IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライジェル ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】RIP1K阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20230508BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230508BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230508BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230508BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230508BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230508BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20230508BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230508BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20230508BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20230508BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20230508BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
C07D487/04 150
A61P43/00 111
A61P29/00
A61P37/02
A61P43/00
A61P37/08
A61P17/00
A61P29/00 101
A61P19/08
A61P7/00
C07D519/00 CSP
A61K31/553
C07D498/04
A61K31/55
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559872
(86)(22)【出願日】2021-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 US2021025598
(87)【国際公開番号】W WO2021203011
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】63/004,404
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504294145
【氏名又は名称】ライジェル ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ダルウィッシュ,イハブ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ジューショウ
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,バネッサ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB07
4C050CC10
4C050EE02
4C050FF10
4C050GG03
4C050HH04
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE09
4C072FF07
4C072GG08
4C072HH07
4C072JJ03
4C072MM10
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB11
4C086CB22
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA51
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZC20
4C086ZC41
4C086ZC52
(57)【要約】
受容体相互作用タンパク質-1(RIP1)キナーゼ阻害剤化合物などのキナーゼ阻害化合物、並びにそのような阻害化合物を含む薬学的組成物及び組み合わせが本明細書に開示される。開示の化合物、薬学的組成物、及び/又は組み合わせは、キナーゼに関連する疾患又は状態、特にRIP1に関連する疾患又は状態を治療又は防止するために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iによる化合物であって、
【化1】
式中、環Bが、5員又は6員ヘテロアリールであり、
Xが、CH又はOであり、
Lが、ヘテロ原子又はRであり、ただし、Rは、水素ではなく、
Zが、C1-10脂肪族(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-6シクロアルキルなど)、各々が任意選択的に1つ以上のR基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、
が、出現ごとに独立して、-NRであり、式中、2つのR基が、それらに結合している窒素と一緒に、C3-10ヘテロ環式基、-C≡CH、又は-リンカー-R基を提供し、前記リンカーが、二価C1-10脂肪族部分(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルなど)又はC1-10脂環式部分であり、Rが、R、-C(R、又は-C(R)=C(R、各リンカーが任意選択的に1つ以上のハロ、R、若しくは両方で置換されたC5-10芳香族若しくはC3-6ヘテロ環式であり、
及びRが、独立して、Rであり、
及びRが、出現ごとに独立して、Rであり、
が、出現ごとに独立して、水素、C1-10脂肪族、C1-10ハロ脂肪族、C5-10芳香族、又はC3-6ヘテロ環式であり、
が、出現ごとに独立して、-OH、-SH、-OR、-SR、-NR、-Si(R、-C(O)OH、-C(O)OR、又は-C(O)NRであり、
が、出現ごとに独立して、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C1-10アルキル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C2-10アルケニル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C2-10アルキニル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C3-6シクロアルキル、又は(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C5-10芳香族であり、
が、1、2、又は3つのR、R及び/又はR基で任意選択的に置換されたC1-9脂肪族であり、
が、出現ごとに独立して、オキソ(=O)、-OR、N(R、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキルであるか、又は2つのR基が一緒に結合して、前記2つのR基が結合している窒素を有するC3-10ヘテロ環式基を提供し、
mが、1~4であり、
nが、0、1、又は2である、化合物。
【請求項2】
RIPキナーゼを阻害する方法であって、前記キナーゼを請求項1に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
【請求項3】
環Bが、5員又は6員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環Bが、5員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
環Bが、トリアゾール、ジアゾール、オキサゾール又はオキサジアゾールである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
環Bが、ピラゾリルであり、-N(R)C(O)-部分が、環B上の環窒素原子で環Bに結合している、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
環Bが、6員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
環Bが、ピリジニルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、C1-6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が、メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
が、CDである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
が、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
nが、0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
nが、1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
少なくとも1つのRが、C1-6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
少なくとも1つのRが、フルオロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
が、C1-6アルキル又はフルオロである、請求項14に記載の化合物。
【請求項18】
Xが、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Xが、-CH-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
Lが、ヘテロ原子である、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
Lが、Oである、請求項13に記載の化合物。
【請求項22】
Lが、C1-6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
式II
【化2】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
式IIA
【化3】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
式IIB、IIC、IID又はIIEを有し、
【化4-1】
【化4-2】
式中、各Wが、独立して、N又はOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
式IIF、IIG、IIH
【化5】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
式IIK
【化6】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
mが、1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
少なくとも1つのRが、ハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
少なくとも1つのRが、-リンカー-Rである、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
少なくとも1つのRが、8~12員スピロヘテロシクリル、C1-10アルキル、又はC2-10アルキンである、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
少なくとも1つのRが、以下:
【化7-1】
【化7-2】
【化7-3】
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
少なくとも1つのRが、
【化8】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項34】
少なくとも1つのRが、
【化9】
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
少なくとも1つのRが、
【化10】
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
以下の式
【化11-1】
【化11-2】
【化11-3】
【化11-4】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
以下の式
【化12-1】
【化12-2】
【化12-3】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
対象の疾患を治療するための方法であって、(i)治療有効量の、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物、又は(ii)治療有効量の、前記化合物の薬学的組成物を前記対象に投与することを含み、前記対象が、前記疾患を有するか、又は有するか若しくは発症している疑いがあり、前記疾患が、受容体相互作用タンパク質-1(RIP1)キナーゼに関与する疾患である、方法。
【請求項39】
前記疾患が、炎症性又は免疫調節障害である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記疾患が、老化の障害である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記疾患が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、自己免疫症候群、関節リウマチ、I型糖尿病、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、多発性硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、魚鱗癬、喘息、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性若しくは難治性喘息、遅発性喘息及び気道過敏、アレルギー性鼻炎、脊椎関節炎、強直性脊椎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道系疾患、脳血管事故、アレルギー性疾患、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、フリードライヒ運動失調症、レビー小体型疾患、糖尿病性神経障害、ポリグルタミン(polyQ)疾患、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、プリオン障害、骨吸収疾患(bone resorption disease)などの骨を破壊する障害(destructive bone disorder)、多発性骨髄腫に関連する骨障害;良性腫瘍、増殖性障害、炎症性及び過剰増殖性皮膚障害、表皮過増殖、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、膿疱性乾癬、水疱性皮膚炎、紅斑多形性皮膚炎(dermatitis erythema multiforme)、線状IgA水疱性皮膚症、セメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、歯肉、歯槽骨、歯のセメント質の病変、敗血症、膵炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、血管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、脂肪過多症、好酸球性筋膜炎、ニキビ、円形脱毛症、男性型脱毛症、老人性脱毛症、角結膜炎、春季カタル、角膜アルカリ性火傷、ベーチェット病、ベーチェット病に関連するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮異栄養症、角膜白斑、眼類天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、フォーク-小柳-原田病、血液疾患障害、血液悪性腫瘍、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、乳腺がん腫、濾胞性がん腫、未分化がん腫、乳頭状がん腫、セミノーマ、メラノーマ、ABCびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、原発性皮膚T細胞リンパ腫、くすぶり型若しくは無症候性多発性骨髄腫、白血病、急性骨髄性白血病(AML)、DLBCL、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性リンパ性リンパ腫、慢性骨髄性白血病(CML)、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、急性リンパ性白血病、B細胞前リンパ性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄線維症、真性多血症、カポジ肉腫、脾辺縁帯リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、IL-1による障害、MyD88による障害、JAK阻害剤耐性悪性腫瘍及びイブルチニブ耐性悪性腫瘍などの薬物耐性悪性腫瘍、例えばイブルチニブ耐性血液悪性腫瘍、イブルチニブ耐性CLL、及びイブル耐性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病;固形腫瘍、眼の血管新生、乳児血管腫などの血管腫を含む、血管新生障害などの血管新生障害;敗血症、敗血症性ショック、細菌性赤痢;片頭痛、気管支炎、胃潰瘍、壊死性腸炎、熱火傷に関連する腸病変、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、マスト細胞症、インターロイキン-1変換酵素に関連する関連する発熱症候群、腫瘍壊死因子受容体に関連する周期性症候群、NEMO欠乏症候群、HOIL-1欠乏症、線形ユビキチン鎖集合複合体(linear ubiquitin chain assembly complex)欠乏症候群、リソソーム蓄積症、ゴーシェ病、GM2ガングリオシドーシス、アルファ-マンノシドーシス、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステリルエステル蓄積症、慢性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、シスチン症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコシドーシス、ガラクトシアリドーシス、GM1ガングリオシドーシス、ムコリピドーシス、乳児遊離シアル酸蓄積症、若年性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、クラッベ病、ライソゾーム酸性リパーゼ欠乏症、異染性白質ジストロフィー、ムコ多糖症、多種スルファターゼ欠乏症、ニーマン-ピック病、神経セロイドリポフスチン症、ポンペ病、濃化異骨症、サンドホフ病、シンドラー病、シアル酸貯蔵病、テイ-サックス病、ウォルマン病、ハンチントン病、パーキンソン病、神経変性疾患、ハンチントン病、パーキンソン病、転移性メラノーマ、HIV感染に関連する神経変性、関連する神経認知障害若しくは認知症などのCMV網膜炎、非アルコール性脂肪性肝炎などの線維性状態、及び虚血再灌流などの心臓状態;アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、紅斑症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、移植片対宿主疾患、エンドトキシンによって誘発される炎症反応、結核、アテローム性動脈硬化症、筋肉変性、悪液質、ライター症候群、風疹関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患;大量の好中球浸潤を特徴とする疾患;強直性脊椎炎、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、及び他の関節炎状態、大脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺、肺サルコイドーシス、線維性肺、特発性間質性肺炎、同種移植片拒絶、骨髄拒絶、感染に起因する発熱及び筋痛、ケロイド形成、瘢痕組織形成、発熱、インフルエンザ、慢性骨髄性白血病;固形腫瘍を含む血管新生障害;(A型肝炎、B型肝炎、及びC型肝炎を含む)急性肝炎感染、AIDS、ARC若しくは悪性腫瘍、ヘルペスを含むウイルス性疾患;発作、心筋梗塞、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋虚血、心臓発作における虚血、臓器低酸素症、血管過形成、心臓及び腎再灌流傷害、保存、移植、若しくは虚血疾患時に起こる臓器の虚血再灌流傷害、心臓肥大、トロンビン誘発性血小板凝集、内毒素血症及び/若しくは毒性ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2に関連する状態、尋常性天疱瘡、自己免疫/多発性筋炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、光アレルギー感受性、虚血再灌流傷害、心筋梗塞から生じる心臓虚血再灌流傷害、多系統萎縮症、パーキンソンプラス症候群、前頭側頭型認知症、頭蓋内出血、大脳出血、進行性筋萎縮症、偽球麻痺、進行性球麻痺、脊髄筋萎縮症、遺伝性筋萎縮症、末梢神経障害、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、脱髄疾患、全身性若年性特発性関節炎(SoJIA)若しくはスティル病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、抗リン脂質抗体症候群(APS)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、腎移植、手術、急性腎臓傷害(AKI)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、サイトカイン放出症候群(CRS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、COVID-19から生じるARDS、感染後の自己免疫疾患、リウマチ性発熱、感染後の糸球体腎炎、全身性硬化症、大脳血管事故(CVA)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、NEMO欠乏症候群(F-カッパ-B必須モジュレーター遺伝子(IKKガンマ又はIKKGとしても知られる)欠乏症候群)、固形臓器悪性腫瘍、リソソーム蓄積症、緑内障、網膜変性疾患、網膜虚血/再灌流障害、腎虚血再灌流傷害、白内障、シデローシス、網膜色素変性症、網膜変性、網膜剥離、加齢黄斑変性、硝子体瘢痕、炭疽菌致死性毒素誘発性敗血症性ショック、LPSによって誘発された細胞死、感染性脳症、脳炎、アレルギー性脳脊髄炎、自己免疫性ブドウ膜網膜炎、巨細胞性動脈炎、限局性腸炎、肉芽腫性腸炎、遠位回腸炎、限局性回腸炎、回腸末端炎、インスリン依存性糖尿病、強皮症、全身性強皮症、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、BEST病、成人卵黄様(adult vitelliform)疾患、パターンジストロフィー、近視性変性、中心性漿液性網膜症、スターガルト病、錐体-杆体ジストロフィー、ノースカロライナジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、中毒性網膜炎及び光誘発性毒性、黄斑浮腫、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、BEST病、成人卵黄様疾患、パターンジストロフィー、視神経傷害、視神経炎、視神経症、網膜中心動脈閉塞、虚血性視神経障害(例えば、動脈性又は非動脈性前部虚血性ニューロパチー及び後部虚血性視神経症)、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、外傷性視神経症、ミトコンドリア視神経症(例えば、レーバー視神経症)、栄養性視神経症、毒性視神経症及び遺伝性視神経症、優性視神経症、ベール症候群、クロイツフェルト-ヤコブ病)、進行性核上性麻痺、遺伝性痙性対麻痺、くも膜下出血、周産期脳傷害、不顕性脳傷害、脊髄傷害、無酸素性虚血性脳損傷、大脳虚血、限局性大脳虚血、全脳虚血、及び低酸素性低酸素症、腹膜透析液(PDF)及びPD関連の副作用によって引き起こされる腹膜損傷、糸球体疾患、尿細管間質性疾患、間質性腎炎、閉塞、多発性嚢胞腎臓疾患)、限局性糸球体硬化症、免疫複合体腎症、糖尿病性腎症、グッドパスチャー症候群、肝細胞がん、膵臓がん、泌尿器がん、膀胱がん、結腸直腸がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、前立腺肥大、腎がん、腎臓がん腫、肝臓がん腫、副腎がん腫、甲状腺がん、胆嚢がん、腹膜がん、卵巣がん、頸部がん、胃がん、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、頭頸部がん、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍(例えば、脳のがん腫、神経膠腫、退形成性乏突起膠腫、成人膠芽腫、及び成人退形成星細胞腫)、骨がん、軟組織肉腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、腹膜滲出液、悪性胸膜滲出液、中皮腫、ウィルムス腫瘍、絨毛性新生物、上皮新生物、胃がん腫、卵巣のがん腫、直腸がん腫、前立腺がん腫、膵臓のがん腫、肺がん腫、膣のがん腫、頸部のがん腫、精巣のがん腫、泌尿生殖器のがん腫、食道のがん腫、喉頭のがん腫、皮膚のがん腫、骨のがん腫、甲状腺のがん腫、肉腫、神経膠芽腫、神経芽腫、胃腸がん、腺腫、腺がん、ケラトアカントーマ、類表皮がん腫、大細胞がん腫、非小細胞肺がん腫、リンパ腫、結腸がん腫、結腸直腸腺腫、血管周皮細胞腫、粘液状がん腫、円形細胞がん腫、扁平上皮がん腫、食道扁平上皮がん腫、口腔がん腫、外陰がん、副腎皮質のがん、ACTH産生腫瘍、及び白血病、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、レオウイルスなどの呼吸器感染性ウイルス)、ヘルペスウイルスによって引き起こされるヘルペス帯状疱疹、ロタウイルスによって引き起こされる下痢、ウイルス性肝炎、AIDS、Bacillus cereus、Vibrio parahaemolyticus、Enterohemorrhagic Escherichia coli、Staphylococcus aureus、MRS A、Salmonella、Botulinus、Candidaなどの細菌感染症、パジェット病、軟骨無形成症、骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、部分的な肝臓切除、急性肝臓壊死、毒素によって引き起こされる壊死、ウイルス性肝炎によって引き起こされる壊死、ショックによって引き起こされる壊死、酸素欠乏症によって引き起こされる壊死、B型ウイルス肝炎、非A/非B型肝炎、肝硬変、アルコール性肝臓疾患、アルコール性肝硬変、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アセトアミノフェン毒性、肝毒性、肝不全、劇症肝不全、遅発性肝不全、慢性肝不全の急性憎悪、慢性腎臓疾患、腎臓障害/傷害、腎炎によって引き起こされる腎臓障害/傷害、腎移植によって引き起こされる腎臓障害/傷害、手術によって引き起こされる腎臓障害/傷害、腎毒性薬物の投与によって引き起こされる腎臓障害/傷害、化学療法効果の増強、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染、AIDS、がん、老人性認知症、外傷、慢性細菌感染、環境汚染によって引き起こされる疾患、老化、高山病、ヒスタミン若しくはロイコトリエン-C4放出によって引き起こされる疾患、筋ジストロフィー、膿皮症及びセザリー症候群、アディソン病、偽膜性大腸炎、薬物若しくは放射線によって引き起こされる大腸炎、虚血性急性腎不全、慢性腎不全、肺酸素若しくは薬物によって引き起こされ
る毒素症、先天性低ホスファターゼ症、線維腫性病変、線維性異形成、骨代謝、溶骨性骨疾患、外傷後骨手術の治療、人工関節手術後の治療、整形外科的骨手術後の治療、歯科手術後の治療、骨化学療法治療若しくは骨放射線療法治療、骨がん、動脈硬化巣(fragile plaque)、障害、閉塞性障害、狭窄、冠状動脈障害、末梢動脈障害、動脈閉塞、動脈瘤形成、外傷後動脈瘤形成、再狭窄、移植片手術後の閉塞、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis)、多発性神経炎(multiple neuritis)、単神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、自己免疫性特発性血小板減少性紫斑病(自己免疫性ITP)、膜性腎炎、自己免疫性甲状腺炎、Hashimoito甲状腺炎、重症筋無力症、寒冷及び温式凝集素症、エバン症候群、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病(HUS/TTP)、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全(anerythroplasia)、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記疾患が、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、又は強直性脊椎炎である、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記疾患が、骨髄異形成症候群である、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月2日に出願された米国仮出願第63/004,404号の先の出願日の利益を主張する。
【0002】
本開示は、受容体相互作用タンパク質-1キナーゼ(「RIP1」)を阻害するための、並びにRIP1に関連する疾患及び/又は状態を治療するためなどの、化合物、並びに化合物を作製及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
受容体相互作用タンパク質-1キナーゼ(本明細書では「RIP1」と称される)は、チロシンキナーゼ様ファミリーに属し、生来の免疫シグナル伝達に関与するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼである。RIP1は、細胞シグナル伝達の調節において中心的な役割を果たし、プログラム細胞死におけるその役割は、炎症性腸疾患、乾癬、並びに炎症及び/又は壊死性細胞死と関連する他の疾患及び/又は状態などの様々な炎症性疾患に関連する。
【発明の概要】
【0004】
式Iによる化合物が本明細書に開示され、
【化1】
式中、環Bは、5員又は6員ヘテロアリールであり、
Xは、CH又はOであり、
Lは、ヘテロ原子又はRであり、ただし、Rは、水素ではなく、
Zは、C1-10脂肪族(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-6シクロアルキルなど)、各々が任意選択的に1つ以上のR基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、
は、出現ごとに独立して、-NRであり、式中、2つのR基は、それらに結合している窒素と一緒に、C3-10ヘテロ環式基、-C≡CH、又は-リンカー-R基を提供し、リンカーは、二価C1-10脂肪族部分(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルなど)又はC1-10脂環式部分であり、Rは、R、-C(R、又は-C(R)=C(R、各リンカーが任意選択的に1つ以上のハロ、R、若しくは両方で置換されたC5-10芳香族若しくはC3-6ヘテロ環式であり、
及びRは、独立して、Rであり、いくつかの実施形態では、Rは、H又はC1-6アルキルなどの水素又はC1-10脂肪族であり、ある特定の実施形態では、Rは、CH又はCDなどのC1-6アルキルであり、
及びRは、出現ごとに独立して、Rであり、
は、出現ごとに独立して、水素、C1-10脂肪族(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、又はC3-6シクロアルキルなど)、C1-10ハロ脂肪族、C5-10芳香族、又はC3-6ヘテロ環式であり、
は、出現ごとに独立して、-OH、-SH、-OR、-SR、-NR、-Si(R、-C(O)OH、-C(O)OR、又は-C(O)NRであり、
が、出現ごとに独立して、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C1-10アルキル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C2-10アルケニル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C2-10アルキニル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C3-6シクロアルキル、又は(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C5-10芳香族であり、
は、1、2、又は3つのR、R及び/又はR基で任意選択的に置換されたC1-9脂肪族であり、
は、出現ごとに独立して、オキソ(=O)、-OR、N(R、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキルであるか、又は2つのR基が一緒に結合して、2つのR基が結合している窒素を有するC3-10ヘテロ環式基を提供し、
mは、1~4であり、
nは、0、1、又は2である。
【0005】
本発明の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0006】
I.用語の概要
以下の用語及び方法の説明は、本開示をより良好に説明し、本開示の実施において当業者を導くために提供される。単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で明確に別段指示されない限り、1つ又は2つ以上を指す。「又は」という用語は、別段文脈が明確に示されない限り、記述される代替的な要素の単一の要素、又は2つ以上の要素の組み合わせを指す。本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」は、「含む(includes)」を意味する。したがって、「A又はBを含む」は、追加の要素を除外せずに「A、B、又はA及びBを含む」ことを意味する。本明細書で引用された特許及び特許出願を含む全ての参考文献は、参照により組み込まれる。
【0007】
別段示されない限り、明細書又は特許請求の範囲で使用される構成成分の量、分子量、パーセンテージ、温度、時間などを表す全ての数字は、「約」という用語によって変更されるものとして理解されるものである。したがって、別段指示されない限り、暗黙的又は明示的に、記載の数値パラメータは、求められる所望の特性及び/又は標準的な試験条件/方法の下での検出限界に依存し得る近似値である。考察される先行技術から実施形態を直接的かつ明示的に区別する場合、「約」という単語が明示的に記載されない限り、実施形態の数値は近似値ではない。
【0008】
別段説明されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料が本開示の実施又は試験に使用され得るが、好適な方法及び材料が以下に記載される。それらの材料、方法、及び例は、例証にすぎず、限定するようには意図されていない。
【0009】
本明細書で使用される場合、例えば、「置換アリールC1-8アルキル」という用語における「置換」という用語は、全ての続く修飾語句を指し、置換が、アリールC1-8アルキル基の、「C1-8アルキル」部分、「アリール」部分、又は両方の部分に生じ得る。
【0010】
「置換」は、指定された基又は部分を修飾するために使用される場合、指定された基又は部分のうちの少なくとも1つ、おそらく2つ以上の水素原子が、以下に定義されるのと同じか又は異なる置換基で独立して置き換えられることを意味する。特定の実施形態では、基、部分、又は置換基は、「非置換」又は「置換」のいずれかとして別段明示的に定義されない限り、置換又は非置換であり得る。したがって、本明細書の指定される基のうちのいずれも、別段文脈が示さない限り、又は特定の構造式が置換を排除しない限り、非置換又は置換であり得る。特定の実施形態では、置換基は、置換されるものとして明示的に定義されてもされなくてもよいが、依然として任意選択的に置換されることが企図される。例えば、「脂肪族」又は「環式」部分は、非置換又は置換であり得るが、「非置換脂肪族」又は「非置換環式」は置換されていない。
