(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】フレーク生産装置
(51)【国際特許分類】
B02C 4/06 20060101AFI20230508BHJP
B02C 4/30 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
B02C4/06 Z
B02C4/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560064
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 IB2021052742
(87)【国際公開番号】W WO2021198975
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512048354
【氏名又は名称】ランダ ラブズ (2012) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225060
【氏名又は名称】屋代 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ベンジョン ランダ
(72)【発明者】
【氏名】ガイ フェファーマン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァディム ヤケル
(72)【発明者】
【氏名】ヨーセフ シャチャク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィチェスラフ ラビノヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ エリシャ レヴィン
【テーマコード(参考)】
4D063
【Fターム(参考)】
4D063CC01
4D063CC08
4D063GA02
4D063GC21
4D063GC31
4D063GD02
(57)【要約】
フレークを生産するための装置が開示され、装置は、a)フレークを生産するための第1の材料で作られた2つの供給シリンダのそれぞれと、第2の材料で作られた少なくとも1つの脆弱化ロッドを含む脆弱化ロッドアセンブリと、を支持するための支持構造体であって、各脆弱化ロッドの直径は2つの供給シリンダの初期直径よりも小さい、支持構造体と、b)2つの供給シリンダの表面を各脆弱化ロッドに接触させるための圧縮機構と、c)供給シリンダを各脆弱化ロッドと転がり線接触させながら回転させるための駆動機構と、を備え、供給シリンダと各脆弱化ロッドとの間の接触圧力は、脆弱化によって供給シリンダの表面を変更し、供給シリンダの表面から第1の材料のフレークを分離するのに十分な大きさにセットされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレークを生産するための装置であって、
a.フレークを生産すべき第1の材料で作られた2つの供給シリンダの各々、および第2の材料で作られた少なくとも1つの脆弱化ロッドを含む脆弱化ロッドアセンブリ、を支持するための支持構造体であり、各脆弱化ロッドの直径は2つの該供給シリンダの初期直径よりも小さい、支持構造体と、
b.2つの前記供給シリンダの表面を各脆弱化ロッドに接触させるための圧縮機構と、
c.前記供給シリンダを各脆弱化ロッドと転がり線接触させながら回転させるための駆動機構と、
を備え、
前記供給シリンダと各脆弱化ロッドとの間の接触圧力は、脆弱化によって該供給シリンダの前記表面を変更し、結果として該供給シリンダの該表面から前記第1の材料のフレークを分離させるのに十分な大きさである、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、回転中に各脆弱化ロッドおよび供給シリンダに流体を供給するための機構であって、該流体は、該供給シリンダを脆弱化させることによって生産されたフレークを取り除くように作動する、機構と、
前記生産されたフレークおよび前記流体を収集するためのコレクターと、
をさらに備える、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、前記装置は、前記流体から前記フレークの少なくとも一部を分離するための分離システムをさらに備える、装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の装置において、前記流体は液体であり、前記装置はさらに、前記コレクターまたは前記分離システムから各接触線の少なくとも一部に液体を再循環させるための再利用機構を備える、装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の装置において、前記分離システムは濾過システムである、装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の装置において、少なくとも1つの脆弱化ロッドは、0.2μmを超える、1μmを超える、2μmを超える、または3μmを超える平均表面粗さ(Ra)を有する、装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の装置において、少なくとも1つの脆弱化ロッドは、前記第1の材料および前記第2の材料とは異なる第3の材料の層または粒子でコーティングされている、装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置において、少なくとも1つの脆弱化ロッドまたはそのセグメントのテクスチャーは、ランダムである、装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の装置において、少なくとも1つの脆弱化ロッドのテクスチャーは、連続的または断続的な突起の反復パターンに従う、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、少なくとも1つの脆弱化ロッドは、少なくとも3μm、少なくとも50μm、または少なくとも100μmであり、また任意で、最大300μm、最大250μm、または最大200μmの高さDを有する少なくとも1つの連続的な突起または一連の整列した突出部を含み、該突起または突出部は、随意的に頂端に比較的平坦な頂部表面を有し、該頂部表面は、少なくとも25μm、少なくとも50μm、少なくとも100μm、または少なくとも200μmであり、また随意的に、最大500μm、最大400μm、または最大300μmの幅Tを有し、該突起または突出部は、随意的に該ロッドの該表面と該頂端との間にテーパー面を有する、装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の装置において、少なくとも1つの脆弱化ロッドは、該脆弱化ロッドの回転軸に対して角度αを形成する少なくとも1つの連続的な突起または一連の整列した突出部を含み、該角度は90°以下であり、また任意で0°~60°の間、2°~50°の間、または5°~45°の間である、装置。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか一項に記載の装置において、少なくとも1つの脆弱化ロッドは、少なくとも2つの連続的な突起または一連の整列した突出部を含み、少なくとも2つの一連の隣接する突起または隣接する突出部の側方端縁間の距離Gは、25μm~300μmの間、または25μm~250μmの間、または25μm~200μmの間である、装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の装置において、前記駆動機構は、1つ以上のモーターを備え、各モーターは、それぞれの供給シリンダに任意に関連している、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、前記1つ以上のモーターは、作動中に供給シリンダの外径が減るにつれ、それぞれの供給シリンダの軸間の相対運動に順応するように移動可能に支持される、装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の装置において、片側のみで脆弱化ロッドアセンブリと接触している供給シリンダと接触するための支持シリンダが設けられ、前記圧縮機構は該供給シリンダの反対側に対して該支持シリンダを押し付けるのに役立つ、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、前記支持シリンダは、前記第1の材料よりも硬い第4の材料で作られている、装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の装置において、前記供給シリンダは、支持シャフトおよび供給スリーブで構成され、該支持シャフトは、前記支持構造体に摺動可能に取り付けられた一対の軸受けに軸支されている、装置。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか一項に記載の装置において、前記供給シリンダは、その端面に中央凹部を有するシリンダで構成され、該凹部は、それぞれが前記支持構造体の側面に摺動可能に取り付けられた、一対の心押し台の間に該シリンダを維持するのに役立つ、装置。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の装置において、前記脆弱化ロッドアセンブリは、2つの脆弱化ロッドを含み、該脆弱化ロッドの少なくとも1つは前記第2の材料で作られており、該2つの脆弱化ロッドの外面は同じかもしくは異なっている、装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の装置において、(a)各脆弱化ロッドアセンブリは、1つの脆弱化ロッドを備え、共通の供給シリンダの各側にある2つのロッドアセンブリの該脆弱化ロッドの外面は互いに異なるか、またはb)各脆弱化ロッドアセンブリは、互いに該外面が異なる2つの脆弱化ロッドを備える、装置。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の装置において、少なくとも1つの脆弱化ロッドは、該脆弱化ロッドの回転軸に平行な方向に振動するように構成される、装置。
