(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】接合構造が積層されたマルチカラーLEDのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20230509BHJP
【FI】
H01L33/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549111
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2021024873
(87)【国際公開番号】W WO2021202521
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520510771
【氏名又は名称】ジェイド バード ディスプレイ(シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リ,キミン
(72)【発明者】
【氏名】スー,クンチャオ
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA01
5F241AA24
5F241AA42
5F241AA43
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5F241CB25
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5F241FF06
(57)【要約】
単一ピクセルマルチカラーLEDデバイスは、様々な色を発するために2つ以上のLED構造を含む。2つ以上のLED構造は、サブピクセルとして水平に形成されて、光を結合する。幾つかの実施形態では、2つ以上の発光層は集積回路を有する基板上に形成され、その2つ以上の発光層は接合層を用いて一緒に接合される。幾つかの実施形態では、2つ以上のLED構造は、各LED構造の各上部発光層を利用し、各LED構造と共に余分な上部発光層を除去することによって形成される。幾つかの実施形態では、第1の発光層内のP型領域及びN型領域の上下配向は、第2の発光層内のP型領域及びN型領域の上下配向と異なる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルのマルチカラー発光ダイオード(LED)ピクセルデバイスであって、
下部における基板と、
前記基板の上方に1つのみの第1の発光層を有する、第1の色を発するように構成された第1のLED構造と、
前記第1のLED構造の上の第2のLED構造であって、前記第2のLED構造は、第2の色を発するように構成され、前記第1の発光層及び第2の発光層を有し、前記第2の発光層は前記第1の発光層の上方にある、第2のLED構造と、
を備え、
前記第1の発光層は第2のタイプの層及び第1のタイプの層を含み、前記第1の発光層の前記第1のタイプの層は、前記第1の発光層の前記第2のタイプの層の上方にあり、
前記第2の発光層は第1のタイプの層及び第2のタイプの層を含み、前記第2の発光層の前記第2のタイプの層は、前記第2の発光層の前記第1のタイプの層の上方にある、マルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項2】
前記第1の発光層、前記第2の発光層、及び第3の発光層を有する、第3の色を発するように構成された第3のLED構造を更に備え、
前記第2の発光層は前記第1の発光層の上方にあり、前記第3の発光層は前記第2の発光層の上方にあり、
前記第3の発光層は第1のタイプの層及び第2のタイプの層を含み、前記第3の発光層の前記第2のタイプの層は、前記第3の発光層の前記第1のタイプの層の上方にある、請求項1に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項3】
前記第1、第2、及び第3の発光層の各々は各PN接合を含み、前記第1のタイプの層の各々は前記PN接合のそれぞれのP型層であり、前記第2のタイプの層の各々は前記PN接合のそれぞれのN型層である、請求項2に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項4】
前記第1、第2、及び第3の発光層の各々は各PN接合を含み、前記第1のタイプの層の各々は前記PN接合のそれぞれのN型層であり、前記第2のタイプの層の各々は前記PN接合のそれぞれのP型層である、請求項2に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項5】
前記基板はIC基板であり、前記マルチカラーLEDピクセルデバイスは、前記IC基板上に形成され、
前記第1のLED構造における前記第1の発光層の前記第1のタイプの層は、前記IC基板を第1の電極と電気的に接続し、
前記第2のLED構造における前記第2の発光層の前記第1のタイプの層は、前記IC基板を第2の電極と電気的に接続し、
上部透明導電層が、前記マルチカラーLEDピクセルデバイスを覆い、前記第1のLED構造の前記第1の発光層の前記第2のタイプの層及び前記第2のLED構造の前記第2の発光層の前記第2のタイプの層に接触する、請求項1~4のいずれか1項に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項6】
前記第3のLED構造における前記第3の発光層の前記第1のタイプの層は、前記IC基板を第3の電極と電気的に接続し、
前記上部透明導電層は、前記第3のLED構造の前記第3の発光層の前記第2のタイプの層に接触する、請求項5に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項7】
絶縁層が前記上部透明導電層とマルチカラーLEDピクセルデバイスの表面との間に形成される、請求項5に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項8】
第1の接合層が前記IC基板と第1の発光層との間に形成され、第2の接合層が、前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に形成される、請求項5に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項9】
第3の接合層が、前記第2の発光層と前記第3の発光層との間に形成される、請求項8に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項10】
誘電層が、前記第1の接合層と前記第1の発光層との間に形成される、請求項8に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項11】
前記第2のLED構造における前記第2の電極は、前記第1の接合層及び前記第2の接合層に電気的に接触する、請求項8に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項12】
前記第3のLED構造における電極が、前記第1の接合層、前記第2の接合層、及び前記第3の接合層に電気的に接触する、請求項9に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項13】
前記第2のタイプの層は、前記第1のLED構造における前記第1のタイプの層の外部に水平に延びる突起部を有し、
開口部が、前記突起部を覆う絶縁層に形成され、
前記上部透明導電層は前記突起部上の前記開口部に堆積する、請求項7に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項14】
前記第1のLED構造における前記第1の電極の第1の端部は、前記第1の発光層の前記第1のタイプの層の上面に接し、前記第1の電極の第2の端部は前記IC基板に接し、
前記上部透明導電層は、前記第1のLED構造における前記第1の発光層の前記第2のタイプの層に接し、
前記第2のLED構造における前記第2の電極の第1の端部は、前記第2の発光層における前記第1のタイプの層の下部に接続し、前記第2の電極の第2の端部は前記IC基板に接し、前記第2の電極の側壁は、前記第2のLED構造における前記第1の発光層の側壁に接触し、
前記上部透明導電層は、前記第2の発光層における前記第2のタイプの層の上面に接する、請求項5に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項15】
前記第3のLED構造における前記第3の電極の第1の端部は、前記第3の発光層における前記第1のタイプの層の下部に電気的に接続し、前記第3の電極の第2の端部は前記IC基板に接し、前記第3の電極の側壁は、前記第3のLED構造における前記第2の発光層及び前記第1の発光層の側壁に接し、
前記上部透明導電層は、前記第3の発光層における第2のタイプの層の上面に接する、請求項6に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイス。
【請求項16】
ディスプレイパネルのマルチカラー発光ダイオード(LED)ピクセルデバイスを作製する方法であって、
第1の基板を提供することと、
前記第1の基板上に第1のLED発光層を作製することと、
第2の基板を提供することと、
前記第2の基板上に第2のLED発光層を作製することと、
第1の金属接合層を用いて前記第1のLED発光層及び前記第2のLED発光層を一緒に接合することと、
前記第2の基板を除去することと、
第3の基板を提供することと、
前記第3の基板上に第3のLED発光層を作製することと、