【0011】
指定された基又は部分の飽和炭素原子上の1つ以上の水素原子を置換するための「置換基(Substituents)」又は「置換基(substituent groups)」は、別段指定されない限り、-R60、ハロ、=O、-OR70、-SR70、-N(R80、ハロアルキル、ペルハロアルキル、-CN、-NO、=N、-N、-SO70、-SO 、-SO70、-OSO70、-OSO 、-OSO70、-P(O)(O(M、-P(O)(O2+、-P(O)(OR70)O、-P(O)(OR70、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-CO 、-CO70、-C(S)OR70、-C(O)N(R80、-C(NR70)(R80、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OCO 、-OCO70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO 、-NR70CO70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)N(R80、-NR70C(NR70)R70、及び-NR70C(NR70)N(R80であり得、R60が、C1-10脂肪族、ヘテロ脂肪族、又は脂環式、典型的にはC1-6脂肪族、より典型的にはC1-6アルキルであり、R60が、任意選択的に置換され得、各R70が、出現ごとに独立して、ハロゲン、又はR60であり、各R80が、出現ごとに独立して、R70であるか、あるいは2つのR80基が、そこに結合した窒素原子と一緒になって、任意選択的に、O、N、及びSから選択される1~4つの同じか若しくは異なる追加のヘテロ原子を含む3~7員ヘテロ脂環式を形成し、そのNが、任意選択的に、H又はC-Cアルキル置換などのR70置換を有し、各Mが、正味の単一の正電荷を有する対イオンである。各Mは、出現ごとに独立して、例えば、K、Na、Liなどのアルカリ金属イオン、N(R60などのアンモニウムイオン、リジンイオン若しくはアルギニンイオンなどのプロトン化アミノ酸イオン、又は、[Ca2+0.5、[Mg2+0.5、若しくは[Ba2+0.5などのアルカリ土類金属イオンである(下付き文字「0.5」は、例えば、そのような二価のアルカリ土類イオンの対イオンのうちの1つが、発明の化合物のイオン化形態であり得、塩化物などの他の典型的な対イオン、又は2つのイオン化化合物が、そのような二価のアルカリ土類イオンの対イオンとして機能し得るか、又は二重イオン化化合物が、そのような二価のアルカリ土類イオンの対イオンとして機能し得ることを意味する)。具体例として、-N(R80としては、-NH、-NH-アルキル、-NH-ピロリジン-3-イル、N-ピロリジニル、N-ピペラジニル、4N-メチル-ピペラジン-1-イル、N-モルホリニルなどが挙げられる。単一の炭素上の任意の2つの水素原子はまた、例えば、=O、=NR70、=N-OR70、=N、又は=Sで置き換えられ得る。
【0012】
不飽和炭素を含有する基の不飽和炭素原子上の水素原子を置き換えるための置換基は、別段指定されない限り、-R60、ハロ、-O、-OR70、-SR70、-S、-N(R80、ペルハロアルキル、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO、-N、-SO70、-SO 、-SO70、-OSO70、-OSO 、-OSO70、-PO -2(M、-PO -22+、-P(O)(OR70)O、-P(O)(OR70、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-CO 、-CO70、-C(S)OR70、-C(O)NR8080、-C(NR70)N(R80、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OCO 、-OCO70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO 、-NR70CO70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)N(R80、-NR70C(NR70)R70、及び-NR70C(NR70)N(R80であり、R60、R70、R80、及びMは、先に定義されたとおりである。独立した実施形態では、置換基は、-O、-OR70、-SR70、又は-Sではない。
【0013】
そのような窒素原子を含有する基の窒素原子上の水素原子を置き換えるための置換基は、別段指定されない限り、-R60、-O、-OR70、-SR70、-S、-N(R80、ペルハロアルキル、-CN、-NO、-NO、-S(O)70、-SO 、-SO70、-OS(O)70、-OSO 、-OSO70、-PO 2-(M、-PO 2-2+、-P(O)(OR70)O、-P(O)(OR70)(OR70)、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-CO70、-C(S)OR70、-C(O)NR8080、-C(NR70)NR8080、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OCO70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)N(R80、-NR70C(NR70)R70、及び-NR70C(NR70)N(R80であり、R60、R70、R80、及びMは、先に定義されたとおりである。
【0014】
一実施形態では、置換される基は、1つの置換基、2つの置換基、3つの置換基、又は4つの置換基などの、特定の部分に対して可能な置換基の最大数までの少なくとも1つの置換基を有する。
【0015】
加えて、基又は部分が置換された置換基で置換されている実施形態では、そのような置換された置換基の入れ子は3つまでに制限され、それによってポリマーの形成を防止する。したがって、親構造に結合している、それ自体が第3の基の置換基である第2の基の置換基である第1の基を含む基又は部分において、第1の(最も外側の)基は、非置換の置換基でのみ置換され得る。例えば、-(アリール-1)-(アリール-2)-(アリール-3)を含む基において、アリール-3は、それ自体が置換されていない置換基でのみ置換され得る。
【0016】
本明細書で定義される任意の基又は部分は、構造の他の部分への基又は部分の接続性が明示的に記述されない限り、又は文脈によって暗示されない限り、例示的な種と比較して、原子価規則を考慮すること、及び/又は官能価を考慮することなどによって当業者に理解されるであろうように、親又はコア構造などの開示の構造の任意の他の部分に接続され得る。
【0017】
「アシル」は、Rが、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、又は(アリール及びヘテロアリールの両方を含む)芳香族である、基-C(O)Rを指す。例示的なアシル部分としては、限定されないが、-C(O)H、-C(O)アルキル、-C(O)C-Cアルキル、-C(O)C-Cハロアルキル、-C(O)シクロアルキル、-C(O)アルケニル、-C(O)シクロアルケニル、-C(O)アリール、-C(O)ヘテロアリール、又は-C(O)ヘテロシクリルが挙げられる。具体例としては、-C(O)H、-C(O)Me、-C(O)Et、又は-C(O)シクロプロピルが挙げられる。
【0018】
「脂肪族」は、実質的に炭化水素系の基又は部分を指す。脂肪族基又は部分は、アルキル、アルケニル、又はアルキニル基(並びにアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基)を含む非環式、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はシクロアルキニルを含み、直鎖及び分岐鎖の配置、並びに同様に全ての立体異性体及び位置異性体を更に含む、脂環式基又は部分などのそれらの環式バージョンであり得る。別段明示的に記述されない限り、脂肪族基は、非環式脂肪族基若しくは部分では、1~25個の炭素原子(C1-25)、例えば、1~15(C1-15)、1~10(C1-10)、1~6(C1-6)、若しくは1~4個の炭素原子(C1-4)、又は脂環式基若しくは部分では、3~15(C3-15)、3~10(C3-10)、3~6(C3-6)、又は3~4個の炭素原子(C3-4)を含有する。脂肪族基は、「非置換脂肪族」又は「置換脂肪族」と明示的に称されない限り、置換又は非置換であり得る。脂肪族基は、1つ以上の置換基(脂肪族鎖の各メチレン炭素に対して最大2つの置換基、又は脂肪族鎖の-C=C-二重結合の各炭素に対して最大1つの置換基、又は末端メチン基の炭素に対して最大1つの置換基)で置換され得る。
【0019】
「低級脂肪族」は、1~6(C1-6)、若しくは1~4(C1-4)の炭素原子などの1~10個の炭素原子(C1-10)、又は低級脂環式基では、3~6つ(C3-6)の炭素原子などの3~10個(C3-10)を含有する脂肪族基を指す。
【0020】
「アルコキシ」は、Rが、置換若しくは非置換アルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル基である、基-ORを指す。ある特定の例では、Rは、C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基である。メトキシ(-OCH)及びエトキシ(-OCHCH)は、例示的なアルコキシ基である。置換アルコキシでは、Rは、置換アルキル又は置換シクロアルキルであり、本開示の化合物での例としては、-OCFHなどのハロアルコキシ基が挙げられる。
【0021】
「アルコキシアルキル」は、Rが、置換若しくは非置換アルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル基である、基-アルキル-ORを指し、-CHCH-O-CHCHは、例示的なアルコキシアルキル基である。
【0022】
「アルキル」は、1~少なくとも25個(C1-25)の炭素原子、より典型的には1~6個(C1-6)の炭素原子などの1~10個(C1-10)の炭素原子を有する飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。アルキル部分は、置換又は非置換であり得る。例として、この用語としては、メチル(CH)、エチル(-CHCH)、n-プロピル(-CHCHCH)、イソプロピル(-CH(CH)、n-ブチル(-CHCHCHCH)、イソブチル(-CHCH(CH)、sec-ブチル(-CH(CH)(CHCH)、t-ブチル(-C(CH)、n-ペンチル(-CHCHCHCHCH)、及びネオペンチル(-CHC(CH)などの線状及び分岐状ヒドロカルビル基が挙げられる。
【0023】
「アミノ」は、各Rが、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール及びヘテロアリールの両方を含む芳香族、若しくはヘテロ脂環式から選択されるか、又は2つのR基が、それが結合している窒素と一緒になってヘテロ環式環を形成する、基-NH、-NHR、又は-NRRを指す。そのようなヘテロ環式環の例としては、2つのR基が、それらに結合している窒素と一緒になって、任意選択的に、基
【化2】
などにおける-O-又は-N(R)などの1つ又は2つのヘテロ原子基によって中断された、-(CH2-5-環を形成し、Rが、R70、-C(O)R70、-C(O)OR60、又は-C(O)N(R80であるものが挙げられる。
【0024】
「アミド」は、Rが、水素、ヘテロ脂肪族、又はアルキル、特にC1-6アルキルなどの脂肪族である、基-N(R)アシルを指す。
【0025】
「芳香族」は、別段指定されない限り、単一の環(例えば、フェニル、ピリジニル、又はピラゾリル)又は少なくとも1つの環が芳香族である複数の縮合環(例えば、ナフチル、インドリル、又はピラゾロピリジニル)を有する、5~15個の環原子の環式の共役基又は部分を指す、すなわち、少なくとも1つの環、及び任意選択的に複数の縮合環は、連続的な非局在化π電子系を有する。典型的には、面外のπ電子の数は、ヒュッケル則(4n+2)に対応する。親構造への結合点は、典型的には、縮合環系の芳香族部分を通じている。例えば、
【化3】
。しかしながら、ある特定の例では、文脈又は明示的な開示は、結合点が、縮合環系の非芳香族部分を通じていることを示し得る。例えば、
【化4】
。芳香族基又は部分は、アリール基若しくは部分などの環内に炭素原子のみを含み得るか、又はヘテロアリール基若しくは部分などに1つ以上の環炭素原子及び孤立電子対を含む1つ以上の環ヘテロ原子(例えば、S、O、N、P、又はSi)を含み得る。別段記述されない限り、芳香族基は、置換又は非置換であり得る。
【0026】
「アリール」は、別段指定されない限り、少なくとも1つの環が芳香族である単一の環(例えば、フェニル)又は複数の縮合環を有する、(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、ベンゾジオキソールなどの)6~15個の炭素原子の芳香族炭素環式基を指す。任意の芳香族環部分がヘテロ原子を含有する場合、その基は、ヘテロアリールであり、アリールではない。アリール基は、例えば、単環式、二環式、三環式、又は四環式であり得る。別段記述されない限り、アリール基は、置換又は非置換であり得る。
【0027】
「脂肪族」は、脂肪族部分を介して親に結合したアリール基を指す。脂肪族としては、ベンジル及びフェニルエチルなどのアラルキル又はアリールアルキル基が挙げられる。
【0028】
「カルボキシル」は、-COHを指す。
【0029】
「カルボキサミド」は、-C(O)アミノを指す。
【0030】
「カルボキシルエステル」又は「カルボキシエステル」は、Rが、脂肪族、ヘテロ脂肪族、又は(アリール及びヘテロアリールの両方を含む)芳香族である、基-C(O)ORを指す。
【0031】
「カルボキシレート」は、-C(O)O又はその塩を指す。
【0032】
「シアノ」は、基-CNを指す。
【0033】
「脂環式」は、単一の環(例えば、シクロヘキシル)、又は縮合、架橋、若しくはスピロ環式系などにおける複数の環を有する環式の脂肪族基を指し、系の環又は環のうちの少なくとも1つが、脂肪族である。典型的には、親構造への結合点は、多環系の脂肪族部分を通じている。脂環式としては、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルを含む飽和及び不飽和系が挙げられる。脂環式基は、3~25個の炭素原子、例えば、3~15、3~10、又は3~6個の炭素原子を含有し得る。別段記述されない限り、脂環式基は、置換又は非置換であり得る。例示的な脂環式基としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、又はシクロヘキセニルが挙げられる。
【0034】
「ハロ」、「ハロゲン化物」、又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを指す。
【0035】
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲンで置換されたアルキル部分を指す。例示的なハロアルキル部分としては、-CHF、-CHF、及び-CFが挙げられる。
【0036】
「ヘテロ脂肪族」は、少なくとも1個のヘテロ原子及び少なくとも1個の炭素原子を有する脂肪族化合物又は基を指す、すなわち、少なくとも2個の炭素原子を含む脂肪族化合物又は基からの少なくとも1個の炭素原子が、少なくとも1つの孤立電子対を有する原子、典型的には窒素、酸素、リン、ケイ素、又はイオウで置き換えられている。ヘテロ脂環式基などのヘテロ脂肪族化合物又は基は、置換若しくは非置換、分岐若しくは非分岐、キラル若しくはアキラル、及び/又は非環式若しくは環式であり得る。
【0037】
「ヘテロアリール」は、別段指定されない限り、少なくとも1個の炭素原子、及びN、S、O、P、又はSiなどの少なくとも1個のヘテロ原子を含む、5~15個の環原子を有する芳香族基又は部分を指す。ヘテロアリール基又は部分は、単一の環(例えば、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラゾリル)又は複数の縮合環(例えば、インドリル、ベンゾピラゾリル、又はピラゾロピリジニル)を含み得る。ヘテロアリール基は、芳香族部分に融合した1つ以上の非芳香族環を含むことができ、そのようなヘテロアリール基は、芳香環又は非芳香族環を介して分子の残りの部分に結合することができる。ヘテロアリール基又は部分は、例えば、単環式、二環式、三環式、又は四環式であり得る。別段記述されない限り、ヘテロアリール基又は部分は、置換又は非置換であり得る。
【0038】
「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロ」、及び「ヘテロ環」は、芳香族及び非芳香族環系の両方を指し、より具体的には、少なくとも1個の炭素原子、典型的には複数の炭素原子、及び1~5個などの少なくとも1個のヘテロ原子を含む安定な3~15員環部分を指す。ヘテロ原子は、窒素、リン、酸素、ケイ素、又はイオウ原子であり得る。ヘテロシクリル部分は、単環式部分であり得るか、又は二環式若しくは三環式環系などにおけるように複数の環を含み得、ただし、環のうちの少なくとも1つが、ヘテロ原子を含有する。そのような多環部分としては、縮合又は架橋環系、並びにスピロ環式系を挙げることができ、ヘテロシクリル部分の任意の窒素、リン、炭素、ケイ素、又はイオウ原子は、任意選択的に様々な酸化状態に酸化され得る。便宜上、窒素、具体的には、限定されないが環状芳香族窒素として定義されるものは、特定の例においてそのように明らかに定義されていないが、それらの対応するN-オキシド形態を含むことを意味する。したがって、例えば、ピリジニル環を有する化合物では、明示的に除外されない限り、又は文脈によって除外されない限り、対応するピリジニル-N-オキシドは、発明の別の化合物として含まれる。加えて、環状窒素原子は、任意選択的に四級化され得る。ヘテロ環としては、ヘテロアリール部分、及び部分的又は完全に飽和したヘテロシクリル環であるヘテロアリシクリル又はヘテロ脂環式部分が挙げられる。ヘテロシクリル基の例としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾイル、シノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、ペルヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノオキサジニル、ナフタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾイル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、ジアゼビシクロヘプタン、ジアザパン(diazapane)、ジアゼピン、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエリイル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルフォン、ジオキサホスホラニル、及びオキサジアゾリルが挙げられる。
【0039】
「ヒドロキシル」は、基-OHを指す。
【0040】
「ニトロ」は、基-NOを指す。
【0041】
「ホスフェート」は、各-OR’が、独立して-OH;-O-アルキル若しくは-O-シクロアルキルなどのO-脂肪族;-O-アリール及び-O-ヘテロアリールの両方を含む-O-芳香族;-O-アラルキルであるか、又は-OR’が、Mが、単一の正電荷を有する対イオンである-Oである、基-O-P(O)(OR’)を指す。各Mは、K、Na、Liなどのアルカリイオン、N(R”)(R”が、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、又は(アリール及びヘテロアリールの両方を含む)芳香族である)などのアンモニウムイオン、又は[Ca2+0.5、[Mg2+0.5、若しくは[Ba2+0.5などのアルカリ土類イオンであり得る。ホスホノオキシアルキルは、例えば、-CHOP(O)(ONaなどの-CHOP(O)(OH)又はその塩などの基-アルキル-ホスフェートを指し、(((ジアルコキシホスホリル)オキシ)アルキル)は、例えば、-CHOP(O)(O-tert-ブチル)などのホスホノオキシアルキル基のジアルキルエステルを指す。
【0042】
「ホスホネート」は、各-OR’が、独立して-OH;-O-アルキル若しくは-O-シクロアルキルなどのO-脂肪族;-O-アリール及び-O-ヘテロアリールの両方を含む-O-芳香族;若しくは-O-アラルキルであるか、又は-OR’が、-Oであり、Mが、単一の正電荷を有する対イオンである、基-P(O)(OR’)を指す。各Mは、正電荷の対イオンであり、例として、K、Na、Liなどのアルカリ金属イオン、N(R”)(R”が、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、又は(アリール及びヘテロアリールの両方を含む)芳香族である)などのアンモニウムイオン、又は[Ca2+0.5、[Mg2+0.5、若しくは[Ba2+0.5などのアルカリ土類金属イオンであり得る。ホスホノアルキルは、例えば、-CHP(O)(OH)、又は-CHP(O)(ONaなどの基-アルキル-ホスホネートを指し、((ジアルコキシホスホリル)アルキル)は、例えば、-CHP(O)(O-tert-ブチル)などのホスホノアルキル基のジアルキルエステルを指す。
【0043】
「患者」又は「対象」は、一般に、任意の生物を指し得るが、より典型的には、哺乳類及び他の動物、具体的にはヒトを指す。したがって、開示の方法は、ヒトの療法及び獣医の用途の両方に適用可能である。
【0044】
「薬学的に許容される賦形剤」は、活性成分を含む組成物中に含まれる、活性成分以外の物質を指す。本明細書で使用される場合、賦形剤は、薬学的組成物の粒子内に組み込まれ得るか、又は薬学的組成物の粒子と物理的に混合され得る。賦形剤は、例えば、活性剤を希釈するため、及び/又は薬学的組成物の特性を変更するために使用され得る。賦形剤としては、限定されないが、付着防止剤、結合剤、コーティング、腸溶コーティング、崩壊剤、香料、甘味料、着色料、潤滑剤、流動促進剤、吸着剤、防腐剤、担体、又はビヒクルを挙げることができる。賦形剤は、デンプン及び修飾デンプン、セルロース及びセルロース誘導体、糖類並びに二糖類、多糖類、及び糖アルコールなどの糖類の誘導体、タンパク質、合成ポリマー、架橋ポリマー、抗酸化剤、アミノ酸、又は防腐剤であり得る。例示的な賦形剤としては、限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、植物性ステアリン、スクロース、ラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩(ビタミンE TPGS、又はTPGSとしても知られている)、カルボキシメチルセルロース、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸レチニル、セレン、システイン、メチオニン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、糖、シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、タルトラジン、アスパルタム、塩化ベンザルコニウム、ゴマ油、没食子酸プロピル、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はラノリンが挙げられる。
【0045】
「アジュバント」は、他の薬剤、典型的には活性成分の効果を変更する構成成分である。アジュバントは、多くの場合、薬理学的及び/又は免疫学的薬剤である。アジュバントは、免疫応答を増加させることによって活性成分の効果を変更することができる。アジュバントはまた、配合物の安定剤として作用し得る。例示的なアジュバントとしては、限定されないが、水酸化アルミニウム、ミョウバン、リン酸アルミニウム、死滅細菌、スクアレン、洗浄剤、サイトカイン、パラフィン油、及びフロイント完全アジュバント又はフロイント不完全アジュバントなどの組み合わせアジュバントが挙げられる。
【0046】
「薬学的に許容される担体」は、懸濁助剤、可溶化助剤、又はエアロゾル化助剤などの担体又はビヒクルである賦形剤を指す。参照により本明細書に組み込まれるRemington:The Science and Practice of Pharmacy,The University of the Sciences in Philadelphia,Editor,Lippincott,Williams,& Wilkins,Philadelphia,PA,21st Edition(2005)は、1つ以上の治療的組成物及び追加の薬学的薬剤の薬学的送達に好適な、例示的な組成物及び配合物について記載している。
【0047】
一般に、担体の性質は、用いられる特定の投与様式に依存するであろう。例えば、非経口配合物は、通常、ビヒクルとして、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース、グリセロールなどの薬学的及び生理学的に許容される流体を含む、注射可能な流体を含む。いくつかの例では、薬学的に許容される担体は、対象への(例えば、非経口、筋肉内、又は皮下注射による)投与に好適であるように滅菌され得る。生物学的に中性の担体に加えて、投与される薬学的組成物は、湿潤剤又は乳化剤、防腐剤、及びpH緩衝剤などの、例えば酢酸ナトリウム又はモノラウリン酸ソルビタンなどの少量の非毒性補助物質を含有し得る。
【0048】
「薬学的に許容される塩」は、当業者に既知であろうように、多様な有機及び無機の対イオンに由来する化合物の薬学的に許容される塩を指し、例としてのみ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどが挙げられ、分子が塩基性官能基を含有する場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸又は無機酸の塩が挙げられる。「薬学的に許容される酸付加塩」は、酸パートナーによって形成されながら、遊離塩基の生物学的有効性を保持する「薬学的に許容される塩」のサブセットである。特に、開示の化合物は、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、並びにアミノ酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、キシナホ酸(xinafoic acid)などの有機酸を含む、多様な薬学的に許容される酸とともに塩を形成する。「薬学的に許容される塩基付加塩」は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などの無機塩基に由来する「薬学的に許容される塩」のサブセットである。例示的な塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩である。薬学的に許容される有機塩基に由来する塩としては、限定されないが、一級、二級、及び三級アミンの塩、天然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環式アミン、並びにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。例示的な有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。(例えば、参照により本明細書に組み込まれるS.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.,1977;66:1-19を参照されたい。)特に開示の実施形態では、化合物は、ギ酸塩、トリフルオロアクテート(trifluoroactate)、塩酸塩、又はナトリウム塩であり得る。
【0049】
化合物又は薬学的組成物に関する「有効量」は、タンパク質又は酵素を阻害するなどの、特定の所望の結果を達成するのに十分な化合物又は薬学的組成物の量を指す。特定の実施形態では、「有効量」は、RIP1を阻害するのに、組織、系、対象、若しくは患者において所望の生物学的若しくは医学的応答を引き出すのに、指定された障害若しくは疾患を治療するのに、その症状のうちの1つ以上を改善若しくは根絶するのに、かつ/又は疾患若しくは障害の発生を予防するのに、十分な量である。「有効量」を構成する化合物の量は、当業者によって理解されるであろうように、化合物、所望の結果、病状及びその重症度、治療される患者の大きさ、年齢、及び性別などに応じて変動し得る。
【0050】
「プロドラッグ」は、生物学的に活性な化合物、又は親化合物よりも生物学的に活性な化合物を得るためにインビボで変換される化合物を指す。インビボ変換は、例えば、加水分解又は酵素的変換によって生じ得る。プロドラッグ部分の一般的な例としては、限定されないが、カルボン酸部分を担持する活性形態を有する化合物のエステル形態及びアミド形態が挙げられる。本発明の化合物の薬学的に許容されるエステルの例としては、限定されないが、脂肪族エステル、具体的にはアルキルエステル(例えば、C1-6アルキルエステル)などの、リン酸エステル基及びカルボン酸エステルが挙げられる。他のプロドラッグ部分としては、R’が、H又はC1-6アルキルである、-CH-O-P(O)(OR’)などのリン酸エステル又はその塩が挙げられる。許容されるエステルとしてはまた、限定されないが、ベンジルなどのシクロアルキルエステル及びアリールアルキルエステルが挙げられる。本発明の化合物の薬学的に許容されるアミドの例としては、限定されないが、一級アミド、並びに(例えば、約1~約6個の炭素を有する)二級及び三級アルキルアミドが挙げられる。本発明による化合物の開示の例示的な実施形態のアミド及びエステルは、従来の方法に従って調製され得る。プロドラッグの入念な考察は、両方が、全ての目的のために参照により組み込まれる、T.Higuchi and V.Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,”Vol 14 of the A.C.S.Symposium Series、及びBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に提供されている。
【0051】
「溶媒和物」は、溶媒分子と溶質の分子又はイオンとの組み合わせによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機溶媒、無機溶媒、又は両方の混合物であり得る。例示的な溶媒としては、限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール、N,N-ジメチルホルムアミドなどのN,N-ジ脂肪族アミドなどのアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド、水、及びそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に記載の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容されるか又はされない溶媒と組み合わせられると、溶媒和されていない形態並びに溶媒和形態で存在し得る。本開示の化合物の溶媒和形態は、本明細書に開示の実施形態の範囲内にある。
【0052】
「スルホンアミド」は、Rが、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、又は(アリール及びヘテロアリールの両方を含む)芳香族である、基又は部分-SOアミノ、又は-N(R)スルホニルを指す。
【0053】
「スルファニル」は、基又は-SH、-S-脂肪族、-S-ヘテロ脂肪族、(-S-アリール及び-S-ヘテロアリールの両方を含む)-S-芳香族を指す。
【0054】
「スルフィニル」は、基又は部分-S(O)H、-S(O)脂肪族、-S(O)ヘテロ脂肪族、又は(-S(O)アリール及び-S(O)ヘテロアリールの両方を含む)-S(O)芳香族を指す。
【0055】
「スルホニル」は、基:-SOH、-SO脂肪族、-SOヘテロ脂肪族、(-SOアリール及び-SOヘテロアリールの両方を含む)-SO芳香族を指す。
【0056】
本明細書で使用される「治療すること」又は「治療」は、患者又は対象、具体的には目的の疾患又は状態を有するヒトにおける、目的の疾患又は状態の治療に関し、例として、限定されないが、以下を含む:
(i)具体的には、そのような患者又は対象がその状態にかかりやすいが、まだ疾患又は状態を有すると診断されていない場合、疾患又は状態が患者又は対象で発生するのを防止すること、
(ii)疾患又は状態を阻害すること、例えば、その発症を阻止又は遅らせること、
(iii)疾患又は状態を緩和すること、例えば、その症状の軽減、又は疾患若しくは状態若しくはその症状の退行を引き起こすこと、あるいは
(iv)疾患又は状態を安定させること。
【0057】
本明細書で使用される場合、「疾患」及び「状態」という用語は、交換可能に使用され得るか、又は特定の疾病若しくは状態が、既知の原因となる物質を有しない可能性があり(したがって病因がまだ決定されていない)、したがってまだ疾患として認識されていないが、臨床医によって多少の特定の症状の組が同定されている、望ましくない状態又は症候群としてのみ認識されている点で異なり得る。
【0058】
上の定義及び以下の一般式は、許容されない置換パターン(例えば、5つのフルオロ基で置換されたメチル)を含むことを意図しない。そのような許容されない置換パターンは、当業者によって容易に認識される。
【0059】
当業者は、化合物が、互変異性、立体配座異性、幾何異性、及び/又は光学異性の現象を呈し得ることを理解するであろう。例えば、ある特定の開示の化合物は、1つ以上のキラル中心及び/又は二重結合を含み得、その結果として、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、エナンチオマー、ジアステレオマーなどの立体異性体、及びラセミ混合物などのそれらの混合物として存在し得る。別の例として、ある特定の開示の化合物は、エノール形態、ケト形態、及びそれらの混合物を含む、いくつかの互変異性形態で存在し得る。明細書及び特許請求の範囲内の様々な化合物名、式、及び化合物図は、可能な互変異性体、立体配座異性体、光学異性体、又は幾何異性体の形態のうちの1つのみを表し得るので、当業者は、開示の化合物が、本明細書に記載の化合物の任意の互変異性体、立体配座異性体、光学異性体、及び/又は幾何異性体の形態、並びにこれらの様々な異なる異性体の形態の混合物を包含することを理解するであろう。当業者、特に本開示の利益を受ける当業者に既知の技法を使用して、エナンチオマー及び/又は立体異性体の混合物を含む異なる異性体の形態の混合物を分離して、各別個のエナンチオマー及び/又は立体異性体を提供することができる。限定された回転、例えば、アミド結合の周り、又はピリジニル環、ビフェニル基などの2つの直接結合した環の間の回転の場合、アトロプ異性体も可能であり、これはまた発明の化合物に具体的に含まれる。
【0060】
当業者によって理解されるように、水素は、3つの同位体、すなわち、プロチウム、重水素、及びトリチウムのいずれにも存在し得る。ある特定の実施形態では、化合物内、又は化合物内の特定の基若しくは部分に存在するいずれか又は全ての水素は、そのような同位体の天然存在量と比較して、重水素又は三重水素に富むことができる。したがって、アルキルの記述には、プロチウムに比べて重水素が豊富な化合物が含まれる。重水素化アルキル基は、重水素によって置換された1つ以上のプロチウム原子を有し得る。例えば、C5-xなどにおける1~5つの水素が、重水素で置き換えられる場合、エチルは、C又はCの両方を指す。
【0061】
II.RIP1-活性化合物、及びRIP1-活性化合物を含む薬学的組成物
A.化合物
RIP1を阻害するのに、かつ/又はRIP1と関連する疾患及び/若しくは状態を治療するのに有用である、化合物及びそのような化合物を含む薬学的組成物が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、化合物は、選択的キナーゼ阻害剤である。例えば、例示的な化合物は、RIP2、RIP3、又はRIP2及びRIP3の両方よりもRIP1を阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式I
【化5】
を満たす構造を有することができる。
【0062】
当業者は、本明細書に開示された式が、それらの範囲内に、例示された化合物の全ての水和物、溶媒和物、物理的形態、立体異性体、N-オキシド、互変異性体、及びプロドラッグを含むことを理解するであろう。
【0063】
式Iに関して、
環Bは、5員又は6員ヘテロアリールであり、
Xは、CH又はOであり、
Lは、ヘテロ原子又はRであり、ただし、Rは、水素ではなく、
Zは、C1-10脂肪族(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-6シクロアルキルなど)、各々が任意選択的に1つ以上のR基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、
