いくつかの態様において、E155における置換は、E155Kである。いくつかの態様において、N172における置換は、N172Yである。
【0191】
いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号56に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号56を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号56である。いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする核酸配列は、以下:別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号56のヌクレオチド番号262~264におけるリジンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号56のヌクレオチド番号367~369におけるロイシンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号56のヌクレオチド番号463~465におけるグルタメートに対するコドンの置換、または別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号56のヌクレオチド番号514~516におけるアスパラギンに対するコドンの置換、のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号262~264におけるリジンに対するコドンは、アスパラギンまたはトレオニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号367~369におけるロイシンに対するコドンは、アルギニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号463~465におけるグルタメートに対するコドンは、リシンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号514~516におけるアスパラギンに対するコドンは、チロシンに対するコドンで置換される。
【0192】
いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号57に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号57を含むアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号57であるアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、以下:別のアミノ酸による、配列番号57におけるP71、K423、L458、E490、またはN507のうちの1つまたは複数の置換を含むアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、P71における置換は、P71Lである。いくつかの態様において、K423における置換は、K423Nである。いくつかの態様において、K423における置換は、K423Tである。いくつかの態様において、L458における置換は、L458Rである。いくつかの態様において、E490における置換は、E490Kである。いくつかの態様において、N507における置換は、N507Yである。
【0193】
いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号58に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号58を含む単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号58である単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、以下:別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号211~213でのプロリンに対するコドン、の置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58のヌクレオチド番号1267~1269におけるリジンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58のヌクレオチド番号1372~1374におけるロイシンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58のヌクレオチド番号1468~1470におけるグルタメートに対するコドンの置換、または別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58のヌクレオチド番号1519~1521におけるアスパラギンに対するコドンの置換、のうちの1つまたは複数を含む単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、配列番号58におけるヌクレオチド番号211~213でのプロリンに対するコドンは、ロイシンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1267~1269におけるリジンに対するコドンは、アスパラギンまたはトレオニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1372~1374におけるロイシンに対するコドンは、アルギニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1468~1470におけるグルタメートに対するコドンは、リシンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1519~1521におけるアスパラギンに対するコドンは、チロシンに対するコドンで置換される。
【0194】
いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号59~62のうちのいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号59~62のうちのいずれか1つの核酸配列を含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号59~62のうちのいずれか1つの核酸配列である。
【0195】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる。
【0196】
いくつかの態様において、組換えタンパク質COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0197】
いくつかの態様において、COVID-19に対する免疫反応は、武漢-胡-1および/または1つまたは複数の変異株、例えば、これらに限定されるわけではないが、イギリス変異株B.1.1.7、南アフリカ変異株B.1.351、ブラジル変異株P.1、またはカリフォルニア変異株B.1.427/429など、に対する免疫反応である。
【0198】
いくつかの態様において、免疫反応は、他のコロナウイルスに対して交差反応性である。いくつかの態様において、免疫反応は、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0199】
配列番号57に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが本明細書において提供される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号57を含むアミノ酸配列をコードする。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号57であるアミノ酸配列をコードする。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、以下:別のアミノ酸による、配列番号57におけるP71、K423、L458、E490、またはN507、のうちの1つまたは複数の置換を含むアミノ酸配列をコードする。いくつかの態様において、P71における置換は、P71Lである。いくつかの態様において、K423における置換は、K423Nである。いくつかの態様において、K423における置換は、K423Tである。いくつかの態様において、L458における置換は、L458Rである。いくつかの態様において、E490における置換は、E490Kである。いくつかの態様において、N507における置換は、N507Yである。
【0200】
配列番号58に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一の核酸配列を含むポリヌクレオチドが本明細書において提供される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号58を含む。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号58である。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、以下:別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号211~213でのプロリンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号1267~1269でのリジンプロリンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号1372~1374でのロイシンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号1468~1470でのグルタメートに対するコドンの置換、または別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号1519~1521でのアスパラギンに対するコドンの置換、のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、配列番号58におけるヌクレオチド番号211~213でのプロリンに対するコドンは、ロイシンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1267~1269におけるリジンに対するコドンは、アスパラギンまたはトレオニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1372~1374におけるロイシンに対するコドンは、アルギニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1468~1470におけるグルタメートに対するコドンは、リジンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1519~1521におけるアスパラギンに対するコドンは、チロシンに対するコドンで置換される。
【0201】
B.細菌配列非含有のベクター
本開示の細菌配列非含有のベクターは、本開示の任意の発現カセットを含むことができる。
【0202】
免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルス由来の保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む発現カセットを含む細菌配列非含有のベクターであって、発現カセットから細胞内において発現されるタンパク質がVLPを形成することができる、上記細菌配列非含有のベクターが本明細書において提供される。
【0203】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、ウイルス糖タンパク質由来である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、同じウイルス糖タンパク質由来である。
【0204】
いくつかの態様において、発現カセットは、ウイルスエンベロープタンパク質をコードする核酸配列および/またはウイルスマトリックスタンパク質をコードする核酸配列をさらに含む。いくつかの態様において、ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。
【0205】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、免疫原性アミノ酸配列は、ウイルスエンベロープタンパク質、および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、コンセンサス配列である。
【0206】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、中和抗体を含むウイルスに対する免疫反応を刺激することができる。
【0207】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0208】
いくつかの態様において、免疫反応は、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である。
【0209】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、ウイルス由来のアミノ酸配列を排除している。
【0210】
いくつかの態様において、発現カセットは、タンパク質をコードする各核酸配列の間の自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含む単一のオープンリーディングフレームを含む。発現カセットおよび自己切断ペプチドは、発現ベクターに関して上記において説明されたものを含む。
【0211】
いくつかの態様において、ウイルスは、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである。
【0212】
いくつかの態様において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザA型ウイルスである。いくつかの態様において、インフルエンザA型ウイルスは、H1N1、H5N1、またはH3N2である。
【0213】
いくつかの態様において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザB型ウイルスである。
【0214】
いくつかの態様において、コロナウイルスは、ヒトコロナウイルス、例えば、これに限定されるわけではないが、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2(すなわち、COVID-19))、および/またはMERS-CoVなど、である。
【0215】
いくつかの態様において、コロナウイルスはCOVID-19である(すなわち、武漢-胡-1またはその変異株、例えば、これに限定されるわけではないが、イギリス変異株B.1.1.7、南アフリカ変異株B.1.351、ブラジル変異株P.1、またはカリフォルニア変異株B.1.427/429など)。
【0216】
いくつかの態様において、発現カセットは、コロナウイルスMタンパク質、コロナウイルスEタンパク質、ならびにコロナウイルスSタンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む。
【0217】
いくつかの態様において、Mタンパク質は、配列番号1に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、Mタンパク質は、配列番号1を含む。いくつかの態様において、Mタンパク質は、配列番号1である。
【0218】
いくつかの態様において、Mタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、Mタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号2を含む。いくつかの態様において、Mタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号2である。
【0219】
いくつかの態様において、Eタンパク質配列番号3に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、Eタンパク質は、配列番号3を含む。いくつかの態様において、Eタンパク質は、配列番号3である。いくつかの態様において、Eタンパク質は、別のアミノ酸による、配列番号3におけるP71の置換を含む。いくつかの態様において、配列番号3のP71における置換は、P71Lである。
【0220】
いくつかの態様において、Eタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号4に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、Eタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号4を含む。いくつかの態様において、Eタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号4である。いくつかの態様において、Eタンパク質をコードする核酸配列は、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号4のヌクレオチド番号211~213におけるプロリンに対するコドンの置換を含む。いくつかの態様において、配列番号4のヌクレオチド番号211~213におけるプロリンに対するコドンは、ロイシンに対するコドンで置換される。