第2の金属接合層を用いて前記第2のLED発光層及び前記第3のLED発光層を一緒に接合することと、
前記第1の基板を除去することと、
前記第3の基板を除去することと、
第3の金属接合層を用いて前記第1のLED発光層及び集積回路(IC)を有する第4の基板を一緒に接合することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記第1の基板を除去した後、前記第1のLED発光層上に誘電層を作製することを更に含み、前記誘電層の場所は、前記第1のLED発光層と第3の金属接合層との間である、請求項16に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイスを作製する方法。
【請求項18】
前記第2のLED発光層及び前記第3のLED発光層を除去している間、前記第1のLED発光層を使用して第1のLED構造をパターニングすることと、
前記第3のLED発光層を除去している間、前記第1のLED発光層及び前記第2のLED発光層を使用して第2のLED構造をパターニングすることと、
前記第1のLED発光層、前記第2のLED発光層、及び前記第3のLED発光層を使用して第3のLED構造をパターニングすることと、
を更に含む請求項16又は17に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイスを作製する方法。
【請求項19】
第1の電極を堆積させて、前記第1のLED発光層の第1のP型領域を前記第1のLED構造における前記第4の基板上の前記ICと電気的に接続することと、
第2の電極を堆積させて、前記第2のLED発光層の第2のP型領域を前記第2のLED構造における前記第4の基板上の前記ICと電気的に接続することと、
第3の電極を堆積させて、前記第3のLED発光層の第3のP型領域を前記第3のLED構造における前記第4の基板上の前記ICと電気的に接続することと、
共通電極を堆積させて、前記第1のLED構造における前記第1のLED発光層の第1のN型領域、前記第2のLED構造における前記第2のLED発光層の第2のN型領域、及び前記第3のLED構造における前記第3のLED発光層の第3のN型領域を接地に電気的に接続することと、
を更に含む請求項18に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイスを作製する方法。
【請求項20】
前記第1のP型領域は、前記第1のLED発光層の上層にあり、前記第1のN型領域は、前記第1のLED発光層の下層にあり、
前記第2のP型領域は、前記第2のLED発光層の下層にあり、前記第2のN型領域は、前記第2のLED発光層の上層にあり、
前記第3のP型領域は、前記第3のLED発光層の下層にあり、前記第3のN型領域は、前記第3のLED発光層の上層にある、請求項19に記載のマルチカラーLEDピクセルデバイスを作製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001] 本願は、2020年3月30日付けで出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR MULTI-COLOR LED WITH STACKED BONDING STRUCTURES」という名称の米国仮特許出願第63/002,092号の優先権を主張するものであり、これは参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は、一般的には発光ダイオード(LED)ディスプレイデバイスに関し、より詳細には、マイクロメートル規模のピクセルサイズを有する異なる色を発するLED半導体デバイス及び接合層のシステム及び作製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 近年のミニLED及びマイクロLED技術の発展に伴い、拡張現実(AR)、プロジェクション、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、モバイルデバイスディスプレイ、ウェアラブルデバイスディスプレイ、及び自動車ディスプレイ等の消費者デバイス及び用途では、解像度が改善されたLEDパネル及び高歩留まり作製プロセスが必要とされる。例えば、ゴーグル内に統合され、着用者の目の近くに位置するARディスプレイは、HD精細(1280×720ピクセル)以上をなお必要としながら、爪ほどの大きさを有し得る。多くの電子デバイスは、LEDパネルに対して特定のピクセルサイズ、隣接ピクセル間距離、輝度、及び視野角を必要とする。
【0004】
[0004] 薄膜トランジスタ(TFT)技術と組み合わせたアクティブマトリックス液晶ディスプレイ(LCD)及び有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイもまた、今日の商用電子デバイスでますます人気になりつつある。これらのディスプレイは、ラップトップパーソナルコンピュータ、スマートフォン、及び個人情報端末で広く使用されている。数百万ものピクセルが一緒になって画像をディスプレイ上に作り出す。TFTは各ピクセルを個々にオンオフして、ピクセルを明るく又は暗くするスイッチとして作用し、各ピクセル及びディスプレイ全体の好都合で効率的な制御を可能にする。
【0005】
[0005] しかしながら、従来のLCDディスプレイには光効率が低いという欠点があり、消費電力が高くなり、電池の動作時間が制限されることになる。アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイパネルは一般にLCDパネルよりも消費電力が低いが、AMOLEDディスプレイパネルはそれでもなお、電池動作式デバイスでは大きな電力消費者である。電池寿命を延ばすために、ディスプレイパネルの消費電力を下げることが望ましい。
【0006】
[0006] 従来の無機半導体発光ダイオード(LED)は、優れた光効率を示してきており、それにより、アクティブマトリックスLEDディスプレイは電池動作式電子機器に対してより望ましいものになっている。駆動回路のアレイ及び発光ダイオード(LED)を使用して数百万ものピクセルを制御し、画像をディスプレイ上に表示する。単色ディスプレイパネル及びフルカラーディスプレイパネルは両方とも、多種多様な作製法に従って製造することができる。
【0007】
[0007] しかしながら、ピクセル駆動回路アレイを有する数千、更には数百万もの微小LEDを集積することはかなり難しい。種々の作製法が提案されてきている。一手法では、制御回路が1つの基板上に作製され、LEDは別個の基板上に作製される。LEDは中間基板に移され、元の基板は除去される。次に、中間基板上のLEDは一度に1つ又は数個ずつ、制御回路を有する基板上にピックアンドプレースされる。しかしながら、この作製プロセスは非効率であり、コストがかかり、且つ信頼性が低い。加えて、微小LEDを大量に移送する既存の製造ツールは存在しない。したがって、新しいツールが開発される必要がある。
【0008】
[0008] 別手法では、元の基板を有するLEDアレイ全体が制御回路に位置合わせされ、金属接合を使用して制御回路に接合される。LEDが作製された基板は最終製品に残り、光クロストークの原因となり得る。さらに、2つの異なる基板間の熱的不整合が、接合境界面に応力を生じさせ、信頼性の問題を生じさせる恐れがある。さらに、マルチカラーンディスプレイパネルでは通常、単色ディスプレイパネルと比較して多くのLED及び異なる色のLEDを異なる基板材料上に成長させる必要があり、それ故、従来の製造プロセスを更に複雑且つ非効率にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009] したがって、特に、1つまたは複数の上記欠点に対処する、ディスプレイパネルのLED構造を提供することが望ましい。
【0010】
概要
[0010] 上記等の従来のディスプレイシステムの1つまたは複数の欠点を改善し、対処するのに役立つ改良されたマルチカラーLEDが必要とされる。特に、低消費電力を効率的に維持しながら、作製効率、信頼性、及び解像度を同時に改善することができるLEDデバイス構造が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011] ディスプレイパネルは、赤、緑、及び青等の色の混合を使用して種々の色を表示する。ディスプレイパネルの各ピクセルは、赤サブピクセル、緑サブピクセル、及び青サブピクセル等のサブピクセルを含む。特定のピクセルの色は、サブピクセルからの色の重ね合わせに基づいて決まる。ディスプレイパネルによって形成される画像は、各ピクセルによって形成される組合せに依存する。
【0012】
[0012] 本明細書に記載されるマルチカラーLEDデバイスは、ディスプレイパネル上のピクセルエリア内の別個のエリアに水平に配置された少なくとも2つのマイクロLED構造を統合する。幾つかの実施形態では、複数の発光層が、マルチカラーLEDデバイスの開始構造として積層構造に接合することによって作製される。複数の発光層の各々は、別個の色を発するように構成される。発光層の数は、ディスプレイパネルのピクセルエリア内のLED構造の数に対応する。例えば、マルチカラーLEDデバイスが2つのサブピクセルを示す場合、マルチカラーLED作製プロセス中に必要とされる積層発光層の数は2である。別の例では、マルチカラーLEDデバイスが3つのサブピクセルを含む場合、マルチカラーLED作製プロセス中に必要とされる積層発光層の数は3である。
【0013】
