(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】振動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535158
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2020085725
(87)【国際公開番号】W WO2021116385
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/084641
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518008769
【氏名又は名称】ロフェルト・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ベレーザッグ,アミール
(72)【発明者】
【氏名】ガーデリ,プーヤ
(72)【発明者】
【氏名】マズール,ジェームス
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA05
5D107BB08
5D107CC09
5D107DD03
5D107DD12
5D107FF10
(57)【要約】
2つの異なる共振周波数を有する振動アクチュエータが開示される。振動アクチュエータは、磁石の配列(320)を有する第1の移動部分(210)を備える。一実施形態では、磁石の配列(320)が少なくとも2つの磁石を備える。磁石(320)の同様の極が互いに対向し、磁石の配列(320)が2つの外側極(328)を有する。振動アクチュエータは、1つ以上のコイル(410)を有する第2の移動部分(210)を有する。1つ以上のコイル(410)は、第1の移動部分(210)が第2の移動部分(220)内へと自由に摺動できるように磁石の配列(320)上にわたって巻回される。シャーシ(110)が2つの部分(170)から構成され、シャーシ(110)の各部分は、第1の弾性部材(150)及び第2の弾性部材(160)を形成するように切断される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの異なる共振周波数を有する振動アクチュエータにおいて、
少なくとも2つの磁石(322,324)を備える磁石の配列(320)を有する第1の移動部分(210)であって、前記磁石(320)の同様の極が互いに対向し、前記磁石の配列(320)が2つの外側極(328)を有する、第1の移動部分(210)と、
少なくとも1つのコイル(410)を該コイルが前記磁石の配列(320)上にわたって巻回されるように有する第2の移動部分(220)と、
2つの部分(170)によって形成されるシャーシ(110)であって、前記シャーシ(110)の各部分が第1の弾性部材(150)及び第2の弾性部材(160)を形成するべく切断されるようになっており、前記第1の弾性部材(150)及び前記第2の弾性部材(160)のそれぞれが前記2つの外側極(238)のうちの一方と対向する、シャーシ(150)と、
を備え、
前記第1の移動部分(210)が前記第1の弾性部材(150)に取り付けられ、前記第2の移動部分(220)が前記第2の弾性部材(160)に取り付けられる、
振動アクチュエータ。
【請求項2】
前記シャーシ(110)がU字形の2つの部分(170)によって形成される、請求項1に記載の振動アクチュエータ。
【請求項3】
前記シャーシ(110)が互いに嵌合して直方体構造を形成する2つの部分(170)を備える、請求項1に記載の振動アクチュエータ。
【請求項4】
前記2つの部分(170)のそれぞれは、上側プレート(120)と、下側プレート(130)と、側部プレート(140)とを含む、請求項2に記載の振動アクチュエータ。
【請求項5】
前記磁石の配列(320)が2つの磁石(322,324)を備え、前記2つの部分(170)のそれぞれが誘導磁石(902)を取り付けるための取り付け手段(904)を更に含み、前記誘導磁石(902)は、該誘導磁石(902)のそれぞれの横方向中心線が前記2つの磁石(322,324)間の横方向交線と縦方向で位置合わせされるように前記上側プレート(120)上及び前記下側プレート(130)上に配置される、請求項4に記載の振動アクチュエータ。
【請求項6】
前記取り付け手段(904)がタブである、請求項5に記載の振動アクチュエータ。
【請求項7】
隣り合う磁石間にスペーサが設けられる、請求項1に記載の振動アクチュエータ。
【請求項8】
前記第1の移動部分(210)は、3つの磁石(322,324,326)を隣り合う磁石の同様の極同士が対向する状態で備える磁石の配列(320)を有する、請求項1に記載の振動アクチュエータ。
【請求項9】
前記磁石の配列(320)は、3つの磁石(322,324,326)を隣り合う磁石間にスペーサ(502)が配置された状態で備える、請求項8に記載の振動アクチュエータ。
【請求項10】
前記スペーサ(502)が非磁性材料又は常磁性材料である、請求項7に記載の振動アクチュエータ。
【請求項11】
前記スペーサ(502)が非磁性材料又は常磁性材料である、請求項9に記載の振動アクチュエータ。
【請求項12】
前記第1の弾性部材(150)が3つの側で前記第2の弾性部材(160)によって取り囲まれ、更に、前記第1の弾性部材(150)及び前記第2の弾性部材(160)が第4の側で前記側部プレート(140)の一部を形成する、請求項1に記載の振動アクチュエータ。
【請求項13】
前記第1の弾性部材(150)及び前記第2の弾性部材(160)がU字形である、請求項1に記載の振動アクチュエータ。
【請求項14】
前記U字形の第1の弾性部材(150)は、内縁部(716)又は外縁部(718)のいずれかに又は前記内縁部(716)及び前記外縁部(718)の両方に横方向窪みを有する2つの脚部(702)を有する、請求項13に記載の振動アクチュエータ。
【請求項15】
前記U字形の第2の弾性部材(160)は、内縁部(720)又は外縁部(722)のいずれかに又は前記内縁部(720)及び前記外縁部(722)の両方に横方向窪みを有する2つの脚部(706)を有する、請求項13に記載の振動アクチュエータ。
【請求項16】
前記第2の弾性部材(160)は、長方形プレート(708)に取り付けられてホルダ(1202)を形成するL字形構造体(1204)を有する、請求項1に記載の振動アクチュエータ。
【請求項17】
前記ホルダ(1202)は、前記第2の移動部分(220)を挿入して取り付けるための装備を有する、請求項16に記載の振動アクチュエータ。
【請求項18】
振動アクチュエータの製造方法において、
少なくとも2つの磁石(322,324)を備える磁石の配列(320)を有する第1の移動部分(210)を組み立てるステップであって、前記磁石(322,324)の同様の極が互いに対向し、前記磁石の配列(320)が2つの外側極(328)を有する、ステップと、
少なくとも1つのコイル(410)を該コイルが少なくとも2つの磁石(322,324)の配列上にわたって巻回されるように有する第2の移動部分(220)を組み立てるステップと、
2つの部分(170)によって形成されるシャーシ(110)を組み立てるステップであって、前記シャーシ(110)の各部分が第1の弾性部材(150)及び第2の弾性部材(160)を形成するべく切断されるようになっており、前記第1の弾性部材(150)及び前記第2の弾性部材(160)のそれぞれが前記2つの外側極のうちの一方と対向する、ステップと、
前記第1の移動部分(210)に前記第1の弾性部材(150)を取り付けるとともに、前記第2の移動部分(220)に前記第2の弾性部材(160)を取り付けるステップと、
を含む製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な用途のための新規な振動アクチュエータ、例えば、複数の共振周波数を有する小型振動触覚アクチュエータに関する。より具体的には、新規な振動アクチュエータは、ビデオ、ゲーム、及び、音楽に関する没入体験、並びに、他の没入体験のための高精細度触覚出力をもたらす。
【背景技術】
【0002】
我々が伝統的に聴く音楽の大部分は、例えば複数の楽器又は音声の混合音楽信号など、幾つかの信号の付加によってもたらされる複雑な信号と見なされ得る。同じことは、混合音楽信号が存在し得るだけでなく、音響効果及び付加的な音声などの他の複雑な信号も存在し得る、ゲーム又はビデオコンテンツに関連付けられたオーディオ信号にも当てはまる。音、特にゲーム信号又はビデオ信号と関連する複雑な音楽又はオーディオを電子的に記録及び再生できることにより、更なる態様、すなわち、音が再生されるときに聴取者によって知覚される音波への電気信号の変換が重要になる。再生中の歪みの問題を低減するために、特許文献1は、2つの導電性部材と、エレクトレット及び導電性材料を含むとともに2つの導電性部材間に支持されるダイヤフラムと、前記ダイヤフラム及び2つの導電性部材に電気的に接続するための機構とを備える電気音響変換器を開示する。
【0003】
一方、音と振動との結合知覚は周知の現象である。音は、気体(空気伝播音)又は固体(構造体伝播音)などの圧縮性媒体を伝播する機械的波であり、この場合、音響エネルギーは、振動分子を介して伝達され、聴取者の蝸牛内で振動する有毛細胞によって受けられる。一方、振動は、接触面を介して知覚者の身体の小部分又は大部分を励起する機械的刺激である。音と振動との結合知覚は、人間の脳が耳を介してだけでなく骨格も介して音を受信するという事実に基づいている-コンサートホール又は教会での測定値は全身振動の存在を確認する。低周波数の身体知覚は、ライブ音楽、愉快であることが望まれる任意の音楽感覚又はビデオゲームと関連するオーディオ、或いは、映画の没入体験にとって特に重要である。
【0004】
したがって、高精細度触覚フィードバックを使用して、ビデオ、ゲーム、及び、音楽に関する没入体験、並びに、振動が連続的な可聴(又は視覚)信号に結合される他の没入体験を作り出すことができる。デバイスが連続的な高精細度触覚フィードバックを達成するための主な要件は以下の通りである。
【0005】
1.特に音楽に関して、広い周波数範囲、理想的には、この範囲にわたって良好な品質の振動を発生させることができるように20~1000Hzの周波数範囲;
