(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】非移動機能を伴う生検部位マーカー
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20230509BHJP
A61B 90/00 20160101ALI20230509BHJP
【FI】
A61B10/02 300A
A61B90/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556096
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2021022475
(87)【国際公開番号】W WO2021188481
(87)【国際公開日】2021-09-23
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511148271
【氏名又は名称】デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Devicor Medical Products, Inc.
【住所又は居所原語表記】5th Floor, 300 E Business Way, Cincinnati, OH 45241, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ハウスホルダー・ギャレット・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ノック・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】スタンパー・メロディー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ウォルターズ・グラント
(72)【発明者】
【氏名】マッケイブ・ブレナン・ギャラガー
(72)【発明者】
【氏名】ランドール・ジャック・エイ
(57)【要約】
生検部位マーカーはキャリア及びマーカー要素を含む。マーカー要素は、1次コイル、第1のアンカー、及び第2のアンカーを含む。第1コイルはキャリア内に配置される。第1のアンカー及び第2のアンカーの少なくとも一部は、キャリアの反対側から外向きに延在する。第1のアンカー及び第2のアンカーは、生検部位で組織に係合するために1次コイルに対して移動するように構成される。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検部位マーカーであって、
キャリアと、
1次コイル、第1のアンカー、及び第2のアンカーを含むマーカー要素と、を含み、
前記1次コイルは前記キャリア内に配置され、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの少なくとも一部は、前記1次コイルから及び前記キャリアの反対側から横方向に及び外向きに離れて延在し、
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、生検部位で組織に係合するために前記1次コイルに対して移動するように構成される、前記生検部位マーカー。
【請求項2】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、前記キャリアによって画定された縦軸に対してある角度で前記1次コイルから横方向に延在する、請求項1に記載のマーカー。
【請求項3】
前記キャリアはヒドロゲルマーカー物質を含む、請求項1または2に記載のマーカー。
【請求項4】
前記ヒドロゲルマーカー物質は水分の存在下で拡張するように構成され、
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、前記ヒドロゲルマーカー物質の拡張に応答して、組織との前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの係合を向上するように構成される、請求項3に記載のマーカー。
【請求項5】
前記マーカー要素はさらに第3のアンカーを含み、前記第3のアンカーは前記1次コイルから遠位に延在し、前記第3のアンカーの一部は前記キャリアの外側に配置される、請求項1~4のいずれかに記載のマーカー。
【請求項6】
前記第3のアンカーは1つ以上のバーブを含み、前記1つ以上のバーブは、組織を貫通及び捕捉するように構成される、請求項5に記載のマーカー。
【請求項7】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーはそれぞれ2次コイルを含み、前記2次コイルは前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーのそれぞれの外側端に配置される、請求項6に記載のマーカー。
【請求項8】
前記1次コイルは、既定位置に向かって前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーを駆動するために弾性的に付勢される、請求項1~7のいずれかに記載のマーカー。
【請求項9】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの前記既定位置は、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーによって画定された初期位置の遠位に配置される、請求項8に記載のマーカー。
【請求項10】
前記マーカーは、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーが前記初期位置に配置されるとき、カニューレから展開するように構成される、請求項9に記載のマーカー。
【請求項11】
前記第1のアンカーまたは前記第2のアンカーは、前記キャリアの外側に配置されたバネを画定する、請求項1~10のいずれかに記載のマーカー。
【請求項12】
前記バネは、前記第1のアンカーまたは前記第2のアンカーの一部を組織内に駆動するように構成される、請求項11に記載のマーカー。
【請求項13】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、各々、第1の位置及第2の位置で前記1次コイルに接続され、前記第1の位置は前記第2の位置に対して横方向にオフセットされる、請求項1~12のいずれかに記載のマーカー。
【請求項14】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは形状記憶合金を含み、
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーが熱に露出されるとき組織に係合するように構成されることによって、前記形状記憶合金の形状記憶特性が活発になる、請求項1~13のいずれかに記載のマーカー。
【請求項15】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、熱に露出されるとき、既定の曲線を形成ように構成される、請求項14に記載のマーカー。
【請求項16】
生検部位マーカーであって、
第1の要素及び第2の要素を有するキャリアと、
前記キャリアの前記第1の要素と前記第2の要素との間に延在するマーカー要素と、を含み、
前記マーカー要素は弾性部を有し、前記弾性部は前記マーカー要素を展開前状態と展開状態との間で移行させるように構成され、前記弾性部は、さらに、前記マーカー要素が前記展開前状態と前記展開状態との間で移行されるとき、前記第1の要素に対して前記キャリアの前記第2の要素を移動させるように構成される、前記生検部位マーカー。
【請求項17】
前記弾性部はバネを含む、請求項16に記載の生検部位マーカー。
【請求項18】
前記弾性部は、前記キャリアの前記第1の要素に対して約90°だけ、前記キャリアの前記第2の要素を移動させるように構成される、請求項16または17に記載の生検部位マーカー。
【請求項19】
前記マーカー要素は、さらに、第1のコイル及び第2のコイルを含み、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記マーカー要素の対向する端に配置され、前記第1のコイルは前記キャリアの前記第1の要素内に配置され、前記第2のコイルは前記キャリアの前記第2の要素内に配置される、請求項16~18のいずれかに記載の生検部位マーカー。
【請求項20】
生検部位マーカーであって、
キャリアと、
マーカー要素と、を含み、
前記マーカー要素は、前記キャリア内に配置された編組部と、前記編組部から前記キャリアの外側に延在する複数のアンカー部とを含む、
前記生検部位マーカー。
【請求項21】
前記複数のアンカー部の各アンカー部は、各隣接アンカー部から移動して、前記マーカーを組織に固定するように構成される、請求項20に記載の生検部位マーカー。
【請求項22】
前記キャリアは、水分の存在下で拡張するように構成されたヒドロゲルマーカー物質を含み、前記ヒドロゲルマーカー物質は、水分の存在下で、前記ヒドロゲルマーカー物質の拡張によって前記複数のアンカー部の移動を活発にするように構成される、請求項20または21に記載の生検部位マーカー。
【請求項23】
生検部位マーカーであって、
キャリアと、
マーカー要素と、を含み、
前記マーカー要素は、コイル形状、第1のアンカー、及び第2のアンカーを画定する本体を含み、前記本体は前記キャリア内に少なくとも部分的に配置され、前記第1のアンカーは、前記本体と前記第1のアンカーの外側端との間に配置される、第1のバネ及び第2のバネを含み、前記第2のアンカーは、前記本体と前記第2のアンカーの外側端との間に配置される、第3のバネ及び第4のバネを含む、前記生検部位マーカー。
【請求項24】
前記第1のアンカーは前記第1のアンカーの前記外側端に配置された2次コイルを含み、
前記第2のアンカーは前記第2のアンカーの前記外側端に配置された2次コイルを含む、請求項23に記載の生検部位マーカー。
【請求項25】
前記第1のバネ、前記第2のバネ、前記第3のバネ、及び前記第4のバネは、横寸法全体にわたって前記生検部位マーカーのスパンを増加させるように構成される、請求項23または24に記載の生検部位マーカー。
【請求項26】
前記マーカー要素はさらに第3のアンカー及び第4のアンカーを含み、
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは前記本体から遠位に延在し、
前記第3のアンカー及び前記第4のアンカーは前記本体から近位に延在する、請求項23~24のいずれかに記載の生検部位マーカー。
【請求項27】
前記第3のアンカーは、前記本体と前記第3のアンカーの外側端との間に配置された第5のバネを含み、
前記第4のアンカーは、前記本体と前記第4のアンカーの外側端との間に配置された第6のバネを含む、請求項26に記載の生検部位マーカー。
【請求項28】
前記第3のアンカーは、前記本体と前記第3のアンカーの外側端との間に配置された第5のバネ及び第6のバネを含み、
前記第4のアンカーは、前記本体と前記第4のアンカーの外側端との間に配置された第7のバネ及び第8のバネを含む、請求項26に記載の生検部位マーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年3月17日に出願された「Non-Migrating Biopsy Site Identifiers」と題された米国仮出願第62/990,571号の優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
不規則な乳房撮影及び触診可能な異常を理由として多くの患者が乳房生検を受ける。生検は、外科的切除生検と、定位的及び超音波ガイド針乳房生検とを含み得る。画像指示生検の場合、放射線医師または他の医師は、実験室解析のために不規則な組織の小さいサンプルを取得し得る。生検により悪性であることが証明される場合、追加手術(例えば、腫瘍摘出手術または乳腺切除手術)が必要であり得る。針生検の場合、患者は、1日以上後に放射線医師に戻ることがあり、生検部位(病変部)は、手術に備えて再特定する必要があり得る。超音波、磁気共鳴撮像(MRI)、またはX線等の撮像システムを使用して、生検部位を特定し得る。生検部位の再特定を支援するために、生検時にマーカーを配置し得る。
【0003】
生検対象の組織が除去された場所にマーキングするために、乳房生検後に使用されるマーカーの使用は、以下の米国特許に記載されている。すなわち、2000年7月4日に発行された米国特許第6,083,524号「Polymerizable biodegradable polymers including carbonate or dioxanone linkages」、2000年12月4日に発行された米国特許第6,162,241号「Hemostatic tissue sealants」、2001年8月7日に発行された米国特許第6,270,464号「Biopsy localization method and device」、2002年3月12日に発行された米国特許第6,356,782号「Subcutaneous cavity marking device and method」、2003年8月12日に発行された米国特許第6,605,294号「Methods of using in situ hydration of hydrogel articles for sealing or augmentation of tissue or vessels」、2013年12月3日に発行された米国特許第8,600,481号「Subcutaneous cavity marking device」、及び2015年1月27日に発行された米国特許第8,939,910号「Method for enhancing ultrasound visibility of hyperechoic materials」に記載されている。これらの米国特許の全ては、参照により全体として組み込まれる。