【0221】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、Sタンパク質のS1サブユニットまたはS2サブユニット、Sタンパク質のRBD、Sタンパク質のSタンパク質S2’切断部位および内部融合ペプチド(IFP)(本明細書においてS2’IFPと呼ばれる)、Mタンパク質、あるいはEタンパク質に由来する。
【0222】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12~54のいずれか1つに対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12~54のいずれか1つを含む。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12~54のいずれか1つである。
【0223】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号7に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号7を含む。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号7である。
【0224】
いくつかの態様において、組換えタンパク質における保存されたアミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号8に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質における保存されたアミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号8を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質における保存されたアミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号8である。
【0225】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)由来である。
【0226】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11を含む。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、以下:別のアミノ酸による、配列番号11におけるK88、L123、155E、またはN172のうちの1つまたは複数の置換を含む。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Nである。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Tである。いくつかの態様において、L123における置換は、L123Rである。いくつかの態様において、E155における置換は、E155Kである。いくつかの態様において、N172における置換は、N172Yである。
【0227】
いくつかの態様において、組換えタンパク質の免疫原性アミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号101に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質の免疫原性アミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号101を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質の免疫原性アミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号101である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列をコードする核酸配列は、以下:別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号101のヌクレオチド番号262~264におけるリジンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号101のヌクレオチド番号367~369におけるロイシンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号101のヌクレオチド番号463~465におけるグルタメートに対するコドンの置換、または別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号101のヌクレオチド番号514~516におけるアスパラギンに対するコドンの置換、のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号262~264におけるリジンに対するコドンは、アスパラギンまたはトレオニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号367~369におけるロイシンに対するコドンは、アルギニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号463~465におけるグルタメートに対するコドンは、リジンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号514~516におけるアスパラギンに対するコドンは、チロシンに対するコドンで置換される。
【0228】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、Sタンパク質由来の膜貫通(TM)ドメイン配列をさらに含む。
【0229】
いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102を含む。いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102である。
【0230】
いくつかの態様において、組換えタンパク質のTMドメイン配列をコードする核酸配列は、配列番号103に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質のTMドメイン配列をコードする核酸配列は、配列番号103を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質のTMドメイン配列をコードする核酸配列は、配列番号103である。
【0231】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、S2’IFP由来の保存されたアミノ酸配列、RBD由来の免疫原性アミノ酸配列、およびSタンパク質のTMドメイン配列を含む。
【0232】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している。
【0233】
いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55である。いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、別のアミンによる配列番号55におけるK88,L123、E155、またはN172のうちの1つまたは複数の置換を含む。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Nである。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Tである。いくつかの態様において、L123における置換は、L123Rである。いくつかの態様において、E155における置換は、E155Kである。いくつかの態様において、N172における置換は、N172Yである。
【0234】
いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号56に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号56を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号56である。いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする核酸配列は、以下:別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号56のヌクレオチド番号262~264におけるリジンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号56のヌクレオチド番号367~369におけるロイシンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号56のヌクレオチド番号463~465におけるグルタメートに対するコドンの置換、または別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号56のヌクレオチド番号514~516におけるアスパラギンに対するコドンの置換、のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号262~264におけるリジンに対するコドンは、アスパラギンまたはトレオニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号367~369におけるロイシンに対するコドンは、アルギニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号463~465におけるグルタメートに対するコドンは、リジンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号514~516におけるアスパラギンに対するコドンは、チロシンに対するコドンで置換される。
【0235】
いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号57に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号57を含むアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号57であるアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、別のアミノ酸による、配列番号57におけるP71、K423、L458、E490、またはN507のうちの1つまたは複数の置換を含むアミノ酸配列として翻訳された単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、P71における置換は、P71Lである。いくつかの態様において、K423における置換は、K423Nである。いくつかの態様において、K423における置換は、K423Tである。いくつかの態様において、L458における置換は、L458Rである。いくつかの態様において、E490における置換は、E490Kである。いくつかの態様において、N507における置換は、N507Yである。
【0236】
いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号58に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号58を含む単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号58である単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、以下:別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号211~213でのプロリンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号1267~1269でのリジンプロリンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号1372~1374でのロイシンに対するコドンの置換、別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号1468~1470でのグルタメートに対するコドンの置換、または別のアミノ酸に対するコドンによる、配列番号58におけるヌクレオチド番号1519~1521でのアスパラギンに対するコドンの置換、のうちの1つまたは複数を含む単一のオープンリーディングフレームを含む。いくつかの態様において、配列番号58におけるヌクレオチド番号211~213でのプロリンに対するコドンロイシンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1267~1269におけるリジンに対するコドンは、アスパラギンまたはトレオニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1372~1374におけるロイシンに対するコドンは、アルギニンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1468~1470におけるグルタメートに対するコドンは、リジンに対するコドンで置換される。いくつかの態様において、ヌクレオチド番号1519~1521におけるアスパラギンに対するコドンは、チロシンに対するコドンで置換される。
【0237】
いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号59~62のうちのいずれか1つに対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号59~62のうちのいずれか1つを含む。いくつかの態様において、発現カセットは、配列番号59~62のうちのいずれか1つである。
【0238】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる。
【0239】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0240】
いくつかの態様において、COVID-19に対して免疫反応は、武漢-胡-1および/または1つまたは複数の変異株、例えば、これに限定されるわけではないが、イギリス変異株B.1.1.7、南アフリカ変異株B.1.351、ブラジル変異株P.1、またはカリフォルニア変異株B.1.427/429など、に対する免疫反応である。
【0241】
いくつかの態様において、免疫反応は、他のコロナウイルスに対して交差反応性である。いくつかの態様において、免疫反応は、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0242】
いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、発現カセットの両側に隣接する少なくとも1つのエンハンサー配列をさらに含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのエンハンサー配列は、少なくとも2つのエンハンサー配列である。いくつかの態様において、少なくとも1つのエンハンサー配列は、SV40エンハンサー配列である。
【0243】
いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、円形に共有結合した閉鎖端を含む。
【0244】
いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、直鎖状に共有結合した閉鎖端を含む。いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、本明細書において開示されるmsDNAである。例示的msDNAに対するベクターマップが、
図4に示される。
【0245】
いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、配列番号104に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、配列番号104を含む。いくつかの態様において、細菌配列非含有のベクターは、配列番号104である。
【0246】
III.VLP
いくつかの態様において、本明細書において開示されるVLPは、本明細書において説明される発現ベクターの発現カセットおよび/または細菌配列非含有のベクターの発現カセットから作製される。
【0247】
本明細書において説明される発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターを含む組換え細胞が本明細書において提供される。
【0248】
いくつかの態様において、組換え細胞は、酵母細胞、細菌細胞、古細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、または様々な動物細胞、例えば、哺乳動物細胞など、である。いくつかの態様において、組換え細胞は、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)細胞、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)または他の酵母、大腸菌(E. coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、Sf9細胞、C129細胞、HEK293細胞、ニューロスポラ属(Neurospora)の細胞、BHK細胞、CHO細胞、COS細胞、ヒーラ株細胞、Hep G2細胞、ならびにヒト細胞および細胞系を含む。