【請求項22】
請求項4または請求項4に従属する請求項のいずれか一項に記載の装置において、さらに、
a)前記圧縮機構によって印加される力または圧力、
b)少なくとも1つの前記供給シリンダの回転スピード、
c)存在する場合、少なくとも1つの前記支持シリンダの回転スピード、
d)前記供給シリンダに適用される前記流体中における固体粒子および/または添加剤の流量、温度および濃度のうちの少なくとも1つ、並びに
e)前記コレクター内の前記流体のレベル
のうちの少なくとも1つを常にまたは定期的に制御するのに資するコントローラを備える、装置。
【請求項23】
フレークを生産する方法であって、
a.2つの供給シリンダと、少なくとも1つの脆弱化ロッドを各脆弱化ロッドが2つの該供給シリンダの間に挟まれる様態で含む脆弱化ロッドアセンブリと、を支持するステップであって、各脆弱化ロッドは、2つの該供給シリンダの初期直径よりも小さい直径であり、より硬い材料で作られている、支持するステップと、
b.2つの前記供給シリンダの表面を各脆弱化ロッドに接触させるステップと、
c.前記供給シリンダおよび前記脆弱化ロッドを互いに転がり線接触させながら回転させるステップと、を含み、
前記供給シリンダおよび各脆弱化ロッドは、脆弱化によって該供給シリンダの表面を変更し、該供給シリンダの該表面から第1の材料のフレークを分離させるのに十分に大きい接触圧力で互いに押し付けられる、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、流体は、生産された前記フレークを取り除くために、回転する供給シリンダおよび脆弱化ロッドに適用される、方法。
【請求項25】
請求項23または24に記載の方法によって生産されるアルミニウムフレーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2020年4月2日に出願された英国特許出願第2004904.5号に基づいており、その優先権を主張するものである。先行する出願全体は、本明細書に完全に記載されているかのように、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。英国特許公開第2593768号に開示されているが本出願には含まれていない事項は放棄されず、出願人はそこに開示された事項を本出願に取り込む権利を留保する。
【0002】
本開示は、金属フレーク、セラミックフレーク、プラスチックフレークまたはガラスフレークなどのフレークの生産に関する。
【背景技術】
【0003】
薄板状(lamellar)形状を有する粒子は、それらのアスペクト比、すなわち横方向の寸法に対する代表的な平面の寸法の比によって特徴付けられ、アスペクト比が大きいほどフレークは薄くなる。「フレーク(flake)」という用語は、本明細書では、アスペクト比が3:1以上であるが通常は著しく大きい、例えば10:1~100:1を有する薄い平面状粒子を指すために使用される。フレークは様々な分野で抜擢されており、例えば金属フレークは、塗装、印刷、コーティング、電気化学電極、反射板、燃料電池の水素貯蔵デバイス、爆発物、太陽電池、化粧品などの多様な産業で使用され得る。現在生産されている金属フレークの約40%をアルミニウムフレークが占め、銅フレークが約24%、亜鉛またはステンレス鋼フレークがそれぞれ約14%を占め、ニッケルフレークは約8%を占めている。金属フレークに対する需要が高いため、それらの生産が、唯一ではないが、本発明の主要な目的である。
【0004】
金属フレークは、従来、ハンマリング、ボールミル、または物理蒸着(PVD)によって生産される。ハンマリング法では、金属板をハンマーで薄くし、フレーク状に加工する。ボールミルは、湿式または乾式で、および低速または高速で行うことができる。ボールミル法の例として、摩砕型(attritor)、振動型、水平型、および遊星型のボールミルが挙げられる。いずれのボールミル法でも、ボール状の粉砕媒体が、最初は球状またはアスペクト比の低い大きな金属粒子とランダムに衝突する。比較的大きな粒子に加えられる圧縮力およびせん断力により、それら粒子は次第に平らになり、フレークになる。物理蒸着では、金属を気化させた後、キャリアに蒸着させる。一旦、金属が凝縮してキャリア上にフィルムとなり、様々な技術を使用してキャリアからフィルムをフレーク状に剥がす(remove)ことができる。
【0005】
ハンマリングまたはボールミルで調製された金属フレークは、比較的厚くなる傾向がある。典型的には、それらはミクロン範囲(例えば、1マイクロメートル(μm)~100μmの間)の厚さを有し、より高級な最終製品はサブミクロン範囲(例えば、25ナノメートル(nm)~1μmの間)の厚さを有する。対照的に、PVDによって調製された金属フレークはより薄く、20nm~100nmの範囲の厚さであり得、30nm~50nmの範囲の厚さのフレークは、特に要求の厳しい産業において視覚効果のために一般的により好まれる。典型的には、PVDで調製されたフレークの平面状表面のトポグラフィは、ボールミルによって調製されたフレークの平面状表面のトポグラフィに比べてより規則的である。したがって、PVDで調製されたフレークは一般に、PVDで生産されていないフレークよりも光沢があり、それらフレークを使用した製品はより高い艶を示し得る。
【0006】
PVDで調製されたフレークは多くの産業用途に好まれているが、その生産方法はより高価であり、多くの製品のコストが極めて高額なものになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、とりわけ、フレークを生産するための費用対効果の高い方法およびそれを行うための装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、フレークを生産するための装置が提供され、該装置は、フレークを生産するための第1の材料で作られた2つの供給シリンダのそれぞれと、第2の材料で作られた少なくとも1つの脆弱化ロッド(fatiguing rod)を含む脆弱化ロッドアセンブリと、を支持するための支持構造体であって、各脆弱化ロッドの直径は2つの供給シリンダの初期直径よりも小さい、支持構造体と、2つの供給シリンダの表面を各脆弱化ロッドに接触させるための圧縮機構と、該供給シリンダを各脆弱化ロッドと転がり線接触(rolling line contact)させながら回転させるための駆動機構と、を備え、供給シリンダと各脆弱化ロッドとの間の接触圧力は、脆弱化によって供給シリンダの表面を変更し、供給シリンダの表面から第1の材料のフレークを分離(separation)させるのに十分な大きさである。
【0009】
いくつかの実施形態において、装置は、回転中に各脆弱化ロッドおよび供給シリンダに流体を供給するための機構であって、該流体は、供給シリンダが脆弱化することによって生産されたフレークを取り去る(carry away)ように作動する、機構と、生産されたフレークおよび流体を収集するためのコレクターと、をさらに備え得る。
【0010】
装置は、流体からフレークの少なくとも一部を分離するための分離システムをさらに含み得る。分離システムは、流体を排出する(例えば、乾燥によって)か、もしくはフレーク(またはその一部)を分離するか、またはその両方を行うことができる。フレークの少なくとも一部を流体から分離するための分離システムは、第1の材料の個々の特性およびそれに対する相対的な親和性(例えば、磁性材料で作られたフレークの分離を補助する磁石)に基づく、またはより普遍的な特性(密度、サイズなど)に依存して、デカンティング、遠心分離、または濾過によって続行することができる。
【0011】
いくつかの実施形態における駆動機構は、供給シリンダの少なくとも1つ、または供給シリンダの少なくとも1つと摩擦接触するシリンダの面を駆動するように連結された1つ以上のモーターを備え得る。いくつかの実施形態において、各供給シリンダは、それぞれのモーターと関連し得る。モーターは、供給シリンダの外径が作動中に縮径する(reduce)につれ、そのモーターに関連する供給シリンダの軸間の相対運動に順応するように支持され得る。
【0012】
供給シリンダおよび脆弱化ロッドの回転スピードは、互いに接触する表面の速度が一致するようになり得る。あるいは、脆弱化ロッドと供給シリンダとの接触面の間の相対速度を許容するか、または誘導することさえできる。例えば、±10%の相対速度は、駆動モーターに連結されていないロッドまたはシリンダにブレーキ力を印加することによって、または複数のモーターを備える配置でモーターを様々なスピードで操作することによって引き起こすことができる。
【0013】
本発明のさらなる態様によれば、フレークを生産する方法を提供し、この方法は、
a.2つの供給シリンダと、少なくとも1つの脆弱化ロッドを、各脆弱化ロッドが2つの供給シリンダの間に挟まれる様態で含む脆弱化ロッドアセンブリと、を支持するステップであって、各脆弱化ロッドの直径は、2つの供給シリンダの初期直径よりも小さく、より硬い材料で作られている、支持するステップと、
b.2つの供給シリンダの表面を各脆弱化ロッドに接触させるステップと、
c.互いに転がり線接触させながら、供給シリンダおよび脆弱化ロッドを回転させるステップと、
を含み、供給シリンダおよび各脆弱化ロッドは、供給シリンダの表面を脆弱化によって変更するのに十分に大きい接触圧力で互いに押し付けられ、結果として供給シリンダの表面から第1の材料のフレークを分離させる。
【0014】