【0004】
マーカーが生検部位に配置されると、マーカーは後に、後続のフォローアップ手順において生検部位を識別するために再特定され得る。いくつかの文脈では、配置されたマーカーは、マーカーが再特定されるとき、生検部位に完全に対応しない場合がある。例えば、マーカーは、生検処置と後続のフォローアップ手順との間の介在時間にわたって、別の近くの位置に移動し得る。生検部位マーカーの移動は、後続のフォローアップ手順中に生検部位を特定する際に困難が生じ得る。したがって、マーカーを定位置に経時的に維持するための特徴をマーカーに組み込むことが望ましくなり得る。
【0005】
生検部位にマーキングするためにいくつかのシステム及び方法を作成し、使用してきたが、添付の特許請求の範囲に説明する本発明を作成または使用した者は、本発明者よりも前に存在しなかったと考えられる。
【0006】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本発明は、添付の図面と併せて考慮される以下の特定の実施例の説明からより深く理解されると考えられ、図面では、類似の参照符号は同じ要素を指す。図面では、いくつかの構成要素または構成要素の一部は、破線で表すように透視図で示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】A、B、及びCは、本開示の態様による、生検部位マーカーの配置の例示的な態様を示す。
【
図2】例示的なマーカー送達デバイスの斜視図を示す。
【
図3】
図2のマーカー送達デバイスの垂直断面図を示す。
【
図4】生検部位をマーキングするために
図1のマーカー送達デバイスの遠位部から生検針内の側面開口をまで展開するマーカーの断面図を示す。
【
図5A】マーカーのキャリアが脱水状態である、
図2のマーカー送達デバイスと共に使用するための例示的な代替マーカーの上面図を示す。
【
図5B】マーカーのキャリアが部分的に水和状態である、
図5Aのマーカーの別の上面図を示す。
【
図6A】マーカーのマーカー要素が直線構成である、
図2のマーカー送達デバイスと共に使用するための別の例示的な代替マーカーの上面図を示す。
【
図6B】マーカーのマーカー要素が曲がった構成である、
図6Aのマーカーの別の上面図を示す。
【
図7A】
図2のマーカー送達デバイスと共に使用するためのさらに別の例示的な代替マーカーの上面図を示す。
【
図8】
図2のマーカー送達デバイスと共に使用するためのさらなる別の例示的な代替マーカーの上面図を示す。
【
図10】
図2のマーカー送達デバイスと共に使用するためのさらなる別の例示的な代替マーカーの上面図を示す。
【
図11】
図2のマーカー送達デバイスと共に使用するためのさらなる別の例示的な代替マーカーの上面図を示す。
【
図12】
図2のマーカー送達デバイスと共に使用するためのさらなる別の例示的な代替マーカーの上面図を示す。
【0008】
図面は、決して限定的となることを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されない方法も含む様々な他の方法で実施され得ることが企図されている。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を示し、その説明と一緒に本発明の原理を説明するのに役立つ。しかしながら、本発明が、示される正確な構成に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特定の実施例に関する以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用するべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、以下の説明から当業者には明らかであり、それは例示であり、本発明を実施するために企図される最良の形態のうちの1つである。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の様々な及び明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は本質的に例示であり、限定的ではないとみなすべきである。
【0010】
一時的または永続的であるかどうかに関わらず、それを除去またはサンプリングする前または直後に病変の位置または辺縁をマーキングすることが可能であることが有益になり得る。除去の前のマーキングは、必要に応じて、病変全体を切除することを確実にすることを支援し得る。代替として、病変がその全体で意図しないで除去された場合、手技の直後に生検部位をマーキングすることは、後の識別のためにその場所の再設定を可能にする。
【0011】
マーカーが生検部位に位置付けられると、マーカーが超音波の下で視認可能なままであることが望ましくなり得る。また、患者の他の構造的特徴に対してマーカーを容易に識別可能にすることが望ましくなり得る。例えば、後続の超音波検査中に微小石灰化としてマーカーを意図しないで特徴付けることを回避するために、超音波可視化の下で、マーカーが微小石灰化と区別可能であることが望ましくなり得る。概して、微小石灰化は、疑わしい病変または腫瘤を識別するための分野において使用される。したがって、概して、超音波ビューがマーカーとして区別可能であり、新たな腫瘤として意図しないで識別されないことが望ましい。
【0012】
I.例示的なマーカー
【0013】
本明細書に提示される態様は、
図1A~
図1Cに示されるように、周辺組織(30)を有する生検腔(10)を経皮的にマーキングするためのマーカーを製造するためのデバイス及び手順に関連する。例えば、
図1Aに見られるように、マーカー(100)は最初に、生検部位の再特定を容易にするために、生検腔(10)に配置され得る。マーカー(100)は、キャリア(120)及びマーカー要素(12)を含み得る。キャリア(120)は、概して、生体吸収性マーカー物質(122)を含む。したがって、キャリア(120)は、概して、生検腔(10)内でのマーカー(100)の配置後に患者の体内に吸収するように構成される。いくつかの例では、キャリア(120)は、超音波の下でキャリア(120)の可視化を向上する複数のマイクロバブルを含み得る。下記により詳細に説明されるように、マーカー物質(122)は概して生体吸収性があり、それにより、マーカー物質(122)は、概して、経時的に患者の組織に吸収され得る。本発明の例では、マーカー物質(122)は、最初に脱水状態にあるヒドロゲルを含む。本発明の例では、ヒドロゲルが使用されるが、他の例では、マーカー物質(122)が他の既知の生体吸収性材料を含み得ることを理解されたい。
【0014】
本発明の例では、マーカー(100)は、さらに、概して、生体吸収性ではないマーカー要素(12)を含む。マーカー要素(12)は、キャリア(120)の生体吸収性マーカー物質(122)内に埋め込まれたX線不透過性マーカーまたはエコー源性マーカーを含み得る。例えば、マーカー要素(12)は、本明細書における教示を考慮して、当業者に既知の金属、硬質プラスチック、または他のX線不透過性材料もしくは高エコー材料を含み得る。他の例では、マーカー(100)は、マーカー要素(12)なしで形成され得る。さらなる他の例では、マーカー(100)は、マーカー要素(12)だけにより形成され得、それにより、キャリア(120)が省略され、マーカー要素(12)が「むき出し」の形態にある。言い換えると、いくつかの例では、マーカー(100)は、むき出しのクリップとしてキャリア(120)だけから形成される。
【0015】
マーカー物質(122)は、概して、患者の体内で生検部位に配置されると拡張可能になる。
図1B及び
図1Cに示されるように、最初に脱水されたマーカー物質(122)は、それが挿入される周辺組織(30)からの流体を吸収し得る。この流体の吸収に応答して、マーカー物質(122)が膨張し得ることによって、生検処置中に組織サンプルの除去によって生検部位に形成された空洞をキャリア(120)が埋めることを可能にする。生分解性物質は、特に、自然な組織成長が経時的にインプラント材料を完全にまたは部分的に交換することを可能にすることが望まれる用途において適切であり得る。したがって、生体適合性を確実にし、組織の自然な機械的パラメータは、実質的に、事前に損傷した状態のものに復元される。
【0016】
マーカー(100)は、体腔(30)内の開口を介して外科的に、またはそのようなデバイスをカテーテル、イントロデューサ、もしくは同様のタイプの挿入デバイスとして使用する低侵襲処置によってのいずれかで本体に挿入され得る。マーカー(100)は、組織標本自体を除去するために使用される同一のデバイスを使用して、組織標本の除去の直後に送達され得る。次に、マーカー(100)によって一定期間にわたって生検腔部位を識別、特定、及び監視するために、x線乳房撮影または超音波等のフォローアップ非侵襲検出技術が医師によって使用され得る。
【0017】
本発明の例のマーカー(100)は、例えば、x線視野または超音波視野の下で臨床医に容易に視認可能であるように十分に大きく、生検腔に経皮的に展開されることが可能であり、患者にいずれかの困難を生じさせないように十分にさらに小さい。乳房組織の治療及び診断と関連して例が説明されるが、本明細書に提示される態様は、いずれかの内部組織、例えば、乳房組織、肺組織、前立腺組織、リンパ腺組織等にあるマーカーに対して使用され得る。
【0018】
それを取り囲む組織の自然水分によるキャリア(120)のマーカー物質(122)の水和作用は、ポリマーの拡張を生じさせ、ひいては、移動のリスクを最小にする。成長するヒドロゲルに基づくマーカー物質(122)は、それが成長するにつれて生検腔内でマーカー(100)を中心に置く。ヒドロゲルが拡張するにつれて、周辺組織から水分が自然に現れ、水和作用が伝達によって音が増大することを可能にし、ますます多くの低エコーが現れ、フォローアップ超音波学習を可視化することが容易になる。
【0019】
また、キャリア(120)の水和性ヒドロゲルマーカー物質(122)を使用して、永続的マーカー(12)を構成し得る。水和性マーカー物質(122)の低エコー特性はヒドロゲル水和性マーカー物質(122)内の永続的マーカー(12)の超音波視認性を可能にする。その理由として、永続的マーカー(12)が水のような非反射性基板を有する低エコー水和性マーカー内で鏡面反射体として輪郭が示されるためである。
【0020】
II.例示的なマーカー送達デバイス
【0021】
いくつかの例では、特定のマーカー送達デバイスを使用して体腔(30)内に上記に説明したマーカー(100)を展開することが望ましくなり得る。例えば、
図2及び
図3は、カニューレの遠位端に隣接して形成されるが、カニューレ(162)の遠位端から近位に間隔が空いた側面開口(164)等のマーカー出口を有する細長い外側カニューレ(162)を含む例示的なマーカー送達デバイス(150)を示す。
【0022】
グリップ(166)は、カニューレ(162)の近位端に提供できる。プッシュロッド(168)が提供でき、プッシュロッド(168)は、カニューレ(162)内で同軸上に延在し、それにより、プッシュロッド(168)は、カニューレ(162)内で並進して、側面開口(164)を通して1つ以上のマーカーを変位させるように構成される(
図3参照)。ロッド(168)は、カニューレ(162)の内腔(165)から、マーカーを、開口(164)を通して外に押し出すために圧迫状態で十分な剛性を有し得るが、曲がる際に相対的に可撓性があり得る。カニューレ(162)から外にマーカーを展開するために、ロッド(168)をカニューレ(162)内で遠位に押すために、プランジャ(170)がロッド(168)の近位端で結合される。
【0023】
ユーザは、2本の指でグリップ(166)を掴み得、同一の手の親指を使用してプランジャ(170)を前進させ得、これにより、マーカー送達デバイス(160)は、ユーザの片手によって操作される。グリップ(166)及びカニューレ(162)に対して近位にロッド(168)を付勢するために、ロッド(168)の周りにバネ(図示せず)または他の特徴が提供され得る。
【0024】
図3は、マーカー送達デバイス(160)の遠位部の断面図を示す。確認できるように、上記に説明したマーカー(100)と同様の生検マーカー(300)は、カニューレ(162)の内腔(165)内に配置される。本発明の例では、マーカー(300)は、ほぼ円筒形状に成形された本体のコラーゲンまたはヒドロゲル等の生分解性物質またはそうでなければ吸収性マーカー物質(306)と、マーカー物質(306)内に配置され、またはそうでなければマーカー物質(306)によって搬送される金属のほぼX線不透過性永続的マーカーまたはマーカー要素(310)とを含む。
【0025】
カニューレ(162)は、いずれかの適切な金属材料または非金属材料から形成され得る。いくつかの変形形態では、カニューレ(162)は、適切な医療用プラスチックまたはポリマーから形成された薄肉中空管から形成される。1つの適切な材料は、商品名PEBAXで既知であるもの等、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)等の熱可塑性エラストマーである。カニューレ(162)はPEBAXから形成され得、可視光及びx線に対して実質的に透過的であり得る。