【0006】
2.効果的な加速のための重い移動質量;
【0007】
3.デバイスを携帯可能又は着用可能にするための小さい、特に平坦なサイズ;
【0008】
4.連続使用を可能にする高い電力効率;
【0009】
5.音響体験の妨害を回避するための無音振動;
【0010】
6.継続的な使用を可能にする安定した性能;
【0011】
7.手頃な価格のデバイスを提供するための費用効率の高い製造。
【0012】
振動触覚ボイスコイル又は移動磁石型アクチュエータは、通常、産業用途で使用されるとともに、2つの部分から成るボイスコイル又は移動磁石型アクチュエータを使用し、2つの部分のうちの一方が移動し、他方が固定されており、この場合、2つの部分は弾性アタッチメントによって相互接続される。振動は、可動永久磁石とそれを取り囲む固定コイルとの相互作用によって発生され、この場合、ラプラス力に起因して、コイルを通過する交流電流は、磁石の磁場と相互作用して、磁石上で方向が変化する機械的な力を発生する-これは、方向が変化する磁石の直線移動をもたらし、それにより、振動を引き起こす。しかしながら、標準的なリニア共振アクチュエータは、非常に狭い周波数範囲しか有していないため、音響体験の向上を含む多くの用途には適さない。
【0013】
特許文献2は、制御機器、電子機器、機械工具などにおける産業用途のためのそのような移動磁石型アクチュエータを開示する。アクチュエータの性能を向上させるために、固定部分は少なくとも3つのコイルを備え、移動部分は少なくとも2つの永久磁石を備え、2つの永久磁石は、磁石間の平面内に非常に集中した磁場が生み出されるため、磁束がより効果的に使用されるように同じ磁極が互いに対向した状態で配置される。磁石とコイルとを相互接続する弾性アタッチメントは、圧縮バネに存する。しかしながら、磁力線は、それらが周囲のコイルを通過した時点で失われて、元の磁石へと案内されず、その結果、潜在的な磁場の浪費がもたらされる。更に、全ての産業用バイブレータと同様に、このアクチュエータは雑音が多く、そのため、音響体験の向上を含む多くの用途、特に音楽には適さない。
【0014】
特許文献3は、振動周波数をもたらすための振動発生デバイスを開示する。振動発生デバイスは、第1の振動子と第2の振動子とを備える。第1の振動子は、第1の振動をもたらすべく第1の弾性支持部材に配置される磁石とコイルとの対によって形成される。第2の振動子は、磁石によって形成される磁場内及びコイルによって発生される磁場内で自由に振動することができる。第2の振動子は、第2の振動子の振動をサポートするための他の弾性部材を有する。しかしながら、第1の振動子のアセンブリは第2の振動子内に収容され、第1の弾性部材は、他の弾性部材のアセンブリ内で動作し、それにより、第1の振動子の振動を制限する。
【0015】
特許文献4は、ハウジング、ステータ、振動子、及び、弾性支持部材を伴う振動モータを開示する。振動子はマスブロック及び磁石を含む。ステータは、第1の固定基板を伴う第1のコイルと、第2の固定基板を伴う第2のコイルとを含む。第1及び第2のコイルは、マスブロックの両側に位置される。リニア振動モータは、振動フィードバックを実施しながら、磁場の損失を低減し、それにより、磁場をより効率的にする。しかしながら、リニア振動モータは、1つの共振周波数でのみ動作する。
【0016】
特許文献5は、必要な空間が少なく良好な応答性をもたらす他のタイプの振動モータを開示する。リニア振動モータは、一対の長い磁石の縦方向端部側に固定される錘付き可動子を含む。ベースに固定されるコイルは、一対の磁石の縦方向に長い形状を有する。コイルに電流を流すと、コイルが駆動して可動子を横方向に往復動させて振動を発生させる。しかしながら、振動モータは1つの共振周波数でのみ動作する。
【0017】
広帯域の周波数応答を向上させるための高精細な触覚出力の生成において効率的である振動アクチュエータが依然として必要とされている。更に、この振動アクチュエータは、前述した要件を満たすことによって、ビデオ、ゲーム、及び、音楽と関連するオーディオ用の没入型触覚体験を作り出すために従来技術の欠点を克服することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第3,118,022号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0580117号明細書
【特許文献3】米国特許第20110266892号明細書
【特許文献4】米国特許第20180278137号明細書
【特許文献5】国際公開第2018079251号パンフレット
【発明の概要】
【0019】
2つの異なる共振周波数を有する振動アクチュエータが開示される。振動アクチュエータは、シャーシ110と、第1の移動部分210と、第2の移動部分220とを備える。第1の移動部分210は、磁石の配列320及びフレーム310を有する。磁石の配列320は、一対の外側極328を有する。第2の移動部分220は、2つのU字形ブラケット420と、少なくとも1つのコイル410とを有する。少なくとも1つのコイル410は、第1の移動部分210が第2の移動部分220内へと摺動するように磁石の配列320上にわたって巻回される。シャーシ110は2つの部分170を備え、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160を形成するように切断される。磁石の配列320の外側極328のそれぞれがシャーシ110の2つの部分170のそれぞれの第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160と対向するように第1の移動部分210が第1の弾性部材150に取り付けられるとともに第2の移動部分220が第2の弾性部材160に取り付けられる。また、シャーシ110の2つの部分170は、第1の弾性部材150と第2の弾性部材160とが反対方向を向くように互いに対角線上に対向して配置される。シャーシ110の2つの部分170は互いに嵌合して直方体構造を形成する。
【0020】
一実施形態では、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれがU字形である。或いは、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれがL字形である。他の実施形態では、シャーシ110がU字形又はO字形の一部品によって形成される。シャーシ110の2つの部分170のそれぞれがU字形である場合、シャーシ110の2つの部分170は、上側プレート120と、下側プレート130と、側部プレート140とを含む。側部プレート140は、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれにおいて側部プレート140から切り出された第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160を有する。
【0021】
第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160は、U字状であるとともに、第2の弾性部材160が3つの側で第1の弾性部材150を取り囲み且つ第4の側において第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160が側部プレート140で終端するように、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれに配置される。シャーシ110の2つの部分170のそれぞれの第1の弾性部材150は、長方形プレート704と2つの脚部702とによって形成される。2つの脚部702は、内縁部716及び/又は外縁部718のいずれかに又は内縁部716及び外縁部718の両方に横方向窪みを有する。或いは、内縁部716及び/又は外縁部718のいずれか一方又は両方が直線状の縁部を有する。同様に、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれの第2の弾性部材160は、長方形プレート708と2つの脚部706とによって形成される。2つの脚部706は、内縁部720及び/又は外縁部722のいずれかに又は内縁部720及び外縁部722の両方に横方向窪みを有する。或いは、内縁部720又は外縁部722のいずれか一方又は両方が直線状の縁部を有する。
【0022】
一変形例では、ホルダ1202を形成するように第2の弾性部材160の長方形プレート708がL字形部分1204に取り付けられる。ホルダ1202は、1つ以上のコイル410を備える第2の移動部分220を固定するための装備を有する。
【0023】
一実施形態において、第1の移動部分210は、少なくとも2つの磁石、すなわち、第1の磁石322及び第2の磁石324を有する磁石の配列320を含む。代わりの実施において、第1の移動部分210は、少なくとも2つの磁石、すなわち、第1の磁石322及び第2の磁石324を有する磁石の配列320を、第1の磁石322と第2の磁石324との間にスペーサ502が配置された状態で含む。
【0024】
他の実施形態において、第1の移動部分210は、3つの磁石、すなわち、第1の磁石322、第2の磁石324、及び、第3の磁石326を有する磁石の配列320を含む。代替の実施態様では、第1の移動部分210は、三個の磁石を有する磁石の配列320、すなわち第1の磁石322、第2の磁石324、及び第3の磁石326を、2つの隣り合う磁石間にスペーサ502が設けられた状態で含み、この場合、2つの隣り合う磁石の同様の極が互いに対向する。
【0025】
幾つかの実施形態において、スペーサ502は、非磁性材料又は常磁性材料であってもよい。
【0026】
一実施形態において、第1の移動部分210はフレームを含む。磁石の配列320は、接着剤と共に保持されてフレーム310内に配置される。他の実施形態において、磁石の配列320は、フレーム310を伴うことなく接着剤と共に保持される。他の実施形態において、磁石の配列320は、隣り合う磁石間にスペーサ502が配置されて成り、スペーサ及び磁石は、フレーム310を伴うことなく接着剤と共に保持される。
【0027】