現在開示されている主題の付加的な目的の特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載されており、その一部は、説明から当業者に容易に明らかとなるか、または書面による説明および特許請求の範囲、ならびに添付の図面に記載されているように、現在開示されている主題を実践することによって認識されるであろう。現在開示されている主題の実施形態の様々な特徴およびサブコンビネーションは、他の特徴およびサブコンビネーションを参照することなく採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付の図面を参照して、いくつかの実施形態を例としてさらに説明するが、ここで、同様の参照番号または文字は、対応するまたは同様の構成要素および/または段階を示す。図面とともに説明されることで、当業者に対して、現在開示されている主題のいくつかの実施形態がどのように実施され得るかが明確になる。図面は、例示的な議論を目的としており、現在開示されている主題の根本的な理解に必要である以上に詳細に実施形態の構造上の詳細を示す試みを目的としていない。表現を明確にし、また便宜を図るため、図に示されているオブジェクトの一部は、必ずしも一定の縮尺で示されているわけではない。
【
図1】本発明のいくつかの実施形態に従った、フレーク生産装置の概略図である。
【
図2】
図1の単一のロッドを有する脆弱化ロッドアセンブリが2つのロッドを有する脆弱化ロッドアセンブリに置き換えられた、代替の実施形態を示す図である。
【
図3】本発明に従った、フレーク生産装置の概略断面図である。
【
図4】拡大縮尺で描かれた
図3の装置の詳細を示す図である。
【
図5】複数の供給シリンダを有する本発明の装置の斜視図である。
【
図6】フレーク生産装置の供給シリンダの動作開始時の平面図である。
【
図7】フレーク生産装置の供給シリンダの動作完了時の平面図である。
【
図8A】本発明の一実施形態において、脆弱化ロッドの表面にどのようにパターニングを施すことができるかを示す図である。
【
図8B】
図8Aの例示的な螺旋溝の代替の断面を示す図である。
【
図9】9A、9Bおよび9Cは、供給シリンダの3つの考えうる構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[概要]
図1は、フレークを生産するために本開示で使用される方法を説明する装置100の一部分の概略図である。装置100は、フレークを生産するための材料で作られた2つの供給シリンダ22と、それらの間に挟まれた単一の脆弱化ロッド34を含む脆弱化ロッドアセンブリと、を備える。供給シリンダのフレーク化される材料は「第1の材料」とも称することができるとともに、脆弱化ロッドを形成する材料は「第2の材料」とも称することができる。矢印30および33によって概略的に示される支持構造体は、供給シリンダ22をそれらの軸が互いに平行になるように保持し、また、脆弱化ロッド34をその軸が2つの供給シリンダ22の軸と同じ平面内にあるように保持し、その平面は図では点線36によって表されている。このように支持されている一方、供給シリンダ22は、図面に矢印30で示すように互いに向かって付勢され、それらの間で脆弱化ロッド34を圧縮し、それらは矢印20で示される方向に同時に回転し、その結果、図面では参照符号15で示され、本明細書ではニップ(nip)とも称される、各供給シリンダ22と脆弱化ロッド34との間の接触領域で転がり接触が行われる。
【0017】
脆弱化ロッド34の直径が小さいため、小さな接触領域15を超えて供給シリンダ22に大きな力が印加され、結果として生じる圧力は、供給シリンダ22の表面で第1の材料の結晶構造を攪乱して脆弱化するのに十分である。供給シリンダ22が回転するにつれて、この圧力の印加および除去が繰り返され、それらの表面が脆弱化し、そしてフレーク状になる。
【0018】
脆弱化ロッド34の表面が同時にフレーク化するのを避けるために、脆弱化ロッドは第1の材料よりも硬い第2の材料で作られるべきである。例えば、供給シリンダ22が金属(例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼、亜鉛など)で作られている場合、脆弱化ロッド34は、セラミック材料(例えば、タングステンカーバイド)または、より硬い同じもしくは異なる金属(例:ステンレス鋼)で作られていてよい。
【0019】
供給シリンダの軸を含む平面内にその軸が位置する単一のロッド34を備える脆弱化ロッドアセンブリの代わりに、
図2の装置100Aに示されるように、供給シリンダ22の軸の平面36の上方および下方にそれぞれ配置された2つのロッド34aおよび34bを備えてもよい。両実施形態において、支持構造体は、各脆弱化ロッドが供給シリンダ22の軸の平面に直交する平面内で移動しないことを保証しなければならない。以下に説明する実施形態は、単一のロッドを有する脆弱化アセンブリで示されているが、それらはすべて、代わりに2つの脆弱化ロッドを有するアセンブリを使用できることを理解されたい。
【0020】
装置100の残りの部分は、以下の機能を実施するために必要とされる。
I.装置は、上述のように、供給シリンダ22を、それらの軸が互いに向かって動くことを可能にしながら回転できる様態で支持するための支持構造体を含むべきである。
II.支持構造体は、平面36に直交する平面内で脆弱化ロッドが移動するのを防ぎながら、脆弱化ロッド34を支持すべきである。
III.装置は、供給シリンダ22を互いに向かって付勢するための機構を含むべきである。
IV.装置は、供給シリンダおよび/または脆弱化ロッドの少なくとも1つを回転させるための1つ以上の駆動モーターを含むべきである。
【0021】
なお、本装置はフレークの商業的生産を目的としているため、供給シリンダの表面の脆弱化により運転中に発生するフレークを収集するためのシステムが必要である。そのような収集は、生産されたフレークの少なくとも一部を流体から分離する前および/またはその後に行うことができる。
【0022】
図1において、供給シリンダ22は、図面の矢印30に平行かつ反対方向に同時に印加される力によって、その間で脆弱化ロッド34を圧縮しながら互いに向かって付勢されるが、必ずしもそうであるとは限らない。単一方向(例えば、図面では上向きまたは下向き)に力を印加することができ、随意的に、供給シリンダおよびその間に挟まれた脆弱化ロッドアセンブリを支持面に押し付ける。このような場合、支持面が支持シリンダであると仮定すると、代替として、供給シリンダまたは脆弱化ロッドの代わりに、駆動モーターを使用して支持シリンダを回転させることができる。
【0023】
図1および
図2に概略的に示される供給シリンダおよび供給ロッドアセンブリのセットは、実施形態に関して後で詳述されるように、より大きな装置において「反復(繰り返し)の」「基本ユニット」として機能することができ、この場合、複数の供給シリンダは、同じ平面内にあるシリンダのそれぞれの回転軸を有し、脆弱化ロッドアセンブリ(1つまたは2つのロッドを含む)は、互いに面する任意の2つの供給シリンダの間に配置される。
【0024】
図3および
図4は、概略的に示した装置100について上記で説明した要件を満たす装置の基本的な実施形態を示している。この実施形態の装置は、2つの供給シリンダ122、132、およびそれらの間に配置された単一の脆弱化ロッド134のみを含む。
図4は、供給シリンダの代替可能な設計をより明確に示している。シリンダ122は、外側スリーブ122bを担持する中央シャフト122aを備えるものとして示されている。このような構造では、中央シャフト122aは、周囲のスリーブ122bとは異なる(例えば、より硬い)材料から作ってもよく、例えば、シャフト122aに焼き嵌め(shrink fit)てもよい。一方、シリンダ132は、フレークを生産するための材料から完全に作られる。
【0025】
この実施形態における支持構造体は、2つのピローブロック152が取り付けられた端部プレート150を備える。供給シリンダ132は、ピローブロック152内の軸受け(bearings)に軸支(journaled)されている。2つの油圧ラム154は、ピローブロック152から端部プレート150の反対側に連結されたシリンダ156と、端部プレート150を通過するピストンロッド158とを有する。供給シリンダ122は、ピストンロッド158の端部に連結されたピローブロック160に軸支されている。脆弱化ロッド134は、2つの供給シリンダ122、132の間に位置し、その端部は、図の平面内での回転および平行移動(translate)を可能にしながら、図の平面の外側への移動を防止するガイド164内に摺動可能に受容されている。
【0026】
モーター170は、カップリング172によって供給シリンダ122に連結される。モーターが固定的に取り付けられているため、カップリング172は、供給シャフトとモーター170との間の相対運動を可能にする必要がある。したがって、カップリングは、可変長シャフト172aの両端に自在ジョイント172bを備えた、スプライン抜き差し結合された区域を含む可変長シャフト172aを備え得る。あるいは、モーターが連結されている供給シリンダの動きに追随するように、モーターを移動可能に取り付けることも可能であろう。
【0027】
図3および
図4の装置は、供給シリンダ122、132が回転し、供給シリンダの端部に油圧で力を印加して互いに押し付け合いながら、供給シリンダ122、132が互いに向かって移動することを可能にするという点で、上記のすべての要件を満たす。モーター170は、供給シリンダ122を回転させる働きをし、供給シリンダ132および脆弱化ロッド134を順に駆動させながら、後者はガイド164によって供給シリンダ122、132の間に捕捉される。
【0028】
先に説明したように、供給シリンダ122、132がモーター170によって回転し、サイクルを繰り返しながらより硬い脆弱化ロッド134に押し付けられると、供給シリンダ122、132の表面は脆弱化し、結果として生じる変更によりフレークが表面から剥がれる。
【0029】
生産されたフレークを収集するために、供給シリンダ122、132と任意な中間脆弱化ロッドとの間の少なくともニップに対して、流体、好ましくは液体が、それらが回転するときに塗布される。流体をフィルタに通して所望のフレークを分離することができ、濾過後に再利用され得る。濾過は、液体が再利用される前に液体からすべての粒子状物質を除去するか、または、流体によって運ばれるフレークの一部をニップに再利用できるように設計され得る。
【0030】