【0249】
いくつかの態様において、発現ベクターは、ヒト細胞または細胞系における発現のためのもの、例えば、
図2に示された例示的ベクターなど、である。
【0250】
いくつかの態様において、発現ベクターは、パキュロウイルスベクター、例えば、
図5に示された例示的ベクターなど、であり、ならびに細胞タイプは、昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)である。
【0251】
いくつかの態様において、本開示は、VLPを作製する方法であって、発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターからのVLPの作製にとって好適な条件下において発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターを含む組換え細胞を培養する工程を含む、上記方法を対象とする。
【0252】
いくつかの態様において、VLPを作製する方法は、VLPを単離する工程をさらに含む。いくつかの態様において、VLPは、上記発現ベクターのいずれかまたは上記細菌配列非含有のベクターのいずれかによって作製され、この場合、ウイルスはコロナウイルスである。
【0253】
いくつかの態様において、VLPは、細胞溶解物から単離される。
【0254】
いくつかの態様において、単離工程は、アフィニティー精製によって行われる。いくつかの態様において、アフィニティー精製は、マイクロフルイディクスおよび/またはクロマトグラフィーを含む。
【0255】
いくつかの態様において、アフィニティー精製は、アンギオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体ペプチドまたは抗Sタンパク質モノクローナル抗体を含む。
【0256】
いくつかの態様において、ACE2受容体ペプチドは、配列番号70に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ACE2受容体ペプチドは、配列番号70を含む。いくつかの態様において、ACE2受容体ペプチドは、配列番号70である。
【0257】
いくつかの態様において、ACE2受容体ペプチドは、ペプチドのC末端またはN末端にビオチン受容体ペプチド(BAP)タグを含む。いくつかの態様において、BAPタグは、配列番号71に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、BAPタグは、配列番号71を含む。いくつかの態様において、BAPタグは、配列番号71である。
【0258】
いくつかの態様において、ACE2受容体ペプチドまたは抗Sタンパク質モノクローナル抗体は、ビオチン化され、ならびにストレプトアビジン被覆ビーズ上に固定される。いくつかの態様において、アフィニティー精製は、マイクロフルイディクスおよび/またはクロマトグラフィーを含む。
【0259】
いくつかの態様において、本開示は、方法によって作製されたVLPを対象とする。
【0260】
免疫原性アミノ酸配列に融合したウイルスからの保存されたアミノ酸配列を含む組換えタンパク質を含むVLPが本明細書において提供される。
【0261】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。
【0262】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、ウイルス糖タンパク質由来である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、同じウイルス糖タンパク質由来である。
【0263】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質をさらに含む。いくつかの態様において、ウイルスエンベロープタンパク質および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、保存されたアミノ酸配列と同じウイルス由来である。
【0264】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、免疫原性アミノ酸配列、ウイルスエンベロープタンパク質、および/またはウイルスマトリックスタンパク質は、コンセンサス配列である。
【0265】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、中和抗体を含むウイルスに対する免疫反応を刺激することができる。
【0266】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、ウイルスに対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0267】
いくつかの態様において、免疫反応は、関連ウイルスまたは関連株対して交差反応性である。
【0268】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、ウイルス由来のアミノ酸配列を排除している。
【0269】
いくつかの態様において、ウイルスコロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである。
【0270】
いくつかの態様において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザA型ウイルスである。いくつかの態様において、インフルエンザA型ウイルスは、H1N1、H5N1、またはH3N2である。
【0271】
いくつかの態様において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザB型ウイルスである。
【0272】
いくつかの態様において、コロナウイルスは、ヒトコロナウイルス、例えば、これに限定されるわけではないが、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2(すなわち、COVID-19))、および/またはMERS-CoVなど、である。
【0273】
いくつかの態様において、コロナウイルスは、COVID-19である(すなわち、武漢-胡-1またはその変異株、例えば、これに限定されるわけではないが、イギリス変異株B.1.1.7、南アフリカ変異株B.1.351、ブラジル変異株P.1、またはカリフォルニア変異株B.1.427/429など)。
【0274】
いくつかの態様において、VLPは、コロナウイルスMタンパク質、コロナウイルスEタンパク質、ならびにコロナウイルスSタンパク質由来の保存されたアミノ酸配列および免疫原性アミノ酸配列を含む組換えタンパク質を含む。
【0275】
いくつかの態様において、Mタンパク質は、配列番号1に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、Mタンパク質、配列番号1を含む。いくつかの態様において、Mタンパク質は、配列番号1である。
【0276】
いくつかの態様において、Eタンパク質は、配列番号3に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、Eタンパク質配列番号3を含む。いくつかの態様において、Eタンパク質は、配列番号3である。いくつかの態様において、Eタンパク質は、別のアミノ酸による配列番号3におけるP71の置換を含む。いくつかの態様において、配列番号3のP71における置換は、P71Lである。
【0277】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、Sタンパク質のS1サブユニットまたはS2サブユニット、Sタンパク質のRBD、Sタンパク質のSタンパク質S2’切断部位および内部融合ペプチド(IFP)、Mタンパク質、あるいはEタンパク質に由来する。
【0278】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12~54のいずれか1つに対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、配列番号12~54のいずれか1つを含む。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号12~54のいずれか1つである。
【0279】
いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列は、配列番号7に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、配列番号7含む。いくつかの態様において、保存されたアミノ酸配列、配列番号7である。
【0280】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)由来である。
【0281】
いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11を含む。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、配列番号11である。いくつかの態様において、免疫原性アミノ酸配列は、以下:別のアミノ酸による、配列番号11におけるK88、L123、E155、またはN172のうちの1つまたは複数の置換を含む。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Nである。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Tである。いくつかの態様において、L123における置換は、L123Rである。いくつかの態様において、E155における置換は、E155Kである。いくつかの態様において、N172における置換は、N172Yである。
【0282】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、Sタンパク質由来の膜貫通(TM)ドメイン配列をさらに含む。
【0283】
いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102を含む。いくつかの態様において、TMドメイン配列は、配列番号102である。
【0284】
いくつかの態様において、組換えタンパク質S2’IFP由来の保存されたアミノ酸配列、RBD由来の免疫原性アミノ酸配列、およびSタンパク質のTMドメイン配列を含む。
【0285】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、非中和抗体を含む免疫反応を刺激する、および/またはTh2細胞媒介性免疫反応を刺激する、Sタンパク質由来のアミノ酸配列を排除している。
【0286】
いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55を含む。いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号55である。いくつかの態様において、組換えタンパク質のアミノ酸配列は、別のアミノ酸による配列番号55におけるK88、L123、E155、またはN172のうちの1つまたは複数の置換を含む。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Nである。いくつかの態様において、K88における置換は、K88Tである。いくつかの態様において、L123における置換は、L123Rである。いくつかの態様において、E155における置換は、E155Kである。いくつかの態様において、N172における置換は、N172Yである。
【0287】
配列番号55に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一の組換えタンパク質と、配列番号1に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のMタンパク質と、配列番号3に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のEタンパク質とを含むVLPが本明細書において提供される。
【0288】
配列番号55を含む組換えタンパク質と、配列番号1を含むMタンパク質と、配列番号3を含むEタンパク質とを含むVLPが本明細書において提供される。
【0289】
配列番号55の組換えタンパク質と、配列番号1のMタンパク質と、配列番号3のEタンパク質とを含むVLPが本明細書において提供される。
【0290】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対する免疫反応を刺激することができる。
【0291】
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、COVID-19に対するTh1細胞媒介性免疫反応を刺激することができる。
【0292】
いくつかの態様において、COVID-19に対して免疫反応は、武漢-胡-1および/または1つまたは複数の変異株、例えば、これに限定されるわけではないが、イギリス変異株B.1.1.7、南アフリカ変異株B.1.351、ブラジル変異株P.1、またはカリフォルニア変異株B.1.427/429など、に対する免疫反応である。
【0293】
いくつかの態様において、免疫反応は、他のコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0294】
いくつかの態様において、免疫反応は、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0295】
IV.組成物
本明細書において説明される、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、またはVLPのいずれかを含む組成物が本明細書において提供される。
【0296】
いくつかの態様において、組成物は、生理学的に許容される担体、賦形剤、または安定化剤をさらに含む。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd ed.(2013)を参照されたい。許容される担体、賦形剤、または安定化剤は、対象に対して無毒性であるものを含むことができる。いくつかの態様において、組成物あるいは組成物の1つまたは複数の成分は、無菌である。無菌成分は、例えば、ろ過によって(例えば、無菌ろ過膜によって)または放射線照射によって(例えば、ガンマ線照射によって)調製することができる。
【0297】
本発明の賦形剤は、医薬組成物に加えられる場合、「薬学的に許容される」賦形剤と説明することができ、それは、賦形剤が、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、あるいは妥当な恩恵/リスク比に見合う所望の期間にわたる接触に対しての問題を孕んだ他の合併症なしに、健全な医学的判断の範囲内において、ヒトまたは動物の組織との接触に対して好適である化合物、材料、組成物、塩、および/または投薬形態であることを意味する。いくつかの態様において、用語「薬学的に許容される」は、連邦政府または州政府の規制当局により是認されたか、動物、より詳細にはヒトでの使用のための米国薬局方または一般的に認可された他の国際的薬局方に一覧されていることを意味する。様々な賦形剤を使用することができる。いくつかの態様において、賦形剤は、これらに限定されるわけではないが、アルカリ化剤、安定化剤、酸化防止剤、付着剤、分離剤、塗工剤、外相成分、制御放出成分、溶媒、界面活性剤、湿潤剤、緩衝剤、充填剤、皮膚軟化剤、またはそれらの組み合わせであり得る。賦形剤は、本明細書に議論したものに加えて、これらに限定されるわけではないが、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd ed.(2013)に一覧される賦形剤を含み得る。本明細書において特定の分類(例えば、「溶媒」など)に賦形剤を含めることは、賦形剤の役割を限定するよりもむしろ例示することを目的としている。特定の賦形剤は、複数の分類に含まれ得る。
【0298】
本開示の医薬組成物は、その意図された投与経路に適合性であるように製剤化される。例示的投与経路としては、経腸、局所、腸管外、経口、経肺、鼻腔内、静脈内、表皮、経皮、皮下、筋肉内、または腹腔内投与、あるいは吸入が挙げられる。「腸管外経路(parenteral administration)」は、本明細書において使用される場合、通常は注射または注入による経腸投与および局所投与以外の投与様式を意味し、その例としては、これらに限定されるわけではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ管内、病巣内、関節内、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節間、被膜下、クモ膜下、髄腔内、硬膜外、胸膜内、および胸骨内注射および注入、ならびにインビボエレクトロポレーションが挙げられる。いくつかの態様において、製剤は、非腸管外経路によって投与され、いくつかの態様においては、経口によって投与される。他の非腸管外経路としては、鼻腔内、経膣、直腸、舌下、または局所による、投与の局所、表皮、または粘膜経路が挙げられる。
【0299】
