(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】シリコンアノード用集電体
(51)【国際特許分類】
H01M 4/66 20060101AFI20230509BHJP
H01M 4/70 20060101ALI20230509BHJP
H01M 4/134 20100101ALI20230509BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20230509BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20230509BHJP
H01M 4/1395 20100101ALI20230509BHJP
H01M 4/64 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H01M4/66 A
H01M4/70 A
H01M4/134
H01M4/38 Z
H01M4/62 Z
H01M4/1395
H01M4/64 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560109
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2021058509
(87)【国際公開番号】W WO2021198373
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515170791
【氏名又は名称】アルモール
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シモン・ベルトム
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・ギシャール
【テーマコード(参考)】
5H017
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA03
5H017BB08
5H017CC01
5H017DD01
5H017DD05
5H017DD06
5H017HH03
5H017HH04
5H050AA07
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CA11
5H050CB11
5H050DA03
5H050DA04
5H050DA10
5H050DA11
5H050FA18
5H050GA22
5H050HA01
5H050HA04
(57)【要約】
本発明は、アノード(16)用の集電体(23)であって、前記集電体(23)は、
-第1の面(201)を有する基板(20)と、
-10マイクロメートル未満、優先的には6マイクロメートル未満の厚さを有し、前記基板(20)の前記第1の面(201)と接触する少なくとも1つの界面層(22)であって、その深さが0.5マイクロメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する、界面層(22)と、
を含む、集電体(23)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード(16)用の集電体(23)であって、前記集電体(23)は、
-第1の面(201)を有する基板(20)と、
-10マイクロメートル未満、優先的には6マイクロメートル未満の厚さを有し、前記基板(20)の前記第1の面(201)と接触する少なくとも1つの界面層(22)であって、その深さが0.5マイクロメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する、界面層(22)と、
を含む、集電体(23)。
【請求項2】
前記界面層(22)は、前記基板(20)の前記第1の面(201)と接触する第2の面(222)を有し、前記界面層(22)の前記第2の面(222)は表面積(A22)を有し、前記基板(20)の前記第1の面(201)は表面積(A201)を有し、前記界面層(22)の前記第2の面(222)の前記表面積(A22)と前記基板(20)の前記第1の面(201)の前記表面積(A201)の比は、0.1と1の間に含まれる、請求項1に記載の集電体(23)。
【請求項3】
前記界面層(22)は、第2の組成物(C2)をコーティングすることによって形成され、前記第2の組成物(C2)は、第2のバインダー材料(ML2)及び第2の導電性添加剤(AC2)を含む、請求項1又は2に記載の集電体(23)。
【請求項4】
前記界面層(22)は、前記基板(20)の前記第1の面(201)上に配置された複数の要素(40)を含むアレイ(38)からなり、各要素(40)は、200マイクロメートルと2500マイクロメートルの間に含まれる距離(Dadj)だけ、別の隣接する要素(40)から分離されており、2つの隣接する要素(40)の間の前記距離(Dadj)は、第1の要素(40)の点と、前記第1の要素(40)に隣接する第2の要素(40)の点と、の間の最小の距離である、請求項1に記載の集電体(23)。
【請求項5】
前記界面層(22)は、第3の組成物(C3)をコーティングすることによって形成され、前記第3の組成物(C3)は、第3の導電性添加剤(AC3)及び任意の第3のバインダー材料(ML3)を含む、請求項4に記載の集電体(23)。