は、出現ごとに独立して、-NRであり、式中、2つのR基は、それらに結合している窒素と一緒に、C3-10ヘテロ環式基、-C≡CH、又は-リンカー-R基を提供し、リンカーは、二価C1-10脂肪族部分(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルなど)又はC1-10脂環式部分であり、Rは、R、-C(R、又は-C(R)=C(R、各リンカーが任意選択的に1つ以上のハロ、R、若しくは両方で置換されたC5-10芳香族若しくはC3-6ヘテロ環式であり、
及びRは、独立して、Rであり、いくつかの実施形態では、Rは、H又はC1-6アルキルなどの水素又はC1-10脂肪族であり、ある特定の実施形態では、Rは、CH又はCDなどのC1-6アルキルであり、
及びRは、出現ごとに独立して、Rであり、
は、出現ごとに独立して、水素、C1-10脂肪族(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、又はC3-6シクロアルキルなど)、C1-10ハロ脂肪族、C5-10芳香族、又はC3-6ヘテロ環式であり、
は、出現ごとに独立して、-OH、-SH、-OR、-SR、-NR、-Si(R、-C(O)OH、-C(O)OR、又は-C(O)NRであり、
が、出現ごとに独立して、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C1-10アルキル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C2-10アルケニル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C2-10アルキニル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C3-6シクロアルキル、又は(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C5-10芳香族であり、
は、1、2、又は3つのR、R及び/又はR基で任意選択的に置換されたC1-9脂肪族であり、
は、出現ごとに独立して、オキソ(=O)、-OR、N(R、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキルであるか、又は2つのR基が一緒に結合して、2つのR基が結合している窒素を有するC3-10ヘテロ環式基を提供し、
mは、1~4であり、
nは、0、1、又は2である。
【0064】
ある特定の実施形態では、Rが、-NRであり、式中、2つのR基が、それらに結合している窒素と一緒に、C3-10ヘテロ環式基を提供する場合、C3-10ヘテロ環式基は、窒素及び酸素から選択された1つ、2つ又は3つの追加のヘテロ原子を任意選択的に含む。いくつかの実施形態では、C3-10ヘテロ環式基は、一緒に結合して、C3-10ヘテロ環式基を提供する1つ以上のR基で置換され、このC3-10ヘテロ環式は、R基とともに、スピロ環式基又は架橋若しくは非架橋の二環式基を提供することができる。
【0065】
は、式Iに示されるように、フェニル環Aの任意の好適な炭素原子上、例えば、1、2、3、又は4位に位置することができる。いくつかの実施形態では、1つのRは、Rであり、式中、RはC1-10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル)であり、第2のRは、Rであり、式中、Rは、ハロゲン(例えば、Br、F、I、又はCl)又は-NRであり、2つのR基は、それらに結合している窒素と一緒に、C4-9ヘテロ環式基を提供する。いくつかの実施形態では、C4-9ヘテロ環式基は、1つ以上のR基で置換され、かつ/又は両方のR基が結合している窒素に加えて、1つ以上の追加のヘテロ原子を有する。いくつかの化合物の実施形態は、R基である少なくとも1つのR基を含み、Rは、-NRであり、(i)各Rは、独立して、R若しくはRであるか、又は(ii)2つのR基は、それらに結合している窒素と一緒に、C4-9ヘテロ環式基を提供する。いくつかの実施形態では、Rは、-NRであり、式中、1つのRは、Rであり、Rは、Hであり、もう1つのRは、Rであり、Rは、C1-6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロ環式基は、1つ又は2つのヘテロ原子(Rの窒素原子を含む)を含む。特定のヘテロ環式基は、R基の窒素原子、及び酸素原子又は追加の窒素原子のいずれかを含む。いくつかの化合物の実施形態におけるヘテロ環式基は、R基の窒素原子を介して式Iの環Aのフェニル環に結合している。いくつかの実施形態では、ヘテロ環式基は、2つのR基で置換されており、Rは、出現ごとに独立して、C1-6ハロアルキル(例えば、-CHCl)又はC1-6ヘテロアルキル(例えば、CHOH)である。ヘテロ環式基は、6員又は7員ヘテロ環式基である。例示的な実施形態では、ヘテロ環式基は、
【化6】
であり、
式中、各nは、独立して、0、1、2、3、又は4などの0~4の範囲の整数であり、Rは、水素、C1-10脂肪族などの脂肪族、C5-10芳香族などの芳香族、又はC1-10ヘテロ脂肪族などのヘテロ脂肪族から選択される。
【0066】
いくつかの実施形態では、Rは、Rであり、Rは、-NRであり、両方のR基は、それらに結合している窒素と一緒に、少なくとも2つのR基で置換されたC4-9ヘテロ環式基を提供し、2つのR基は、一緒に結合して、それらが結合しているR基を有するC3-10ヘテロ環式基を提供する。そのような実施形態では、2つのR基は、二環式基又はスピロ環式基が提供されるように、一緒に結合することができる(二環式基又はスピロ環式基の1つの環は、R基によって提供され、二環式基又はスピロ環式基のもう1つの環は、2つのR基によって提供される)。スピロ環基を含む実施形態では、スピロ環基の各環は、同じ数の原子又は異なる数の原子を有し得る。特定の実施形態では、スピロ環基は、少なくとも2つの環を含み、スピロ環基の第1の環及び第2の環は、異なる数の炭素原子、異なる数のヘテロ原子、又はその両方を有する。いくつかの実施形態では、スピロ環基の2つの環は、同じ数の炭素原子、同じ数のヘテロ原子、又はその両方を含む。いくつかの実施形態では、スピロ環基の各環は、環内にヘテロ原子を含み、ヘテロ原子は、各環で同じであり得るか、又はスピロ環基の各環は、環内に異なるヘテロ原子を有し得る。スピロ環基は、環Aフェニル基の炭素原子に結合した第1の環を含むことができ、第1の環は、3~7個の原子を有し、第2の環は、3~7個の原子を有する。いくつかの実施形態では、スピロ環基は、R基の窒素原子に加えて、少なくとも1つの酸素原子を含む。スピロ環基は、スピロ環系に合計7個を超える原子を含むことができ、特定の実施形態は、スピロ環系に合計9個の原子を含む。例示的な実施形態では、Rは、2つのR基と一緒になって、以下のスピロ環:
【化7】
を提供することができ、
式中、Rは、水素、C1-10脂肪族などの脂肪族、C5-10芳香族などの芳香族、又はC1-10ヘテロ脂肪族などのヘテロ脂肪族から選択される。
【0067】
そのような部分の例として、ある特定の実施形態では、Rは、
【化8】
から選択され、
式中、各nは、独立して、0、1、2、3、又は4などの0~4の範囲の整数であり、Rは、独立して、水素、C1-10脂肪族などの脂肪族、C5-10芳香族などの芳香族、又はC1-10ヘテロ脂肪族などのヘテロ脂肪族から選択される。
【0068】
ある特定の実施形態では、Rは、C2-10アルキニル部分などの-リンカー-R基である。そのようなC2-10アルキニル部分は、線状、分岐状、及び/又は環状であり得、1、2又は3つの置換基を有する。例示的な置換基としては、シクロアルキル及びOHが挙げられる。いくつかの実施形態では、1つの置換基は、オキセタニル、アゼチジニル、ピリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、アミノ、若しくはホスフェートであり、かつ/又はいくつかの実施形態では、1つの置換基は、-OC(O)-Rである。C2-10アルキンは、
【化9】
などに、線状及び/又は分岐状部及び環状部を含み得る。いくつかの化合物は、C基であるリンカーと、RであるR基とを含み、Rが、-NRであり、1つのRが、Hであり、他のRが、ピリジニルであるか、若しくは両方のR基が、それらに結合している窒素と一緒になって、C5-10ヘテロアリールを提供するか、又はRが、ORであり、Rが、ピリジニル基で置換されたC1-4アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、
【化10】
である。
【0069】
いくつかの実施形態では、Rは、以下のうちのいずれか:
【化11-1】
【化11-2】
から選択され得る。
【0070】
特定の実施形態では、Rは、
【化12】
、から選択される。
【0071】
いくつかの実施形態では、R及びRの各々は、独立して、Rであり、Rが、出現ごとに独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルである。特定の実施形態では、R及びRの各々は独立して、出現ごとに独立して水素、メチル、又はエチルである、Rである。例示的な実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、水素である。
【0072】
上記の実施形態の各々に関して、Xは、CH又はOである。
【0073】
上記のものを含む式Iの特定の実施形態では、B環ヘテロアリール基は、5員である。そのような5員ヘテロアリール基は、式
【化13】
を満たす構造を有し得、少なくとも1つのWが、窒素であり、残りの各Wが、独立して、C、-C(R)-、CH、酸素、硫黄、窒素、又はNHから選択される。いくつかの実施形態では、5員ヘテロアリール基は、トリアゾール、イミダゾール又はピラゾールなどのジアゾール、オキサゾール又はオキサジアゾールである。
【0074】
例示的なジアゾールとしては、以下のうちのいずれか:
【化14】
が挙げられる。
【0075】
例示的なオキサゾールとしては、以下のいずれか:
【化15】
が挙げられる。
【0076】
他の実施形態では、Bは、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン又はピラジンなどの6員ヘテロアリールである。
【0077】
ある特定の実施形態では、Lは、C1-アルキレンリンカー(例えば-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH)などの、二価のC1-10脂肪族基である。いくつかの実施形態では、Lは、-CH-である。
【0078】
引き続き式Iを参照すると、Zは、フェニルなどのアリール、又はヘテロアリールであり得る。任意の実施形態では、Zは、ヘテロアリールであり、Zは、5員又は6員窒素含有ヘテロアリール、例えば、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピロリル、又はトリアゾリルなどの、5員又は6員ヘテロアリールであり得る。ある特定のそのような実施形態では、Zは、6員窒素含有ヘテロアリールであり、ピリジニル、ピリミジニル、又はピリダジニルであり得る。
【0079】
ある特定の実施形態では、Zは、
【化16】
などのアリールであり、式中、Rは、出現ごとに独立して、Rであり、pは、0、1、2、3、4、又は5である。他の実施形態では、Zは、
【化17】
などのヘテロアリールである。特定の開示された化合物は、R基であるR基を含み、Rは、C-C脂肪族であるか、又はR基であり、Rは、フルオロなどのハロゲンであり、Rは、Rであり、Rは、C-C脂肪族であり、Rは、Rであり、Rは、水素である。
【0080】
式Iの化合物はまた、式II及びIIA~IIF、IIG及びIIHのうちのいずれか1つ以上を満たす構造を有し得る。
【化18-1】
【化18-2】
【0081】
式II及びIIA~IIHに関して、R、X、W及びRの各々は、式Iについて上に列挙したとおりである。特定の実施形態では、0、1、又は2つのR基が存在する。Rは、Rであり得、Rが、フルオロ又はクロロである。他の特定の実施形態では、Rは存在しない。式IIA~IIFに関して、各Wは、独立して、窒素又は酸素、具体的には窒素である。特定の実施形態では、式IIEは、式IIKを有し、
【化19】
式中、Wは、O又はNである。当業者によって理解されるように、式IIKにおいてWがNである場合、Nは、開放原子価を有し、水素又は式Iに関してR基で置換され得る。例として、そのような場合の窒素の置換に好適なRe基としては、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキルが挙げられる。
【0082】
式I、II、及びIIA~IIG、IIH及びIIKの1つ以上の範囲内の特定の例示的な化合物としては、以下が挙げられる:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0083】
いくつかの実施形態では、化合物のうちの1つ以上は、薬学的組成物又は医薬品に含まれ得、いくつかの実施形態では、化合物又は複数の化合物は、親化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、N-オキシド、互変異性体、水和物、溶媒和物、同位体、又はプロドラッグの形態であり得る。薬学的組成物は、典型的には、開示の化合物又は複数の化合物以外の、薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、(以下のセクションに記載の)追加の治療剤、又はそれらの任意の組み合わせなどの少なくとも1つの追加の構成成分を含む。
【0084】
薬学的に許容される賦形剤は、対象に送達するために薬学的組成物を希釈すること、配合物の処理を容易にすること、配合物に有利な材料特性を提供すること、送達デバイスからの分散を促進すること、配合物(例えば、抗酸化剤又は緩衝液)を安定化すること、心地良い若しくは口当たりの良い味又は一貫性を配合物に提供することなどの、多様な目的のために薬学的組成物に含まれ得る。薬学的に許容される賦形剤は、薬学的に許容される担体を含み得る。例示的な賦形剤としては、限定されないが、単糖類、二糖類、及び多糖類、糖アルコール、及びラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール、デンプン、又はそれらの組み合わせなどの他のポリオール;ソルビトール、ジホスファチジルコリン、及びレシチンなどの界面活性剤;増量剤;リン酸及びクエン酸緩衝液などの緩衝液;ステアリン酸マグネシウムなどの付着防止剤;(スクロース及びラクトースなどの二糖類を含む)糖類、(デンプン、セルロース、微結晶性セルロース、(ヒドロキシプロピルセルロースなどの)セルロースエーテル)などの)多糖類、ゼラチン、(ポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコールなどの)合成ポリマーなどの結合剤;(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シェラック、コーンプロテインゼイン、及びゼラチンを含むセルロースエーテルなどの)コーティング;(腸溶コーティングなどの)放出助剤;(クロスポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びデンプングリコール酸ナトリウムなどの)崩壊剤;(二塩基性リン酸カルシウム、植物性油脂及び油、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、炭酸カルシウム、並びにステアリン酸マグネシウムなどの)充填剤;(ミント、チェリー、アニス、ピーチ、アプリコット又はリコリス、ラズベリー、及びバニラなどの香料及び甘味料;(タルク又はシリカによって例示されるミネラル、植物性ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸によって例示される油脂などの)潤滑剤;(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸レチニル、及びセレニウムによって例示される抗酸化剤、システイン及びメチオニンによって例示されるアミノ酸、クエン酸及びクエン酸ナトリウム、メチルパラベン及びプロピルパラベンによって例示されるパラベンなどの)防腐剤;着色料;圧縮助剤;乳化剤;カプセル化剤;ガム;造粒剤;並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0085】
III.化合物を使用する方法
A.疾患/障害
開示の化合物、並びにそれらの組み合わせ及び/又は薬学的組成物を、キナーゼをインビボ又はエクスビボのいずれかで、本開示の化合物若しくは複数の化合物、又は本開示の化合物若しくは複数の化合物を含む組成物と接触させることによって、RIP1キナーゼを阻害するために使用され得る。開示の化合物若しくは複数の化合物、又は開示の化合物若しくは複数の化合物を含む組成物はまた、多様な疾患及び/又は障害を改善、治療、又は予防するために使用され得る。特定の実施形態では、開示の化合物、開示の化合物の組み合わせ、又はそれらの薬学的組成物は、RIP1又はRIP1が関与する経路の阻害が、治療上有用である状態を治療するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、化合物は、RIP1キナーゼ活性を直接阻害する。ある特定の実施形態では、開示の化合物は、自己免疫疾患、炎症性障害、心血管疾患、神経障害、神経変性障害、アレルギー性障害、呼吸器疾患、腎臓疾患、がん、虚血状態、赤血球欠乏症、(例えば、虚血再灌流、又はシスプラチン、及び/又は脳血管事故によって誘発される)肺及び脳傷害、並びに細菌及びウイルス感染の治療に有用である。
【0086】
いくつかの実施形態では、開示の化合物、開示の化合物の組み合わせ、又はそれらの薬学的組成物は、アレルギー性疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄筋萎縮症、全身性紅斑性狼瘡、関節リウマチ、I型糖尿病、炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、自己免疫性筋炎、ウェゲナー肉芽腫症、魚鱗癬、悪性眼球突出症(Graves ophthalmyopathy)、又は喘息を治療又は予防するために使用され得る。
【0087】
開示の化合物、開示の化合物の組み合わせ、又はそれらの薬学的組成物はまた、骨髄若しくは臓器移植拒絶又は移植片対宿主疾患に関連する免疫調節障害を治療するのに有用であり得る。化合物(又はそれらの薬学的組成物若しくは組み合わせ)で治療することができる炎症性及び免疫調節障害の例としては、限定されないが、臓器若しくは組織の移植、移植によってもたらされる移植片対宿主疾患、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、全身性硬化症、全身性炎症反応症候群、重力筋無力症、I型糖尿病、ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎を含む自己免疫症候群、リウマチ熱及び感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患、炎症性及び過剰増殖性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、血管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、紅斑性狼瘡、ニキビ、円形脱毛症、角結膜炎、春季カタル、ベーチェット病と関連するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、ジストロフィア上皮性角膜、角膜白血病、眼性天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、悪性眼球突出症、フォーク-小柳-原田病、サルコイドーシス、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性若しくは難治性喘息、遅発性喘息及び気道過敏、気管支炎、胃潰瘍、虚血性疾患及び血栓症によって引き起こされる血管損傷、虚血性腸疾患、虚血性再灌流傷害、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、熱火傷と関連する腸病変、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、マスト細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、片頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎、多発性神経炎、単神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、赤芽球癆、再生不良性貧血(aplastic anemia)、再生不良性貧血(hypoplastic anemia)、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全、骨粗鬆症、サルコイドーシス、線維性肺、特発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白皮症、尋常性魚鱗癬、光アレルギー感受性、皮膚T細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋症若しくは心筋症性感染、強皮症(全身性強皮症を含む)、抗リン脂質抗体症候群、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、脂肪過多症、好酸球性筋膜炎、歯肉、歯周組織、歯槽骨、歯のセメント質の病変、糸球体腎炎、脱毛の防止若しくは育毛の提供並びに/若しくは発毛及び髪の発育の促進による男性型脱毛症若しくは脱毛症、筋ジストロフィー、膿皮症及びセザリー症候群、アディソン病、保存、移植、若しくは虚血性疾患時に生じる臓器の虚血再灌流傷害、エンドトキシンショック、偽膜性大腸炎、薬物若しくは放射線によって引き起こされる大腸炎、虚血性急性腎不全、慢性腎不全、肺酸素若しくは薬物によって引き起こされる毒素症、肺がん、肺気腫、白内障、シデローシス、網膜色素変性症、網膜変性、網膜剥離、加齢黄斑変性、硝子体瘢痕、角膜アルカリ性火傷、紅斑多形性皮膚炎、線状IgA水疱性皮膚炎及びセメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、環境汚染によって引き起こされる疾患、老化、発がん、がん腫の転移及び高山病、ヒスタミン若しくはロイコトリエン-C4放出によって引き起こされる疾患、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、部分的な肝臓切除、急性肝臓壊死、毒素によって引き起こされる壊死、ウイルス性肝炎、ショック、若しくは酸素欠乏症、B型ウイルス性肝炎、非A/非B型肝炎、肝硬変、アルコール性肝硬変、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含むアルコール性肝臓疾患、自己免疫性肝胆道系疾患、アセトアミノフェン毒性、肝毒性、肝不全、劇症肝不全、遅発性肝不全、慢性肝不全の急性憎悪、慢性腎臓疾患、腎臓障害/傷害(例えば、腎炎、腎移植、手術、腎毒性薬物の投与、急性腎臓傷害によって引き起こされる)、化学療法効果の増強、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染、AIDS、がん、老人性認知症、パーキンソン病、外傷、又は慢性細菌感染が挙げられる。
【0088】
ある特定の実施形態では、本化合物は、神経障害性疼痛及び炎症誘発性疼痛を含む神経疼痛を治療するのに有用である。
【0089】
ある特定の実施形態では、化合物は、インターロイキン-1変換酵素に関連する関連する熱症候群、腫瘍壊死因子受容体関連周期的症候群、NEMO欠乏症候群、HOIL-1欠乏症、線形ユビキチン鎖集合複合体欠乏症候群、リソソーム蓄積症(例えば、ゴーシェ病、GM2ガングリオシドーシス、アルファ-マンノシドーシス、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステリルエステル蓄積症、慢性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、シスチン症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコシドーシス、ガラクトシアリドーシス、GM1ガングリオシドーシス、ムコリピドーシス、乳児遊離シアル酸蓄積症、若年性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、クラッベ病、ライソゾーム酸性リパーゼ欠乏症、異染性白質ジストロフィー、ムコ多糖症、多種スルファターゼ欠乏症、ニーマン-ピック病、神経セロイドリポフスチン症、ポンペ病、濃化異骨症、サンドホフ病、シンドラー病、シアル酸蓄積症、テイ-サックス病、及びウォルマン病)の治療に有用である。
【0090】
ある特定の実施形態では、開示の化合物、開示の化合物の組み合わせ、又はそれらの薬学的組成物は、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、全身性紅斑性狼瘡、ループス腎炎、強直性脊椎炎、骨粗鬆症、全身性硬化症、多発性硬化症、乾癬、具体的には膿疱性乾癬、I型糖尿病、II型糖尿病、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、高免疫グロブリン血症d及び周期性発熱症候群、クリオピリン関連周期性症候群、シュニッツラー症候群、全身性若年性特発性関節炎、成人発症性スティル病、痛風、痛風フレア、偽痛風、サッフォー症候群、キャッスルマン病、敗血症、発作、アテローム性動脈硬化症、セリアック病、DIRA(Il-1受容体拮抗薬の欠乏症)、アルツハイマー病、ハンチントン病、又はパーキンソン病の治療及び/又は予防に有用である。
【0091】
開示の化合物、開示の化合物の組み合わせ、又はそれらの薬学的組成物によって治療され得る増殖性疾患としては、良性及び悪性腫瘍、固形腫瘍、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、胃腫瘍、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、頸部、精巣、泌尿生殖器、食道、喉頭、皮膚、骨、又は甲状腺のがん腫、肉腫、神経膠芽腫、神経芽腫、多発性骨髄腫、胃腸がん、特に結腸がん腫又は結腸直腸腺腫、頭頸部の腫瘍、表皮過増殖、乾癬、前立腺肥大、新生物、上皮性の新生物、腺腫、腺がん、ケラトアカントーマ、類表皮がん腫、大細胞がん腫、非小細胞肺がん腫、リンパ腫、ホジキン及び非ホジキン、乳腺がん腫、濾胞性がん腫、未分化がん腫、乳頭状がん腫、セミノーマ、メラノーマ、IL-1による障害、MyD88による障害(ABCびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、原発性皮膚T細胞リンパ腫又は慢性リンパ性白血病)、くすぶり型又は無症候性多発性骨髄腫、又は血液悪性腫瘍(白血病、急性骨髄性白血病(AML)、DLBCL、ABC DLBCL、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性リンパ性リンパ腫、慢性骨髄性白血病(CML)、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、急性リンパ性白血病、B細胞前リンパ性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、慢性骨髄単球性白血病(CMML-0、CMML-1及びCMML-2を含むCMML)などの脊髄形成異常/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN)、骨髄線維症、真性多血症、カポシ肉腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、脾辺縁帯リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫を含む)が挙げられる。具体的には、本開示の化合物は、イブルチニブ耐性CLL及びイブルチニブ耐性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症などのイブルチニブ耐性血液悪性腫瘍を含む、JAK阻害剤であるイブルチニブ耐性悪性腫瘍に耐性のあるものなどの薬物耐性悪性腫瘍の治療に有用である。
【0092】
CMMLは、骨髄増殖性腫瘍(MPN)及び骨髄異形成症候群(MDS)の両方の特定の臨床的及び病理学的特徴を有するにもかかわらず、世界保健機関(WHO)によってMDS/MPN重複群の別のカテゴリーに分類される。(Arber et al.“The 2016 revision to the World Health Organization classification of myeloid neoplasms and acute leukemia”Blood,vol.127,number 20,pages 2391-2405,May 19,2016.)WHOによると、CMMLでは現在、≧1×10/Lの永続的な末梢血単球症の存在、及び白血球(WBC)の分画数の≧10%を占める単球の両方が必要である。更に、CMMLは、PDGFRA、PDGFRB、又はFGFR1遺伝子の再構成が除外されている場合にのみ、定義に従って診断でき、2016年の更新では、PCM1-JAK2融合遺伝子が除外基準として追加された。いくつかの実施形態では、CMMLを治療するための方法は、WHO診断基準(すなわち、≧1×10/L以上の持続性末梢血単球症及び白血球分画数の≧10%を占める単球)を有する対象を同定することと、PDGFRA、PDGFRB、FGFR1、又はPCM1-JAK2遺伝子の再編成を除外することと、本明細書に開示されるRIP1阻害剤、そのような化合物の組み合わせ、及び/又はそれらの組成物を投与することによって対象を治療することと、を含む。
【0093】
開示の化合物、開示の化合物の組み合わせ、又はそれらの薬学的組成物を使用して治療され得るアレルギー性障害の例としては、限定されないが、喘息(例えば、アトピー性喘息、アレルギー性喘息、アトピー性気管支IgE媒介性喘息、非アトピー性喘息、気管支喘息、非アレルギー性喘息、本質的喘息、真の喘息、病態生理学的障害によって引き起こされる内因性喘息、原因が不明又は原因が明らかではない本質的喘息、肺気腫のような喘息、運動誘発性喘息、感情誘発性喘息、環境要因によって引き起こされる外因性喘息、冷気誘発喘息、職業性喘息、細菌、真菌、原生動物、又はウイルス感染によって引き起こされるか若しくは関連する感染性喘息、初期喘息、乳児喘鳴症候群、気管支炎、咳喘息又は薬物誘発性喘息)、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、通年性鼻炎、血管運動性鼻炎、後鼻漏、化膿性若しくは非化膿性副鼻腔炎、急性若しくは慢性副鼻腔炎、及び篩骨、前頭、上顎、又は蝶形骨洞炎が挙げられる。
【0094】
別の例として、関節リウマチ(RA)は、典型的には全身の腫れ、疼痛、動きの喪失、及び標的関節の圧痛を生じる。RAは、リンパ球が密集している、慢性的に炎症を起こした滑膜を特徴とする。典型的には1つの細胞層の厚さである滑膜は、細胞が強くなり、樹状細胞、T、B、及びNK細胞、マクロファージ、並びに血漿細胞のクラスターを含む、リンパ組織と同様の形態であると思われる。本プロセス、並びに抗原-免疫グロブリン複合体の形成を含む多数の免疫病理学的機序は、最終的に関節の完全性の破壊を生じ、変形、機能の永久的な喪失、及び/又は関節若しくはその付近の骨侵食を生じる。開示の化合物、開示の化合物の組み合わせ、又はそれらの薬学的組成物は、RAのこれらの症状のうちのいずれか1つ、いくつか、又は全てを治療、改善、又は予防するために使用され得る。したがって、RAの背景では、化合物は、基礎となるRAに付随する治療、及び/又は循環しているリウマチ因子(「RF」)の量の低減を治療が生じるかどうかに関係なく、RAに一般的に関連する症状のいずれかの低減又は改善が達成されると、治療上の利益を提供するとみなされる。
【0095】
American College of Rheumatology(ACR)は、RAの改善及び臨床的寛解を定義する基準を開発した。そのようなパラメータであるACR20(20%の臨床的改善に関するACR基準)は、圧痛関節数及び腫脹関節数の20%の改善、並びに以下の5つのパラメータのうち3つの20%の改善を必要とする:患者の全体的評価、医師の全体的評価、患者の疼痛の評価、障害の程度、及び急性期反応物のレベル。これらの基準は、ACR50及びACR70で、それぞれ50%及び70%の改善に対して拡張されている。他の基準としては、Pauluの基準及びX線写真の進行(例えば、Sharpスコア)が挙げられる。
【0096】
いくつかの実施形態では、RAを患う患者における治療上の利益は、患者がACR20を呈すると達成される。特定の実施形態では、ACRC50又は更にはACR70のACR改善を達成することができる。
【0097】
B.治療剤の組み合わせ
本明細書に記載の化合物は、単独で、互いに組み合わせて、別個の薬学的組成物中で、単一の薬学的組成物中で一緒に、又は他の確立された療法の補助として、若しくは他の確立された療法と組み合わせて、使用され得る。化合物若しくは複数の化合物、又は化合物(又は複数の化合物)を含む組成物は、1回投与されても、複数回投与されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、治療されている障害又は状態に有用な他の治療剤と組み合わせて使用され得る。これらの他の治療剤は、本開示の化合物と同じ投与経路によって、又は異なる経路によって、同時に、任意の順序で連続して投与され得る。連続投与では、化合物及び治療剤は、少なくとも1つの化合物及び治療剤の有効期間が、少なくとも1つの他の化合物及び/又は治療剤の有効期間と重複するように投与され得る。4つの構成成分を含む組み合わせの例示的な実施形態では、投与される第1の構成成分の有効期間は、第2、第3、及び第4の構成成分の有効期間と重複し得るが、第2、第3、及び第4の構成成分の有効期間は、独立して互いに重複してもしなくてもよい。4つの構成成分を含む組み合わせの別の例示的な実施形態では、投与される第1の構成成分の有効期間は、第2の構成成分の有効期間と重複するが、第3又は第4の有効期間とは重複せず、第2の構成成分の有効期間は、第1及び第3の構成成分の有効期間と重複し、第4の構成成分の有効期間は、第3の構成成分の有効期間とのみ重複する。いくつかの実施形態では、全ての化合物及び/又は治療剤の有効期間は互いに重複する。
【0098】
いくつかの実施形態では、化合物は、鎮痛剤、抗生物質、抗凝固剤、抗体、抗炎症剤、免疫阻害剤、グアニル酸シクラーゼ-Cアゴニスト、腸分泌促進剤、抗ウイルス剤、抗がん剤、抗真菌剤、又はそれらの組み合わせなどの別の治療剤とともに投与される。抗炎症剤は、ステロイド又は非ステロイド性抗炎症剤であり得る。ある特定の実施形態では、非ステロイド性抗炎症剤は、アミノサリチル酸塩、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ジクロフェナク、エトドラク、ファモチジン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナム酸、メフェナミン酸、メロキシカム、ナンブメトン(nambumetone)、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサラート、スリンダク、トルメチン、又はそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、免疫阻害剤は、メルカプトプリン、コルチコステロイド、アルキル化剤、カルシニューリン阻害剤、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、抗リンパ球グロブリン、抗胸腺細胞グロブリン、抗T細胞抗体、又はそれらの組み合わせである。一実施形態では、抗体は、インフリキシマブである。
【0099】
