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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】区画ベースの速度低減
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022559579
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 EP2021057385
(87)【国際公開番号】W WO2021197914
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】20200387
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファーゲルラン, イングヴァル
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022NN21
3F022NN25
(57)【要約】
本発明は、レールシステム上での複数のコンテナ取扱車両の移動を制御するためのシステムおよび方法に関し、各コンテナ取扱車両は、コンテナ取扱車両の移動を制御するように適合されているローカルコントローラを備え、各コンテナ取扱車両内のローカルコントローラと通信する中央動作コントローラが、レールシステムの小区画に関係するデータを受信することであって、データは、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を含むことと、小区画の少なくとも一部を取り入れた経路を辿るようにコンテナ取扱車両に命令することと、小区画内でのコンテナ取扱車両の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両に命令することとを行うように適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動倉庫システム(1)の骨格構造(100)の上部を少なくとも部分的にわたって配列されているレールシステム(108)上での複数のコンテナ取扱車両(201、301)の移動を制御する方法であって、前記複数のコンテナ取扱車両(201、301)は、前記レールシステム(108)上で、前記骨格構造(100)の直立部材(102)および水平部材(103)の間に並べて配列されている保管カラム(105)から保管コンテナ(106)を上昇させることと、前記保管カラム(105)の中に保管コンテナ(106)を降下させることとを行うように動作可能であり、前記保管カラム(105)の上方で前記保管コンテナ(106)を輸送するようにも動作可能であり、各コンテナ取扱車両(201、301)内のローカルコントローラと通信する中央動作コントローラ(501)によって、
- 前記レールシステム(108)の小区画(401a、401b)に関係するデータを受信するステップであって、前記データは、前記小区画(401a、401b)に関するコンテナ取扱車両移動閾値を含む、ステップと、
- 前記小区画(401a、401b)の少なくとも一部を取り入れた経路(402、403)を辿るようにコンテナ取扱車両(201、301)に命令するステップと、
- 前記小区画(401a、401b)内での前記コンテナ取扱車両(201、301)の移動が前記小区画(401a、401b)の前記コンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるように前記コンテナ取扱車両(201、301)に命令するステップと
が、実施される、方法。
【請求項2】
前記方法は、速度および/または加速度を低減させるように前記コンテナ取扱車両(201、301)に命令する前記ステップに先立って、前記コンテナ取扱車両(201、301)の現在の移動が前記小区画(401a、401b)の前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定する前記ステップは、
コンテナ取扱車両分類に従って前記コンテナ取扱車両(201、301)を分類することであって、前記コンテナ取扱車両分類は、前記コンテナ取扱車両(201、301)のデフォルト速度および/または加速度を含む、ことと、
前記コンテナ取扱車両分類に基づいて、前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定する前記ステップは、
前記コンテナ取扱車両(201、301)によって輸送される保管コンテナの重量のデータを受信することと、
前記保管コンテナの重量および前記コンテナ取扱分類に基づいて、前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定する前記ステップは、
前記コンテナ取扱車両(201、301)の履歴移動データを受信することと、
前記コンテナ取扱車両(201、301)の前記履歴移動データに基づいて、前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することと
をさらに含む、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記小区画(401a、401b)から退出しているとき、および/または退出しようとしているとき、デフォルト速度および/または加速度に戻るように前記コンテナ取扱車両(201、301)に命令することをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記コンテナ取扱車両(201、301)の最大速度を設定する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記コンテナ取扱車両(201、301)の最大加速度を設定する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記コンテナ取扱車両(201、301)の最大線形運動量を設定する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記レールシステム(108)を横断するレール点検車両を使用して、前記レールシステム(108)の前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、障害閾値を上回る前記レールシステム内での移動に起因する前記レール点検車両の検出された垂直および/もしくは水平移動に基づいて決定され、かつ/または、前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記レールシステムの条件の変化に起因する前記レール点検車両の水平移動の検出された変化に基づいて決定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記レールシステム(108)内の視覚的に検出された障害に基づいて決定される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記小区画(401a、401b)の外側の前記レールシステム(108)の機械的安定性と比較される前記レールシステム(108)の前記小区画(401a、401b)内の低減された機械的安定性に基づいて、前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、前記小区画(401a、401b)の外側の前記レールシステム(108)との関係における前記小区画(401a、401b)内の前記レールシステム(108)のずれに基づいて、前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記小区画(401a、401b)の外側の前記レールシステム(108)の摩擦と比較される前記レールシステム(108)の前記小区画(401a、401b)内の低減された摩擦に基づいて、前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記レールシステムの前記小区画(401a、401b)内の、前記小区画(401a、401b)の外側の前記レールシステム(108)内と異なる環境条件に基づいて、前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記コンテナ取扱車両(201、301)内の前記ローカルコントローラに、前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値を伝送することと、
前記コンテナ取扱車両(201、301)内の前記ローカルコントローラを使用して、前記小区画(401a、401b)内での前記コンテナ取扱車両(201、301)の移動が前記小区画(401a、401b)の前記コンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるように前記コンテナ取扱車両(201、301)に命令する前記ステップを実施することと
をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
システムであって、前記システムは、
自動倉庫システム(1)の骨格構造(100)の上部を少なくとも部分的にわたって配列されているレールシステム(108)と、