【請求項6】
各要素(40)は基部(401)を有し、各要素(40)の前記基部(401)は多角形又は円盤又は楕円形である、請求項4又は5に記載の集電体(23)。
【請求項7】
前記界面層(22)の前記要素(40)の前記基部(401)は、0.1と0.9の間、優先的には0.2と0.5の間に含まれる前記基板(20)の前記第1の面(201)の被覆率を有する、請求項6に記載の集電体(23)。
【請求項8】
各要素(40)は、10マイクロメートル以下の高さ(H40)を有する、請求項4から7の何れか一項に記載の集電体(23)。
【請求項9】
前記界面層(22)は、厳密には1未満である前記基板(20)の前記第1の面(201)の被覆率を有する、請求項1から8の何れか一項に記載の集電体(23)。
【請求項10】
少なくとも1つの第2の界面層(22)をさらに含み、前記第2の界面層(22)は、前記基板(20)の前記第1の面(201)上に配置された複数の要素(40)を含むアレイ(38)からなり、各要素(40)は、200マイクロメートルと2500マイクロメートルの間に含まれる距離(Dadj)だけ、別の隣接する要素(40)から分離されており、2つの隣接する要素(40)の間の前記距離(Dadj)は、第1の要素(40)の点と、前記第1の要素(40)に隣接する第2の要素(40)の点と、の間の最小の距離であり、第1の界面層(22)と第2の界面層(22)は互いに重ね合わされている、請求項2又は3に記載の集電体(23)。
【請求項11】
電気化学セル(10)用のアノード(16)であって、前記アノード(16)は、
-請求項1から10の何れか一項に記載の集電体(23)と、
-第1の組成物(C1)に従って製造される電極(21)であって、前記第1の組成物(C1)は、インターカレーション材料(MI)、第1のバインダー材料(ML1)、及び第1の導電性添加剤(AC1)を含み、前記インターカレーション材料(MI)はシリコンを含み、前記電極(21)は面(212)を有し、前記基板(20)の前記第1の面(201)と前記電極(21)の前記面(212)は対向しており、前記界面層(22)は前記基板(20)と前記電極(21)の間に配置され、前記基板(20)の前記第1の面(201)及び前記電極(21)の前記面(212)に接触している、電極(21)と、
を含む、アノード。
【請求項12】
前記インターカレーション材料(MI)のシリコン濃度は、30重量%以上、優先的には60重量%以上である、請求項11に記載のアノード。
【請求項13】
前記インターカレーション材料(MI)はシリコンである、請求項11又は12に記載のアノード。
【請求項14】
請求項1から10の何れか一項に記載の集電体(23)、又は請求項11から13の何れか一項に記載のアノードを含む、電気化学セル(10)。
【請求項15】
請求項14に記載の少なくとも1つのセルを含む、エネルギー貯蔵デバイス。
【請求項16】
アノード(16)用の集電体(23)を製造する方法であって、
-第1の面(201)を有する基板(20)を提供するステップと、
-前記基板(20)の前記第1の面(201)上に少なくとも1つの界面層(22)をコーティングすることによって堆積させるステップであって、前記界面層(22)は、10マイクロメートル未満、優先的には6マイクロメートル未満の厚さを有し、前記界面層(22)は、その深さが0.5マイクロメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
電気化学セル(10)用のアノード(16)を製造する方法であって、
-請求項15に記載のアノード(16)用の集電体(23)を製造する方法のステップを実施するステップと、
-インターカレーション材料(MI)、第1のバインダー材料(ML1)、及び第1の導電性添加剤(AC1)を含む第1の組成物(C1)を調製するステップであって、前記インターカレーション材料(MI)はシリコンを含む、ステップと、
-面(212)を有する電極(21)を得るために、前記界面層(22)上に前記第1の組成物(C1)をコーティングすることによって堆積させるステップであって、前記基板(20)の前記第1の面(201)と前記電極(21)の前記面(212)は対向しており、前記界面層(22)は前記基板(20)の前記第1の面(201)及び前記電極(21)の前記面(212)に接触している、ステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アノード用集電体に関する。本発明はさらに、このような集電体を含むセル及びエネルギー貯蔵デバイスに関する。本発明はさらに、対応する集電体の製造方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、電気化学セル用アノードに関する。本発明はさらに、このようなアノードを含むセル及びエネルギー貯蔵デバイスに関する。本発明はさらに、前記アノードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気化学的蓄電池は、慣習的に、正極、負極、電解質、及び各電極用の集電体を含む。負極と集電体の組み合わせはアノードを形成し、正極と集電体の組み合わせはカソードを形成する。