いくつかの実施形態では、本化合物は、抗がん剤又は細胞毒性剤とともに使用され得る。抗がん及び抗新生物化合物の様々な部類としては、限定されないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、BCL-2阻害剤、ビンカアルキロイド(vinca alkyloid)、タキサン、抗生物質、酵素、サイトカイン、白金配位錯体(platinum coordination complex)、プロテアソーム阻害剤、置換尿素、キナーゼ阻害剤、複数のホルモン及びホルモン拮抗薬、並びに低メチル化剤、例えば、アザシチジン及びデシタビンなどのDNMT阻害剤が挙げられる。例示的なアルキル化剤としては、限定されないが、メクロロタミン(mechlorothamine)、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、エチレンイミン、メチルメラミン、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、及びカルムスチンが挙げられる。例示的な代謝拮抗剤としては、限定ではなく例として、葉酸類似体メトトレキサート;ピリミジン(pyrmidine)類似体フルオロウラシル、シトシンアルビノシド;プリン類似体メルカプトプリン、チオグアニン、及びアザチオプリンが挙げられる。例示的なビンカアルキロイドとしては、限定ではなく例として、ビンブラスチン、ビンクリスチン、パクリタキセル、及びコルヒチンが挙げられる。例示的な抗生物質としては、限定ではなく例として、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、及びブレオマイシンが挙げられる。抗新生物剤として有効な例示的な酵素としては、L-アスパラギナーゼが挙げられる。例示的な配位化合物としては、限定ではなく例として、シスプラチン及びカルボプラチンが挙げられる。例示的な複数のホルモン及びホルモン関連化合物としては、限定ではなく例として、副腎皮質コルチコステロイドであるプレドニゾン及びデキサメタゾン;アロマターゼ阻害剤であるアミノグルテチミド、フォルメスタン、及びアナストロゾール;プロゲスチン化合物であるカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン;並びに抗エストロゲン化合物であるタモキシフェンが挙げられる。
【0100】
これら及び他の有用な抗がん化合物は、これらの両方が参照により本明細書に組み込まれる、Merck Index,13th Ed.(O’Neil M.J.et al.,ed.)Merck Publishing Group(2001)、及びGoodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,12th Edition,Brunton L.L.ed.,Chapters 60-63,McGraw Hill,(2011)に記載されている。
【0101】
本開示の阻害剤と組み合わせて使用され得るCTLA4抗体の中でもとりわけ、Bristol-Myers SquibbによるYERVOY(登録商標)として市販の、イピリムマブである。
【0102】
併用するための他の化学療法剤としては、チェックポイント経路阻害剤などの免疫腫瘍剤、例えば、ニボルマブ及びランブロリズマブなどのPD-1阻害剤、並びにペムブロリズマブ、MEDI-4736及びMPDL3280A/RG7446などのPD-L1阻害剤が挙げられる。本明細書に開示の化合物と組み合わせるための追加のチェックポイント阻害剤としては、BMS-986016(MDX-1408)などの抗LAG-3剤が挙げられる。
【0103】
本開示の阻害剤と組み合わせるための更なる化学療法剤としては、ヒト化モノクローナル抗体であるエロツズマブ(BMS-901608)などの抗SLAMF7剤、抗KIRモノクローナル抗体リリルマブ(BMS-986015)などの抗KIR剤、及び完全ヒトモノクローナル抗体ウレルマブ(BMS-663513)などの抗CD137剤が挙げられる。
【0104】
本開示の化合物はまた、CAR-T療法とともに有利に使用され得る。現在利用可能なCAR-T療法の例は、アキシカブタゲンシロルユーセル及びチサゲンレクロイセルである。
【0105】
本発明の化合物と組み合わせて有用な追加の抗増殖化合物としては、限定ではなく例として、成長因子受容体に対する抗体(例えば、抗Her2);インターフェロン-α及びインターフェロン-γ、インターロイキン-2、並びにGM-CSFなどのサイトカインが挙げられる。
【0106】
本化合物と組み合わせて有用な追加の化学療法剤としては、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、マリゾミブなどのプロテアソーム阻害剤が挙げられる。
【0107】
特に悪性腫瘍の治療において、本開示の化合物と組み合わせて有用であるキナーゼ阻害剤の例としては、イブルチニブなどのBtk阻害剤;パルボシクリブなどのCDK阻害剤;アファチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、オシメルチニブ、及びバンデチニブ(vandetinib)などのEGFR阻害剤;トラメチニブなどのMek阻害剤;ダブラフェニブ、ソラフェニブ、及びベムラフェニブなどのRaf阻害剤;アキシチニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、パゾパニブなどのVEGFR阻害剤;ボスチニブ、ダサチニブ、イマチニブ、及びニロチニブなどのBCR-Abl阻害剤;ギルテリチニブ及びキザルチニブなどのFLT-3阻害剤;イデラリシブなどのPI3-キナーゼ阻害剤、フォスタマチニブなどのSyk阻害剤;並びにルキソリチニブ及びフェドラチニブなどのJAK阻害剤が挙げられる。
【0108】
他の実施形態では、第2の治療剤は、以下のうちのいずれかから選択され得る:
モルヒネ、フェンタニル、ヒドロモルフォン、オキシコドン、コデイン、アセトアミノフェン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、トラマドール、ベンラファキシン、フルピルチン、メペリジン、ペンタゾシン、デキストロモラミド、ジピパノンを含む鎮痛薬;
アミノグリコシド(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、トブラマイシン、及びパロマイシン)、カルバペネム(例えば、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、シラスタチン、及びメロペネム)、セファロスポリン(例えば、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、及びセフォビプロール)、グリコペプチド(例えば、テイコプラニン、バンコマイシン、及びテラバンシチン)、リンコサミド(例えば、クリンダマイシン及びインコマイシン(incomysin))、リポペプチド(例えば、ダプトマイシン)、マクロライド(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、及びスペクチノマイシン)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム)、ニトロフラン(例えば、フラゾリドン及びニトロフラントイン)、ペニシリン(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、テモシリン、及びチカルシリン)、ペニシリンの組み合わせ(例えば、アモキシシリン/クラブラネート、アンピシリン/スルファクタム、ピペラシリン/タゾバクタム、及びチカルシリン/クラブラネート)、ポリペプチド(例えば、バシトラシン、コリスチン、及びポリミキシンB)、キノロン(例えば、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジキシン酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、及びテマフロキサシン)、スルホンアミド(例えば、マフェニド、スルホンアミドクリソイジン、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファニリミド(sulfanilimide)、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリム、及びトリメトプリム-スルファメトキサキソール)、テトラサイクリン(例えば、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、及びテトラサイクリン)、抗マイコバクテリア化合物(例えば、クロファジミン、ダプソン、カプレオマイシン、シクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシン(リファンピン)、リファブチン、リファペンチン、及びストレプトマイシン)、並びにアルスフェナミン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、フシジン酸、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、プラテンシマイシン、キヌプリシン/ダルホプリスチン、リファキシミン、チアンフェニコール、チゲサイクリン、及びチミダゾール(timidazole)などの他のものを含む抗生物質;
抗TNF-α抗体、例えば、インフリキシマブ(Remicade(商標))、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ;抗B細胞抗体、例えば、リツキシマブ;抗IL-6抗体、例えば、トシリズマブ;抗IL-1抗体、例えば、アナキンラ;抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体、例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、MPDL3280A、AMP-224、MEDI4736;イキセキズマブ、ブロダルマブ、オファツムマブ、シルクマブ、クレノリキシマブ、クラザキウマブ(clazakiumab)、フェザキヌマブ、フレチクマブ、マブリリムマブ、オクレリズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、トラリズマブ、ザノリムマブを含む抗体;
ワルファリン(Coumadin(商標))、アセノクマロール、フェンプロクモン、アトロメンチン、フェニンジオン、ヘパリン、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス、リバローキサバン、アピキサバン、ヒルジン、レピルジン、ビバリルジン、アルガトロバム(argatrobam)、ダビガトラン、キシメラガトラン、バトロキソビン、ヘメンチンを含む抗凝固剤;
ステロイド、例えば、ブデソニド、非ステロイド性抗炎症剤、例えば、アミノサリチル酸塩(例えば、スルファサラジン、メサラミン、オルサラジン、及びバルサラジド)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(ロフェコキシブ、セレコキシブなどのCOX-2阻害剤)、ジクロフェナク、エトドラック、ファモチジン、フェノプロフェン、フルビプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナメート、メフェナミン酸、メロキシカム、ナンブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサラート、スリンダク、トルメチンを含む抗炎症剤;
メルカプトプリン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、及びプレドニゾンなどのコルチコステロイド、シクロホスファミドなどのアルキル化剤、シクロスポリン、シロリムス、及びタクロリムスなどのカルシニューリン阻害剤、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、及びアザチオプリンなどのイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(IMPDH)、並びに様々な抗体(例えば、抗リンパ球グロブリン(ALG)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、モノクローナル抗T細胞抗体(OKT3))を含む、レシピエントの液性免疫応答をそのままに細胞免疫を阻害するように設計された薬剤、並びに放射線を含む免疫阻害剤。アザチオプリンは現在、Salix Pharmaceuticals,Inc.から商標名Azasanとして入手可能であり、メルカプトプリンは現在、Gate Pharmaceuticals,Inc.から商標名Purinetholとして入手可能であり、プレドニゾン及びプレドニゾロンは現在、Roxane Laboratories,Inc.から入手可能であり、メチルプレドニゾロンは現在、Pfizerから入手可能であり、シロリムス(ラパマイシン)は現在、Wyeth-Ayerstから商標名Rapamuneとして入手可能であり、タクロリムスは現在、Fujisawaから商標名Prografとして入手可能であり、シクロスポリンは現在、Novartisから商標名Sandimmuneとして、及びAbbottから商標名Gengrafとして入手可能であり、ミコフェノール酸モフェチル及びミコフェノール酸などのIMPDH阻害剤は現在、Rocheから商標名Cellceptとして、及びNovartisから商標名Myforticとして入手可能であり、アザチオプリンは現在、Glaxo Smith Klineから商標名Imuranとして入手可能であり、抗体は現在、Ortho Biotechから商標名Orthocloneとして、Novartisから商標名Simulect(バシリキシマブ)として、及びRocheから商標名Zenapax(ダクリズマブ)として入手可能であり、
グアニル酸シクラーゼ-C受容体アゴニスト又は腸分泌促進剤、例えばリナクロチドは、名称Linzessとして販売されている。
【0109】
これらの様々な薬剤は、市販の薬物の形態に付随する処方情報(2006 Edition of The Physician’s Desk Referenceの配合情報も参照されたい)に指定されているように、標準的な又は一般的な投薬量に従って使用され得、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
IV.化合物を作製する方法
本化合物は、当業者によって理解されるであろうように、任意の好適な方法によって調製することができる。1つの例示的な好適な方法は、実施例における特定の化合物を参照して以下に提供され、スキーム1に従った以下の第1の反応工程を含み得る。
【化20】
【0111】
スキーム1を参照すると、クロスカップリング生成物104を提供する金属媒介性クロスカップリング反応を使用して、スキーム1に示される「R-リンカー」基を含むR基102と、保護アミン前駆体100をカップリングすることができる。いくつかの実施形態では、金属媒介性クロスカップリング反応は、パラジウム触媒などの遷移金属触媒を使用して実行され得る。例示的なパラジウム触媒としては、限定されないが、(例えば、Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(PPhなどの)Pd(0)触媒、又は(例えば、第2世代又は第3世代XPhos Pd、PdCl、Pd(OAc)などの)Pd(II)触媒が挙げられる。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒は、ソノゴシラ(Sonogoshira)反応などにおいて、クロスカップリング反応を促進するために、CuIなどの別の助触媒と組み合わせて使用され得る。金属媒介性クロスカップリングはまた、アミン塩基(例えば、EtN)などの塩基、又は(例えば、CsCO、NaCO、KCOなどの)無機塩基、及び溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)を使用することを含み得る。スキーム1を参照すると、Xは、ハロゲン又はトリフレート基などの金属媒介性クロスカップリングに好適な基であり、PGは、限定されないが、9-フルオレニルメトキシカルボニル(「Fmoc」)基、t-ブチルオキシカルボニル(「Boc」)基、トリチル(「Tr」)基、アリルオキシカルボニル(「Alloc」)基、ベンジルオキシカルボニル(「Cbz」)基などから選択され得るアミン保護基である。
【0112】
tert-ブチル(S)-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート8及びtert-ブチル(S)-(7-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート9の合成
【化21】
中間体8及び9は、本明細書の他のスキームでは、それぞれ中間体II及びIと称される。
【0113】
N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(2-ニトロピリジン-3-イル)-L-セリン(3)の合成
無水DMF(100mL)中の(tert-ブトキシカルボニル)-L-セリン2(5.13g、25.0mmol)の溶液に、0℃で水素化ナトリウム(2.0g、油中60%、50mmol)を添加した。生じた溶液をこの温度で2時間撹拌し、次いで3-フルオロ-2-ニトロピリジン1(3.60g、25.3mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度まで8時間にわたって温め、溶液のpHが約4になるまでHCl水溶液(3N、25mL)でゆっくりとクエンチした。反応溶液を酢酸エチル(3×120mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ジクロロメタン中0~10%メタノールの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(2-ニトロピリジン-3-イル)-L-セリン3(5.35g、65%)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.18-8.08(m、1H)、7.57(d、J=3.3Hz、2H)、5.60(d、J=7.9Hz、1H)、4.76(d、J=7.8Hz、1H)、4.64(dd、J=9.3、2.9Hz、1H)、4.46(dd、J=9.3、3.1Hz、1H)、1.46(s、9H)。MS(ESI、m/e)計算値327.1066、実測値228.1[M-Boc+H]
【0114】
O-(2-アミノピリジン-3-イル)-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-セリン(4)の合成
メタノール(100mL)中のN-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(2-ニトロピリジン-3-イル)-L-セリン3(4.81g、14.72mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(950mg)を添加した。生じた溶液をParr-Shakerで60PSIで16時間水素化し、セライトを通して濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物O-(2-アミノピリジン-3-イル)-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-セリン4(4.40g、収率>95%)を淡黄色固体として得、これを精製せずに次の工程で直接使用した。MS(ESI、m/e)計算値297.1325、実測値298.0[M+H]
【0115】
tert-ブチル(S)-(4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート(5)の合成
無水DMF(300mL)中の粗O-(2-アミノピリジン-3-イル)-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-セリン4(4.40g、14.72mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(2.09g、2.80mL、16.19mmol)、続いてHATU(6.16g、16.19mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で2日間撹拌し、次いで水(200mL)を添加し、水溶液を酢酸エチル(4×200mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ジクロロメタン中0~5%メタノールの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(S)-(4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート5(899mg、2工程にわたって22%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.86(s、1H)、8.16(dd、J=4.7、1.5Hz、1H)、7.42(dd、J=8.0、1.5Hz、1H)、7.08(dd、J=8.0、4.7Hz、1H)、5.64(s、1H)、4.73-4.47(m、2H)、4.17(dd、J=10.7、9.4Hz、1H)、1.46(s、9H)。MS(ESI、m/e)計算値279.1219、実測値280.1[M+H]
【0116】
tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート(6)の合成
無水DMF(28mL)中のtert-ブチル(S)-(4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート5(796mg、2.85mmol)の溶液に、無水炭酸セシウム(930mg、2.85mmol)、続いてヨウ化メチル(368mg、162μL、2.59mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で2日間撹拌し、続いて水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)を添加した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。次いで、合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、DMF溶液中の残留物(約12mL)を得た。粗生成物を、0.1%のギ酸で緩衝した水中0~50%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって精製した。所望の画分を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート6(434mg、57%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.28(dd、J=4.8、1.6Hz、1H)、7.47(dd、J=7.9、1.6Hz、1H)、7.14(dd、J=7.9、4.7Hz、1H)、5.59(d、J=5.2Hz、1H)、4.73-4.53(m、2H)、4.31-4.12(m、1H)、3.51(s、3H)、1.41(s、9H)。MS(ESI、m/e)計算値293.1376、実測値194.1[M-Boc+H]
【0117】
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン6-オキシド(7)の合成
無水ジクロロメタン(5mL)中のtert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート6(429mg、1.46mmol)の溶液に、mCPBA(730mg、最大純度77%、2.93mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で20時間撹拌し、ジクロロメタン(200mL)で希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液(20mL)及び飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(20mL)で洗浄した。生じた有機層を分離し、ブライン(2×30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ジクロロメタン中0~5%メタノールの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン6-オキシド7(303mg、67%)を得た。MS(ESI、m/e)計算値309.1325、実測値310.0[M+H]。出発物質tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート6(139mg、32%)を部分的に回収した。
【0118】
tert-ブチル(S)-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート(8)及びtert-ブチル(S)-(7-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート(9)の合成
無水1,2-ジクロロエタン(20mL)中の(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン6-オキシド7(303mg、0.98mmol)の溶液に、4Åモレキュラーシーブ(303mg)、続いて臭化n-テトラブチルアンモニウム(474mg、1.47mmol)を添加した。反応溶液を周囲温度で10分間撹拌し、次いで4-メチルベンゼンスルホン酸無水物(480mg、1.47mmol)を添加した。次いで、生じた反応混合物を周囲温度で17時間撹拌し、65℃で8時間加熱し、周囲温度まで冷却し、セライトを通して濾過し、ジクロロメタン(約100mL)で洗浄した。次いで、濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ジクロロメタン中0~10%メタノールの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(S)-(7-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3、4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート9(67mg、18%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.59(d、J=8.2Hz、1H)、7.49(d、J=8.2Hz、1H)、7.30(d、J=7.0Hz、1H)、4.50-4.21(m、3H)、3.27(s、3H)、1.33(s、9H)。MS(ESI、m/e)計算値371.0481、実測値372.0[M+H]。追加の不純な画分を合わせ、0.1%のギ酸で緩衝した水中35~80%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって、更に精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥して、tert-ブチル(S)-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート8(85mg、23%)のより極性の高い異性体を白色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.19(d、J=5.2Hz、1H)、7.63(d、J=5.2Hz、1H)、7.38-7.27(m、1H)、4.51-4.32(m、3H)、3.32(s、3H)、1.35(s、9H)。MS(ESI、m/e)計算値371.0481、実測値372.0[M+H]。また出発物質(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン6-オキシド7(61mg、20%)を部分的に回収した。
【0119】
(S)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド14の合成
【化22】
【0120】
tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート11の合成
無水ジクロロエタン(1mL)中の(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン6-オキシド7(24.5mg、0.079mmol)及び8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン10(14.6mg、0.103mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(41mg、55μL、0.317mmol)、続いてPyBrOP(48mg、0.103mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で19時間撹拌し、次いで60℃で2日間加熱した。全ての溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物を、0.1%のギ酸で緩衝した水中0~80%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチルで希釈し、溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート11(2.8mg、8%)を得た。MS(ESI、m/e)計算値432.2373、実測値433.2[M+H]
【0121】
(S)-3-アミノ-5-メチル-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩12の合成
塩化水素溶液(0.5mL、ジオキサン中4.0M、2mmol)を、tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート11(2.8mg)を含むバイアルに添加し、生じた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物(S)-3-アミノ-5-メチル-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩12(2.4mg、収率>95%)を得、これを次の工程で直接使用した。MS(ESI、m/e)計算値332.1848、実測値333.1[M+H]
【0122】
(S)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド14の合成
無水DMF(0.5mL)中の(S)-3-アミノ-5-メチル-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩12(2.4mg、6.48μmol)及び4-フェノキシピコリン酸13(2.8mg、13μmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(4.2mg、5.6μL、32μmol)、続いてHATU(4.9mg、13μmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。1滴の水を添加して反応物をクエンチし、生じた溶液を、0.1%のギ酸で緩衝した水中40~100%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって直接精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチル(60mL)で希釈した。溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド14(2.2mg,64%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/e)計算値529.2325、実測値530.2[M+H]
【0123】
(S)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2]-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド18の合成
【化23】
【0124】
tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート16の合成
無水1,4-ジオキサン溶液(1mL)中のtert-ブチル(S)-(7-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート9(32mg、85μmol)、Pd(dba)(7.8mg、8.5μmol)、キサントホス(4.9mg、8.5μmol)及び炭酸セシウム(56mg、170μmol)の溶液に、7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン(13mg、102μmol)を添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、密閉し、90℃で16時間加熱した。反応溶液を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(50mL)で希釈した。生じた溶液を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、0.1%のギ酸で緩衝した水中30~80%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート16(35mg、収率>95%)を薄い液体として得た。MS(ESI、m/e)計算値418.2216、実測値419.2[M+H]
【0125】
(S)-3-アミノ-5-メチル-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩17の合成
塩化水素溶液(0.5mL、ジオキサン中4M、2mmol)を、tert-ブチル(S)-(5-メチル-4-オキソ-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート16(35mg、0.085mmol)を含むバイアルに添加し、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。全ての溶媒を減圧下で除去して、アゼチジン開環副生成物及び所望の生成物(S)-3-アミノ-5-メチル-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩17の1:1混合物を得、これを精製せずに次の工程で直接使用した。MS(ESI、m/e)計算値318.1692、実測値319.1[M+H]
【0126】
(S)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド18の合成
粗生成物(S)-3-アミノ-5-メチル-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩17及び4-フェノキシピコリン酸13(27.5mg、0.128mmol)を無水DMF(1mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(55mg、74μL、0.425mmol)、続いてHATU(48.5mg、0.128mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。2滴の水を添加して反応物をクエンチし、生じた溶液を、0.1%のギ酸で緩衝した水中40~80%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって直接精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチル(60mL)で希釈し、生じた有機溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた生成物を水中の80%アセトニトリルに溶解し、凍結乾燥して、(S)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド18(5.7mg、2工程にわたって13%)を得た。MS(ESI、m/e)計算値515.2169、実測値516.1[M+H]
【0127】
9-置換ピリドオキサアゼピン化合物を調製するための一般的な手順
【化24】
例示的な9-置換ピリドオキサアゼピン化合物を、上記の一般手順に従って調製した。多機能の中間体IIは、当業者に知られているように、金属触媒(例えば、パラジウム触媒)クロスカップリング反応を介して、様々な基とカップリングすることができる。特に、アルキニル基は、以下に示す手順を適合させることによって、この一般的なスキームに従ってピリドオキセピン環に容易にカップリングすることができる。例として、化合物I-14、I-15及びI-16を、この方法によって合成した。
【0128】
工程1:中間体(III)の合成
バイアル中の無水DMF(1mL)中の中間体II(0.1mmol、1当量)、置換エチン(0.2~0.3mmol、2~3当量)、Pd(PPh(0.01mmol、0.1当量)及びCuI(0.01mmol、0.1当量)に、EtN(0.4mmol、4当量)を添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、次いで密封し、70℃で14~24時間加熱した。反応溶液を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー又は逆HPLC(移動相A:0.1%HCOOHを含む水、移動相B:0.1%HCOOHを含むアセトニトリル)によって精製して、中間体IIIを得た。
【0129】
工程2:中間体(IV)の合成
中間体III(1当量)をジクロロメタンに溶解し、次いでTFA(濃度:ジクロロメタン中10%)又はHCl(40当量、ジオキサン中4N)を添加した。生じた溶液を、全ての出発物質が消失するまで周囲温度で撹拌した(逆HPLCでモニター)。全ての溶媒を減圧下で除去して、中間体IVの粗生成物を得、これを次の工程で直接使用した。
