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特表2023-520151エアロゾル発生装置用の共振回路を有するカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置用の共振回路を有するカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20230509BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20230509BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022555808
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2021057294
(87)【国際公開番号】W WO2021191156
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】20165039.7
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】クルバ ジェローム クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】クロス デイヴィッド マレー
(72)【発明者】
【氏名】レヴィチ ヴラッド
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC12
4B162AC16
4B162AC22
4B162AC34
4B162AD08
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(200)用のカートリッジ(100)であって、カートリッジ(100)は、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーター(120)と、共振回路(155)とを備え、共振回路(155)は、所定の共振周波数で共振するように構成されていて、所定の共振周波数は、カートリッジ(100)の識別性と関連付けられていて、共振回路(155)は、電気ヒーター(120)と並列に接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のカートリッジであって、
エアロゾル形成基体と、
前記エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターと、
共振回路と、を備え、
前記共振回路が所定の共振周波数で共振するように構成されていて、
前記所定の共振周波数が前記カートリッジの識別性と関連付けられていて、かつ
前記共振回路が前記電気ヒーターと並列に接続されている、カートリッジ。
【請求項2】
前記共振回路がコンデンサおよびインダクタを備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記コンデンサおよびインダクタが直列に接続されている、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記共振回路の前記所定の共振周波数が前記コンデンサの前記キャパシタンスによって決定され、かつ前記所定の共振周波数を、前記コンデンサの前記キャパシタンスを変更することによって変更することができる、請求項2または請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記所定の共振周波数が10kHz~100MHzの範囲内であり、好ましくは100kHz~20MHzの範囲内であり、より好ましくは1MHz~11MHzの範囲内である、請求項1~4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記コンデンサの前記キャパシタンスが0.1nF~10nFの範囲内である、請求項2~5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記共振回路が、並列に配設された複数のコンデンサを備え、かつ前記複数のコンデンサの組み合わされたキャパシタンスが共振を生成するために使用される、請求項2~6のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記共振回路がプリント基板(PCB)上に配設されていて、かつ前記インダクタが導電性トラックとして前記PCB上に直接形成されている、請求項2~7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記共振回路が、前記ヒーターと並列に接続されたコンデンサを備え、かつ前記共振回路が、前記コンデンサの前記キャパシタンスと組み合わせた前記共振回路の寄生インダクタンスを使用して共振を生成するように構成されている、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記所定の共振周波数が100kHz~100MHzの範囲内であり、好ましくは1MHz~50MHzの範囲内である、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記コンデンサの前記キャパシタンスが1nF~300nFの範囲内である、請求項9または請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記共振回路が交流信号源に接続されるように配設されていて、かつ前記所定の共振周波数が前記交流信号の前記周波数と実質的に等しい時に共振するように構成されている、請求項1~11のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項13】
エアロゾル発生装置であって、
請求項1~12のいずれかに記載のカートリッジを受容するように構成されたハウジングであって、前記カートリッジに電気的に接続するための電気的接続を備える、ハウジングと、
前記カートリッジの前記電気ヒーターに電力を供給するための電源と、
前記カートリッジの前記共振回路に交流信号を入力するための交流信号源と、
前記電気ヒーターへの前記電力の供給を制御するように、かつ前記共振回路に供給された前記交流信号の前記周波数を制御可能に変化させるように構成された制御回路と、を備え、
前記制御回路が前記共振回路から出力信号を受信するように配設されていて、かつ
前記制御回路が、
前記出力信号が所定の閾値にいつ到達するかを検出することによって、前記共振回路内で共振がいつ生じるかを決定するように、
共振が生じる前記周波数を決定するように、かつ
前記決定された共振周波数に基づいて前記カートリッジを識別するようにさらに構成されている、エアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記制御回路が所定の期間内に、所定の周波数範囲にわたって、前記交流信号の前記周波数をスイープするように構成されていて、前記所定の期間が5ミリ秒以下である、請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記共振回路に供給された前記交流信号の前記ピーク電圧が2V以下、好ましくは1.5V以下、より好ましくは1V以下である、請求項13または請求項14に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
カートリッジと、エアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記カートリッジが、
エアロゾル形成基体と、
前記エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターと、
所定の共振周波数で共振するように構成された共振回路であって、前記所定の共振周波数が前記カートリッジの識別性と関連付けられていて、かつ前記共振回路が前記電気ヒーターと並列に接続されている、共振回路と、を備え、
前記エアロゾル発生装置が、
前記カートリッジを受容するように構成されたハウジングであって、前記カートリッジに電気的に接続するための電気的接続を備える、ハウジングと、
前記カートリッジの前記電気ヒーターに電力を供給するための電源と、
前記カートリッジの前記共振回路に交流信号を入力するための交流信号源と、
前記電気ヒーターへの前記電力の供給を制御するように、かつ前記共振回路に供給された前記交流信号の前記周波数を制御可能に変化させるように構成された制御回路と、を備え、
前記制御回路が前記共振回路から出力信号を受信するように配設されていて、かつ
前記制御回路が、
前記出力信号が所定の閾値にいつ到達するかを検出することによって、前記共振回路内で共振がいつ生じるかを決定するように、
共振が生じる前記周波数を決定するように、かつ
前記決定された共振周波数に基づいて前記カートリッジを識別するようにさらに構成されている、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル発生装置用のカートリッジに関する。特に本開示は、エアロゾル発生装置用のカートリッジであって、そのエアロゾル発生装置の中で、カートリッジまたはその内容物を識別するために使用されることができる共振回路を備えるカートリッジに関する。本開示はまた、カートリッジとともに使用するエアロゾル発生装置、およびカートリッジと装置の両方を備えるエアロゾル発生システムにも関する。
【背景技術】
【0002】
手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生システムは、装置および取り外し可能なカートリッジを備えるモジュール式構造を有することができる。知られているエアロゾル発生システムにおいて、装置は典型的に、電池および制御電子機器を備え、またカートリッジは、液体エアロゾル形成基体の供給を保持する液体貯蔵部分と電気ヒーターとを備える。ヒーターは典型的に、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分からヒーターに移送する細長い芯の周りに巻かれたワイヤのコイルを備える。電流はワイヤのコイルを通過してヒーターを加熱し、それによって液体エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生することができる。またカートリッジは概して、マウスピースを備え、このマウスピースを通してユーザーはエアロゾルを自身の口の中に引き出してもよい。
【0003】
カートリッジは典型的に交換可能であり、また組成、風味、強度、または他の特性において著しく異なっていてもよい様々なエアロゾル形成基体を含むことができる。ユーザーはカートリッジを自由自在に交換することができる。しかしながら、ある特定のエアロゾル形成基体をエアロゾル化するために、またはある特定のユーザー体験を作るために必要とされる条件は、カートリッジごとに異なる場合がある。特に、特定のカートリッジのために必要とされる加熱プロファイルは、エアロゾル形成基体の特性に依存してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、エアロゾル発生装置が、そのエアロゾル化条件に適宜に適合することができるように、カートリッジを自動的に識別する手段を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施例によると、エアロゾル発生装置用のカートリッジが提供されている。カートリッジはエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターを備えてもよい。カートリッジは共振回路を備えてもよい。共振回路は所定の共振周波数で共振するように構成されてもよい。所定の共振周波数はカートリッジの識別性と関連付けられてもよい。
【0006】