【0004】
このようなセルの動作原理は、2つの分離及び結合した電気化学反応を使用することで、電気エネルギーを化学エネルギーとして可逆的に貯蔵することに基づいている。正極と負極は電解質に浸され、いわゆるファラデー型の電気化学反応の場となる。特に、電極は、酸化及び還元反応によってイオンを貯蔵及び除去するための活物質で作られている。
【0005】
電極は組成物によって作られ、組成物は、主に1つ又は複数の活物質(70重量%を超える)、全ての活物質に向かう電子の良好な輸送を提供する導電性粒子、及び集電体への接着とともに粒子の凝集を提供するバインダーを含む。
【0006】
正極と負極の2つの電極は次いで、電解質によってイオン的に結合される。電解質は液体、ゲル状、又は固体であることができる。
【0007】
セルの固有のイオンマイグレーション機能により、電極にはイオンを挿入及び/又は除去しやすい材料が必要である。リチウム技術は、質量エネルギー密度と体積エネルギー密度の点で最も優れた特徴を有する。このような技術は従って、携帯電話やノートパソコンなどのノマディック用途や、大きな貯蔵容量及び長い耐用年数を必要とする新しい電気自動車(EV)や定置型エネルギー貯蔵システム(ESS)の開発に対して、優先的に選ばれている。
【0008】
アノードの活物質としてのシリコンは、リチウムイオンに対する貯蔵容量がグラファイトの貯蔵容量よりも大きい。使用の第1サイクルの間、活物質の表面に電解液とリチウムが析出し、分解して、固体電解質界面(solid electrolyte interphase、SEI)と呼ばれる層が形成される。そのような場所に析出したリチウムは、もはや、電極間でリチウムイオンを輸送するのに利用することができない。
【0009】
しかしながら、シリコンアノードは、300%に達することがある体積変化によってもたらされる活物質の変形や分画によって損傷することがある。実際、セルが機能している間、リチウムイオンがインターカレートされるとアノードの活物質が膨張し、リチウムイオンが除去されると活物質が収縮する。このような体積変化はさらに、ピーリング、又は、リチウムの追加析出を伴うSEIのピーリング及び電解質の新たな分解を引き起こし、新たなSEIの形成につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、より長い耐用年数を有する電気化学セルを製造するために使用することができる電気化学セル用アノードが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
さらに、改善された特性、特に、電極への改善された接着性及び/又は基板と電極との間の低減された電気抵抗を提供するためのアノード製造用の集電体に対するさらなる必要性が存在する。
【0012】
この目的のために、アノード用集電体が提案され、この集電体は以下を含む:
-第1の面を有する基板;及び
-基板の第1の面と接触する、厚さが10マイクロメートル未満、優先的には6マイクロメートル未満の少なくとも1つの界面層であって、深さが0.5マイクロメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する、界面層。
【0013】
このような集電体は、接着性の点で改善された特性及び/又は低減された電気抵抗を有する。
【0014】
2つの要素間の接着性を改善するため、及び/又は電極内の機械的応力を低減するために、基板と電極層との間に1つ又は複数の界面層が追加されると、このような性能はより良好になることに留意されたい。このような技術は、例えば、米国特許出願公開第2012/107684号明細書、国際公開第2009/054987号、米国特許出願公開第2009/0061319号明細書、及び米国特許出願公開第2017/271678号明細書から公知である。
【0015】
しかしながら、界面層が基板への電極の良好な接着性、故により良好な電気的界面を与えるとしても、それは、その構成要素の導電性の限界により、その内部に電気抵抗を付加する。
【0016】
本発明の集電体の界面層の粗さは、特に、電極内でより良好な電気浸透を生成し、集電体との電子交換面を増加させることによって、この技術的課題を解決するものである。
【0017】
これは、米国特許出願公開第2013/0115510号明細書に記載されているような、それが堆積された基板の状態のみをその表面状態が再現するコーティング層に関するものではなく、実際には、その独自の表面状態を有する層に関するものであることに留意されたい。このような表面状態は、最良の電気化学的性能を得るために、例えば、層の組成に起因して、制御され、調節されることができる。
【0018】
特定の実施形態によれば、集電体は、個別に又は技術的に可能な全ての組み合わせで取り入れられる、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含む:
-基板の第1の面と接触する第2の面を有する界面層であって、界面層の第2の面は表面積を有し、基板の第1の面は表面積を有し、界面層の第2の面の表面積と基板の第1の面の表面積との比は0.1と1の間に含まれる;
-界面層は、第2の組成物をコーティングすることによって作られ、第2の組成物は、第2のバインダー材料と第2の導電性添加剤とを含む;