【0026】
側面開口(164)は、カニューレ(162)の壁の一部を切り取ることによって形成され得る。側面開口(164)は、カニューレ(162)の内腔(165)と連通する。側面開口(164)は、
図3に示されるように、近位開口端(164A)から遠位開口端(164B)に軸方向に(腔(165)の軸に平行な方向に)延在し得る。
【0027】
本発明の例では、
図3に示されるように、遠位先端(172)は、カニューレ(162)の遠位端から延在し、丸められる。
図3を参照して、カニューレ(162)の遠位端は一体型の末端部(171)によって閉鎖され、末端部(171)の一部は、カニューレ(162)の内腔(165)に延在する。末端部(171)は、成形構成要素または鋳型構成要素であり得る。末端部(171)は、先端(172)、斜面(212)を有する傾斜路(210)、及びマーカー係合要素(240)を含む。斜面(212)は、側面開口(164)を通して内腔(165)からマーカー(300)を方向付けることを支援する。マーカー係合要素(240)は、ユーザがマーカー(300)を展開することを意図するまで、内腔(165)内でマーカー(300)を保つことを支援する。
【0028】
マーカー係合要素(240)は、内腔(165)内に配置され、マーカー係合要素(240)の少なくとも一部は、側面開口(164)の近位端(164A)の遠位に配置される。マーカー係合要素(240)は、開口(164)の下でカニューレ(162)の底の一部に沿って延在し、それにより、マーカー係合要素(240)は、開口(164)が形成されたカニューレ(162)の一部を補強するように位置付けられる。例えば、開口(164)の下部にマーカー係合要素(240)を位置付けることによって、
図3に示されるように、要素(240)は、カニューレ(162)の壁が開口(164)を形成するように切断された領域内でカニューレ(162)を硬化することを支援する。
図3に示されるように、マーカー係合要素(240)は、斜面(212)の最も近位部から延在し、側面開口(164)の近位に延在しないが、他の実施形態では、要素(240)の一部は、開口(164)の近位に延在し得る。
【0029】
図3に示されるように、マーカー係合要素(240)は、要素(240)が先細りの近位端(242)を有することを除き、要素(240)の軸長に沿ってほぼ一様な厚み(T)を有する段の形態にある。先細りの近位端(242)は、約45度の腔(165)の縦軸を有する狭角(
図3では水平線を有する狭角)を形成する一方、斜面(212)は約30度の縦軸を有する狭角を形成する。当然ながら、任意の数の他の適切な角度が使用され得る。
【0030】
図3に示されるように、マーカー係合要素(240)の上向き面(244)(開口(164)に対向する面)は、斜面(212)に接触するよう遠位に延在し、これにより、表面(244)と斜面(212)との間に空間または隙間が存在しない。そのような配列は、マーカー係合要素(240)を通過すると、マーカー(300)がマーカー係合要素(240)と傾斜路(212)との間に引っかかり得る可能性を低下させる利点がある。いくつかの変形形態では、マーカー係合要素(240)、傾斜路(210)、及び/または先端(172)は、カニューレ(162)の壁よりも相対的によりX線不透過性がある材料から形成され、またはその材料を含む。例えば、要素(240)、傾斜路(210)、及び先端(172)が一体式末端部(171)として形成される場合、末端部(171)は、硫酸バリウム等のX線不透過性添加剤を含み得る。例えば、末端部(171)は、溶解PEBAX鋳型組成物に添加された約20重量パーセントの硫酸バリウムを有するPEBAXから成形された構成要素であり得る。相対的によりX線不透過性のマーカー係合要素(240)、傾斜路(210)、及び先端(22)は、放射線撮像を使用してそれらの構成要素の位置を区別する際に有用であり得る。また、傾斜路(210)及び/または係合要素(240)の段が開口(164)と関連して位置付けられる場合、X線不透過性材料の添加は、マーカー(300)の展開の前、間、または後に、開口(164)の位置、及び開口(164)に対するマーカー(300)の位置を識別することを支援できる。
【0031】
図4を参照して、マーカー送達デバイス(160)は、マーカー(300)を展開して患者の体内の生検場所をマーキングするために使用される。
図4では、穿刺先端(402)及び側面組織受け開口(414)を有する閉鎖遠位端を有するカニューレ状生検針(400)が示される。マーカー送達デバイス(160)は、生検針(400)を通して生検部位に導入され、生検針(400)は、生検部位から組織サンプルを収集するために使用されるものと同じ針(400)であり得る。生検針(400)は、単一挿入の複数サンプル陰圧生検デバイスと共に使用されるタイプであり得る。本明細書で参照によって言及され、組み込まれた様々な特許及び特許出願においていくつかのそのような生検デバイスが開示されているが、他の生検デバイスが使用され得る。
【0032】
図4は、針(400)内に配置されたマーカー送達デバイス(160)の遠位端を示す。針(400)は組織内に位置付けられ得、生検サンプルは側面開口(414)を通して取得され得、それによって、側面開口(414)に隣接する生検腔を提供する。次に、組織サンプルが取得され、針(400)を通して近位に移された後、患者の組織から針(400)を除去することなく、マーカー送達デバイス(160)が針(400)内の近位開口に挿入される。
図4では、針(400)及びマーカー送達デバイス(160)は、カニューレ(162)の開口(164)及び針(400)の側面開口(414)が軸方向及び周囲に実質的に整列されるように位置付けられる。次に、マーカー送達デバイス(160)及び針(400)が生検部位にそのように位置付けられることにより、プッシュロッド(168)が前進し、マーカー(300)が、斜面(212)を上がり、開口(164)を通り、次に、側面開口(414)を通り、生検腔に入るように展開する。
【0033】
III.移動を制限するための生検部位マーカーの例
【0034】
いくつかの例では、組織内に配置されたときにマーカーが移動するリスクを減らすために、マーカー(100)と同様のマーカー内に特定の特徴を含むことが望ましくなり得る。例えば、いくつかのマーカーは、マーカーの配置と後続のフォローアップ手順との間の介在時間に組織が移動するため、生検部位の配置後に移動する傾向があり得る。結果として、そのようなマーカーは、後続のフォローアップ手順中、生検部位の識別に関する課題を生じさせ得る。したがって、マーカーを組織内の定位置に経時的に維持するために、マーカー(100)と同様の特徴をマーカーに組み込むことが望ましくなり得る。上記で大まかに述べた特徴を組み込んだいくつかの例が本明細書に説明されているが、本明細書に説明される基本原理から逸脱することなく、様々な代替の組み合わせが使用できることを理解されたい。
【0035】
A.マルチモーダル固定による生検部位マーカーの例
【0036】
図5A及び
図5Bは、概して、生検部位における送達時に組織に固定して、組織における初期配置に対するマーカー(500)の移動を制限するように構成された例示的なマーカー(500)を示す。さらに、マーカー(500)は、概して、生検部位における1つ以上の状態に応答して経時的に固定を向上させるように構成され、マーカー(500)の移動を制限することにさらに寄与する。
【0037】
上記に説明したマーカー(100)と同様に、本発明の例のマーカー(500)は、キャリア(520)及びマーカー要素(512)を含む。上記に説明したキャリア(120)と同様に、本発明の例のキャリア(520)は、概して、生体吸収性マーカー物質(522)を含む。したがって、キャリア(520)は、概して、上記に説明した生検腔(10)等の生検腔内でのマーカー(500)の配置後に患者の体内に吸収するように構成される。本発明の例のキャリア(520)は、ほぼ円筒形状の輪郭を示すが、様々な他の形状が使用され得る。上記に同様に説明したように、キャリア(520)のいくつかの例は、超音波の下でキャリア(520)の可視化を向上する複数のマイクロバブルを含み得る。
【0038】
本発明の例のマーカー物質(522)は、ヒドロゲル材料または他の適切な材料を含む。ヒドロゲル材料は、概して、経時的に患者の組織に吸収されるように構成される。したがって、マーカー物質(522)は、概して、非永続的である。さらに、ヒドロゲルは、概して、組織内に配置されたときに拡張または膨張するように構成される。下記により詳細に説明されるように、ヒドロゲルは、生検部位にまたは生検腔内に展開される前に、脱水及び/または硬化され得る。ヒドロゲルが組織に接触すると、ヒドロゲルは組織から水分を吸収し、ヒドロゲルの水分が増加するにつれて拡張または膨張し得る。いくつかの例では、ヒドロゲルは、また、脱水及び/または硬化中に操作して、様々な拡張プロファイルに従ってヒドロゲルの拡張を制御し得る(例えば、縦拡張を制限する、横拡張を制限する、及び/またはその他を制限する)。本明細書では、マーカー物質(522)はヒドロゲルとして説明されるが、他の例では、マーカー物質(522)は、ヒドロゲルの有無に関わらず、他の適切な材料を含み得る、または適切な材料の様々な組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0039】
上記に説明したマーカー要素(12)と同様に、本発明の例のマーカー要素(512)は、キャリア(520)の一部の中に少なくとも部分的に配置される。しかしながら、マーカー要素(12)とは異なり、マーカー要素(512)の1つ以上の部分は、キャリア(520)の外側に配置される。下記により詳細に説明されるように、マーカー要素(512)のこの構成は、概して、組織内でのマーカー(500)の固定を促進するように構成される。
【0040】
本発明の例のマーカー要素(512)は、1次アンカー(530)(代わりに、「皮下注射器」と呼ばれる)、1つ以上の2次アンカー(534)(代わりに、「アウトリガー」と呼ばれる)、ならびに1次アンカー(530)及び1つ以上の2次アンカー(534)を接続または接合するコイル(536)を含む。下記により詳細に説明されるように、アンカー(530、534)は、概して、組織に係合して組織内にマーカー(500)を固定するように構成される。
【0041】
本発明の例の1次アンカー(530)は、概して、組織との最初の係合及び固定を提供するように構成される。そのような係合を促進するために、1次アンカー(530)は、1次アンカー(530)の遠位端に配置されたバーブ(532)を含む。釣り針または他の構造と同様に、バーブ(532)は、一方向に(例えば、遠位に)に力が加えられるときに組織を貫通するが、反対方向に(例えば、近位に)に力が加えられるとき、組織に引っかかる、またはくっつくように構成される。したがって、バーブ(532)は、鋭い遠位端と、鋭い遠位端から近位に向けられた傾斜した突出部とを含み得ることを理解されたい。本発明の例では、単一のバーブ(532)を含むものとして示されているが、他の例では、複数のバーブ(532)及び/または近位に向けられた突起は、1次アンカー(530)の長さに沿って1次アンカー(530)に組み込まれ得ることを理解されたい。
【0042】
1次アンカー(530)は、コイル(536)から遠位に延在する。1次アンカー(530)の少なくとも一部はキャリア(520)の外側に延在し、それにより、1次アンカー(530)の一部は組織に係合するように構成される。下記により詳細に説明されるように、1次アンカー(530)の特定の長さの延長は、概して、キャリア(520)のヒドロゲルの既定の拡張に関する。例えば、1次アンカー(530)の延長部は、概して、十分な長さであり、これにより、組織内でキャリア(520)が完全に拡張した後でもバーブ(532)が組織と係合したままになる。
【0043】
本発明の例では、単一の1次アンカー(530)を含むものとして示されているが、他の例では、複数の1次アンカー(530)が使用され得る。例えば、いくつかの例では、2つの1次アンカー(530)が、キャリア(520)によって画定された縦軸に対してある角度でコイル(536)から遠位に延在し得る。他の例では、一方の1次アンカー(530)が示されるように遠位に延在する一方、別の1次アンカー(530)はコイル(536)から近位に延在し得る。さらに他の例では、複数の1次アンカー(530)は、コイル(536)から近位に、遠位に、またはその両方に遠位に延在し得る。
【0044】
1つ以上の2次アンカー(534)が、キャリア(520)の内側からキャリア(520)の外側まで、コイル(536)から横方向に延在する。1つ以上の2次アンカー(534)は、ともに、組織内でマーカー(500)をさらに固定するように構成される。下記により詳細に説明されるように、各2次アンカー(534)がキャリア(520)の拡張に応答するように構成されているため、マーカー(500)が組織内に配置されると、そのような固定は経時的に向上し得る。
【0045】
各2次アンカー(534)は、細長いワイヤロッド形状の構造を含む。各2次アンカー(534)は、さらに、コイル(536)から外側に延在する。各2次アンカー(534)の延長部は、キャリア(520)によって画定された縦軸の横方向に、または縦軸から離れるように示される。さらに、各2次アンカー(534)はキャリア(520)によって画定された縦軸に対してある角度をなすように示され、それにより、各2次アンカー(534)も近位に(または、1次アンカー(530)の延長部から離れて)延在する。この配向では、各2次アンカー(534)は、一方向(例えば、遠位方向)におけるマーカー(500)の移動を可能にするが、別の方向(例えば、近位方向)におけるマーカー(500)の移動を防止するように構成される。