複数のコンテナ取扱車両(201、301)であって、前記複数のコンテナ取扱車両(201、301)は、前記骨格構造(100)の直立部材(102)および水平部材(103)の間に並べて配列されている保管カラム(105)から保管コンテナ(106)を上昇させることと、前記保管カラム(105)の中に保管コンテナ(106)を降下させることとを行うように前記レールシステム(108)上で動作し、前記保管カラム(105)の上方で前記保管コンテナ(106)を輸送するようにも動作し、各コンテナ取扱車両(201、301)は、前記コンテナ取扱車両(201、301)の移動を制御するように適合されているローカルコントローラを備える、複数のコンテナ取扱車両(201、301)と、
各コンテナ取扱車両(201、301)内の前記ローカルコントローラと通信する中央動作コントローラ(501)と
を備え、前記中央動作コントローラ(501)は、
- 前記レールシステム(108)の小区画(401a、401b)に関係するデータを受信することであって、前記データは、前記小区画(401a、401b)に関するコンテナ取扱車両移動閾値を含む、ことと、
- 前記小区画(401a、401b)の少なくとも一部を取り入れた経路(402、403)を辿るようにコンテナ取扱車両(201、301)に命令することと、
- 前記小区画(401a、401b)内での前記コンテナ取扱車両(201、301)の移動が前記小区画(401a、401b)の前記コンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるように前記コンテナ取扱車両(201、301)に命令することと
を実施するように適合されている、システム。
【請求項19】
前記中央動作コントローラ(501)は、速度および/または加速度を低減させるように前記コンテナ取扱車両(201、301)に命令することに先立って、前記コンテナ取扱車両(201、301)の現在の移動が前記小区画(401a、401b)の前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定するようにさらに適合されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、
コンテナ取扱車両分類に従って前記コンテナ取扱車両(201、301)を分類することであって、前記コンテナ取扱車両分類は、前記コンテナ取扱車両(201、301)のデフォルト速度および/または加速度を含む、ことと、
前記コンテナ取扱車両分類に基づいて、前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することと
をさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、
前記コンテナ取扱車両(201、301)によって輸送される前記保管コンテナの重量のデータを受信することと、
前記保管コンテナの重量および前記コンテナ取扱分類に基づいて、前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することと
をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、
前記コンテナ取扱車両(201、301)の履歴移動データを受信することと、
前記コンテナ取扱車両(201、301)の前記履歴移動データに基づいて、前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記コンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することと
をさらに含む、請求項19~21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
前記中央動作コントローラ(501)は、前記コンテナ取扱車両(201、301)が前記小区画(401a、401b)から退出しているとき、および/または退出しようとしているとき、デフォルト速度および/または加速度に戻るように前記コンテナ取扱車両(201、301)に命令するようにさらに適合されている、請求項18~22のいずれかに記載のシステム。
【請求項24】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記コンテナ取扱車両(201、301)の最大速度を設定する、請求項18~23のいずれかに記載のシステム。
【請求項25】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記コンテナ取扱車両(201、301)の最大加速度を設定する、請求項18~24のいずれかに記載のシステム。
【請求項26】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記コンテナ取扱車両(201、301)の最大線形運動量を設定する、請求項18~25のいずれかに記載のシステム。
【請求項27】
前記システムは、前記レールシステム(108)を横断するように適合されているレール点検車両をさらに備え、前記レール点検車両を使用して、前記レールシステム(108)の前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値を決定するように適合されている、請求項18~26のいずれかに記載のシステム。
【請求項28】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、障害閾値を上回る前記レールシステム内での移動に起因する前記レール点検車両の検出された垂直および/もしくは水平移動に基づいて決定され、かつ/または、前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記レールシステムの条件の変化に起因する前記レール点検車両の水平移動の検出された変化に基づいて決定される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記レールシステム(108)内の視覚的に検出された障害に基づいて決定される、請求項18~28に記載のシステム。
【請求項30】
前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記小区画(401a、401b)の外側の前記レールシステム(108)の機械的安定性と比較される前記レールシステム(108)の前記小区画(401a、401b)内の低減された機械的安定性に基づいて決定される、請求項18~29のいずれかに記載のシステム。
【請求項31】
前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記小区画(401a、401b)の外側の前記レールシステム(108)との関係における前記小区画(401a、401b)内の前記レールシステム(108)のずれに基づいて決定される、請求項18~30のいずれかに記載のシステム。
【請求項32】
前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記小区画(401a、401b)の外側の前記レールシステム(108)の摩擦と比較される前記レールシステム(108)の前記小区画(401a、401b)内の低減された摩擦に基づいて決定される、請求項18~31のいずれかに記載のシステム。
【請求項33】
前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値は、前記レールシステムの前記小区画(401a、401b)内の、前記小区画(401a、401b)の外側の前記レールシステム(108)内と異なる環境条件に基づいて決定される、請求項18~32のいずれかに記載のシステム。
【請求項34】
中央動作コントローラ(501)は、前記コンテナ取扱車両(201、301)内の前記ローカルコントローラに、前記小区画(401a、401b)に関する前記コンテナ取扱車両移動閾値を伝送するようにさらに適合され、
前記コンテナ取扱車両(201、301)内の前記ローカルコントローラは、前記小区画(401a、401b)内での前記コンテナ取扱車両(201、301)の移動が前記小区画(401a、401b)の前記コンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるように前記コンテナ取扱車両(201、301)に命令するようにさらに適合されている、
請求項18~33のいずれかに記載のシステム。
【請求項35】