-界面層は、基板の第1の面上に配置された複数の要素を含むアレイからなり、各要素は、200マイクロメートルと2500マイクロメートルの間に含まれる距離だけ、別の隣接する要素から分離されており、2つの隣接する要素を分離する距離は、1つの要素の点と第1の要素に隣接する第2の要素の点の間の最小の距離である;
-界面層は、第3の組成物をコーティングすることによって製造され、第3の組成物は、第3の導電性添加剤と、必要に応じて第3のバインダー材料とを含む;
-各要素は基部を有し、各要素の基部は多角形又は円盤又は楕円形である;
-界面層の要素の基部は、0.1と0.9の間、優先的には0.2と0.5の間に含まれる基板の第1の面の被覆レベルを有する;
-各要素は、10マイクロメートル以下の高さを有する;
-集電体は少なくとも第1の界面層を含み、第1の界面層は、基板の第1の面と接触する第2の面を有し、界面層の第2の面は表面積を有し、基板の第1の面は表面積を有し、界面層の第2の面の表面積と基板の第1の面の表面積との比は、0.1と1の間に含まれる。集電体は少なくとも第2の界面層を含み、第2の界面層は、基板の第1の面上に配置された複数の要素を含むアレイからなり、各要素は、200マイクロメートルと2500マイクロメートルの間に含まれる距離だけ、別の隣接する要素から分離されており、2つの隣接する要素を分離する距離は、第1の要素の点と第1の要素に隣接する第2の要素の点の間の最小の距離であり、第1の界面層と第2の界面層は互いに重ね合わされている。
【0019】
本明細書はさらに、上記のような集電体を含む電気化学セルに関する。
【0020】
本明細書はさらに、アノード用集電体を製造する方法に関し、該方法は、以下を含む:
-第1の面を有する基板を提供するステップ;及び
-基板の第1の面上に少なくとも1つの界面層をコーティングすることによって堆積させるステップであって、界面層は、10マイクロメートル未満、優先的には6マイクロメートル未満の厚さを有し、界面層は、その深さが0.5マイクロメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する、ステップ。
【0021】
電気化学セル用アノードがさらに提案され、アノードは、第1の面を有する基板と、第1の組成物に従って製造される電極とを含み、第1の組成物は、インターカレーション材料、第1のバインダー材料、及び第1の導電性添加剤を含み、インターカレーション材料はシリコンを含む。電極は1つの面を有し、基板の第1の面と電極の面は互いに対向している。アノードは、10マイクロメートル未満、優先的には6マイクロメートル未満の厚さを有し、基板と電極の間に配置され、基板の第1の面及び電極の面に接触している、少なくとも1つの界面層を含む。
【0022】
他の特定の実施形態によれば、アノードは、個別に又は技術的に可能な全ての組み合わせで取り入れられる、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含む:
-電極の面と接触する第1の面を有する界面層であって、界面層の第1の面は、その深さが10ナノメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する;
-基板の第1の面と接触する第2の面を有する界面層であって、界面層の第2の面は表面積を有し、基板の第1の面は表面積を有し、界面層の第2の面の表面積と基板の第1の面の表面積との比は0.1と1の間に含まれる;
-界面層は、第2の組成物をコーティングすることによって作られ、第2の組成物は、第2のバインダー材料と第2の導電性添加剤とを含む;
-界面層は、基板の第1の面上に配置された複数の要素を含むアレイからなり、各要素は、200マイクロメートルと2500マイクロメートルの間に含まれる距離だけ、別の隣接する要素から分離されており、2つの隣接する要素を分離する距離は、1つの要素の点と第1の要素に隣接する第2の要素の点の間の最小の距離である;
-界面層は、第3の組成物をコーティングすることによって製造され、第3の組成物は、第3の導電性添加剤と、必要に応じて第3のバインダー材料とを含む;
-各要素は基部を有し、各要素の基部は多角形又は円盤又は楕円形である;
-界面層の要素の基部は、0.1と0.9の間、優先的には0.2と0.5の間に含まれる基板の第1の面の被覆レベルを有する;
-各要素は、10マイクロメートル以下の高さを有する;
-アノードは少なくとも第1の界面層を含み、第1の界面層は、電極の面と接触する第1の面を有し、界面層の第1の面は、その深さが10ナノメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する。アノードは少なくとも第2の界面層を含み、第2の界面層は、基板の第1の面上に配置された複数の要素を含むアレイからなり、各要素は、200マイクロメートルと2500マイクロメートルの間に含まれる距離だけ、別の隣接する要素から分離されており、2つの隣接する要素を分離する距離は、第1の要素の点と第1の要素に隣接する第2の要素の点の間の最小の距離である。第1の界面層と第2の界面層は互いに重ね合わされている;
-インターカレーション材料のシリコン濃度は、30重量%以上、優先的には60重量%以上である;