いくつかの態様において、医薬組成物は、凍結乾燥される。
【0300】
様々な方法が、当技術分野において既知であり、ならびに、細胞内への核酸の導入にとって好適である。例としては、これらに限定されるわけではないが、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム媒介性移入(calcium phosphate mediated transfer)、ヌクレオフェクション(nucleofection)、超音波処理、ヒートショック、マグネトフェクション、リポソーム媒介性移入(liposome mediated transfer)、マイクロインジェクション、マイクロプロジェクタイル媒介性移入(microprojectile mediated transfer)(ナノ粒子)、カチオンポリマー媒介性移入(cationic polymer mediated transfer)(DEAEデキストラン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール(PEG)、など)、または細胞融合が挙げられる。
【0301】
様々なメカニズム、例えば、血管透過性・滞留性亢進(EPR)効果など、による治療のバイオアベイラビリティおよび薬物動態特性を改良するために、ナノ粒子担体、例えば、リポソーム、ミセル、および高分子ナノ粒子が調査されてきた。
【0302】
標的細胞への選択的デリバリーを達成するための、ナノ粒子上への標的化リガンドのコンジュゲーションによって、さらなる改良を達成することができる。例えば、受容体-標的化ナノ粒子デリバリーは、インビトロおよびインビボの両方において治療反応を向上させることが分かっている。調査されてきた標的化リガンドとしては、葉酸、トランスフェリン、抗体、ぺプチド、およびアプタマーが挙げられる。さらに、例えば、画像形成を可能にするため、および細胞内薬物放出を誘発するために、ナノ粒子の設計に複数の機能性を組み入れることができる。
【0303】
いくつかの態様において、組成物は、デリバリー剤をさらに含む。いくつかの態様において、デリバリー剤はナノ粒子である。いくつかの態様において、デリバリー剤は、リポソーム、非リピド高分子分子、エンドソーム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0304】
いくつかの態様において、デリバリー剤(例えば、ナノ粒子)は、標的化リガンドを含む。
【0305】
いくつかの態様において、標的化リガンドは、ACE2受容体に対して結合親和性を有するSタンパク質ペプチドを含む(例えば、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、またはコロナウイルス配列を含むVLPなど)。
【0306】
いくつかの態様において、Sタンパク質ペプチドは、Sタンパク質の保存領域に由来する。いくつかの態様において、Sタンパク質ペプチドの長さは、3アミノ酸から100アミノ酸であり、それにおける任意の長さおよび長さの範囲、例えば、3アミノ酸から90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸などを含む。
【0307】
いくつかの態様において、Sタンパク質ペプチドは、配列番号76~99のうちのいずれか1つに対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、Sタンパク質ペプチドは、配列番号76~99のうちのいずれか1つを含む。いくつかの態様において、Sタンパク質ペプチドは、配列番号76~99のうちのいずれか1つである。
【0308】
V.治療的使用および方法
本明細書において説明される、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター(例えば、msDNA)、VLP、および組成物は、それを必要とする対象の予防的処置または治療的処置のため、例えば、ウイルス感染症(例えば、コロナウイルス感染症、例えば、COVID-19など)感染に対するワクチンとして、またはウイルスに感染している個人に対する治療として、利用することができる。
【0309】
本明細書において説明される、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、VLP、または組成物を含むウイルス感染に対するワクチンが本明細書において提供される。
【0310】
対象におけるウイルス感染症を治療する方法であって、本明細書において説明される、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、VLP、または組成物を対象に投与する工程を含み、対象における発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターの細胞内発現がVLPを作製する、上記方法が本明細書において提供される。
【0311】
対象におけるウイルス感染症の治療における使用のための、本明細書において説明される、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、VLP、または組成物であって、対象における発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターの細胞内発現がVLPを作製する、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、VLP、または組成物が本明細書において提供される。
【0312】
対象におけるウイルス感染症の治療のための、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、VLP、または組成物の使用であって、対象における発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターの細胞内発現がVLPを作製する、使用が本明細書において提供される。
【0313】
対象におけるウイルス感染症の治療のための医薬品の調製おための、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、VLP、または組成物の使用であって、対象における発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターの細胞内発現がVLPを作製する、使用が本明細書において提供される。
【0314】
本明細書において説明される、発現ベクター、細菌配列非含有のベクター、VLP、または組成物は、ウイルス感染症の治療において効果的である投与の任意の経路によって対象に投与することができる。
【0315】
いくつかの態様において、投与工程は、経腸、局所、非経口、経口、経肺、鼻腔内、静脈内、表皮、経皮、皮下、筋肉内、または腹腔内注射、あるいは吸入によって行われる。
【0316】
いくつかの態様において、投与工程は、腸管外または非腸管外投与によって行われる。
【0317】
いくつかの態様において、腸管外投与は、注射または注入によって行われる。
【0318】
いくつかの態様において、腸管外投与は、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ管内、病巣内、関節内、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節間、被膜下、クモ膜下、髄腔内、硬膜外、胸膜内、または胸骨内注射または注入、あるいはインビボエレクトロポレーションによって行われる。
【0319】
いくつかの態様において、非腸管外投与は、経口、局所、表皮、経粘膜、鼻腔内、経膣、経直腸、または舌下投与である。
【0320】
いくつかの態様において、投与工程は、経口、経肺、鼻腔内、静脈内、表皮、経皮、皮下、筋肉内、または腹腔内注射、あるいは吸入によって行われる。
【0321】
いくつかの態様において、投与工程は、ウイルス感染および伝播の経路によって行われる。
【0322】
いくつかの態様において、ウイルス感染および伝播の経路は、経粘膜である。
【0323】
いくつかの態様において、投与工程は、呼吸器感染に対して、経口、経鼻投与、または肺内投与によって行われる。いくつかの態様において、投与工程は、鼻腔内投与によって行われる。
【0324】
投与の吸入および鼻腔内経路の適用は、下気道組織への、本明細書において説明されるVLPの効率的で標的化された非侵襲的デリバリーに加えて、肺および鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)による免疫反応の支援を生じさせるための強力な機会を提供する。
【0325】
いくつかの態様において、投与工程は、性的伝播性感染症に対しては膣内投与である。
【0326】
いくつかの態様において、投与工程は、筋肉内、皮下、または皮内投与によって行われ、この場合、注射の部位および深さの両方が、免疫反応をもたらす。筋肉内注射は、特に、検証され、容易に再投与されるような、ワクチン投与のための強力な代替手段および一般的に使用される技術を提供する。
【0327】
投与工程は、例えば、1回、複数回、および/または1回または複数回の長期間にわたって、実施することができる。いくつかの態様において、投与工程は、1回、2回(例えば、第1の投与と、その約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、またはそれ以降での第2の投与)、約1週間に1回、約1か月に1回、約2か月に1回、約3か月に1回、約4か月に1回、約6か月に1回、約1年間に1回、または約10年間に1回である。
【0328】
本明細書において説明される発現カセットは、T細胞提示および細胞媒介性免疫のための細胞内病原体エピトープの内部処理に対してDNAワクチンの恩恵があるロバストな体液性免疫反応を付与するVLPを提供する。いくつかの態様において、免疫優性は、組換えタンパク質における保存されたアミノ酸配列に首尾よく付与され、ならびに、ワクチンが、普遍的なコロナウイルス免疫を生じさせる。
【0329】
いくつかの態様において、発現カセットの翻訳産物から細胞内的に自己組織化するVLP(本明細書において説明される発現ベクターまたは細菌配列非含有のベクターのどちらの由来にかかわらず)は、以下:1)ウイルス感染細胞に対する特異的細胞傷害性T細胞活性をプライムするMHC-I状況;2)相補的体液性および細胞媒介性支援のための食作用性抗原提供細胞(APC)におけるMHC-II状況、において提示されるようなTh1媒介性反応を生じさせる。
【0330】
いくつかの態様において、本明細書において説明される発現カセットからのVLPの細胞内アセンブリは、潜在的ワクチン媒介性TH2免疫病理学および補助療法に対する任意の関連する要件を排除する。
【0331】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス感染に対する中和抗体を含む対象における免疫反応を刺激する。
【0332】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス感染に対する対象におけるTh1細胞媒介性免疫反応を刺激する。
【0333】
いくつかの態様において、免疫反応は、関連ウイルスまたは関連株に対して交差反応性である。
【0334】
いくつかの態様において、VLPは、対象における非中和抗体を含む免疫反応を刺激せず、および/または対象におけるTh2細胞媒介性免疫反応を刺激しない。
【0335】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス受容体結合、ウイルスゲノム脱外被、および/またはゲノム注入を阻害する抗体を誘導する。
【0336】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス受容体への結合に対して感染性ウイルスと交差競合する。
【0337】
いくつかの態様において、VLPは、ウイルス受容体への結合に対して関連するウイルスまたは株と交差競合する。
【0338】
いくつかの態様において、ウイルス感染症は、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、肝炎ウイルス、または腫瘍溶解性ウイルスである。
【0339】
いくつかの態様において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザA型ウイルスである。いくつかの態様において、インフルエンザA型ウイルスは、H1N1,H5N1、またはH3N2である。
【0340】
いくつかの態様において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザB型ウイルスである。
【0341】
いくつかの態様において、コロナウイルスは、ヒトコロナウイルス、例えば、これに限定されるわけではないが、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2(すなわち、COVID-19))、および/またはMERS-CoVなど、である。
【0342】
いくつかの態様において、コロナウイルスは、COVID-19である(すなわち、武漢-胡-1またはその変異株、例えば、これに限定されるわけではないが、イギリス変異株B.1.1.7、南アフリカ変異株B.1.351、ブラジル変異株P.1、またはカリフォルニア変異株B.1.427/429など)。
【0343】
いくつかの態様において、VLPは、COVID-19に対する中和抗体を含む対象における免疫反応を刺激する。
【0344】
いくつかの態様において、VLPは、COVID-19に対する対象におけるTh1細胞媒介性免疫反応を刺激する。
【0345】
いくつかの態様において、COVID-19に対する免疫反応は、武漢-胡-1および/または1つまたは複数の変異株、例えば、これに限定されるわけではないが、イギリス変異株B.1.1.7、南アフリカ変異株B.1.351、ブラジル変異株P.1、あるいはカリフォルニア変異株B.1.427/429など、に対するものである。
【0346】
いくつかの態様において、免疫反応は、他のコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0347】
いくつかの態様において、免疫反応は、他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスに対して交差反応性である。
【0348】
いくつかの態様において、VLPは、対象における非中和抗体を含む免疫反応を刺激せず、および/または対象におけるTh2細胞媒介性免疫反応を刺激しない。
【0349】
いくつかの態様において、投与工程は、吸入によって行われる。
【0350】
COVID-19および多くの他のコロナウイルスに対する細胞リガンドは、ヒトの下気道において見出されるACE2受容体であり、それは、異種間伝播およびヒトからヒトへの伝播の両方を調節する。ACE2受容体は、融合の際に二重膜小胞(double membrane vesicle)において複製-転写複合体を形成するコロナウイルスの表面上のS糖タンパク質によって結合される(Letko et al., Nat. Microbiol. 5(4): 562-569 (2020);Wan et al., J. Virol. 4(7) e00127-20 (2020))。サブゲノムRNAのネスト化されたセットの連続複製および合成は、出芽するためにウイルス粒子に対するアクセサリータンパク質および構造タンパク質をコードする。これは、血漿膜と融合して最終的にウイルスを宿主内に放出するビリオン含有小胞を生じる(FehrおよびPerlman)。血圧を制御するためのアドレナリン作動性ブロッキング剤(β遮断薬)を使用する高血圧患者は、β遮断薬が気道におけるACE2受容体の過剰発現を刺激し、それがウイルスの結合および感染を容易にするため、特に感染しやすい。易罹患性も、基礎疾患、例えば、COPD、糖尿病、および心血管疾患などを有する患者において注目されてきた(Guan et al., Eur. Resp. Journal, 2000547; DOI: 10.1183/13993003.00547-2020 (2020))。
【0351】
いくつかの態様において、本明細書において説明される、コロナウイルス(例えば、COVID-19)に対するVLPは、治療DNAワクチンをデリバリーするだけでなく、呼吸組織における利用可能なコロナウイルス受容体部位とも競合し、それにより、さらなる感染を軽減する。
【0352】
いくつかの態様において、細胞からの機能性VLP(表面RBDを発現する)の排出は、標的細胞上の利用可能なACE受容体に対する競合的干渉をさらに促進し、ならびに、ロバストな中和体液性反応を確実にするB細胞との相互作用を促進する。
【0353】
いくつかの態様において、提示のためのS2’IFPドメインは、高度に保存された部位を露出させ、ならびに、ハプテン-担体反応により決定因子に免疫優性を与える。
【0354】
いくつかの態様において、VLPは、ACE2受容体、ニューロピリン-1、および/または他の受容体への結合に対してCOVID-19と交差競合する。
【0355】
いくつかの態様において、VLPは、ACE2受容体、ニューロピリン-1、および/または他の受容体への結合に対して他のコロナウイルスと交差競合する。
【0356】
いくつかの態様において、VLPは、ACE2受容体、ニューロピリン-1、および/または他の受容体への結合に対して他の重症の急性呼吸器症候群コロナウイルスおよび/またはヒトベータコロナウイルスと交差競合する。
【0357】
以下の実施例は、例示のために提供されるのであって、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0358】