一実施形態では、コイル412が1つだけ設けられる。他の実施形態では、第1のコイル412及び第2のコイル414が設けられる。更に他の実施形態では、少なくとも1つのコイル410が3つ以上のコイルを備える。
【0028】
一実施形態において、第2の移動部分220は、U字形ブラケット420と少なくとも1つのコイル410とを含む。他の実施形態において、第2の移動部分220は、U字形ブラケット420を伴うことなく少なくとも1つのコイル410のみを含む。
【0029】
一実施形態において、シャーシ110の上側プレート120及び下側プレート130は、誘導磁石902を取り付けるための取り付け手段904を有する。取り付け手段904はタブである。他の実施形態において、取り付け手段904は、クランプ、クリップ、又は、保持ブラケットである。
【0030】
磁石の配列が2つの磁石322,324を備える実施形態では、一対の誘導磁石902が設けられる。誘導磁石902は、両側に配置されるとともに、各誘導磁石902の横方向中心線が配列320の磁石間に配置されたスペーサ502の横方向中心線と縦方向で位置合わせされるように取り付け手段904と取り付けられる。
【0031】
一実施形態では、磁石の配列320が隣り合う磁石間に設けられたスペーサ502を有する場合、誘導磁石902は、2つの部品170のそれぞれの両側で上側プレート120及び下側プレート130のそれぞれに配置されるとともに、誘導磁石902の横方向中心線が配列320の磁石間に配置されたスペーサ502の横方向中心線と縦方向で位置合わせされるように取り付け手段904と取り付けられる。
【0032】
他の実施形態では、磁石の配列320が隣り合う磁石間にスペーサ502を含まない場合、誘導磁石902は、2つの部品170のそれぞれの両側で上側プレート120及び下側プレート130のそれぞれに配置されるとともに、誘導磁石902の横方向中心線が磁石の配列320の第1の磁石322及び第2の磁石324の横方向交線と縦方向で位置合わせされるように取り付け手段904と取り付けられる。
【0033】
或いは、他の実施形態において、誘導磁石902は、2つの部分170のそれぞれの両側で上側プレート120及び下側プレート130のそれぞれに配置されるとともに、誘導磁石902の横方向中心線がスペーサ502の横方向中心線又は磁石の配列320の第1の磁石322及び第2の磁石324の横方向交線から0.2mm~1mmだけ縦方向にオフセットされるように取り付け手段904と取り付けられる。
【0034】
磁石の配列320が3つ以上の磁石を備える他の実施形態では、磁石の配列320がn個の磁石を備える場合に誘導磁石902のn-1個の対が設けられるように誘導磁石902のより多くの対が設けられる。
【0035】
一実施形態において、磁石の配列320及び少なくとも1つのコイル410は、2つの隣り合う磁石の横方向交線が少なくとも1つのコイル410の縦方向中心と縦方向で一致するように位置合わせされる。代わりの実施形態において、磁石の配列320及び少なくとも1つのコイル410は、2つの隣り合う磁石の横方向交線が少なくとも1つのコイル410の縦方向中心から0.25mm~2mmだけ縦方向にオフセットされるように位置合わせされる。一実施態様では、磁石の配列320が第1の磁石322及び第2の磁石324を含む場合、横方向交線はコイル412の縦方向中心と縦方向で一致する。或いは、実施形態の他の実施では、磁石の配列320が第1の磁石322及び第2の磁石324を含む場合、隣り合う磁石の横方向交線は、コイル412の縦方向中心から0.25mm~2mmだけ縦方向でオフセットされる。
【0036】
振動アクチュエータの製造方法が開示される。製造方法は、少なくとも2つの磁石、すなわち、第1の磁石322及び第2の磁石324を備える磁石の配列320を有する第1の移動部分210を隣り合う磁石の同様の極が互いに対向する状態で組み立てることを含む。磁石の配列320は、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160へ向けて対向する2つの外側極328を有する。更に、製造方法は、少なくとも1つのコイル410が磁石の配列320上にわたって巻回されるように少なくとも1つのコイル410を有する第2の移動部分220を含む。一実施形態では、磁石の配列320に磁石が2つしかない場合、コイル412は1つしかない。他の実施形態では、磁石の配列320に磁石が2つしかなく且つコイル412が1つしかない場合、磁石の配列320は、隣り合う磁石間にスペーサ502を有する。他の実施形態では、隣り合う磁石と一方のコイル412との間にスペーサ502が設けられた状態で磁石の配列320に2つの磁石しかなく、この場合、磁石の配列320の磁力線を方向付けるために一対の誘導磁石902が設けられる。2つの部分170によってシャーシ110が形成される。シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160を形成するように切断される。シャーシ110の2つの部分170は、シャーシの2つの部分170のそれぞれの第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160が反対方向を向くとともに第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160が磁石の配列320の2つの外側極328のうちの一方と対向するように配置される。2つの部分170のそれぞれの第1の弾性部材150のそれぞれは第1の移動部分210に取り付けられ、2つの部分170のそれぞれの第2の弾性部材160のそれぞれは第2の移動部分220に取り付けられる。シャーシ110の2つの部分170は、振動アクチュエータの直方体構造を形成するように組み立てられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】第1の移動部分、第2の移動部分、及び、シャーシを伴う振動アクチュエータの分解等角図である。
【
図3】振動アクチュエータの第1の移動部分を示す。
【
図4】振動アクチュエータの第2の移動部分を示す。
【
図4A】振動アクチュエータの第2の移動部分の変形例を示す。
【
図5A】磁石の配列及びコイルの異なる形態を示す。
【
図5B】磁石の配列及びコイルの異なる形態を示す。
【
図5C】磁石の配列及びコイルの異なる形態を示す。
【
図5D】隣り合う磁石とコイルとの間にスペーサが設けられた、磁石の配列の異なる形態を示す。
【
図5E】隣り合う磁石とコイルとの間にスペーサが設けられた、磁石の配列の異なる形態を示す。
【
図5F】隣り合う磁石とコイルとの間にスペーサが設けられた、磁石の配列の異なる形態を示す。
【
図6】第1の弾性部材及び第2の弾性部材を有するシャーシの2つの部分のうちの一方の等角図を示す。
【
図7】第1の弾性部材及び第2の弾性部材の異なる変形例を示す。
【
図7A】第1の弾性部材及び第2の弾性部材の異なる変形例を示す。
【
図7B】第1の弾性部材及び第2の弾性部材の異なる変形例を示す。
【
図7C】第1の弾性部材及び第2の弾性部材の異なる変形例を示す。
【
図8】他の実施形態における誘導磁石を伴う振動アクチュエータの等角図を示す。
【
図9】誘導磁石及び取り付け手段を伴う振動アクチュエータの分解等角図を示す。
【
図10】誘導磁石を伴う振動アクチュエータの第1の移動部分及び第2の移動部分を示す分解等角図を示す。
【
図11】更に他の実施形態における小型振動アクチュエータの等角図を示す。
【
図12】更に他の実施形態における小型振動アクチュエータの等角分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、広帯域の触覚フィードバックを与えるための振動アクチュエータに関するが、振動触覚フィードバックを与える様々な用途に使用することができる。触覚フィードバックにおける広い帯域幅、例えば40~120Hzの帯域幅は、現実世界の環境で見られる複数の複素周波数を再現するため、重要である。一般に、移動磁石振動アクチュエータ又は移動コイル振動アクチュエータが、1つの共振周波数、例えば110Hzのみを有する。そのような振動アクチュエータは、100~120Hzのみの有用な帯域幅を有することができる。そのような振動アクチュエータは、この100Hz~120Hzの範囲外の周波数範囲、例えば60Hz~80Hzを再現するために利用される場合、110Hzの同調共振周波数から離れる効率の大幅な低下に起因して質の悪いユーザ体験を与える。効率の低下及び電力消費量の増大は、アクチュエータが組み込まれるデバイスの性能を低下させ得る。例えば、モバイルデバイスのバッテリ寿命が短くなり、医療用途では振動の質が著しく低下し、ヘッドセット、ゲーム機などのゲームデバイスの全体的な性能が低下する。現実世界の環境で見られる複素周波数の範囲と同様に、40Hz~120Hzの周波数範囲に適合することができるように、アクチュエータの有用で効率的な帯域幅を広げる技術的解決策が必要とされる。
【0039】
単一周波数振動アクチュエータに伴う上記の問題は、多重波数振動アクチュエータを使用して解決することができる。理想的なシナリオでは、単一周波数共振アクチュエータは周波数の範囲に等しく応答することができるべきであるが、周波数応答曲線の典型的な分布に起因して、振動アクチュエータは共振周波数でのみ効率的に応答する。共振周波数付近の他の周波数は大幅に減衰される。この問題は、広範囲の周波数に効率的に応答する多重共振周波数振動アクチュエータを有することによって解決される。小型デバイスに複数の共振周波数を組み込むことが技術的に困難であるため、単一共振周波数アクチュエータの問題を解決するために少なくとも2つの共振周波数を有することが有利である。新規な振動アクチュエータは、両方の共振周波数、例えば第1の共振周波数f1(60Hz)及び第2の共振周波数f2(100Hz)に効率的に応答する。2つの共振周波数が明確であって例えば60Hz~100Hzの広帯域幅を可能にするようにバラバラに広がるとともに、依然として2つの周波数間で良好な応答を可能にするのに十分に近い場合には、それにより、全広帯域周波数範囲にわたって、例えば40~120Hzの周波数ごとに良好な性能が可能となる。革新的な振動アクチュエータは、最適な電流消費で広範囲の周波数を効率的に生成できるようにし、したがって、広帯域用途において振動アクチュエータの性能を高めることができる。