本明細書で使用される「共振回路」という用語は、共振または共振挙動を呈する電気回路を指す。すなわち、この回路は、他の周波数よりも、その共振周波数と呼ばれるある特定の周波数にて、より大きい振幅で自然に振動する。
【0007】
有利なことに、共振回路を所定の共振周波数で共振するように構成することによって、エアロゾル発生装置は、共振が生じる周波数を決定することによって、カートリッジ、またはカートリッジ中に含有されたエアロゾル形成基体を明確に識別することができる。言い換えれば、共振周波数はカートリッジに特有の特徴として働く。異なるカートリッジを区別することを可能にするために、異なるカートリッジに対して異なる所定の共振周波数を使用することができる。カートリッジが識別されると、エアロゾル発生装置はその後、カートリッジ中に含有されたエアロゾル形成基体にとって適切な加熱プロファイルを適用することができる。
【0008】
有利なことに、共振回路は、比較的に少数の安価な電気構成要素から構築することができ、従って共振回路は、メモリチップまたはRFIDタグなどの他の識別方法と比較して、単純かつコスト効果の高いカートリッジ識別方法となる。
【0009】
共振回路を使用してカートリッジを識別するさらなる利点は、共振回路を偽造防止手段として使用することができることである。ユーザーが、共振回路を有しない自身のエアロゾル発生装置に、認定されていないカートリッジを接続しようとした場合、または予想される所定の共振周波数を有しない共振回路が使用される場合、エアロゾル発生装置は、カートリッジを認定されていないものとして、または偽造の可能性のあるものとして識別することができ、またユーザーに警告するか、または装置の動作を遮断することができる場合がある。
【0010】
共振回路は電気ヒーターと並列に接続されてもよい。電気ヒーターと並列に共振回路を接続する利点は、共振回路の受動電気構成要素をヒーターと直列に接続することを回避することによって、加熱中に共振回路のエネルギー損失を低減するのを支援することである。より多くのエネルギーをヒーターに供給することができるように、加熱中に共振回路によるエネルギー消費を最小化することが望ましい。受動部品がヒーターと直列に配設されていた場合、ヒーターに供給された電流はまた、これらの構成要素を通過することになり、結果としてこれらの構成要素において(例えば、寄生素子において)寄生抵抗などのエネルギー損失をもたらす。
【0011】
電気ヒーターと並列に共振回路を接続するさらなる利点は、カートリッジが、ヒーターに電力を供給することと、共振回路に入力信号を提供(および共振回路から出力信号を受信)することとの両方で二つの電気接点しか必要としないことである。共振回路が直列に接続されていた場合、共振回路から出力信号を受信するために、少なくとも一つの余分な接続を必要とすることになる。
【0012】
共振回路は、三つ以下の構成要素を備えてもよい。共振回路は、二つ以下の構成要素を備えてもよい。これは回路の複雑さおよびコストを低減し、また回路のサイズも低減し、すなわち回路は、より少ないプリント基板の面積しか必要としない。
【0013】
共振回路は、コンデンサおよびインダクタを備えてもよい。これは最も単純なタイプの共振回路であり、二つの受動部品のみで実装されることができる。有利なことに、共振回路がヒーターと並列で配設されていて、かつ直流(DC)電圧がヒーターを加熱するためにカートリッジに印加される場合、コンデンサはDC電圧を遮断し、いかなる直流電流も共振回路を通して流れないように、開回路として効果的に働く。その代わりに、直流はヒーターのみを通して流れ、従って加熱中、共振回路内のエネルギー損失は最小化される。
【0014】
インダクタおよびコンデンサを備える共振回路(いわゆるLC回路)の場合、共振は、共振周波数にて交流または振動の入力交流信号を回路が受信する(またはその信号によって回路が駆動される)時に生じる。共振周波数は、誘導性リアクタンスの大きさと容量性リアクタンスの大きさが等しい周波数である。共振回路の共振周波数は、式(1)によって決定されることができる。
(1)
式中、f0は共振周波数、Lはインダクタのインダクタンス、Cはコンデンサのキャパシタンスである。
【0015】
コンデンサおよびインダクタは、直列に接続されてもよい。コンデンサおよびインダクタの直列配設は、ヒーターの両側に並列に接続されてもよい。直列LC回路において、共振は、容量性リアクタンスと誘導性リアクタンスが等しい大きさであるが、位相が逆である時に生じ、これによって二つのリアクタンスは相互に相殺する。従って、コンデンサおよびインダクタの直列配設が共振する時、共振回路のインピーダンスは最小限である。
【0016】
上述の通り、共振回路がヒーターと並列で配設されていて、かつ直流(DC)電圧がヒーターを加熱するためにカートリッジに印加される場合、コンデンサはDC電圧を遮断し、いかなる直流電流も共振回路を通して流れないように、開回路として効果的に働く。従って、インダクタをコンデンサと直列に接続することによって、DC電流はまた、インダクタを通して流れることを防止され、それによってエネルギー損失を低減する。
【0017】
共振回路の所定の共振周波数は、コンデンサのキャパシタンスによって決定されてもよい。この状況において、インダクタのインダクタンスは一定であってもよい。インダクタのインダクタンスは、およそ1マイクロヘンリー(μH)に設定されてもよいものの、所定の共振周波数を達成するために、任意の適切なインダクタンス値を使用してもよい。所定の共振周波数は、コンデンサのキャパシタンスを変更することによって変更されてもよい。コンデンサのキャパシタンスは、異なるキャパシタンス値を有するコンデンサを使用することによって変更されてもよい。有利なことに、これは単に、特定の共振回路の単一の構成要素を変更することを伴うに過ぎない。所定の共振周波数を達成するために適切なキャパシタンス値を有する任意のコンデンサが使用されてもよい。コンデンサのキャパシタンスは、0.1ナノファラド(nF)~10nFの範囲内であってもよい。コンデンサのキャパシタンスは、広範な標準的なコンデンサ値を使用することによって変化してもよい。例えば、0.27nF、0.39nF、0.56nF、0.82nF、1.2nF、1.8nF、2.7nF、3.9nF、5.6nF、および8.2nFのコンデンサ値が使用されてもよい。これらの値は、E12シリーズの標準的なコンデンサ値から取られ、従って容易に入手可能である。
【0018】
別の方法として、共振回路の所定の共振周波数は、インダクタのインダクタンスによって決定されてもよい。共振周波数は、インダクタのインダクタンスを変更することによって変更されてもよい。この状況において、コンデンサのキャパシタンスは一定であってもよい。コンデンサのキャパシタンスは、270ナノファラドに設定されてもよいものの、所定の共振周波数を達成するために、任意の適切なキャパシタンス値を使用してもよい。インダクタのインダクタンスは、異なるインダクタンス値を有するインダクタを使用することによって変化してもよい。有利なことに、これは単に、特定の共振回路の単一の構成要素を変更することを伴うに過ぎない。所定の共振周波数を達成するために適切なインダクタンス値を有する任意のインダクタが使用されてもよい。インダクタのインダクタンスは、0.1ナノヘンリー(nH)~330nHの範囲内であってもよい。例えば、1nH、1.5nH、2.2nH、3.3nH、4.7nH、6.8nH、10nH、15nH、22nH、および33nHのインダクタ値が使用されてもよい。これらの値は、E12シリーズの標準的なインダクタ値から取られ、従って容易に入手可能である。
【0019】
別の方法として、共振回路の所定の共振周波数は、コンデンサのキャパシタンスとインダクタのインダクタンスの両方によって決定されてもよい。所定の共振周波数を達成するために、キャパシタンス値およびインダクタンス値の任意の適切な組み合わせが使用されてもよい。
【0020】
所定の共振周波数は、10キロヘルツ(kHz)~100メガヘルツ(MHz)の範囲内、好ましくは100kHz~20MHzの範囲内、より好ましくは1MHz~11MHzの範囲内であってもよい。比較的に高い共振周波数、例えばメガヘルツ範囲内の周波数を使用する利点は、共振を検出するために必要とされる測定時間を低減することである。発明者らは、高周波数の周波数スイープを低周波数の周波数スイープよりも素早く実施できることを見いだした。MHz範囲の周波数を使用するさらなる利点は、ヒーターと比較して、共振回路を通過する測定信号の比率を増加させることである。交流信号は、共振を検出するためにカートリッジに入力される時、ヒーターと共振回路の間で分割される。DC信号と対照的に、交流信号は共振回路のコンデンサを通過することができる。より低い周波数よりも、より高い周波数にて、より低い比率の信号がヒーターを通って流れることが見いだされている。有利なことに、これは、より低い周波数を使用することと比較して、共振周波数の検出をより簡単にし、またヒーターにおけるエネルギー損失を低減する。
【0021】
共振回路は、並列に配設された複数のコンデンサを備えてもよい。複数のコンデンサの組み合わされたキャパシタンスは、共振を生成するために使用されてもよい。発明者らは、並列に配設された二つ以上のコンデンサを使用して共振回路のコンデンサ部分を実装することが、共振回路の周波数応答の改善を支援することを見いだした。すなわち、並列配設は、共振周波数の検出を支援する特定の入力周波数の共振回路からの信号出力を改善するために役立つ。これは、コンデンサの並列配設が寄生直列抵抗を低減することに役立つためである。
【0022】
共振回路は、プリント基板(PCB)上に配設されてもよい。共振回路は、その独自の別個のPCB上に配設されてもよい。これは、共振回路がカートリッジの別個のモジュール式部品として製造され、スタンドアローン型の識別または偽造防止装置として機能することを可能にする。共振回路を比較的に少ない構成要素を使用して実装することができると仮定すると、より少ないPCB面積しか必要とせず、これによってPCBを手持ち式エアロゾル発生装置のカートリッジ内に簡単に嵌合することができる。
【0023】
インダクタは、導電性トラックとしてPCB上に直接形成されてもよい。これは、PCBの製造中に簡単に作製されることができ、また共振回路のために必要とされる構成要素の数を低減する。別の方法として、インダクタは、PCB上に実装された個別の表面実装型デバイスを備えてもよい。コンデンサもまた、PCB上に実装された個別の表面実装型デバイスを備えてもよい。
【0024】
共振回路は、ヒーターと並列に接続されたコンデンサを備えてもよい。共振回路は、共振を生成するために、共振回路の寄生インダクタンスをコンデンサのキャパシタンスと組み合わせて使用するように構成されてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「寄生インダクタンス」という用語は、構成要素の幾何学的形状、構成要素の材料、または構成要素が回路においてどのように使用されるかなどの数多くの要因からもたらされる可能性がある、すべての「実物の」電子構成要素の不可避のインダクタンス効果を指す。例えば、抵抗器は、抵抗に加えて、寄生インダクタンスを有してもよく、またコンデンサは、キャパシタンスに加えて、寄生インダクタンスを有してもよい。上記の「実物の」という用語は、回路で使用される実際の物理的構成要素を、純粋に理論上で存在し、かつ純粋な抵抗、またはいかなる寄生要素も有しない純粋なキャパシタンスなどの単一の意図された特性を有する理想的な構成要素から区別するために使用される。概して、寄生インダクタンスは望ましくないインダクタンス効果である。さらに、その効果は多くの場合、わずかであり、また多くの用途において無視できる。しかしながら、発明者らは驚くべきことに、ある特定の用途において、寄生インダクタンスが利点になりうることを見いだした。
【0026】
有利なことに、実際のインダクタ構成要素の代わりに共振回路の寄生インダクタンスを使用することによって、共振回路内の構成要素の数を低減することができる。これは回路を単純化し、回路のために必要とされるPCB面積を低減する。