システム内の中央動作コントローラ(501)のためのコンピュータプログラム製品であって、前記システムは、自動倉庫システム(1)の骨格構造(100)の上部を少なくとも部分的にわたって配列されているレールシステム(108)上に複数のコンテナ取扱車両(201、301)を備え、前記複数のコンテナ取扱車両(201、301)は、前記レールシステム(108)上で、前記骨格構造(100)の直立部材(102)および水平部材(103)の間に並べて配列されている保管カラム(105)から保管コンテナ(106)を上昇させることと、前記保管カラム(105)の中に保管コンテナ(106)を降下させることとを行うように動作可能であり、前記保管カラム(105)の上方で前記保管コンテナ(106)を輸送するようにも動作可能であり、各コンテナ取扱車両(201、301)は、前記コンテナ取扱車両(201、301)の移動を制御するように適合されているローカルコントローラを備え、前記中央動作コントローラ(501)は、各コンテナ取扱車両(201、301)内の前記ローカルコントローラと通信し、前記コンピュータプログラム製品は、前記中央動作コントローラ(501)上で実行されると請求項1~16に記載の方法を実施する命令を備える、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの保管および回収のための自動倉庫システムに関し、具体的には、レールシステムの小区画内でのコンテナ取扱車両の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにレールシステム上の複数のコンテナ取扱車両の移動を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、骨格構造100を伴う、典型的な従来技術自動倉庫システム1を開示し、図2および3は、そのようなシステム1上で動作するために好適な2つの異なる従来技術コンテナ取扱車両201、301を開示する。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102および水平部材103の間に並べて配列されている保管カラム105を備える、保管容積とを備える。これらの保管カラム105では、容器としても公知である、保管コンテナ106が、相互の上にスタックされ、スタック107を形成する。部材102、103は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから成ってもよい。
【0004】
自動倉庫システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部をわたって配列されているレールシステム108を備え、レールシステム108上で、複数のコンテナ取扱車両201、301が、保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させることと、保管コンテナ106を保管カラム105の中に降下させることとを行うように動作させられ、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するようにも動作させられる。レールシステム108は、フレーム構造物100の上部をわたる第1の方向Xにおけるコンテナ取扱車両201、301の移動を誘導するように配列されている、平行レールの第1のセット110と、第1の方向Xに対して直角である、第2の方向Yにおけるコンテナ取扱車両201、301の移動を誘導するための、レールの第1のセット110に対して直角に配列されている、平行レールの第2のセット111とを備える。カラム105内に保管されるコンテナ106が、コンテナ取扱車両によって、レールシステム108内のアクセス開口部112を通してアクセスされる。コンテナ取扱車両201、301は、保管カラム105の上方で側方に、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行である平面内で移動することができる。
【0005】
骨格構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの上昇およびその中へのコンテナの降下の間に、保管コンテナを誘導するために使用されてもよい。コンテナ106のスタック107は、典型的には、自立型である。
【0006】
各従来技術コンテナ取扱車両201、301は、車体201a、301aと、それぞれ、X方向およびY方向におけるコンテナ取扱車両201、301の側方移動を可能にする、車輪の第1ならびに第2のセット201b、301b、201c、301cとを備える。図2および3では、各セット内の2つの車輪は、完全に可視である。車輪の第1のセット201b、301bは、レールの第1のセット110の2つの隣接するレールと係合するように配列され、車輪の第2のセット201c、301cは、レールの第2のセット111の2つの隣接するレールと係合するように配列されている。車輪のセット201b、301b、201c、301cのうちの少なくとも1つが、車輪の第1のセット201b、301bおよび/または車輪の第2のセット201c、301cが、どの時点においても、レールの個別のセット110、111と係合され得るように、持ち上げられ、降下させられることができる。
【0007】
各従来技術コンテナ取扱車両201、301はまた、保管コンテナ106の垂直輸送、例えば、保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させ、それを保管カラム105の中に降下させるための、昇降デバイス(図示せず)も備える。昇降デバイスは、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zにおいて調節され得るように、保管コンテナ106に係合するように適合され、把持/係合デバイスが車両201、301から降下させられ得る、1つまたはそれを上回る把持/係合デバイスを備える。コンテナ取扱車両301の把持デバイスの一部が、図3に示され、参照番号304とともに示される。コンテナ取扱デバイス201の把持デバイスが、図2の車体301a内に位置する。
【0008】
従前のように、また、本願の目的のために、Z=1は、保管コンテナの最上層、すなわち、レールシステム108の直下にある層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別する等となる。図1に開示される例示的従来技術では、Z=8は、保管コンテナの最下底部層を識別する。同様に、X=1...nおよびY=1...nは、水平面における各保管カラム105の位置を識別する。その結果、実施例として、かつ図1に示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、図1において106’として識別される保管コンテナは、保管位置X=10、Y=2、Z=3を占有すると言え得る。コンテナ取扱車両201、301は、層Z=0内を進行すると言え得、各保管カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
骨格構造100の保管容積は、多くの場合、グリッド104と称されており、本グリッド内の可能性として考えられる保管位置は、保管セルと称される。各保管カラムは、XおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、ならびにZ方向におけるコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各従来技術コンテナ取扱車両201、301は、レールシステム108をわたって保管コンテナ106を輸送するとき、保管コンテナ106を受容および収容するための、保管コンパートメントまたは空間を備える。保管空間は、図2に示されるように、かつ例えば、第WO2015193278A1号(特許文献1)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、車体201a内の中心に配列されている、空洞を備えてもよい。
【0011】
図3は、片持ち梁構造物を伴う、コンテナ取扱車両301の代替構成を示す。そのような車両は、例えば、第NO317366号(その内容もまた、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳細に説明される。
【0012】
図2に示される中心空洞コンテナ取扱車両201は、例えば、第WO2015193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、概して、保管カラム105の側方範囲に等しい、XおよびY方向における寸法を伴う面積を被覆する、占有面積を有してもよい。本明細書で使用される用語「側方」は、「水平」を意味し得る。
【0013】
代替として、中心空洞コンテナ取扱車両101は、例えば、第WO2014090684A1号(特許文献2)に開示されるように、保管カラム105によって画定される側方面積より大きい占有面積を有してもよい。
【0014】
レールシステム108は、典型的には、車両の車輪が走行する溝を伴うレールを備える。代替として、レールは、上向きに突出する要素を備えてもよく、車両の車輪は、脱線を防止するための、フランジを備える。これらの溝および上向きに突出する要素は、集合的に、軌道として公知である。各レールは、1つの軌道を備えてもよい、または各レールは、2つの平行な軌道を備えてもよい。
【0015】
第WO2018146304号(特許文献3)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、レールと、X方向およびY方向の両方における平行軌道とを備える、レールシステム108の典型的構成を図示する。