-インターカレーション材料はシリコンである。
【0023】
本明細書はさらに、上記のようなアノードを含む電気化学セルに関する。
【0024】
本明細書はさらに、上記のような少なくとも1つの電気化学セルを含むエネルギー貯蔵デバイスを説明する。
【0025】
本明細書はさらに、電気化学セル用アノードを製造するための方法に関し、該方法は、第1の面を有する基板を提供するステップと、基板の第1の面上に少なくとも1つの界面層をコーティングすることによって堆積させるステップであって、界面層は、10マイクロメートル未満、優先的には6マイクロメートル未満の厚さを有する、ステップと、を含む。該方法はさらに、インターカレーション材料、第1のバインダー材料、及び第1の導電性添加剤を含む第1の組成物を調製するステップであって、インターカレーション材料はシリコンを含む、ステップと、1つの面を有する電極を製造するために、第1の組成物を界面層上にコーティングすることによって堆積させるステップであって、基板の第1の面と電極の面は対向しており、界面層は基板の第1の面及び電極の面に接触している、ステップと、を含む。
【0026】
本発明の他の特徴及び利点は、以下、例としてのみ与えられる本発明の実施形態の説明を読み、以下の図面を参照することによって現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】アノードを含む電気化学セルの模式図である。
【
図2】界面層を含む電気化学セルのアノードのセクションの模式的側面図である。
【
図3】界面層の別の例を含む電気化学セルのアノードの別の例のセクションの模式的側面図である。
【
図4】アノードの一例の界面層の一部のセクションの上部の模式図である。
【
図5】アノードの別の例の界面層の一部のセクションの上部の模式図である。
【
図6】アノードのさらなる例の界面層の一部のセクションの上部の模式図である。
【
図7】アノード実施例のさらなる例の界面層の一部のセクションの上部の模式図である。
【
図8】2つの界面層を含む電気化学セルのアノードの別の例のセクションの模式的側面図である。
【
図9】2つの界面層を含む電気化学セルのアノードの別の例のセクションの模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
【0029】
セル10は、エネルギー貯蔵デバイス、特に所望の電圧及び容量を有する電気発電機を形成するために、他の電気セルと接続されることが意図されている。
【0030】
このような発電機は、セル電池又はより簡単には電池と呼ばれる。
【0031】
セル10は、エネルギーを貯蔵し、後でそれを戻すための、可逆的なエネルギー変換技術を使用する。
【0032】
説明されるセル10は、電気化学反応を使用し、セル10は電気化学セルである。
【0033】
説明された例によれば、電池セル10は、リチウムイオン電池を目的とするリチウムイオンセルである。
【0034】
セル10は、電解質12、カソード14、及びアノード16を含む。
【0035】
セル10は、電解質12、カソード14、及びアノード16の間の相互作用により、電気化学セルとして機能する。
【0036】
電解質12は、電荷蓄積反応又はファラデー型反応に用いられるイオンをもたらす異なるイオン塩と、炭酸塩と、イオンを可溶化するための溶媒又は混合溶媒と、からなる。
【0037】
イオン塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(LiTFSI)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、硝酸リチウム(LiNO3)、及びリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB)から選択される。
【0038】
炭酸塩は、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、及びジエチルカーボネート(DEC)である。
【0039】
さらなる炭水化物は、より少ない割合で、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、酢酸メチル、ギ酸メチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ガンマブチロラクトン、及びそれらの2元又は3元又は4元の混合物、並びにイオン液体である。
【0040】
カソード14は、活物質を含む。
【0041】
カソード14の活物質は、慣習的に、リチウム硫黄(LIS)及び/又は少なくとも1つのリチウム化金属酸化物からなり、リチウム化金属酸化物は、例えば、リチウムコバルト酸化物LiCoO2(LCO)、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物LiNiMnCoO2(NMC)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物LiNiCoAlO2(NCA)、リチウムマンガン酸化物LiMnO4(LMO)、リチウム鉄リン酸化物LiFePO4(LFP)、リチウムニッケルマンガン酸化物Li(LiNiMn)O2、リン酸鉄マンガンリチウム(LMFP)、及びリチウムニッケルマンガン酸化物LiNiMnO(LNMO)から選択される。