生産されたフレークを収集する手段として機能する以外に、液体は、潤滑および冷却などの他の目的にも使用され得る。
【0031】
商業的生産により適しているが、上記と同じ原理で動作する装置を
図5に示す。この場合、図面は、供給シリンダ、脆弱化ロッドおよび駆動モーターの支持構造体をも示す。
【0032】
図5の装置と
図3および
図4の装置との間の主な相違点は、222aから222dで示される4つの供給シリンダの列を備えることである。この実施形態において、列内のシリンダは、上下に垂直に配置されるのではなく、水平に並べて配置されるが、向きは重要ではない。しかしながら、供給シリンダを2つしか有さない実施形態に組み込むことができるさらなる相違点がある。そのような相違点の1つは、
図3および
図4では2つの供給シリンダに対して1つのモーターのみが提供されているのに対し、
図5では、各供給シリンダ222a~222dがそれぞれのカップリング272を介してそれぞれのモーター270によって駆動されることが可能であることを示していることである。しかし、これが必須なのではなく、複数の供給シリンダおよび摩砕(attritions)ロッドを単一のモーターで、またはそれによって駆動されるシリンダおよびロッドの総数よりも少ない数のモーターで駆動することも可能である。
【0033】
図示されていないさらに別の実施形態においては、脆弱化ロッドを駆動するために、付加的または代替的にモーターを連結することができる。
【0034】
供給シリンダ222a~222d、脆弱化ロッド234(
図6および
図7により明確に示されるように、供給シリンダ間に捕捉される)、およびモーター270はすべて、支持構造体290上に摺動可能に取り付けられ、支持構造体290は、互いに溶接またはその他の方法で取り付けることができる箱形断面の金属バーから構成されるフレームワークとして構築される。
図5に示される例示的なモーター270は供給シリンダ222a~222dよりも大きいため、特に各々フレーク化後に達し得る最終直径を考慮すると、シリンダよりもさらに離して取り付けられる必要がある。これは、図に示すように、モーターを様々な水平レベルで支持することによって実現できる。モーターは、支持構造体290上に摺動可能に取り付けられ、直径が減少するにつれて供給シリンダと共に移動することができる。反対に、
図5のモーター270が固定されている場合、それらのカップリング272は、前述のように、伸縮可能なシャフトを含む必要があるだろう。
【0035】
支持構造体290は、供給シリンダ222a~222dの列の両側に配置されたガイドも含む。供給シリンダおよび脆弱化ロッドの軸方向端部が軸支されているブロックは、ガイドに沿って自由に摺動可能である。供給シリンダの軸方向端部に作用する代わりに、この実施形態における油圧ラムのピストンロッド258は、列の端部供給シリンダ222aおよび222dに作用する2つの支持シリンダ232aおよび232bの間で供給シリンダ222a~222dの列全体を圧縮するために使用される。
図5に示されるように、支持シリンダ232aおよび232bはまた、それぞれの駆動モーター270に連結することができ、これらは、供給シリンダ222a~222dに連結されたモーターの付加物、またはその代用物であり得る。支持シリンダ232a、232bの一方のみまたは両方を駆動することにより、列の供給シリンダが最小直径に達した後の交換がかなり容易になり、供給シリンダに駆動カップリングを設ける必要がなくなる。
【0036】
支持シリンダ232aは、ピストンロッド258の作用下で供給シリンダ222a~222dのガイドに対して摺動可能なキャリッジ292内の軸受けによって支持される。第2の支持シリンダ232bは、支持構造体290に固定された同様のキャリッジに取り付けられる。特にモーターおよび特に供給シリンダの支持構造のことを一般に支持構造体290と称されるが、それらは同じ一体構造の一部である必要はなく、2つの別個の構造から構成されてもよい。別々の支持構造を有することで、設置および保守が容易になり得る。
【0037】
図6は、動作開始時の
図5の供給シリンダ222a~222dの列の平面図を示し、
図7は、供給シリンダの材料がかなり消費された後の同様の図である。供給シリンダは、中央シャフトの直径のような最小直径に達すると、消尽されたと見なされる。これらの図から、支持シリンダ232は、フレークの生産中に直径が縮小されないことが分かる。
【0038】
図6および
図7では、端部供給シリンダ222aおよび222dと隣接する支持シリンダ232aおよび232bとの間に脆弱化ロッドがないことが分かる。この場合、中間供給シリンダ222bおよび222cは、それぞれが1つだけではなく2つの脆弱化ロッド(またはそれぞれ2つのロッドを有する2つのロッドアセンブリ)と接触しているため、端部供給シリンダ222aおよび222dよりも早く消耗する。容易に理解されるように、シリンダの列内の供給シリンダの相対位置を変更して、それらの1つが消尽される前に確実にそれらが同様に消費されるようにすることが可能である。あるいは、端部供給シリンダと支持シリンダとの間に脆弱化ロッドを設けることも可能であるが、支持シリンダ232a、232bの表面が同時にフレーク化されないことを保証するために材料を選択する際には注意をしなければならない。例えば、供給シリンダがアルミニウム(Al)製である場合、脆弱化ロッドは炭化タングステン製であり、支持シリンダはステンレス鋼製であってよい。
【0039】
これらの図面は、供給シリンダの列が両端部の支持シリンダの間に維持され得ることを示しているが、そのようなアセンブリに限定される、と解釈される必要がないことを強調しておく。供給シリンダの列は、その端部の1つだけで支持されているか、または支持シリンダがない場合がある。供給シリンダまたは脆弱化アセンブリの軸方向端部に圧力を印加することができ、供給シリンダの列は、供給シリンダ222または脆弱化ロッド234(または一対のロッドのアセンブリ)によって、その端部のそれぞれで「終端処理(terminated)」され得る。このような場合、支持シリンダが列の端部にない場合、末端(terminal)要素(例えば、供給シリンダ222または脆弱化ロッド234)の軸は、末端要素が、それに押し付けられる列の他の要素(例えば、供給シリンダ)に対する支持体としてさらに機能できるように維持されるべきであり、該末端要素は、列の要素の表面以外の表面に接触しない。例えば、末端要素が脆弱化ロッドアセンブリである場合、該アセンブリは、一方の側でのみ供給シリンダに接触し、正反対側には何も接触しないように維持される必要がある。
【0040】
以上、本開示の装置の概要を説明したが、ここで、装置の異なる構成要素を個別に考察する。
【0041】
[供給シリンダ]
供給シリンダ(図示された非限定的な実施形態における22、122、132、または222など)は、金属、セラミック、プラスチック、またはガラス材料など、フレーク化される任意な材料から作られ得る。本明細書で使用される場合、金属という用語は、純金属、合金、半金属、複合体、または1つ以上の金属元素を含む任意な他の組み合わせを指し得る。そのような金属から作られたフレークは、金属フレークまたは金属製のフレークと称することができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、供給シリンダは、アルミニウム、真鍮、青銅、銅、金、グラファイト、リチウム、ニッケル、銀、ステンレス鋼、鋼、スズ、および亜鉛を含む群から選択される金属、または、アルミナ、方解石、ガラス(例えば、ホウケイ酸塩)、石英、黒曜石、およびタルクを含む群から選択されるセラミック、を主に含む材料を含み得る。いくつかの特定の実施形態において、供給シリンダは、主にアルミニウム(例えば、Al 1050、Al 1100、Al 1199、アルミニウム1xxxシリーズの別の部材、(xは任意の有効数字)、Al 2024、Al 6061、Al 7075、Al A356、Al A4047またはAl RSP)を含む材料、または、主にステンレス鋼(例えば、ステンレス鋼 17-4 PH(登録商標)、ステンレス鋼 304、またはステンレス鋼 303)を含む材料、を含み得る。さらなる実施形態において、供給シリンダは、プラスチック材料(例えば、ポリ(メチルメタクリレート(PMMA)およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK))などの熱可塑性ポリマー)、またはセラミック材料(例えば、石英)から作られ得る。本明細書において、主成分を含む材料への言及は、成分が材料の主要部分を構成することを意味し、合金、共重合体、または複合材料用の材料組成の50重量%未満であってもよいが、典型的には、材料組成のうちの少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%または100重量%など、少なくとも50重量%である。
【0043】
図9Aに示されるように、各供給シリンダは、フレーク化されるシリンダの本体から横方向に延在する軸を一体的に組み込むことができ(
図4の供給シリンダ132も参照)、横方向への延在部は装置の構造によって支持される。あるいは、供給シリンダは、支持シャフトおよび供給スリーブから構成されてもよい(
図4および
図9Bの供給シリンダ122によって示されるように)。
図9Cに示す別の代替例では、供給シリンダは、その端面に中央凹部を有するシリンダで構成することができ、凹部は、それぞれが支持構造体の側面に摺動可能に取り付けられた一対の心押し台(tailstocks)の間にシリンダを維持するのに役立つ。
【0044】
[脆弱化ロッド]
供給シリンダの材料に応じて、各脆弱化ロッド(例示された非限定的な実施形態における34、34a、34b、134、または234など)は、供給シリンダの第1の材料よりも硬い第2の材料から作られ得る。
【0045】
脆弱化アセンブリが2つの脆弱化ロッドを含む場合、それらは同一である必要はない。例えば、脆弱化ロッドの一方が第2の材料で作られている場合、他方の脆弱化ロッドが異なる材料で作られていてもよい。代替的または追加的に、アセンブリの各脆弱化ロッドの外面も異ならせ、脆弱化ロッドのそれぞれの同一もしくは異なる第2の材料、および/または同一もしくは異なるテクスチャーが、本明細書でさらに詳細に説明されるようなものにし得る。