【0016】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管される、カラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。図1では、カラム119および120は、保管コンテナ106が、保管コンテナ106が骨格構造100の外側からアクセスされる、または骨格構造100の外もしくはその中に移送され得る、アクセスステーション(図示せず)に輸送され得るように、それらを積み降ろす、および/または積み込むためのコンテナ取扱車両201、301によって使用される、そのような特殊目的カラムである。当技術分野内では、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、その中にポートが位置する、カラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、水平、斜め、および/または垂直である、任意の方向にあってもよい。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に設置され、次いで、任意のコンテナ取扱車両によって積み込まれ、アクセスステーションへのさらなる輸送のために、ポートカラム119、120に輸送されてもよい。用語「斜め」が、水平と垂直との間のある場所に一般的な輸送配向を有する、保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取扱車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を積み降ろし得る、専用の積降ポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナ取扱車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されている保管コンテナ106を積み込み得る、専用の積込ポートカラムであってもよい。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが保管コンテナ106から除去される、またはその中に位置付けられる、ピッキングステーションもしくは備蓄ステーションであってもよい。ピッキングステーションまたは備蓄ステーションでは、保管コンテナ106は、通常、自動倉庫システム1から除去されないが、いったんアクセスされると、再度骨格構造100の中に戻される。保管コンテナを別の保管設備に(例えば、別の骨格構造に、または別の自動倉庫システムに)、輸送車両(例えば、電車もしくは大型トラック)に、または生産設備に移送するために、ポートもまた、使用されることができる。
【0019】
コンベヤを備える、コンベヤシステムが、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために採用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが、異なるレベルに位置する場合、コンベヤシステムは、保管コンテナ106をポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で垂直に輸送するための垂直コンポーネントを伴う、昇降デバイスを備えてもよい。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、第WO2014075937A1号(特許文献4)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような、異なる骨格構造間で保管コンテナ106を移送するように配列されてもよい。
【0022】
図1に開示されるカラム105のうちの1つの中に保管される保管コンテナ106が、アクセスされるべきであるとき、コンテナ取扱車両201、301のうちの一方が、標的保管コンテナ106をその位置から回収し、それを積降ポートカラム119に輸送するように命令される。本動作は、コンテナ取扱車両201、301を、その中に標的保管コンテナ106が位置付けられる、保管カラム105の上方の場所に移動させ、コンテナ取扱車両201、301の昇降デバイス(図示せず)を使用して、保管コンテナ106を保管カラム105から回収し、保管コンテナ106を積降ポートカラム119に輸送することを伴う。標的保管コンテナ106が、スタック107内の深くに位置する、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が、標的保管コンテナ106の上方に位置付けられた状態である場合、動作はまた、標的保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げることに先立って、上方に位置付けられる保管コンテナを一時的に移動させることを伴う。時として、当技術分野内では「掘出」と称される、本ステップは、続いて、標的保管コンテナを積降ポートカラム119に輸送するために使用される、同一のコンテナ取扱車両を用いて、または1つまたは複数の他の協働するコンテナ取扱車両を用いて、実施されてもよい。代替として、または加えて、自動倉庫システム1は、保管コンテナを保管カラム105から一時的に除去するタスクに具体的に専用のコンテナ取扱車両を有してもよい。いったん標的保管コンテナ106が、保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナは、元の保管カラム105の中に再度位置付けられることができる。しかしながら、除去された保管コンテナは、代替として、他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0023】
保管コンテナ106が、カラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ取扱車両201、301のうちの一方が、保管コンテナ106を積込ポートカラム120から積み込み、それをそれが保管されるべき保管カラム105の上方の場所に輸送するように命令される。保管カラムスタック107内の標的位置またはその上方に位置付けられる任意の保管コンテナが、除去された後、コンテナ取扱車両201、301は、保管コンテナ106を所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナは、次いで、保管カラム105の中に戻るように降下させられる、または他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0024】
自動倉庫システム1を監視および制御する、例えば、所望の保管コンテナ106が、コンテナ取扱車両201、301が相互に衝突することなく、所望の時間に所望の場所に送達され得るように、骨格構造100内の個別の保管コンテナ106の場所、各保管コンテナ106の内容物、ならびにコンテナ取扱車両201、301の移動を監視および制御するために、自動倉庫システム1は、典型的には、コンピュータ化され、典型的には、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを備える、制御システム500を備える。
【0025】
第WO2018146687号(特許文献5)は、コンテナ取扱車両が保管コンテナを輸送し、保管カラムの中に/から保管コンテナを保管および回収する、複数のコンテナ取扱車両の移動を制御するためのシステムを説明する。
【0026】
骨格構造100およびレールシステム108は、最高速度ならびに最高加速度における複数のコンテナ取扱車両201、301の動作を可能にするように規定され、構築される。しかしながら、敷設の後または動作の間、骨格構造100ならびに/もしくはレールシステム108のいくつかの面積が、仕様から外れていることが、決定される場合がある。これは、コンテナ取扱車両201、301の動作エラーにつながり得る。動作エラーは、システム停止またはコンテナ取扱車両201、301の衝突につながり得る。安全であるため、および動作エラーを回避するために、速度ならびに/もしくは加速度が、レールシステム108上の全てのコンテナ取扱車両201、301に関して低減される。これは、自動倉庫システム1の容量の大幅な低減につながる。
【0027】
第WO2019138392号(特許文献6)では、あるアクセス制御方法が、グリッド様の保管設備の構造的完全性を保証するために利用される。アクセス制御方法は、各輸送デバイスに制約面積を横断するためのクリアランスを付与または保持することによって、制約面積内の輸送デバイスの数を限定する。これは、輸送車両の動作エラーに対処していない。
【0028】
本問題に照らして、本発明は、自動倉庫システムの容量を有意に低下させることなく、仕様領域から外れているコンテナ取扱車両の動作エラーを回避する、自動倉庫システムのためのシステムおよび方法を提供することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号
【特許文献2】国際公開第2014/090684号
【特許文献3】国際公開第2018/146304号
【特許文献4】国際公開第2014/075937号
【特許文献5】国際公開第2018/146687号
【特許文献6】国際公開第2019/138392号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、独立請求項において述べられ、特徴付けられる一方、従属請求項は、本発明の他の特性を説明する。
【0031】
一側面では、本発明は、自動倉庫システムの骨格構造の上部を少なくとも部分的にわたって配列されているレールシステム上での複数のコンテナ取扱車両の移動を制御する方法であって、複数のコンテナ取扱車両は、レールシステム上で、骨格構造の直立部材および水平部材の間に並べて配列されている保管カラムから保管コンテナを上昇させることと、保管カラムの中に保管コンテナを降下させることとを行うように動作可能であり、保管カラムの上方で保管コンテナを輸送するようにも動作可能である、方法に関する。各コンテナ取扱車両内のローカルコントローラと通信する中央動作コントローラによって、レールシステムの小区画に関係するデータを受信するステップであって、データは、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を含む、ステップと、小区画の少なくとも一部を取り入れた経路を辿るようにコンテナ取扱車両に命令するステップと、小区画内でのコンテナ取扱車両の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両に命令するステップとが、実施される。コンテナ取扱車両をより緩徐な速度/加速度で駆動することは、制御システムが動作エラーにより良好に対処することを可能にする。このように、システム停止または衝突が、回避されることができる。