[実施例1]
A.細菌配列非含有のベクターおよびVLPを作製するための発現ベクターの生成
参照によりその全体が本明細書に組み入れられる米国特許第9,290,778号および同第9,862,954号に記載されるように、ミニストリング発現ベクターにおける2つの特化されたスーパー配列(supersequence)(SS)部位の間のマルチクローニング部位へ、COVID-19から得た配列をクローニングすることによって、4つの発現ベクターを作製した(Mediphage Bioceuticals, Inc.、トロント、CA)。
【0359】
COVID-19から得た配列は、エンベロープ(E)タンパク質(GenBank受託番号QHD43418.1;配列番号3)および膜(M)タンパク質(GenBank受託番号QHD43419.1;配列番号1)をコードする配列を含んでいた。さらに、COVID-19Sタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)、S2’切断部位および内部融合ペプチド(IFP)、および膜貫通(TM)ドメインに関連する配列の融合物(RBD::S2’IFP::TM;配列番号55)を含む組換えスパイク(S)タンパク質をコードする配列を作製した(GenBank受託番号QHD43416.1;配列番号5)。非中和抗体を含む免疫反応を刺激するSタンパク質由来のアミノ酸配列を排除するように、およびTh2細胞媒介性免疫反応を刺激するアミノ酸配列を排除するように、組換えSタンパク質を操作した。
【0360】
3つの発現ベクターの発現カセットは、Eタンパク質、Mタンパク質、ならびに、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下において豚テッショウウイルス-1 2A由来の自己切断ペプチドP2Aをコードする配列を介して単一のポリヌクレオチド(配列番号58)へと融合した組換えSタンパク質を含んでいた。
図1は、例示的発現カセットを表す。
【0361】
3つの発現カセットのうちの1つは、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化(ポリA)シグナルを含む、発現カセット「CMV-E-P2A-M-P2A-RBD::S2’IFP::TM-bGHpolyA」(配列番号60)を含んでいた。発現カセットを含む発現ベクターのマップが、
図2に示される(pGL2-SS-CMV-VLP-BGH-SS、配列番号63)。
【0362】
3つの発現ベクターのうちの別のベクターは、シミアンウイルス40(SV40)ポリAを含む、発現カセット「CMV-E-P2A-M-P2A-RBD::S2’IFP::TM-SV40ポリA」(配列番号59)を含んでいた。
【0363】
3つの発現ベクターのうちの別のベクターは、トセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス2A由来の自己切断ペプチドT2Aをコードする配列を介してCOVID-19配列に融合した緑色蛍光タンパク質(GFP)およびSV40ポリAを含む、発現カセット「CMV-E-P2A-M-P2A-RBD::S2’IFP::TM-T2A-GFP-SV40ポリA」(配列番号61)を含んでいた。
【0364】
第4の発現ベクターは、PA2をコードする配列を介してお互いに融合しさらにT2Aをコードする配列を介して複数のクローニング部位(MCS)に融合したEタンパク質およびMタンパク質を有する単一のポリヌクレオチドを含む、発現カセット「CMV-E-P2A-M-T2A-MCS-bGHポリA」(配列番号62)を含んでいた。発現カセットは、CMVプロモーターおよびbGHポリAも含んだ。MCSは、付加配列、例えば、本明細書において開示される保存された配列および免疫原性配列を含む組換えタンパク質など、の挿入のためのものである。
【0365】
配列番号59~62の発現カセットを含む発現ベクターは、異なる発現カセットを除いて
図2の発現ベクターおよび配列番号63と同じである。
【0366】
B.COVID-19遺伝子の発現
ヒト肺A549細胞(1×10
6)を、
図2に示される1μgの発現ベクターを用いて、または発現ベクターを用いずにエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションの48時間後に全RNAを抽出し、ならびにcDNAライブラリーに変換した。下記の表1に示されるE、M、およびRBDそれぞれに対して遺伝子特異的プライマーを使用した、E、M、およびRBD::S2’IFP::TM導入遺伝子に対するリアルタイムqRT-PCRのための鋳型として、1μLのcDNAを使用した。導入遺伝子の発現を、βアクチンの発現に対して正規化した。
【0367】
【0368】
図3(A)に示されるように、導入遺伝子のそれぞれを、発現ベクター(「VLP」)を用いてエレクトロポレーションされた細胞由来のcDNAライブラリーにおいて検出したが、コントロール細胞(「CTL」)由来のcDNAライブラリーでは検出されなかった。図に示された相対的遺伝子発現を、ΔΔCT法によって計算した。一元配置分散分析(1-way ANOVA)を使用して統計分析を実施した(***=p<0.001、****=p<0.0001)。
【0369】
C.組換えスパイクタンパク質の発現
HEK293細胞(1×10
6)を、リポフェクトアミン(登録商標)3000試薬(Invitrogen)を使用して、2μgの
図2の発現ベクターを用いてトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後にタンパク質試料を収集した。トランスフェクトした細胞ならびにトランスフェクトされていないコントロール細胞由来の全タンパク質溶解物50μgをロードすることによって、ウエスタンブロットを調製した。組換えSタンパク質の検出では、ウサギポリクローナル抗RBD抗体を使用し、その一方で、ローディングコントロールしてのβアクチンの検出においては、ウサギポリクローナル抗βアクチン抗体を使用した。シグナル検出のために、抗ウサギ-西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)抗体および化学発光画像形成を使用した。代表的なウエスタンブロットが
図3(B)に示され、組換えSタンパク質が、発現ベクター(「VLP」)によってトランスフェクトされた細胞から単離されたタンパク質において検出されたが、コントロール細胞から単離されたタンパク質においては検出されなかったことを示している。
【0370】
トランスフェクトされた細胞およびコントロール細胞における組換えSタンパク質発現の相対的平均タンパク質強度を、ウエスタンブロット画像の濃度分析によって特定した(n=3)。
図3(C)を参照されたい。
[実施例2]
【0371】
VLP発現ベクターによる抗体作製の刺激
図2の発現ベクターを、ナノ粒子(Entos Pharmaceuticals)に封入し、0日目にC57マウスに筋肉内注射により100μgの用量において投与し、その後、14日目に筋肉内注射により100μgの用量のブースターを行った。49日目まで7日毎に尾静脈によって血清を採取した。
【0372】
マウス血清の抗体濃度を、精製されたS1タンパク質(Abclonal, Inc.)への結合による間接的ELISAによって評価した。
【0373】
血清をPBSにおいて1%まで希釈し、次いで、S1タンパク質を含むELISAプレートに加えた。S1タンパク質に結合したマウス血清抗体を、抗マウスIgG SULFO-TAGTM標識抗体(Meso Scale Diagnostics, LLC)によって検出した。
【0374】
抗体濃度を
図5Aおよび5Bに示す。濃度は、21日目に約5000ng/mLにおいて最大に達し、恒常的発現が、49日目まで約3000ng/mLにおいて維持された。
[実施例3]
【0375】
A.COVID-19ゲノム配列保存のキャラクタリゼーション
合計3928の代表的な完全COVID-19ゲノムを、GISAIDデータベース(https://www.gisaid.org)からダウンロードした。ゲノムのコレクション日付は、2019年12月から2021年2月までにおよび、全ての主要な変異株ならびに武漢参照ゲノム(NC_045512.2)を含んでいた。MAFFT多重配列アラインメントプログラムを使用して、ゲノムを武漢参照ゲノムに対してアラインメントした。配列保存分析およびヌクレオチド頻度分析を実施した。
【0376】
図6は、3928の代表的COVID-19ゲノムの配列保存分析を示す。(A)水平トラックは、武漢参照ゲノムどおりの全てのCOVID-19ゲノム(y軸上に表される)のゲノム位置(x軸上に示される)を示している。(B)ヒストグラムのバーの高さは、各所定のゲノム位置において武漢参照ゲノムと異なるゲノムのパーセントに対応する。棒グラフおよびヒストグラムは、ggplot2パッケージを使用してRバージョン3.6.1において作成した。
【0377】
図6に示されるように、COVID-19ゲノムは、わずかな主要ゲノム変異株を伴う相対的に高いレベルの配列保存を有する。可変の5’末端領域および3’末端領域を無視すれば、3つのゲノム位置のみが、配列の>50%において参照ゲノムと異なっていることが見出された。これらの一塩基変異多型(SNP)のうちの2つは、コード領域内のORF1ab(遺伝子間領域の第1(C241T)および第2(C14408T -> L4715))内において見出され、ならびに第3(D614G)は、スパイク(S)タンパク質内において見出された。
【0378】
B.ヒトベータコロナウイルスゲノム配列保存のキャラクタリゼーション
この実施例のAパートにおいて説明した3928の代表的な完全COVID-19ゲノムに加えて、120のSARS-CoV(SARSの原因のウイルス)ゲノムおよび257のMERS-CoV(MERSの原因のウイルス)ゲノムを、NCBI GenBank(登録商標)データベースからダウンロードした。MAFFT多重配列アラインメントプログラムを使用して、ゲノムをCOVID-19武漢参照ゲノムに対してアラインメントした。これらの3つのウイルスゲノム間においてゲノム編成が似ているため、比較は可能であった。配列保存分析およびヌクレオチド頻度分析を実施した。
【0379】
図7は、バーの高さが、各所定のゲノム位置において武漢参照ゲノムと異なるゲノムのパーセントに対応するヒストグラムを示している。ヒストグラムは、ggplot2パッケージを使用してRバージョン3.6.1において作成した。
【0380】
図7に示されるように、他の際立ったヒトベータコロナウイルス(SARS-CoVおよびMERS-CoV)のゲノムも、COVID-19ゲノムと比較した場合、比較的高いレベルの配列保存を有する。
【0381】
C.際立ったCOVID-19変異株における機能的に関連する変異の識別
Aパートにおいて説明した3928のCOVID-19配列を、重要な変異株に属するものに対してフィルターにかけた(イギリス変異株B.1.1.7(n=233)、南アフリカ変異株B.1.351(n=104)、ブラジル変異株P.1(n=39)、およびカリフォルニア変異株B.1.427/429(n=62))。4つの変異株のゲノムを、MAFFT多重配列アラインメントプログラムを使用して、SARS-CoV-2武漢参照ゲノム(NC_045512.2)に対して独立してアラインメントした。配列保存分析およびヌクレオチド頻度分析を実施した。機能的重要性を、BLOSUM 62マトリックススコアの評価、表面露出分析(PyMolによって)、および文献レビューにより特定した。
【0382】
図8A~Dは、バーの高さが、所定の各ゲノム位置における武漢参照ゲノムとは異なる変異株ゲノムのパーセント(8AにおけるB.1.1.7、8BにおけるB.1.351、ナイーブにおけるP.1、および8DにおけるB.1.427/429)に対応するヒストグラムを示している。ヒストグラムは、ggplot2パッケージを使用してRバージョン3.6.1において生成した。
【0383】
表2は、
図1に示した発現カセット内に含まれるCOVID-19ゲノムの領域に位置されたCOVID-19変異株からの識別されたSNPのまとめを示している。
【0384】
【0385】
表面露出を評価するために、COVID-19変異株のスパイク(S)タンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)領域において識別されたSNPを、参照されたProtein Data Bank(PDB)構造(PBD ID:6VXX)上にマッピングした。N501、K417、およびL452残基が表面露出しており、その結果、潜在的により重要であることを特定した。E484残基は表面に露出していないことを特定した。
【0386】
COVID-19変異株のエンベロープ(E)タンパク質において識別されたSNPの表面露出を、Bianchi et al., BioMed Research International, https://doi.org/10.1155/2020/4389089 (2020)の構造情報により評価した。P71残基は表面露出しており、その結果、潜在的により重要であることを特定した。
【0387】
膜(M)タンパク質において識別されたSNPは、結果として同義突然変異を生じ、したがって、機能分析は実施しなかった。
【0388】
全体的に、分析は、
図1に示されたVLP発現カセットに対して選択された配列が、COVID-19変異株、とりわけ、全ての重要な変異株においてならびにコロナウイルス(SARS-CoVおよびMERS-CoV)において完全に保存されるS2’IFP部位、に対して比較的ロバストであるであることを示した。
[実施例4]
【0389】
A.VLPを作製するための細菌配列非含有のベクターの生成
VLPを作製するためのDNAミニストリング(msDNA-VLP)が、米国特許第9,290,778号および同第9,862,954号に記載される方法に従って、実施例1において説明される発現ベクターから誘導性大腸菌細胞において作製される。
【0390】
純度および配列に対する品質管理試験によって、msDNA-VLPが、精製および濃縮される。
【0391】
B.ナノ粒子による細菌配列非含有のベクターの複合体化
精製されたmsDNA-VLPと、マーカータンパク質(例えば、GFP)を発現するコントロールmsDNA(msDNA-コントロール)とが、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子(LNP))と複合体化される。他の研究において、商業的LNPによって、msDNA(未精製データ)によるインビボでの肺における強力なトランスフェクション効率が実証されている。商業的LNPは、インビトロコントロールとして使用される。商業的JetPEI(https://www.polyplus-transfection.com/products/cgmp-grade-in-vivo-jetpei/)は、インビボコントロールとして使用される。
【0392】
msDNAナノ粒子は、インビトロおよびインビボ試験において凍結乾燥される。
【0393】
C.細菌配列非含有のベクターからのインビトロVLP形成および免疫反応
msDNAナノ粒子(すなわち、この実施例のBパートにおいて説明されるもの)ならびに裸のmsDNA(すなわち、この実施例のAパートにおいて説明されるmsDNA-VLP、およびナノ粒子と複合体化されていないmsDNA-コントロール)が、ACE2受容体を発現するヒト細胞系(例えば、A549細胞(ATCC CCL-185))、血管内皮細胞、または肺胞上皮細胞へとデリバリーされる(Yen, T.-T., et al., Journal of Virology 80(6): 2684-2693 (2006); Qian, Z. et al., American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology 48(6): 742-748 (2013))。デリバリーの効率および平均蛍光が評価される。
【0394】
細胞内VLP形成は、透過電子顕微鏡法によって評価される。
【0395】
サイトカインストームおよび炎症反応の過剰活性が、免疫アッセイ技術を使用して細胞培養において評価されるであろう。
【0396】
D.真核細胞発現系におけるインビトロでのVLPの作製
真核細胞でのVLP作製のためのプロモーターの制御下において、M-P2A-EおよびRBD::S2’::TMを含む真核細胞発現ベクターが作製される。Sf9でのVLP作製のための例示的バキュロウイルス発現ベクターが、
図9に示される。インビトロにおいてVLPが作製され、標準的な技術を使用して精製される。
【0397】
E.細菌配列非含有のベクターからのインビトロVLP作製および免疫反応
【0398】
msDNAナノ粒子(すなわち、この実施例のBパートにおいて説明されたもの)が、吸入、鼻腔内、または筋肉内経路によって動物モデルに投与される。サイトカインプロファイル、免疫グロブリンプロファイル、およびCOVID-19に対する防御効果が特定される。
【0399】