【0027】
寄生インダクタンスはしばしば、実際のインダクタ構成要素のインダクタンスと比較して比較的に小さいため、寄生インダクタンスが生成する共振周波数は概してより高い。所定の共振周波数は、100kHz~100MHzの範囲内であってもよく、好ましくは1MHz~50MHzの範囲内であってもよい。これらの周波数範囲は、実際のインダクタを使用する共振回路を記述する時に上記で考察した同じ利点を有する。
【0028】
共振回路の所定の共振周波数は、コンデンサのキャパシタンスによって決定されてもよい。共振回路の所定の共振周波数は、コンデンサのキャパシタンスを変更することによって変更されてもよい。これは、異なるキャパシタンス値を有するコンデンサを使用することによって達成することができ、かつ特定の共振回路の単一の構成要素を変更することを伴うだけである。所定の共振周波数を達成するために適切なキャパシタンス値を有する任意のコンデンサが使用されてもよい。コンデンサのキャパシタンスは、1ナノファラド(nF)~100nFの範囲内であってもよい。コンデンサのキャパシタンスは、広範な標準的なコンデンサ値を使用することによって変化してもよい。例えば、2.7nF、3.9nF、5.6nF、8.2nF、12nF、18nF、27nF、39nF、56nF、および82nFのコンデンサ値が使用されてもよい。これらの値は、E12シリーズの標準的なコンデンサ値から取られ、従って容易に入手可能である。
【0029】
共振回路は交流信号源に接続されるように配設されてもよく、かつ所定の共振周波数が交流信号の周波数と実質的に等しい時に共振するように構成されている。これは、共振周波数を決定するために、共振回路が入力交流信号を受信する、または入力交流信号によって駆動されることを可能にする。
【0030】
ヒーターは一つ以上の発熱体を備えてもよい。発熱体は任意の適切な形状または幾何学的形状を有してもよい。例えば、発熱体は真っ直ぐであってもよく、またはコイルとして形成されてもよく、またはうねるような、もしくは曲がりくねった形状を有してもよい。発熱体は、加熱ワイヤまたはフィラメント、例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステン、もしくは合金のワイヤを含んでもよい。
【0031】
発熱体は、適切な電気特性を有する任意の材料から形成されてもよい。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。
【0032】
適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。フィラメントは一つ以上の絶縁体で被覆されていてもよい。導電性フィラメント用の好ましい材料はステンレス鋼および黒鉛であり、AISI 304、316、304L、316Lなどの300シリーズのステンレス鋼であることがより好ましい。追加的に、導電性発熱体は上記の材料の組み合わせを含んでもよい。実質的に平坦な発熱体の抵抗の制御を改善するために、材料の組み合わせが使用されてもよい。例えば、固有抵抗が高い材料を、固有抵抗が低い材料と組み合わせてもよい。これは、材料のうちの一つが他の観点、例えば価格、機械加工性、またはその他の物理的および化学的パラメータの観点から、より有益である場合に、有利である場合がある。有利なことに、比抵抗が高いヒーターは、電池エネルギーのより効率的な使用を可能にする。
【0033】
発熱体は流体透過性発熱体であってもよい。流体透過性発熱体は、発熱体の第一の側から第二の側に延びる複数の隙間または開口を備えてもよく、これを通して流体が通ってもよい。
【0034】
発熱体は、単純な製造を可能にするために実質的に平坦な発熱体を備えてもよい。幾何学的に、「実質的に平坦な」発熱体という用語は、実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドの形態である発熱体を指すために使用される。それ故に、実質的に平坦な発熱体は、実質的に三次元でよりも、表面に沿って二次元で延びる。特に、その表面内での二次元の実質的に平坦な発熱体の寸法は、表面に垂直な三次元での寸法の少なくとも5倍である。実質的に平坦な発熱体の例は、二つの実質的に平行な仮想表面間の構造であって、これらの二つの仮想表面間の距離はその表面内の延長よりも実質的に小さい。一部の実施形態において、実質的に平坦な発熱体は平面状である。他の実施形態において、実質的に平坦な発熱体は一つ以上の寸法に沿って湾曲していて、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成する。
【0035】
発熱体は複数の導電性フィラメントを備えてもよい。「フィラメント」という用語は、二つの電気接点の間に配設された電気的な経路を指すために使用される。フィラメントは恣意的に、幾つかの経路またはフィラメントにそれぞれ枝分かれおよび分岐していてもよく、または幾つかの電気的な経路から一つの経路に合流していてもよい。フィラメントは丸型、正方形型、平坦型、または任意の他の形態の断面を有してもよい。フィラメントは、真っ直ぐな様態または湾曲した様態で配設されてもよい。
【0036】
発熱体は、例えば相互に平行に配設されたフィラメントのアレイであってもよい。好ましくは、フィラメントはメッシュを形成してもよい。メッシュは織られていてもよく、または不織であってもよい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。別の方法として、導電性発熱体は、フィラメントのアレイまたはフィラメントの織物から成る。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物はまた、液体を保持するその能力によっても特徴付けられる場合がある。
【0037】
好ましい一実施例において、実質的に平坦な発熱体は、ワイヤメッシュへと形成されたワイヤで構築されてもよい。メッシュは平織の設計を有することが好ましい。発熱体は、メッシュ細片から作製されたワイヤグリルであることが好ましい。
【0038】
導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定する場合があり、隙間は10マイクロメートル~100マイクロメートルの幅を有してもよい。使用時に気化されることになる液体が隙間の中に引き出されるように、フィラメントは隙間の中で毛細管作用を生じさせることが好ましく、発熱体と液体エアロゾル形成基体の間の接触面積を増大する。
【0039】
導電性フィラメントは、60~240フィラメント毎センチメートル(±10パーセント)のサイズのメッシュを形成してもよい。メッシュ密度は、100~140フィラメント毎センチメートル(±10パーセント)であることが好ましい。メッシュ密度は、およそ115フィラメント毎センチメートルであることがより好ましい。隙間の幅は100マイクロメートル~25マイクロメートルであってもよく、80マイクロメートル~70マイクロメートルであることが好ましく、およそ74マイクロメートルであることがより好ましい。メッシュの総面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口面積の割合は、40パーセント~90パーセントであってもよく、85パーセント~80パーセントであることが好ましく、およそ82パーセントであることがより好ましい。
【0040】
導電性フィラメントは8マイクロメートル~100マイクロメートルの直径を有してもよく、10マイクロメートル~50マイクロメートルであることが好ましく、12マイクロメートル~25マイクロメートルであることがより好ましく、およそ16マイクロメートルであることが最も好ましい。フィラメントは丸い断面を有してもよく、または扁平な断面を有してもよい。
【0041】
導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の面積は小さくてもよく、例えば50平方ミリメートル以下であってもよく、25平方ミリメートル以下であることが好ましく、およそ15平方ミリメートルであることがより好ましい。サイズは、発熱体を手持ち式システムの中に組み込むように選ばれる。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物のサイズ設定を50平方ミリメートル以下にすることは、導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物を加熱するのに必要な総電力量を低減する一方で、導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物が液体エアロゾル形成基体に十分に接触していることを依然として確実にする。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物は、例えば長方形であってもよく、また2ミリメートル~10ミリメートルの長さ、および2ミリメートル~10ミリメートルの幅を有してもよい。メッシュは、およそ5ミリメートル×3ミリメートルの寸法を有することが好ましい。
【0042】
フィラメントはワイヤで作製されていることが好ましい。ワイヤは金属で作製されていることがより好ましく、ステンレス鋼で作製されていることが最も好ましい。
【0043】
発熱体の導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、0.3オーム~4オームであってもよい。電気抵抗は0.5オーム以上であることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、0.6オーム~0.8オームであることがより好ましく、約0.68オームであることが最も好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗率は、いずれの導電性接点部分の電気抵抗率よりも少なくとも1桁大きいことが好ましく、また少なくとも2桁大きいことがより好ましい。これは、発熱体に電流を通過させることによって発生した熱が、導電性フィラメントのメッシュまたはアレイに局在化されることを確実にする。システムが電池によって電力供給される場合、発熱体に対する全体抵抗が低いことは有利である。低抵抗で大電流のシステムは、発熱体に高電力を送達することを可能にする。これは、発熱体が導電性フィラメントを望ましい温度に素早く加熱することを可能にする。
【0044】
別の方法として、発熱体は、開口のアレイが中に形成されている加熱プレートを備えてもよい。開口は、例えばエッチングまたは機械加工によって形成されてもよい。プレートは、発熱体に関して上述した材料などの、適切な電気特性を有する任意の材料で形成されてもよい。
【0045】
電気接点部分は、発熱体の対向する両端上に位置付けられてもよい。電気接点部分は、二つの導電性接点パッドを備えてもよい。導電性接点パッドは、発熱体の縁の区域に位置付けられてもよい。好ましくは、少なくとも二つの導電性接点パッドが、発熱体の先端に位置付けられてもよい。導電性接点パッドは、発熱体の導電性フィラメントに直接固定されてもよい。導電性接点パッドは、スズのパッチを備えてもよい。別の方法として、導電性接点パッドは発熱体と一体型であってもよい。
【0046】
カートリッジは、液体貯蔵区画を備えてもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵区画内に保持されている。液体貯蔵区画は、互いに連通する第一の部分および第二の部分を有してもよい。液体貯蔵区画の第一の部分は、液体貯蔵区画の第二の部分に対してヒーターの反対側上にあってもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵区画の第一の部分内に保持されている。
【0047】