【0032】
ある実施形態では、本方法は、速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両に命令するステップに先立って、コンテナ取扱車両の現在の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定するステップをさらに含んでもよい。中央動作コントローラは、次いで、コンテナ取扱車両の現在の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を超過しているときのみ、速度および/または加速度を低減させるように命令してもよい。通信チャネルを経由する命令の数が、したがって、低減され、通信チャネル上への不要な付加的負荷が、回避される。
【0033】
ある実施形態では、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、コンテナ取扱車両分類に従ってコンテナ取扱車両を分類することと、コンテナ取扱車両分類に基づいて、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することとをさらに含んでもよい。コンテナ取扱車両分類は、コンテナ取扱車両のデフォルト速度および/または加速度を含む。
【0034】
ある実施形態では、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、コンテナ取扱車両によって輸送される保管コンテナの重量のデータを受信することと、保管コンテナの重量およびコンテナ取扱分類に基づいて、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することとをさらに含んでもよい。
【0035】
ある実施形態では、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、コンテナ取扱車両の履歴移動データを受信することと、コンテナ取扱車両の履歴移動データに基づいて、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することとをさらに含んでもよい。
【0036】
ある実施形態では、本方法は、コンテナ取扱車両が小区画から退出しているとき、および/または退出しようとしているとき、デフォルト速度および/または加速度に戻るようにコンテナ取扱車両に命令することをさらに含んでもよい。
【0037】
ある実施形態では、コンテナ取扱車両移動閾値は、コンテナ取扱車両の最大速度を設定する。
【0038】
ある実施形態では、コンテナ取扱車両移動閾値は、コンテナ取扱車両の最大加速度を設定する。
【0039】
ある実施形態では、コンテナ取扱車両移動閾値は、コンテナ取扱車両の最大線形運動量を設定する。
【0040】
ある実施形態では、本方法は、レールシステムを横断するレール点検車両を使用して、レールシステムの小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含んでもよい。コンテナ取扱車両移動閾値は、障害閾値を上回るレールシステム内での移動に起因するレール点検車両の検出された垂直および/または水平移動に基づいて決定されてもよい。コンテナ取扱車両移動閾値は、レールシステムの条件の変化に起因するレール点検車両の水平移動の検出された変化に基づいて決定されてもよい。コンテナ取扱車両移動閾値はまた、レール点検車両または他の方法を使用して、レールシステム内の視覚的に検出された障害に基づいて決定されてもよい。
【0041】
ある実施形態では、本方法は、小区画の外側のレールシステムの機械的安定性と比較されるレールシステムの小区画内の低減された機械的安定性に基づいて、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含んでもよい。
【0042】
ある実施形態では、本方法は、小区画の外側のレールシステムとの関係における小区画内のレールシステムのずれに基づいて、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含んでもよい。
【0043】
ある実施形態では、本方法は、小区画の外側のレールシステムの摩擦と比較されるレールシステムの小区画内の低減された摩擦に基づいて、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含んでもよい。
【0044】
ある実施形態では、本方法は、レールシステムの小区画内の、小区画の外側のレールシステム内と異なる環境条件に基づいて、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定することをさらに含んでもよい。
【0045】
ある実施形態では、本方法は、コンテナ取扱車両内のローカルコントローラに、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を伝送することと、コンテナ取扱車両内のローカルコントローラを使用して、小区画内でのコンテナ取扱車両の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両に命令するステップを実施することとをさらに含んでもよい。
【0046】
第2の側面では、本発明は、システムであって、自動倉庫システムの骨格構造の上部を少なくとも部分的にわたって配列されているレールシステムと、複数のコンテナ取扱車両であって、複数のコンテナ取扱車両は、骨格構造の直立部材および水平部材の間に並べて配列されている保管カラムから保管コンテナを上昇させることと、保管カラムの中に保管コンテナを降下させることとを行うようにレールシステム上で動作し、保管カラムの上方で保管コンテナを輸送するようにも動作し、各コンテナ取扱車両は、コンテナ取扱車両の移動を制御するように適合されているローカルコントローラを備える、複数のコンテナ取扱車両と、各コンテナ取扱車両内のローカルコントローラと通信する中央動作コントローラとを備えるシステムに関する。中央動作コントローラは、レールシステムの小区画に関係するデータを受信することであって、データは、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を含む、ことと、小区画の少なくとも一部を取り入れた経路を辿るようにコンテナ取扱車両に命令することと、小区画内でのコンテナ取扱車両の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両に命令することとを実施するように適合されている。コンテナ取扱車両をより緩徐な速度/加速度で駆動することは、制御システムが動作エラーにより良好に対処することを可能にする。このように、システム停止または衝突が、回避されることができる。
【0047】
本システムのある実施形態では、中央動作コントローラは、速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両に命令することに先立って、コンテナ取扱車両の現在の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定するようにさらに適合されてもよい。中央動作コントローラは、次いで、コンテナ取扱車両の現在の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を超過しているときのみ、速度および/または加速度を低減させるように命令してもよい。通信チャネルを経由する命令の数が、したがって、低減され、通信チャネル上への不要な付加的負荷が、回避される。
【0048】
本システムのある実施形態では、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、コンテナ取扱車両分類に従ってコンテナ取扱車両を分類することと、コンテナ取扱車両分類に基づいて、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することとをさらに含んでもよい。コンテナ取扱車両分類は、コンテナ取扱車両のデフォルト速度および/または加速度を含む。
【0049】
本システムのある実施形態では、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、コンテナ取扱車両によって輸送される保管コンテナの重量のデータを受信することと、保管コンテナの重量およびコンテナ取扱分類に基づいて、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することとをさらに含んでもよい。
【0050】