【0042】
カソード14の活物質の他の例も可能であり、例えば、ナトリウムイオン電池に適したものと同じである。
【0043】
【0044】
アノード16は、基板20、電極21、及び界面層22を含む。
【0045】
基板20、電極21、及び界面層22は、Zで示される積層方向に沿って積層体を形成し、界面層22は、基板20と電極21との間に配置されている。
【0046】
基板20と、界面層22と、電極21とは、重ね合わされている。
【0047】
基板20及び界面層22は、アノード16の集電体を形成している。
【0048】
基板20及び界面層22は、集電体23を形成している。
【0049】
説明を通じて、各特徴又は実施形態は、アノード16又は集電体23に区別なく関連する。
【0050】
基板20は、積層方向Zに垂直な第1の面201を有する。
【0051】
基板20は、1と20マイクロメートル(μm)の間に含まれる、優先的には10μmに等しい厚さe20を有し、厚さe20は、積層方向Zに沿って測定される。
【0052】
以下どこでも、「値がAとBの間に含まれる」とは、値がA以上かつB以下であることを意味する。
【0053】
以下どこでも、層の厚さeの値は、積層方向Zに沿って測定される。
【0054】
基板20は、金属箔35を含む。
【0055】
金属箔35は、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、又はステンレス鋼で作られる。
【0056】
電極21は、セル10の電解質12と接触している。
【0057】
電極21は、積層方向Zに垂直な面212を有する。
【0058】
電極21の面212は、基板20の第1面201に対向している。
【0059】
電極21は、界面層22上に配置されている。
【0060】
電極21は、10μmと150μmの間に含まれる厚さe21を有する。
【0061】
電極21は、界面層22上に第1の組成物C1を堆積させることによって形成される。優先的に、電極21は、界面層22上に第1の組成物C1をコーティングすることによって形成される。
【0062】
第1の組成物C1は、インターカレーション材料MIと、第1のバインダー材料ML1と、第1の導電性添加剤AC1とを含む。
【0063】
インターカレーション材料はさらに、「活物質」との用語で呼ばれる。
【0064】
インターカレーション材料MIは、少なくともシリコンを含む。インターカレーション材料MIにおけるシリコン濃度は、インターカレーション材料MIの30重量%以上、優先的にはインターカレーション材料MIの60重量%以上であり、有利にはインターカレーション材料MIの100重量%に等しい。
【0065】
インターカレーション材料MIのシリコンは、5ナノメートル(nm)と500nmの間、優先的には10nmと200nmの間に含まれる直径を有する全体的に球状の粒子の形態である。あるいは、インターカレーション材料MIのシリコンは、フレーク又はファイバーの形態である。インターカレーション材料MIのシリコンは、カーボンで被覆されていてもよい。第1のインターカレーション材料MI1におけるシリコン濃度が厳密に100%未満である場合、インターカレーション材料MIはさらに、一般に「MesoCarbon MicroBeads(MCMB)」の名称で呼ばれるメソフェーズマイクロビーズ、人工又は天然のグラファイト、ソフトカーボン又はハードカーボンなどの黒鉛材料、Li4Ti5O12などのリチウム化チタネート系化合物(略称LTOとも呼ばれる)、及びシリコン、スズ又は合金を含む化合物から選択された材料を含む。
【0066】
第1の組成物C1は、組成物C1の重量に対して、50%以上、優先的には60%以上、有利には60%と93%の間のインターカレーション材料MIの重量濃度を含む。
【0067】
電極21のシリコンは、アノード16の材料内の、純粋なシリコン及び/又は酸化シリコンSiOxの粒子の分散物の形態である(xは1又は2に等しい整数である)。電極21のシリコン及び/又は酸化シリコンの粒子は、例えば水素のような別の化学元素と共有結合していない。シリコンが酸化されている場合、シリコン粒子は主に、純粋なSiで構成され、SiOxで被覆されている。
【0068】
以下どこでも、組成物の元素の質量含有率は、組成物全体の重量に対して計算される。
【0069】
第1のバインダー材料ML1の選択は、第1のバインダー材料ML1が電極21の他の材料に対して不活性であることを条件として、かなり変化する。
【0070】
第1のバインダー材料ML1は、電極の製造中に電極の使用を容易にするために使用することができる材料、優先的にはポリマーである。
【0071】
第1バインダー材料ML1は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、及びそれらの混合物から選択される1つ又は複数のポリマーを含む。
【0072】
熱可塑性ポリマーの例は、それらに限定されないが、ポリオレフィン(その中でもポリエチレン又はさらにポリプロピレン)などの脂肪族又はシクロ脂肪族ビニルモノマーの重合から生じるポリマー、ポリスチレンなどの芳香族ビニルモノマーの重合から生じるポリマー、アクリル及び/又は(メタ)アクリレートモノマーの重合から生じるポリマー、ポリアミド、ポリエーテルケトン、及びポリイミドを含む。