[0013] 幾つかの実施形態では、積層多層構造における上部発光層の色が、マルチカラーLEDデバイス内の個々のLED構造の発光色を決める。複数の発光層からの種々の色を有するLED構造を形成するために、マルチカラーLEDデバイス内の個々のLED構造の作製プロセスにおいて追加の上層が除去される。例えば、積層構造において、上部発光層は赤色光を発するように構成され、中間発光層は緑色光を発するように構成され、下部発光層は青色光を発するように構成される。上部の2つの発光層を除去することにより、青色LED構造を形成することができる。上部発光層及を除去し、下部発光層を短絡させることにより、緑色LED構造を形成することができる。赤色LED構造は、中間及び下部発光層を短絡させながら、いかなる発光層も除去せずに形成することができる。
【0014】
[0014] ピッチとは、ディスプレイパネル上の隣接ピクセルの中心間距離を指す。幾つかの実施形態では、ピッチは約20μmから、約10μmから、及び/又は好ましくは約5μm以下から約40μmまで様々であることができる。ピッチ低減に多くの尽力がなされてきた。ピッチ仕様が決定される場合、1つのピクセルエリアは固定される。
【0015】
[0015] 非効率的なピックアンドプレースプロセスに頼るマイクロLEDディスプレイチップの従来の作製プロセスと比較して、本明細書に開示されるマルチカラーマイクロLED作製プロセスは、マイクロLEDデバイス作製の効率及び信頼性を効率的に上げ、マルチカラーLEDピクセルデバイス構造を簡素化し、LEDデバイスのエピタキシャル層へのダメージを低減する。例えば、複数のLED発光層は、ピクセル駆動回路を有する基板に直接接合することができる。加えて、マイクロLED構造の基板は最終的なマルチカラーデバイスに残らず、したがって、クロストーク及びミスマッチを低減することができる。
【0016】
[0016] 加えて、各LED発光層はPN接合であるため、幾つかの実施形態では、積層構造における各LED発光層内のP型領域及びN型領域の相対位置、例えば上位置及び上位置は一貫しない。これにより、マルチカラーLED構造内の電極接続の柔軟性及び効率が可能になる。
【0017】
[0017] 幾つかの実施形態では、ディスプレイパネルのマルチカラー発光ダイオード(LED)ピクセルデバイスは、下部における基板と、基板の上方に1つのみの第1の発光層を有する、第1の色を発するように構成された第1のLED構造と、第1のLED構造の上の第2のLED構造であって、第2のLED構造は、第2の色を発するように構成され、第1の発光層及び第2の発光層を有し、第2の発光層は第1の発光層の上方にある、第2のLED構造とを含む。幾つかの実施形態では、第1の発光層は第2のタイプの層及び第1のタイプの層を含み、第1の発光層の第1のタイプの層は、第1の発光層の第2のタイプの層の上方にあり、第2の発光層は第1のタイプの層及び第2のタイプの層を含み、第2の発光層の第2のタイプの層は、第2の発光層の第1のタイプの層の上方にある。
【0018】
[0018] 幾つかの実施形態では、マルチカラーLEDピクセルデバイスは、第1の発光層、第2の発光層、及び第3の発光層を有する、第3の色を発するように構成された第3のLED構造を更に含む。幾つかの実施形態では、第2の発光層は第1の発光層の上方にあり、第3の発光層は第2の発光層の上方にあり、第3の発光層は第1のタイプの層及び第2のタイプの層を含み、第3の発光層の第2のタイプの層は、第3の発光層の第1のタイプの層の上方にある。
【0019】
[0019] 幾つかの実施形態では、第1、第2、及び第3の発光層の各々は各PN接合を含み、第1のタイプの層の各々はPN接合のそれぞれのP型層であり、第2のタイプの層の各々はPN接合のそれぞれのN型層である。
【0020】
[0020] 幾つかの実施形態では、第1、第2、及び第3の発光層の各々は各PN接合を含み、第1のタイプの層の各々はPN接合のそれぞれのN型層であり、第2のタイプの層の各々はPN接合のそれぞれのP型層である。
【0021】
[0021] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、基板はIC基板であり、マルチカラーLEDピクセルデバイスは、IC基板上に形成され、第1のLED構造における第1の発光層の第1のタイプの層は、IC基板を第1の電極と電気的に接続し、第2のLED構造における第2の発光層の第1のタイプの層は、IC基板を第2の電極と電気的に接続し、上部透明導電層が、マルチカラーLEDピクセルデバイスを覆い、第1のLED構造の第1の発光層の第2のタイプの層及び第2のLED構造の第2の発光層の第2のタイプの層に接触する。
【0022】
[0022] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、第3のLED構造における第3の発光層の第1のタイプの層は、IC基板を第3の電極と電気的に接続し、上部透明導電層は、第3のLED構造の第3の発光層の第2のタイプの層に接触する。
【0023】
[0023] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、絶縁層が上部透明導電層とマルチカラーLEDピクセルデバイスの表面との間に形成される。
【0024】
[0024] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、第1の接合層がIC基板と第1の発光層との間に形成され、第2の接合層が、第1の発光層と第2の発光層との間に形成される。
【0025】
[0025] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、第3の接合層が、第2の発光層と第3の発光層との間に形成される。
【0026】
[0026] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、誘電層が、第1の接合層と第1の発光層との間に形成される。
【0027】
[0027] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、第2のLED構造における電極は、第1の接合層及び第2の接合層に電気的に接触する。
【0028】
[0028] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、第3のLED構造における電極が、第1の接合層、第2の接合層、及び第3の接合層に電気的に接触する。
【0029】
[0029] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、第2のタイプの層は、第1のLED構造における第1のタイプの層の外部に水平に延びる突起部を有し、開口部が、突起部を覆う絶縁層に形成され、上部透明導電層は突起部上の開口部に堆積する。
【0030】
[0030] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、第1のLED構造における第1の電極の第1の端部は、第1の発光層の第1のタイプの層の上面に接し、第1の電極の第2の端部はIC基板に接し、上部透明導電層は、第1のLED構造における第1の発光層の第2のタイプの層に接し、第2のLED構造における第2の電極の第1の端部は、第2の発光層における第1のタイプの層の下部に接続し、第2の電極の第2の端部はIC基板に接し、第2の電極の側壁は、第2のLED構造における第1の発光層の側壁に接触し、上部透明導電層は、第2の発光層における第2のタイプの層の上面に接する。
【0031】
[0031] マルチカラーLEDピクセルデバイスの幾つかの実施形態では、第3のLED構造における第3の電極の第1の端部は、第3の発光層における第1のタイプの層の下部に電気的に接続し、第3の電極の第2の端部はIC基板に接し、第3の電極の側壁は、第3のLED構造における第2の発光層及び第1の発光層の側壁に接し、上部透明導電層は、第3の発光層における第2のタイプの層の上面に接する。
【0032】
[0032] 幾つかの実施形態では、ディスプレイパネルのマルチカラー発光ダイオード(LED)ピクセルデバイスを作製する方法は、第1の基板を提供することと、第1の基板上に第1のLED発光層を作製することと、第2の基板を提供することと、第2の基板上に第2のLED発光層を作製することと、第1の金属接合層を用いて第1のLED発光層及び第2のLED発光層を一緒に接合することと、第2の基板を除去することと、第3の基板を提供することと、第3の基板上に第3のLED発光層を作製することと、第2の金属接合層を用いて第2のLED発光層及び第3のLED発光層を一緒に接合することと、第1の基板を除去することと、第3の基板を除去することと、第3の金属接合層を用いて第1のLED発光層及び集積回路(IC)を有する第4の基板を一緒に接合することとを含む。
【0033】
[0033] 幾つかの実施形態では、マルチカラーLEDピクセルを作製する方法は、第1の基板を除去した後、第1のLED発光層上に誘電層を作製することを更に含む。幾つかの実施形態では、誘電層の場所は、第1のLED発光層と第3の金属接合層との間である。
【0034】
[0034] 幾つかの実施形態では、マルチカラーLEDピクセルデバイスを作製する方法は、第2のLED発光層及び第3のLED発光層を除去している間、第1のLED発光層を使用して第1のLED構造をパターニングすることと、第3のLED発光層を除去している間、第1のLED発光層及び第2のLED発光層を使用して第2のLED構造をパターニングすることと、第1のLED発光層、第2のLED発光層、及び第3のLED発光層を使用して第3のLED構造をパターニングすることとを更に含む。