【0046】
各2次アンカー(534)は、ほぼバネのような特性を有するように構成される。例えば、各2次アンカー(534)は、曲げるための十分な可撓性があり、それによって、一方向(例えば、遠位方向)における移動を可能にし得るが、反対方向(例えば、近位方向)におけるマーカー(500)の移動を防止するための十分な剛性があり得る。そのような特性は、各2次アンカー(534)の特定の材料、各2次アンカー(534)の寸法(例えば、直径)、または両方の組み合わせによって容易になり得る。
【0047】
本発明の例のマーカー要素(512)は2つの2次アンカー(534)を含むものとして示され、1つの2次アンカー(534)はキャリア(520)の各側から突出する。他の例では、マーカー要素(512)は、任意の適切な数の2次アンカー(534)を含み得る。例えば、いくつかの例では、マーカー要素(512)は、キャリア(520)の各側から延在する複数の2次アンカー(534)を含み得る。他の例では、2次アンカー(534)の数は、キャリア(520)の一方の側から延在する1つの2次アンカー(534)と、キャリア(520)の別の側から延在する複数の2次アンカー(534)とについて非対称であり得る。
【0048】
上述のように、コイル(536)は、1次アンカー(530)及び各2次アンカー(536)を接合または接続する。コイル(536)は、X線源及び検出器に対して様々な角度におけるX線可視化の下でのマーカー要素(512)の可視化を向上させるために、ワイヤ材料の1つ以上のループを含む。さらに、コイル(536)の1つ以上のループは、マーカー要素(512)をキャリア(520)内に固定するように構成され、それによって、1次アンカー(530)及び各2次アンカー(536)に機械的接地を提供し得る。
【0049】
本発明の例のコイル(536)は、1次アンカー(530)及び各2次アンカー(536)と一体である。しかしながら、他の例では、コイル(536)は別個の構成要素であり得、1次アンカー(530)及び/または各2次アンカー(536)がコイル(536)に接続、固定、及び/または締結される。いずれにしても、いくつかの例では、コイル(536)は、さらに、各2次アンカー(536)に少なくともいくらかの弾性を提供するように構成され得る。一体構造により、コイル(536)、1次アンカー(530)、及び各2次アンカー(536)は、金属等の単一の共通材料を含む。ほんの一例として、コイル(536)、1次アンカー(530)、及び各2次アンカー(536)のための単に例示的な適切な材料は、ニチノール、ステンレス鋼、チタン、及び/またはその他等の生体適合性合金を含み得る。
【0050】
図5A及び
図5Bは、ともに、マーカー(500)の例示的な使用法を示す。例えば、
図5Aは、初期の脱水構成にあるマーカー(500)を示す。そのような構成は、上記に説明したマーカー送達デバイス(150)と同様のマーカー送達デバイスに装填されるマーカー(500)に対応し得る。そのような構成は、また、生検部位で展開した直後のマーカー(500)の状態に対応し得る。
【0051】
初期の脱水構成では、マーカー(500)は、マーカー送達デバイス(150)または任意の他の適切な手段を使用して生検部位に挿入され得る。挿入中、1次アンカー(530)のバーブ(532)によって画定された鋭い先端は組織に貫通し得る。この貫通は、バーブ(532)の隣接する突出部を設定して、マーカー(500)の軸方向位置を設定し、マーカー(500)の展開に使用される空洞を通って戻るマーカー(500)の近位移動を制限する。2次アンカー(534)は、同様に、組織を通るマーカー(500)の遠位移動に応答して曲がるまたはそうでなければ移動することにより、組織への挿入を促進し得る。2次アンカー(534)は、また、各2次アンカー(534)の近位配向により、マーカー(500)の展開に使用される空洞を通って戻るマーカー(500)の近位移動を制限し得る。
【0052】
マーカー(500)が組織内に展開された後、マーカー物質(522)は周辺組織から流体を吸収し得る。この吸収は、
図5Bに示されるように、経時的にキャリア(520)の拡張または膨張をもたらす。この拡張または膨張により、各2次アンカー(534)の対応する移動を生じさせ得ることによって、キャリア(520)の縦軸に対する各2次アンカー(534)の角度を増加させる。各2次アンカー(534)の角度が増加するにつれて、各2次アンカー(534)によって組織内のマーカー(500)の固定が向上し得る。各2次アンカー(534)の少なくとも一部の移動は、マーカー物質(522)の拡張によって容易になり得るが、いくつかの例では、少なくとも一部の移動は、2次アンカー(534)自体の弾性またはコイル(536)によって提供された弾性のいずれか一方によることを理解されたい。
【0053】
B.曲げ部材を伴う生検部位マーカーの例
【0054】
図6A及び
図6Bは、概して、生検部位における送達時に組織に固定して、組織における初期配置に対するマーカー(600)の移動を制限するように構成された例示的なマーカー(600)を示す。上記に説明したマーカー(100)と同様に、本発明の例のマーカー(600)は、キャリア(620)及びマーカー要素(612)を含む。上記に説明したキャリア(120)と同様に、本発明の例のキャリア(620)は、概して、生体吸収性マーカー物質(622)を含む。したがって、キャリア(620)は、概して、上記に説明した生検腔(10)等の生検腔内でのマーカー(600)の配置後に患者の体内に吸収するように構成される。本発明の例のキャリア(620)は、ほぼ円筒形状の輪郭を示すが、様々な他の形状が使用され得る。上記に同様に説明したように、キャリア(620)のいくつかの例は、超音波の下でキャリア(620)の可視化を向上する複数のマイクロバブルを含み得る。
【0055】
本発明の例のマーカー物質(622)は、ヒドロゲル材料または他の適切な材料を含む。ヒドロゲル材料は、概して、経時的に患者の組織に吸収されるように構成される。したがって、マーカー物質(622)は、概して、非永続的である。さらに、ヒドロゲルは、概して、組織内に配置されたときに拡張または膨張するように構成される。下記により詳細に説明されるように、ヒドロゲルは、生検部位にまたは生検腔内に展開される前に、脱水及び/または硬化され得る。ヒドロゲルが組織に接触すると、ヒドロゲルは組織から水分を吸収し、ヒドロゲルの水分が増加するにつれて拡張または膨張し得る。いくつかの例では、ヒドロゲルは、また、脱水及び/または硬化中に操作して、様々な拡張プロファイルに従ってヒドロゲルの拡張を制御し得る(例えば、縦拡張を制限する、横拡張を制限する、及び/またはその他を制限する)。本明細書では、マーカー物質(622)はヒドロゲルとして説明されるが、他の例では、マーカー物質(622)は、ヒドロゲルの有無に関わらず、他の適切な材料を含み得る、または適切な材料の様々な組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0056】
上記に説明したキャリア(120)とは異なり、キャリア(620)は、1次要素(624)及び2次要素(626)の2つの部分に分割される。下記により詳細に説明されるように、2次要素(626)は、概して、1次要素(624)及び2次要素(626)の組み合わせによって組織内での固定を向上するために、1次要素(624)に対して移動するように構成される。本発明の例では、1次要素(624)及び2次要素(626)の両方は、同様の円筒形状を有するものとして示される。しかしながら、他の例では、1次要素(624)及び2次要素(626)は異なる形状を有し得ることを理解されたい。
【0057】
上記に説明したマーカー要素(12)と同様に、本発明の例のマーカー要素(612)は、キャリア(620)の一部の中に少なくとも部分的に配置される。しかしながら、マーカー要素(12)とは異なり、マーカー要素(612)の1つ以上の部分は、キャリア(620)の外側に配置される。例えば、マーカー要素(612)は、1次要素(624)から2次要素(626)まで延在し、1次要素(624)と2次要素(626)との間のマーカー要素(612)の一部を露出させる。下記により詳細に説明されるように、マーカー要素(612)のこの構成は、概して、1次要素(624)に対する2次要素(626)の移動によって、組織内でのマーカー(600)の固定を促進するように構成される。
【0058】
マーカー要素(612)は、バネ(630)(代わりに、「弾性部材」、「駆動部材」、及び/または「ドライバー」と呼ばれる)、1次コイル(632)、及び2次コイル(634)を含む。バネ(630)は、1次コイル(632)と2次コイル(634)との間に配置される。本発明の例では、バネ(630)は1次コイル(632)と2次コイル(634)との間の中心にあるように示されているが、いくつかの例では、バネ(630)は1次コイル(632)及び2次コイル(634)に対する中心から外れて配置され得ることを理解されたい。
【0059】
バネ(630)の特定の位置に関係なく、バネ(630)は、キャリア(620)の1次要素(624)及び2次要素(626)の両方の外側に位置付けられる。この構成は、概して、バネ(630)によって画定された軸の周りで1次要素(624)に対して2次要素(626)の移動を可能にするために望ましい。したがって、バネ(630)は、概して、2次要素(626)及び/または1次要素(624)の移動を活発にするように構成される。
【0060】
バネ(630)は、1次要素(624)に対する2次要素(626)の移動を活発にするのに適した様々な形態をとり得る。本発明の例では、バネ(630)はコイルまたはねじりバネとして示される。そのような構成は、また、1つ以上の重なり合うコイルを含めることによって、X線下でのマーカー要素(612)の可視性を向上させるためにも望ましくなり得る。しかしながら、他の適切な構成が使用され得る。例えば、いくつかの例では、バネ(630)は、ニチノール等の形状記憶材料を含み得る。次に、バネ(630)は、周辺組織からの温度上昇に応答して、第1の比較的直線形状から第2の曲げ形状に移行し得る。
【0061】
1次コイル(632)及び2次コイル(634)は、マーカー要素(612)の対向する端に配置される。1次コイル(632)は、キャリア(620)の1次要素(624)内に配置される。その一方、2次コイル(634)は、キャリア(620)の2次要素(626)内に配置される。両方のコイル(632,634)は、X線及び/または超音波の下で視認可能であり得る特徴的な幾何学的パターンを画定する。例えば、いくつかの例では、コイル(632,634)は、X線源及び検出器に対して様々な角度におけるX線可視化の下でのマーカー要素(612)の可視化を向上させるために、ワイヤ材料の1つ以上のループを含み得る。さらに、コイル(632,634)の1つ以上のループは、マーカー要素(612)をキャリア(620)の1次要素(624)/2次要素(626)の中に固定するように構成され、それによって、マーカー要素(612)に機械的接地を提供し得る。他の例では、コイル(632,634)は、X線及び/または超音波の下での可視化の向上を提供するために、1つ以上の点で曲げられたリボンまたはシート構成であり得る。各コイル(632,634)の上記の構成のいずれにおいても、そのようなコイル(632,634)は、可視化をさらに向上するために1つ以上の開口部及び/またはボアを含み得る。さらに、各コイル(632,634)は必ずしも同一の構成ではない。実際、いくつかの例では、マーカー(600)の特定の端をより容易に識別するために、各コイル(632,634)の構成の間に少なくともいくつかの変化があることが望ましくなり得る。
【0062】
本発明の例の各コイル(632,634)は、マーカー要素(612)の残りと一体である。そのような構成は、例えば、単一のワイヤだけを曲げればよいため、製造の容易性を促進するために望ましくなり得る。しかしながら、他の例では、各コイル(632,634)は別個の構成要素であり得、マーカー要素(612)の他の部分は各コイル(632,634)に接続、固定、及び/または締結される。一体構造により、マーカー要素(612)は金属等の単一の共通材料を含む。ほんの一例として、各コイル(632,634)及びマーカー要素(612)の他の構成要素のための単に例示的な適切な材料は、ニチノール、ステンレス鋼、チタン、及び/またはその他等の生体適合性合金を含み得る。
【0063】
図6A及び
図6Bは、ともに、マーカー(600)の例示的な使用法を示す。例えば、
図6Aは、初期の直線構成にあるマーカー(600)を示す。そのような構成は、上記に説明したマーカー送達デバイス(150)と同様のマーカー送達デバイスに装填されるマーカー(600)に対応し得る。マーカー(600)が直線構成にある間、マーカー(600)は、概して、マーカー送達デバイスを使用して生検部位に展開するように構成される。
【0064】
マーカー(600)が生検部位に展開されると、マーカー(600)は、
図6Bに示されるような曲げ構成に自動的に移行するように構成される。確認できるように、バネ(630)は、バネ(630)によって画定された軸の周りで1次要素(624)に対して2次要素(626)の移動を活発にするように構成される。この移行により、マーカー(600)がより不規則な形状になるため、生検部位の組織内に固定される可能性が高くなる。本発明の例では、約90°の回転が示される。しかしながら、他の例では、他の様々な回転が使用され得ることを理解されたい。ほんの一例として、適切な回転角度の1つの範囲は、約70°~約100°を含み得る。