本システムのある実施形態では、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、コンテナ取扱車両の履歴移動データを受信することと、コンテナ取扱車両の履歴移動データに基づいて、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することとをさらに含んでもよい。
【0051】
本システムのある実施形態では、中央動作コントローラは、コンテナ取扱車両が小区画から退出しているとき、および/または退出しようとしているとき、デフォルト速度および/または加速度に戻るようにコンテナ取扱車両に命令するようにさらに適合されてもよい。
【0052】
本システムのある実施形態では、コンテナ取扱車両移動閾値は、コンテナ取扱車両の最大速度を設定する。
【0053】
本システムのある実施形態では、コンテナ取扱車両移動閾値は、コンテナ取扱車両の最大加速度を設定する。
【0054】
本システムのある実施形態では、コンテナ取扱車両移動閾値は、コンテナ取扱車両の最大線形運動量を設定する。
【0055】
本システムのある実施形態では、本システムは、レールシステムを横断するように適合されているレール点検車両をさらに備えてもよく、レール点検車両を使用して、レールシステムの小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定するように適合されている。コンテナ取扱車両移動閾値は、障害閾値を上回るレールシステム内での移動に起因するレール点検車両の検出された垂直および/または水平移動に基づいて決定されてもよい。コンテナ取扱車両移動閾値は、レールシステムの条件の変化に起因するレール点検車両の水平移動の検出された変化に基づいて決定されてもよい。コンテナ取扱車両移動閾値はまた、レール点検車両または他の方法を使用して、レールシステム内の視覚的に検出された障害に基づいて決定されてもよい。
【0056】
本システムのある実施形態では、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値は、小区画の外側のレールシステムの機械的安定性と比較されるレールシステムの小区画内の低減された機械的安定性に基づいて決定されてもよい。
【0057】
本システムのある実施形態では、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値は、小区画の外側のレールシステムとの関係における小区画内のレールシステムのずれに基づいて決定されてもよい。
【0058】
本システムのある実施形態では、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値は、小区画の外側のレールシステムの摩擦と比較されるレールシステムの小区画内の低減された摩擦に基づいて決定されてもよい。
【0059】
本システムのある実施形態では、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値は、レールシステムの小区画内の、小区画の外側のレールシステム内と異なる環境条件に基づいて決定されてもよい。
【0060】
本システムのある実施形態では、中央動作コントローラは、コンテナ取扱車両内のローカルコントローラに、小区画に関するコンテナ取扱車両移動閾値を伝送するようにさらに適合されてもよく、コンテナ取扱車両内のローカルコントローラは、小区画内でのコンテナ取扱車両の移動が小区画のコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両に命令するようにさらに適合されてもよい。
【0061】
第3の側面では、本発明は、システム内の中央動作コントローラのためのコンピュータプログラム製品であって、システムは、自動倉庫システムの骨格構造の上部を少なくとも部分的にわたって配列されているレールシステム上に複数のコンテナ取扱車両を備え、複数のコンテナ取扱車両は、レールシステム上で、骨格構造の直立部材および水平部材の間に並べて配列されている保管カラムから保管コンテナを上昇させることと、保管カラムの中に保管コンテナを降下させることとを行うように動作可能であり、保管カラムの上方で保管コンテナを輸送するようにも動作可能であり、各コンテナ取扱車両は、コンテナ取扱車両の移動を制御するように適合されているローカルコントローラを備え、中央動作コントローラは、各コンテナ取扱車両内のローカルコントローラと通信し、コンピュータプログラム製品は、中央動作コントローラ上で実行されると本発明の第1の側面に記載の方法を実施する命令を備える、コンピュータプログラム製品を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0062】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために添付される。図面は、ここで実施例のみとして説明されるであろう、本発明の実施形態を示す。
【0063】
図1図1は、従来技術自動倉庫システムの骨格構造の斜視図である。
図2図2は、保管コンテナをその中に有保するための中心に配列された空洞を有する、従来技術コンテナ取扱車両の斜視図である。
図3図3は、保管コンテナを真下に有保するための片持ち梁を有する、従来技術コンテナ取扱車両の斜視図である。
図4図4は、本発明による、例示的小区画の概略概要図である。
図5図5は、本発明による、方法の例示的フローチャートである。
図6図6は、本発明による、方法の別の例示的フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0064】
発明の詳細な説明
以下において、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面が、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図していないことを理解されたい。
【0065】
自動倉庫システム1の骨格構造100は、図1~3に関係して上記に説明される従来技術骨格構造100、すなわち、いくつかの直立部材102、および直立部材102によって支持される、いくつかの水平部材103に従って構築され、さらに、骨格構造100は、X方向ならびにY方向における、第1の上側レールシステム108を備える。
【0066】
骨格構造100は、部材102、103の間に提供される、保管カラム105の形態にある、保管コンパートメントをさらに備え、保管コンテナ106は、保管カラム105内のスタック107内にスタック可能である。
【0067】
骨格構造100は、任意のサイズであることができる。特に、骨格構造が、図1に開示されるものより大幅に広い、および/または長い、ならびに/もしくは深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個超のカラムの水平範囲と、12個超のコンテナの保管深度とを有してもよい。
【0068】
本発明による、自動倉庫システムの一実施形態が、ここで、図4、5、および6を参照して、より詳細に議論されるであろう。
【0069】
図4は、レールシステム108の一部の概略概要図であり、コンテナ取扱車両201、301が、それぞれ、少なくとも、2つの小区画401a、401bの一部を取り入れた経路402、403を辿るように命令されるところが示される。2つの小区画401a、401bは、単純化のために、保管カラムの整数単位の観点から定義されるが、また、保管カラムの分数単位によって、または他の好適な座標によっても定義され得る。例示的な第3の小区画401cが、Y方向に1つ半の保管カラムと、X方向に2つの保管カラムとによって定義される。小区画401a、401b、401cは、レールシステム108の残りの面積と比較される、コンテナ取扱車両201、301の動作エラーに関するより高い尤度が存在する、レールシステム108の面積である。動作エラーは、コンテナ取扱車両201、301が正しい位置で停止することが不可能であること、またはコンテナ取扱車両201、301が、センサデータが予期されるデータと相関しないことを検出することを含み得る。動作エラーは、システム停止、またはさらに悪いことには、コンテナ取扱車両間の衝突につながり得る。
【0070】
コンテナ取扱車両をより緩徐な速度/加速度で駆動することは、制御システム500が動作エラーにより良好に対処することを可能にし、このように、システム停止または衝突が、回避されることができる。
【0071】
各コンテナ取扱車両201、301は、コンテナ取扱車両201、301の移動を制御するように適合されているローカルコントローラを備える。コンテナ取扱車両201、301の移動を制御することは、コンテナ取扱車両の車輪等の駆動手段を駆動する、電動モータを制御することを含む。コンテナ取扱車両201、301は、通常、最高速度および最高加速度において走行する。コンテナ取扱車両201、301の最高速度および最高加速度は、コンテナ取扱車両の駆動手段を駆動する、電動モータの編成によって定義される。電動モータのタイプに応じて、電動モータの速度および加速度が、電動モータに供給される電力の周波数ならびに/もしくは電圧を調節することによって制御され得る。現実の電動モータでは、ある仕様に合わせて製造されているが、製造の仕様からの逸脱が、存在し、したがって、同じ電力を供給される異なる電動モータが、異なる速度において移動し得る。コンテナ取扱車両201、301の実際の速度は、仕様からの逸脱の範囲内で変動し得る。故に、本明細書において言及されるコンテナ取扱車両201、301の速度および加速度は、コンテナ取扱車両201、301の真の速度および加速度ではなく、むしろ、これは、電動モータに供給される所与の電力において、各コンテナ取扱車両201、301によって取得される、速度および加速度である。さらに、低下された速度および加速度は、コンテナ取扱車両201、301の電動モータに、最高速度ならびに最高加速度におけるモータに供給される、電力のごく一部を供給することによって取得される。用語「加速度」はまた、負の加速度、例えば、減速度も含むと見なされるべきである。