【0040】
更に、携帯電話、タブレット、スタイラス、又はラップトップなどの小型デバイスに小型振動アクチュエータを実装する場合、利用可能な空間の大きさは、マウス、キーボード又はゲームパッドなどの他のより大きなデバイスと比較して制限される。コンパクトなデバイスにおける空間制約は、複数の問題を引き起こす。第1の問題は、周波数範囲にわたる振動中の現実的で強い加速度量を達成するために、移動磁石又は移動コイルのいずれか又は移動磁石及び移動コイルの両方である移動部分が大きな質量を有する必要があることである。磁石及びコイルの質量が大きい結果として、磁石及びコイルを保持するための取り付けねじ又は更なるサブアセンブリなどの更なる部品のための振動アクチュエータ内の空間が少なくなる。第2の問題は、アクチュエータサイズが減少するにつれて、製造上の公差が小さくなるため、小型アクチュエータの組み立てが困難になることである。更に、小型アクチュエータの組み立てにおいて複数の部品を使用することは、部品の個々の公差が累積されるので公差の積み重ねに寄与する可能性があり、したがって、アクチュエータの性能特性は大きなばらつきを有する。
【0041】
新規な振動アクチュエータは、シャーシ及び弾性部材を単一の一体構造に組み合わせるなど、複数のサブアセンブリを1つの一体部品に組み合わせることによって組み立てに必要な部品の数を減らすことによって前述の問題を克服する。更に、磁石のサイズは、一対の誘導磁石を導入することによって縮小することができ、誘導磁石は、磁力線がコイルの巻線の方向に直交する角度でコイルを横切るように磁力線を導き、結果として単軸に沿ったローレンツ力をもたらす。
【0042】
新規な振動アクチュエータは、これらに限定されないがゲームパッド、携帯電話などのモバイルデバイス、タブレット、医療機器、自動車システム、及び他の用途分野など、触覚フィードバックを与える全てのデバイス及び用途において利用することができる。革新的な振動アクチュエータは、広帯域アクチュエータの性能及び能力が必要とされる全ての触覚デバイスの性能を高めるために使用することもできるが、これらのデバイスは、線形共振アクチュエータ(LRA)又は偏心回転質量(ERM)アクチュエータなどの単一周波数アクチュエータの使用によって制約されてきた。
【0043】
本発明及びその利点は、添付図面に示される例示の実施形態を参照することによって最もよく理解され、図面中、同様の番号は同様の部分を示す。しかしながら、本発明は、触覚出力を生成するための多数のデバイスで具現化されてもよく、本明細書中に記載される典型的な実施形態に限定されると解釈されるべきでない。以下、図を参照することによって本発明を例示するために典型的な実施形態を説明する。
【0044】
この出願において、「縦」という用語は、X軸に沿って考慮される、振動アクチュエータの移動部分の移動の直線方向を意味し、「横」とは、Y軸に沿って考慮される、縦方向と直交する平面内の方向を意味し、「X-Y平面と直交する」とは、X軸及びY軸の両方に直交するZ軸を意味し、「対角線上で対向」とは、正方形又は長方形の構造体の2つの平行な辺の反対側の角部を意味する。
【0045】
本発明は、2つの異なる共振周波数を有する独自の新規な振動アクチュエータを提供する。2つの異なる共振周波数は、第1の移動部分及び第2の移動部分のそれぞれが一対の弾性部材によって動けるように取り付けられた状態で第1の移動部分及び第2の移動部分によって生成される。
【0046】
図1及び
図2は、振動アクチュエータ100の等角図及び分解等角図を示す。振動アクチュエータ100は、他の部分とは別に、第1の移動部分210と、第2の移動部分220と、シャーシ110とを含む。シャーシ110は、2つの部分170によって形成される。好ましい実施では、2つの部分170が
図2に示されるようにU字形である。しかしながら、他の実施において、シャーシ110は、
図2Aに示されるようにL字形とすることができる2つの部分250によって形成することができる。他の実施では、
図2Bに示されるように、シャーシ110は、U字形の単一部分260によって形成される。更に他の実施において、シャーシ110は、
図2Cに示されるように、一方の端部が封止されて直方体構造を形成する単一の部分270によって形成される。
【0047】
好ましい実施では、シャーシ110の2つの部分170がU字形である場合、シャーシ110の2つの部分のそれぞれは、上側プレート120及び下側プレート130によって形成される。上側プレート120及び下側プレート130は、側部プレート140を形成するように直角に折り曲げられる。例えば、上側プレート120は、側部プレート140を形成するように直角に折り曲げられ、次に、U字形構造体を形成するように下側プレート130を形成するべく直角に折り曲げられる。上側プレート120及び下側プレート130は、形状、サイズ、及び、寸法が同一である。2つの部分170は、直方体形状のシャーシ110を形成するように互いに嵌合される。シャーシ110は、第2の弾性部材160の上端部が反対方向に配置されるように溶接又は接着により部品170を嵌合させることによって組み立てられる。例えば、2つの部分170の一方は、直方体状のシャーシ110を形成するように他方に対してXY平面に対して垂直な軸(Z軸)周りで180度回転される。側部プレート140は、第1の弾性部材150と第2の弾性部材160とを含む。
【0048】
シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、第1の弾性部材150と第2の弾性部材160とを含む。第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160は、側部プレート140を切断して折り曲げることによって製作される。第1の弾性部材150はU字形状であり、U字形状の2つの端部が側部プレート140へと終端している。同様に、第2の弾性部材160はU字形状であり、U字形状の2つの端部が側部プレート140へと終端している。また、第2の弾性部材160は、第1の弾性部材150と第2の弾性部材160とが互いに独立して動作するように第1の弾性部材150を跨いでいる。
【0049】
シャーシ110の2つの部分170のそれぞれにおいて、第1の移動部分210に第1の弾性部材150が取り付けられ、第2の移動部分220に第2の弾性部材160が取り付けられる。第1の弾性部材150は、側部プレート140の平面(Y-Z平面)に対して、振動アクチュエータの中心に向かって僅かに内側に屈曲しているのに対し、第2の弾性部材160と側部プレート140とは同一平面内にある。
【0050】
図3は、第1の移動部分210の異なる部分を示し、
図4は、第2の移動部分220の異なる部分を示す。第1の移動部分210は、フレーム310と磁石の配列320とを備える。第2の移動部分220は、U字形ブラケット420と少なくとも1つのコイル410とを備える。
【0051】
フレーム310は、中空の長方形空間304を有する長方形外周302によって形成される。或いは、フレーム310は、中空の長方形空間304を有する正方形外周で形成され得る。外周に関しては、限定しないが、平行四辺形、台形などの他の幾何学的形状も想定し得る。好ましい実施態様では、フレーム320が長方形の外周302を有する長方形である。
【0052】
フレーム310は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、銅、真鍮、亜鉛、又は、任意の他の非磁性材料などの任意の非磁性シートメタルをスタンピング加工又はレーザ切断して折り曲げることによって構成される。他の変形例において、フレーム310は、プラスチックなどのポリマーから射出成形される又は任意の非磁性材料から鋳造され得る。フレーム310がプラスチック又は任意の他のポリマーを使用して構成される場合、フレーム310は、迅速な組み立てのために3Dプリンタを使用して印刷され得る。長方形外周302の縁部は、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160のいずれかに損傷を与えかねない鋭利な縁部を避けるために、丸みを帯び、面取りされ、又は、フィレット加工される。フレーム310に設けられる中空長方形304は丸みを帯びた角を有し、これらの角は磁石の配列320を確実に嵌合するために利用される。したがって、磁石の配列320はフレーム310内で完全に嵌合するように丸みを帯びた縁部も有する。
【0053】
フレーム310の長方形外周302の短辺は、横方向に沿っており、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれの第1の弾性部材150を接合するための装備を有する。第1の弾性部材150は、溶接、リベット、接着によって、ネジを用いて、又は、機械的に嵌合して強い接合部又は結合部を形成する折り曲げ部を介して、長方形外周302に取り付けられ得る。シャーシ110の2つの部分170のそれぞれに形成される第1の弾性部材150は、フレーム310の長方形外周302の対角線上の対向する側に取り付けられる。
【0054】
磁石の配列320は、本実施では第1の磁石322、第2の磁石324、及び、第3の磁石326を備えるが、他の変形例では、3つよりも多い又は少ない磁石をフレーム310の内側に配置することができる。したがって、フレーム310は、2つ以上の磁石を収容するように製造することができる。第1の磁石322、第2の磁石324及び第3の磁石326の4つの縁部はいずれも鋭利な縁部を避けるように丸みを帯びているが、幾つかの変形例において、鋭利な縁部は、他の既知の形状によって除去することもできる。例えば、第1の磁石322、第2の磁石324及び第3の磁石326の縁部は、面取りされた縁部又はフィレット加工された縁部とすることができる。他の変形例では、第1の磁石322、第2の磁石324、及び第3の磁石326が全て非正方形の縁部を有することができる。第1の磁石322及び第2の磁石324の極性は対称に配置され、すなわち、第1の磁石322のN極と第2の磁石324のN極とが互いに対向する。同様に、第2の磁石324及び第3の磁石326の極性は対称に配置され、すなわち、第2の磁石324のS極と第3の磁石326のS極とが互いに対向する。この形態は、同様の極が互いに対向する(N極がN極と対向する)第1の磁石322と第2の磁石324との交差部から径方向外側に移動する及び同様の極が互いに対向する(S極がS極と対向する)第2の磁石324と第3の磁石326との交差部で径方向内側に移動する強い磁場をもたらす。また、第1の磁石322、第2の磁石324及び第3の磁石326は、幅(