【0065】
上述のように、バネ(630)は、様々な方法で2次要素(626)の移動を活発にするように構成され得る。本発明の例では、そのような移動は、バネ(630)が弾性的に付勢され、2次要素(626)を
図6Aに示される位置から
図6Bに示される位置に回転させることによって達成される。他の例では、バネ(630)は形状記憶合金を含み得る。そのような合金は、周辺組織の温度に敏感であり、したがって、バネ(630)が周囲温度から組織の温度まで温まるにつれて、2次要素(626)の移動を経時的にゆっくり活発にし得る。そのような構成は、キャリア(620)の拡張及び/または膨張と少なくとも部分的に同時に2次要素(626)の移動を促進するために望ましくなり得る。
【0066】
C.複数のアンカー要素を伴う生検部位マーカーの例
【0067】
図7A及び
図7Bは、概して、複数の平面にわたって配向されるアンカーを使用して組織に固定して、組織における初期配置に対するマーカー(700)の移動を制限するように構成される、例示的なマーカー(700)を示す。上記に説明したマーカー(100)と同様に、本発明の例のマーカー(700)は、キャリア(720)及びマーカー要素(712)を含む。上記に説明したキャリア(120)と同様に、本発明の例のキャリア(720)は、概して、生体吸収性マーカー物質(722)を含む。したがって、キャリア(720)は、概して、上記に説明した生検腔(10)内でのマーカー(700)の配置後に患者の体内に吸収するように構成される。本発明の例のキャリア(720)は、ほぼ円筒形状の輪郭を示すが、様々な他の形状が使用され得る。上記に同様に説明したように、キャリア(720)のいくつかの例は、超音波の下でキャリア(720)の可視化を向上する複数のマイクロバブルを含み得る。
【0068】
本発明の例のマーカー物質(722)は、ヒドロゲル材料または他の適切な材料を含む。ヒドロゲル材料は、概して、経時的に患者の組織に吸収されるように構成される。したがって、マーカー物質(722)は、概して、非永続的である。さらに、ヒドロゲルは、概して、組織内に配置されたときに拡張または膨張するように構成される。下記により詳細に説明されるように、ヒドロゲルは、生検部位にまたは生検腔内に展開される前に、脱水及び/または硬化され得る。ヒドロゲルが組織に接触すると、ヒドロゲルは組織から水分を吸収し、ヒドロゲルの水分が増加するにつれて拡張または膨張し得る。いくつかの例では、ヒドロゲルは、また、脱水及び/または硬化中に操作して、様々な拡張プロファイルに従ってヒドロゲルの拡張を制御し得る(例えば、縦拡張を制限する、横拡張を制限する、及び/またはその他を制限する)。本明細書では、マーカー物質(722)はヒドロゲルとして説明されるが、他の例では、マーカー物質(722)は、ヒドロゲルの有無に関わらず、他の適切な材料を含み得る、または適切な材料の様々な組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0069】
マーカー要素(712)は、編組部(730)と、編組部(730)から遠位に延在する複数のアンカー部(732)(代わりに、「アウトリガー」と呼ばれる)とを含む。本発明の例では、編組部(730)は、キャリア(720)内に全体的に配置される。他の例では、編組部(730)の少なくとも一部は、キャリア(720)の外側に延在し得る。編組部(730)は、繰り返しパターンで一緒に編組された複数のワイヤによって画定される。様々な適切な繰り返しパターンが使用され得る。概して、適切な反復パターンは、X線及び/または超音波の可視化の下での可視化を向上させる特徴的なパターンを提供するように構成され得る。
【0070】
アンカー部(732)は、編組部(730)から遠位に延在する。本発明の例では、編組部(730)は3本のワイヤを含み、アンカー部(732)は対応する3本の編組されていないワイヤによって形成される。代替として、他の例では、2本、4本、5本、または6本等の任意の適切な数のワイヤが使用され得る。各アンカー部(732)は、他のアンカー部(732)とは異なる角度で編組部(730)の遠位端から外側に突出し、複数の異なる平面を横切るように構成される。この構成では、各アンカー部(732)は、単一の平面を横切るのではなく、複数の平面にわたって組織に係合するように構成される。
【0071】
図7A及び
図7Bは、マーカー(700)の例示的な使用法を示す。例えば、
図7Aは、いくつかの例では、上記に説明したマーカー送達デバイス(150)と同様のマーカー送達デバイスを使用して生検部位に展開した後の構成に対応し得る構成のマーカー(700)を示す。この位置では、アンカー部(732)は、概して、完全に固定された構成のときよりも圧縮されている、またはともに接近している。アンカー部(732)は、互いの間にいくらかの空間を有するようにさらに示されているが、他の用途では、アンカー部(732)は、展開のためにともにより近くに配置され得ることを理解されたい。例えば、いくつかの用途では、アンカー部(732)を互いに押して、ほぼ直線状の遠位突起を形成し得る。この構成は、上記に説明したマーカー送達デバイス(150)と同様のマーカー送達デバイスを使用して、よりスムーズな展開を容易にするために望ましくなり得る。他の用途では、アンカー部(732)のそのような直線構成は、編組部(730)のパターンと同様のパターンでアンカー部(732)を編組することによってさらに容易になり得る。そのような構成では、アンカー部(732)のそのような編組は、互いに対するアンカー部(732)の後続の広がりを促進するために、相対的にゆるくなり得る。
【0072】
展開後、アンカー部(732)は、
図7Bに示されるように複数の異なる方向に広がる。この広がりの結果として、各アンカー部(732)は、複数の異なる平面にわたって生検部位で組織と互いに噛み合う。結果として、アンカー部(732)は、ともに、複数の方向(例えば、横方向及び縦方向)にわたって組織内にマーカー(700)を固定するように構成される。
【0073】
D.多平面アンカー要素を伴う生検部位マーカーの例
【0074】
図8及び
図9は、概して、複数の平面に沿って整列されたアンカーを使用して組織を固定して、組織の初期配置に対して、マーカー(800)の移動を制限するように構成された例示的なマーカー(800)を示す。上記に説明したマーカー(100)と同様に、本発明の例のマーカー(800)は、キャリア(820)及びマーカー要素(812)を含む。上記に説明したキャリア(120)と同様に、本発明の例のキャリア(820)は、概して、生体吸収性マーカー物質(822)を含む。したがって、キャリア(820)は、概して、上記に説明した生検腔(10)内でのマーカー(800)の配置後に患者の体内に吸収するように構成される。本発明の例のキャリア(820)は、ほぼ円筒形状の輪郭を示すが、様々な他の形状が使用され得る。上記に同様に説明したように、キャリア(820)のいくつかの例は、超音波の下でキャリア(820)の可視化を向上する複数のマイクロバブルを含み得る。
【0075】
本発明の例のマーカー物質(822)は、ヒドロゲル材料または他の適切な材料を含む。ヒドロゲル材料は、概して、経時的に患者の組織に吸収されるように構成される。したがって、マーカー物質(822)は、概して、非永続的である。さらに、ヒドロゲルは、概して、組織内に配置されたときに拡張または膨張するように構成される。下記により詳細に説明されるように、ヒドロゲルは、生検部位にまたは生検腔内に展開される前に、脱水及び/または硬化され得る。ヒドロゲルが組織に接触すると、ヒドロゲルは組織から水分を吸収し、ヒドロゲルの水分が増加するにつれて拡張または膨張し得る。いくつかの例では、ヒドロゲルは、また、脱水及び/または硬化中に操作して、様々な拡張プロファイルに従ってヒドロゲルの拡張を制御し得る(例えば、縦拡張を制限する、横拡張を制限する、及び/またはその他を制限する)。本明細書では、マーカー物質(822)はヒドロゲルとして説明されるが、他の例では、マーカー物質(822)は、ヒドロゲルの有無に関わらず、他の適切な材料を含み得る、または適切な材料の様々な組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0076】
マーカー要素(812)は、1次コイル(830)と、1次コイル(830)から外向きに延在する複数のアンカー(832,838,844,850)(代わりに、「アウトリガー」と呼ばれる)とを含む。本発明の例では、1次コイル(830)は、キャリア(820)内に全体的に配置される。1次コイル(830)は、1つ以上のワイヤコイルによって画定される。概して、1次コイル(830)を形成する1つ以上のワイヤコイルの組み合わせは、X線及び/または超音波の可視化の下で可視化を向上させるために、特徴的なパターンを提供するように構成される。本発明の例では、1次コイル(830)はキャリア(820)内で特定の配向を有するものとして示されているが、他の例では、1次コイル(830)は様々な代替の配向を有し得ることを理解されたい。
【0077】
各アンカー(832,838,844,850)は、1次コイル(830)から離れて近位または遠位に延在し、キャリア(820)から突出する。各アンカー(832,838,844,850)は、対応する2次コイル(834,840,846,852)及びバネ(836,842,848,854)を含む。各2次コイル(834,840,846,852)は、概して、1つ以上のワイヤループとして構成され、組織内方成長を促進してマーカー(800)の固定の向上を提供するように構成される。各バネ(836,842,848,854)は、1次コイル(830)と各々の2次コイル(834,840,846,852)との間の各アンカー(832,838,844,850)の長さに沿って位置付けられる。下記により詳細に説明されるように、各バネ(836,842,848,854)は、各々の2次コイル(834,840,846,852)を組織の外向きに及び組織内に付勢するように構成される。したがって、各バネ(836,842,848,854)は、キャリア(820)の外側の各アンカー(832,838,844,850)の長さに沿って位置付けられる。本発明の例のアンカー(832,838,844,850)は、互いに実質的に同様であるように示されているが、他の例では、アンカー(832,838,844,850)は、構造の変化があり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つ以上のアンカー(832,838,844,850)は、複数のバネ、複数のコイル、及び/または異なる幾何学的プロファイルを含み得る。さらに、いくつかの例では、アンカー(832,838,844,850)は長さが変わり得、アンカー(832,838,844,850)のうちの1つは、1つ以上の他のアンカー(832,838,844,850)よりも長いまたは短い。そのような機構の様々な適切な組み合わせは、本明細書の教示を考慮して、当業者には明らかであろう。
【0078】
本発明の例は、キャリア(820)から遠位に延在する第1のアンカー(832)及び第2のアンカー(838)と、キャリア(820)から近位に延在する第3のアンカー(844)及び第4のアンカー(850)とを含む。
図9に最良に示されるように、第1のアンカー(832)及び第2のアンカー(838)は、互いに対して横方向にオフセットされる。同様に、第3のアンカー(844)及び第4のアンカー(850)は、また、互いに対して横方向にオフセットされる。ある場合、そのような横方向のオフセットは、非対称の固定プロファイルのために望ましくなり得る。例えば、横方向のオフセットは、マーカー(800)の円筒形状の回転またはいくらかの移動を促進し得る。しかしながら、本発明の例では、アンカー(832,838,844,850)は、あらゆる非対称性のバランスを考えて位置付けられる。例えば、第1のアンカー(832)及び第3のアンカー(844)は、共通平面に沿って整列され得る。同様に、第2のアンカー(838)及び第4のアンカー(850)は、第1のアンカー(832)及び第3のアンカー(844)の共通平面からオフセットされた別の共通平面に整列され得る。結果として、マーカー(800)はよりバランスの取れた固定プロファイルを有し得、いくつかのアンカー(832,838,844,850)によって提供された固定が向上する。
【0079】
例示的な使用法では、マーカー(800)は、生検部位で展開するために、マーカー送達デバイス(150)の外側カニューレ(162)と同様に、管状構造で最初に配置され得る。管状構造内への閉じ込めを容易にするために、アンカー(832,838,844,850)は、バネ(836,842,848,854)の周りで曲がり、管状構造の内径に適合し得る。
【0080】
マーカー(800)の展開中、マーカー(800)は、マーカー送達デバイス(150)に関して上記に同様に説明したように、管状構造から放出され得る。マーカー(800)が管状構造から解放されると、バネ(836,842,848,854)の弾性付勢力により、アンカー(832,838,844,850)を拡張させ得る。結果として、各アンカー(832,838,844,850)の各2次コイル(834,840,846,852)は、生検部位でマーカー(800)を固定するために隣接する組織に押され得る。経時的に、各2次コイル(834,840,846,852)に関していくつかの組織内方成長が発生し得、経時的にマーカー(800)の固定がさらに向上する。
【0081】