【0072】
本システムは、各コンテナ取扱車両201、301内のローカルコントローラと通信する中央動作コントローラ501を具備する。ローカルコントローラと中央動作コントローラとの間の通信は、任意の好適な有線または無線通信技術によるものであってもよい。中央動作コントローラ501もまた、任意の好適な有線または無線通信技術を使用して、制御システム500と通信する。
【0073】
加えて、コンテナ取扱車両201、301の移動を制御する方法を図示する、図5を参照する。中央動作コントローラ501は、レールシステム108の小区画401a、401bに関係するデータを受信し、データは、小区画401a、401bに関するコンテナ取扱車両移動閾値を含む。中央動作コントローラ501は、制御システム500からコンテナ取扱車両移動閾値を受信してもよい。コンテナ取扱車両移動閾値は、コンテナ取扱車両201、301の最大速度、コンテナ取扱車両201、301の最大加速度、およびコンテナ取扱車両201、301の最大線形運動量のうちの少なくとも1つを設定してもよい。
【0074】
中央動作コントローラ501は、レールシステム108上の経路402、403を辿るようにコンテナ取扱車両201、301に命令する。中央動作コントローラ501は、制御システム500から、コンテナ取扱車両201、301に、保管入物を積み込み、保管入物が積み下ろされるべき列までもたらすように要求する、レールシステム108上の列に関係するデータを受信してもよい。中央動作コントローラ501は、段階的命令によって、経路402、403を辿るようにコンテナ取扱車両に命令してもよい。中央動作コントローラ501は、小区画401a、401bの少なくとも一部を取り入れた経路402、403を辿るようにコンテナ取扱車両201、301に命令してもよい。さらに、中央動作コントローラ501は、小区画内401a、401bでのコンテナ取扱車両の移動が小区画401a、401bのコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両201、301に命令する。経路を辿るようにコンテナ取扱車両に命令することおよび速度ならびに/もしくは加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両に命令することは、別個のステップにおいて説明されるが、命令は両方とも、中央動作コントローラからコンテナ取扱車両への共同の段階的命令の一部であってもよい。一実施形態では、ステップのうちのいくつかが、中央動作コントローラ501の制御下で、各コンテナ取扱車両201、301内のローカルコントローラによって実施されてもよい。一実施例では、小区画401a、401bのコンテナ取扱車両移動閾値が、ローカルコントローラに伝送され、その中に記憶されてもよい。コンテナ取扱車両201、301のローカルコントローラは、次いで、それ自体の代わりに速度および/または加速度を低減させる決定を行ってもよい。
【0075】
コンテナ取扱車両の経路402、403の知識を有する中央動作コントローラ501は、コンテナ車両201、301が、小区画に進入することに先立って速度を低減させているように、コンテナ取扱車両が小区画401a、401bに進入することに先立ってコンテナ取扱車両201、301に命令してもよい。コンテナ取扱車両201、301の知識を有する中央動作コントローラ501はまた、コンテナ取扱車両が、コンテナ取扱車両の側面が小区画401a、401bの境界を交差する時点でその速度を車両移動閾値を下回るように低減させるために、命令がもたらされる必要がある最新の時点を推測してもよい。
【0076】
別の実施形態では、コンテナ取扱車両201、301の経路402、403の知識を有する中央動作コントローラ501は、いったんコンテナ取扱車両201、301の側面が小区画401a、401bの境界を交差した時点で速度および/または加速度を車両移動閾値を下回るように低減させるようにコンテナ取扱車両201、301に命令してもよい。速度および/または加速度を低減させるためのコンテナ取扱車両201、301に対する命令は、経路402、403を辿るためのコンテナ取扱車両201、301に対する命令の一部であってもよい。
【0077】
コンテナ取扱車両201、301が、小区画401a、401bから退出しているとき、中央動作コントローラは、コンテナ取扱車両201、301に、デフォルト速度および/または加速度に戻るように命令する。デフォルト速度および/または加速度は、典型的には、コンテナ取扱デバイス201、301の最大速度ならびに/もしくは加速度であろう。デフォルト速度および/または加速度に戻るためのコンテナ取扱車両201、301に対する命令は、経路402、403を辿るためのコンテナ取扱車両201、301に対する命令の一部であってもよい。コンテナ取扱車両201、301が、小区画401a、401bから退出している時点は、本システムの具体的な要件に依存し得る。しかしながら、1つの好適な時点は、コンテナ取扱車両201、301の第1の側が、小区画401a、401bから外に出る途中で小区画401a、401bの境界を交差するときであり得る。別の好適な時点は、コンテナ取扱車両201、301が小区画401a、401bから完全に退出したときであり得る。
【0078】
いくつかの事例では、例えば、小区画401a、401bの外側へのコンテナ取扱車両201、301の移動が小区画401a、401bのコンテナ取扱車両移動閾値を下回るとき、コンテナ取扱車両201、301に対する命令は、冗長である。多くのコンテナ取扱車両201、301を有する自動倉庫システム1では、冗長なメッセージが、通信チャネル上に不要な付加的負荷を引き起こし得る。加えて、本発明の一実施形態を図示する図6を参照すると、中央動作コントローラ501がさらに、速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両201、301に命令することに先立って、コンテナ取扱車両の現在の移動が小区画401a、401bのコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定するように適合されている。中央動作コントローラ501は、次いで、コンテナ取扱車両の現在の移動が小区画401a、401bのコンテナ取扱車両移動閾値を超過しているときのみ、速度および/または加速度を低減させるように命令してもよい。
【0079】
コンテナ取扱車両の現在の移動が小区画401a、401bのコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することはまた、例えば、コンテナ取扱車両201、301の非対称性およびレールシステム108とのその係合状態に起因して、車両自体に関して指向的であってもよい。例えば、コンテナ取扱車両201は、構成要素の内部配列の非対称性および結果として生じる非対称的な重量分布ならびに軸距に起因して、異なる長さ/幅閾値を有し得る。コンテナ取扱車両301は通常、左または右手用片持ち梁として配列されている。取扱の非対称性は、コンテナ内で有保されている負荷およびモータ重量に対する平衡状態に依存するであろう。
【0080】
一実施形態では、コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、コンテナ取扱車両分類に従ってコンテナ取扱車両201、301を分類することに基づいてもよい。コンテナ取扱車両分類は、片持ち梁タイプ301または空洞タイプ201等の異なるタイプのコンテナ取扱車両、もしくは異なる電動モータ、異なる重量、異なる車輪等の、異なる仕様を有する、同一のタイプのコンテナ取扱車両のバージョンであってもよい。コンテナ取扱車両分類は、コンテナ取扱車両のデフォルト速度および/または加速度、例えば、測定された平均最大速度ならびに/もしくは加速度、または本分類内のコンテナ取扱車両の仕様に基づいて予期される最大速度ならびに/もしくは加速度を含む。コンテナ取扱車両が小区画401a、401b内のコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることの決定は、したがって、単純に、コンテナ取扱車両分類を決定することに基づく。
【0081】
一実施形態では、中央動作コントローラ501は、加えて、コンテナ取扱車両によって輸送される、保管コンテナの重量のデータを受信してもよい。中央動作コントローラ501は、コンテナ取扱車両内の重量センサから重量を受信する、または保管コンテナの内容物についての知識を有する制御システム500から重量についての情報を得てもよい。コンテナ取扱車両がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定することは、次いで、保管コンテナの重量およびコンテナ取扱分類の組み合わせられた知識に基づき得る。保管コンテナ内の重量は、例えば、片持ち梁タイプコンテナ取扱デバイスの取扱に、空洞タイプコンテナ取扱デバイスより大きい程度に影響を及ぼし得る。
【0082】