図3にWで示す)が同じであるが、縦方向の(X軸に沿う)の長さが異なる。例えば、本実施態様では、第1の磁石322及び第3の磁石326の幅及び長さは等しいが、第2の磁石324は実質的により大きい長さを有する。異なる変形例において、第1の磁石322、第2の磁石324、及び第3の磁石326は全て、フレーム310に応じて等しい又は等しくない幅及び長さを有することができる。更に、磁石の配列320内の各磁石のサイズは、生成されるべき磁場の要件に応じて同じであっても異なっていてもよい。
【0055】
同様の極が互いに対向する磁石の配列320は、少なくとも1つのコイル410の内側に高集中磁場を生成するのに役立つ。磁石の配列320が3つの磁石322,324,326を備える場合、2つのコイル412,414が設けられる。この実施において、コイル412,414に生成される高集中磁場は、第1の磁石322、第2の磁石324、及び、第3の磁石326によって生成される磁場に起因する。第1の磁石322、第2の磁石324、及び、第3の磁石326の結合は、磁石の同様の極同士が反発するため、非常に困難となり得る。フレーム310は、磁石の配列320、例えば、第1の磁石322、第2の磁石324、及び、第3の磁石326をフレーム310内に強固に保持するように設計される。或いは、フレーム310を使用して、接着による初期組み立てのために第1の磁石322、第2の磁石324、及び、第3の磁石326をフレーム310内に強固に保持することもでき、その後、接着剤が硬化した後にフレーム310を取り外し、磁石の配列320をコイル410内に配置して、磁石のフレームレス配列を作成する。更に、フレーム310は、付加的な質量を第1の移動部分210に与える。フレーム310及び磁石の配列320の質量を変えることにより、異なる共振周波数及び振動強度を達成することができる。
【0056】
同様の極が互いに対向する状態で磁石の配列320がフレーム310内に配置されると、磁石の2つの外側端部が2つの外側極328を形成する。フレーム310は、磁石の配列320の外側極328が第1の弾性部材150のそれぞれと対向するように対角線上の対向する側でシャーシ110の2つの部分170のそれぞれの第1の弾性部材150に取り付けられる。
【0057】
この実施の1つの代わりの変形例において、第1の移動部分210は、フレーム310と、磁石間にスペーサが設けられた状態の磁石の配列320とを備える。スペーサは、コストを削減するために、磁石の配列320における各磁石のサイズを縮小する非磁性材料又は常磁性材料とすることができる。
【0058】
図4を参照すると、第2の移動部分220は、少なくとも1つのコイル410と、U字形ブラケット420とを備える。任意の数のコイル、例えば単一のコイル412が存在することができるが、この実施形態では、
図4に示されるように、2つのコイル410、すなわち、第1のコイル412及び第2のコイル414が存在する。コイル410の数は単純な式n-1によって決定され、ここで、n=1のときに磁石322及びコイル410が1つしかない特別な場合を除き、nは磁石320の数である。
【0059】
コイル410は、横方向(Y軸)で長いボビンの周囲にエナメル銅線を巻回することによって構成される。更に、コイル410の長さは、第1の移動部分210が縦方向(X軸)で自由に移動できるようにフレーム310の長さよりも僅かに大きい。
【0060】
好ましい実施では、等しい数の巻線及び同じ寸法を有する第1のコイル412及び第2のコイル414を備える2つのコイル410が存在するが、
図5A~
図5Fに示されるような他の変形例では、コイル410の巻線及び寸法が等しくない異なる組み合わせが存在し得る。第1のコイル412及び第2のコイル414は、第1のコイル412が一方向、例えば時計回りに巻回され且つ第2のコイル414が逆方向、例えば反時計回りに巻回されるように接続される。加えて、第1のコイル412の縦方向中心は、第1の磁石322及び第2の磁石324のN極同士が対向して配置された第1の磁石及び第2の磁石の横方向交線と縦方向で位置合わせされる。同様に、第2のコイル414の縦方向中心は、2つの磁石324,326のS極同士が対向して配置された第2の磁石324と第3の磁石326との横方向交線と縦方向で位置合わせされる。代わりの実施において、第1のコイル412の縦方向中心は、第1の磁石322と第2の磁石324との横方向交線と縦方向で一致しなくてもよく、その付近又は周囲にある、すなわち、中心から外れて一致しない。他の実施において、第2のコイル414の縦方向中心は、第2の磁石324と第3の磁石326との横方向交線と縦方向で一致しなくてもよく、その付近又は周囲にある、すなわち、中心から外れて一致しない。
【0061】
コイル410の2つの端部は、コイル410に交流電流を供給するためのコネクタ又は導体へと終端する。交流電流がコイル410を通過すると、交流電流は磁石320の磁場と相互作用してローレンツ力をもたらす。ローレンツ力は、縦方向(X軸)の振動運動をもたらすべく第1の半周期中に一方向で及び第2の半周期中に反対方向で生み出される。
【0062】
図4及び
図4Aは、コイル410に取り付けられるU字形ブラケット420の種類が異なる第2の移動部分220の異なる変形例を示す。U字形ブラケット420は、形状、サイズ、及び、携帯が同一であるU字形ブラケット420A及びU字形ブラケット420Bを備える。
【0063】
図4は一対のU字形ブラケット420を示し、この場合、U字形ブラケット420のそれぞれは、非磁性材料から形成されるとともに、3つの異なるセクション、すなわち、ベースプレート428の面と直交する突出要素426を有するベースプレート428と、2つの右台形状プレート422、すなわち、第1の右台形状プレート422A及び第2の右台形状プレート422Bとを備える。第1の右台形状プレート422A及び第2の右台形状プレート422Bのサイズ及び寸法は同様である。第1の右台形状プレート422A及び第2の右台形状プレート422Bは、アセンブリ全体が
図4に示されるように開放面を伴うU字形ブラケット420A又はU字形ブラケット420Bのように見える構造体を形成するように、ベースプレート428の両側で方向付けられる。好ましい実施態様において、一対のU字形ブラケット420の開放面は、横方向(Y軸)でフレーム310を僅かに超えて延在する。U字形ブラケット420は、非磁性シートメタルを切断して折り曲げることにより作製される。或いは、一対のU字形ブラケット420は、ベースプレート428を2つの別個の右台形状プレート422A,422Bに溶接することによって形成することもできる。U字形ブラケット420Aはコイル412に取り付けられ、U字形ブラケット420Bはコイル414に取り付けられ、その場合、
図4に示されるように、それらの開放面は、対角線上で互いに対向してフレーム310の縦側面(X軸方向)を実質的に覆うようになっている。突出要素426は、シャーシ110の2つの部分170の第2の弾性部材160をU字形ブラケット420と溶接するために使用される。
【0064】
第1のコイル412及び第2のコイル414は、接着剤又は結合材料によって互いに接合される。更に、第1のコイル412は接着剤又は結合材料によってU字形ブラケット420Aに取り付けられ、第2のコイル414は、第1の移動部分210上にわたって自由に移動する長方形管状構造体を形成するようにU字形ブラケット420Bに取り付けられる。
【0065】
図4Aは、U字形ブラケット420の他の変形例を示す。U字形ブラケット420Aは、第1の右台形状プレート422Aと第2の右台形状プレート422Bとを接合する金属ストリップ又は金属ロッド450Aを有し、その場合、
図4Aに示されるように金属ストリップ又は金属ロッド450Aがベースプレート428と平行であるようになっている。U字形ブラケット420Bは、U字形ブラケット420Aとサイズ及び寸法が同様である。
【0066】
図5A~
図5Fは、本発明の異なる変形例における異なる磁石の配列320及びコイル410を示す。これらの変形例は全て、異なる実施形態において振動アクチュエータ100に実装され得る。全ての実施形態において、磁石の配列320の磁石の同様の極は、互いに対向している。
【0067】
図5Aは、第1の磁石322と第2の磁石324と1つのコイル412のみとを備える磁石の配列320の形態を示す。第1の磁石322と第2の磁石324との横方向交線は、コイル412の縦方向中心と縦方向で位置合わせされる。この実施の他の変形例において、第1の磁石322及び第2の磁石324の横方向交線並びにコイル412の縦方向中心は、短い距離、例えば0.25mm~2mmだけ縦方向でオフセットされる。
【0068】
図5Bは、3つの磁石、すなわち、第1の磁石322、第2の磁石324、第3の磁石326を備える磁石の配列320を伴う好ましい実施を示し、この場合、コイル410は、2個のコイル、すなわち、第1のコイル412及び第2のコイル414を含む。この実施において、コイル410のそれぞれの縦方向中心は、磁石の配置320の隣り合う磁石の対応する横方向交線と縦方向で位置合わせされる。この実施の他の変形例において、隣り合う磁石の横方向交線と第1のコイル412及び第2のコイル414の縦方向中心とは、例えば0.25mm~2mmの小さい距離だけ縦方向でオフセットされる。
【0069】
図5Cは、4つの磁石と3つのコイルとを有する形態を示す。磁石の配列320は、第1の磁石322と、第2の磁石324と、第3の磁石326と、第4の磁石380とを備える。同様に、コイル410は、3つのコイル、すなわち、第1のコイル412、第2のコイル414及び第3のコイル480を含む。この実施において、コイル410のそれぞれの縦方向中心は、隣り合う磁石の対応する横方向交線と縦方向で位置合わせされる。例えば、第1のコイル412の縦方向中心は、第1の磁石322と第2の磁石324との横方向交線と縦方向で位置合わせされ、第2のコイル414の縦方向中心は、第2の磁石324と第3の磁石326との横方向交線と縦方向で位置合わせされ、及び、第3のコイル480の縦方向中心は、第3の磁石326と第4の磁石380との横方向交線と縦方向で位置合わせされる。この実施の他の変形例において、コイルの中心は、隣り合う磁石の横方向交差線に対して、例えば0.25mm~2mmの小さな距離だけ縦方向でオフセットされる。