図10は、上記に説明したマーカー(800)と同様の例示的なマーカー(900)を示す。例えば、マーカー(800)と同様に、本発明の例のマーカー(900)は、キャリア(920)及びマーカー要素(912)を含む。本発明の例のキャリア(920)は、上記に説明したキャリア(820)と実質的に同様である。例えば、キャリア(920)は、概して、生検腔内でのマーカー(900)の配置後に患者の体内に吸収するように構成される。同様に、キャリア(920)は、ヒドロゲル、または水和すると拡張し、経時的に患者の組織に吸収されるように構成された他の適切な材料を含み得る。
【0082】
マーカー要素(912)は、上記に説明したマーカー要素(812)と実質的に同様である。例えば、マーカー要素(812)と同様に、本発明の例のマーカー要素(912)は、1次コイルから離れて延在する複数のアンカー(932,938,944,950)を有する1次コイル(930)を含む。同様に、各アンカー(932,938,944,950)は、2次コイル(934,940,946,952)及びバネ(936,942,948,950)を含み、バネ(936,942,948,950)は、1次コイル(930)と2次コイル(934,340,946,952)との間に配置される。上記に説明したバネ(836,842,848,850)と同様に、本発明の例のバネ(936,942,948,950)は、キャリア(920)の外側に配置され、組織との各2次コイル(934,940,946,952)の係合を促進するように弾性的に付勢される。
【0083】
上記に説明したアンカー(832,838,844,850)とは異なり、本発明の例のアンカー(932,938,944,950)は、全て、1次コイル(930)から離れて遠位に延在する。言い換えると、各アンカー(932,938,944,950)は、他のアンカー(932,938,944,950)に対して同じ方向に延在する。そのような関係に対応するために、本発明の例はアンカー(932,938,944,950)を含む。例えば、本発明の例では、内側アンカー(944,950)は、外側アンカー(932,938)よりも大きい長さを有し、全てのアンカー(932,938,944,950)の間に適切なクリアランスを提供する。アンカー(932,938,944,950)の特定の長さが本発明の例に示されているが、他の例では、様々な代替の長さが使用され得る。代替として、各アンカー(932,938,944,950)の配向を修正して、長さを変えるのではなく、アンカー(932,938,944,950)間にクリアランスを提供し得る。
【0084】
示されていないが、本発明の例のアンカー(932,938,944,950)は、アンカー(832,838,844,850)に関して上記に同様に説明したように、他のアンカー(932,938,944,950)に対して横方向にオフセットされ得ることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、外側アンカー(932,938)は隣接する内側アンカー(944,950)と横方向に整列され得、それにより、外側アンカー(932,938)及び隣接する内側アンカー(944,950)は、共通平面に沿って延在する。その一方、外側アンカー(944,950)は、互いに対して横方向にオフセットされ得る。アンカー(832,838,844,850)に関して上記に同様に説明したように、そのような横方向のオフセットは、2つ以上の別個の平面に沿って配向された複数の固定点を提供するために望ましくなり得る。
【0085】
例示的な使用法では、マーカー(800)に関して上記に説明したのと同様に、マーカー(900)が使用され得る。例えば、マーカー(900)は、生検部位で展開するために、マーカー送達デバイス(150)の外側カニューレ(162)と同様に、管状構造で最初に配置され得る。管状構造内への閉じ込めを容易にするために、アンカー(932,938,944,950)は、バネ(936,942,948,954)の周りで曲がり、管状構造の内径に適合し得る。
【0086】
マーカー(900)の展開中、マーカー(900)は、マーカー送達デバイス(150)に関して上記に同様に説明したように、管状構造から放出され得る。マーカー(900)が管状構造から解放されると、バネ(936,942,948,954)の弾性付勢力により、アンカー(932,938,944,950)を拡張させ得る。結果として、各アンカー(932,938,944,950)の各2次コイル(934,940,946,952)は、生検部位でマーカー(900)を固定するために隣接する組織に押され得る。経時的に、各2次コイル(934,940,946,952)に関していくつかの組織内方成長が発生し得、経時的にマーカー(900)の固定がさらに向上する。
【0087】
E.ニチノールチューブを伴う生検部位マーカーの例
【0088】
図11は、概して、生検部位における送達時に形状を自動的に変化させ、組織における初期配置に対するマーカー(1000)の移動を制限するように構成された例示的なマーカー(1000)を示す。上記に説明したマーカー(100)と同様に、本発明の例のマーカー(1000)は、キャリア(1020)及びマーカー要素(1012)を含む。上記に説明したマーカー(120)と同様に、本発明の例のキャリア(1020)は、概して、生体吸収性マーカー物質(1022)を含む。したがって、キャリア(1020)は、概して、上記に説明した生検腔(10)内でのマーカー(1000)の配置後に患者の体内に吸収するように構成される。本発明の例のキャリア(1020)は、ほぼ円筒形状の輪郭を示すが、様々な他の形状が使用され得る。上記に同様に説明したように、キャリア(1020)のいくつかの例は、超音波の下でキャリア(1020)の可視化を向上する複数のマイクロバブルを含み得る。
【0089】
本発明の例のマーカー物質(1022)は、ヒドロゲル材料または他の適切な材料を含む。ヒドロゲル材料は、概して、経時的に患者の組織に吸収されるように構成される。したがって、マーカー物質(1022)は、概して、非永続的である。さらに、ヒドロゲルは、概して、組織内に配置されたときに拡張または膨張するように構成される。下記により詳細に説明されるように、ヒドロゲルは、生検部位にまたは生検腔内に展開される前に、脱水及び/または硬化され得る。ヒドロゲルが組織に接触すると、ヒドロゲルは組織から水分を吸収し、ヒドロゲルの水分が増加するにつれて拡張または膨張し得る。いくつかの例では、ヒドロゲルは、また、脱水及び/または硬化中に操作して、様々な拡張プロファイルに従ってヒドロゲルの拡張を制御し得る(例えば、縦拡張を制限する、横拡張を制限する、及び/またはその他を制限する)。本明細書では、マーカー物質(1022)はヒドロゲルとして説明されるが、他の例では、マーカー物質(1022)は、ヒドロゲルの有無に関わらず、他の適切な材料を含み得る、または適切な材料の様々な組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0090】
上記に説明したキャリア(120)とは異なり、キャリア(1020)は、遠位要素(1024)及び近位要素(1026)の2つの部分に分割される。下記により詳細に説明されるように、遠位要素(1024)及び近位要素(1026)は、概して、既定の距離だけ互いに離間され、それにより、遠位要素(1024)及び近位要素(1026)に対するマーカー(1000)の一部の移動を可能にする。したがって、遠位要素(1024)及び近位要素(1026)は、ともに、ほぼ円筒形状を形成し、円筒形状は、遠位要素(1024)と近位要素(1026)との間の空間によって遮断される。本発明の例では、遠位要素(1024)及び近位要素(1026)の両方は、同様の円筒形状を有するものとして示される。しかしながら、他の例では、遠位要素(1024)及び近位要素(1026)は異なる形状を有し得ることを理解されたい。
【0091】
上記に説明したマーカー要素(12)と同様に、本発明の例のマーカー要素(1012)は、キャリア(1020)の一部の中に少なくとも部分的に配置される。しかしながら、マーカー要素(12)とは異なり、マーカー要素(1012)の1つ以上の部分は、キャリア(1020)の外側に配置される。例えば、マーカー要素(1012)は遠位要素(1024)から近位要素(1026)まで延在し、遠位要素(1024)と近位要素(1026)との間のマーカー要素(1012)の一部が露出する。下記により詳細に説明されるように、マーカー要素(1012)のこの構成は、概して、マーカー要素(1012)、遠位要素(1026)、及び/または近位要素(1024)の1つ以上の移動によって、組織内でのマーカー(1000)の固定を促進するように構成される。
【0092】
マーカー要素(1012)は、アンカーチューブ(1030)(代わりに、「チューブ」、「拡張部材」、及び/または「交差部材」と呼ばれる)、遠位コネクタ(1032)、及び近位コネクタ(1034)を含む。アンカーチューブ(1030)は、遠位コネクタ(1032)と近位コネクタ(1034)との間に配置される。本発明の例のアンカーチューブ(1030)は、管状構造を形成するように互いに対して配向された複数のニチノールワイヤを含む。下記により詳細に説明されるように、アンカーチューブ(1030)のこの構成は、周辺組織からの熱に応答してアンカーチューブ(1030)の拡張を可能にするように構成され、これにより、アンカーチューブ(1030)を形成するワイヤが周辺組織と係合することによって、マーカー(1000)を固定する。本発明の例では、アンカーチューブ(1030)は複数のワイヤで形成されるが、他の例では、アンカーチューブ(1030)は、様々な材料を使用して様々な形態をとり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、アンカーチューブ(1030)は、シートを通って延在する穴及び/またはスロットを有する管状シート材料であり得る。そのような例では、アンカーチューブ(1030)は、ニチノール、他の生体適合性形状記憶合金、または生体適合性非形状記憶合金を含み得る。
【0093】
遠位コネクタ(1032)はアンカーチューブ(1030)の一端に配置され、近位コネクタ(1034)はアンカーチューブ(1030)の他端に配置される。各コネクタ(1032,1034)は、キャリア(1020)の要素(1024,1026)内に少なくとも部分的に配置される。したがって、各コネクタ(1032,1034)は、アンカーチューブ(1030)とキャリア(1020)の各要素(1024,1026)との間に機械的接地を提供する。さらに、各コネクタ(1032,1034)は、超音波下でのマーカー(1000)の可視化を向上するように構成され得る。例えば、いくつかの例では、各コネクタ(1032,1034)は、X線及び/または超音波の可視化の下で特徴的なパターンを提供するように構成された1つ以上のワイヤコイルを含み得る。他の例では、各接続部(1032,1034)は、X線及び/または超音波の可視化の下で特徴的なパターンを提供するために、いくつかの場所で曲げられたまたはねじれたリボンまたはシート材料を含み得る。
【0094】
いくつかの例では、各コネクタ(1032,1034)はアンカーチューブ(1030)と一体であり得る。したがって、そのような例では、各コネクタ(1032,1034)及びアンカーチューブ(1030)は、アンカーチューブ(1030)と同じ材料を含み得る。他の例では、各コネクタ(1032,1034)は、アンカーチューブ(1030)に対して異なる材料を含み得る。そのような例では、各コネクタ(1032,1034)は、オーバーモールド、鍛造、または他の同様のプロセスを使用して、アンカーチューブ(1030)と一体であり得る。代替として、各コネクタ(1032,1034)は、アンカーチューブ(1030)から分離され、1つ以上の締結具、接着剤、及び/または他の適切な機械的結合を使用してそれに接続され得る。
【0095】
例示的な使用法では、マーカー(1000)は、アンカーチューブ(1030)が
図11に示される構成と同様のほぼ管状構成である初期構成であり得る。そのような構成は、上記に説明したマーカー送達デバイス(150)と同様のマーカー送達デバイスに装填されるマーカー(1000)に対応し得る。マーカー(1000)が初期構成にある間、マーカー(1000)は、概して、マーカー送達デバイスを使用して生検部位に展開するように構成される。
【0096】
マーカー(1000)が生検部位に配置されると、マーカー(1000)は、拡張構成に自動的に移行するように構成される。この移行中、アンカーチューブ(1030)は周辺組織から熱を徐々に吸収する。この熱吸収は、アンカーチューブ(1030)の形状記憶特性を活性化する。本発明の例では、アンカーチューブ(1030)を構成する各ワイヤは、形状記憶特性の活性化時にキャリア(1020)によって画定された半径よりも大きい湾曲パターンで構成され得る。結果として、アンカーチューブ(1030)は、形状記憶特性が活性化されると拡張し、アンカーチューブ(1030)を形成する各ワイヤは、増大する力で周辺組織に係合する。拡張が完了すると、アンカーチューブ(1030)は、組織内にマーカー(1000)を固定するように構成され得る。
【0097】
F.マルチスプリング構成を有するアンカーを伴う生検部位マーカーの例
【0098】
図12及び