有利なことに、貯蔵区画の第一の部分は、貯蔵区画の第二の部分より大きい。カートリッジは、ユーザーがカートリッジ内で発生したエアロゾルを吸入するために、ユーザーがカートリッジを吸う、またはカートリッジで吸い込むことを可能にするように構成されてもよい。使用時に、カートリッジの口側端開口部は典型的に、ヒーターの上方に位置付けられていて、貯蔵区画の第一の部分は、口側端開口部とヒーターの間に位置付けられている。貯蔵区画の第二の部分よりも大きい貯蔵区画の第一の部分を有することは、使用中に重力の影響下で、液体が貯蔵区画の第一の部分から貯蔵区画の第二の部分に、またヒーターに送達されることを確実にする。
【0048】
カートリッジは、ユーザーが引き出すことのできる発生したエアロゾルが通る口側端と、エアロゾル発生装置に接続するように構成された接続端とを有してもよく、ヒーターの第一の側面は口側端に面し、ヒーターの第二の側面は接続端に面する。
【0049】
カートリッジは、空気吸込み口からヒーターの第一の側を通り過ぎ、カートリッジの口側端開口部に至る、囲まれた気流経路または通路を画定してもよい。囲まれた気流通路は、液体貯蔵区画の第一の部分または第二の部分を通過してもよい。一実施形態において、気流経路は液体貯蔵区画の第一の部分と第二の部分の間に延びる。追加的に、気流通路は液体貯蔵区画の第一の部分を通って延びてもよい。例えば、液体貯蔵区画の第一の部分は環状の断面を有してもよく、ヒーターから口側端部分まで液体貯蔵区画の第一の部分を通して延びる気流通路を有する。別の方法として、気流通路は、ヒーターから液体貯蔵区画の第一の部分に隣接する口側端開口部に延びてもよい。
【0050】
カートリッジは、ヒーターの第二の側面と接触している毛細管材料を備えてもよい。毛細管材料は、液体エアロゾル形成基体を重力に逆らってヒーターに送達する。使用時にヒーターに到達するために液体エアロゾル形成基体を重力に逆らって移動することを必要とすることによって、液体の大きい液滴が気流通路に入る可能性が低減する。
【0051】
毛細管材料は、毛細管作用による、材料の一方の端から別の端への液体である材料である。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は、液体エアロゾル形成基体を発熱体に向かって運ぶために概して整列していてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴または管を形成し、これを通して液体エアロゾル形成基体を毛細管作用によって搬送することができる。毛細管材料はヒーター内の隙間または開口の中に延びてもよい。ヒーターは、毛細管作用によって液体エアロゾル形成基体を隙間または開口の中に引き出してもよい。
【0052】
毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によって毛細管媒体を通して液体エアロゾル形成基体を搬送することを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むが、これらに限定されない物理特性を有する。
【0053】
別の方法として、または追加的に、カートリッジは液体エアロゾル形成基体を保持するための保持材料を包含してもよい。保持材料は、貯蔵区画の第一の部分、または貯蔵区画の第二の部分、または貯蔵区画の第一の部分と第二の部分の両方にあってもよい。保持材料は発泡体、海綿体、または繊維の収集物であってもよい。保持材料はポリマーまたはコポリマーで形成されてもよい。一実施形態において、保持材料は紡糸ポリマーである。液体エアロゾル形成基体は使用中に、保持材料の中に放出されてもよい。例えば、液体エアロゾル形成基体はカプセル内に提供されてもよい。
【0054】
カートリッジは有利なことに、液体エアロゾル形成基体を収容する。本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。
【0055】
エアロゾル形成基体は室温にて液体であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体構成成分と固体構成成分の両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0056】
液体エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。
【0057】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有してもよい。
【0058】
カートリッジはハウジングを備えてもよい。ハウジングは、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成されてもよい。ハウジングは、液体貯蔵区画の一方または両方の部分の壁の一部またはすべてを形成してもよい。ハウジングおよび液体貯蔵区画は一体的に形成されてもよい。別の方法として、液体貯蔵区画はハウジングと別個に形成され、ハウジングに組み立てられてもよい。
【0059】
本開示の別の実施例によると、エアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、上述の通りのカートリッジを受容するように構成されたハウジングを備えてもよい。ハウジングは、カートリッジに電気的に接続するための電気的接続を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジの電気ヒーターに電力を供給するための電源をさらに備えてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジの共振回路に交流信号を入力するための交流信号源をさらに備えてもよい。エアロゾル発生装置は、電気ヒーターへの電力の供給を制御するように、かつ共振回路に供給された交流信号の周波数を制御可能に変化させるように構成された制御回路をさらに備えてもよい。制御回路は共振回路から出力信号を受信するように配設されてもよい。制御回路は、出力信号が所定の閾値にいつ到達するかを検出することによって、共振回路内で共振がいつ生じるかを決定するようにさらに構成されてもよい。制御回路は、共振が生じる周波数を決定するようにさらに構成されてもよい。制御回路は、決定された共振周波数に基づいてカートリッジを識別するようにさらに構成されてもよい。
【0060】
有利なことに、エアロゾル発生装置は、上述のカートリッジのうちの一つとともに使用されることができ、またカートリッジ内に含有された特定のエアロゾル形成基体にとって適切なエアロゾル化条件を使用することができるようにカートリッジを識別することができる。さらに、エアロゾル発生装置は有利なことに、予想される共振周波数を装置にもたらさない、非認定のまたは偽造のカートリッジを検出することができる。
【0061】
共振がいつ生じるかを判定するために使用される所定の閾値は、最大または最小の出力信号を含んでもよい。
【0062】
制御回路は、所定の期間内に所定の周波数範囲にわたって交流信号の周波数をスイープするように構成されてもよい。有利なことに、所定の周波数範囲をスイープすることは、周波数範囲内の予想される共振周波数を検出する効果的なやり方であることが見いだされた。エアロゾル発生装置の制御回路は、これを素早くかつ効率的に行うように構成されることができる。交流信号の周波数は、5ミリ秒以下の所定の期間内に所定の周波数範囲にわたってスイープされてもよい。これは、共振周波数およびカートリッジ識別の急速な検出を可能にする。さらに、5ミリ秒の検出時間は、ヒーターに供給されているパルス幅変調電源(例えば10ミリ秒周期および50パーセントの負荷サイクルを有するパルス幅変調電源)の電源オフ部分の間にカートリッジ識別を実行することが可能であるように十分に短い。
【0063】
所定の周波数範囲を連続的にスイープすることの代替として、エアロゾル発生装置の制御回路は、複数の所定の周波数または周波数範囲の周波数帯をモニターして、共振がそれらの周波数にて、または周波数帯内で生じるかどうかを決定するように構成されてもよい。制御回路は、周波数または周波数帯の間で連続的に移動またはホップして、共振周波数、ひいてはカートリッジの識別性を決定するように構成されてもよい。これは有利なことに、共振周波数を決定するのにかかる時間を低減する場合があり、またカートリッジ識別中のエネルギー消費を低減する場合がある。
【0064】
共振回路に供給された交流信号のピーク電圧は、2ボルト(V)以下、好ましくは1.5V以下、より好ましくは1V以下であってもよい。有利なことに、交流信号に対して2V以下のピーク電圧を使用することによって、ヒーターの任意の著しい加熱を回避することができ、従ってエネルギー損失を低減または最小限に保持することができる。
【0065】
制御回路は、マイクロプロセッサを備えてもよい。マイクロプロセッサは、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有する他の電子回路であってもよい。制御回路は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態において、制御回路は、センサー、スイッチ、ディスプレイ要素のいずれかを備えてもよい。電力は装置の起動後、エアロゾル発生要素に連続的に供給されてもよく、または毎回の吸煙ごとなどのように断続的に供給されてもよい。電力は、例えばパルス幅変調(PWM)によって、電流パルスの形態でエアロゾル発生要素に供給されてもよい。電源は電池であってもよい。電池は装置内のリン酸鉄リチウム電池であってもよい。代替として、電源はコンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。
【0066】
制御回路は、共振がいつ生じているかを検出するための共振検出回路を備えてもよい。共振検出回路は、出力信号の値がピーク値または所定の閾値にいつ到達するかを検出するためのピーク検出回路を備えてもよい。本明細書で使用される「ピーク検出回路」という用語は、最大値または最大閾値と最小値または最小閾値の両方を検出することができる回路を指すために使用される。
【0067】
一部の実施例において、制御回路は、制御回路のメモリ内に記憶されたルックアップテーブルに問い合わせるように、かつ決定された共振周波数を、ルックアップテーブル内に記憶された一つ以上の基準共振周波数と比較するように構成されている。
【0068】
言い換えれば、制御回路は、一つ以上の基準共振周波数値を記憶するメモリを備えてもよく、各基準共振周波数値は特定のカートリッジ識別性と関連付けられている。制御回路は、共振回路から測定された決定された共振周波数値を、ルックアップテーブル内に記憶された基準共振周波数値と比較するように構成されている。決定された共振周波数値が、ルックアップテーブル内に記憶された基準共振周波数値と合致する場合、カートリッジ識別性は、合致した基準共振周波数値と関連付けられたカートリッジ識別性であると決定される。
【0069】
当然のことながら、基準周波数値の範囲はルックアップテーブル内に記憶されてもよく、基準共振周波数値の各範囲は特定のカートリッジ識別性と関連付けられてもよい。決定された共振周波数値が共振周波数値の範囲と比較され、決定された共振周波数値が基準共振周波数値の範囲内に収まる時、カートリッジ識別性は、決定された共振周波数値が収まる基準周波数値の範囲と関連付けられたカートリッジ識別性であると決定される。
【0070】
制御回路は、カートリッジの決定された識別性に基づいて、エアロゾル発生装置の電源からカートリッジの電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0071】