吸入および鼻腔内経路に対して、以下の投与:(1)凍結乾燥されたmsDNA-VLPまたはmsDNA-コントロールナノ粒子が、単回投与または反復投与(例えば、1、2、3、および/または4週間の投薬;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および/または12か月の投薬;および/または年に1回の間隔)において、吸入によって投与される;(2)凍結乾燥されたmsDNA-VLPまたはmsDNA-コントロールナノ粒子が、単回投与または反復投与(例えば、1、2、3、および/または4週間の投薬;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および/または12か月の投薬;および/または年に1回の間隔)において吸入によって投与され、その後、VLPのブースター(すなわち、この実施例のBパートにおいて説明されたもの)の鼻腔内投与が、単回投与または反復投与(例えば、1、2、3、および/または4週間の投薬;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および/または12か月の投薬;および/または年に1回の間隔)において行われる;または(3)単回投与または反復投与(例えば、1、2、3、および/または4週間の投薬;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および/または12か月の投薬;および/または年に1回の間隔)における精製されたVLPの鼻腔内投与、が実施される。
【0400】
筋肉内経路の場合、以下の投与:(1)msDNA-VLPまたはmsDNA-コントロールナノ粒子が、単回投与または反復投与(例えば、1、2、3、および/または4週間の投薬;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および/または12か月の投薬;および/または年に1回の間隔)において、注射によって投与される;(2)msDNA-VLPまたはmsDNA-コントロールナノ粒子が、単回投与または反復投与(例えば、1、2、3、および/または4週間の投薬;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および/または12か月の投薬;および/または年に1回の間隔)において、注射によって投与され、その後、単回投与または反復投与例えば、1、2、3、および/または4週間の投薬;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および/または12か月の投薬;および/または年に1回の間隔)において、精製されたVLPのブースターの注射によって投与される;または(3)精製されたVLPのブースター単回投与または反復投与(例えば、1、2、3、および/または4週間の投薬;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および/または12か月の投薬;および/または年に1回の間隔)における注射、が実施される。
[実施例5]
【0401】
VLPのアフェニティー精製
Sタンパク質およびACE2受容体の4つ共結晶構造ならびにリポタンパク質EおよびACE2受容体の共結晶構造の解析の後に、コロナウイルスSタンパク質の結合にとって十分な相互作用界面として、64-残基ACE2受容体ペプチド(「ACE2-64」)を特定した。ACE2-64のアミノ酸配列は:
STIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMY(配列番号70)
である。
【0402】
ペプチドは、ACE2-64のC末端またはN末端においてビチオン受容体ペプチド(BAP)タグ(例えば、GLNDIFEAQKIEWHE(配列番号71))をコードする発現プラスミド上においてコードされる(すなわち、それぞれ、配列番号72、SEQ ID NO:73によってコードされる、または配列番号74、配列番号75によってコードされる)。発現プラスミドは、BirA陽性大腸菌株へと形質転換され、それは、結果として、ACE2-64の一段階インビボビチオン化をもたらす。細胞は溶解され、ビチオン化ACE2-64は、市販のキットによって精製され、ストレプトアビジン被覆磁気ミクロビーズと混合される。
【0403】
COVID-19 Sタンパク質に対する市販のモノクローナル抗体(「S-Ab」)が、インビトロにおいてビチオン化され、ストレプトアビジン被覆磁気ミクロビーズと混合される。
【0404】
ACE2-64またはS-Abが固定されたビーズが、不活性Tris緩衝液(例えば、pH8.0の20mMのTris、150mMのNaCl)において洗浄されて平衡化される。
【0405】
msDNA-VLPからVLPを発現する組換え細胞、例えば、実施例2(D)の真核細胞など、が溶解される。
【0406】
ACE2-64またはS-Abが固定されたビーズとVLPを含む細胞溶解物とが、マイクロ流体デバイスに加えられ、混合される。ACE2-64またはS-Abで被覆されたビーズによって捕捉されたVLPが、細胞溶解物から分離される。次いで、ビーズは、中程度の塩分の緩衝液(例えば、pH8.0の20mMのTris、300mMのNaCl)で3回洗浄される。次いで、VLPは、高い塩分の緩衝液(例えば、pH8.0の20mMのTris、1.5MのNaCl)において精製され、それは、結果として、ビーズからのVLPの解離を生じさせる。精製されたVLPが収集される。品質管理アッセイ、例えば、RNAおよびエピソームDNAを検出するアガロースゲル電気泳動、gDNAレベルを評価するqPCR、および電気顕微鏡法など、が、VLPの同一性および純度を確認するために実施される。
[実施例6]
【0407】
ナノ粒子製剤のための標的化リガンドの作製
ペプチドライブラリーは、コロナウイルスSタンパク質の保存領域から得られ、ペプチド合成によって作製される。例示的ペプチドは、配列番号76~99である。
【0408】
組換えACE2タンパク質は、市販の供給元から購入される。
【0409】
COVID-19 Sタンパク質の下記の一部分は、ACE2への結合に対するコントロールとして提供され、この場合、太字で下線の引かれた残基は、ACE2結合に直接関与する:
【化1】
。
【0410】
組換えACE2タンパク質に対する各ペプチドの親和性を特定するために、インビトロ蛍光(FP)偏光または同様の技術が、標準的手順に従って実施される。
【0411】
ACE2受容体に対して最も強い親和性を有するリガンド(すなわち、ペプチド)が選択され、ナノ粒子(例えば、LNP)に付着される。
【0412】
単一リガンドおよびデュアルリガンドナノ粒子がACE2受容体を標的にする能力が特定される。例えば、ACE2受容体に対して最も高い親和性を有するリガンドを含むナノ粒子の標的化能力が、ACE2受容体に対して最も高い親和性を有する2つの異なるリガンドを含むナノ粒子と比較される。
【0413】
複数のリガンドの標的化も、ACE2受容体を標的にする1つのリガンド(例えば、ACE2受容体媒介性エンドサイトーシスを促進するため)と核局在化シグナル(NLS)である第2のリガンド(例えば、核標的化による適切な細胞内デリバリーを促進するため)とを有するナノ粒子を使用して試験される。
配列
配列番号1 膜タンパク質、アミノ酸配列
MADSNGTITVEELKKLLEQWNLVIGFLFLTWICLLQFAYANRNRFLYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWITGGIAIAMACLVGLMWLSYFIASFRLFARTRSMWSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGD SGFAAYSRYRIGNYKLNTDHSSSSDNIALLVQ
配列番号2 膜タンパク質、核酸配列
atggcagattccaacggtactattaccgttgaagagcttaaaaagctccttgaacaatggaacctagtaataggtttcctattccttacatggatttgtcttctacaatttgcctatgccaacaggaa taggtttttgtatataattaagttaattttcctctggctgttatggccagtaactttagcttgttttgtgcttgctgctgtttacagaataaattggatcaccggtggaattgctatcgcaatggcttgtcttgtaggcttgatgtggctcagctacttcattgcttctttcagactgtttgcgcgtacgcgttccatgtggtcattcaatccagaaactaacattcttctcaacgtgccactccatggcactattctgaccagaccgcttctagaaagtgaactcgtaatcggagctgtgatccttcgtggacatcttc gtattgctggacaccatctaggacgctgtgacatcaaggacctgcctaaagaaatcactgttgctacatcacgaacgctttcttattacaaattgggagcttcgcagcgtgtagcaggtgactcaggttttgctgcatacagtcgctacaggattggcaactataaattaaacacagaccattccagtagcagtgacaatattgctttgcttgtacagtaa
配列番号3 エンベロープタンパク質、アミノ酸配列
MYSFVSEETGTLIVNSVLLFLAFVVFLLVTLAILTALRLCAYCCNIVNVSLVKPSFYVYSRVKNLNSSRVPDLLV
配列番号4 エンベロープタンパク質、核酸配列
atgtactcattcgtttcggaagagacaggtacgttaatagttaatagcgtacttctttttcttgctttcgtggtattcttgctagttacactagccatccttactgcgcttcgattgtgtgcgtactgctgcaatattgttaacgtgagtcttgtaaaaccttctttttacgtttactctcgtgttaaaaatctgaattcttctagagttcctgatcttctggtctaa
配列番号5 スパイクタンパク質、アミノ酸配列
MFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSNVTWFHAIHVSGTNGTKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGWIFGTTLDSKTQSLLIVNNATNVVIKVCEFQFCNDPFLGVYYHKNNKSWMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGFSALEPLVDLPIGINITRFQTLLALHRSYLTPGDSSSGWTAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGTITDAVDCALDPLSETKCTLKSFTVEKGIYQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNFNFNGLTGTGVLTESNKKFLPFQQFGRDIADTTDAVRDPQTLEILDITPCSFGGVSVITPGTNTSNQVAVLYQDVNCTEVPVAIHADQLTPTWRVYSTGSNVFQTRAGCLIGAEHVNNSYECDIPIGAGICASYQTQTNSPRRARSVASQSIIAYTMSLGAENSVAYSNNSIAIPTNFTISVTTEILPVSMTKTSVDCTMYICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFNGLTVLPPLLTDEMIAQYTSALLAGTITSGWTFGAGAALQIPFAMQMAYRFNGIGVTQNVLYENQKLIANQFNSAIGKIQDSLSSTASALGKLQDVVNQNAQALNTLVKQLSSNFGAISSVLNDILSRLDKVEAEVQIDRLITGRLQSLQTYVTQQLIRAAEIRASANLAATKMSECVLGQSKRVDFCGKGYHLMSFPQSAPHGVVFLHVTYVPAQEKNFTTAPAICHDGKAHFPREGVFVSNGTHWFVTQRNFYEPQIITTDNTFVSGNCDVVIGIVNNTVYDPLQPELDSFKEELDKYFKNHTSPDVDLGDISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYIKWPWYIWLGFIAGLIAIVMVTIMLCCMTSCCSCLKGCCSCGSCCKFDEDDSEPVLKGVKLHYT
配列番号6 スパイクタンパク質、核酸配列
atgtttgtttttcttgttttattgccactagtctctagtcagtgtgttaatcttacaaccagaactcaattaccccctgcatacactaattctttcacacgtggtgtttattaccctgacaaagtttt cagatcctcagttttacattcaactcaggacttgttcttacctttcttttccaatgttacttggttccatgctatacatgtctctgggaccaatggtactaagaggtttgataaccctgtcctaccatttaatgatggtgtttattttgcttccactgagaagtctaacataataagaggctggatttttggtactactttagattcgaagacccagtccctacttattgttaataacgctactaatgttgttattaaagtctgtgaatttcaattttgtaatgatccatttttgggtgtttattaccacaaaaacaacaaaagttggatggaaagtgagttcagagtttattctagtgcgaataattgcacttttgaatatgtctctcagccttttcttatggaccttgaaggaaaacagggtaatttcaaaaatcttagggaatttgtgtttaagaatattgatggttattttaaaatatattctaagcacacgcctattaatttagtgcgtgatctccctcagggtttttcggctttagaaccattggtagatttgccaataggtattaacatcactaggtttcaaactttacttgctttacatagaagttatttgactcctggtgattcttcttcaggttggacagctggtgctgcagcttattatgtgggttatcttcaacctaggacttttctattaaaatataatgaaaatggaaccattacagatgctgtagactgtgcacttgaccctctctcagaaacaaagtgtacgttgaaatccttcactgtagaaaaaggaatctatcaaacttctaactttagagtccaaccaacagaatctattgttagatttcctaatattacaaacttgtgcccttttggtgaagtttttaacgccaccagatttgcatctgtttatgcttggaacaggaagagaatcagcaactgtgttgctgattattctgtcctatataattccgcatc
配列番号7 内部融合ペプチド、アミノ酸配列
SFIEDLLFNKVTLADAGF
配列番号8 内部融合ペプチド、核酸配列
tcatttattgaagatctacttttcaacaaagtgacacttgcagatgctggcttc
配列番号9 受容体結合ドメイン、アミノ酸配列
PNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNFNFNGLTGTGVLTESNKKFLPFQQFGRDIADTTDAVRDPQTLE
配列番号10 受容体結合ドメイン、核酸配列
cctaatattacaaacttgtgcccttttggtgaagtttttaacgccaccagatttgcatctgtttatgcttggaacaggaagagaatcagcaactgtgttgctgattattctgtcctatataattccgcatcattttccacttttaagtgttatggagtgtctcctactaaattaaatgatctctgctttactaatgtctatgcagattcatttgtaattagaggtgatgaagtcagacaaatcgctccagggcaaactggaaagattgctgattataattataaattaccagatgattttacaggctgcgttatagcttggaattctaacaatcttgattctaaggttggtggtaattataattacctgtatagattgtttaggaagtctaatctcaaaccttttgagagagatatttcaactgaaatctatcaggccggtagcacaccttgtaatggtgttgaaggttttaattgttactttcctttacaatcatatggtttccaacccactaatggtgttggttaccaaccatacagagtagtagtactttcttttgaacttctacatgcaccagcaactgtttgtggacctaaaaagtctactaatttggttaaaaacaaatgtgtcaatttcaacttcaatggtttaacaggcacaggtgttcttactgagtctaacaaaaagtttctgcctttccaacaatttggcagagacattgctgacactactgatgctgtccgtgatccacagacacttgag
配列番号11 免疫原性配列、アミノ酸配列
PNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAP
配列番号12 保存されたアミノ酸配列
SFIEDL
配列番号13 保存されたアミノ酸配列
GVYYP
配列番号14 保存されたアミノ酸配列
FLPF
配列番号15 保存されたアミノ酸配列
VLPF
配列番号16 保存されたアミノ酸配列
SLLI
配列番号17 保存されたアミノ酸配列
LPIGI
配列番号18 保存されたアミノ酸配列
AAYYV
配列番号19 保存されたアミノ酸配列
TFLL
配列番号20保存されたアミノ酸配列
AVDC
配列番号21 保存されたアミノ酸配列
IVRFP
配列番号22 保存されたアミノ酸配列
ISNC
配列番号23 保存されたアミノ酸配列
LCFT
