(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】大口径SiO2粉末の製造方法及びそれを含む化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
C01B 33/18 20060101AFI20230509BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20230509BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
C01B33/18 Z
A61K8/25
A61Q19/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556275
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 KR2021002592
(87)【国際公開番号】W WO2021194112
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0037569
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513018006
【氏名又は名称】ソッキョン エイ ティー シーオー エルティディー
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イム ヒョンソプ
(72)【発明者】
【氏名】イム ヒョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン オソン
(72)【発明者】
【氏名】キム サンゴン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヒョンソク
【テーマコード(参考)】
4C083
4G072
【Fターム(参考)】
4C083AB171
4C083AB172
4C083CC23
4C083EE07
4C083EE10
4C083FF01
4G072AA25
4G072BB05
4G072BB07
4G072BB13
4G072DD03
4G072DD04
4G072EE01
4G072GG01
4G072GG03
4G072HH30
4G072JJ41
4G072KK01
4G072LL06
4G072MM02
4G072MM22
4G072MM23
4G072MM28
4G072MM31
4G072TT01
4G072TT30
4G072UU30
(57)【要約】
本発明は、H2OにCH3COOHを投入し、撹拌する工程と、前記撹拌後、TEOSを投入し、撹拌する工程と、フィルタープレスで合成母液を除去し、H2Oで洗浄する工程と、前記洗浄後、乾燥して、水分率0.5%以下の乾燥シリカ粒子粉末を得る工程と、を含む、粒径1.0~20.0μmのSiO2粉末の製造方法を提供する。また、粒径が1.0~20.0μmであり、白色度が90以上、純度(%)99.9以上である単分散、非結晶質、球形のシリカ粒子粉末を提供する。本発明の大口径シリカ粒子は、同様の粒径を有する単分散粒子であり、表面が滑らかな球形であり、皮膚刺激がなく、ソフトな使用感により化粧品用スクラブとして使用が可能で、環境に優しい長所がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
H
2OにCH
3COOHを投入し、撹拌する工程と、
前記撹拌後、TEOSを投入し、撹拌する工程と、
フィルタープレスで合成母液を除去し、H
2Oで洗浄する工程と、
前記洗浄後、乾燥して、水分率0.5%以下の乾燥シリカ粒子粉末を得る工程と、
を含む、粒径1.0~20.0μmのSiO
2粉末の製造方法。
【請求項2】
TEOS:CH
3COOH:H
2Oは、それぞれ1:4:4モルの割合で反応させることを特徴とする請求項1に記載のSiO
2粉末の製造方法。
【請求項3】
粒径が、1.0~20.0μmであり、白色度が、90以上であり、純度(%)が99.9以上である単分散、非結晶質、球形のシリカ粒子粉末。
【請求項4】
前記粒径が、3.0~5.0μmである請求項3に記載のシリカ粒子粉末。
【請求項5】
請求項3に記載のシリカ粒子粉末を含む化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大口径シリカ粒子及びそれを含む洗浄用化粧表組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗浄用化粧料には、物理的作用により角質層を剥がすスクラブ剤が含まれている。スクラブ剤としてはレジンなどの微細なプラスチックが使用されてきており、このようなプラスチック粒子は、殺虫剤などの化学物質を吸収しやすく、また軽いために、下水処理場で除去し難い。このため、河川、海洋、池、沼などに流れ込んで、魚介類に蓄積され、これらを通じて人体にも影響を与える恐れがある。
【0003】
従って、環境汚染を低減し、皮膚に刺激の少ないスクラブ材料の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、化粧品組成物に含まれるスクラブとして使用可能な大口径SiO2粉末の製造方法及びそれをスクラブとして含有する化粧品用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、粒径1.0~20.0μmの大口径SiO2粉末の製造方法を提供することを特徴とする。
【0006】
前記製造方法は、
H2OにCH3COOHを投入し、撹拌する工程と、
前記撹拌後、TEOSを投入し、撹拌する工程と、
フィルタープレスで前記合成母液を除去し、H2Oで洗浄する工程と、
前記洗浄後、乾燥して、水分率0.5%以下の乾燥シリカ粒子粉末を得る工程と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