【0073】
熱硬化性ポリマーの例は、それらに限定されないが、必要に応じてポリウレタン又はポリエーテルポリオールと混合された熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂など)を含む。
【0074】
エラストマーポリマーの例は、それらに限定されないが、天然ゴム、合成ゴム、スチレンブタジエンコポリマー(略称「SBR」でも知られる)、エチレンプロピレンコポリマー(略称「EPM」でも知られる)、及びシリコーンを含む。
【0075】
特定の実施形態によれば、第1のバインダー材料ML1は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、及び/又はエラストマーポリマーの混合物である。
【0076】
他の好適な第1のバインダー材料ML1は、カルボキシル基と架橋剤とを有するポリマーから製造されたもののような、架橋ポリマーを含む。
【0077】
他の好適な第1のバインダー材料ML1は、セルロース誘導体を含む。
【0078】
第1の組成物C1は、30%以下、優先的には20%以下である、第1のバインダー材料ML1の重量濃度を含む。
【0079】
第1の導電性添加剤AC1は、電子導電性を向上させるように、1種又は複数種の導電性元素を含む。
【0080】
導電性元素の例は、それらに限定されないが、導電性カーボン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、活性カーボンファイバー、非活性カーボンナノファイバー、金属フレーク、金属粉末、金属ファイバー、及び導電性ポリマーを含む。
【0081】
ナノファイバーは、1nmと200nmの間に含まれる最大寸法を有する直径を有し、該直径の法線方向に沿って延びるファイバーと定義される。
【0082】
ナノチューブは、1nmと100nmの間に含まれる最大寸法を有する外径を有し、該外径の法線方向に沿って延びるチューブと定義される。
【0083】
第1の組成物C1は、20%以下、優先的には10%未満の第1の導電性添加剤AC1の重量濃度を含む。
【0084】
電極21の厚さe21は、電極21に含まれるシリコンの量の関数として変化する。
【0085】
電極21に含まれるシリコンの量が多いほど、電極21の厚みe21は小さくなる。従って、シリコンの量が多いほど、アノード16のエネルギー密度が高くなる。
【0086】
説明された例では、電極21は、界面層22によって基板20から分離されている。
【0087】
界面層22は、電極21の面212と接触する第1の面221と、基板20の第1の面201と接触する第2の面222とを有する。
【0088】
界面層22の第1の面221と第2の面222は、積層方向Zに垂直であり、かつ、互いに平行である。
【0089】
界面層22は、10μm以下である厚さe22を有する。優先的には、厚さe22は、10nm以上である。より優先的には、厚さe22は、100nm以上である。
【0090】
有利には、厚さe22は、10nmと3μmの間に含まれる。
【0091】
界面層22は、基板20上に第2の組成物C2を堆積させることによって製造される。優先的に、界面層22は、基板20の第1の面201の上に第2の組成物C2をコーティングすることによって製造される。
【0092】
第2の組成物C2は、第2のバインダー材料ML2及び第2の導電性添加剤AC2を含む。
【0093】
第2の導電性添加剤AC2は、電子導電性を向上させるために用いられる1種又は複数種の導電性元素を含む。
【0094】
例えば、第2の導電性添加剤AC2は、カーボン、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、活性カーボンファイバー、非活性カーボンナノファイバー、金属フレーク、金属粉末、金属ファイバー、及び導電性ポリマーから選択される。
【0095】
優先的には、第2の導電性添加剤AC2は、非限定的に、カーボンナノファイバー及びカーボンナノチューブから選択される。
【0096】
第2の組成物C2は、20%以上の第2の導電性添加剤AC2の重量濃度を含む。
【0097】
優先的には、第2の組成物C2は、70%以下の第2の導電性添加剤AC2の重量濃度を含む。
【0098】
有利には、第2の組成物C2は、30%と60%の間の第2の導電性添加剤AC2の重量濃度を含む。
【0099】
第2のバインダー材料ML2の選択は、第2のバインダー材料ML2が第2の組成物C2の他の材料に対して不活性である限り、特に限定されない。
【0100】
第2のバインダー材料ML2は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、及びそれらの混合物から選択される1つ又は複数のポリマーを含む。
【0101】
熱可塑性ポリマーの例は、それらに限定されないが、ポリオレフィン(その中でもポリエチレン又はさらにポリプロピレン)などの脂肪族又はシクロ脂肪族ビニルモノマーの重合から生じるポリマー、ポリスチレンなどの芳香族ビニルモノマーの重合から生じるポリマー、アクリル及び/又は(メタ)アクリレートモノマーの重合から生じるポリマー、ポリアミド、ポリエーテルケトン、及びポリイミドを含む。