一部の実施例において、制御回路は、カートリッジの識別性が認識されない場合、電源から電気ヒーターに電力が供給されるのを防止するように構成されてもよい。言い換えれば、決定された共振周波数が、予想された共振周波数値と等しくない場合、制御回路は、電源から電気ヒーターに電力が供給されるのを防止するように構成されてもよい。基準共振周波数値のルックアップテーブルがコントローラのメモリ内に記憶される実施形態において、制御回路は、決定された共振周波数が記憶された基準共振周波数値のいずれとも合致しない時に、電力が電気ヒーターへと供給されるのを防止するように構成されてもよい。有利なことに、決定された共振周波数が、予想された共振周波数と合致しない時に電力が電気ヒーターに供給されることを防止することは、認定されていないカートリッジがエアロゾル発生装置で使用されるのを防止または抑止する場合がある。
【0072】
一部の実施例において、制御回路は、カートリッジの決定された識別性に基づいて、電源から電気ヒーターに供給される電力を調整するように構成されてもよい。これは、エアロゾル発生装置が、異なるカートリッジ中に含有された異なるエアロゾル形成基体を異なる温度に加熱することを可能にする場合がある。
【0073】
有利なことに、決定されたカートリッジ識別性に基づいて電気ヒーターに供給された電力を調整するように制御回路を構成することは、異なるエアロゾル形成基体を含有する異なるタイプのカートリッジとともにエアロゾル発生装置を使用することを可能にする場合がある。異なるエアロゾル形成基体は、所望の特性を有するエアロゾルを達成するために異なる温度に加熱することを必要とする場合があるため、決定されたカートリッジ識別性に基づいてヒーターに供給された電力を調整することは、異なるエアロゾル形成基体を含有する異なるカートリッジから最適なエアロゾルを発生するようにエアロゾル発生装置が構成されることを確実にする場合がある。
【0074】
一部の実施例において、制御回路は、第一のカートリッジの識別性が決定されている時に、第一の電力を電気ヒーターに供給するように構成されてもよく、制御回路は、第一のカートリッジの識別性と異なる第二のカートリッジの識別性が決定されている時に、第一の電力と異なる第二の電力を電気ヒーターに供給するようにさらに構成されてもよい。
【0075】
電源はDC電源であってもよい。電源は電池であってもよい。電池は、リチウム系の電池、例えばリチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池であってもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池であってもよい。電源はコンデンサなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電可能であってもよく、数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、一回以上のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分間の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または霧化組立品の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0076】
エアロゾル発生装置はハウジングを備えてもよい。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0077】
本開示中の別の実施例によると、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは、上述のエアロゾル発生装置および上述のカートリッジを備えてもよい。
【0078】
エアロゾル発生システムは、ユーザーがマウスピースを吸って口側端開口部を通してエアロゾルを引き出すことを可能にするように構成された手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。エアロゾル発生システムは約30mm~約150mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生システムは約5mm~約30mmの外径を有してもよい。
【0079】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0080】
実施例1:エアロゾル発生装置用カートリッジであって、エアロゾル形成基体と共振回路とを備え、共振回路が所定の共振周波数で共振するように構成されていて、所定の共振周波数がカートリッジの識別性と関連付けられている、カートリッジ。
実施例2:エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターをさらに備える、実施例1に記載のカートリッジ。
実施例3:共振回路が電気ヒーターと並列に接続されている、実施例2に記載のカートリッジ。
実施例4:共振回路がコンデンサおよびインダクタを備える、実施例1~3のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例5:コンデンサおよびインダクタが直列に接続されている、実施例4に記載のカートリッジ。
実施例6:共振回路の所定の共振周波数がコンデンサのキャパシタンスによって決定され、かつ所定の共振周波数を、コンデンサのキャパシタンスを変更することによって変更することができる、実施例4または実施例5に記載のカートリッジ。
実施例7:所定の共振周波数が10kHz~100MHzの範囲内であり、好ましくは100kHz~20MHzの範囲内であり、より好ましくは1MHz~11MHzの範囲内である、実施例1~6のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例8:コンデンサのキャパシタンスが0.1nF~10nFの範囲内である、実施例4~7のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例9:共振回路が、並列に配設された複数のコンデンサを備え、かつ複数のコンデンサの組み合わされたキャパシタンスが共振を生成するために使用される、実施例4~8のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例10:共振回路がプリント基板(PCB)上に配設されていて、かつインダクタが導電性トラックとしてPCB上に直接形成されている、実施例4~9のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例11:共振回路が、ヒーターと並列に接続されたコンデンサを備え、かつ共振回路が、コンデンサのキャパシタンスと組み合わせた共振回路の寄生インダクタンスを使用して共振を生成するように構成されている、実施例1~3のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例12:所定の共振周波数が100kHz~100MHzの範囲内であり、かつ好ましくは1MHz~50MHzの範囲内である、実施例11に記載のカートリッジ。
実施例13:コンデンサのキャパシタンスが1nF~300nFの範囲内である、実施例11または実施例12に記載のカートリッジ。
実施例14:共振回路の所定の共振周波数がインダクタのインダクタンスによって決定され、かつ共振周波数を、インダクタのインダクタンスを変更することによって変更することができる、実施例1~5のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例15:インダクタのインダクタンスが0.1nH~330nHの範囲内である、実施例14に記載のカートリッジ。
実施例16:共振回路が交流信号源に接続されるように配設されていて、かつ所定の共振周波数が交流信号の周波数と実質的に等しい時に共振するように構成されている、実施例1~15のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例17:電気ヒーターが流体透過性ヒーターであり、かつ好ましくはメッシュヒーターである、実施例1~16のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例18:エアロゾル発生装置であって、実施例1~17のいずれかに記載のカートリッジを受容するように構成されたハウジングであって、カートリッジに電気的に接続するための電気的接続を備えるハウジングと、カートリッジの電気ヒーターに電力を供給するための電源と、カートリッジの共振回路に交流信号を入力するための交流信号源と、電気ヒーターへの電力の供給を制御するように、かつ共振回路に供給された交流信号の周波数を制御可能に変化させるように構成された制御回路であって、共振回路から出力信号を受信するように配設されていて、出力信号が所定の閾値にいつ到達するかを検出することによって、制御回路内で共振がいつ生じるかを決定するように、かつ共振が発生する周波数を決定するように、かつ決定した共振周波数に基づいてカートリッジを識別するようにさらに構成されている、制御回路とを備える、エアロゾル発生装置。
実施例19:制御回路が所定の期間内に、所定の周波数範囲にわたって、交流信号の周波数をスイープするように構成されていて、所定の期間が5ミリ秒以下である、実施例18に記載のエアロゾル発生装置。
実施例20:共振回路に供給された交流信号のピーク電圧が、2V以下、好ましくは1.5V以下、より好ましくは1V以下である、実施例18または実施例19に記載のエアロゾル発生装置。
実施例21:所定の閾値が最大または最小の出力信号を含む、実施例18~20のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例22:エアロゾル発生装置の制御回路が、周波数範囲の複数の所定の周波数または周波数帯をモニターして、共振がそれらの周波数で、または周波数帯内で生じているかどうかを決定するように構成されてもよい、実施例18~21のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0081】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1図1は、カートリッジとエアロゾル発生装置とを備える例示のエアロゾル発生システムの概略図である。
図2図2は、例示のエアロゾル発生システムの主な電気および電子構成要素を示すブロック図である。
図3A図3Aは、例示のカートリッジがDC電圧源に接続されている、共振回路を備える例示のカートリッジの概略回路図を示す。
図3B図3Bは、カートリッジが交流信号源に接続されている、図3Aのカートリッジの概略回路図を示す。
図4図4は、異なるコンデンサ値を使用する時の、図3Bの共振回路の周波数応答を示す、周波数対電圧のグラフである。
図5図5は、カートリッジの共振回路の共振周波数を決定するための、エアロゾル発生システム用の例示の回路の概略図である。カートリッジは、図3Aおよび図3Bの例示のカートリッジである。
図6A図6Aは、共振回路におけるコンデンサの異なる値の共振の検出を示す、電圧対時間のグラフである。
図6B図6Bは、共振回路におけるコンデンサの異なる値の共振の検出を示す、電圧対時間のグラフである。
図6C図6Cは、共振回路におけるコンデンサの異なる値の共振の検出を示す、電圧対時間のグラフである。
図7図7は、基板上に共振回路を有するプリント基板の平面図である。
図8図8は、例示のカートリッジが交流信号源に接続されている、別の共振回路を備える別の例示のカートリッジの概略回路図を示す。
図9図9は、異なるコンデンサ値を使用する時の、図8の共振回路の周波数応答を示す、周波数対電圧のグラフである。
図10図10は、例示のカートリッジが交流信号源に接続されている、別の共振回路を備えるまた別の例示のカートリッジの概略回路図を示す。
図11図11は、異なるコンデンサ値を使用する時の、図10の共振回路の周波数応答を示す、周波数対電圧のグラフである。
図12図12は、カートリッジの共振回路の共振周波数を決定するための、エアロゾル発生システム用の例示の回路の概略図である。カートリッジは、図10の例示のカートリッジである。
図13A図13Aは、図10の共振回路におけるコンデンサの異なる値の共振の検出を示す、電圧対時間のグラフである。