溶媒としてH2Oを使用し、触媒としてCH3COOHを投入し、撹拌した。その後、TEOSを投入し、撹拌した。前記撹拌時間が長いほど、大きさの大きい粒子が生成される。フィルタープレスで前記合成母液を除去し、H2Oで洗浄した。その後、ボックスドライヤーで90℃24時間乾燥した。乾燥された粉末状態のシリカ粒子を確認し、100メッシュの篩で篩別し、水分率0.5%以下であることを確認した。
【0008】
前記製造方法におけるTEOS:CH3COOH:H2Oは、それぞれ1:4:4モル割合で反応させることを特徴とする。
【0009】
前記製造方法によって製造された粒子は、粒径が1.0~20.0μmであり、白色度が90以上であり、純度(%)99.9以上である単分散、非結晶質、球形の特徴を有する。
【0010】
好ましくは、前記粒径は、2.0~10.0μmであることを特徴とする。
【0011】
一方、本発明のシリカ粒子粉末をスクラブとして含有する化粧料組成物を提供することを特徴とする。本発明のシリカ粒子粉末は、粒径が1.0~20.0μmであり、白色度が90以上であり、純度(%)99.9以上である単分散、非結晶質、球形の特徴を有し、表面が滑らかであるため、流動性及び吸油率が良好であり、化粧料組成物において、皮膚刺激がなく、環境に優しいスクラブとして使用されることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の粒子は、本発明によるシリカ粒子は、白色の粉末であり、粒径が1.0~20.0μmであり、白色度が>90、純度(%)>99.9の特徴を有する。
【0013】
また、本発明の大口径シリカ粒子は、同様の粒径を有する単分散粒子であって表面が滑らかな球形であり、皮膚刺激がなく、ソフトな使用感により化粧品用スクラブとして使用が可能で、環境に優しい長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施例1によって得られた3μmサイズのシリカ粒子のSEM写真である。
【
図2】実施例2によって得られた5μmサイズのシリカ粒子のSEM写真である。
【
図3】実施例1によって得られた3μmサイズのシリカ粒子の粒径分布グラフである。
【
図4】実施例2によって得られた5μmサイズのシリカ粒子の粒径分布グラフである。
【
図5】実施例1によって得られた3μmサイズのシリカ粒子のX線回折ダイアグラムである。
【
図6】実施例2によって得られた5μmサイズのシリカ粒子のX線回折ダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
従来には、TEOSと水、エタノールを用いてシリカ粒子を製造したが、本発明では、原料物質としてTEOS、水、酢酸を用いて、大口径のシリカ粒子を製造することを特徴とする。
【0016】
以下、実施例により具体的に説明する。
実施例1:3μm大口径SiO2の製造工程
反応管でTEOS:CH3COOH:H2O=1モル:4モル:4モル割合で反応させた。溶媒としてH2Oを用い、触媒としてCH3COOHを投入し、2分間撹拌した。その後、TEOSを投入し、2分間撹拌した。フィルタープレスで前記合成母液を除去し、H2Oで洗浄した。その後、ボックスドライヤーで90℃24時間乾燥した。乾燥された粉末状態のシリカ粒子を確認して、100メッシュの篩で篩別し、水分率0.5%以下であることを確認した。
【0017】
実施例2:5μm大口径SiO2の製造工程
反応管でTEOS:CH3COOH:H2O=1モル:4モル:4モル割合で反応させた。
【0018】
H2OにCH3COOHを投入し、4分間撹拌した。その後、TEOSを投入し、2分間撹拌した。フィルタープレスで前記合成母液を除去し、H2Oで洗浄した。その後、90℃でボックスドライヤーで24時間乾燥した。乾燥された粉末状態のシリカ粒子を確認し、100メッシュの篩で篩別し、水分率0.5%以下であることを確認した。
【0019】
大口径シリカ粒子の物性確認
前記実施例1、及び2により生産されたシリカ粒子は、以下の物性を有していることが確認された。
1.球形の形態
図1~
図6に示されるように、粒径が1.0~10μmであり、ほとんど同様の粒径を有する単分散球形の粒子であり、表面がなめらかな球形であった。
2.安全な非結晶質シリカ
図1~
図6に示されるように生産された粒子は、非結晶質シリカであった。
3.極度の白色粉末
図1~
図6に示されるシリカ粒子は、白色度が>90以上である白色の粉末であり、純度(%)>99.9の特徴を有する。
【0020】
実施例3:大口径SiO2を含有する化粧料組成物
実施例1及び2により製造された3μm及び5μmサイズ及び前記物性を有するシリカ粒子1~15%をスクラブとして含有した洗顔剤として化粧料組成物を製造した。
【0021】
前記化粧料組成物を使用して、洗顔したとき、使用者は皮膚刺激が少なかった。
【0022】
本発明のシリカ粒子をスクラブ粒子として使用して、一般に使用される洗顔剤として化粧料有効成分を混合した。
【0023】
比較例1:同じ含量のレジンなどのプラスチック粒子成分のスクラブを含む洗顔剤を製造した。
【0024】
皮膚展延性/皮膚刺激性/皮膚柔軟性の評価
実施例3の化粧料組成物に対して、使用テストを行い、その結果を表に示した。女性10人に対して、洗浄後の顔に前記実施例のサンプルをまんべんなくマッサージして水性系のエマルションを塗った後、皮膚展延性、皮膚刺激性、皮膚柔軟性を5点尺度で評価するようにした後、平均値を求めた。
【0025】
前記5点尺度は以下の通りである。
1:非常に不満足
2:不満足
3:普通
4:満足
5:非常に満足
【表1】
以上のように、本発明の粒子を含む化粧料組成物は、比較例1に比べて普通以上の高い満足度を示した。
【0026】
前述のように本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者であれば、下記特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で本発明を多様に変更することができる。
【国際調査報告】