【0035】
[0035] 幾つかの実施形態では、マルチカラーLEDピクセルデバイスを作製する方法は、第1の電極を堆積させて、第1のLED発光層の第1のP型領域を第1のLED構造における第4の基板上のICと電気的に接続することと、第2の電極を堆積させて、第2のLED発光層の第2のP型領域を第2のLED構造における第4の基板上のICと電気的に接続することと、第3の電極を堆積させて、第3のLED発光層の第3のP型領域を第3のLED構造における第4の基板上のICと電気的に接続することと、共通電極を堆積させて、第1のLED構造における第1のLED発光層の第1のN型領域、第2のLED構造における第2のLED発光層の第2のN型領域、及び第3のLED構造における第3のLED発光層の第3のN型領域を接地に電気的に接続することとを更に含む。
【0036】
[0036] マルチカラーLEDピクセルデバイスを作製する方法の幾つかの実施形態では、第1のP型領域は、第1のLED発光層の上層にあり、第1のN型領域は、第1のLED発光層の下層にあり、第2のP型領域は、第2のLED発光層の下層にあり、第2のN型領域は、第2のLED発光層の上層にあり、第3のP型領域は、第3のLED発光層の下層にあり、第3のN型領域は、第3のLED発光層の上層にある。
【0037】
[0037] 本明細書に開示されるマルチカラーLEDデバイス及びシステムのコンパクトな設計は、側方に異なる発光層を利用し、それにより、作製ステップの複雑性を下げ、LEDディスプレイシステムの全体の性能対価格比を上げる。さらに、マルチカラーLEDディスプレイシステムの作製は、追加の基板を使用又は保持することなく、LED構造パターンを確実且つ効率的に形成することができる。したがって、マルチカラーLEDディスプレイシステムの実施は、従来のLEDの使用と比較して、AR及びVR、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、モバイルデバイスディスプレイ、ウェアラブルデバイスディスプレイ、高精細小型プロジェクタ、及び自動車ディスプレイの厳しいディスプレイ要件を満たすことができる。
【0038】
[0038] なお、上述した種々の実施形態は、本明細書に記載の任意の他の実施形態と組み合わせることができる。本明細書に記載の特徴及び利点は全てを包含するものではなく、特に、多くの追加の特徴及び利点が、図面、明細書、及び特許請求の範囲に鑑みて当業者に明らかになろう。さらに、本明細書で使用される用語が主に、読みやすさ及び教示目的で選択されており、本発明の趣旨の線引き又は制限のために選択されていないことがあることに留意されたい。
【0039】
図面の簡単な説明
[0039] 本開示を更に詳細に理解することができるように、幾つかを添付図面に示す種々の実施形態の特徴を参照することにより、より具体的な説明を行い得る。しかしながら、添付図面は単に本開示の関連する特徴を示すだけであり、したがって、限定ではなく説明と見なされるべきであり、他の有効な特徴を認め得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】[0040]幾つかの実施形態による三色LEDデバイスの断面図である。
【
図1B】[0041]幾つかの実施形態による二色LEDデバイスの断面図である。
【
図2】[0042]幾つかの実施形態による三色LEDデバイスの上面図を示す。
【
図3A】[0043]幾つかの実施形態による三色LEDデバイスを形成するための多層構造の断面図である。
【
図3B】[0044]幾つかの実施形態による三色LEDデバイスを形成するための多層構造の断面図である。
【
図3C】[0045]幾つかの実施形態による三色LEDデバイスを形成するための多層構造の断面図である。
【
図3D】[0046]幾つかの実施形態による三色LEDデバイスを形成するための多層構造の断面図である。
【
図4】[0047]幾つかの実施形態によるマイクロLEDディスプレイパネルの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
[0048] 一般的な実施によれば、図面に示す種々の特徴は一定の比率で描かれているわけではない。したがって、種々の特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大又は縮小されていることがある。加えて、図面によっては、所与のシステム、方法、又はデバイスの構成要素を全ては示していないものがある。最後に、同様の参照番号は、本明細書及び図全体を通して同様の特徴を示すのに使用し得る。
【0042】
詳細な説明
[0049] 添付図面に示す実施形態例を完全に理解するために、多くの詳細が本明細書に記載される。しかしながら、幾つかの実施形態は、具体的な多くの詳細なしで実施し得、特許請求の範囲は、特許請求の範囲に特に記載される特徴及び態様によってのみ限定される。さらに、本明細書に記載の実施形態の関連する態様を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス、構成要素、及び材料については精緻に詳述していない。
【0043】
[0050] 一般に、少なくとも赤、緑、及び青の色が重ねられて、多様な色を再現する。幾つかの場合、少なくとも赤、緑、及び青の色をピクセルエリア内に含めるために、別個の単色LED構造がピクセルエリア内の異なる非重複ゾーンに作製される。
【0044】
[0051]
図1Aは、幾つかの実施形態による三色LEDデバイス100の断面図である。幾つかの実施形態では、三色LEDデバイス100は、ディスプレイパネルにおけるピクセルエリア内の単一のピクセルデバイスである。幾つかの実施形態では、三色LEDデバイスは3つのLED構造01、02、及び03を含む。各LED構造は、単一のピクセルエリア内のサブピクセルである。幾つかの実施形態では、3つのLED構造は各々、単一の色を発し、例えば、LED構造01は青色光を発し、LED構造02は緑色光を発し、LED構造03は赤色光を発する。幾つかの実施形態では、3つのLED構造によって発せられる色は異なり、別個である。
【0045】
[0052] 幾つかの実施形態では、ディスプレイパネルは、数百万個のピクセル等の複数のピクセルを含み、各ピクセルは三色LEDデバイスを含む。幾つかの実施形態では、LEDデバイスはマイクロLEDであることができる。マイクロLEDは典型的には、50マイクロメートル(μm)以下の側方寸法を有し、10μm未満、さらにはわずか数μmの側方寸法を有することができる。
【0046】
[0053] 幾つかの実施形態では、三色LEDデバイスは基板07を含む。便宜上、「アップ」は基板07から離れることを意味し、「ダウン」は基板07に向かうことを意味し、上、下、上方、下方、下に、下で等の他の方向用語はそれに従って解釈される。支持基板07は、個々の駆動回路06のアレイが上に作製される基板である。幾つかの実施形態では、駆動回路は基板07の上又は微小三色LED構造100の上の層の1つに配置することもできる。各駆動回路はピクセル駆動回路06である。幾つかの場合、ピクセル駆動回路は薄膜トランジスタピクセル駆動回路又はシリコンCMOSピクセル駆動回路である。一実施形態では、基板07はSi基板である。別の実施形態では、支持基板07は透明基板、例えばガラス基板である。他の基板例には、GaAs、GaP、InP、SiC、ZnO、及びサファイア基板がある。駆動回路06は、個々の三色LEDデバイス100の動作を制御する個々のピクセル駆動回路を形成する。基板07上の回路は、個々の各ピクセル駆動回路06への接点を含むとともに、接地接点も含む。各マイクロLED構造01、02、及び03は2つのタイプの接点も有する:各駆動回路06に接続される103、203、及び303等のP電極又はアノード並びに接地(即ち共通電極)に接続される層05等のN電極又はカソード。
【0047】
[0054] 幾つかの実施形態では、駆動回路06、例えばピクセル駆動回路は幾つかのトランジスタ及びキャパシタ(
図1Aに示されず)を含む。トランジスタは、電源に接続された駆動トランジスタと、走査信号バス線に接続されたゲートが構成された制御トランジスタとを含む。キャパシタは、走査信号が他のピクセルを設定している間、駆動トランジスタのゲート電圧を維持する使用されるストレージキャパシタを含む。
【0048】
[0055] 幾つかの特徴は用語「層」を用いて本明細書に記載されるが、そのような特徴は1つの層に限定されず、複数の副層を含み得ることを理解されたい。幾つかの場合、「構造」は「層」の形態をとることができる。
【0049】
[0056] 幾つかの実施形態では、3つのLED構造01、02、及び03は各々、多くとも3つの発光層302、202、及び102を含む。例えば、LED構造01は1つの発光層102を含む。幾つかの実施形態では、金属接合層101が発光層102と基板07及び/又は駆動回路06との間にある。幾つかの実施形態では、任意選択的な誘電層106(
図1Aに示されず)が、金属接合層101と発光層102との間に配置される。
【0050】
[0057] LED構造02は2つの発光層102及び202を含み、発光層202は発光層102の上方にある。幾つかの実施形態では、金属接合層201が発光層102と発光層202との間にある。幾つかの実施形態では、金属接合層101は発光層102と基板07及び/又は駆動回路06との間にある。幾つかの実施形態では、任意選択的な誘電層106(
図1Aに示されず)が金属接合層101と発光層102との間に配置される。
【0051】