【0046】
2つの異なる脆弱化ロッドが同一ロッドアセンブリ内で見られることがあり、例えば、一方のロッド34aは比較的研磨されており、他方のロッド34bは比較的テクスチャーが付けられている(例えば、より粗い外面を有する、またはパターン化されている)ことがあるが、脆弱化ロッド間の相違は、単一のロッドから構成されるロッドアセンブリで同様に実施できることに留意されたい。例示として、供給シリンダの列の平面図を示す
図6の供給シリンダ222bを考慮すると、その左側のロッド234は、その右側のロッド234とは異なり得る(例えば、異なる材料で作られ、および/または外面の異なるテクスチャーを有する)。
【0047】
同一供給シリンダの正反対側に異なる脆弱化ロッドが存在するという同様の原理は、2つのロッドのロッドアセンブリでも実現でき、この場合、異なるロッドを同じアセンブリの同じ側に存在させる必要はないが、供給シリンダによって分離された2つのロッドアセンブリに存在させることができる。したがって、選択された様態に関係なく、本装置のいくつかの実施形態において、同一供給シリンダが少なくとも2つの脆弱化ロッドと接触することができ、脆弱化ロッドの少なくとも一方は他方とは異なる。特定の実施形態において、異なるロッド間の相違は、それらの外面のテクスチャーを含み、一方のロッドは比較的滑らかなものである。異なるロッドは、ロッドが作られる材料、その直径、またはそれらの特性に影響を与える他の処理など、ロッドの他の任意な特徴の点でさらに異なり得る。
【0048】
脆弱化ロッドは、アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al2O3)、炭化ホウ素(B4C)、窒化ホウ素(BN)、立方晶窒化ホウ素(CBN)、炭化クロム(Cr3C2)、ダイヤモンド、サファイア、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、ステンレス鋼、鋼、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、炭化タングステン(WC)、ジルコニア(ZrO2)を含む群から選択される金属またはセラミックを主に含むことができる。脆弱化ロッドは、典型的には異なるもので、かつ、より硬い化合物によってさらにコーティングされてもよい。例えば、脆弱化ロッドは、チタンを含むフィルムコーティング(例えば、窒化アルミニウムチタン(AlTiN)およびアルミニウムチタンシリコンカーボン(AlTiSiC))を有するタングステンカーバイドで主に作ることができる。脆弱化ロッドが供給シリンダと同様の化学族の材料で作られている限り、ロッドを構成する材料(またはそのコーティング)は、供給シリンダを構成する材料よりも硬い必要がある。例えば、約30HVのビッカース硬度を有するアルミニウム合金 Al 1050で作られた供給シリンダは、約175HVのビッカース硬度を有するアルミニウム合金 Al 7075で作られた脆弱化ロッドによって、本教示に係る装置内でフレーク化することができる。
【0049】
いくつかの特定の実施形態において、脆弱化ロッド(例えば、34、134、または234であり、単一のロッドとして、または一対のロッドとして脆弱化アセンブリに存在する)は、炭化タングステン(例えば、結合剤として働くコバルトも含む)、ステンレス鋼、炭化ケイ素を主に含むか、またはチタンコーティングを施したタングステンカーバイド(TiAINなど)で作られ得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、脆弱化ロッドは、その硬度が供給シリンダを構成する第1の材料の硬度よりも著しく大きい、例えば少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍硬い第2の材料から構成される。例えば、脆弱化ロッドは主に炭化タングステンを含み得、供給シリンダは主にアルミニウムまたはステンレス鋼を含み得る。約2600HVの硬度を有するタングステンカーバイド(WC)、約240HV(通常は140~350HVの範囲)の硬度を有するステンレス鋼(SST)、および40HVの硬度(20HV~180HVの典型的な範囲)を有する1つのアルミニウム合金で作られたシリンダを例にとると、この場合、脆弱化ロッドの硬度と供給シリンダの硬度との比率は、WC/SSTで約11、WC/Alで約65になる。
【0051】
最終的に、硬度比は、a)各シリンダおよびロッドの正確な組成、ならびにb)バルク材料がさらに処理されたかどうか(例えば、アニール、冷間加工、硬化、熱処理、または焼き戻し)、また、上記処理された場合はどの程度か(例:ステンレス鋼は、1/16、1/8、1/4、1/2、3/4、またはフルハードに焼き戻すことができる)に依存し、材料が支持シリンダに使用される場合(比較的硬く/延性が低いグレードが好ましい)、または供給シリンダに使用される場合(比較的硬さが低く/延性が高いグレードも適している)、異なるグレードがより好適である。さらに、シリンダの外面の硬さは、プロセスおよび装置の動作条件によって変更され得る。供給シリンダと脆弱化ロッドとの相対的な特性は、それらの硬度に関して上記で与えられているが、材料とそれらの物理的特性に関わる当業者は、そのような要件を強度、降伏点などの他の用語に容易に「置換」できる。脆弱化ロッドの降伏点は、装置の動作条件下でロッド表面の変形および/または摩耗を回避または最小化するのに十分であるべきであり、供給シリンダの材料の降伏点よりも大きくあるべきである。
【0052】
セラミック脆弱化ロッドを使用するもう1つの重要な利点は、ヤング率が金属よりもはるかに高いため、力が加えられても曲がりにくいことである。ロッドが曲がっている場合、ニップでの圧力分布は均一ではなく、セラミック脆弱化ロッドを使用することで、同程度のロッドの偏差に対してより幅の広い機械を構築することが可能である。
【0053】
脆弱化ロッドの表面仕上げは、生産されるフレークの品質(寸法など)および生産速度の両方に大きな影響を与えることがわかってきた。脆弱化ロッドは鏡面仕上げ(例えば、50nm以下、または20nm以下の平均表面粗さ(Ra)を有する)まで研磨されてもよいが、別の実施形態において、それらはテクスチャー加工されてもよい。そのようなテクスチャーは、ロッドの表面の粗さを増加させることによって達成することができ(例えば、100nm以上のRaを有する)、これは、ロッドの製造プロセスに通常含まれる平滑化ステップが行われない場合の結果として生じ得る。粗さは、表面トポグラフィに適したプロフィロメーターを使用して、通常の方法で測定できる。Raは、例えば、接触スタイラスプロフィロメーターまたは非接触光学プロフィロメーターを使用して測定することができる。いくつかの実施形態において、脆弱化ロッド(または任意の他の表面)の粗さは、共焦点レーザー顕微鏡(Olympus CorporationのLEXT OLS5000 3D)を50倍の倍率で使用して測定することになる。
【0054】
テクスチャーは、ロッド表面を化学的にエッチングもしくは物理的に引っ掻くことによって(例えば、所望のグリットのダイヤモンド研磨パッドを用いて)、またはロッドの表面を、通常、ロッドを構成する第2の材料とは異なる第3の材料でコーティングすることによって、意図的に形成することができる。コーティングは、材料の連続層または個別の粒子を用いて行うことができ、その粒子のサイズは、それによって形成されるコーティングの結果として知覚される粗さに寄与する。例えば、脆弱化ロッドは、ステンレス鋼ロッドの無電解ニッケルめっき中に組み込まれたダイヤモンド粉末でコーティングすることができる。このような方法によって広範囲の粗さレベルを達成することができ、出願人は、約20nm、100nm、200nm、250nm、400nm、500nm、700nm、800nm、1,600nm、2,000nmおよび5,000nmの粗さRaを有するロッドを調製することができ、また、フレークを生産することができた脆弱化ロッドの粗さと速度との間の正の相関関係を観察した。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、脆弱化ロッドの粗さを増加させると、供給シリンダの表面との接触効率が向上し、脆弱化が促進されると考えられる。理解されるように、脆弱化ロッドを同様に調製して、研磨されていない部品の標準粗さを超える値(例えば、1,000nm、1,200nm、1,400nm、1,800nm、2,500nm、3,000nm、3,500nm、4,000nm、4,500nmなど)、またはそれ以上の任意な値(例えば、10μm、25μm、50μm)を含む、任意な中間値の表面粗さを達成することができる。
【0055】
上記の例示的な方法は、テクスチャー加工された脆弱化ロッドの表面に比較的ランダムなギザギザ感をもたらすが、ロッドは、追加的または代替的に、より規則的な様態でパターン化され得る。例えば、パターンは、機械加工もしくはレーザー切断、またはロッドを形成する材料に適合する任意の他のパターニング方法によって、脆弱化ロッドの表面に形成され得る。パターンは、いくつかの実施形態において、一連の環状溝または連続螺旋溝であってもよい。そのような実施形態では、溝の幅、そのピッチ、およびその深さなどのパラメータはすべてフレーク生産に影響を及ぼし、それらの値は、経験的に所望のフレークサイズおよびフレークの生産速度に基づいて決定できることがわかっている。上記のパターンは、脆弱化ロッド表面の外径における表面の溝の「負の(negative)」パターン、または脆弱化ロッドの内径から(例えば、溝の最も低い部分を含む表面から)突出する突起の「正の(positive)」パターンと見なすことができる。
【0056】
図8Aは、軸線842と、および隆起または突起領域838を画定する単一の螺旋溝836とを有する脆弱化ロッド834を示す。螺旋角αは、溝の巻回部分と、軸線842に垂直な平面840との間の角度である。