一実施形態では、中央動作コントローラ501は、コンテナ取扱車両201、301の履歴移動データを受信し、履歴移動データに基づいて、コンテナ取扱車両201、301がコンテナ取扱車両移動閾値を超過していることを決定してもよい。決定は、例えば、その履歴移動データに基づいて、車両の不安定性を示し得る。他の履歴移動データは、いくつかの脱線、レール交差の見逃された検出等の、いくつかのナビゲーションエラー等を含み得る。
【0083】
図4は、それぞれ、経路402および403を辿るように命令された、2つの異なるコンテナ取扱車両201、301を示す。中央動作コントローラ501は、レールシステム108上のコンテナ取扱車両の占有面積の知識を有する。例示的コンテナ取扱車両201、301は、レールシステム108上に置かれ得る、コンテナ取扱車両の例示的サイズおよび占有面積を図示する。
【0084】
図4に示されるコンテナ取扱車両201は、概して、1つの保管カラム105の側方範囲に等しい、占有面積を有し得る。コンテナ取扱車両201は、小区画401aを交差する経路402を辿るように命令される。上記に議論されるように、中央動作コントローラ501は、経路402の知識、および経路が小区画401aを交差することの知識を有し、小区画401a内でのコンテナ取扱車両201の移動が小区画401aのコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両201に命令する。命令は、一実施例では、コンテナ取扱車両201の占有面積の第1の長辺が、小区画401aの周界を交差するときにもたらされてもよい。コンテナ取扱車両201が、小区画401aから退出するとき、中央動作コントローラは、デフォルト速度および/または加速度に戻り、経路402を辿り続けるようにコンテナ取扱車両201に命令する(501)。いくつかの実施形態では、中央動作コントローラ501が、コンテナ取扱車両201が小区画401aのコンテナ取扱車両移動閾値を超過していないことを決定した場合、命令は両方とも、冗長であり、それらのうちのいずれも、コンテナ取扱車両201に送信されない。コンテナ取扱車両が、隣の小区画401bに進入しようとしているとき、速度および/または加速度を低減させるための命令は、一実施例では、コンテナ取扱車両201の占有面積の第1の短辺が、隣の小区画401bの周界に交差するときにもたらされてもよい。
【0085】
図4に示されるコンテナ取扱車両301は、片持ち梁構築物を有し、2つの保管カラム105の側方範囲に近似する、占有面積を有し得る。コンテナ取扱車両301は、小区画401bを取り入れた経路403を辿るように命令される。上記に議論されるように、中央動作コントローラ501は、経路403の知識、および経路が小区画401bを取り入れることの知識を有し、小区画401b内でのコンテナ取扱車両301の移動が小区画401bのコンテナ取扱車両移動閾値を下回るように速度および/または加速度を低減させるようにコンテナ取扱車両301に命令する。命令は、一実施例では、コンテナ取扱車両301の占有面積の第1の短辺が、小区画401bの周界を交差するときにもたらされてもよい。別の実施例では、コンテナ取扱車両301が、片持ち梁から最初に小区画401bに進入するとき、命令は、片持ち梁に追従する第1の車輪が小区画401bの周界を交差するときにもたらされてもよい。コンテナ取扱車両301が、小区画401bから退出するとき、中央動作コントローラは、デフォルト速度および/または加速度に戻り、経路403を辿り続けるようにコンテナ取扱車両301に命令する(501)。本図示される実施例では、デフォルト速度および/または加速度に戻るための命令は、コンテナ取扱車両301の占有面積の第1もしくは第2の長辺が、小区画401bの周界を交差するときにもたらされてもよい。いくつかの実施形態では、中央動作コントローラ501が、コンテナ取扱車両301が小区画401bのコンテナ取扱車両移動閾値を超過していないことを決定した場合、命令は両方とも、冗長であり、それらのうちのいずれも、コンテナ取扱車両301に送信されない。
【0086】
小区画401a、401b内のコンテナ取扱車両201、301の動作エラーに関するより高い尤度は、小区画401a、401bの低減された機械的安定性または小区画401a、401bの外側のレールシステム108との関係における小区画401a、401b内でのレールシステム108のずれにつながる、レールシステム108ならびに/もしくは骨格構造100の機械的差異に起因し得る。レールシステムの低減された機械的安定性およびずれは、仕様に従わない床、骨格構造の誤った搭載、骨格構造上の損傷、骨格構造のずれ、移動している建物等から生じ得る。
【0087】
小区画401a、401bに関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定することは、小区画401a、401bの外側のレールシステム108の機械的安定性と比較されるレールシステム108の小区画401a、401b内の低減された機械的安定性に基づいてもよい。
【0088】
小区画401a、401b内のコンテナ取扱車両201、301の動作エラーのより高い尤度はまた、小区画401a、401bの外側のレールシステム108の摩擦と比較される、小区画401a、401b内の低減された摩擦に起因する、例えば、レールシステム108上の油分、水、グリース等の検出に基づき得る。
【0089】
小区画401a、401bに関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定することは、小区画401a、401bの外側のレールシステム108との関係における小区画401a、401b内でのレールシステム108のずれに基づいてもよい。
【0090】
小区画401a、401b内のコンテナ取扱車両201、301の動作エラーのより高い尤度はまた、温度、空気圧、湿度、周囲ガス等の差異等、小区画401a、401b内の環境条件の差異に起因し得る。環境条件の変化は、コンテナ取扱車両201、301のパフォーマンスを変化させ得る。一実施例では、水が、より温かいまたはより湿潤な区域から冷たい区域に進入する、コンテナ取扱車両201、301の車輪上で凝縮し得、これは、摩擦の低減を引き起こし得る。別の実施例では、モータの効率が、コンテナ取扱車両の速度が増加するように変化し得る。
【0091】
小区画401a、401bに関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定することは、小区画401a、401bの外側のレールシステム108の摩擦と比較されるレールシステム108の小区画401a、401b内の低減された摩擦に基づいてもよい。
【0092】
小区画401a、401bに関するコンテナ取扱車両移動閾値は、第1の方向Xおよび第2の方向Yにおいて異なり得る。レールは、第1の方向Xにおいてともにより近接しており、これは、構造を、第2の方向Yにおける接合点間のより広い間隔にわたるものより強力または剛性にし得る。
【0093】
小区画401a、401b内のコンテナ取扱車両201、301の動作エラーに関するより高い尤度は、レールシステム108および骨格構造100の物理的点検ならびに/もしくは目視点検によって決定され得る。物理的点検および/または目視点検は、手動で実施されてもよい。
【0094】
一実施形態では、本システムは、レールシステム108を横断するように適合されているレール点検車両を備える。本システムは、レール点検車両を使用して、レールシステム108の小区画401a、401bに関するコンテナ取扱車両移動閾値を決定するように適合されている。
【0095】
レール点検車両は、レールシステム108を横断する間、レールシステムの移動に起因するレール点検車両の垂直および/または水平移動を決定するための、ジャイロスコープ、加速度計、もしくは他の好適な移動センサを具備してもよい。本システムは、次いで、障害閾値を上回るレールシステム内の移動に起因するレール点検車両の検出された垂直および/または水平移動に基づいて、コンテナ取扱車両移動閾値を決定してもよい。
【0096】
加えて、または代替として、コンテナ取扱車両移動閾値は、本システムによって、レールシステムの条件の変化に起因するレール点検車両の水平移動の検出された変化に基づいて決定されてもよい。
【0097】
レール点検車両は、レールシステム108を横断する間、レールシステム内の障害を視覚的に検出するように適合されている、電磁スペクトルの任意の好適な範囲内にある、カメラ等の撮像デバイスを具備してもよい。本システムは、次いで、レールシステム108内の視覚的に検出された障害に基づいて、コンテナ取扱車両移動閾値を決定してもよい。
【0098】
前述の説明では、本発明による、コンテナ取扱車両および自動倉庫システムの種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。解説の目的のために、具体的な数値、システム、および構成が、本システムならびにその作用の徹底的な理解を提供するために記載された。しかしながら、本説明は、限定的意味で解釈されることを意図していない。開示される主題が関係する当業者に明白である、例証的実施形態の種々の修正および変形例、ならびに本システムの他の実施形態が、本発明の範囲内に存在すると見なされる。
【0099】
参照番号の一覧
【表1】
【0100】
【表2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】