[0058] LED構造03は3つの発光層102、202、及び302を含み、発光層302は発光層202の上方にあり、発光層202は発光層102の上方にある。幾つかの実施形態では、金属接合層301が発光層202と発光層302との間にある。幾つかの実施形態では、金属接合層201が発光層102と発光層202との間にある。幾つかの実施形態では、金属接合層101が発光層102と基板07及び/又は駆動回路06との間にある。幾つかの実施形態では、任意選択的な誘電層106(
図1Aに示されず)が金属接合層101と発光層102との間に配置される。
【0052】
[0059] 幾つかの実施形態では、発光層102は青色光を発するように構成される。幾つかの実施形態では、発光層202は緑色光を発するように構成される。幾つかの実施形態では、発光層302は赤色光を発するように構成される。
【0053】
[0060] 幾つかの実施形態では、3つのLED構造01、02、及び03にわたる種々の層が、作製中、同じステップ及び/又は同じプロセスで形成される。例えば、金属接合層101は、3つ全てのLED構造01、02、及び03にわたり同じステップ及び/又は同じプロセスで形成される。例えば、任意選択的な誘電層106(
図1Aに示されず)は、金属接合層101と発光層102との間に、3つ全てのLED構造01、02、及び03にわたって同じステップ及び/又は同じプロセスで形成される。例えば、発光層102は、3つ全てのLED構造01、02、及び03にわたって同じステップ及び/又は同じプロセスで形成される。例えば、金属接合層201は、2つのLED構造02及び03にわたって同じステップ及び/又は同じプロセスで形成される。例えば、発光層202は、2つのLED構造02及び03にわたって同じステップ及び/又は同じプロセスで形成される。
【0054】
[0061] 幾つかの実施形態では、電極103が、成膜又は蒸着を介してLED構造01の側壁に配置され、下部金属接合層101から青色LED発光層102の上部領域又は上層102-1まで延在する。幾つかの実施形態では、電極103はP電極である。幾つかの実施形態では、電極103は、金属接合層101を通して駆動回路06に接続される。幾つかの実施形態では、駆動回路06は、P電極103を制御する集積回路である。幾つかの実施形態では、二酸化ケイ素層等の絶縁層04が、LED構造01の表面及び側壁に成膜又は堆積する。幾つかの実施形態では、絶縁層04は電極103の周囲にも延在して、電極103が、金属接合層101及び青色LED発光層102の上部領域又は上層102-1以外のLED構造01における他の特徴又は層(
図1Aに示されず)に触れないようにする。幾つかの実施形態では、酸化インジウムスズ(ITO)層等の透明導電層05が絶縁層04の上部に成膜される。透明導電層05は、N電極又は共通電極として、絶縁層04にエッチングされた開口部104を通して青色LED発光層102の下部領域又は下層に接続する。幾つかの実施形態では、
図1Aに示すように、発光層102の下部領域又は下層は、同じ発光層102の上部領域又は上層102-1よりも長い水平寸法を有する突出領域102-2を有する。突出部102-2は透明導電層05に接続する。LED構造03は、青色LED発光層102から光を発する。
【0055】
[0062] 幾つかの実施形態では、電極203が、成膜又は蒸着を介してLED構造02の側壁に配置され、下部金属接合層101から金属接合層201まで延在する。幾つかの実施形態では、
図1Aに示すように、電極203は金属接合層201の上部に接続する。電極203は、青色LED発光層102等の、2つの金属接合層101と201との間にあるLED発光層を短絡させる。幾つかの実施形態では、電極203は、金属接合層201を通して発光層202の下部領域又は下層に接続するP電極である。幾つかの実施形態では、電極203は、金属接合層101を通して駆動回路06に接続される。幾つかの実施形態では、駆動回路06は、P電極203を制御する集積回路である。幾つかの実施形態では、二酸化ケイ素等の絶縁層04が、LED構造02の表面及び側壁に成膜又は堆積する。幾つかの実施形態では、酸化インジウムスズ(ITO)層等の透明導電層05が絶縁層04の上部に成膜される。透明導電層05は、N電極又は共通電極として、絶縁層04にエッチングされた開口部204を通して緑色LED発光層202の上部領域又は上層に接続する。青色LED発光層102はLED構造02において短絡するため、光はLED発光層102から発せられず、LED構造02は緑色LED発光層202から光を発する。
【0056】
[0063] 幾つかの実施形態では、電極303が、成膜又は蒸着を介してLED構造03の側壁に配置され、
図1Aに示すように、下部金属接合層101から上部金属接合層301まで延在する。幾つかの実施形態では、電極303は金属接合層301の上部に接続する。幾つかの実施形態では、電極303は、青色LED発光層102、緑色LED発光層202、及び金属接合層201等の、2つの金属接合層101と301との間のLED発光層及び金属接合層と電気的に接触する。幾つかの実施形態では、電極303は、青色LED発光層102、緑色LED発光層202、及び金属接合層201等の、2つの金属接合層101と301との間のLED発光層及び金属接合層を短絡させる。幾つかの実施形態では、電極303は、金属接合層301を通して発光層302の下部領域又は下層に接続するP電極である。幾つかの実施形態では、電極303は金属接合層101を通して駆動回路06に接続される。幾つかの実施形態では、駆動回路06は、P電極303を制御する集積回路である。幾つかの実施形態では、二酸化ケイ素層等の絶縁層04が、LED構造03の表面及び側壁に成膜又は堆積する。幾つかの実施形態では、酸化インジウムスズ(ITO)層等の透明導電層05は絶縁層04の上部に成膜される。透明導電層05は、N電極又は共通電極として、絶縁層04にエッチングされた開口部304を通して赤色LED発光層302の上部領域又は上層に接続する。青色LED発光層102及び緑色LED発光層202はLED構造03において短絡するため、光は青色LED発光層102及び緑色LED発光層202から発せられず、LED構造03は光を赤色LED発光層302から発する。
【0057】
[0064] 幾つかの実施形態では、102、202、及び302等のLED発光層は、異なる組成を有する多くのエピタキシャルサブ層を含む。LED発光層の例には、III-V族窒化物、III-V族ヒ化物、III-V族リン化物、及びIII-V族アンチモン化物エピタキシャル構造がある。LED発光層の例には、GaN系UV/青/緑色発光層、AlInGaP系赤/橙色発光層、及びGaAs又はInP系赤外線(IR)発光層がある。
【0058】
[0065] 幾つかの実施形態では、各LED構造01、02、及び03は個々に制御されて、個々の光を生成することができる。幾つかの実施形態では、三色LEDデバイス100における全てのLED構造01、02、及び03の動作から生じる三色LEDデバイス100からの結合光は、小さなフットプリント内のディスプレイパネル上の単一ピクセルの色を変更することができる。
【0059】
[0066] 幾つかの実施形態では、三色LEDデバイス100の設計に応じて、同じデバイスに含まれるLED構造の発色は、赤、緑、及び青に限定されない。例えば、適した色は、可視色範囲の380nmから700nmの波長の異なる色の範囲から選択することができる。幾つかの実施形態では、紫外線及び赤外線等の不可視範囲からの他の色を発するLED構造を実施することができる。例えば、三色LED発光層の選択は下から上に青、緑、及び赤であることができる。別の実施形態では、三色の選択は下から上に紫外線、橙、及び赤外線であることができる。幾つかの実施形態では、LED発光層の他の構成も可能であり、下から上に堆積する発光層の色の順序も、赤、緑、及び青、又は赤外線、橙、及び紫外線、又は任意の他の組合せ等の組合せに変更することができる。幾つかの実施形態では、102、202、及び302等の特定のLED発光層の色は、LEDデバイス100の設計及び機能に適した任意の色を発するように選択することができる。
【0060】
[0067] 幾つかの実施形態では、発光層102は、金属接合層101を通して基板07に接合される。幾つかの実施形態では、発光層202は、金属接合層201を通して発光層102に接合される。幾つかの実施形態では、発光層302は、金属接合層301を通して発光層202に接合される。幾つかの実施形態では、各金属接合層101、201、及び301は、各金属接合層の真上の102、202、及び302等のLED発光層から発せられた光を反射する反射器として使用することもできる。幾つかの実施形態では、金属接合層101、201、又は301は透明金属接合層であることができる。
【0061】
[0068] 幾つかの実施形態では、発光効率を改善するために、任意選択的な反射層(
図1Aに示されず)がLED発光層間に形成される。
【0062】
[0069]
図1Bは、幾つかの実施形態による二色LEDデバイス200の断面図である。幾つかの実施形態では、マルチカラーLEDデバイスは、
図1Aに示し説明するように、2つのみのLED構造01及び02(
図1Bに含まれる)を含む。単一ピクセル二色LEDデバイス内の作製プロセスで形成される2つの発光層がある。
【0063】
[0070] 幾つかの実施形態では、マルチカラーLEDデバイスは、ピクセルエリア内に4、5、及び6つのLED構造等の4つ以上のLED構造を含み得る。作製プロセスで形成される発光層の数は、単一ピクセルマルチカラーLEDデバイス内のLED構造の数と同じである。例えば、単一ピクセルマルチカラーLEDデバイス内に4つのLED構造がある場合、作製プロセス中、必要とされる発光層の数も4である。