【0130】
工程3:最終生成物(V)の合成
中間体IV(1当量)、対応する酸(1.2当量)、及びジイソプロピルエチルアミン(5当量)をDMF(濃度0.05M~0.1M)に溶解し、次いでHATU(1.2当量)を添加した。生じた溶液を周囲温度で14~24時間撹拌した。反応溶液にブライン及び酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー又は逆HPLC(移動相A:0.1%HCOOHを含む水、移動相B:0.1%HCOOHを含むアセトニトリル)によって精製して、最終生成物(V)を得た。
【0131】
(S)-N-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド21の合成
【化25】
【0132】
(S)-3-アミノ-9-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩20の合成
塩化水素溶液(1mL、ジオキサン中4M、4mmol)を、tert-ブチル(S)-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート8(52mg、0.139mmol)を含むバイアルに添加した。生じた溶液を周囲温度で19時間撹拌した。全ての溶媒を減圧下で除去して、(S)-3-アミノ-9-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩20(43mg、100%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/e)計算値270.9956、実測値272.0[M+H]
【0133】
(S)-N-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド21
無水DMF(1.4mL)中の(S)-3-アミノ-9-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩20(43mg、85.8μmol)及び4-フェノキシピコリン酸13(45mg、0.209mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(135.2mg、0.18mL、1.05mmol)、続いてHATU(79.5mg、0.209mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。次いで、水(0.1mL)を添加し、溶液を、0.1%のギ酸で緩衝した水中37~90%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって直接精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチル(100mL)で希釈し、生じた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-N-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド21(50mg、77%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/e)計算値468.0433、実測値469.0[M+H]
【0134】
(S)-N-(9-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド23(I-15)の合成
【化26】
無水DMF(1mL)中の(S)-N-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド21(25mg、53μmol)、3-エチニルオキセタン-3-オール22(15.7mg、0.160mmol)、CuI(1mg、5.3μmol)及びPd(PPh(6.2mg、5.3μmol)の溶液に、トリエチルアミン(32.4mg、45μL、0.320mmol)を添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、次いで密封し、70℃で16時間加熱し、周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(60mL)で希釈した。次いで、希釈した反応混合物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生じた残留物を、0.1%のギ酸で緩衝した水中27~67%のアセトニトリルの勾配を使用する逆相HPLCによって精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥して、(S)-N-(9-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド23(8.5mg、33%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/e)計算値486.1539、実測値487.1[M+H]
【0135】
(S)-N-(9-((4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド25(I-16)の合成
【化27】
無水DMF(1mL)中の(S)-N-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド21(24mg、51μmol)、4-エチニルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール24(19.4mg、0.153mmol)、CuI(1mg、5.1μmol)及びPd(PPh(5.9mg、5.1μmol)の溶液に、トリエチルアミン(31mg、43μL、0.307mmol)を添加した。次いで、反応混合物を窒素で1分間パージし、密閉し、70℃で16時間加熱し、周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(60mL)で希釈した。反応混合物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、生じた残留物を、0.1%のギ酸で緩衝した水中27~67%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥して、(S)-N-(9-((4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド25(13.6mg、52%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/e)計算値514.1852、実測値515.1[M+H]
【0136】
(S)-N-(9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド29(I-14)の合成
【化28】
【0137】
tert-ブチル(S)-(9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート27の合成
無水DMF(1mL)中のtert-ブチル(S)-(9-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート8(32mg、0.086mmol)及び2-メチルブタ-3-イン-2-オール26(22mg、0.257mmol)の溶液に、Pd(PPh(9.9mg、8.6μmol)、CuI(1.6mg、8.6μmol)及びトリエチルアミン(52mg、72μL、0.515mmol)を添加した。次いで、反応混合物を窒素で1分間パージし、密閉し、70℃で22時間加熱し、周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(80mL)で希釈した。生じた有機混合物を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、0.1%のギ酸で緩衝した水中20~70%のアセトニトリルの勾配を使用する逆相HPLCによって精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート27(32mg、収率>95%)を得た。MS(ESI、m/e)計算値375.1794、実測値320.0[M-Bu+H]
【0138】
(S)-3-アミノ-9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩28の合成
無水1,4-ジオキサン(2mL)中のtert-ブチル(S)-(9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート27(32mg、0.086mmol)の溶液に、塩化水素溶液(0.2mL、ジオキサン中4M、0.8mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で15時間撹拌し、次いで追加量の塩化水素溶液(0.6mL、ジオキサン中4M、2.4mmol)を添加し、反応混合物を更に9時間撹拌した。全ての溶媒を減圧下で除去して、(S)-3-アミノ-9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩28(27mg、100%)を淡黄色固体として得、これを次の工程で直接使用した。MS(ESI、m/e)計算値275.1270、実測値276.1[M+H]
【0139】
(S)-N-(9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド29の合成
無水DMF(1.4mL)中の(S)-3-アミノ-9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩28(27mg、0.0858mmol)及び4-フェノキシピコリン酸13(28mg、0.129mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(55.5mg、74μL、0.429mmol)、続いてHATU(48.9mg、0.129mmol)を添加した。生じた反応混合物を周囲温度で14時間撹拌した。1滴の水を添加し、溶液を、0.1%のギ酸で緩衝した水中40~80%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって直接精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥して、(S)-N-(9-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド29(22.1mg、55%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.96(d、J=7.1Hz、1H)、8.46(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、8.23(d、J=5.0Hz、1H)、7.62(dd、J=2.6、0.5Hz、1H)、7.48-7.38(m、2H)、7.31-7.22(m、1H)、7.19(d、J=5.0Hz、1H)、7.12-7.06(m、2H)、6.97(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.03(dt、J=11.3、7.2Hz、1H)、4.89(dd、J=9.6、7.2Hz、1H)、4.39(dd、J=11.3、9.6Hz、1H)、3.52(s、3H)、1.63(s、6H)。MS(ESI、m/e)計算値472.1747、実測値473.1[M+H]
【0140】
7-置換ピリドオキサアゼピン化合物VIIIを調製するための一般的な手順
【化29】
7-置換ピリドオキサアゼピン化合物を、上記の方法Aの一般手順に従って調製した。多機能の中間体Iは、当業者に知られているように、金属触媒(例えば、パラジウム触媒)クロスカップリング反応を介して、様々な基とカップリングすることができる。特に、アルキニル基は、以下に示す手順を適合させることによって、この一般的なスキームに従ってピリドオキセピン環に容易にカップリングすることができる。例として、方法Aによって製造される化合物としては、I-32、I-33、I-34、I-35、I-36、I-37、I-38、I-39、I-41、I-42、I-43、I-44、I-45、I-46、及びI-47が挙げられる。
【0141】
(S)-N-(7-(4,4-ジフルオロ-3,3-ジメチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-32)
【化30】
この化合物は、(S)-N-(7-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブト-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミドの酸化によって得られた対応するアルデヒドから得られた。MS(ESI、m/z)計算値506.1766、実測値[M+1]507.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.93(d、J=7.0Hz、1H)、8.45(d、J=5.6Hz、1H)、7.61(d、J=2.5Hz、1H)、7.49(d、J=8.1Hz、1H)、7.46-7.38(m、2H)、7.36(d、J=8.1Hz、1H)、7.28-7.23(m、1H)、7.10-7.05(m、2H)、6.96(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.25(dd、J=48.3、10.7Hz、1H)、5.02(dt、J=11.4、6.9Hz、1H)、4.79(ddd、J=9.7、6.8、1.3Hz、1H)、4.37(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.53(s、3H)、1.62-1.59(m、3H)、1.55-1.51(m、3H)。
【0142】
N-((3S)-5-メチル-4-オキソ-7-(4,4,4-トリフルオロ-3-ヒドロキシブタ-1-イン-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-33)
【化31】
MS(ESI、m/z)計算値512.1308、実測値[M+1]513.0。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 9.03-8.89(m、1H)、8.45(dt、J=5.7、0.6Hz、1H)、7.61(dt、J=2.6、0.7Hz、1H)、7.52-7.46(m、1H)、7.46-7.38(m、2H)、7.35(dd、J=8.1、4.8Hz、1H)、7.28-7.24(m、1H)、7.10-7.04(m、2H)、6.96(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.18-4.99(m、1H)、4.94(t、J=6.3Hz、1H)、4.81(dt、J=9.7、7.2Hz、1H)、4.43-4.31(m、1H)、3.54-3.46(m、3H)、3.23-2.86(m、1H)。
【0143】
(S)-5-(2-フルオロベンジル)-N-(7-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-34)
【化32】
MS(ESI、m/z)計算値478.1765、実測値[M+1]479.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 12.18(s、1H)、8.10(d、J=7.0Hz、1H)、7.44(s、1H)、7.27(d、J=8.1Hz、1H)、7.26-7.18(m、2H)、7.10-6.97(m、2H)、5.01(dt、J=11.4、7.0Hz、1H)、4.75(dd、J=9.8、7.0Hz、1H)、4.32(dd、J=11.4、9.8Hz、1H)、4.20(s、2H)、3.50(s、3H)、1.64(s、6H)。
【0144】
(S)-5-(4-フルオロベンジル)-N-(7-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-35)
【化33】
MS(ESI、m/z)計算値478.1765、実測値[M+1]479.1。
【0145】
(S)-5-ベンジル-N-(7-((3,3-ジフルオロ-1-ヒドロキシシクロブチル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-36)
【化34】
MS(ESI、m/z)計算値508.1671、実測値[M+1]509.5。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 12.33(s、1H)、8.11(d、J=7.0Hz、1H)、7.42(d、J=8.1Hz、1H)、7.31-7.17(m、6H)、5.02(dt、J=11.3、6.9Hz、1H)、4.73(dd、J=9.8、6.9Hz、1H)、4.33(dd、J=11.4、9.8Hz、1H)、4.14(s、2H)、3.51(s、1H)、3.46(s、3H)、3.27-3.11(m、2H)、2.99(dtd、J=13.0、11.7、4.0Hz、2H)。
【0146】
5-ベンジル-N-((3S)-5-メチル-4-オキソ-7-(4,4,4-トリフルオロ-3-ヒドロキシブタ-1-イン-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-37)
【化35】
MS(ESI、m/z)計算値500.1420、実測値[M+1]501.5。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 9.20(s、0.5H)、8.11(dd、J=6.9、3.2Hz、1H)、7.47(dd、J=8.1、1.2Hz、1H)、7.36-7.29(m、3H)、7.28(d、J=4.0Hz、2H)、6.27(q、J=5.7Hz、0.5H)、5.13-4.89(m、2H)、4.78(ddd、J=9.8、6.8、3.0Hz、1H)、4.35(ddd、J=11.3、9.9、1.2Hz、1H)、4.16(s、2H)、3.48(m、3H)。
【0147】
(S)-4-フルオロ-1-(4-フルオロベンジル)-N-(7-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(I-38)
【化36】
MS(ESI、m/z)計算値495.1718、実測値[M+1]496.5。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.64(d、J=6.4Hz、1H)、7.43(d、J=8.1Hz、1H)、7.25-7.16(m、4H)、7.07-6.98(m、2H)、5.17(s、2H)、5.00(dt、J=11.3、6.7Hz、1H)、4.82(dd、J=9.7、6.9Hz、1H)、4.28(dd、J=11.3、9.7Hz、1H)、3.49(s、3H)、1.62(s、6H)。
【0148】
(S)-N-(7-エチニル-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-(3-フルオロフェノキシ)ピコリンアミド(I-39)
【化37】
この化合物を、(S)-4-(3-フルオロフェノキシ)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-((トリメチルシリル)エチニル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)ピコリンアミドの脱シリル化(desilyation)から入手した。MS(ESI、m/z)計算値432.1234、実測値[M+1]433.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.94(d、J=7.0Hz、1H)、8.49(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、7.63(dd、J=2.5、0.5Hz、1H)、7.49(d、J=8.1Hz、1H)、7.42-7.32(m、2H)、7.02-6.94(m、2H)、6.88(ddt、J=8.1、2.2、0.8Hz、1H)、6.82(dt、J=9.3、2.3Hz、1H)、5.03(dt、J=11.4、6.9Hz、1H)、4.79(dd、J=9.7、6.9Hz、1H)、4.38(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.54(s、3H)、3.17(s、1H)。
【0149】
(S)-4-フルオロ-1-(4-フルオロベンジル)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(プロプ-1-イン-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(I-41)
【化38】
MS(ESI、m/z)計算値451.1456、実測値[M+1]452.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.66(d、J=6.4Hz、1H)、7.43(d、J=8.1Hz、1H)、7.24(d、J=1.2Hz、1H)、7.21(td、J=4.3、1.4Hz、3H)、7.09-6.97(m、2H)、5.19(s、2H)、5.01(dt、J=11.2、6.7Hz、1H)、4.83(dd、J=9.7、7.0Hz、1H)、4.29(dd、J=11.3、9.7Hz、1H)、3.51(s、3H)、2.08(s、3H)。
【0150】
(S)-4-フルオロ-1-((6-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(プロプ-1-イン-1-イル)-2、3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(I-42)
【化39】
MS(ESI、m/z)計算値452.1408、実測値[M+1]453.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.85-7.75(m、1H)、7.65(d、J=6.4Hz、1H)、7.50(d、J=4.7Hz、1H)、7.44(d、J=8.1Hz、1H)、7.24(d、J=8.1Hz、1H)、7.06-7.00(m、1H)、6.94-6.88(m、1H)、5.28(s、2H)、5.02(dt、J=11.2、6.7Hz、1H)、4.83(dd、J=9.7、6.9Hz、1H)、4.29(dd、J=11.2、9.7Hz、1H)、3.52(s、3H)、2.09(s、3H)。
【0151】
N-((3S)-5-メチル-4-オキソ-7-(4,4,4-トリフルオロ-3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-43)
【化40】
MS(ESI、m/z)計算値526.1464、実測値[M+1]527.3。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 9.01(dd、J=23.0、6.7Hz、1H)、8.44(dt、J=5.6、0.7Hz、1H)、7.62(ddd、J=3.3、2.5、0.5Hz、1H)、7.47(d、J=8.1Hz、1H)、7.45-7.38(m、2H)、7.30-7.26(m、1H)、7.25-7.21(m、1H)、7.07(dq、J=7.3、1.0Hz、2H)、6.94(ddd、J=5.6、2.5、1.5Hz、1H)、5.19(ddt、J=51.2、11.3、6.7Hz、1H)、4.85(ddd、J=19.7、9.7、6.7Hz、1H)、4.35(ddd、J=11.5、9.7、1.8Hz、1H)、3.49-3.37(m、3H)、1.80-1.72(m、3H)。
【0152】
(S)-N-(5-メチル-7-(オキセタン-3-イルエチニル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-44)
【化41】
MS(ESI、m/z)計算値470.1590、実測値[M+1]471.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.92(d、J=7.0Hz、1H)、8.44(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、7.61(dd、J=2.5、0.5Hz、1H)、7.46(d、J=8.1Hz、1H)、7.44-7.37(m、2H)、7.28(d、J=8.1Hz、1H)、7.26-7.22(m、1H)、7.09-7.04(m、2H)、6.95(dd、J=5.6、2.6Hz、1H)、5.01(dt、J=11.4、7.0Hz、1H)、4.86(dq、J=7.4、5.6Hz、4H)、4.78(dd、J=9.7、6.9Hz、1H)、4.34(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、4.11(tt、J=8.5、7.4Hz、1H)、3.52(s、3H)。
【0153】
(S)-N-(7-(3,3-ジフルオロ-3-(オキセタン-3-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4、5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-45)
【化42】
MS(ESI、m/z)計算値520.1558、実測値[M+1]521.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.92(d、J=6.9Hz、1H)、8.45(d、J=5.6Hz、1H)、7.62(d、J=2.5Hz、1H)、7.51(d、J=8.1Hz、1H)、7.46-7.37(m、3H)、7.29-7,23(m、1H)、7.11-7.04(m、2H)、6.96(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.02(dt、J=11.4、6.8Hz、1H)、4.88-4.75(m、5H)、4.39(dd、J=11.4、9.8Hz、1H)、3.73(dtdd、J=14.6、12.5、8.1、6.5Hz、1H)、3.54(s、3H)。
【0154】
N-((3S)-7-(3-アミノ-4,4,4-トリフルオロ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-46)
【化43】
MS(ESI、m/z)計算値525.1624、実測値[M+1]526.0。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.91(d、J=7.0Hz、1H)、8.44(d、J=5.6Hz、1H)、7.61(d、J=2.4Hz、1H)、7.50-7.37(m、3H)、7.31(d、J=8.2Hz、1H)、7.27-7.21(m、1H)、7.10-7.03(m、2H)、6.95(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.00(dt、J=11.4、6.9Hz、1H)、4.78(dd、J=9.7、6.8Hz、1H)、4.35(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.52(s、3H)、1.92(s、2H)、1.66(s、3H)。
【0155】
(S)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチニル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-47)
【化44】
MS(ESI、m/z)計算値498.1903、実測値[M+1]499.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.92(d、J=7.0Hz、1H)、8.44(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、7.61(dd、J=2.5、0.5Hz、1H)、7.47-7.37(m、3H)、7.29-7.22(m、2H)、7.10-7.03(m、2H)、6.95(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.01(dt、J=11.3、6.9Hz、1H)、4.78(dd、J=9.7、6.9Hz、1H)、4.33(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.96(ddd、J=11.7、5.3、3.8Hz、2H)、3.59-3.49(m、5H)、2.88(tt、J=8.7、4.1Hz、1H)、1.98-1.87(m、2H)、1.81(ddt、J=13.7、9.2、4.4Hz、2H)。
【0156】
工程1:中間体(VI)の合成
バイアル中の無水DMF(1mL)中の中間体I(0.1mmol、1当量)、置換エチン(0.2~0.3mmol、2~3当量)、Pd(PPh(0.01mmol、0.1当量)及びCuI(0.01mmol、0.1当量)に、EtN(0.4mmol、4当量)を添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、次いで密封し、70℃で14~24時間加熱した。反応溶液を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー又は逆HPLC(移動相A:0.1%HCOOHを含む水、移動相B:0.1%HCOOHを含むアセトニトリル)によって精製して、中間体VIを得た。
【0157】
工程2:中間体(VII)の合成
中間体VI(1当量)をジクロロメタンに溶解し、次いでTFA(濃度:ジクロロメタン中10%)又はHCl(40当量、ジオキサン中4N)を添加した。生じた溶液を、全ての出発物質が消失するまで周囲温度で撹拌した(逆HPLCでモニター)。全ての溶媒を減圧下で除去して、中間体VIIの粗生成物を得、これを次の工程で直接使用した。
【0158】
工程3:最終生成物(VIII)の合成
中間体VII(1当量)、対応する酸(1.2当量)、及びジイソプロピルエチルアミン(5当量)をDMF(濃度0.05M~0.1M)に溶解し、次いでHATU(1.2当量)を添加した。生じた溶液を周囲温度で14~24時間撹拌した。反応溶液にブライン及び酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー又は逆HPLC(移動相A:0.1%HCOOHを含む水、移動相B:0.1%HCOOHを含むアセトニトリル)によって精製して、最終生成物(VIII)を得た。
【0159】
例示的な7-置換ピリドオキサアゼピン化合物も、以下に示す一般手順方法Bに従って調製した。
【化45】
【0160】
工程1:中間体IXの合成
中間体Iをジクロロメタン中の10%トリフルオロ酢酸(0.1M)に溶解し、室温で約3時間撹拌した。全ての溶媒を減圧下で除去して、IXの粗トリフルオロ酢酸塩を得、これを次の工程で直接使用した。MS(ESI、m/z)計算値270.9956、実測値[M+1]271.9。
【0161】
工程2:中間体Xの合成
中間体IX(1当量)、対応する酸(1.2当量)、及びジイソプロピルエチルアミン(5当量)をDMF(濃度0.05M~0.1M)に溶解し、次いでHATU(1.2当量)を添加した。生じた溶液を周囲温度で14~24時間撹拌した。反応溶液にブライン及び酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー又は逆HPLC(移動相A:0.1%HCOOHを含む水、移動相B:0.1%HCOOHを含むアセトニトリル)によって精製して、中間体(X)を得た。
【0162】
工程2:最終生成物VIIIの合成
バイアル中の無水DMF(1mL)中の中間体X(0.1mmol、1当量)、置換エチン(0.2~0.3mmol、2~3当量)、Pd(PPh(0.01mmol、0.1当量)及びCuI(0.01mmol、0.1当量)に、EtN(0.4mmol、4当量)を添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、次いで密封し、70℃で14~24時間加熱した。反応溶液を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー又は逆HPLC(移動相A:0.1%HCOOHを含む水、移動相B:0.1%HCOOHを含むアセトニトリル)によって精製して、最終生成物VIIIを得た。
【0163】
方法Bによって合成される化合物としては、化合物I-17、I-19、I-20、I-21、I-22、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-28、I-29、I-30、及びI-40が挙げられる。
【0164】
((S)-N-(7-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-17)
【化46】
MS(ESI、m/z)計算値486.1539、実測値[M+1]487.1。
【0165】
(S)-4-(4-フルオロフェノキシ)-N-(7-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)ピコリンアミド(I-19)
【化47】
MS(ESI、m/z)計算値504.1445、実測値[M+1]505.1。
【0166】
(S)-N-(7-((3-フルオロオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2,b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-20)
【化48】
無水ジクロロメタン(1mL)中の((S)-N-(7-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(9.5mg、0.0195mmol)の溶液に、-78℃でDeoxo-Fluor(8.6mg、7.2uL、0.039mmol)を添加した。生じた溶液をこの温度で30分間撹拌し、次いで追加のDeoxo-Fluor(4.3mg、3.6uL、0.020mmol)を添加し、更に15分間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液(0.1mL)、続いてジクロロメタン(60mL)を添加した。溶液を水(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、逆HPLC(0.1%のギ酸で水中40~70%のアセトニトリル)によって精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチルで希釈し、少量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-N-(7-((3-フルオロオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2,b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(2.5mg、26%)白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値488.1496、実測値[M+1]489.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.98-8.87(m、1H)、8.48-8.37(m、1H)、7.64-7.52(m、1H)、7.50(d、J=8.1Hz、1H)、7.46-7.39(m、2H)、7.39-7.33(m、1H)、7.08(dd、J=2.0、1.3Hz、1H)、7.07(dd、J=2.1、1.0Hz、1H)、7.05-7.01(m、1H)、6.96(dd、J=5.6、2.6Hz、1H)、5.12-4.86(m、5H)、4.79(dd、J=9.7、6.8Hz、1H)、4.38(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.55(m、3H)。
【0167】
(S)-4-(3-フルオロフェノキシ)-N-(7-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)ピコリンアミド(I-21)
【化49】
MS(ESI、m/z)計算値490.1652、実測値[M+1]491.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) δ 8.93(d、J=7.0Hz、1H)、8.48(dd、J=5.6、0.6Hz、1H)、7.62(dd、J=2.5、0.5Hz、1H)、7.38(td、J=8.3、6.5Hz、1H)、7.29(s、1H)、7.01-6.92(m、2H)、6.87(ddt、J=8.2、2.2、0.8Hz、1H)、6.81(dt、J=9.4、2.4Hz、1H)、5.02(dt、J=11.4、7.0Hz、1H)、4.83-4.71(m、1H)、4.34(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.53(s、3H)、1.64(s、6H)。