図8Aの下部は、溝836の異なるパラメータを特定するために、溝836の断面を拡大して示している。溝の幅はGで示され、溝の巻回部分間の隆起領域の幅はTで示され、溝の深さはDで示される。溝のピッチPは、TおよびGの合計に等しい。
図8Aでは、溝は、軸線842に垂直な平面内に置かれた側面を有するように示されているが、
図8Bに示されているように、角度βで側面を傾斜させることも可能である。
【0057】
パターンを広範囲に脆弱化ロッドの表面に形成することができ、本願人は、ギャップ幅Gが50μm、60μm、150μm、160μm、200μm、230μm、および280μmから選択され、上面の幅Tが25μm、50μm、130μm、160μm、200μm、240μm、および360μmから選択され、溝深さDは、10μm、35μm、90μm、160μm、170μm、190μm、および400μmから選択され、および、角度αが環状溝に関しては0°、螺旋溝に関しては2°、30°および40°から選択されたロッドを調製することができた。環状溝および螺旋溝を有するパターンは、セラミック製(例えば、炭化タングステン)の脆弱化ロッドでテストされた比較的薄い溝用のレーザー切断法によって、および金属製(例えば、ステンレス鋼)の脆弱化ロッドでテストされた比較的大きな溝用の機械加工によって調製された。理解されるように、脆弱化ロッドは、中間値を含むが必ずしも中間値ではない値を含む任意の他の値を有するパラメータで同様にパターン化することができる。
【0058】
例えば、溝Gの幅(または、隣接する突起もしくは隣接する突出部の側方端縁間の距離)は、25μm~300μmの間、または25μm~250μmの間、または25μm~200μmの間であり得、2つの溝の間の頂部表面Tの幅は、少なくとも25μm、少なくとも50μm、少なくとも100μm、または少なくとも200μmとすることができ、また随意的に最大500μm、最大400μm、または最大300μmとすることができ、溝の深さD(または、突起もしくは突出部の高さ)は、少なくとも3μm、少なくとも50μm、または少なくとも100μmとすることができ、また随意的に最大300μm、最大250μm、または最大200μmとすることができ、回転方向に対して溝を傾けることができる角度αは、±90°までの任意の値であり、また任意で0°~60°の間、2°~50°の間、または5°~45°の間であり、該角度は右または左のいずれかに傾いている。
【0059】
図8Aは、図面の左側に傾いた単一の螺旋溝を示しているが、脆弱化ロッドの他のパターニングが可能である。例えば、2つの逆向きの螺旋溝は、両方がロッドの全長に沿って延在するように設計されている場合、ロッドの表面にダイヤモンドパターンをもたらすことができる。あるいは、脆弱化ロッドの1つのセグメントは一方向に傾いた溝を含むことができ、もう1つのセグメントは反対方向に傾いた溝を含むことができる。例えば、ロッドの半分は右巻きの螺旋溝を有し、ロッドの半分は左巻きの螺旋溝を有してもよい。
【0060】
パターンはまったくランダムで、ロッドの表面を粗くすることによって生成される場合もある。この場合、レーザー切断法の代わりに化学エッチングを使用してもよい。粗さは、ロッドの材料を本質的な要素とするか、またはロッドのコーティングに起因し得る。パターン化されたロッドに所望の粗さを提供するためにコーティングが使用される場合、該コーティングは、パターン化の前または後に適用され得る。例として、脆弱化ロッドをパターン化して螺旋溝を表示し、続いてダイヤモンド粒子でさらにコーティングすることができ、該粒子のサイズは、パターンのパラメータに従って選択される。脆弱化ロッドがパターンおよび粗さの両方を表示する場合、粗さは通常、突起の頂部、幅Tによって特徴付けられる溝の間の表面で測定される。
【0061】
いくつかの実施形態において、脆弱化ロッド(例えば、34、134、234、または834)の直径は、供給シリンダ(例えば、22、122、132、または222)の初期直径と比較して小さくてよい。脆弱化ロッドの直径は、供給シリンダの直径の5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、または25%以下を構成する場合、比較的小さい。上記ロッドの直径が小さいと、所定の圧縮力に対してニップでより大きな圧力を印加することができる。脆弱化ロッドの直径は、供給シリンダの特定の列に適合させることもできる。例えば、支持シリンダが、シリンダのアセンブリの末端位置になく、脆弱化ロッドが最終的な転がり面として機能する場合、その直径は、相対スケールのより大きい方の端部に接していることが好ましく、それによりシリンダを接触させるために印加される力に対してその回転軸を静止状態に維持することを容易にする。
【0062】
本教示に係る装置の他のシリンダとして、脆弱化ロッドは、支持構造体内に摺動可能に取り付けられた一対の軸受け内に軸支されることができる。ロッドが回転できるようにする他の任意の配置は、特に供給シリンダと接触しているときに好適であり得る。このような配置は、一般に、シリンダの回転軸に沿った方向へのシリンダの横方向の変位(displacement)をほぼ防止するように構成されており、支持構造体のフレーム内において、供給シリンダおよびロッドを押し付けて転がり接触させる力と本質的に平行な方向への回転のみを可能にする。供給シリンダおよび脆弱化ロッドを一緒に付勢するように力が印加される方向をX方向と呼ぶことができ、それらの回転軸の横断方向をY方向と呼ぶことができる。材料がフレーク化され、供給シリンダの直径が減少するため、シリンダの時計回りまたは反時計回りの回転が、回転軸のX方向への相対的な変位をもたらす。前述のように、Y方向にはある程度の公差(tolerance)があり、例えば、シリンダ上の基準点を想定すると、この点は、この方向に変位がない場合、予想される位置の±250μm以内にあってよい。説明のために
図6を参照すると、供給シリンダ222、支持シリンダ232、および脆弱化ロッド234は、Y方向に平行な軸の周りを回転し、それらの直径が減少するにつれてX方向に左または右に移動し得るが、典型的には、それらは(例えば、250μmを超えて)著しく変位することはない(すなわち、図面で見た場合の上向きまたは下向き)。
【0063】
しかしながら、いくつかの実施形態においては、いくらかの横方向の変位が許容されるだけでなく、望ましくかつ有効になり得る。このような場合、本質的ではないが、回転しながら回転軸をY方向に変位させることを許容される要素が脆弱化ロッドであるということが、サイズが小さいという点でより便利である。説明のために再び
図6を参照し、脆弱化ロッド234上の基準点を取ると、この点は、ロッドの回転と供給シリンダのフレーキングが左から右のX方向の距離を縮めるにつれて、正弦曲線を描くことになり、この特定の表示では、Y方向に沿った横方向の変位によるロッドの振動により、この点が上下にシフトする。したがって、脆弱化ロッドは、支持構造体の反対側の間で振動していると見なすことができる。通常、振動のピーク振幅、つまり基準点が理想的に固定された位置からどれだけ離れているかは、500μmを超えることがあり、1mm以上、1.5mm以上、2mm以上、または2.5mm以上であり得る。
【0064】
振動の効果は、とりわけ、必要に応じて生産速度を高めることである。規則的にパターン化されたロッドは供給シリンダの表面に反復条痕(repeated striations)を形成し得る、またそのような形成がフレークの生産速度に悪影響を与える限りにおいて、そうしなければ供給シリンダに形成されことがあり得る反復条痕間の距離を越えるよう、脆弱化ロッドの振動の最適なピーク振幅(または適切な振幅の範囲)を選択する。脆弱化ロッドの振動の振幅は、脆弱化ロッドの表面のパターンニングの性質に依存し、供給シリンダのより平らな(例えば、パターンのない)表面を長期間にわたって維持するために選択される。代替的または追加的に、規則的なパターンの欠落した脆弱化ロッドであって、比較的滑らかであるか、またはランダムにテクスチャー化されている(例えば粗い)脆弱化ロッドに頼ることで、供給シリンダ上の反復条痕を回避するまたは(存在するにしても)減少させることができる。
【0065】
[支持シリンダ]
支持シリンダが本教示に係る装置に含まれる限りにおいて、それは供給シリンダおよび脆弱化ロッドに従って選択することができ、その特性は典型的には両方の中間である。例えば、支持シリンダは第4の材料で作ることができ、その第4の材料は一般に供給シリンダの第1の材料よりも硬いが、脆弱化ロッドの第2の材料、またはそれをコーティングする第3の材料よりも硬くない。先に説明したように、相対的な特性として硬さに関しては上述されているが、当業者は代わりに他の用語(例えば、ヤング率、降伏点など)で材料の適切な組み合わせを選択することができる。脆弱化ロッドと同様に、供給シリンダは、装置の動作条件下での表面の変形および/または摩耗を回避または最小化するように選択および適合されるべきである。したがって、支持シリンダは、前述の条件を満たす場合、前に例示した材料のいずれかでも作ることができる。それらの直径は一般に脆弱化ロッドの直径よりも大きく、必須ではないが随意に供給シリンダの初期直径よりも大きい。支持シリンダは、供給シリンダについて
図9A~
図9Cに示される様々な方法のいずれかで、装置の構造によって支持することができる。
【0066】
[圧縮機構]
図示され説明された実施形態において、供給シリンダ(例えば、22、122、132、または222)の間のロッドのそれぞれのアセンブリの脆弱化ロッド(例えば、34、134、234、または834)を圧縮するために印加される力は、油圧ラムによるものである。代替の実施形態において、力は、空気圧または電気モーターによって印加されてもよい。代わりに、重りを使用して、適切な配置を介して印加される重力に基づいて圧縮を生み出すこともできる。必要に応じて、モーターと供給シリンダの列との間にレバーシステムまたは歯車機構を採用してもよい。油圧システムを採用する場合、圧力変動を減衰させるアキュムレータを含んでもよい。
【0067】