【0070】
図5Dは、第1の磁石322及び第2の磁石324とコイル412との間にスペーサ502が設けられた、第1の磁石322及び第2の磁石324を備える磁石の配列320を示す。更に、コイル412は、スペーサ502がコイル412の縦方向中心と縦方向で位置合わせされるように、磁石の配列320の周囲に巻回される。前述したように、スペーサ502は、コストを低減するために磁石の配列320における各磁石のサイズを小さくする非磁性材料又は常磁性材料である。この実施の他の変形例において、スペーサ502及びコイル412の縦方向中心は、例えば0.25mm~2mmの僅かな距離だけ縦方向でオフセットされる。
【0071】
図5Eは、第1の磁石322、第2の磁石324、第3の磁石326の3つの磁石を備える磁石の配列320及びコイル410を示す。スペーサ502は、磁石の配列320の隣り合う磁石間に設けられる。例えば、スペーサ502は、第1の磁石322と第2の磁石324との間に設けられる。同様に、スペーサ502は、第2の磁石324と第3の磁石326との間に設けられる。また、コイル410は、第1のコイル412及び第2のコイル414を含む。第1のコイル412の縦方向中心は、第1の磁石322と第2の磁石324との間に設けられるスペーサ502の縦方向中心と縦方向で位置合わせされる。同様に、第2のコイル414の縦方向中心は、第2の磁石324と第3の磁石326との間に設けられるスペーサ502の縦方向中心と縦方向で位置合わせされる。或いは、第1のコイル412の縦方向中心は、第1の磁石322と第2の磁石324との間に設けられるスペーサ502の縦方向中心から縦方向でオフセット可能であり、また、第2のコイル414の縦方向中心は、第2の磁石324と第3の磁石326との間に設けられるスペーサ502の縦方向中心から縦方向でオフセットされ得る。この実施では、オフセットが0.25mm~2mmである。
【0072】
図5Fは、2個の磁石の2つの対を備える磁石の配列320及び2個のコイル410を示す。磁石の第1の対は、第1の磁石322と第2の磁石324とを含む。磁石の第2の対は、第3の磁石326と第4の磁石380とを含む。スペーサ502は、磁石の第1の対と磁石の第2の対との間に設けられる。コイル410は、第1のコイル412と第2のコイル414とを備える。第1のコイル412は、第1のコイル412の縦方向中心が第1の磁石322と第2の磁石324との横方向交線と縦方向で位置合わせされるように磁石の第1の対の周囲に巻回される。第2のコイル414は、第2のコイル414の縦方向中心が第3の磁石326と第4の磁石380との横方向交線と縦方向で位置合わせされるように磁石の第2の対の周囲に巻回される。この実施の他の変形例において、第1のコイル412の縦方向中心、第1の磁石322と第2の磁石324との横方向交線、第2のコイル414の縦方向中心、及び、第3の磁石326と第4の磁石380との横方向交線は、例えば0.25mm~2mmの小さな距離だけ縦方向でオフセットされる。
【0073】
図6は、シャーシ110の2つの部分170の一方を示す。シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、U字形である第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160を含む。第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160は、側部プレート140を切断してスタンピング加工することにより作製される。第1の弾性部材150は、側部プレート140の平面(Y-Z平面)に対して、振動アクチュエータの中心に向けて、僅かに内側に屈曲され、第1の移動部分210との取り付けのための平坦なプレートをベースに有する。また、第2の弾性部材160は、側部プレート140の平面(Y-Z平面)と位置合わせされる。
【0074】
図7、
図7A及び
図7Bは、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160の異なる変形例を示す。
【0075】
図7は、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160の好ましい実施形態を示す。
【0076】
第1の弾性部材150は、2つの脚部702を形成する2つの平行な細いストリップと長方形プレート704の形態を成すベースとを有するU字形である。長方形プレート704は、小さな距離だけ離間され、側部プレート140の平面(Y-Z平面)と平行である。長方形プレート704と側部プレート140とを接合する2つの脚部702は、
図6に示されるように角度を成して傾けられる。シャーシ110の2つの部分170のそれぞれの第1の弾性部材150の長方形プレート704は、第1の弾性部材150を第1の移動部分210のフレーム310に取り付けるために利用される。フレーム310が接着中に磁石の配列320の磁石を固定するためにのみ使用された後に除去された他の変形例において、シャーシ110の2つの部分170の第1の弾性部材150のそれぞれの各長方形プレート704は、磁石の配列320の2つの外側極328のうちの一方に取り付けられる。第1の弾性部材150の2つの脚部702は、それらの内縁部716に沿って横方向窪みを有し、それらの外縁部718は
図7に示されるように直線状である。
図7Aに示される代わりの実施において、第1の弾性部材150の2つの脚部702は、それらの外縁部718に横方向窪みを有し、一方、それらの内縁部716は直線状である。
図7Bに示される更に他の代わりの実施において、第1の弾性部材150は、2つの脚部702の内縁部716及び外縁部718の両方に横方向窪みを有する。
【0077】
第2の弾性部材160も、2つの脚部706を形成する2つの平行な細いストリップと、長方形プレート708であるベースとを有するU字形である。長方形プレート708及び側部プレート140は、同一平面(Y-Z平面)内にある。更に、第2の弾性部材160は、2つの脚部706の内縁部720に横方向窪みを有し、一方、2つの脚部702の外縁部722は、
図7に示されるように直線状である。この実施の他の変形例において、第2の弾性部材160は、2つの脚部706の外縁部722に横方向窪みを有し、一方、2つの脚部702の内縁部720は
図7Aに示されるように直線718である。更に他の変形例において、第2の弾性部材160の2つの脚部706は、
図7Bに示されるようにそれらの内縁部720及びそれらの外縁部722の両方に横方向窪みを有する。長方形プレート708は、第2の移動部分220に対する第2の弾性部材160の取り付けのために用いられる。
【0078】
シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160が振動中に屈曲して変位できるようにする良好な弾性特性を有するがアセンブリの構造的安定性を維持するのに十分な剛性を有する材料である必要がある。材料の例は、ベリリウム銅、ばね鋼、チタン、Kevlar(登録商標)又はABSプラスチックであり得る。
【0079】
第1の弾性部材150は、3つの側で第2の弾性部材160によって取り囲まれ、一方、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材の第4の側は、側部プレート140へと終端する。第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160は狭い隙間を伴って互いに離間される。この離間により、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160は互いに独立して振動することができる。また、側部プレート140は、第2の弾性部材160の両側の上側プレート120及び下側プレート130の縁部まで第2の弾性部材160の2つの脚部706と平行に延びるとともに、側部プレート140と第2の弾性部材160との間に狭い隙間が存在するように方向付けられる。
【0080】
図7Cに示される更に他の代わりの実施において、第1の弾性部材150は、長方形の長辺上の両方の外縁部724に対称的な横方向窪みを伴う長方形ストリップ710と、長方形プレート712とを備える。長方形ストリップ710は、一端部が側部プレート140へと終端し、他端部が長方形プレート712へと終端する。長方形プレート712である第1の弾性部材150の上側セクションは、第1の移動部分210のフレーム310に対して第1の弾性部材150を取り付けるために用いられる。第2の弾性部材160も、前述したようにU字形である。第2の弾性部材160のU字形の2つの脚部706は、側部プレート140へと終端し、
図7Cに示されるようにそれらの内縁部720及びそれらの外縁部722に横方向窪みを有する。他の実施において、第2の弾性部材160は、2つの脚部706の内縁部720に横方向窪みを有し、一方、2つの脚部706の外縁部722は、
図7に示されるように直線状である。この実施の他の変形例において、第2の弾性部材160は、2つの脚部706の外縁部722に横方向窪みを有し、一方、2つの脚部702の内縁部722は
図7Aに示されるように直線718である。代わりの実施において、第2の弾性部材160の2つの脚部706の内縁部720及び外縁部722は、直線状であり、互いに平行である。
【0081】