図13は、概して、複数の平面に沿って整列されたアンカーを使用して組織を固定して、組織の初期配置に対して、マーカー(1100)の移動を制限するように構成された例示的なマーカー(1100)を示す。上記に説明したマーカー(100)と同様に、本発明の例のマーカー(1100)は、キャリア(1120)及びマーカー要素(1112)を含む。上記に説明したキャリア(120)と同様に、本発明の例のキャリア(1120)は、概して、生体吸収性マーカー物質(1122)を含む。したがって、キャリア(1120)は、概して、上記に説明した生検腔(10)等の生検腔内でのマーカー(1100)の配置後に患者の体内に吸収するように構成される。本発明の例のキャリア(1120)はほぼ円筒形状の輪郭を示すが、様々な他の形状が使用され得る。上記に同様に説明したように、キャリア(1120)のいくつかの例は、超音波の下でキャリア(1120)の可視化を向上する複数のマイクロバブルを含み得る。
【0099】
本発明の例のマーカー物質(1122)は、ヒドロゲル材料または他の適切な材料を含む。ヒドロゲル材料は、概して、経時的に患者の組織に吸収されるように構成される。したがって、マーカー物質(1122)は、概して、非永続的である。さらに、ヒドロゲルは、概して、組織内に配置されたときに拡張または膨張するように構成される。下記により詳細に説明されるように、ヒドロゲルは、生検部位にまたは生検腔内に展開される前に、脱水及び/または硬化され得る。ヒドロゲルが組織に接触すると、ヒドロゲルは組織から水分を吸収し、ヒドロゲルの水分が増加するにつれて拡張または膨張し得る。いくつかの例では、ヒドロゲルは、また、脱水及び/または硬化中に操作して、様々な拡張プロファイルに従ってヒドロゲルの拡張を制御し得る(例えば、縦拡張を制限する、横拡張を制限する、及び/またはその他を制限する)。本明細書では、マーカー物質(1122)はヒドロゲルとして説明されるが、他の例では、マーカー物質(1122)は、ヒドロゲルの有無に関わらず、他の適切な材料を含み得る、または適切な材料の様々な組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0100】
マーカー要素(1112)は、1次コイル(1130)と、1次コイル(1130)から外向きに延在する複数のアンカー(1132,1142)(代わりに、「アウトリガー」と呼ばれる)とを含む。本発明の例では、1次コイル(1130)は、キャリア(1120)内に全体的に配置される。1次コイル(1130)は、1つ以上のワイヤコイルによって画定される。概して、1次コイル(1130)を形成する1つ以上のワイヤコイルの組み合わせは、X線及び/または超音波の可視化の下で可視化を向上させるために、特徴的なパターンを提供するように構成される。本発明の例では、1次コイル(1130)はキャリア(1120)内で特定の配向を有するものとして示されているが、他の例では、1次コイル(1130)は様々な代替の配向を有し得ることを理解されたい。
【0101】
各アンカー(1132、1142)は、1次コイル(1130)から離れて遠位に延在し、キャリア(1120)の一部から突出する。各アンカー(1132、1142)は、対応する第1のバネ(1134、1144)、第2のバネ(1136、1146)、及び2次コイル(1138、1148)を含む。各2次コイル(1138,1148)は、概して、1つ以上のワイヤループとして構成され、マーカー(1100)の固定の向上を提供するために、組織内方成長を促進するように構成される。第1のバネ(1134、1144)及び第2のバネ(1136、1146)のそれぞれは、1次コイル(1130)と各々の2次コイル(1138、1148)との間の各アンカー(1132、1142)の長さに沿って位置付けられる。下記にさらに詳細に説明されるように、第1のバネ(1134,1144)及び第2のバネ(1136,1146)のそれぞれは、組織の外向きに及び組織内に、各々の2次コイル(1138,1148)を付勢するように構成される。したがって、第1のバネ(1134、1144)及び第2のバネ(1136、1146)のそれぞれは、キャリア(1120)の外側の各アンカー(1132、1142)の長さに沿って位置付けられる。
【0102】
本発明の例のアンカー(1132,1142)は互いに実質的に同様なものとして示されているが、他の例では、アンカー(1132,1142)は構造の変化があり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つ以上のアンカー(1132,1142)は、追加のバネ、複数のコイル、及び/または異なる幾何学的プロファイルを含み得る。さらに、いくつかの例では、アンカー(1132,1142)は長さが変わり得、アンカー(1132,1142)のうちの1つは、1つ以上の他のアンカー(1132,1142)よりも長いまたは短い。そのような機構の様々な適切な組み合わせは、本明細書の教示を考慮して、当業者には明らかであろう。
【0103】
本発明の例は、キャリア(1120)から遠位に延在する第1のアンカー(1132)及び第2のアンカー(1142)を含む。
図13に最良に示されるように、第1のアンカー(1132)及び第2のアンカー(1142)は、互いに対して横方向にオフセットされる。そのような横方向のオフセットは、複数のオフセット面に沿った固定を促進するために望ましくなり得る。例えば、本発明の例の第1のアンカー(1132)は、1つの平面に沿って固定を提供するように構成される一方、第2のアンカー(1142)は、第1のアンカー(1132)に関連付けられた平面から横方向にオフセットされた別の平面に沿って固定を提供するように構成される。
【0104】
例示的な使用法では、マーカー(1100)は、生検部位で展開するために、マーカー送達デバイス(150)の外側カニューレ(162)と同様に、管状構造で最初に配置され得る。管状構造内への閉じ込めを容易にするために、アンカー(1132,1142)は、第1のバネ(1134,1144)及び/または第2のバネ(1136,1146)の周りで曲がり、管状構造の内径に適合し得る。
【0105】
マーカー(1100)の展開中、マーカー(1100)は、マーカー送達デバイス(150)に関して上記に同様に説明したように、管状構造から放出され得る。マーカー(1100)が管状構造から解放されると、バネ(1134,1136,1144,1146)の弾性付勢力により、アンカー(1132,1142)を拡張させ得ることによって、マーカー(1100)の横方向プロファイルまたはスパンを増加させる。結果として、各アンカー(1132,1142)の各2次コイル(1138,1148)は、生検部位でマーカー(1100)を固定するために隣接する組織に押され得る。経時的に、いくつかの組織内方成長は各2次コイル(1138,1148)に対して発生し得、経時的にマーカー(1100)の固定がさらに向上する。
【0106】
IV.例示的な組み合わせ
【0107】
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせ得る、または適用し得る、非包括的な様々な方法に関する。以下の実施例は、本願、または本願の後続の出願の任意の時点で提示され得る、いずれかの請求項の適用範囲を制限することを意図しないことを理解されたい。権利放棄は意図していない。以下の実施例は、単に例示的な目的で示しているにすぎない。本明細書の様々な教示を他の多くの方法で配置及び適用し得ることは企図されている。また、いくつかの変形例は、下記の実施例で言及される特定の特徴を省略し得ることも企図されている。したがって、後日に発明者によって、または対象となる発明者の後継者によって等、特に明示的に示されない限り、下記に言及される態様または特徴のいずれも重大なものとみなすべきではない。本願、または本願に関連する後続の出願において、下記に言及する特徴以外のさらなる特徴を含む、いずれかの特許請求の範囲が提示される場合、これらのさらなる特徴は、特許性に関するいずれかの理由で追加されたものと推定するものではない。
【0108】
実施例1
【0109】
生検部位マーカーであって、キャリアと、1次コイル、第1のアンカー、及び第2のアンカーを含むマーカー要素と、を含み、前記1次コイルは前記キャリア内に配置され、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの少なくとも一部は、前記1次コイルから及び前記キャリアの反対側から横方向に及び外向きに離れて延在し、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、生検部位で組織に係合するために前記1次コイルに対して移動するように構成される、前記生検部位マーカー。
【0110】
実施例2
【0111】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、前記キャリアによって画定された縦軸に対してある角度で前記1次コイルから横方向に延在する、実施例1に記載のマーカー。
【0112】
実施例3
【0113】
前記キャリアはヒドロゲルマーカー物質を含む、実施例1または2に記載のマーカー。
【0114】
実施例4
【0115】
前記ヒドロゲルマーカー物質は水分の存在下で拡張するように構成され、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、前記ヒドロゲルマーカー物質の拡張に応答して、組織との前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの係合を向上するように構成される、実施例3に記載のマーカー。
【0116】
実施例5
【0117】
前記マーカー要素はさらに第3のアンカーを含み、前記第3のアンカーは前記1次コイルから遠位に延在し、前記第3のアンカーの一部は前記キャリアの外側に配置される、実施例1~4の1つ以上のいずれかに記載のマーカー。
【0118】
実施例6
【0119】
前記第3のアンカーは1つ以上のバーブを含み、前記1つ以上のバーブは、組織を貫通及び捕捉するように構成される、実施例5に記載のマーカー。
【0120】
実施例7
【0121】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーはそれぞれ2次コイルを含み、前記2次コイルは前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーのそれぞれの外側端に配置される、実施例6に記載のマーカー。
【0122】
実施例8
【0123】
前記1次コイルは、既定位置に向かって前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーを駆動するために弾性的に付勢される、実施例1~7の1つ以上のいずれかに記載のマーカー。
【0124】
実施例9
【0125】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの前記既定位置は、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーによって画定された初期位置の遠位に配置される、実施例8に記載のマーカー。
【0126】
実施例10
【0127】
前記マーカーは、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーが前記初期位置に配置されるとき、カニューレから展開するように構成される、実施例9に記載のマーカー。
【0128】
実施例11
【0129】
前記第1のアンカーまたは前記第2のアンカーは、前記キャリアの外側に配置されたバネを画定する、実施例1~11の1つ以上のいずれかに記載のマーカー。
【0130】
実施例12
【0131】
前記バネは、前記第1のアンカーまたは前記第2のアンカーの一部を組織内に駆動するように構成される、請求項11に記載のマーカー。
【0132】
実施例13
【0133】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、各々、第1の位置及第2の位置で前記1次コイルに接続され、前記第1の位置は前記第2の位置に対して横方向にオフセットされる、実施例1~12の1つ以上のいずれかに記載のマーカー。
【0134】
実施例14
【0135】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは形状記憶合金を含み、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーが熱に露出されるとき組織に係合するように構成されることによって、前記形状記憶合金の形状記憶特性が活発になる、実施例1~13の1つ以上のいずれかに記載のマーカー。
【0136】
実施例15
【0137】
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、熱に露出されるとき、既定の曲線を形成ように構成される、実施例14に記載のマーカー。
【0138】
実施例16
【0139】
生検部位マーカーであって、第1の要素及び第2の要素を有するキャリアと、前記キャリアの前記第1の要素と前記第2の要素との間に延在するマーカー要素と、を含み、前記マーカー要素は弾性部を有し、前記弾性部は前記マーカー要素を展開前状態と展開状態との間で移行させるように構成され、前記弾性部は、さらに、前記マーカー要素が前記展開前状態と前記展開状態との間で移行されるとき、前記第1の要素に対して前記キャリアの前記第2の要素を移動させるように構成される、前記生検部位マーカー。
【0140】
実施例17
【0141】
前記弾性部はバネを含む、実施例16に記載の生検部位マーカー。
【0142】
実施例18
【0143】
前記弾性部は、前記キャリアの前記第1の要素に対して約90°だけ、前記キャリアの前記第2の要素を移動させるように構成される、実施例16または17に記載の生検部位マーカー。
【0144】
実施例19
【0145】