ニップでの圧力は、フレークの生産速度およびその品質に影響を与える。印加される圧力が低すぎると、フレークの生産率が低くなる。一方、過度の圧力が印加されると、非フレークの破片および/または望ましくないほど厚いフレークが供給シリンダから剥がされ得る。最適圧力は、とりわけ、供給シリンダの材料の降伏強度(降伏点とも呼ばれる)および/または引張強度に依存する。生産コストを最小限に抑えるために、所与の量のフレークを生産するために必要なエネルギー量を最小限に抑えるための最適圧力を経験的に決定することが可能である。
【0068】
圧縮は典型的には一方向に印加されるが(例えば、供給シリンダの列の一端から列の他端まで)、代替的には、同時に反対方向に印加されてもよい。そのような場合、支持シリンダは、圧縮に相反する力の「終点(terminus)」に対応する位置で供給シリンダの列に任意に挿入されてもよい。説明のために、4つの供給シリンダの列を仮定すると、該供給シリンダ、それらの脆弱化ロッド、および各端部からの反対の圧縮力はそれぞれ同様であり、支持シリンダは、2対の供給シリンダの間の列の中央に含まれてもよい。
【0069】
考えられる限りでは、図示の実施形態は、単一ライン(例えば、供給シリンダの軸が単一平面内に存在している)に沿って1つまたは2つの方向に印加される圧縮を提示しているが、供給シリンダは、コアシリンダ(例えば、供給シリンダバンクのうちの1つ、または支持シリンダである)に対して半径方向に配列されてもよい。そのような場合、圧縮は、配列のコアに向かって半径方向内方に印加される。
【0070】
[生産されたフレークの収集]
前述のように、装置100によって示されるように、装置の動作中に流体を使用することができ、流体は少なくともニップ15で適用される。流体は、例えば、ニップ15および/または装置100の他の場所で潤滑性を提供し得る。流体は、限定された程度の滑りを引き起こし得、温度制御にも役立つことができる。
【0071】
流体は、例えば、供給シリンダの表面からフレークを穏やかに洗い流し、そのような剥がされたフレークを供給シリンダから遠ざけることによって、または液体流体のジェットもしくはエアナイフを使用して該フレークを供給シリンダから強制的に剥がし、そのような剥がされたフレークを供給シリンダから遠ざけることによって、フレーク剥離をアシストできる。
【0072】
流体は、フレークを個別の粒子として分離した状態に維持することにより、材料の再結合または融合をそれ自体で防ぐことができ、フレークの腐食(酸化など)を防止、遅延、または低減することができ、および/または、流体は、フレークの爆発および/または燃焼など、液体流体のない環境を含め、フレーク生産に関連し得るいかなる有害な影響をも打ち消すことができる。
【0073】
流体は、フレークの酸化をさらに低減、遅延、または防止するために抗酸化剤などの任意の望ましい薬剤を補充してもよく、フレークを変更する添加剤、例えばドーピング剤を含んでもよい。関心のある読者は、同時に出願されたPCT出願番号PCT/IB2021/052743「フレークの作成方法」(Agent Ref. LIP 16/007 PCT)から、添加剤が現在の方法および装置を向上させる様態のより詳細な説明を参照してほしい。この出願は、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
流体は継続的に補給することができるが、所望のフレークを分離するためにフィルタを通過させた後に再利用することが好ましい。フィルタは、流体が再利用される前に流体からすべての粒子を除去するように設計され得るが、いくつかの実施形態において、粒子の一部のみ、好ましくは大部分がフィルタ内に保持される。いくつか例を挙げると、親和力、デカンティング、または遠心分離などの他の手段を使用して粒子を分離することができる。流体中で再利用される粒子は、さらなる粒子生成をアシストし得、再利用によってそれ自体のサイズが縮小され得る。
【0075】
流体は液体であってよく、1つ以上の液体キャリア、ならびに任意に1つ以上の添加剤および/または固体粒子(例えば、フレーク)を含む。流体は、以下のキャリアのいずれか、水(例えば、供給シリンダの材質が水に適合する場合)、第一級、第二級、および第三級の一価および多価アルコールを含むアルコール、グリコールエーテル、炭化水素、オルガノシリコンオイル、ならびにそれらの混合物を含む、または主に含み得るが、上記のリストは網羅的ではない。例えば、液体流体は、イソパラフィン系炭化水素(例えば、Isopar(商標)の商品名でExxon Mobile社によって商業的に提供されている)を含み得る。
【0076】
あるいは、流体は、ガス(またはガス混合物)であってもよく、その場合、流体は、空気または窒素もしくはアルゴンなどの不活性ガスを含むか、または主に含み得る。供給シリンダが、フレークが空気および/または水中で可燃性である材料(例えば、主にアルミニウムまたはリチウムを含む材料)を含む場合、流体に空気および/または水を使用しないことが好ましい場合がある。
【0077】
流体中に添加剤が存在する場合、装置は、前のサイクルで消費された添加剤の程度によって、所望の量の各添加剤が補充された流体の調製、または再利用された流体の補給を可能にする投与デバイスをさらに含み得る。
【0078】
[フレーク生産方法]
本開示の生産方法を実施する際、例えば
図5~
図7に示されるような装置において、先ず、供給シリンダ222の材料に適した脆弱化ロッド234の材料、直径および表面テクスチャーを選択することから始める。供給シリンダおよび脆弱化ロッドアセンブリを正しく重ね合わせた後、例えば油圧ラムによって印加する圧力を増加し、少なくとも1つのモーター270を作動させる。モーター270の初期トルク要件を低減するために、圧力が上昇する前に起動を開始してもよい。
【0079】
ここで、1つ以上のモーター270がすべての供給シリンダおよびそれらと転がり接触するように介在する脆弱化ロッドを駆動したら、流体をニップに適用する。流体を収集し、生産されたフレークを流体から除去するために濾過することができる。生産されたフレークおよびそれらの生産速度の分析に基づいて、印加圧力ならびにモーターおよびそれに関連するシリンダの回転スピードを修正して、所望の結果を達成することができる。例えば、供給シリンダの直径が小さくなるにつれて回転スピードを上げてもよいが、驚くべきことに、これは必要ではないことが分かった。
【0080】
フレークを収集した後、例えば、所望のサイズの粒子を保持するように適合したふるい媒体を通して流体を濾過することにより、フレークにさらなる処理を課してもよい。あるいは、粒子分離に関わる当業者には容易に理解されるように、フレークは、沈降、遠心分離またはフレークの材料に適した任意な非機械的方法によって流体から分離することができる。流体からのフレークの分離はオフラインおよびバッチで行うことができるが、フレーク化プロセス中にインラインでおよび/または連続的に実施することができる分離が有利であると考えられる。
【0081】
上述の方法によるフレークの生産中、サンプルの供給シリンダ222およびそれから生産されたフレークを検査した。サンプルの供給シリンダ222は、少なくとも99%のアルミニウムを含む純合金であるAl1100で作成した。シリンダの表面のフレークは厚いものからスタートし、ロッド234との接触が続くと、材料は引き伸ばされて最終的に薄くなった材料がフレークとして分裂するまで薄くなり供給シリンダの外面から「剥がれた(peeled)」状態になることが明らかとなった。
【0082】
所与の供給シリンダ222からのフレークの生産速度、フレークの厚さ、および/またはフレークの特性は、とりわけ、a)特にそれらが作られる材料を含んだ、シリンダ222、ロッド234および支持シリンダ232(存在する場合)の設計、b)流体の存在および組成、c)脆弱化ロッド234のテクスチャー(例えば、粗さまたはパターン)、d)シリンダおよびロッドのいずれかのそれぞれのスピード、e)シリンダのスピードの差、f)ロッド234の硬度と供給シリンダ122の硬度との硬度比、g)アセンブリ内の脆弱化ロッドの数、およびh)圧力の量、に応じて変化することが見出された。
【0083】
したがって、装置は、さらに、1つ以上のコントローラを備えることがあり得て、コントローラそれぞれは、以下のもの、すなわち、
a)圧縮機構によって印加される力または圧力、
b)少なくとも1つの供給シリンダの回転スピード、
c)存在する場合、少なくとも1つの支持シリンダの回転スピード、
d)供給シリンダに適用される流体中における固体粒子および/または添加剤の流量、温度および濃度のうちの少なくとも1つ、並びに
e)コレクター内の流体のレベル、
のうちの少なくとも1つを常にまたは定期的に制御するように選択され、適合化される。
【0084】
供給シリンダ122から剥がされるフレークの特性は、収集されるフレークの特性と必ずしも同一である必要はない。例えば、化学反応は、装置100で使用される流体の1つ以上の成分で、および/または装置100の動作環境にそれ以外で存在する1つ以上の成分で生じ得る。したがって、装置100は、いくつかの実施形態において、剥離および/または収集後にフレークをさらに処理するように構成され得る。そのようなプロセスは、部分的または完全な分離、分解、アニーリング、流体(存在する場合)の交換および/または流体の追加、コーティング(例えば、シリカによる)、および/または任意な他の適切な処理を含み得る。そのようなさらなる処理は、フレークの1つ以上の特性に随意的に影響を与える(例えば、フレークを分裂させると、フレークの平面寸法が減少し得る)。
【0085】