図13B図13Bは、図10の共振回路におけるコンデンサの異なる値の共振の検出を示す、電圧対時間のグラフである。
図13C図13Cは、図10の共振回路におけるコンデンサの異なる値の共振の検出を示す、電圧対時間のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1は、例示のエアロゾル発生システム10の概略図である。エアロゾル発生システム10は、二つの主構成要素、つまりカートリッジ100と、主本体部すなわちエアロゾル発生装置200とを備える。カートリッジ100の接続端115は、エアロゾル発生装置200の対応する接続端205に取り外し可能に接続されている。カートリッジ100の接続端115、およびエアロゾル発生装置200の接続端205はそれぞれ、カートリッジ100とエアロゾル発生装置200の間の電気的接続を提供するために協働するように配設されている電気接点または接続(図示せず)を有する。エアロゾル発生装置200は、電池210(これはこの実施例において、再充電可能リチウムイオン電池である)の形態の電源と、制御回路220とを包含する。エアロゾル発生システムは携帯型であり、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。マウスピース125は、カートリッジ100の接続端115と反対側の端に配設されている。
【0084】
カートリッジ100は、電気ヒーター120と、第一の部分130および第二の部分135を有する液体貯蔵区画とを包含するハウジング105を備える。液体エアロゾル形成基体は液体貯蔵区画の中に保持されている。図1に図示していないものの、液体貯蔵区画の第一の部分130は、第一の部分130の中の液体が第二の部分135に移動することができるように、液体貯蔵区画の第二の部分135に接続されている。電気ヒーター120は、液体貯蔵区画の第二の部分135から液体を受容する。この実施形態において、電気ヒーター120は流体透過性発熱体(例えば、メッシュヒーター)を備える。カートリッジ100は、液体貯蔵区画の第二の部分135の側面に配設されていて、かつヒーター120と並列に導体(図示せず)を介して接続されている、プリント基板(PCB)上に実装された共振回路155をさらに備える。
【0085】
気流通路140、145は、ハウジング105の側面に形成された空気吸込み口150からヒーター120を通り過ぎ、ヒーター120から、接続端115と反対のカートリッジ100の端にてハウジング105の中に形成されたマウスピース開口部110に、カートリッジ100を通って延びる。
【0086】
カートリッジ100の構成要素は、液体貯蔵区画の第一の部分130がヒーター120とマウスピース開口部110の間にあるように配設されていて、液体貯蔵区画の第二の部分135は、マウスピース開口部110と反対の、ヒーター120の側に位置付けられている。言い換えれば、ヒーター120は、液体貯蔵区画の二つの部分130と135の間に置かれ、液体を第二の部分135から受容する。液体貯蔵区画の第一の部分130は、液体貯蔵区画の第二の部分135よりもマウスピース開口部110に近い。気流通路140、145はヒーター120を通り過ぎ、液体貯蔵区画の第一の部分130と第二の部分135の間に延びる。
【0087】
エアロゾル発生システム10は、ユーザーがカートリッジのマウスピース125を吸煙するかまたはそれを吸って、マウスピース開口部110を通してエアロゾルを自分の口の中に引き出すことができるように構成されている。動作時、ユーザーがマウスピース125を吸煙する時、空気は空気吸込み口150から気流通路140、145を通して、ヒーター120を通り過ぎて、マウスピース開口部110に引き出される。制御回路220は、システムが起動された時に、電池210からカートリッジ100への電力の供給を制御する。これは結果として、ヒーター120によって生成されるベイパーの量および特性を制御する。制御回路220は気流センサー(図示せず)を含んでもよく、また制御回路220は、ユーザーによるカートリッジ100の吸煙が気流センサーによって検出された時に、ヒーター120に電力を供給してもよい。このタイプの制御配設は、吸入器およびeシガレットなどのエアロゾル発生システムで良好に確立される。そのため、ユーザーがカートリッジ100のマウスピース開口部110を吸煙する時、ヒーター120が起動されて、気流通路140を通過する気流中に同伴されるベイパーを生成する。ペイパーは通路145の中の気流内で冷めてエアロゾルを形成し、次いでこれはマウスピース開口部110を通してユーザーの口の中に引き出される。
【0088】
動作時、マウスピース開口部110は典型的に、システムの最高点である。カートリッジ100の構築、および特に液体貯蔵区画の第一の部分130と第二の部分135の間のヒーター120の配設は、液体貯蔵区画が空になり始めていてさえも重力を活用して液体基体がヒーター120に送達されることを確実にし、それでも気流通路140の中への液体の漏れにつながる場合があるヒーター120への液体の過剰供給を防止するので、有利である。
【0089】
図2は、カートリッジ100とエアロゾル発生装置200とを備える、例示のエアロゾル発生システム10の主な電気構成要素および電子構成要素を示すブロック図である。カートリッジ100は、電気ヒーター120と共振回路155とを備える。共振回路155は、所定の共振周波数で共振するように構成されていて、この共振周波数はカートリッジ100、またはカートリッジ100内に含有されたエアロゾル形成基体(図示せず)の識別性と関連付けられている。共振回路155の共振周波数を決定することによって、エアロゾル発生装置200は、カートリッジ100およびその内容物を識別し、適切なエアロゾル化条件を適用することができる。例えば、エアロゾル発生装置200は、カートリッジ100中に含有された特定の液体エアロゾル形成基体にとって適切な加熱プロファイルを適用してもよい。
【0090】
共振回路155は、電気ヒーター120の両側に並列に接続されている。共振回路155をヒーター120と並列に接続することによって、カートリッジ100をエアロゾル発生装置200に接続するために二つの電気的接続242のみが必要とされる。ヒーター120に電力を供給するために、かつ共振回路155に入力交流信号を提供するために、かつ共振回路155から出力信号を受信するために、二つの電気的接続242を使用することができる。本開示の異なる例示の共振回路が以下に、より詳細に記述されている。
【0091】
エアロゾル発生装置200は、電源として働く電池210と、エアロゾル発生装置200の制御回路の一部を形成するマイクロコントローラ(MCU)230とを備える。マイクロコントローラ230は、電気ヒーター120への電力の供給を制御するように構成されている。マイクロコントローラ230は、ヒーター120へのDC電圧源236の供給を制御する。マイクロコントローラ230は、パルス幅変調(PWM)によってDC電圧源236を変調して、一連のパルスとして電気ヒーター120に電力を提供する。DC電圧源236は、トランジスタまたは他の適切な電子スイッチであってもよいスイッチ240によって電気ヒーター120に選択的に接続されることができる。熱を発生することができるいかなる受動部品(抵抗器またはインダクタなど)も、DC電圧源と電気ヒーター120の間に直列に接続されていない。これはエネルギー損失を低減するために役立つ。
【0092】
マイクロコントローラ230はまた、特に共振回路155への入力信号として、カートリッジ100への交流信号源またはAC源234の提供を制御する。マイクロコントローラ230は、共振回路155の共振周波数を含む周波数範囲にわたって、共振回路155に供給された交流信号の周波数を変化させる、またはスイープすることができる。抵抗器238は、交流信号源234とカートリッジ100内の共振回路155の間で直列に接続されているように、エアロゾル発生装置内に配設されている。抵抗器238は、共振回路155の構成要素を有する分圧器の一部を形成し、抵抗器238と共振回路155の間の点Xにて測定電圧を回路から取り出すことを可能にする。
【0093】
図2は、交流信号源すなわちAC源234と、DC電圧源236とを図において別個のブロックとして示すものの、これは明瞭化の目的のみで示されていて、実際には、これらの両方の源は、より大きい電流を調達するためにトランジスタなどの少数の補助的構成要素を潜在的に用いて、マイクロコントローラ230によって提供されている。しかし当然のことながら、他の実施例において、別個のAC源およびDC源が提供されてもよい。
【0094】
エアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生装置200の制御回路のさらなる部分を形成するピーク検出回路232をさらに備える。ピーク検出回路232は、共振回路155から出力信号を受信し、ピーク検出回路の出力をマイクロコントローラ230に提供する。共振回路155から出力信号を受信するために、ピーク検出回路232は、抵抗器238と共振回路155の間の点Xでの電圧を測定する。ピーク検出回路232は、共振回路155からの出力信号において、または出力信号が所定の閾値に達する時に生じるピーク振幅を決定または測定することができる。上述の通り、共振回路がその共振周波数で共振する時、出力信号は他の周波数でよりも大きい振幅で振動する。従って、マイクロコントローラ230は、共振回路155に供給された交流信号の周波数を所定の周波数範囲にわたって変化させ、またはスイープし、共振周波数はこの周波数範囲内に収まることが予想され、またマイクロコントローラ230は、出力信号がその最大振幅を有する周波数をモニターして、共振回路155の共振周波数を決定し、カートリッジ100を識別する。
【0095】
共振回路155の構成とその出力信号が測定される点とに依存して、出力信号が共振にて最小振幅を有しうることが可能である。従って、ピーク検出回路232はまた、共振周波数を決定するために、出力信号で生じる最小振幅を測定することができる。
【0096】
図3Aは、共振回路155を備える例示のカートリッジ100の概略図を示す。共振回路155は、インダクタL1と直列に接続されたコンデンサC1を備える。共振回路155はヒーター120と並列で配設されている。ヒーターは抵抗ヒーターであり、従って図3Aにおいて抵抗器RHとして表されている。ヒーター120の抵抗は0.69オームである。カートリッジ100は、ヒーター120および共振回路155の並列配設の両側にパルス幅変調されたDC電圧を提供するDC電圧源V1に接続されている。パルス幅変調はマイクロコントローラ(図示せず)によって制御される。記載の実施例において、パルス幅変調されたDC電圧は、3.6ボルトの振幅、10ミリ秒の周期、および50パーセントの負荷サイクルを有する。これはヒーター120に、およそ5.2アンペアのパルス電流をもたらす。
【0097】
カートリッジ100がDC電圧源V1に接続されている時、電流は抵抗ヒーター120においてのみ流れる。共振回路155はヒーター120と並列で配設されているため、共振回路155においていかなる電流も流れず、また共振回路内のコンデンサC1はDC電圧を遮断し、すなわちDC電圧の開回路として効果的に働く。それ故に、電力はヒーター120内でのみ消散され、共振回路155内で消散されず、これはこの配設をエネルギー効率の良いものにする。
【0098】
DC電圧源V1は、特定のカートリッジに適用される加熱プロファイルを制御するために制御されることができる。以下に記述される手順に従ってカートリッジ100が識別されると、カートリッジ100中に含有された特定の液体エアロゾル形成基体にとって適切な加熱プロファイルを適用することができる。異なるカートリッジの場合、加熱プロファイルは、カートリッジに印加されたパルス幅変調されたDC電圧の特性を変化させることによって変化させることができる。例えば、パルス幅変調されたDC電圧の負荷サイクル、またはパルス幅変調されたDC電圧が印加される時間の長さを変化させることができる。