前記マーカー要素は、さらに、第1のコイル及び第2のコイルを含み、前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記マーカー要素の対向する端に配置され、前記第1のコイルは前記キャリアの前記第1の要素内に配置され、前記第2のコイルは前記キャリアの前記第2の要素内に配置される、実施例16~18の1つ以上のいずれかに記載の生検部位マーカー。
【0146】
実施例20
【0147】
生検部位マーカーであって、キャリアと、マーカー要素と、を含み、前記マーカー要素は、前記キャリア内に配置された編組部と、前記編組部から前記キャリアの外側に延在する複数のアンカー部とを含む、前記生検部位マーカー。
【0148】
実施例21
【0149】
前記複数のアンカー部の各アンカー部は、各隣接アンカー部から移動して、前記マーカーを組織に固定するように構成される、実施例20に記載の生検部位マーカー。
【0150】
実施例22
【0151】
前記キャリアは、水分の存在下で拡張するように構成されたヒドロゲルマーカー物質を含み、前記ヒドロゲルマーカー物質は、水分の存在下で、前記ヒドロゲルマーカー物質の拡張によって前記複数のアンカー部の移動を活発にするように構成される、実施例20または22に記載の生検部位マーカー。
【0152】
実施例23
【0153】
生検部位マーカーであって、キャリアと、マーカー要素と、を含み、前記マーカー要素は、コイル形状、第1のアンカー、及び第2のアンカーを画定する本体を含み、前記本体は前記キャリア内に少なくとも部分的に配置され、前記第1のアンカーは、前記本体と前記第1のアンカーの外側端との間に配置される、第1のバネ及び第2のバネを含み、前記第2のアンカーは、前記本体と前記第2のアンカーの外側端との間に配置される、第3のバネ及び第4のバネを含む、前記生検部位マーカー。
【0154】
実施例24
【0155】
前記第1のアンカーは前記第1のアンカーの前記外側端に配置された2次コイルを含み、前記第2のアンカーは前記第2のアンカーの前記外側端に配置された2次コイルを含む、実施例23に記載の生検部位マーカー。
【0156】
実施例25
【0157】
前記第1のバネ、前記第2のバネ、前記第3のバネ、及び前記第4のバネは、横寸法全体にわたって前記生検部位マーカーのスパンを増加させるように構成される、実施例23または24に記載の生検部位マーカー。
【0158】
実施例26
【0159】
前記マーカー要素はさらに第3のアンカー及び第4のアンカーを含み、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは前記本体から遠位に延在し、前記第3のアンカー及び前記第4のアンカーは前記本体から近位に延在する、実施例23~24の1つ以上のいずれかに記載の生検部位マーカー。
【0160】
実施例27
【0161】
前記第3のアンカーは、前記本体と前記第3のアンカーの外側端との間に配置された第5のバネを含み、前記第4のアンカーは、前記本体と前記第4のアンカーの外側端との間に配置された第6のバネを含む、実施例26に記載の生検部位マーカー。
【0162】
実施例28
【0163】
前記第3のアンカーは、前記本体と前記第3のアンカーの外側端との間に配置された第5のバネ及び第6のバネを含み、前記第4のアンカーは、前記本体と前記第4のアンカーの外側端との間に配置された第7のバネ及び第8のバネを含む、実施例26に記載の生検部位マーカー。
【0164】
V.結論
【0165】
参照により本明細書に組み込まれると考えられている任意の特許、刊行物、または他の開示資料は、全部または一部において、組み込まれる資料が本開示に記載の既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない範囲だけに、本明細書に組み込まれることを理解されたい。したがって、また必要な範囲において、本明細書で明示的に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれた矛盾している資料のいずれにも優先する。参照により本明細書に組み込まれると考えられているが、本明細書に記載される既存の定義、記載、または他の開示資料と矛盾するいずれかの資料またはその一部は、その組み込まれる資料と既存の開示資料との間で矛盾が生じない範囲だけに、組み込まれる。
【0166】
本発明の様々な実施形態について示し、説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムのさらなる適応は、本発明の範囲を逸脱することなく、当業者による適切な変更によって達成され得る。そのような可能な変更のうちのいくつかに言及したが、他のものは当業者には明らかであろう。例えば、上記で説明した例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップ等は、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に関して考慮すべきであり、明細書及び図面で示し、説明した構造及び動作の詳細に限定されないことが理解される。
【0167】
〔実施の態様〕
(1) 生検部位マーカーであって、
キャリアと、
1次コイル、第1のアンカー、及び第2のアンカーを含むマーカー要素と、を含み、
前記1次コイルは前記キャリア内に配置され、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの少なくとも一部は、前記1次コイルから及び前記キャリアの反対側から横方向に及び外向きに離れて延在し、
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、生検部位で組織に係合するために前記1次コイルに対して移動するように構成される、前記生検部位マーカー。
(2) 前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、前記キャリアによって画定された縦軸に対してある角度で前記1次コイルから横方向に延在する、実施態様1に記載のマーカー。
(3) 前記キャリアはヒドロゲルマーカー物質を含む、実施態様1または2に記載のマーカー。
(4) 前記ヒドロゲルマーカー物質は水分の存在下で拡張するように構成され、
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、前記ヒドロゲルマーカー物質の拡張に応答して、組織との前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの係合を向上するように構成される、実施態様3に記載のマーカー。
(5) 前記マーカー要素はさらに第3のアンカーを含み、前記第3のアンカーは前記1次コイルから遠位に延在し、前記第3のアンカーの一部は前記キャリアの外側に配置される、実施態様1~4のいずれかに記載のマーカー。
【0168】
(6) 前記第3のアンカーは1つ以上のバーブを含み、前記1つ以上のバーブは、組織を貫通及び捕捉するように構成される、実施態様5に記載のマーカー。
(7) 前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーはそれぞれ2次コイルを含み、前記2次コイルは前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーのそれぞれの外側端に配置される、実施態様6に記載のマーカー。
(8) 前記1次コイルは、既定位置に向かって前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーを駆動するために弾性的に付勢される、実施態様1~7のいずれかに記載のマーカー。
(9) 前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーの前記既定位置は、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーによって画定された初期位置の遠位に配置される、実施態様8に記載のマーカー。
(10) 前記マーカーは、前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーが前記初期位置に配置されるとき、カニューレから展開するように構成される、実施態様9に記載のマーカー。
【0169】
(11) 前記第1のアンカーまたは前記第2のアンカーは、前記キャリアの外側に配置されたバネを画定する、実施態様1~10のいずれかに記載のマーカー。
(12) 前記バネは、前記第1のアンカーまたは前記第2のアンカーの一部を組織内に駆動するように構成される、実施態様11に記載のマーカー。
(13) 前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、各々、第1の位置及第2の位置で前記1次コイルに接続され、前記第1の位置は前記第2の位置に対して横方向にオフセットされる、実施態様1~12のいずれかに記載のマーカー。
(14) 前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは形状記憶合金を含み、
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーが熱に露出されるとき組織に係合するように構成されることによって、前記形状記憶合金の形状記憶特性が活発になる、実施態様1~13のいずれかに記載のマーカー。
(15) 前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは、熱に露出されるとき、既定の曲線を形成ように構成される、実施態様14に記載のマーカー。
【0170】
(16) 生検部位マーカーであって、
第1の要素及び第2の要素を有するキャリアと、
前記キャリアの前記第1の要素と前記第2の要素との間に延在するマーカー要素と、を含み、
前記マーカー要素は弾性部を有し、前記弾性部は前記マーカー要素を展開前状態と展開状態との間で移行させるように構成され、前記弾性部は、さらに、前記マーカー要素が前記展開前状態と前記展開状態との間で移行されるとき、前記第1の要素に対して前記キャリアの前記第2の要素を移動させるように構成される、前記生検部位マーカー。
(17) 前記弾性部はバネを含む、実施態様16に記載の生検部位マーカー。
(18) 前記弾性部は、前記キャリアの前記第1の要素に対して約90°だけ、前記キャリアの前記第2の要素を移動させるように構成される、実施態様16または17に記載の生検部位マーカー。
(19) 前記マーカー要素は、さらに、第1のコイル及び第2のコイルを含み、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記マーカー要素の対向する端に配置され、前記第1のコイルは前記キャリアの前記第1の要素内に配置され、前記第2のコイルは前記キャリアの前記第2の要素内に配置される、実施態様16~18のいずれかに記載の生検部位マーカー。
(20) 生検部位マーカーであって、
キャリアと、
マーカー要素と、を含み、
前記マーカー要素は、前記キャリア内に配置された編組部と、前記編組部から前記キャリアの外側に延在する複数のアンカー部とを含む、
前記生検部位マーカー。
【0171】
(21) 前記複数のアンカー部の各アンカー部は、各隣接アンカー部から移動して、前記マーカーを組織に固定するように構成される、実施態様20に記載の生検部位マーカー。
(22) 前記キャリアは、水分の存在下で拡張するように構成されたヒドロゲルマーカー物質を含み、前記ヒドロゲルマーカー物質は、水分の存在下で、前記ヒドロゲルマーカー物質の拡張によって前記複数のアンカー部の移動を活発にするように構成される、実施態様20または21に記載の生検部位マーカー。
(23) 生検部位マーカーであって、
キャリアと、
マーカー要素と、を含み、
前記マーカー要素は、コイル形状、第1のアンカー、及び第2のアンカーを画定する本体を含み、前記本体は前記キャリア内に少なくとも部分的に配置され、前記第1のアンカーは、前記本体と前記第1のアンカーの外側端との間に配置される、第1のバネ及び第2のバネを含み、前記第2のアンカーは、前記本体と前記第2のアンカーの外側端との間に配置される、第3のバネ及び第4のバネを含む、前記生検部位マーカー。
(24) 前記第1のアンカーは前記第1のアンカーの前記外側端に配置された2次コイルを含み、
前記第2のアンカーは前記第2のアンカーの前記外側端に配置された2次コイルを含む、実施態様23に記載の生検部位マーカー。
(25) 前記第1のバネ、前記第2のバネ、前記第3のバネ、及び前記第4のバネは、横寸法全体にわたって前記生検部位マーカーのスパンを増加させるように構成される、実施態様23または24に記載の生検部位マーカー。
【0172】
(26) 前記マーカー要素はさらに第3のアンカー及び第4のアンカーを含み、
前記第1のアンカー及び前記第2のアンカーは前記本体から遠位に延在し、
前記第3のアンカー及び前記第4のアンカーは前記本体から近位に延在する、実施態様23~24のいずれかに記載の生検部位マーカー。
(27) 前記第3のアンカーは、前記本体と前記第3のアンカーの外側端との間に配置された第5のバネを含み、
前記第4のアンカーは、前記本体と前記第4のアンカーの外側端との間に配置された第6のバネを含む、実施態様26に記載の生検部位マーカー。
(28) 前記第3のアンカーは、前記本体と前記第3のアンカーの外側端との間に配置された第5のバネ及び第6のバネを含み、
前記第4のアンカーは、前記本体と前記第4のアンカーの外側端との間に配置された第7のバネ及び第8のバネを含む、実施態様26に記載の生検部位マーカー。
【国際調査報告】