【0168】
(S)-4-(3-フルオロフェノキシ)-N-(7-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)ピコリンアミド(I-22)
【化50】
MS(ESI、m/z)計算値504.1445、実測値[M+1]505.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 9.01-8.86(m、1H)、8.53-8.41(m、1H)、7.65-7.54(m、1H)、7.53-7.46(m、1H)、7.38(td、J=8.3、6.5Hz、1H)、7.35-7.30(m、1H)、7.14-6.92(m、2H)、6.87(ddt、J=8.2、2.3、0.8Hz、1H)、6.84-6.78(m、1H)、5.06(dt、J=11.4、6.9Hz、1H)、4.97(td、J=6.2、5.8、0.9Hz、2H)、4.86-4.76(m、3H)、4.71(dt、J=6.9、0.7Hz、1H)、4.37(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.54(d、J=13.5Hz、3H)。
【0169】
(S)-N-(7-((3-フルオロオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-(3-フルオロフェノキシ)ピコリンアミド(I-23)
【化51】
無水ジクロロメタン(1mL)中の(S)-4-(3-フルオロフェノキシ)-N-(7-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-へテトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)ピコリンアミド(12.4mg、0.0246mmol)の溶液に、-78℃でDeoxo-Fluor(16.3mg、14uL、0.0737mmol)を添加した。生じた溶液をこの温度で30分間撹拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液(0.2mL)、続いてジクロロメタン(80mL)を添加した。溶液を水(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、逆HPLC(0.1%のギ酸で水中40~70%のアセトニトリル)によって精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチルで希釈し、少量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-N-(7-((3-フルオロオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-(3-フルオロフェノキシ)ピコリンアミド(4.7mg、38%)白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値506.1402、実測値[M+1]507.0。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.99-8.85(m、1H)、8.53-8.41(m、1H)、7.67-7.60(m、1H)、7.52(d、J=8.1Hz、1H)、7.44-7.34(m、2H)、7.03-6.92(m、2H)、6.92-6.85(m、1H)、6.85-6.79(m、1H)、5.10-4.88(m、5H)、4.81(dd、J=9.7、6.8Hz、1H)、4.39(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.65-3.40(m、3H)。
【0170】
(S)-5-ベンジル-N-(7-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-24)
【化52】
MS(ESI、m/z)計算値460.1859、実測値[M+1]461.1。H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ(ppm) 7.61(d、J=8.2Hz、1H)、7.36(d、J=8.1Hz、1H)、7.35-7.15(m、5H)、5.03(dd、J=11.5、7.1Hz、1H)、4.67(dd、J=9.8、7.1Hz、1H)、4.51(dd、J=11.6、9.8Hz、1H)、4.17(s、2H)、3.45(s、3H)、1.58(s、6H)。
【0171】
(S)-5-ベンジル-N-(7-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-25)
【化53】
MS(ESI、m/z)計算値474.1652、実測値[M+1]475.1。H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ(ppm) 7.64(d、J=8.2Hz、1H)、7.44(d、J=8.1Hz、1H)、7.36-7.20(m、5H)、5.04(dd、J=11.5、7.0Hz、1H)、4.89(d、J=0.9Hz、2H)、4.73-4.69(m、2H)、4.67(dd、J=7.2、2.7Hz、1H)、4.52(dd、J=11.6、9.8Hz、1H)、4.16(s、2H)、3.46(s、3H)。
【0172】
(S)-N-(7-((1-ヒドロキシシクロブチル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-26)
【化54】
MS(ESI、m/z)計算値484.1747、実測値[M+1]485.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.93(d、J=7.0Hz、1H)、8.44(d、J=5.6Hz、1H)、7.61(d、J=2.5Hz、1H)、7.50-7.37(m、3H)、7.30(d、J=8.1Hz、1H)、7.27-7.23(m、1H)、7.11-7.03(m、2H)、6.95(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.03(dt、J=11.4、6.9Hz、1H)、4.79(dd、J=9.7、7.0Hz、1H)、4.35(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.52(s、3H)、2.65-2.52(m、2H)、2.44(s、1H)、2.40-2.30(m、2H)、1.96-1.85(m、2H)。
【0173】
(S)-4-(4-フルオロフェノキシ)-N-(7-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)ピコリンアミド(I-27)
【化55】
MS(ESI、m/z)計算値490.1652、実測値[M+1]491.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.92(d、J=7.0Hz、1H)、8.45(dd、J=5.6、0.6Hz、1H)、7.57(dd、J=2.6、0.5Hz、1H)、7.45(d、J=8.1Hz、1H)、7.28(d、J=8.1Hz、1H)、7.14-7.08(m、2H)、7.08-7.02(m、2H)、6.93(dd、J=5.6、2.6Hz、1H)、5.01(dt、J=11.3、7.0Hz、1H)、4.82-4.72(m、1H)、4.34(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.52(d、J=1.3Hz、3H)。
【0174】
(S)-4-(2-フルオロフェノキシ)-N-(7-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)ピコリンアミド(I-28)
【化56】
MS(ESI、m/z)計算値490.1652、実測値[M+1]491.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.95(d、J=7.0Hz、1H)、8.48(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、7.59(dt、J=2.6、0.6Hz、1H)、7.47(d、J=8.1Hz、1H)、7.30-7.23(m、4H)、7.23-7.21(m、1H)、7.21-7.17(m、2H)、6.98(ddd、J=5.6、2.6、0.5Hz、1H)、5.03(dt、J=11.4、6.9Hz、1H)、4.79(dd、J=9.7、6.9Hz、1H)、4.35(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、4.13(q、J=7.1Hz、1H)、3.53(s、3H)、1.65(s、6H)。
【0175】
(S)-N-(7-エチニル-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フルオロ-1-(4-フルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(I-40)
【化57】
この化合物を、(S)-4-フルオロ-1-(4-フルオロベンジル)-N-(5-メチル-4-オキソ-7-((トリメチルシリル)エチニル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミドの脱シリル化から入手した。MS(ESI、m/z)計算値437.1299、実測値[M+1]438.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.66(d、J=6.4Hz、1H)、7.48(d、J=8.1Hz、1H)、7.35(d、J=8.1Hz、1H)、7.25-7.18(m、3H)、7.11-7.01(m、2H)、5.19(s、2H)、5.03(dt、J=11.3、6.7Hz、1H)、4.84(dd、J=9.7、6.8Hz、1H)、4.32(dd、J=11.3、9.7Hz、1H)、3.53(s、3H)、3.16(s、1H)。
【0176】
7-エチニルピリドアゼピン化合物XIの一般合成
【化58】
当業者には容易に理解されるように、例示された化合物XIの合成は、様々なR基を有する化合物に適用可能である。
【0177】
6-アミノ-5-ブロモピリジン-2-オール
6-アミノピリジン-2-オール(11g、0.1mmol)を酢酸(220mL)に溶解し、次いで臭素(16g、5.12mL、0.1mmol)を周囲温度で添加した。生じた溶液をこの温度で40分間撹拌した。水(200mL)を添加し、溶液をセライトを通して濾過した。溶液を酢酸エチル(3×400mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、6-アミノ-5-ブロモピリジン-2-オール(8.3g)の粗生成物を得て、これを更に精製せずに次の工程で直接使用した。MS(ESI、m/z)計算値187.9585、実測値[M+1]188.9。H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ(ppm) 10.79(s、1H)、7.38(d、J=8.8Hz、1H)、5.93(s、2H)、5.60(d、J=8.8Hz、1H)。
【0178】
3-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン
6-アミノ-5-ブロモピリジン-2-オール(8.3g、43.9mmol)の粗物質をアセトン(130mL)に溶解し、水酸化カリウム(7.4g、0.132mol)、続いて硫酸ジメチル(7.20g、5.4mL、57.1mmol)を添加した。反応溶液を周囲温度で4時間撹拌した。全ての溶媒を減圧下で除去した。残留物にブライン(100mL)を添加し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~30%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン(4.09g、2工程にわたって20%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値201.9742、実測値[M+1]202.9。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.48(d、J=8.4Hz、1H)、6.02(d、J=8.3Hz、1H)、4.73(s、2H)、3.82(s、3H)。
【0179】
6-メトキシ-3-ビニルピリジン-2-アミン
無水トルエン(66mL)中のPd(PPh(1.17g、1.01mmol)を、3-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン(4.09g、20.3mmol)及びトリブチル(ビニル)スタナン(9.64g、30.4mmol)の溶液に添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、次いで密封し、110℃で16時間加熱した。反応溶液を周囲温度まで冷却した。フッ化カリウム水溶液(100mL、1M)、続いて酢酸エチル(500mL)を添加した。溶液をセライトを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。有機を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~10%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、6-メトキシ-3-ビニルピリジン-2-アミン(2.09g、69%)を薄い液体として得た。MS(ESI、m/z)計算値150.0793、実測値[M+1]150.9。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.46(dd、J=8.2、0.6Hz、1H)、6.57(ddt、J=17.4、11.1、0.6Hz、1H)、6.14(dd、J=8.2、0.6Hz、1H)、5.49(dd、J=17.4、1.2Hz、1H)、5.21(dd、J=11.1、1.2Hz、1H)、4.45(s、2H)、3.85(s、3H)。
【0180】
tert-ブチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブタ-3-エノエート
無水ベンゼン(600mL)中の(S)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタン酸(20g、59.3mmol)の溶液に、銅(II)アセテート(2.7g、14.8mmol)を添加した。生じた溶液を窒素下、周囲温度で2時間撹拌し、次いで四酢酸鉛(55.3g、0.119mol)を添加した。生じた溶液を窒素下で14時間還流した後、周囲温度まで冷却した。反応溶液をセライトを通して濾過し、酢酸エチル(1200mL)で洗浄した。有機層を水(2×300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~10%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブト-3-エノエート(4.3g、25%)を淡黄色の液体として得た。MS(ESI、m/z)計算値291.1471、実測値[M-Bu+1]236.0。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.44-7.27(m、5H)、5.90(ddd、J=16.3、10.4、5.3Hz、1H)、5.44(d、J=8.1Hz、1H)、5.34(ddd、J=17.2、1.8、0.7Hz、1H)、5.24(ddd、J=10.4、1.8、0.7Hz、1H)、5.12(s、2H)、4.86-4.74(m、1H)、1.46(s、9H)。
【0181】
(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブタ-3-エン酸
無水ジクロロメタン(340mL)中のtert-ブチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブト-3-エノエート(4.3g、14.8mmol)の溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(50.5g、34mL、0.443mol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。全ての溶媒を減圧下で除去して、(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブト-3-エン酸(3.3g、95%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値235.0845、実測値[M-1]234.1。H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ(ppm) δ 12.80(s、1H)、7.83(d、J=8.2Hz、1H)、7.42-7.25(m、5H)、5.91(ddd、J=16.8、10.4、6.1Hz、1H)、5.33(dt、J=17.2、1.5Hz、1H)、5.21(dt、J=10.4、1.4Hz、1H)、5.05(s、2H)、4.62(ddt、J=7.8、6.1、1.7Hz、1H)。
【0182】
ベンジル(S)-(1-((6-メトキシ-3-ビニルピリジン-2-イル)アミノ)-1-オキソブト-3-エン-2-イル)カルバメート
無水ジクロロメタン(35mL)中の(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブト-3-エン酸(1.75g、7.55mmol)の溶液に、0℃で1-クロロ-N,N,2-トリメチルプロプ-1-エン-1-アミン(1.01g、1mL、7.55g)を滴下し、この温度で30分間撹拌した。次いで、無水ジクロロメタン(5mL)中の6-メトキシ-3-ビニルピリジン-2-アミン(1.03g、6.87mmol)、続いてトリエチルアミン(0.76g、1.05mL、7.55mmol)を滴下した。生じた溶液を周囲温度で更に2時間撹拌し、ジクロロメタン(150mL)を添加した。溶液を少量のHCl水溶液(1N)、重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~50%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、ベンジル(S)-(1-((6-メトキシ-3-ビニルピリジン-2-イル)アミノ)-1-オキソブト-3-エン-2-イル)カルバメート(568mg、23%)を淡黄色の液体として得た。MS(ESI、m/z)計算値367.1532、実測値[M+1]368.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.75(d、J=8.5Hz、1H)、7.67(s、1H)、7.43-7.27(m、5H)、6.63(d、J=8.5Hz、1H)、6.54(dd、J=17.5、11.1Hz、1H)、6.02(ddd、J=16.9、10.2、6.3Hz、1H)、5.79(s、1H)、5.59(dd、J=17.4、0.9Hz、1H)、5.47(d、J=17.0Hz、1H)、5..37(d、J=10.1Hz、1H)、5.30(d、J=11.0Hz、1H)、5.14(d、J=1.3Hz、2H)、3.98-3.72(s、3H)。
【0183】
ベンジル(S)-(2-メトキシ-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート
無水トルエン(78mL)中のベンジル(S)-(1-((6-メトキシ-3-ビニルピリジン-2-イル)アミノ)-1-オキソブト-3-エン-2-イル)カルバメート(573mg、1.56mmol)の懸濁液に、Grubbの第2世代触媒(133mg、0.156mmol)を添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、次いで密封し、80℃で窒素下15時間加熱した。反応溶液を周囲温度まで冷却した。全ての溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~30%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、ベンジル(S)-(2-メトキシ-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート(343mg、65%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値339.1219、実測値[M+1]340.0。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.97(s、1H)、7.55(d、J=8.4Hz、1H)、7.44-7.27(m、5H)、6.63-6.53(m、2H)、6.22(d、J=6.2Hz、1H)、5.67(dd、J=10.0、4.4Hz、1H)、5.14(s、2H)、4.41(d、J=6.7Hz、1H)、3.91(s、3H)。
【0184】
tert-ブチル(S)-(2-メトキシ-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート
MeOH中のベンジル(S)-(2-メトキシ-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート(341mg、1mmol)の溶液に、炭素上の10%パラジウム(110mg)及びジ-tert-ブチルカーボネート(537mg、2mmol)を添加した。反応物を、Parr-Shaker中、50PSIの水素圧下で15時間水素化した。反応溶液をセライトを通して濾過し、MeOHで洗浄した。全ての溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~40%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(S)-(2-メトキシ-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート(151mg、49%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値307.1532、実測値[M+1-Boc]208.0。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.82(s、1H)、7.41(d、J=8.2Hz、1H)、6.50(d、J=8.2Hz、1H)、5.53(d、J=7.5Hz、1H)、4.29(dt、J=11.5、7.2Hz、1H)、3.85(s、3H)、2.87-2.73(m、1H)、2.73-2.55(m、2H)、2.02-1.89(m、1H)、1.39(s、9H)。
【0185】
tert-ブチル(S)-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート
無水DMF(4mL)中のtert-ブチル(S)-(2-メトキシ-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート(150mg、0.489mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(69.3mg、30.4uL、0.489mmol)、続いて炭酸セシウム(159mg、0.489mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で2日間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(150mL)で希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~30%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(S)-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート(147mg、94%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値321.1689、実測値[M+1-Boc]222.0。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 7.40(d、J=8.1Hz、1H)、6.53(d、J=8.2Hz、1H)、5.53(d、J=7.7Hz、1H)、4.26(dt、J=11.2、7.4Hz、1H)、3.89(s、3H)、3.45(s、3H)、2.77-2.56(m、2H)、2.52(dd、J=12.3、6.4Hz、1H)、2.02-1.84(m、1H)、1.40(s、9H)。
【0186】
(S)-7-アミノ-2-メトキシ-9-メチル-5,6,7,9-テトラヒドロ-8H-ピリド[2,3-b]アゼピン-8-オン
無水ジクロロメタン(1mL)中のtert-ブチル(S)-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)カルバメート(35mg、0.11mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.1mL)を添加した。生じた溶液を周囲温度で3時間撹拌した。次いで無水1,2-ジクロロエタン(1mL)を添加した。全ての溶媒を減圧下で除去して、(S)-7-アミノ-2-メトキシ-9-メチル-5,6,7,9-テトラヒドロ-8H-ピリド[2,3-b]アゼピン-8-オンの粗トリフルオロ酢酸塩を得た。得られた残留物を次の工程で直接使用した。MS(ESI、m/z)計算値221.1164、実測値[M+1]222.1。
【0187】
(S)-N-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド
無水DMF(1mL)中の(S)-7-アミノ-2-メトキシ-9-メチル-5,6,7,9-テトラヒドロ-8H-ピリド[2,3-b]アゼピン-8-オン(0.11mmol)及び4-フェノキシピコリン酸(28mg、0.13mmol)の粗トリフルオロ酢酸塩の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(56mg、75uL、0.43mmol)、続いてHATU(49.4mg、0.13mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で19時間撹拌した。1滴の水を添加して、反応物をクエンチした。溶液を逆相HPLC(0.1%のギ酸で水中30~70%のアセトニトリル)によって直接精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-N-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(43mg、95%)白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値418.1641、実測値[M+1]419.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.90(d、J=7.6Hz、1H)、8.43(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、7.62(dd、J=2.5、0.5Hz、1H)、7.46(d、J=8.2Hz、1H)、7.44-7.37(m、2H)、7.26-7.20(m、1H)、7.10-7.04(m、2H)、6.93(dd、J=5.6、2.6Hz、1H)、6.57(d、J=8.2Hz、1H)、4.66(dt、J=11.4、7.5Hz、1H)、3.90(s、3H)、3.48(s、3H)、2.83-2.69(m、2H)、2.64-2.52(m、1H)、2.15-2.02(m、1H)。
【0188】
(S)-N-(2-ヒドロキシ-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド
無水アセトニトリル(1mL)中の(S)-N-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(29mg、0.069mmol)の溶液に、三臭化リン(56mg、20uL、0.21mmol)に添加した。生じた溶液を80℃で3時間加熱する。反応溶液を周囲温度まで冷却し、メタノールを注意深く添加して反応物をクエンチした。全ての溶媒を減圧下で除去した。粗固体をDMSOに溶解し、逆HPLC(0.1%のギ酸で水中20~56%のアセトニトリル)によって精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥して、(S)-N-(2-ヒドロキシ-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(24mg、87%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値404.1485、実測値[M+1]405.1。
【0189】
(S)-9-メチル-8-オキソ-7-(4-フェノキシピコリンアミド)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-2-イルトリフルオロメタンスルホナート
無水DMF(1mL)中の(S)-N-(2-ヒドロキシ-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(24.2mg、0.06mmol)及び1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(25.6mg、0.072mmol)の溶液に、無水炭酸カリウム(17.4mg、0.126mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で20時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~50%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、(S)-9-メチル-8-オキソ-7-(4-フェノキシピコリンアミド)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-2-イルトリフルオロメタンスルホナート(30mg、92%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値536.0977、実測値[M+1]537.0。
【0190】
7-エチニルピリドアゼピン化合物XIを調製するための一般的な手順
バイアル中の無水DMF(0.5mL)中の(S)-9-メチル-8-オキソ-7-(4-フェノキシピコリンアミド)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-2-イルトリフルオロメタンスルホネート(0.03mmol、1当量)、置換エチン(0.06~0.09mmol、2~3当量)、Pd(PPh(0.01mmol、0.1当量)及びCuI(0.01mmol、0.1当量)、EtN(0.4mmol、4当量)を添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、次いで密封し、70℃で14~24時間加熱した。反応溶液を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー又は逆HPLC(移動相A:0.1%HCOOHを含む水、移動相B:0.1%HCOOHを含むアセトニトリル)によって精製して、中間体最終生成物XIを得た。化合物I-52、I-53、I-54、I-55、I-56、I-57、I-58、I-59及びI-60は、この一般的な方法によって合成される例示的な化合物である。ピコリンアミド環(本明細書に示される式による「B」環)は、当業者によって容易に理解されるように、上記のXIの一般的な合成において他のヘテロアリール基で置換され得る。例えば、ピコリンアミド部分は、本明細書に記載の別の5又は6員ヘテロアリール環によって置換され得る。そのような置換の例として、化合物I-54は、「B」環位置にトリアゾールを含有する。上記の一般的な合成は、以下の実施例に従って適応された。
【0191】
(S)-5-ベンジル-N-(2-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-54)の合成
【化59】
【0192】
工程1(S)-5-ベンジル-N-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド
無水DMF(0.5mL)中の(S)-7-アミノ-2-メトキシ-9-メチル-5,6,7,9-テトラヒドロ-8H-ピリド[2,3-b]アゼピン-8-オン(0.0523mmol)及び5-ベンジル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸(10.6mg、0.0523mmol)の粗トリフルオロ酢酸塩の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(27mg、37uL、0.209mmol)、続いてHATU(21.9mg、0.0575mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で19時間撹拌した。1滴の水を添加して、反応物をクエンチした。溶液を逆相HPLC(0.1%のギ酸で水中15~52%のアセトニトリル)によって直接精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥して、(S)-5-ベンジル-N-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(21mg、97%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値406.1753、実測値[M+1]407.1。
【0193】
工程2(S)-5-ベンジル-N-(2-ヒドロキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド
無水アセトニトリル(1mL)中の(S)-5-ベンジル-N-(2-メトキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(21mg、0.051mmol)の溶液に、三臭化リン(41mg、14uL、0.15mmol)に添加した。生じた混合物を80℃で3時間加熱する。反応溶液を周囲温度まで冷却し、メタノールを注意深く添加して反応物をクエンチした。全ての溶媒を減圧下で除去した。粗固体をDMSOに溶解し、逆HPLC(0.1%のギ酸で水中10~40%のアセトニトリル)によって精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥して、(S)-5-ベンジル-N-(2-ヒドロキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(18mg、91%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値392.1597、実測値[M+1]393.1。
【0194】
工程3(S)-7-(5-ベンジル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-2-イルトリフルオロメタンスルホナート
無水DMF(1mL)中の(S)-5-ベンジル-N-(2-ヒドロキシ-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(18mg、0.046mmol)及び1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(19.7mg、0.055mmol)の溶液に、無水炭酸カリウム(15.2mg、0.11mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で2時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ヘキサン中の0~50%アセトンの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、(S)-7-(5-ベンジル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-2-イルトリフルオロメタンスルホナート(22mg、92%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値524.1090、実測値[M+1]525.0。
【0195】
工程4(S)-5-ベンジル-N-(2-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド
バイアル中の無水DMF(1mL)中の(S)-7-(5-ベンジル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-2-イルトリフルオロメタンスルホナート(22mg、0.0422mmol)、2-メチルブタ-3-イン-2-オール(11.6mg、0.0138mmol),Pd(PPh(5.3mg、0.0046mmol)、及びCuI(0.9mg、0.0046mmol)に、EtN(18.6mg、26uL、0.184mmol)を添加した。反応溶液を窒素で1分間パージし、次いで密封し、70℃で14時間加熱した。反応溶液を周囲温度まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、逆HPLC(0.1%のギ酸で水中15~47%のアセトニトリル)によって精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチルで希釈し、少量の飽和炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-5-ベンジル-N-(2-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(4.0mg、21%)白色固体として得た。MS(ESI、m/z)計算値458.2066、実測値[M+1]459.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.12(d、J=7.2Hz、1H)、7.53(d、J=7.7Hz、1H)、7.35-7.25(m、5H)、7.23(d、J=7.7Hz、1H)、4.57(dt、J=12.1、6.9Hz、1H)、4.14(s、2H)、3.50(s、3H)、2.90-2.73(m、2H)、2.71-2.57(m、1H)、2.20(s、1H)、2.13-2.03(m、1H)、1.63(s、6H)。
【0196】
(S)-N-(2-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-52)
【化60】
MS(ESI、m/z)計算値470.1954、実測値[M+1]471.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.93(d、J=7.3Hz、1H)、8.43(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、7.62(dd、J=2.6、0.5Hz、1H)、7.55(d、J=7.7Hz、1H)、7.45-7.36(m、2H)、7.26-7.21(m、2H)、7.11-7.03(m、2H)、6.93(dd、J=5.6、2.6Hz、1H)、4.59(dt、J=11.1、7.2Hz、1H)、3.52(s、3H)、2.93-2.73(m、2H)、2.73-2.58(m、1H)、2.14(s、1H)、2.13-1.99(m、1H)、1.65(s、6H)。
【0197】
(S)-N-(2-((3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)エチニル)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-53)
【化61】
MS(ESI、m/z)計算値484.1747、実測値[M+1]485.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.94(d、J=7.3Hz、1H)、8.44(dd、J=5.6、0.6Hz、1H)、7.62(dd、J=2.6、0.5Hz、1H)、7.59(d、J=7.7Hz、1H)、7.45-7.37(m、2H)、7.30(d、J=7.6Hz、1H)、7.26-7.20(m、1H)、7.11-7.04(m、2H)、6.93(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、4.98(dd、J=6.6、1.0Hz、2H)、4.80(dt、J=6.8、0.7Hz、2H)、4.61(dt、J=11.1、7.3Hz、1H)、3.52(s、3H)、2.89(s、1H)、2.88-2.75(m、2H)、2.75-2.62(m、1H)、2.18-2.04(m、1H)。
【0198】
N-((7S)-9-メチル-8-オキソ-2-(4,4,4-トリフルオロ-3-ヒドロキシブタ-1-イン-1-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-55)
【化62】
MS(ESI、m/z)計算値510.1515、実測値[M+1]511.0。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 9.01(dd、J=20.7、7.2Hz、1H)、8.42(dd、J=5.6、1.2Hz、1H)、7.63-7.53(m、2H)、7.45-7.35(m、2H)、7.31-7.25(m、1H)、7.24-7.18(m、1H)、7.09-7.00(m、2H)、6.92(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、4.91(d、J=6.4Hz、1H)、4.80-4.52(m、1H)、3.97-3.77(m、0.5H)、3.66-3.52(m、0.5H)、3.52-3.34(m、3H)、2.97-2.76(m、2H)、2.76-2.59(m、1H)、2.19-2.00(m、1H)。
【0199】
N-((7S)-9-メチル-8-オキソ-2-(4,4,4-トリフルオロ-3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-56)
【化63】
MS(ESI、m/z)計算値524.1671、実測値[M+1]525.2。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.97(dd、J=12.6、7.2Hz、1H)、8.43(d、J=5.6Hz、1H)、7.64-7.54(m、2H)、7.46-7.35(m、2H)、7.32-7.18(m、2H)、7.10-7.01(m、2H)、6.96-6.87(m、1H)、4.64(ddt、J=20.4、11.3、7.1Hz、1H)、3.55-3.39(m、、3.5H)、3.23(s、0.5H)、2.93-2.76(m、2H)、2.75-2.63(m、1H)、2.19-1.98(m、1H)、1.74(s、3H)。
【0200】
(S)-N-(2-((3,3-ジフルオロ-1-ヒドロキシシクロブチル)エチニル)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-57)
【化64】
MS(ESI、m/z)計算値518.1766、実測値[M+1]519.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.95(d、J=7.3Hz、1H)、8.43(dd、J=5.6、0.6Hz、1H)、7.62(dd、J=2.6、0.5Hz、1H)、7.58(d、J=7.7Hz、1H)、7.45-7.37(m、2H)、7.27(d、J=5.2Hz、1H)、7.26-7.21(m、1H)、7.10-7.04(m、2H)、6.93(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、4.61(dt、J=11.1、7.1Hz、1H)、3.52(s、3H)、3.29-3.14(m、2H)、3.07-2.92(m、2H)、2.84(dtd、J=15.2、7.5、5.6Hz、2H)、2.75-2.59(m、1H)、2.19-2.03(m、1H)。
【0201】
(S)-N-(9-メチル-2-(オキセタン-3-イルエチニル)-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-58)
【化65】
MS(ESI、m/z)計算値468.1798、実測値[M+1]469.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.94(d、J=7.3Hz、1H)、8.43(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、7.62(dd、J=2.5、0.5Hz、1H)、7.56(d、J=7.7Hz、1H)、7.45-7.35(m、2H)、7.27-7.22(m、3H)、7.10-7.04(m、2H)、6.93(dd、J=5.6、2.6Hz、1H)、4.92-4.79(m、4H)、4.60(dt、J=11.2、7.3Hz、1H)、4.12(tt、J=8.5、7.4Hz、1H)、3.52(s、3H)、2.94-2.73(m、2H)、2.73-2.61(m、1H)、2.19-2.03(m、1H)。
【0202】
(S)-N-(2-(3,3-ジフルオロ-3-(オキセタン-3-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8、9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-59)
【化66】
MS(ESI、m/z)計算値518.1766、実測値[M+1]519.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.93(d、J=7.3Hz、1H)、8.44(d、J=5.6Hz、1H)、7.65-7.59(m、2H)、7.45-7.35(m、3H)、7.26-7.20(m、1H)、7.10-7.04(m、2H)、6.94(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、4.90-4.74(m、4H)、4.59(dt、J=11.3、7.2Hz、1H)、3.83-3.62(m、1H)、3.53(s、3H)、2.96-2.76(m、2H)、2.72(dd、J=11.9、6.2Hz、1H)、2.20-2.06(m、1H)。
【0203】
N-((7S)-2-(3-アミノ-4,4,4-トリフルオロ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-9-メチル-8-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-b]アゼピン-7-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-60)
【化67】
MS(ESI、m/z)計算値523.1831、実測値[M+1]524.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.93(d、J=7.3Hz、1H)、8.43(dd、J=5.6、0.6Hz、1H)、7.62(dd、J=2.6、0.5Hz、1H)、7.57(d、J=7.7Hz、1H)、7.44-7.37(m、2H)、7.30-7.21(m、2H)、7.09-7.04(m、2H)、6.93(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、4.58(dt、J=11.1、7.2Hz、1H)、3.52(s、3H)、2.93-2.75(m、2H)、2.75-2.63(m、1H)、2.17-2.02(m、1H)、2.02-1.81(m、2H)、1.67(d、J=0.9Hz、3H)。
【0204】
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-1)
【化68】
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.30(dd、J=4.7、1.6Hz、1H)、8.06(d、J=7.0Hz、1H)、7.53(dd、J=8.0、1.6Hz、1H)、7.32-7.21(m、5H)、7.18(dd、J=8.0、4.7Hz、1H)、4.99(dt、J=11.3、7.0Hz、1H)、4.76(dd、J=9.8、7.1Hz、1H)、4.32(dd、J=11.3、9.8Hz、1H)、4.17(d、J=2.1Hz、2H)、3.49(s、3H)。HRMS(TOFMS ES+)正確な質量C1918 378.1440、実測値379.1566。
【0205】
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド(I-2)
【化69】
MS(ESI、m/e)計算値379.1281、実測値380.0[M+H]
【0206】
(S)-5-ベンジル-N-(8-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(I-3)
【化70】
MS(ESI、m/e)計算値460.1859、実測値443.1[M-HO+H]
【0207】
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-8-(3-モルホリノプロプ-1-イン-1-イル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド(I-5)
【化71】
MS(ESI、m/e)計算値502.1965、実測値503.1[M+H]
【0208】
(S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(I-6)の合成
【化72】
構造4として上のスキームに示される8-ブロモ化合物は、本開示の化合物I-6である。化合物I-6は、RIP1K阻害活性を示すことに加えて、8-置換ピリドキサゼピンを合成するための中間体として有用である。例えば、化合物I-6は、当業者に知られているように、アミノ部分及び不飽和基を用いて、例えばパラジウム触媒条件下でクロスカップリングすることができる。
【0209】
塩化水素溶液(1mL、ジオキサン中4M、4mmol)を、tert-ブチル(S)-(8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバメート1(WO2020/239074に記載のように調製、52mg、0.139mmol)を含むバイアルに添加した。生じた溶液を周囲温度で19時間撹拌した。全ての溶媒を減圧下で除去して、(S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩2(43mg、100%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/e)計算値270.9956、実測値272.0[M+H]
【0210】
(S)-N-(8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(4)の合成
無水DMF(1.4mL)中の(S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩2(43mg、86μmol)及び4-フェノキシピコリン酸3(45mg、0.21mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(135mg、0.18mL、1.1mmol)、続いてHATU(80mg、0.21mmol)を添加した。生じた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。次いで、水(0.1mL)を添加し、溶液を、0.1%のギ酸で緩衝した水中37~90%のアセトニトリルの勾配を使用する逆HPLCによって直接精製した。所望の画分を合わせ、酢酸エチル(100mL)で希釈し、生じた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-N-(8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド4(50mg、77%)を白色固体として得た。MS(ESI、m/e)計算値468.0433、実測値468.9[M+H]
【0211】
(S)-N-(8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-6)
【化73】
MS(ESI、m/e)計算値468.0433、実測値468.9[M+H]。(I-6)
【0212】
(S)-N-(8-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b]][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-7)
【化74】
MS(ESI、m/e)計算値472.1747、実測値473.1[M+H]
【0213】
(S)-N-(7-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-18)
【化75】
MS(ESI、m/z)計算値472.1747、実測値[M+1]473.1。H NMR(400MHz、メタノール-d) δ(ppm) 8.52(dd、J=5.7、0.5Hz、1H)、7.61(d、J=8.1Hz、1H)、7.52-7.44(m、3H)、7.36(d、J=8.2Hz、1H)、7.34-7.27(m、1H)、7.17-7.12(m、2H)、7.09(dd、J=5.6、2.6Hz、1H)、5.00(dd、J=11.5、7.0Hz、1H)、4.69(dd、J=9.8、7.0Hz、1H)、4.49(dd、J=11.5、9.8Hz、1H)、3.46(s、3H)、1.57(s、6H)。
【0214】
(S)-N-(7-((3,3-ジフルオロ-1-ヒドロキシシクロブチル)エチニル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-30)
【化76】
MS(ESI、m/z)計算値520.1558、実測値[M+1]521.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.97(d、J=6.9Hz、1H)、8.45(d、J=5.6Hz、1H)、7.61(d、J=2.5Hz、1H)、7.48(d、J=8.1Hz、1H)、7.46-7.39(m、2H)、7.29(d、J=8.1Hz、1H)、7.24(t、J=1.2Hz、1H)、7.11-7.04(m、2H)、6.96(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.09(dt、J=11.4、6.8Hz、1H)、4.81(dd、J=9.7、6.8Hz、1H)、4.36(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.50(s、3H)、3.22(tdd、J=11.9、9.3、3.7Hz、2H)、3.08-2.86(m、3H)。
【0215】
(S)-N-(7-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-31)
【化77】
MS(ESI、m/z)計算値486.1903、実測値[M+1]487.1。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ(ppm) 8.92(d、J=7.0Hz、1H)、8.44(d、J=5.6Hz、1H)、7.61(d、J=2.5Hz、1H)、7.47-7.37(m、3H)、7.28(d、J=1.1Hz、1H)、7.25(d、J=5.9Hz、1H)、7.10-7.04(m、2H)、6.96(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.00(dt、J=11.4、7.0Hz、1H)、4.78(dd、J=9.7、7.0Hz、1H)、4.34(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.54(s、2H)、3.53(s、3H)、1.34(s、6H)。
【0216】
(S)-N-(7-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-31)
【化78】
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.74(d、J=7.2Hz、1H)、8.47(dd、J=5.6、0.5Hz、1H)、7.56(dd、J=2.6、0.5Hz、1H)、7.49-7.40(m、2H)、7.31-7.25(m、3H)、7.14-7.08(m、3H)、6.98(dd、J=5.6、2.6Hz、1H)、4.97(dt、J=11.2、7.3Hz、1H)、4.69(dd、J=9.7、7.3Hz、1H)、4.25(dd、J=11.3、9.7Hz、1H)、3.48(s、2H)、3.40(s、3H)、1.87(s、1H)、1.29(s、6H)。HRMS(TOFMS ES+)正確な質量C2827 485.1951、実測値486.2024。
【0217】
(S)-N-(8-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブタ-1-イン-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-8)
【化79】
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.91(d、J=7.0Hz、1H)、8.44(d、J=5.6Hz、1H)、8.30(d、J=1.9Hz、1H)、7.62(d、J=2.5Hz、1H)、7.51(d、J=2.0Hz、1H)、7.41(td、J=8.9、7.2Hz、2H)、7.27-7.24(m、1H)、7.12-7.03(m、2H)、6.95(dd、J=5.6、2.5Hz、1H)、5.00(dt、J=11.4、7.0Hz、1H)、4.76(dd、J=9.7、7.0Hz、1H)、4.34(dd、J=11.4、9.7Hz、1H)、3.54(s、2H)、3.51(s、3H)、1.91(s、1H)、1.33(s、6H)。HRMS(TOFMS ES+)正確な質量C2726 486.1903、実測値487.1988。
【0218】
(S)-N-(5-メチル-4-オキソ-8-(ピリジン-2-イルエチニル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[3,2-b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4-フェノキシピコリンアミド(I-9)
【化80】
HRMS(TOFMS ES+)正確な質量C2821 491.1594、実測値492.1680。
【0219】
キナーゼ阻害
本実施例では、ADP-Glo(商標)技術を使用する生化学的アッセイを使用して、開示の化合物を評価した。
【0220】
ADP-Glo(商標)(Promega、Madison,WI,USA)試薬を周囲温度で解凍した。キナーゼ検出緩衝液を凍結乾燥キナーゼ検出基質と混合することによって、キナーゼ検出試薬を調製した。
【0221】
1000μlの1MのMgCl、500μlの1MのTris-HCL(pH7.4)、0.5mg/ml(25mg)のBSA、及び3475μlの蒸留HOを混合することによって、500mlストック体積の5×反応キナーゼ緩衝液を作製した。100μMのDTT及び4mMのMnClの最終濃度を含有する、3mlの2×ワーキングストック体積の反応キナーゼ緩衝液を作製した。
【0222】
RIPK1酵素(Rigel Pharmaceuticals、South San Francisco,CA,USA)の構成成分を氷上で解凍した。(2×緩衝液から希釈した)1×キナーゼ反応緩衝液で希釈したRIPK1を31ng/ウェルに調製した。(2×緩衝液から希釈した)1×キナーゼ反応緩衝液で、166μMのワーキングストックATPアッセイ溶液を調製した。
【0223】
化合物をDMSOで250uMから4倍希釈で段階希釈し、次いで96ウェルプレート内で、2×反応緩衝液で1:5に希釈した。1.0ulの希釈化合物を、複製の384ウェルプレートに添加した。2μlの希釈した活性RIPK1を384ウェルプレートに添加し(カラム1には添加しない)、2×rxn緩衝液をカラム1に添加する。150nMのAKT(Anaspec、Fremont,CA,USA)を等量のATPワーキングストックと合わせ、384ウェルプレートに2ul/ウェルを添加した。最終反応体積は、5.0μlであった。
【0224】
プレートを素早く遠心分離し、反応物を30℃で30分間インキュベートした。5μlのADP-Glo(商標)を添加して、反応を終了させた。プレートを素早く遠心分離し、反応物を室温で40分間インキュベートした。次いで、キナーゼ検出試薬を添加し、室温で30分間インキュベートした。キナーゼ反応の相対光単位(RLU)は、Wallac Victor2 Luminometer(PerkinElmer、Waltham,MA,USA)を使用する発光(Luminescence 0.1s)によって決定した。本実施例から得たIC50値を表1に提供する。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0225】
全細胞アッセイデータ
本実施例では、U937及びL929細胞を本開示の化合物に曝露させ、細胞ネクロトーシスアッセイを実行して、ヒトRIP1及びマウスRIP1に対する化合物の活性を評価した。
【0226】
U937及びL929細胞は、American Type Culture Collection(Manassa、VA,USA)から入手した。5%のCOを含む37℃の10%のウシ胎児血清(Sigma、ST Louis,MO,USA)を補充した完全RPMI1640培地(Sigma、ST Louis,MO,USA)中の両方の細胞を、対数増殖期に維持した。ネクロトーシスアッセイでは、100μL/ウェル培地中のL929細胞を、Costar 96ウェルの黒のクリアボトムプレート(Fisher Scientific、Hampton,NH,USA)に10K細胞/ウェルで18時間播種し、アッセイの日に、60uMのzVAD-fmk(Lonza、Basel,Switzerland)を含有する50μL/ウェル培地に50K細胞/ウェルでU937細胞を播種した。L929細胞の培地を96ウェルプレートから除去し、40uMのzVAD-fmkを含有する50μL/ウェルの新しい培地と交換した。本実施例で評価した本開示の各化合物は、4倍希釈で2.5mMからDMSOで段階希釈し、次いで完全培地で1:125に希釈した。次いで、50μL/ウェルの2×化合物をプレートの細胞に添加した。細胞を化合物と37℃で1時間、5%のCOでプレインキュベートした後、10μL/ウェルの11×TNFa(Peprotech、Rocky Hill,NJ,USA)を添加して、TNFaの最終濃度を2ng/mLにした。ネクロトーシス細胞の相対量は、37℃の5%のCOでのTNFa刺激の18時間後に、Wallac Victor2 Luminometer(PerkinElmer、Waltham,MA,USA)、及び製造業者の指示書に従って添加したCellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Reagent Assay(Promega、Madison,WI,USA)を使用する発光によって決定した。本実施例の結果を表2に要約する。本実施例は、本明細書に記載の化合物の実施形態が、ヒトRIP1及びマウスRIP1に対して予想外に強力な活性を有し、これによって、疾患のインビボマウスモデルにおけるそれらの評価が可能になることを確立している。これらの結果は、ヒトでの安全かつ有効な投与の決定に有用である。
【表3-1】
【表3-2】
【0227】
急性インビボアッセイ
本実施例では、急性低体温症マウスモデルアッセイを使用して、本明細書に開示の化合物がTNF-アルファ誘発性低体温症を阻害する能力を評価した。
【0228】
雌C57BL/6マウスをランダムな群に分け、1日目に計量する。研究の日(0日目)に、マウスにビヒクル又は試験物品を強制経口投与する。試験薬剤の経口投与の15分後に、組換えヒト腫瘍壊死因子アルファ(TNF-a、25.0μg)及びzVAD-FMK(200μg)を含有する溶液の腹腔内(IP)注射を各マウスに投与する。直腸プローブ温度測定デバイスを介して、0時間(IP注射前)、及び1時間ごとに体温を測定する。TNF-a及びzVAD/FMKのIP注射の3時間後に、CO窒息によってマウスを安楽死させ、心臓穿刺を介して血液を収集する。サイトカイン及び化合物レベルの決定用に、血清及び血漿をそれぞれ採取する。TNFa/zVAD-FMK投与時の血漿中の化合物レベルを決定するために、別個の群のマウス(サテライトマウス)を含める。本開示の化合物は、TNF-アルファ誘発性低体温症を阻害した。
【0229】
脳浸透
発明のある特定の実施形態は、血液脳関門を通過するための、化合物、複数の化合物、又はそれらの組成物を提供する。開示の化合物及び組成物の実施形態は、神経性疾患における潜在的な療法として十分な脳浸透を呈する。脳への浸透は、げっ歯類におけるインビボ薬物動態試験を通じて測定される脳/血漿比(B/P)を評価し、インビトロでげっ歯類脳の遊離画分を決定することによって評価することができる。例として、化合物I-44は、1.6のB/P比を示し、化合物I-58は、0.44のB/P比を示した。他の例は、より高い分配比を示した。理論に縛られることなく、より高い脳/血漿分配比を有する化合物は、神経障害に対してより薬理学的に活性である可能性があると考えられている。脳への浸透を評価するための他の方法は、当業者には既知である。例えば、Liu,X.et al.,J.Pharmacol.Exp.Therap.,325:349-56,2008を参照されたい。1I-MDR1透過性。この方法では、受身膜透過性(Papp)及びP-gp(P-糖タンパク質)基質流出電位は、BBBを介した化合物の有効透過性のインビトロモデルとしてMDCKII-MDR1細胞株を使用して決定される。MDCKII-MDR1流出比が2.5以下の化合物は、血液脳関門を通過する能力を示す可能性がある。
【0230】
無脳分画は、CNSにおける潜在的な治療法の可能性を評価するための予測マーカーである。Read K.D.;Braggio S.Assessing brain free fraction in early drug discovery.Expert.Opin.Drug.Metab.Toxicol.2010,6,337-344を参照されたい。
【0231】
したがって、代表的な化合物の無脳分画が表3に提供される。
【表4】
【0232】
無能画分の決定は、当業者が本明細書に開示される追加の化合物について無能画分を決定できるように知られている。Srinivas,Nithya et al.“Clinical Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Drugs in the Central Nervous System.”Clinical pharmacokinetics vol.57,9(2018):1059-1074.doi:10.1007/s40262-018-0632-yを参照されたい。表3に報告された無脳画分は、例示的な化合物がCNS活性化合物の特徴を示すことを示している。
【0233】
開示の発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮して、示された実施形態が、発明の単なる好ましい例であり、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが認識されるべきである。むしろ、発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、これらの特許請求の範囲及び趣旨内にある全てのものを本発明として主張する。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iによる化合物であって、
【化1】
式中、環Bが、5員又は6員ヘテロアリールであり、
Xが、CH又はOであり、
Lが、ヘテロ原子又はRであり、ただし、Rは、水素ではなく、
Zが、C1-10脂肪族(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-6シクロアルキルなど)、各々が任意選択的に1つ以上のR基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、
が、出現ごとに独立して、-NRであり、式中、2つのR基が、それらに結合している窒素と一緒に、C3-10ヘテロ環式基、-C≡CH、又は-リンカー-R基を提供し、前記リンカーが、二価C1-10脂肪族部分(C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルなど)又はC1-10脂環式部分であり、Rが、R、-C(R、又は-C(R)=C(R、各リンカーが任意選択的に1つ以上のハロ、R、若しくは両方で置換されたC5-10芳香族若しくはC3-6ヘテロ環式であり、
及びRが、独立して、Rであり、
及びRが、出現ごとに独立して、Rであり、
が、出現ごとに独立して、水素、C1-10脂肪族、C1-10ハロ脂肪族、C5-10芳香族、又はC3-6ヘテロ環式であり、
が、出現ごとに独立して、-OH、-SH、-OR、-SR、-NR、-Si(R、-C(O)OH、-C(O)OR、又は-C(O)NRであり、
が、出現ごとに独立して、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C1-10アルキル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C2-10アルケニル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C2-10アルキニル、(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C3-6シクロアルキル、又は(1、2、又は3つのRで任意選択的に置換された)C5-10芳香族であり、
が、1、2、又は3つのR、R及び/又はR基で任意選択的に置換されたC1-9脂肪族であり、
が、出現ごとに独立して、オキソ(=O)、-OR、N(R、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキルであるか、又は2つのR基が一緒に結合して、前記2つのR基が結合している窒素を有するC3-10ヘテロ環式基を提供し、
mが、1~4であり、
nが、0、1、又は2である、化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
環Bが、5員又は6員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
環Bが、5員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
環Bが、トリアゾール、ジアゾール、オキサゾール又はオキサジアゾールである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
環Bが、ピラゾリルであり、-N(R)C(O)-部分が、環B上の環窒素原子で環Bに結合している、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
環Bが、6員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
環Bが、ピリジニルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
が、C1-6アルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が、メチルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
が、CDである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
が、Hである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
nが、0である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
nが、1である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
少なくとも1つのRが、C1-6アルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
少なくとも1つのRが、フルオロである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
が、C1-6アルキル又はフルオロである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Xが、Oである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Xが、-CH-である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
Lが、ヘテロ原子である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
Lが、Oである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
Lが、C1-6アルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