【0099】
図3Bは、共振回路155に交流信号を入力する交流電圧源または交流信号源V2にカートリッジが接続されている、図3Aのカートリッジ100の概略回路図を示す。交流信号源V2は、マイクロコントローラ(図示せず)によって制御され、1ボルトピークの振幅を有する。マイクロコントローラは、共振を検出し、従ってカートリッジの識別性を決定するために、交流信号源V2の交流信号の周波数を変化させる、またはスイープすることができる。周波数は、1メガヘルツから13メガヘルツの範囲内でスイープすることができ、また比較的に高い周波数が使用されていることに起因して、周波数スイープを比較的に短い期間内に、すなわち240マイクロ秒で実行することが可能であることが見いだされた。入力交流信号の周波数が共振回路155の自然共振周波数と等しい時、共振回路155は共振する。
【0100】
共振回路155は、カートリッジ100が識別されることを可能にするために、所定の共振周波数で共振するように構成されている。上記の式(1)で提示した通り、共振周波数は、コンデンサC1のキャパシタンスおよびインダクタL1のインダクタンスの関数である。この記載の実施例において、共振回路155の所定の共振周波数は、コンデンサC1のキャパシタンスによって決定される。異なるキャパシタンス値を有する異なるコンデンサを使用して、異なるカートリッジで異なる共振周波数を生成することができる。インダクタL1のインダクタンスは1マイクロヘンリーに設定されている。異なる共振周波数を生成するために、コンデンサC1に対して、E12シリーズのコンデンサ値から取った10個の異なるコンデンサ値が使用された。C1キャパシタンス値および結果として得られた共振周波数を表1に示す。
【表1】

表1
【0101】
表1から分かる通り、発明者らは、10個の異なるカートリッジを明確に区別するために、周波数間に十分な間隔を有する10個の異なる共振周波数を達成することができた。しかし当然のことながら、より多くのコンデンサ値を使用することによって、より多くの共振周波数を達成することができる。
【0102】
図4は、図3Bの共振回路155の周波数応答を示す、周波数対電圧のグラフである。図4において、表1の異なるコンデンサ値の各々についての周波数応答曲線がある。共振回路155の出力信号は、図3Bの回路内の点X、すなわち抵抗器R1と共振回路155の間で測定された。抵抗器R1は、点Xで電圧を測定することができるように、共振回路155とともに分圧器の一部を形成する。二つのリアクタンスが相互に相殺するように、C1のリアクタンスとL1のリアクタンスが等しい大きさであるが、位相が逆である時、共振が生じる。従って、共振にて共振回路のインピーダンスは最小であり、よって点Xで測定された電圧は共振にて最小である。図4の周波数応答曲線の各々について、使用された異なるコンデンサ値に対応する、表1の共振周波数の各々にて、電圧最小値Vminが発生することが分かる。電圧最小値は、周波数応答曲線の全長の比較的に小さいセクションにわたって生じ、従って簡単に識別可能かつ検出可能である。
【0103】
最小電圧は、ピーク検出回路によって検出されることができる。最小電圧が検出される周波数は、共振回路の共振周波数およびカートリッジの識別性の表示を提供する。別の方法として、共振周波数は、出力信号が図4の水平の破線で示された閾値電圧Vthを下回って低下する時を検出するようにエアロゾル発生装置を構成することによって決定されることができる。
【0104】
図3Bを再度参照すると、交流信号源V2がカートリッジ100に接続されて共振を検出し、カートリッジの識別性を決定する時、交流信号はヒーター120と共振回路155の間で分割される。DC電圧と対照的に、交流信号は共振回路のコンデンサC1を通過することができる。カートリッジ識別中に、ヒーター120を通って流れるピーク電流は、およそ100ミリアンペアであるとして測定された。上述の通り、交流信号源V2は1ボルトピークの振幅を有する。従って、カートリッジ識別中にヒーター120によって消費された電力は、以下の式(2)から決定されることができる。
P=IRMS×VRMS (2)
式中、Pは電力であり、IRMSは、0.707×ピーク電流に等しい二乗平均平方根電流であり、VRMSは、0.707×ピーク電圧に等しい二乗平均平方根電圧である。
【0105】
さらに、カートリッジ識別中にヒーター120によって消費されたエネルギーは、以下の式(3)から決定されることができる。
E=P×t (3)
式中、Eはエネルギーであり、Pは電力であり、tは動作の時間または持続時間である。
【0106】
従って、100ミリアンペアのピーク電流および1ボルトのピーク電圧に基づいて、カートリッジ識別中にヒーター120によって消費された電力は、50ミリワットであると計算されることができる。さらに、240マイクロ秒のカートリッジ識別のための動作時間に基づいて、カートリッジ識別中にヒーター120によって消費されたエネルギーは、12マイクロジュールであると計算されることができる。こうした少量のエネルギーは、感知可能ないかなる程度にもヒーターを加熱せず、従ってカートリッジ識別のエネルギー効率は、ヒーター120でのエネルギー損失を回避することによって改善される。
【0107】
カートリッジ識別を実施するために必要とされる期間が短いことに起因して、カートリッジ識別はヒーターへの電力供給に使用されるパルス幅変調DC電圧の電圧オフ時間中に実施されることが可能である。DC電圧源V1(図3Aを参照)のパルス幅変調DC電圧は、10ミリ秒の期間および50パーセントの負荷サイクルを有する。従って、電圧オフ時間は5ミリ秒であり、カートリッジ識別に240マイクロ秒しかかからないので、この電圧オフ時間はカートリッジ識別を実施するのに十分な時間である。
【0108】
図5は、カートリッジ100の共振回路155の共振周波数を決定するためのエアロゾル発生システム10用の例示の回路の概略図である。カートリッジ100は、図3Aおよび図3Bの例示のカートリッジである。図5の回路の下部は、カートリッジ100を識別するために、交流信号源V2に接続された共振回路155およびヒーター120を備えるカートリッジを示す。図5の回路のこの部分の配設および動作は、図3Bに示す回路と同じであり、簡潔のため、ここでは繰り返さない。
【0109】
図5の回路は、共振回路155からの出力信号の最大または最小の振幅を検出するためのピーク検出回路232をさらに備える。ピーク検出回路232は、エアロゾル発生システム10のエアロゾル発生装置200内に配設されている。ピーク検出回路232は、ピーク検出回路232への信号入力を増幅するためのオペアンプU5と、入力交流信号を半方向に整流するための順方向バイアスダイオードD1と、ダイオードから受信した信号の電圧を保持または保存するためのコンデンサC2とを備える。オペアンプの非反転入力(+)は、ピーク検出回路232への入力として働き、またピーク検出回路232からの出力は、コンデンサC2の上流端子、すなわちダイオードD1に接続されたコンデンサC2の端子から取られる。ピーク検出回路232は、接地へのコンデンサの放電のために10オームの値を有する抵抗器R2をさらに備える。
【0110】
任意の適切なオペアンプを使用してもよい。例えば、記載の実施例は、米国マサチューセッツ州のAnalog Devicesによって製造されたLTC6244オペアンプを使用する。オペアンプU5は、3.1ボルトを供給するDC電圧源V3によって電力供給される。オペアンプのネガティブフィードバックループの一部として、二つの抵抗器R3およびR4が提供されていて、それぞれ150キロオーム、10キロオームの値を有する。アンプのゲインは、以下の式(4)に従って決定されることができる。
ゲイン=1+R3/R4 (4)
【0111】
使用時に、共振回路155からの出力信号は、回路内の点X、すなわち抵抗器R1および共振回路155によって形成された分圧器の中間点にて取られ、ピーク検出回路232のオペアンプU5の非反転入力への入力として供給される。信号はダイオードD1によって半波整流されて一連のポジティブパルスを形成し、連続パルスの電圧はコンデンサC2によって保持または保存される。ピーク検出回路232の出力、すなわちコンデンサC2によって保存された電圧は、コンデンサC2によって保存された電圧を定期的に測定またはサンプリングする、エアロゾル発生装置200のマイクロコントローラ230のアナログデジタル変換器の入力に供給される。電圧がサンプリングされると、コンデンサC2は、次のサンプルを取る準備において電気的な接地に放電される。
【0112】
マイクロコントローラ230は、所望の周波数範囲にわたって交流信号の周波数をスイープするためにかかった期間にわたってピーク検出回路から出力をサンプリングし、これはこの場合、1メガヘルツ~約10.6メガヘルツであり、約240マイクロ秒かかる。このようにして、マイクロコントローラ230は、スイープ周波数の範囲にわたって共振回路から出力信号の振幅のプロファイルを得る。サンプルは、マイクロコントローラ230によって分析されて、最小値を決定する。マイクロコントローラ230はまた、交流信号源V2およびカートリッジ100の共振回路155に提供されている交流信号の周波数を制御するため、マイクロコントローラ230は、ピーク検出回路232からの出力の最小値が検出された周波数を決定することができる。この周波数は、共振回路155内で共振が生じた周波数であり、またカートリッジの識別性を示す。
【0113】
図6A図6Cは、図5のカートリッジ100内の共振回路155におけるコンデンサの異なる値の共振の検出を示す、電圧対時間のグラフである。グラフは、二つの曲線、つまり図5の回路の点Xにて測定された共振回路155からの出力信号に対応する曲線Xと、図5の回路の点Yでのピーク検出回路232からの出力に対応する曲線Yとを示す。
【0114】
図6Aは、8.2ナノファラドのコンデンサ値が共振回路155で使用される時の、共振回路155(曲線X)およびピーク検出回路232(曲線Y)からの出力信号を示す。上記の表1に示す通り、このキャパシタンス値は、1.76メガヘルツの共振周波数を生成する。図6Aのグラフは、曲線Yの比較的に初期に生じる電圧最小値Vminを示し、これは周波数スイープへの約20マイクロ秒でのものである。電圧最小値は共振の発生を示し、検出時間は、1.76メガヘルツである共振周波数と、240マイクロ秒の期間で1メガヘルツ~約10.6メガヘルツの範囲にわたってスイープされる周波数と一致する。
【0115】
図6Bは、0.82ナノファラドのコンデンサ値が共振回路155で使用される時の、共振回路155(曲線X)およびピーク検出回路232(曲線Y)からの出力信号を示す。上記の表1に示す通り、このキャパシタンス値は、5.57メガヘルツの共振周波数を生成する。図6Bのグラフは、曲線Yの中間点の周囲で生じる電圧最小値Vminを示し、これは周波数スイープへの約120マイクロ秒でのものである。電圧最小値は共振の発生を示し、検出時間は、5.57メガヘルツである共振周波数と、240マイクロ秒の期間で1メガヘルツ~約10.6メガヘルツの範囲にわたってスイープされる周波数と一致する。
【0116】
図6Cは、0.27ナノファラドのコンデンサ値が共振回路155で使用される時の、共振回路155(曲線X)およびピーク検出回路232(曲線Y)からの出力信号を示す。上記の表1に示す通り、このキャパシタンス値は、9.71メガヘルツの共振周波数を生成する。図6Cのグラフは、曲線Yの比較的に後期に生じる電圧最小値Vminを示し、これは周波数スイープへの約220マイクロ秒でのものである。電圧最小値は、共振の発生を示し、検出時間は、9.71メガヘルツである共振周波数と、240マイクロ秒の期間で1メガヘルツ~約10.6メガヘルツの範囲にわたってスイープされる周波数と一致する。
【0117】