配列番号24保存されたアミノ酸配列
YNYKL
配列番号25 保存されたアミノ酸配列
IAWN
配列番号26 保存されたアミノ酸配列
VVVLSF
配列番号27 保存されたアミノ酸配列
CVNF
配列番号28 保存されたアミノ酸配列
GLTG
配列番号29 保存されたアミノ酸配列
VAVLY
配列番号30 保存されたアミノ酸配列
GCLI
配列番号31 保存されたアミノ酸配列
GICA
配列番号32 保存されたアミノ酸配列
FTIS
配列番号33 保存されたアミノ酸配列
SVDC
配列番号34 保存されたアミノ酸配列
YGSFC
配列番号35 保存されたアミノ酸配列
FNFS
配列番号36 保存されたアミノ酸配列
RDLICAQ
配列番号37 保存されたアミノ酸配列
VLPPLL
配列番号38 保存されたアミノ酸配列
IPFA
配列番号39 保存されたアミノ酸配列
YRFN
配列番号40 保存されたアミノ酸配列
KLQDVVN
配列番号41 保存されたアミノ酸配列
GAISS
配列番号42 保存されたアミノ酸配列
EVQIDRLI
配列番号43 保存されたアミノ酸配列
YVTQQL
配列番号44 保存されたアミノ酸配列
HLMSF
配列番号45 保存されたアミノ酸配列
GVVHLF
配列番号46 保存されたアミノ酸配列
WFVT
配列番号47 保存されたアミノ酸配列
INAS
配列番号48 保存されたアミノ酸配列
LLQF
配列番号49 保存されたアミノ酸配列
LWLLWP
配列番号50 保存されたアミノ酸配列
LMWL
配列番号51 保存されたアミノ酸配列
SFRLF
配列番号52 保存されたアミノ酸配列
FNPETN
配列番号53 保存されたアミノ酸配列
ITVA
配列番号54 保存されたアミノ酸配列
LRLC
配列番号55 組換えスパイクタンパク質、アミノ酸配列
PNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPGGGGGGSFIEDLLFNKVTLADAGFGGGGGGWPWYIWLGFIAGLIAIVMVTIML
配列番号56 組換えスパイクタンパク質、核酸配列
ccaaacattaccaacctgtgccccttcggcgaggtgttcaacgccacacggttcgccagcgtgtacgcctggaacagaaagcggatcagcaactgcgtggccgactacagtgtcctgtataactccgccagcttttctacattcaagtgctacggcgtctcccctaccaagctgaacgacctgtgcttcaccaatgtgtacgccgattctttcgtgatcagaggcgacgaggtgcggcagatcgcccctggccagaccggaaagatcgctgattacaactacaagctgcctgatgacttcaccggctgcgtgatcgcctggaactccaacaacctggacagcaaggtggggggcaactacaactacctgtacagactgttcagaaagagcaatctgaagcctttcgagagagatatcagcacagagatctaccaggccggcagcaccccttgtaatggcgttgagggcttcaattgctactttccactgcagagctatggctttcagcctacaaacggcgtgggctaccaaccttacagagtggtggtgctgtctttcgagctgctgcacgcccctggcggaggaggaggcggatctttcatcgaggacctgctgttcaacaaggtgaccctggccgacgccggttttggcggtggcggcggcggctggccttggtacatctggctgggcttcatcgccggactgatcgccatcgtgatggtcaccatcatgctgtga
配列番号57 コロナウイルスVLPのための単一のオープンリーディングフレーム、アミノ酸配列
MYSFVSEETGTLIVNSVLLFLAFVVFLLVTLAILTALRLCAYCCNIVNVSLVKPSFYVYSRVKNLNSSRVPDLLVATNFSLLKQAGDVEENPGPMADSNGTITVEELKKLLEQWNLVIGFLFLTWICLLQFAYANRNRFLYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWITGGIAIAMACLVGLMWLSYFIASFRLFARTRSMWSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGFAAYSRYRIGNYKLNTDHSSSSDNIALLVQATNFSLLKQAGDVEENPGPPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPGGGGGGSFIEDLLFNKVTLADAGFGGGGGGWPWYIWLGFIAGLIAIVMVTIML
配列番号58 コロナウイルスVLPのための単一のオープンリーディングフレーム、核酸配列
atgtactctttcgtgtctgaggaaaccggcaccctgatcgtgaacagcgtgctgctgtttctggccttcgtggttttcctgctggtcaccctcgccatcctgaccgccctgcggctgtgcgcctactgctgcaacatcgtgaacgtgtctctggtcaaacctagcttctacgtgtatagccgggtgaagaacctgaattctagcagggtgcccgacctgctggtggccaccaacttcagcctgctgaaacaggctggcgatgtggaagagaaccctggacctatggccgatagcaacggcaccattacagtggaggaactcaaaaagctgctggaacagtggaatcttgtgatcggcttcctgttcctgacctggatctgcctgctgcagttcgcctacgccaaccgcaacagattcctgtacatcatcaaactgatcttcctgtggctgctgtggcccgtgaccctggcttgtttcgtgctggctgctgtttatagaatcaactggatcacaggcggcatcgcaatcgccatggcctgtctggtgggcctgatgtggctgagctacttcatcgccagctttagactgttcgctagaacaagaagcatgtggtcctttaaccccgagacaaacatcctcctgaatgtgccactgcatggcaccatcctgacaagacccctgctggaaagcgagctggtcatcggcgccgtgatcctgcggggccacctgagaatcgctggccaccacctgggcagatgtgacatcaaggacctgcccaaggaaatcactgtggccacaagcagaaccctcagctactacaagctgggagcctctcagagagtggccggcgacagcggcttcgccgcctacagccggtaccggattggcaattacaaactgaacaccgaccacagctccagcagcgacaacatcgctctgctagtgcaggccaccaatttcagcctgctgaagcaagctggagatgtggaagaaaaccccggccctccaaacattaccaacctgtgccccttcggcgaggtgttcaacgccacacggttcgccagcgtgtacgcctggaacagaaagcggatcagcaactgcgtggccgactacagtgtcctgtataactccgccagcttttctacattcaagtgctacggcgtctcccctaccaagctgaacgacctgtgcttcaccaatgtgtacgccgattctttcgtgatcagaggcgacgaggtgcggcagatcgcccctggccagaccggaaagatcgctgattacaactacaagctgcctgatgacttcaccggctgcgtgatcgcctggaactccaacaacctggacagcaaggtggggggcaactacaactacctgtacagactgttcagaaagagcaatctgaagcctttcgagagagatatcagcacagagatctaccaggccggcagcaccccttgtaatggcgttgagggcttcaattgctactttccactgcagagctatggctttcagcctacaaacggcgtgggctaccaaccttacagagtggtggtgctgtctttcgagctgctgcacgcccctggcggaggaggaggcggatctttcatcgaggacctgctgttcaacaaggtgaccctggccgacgccggttttggcggtggcggcggcggctggccttggtacatctggctgggcttcatcgccggactgatcgccatcgtgatggtcaccatcatgctgtga
配列番号59 VLPのための発現カセット、核酸配列
cgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctggtttagtgaaccgtcagatccgctagcgccaccatgtactctttcgtgtctgaggaaaccggcaccctgatcgtgaacagcgtgctgctgtttctggccttcgtggttttcctgctggtcaccctcgccatcctgaccgccctgcggctgtgcgcctactgctgcaacatcgtgaacgtgtctctggtcaaacctagcttctacgtgtatagccgggtgaagaacctgaattctagcagggtgcccgacctgctggtggccaccaacttcagcctgctgaaacaggctggcgatgtggaagagaaccctggacctatggccgatagcaacggcaccattacagtggaggaactcaaaaagctgctggaacagtggaatcttgtgatcggcttcctgttcctgacctggatctgcctgctgcagttcgcctacgccaaccgcaacagattcctgtacatcatcaaactgatcttcctgtggctgctgtggcccgtgaccctggcttgtttcgtgctggctgctgtttatagaatcaactggatcacaggcggcatcgcaatcgccatggcctgtctggtgggcctgatgtggctgagctacttcatcgccagctttagactgttcgctagaacaagaagcatgtggtcctttaaccccgagacaaacatcctcctgaatgtgccactgcatggcaccatcctgacaagacccctgctggaaagcgagctggtcatcggcgccgtgatcctgcggggccacctgagaatcgctggccaccacctgggcagatgtgacatcaaggacctgcccaaggaaatcactgtggccacaagcagaaccctcagctactacaagctgggagcctctcagagagtggccggcgacagcggcttcgccgcctacagccggtaccggattggcaattacaaactgaacaccgaccacagctccagcagcgacaacatcgctctgctagtgcaggccaccaatttcagcctgctgaagcaagctggagatgtggaagaaaaccccggccctccaaacattaccaacctgtgccccttcggcgaggtgttcaacgccacacggttcgccagcgtgtacgcctggaacagaaagcggatcagcaactgcgtggccgactacagtgtcctgtataactccgccagcttttctacattcaagtgctacggcgtctcccctaccaagctgaacgacctgtgcttcaccaatgtgtacgccgattctttcgtgatcagaggcgacgaggtgcggcagatcgcccctggccagaccggaaagatcgctgattacaactacaagctgcctgatgacttcaccggctgcgtgatcgcctggaactccaacaacctggacagcaaggtggggggcaactacaactacctgtacagactgttcagaaagagcaatctgaagcctttcgagagagatatcagcacagagatctaccaggccggcagcaccccttgtaatggcgttgagggcttcaattgctactttccactgcagagctatggctttcagcctacaaacggcgtgggctaccaaccttacagagtggtggtgctgtctttcgagctgctgcacgcccctggcggaggaggaggcggatctttcatcgaggacctgctgttcaacaaggtgaccctggccgacgccggttttggcggtggcggcggcggctggccttggtacatctggctgggcttcatcgccggactgatcgccatcgtgatggtcaccatcatgctgtgaacggccggctgatcataatcagccataccacatttgtagaggttttacttgctttaaaaaacctcccacacctccccctgaacctgaaacataaaatgaatgcaattgttgttgttaacttgtttattgcagcttataatggttacaaataaagcaatagcatcacaaatttcacaaataaagcatttttttcactgcattctagttgtggtttgtccaaactcatcaatgtatctta
配列番号60 VLPのための発現カセット、核酸配列
cgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctggtttagtgaaccgtcagatccgctagcgccaccatgtactctttcgtgtctgaggaaaccggcaccctgatcgtgaacagcgtgctgctgtttctggccttcgtggttttcctgctggtcaccctcgccatcctgaccgccctgcggctgtgcgcctactgctgcaacatcgtgaacgtgtctctggtcaaacctagcttctacgtgtatagccgggtgaagaacctgaattctagcagggtgcccgacctgctggtggccaccaacttcagcctgctgaaacaggctggcgatgtggaagagaaccctggacctatggccgatagcaacggcaccattacagtggaggaactcaaaaagctgctggaacagtggaatcttgtgatcggcttcctgttcctgacctggatctgcctgctgcagttcgcctacgccaaccgcaacagattcctgtacatcatcaaactgatcttcctgtggctgctgtggcccgtgaccctggcttgtttcgtgctggctgctgtttatagaatcaactggatcacaggcggcatcgcaatcgccatggcctgtctggtgggcctgatgtggctgagctacttcatcgccagctttagactgttcgctagaacaagaagcatgtggtcctttaaccccgagacaaacatcctcctgaatgtgccactgcatggcaccatcctgacaagacccctgctggaaagcgagctggtcatcggcgccgtgatcctgcggggccacctgagaatcgctggccaccacctgggcagatgtgacatcaaggacctgcccaaggaaatcactgtggccacaagcagaaccctcagctactacaagctgggagcctctcagagagtggccggcgacagcggcttcgccgcctacagccggtaccggattggcaattacaaactgaacaccgaccacagctccagcagcgacaacatcgctctgctagtgcaggccaccaatttcagcctgctgaagcaagctggagatgtggaagaaaaccccggccctccaaacattaccaacctgtgccccttcggcgaggtgttcaacgccacacggttcgccagcgtgtacgcctggaacagaaagcggatcagcaactgcgtggccgactacagtgtcctgtataactccgccagcttttctacattcaagtgctacggcgtctcccctaccaagctgaacgacctgtgcttcaccaatgtgtacgccgattctttcgtgatcagaggcgacgaggtgcggcagatcgcccctggccagaccggaaagatcgctgattacaactacaagctgcctgatgacttcaccggctgcgtgatcgcctggaactccaacaacctggacagcaaggtggggggcaactacaactacctgtacagactgttcagaaagagcaatctgaagcctttcgagagagatatcagcacagagatctaccaggccggcagcaccccttgtaatggcgttgagggcttcaattgctactttccactgcagagctatggctttcagcctacaaacggcgtgggctaccaaccttacagagtggtggtgctgtctttcgagctgctgcacgcccctggcggaggaggaggcggatctttcatcgaggacctgctgttcaacaaggtgaccctggccgacgccggttttggcggtggcggcggcggctggccttggtacatctggctgggcttcatcgccggactgatcgccatcgtgatggtcaccatcatgctgtgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