第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160の窪みは、振動中に変位した際に、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160にわたって応力を均一に分散させる役目を果たす。例えば、第1の弾性部材150の2つの脚部702が窪みを伴わず、むしろ2つの直線状の内縁部及び外面を伴う長方形ストリップである場合、応力は2つの脚部702の端部に向かって集中し、2つの脚部702は側部プレート140及び長方形プレート704と接続する。同様に、第2の弾性部材160の2つの脚部706が窪みを伴わず、むしろ直線状の内面及び外面を伴う長方形ストリップである場合、応力は脚部706の端部に向かって集中し、2つの脚部706は側部プレート140及び長方形プレート708と接続する。振動の多くのサイクルにわたって、この集中は脚部(702,706)の端部の周りの領域を疲労させ、微視的な亀裂が形成され、その後、この亀裂は、時間が経つにつれて大きくなり、完全な破壊につながる。窪みを通して2つの脚部(702,706)の中央に向かって材料の量を減らすことにより、2つの脚部(702,706)のより大きな領域が振動中に変形し、応力が2つの脚部(702,706)の長さにわたって均一に分散され、故障の可能性が低減される。
【0082】
シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、動作中に振動アクチュエータを構造変形から保護するが、第1の移動部分210及び第2の移動部分220を変位させて振動力を発生させることができるように高い弾性を与える、高度に可撓性であるが剛性の材料から製造される。材料の例は、ベリリウム銅、ばね鋼、チタン、Kevlar(登録商標)又はABSプラスチックであり得る。
【0083】
図8は、本発明の他の実施形態におけるスペーサ及び誘導磁石を伴う振動アクチュエータの組立等角図である。
図9は、振動アクチュエータ900の部分分解等角図を示し、
図10は、第1の移動部分210及び第2の移動部分220を示す振動アクチュエータ900の分解図を示す。
【0084】
振動アクチュエータ900は、フレーム310及び磁石320の配列を備える第1の移動部分210を含む。磁石の配列320は第1の磁石322及び第2の磁石324によって形成され、この場合、磁石の配列320の隣り合う磁石間にスペーサ502が設けられる。代わりの実施において、磁石の配列320は、
図5Aに示されるように、スペーサ502が設けられることなく第1の磁石322及び第2の磁石324によって形成される。第1の磁石322及び第2の磁石324は、同様の極同士が対向するように配置される。更に、第2の移動部分220は、少なくとも1つのコイル410と、U字形ブラケット420A及びU字形ブラケット420Bを含むU字形ブラケット420とを備える。本実施形態では、第2の移動部分220において、1つのコイルのみ、すなわち、コイル412のみが利用される。しかしながら、他の変形例において、コイル410は、両方向で巻回される第1のコイル412及び第2のコイル414によって形成することができる。
図5A~
図5Fに示されるように、この実施形態では、磁石の配列320及びコイル410の様々な変形を実施することができる。更に、振動アクチュエータ900は、2つの部分170によって形成されるシャーシ110を含む。
【0085】
前述の実施形態と同様に、シャーシ110は、U字形である2つの部分170によって形成される。しかしながら、他の変形例において、シャーシ110は、1つの部分又は2つの部分のいずれかによって形成され得る。例えば、シャーシ110は、
図2Bに示されるようなU字形部分又は
図2Cに示されるような前述した一端部が封止された閉じた直方体構造のいずれかであり得る1つの部分で形成され得る。同様に、シャーシ110は、
図2Aに示されるようにL字形の2つの部分170で形成され得る。
【0086】
シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、上側プレート120、下側プレート130、及び、側部プレート140を含む。上側プレート120は、一対の誘導磁石902を固定するための1つ以上の取り付け手段904を有する。取り付け手段904は、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれの上側プレート120及び下側プレート130に互いに直接に対向して設けられる。取り付け手段904は、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれにおける側部プレート140とは反対側の端部である上側プレート120及び下側プレート130の端部の近傍に平行に設けられる。この実施形態では、誘導磁石902のそれぞれを縦方向(X軸)で固定するために、取り付け手段904の第1の対が上側プレート120の端部に設けられ、取り付け手段904の他の対が下側プレート130の端部に設けられる。また、誘導磁石902の各磁石を横方向(Y軸)で固定するために、1つの取り付け手段904が上側プレート120に設けられ、第1の弾性部材150が終端する側部プレート140のベースと対角線上に対向する縁部で下側プレート130に1つの取り付け手段904が設けられる。
【0087】
上側プレート120上及び下側プレート130上の取り付け手段904は、上側プレート120及び下側プレート130がX-Y平面に沿って互いの鏡像を形成するように、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれに配置される。取り付け手段904は、タブ、クリップ、保持ブラケットなどとすることができる。しかしながら、この実施形態において、取り付け手段904は、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれの上側プレート120及び下側プレート130からU字形の内側に向かって内側にスタンピング加工されるタブである。他の変形例では、取り付け手段904がクリップであり、これらのクリップは、誘導磁石902を正しい向き及び位置に保持するために誘導磁石902を固定した後に押圧される。
【0088】
磁石の配列320によって生成される磁場は、コイル410を直角に横切るべきである。しかしながら、磁石の自然な特性に起因して、磁力線はN極から出現し、S極に収束する。磁力線は、磁石の配列320の中心で第1の磁石322及び第2の磁石324のN極から出現して楕円経路を形成するS極に収束するため、垂直である。生成された磁力線が磁石の配列320の中心から磁石の配列320の端部に向かって更に遠ざかるにつれて、磁力線は収束し、楕円経路は円形になる。したがって、磁力線の大部分は、ある角度でコイル410を横断するが、直交する角度ではない。この問題を克服するために、2つの誘導磁石902は、シャーシ110の2つの部分170の上側プレート120及び下側プレート130の内側に取り付けられ、それにより、2つの誘導磁石902は互いに対向し、各誘導磁石902の横方向中心線は、磁石の配列320の第1の磁石322及び第2の磁石324の横方向交線と縦方向で一致する。誘導磁石902及び磁石の配列320は、それらの対向する極が互いに対向するように方向付けられる。例えば、第1の磁石322のN極と第2の磁石324のN極とが互いに対向する場合、誘導磁石902のS極は磁石の配列320のN極の真上に配置される。このように誘導磁石902を配置することにより、第1の磁石322と第2の磁石324との交差部の中心から出てくる磁力線は、誘導磁石902を通じてコイル410を通って直角に案内され、次いで外側極328で磁石の配列320に戻る。したがって、磁力線は、コイル410に対して実質的に垂直な角度に向けられる。より多くの磁力線がコイルに対して垂直になるにつれて、結果として生じるローレンツ力は、モータの振動の主軸に整列した均一な方向に発生し、これは縦軸(X軸)に沿っている。
【0089】
シャーシ110の2つの部分170に戻って、上側プレート120は、側部プレート140を形成するように直角に折り曲げられる。次いで、側部プレート140が直角に折り曲げられて下側プレート130が形成され、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれが形成される。シャーシ110の2つの部分170は、形状、サイズ、及び寸法が同一である。また、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160を含む。第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160は、シャーシ110の2つの部分のそれぞれの側部プレート140をスタンピング加工して切断することにより作製される。
【0090】
振動アクチュエータ900は、磁石の配列320をフレーム310内に配置することによって構成される。磁石の配列320は、同様の極が互いに対向する状態で第1の磁石322及び第2の磁石324を備え、スペーサ502は、第1の磁石322と第2の磁石324との間に配置される。これにより、第1の移動部分210が形成される。第2の移動部分220は、コイル412と、U字形ブラケット420とを備える。コイル412の2つ端部は、U字形ブラケット420のそれぞれに接続される。他の変形例において、コイル410は、一端部が互いに接続される第1のコイル412及び第2のコイル414によって形成され、コイル410の他の2つの端部はU字形ブラケット420のそれぞれに接続される。第1の移動部分210は、第1の移動部分210及び第2の移動部分220が自由に移動できるように、第2の移動部分220の中空内へと摺動する。第1の移動部分210と第2の移動部分220とのこのアセンブリは、シャーシ110の2つの部分170間に配置される。シャーシ110の2つの部分170は、誘導磁石902を取り付けるための取り付け手段904を含む。次いで、誘導磁石902は、上側プレート120及び下側プレート130の内側に配置され、取り付け手段904によって正しい向きに強固に固定される。シャーシ110の2つの部分170は、2つの部分170のそれぞれの第2の弾性部材160が横軸(Y軸)に沿って反対方向を向くように配置される。第1の移動部分210は、長方形プレート704において第1の弾性部材150に取り付けられ、第2の移動部分220は、長方形プレート708において第2の弾性部材160に取り付けられる。シャーシ110の2つの部分170は、振動アクチュエータ900を形成するように互いに取り付けられる。
【0091】
図11は、振動アクチュエータ1100の等角図を示し、