式II
【化2】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
式IIA
【化3】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
式IIB、IIC、IID又はIIEを有し、
【化4-1】
【化4-2】
式中、各Wが、独立して、N又はOである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
式IIF、IIG、IIH
【化5】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
式IIK
【化6】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
mが、1である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
少なくとも1つのRが、ハロゲンである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
少なくとも1つのRが、-リンカー-Rである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
少なくとも1つのRが、8~12員スピロヘテロシクリル、C1-10アルキル、又はC2-10アルキンである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
少なくとも1つのRが、以下:
【化7-1】
【化7-2】
【化7-3】
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
少なくとも1つのRが、
【化8】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
少なくとも1つのRが、
【化9】
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
少なくとも1つのRが、
【化10】
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
以下の式
【化11-1】
【化11-2】
【化11-3】
【化11-4】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
以下の式
【化12-1】
【化12-2】
【化12-3】
【化12-4】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
請求項1~36のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物。
【請求項38】
請求項1~36のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤または担体を含む、薬学的組成物。
【請求項39】
RIPキナーゼを阻害するための、請求項37または38に記載の薬学的組成物。
【請求項40】
対象の疾患を治療するための請求項37~39のいずれか一項に記載の薬学的組成物であって、前記対象が、前記疾患を有するか、又は有するか若しくは発症している疑いがあり、前記疾患が、受容体相互作用タンパク質-1(RIP1)キナーゼに関与する疾患である、薬学的組成物。
【請求項41】
前記疾患が、炎症性又は免疫調節障害である、請求項40に記載の薬学的組成物。
【請求項42】
前記疾患が、老化の障害である、請求項40に記載の薬学的組成物。
【請求項43】
前記疾患が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、自己免疫症候群、関節リウマチ、I型糖尿病、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、多発性硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、魚鱗癬、喘息、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性若しくは難治性喘息、遅発性喘息及び気道過敏、アレルギー性鼻炎、脊椎関節炎、強直性脊椎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道系疾患、脳血管事故、アレルギー性疾患、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、フリードライヒ運動失調症、レビー小体型疾患、糖尿病性神経障害、ポリグルタミン(polyQ)疾患、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、プリオン障害、骨吸収疾患(bone resorption disease)などの骨を破壊する障害(destructive bone disorder)、多発性骨髄腫に関連する骨障害;良性腫瘍、増殖性障害、炎症性及び過剰増殖性皮膚障害、表皮過増殖、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、膿疱性乾癬、水疱性皮膚炎、紅斑多形性皮膚炎(dermatitis erythema multiforme)、線状IgA水疱性皮膚症、セメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、歯肉、歯槽骨、歯のセメント質の病変、敗血症、膵炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、血管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、脂肪過多症、好酸球性筋膜炎、ニキビ、円形脱毛症、男性型脱毛症、老人性脱毛症、角結膜炎、春季カタル、角膜アルカリ性火傷、ベーチェット病、ベーチェット病に関連するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮異栄養症、角膜白斑、眼類天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、フォーク-小柳-原田病、血液疾患障害、血液悪性腫瘍、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、乳腺がん腫、濾胞性がん腫、未分化がん腫、乳頭状がん腫、セミノーマ、メラノーマ、ABCびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、原発性皮膚T細胞リンパ腫、くすぶり型若しくは無症候性多発性骨髄腫、白血病、急性骨髄性白血病(AML)、DLBCL、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性リンパ性リンパ腫、慢性骨髄性白血病(CML)、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、急性リンパ性白血病、B細胞前リンパ性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄線維症、真性多血症、カポジ肉腫、脾辺縁帯リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、IL-1による障害、MyD88による障害、JAK阻害剤耐性悪性腫瘍及びイブルチニブ耐性悪性腫瘍などの薬物耐性悪性腫瘍、例えばイブルチニブ耐性血液悪性腫瘍、イブルチニブ耐性CLL、及びイブル耐性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病;固形腫瘍、眼の血管新生、乳児血管腫などの血管腫を含む、血管新生障害などの血管新生障害;敗血症、敗血症性ショック、細菌性赤痢;片頭痛、気管支炎、胃潰瘍、壊死性腸炎、熱火傷に関連する腸病変、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、マスト細胞症、インターロイキン-1変換酵素に関連する関連する発熱症候群、腫瘍壊死因子受容体に関連する周期性症候群、NEMO欠乏症候群、HOIL-1欠乏症、線形ユビキチン鎖集合複合体(linear ubiquitin chain assembly complex)欠乏症候群、リソソーム蓄積症、ゴーシェ病、GM2ガングリオシドーシス、アルファ-マンノシドーシス、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステリルエステル蓄積症、慢性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、シスチン症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコシドーシス、ガラクトシアリドーシス、GM1ガングリオシドーシス、ムコリピドーシス、乳児遊離シアル酸蓄積症、若年性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、クラッベ病、ライソゾーム酸性リパーゼ欠乏症、異染性白質ジストロフィー、ムコ多糖症、多種スルファターゼ欠乏症、ニーマン-ピック病、神経セロイドリポフスチン症、ポンペ病、濃化異骨症、サンドホフ病、シンドラー病、シアル酸貯蔵病、テイ-サックス病、ウォルマン病、ハンチントン病、パーキンソン病、神経変性疾患、ハンチントン病、パーキンソン病、転移性メラノーマ、HIV感染に関連する神経変性、関連する神経認知障害若しくは認知症などのCMV網膜炎、非アルコール性脂肪性肝炎などの線維性状態、及び虚血再灌流などの心臓状態;アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、紅斑症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、移植片対宿主疾患、エンドトキシンによって誘発される炎症反応、結核、アテローム性動脈硬化症、筋肉変性、悪液質、ライター症候群、風疹関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患;大量の好中球浸潤を特徴とする疾患;強直性脊椎炎、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、及び他の関節炎状態、大脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺、肺サルコイドーシス、線維性肺、特発性間質性肺炎、同種移植片拒絶、骨髄拒絶、感染に起因する発熱及び筋痛、ケロイド形成、瘢痕組織形成、発熱、インフルエンザ、慢性骨髄性白血病;固形腫瘍を含む血管新生障害;(A型肝炎、B型肝炎、及びC型肝炎を含む)急性肝炎感染、AIDS、ARC若しくは悪性腫瘍、ヘルペスを含むウイルス性疾患;発作、心筋梗塞、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋虚血、心臓発作における虚血、臓器低酸素症、血管過形成、心臓及び腎再灌流傷害、保存、移植、若しくは虚血疾患時に起こる臓器の虚血再灌流傷害、心臓肥大、トロンビン誘発性血小板凝集、内毒素血症及び/若しくは毒性ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2に関連する状態、尋常性天疱瘡、自己免疫/多発性筋炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、光アレルギー感受性、虚血再灌流傷害、心筋梗塞から生じる心臓虚血再灌流傷害、多系統萎縮症、パーキンソンプラス症候群、前頭側頭型認知症、頭蓋内出血、大脳出血、進行性筋萎縮症、偽球麻痺、進行性球麻痺、脊髄筋萎縮症、遺伝性筋萎縮症、末梢神経障害、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、脱髄疾患、全身性若年性特発性関節炎(SoJIA)若しくはスティル病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、抗リン脂質抗体症候群(APS)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、腎移植、手術、急性腎臓傷害(AKI)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、サイトカイン放出症候群(CRS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、COVID-19から生じるARDS、感染後の自己免疫疾患、リウマチ性発熱、感染後の糸球体腎炎、全身性硬化症、大脳血管事故(CVA)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、NEMO欠乏症候群(F-カッパ-B必須モジュレーター遺伝子(IKKガンマ又はIKKGとしても知られる)欠乏症候群)、固形臓器悪性腫瘍、リソソーム蓄積症、緑内障、網膜変性疾患、網膜虚血/再灌流障害、腎虚血再灌流傷害、白内障、シデローシス、網膜色素変性症、網膜変性、網膜剥離、加齢黄斑変性、硝子体瘢痕、炭疽菌致死性毒素誘発性敗血症性ショック、LPSによって誘発された細胞死、感染性脳症、脳炎、アレルギー性脳脊髄炎、自己免疫性ブドウ膜網膜炎、巨細胞性動脈炎、限局性腸炎、肉芽腫性腸炎、遠位回腸炎、限局性回腸炎、回腸末端炎、インスリン依存性糖尿病、強皮症、全身性強皮症、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、BEST病、成人卵黄様(adult vitelliform)疾患、パターンジストロフィー、近視性変性、中心性漿液性網膜症、スターガルト病、錐体-杆体ジストロフィー、ノースカロライナジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、中毒性網膜炎及び光誘発性毒性、黄斑浮腫、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、BEST病、成人卵黄様疾患、パターンジストロフィー、視神経傷害、視神経炎、視神経症、網膜中心動脈閉塞、虚血性視神経障害(例えば、動脈性又は非動脈性前部虚血性ニューロパチー及び後部虚血性視神経症)、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、外傷性視神経症、ミトコンドリア視神経症(例えば、レーバー視神経症)、栄養性視神経症、毒性視神経症及び遺伝性視神経症、優性視神経症、ベール症候群、クロイツフェルト-ヤコブ病)、進行性核上性麻痺、遺伝性痙性対麻痺、くも膜下出血、周産期脳傷害、不顕性脳傷害、脊髄傷害、無酸素性虚血性脳損傷、大脳虚血、限局性大脳虚血、全脳虚血、及び低酸素性低酸素症、腹膜透析液(PDF)及びPD関連の副作用によって引き起こされる腹膜損傷、糸球体疾患、尿細管間質性疾患、間質性腎炎、閉塞、多発性嚢胞腎臓疾患)、限局性糸球体硬化症、免疫複合体腎症、糖尿病性腎症、グッドパスチャー症候群、肝細胞がん、膵臓がん、泌尿器がん、膀胱がん、結腸直腸がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、前立腺肥大、腎がん、腎臓がん腫、肝臓がん腫、副腎がん腫、甲状腺がん、胆嚢がん、腹膜がん、卵巣がん、頸部がん、胃がん、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、頭頸部がん、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍(例えば、脳のがん腫、神経膠腫、退形成性乏突起膠腫、成人膠芽腫、及び成人退形成星細胞腫)、骨がん、軟組織肉腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、腹膜滲出液、悪性胸膜滲出液、中皮腫、ウィルムス腫瘍、絨毛性新生物、上皮新生物、胃がん腫、卵巣のがん腫、直腸がん腫、前立腺がん腫、膵臓のがん腫、肺がん腫、膣のがん腫、頸部のがん腫、精巣のがん腫、泌尿生殖器のがん腫、食道のがん腫、喉頭のがん腫、皮膚のがん腫、骨のがん腫、甲状腺のがん腫、肉腫、神経膠芽腫、神経芽腫、胃腸がん、腺腫、腺がん、ケラトアカントーマ、類表皮がん腫、大細胞がん腫、非小細胞肺がん腫、リンパ腫、結腸がん腫、結腸直腸腺腫、血管周皮細胞腫、粘液状がん腫、円形細胞がん腫、扁平上皮がん腫、食道扁平上皮がん腫、口腔がん腫、外陰がん、副腎皮質のがん、ACTH産生腫瘍、及び白血病、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、レオウイルスなどの呼吸器感染性ウイルス)、ヘルペスウイルスによって引き起こされるヘルペス帯状疱疹、ロタウイルスによって引き起こされる下痢、ウイルス性肝炎、AIDS、Bacillus cereus、Vibrio parahaemolyticus、Enterohemorrhagic Escherichia coli、Staphylococcus aureus、MRS A、Salmonella、Botulinus、Candidaなどの細菌感染症、パジェット病、軟骨無形成症、骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、部分的な肝臓切除、急性肝臓壊死、毒素によって引き起こされる壊死、ウイルス性肝炎によって引き起こされる壊死、ショックによって引き起こされる壊死、酸素欠乏症によって引き起こされる壊死、B型ウイルス肝炎、非A/非B型肝炎、肝硬変、アルコール性肝臓疾患、アルコール性肝硬変、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アセトアミノフェン毒性、肝毒性、肝不全、劇症肝不全、遅発性肝不全、慢性肝不全の急性憎悪、慢性腎臓疾患、腎臓障害/傷害、腎炎によって引き起こされる腎臓障害/傷害、腎移植によって引き起こされる腎臓障害/傷害、手術によって引き起こされる腎臓障害/傷害、腎毒性薬物の投与によって引き起こされる腎臓障害/傷害、化学療法効果の増強、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染、AIDS、がん、老人性認知症、外傷、慢性細菌感染、環境汚染によって引き起こされる疾患、老化、高山病、ヒスタミン若しくはロイコトリエン-C4放出によって引き起こされる疾患、筋ジストロフィー、膿皮症及びセザリー症候群、アディソン病、偽膜性大腸炎、薬物若しくは放射線によって引き起こされる大腸炎、虚血性急性腎不全、慢性腎不全、肺酸素若しくは薬物によって引き起こされ
る毒素症、先天性低ホスファターゼ症、線維腫性病変、線維性異形成、骨代謝、溶骨性骨疾患、外傷後骨手術の治療、人工関節手術後の治療、整形外科的骨手術後の治療、歯科手術後の治療、骨化学療法治療若しくは骨放射線療法治療、骨がん、動脈硬化巣(fragile plaque)、障害、閉塞性障害、狭窄、冠状動脈障害、末梢動脈障害、動脈閉塞、動脈瘤形成、外傷後動脈瘤形成、再狭窄、移植片手術後の閉塞、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis)、多発性神経炎(multiple neuritis)、単神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、自己免疫性特発性血小板減少性紫斑病(自己免疫性ITP)、膜性腎炎、自己免疫性甲状腺炎、Hashimoito甲状腺炎、重症筋無力症、寒冷及び温式凝集素症、エバン症候群、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病(HUS/TTP)、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全(anerythroplasia)、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項40に記載の薬学的組成物。
【請求項44】
前記疾患が、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、又は強直性脊椎炎である、請求項40に記載の薬学的組成物。
【請求項45】
前記疾患が、骨髄異形成症候群である、請求項40に記載の薬学的組成物。
【請求項46】
疾患の治療のための医薬の製造のための請求項1~36のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用であって、前記疾患が、受容体相互作用タンパク質-1(RIP1)キナーゼが関与する疾患である、該使用。
【請求項47】
前記疾患が、炎症性又は免疫調節障害である、請求項46に記載の使用。
【請求項48】
前記疾患が、老化の障害である、請求項46に記載の使用。
【請求項49】
前記疾患が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、自己免疫症候群、関節リウマチ、I型糖尿病、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、多発性硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、魚鱗癬、喘息、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性若しくは難治性喘息、遅発性喘息及び気道過敏、アレルギー性鼻炎、脊椎関節炎、強直性脊椎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道系疾患、脳血管事故、アレルギー性疾患、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、フリードライヒ運動失調症、レビー小体型疾患、糖尿病性神経障害、ポリグルタミン(polyQ)疾患、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、プリオン障害、骨吸収疾患(bone resorption disease)などの骨を破壊する障害(destructive bone disorder)、多発性骨髄腫に関連する骨障害;良性腫瘍、増殖性障害、炎症性及び過剰増殖性皮膚障害、表皮過増殖、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、膿疱性乾癬、水疱性皮膚炎、紅斑多形性皮膚炎(dermatitis erythema multiforme)、線状IgA水疱性皮膚症、セメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、歯肉、歯槽骨、歯のセメント質の病変、敗血症、膵炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、血管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、脂肪過多症、好酸球性筋膜炎、ニキビ、円形脱毛症、男性型脱毛症、老人性脱毛症、角結膜炎、春季カタル、角膜アルカリ性火傷、ベーチェット病、ベーチェット病に関連するブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮異栄養症、角膜白斑、眼類天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、フォーク-小柳-原田病、血液疾患障害、血液悪性腫瘍、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、乳腺がん腫、濾胞性がん腫、未分化がん腫、乳頭状がん腫、セミノーマ、メラノーマ、ABCびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、原発性皮膚T細胞リンパ腫、くすぶり型若しくは無症候性多発性骨髄腫、白血病、急性骨髄性白血病(AML)、DLBCL、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性リンパ性リンパ腫、慢性骨髄性白血病(CML)、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、急性リンパ性白血病、B細胞前リンパ性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄線維症、真性多血症、カポジ肉腫、脾辺縁帯リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、IL-1による障害、MyD88による障害、JAK阻害剤耐性悪性腫瘍及びイブルチニブ耐性悪性腫瘍などの薬物耐性悪性腫瘍、例えばイブルチニブ耐性血液悪性腫瘍、イブルチニブ耐性CLL、及びイブル耐性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病;固形腫瘍、眼の血管新生、乳児血管腫などの血管腫を含む、血管新生障害などの血管新生障害;敗血症、敗血症性ショック、細菌性赤痢;片頭痛、気管支炎、胃潰瘍、壊死性腸炎、熱火傷に関連する腸病変、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、マスト細胞症、インターロイキン-1変換酵素に関連する関連する発熱症候群、腫瘍壊死因子受容体に関連する周期性症候群、NEMO欠乏症候群、HOIL-1欠乏症、線形ユビキチン鎖集合複合体(linear ubiquitin chain assembly complex)欠乏症候群、リソソーム蓄積症、ゴーシェ病、GM2ガングリオシドーシス、アルファ-マンノシドーシス、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステリルエステル蓄積症、慢性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、シスチン症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコシドーシス、ガラクトシアリドーシス、GM1ガングリオシドーシス、ムコリピドーシス、乳児遊離シアル酸蓄積症、若年性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、クラッベ病、ライソゾーム酸性リパーゼ欠乏症、異染性白質ジストロフィー、ムコ多糖症、多種スルファターゼ欠乏症、ニーマン-ピック病、神経セロイドリポフスチン症、ポンペ病、濃化異骨症、サンドホフ病、シンドラー病、シアル酸貯蔵病、テイ-サックス病、ウォルマン病、ハンチントン病、パーキンソン病、神経変性疾患、ハンチントン病、パーキンソン病、転移性メラノーマ、HIV感染に関連する神経変性、関連する神経認知障害若しくは認知症などのCMV網膜炎、非アルコール性脂肪性肝炎などの線維性状態、及び虚血再灌流などの心臓状態;アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、紅斑症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、移植片対宿主疾患、エンドトキシンによって誘発される炎症反応、結核、アテローム性動脈硬化症、筋肉変性、悪液質、ライター症候群、風疹関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患;大量の好中球浸潤を特徴とする疾患;強直性脊椎炎、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、及び他の関節炎状態、大脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺、肺サルコイドーシス、線維性肺、特発性間質性肺炎、同種移植片拒絶、骨髄拒絶、感染に起因する発熱及び筋痛、ケロイド形成、瘢痕組織形成、発熱、インフルエンザ、慢性骨髄性白血病;固形腫瘍を含む血管新生障害;(A型肝炎、B型肝炎、及びC型肝炎を含む)急性肝炎感染、AIDS、ARC若しくは悪性腫瘍、ヘルペスを含むウイルス性疾患;発作、心筋梗塞、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋虚血、心臓発作における虚血、臓器低酸素症、血管過形成、心臓及び腎再灌流傷害、保存、移植、若しくは虚血疾患時に起こる臓器の虚血再灌流傷害、心臓肥大、トロンビン誘発性血小板凝集、内毒素血症及び/若しくは毒性ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2に関連する状態、尋常性天疱瘡、自己免疫/多発性筋炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、光アレルギー感受性、虚血再灌流傷害、心筋梗塞から生じる心臓虚血再灌流傷害、多系統萎縮症、パーキンソンプラス症候群、前頭側頭型認知症、頭蓋内出血、大脳出血、進行性筋萎縮症、偽球麻痺、進行性球麻痺、脊髄筋萎縮症、遺伝性筋萎縮症、末梢神経障害、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、脱髄疾患、全身性若年性特発性関節炎(SoJIA)若しくはスティル病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、抗リン脂質抗体症候群(APS)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、腎移植、手術、急性腎臓傷害(AKI)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、サイトカイン放出症候群(CRS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、COVID-19から生じるARDS、感染後の自己免疫疾患、リウマチ性発熱、感染後の糸球体腎炎、全身性硬化症、大脳血管事故(CVA)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、NEMO欠乏症候群(F-カッパ-B必須モジュレーター遺伝子(IKKガンマ又はIKKGとしても知られる)欠乏症候群)、固形臓器悪性腫瘍、リソソーム蓄積症、緑内障、網膜変性疾患、網膜虚血/再灌流障害、腎虚血再灌流傷害、白内障、シデローシス、網膜色素変性症、網膜変性、網膜剥離、加齢黄斑変性、硝子体瘢痕、炭疽菌致死性毒素誘発性敗血症性ショック、LPSによって誘発された細胞死、感染性脳症、脳炎、アレルギー性脳脊髄炎、自己免疫性ブドウ膜網膜炎、巨細胞性動脈炎、限局性腸炎、肉芽腫性腸炎、遠位回腸炎、限局性回腸炎、回腸末端炎、インスリン依存性糖尿病、強皮症、全身性強皮症、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、BEST病、成人卵黄様(adult vitelliform)疾患、パターンジストロフィー、近視性変性、中心性漿液性網膜症、スターガルト病、錐体-杆体ジストロフィー、ノースカロライナジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、中毒性網膜炎及び光誘発性毒性、黄斑浮腫、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、BEST病、成人卵黄様疾患、パターンジストロフィー、視神経傷害、視神経炎、視神経症、網膜中心動脈閉塞、虚血性視神経障害(例えば、動脈性又は非動脈性前部虚血性ニューロパチー及び後部虚血性視神経症)、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、外傷性視神経症、ミトコンドリア視神経症(例えば、レーバー視神経症)、栄養性視神経症、毒性視神経症及び遺伝性視神経症、優性視神経症、ベール症候群、クロイツフェルト-ヤコブ病)、進行性核上性麻痺、遺伝性痙性対麻痺、くも膜下出血、周産期脳傷害、不顕性脳傷害、脊髄傷害、無酸素性虚血性脳損傷、大脳虚血、限局性大脳虚血、全脳虚血、及び低酸素性低酸素症、腹膜透析液(PDF)及びPD関連の副作用によって引き起こされる腹膜損傷、糸球体疾患、尿細管間質性疾患、間質性腎炎、閉塞、多発性嚢胞腎臓疾患)、限局性糸球体硬化症、免疫複合体腎症、糖尿病性腎症、グッドパスチャー症候群、肝細胞がん、膵臓がん、泌尿器がん、膀胱がん、結腸直腸がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、前立腺肥大、腎がん、腎臓がん腫、肝臓がん腫、副腎がん腫、甲状腺がん、胆嚢がん、腹膜がん、卵巣がん、頸部がん、胃がん、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、頭頸部がん、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍(例えば、脳のがん腫、神経膠腫、退形成性乏突起膠腫、成人膠芽腫、及び成人退形成星細胞腫)、骨がん、軟組織肉腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、腹膜滲出液、悪性胸膜滲出液、中皮腫、ウィルムス腫瘍、絨毛性新生物、上皮新生物、胃がん腫、卵巣のがん腫、直腸がん腫、前立腺がん腫、膵臓のがん腫、肺がん腫、膣のがん腫、頸部のがん腫、精巣のがん腫、泌尿生殖器のがん腫、食道のがん腫、喉頭のがん腫、皮膚のがん腫、骨のがん腫、甲状腺のがん腫、肉腫、神経膠芽腫、神経芽腫、胃腸がん、腺腫、腺がん、ケラトアカントーマ、類表皮がん腫、大細胞がん腫、非小細胞肺がん腫、リンパ腫、結腸がん腫、結腸直腸腺腫、血管周皮細胞腫、粘液状がん腫、円形細胞がん腫、扁平上皮がん腫、食道扁平上皮がん腫、口腔がん腫、外陰がん、副腎皮質のがん、ACTH産生腫瘍、及び白血病、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、レオウイルスなどの呼吸器感染性ウイルス)、ヘルペスウイルスによって引き起こされるヘルペス帯状疱疹、ロタウイルスによって引き起こされる下痢、ウイルス性肝炎、AIDS、Bacillus cereus、Vibrio parahaemolyticus、Enterohemorrhagic Escherichia coli、Staphylococcus aureus、MRS A、Salmonella、Botulinus、Candidaなどの細菌感染症、パジェット病、軟骨無形成症、骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、部分的な肝臓切除、急性肝臓壊死、毒素によって引き起こされる壊死、ウイルス性肝炎によって引き起こされる壊死、ショックによって引き起こされる壊死、酸素欠乏症によって引き起こされる壊死、B型ウイルス肝炎、非A/非B型肝炎、肝硬変、アルコール性肝臓疾患、アルコール性肝硬変、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アセトアミノフェン毒性、肝毒性、肝不全、劇症肝不全、遅発性肝不全、慢性肝不全の急性憎悪、慢性腎臓疾患、腎臓障害/傷害、腎炎によって引き起こされる腎臓障害/傷害、腎移植によって引き起こされる腎臓障害/傷害、手術によって引き起こされる腎臓障害/傷害、腎毒性薬物の投与によって引き起こされる腎臓障害/傷害、化学療法効果の増強、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染、AIDS、がん、老人性認知症、外傷、慢性細菌感染、環境汚染によって引き起こされる疾患、老化、高山病、ヒスタミン若しくはロイコトリエン-C4放出によって引き起こされる疾患、筋ジストロフィー、膿皮症及びセザリー症候群、アディソン病、偽膜性大腸炎、薬物若しくは放射線によって引き起こされる大腸炎、虚血性急性腎不全、慢性腎不全、肺酸素若しくは薬物によって引き起こされ
る毒素症、先天性低ホスファターゼ症、線維腫性病変、線維性異形成、骨代謝、溶骨性骨疾患、外傷後骨手術の治療、人工関節手術後の治療、整形外科的骨手術後の治療、歯科手術後の治療、骨化学療法治療若しくは骨放射線療法治療、骨がん、動脈硬化巣(fragile plaque)、障害、閉塞性障害、狭窄、冠状動脈障害、末梢動脈障害、動脈閉塞、動脈瘤形成、外傷後動脈瘤形成、再狭窄、移植片手術後の閉塞、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis)、多発性神経炎(multiple neuritis)、単神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、自己免疫性特発性血小板減少性紫斑病(自己免疫性ITP)、膜性腎炎、自己免疫性甲状腺炎、Hashimoito甲状腺炎、重症筋無力症、寒冷及び温式凝集素症、エバン症候群、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病(HUS/TTP)、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全(anerythroplasia)、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項46に記載の使用。
【請求項50】
前記疾患が、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、又は強直性脊椎炎である、請求項46に記載の使用。
【請求項51】
前記疾患が、骨髄異形成症候群である、請求項46に記載の使用。
【国際調査報告】