【0064】
[0071]
図2は、幾つかの実施形態による、
図1Aに示す三色LEDデバイス100の上面図を示す。
図1Aに示すように、三色LEDデバイスは、3つのLED構造01、02、及び03を支持基板07上に含む。
図1Aで説明されるように、LED構造01は青色LED光を発し、LED構造02は緑色LED光を発し、LED構造03は赤色LED光を発する。幾つかの実施形態では、各LED構造01、02、及び03は矩形を有する。幾つかの実施形態では、LED構造は、円形、楕円形、正方形、平行四辺形、三角形、台形、多角形等の他のタイプの形状をとることもできる。幾つかの実施形態では、3つのLED構造の形状は異なることができる。幾つかの実施形態では、各LED構造01、02、及び03の面積は異なり、例えば、3つのLED構造の中で青色LED構造01の面積は最大であり、緑色LED構造02の面積は最小である。幾つかの実施形態では、LED構造の面積は同じである。
【0065】
[0072]
図3Aは、幾つかの実施形態による三色LEDデバイス(
図1A及び
図2に100として示されるように)を形成するための多層構造310の断面図である。より具体的には、
図3Aは、三色LEDデバイスの多層の作製プロセスを示す。
【0066】
[0073]
図3Aは、LED発光層102を支持する基板105を示す。幾つかの実施形態では、基板105はサファイアからなる。幾つかの実施形態では、LED発光層102は基板105上に成長する。幾つかの実施形態では、LED発光層102は基板105上のエピタキシャル層である。幾つかの実施形態では、LED発光層102は青色マイクロLEDを形成するためのものである。幾つかの実施形態では、LED発光層102はGaN系青色発光層を含む。青色LEDエピタキシャル層の例には、III-V族窒化物、III-V族ヒ化物、III-V族リン化物、及びIII-V族アンチモン化物エピタキシャル構造がある。幾つかの場合、青色LED発光層102内の薄膜は、P型GaN/InGaN発光層/N型GaNの層を含むことができる。幾つかの実施形態では、P型は一般にMgドープされ、N型は一般にSiドープされる。幾つかの例では、LED発光層102の厚さは約0.3μmから約5μmである。
【0067】
[0074]
図3Aは、LED発光層202を支持する別個の基板205も示す。幾つかの実施形態では、基板205はサファイアからなる。幾つかの実施形態では、LED発光層202は基板205上に成長する。幾つかの実施形態では、LED発光層202は基板205上のエピタキシャル層である。幾つかの実施形態では、LED発光層202は緑色マイクロLEDを形成するためのものである。幾つかの実施形態では、LED発光層202はGaN系緑色発光層を含む。緑色LEDエピタキシャル層の例には、III-V族窒化物、III-V族ヒ化物、III-V族リン化物、及びIII-V族アンチモン化物エピタキシャル構造がある。幾つかの場合、緑色LED発光層202内の薄膜は、P型GaN/InGaN発光層/N型GaNの層を含むことができる。幾つかの実施形態では、P型は一般にMgドープされ、N型は一般にSiドープされる。幾つかの例では、LED発光層202の厚さは約0.3μmから約5μmである。
【0068】
[0075] 幾つかの実施形態では、金属接合層201がLED発光層102及び202を一緒に接合する。一手法では、金属接合層201はLED発光層102及び/又は202上に成長する。金属接合層201は、金属接合層に加えてオーミック接触層を含み得る。幾つかの実施形態では、金属接合層201の厚さは約0.1μmから約3μmである。幾つかの場合、2つの金属層が金属接合層201に含まれる。金属層の1つは発光層102上に堆積する。相手方の金属接合層が発光層202上に堆積もする。幾つかの実施形態では、金属接合層201の組成は、Au-Au接合、Au-Sn接合、Au-In接合、Ti-Ti接合、Cu-Cu接合、又はそれらの混合を含む。例えば、Au-Au接合が選択される場合、Auの2つの層はそれぞれ、接着層としてCr被膜及び拡散防止層としてPt被膜を必要とする。そしてPt被膜はAu層とCr層との間にある。Cr層及びPt層は、2つの接合されたAu層の上部及び下部に位置決めされる。幾つかの実施形態では、2つのAu層の厚さが概ね同じである場合、高圧且つ高温下で、両層上のAuの相互拡散は2層を一緒に接合する。共晶接合、熱圧縮接合、及び遷移液相(TLP)接合は、使用し得る技法例である。
【0069】
[0076] 一般に、LED発光層は、p型領域/層及びn型領域/層を有するPN接合と、p型領域/層とn型領域/層との間の活性層とを含む。幾つかの実施形態では、LED発光層102のp型領域/層は金属接合層201に近く、LED発光層102のn型領域/層は基板105に近い。幾つかの実施形態では、LED発光層202のp型領域/層は金属接合層201に近く、LED発光層202のn型領域/層は基板205に近い。
【0070】
[0077] 幾つかの実施形態では、接合後、基板205は次いで、例えばレーザリフトオフプロセス又は化学ウェットエッチングによって除去されて、基板105、発光層102、金属接合層201、及び発光層202を含む構造を残す。
【0071】
[0078]
図3Bは、幾つかの実施形態による三色LEDデバイス(
図1A及び
図2において100として示されるように)を形成するための多層構造320の断面図である。より具体的には、
図3Bは、三色LEDデバイスの複数の層の作製プロセスを示す。
【0072】
[0079]
図3Bは、LED発光層302を支持する基板305を示す。幾つかの実施形態では、基板305はガリウムヒ素(GaAs)からなる。幾つかの実施形態では、LED発光層302は基板305上に成長する。幾つかの実施形態では、LED発光層302は基板305上のエピタキシャル層である。幾つかの実施形態では、LED発光層302は赤色マイクロLEDを形成するためのものである。幾つかの実施形態では、LED発光層302は赤色発光層を含む。赤色LEDエピタキシャル層の例には、III-V族窒化物、III-V族ヒ化物、III-V族リン化物、及びIII-V族アンチモン化物エピタキシャル構造がある。幾つかの場合、赤色LED発光層302内の薄膜は、P型GaP/P型AlGaInP発光層/AlGaInP/N型AlGaInP/N型GaAsの層を含むことができる。幾つかの実施形態では、P型は一般にMgドープされ、N型は一般にSiドープされる。幾つかの例では、LED発光層305の厚さは約0.3μmから約5μmである。
【0073】
[0080] 幾つかの実施形態では、金属接合層301がLED発光層202及び302を一緒に接合する。一手法では、金属接合層301はLED発光層302及び/又は202上に成長する。金属接合層301は、金属接合層に加えてオーミック接触層を含み得る。幾つかの実施形態では、金属接合層301の厚さは約0.1μmから約3μmである。幾つかの場合、2つの金属層が金属接合層301に含まれる。金属層の1つは発光層302上に堆積する。相手方の金属接合層が発光層202上に堆積もする。幾つかの実施形態では、金属接合層202の組成は、Au-Au接合、Au-Sn接合、Au-In接合、Ti-Ti接合、Cu-Cu接合、又はそれらの混合を含む。例えば、Au-Au接合が選択される場合、Auの2つの層は各々、接着層としてCr被膜及び抗拡散層としてPt被膜を必要とする。そしてPt被膜はAu層とCr層との間にある。Cr層及びPt層は、2つの接合されたAu層の上部及び下部に位置決めされる。幾つかの実施形態では、2つのAu層の厚さが概ね同じである場合、高圧及び高温下で、両層上のAuの相互拡散が2つの層を一緒に接合する。共晶接合、熱圧着、及び遷移液相(TLP)接合は、使用し得る技法の例である。
【0074】
[0081] 一般に、LED発光層はPN接合からなる。幾つかの実施形態では、LED発光層302のp型領域/層は金属接合層301に近く、LED発光層302のn型領域/層は基板305に近い。
【0075】
[0082] 幾つかの実施形態では、接合後、基板105は次いで、例えばレーザリフトオフプロセス又は化学ウェットエッチングによって除去されて、基板305、発光層302、金属接合層301、発光層202、金属接合層201、及び発光層102を含む構造を残す。
【0076】
[0083]
図3Cは、幾つかの実施形態による三色LEDデバイス(
図1A及び
図2において100として示されるように)を形成するための多層構造330の断面図である。より具体的には、
図3Cは、三色LEDデバイスの複数の層の作製プロセスを示す。
【0077】
[0084] 幾つかの実施形態では、更なる接合前、誘電層106が発光層102上に成膜される。幾つかの実施形態では、誘電層106はSiO2層を含む。
【0078】
[0085]
図3Dは、幾つかの実施形態による三色LEDデバイス(
図1A及び
図2において100として示されるように)を形成するための多層構造340の断面図である。より具体的には、
図3Dは、三色LEDデバイスの複数の層の作製プロセスを示す。
【0079】
[0086] 幾つかの実施形態では、例えば
図3Dにおいて上述したように、下から上への発光層102内の層の順序はN(下部)そしてP(上部)であることができ、発光層202内の層の順序はP(下部)そしてN(上部)であることができ、発光層内の層の順序P(下部)そしてN(上部)であることができる。
【0080】
[0087] 幾つかの実施形態では、金属接合層101がLED発光層102(任意選択的な誘電層106が存在しない場合)と、ピクセル駆動回路06を含む集積回路を有する基板(