配列番号61 VLPのための発現カセット、核酸配列
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配列番号62 VLPのための発現カセット、核酸配列
cgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctggtttagtgaaccgtcagatccgctagcgccaccatgtactctttcgtgtctgaggaaaccggcaccctgatcgtgaacagcgtgctgctgtttctggccttcgtggttttcctgctggtcaccctcgccatcctgaccgccctgcggctgtgcgcctactgctgcaacatcgtgaacgtgtctctggtcaaacctagcttctacgtgtatagccgggtgaagaacctgaattctagcagggtgcccgacctgctggtggccaccaacttcagcctgctgaaacaggctggcgatgtggaagagaaccctggacctgccgatagcaacggcaccattacagtggaggaactcaaaaagctgctggaacagtggaatcttgtgatcggcttcctgttcctgacctggatctgcctgctgcagttcgcctacgccaaccgcaacagattcctgtacatcatcaaactgatcttcctgtggctgctgtggcccgtgaccctggcttgtttcgtgctggctgctgtttatagaatcaactggatcacaggcggcatcgcaatcgccatggcctgtctggtgggcctgatgtggctgagctacttcatcgccagctttagactgttcgctagaacaagaagcatgtggtcctttaaccccgagacaaacatcctcctgaatgtgccactgcatggcaccatcctgacaagacccctgctggaaagcgagctggtcatcggcgccgtgatcctgcggggccacctgagaatcgctggccaccacctgggcagatgtgacatcaaggacctgcccaaggaaatcactgtggccacaagcagaaccctcagctactacaagctgggagcctctcagagagtggccggcgacagcggcttcgccgcctacagccggtaccggattggcaattacaaactgaacaccgaccacagctccagcagcgacaacatcgctctgctagtgcaggagggcaggggaagtcttctaacatgcggggacgtggaggaaaatcccggcccaagacccaagctggctagcctcgagtctagagggcccgtttaaacccgctgatcagcctcgaggtaccggatccgcggccgcgatatctctagactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
配列番号63 VLPのための発現カセットを伴う発現ベクター、核酸配列
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配列番号64 フォワードプライマー、エンベロープタンパク質、核酸配列
actgctgcaacatcgtgaac
配列番号65 リバースプライマー、エンベロープタンパク質、核酸配列
tgctagaattcaggttcttcacc
配列番号66 フォワードプライマー、膜タンパク質、核酸配列
ttcctgtggctgctgtgg
配列番号67 リバースプライマー、膜タンパク質、核酸配列
atgaccagctcgctttccag
配列番号68 フォワードプライマー、受容体結合ドメイン、核酸配列
atcagcacagagatctaccagg
配列番号69 リバースプライマー、受容体結合ドメイン、核酸配列
agcaccaccactctgtaagg
配列番号70 ACE2受容体ペプチド、アミノ酸配列
STIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMY
配列番号71 BAPタグ、アミノ酸配列
GLNDIFEAQKIEWHE
配列番号72 C末端BAPタグを伴うACE2受容体ペプチド、アミノ酸配列
STIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYGLNDIFEAQKIEWHE
配列番号73 C末端BAPタグを伴うACE2受容体ペプチド、核酸配列
tccactattgaagaacaggcaaagactttcttggacaaattcaaccacgaggccgaagacttgttctatcaaagttcccttgcgagttggaattacaatacgaatatcaccgaagaaaacgttcagaatatgaacaatgcaggcgacaaatggtccgcctttttgaaagaacaaagtaccctggcccagatgtacggtcttaatgacatctttgaagcgcaaaagatcgagtggcacgaa
配列番号74 N末端BAPタグを伴うACE2受容体ペプチド、アミノ酸配列
GLNDIFEAQKIEWHESTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMY
配列番号75 N末端BAPタグを伴うACE2受容体ペプチド、核酸配列
ggtcttaatgacatctttgaagcgcaaaagatcgagtggcacgaatccactattgaagaacaggcaaagactttcttggacaaattcaaccacgaggccgaagacttgttctatcaaagttcccttgcgagttggaattacaatacgaatatcaccgaagaaaacgttcagaatatgaacaatgcaggcgacaaatggtccgcctttttgaaagaacaaagtaccctggcccagatgtac
配列番号76 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
QSYGFQPTN
配列番号77 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
LQSYGFQPTN
配列番号78 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
QSYGFQPTNGVGY
配列番号79 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
QPTNGVGY
配列番号80 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
FQPTNGVGY
配列番号81 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
QPTN
配列番号82 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
FQPTN
配列番号83 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
FQPTNGV
配列番号84 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
TNGVGY
配列番号85 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
FNCYFPLQ
配列番号86 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
GFNCYFPLQ
配列番号87 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
EGFN
配列番号88 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
VEGFNCY
配列番号89 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
EGFNCYFPLQ
配列番号90 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
YNYLY
配列番号91 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
NYNYLYR
配列番号92 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
SFIEDLLFNKVTLADAGF
配列番号93 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
SFIEDLLFNKVTLADAGFMKQYGCGKKKK
配列番号94 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
SFIEDLLF
配列番号95 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
SFIEDLLFGCGKKKK
配列番号96 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
SFIEDLLFNKVTLADAGFMKQY
配列番号97 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
SFIEDAAAGCGKKKK
配列番号98 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
SFIEDAAA
配列番号99 ACE2結合ペプチド、アミノ酸配列
TRYYYLNYNYTTGY
配列番号100 ACE2結合制御ペプチド、アミノ酸配列
RVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQ
配列番号101 免疫原性配列、核酸配列
cctaatattacaaacttgtgcccttttggtgaagtttttaacgccaccagatttgcatctgtttatgcttggaacaggaagagaatcagcaactgtgttgctgattattctgtcctatataattccgcatcattttccacttttaagtgttatggagtgtctcctactaaattaaatgatctctgctttactaatgtctatgcagattcatttgtaattagaggtgatgaagtcagacaaatcgctccagggcaaactggaaagattgctgattataattataaattaccagatgattttacaggctgcgttatagcttggaattctaacaatcttgattctaaggttggtggtaattataattacctgtatagattgtttaggaagtctaatctcaaaccttttgagagagatatttcaactgaaatctatcaggccggtagcacaccttgtaatggtgttgaaggttttaattgttactttcctttacaatcatatggtttccaacccactaatggtgttggttaccaaccatacagagtagtagtactttcttttgaacttctacatgcacca
配列番号102 膜貫通ドメイン、アミノ酸配列
WPWYIWLGFIAGL
配列番号103 膜貫通ドメイン、核酸配列
tggccatggtacatttggctaggttttatagctggcttga
配列番号104 細菌配列非含有のベクター、核酸配列
cgcgcgtagtatgctgaaataggtgactagaagttcctatactttctagagaataggaacttcataacttcgtataatgtatgctatacgaagttatgggttactttaatttggttgctgactaattgagatgcatgctttgcatacttctgcctgctggggagcctggggactttccacacctggttgctgactaattgagatgcatgctttgcatacttctgcctgctggggagcctggggactttccacacccctgattctgtggataaccgtattaccgccatgcattagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctggtttagtgaaccgtcagatccgctagcgccaccatgtactctttcgtgtctgaggaaaccggcaccctgatcgtgaacagcgtgctgctgtttctggccttcgtggttttcctgctggtcaccctcgccatcctgaccgccctgcggctgtgcgcctactgctgcaacatcgtgaacgtgtctctggtcaaacctagcttctacgtgtatagccgggtgaagaacctgaattctagcagggtgcccgacctgctggtggccaccaacttcagcctgctgaaacaggctggcgatgtggaagagaaccctggacctatggccgatagcaacggcaccattacagtggaggaactcaaaaagctgctggaacagtggaatcttgtgatcggcttcctgttcctgacctggatctgcctgctgcagttcgcctacgccaaccgcaacagattcctgtacatcatcaaactgatcttcctgtggctgctgtggcccgtgaccctggcttgtttcgtgctggctgctgtttatagaatcaactggatcacaggcggcatcgcaatcgccatggcctgtctggtgggcctgatgtggctgagctacttcatcgccagctttagactgttcgctagaacaagaagcatgtggtcctttaaccccgagacaaacatcctcctgaatgtgccactgcatggcaccatcctgacaagacccctgctggaaagcgagctggtcatcggcgccgtgatcctgcggggccacctgagaatcgctggccaccacctgggcagatgtgacatcaaggacctgcccaaggaaatcactgtggccacaagcagaaccctcagctactacaagctgggagcctctcagagagtggccggcgacagcggcttcgccgcctacagccggtaccggattggcaattacaaactgaacaccgaccacagctccagcagcgacaacatcgctctgctagtgcaggccaccaatttcagcctgctgaagcaagctggagatgtggaagaaaaccccggccctccaaacattaccaacctgtgccccttcggcgaggtgttcaacgccacacggttcgccagcgtgtacgcctggaacagaaagcggatcagcaactgcgtggccgactacagtgtcctgtataactccgccagcttttctacattcaagtgctacggcgtctcccctaccaagctgaacgacctgtgcttcaccaatgtgtacgccgattctttcgtgatcagaggcgacgaggtgcggcagatcgcccctggccagaccggaaagatcgctgattacaactacaagctgcctgatgacttcaccggctgcgtgatcgcctggaactccaacaacctggacagcaaggtggggggcaactacaactacctgtacagactgttcagaaagagcaatctgaagcctttcgagagagatatcagcacagagatctaccaggccggcagcaccccttgtaatggcgttgagggcttcaattgctactttccactgcagagctatggctttcagcctacaaacggcgtgggctaccaaccttacagagtggtggtgctgtctttcgagctgctgcacgcccctggcggaggaggaggcggatctttcatcgaggacctgctgttcaacaaggtgaccctggccgacgccggttttggcggtggcggcggcggctggccttggtacatctggctgggcttcatcgccggactgatcgccatcgtgatggtcaccatcatgctgtgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggaagcttacgcgtggccgctcgagacgcaattcggcttggtgtggaaagtccccaggctccccagcaggcagaagtatgcaaagcatgcatctcaattagtcagcaaccaggtgtggaaagtccccaggctccccagcaggcagaagtatgcaaagcatgcatctcaattagtcagcaaccaaattaaagtaacccataacttcgtatagcatacattatacgaagttatgaagttcctattctctagaaagtataggaacttctagtcacctatttcagcatactacgcgcg
【0414】
本開示は、本明細書において説明される特定の実施形態によって範囲を限定されるものではない。実際、上記の説明および添付の図面から、本明細書に記載されたもの以外の本開示の様々な変更は、当業者に明らかとなるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
【配列表】
【国際調査報告】