図7は、基板上に配設された共振回路155を有するプリント基板160の平面図である。共振回路155は、直列に接続されたインダクタL1およびコンデンサC2を備える。インダクタL1は、導電性トラックとしてプリント基板160上に直接形成されている。インダクタは、任意の適切な方法によって、例えばプリント基板160上に導電性材料をプリントすることによって、または銅クラッドボードをエッチングして、インダクタL1のパターンを形成することによって、形成されることができる。インダクタL1は、15巻き(明確化のために巻数は図7から省略されている)を備え、またプリント基板160は両面であり、巻きの半分はプリント基板160の一方の側上に形成されていて、巻きのもう一方の半分はもう一方の側上に形成されている。導電性ビア164は、プリント基板160の各側上にプリントされた巻きのそれぞれの端を接続する。導電性接点パッド162は、電気ヒーターの両側に、および交流信号源に共振回路155を並列に接続するために使用されることができる、プリント基板160の対向する端に形成されている。インダクタL1の一方の端は、接点パッド162のうちの一つに接続されていて、コンデンサC2の端子は、もう一方の接点パッド162に接続されている。プリント基板160の寸法は、9×7×0.6ミリメートルであり、従ってエアロゾル発生システムのカートリッジまたはマウスピース内に簡単に適合することができる。
【0118】
図8は、別の共振回路355を備える別の例示のカートリッジ300の概略回路図を示す。カートリッジ300は、カートリッジ300を識別するために、交流信号源V2に接続されている。図8の回路の配設および動作は、図8の共振回路355が共振回路155で単一のコンデンサC1を使用する代わりに、二つのコンデンサC1およびC2を並列で使用することを除いて、図3Bの回路と同じである。コンデンサC1およびC2の並列配設は、共振回路355の周波数応答を改善するために役立つ。
【0119】
上述の通り、すべての実際の電子構成要素は、構成要素の意図された特性に加えて、寄生素子、すなわち避けられない特性を有する。例えば、図3Bの回路中のコンデンサC1およびインダクタL1はそれぞれ、コンデンサC1と直列の0.1オームの抵抗、およびインダクタL1と直列の1オームの抵抗に相当する寄生抵抗を有する。これらの寄生素子は、回路内のエネルギー損失をもたらし、従って最小限である必要がある。
【0120】
発明者らは、二つのコンデンサC1およびC2を並列で使用することが、共振回路355における寄生素子を低減することを見いだした。特に、コンデンサ等価直列抵抗は0.05オームに低減される。さらに、コンデンサが並列に追加される時、コンデンサのキャパシタンスは合計される。従って、二つの同じコンデンサを並列で使用することによって、同じ共振周波数でインダクタンスを半減させることができる。その結果として、プリント基板面積を節約する、より小さいインダクタを使用することができる。共振回路355は、0.5マイクロヘンリーのインダクタンスを有するインダクタを使用する。
【0121】
図3Bの回路で達成されたのと同じ共振周波数を生成するために、図8の共振回路355のコンデンサC1およびC2の並列配設は、表1に示す通りキャパシタンスが2倍であるように、上記の表1に示すコンデンサ値の二つをそれぞれ使用する。キャパシタンス値および結果として得られた共振周波数を以下の表2に示す。
【表2】

表2
【0122】
表2から分かる通り、二つのコンデンサC1およびC2の並列配設は、0.5マイクロヘンリーのインダクタを使用した時に、表1と同じ共振周波数を達成する。
【0123】
図8のカートリッジ300は、DC電圧源(図示せず)に接続されている時、図3Aのカートリッジ100と同様に機能する。すなわち、コンデンサC1およびC2は、電流がヒーター320のみを通過するようにDC電圧を遮断する。
【0124】
図9は、図8の共振回路355の周波数応答を示す、周波数対電圧のグラフである。図9において、表2の異なるキャパシタンス値の各々についての周波数応答曲線がある。共振回路355の出力信号は、図8の回路内の点X、すなわち抵抗器R1と共振回路355の間で測定された。グラフは、図4のグラフと非常に類似していて、表2の異なるキャパシタンス値の共振周波数に対応する、図4と同じ周波数での電圧最小値Vminを示す。
【0125】
しかしながら、図9は、図4に示す図3Bの共振回路155の周波数応答と比較して、図8の共振回路355の改善された周波数応答を示す。すなわち、共振回路355からの出力信号の大きさは、共振回路155と比較して共振回路355において改善される。図9で分かる通り、周波数応答曲線は、特定の共振周波数の図4における周波数応答曲線よりも低い電圧最小値Vminを有する。
【0126】
図10は、別の共振回路455を備える別の例示のカートリッジ400の概略回路図を示す。カートリッジ400は、カートリッジ400を識別するために、交流信号源V2に接続されている。図10の回路の配設および動作は、共振回路455がインダクタを使用しない、特に実際の個別のインダクタ構成要素を使用しないことを除いて、図3Bおよび図8の回路と同じである。その代わりに、共振回路455は、共振回路の寄生インダクタンスL1をコンデンサC1と組み合わせて使用して、共振を生成する。寄生インダクタンスL1は、実際の構成要素ではないこと、しかしその代わりに共振回路455の特性であることを強調するために、点線で図10に示されている。
【0127】
寄生インダクタンスL1は、ヒーター420と並列で配設された時に半ループまたは半巻きを形成する共振回路455の幾何学的形状の結果として生じる。半ループは、小さい寄生インダクタンスL1を生成する。図10に示す通り、寄生インダクタンスは、コンデンサC1と直列に配設された10ナノヘンリーのインダクタンスに相当する。
【0128】
寄生インダクタンスは、実際のインダクタ構成要素のインダクタンスと比較して比較的に小さく、その結果として、寄生インダクタンスが生成する共振周波数は概して、以前の実施例よりも高い。共振周波数は1メガヘルツ~50メガヘルツの範囲内であり、この範囲内の共振周波数を生成するために、より高いコンデンサ値が使用される。異なる共振周波数を生成するために、コンデンサC1に対して、E12シリーズのコンデンサ値から取った10個の異なるコンデンサ値が使用された。C1キャパシタンス値および結果として得られた共振周波数を以下の表3に示す。
【表3】

表3
【0129】
表3から分かる通り、発明者らは、10個の異なるカートリッジを区別するために、10個の異なる共振周波数を達成することができた。
【0130】
図10のカートリッジ400は、DC電圧源(図示せず)に接続されている時、図3Aのカートリッジ100と同様に機能する。すなわち、コンデンサC1は、電流がヒーター420のみを通過するようにDC電圧を遮断する。
【0131】
図11は、図10の共振回路455の周波数応答を示す、周波数対電圧のグラフである。図11において、表3の異なるキャパシタンス値の各々についての周波数応答曲線がある。共振回路355の出力信号は、図10の回路内の点X、すなわち抵抗器R1と共振回路455の間で測定された。図11の周波数応答曲線の各々について、使用された異なるコンデンサ値に対応する、表3の共振周波数の各々にて、電圧最小値Vminが発生することが分かる。電圧最小値は、周波数応答曲線の全長の比較的に小さいセクションにわたって生じ、従って簡単に識別可能かつ検出可能である。
【0132】
最小電圧は、ピーク検出回路によって検出されることができる。最小電圧が検出される周波数は、共振回路の共振周波数およびカートリッジの識別性の表示を提供する。別の方法として、共振周波数は、出力信号が図11の水平の破線で示された閾値電圧Vthを下回って低下する時を検出するようにエアロゾル発生装置を構成することによって決定されることができる。
【0133】
図12は、カートリッジ400の共振回路455の共振周波数を決定するためのエアロゾル発生システム10用の例示の回路の概略図である。図12の回路は、カートリッジ400が図10の例示のカートリッジであることを除いて、図5の回路と同じである。図12の回路の下部は、カートリッジ400を識別するために、交流信号源V2に接続された共振回路455およびヒーター420を備えるカートリッジを示す。図12の回路のこの部分の配設および動作は、図10に示す回路と同じであり、簡潔のため、ここでは繰り返さない。
【0134】
図12の回路はまた、共振回路455からの出力信号の最大または最小の振幅を検出するためのピーク検出回路232を備える。ピーク検出回路232の配設および動作は、図5のものと同一であり、従って簡潔のため、ここでは繰り返さない。
【0135】
マイクロコントローラ230は、所望の周波数範囲にわたって交流信号の周波数をスイープするためにかかった期間にわたってピーク検出回路から出力をサンプリングし、これはこの場合、1メガヘルツ~約40メガヘルツであり、約1ミリ秒かかる。このようにして、マイクロコントローラ230は、スイープ周波数の範囲にわたって共振回路から出力信号の振幅のプロファイルを得る。サンプルは、マイクロコントローラ230によって分析されて、最小値を決定する。マイクロコントローラ230はまた、交流信号源V2およびカートリッジ400の共振回路455に提供されている交流信号の周波数を制御するため、マイクロコントローラ230は、ピーク検出回路232からの出力の最小値が検出された周波数を決定することができる。この周波数は、共振回路455内で共振が生じた周波数であり、またカートリッジの識別性を示す。
【0136】
図13A図13Cは、図12のカートリッジ400内の共振回路455におけるコンデンサの異なる値の共振の検出を示す、電圧対時間のグラフである。グラフは、二つの曲線、つまり図12の回路の点Xにて測定された共振回路455からの出力信号に対応する曲線Xと、図12の回路の点Yでのピーク検出回路232からの出力に対応する曲線Yとを示す。
【0137】
図12Aは、82ナノファラドのコンデンサ値が共振回路455で使用される時の、共振回路455(曲線X)およびピーク検出回路232(曲線Y)からの出力信号を示す。上記の表3に示す通り、このキャパシタンス値は、5.6メガヘルツの共振周波数を生成する。図12Aのグラフは、曲線Yの比較的に初期に生じる電圧最小値Vminを示し、これは周波数スイープへの約0.1ミリ秒でのものである。電圧最小値は、共振の発生を示し、検出時間は、5.6メガヘルツである共振周波数と、1ミリ秒の期間で1メガヘルツ~約40メガヘルツの範囲にわたってスイープされる周波数と一致する。
【0138】
図12Bは、8.2ナノファラドのコンデンサ値が共振回路455で使用される時の、共振回路455(曲線X)およびピーク検出回路232(曲線Y)からの出力信号を示す。上記の表3に示す通り、このキャパシタンス値は、17.6メガヘルツの共振周波数を生成する。図12Bのグラフは、曲線Yの中間点の周囲で生じる電圧最小値Vminを示し、これは周波数スイープへの約0.4~0.5ミリ秒でのものである。電圧最小値は、共振の発生を示し、検出時間は、17.6メガヘルツである共振周波数と、1ミリ秒の期間で1メガヘルツ~約40メガヘルツの範囲にわたってスイープされる周波数と一致する。
【0139】
図12Cは、2.7ナノファラドのコンデンサ値が共振回路455で使用される時の、共振回路455(曲線X)およびピーク検出回路232(曲線Y)からの出力信号を示す。上記の表3に示す通り、このキャパシタンス値は、30.7メガヘルツの共振周波数を生成する。図12Cのグラフは、曲線Yの比較的に後期に生じる電圧最小値Vminを示し、これは周波数スイープへの約0.7~0.8ミリ秒でのものである。電圧最小値は、共振の発生を示し、検出時間は、30.7メガヘルツである共振周波数と、1ミリ秒の期間で1メガヘルツ~約40メガヘルツの範囲にわたってスイープされる周波数と一致する。
【0140】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±5パーセントとして理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
【国際調査報告】