図1Aに示されるように)とを一緒に接合する。幾つかの実施形態では、基板07はケイ素を含む。幾つかの実施形態では、金属接合層101が、LED発光層102の表面上にある誘電層106とピクセル駆動回路06を含む集積回路を有する基板(
図1Aに示されるように)とを一緒に接合する。一手法では、金属接合層101は、基板07及び/又はLED発光層102(任意選択的な誘電層106が存在しない場合)上に成長する。別の手法では、金属接合層101は基板07及び/又はLED発光層102の表面上にある誘電層106上に成長する。金属接合層101は、金属接合層に加えてオーミック接触層を含み得る。幾つかの実施形態では、金属接合層101の厚さは約0.1μmから約3μmである。幾つかの場合、2つの金属層が金属接合層101に含まれる。金属層の1つは発光層102上に堆積し(任意選択的な誘電層106が存在しない場合)、又はLED発光層102の表面上にある誘電層106上に堆積する。相手方の金属接合層が基板07上に堆積もする。幾つかの実施形態では、金属接合層101の組成は、Au-Au接合、Au-Sn接合、Au-In接合、Ti-Ti接合、Cu-Cu接合、又はそれらの混合を含む。例えば、Au-Au接合が選択される場合、Auの2つの層はそれぞれ、接着層としてCr被膜及び拡散防止層としてPt被膜を必要とする。そしてPt被膜はAu層とCr層との間にある。Cr層及びPt層は、2つの接合されたAu層の上部及び下部に位置決めされる。幾つかの実施形態では、2つのAu層の厚さが概ね同じである場合、高圧且つ高温下で、両層上のAuの相互拡散は2層を一緒に接合する。共晶接合、熱圧縮接合、及び遷移液相(TLP)接合は、使用し得る技法例である。
【0081】
[0088] 幾つかの実施形態では、誘電層106は絶縁層として使用することができる。幾つかの実施形態では、LED発光層102のn型領域/層が金属接合層101に近い場合、誘電層106は、LED発光層102のn型領域/層を金属接合層101から電気的に絶縁することができる。
【0082】
[0089] 幾つかの実施形態では、誘電層106は反射層として使用することができる。反射層106は、接合後、金属接合層101と発光層102との間にある。幾つかの場合、反射層106の厚さは約0.1μmから約5μmである。幾つかの実施形態では、反射層106は分布ブラッグ反射器(DBR)構造を含む。例えば、反射層106は、様々な屈折率を有する交互又は異なる材料の複数の層から形成される。幾つかの場合、DBR構造の各層境界は、光波の部分反射を生じさせる。反射層106は、いくらかの選択された波長、例えば青色光を反射するのに使用することができる。幾つかの実施形態では、反射層106はSiO2及びTi3O5の複数の層から作られる。SiO2及びTi3O5の各層の厚さ及び数を変えることにより、異なる波長の光の選択的反射又は透過を形成することができる。幾つかの実施形態では、赤色光LEDの反射層106は、Au又は/及びインジウムスズ酸化物(ITO)の複数の層を含む。
【0083】
[0090] 幾つかの実施形態では、接合後、基板305は次いで、例えばレーザリフトオフプロセス又は化学ウェットエッチングによって除去されて、下から上に基板07、金属接合層101、任意選択的な絶縁層/反射層106、発光層102、金属接合層201、発光層202、金属接合層301、そして発光層302を含む構造を残す。
【0084】
[0091] 幾つかの実施形態では、先に示したように、デバイス作製プロセスにおいて、3つのLED発光層が積層構造で形成され、例えば、緑色LED発光層202は青色LED発光層102の上部にあり、青色LED発光層302は緑色発光層202の上部にある。幾つかの実施形態では、種々の接合層101、201、及び301は基板07とLED発光層102との間、LED発光層102と202との間、及びLED発光層202と302との間にそれぞれ配置される。
【0085】
[0092]
図1Aに示すように3つのLED構造01、02、及び03を形成するために、
図3Dから形成された構造340(基板305を除去した後)は更にパターニングされる。例えば、追加のマスク層及び異なるエッチングステップを適用して、
図1Aの3つのLED構造01、02、及び03をパターニングすることができる。幾つかの実施形態では、LED構造01を得るために、金属接合層201、発光層202、金属接合層301、及び発光層302はLED構造01内で除去される。幾つかの実施形態では、LED構造02を得るために、金属接合層301及び発光層302はLED構造02内で除去される。幾つかの実施形態では、金属接合層101、任意選択的な絶縁層/反射層106、発光層102、金属接合層201、発光層202、金属接合層301、及び発光層302を含む全ての層が、LED構造01、02、及び03外部の空間から除去される。
【0086】
[0093] 幾つかの実施形態では、
図1Aに説明されるように、電極103、203、及び303はLED構造01、02、及び03上にそれぞれ形成される。幾つかの実施形態では、電極103、203、及び303は発光層102、202、及び302のp型層にそれぞれ電気的に接続する。次いで二酸化ケイ素等の絶縁層04が、
図1Aに説明されるようにLED構造01、02、及び03上に形成される。幾つかの実施形態では、絶縁層04はまた、LED構造01、02、及び03(
図1Aに示されず)間の空間又はギャップに形成される。幾つかの実施形態では、
図1Aに説明されるように、開口部104が絶縁層04に形成されて、発光層102の下部N型層102-2の表面を露出する。幾つかの実施形態では、
図1Aに説明されるように、開口部204が絶縁層04に形成されて、発光層202の上層(N型層)を露出する。幾つかの実施形態では、
図1Aに説明されるように、開口部304が絶縁層04に形成されて、発光層302の上面(N型層)を露出する。幾つかの実施形態では、ITO層05がマルチカラーLEDデバイス100の全面にわたって形成され、開口部104、204、及び304を通して発光層102、202、及び302のN型層にそれぞれ接続する。
【0087】
[0094] 幾つかの実施形態では、各LED発光層内の全てのP型層(又は領域)及びN型層(又は領域)の場所又は位置は、相互交換することができる。例えば
図3Dでは、下から上に、発光層102内の層の順序はP(下部)そしてN(上部)であることができ、発光層202内の層の順序はN(下部)そしてP(上部)であることができ、発光層内の層の順序はN(下部)そしてP(上部)であることができる(
図3Dに示されず)。
【0088】
[0095]
図1~
図3において本明細書に開示される三色LEDデバイス100を形成するために実施される方法及びプロセスは、異なる色のLED構造を形成する作製ステップを大幅に簡素化する。3つ全ての発光層は接合によって積層構造として一緒に形成されるため、特定の色の各発光層は、複数の層を1つずつ重ねて堆積させる複雑なステップを導入せずに個々に製造することができる。加えて、形成される全ての層は、作製ステップ中、異なるLED構造にわたって共有することができ、したがって、特定の色のLED構造は、最小のパターニングステップ及びエッチングステップで同じベース層から形成することができる。本方法及び本プロセスは、マルチカラーマイクロLEDデバイスを形成するに当たり作製効率を改善するとともに、中間ステップ及び材料を低減することによってコストを削減する。
【0089】
[0096] 幾つかの実施形態では、
図1Bに示すように二色LEDデバイス200を形成するために、作製ステップは三色LEDデバイスを形成するものと略同じであるが、発光層302並びにそれに関連する金属接合層301及び基板305を形成するステップは必要ない。
【0090】
[0097] 層の寸法(例えば各層の幅、長さ、高さ、及び断面積)、電極の寸法、2つ以上のLED構造、2つ以上の発光層、接合層、反射層、及び導電層のサイズ、形状、間隔、及び配置、集積回路間の構成、ピクセル駆動回路、並びに電気接続等のマルチカラーLEDデバイスの種々の設計態様は、所望のLED特性を得るように選択される(例えば費用関数又は性能関数を使用して最適化される)。上記設計態様に基づいて変わるLED特性には、例えば、サイズ、材料、費用、作製効率、発光効率、消費電力、指向性、光度、光束、色、スペクトル、及び空間放射パターンがある。
【0091】
[0098] 更なる実施形態は、種々の実施形態で組み合わせられ、又は他の方法で再配置された
図1A、
図1B、
図2、
図3A~3Dの実施形態を含む上記実施形態の種々のサブセットも含む。
【0092】
[0099]
図4は、幾つかの実施形態による微小LEDディスプレイパネル400の上面図である。ディスプレイパネル400は、データインターフェース410、制御モジュール420、及びピクセル領域450を含む。データインターフェース410は、表示する画像を定義するデータを受信する。このデータのソース及びフォーマットは用途に応じて様々である。制御モジュール420は、入力データを受信し、ディスプレイパネルのピクセルを駆動するのに適した形態に変換する。制御モジュール420は、受信したフォーマットをピクセル領域450に適切なフォーマットに変換するデジタル論理及び/又は状態機械、シフトレジスタ又はデータを記憶、転送する他のタイプのバッファ及びメモリ、デジタル/アナログ変換器及びレベルシフタ、及びクロック回路を含む走査コントローラを含み得る。
【0093】