現在開示された主題のいくつかの実施形態に従って生産されるフレークは、それらの代表的な平面寸法と横寸法との間の約2:1~約10,000:1の範囲の任意の適切なアスペクト比によって特性付けられ得る。フレークの代表的な平面寸法は、平らな球の形状を有するフレークの場合、その直径、または他の形状を有するフレークの場合、平面を横切る最長の長さとすることができる。その平面を横切るフレークの代表的な寸法は、その厚さである。このような寸法およびその平均値は、動的光散乱(DLS)技術を使用した日常的な実験によって決定でき、この場合、粒子は同等の散乱応答の球に近似され、サイズは流体力学的直径として表される。体積(DV50)または数(DN50)で母集団の50%について観察された値は、一般にD50またはフレークの平均粒径と呼ばれ、フレークの代表的な平面寸法を推定するのに役立ち得る。粒子の寸法は、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、集束イオンビーム(FIB)、および/または共焦点レーザー走査型顕微鏡技術によって捕捉された顕微鏡法および画像分析によって推定することもできる。顕微鏡法はフレークのすべての寸法を決定するために使用できるが、通常はそれらの厚さを評価するために使用される。
【0086】
本教示のいずれかに係る装置を使用して調製されたフレークは、a)少なくとも50nm、少なくとも250nm、または少なくとも1μmの平均代表平面寸法(例えば、最長長さまたはD50)、および/または、b)少なくとも10nm、少なくとも20nm、または少なくとも30nmの平面を横切る平均代表寸法(例えば、厚さ)、および/または、c)少なくとも約3:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも50:1、少なくとも100:1、または少なくとも1,000:1の平均アスペクト比を有することができる。いくつかの実施形態において、フレークは、a)最大200μm、最大150μm、または最大75μmの平均平面寸法、および/または、b)最大20μm、最大5μm、最大2μm、または最大1μmの平均横断寸法、および/または、c)最大10,000:1、最大5,000:1、または最大2,000:1のアスペクト比を有する。このような範囲は、フレークが供給シリンダから剥離したとき、収集および分離されたときの該フレークの寸法を包含する。フレークの寸法およびそれらのアスペクト比は、とりわけ、装置の動作条件および組成、相対硬度、相対直径、ならびにそれぞれのシリンダおよびロッドによって感知/印加される圧力に依存し得る。それにより、この装置を使用して所望の寸法を有するフレークを生産することができる。
【0087】
本発明者らは、上述の様々なパラメータを変化させる効果を評価するためにいくつかの実験を行った。
図3または
図5に示すような装置でテストしたいくつかの組み合わせを表1にまとめるが、各実験の詳細な条件は、参照により本明細書に組み込まれる英国特許公開第2593768号に記載されているため、ここでは繰り返していない。関心のある読者は、英国特許公開第2593768号から、様々な供給シリンダ、支持シリンダ、および脆弱化ロッドが、例示された支持構造体によって支持され、軸支される方法のより詳細な説明を参照し、ならびに、様々な材料およびサイズの供給シリンダを使用して、フレークの生産に影響を与える様々なパラメータの適切な値に関する詳細情報の提供を受けてほしい。すべての実験によって、本明細書に記載の範囲内でフレークの生産に至った。
【0088】
表では、シリンダまたは脆弱化ロッドの直径はミリメートル(mm)で与えられ、供給シリンダの場合は実験開始時の初期直径を参照する。それ以外の場合で、同様のアセンブリが、異なる直径のシリンダまたはその脆弱化ロッドの粗さのテクスチャー付けでテストされた場合(例えば、粗さ(nmで提供))、反応ロッド(μm単位で提供)のコーティングおよび/またはパターニング、そのような値はすべて、関連するセルにリストされている。略語表現のために、NCは脆弱化ロッドがコーティングされていないことを意味し、NPは脆弱化ロッドがパターン化されていないことを意味する。ロッドがパターン化されている場合、関連するセルにはパターンのパラメータがリストされることになる。したがって、以下の表の単一の行(項目番号)が、複数の異なる実験を参照している場合がある。このような実験は、空気、水、ブタノール、エタノール、イソプロパノール、クロロホルム、ヘキサメチルジシロキサン、プロピレングリコールメチルエーテル、Isopar(商標) E、Isopar(商標) L、Isopar(商標) M、Marcol(登録商標) 82、およびそれらの組み合わせを用いて行われ、該液体流体には任意に添加剤が補充される。すべての実験は、供給シリンダに対して少なくとも70rpmの速度で、少なくとも190mmの長さおよび少なくとも100mmの直径を有する供給シリンダに対して少なくとも500kgの圧力を印加して実施した。
【0089】
【0090】
例示のために、本開示は特定の実施形態および一般的に関連する方法に関して説明されてきたが、実施形態および方法の変更および置換は、本明細書における出願人の開示に基づいて当業者には明らかであろう。本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態によって限定されないと理解されるべきである。そのようなすべての代替、修正、および変形を包含し、開示の精神および範囲、ならびにそれらの意味および同等の範囲内にある変更によってのみ拘束されることを意図している。
【0091】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本開示の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本開示の様々な特徴は、別個に、または任意の適切なサブコンビネーションで、または本開示の任意の他の説明された実施形態で適切に提供されてもよい。実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除き、様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、それらの実施形態の必須の特徴とみなされるべきではない。
【0092】
特に明記しない限り、選択肢のリストの最後の2つの要素の間で「および/または」という表現を使用すると、選択肢の1つまたは複数を選択することが適切であり、実行できることを示している。
【0093】
「例示的な(exemplary)」という言葉は、本明細書では、「例、実例、または図示として役立つ」ことを意味するために使用される。「例示的」として説明される実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではなく、および/または他の実施形態からの特徴の組み込みを除外すると解釈されるべきではない。
【0094】
本開示では、別段の記載がない限り、特徴または本技術の実施形態の特徴の条件または関係特性を修飾する「ほぼ(substantially)」、「おおよそ(approximately)」および「約(about)」などの形容詞は、条件または特性が、意図された用途の実施形態の動作に許容される許容範囲内、または実施される測定および/または使用される測定機器から予想される変動内に定義されることを意味すると理解されるべきである。「約」および「おおよそ」という用語が数値の前にある場合、+/-15%、もしくは+/-10%、または+/-5%のみを示し、場合によっては正確な値を示すことを意図している。さらに、別段の記載がない限り、本開示で使用される用語(例えば、数字)は、そのような形容詞がなくても、関連する用語の正確な意味から逸脱し得るが、本発明またはその関連部分が記載されているように、および当業者によって理解されるように動作および機能することを可能にする公差を有すると解釈されるべきである。
【0095】
本開示の明細書および特許請求の範囲において、動詞「備える、含む(comprise)」、「含む(include)」、および「有する(have)」、ならびにそれらの活用形のそれぞれは、目的部または動詞の目的語が、主部または動詞の主語の特徴、部材、ステップ、構成要素、要素または部分の完全なリストであるとは限らないことを示すために使用される。
【0096】
本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、複数の参照を含み、文脈が明確に指示しない限り、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。AおよびBの少なくとも1つとは、AまたはBのいずれかを意味することを意図しており、いくつかの実施形態では、AおよびBを意味し得る。
【0097】
「上部の(upper)」、「下部の(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「底部(bottom)」、「~の下方(below)」、「低下した(lowered)」、「低い(low)」、「頂部(top)」、「~の上方(above)」、「上昇した(elevated)」、「高い(high)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「後方(backward)」、「前方(forward)」、「上流(upstream)」および「下流(downstream)」などの位置用語または運動用語、ならびにそれらの文法的変形が、特定の構成要素の相対的な位置決め、配置、または変位を示すため、現在の図で第1および第2の構成要素を示すため、または両方を行うために、例示的な目的でのみ本明細書で使用され得る。このような用語は、たとえば、「底部(bottom)」構成要素が「頂部(top)」構成要素の下にあることを必ずしも示すわけではなく、なぜならそのような方向、構成要素、またはその両方が、反転、回転、空間内での移動、対角線方向または位置への配置、水平もしくは垂直に配置、または類似的に修正され得るためである。
【0098】
別段の記載がない限り、本技術の実施形態の特徴に関する範囲の外側境界が開示に記載されている場合、該実施形態では、特徴の考えうる値は、言及された外側境界、ならびに言及された外側境界の間の値を含み得ることが理解されるべきである。
【0099】
本開示の開示を理解または完全にするために必要な範囲で、特に出願人の出願を含む、本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、本明細書で完全に記載されているように、参照によりその全体が明示的に組み込まれる。
【国際調査報告】