図12は、振動アクチュエータ1100の分解等角図を示す。この実施形態では、振動アクチュエータ1100が2つの部分170を備えるシャーシ110を含む。シャーシ110の部分170は、上側プレート120及び下側プレート130を含む。上側プレート120及び下側プレート130は、側部プレート140と比較して実質的に長さが短い。上側プレート120及び下側プレート130は、サイズ、形状及び寸法が同様であり、X-Y平面に沿って互いの鏡像を形成する。また、上側プレート120及び下側プレート130はそれぞれ、湾曲セクション1104と長方形セクション1108とによって形成される。代わりの実施形態において、上側プレート120及び下側プレート130は、サイズ、形状、及び寸法が変化してもよい。
【0092】
上側プレート120及び下側プレート130のそれぞれには、誘導磁石902を取り付けるための取り付け手段904が設けられる。取り付け手段904は、湾曲セクション1104と長方形セクション1108との交差部に位置される。取り付け手段904は、誘導磁石902を正しい位置及び向きに保持するタブである。他の変形例において、取り付け手段904は、誘導磁石904を取り付けるために上側プレート120及び下側プレート130に取り付けられ又は形成され得るクリップ、保持ブラケットなどとすることができる。
【0093】
側部プレート140は、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160を形成する2つのU字形突起を有する。
図11に示されるように、第1の弾性部材150は、3つの側で第2の弾性部材160によって取り囲まれ、一方、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160の第4の側は、側部プレート140へと終端する。また、第1の弾性部材150及び第2の弾性部材160は、互いに独立して振動可能であり、第1の弾性部材150と第2の弾性部材160との間に隙間が存在するように配置される。
【0094】
側部プレート140のY-Z平面と第1の弾性部材150の長方形プレート704のY-Z平面とは、互いに平行である。長方形プレート704は、側部プレート140と比較して、例えば0.2mm~2mmの距離だけ、縦軸(X軸)において振動アクチュエータ1100の中心に向かって変位される。第1の弾性部材150の2つの脚部702は、側部プレート140と長方形プレート704との間に傾斜を形成する角度で、側部プレート140と長方形プレート704とを接続する。同様に、側部プレート140のY-Z平面と、第2の弾性部材160の長方形プレート708のY-Z平面とは、互いに平行である。長方形プレート708は、側部プレート140と比較して、例えば0.2mm~2mmの距離だけ、縦軸(X軸)において振動アクチュエータ1100の中心に向かって変位される。第2の弾性部材160の2つの脚部706は、側部プレート140と長方形プレート708との間に傾斜を形成する角度で、側部プレート140と長方形プレート708とを接続する。
【0095】
更に、この変形例において、第2の弾性部材160からは、ホルダ1202を形成するために2つの脚部706とは反対側にある、長方形プレート708の縁部から、振動アクチュエータ1100の縦方向中心に向かってL字形構造体1204が突出する。
第2の弾性部材160上のホルダ1202は、振動中にコイル410又は単一のコイル412を正しい位置に保持する革新的な方法をもたらす。この実施形態では、ホルダ1202がU字形である。
【0096】
第1の移動部分210は、同様の極同士を対向させて成る第1の磁石322と第2の磁石324とによって形成される磁石の配列320を有する。また、第1の磁石322と第2の磁石324との間には、非磁性材料のスペーサ502が配置される。第1の磁石322、スペーサ502及び第2の磁石324は、互いに接着されて第1の移動部分210を形成する。スペーサ502は、第1の磁石322及び第2の磁石324のサイズを小さくし、これは、希土類金属であり、したがって高価である磁石のコストを低減する効率的な方法である。或いは、スペーサ502を省略することができ、磁石は直接互いに接着される。
【0097】
この実施形態において、第2の移動部分220は、U字形ブラケット420を何ら伴うことなくただ1つのコイル412を備える。磁石の配列320がコイル412に挿入され、コイルは、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれの第2の弾性部材160のホルダ1202の内側に配置され、結合材料で固定される。
また、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれの第1の弾性部材150の長方形プレート704は、第1の弾性部材150が外側極328と対向するように、第1の移動部分210、すなわち、磁石の配列320に取り付けられる。また、シャーシ110の2つの部分170のそれぞれは、第1の弾性部材150、第2の弾性部材160及び側部プレート140が互いに対角線上で対向するように組み付けられる。
【0098】
2つの誘導磁石902は、2つの誘導磁石902が互いに対向し且つ各誘導磁石902の横方向中心線が磁石の配列320の第1の磁石322及び第2の磁石324の横方向交線と縦方向で一致するように、シャーシ110の2つの部分170の上側プレート120及び下側プレート130の内側に取り付けられる。誘導磁石902及び磁石の配列320は、それらの対向する極が互いに対向するように方向付けられる。例えば、第1の磁石322のN極と第2の磁石324のN極とが互いに対向する場合、誘導磁石902のS極は磁石の配列320のN極の真上に配置される。
【0099】
この実施形態において、第1の移動部分210は、第1の磁石322及び第2の磁石324を有する磁石の配列320を備える。第2の移動部分220はコイル412を備える。しかしながら、他の実施形態では、
図5B~
図5Cに示されるように、第1の移動部分210の磁石の配列320は3つ以上の磁石を備えることができ、第2の移動部分220はコイル410を備えることができる。
【0100】
コイル410が交流電流によって励磁されると、交流電流は磁石の配列320の永久磁場と相互作用して、ローレンツ力の原理に従って2つの対抗する力を生成する。最初に、静止時に、2つの対抗する力は、第1の移動部分210及び第2の移動部分220を反対方向に移動させる。コイル410内で交流電流が反転されると、交流電流は磁石の配列320の永久磁場と相互作用して、逆方向の2つの対抗する力を生成する。第1の移動部分210は、第1の弾性部材150によって制約され、弾性に起因する反跳を生じさせる。第1の弾性部材150に蓄えられた反跳エネルギーが解放されると、それによって、第1の移動部分210の移動が補助され、その結果、振動動作が生じる。第2の移動部分220は、第2の弾性部材160によって制約され、弾性に起因する反跳を生じさせる。第2の弾性部材160に蓄えられた反跳エネルギーが解放されると、それによって、第2の移動部分220の移動が補助され、その結果、振動動作が生じる。
【0101】
第1の移動部分210の共振周波数は、少なくとも、フレーム310の質量と、磁石の配列320の質量と、第1の弾性部材150の弾性定数とに依存する。代わりの実施態様では、第1の移動部分210がフレーム310を伴わない場合、第1の移動部分210の共振周波数は、少なくとも磁石の配列320の質量及び第1の弾性部材150の弾性定数に依存する。同様に、第2の移動部分220の共振周波数は、少なくとも、U字形ブラケット420の質量、コイル410の質量、及び、第2の弾性部材160の弾性定数に依存する。代わりの実施態様では、第2の移動部分220がコイル410のみを含む場合、第2の移動部分220の共振周波数は、少なくともコイル410の質量及び第2の弾性部材160の弾性定数に依存する。最後に、第1の移動部分210は、共振周波数F1を伴う縦方向(X軸)の直線振動動作をもたらし、第2の移動部分220は、共振周波数F2を伴う縦方向(X軸)の直線振動動作をもたらす。第1の共振周波数F1及び第2の共振周波数F2は異なっており離れている。例えば、第1の共振周波数F1を40Hzとすることができ、第2の共振周波数F2を75Hzとすることができる。
【0102】
同様の極同士が対向する状態でフレーム310の内部に埋め込まれた磁石の配列320によって指向性の磁場が発生される。磁場は、磁石の配列320のN極が互いに対向する磁石の配列320の交差ポイントにおいて、磁石の配列320から径方向外側(例えば、横方向(Y軸)外側)に流れ、コイル410を横切る。更に、誘導磁石902を利用して、コイルに対して垂直又は略垂直な角度で磁力線を更に方向付けることができる。更に、磁場は、磁石の配列320のS極が互いに対向する磁石の配列320の交差ポイントにおいて、内側(例えば横方向(Y軸)内側)に流れ、コイル410を横切り、磁石の配列320に入る。誘導磁場の存在下で交流電流を流すことによってコイル410が励磁されると、ローレンツ力の原理に従って第2の移動部分220に力が生成され、したがって、第1の移動部分210が反対方向の力を受ける。また、第1のコイル412及び第2のコイル414が逆向きに巻回されるため、コイル410に電流が流れると、第2の移動部分220が一方向で一方的に力を受ける。交流電流が反転すると、第2の移動部分220が逆方向の力を受ける。この現象は、第2の移動部分220に振動動作を生じさせる。同様に、第1の移動部分210も、第1の振動動作とは独立した第2の振動動作を生成するローレンツ力の原理に従った力を受ける。第1の移動部分210の動きは、第2の移動部分220に対するものであり、同じ方向又は反対方向とすることができる。
【0103】
本明細書に記載の振動アクチュエータは、単なる例示である。本明細書中で与えられる他の形態及び変形は非限定的であり、任意の修正がこの発明の範囲内に入る。振動アクチュエータの機能及び使用は、例示を目的としており、決して限定することを意図するものではない。医療機器、自動車のダッシュボード、又は、触覚フィードバックを有する他の領域での使用などの振動アクチュエータの他の使用も十分に範囲内である。更に、振動アクチュエータの異なる構成要素は、異なる実施形態で実証されるように更なる機能を与えるべく適切に変更され得る。
【国際調査報告】