[00100] ピクセル領域450はピクセルのアレイを含む。ピクセルは、例えば上述したようにピクセル駆動回路と統合された三色LED434等の微小LEDを含む。この例では、ディスプレイパネル400はカラーRGBディスプレイパネルである。赤、緑、及び青のピクセルを含む。各ピクセル内で、三色LED434はピクセル駆動回路によって制御される。ピクセルは、先に示した実施形態によれば、供給電圧(図示せず)及び接地パッド436を介して接地と連絡するとともに、制御信号にも連絡する。
図4に示さないが、三色LED434のp電極及び駆動トランジスタの出力はLED434内に位置決めされ、
図1A及び1Bの金属接合層101等の金属接合層を介して電気的に接続される。LED電流駆動信号接続(LEDのp電極とピクセル駆動回路の出力との間)、接地接続(n電極とシステム接地との間)、供給電圧Vdd接続(ピクセル駆動回路のソースとシステムVddとの間)、及びピクセル駆動回路のゲートへの制御信号接続は、種々の実施形態によりなされる。
【0094】
[00101]
図4は代表的な図にすぎない。他の設計も明らかであろう。例えば、色は赤、緑、及び青である必要はない。列又は縞に配置される必要もない。一例として、
図4に示すピクセルの正方形行列の配置から離れて、ピクセルの六角形行列の配置を使用して、ディスプレイパネル400を形成することもできる。
【0095】
[00102] 幾つかの用途では、ピクセルの完全にプログラマブルな矩形アレイは必要ない。本明細書に記載のデバイス構造を使用して、多種多様な形状及びディスプレイを有する他の設計のディスプレイパネルを形成することもできる。一クラスの例は、看板及び自動車を含む特殊用途である。例えば、複数のピクセルを星又は螺旋の形状に配置して、ディスプレイパネルを形成し得、LEDをオンオフすることによりディスプレイパネル上に異なるパターンを生成することができる。別の特殊な例は、自動車のヘッドライト及びスマート照明であり、これらでは特定のピクセルが一緒にグループ化されて、種々の照明形状を形成し、LEDの各グループは、個々のピクセル駆動回路によってオンオフ又は他の方法で調節することができる。
【0096】
[00103] 各ピクセル内のデバイスの横方向配置さえも変更することができる。
図1A、1B及び3A~3Dでは、LED及びピクセル駆動回路は垂直に配置され、すなわち、各LEDは対応するピクセル駆動回路の上部に配置される。他の配置も可能である。例えば、ピクセル駆動回路はLEDの「後方」、「前方」、又は「横」に配置することもできる。
【0097】
[00104] 異なるタイプのディスプレイパネルを作製することができる。例えば、ディスプレイパネルの解像度は通常、8×8から3840×2160の範囲であることができる。一般的なディスプレイ解像度には、解像度320×240及びアスペクト比4:3を有するQVGA、解像度1024×768及びアスペクト比4:3を有するXGA、解像度1280×720及びアスペクト比16:9を有するD、解像度1920×3020及びアスペクト比16:9を有するFHD、解像度3840×2160及びアスペクト比16:9を有するUHD、並びに解像度4096×2160を有する4Kがある。サブミクロン以下から10mm超の範囲の広く様々なピクセルサイズが存在することもできる。全体表示領域のサイズも広く様々であることができ、数十μm以下という小さな対角線から数百インチ超と様々である。
【0098】
[00105] 異なる用途は、光学輝度について異なる要件も有する。用途例には、直視型表示画面、ホーム/オフィスプロジェクタ及びスマートフォン、ラップトップ、ウェアラブル電子機器、AR及びVR眼鏡等のポータブル電子機器、並びに網膜投影のライトエンジンがある。消費電力は、網膜プロジェクタの数ミリワットから大型画面屋外ディスプレイ、プロジェクタ、及びスマート自動車ヘッドライトでの数キロワットまで、様々であることができる。フレームレートに関しては、無機LEDの高速応答(ナノ秒)に起因して、フレームレートはKHz、更には低解像度でMHzであることができる。
【0099】
[00106] 更なる実施形態は、種々の実施形態と結合又は他の方法で再構成される
図1A、1B、2、3A~3D及び4の実施形態を含む上記実施形態の種々のサブセットも含む。
【0100】
[00107] 詳述した説明は多くの詳細を含むが、これらは本発明の範囲の限定として解釈されるべきではなく、単に本発明の異なる例及び態様の例示的なとして解釈されるべきである。本発明の範囲が詳細に上述していない他の実施形態を含むことを理解されたい。例えば、上述した手法は、LED以外の機能デバイスのピクセル駆動回路以外の制御回路との統合に適用することもできる。非LEDデバイスの例には、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)、光検出器、微小電子機械システム(MEMS)、シリコンフォトニックデバイス、パワー電子デバイス、及び分布フィードバックレーザ(DFB)がある。例には、有機LED(OLED)デバイスもある。他の制御回路の例には、電流駆動回路、電圧駆動回路、トランスインピーダンス増幅器、及び論理回路がある。
【0101】
[00108] 開示する実施形態の上記説明は、当業者が本明細書に記載の実施形態及びその変形を作成又は使用できるようにするために提供される。これらの実施形態への種々の修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書に定義される一般原理は、本明細書に開示される趣旨の精神又は範囲から逸脱せずに他の実施形態に適用し得る。したがって、本開示は、本明細書に示される実施形態に限定されることは意図されず、以下の特許請求の範囲並びに本明細書に開示される原理及び新規特徴と一貫する最も広い範囲に従うべきである。
【0102】
[00109] 本発明の特徴は、本明細書に提示した任意の特徴を事項するように処理システムをプログラムするのに使用することができる命令が表面/内部に記憶された記憶媒体(メディア)又はコンピュータ可読記憶媒体(メディア)等のコンピュータプログラム製品で、コンピュータプログラム製品を使用して、又はコンピュータプログラム製品の助けを用いて実施することができる。記憶媒体は、限定ではなく、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセス固体状態メモリデバイス等の高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体状態記憶装置等の不揮発性メモリを含み得る。メモリは任意選択的に、CPUからリモートに配置された1つ又は複数の記憶装置を含む。メモリ又は代替的にはメモリ内の不揮発性メモリ装置は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0103】
[00110] 任意の機械可読媒体(メディア)に記憶される場合、本発明の特徴は、処理システムのハードウェアを制御し、処理システムが本発明の結果を利用して他のメカニズムと対話できるようにするために、ソフトウェア及び/又はファームウェアに組み込むことができる。そのようなソフトウェア又はファームウェアは、限定ではなく、アプリケーションコード、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、及び実行環境/コンテナを含み得る。
【0104】
[00111] 用語「第1の」、「第2の」等が、種々の要素の記述に本明細書で使用されていることがあるが、これらの要素がこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するためだけに使用される。
【0105】
[00112] 本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的とし、特許請求の範囲を限定することを意図しない。実施形態の説明及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈により明らかに別段のことが示される場合を除き、複数形も同様に含むことが意図される。用語「及び/又は」が本明細書で使用されるとき、関連する列記された項目の1つ又は複数のありとあらゆる可能な組合せを指し、包含することも理解されよう。用語「含む」及び/又は「含み」が本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されよう。
【0106】
[00113] 本明細書で使用されるとき、用語「場合」は、文脈に応じて、述べられた前提条件が真である「とき」又は真「であると」又は真であるとの「判断に応答して」又は真であるとの「判断に従って」又は真であることの「検出に応答して」を意味するものと解釈し得る。同様に、句「[述べられた前提条件が真であると]判断される場合」又は「[述べられた前提条件が真である]場合」又は「[述べられた前提条件が真である]とき」は、文脈に応じて、述べられた前提条件が真である「と判断されると」又は真であるとの「判断に応答して」又は真であるとの「判断に従って」又は真であると「検出されると」又は真であるとの「検出に応答して」を意味するものと解釈し得る。
【0107】
[00114] 説明を目的とした上記説明は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な論考は、網羅的である、又は開示される厳密な形態に特許請求の範囲を限定する意図はない。上記教示に鑑みて多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、動作及び実際の適用の原理を最良に説明し、それにより、当業者が本発明及び種々の実施形態を最良に利用できるようにするために選ばれ説明された。
【国際調査報告】