【0102】
熱硬化性ポリマーの例は、それらに限定されないが、必要に応じてポリウレタン又はポリエーテルポリオールと混合された熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂など)を含む。
【0103】
エラストマーポリマーの例は、それらに限定されないが、天然ゴム、合成ゴム、スチレンブタジエンコポリマー(略称「SBR」でも知られる)、エチレンプロピレンコポリマー(略称「EPM」でも知られる)、及びシリコーンを含む。
【0104】
他の好適な第2のバインダー材料ML2は、カルボキシル基と架橋剤とを有するポリマーから製造されたもののような、架橋ポリマーを含む。
【0105】
他の好適な第2のバインダー材料ML2は、セルロース誘導体を含む。
【0106】
第の2組成物C2は、30%以上の第2のバインダー材料ML2の重量濃度を含む。
【0107】
優先的には、第2の組成物C2は、80%以下の第2のバインダー材料ML2の重量濃度を含む。
【0108】
有利には、第2の組成物C2は、40%と70%の間の第2のバインダー材料ML2の重量濃度を含む。
【0109】
界面層22は、界面層22の第1の面221の粗さによって特徴付けられる。
【0110】
定義上、界面層22の第1の面221の粗さは、界面層22の第1の面221のレリーフの幅を表す。界面層22の第1の面221のレリーフの幅は、前記レリーフの最高点と最低点との間の距離に対応し、ピーク-バレー距離とも呼ばれ、Rtと表記される。
【0111】
また、界面層22の第1の面221のレリーフは、界面層22の第1の面221の欠陥と誤って定義されることもある。
【0112】
界面層22の第1の面221のレリーフの幅は、10nmと10μmの間、優先的には2μmと9μmの間に含まれる深さを有する。界面層22の第1の面221のレリーフの幅は、さらに、0.5μmと9μmの間に含まれる、優先的には0.5μmと8μmの間に含まれる、より優先的には0.5μmと6μmの間に含まれる、有利には1μmと6μmの間に含まれる深さを有する。
【0113】
界面層22の第1の面221のレリーフは、第2の組成物C2の成分の混合の結果である。第2の導電性添加剤AC2及び第2のバインダー材料ML2は、その成分の絡み合いによって界面層22の第1の面221の全表面にわたってランダムかつ比較的均質な態様でレリーフが発生するように選択される。
【0114】
第2の導電性添加剤AC2及び第2のバインダー材料ML2の質量は、界面層22の第1の面221の粗さを調節するために使用される。
【0115】
第2の導電性添加剤AC2の粒子のサイズ及び形状はさらに、界面層22の第1の面221の粗さを調節するために使用される。第2の導電性添加剤AC2の粒子の表面積が小さいほど、界面層22の第1の面221のレリーフの幅は小さくなる。
【0116】
さらに、レリーフのより大きな幅を生成するために、フレーク又はファイバーの形態の粒子が使用される。
【0117】
変形例では、界面層22の第1の面221の粗さは、表面処理によって改質される。
【0118】
界面層22の粗さは、例えば、界面層22の第1の面221の表面へのプラズマトーチの使用によって改質される。
【0119】
界面層22の第1の面221の粗さは、例えば、ナノメータ非接触表面トポグラフィステーション(OptoSurf brand)を用いることによって、白色光干渉測定により決定される。トポグラフィステーションは、界面層22の第1の面221を2D及び3Dで再構成し、次にその粗さを計算するために使用される。
【0120】
界面層22の第1の面221の粗さは、界面層22の第1の面221の少なくとも2つの異なるゾーンから定義される。
【0121】
界面層22の第1の面221の粗さは、少なくとも2つのレリーフ幅値の平均に等しく、各レリーフ幅値は、界面層22の第1の面221の異なるゾーンに対応する。界面層22の第1の面221の異なるゾーンのレリーフ幅は、該ゾーンの最高点と最低点との間の距離を表している。界面層22の第1の面221のそれぞれの異なるゾーンの表面積は、例えば40,000μm2である。
【0122】
提案された実施例では、界面層22は、表面を完全に覆っている。
【0123】
変形例では、界面層22は穿孔されている。従って、基板20の第1の面201は、界面層22によって完全に覆われていない。
【0124】
界面層22の第2の面222は、表面積A22を有する。
【0125】
基板20の第1の面201は、表面積A201を有する。
【0126】
界面層22は、基板20の面201の被覆レベルR(I/s)により特徴付けられる。
【0127】
被覆率R(I/s)は、界面層22の第2の面222の表面積A22と基板20の第1の面201の表面積A201との比に対応し、以下の式に従って計算される:
R(I/s)=A22/A201
【0128】
被覆率R(I/s)は、0.1と1の間に含まれる。優先的には、被覆率R(I/s)は、0.3と1の間に含まれる。有利には、被覆率R(I/s)は、0.7と1の間に含まれる。優先的にはさらに、被覆率R(I/s)は、厳密には1未満であり、優先的には0.1と0.9の間に含まれ、有利には0.7と0.9の間に含まれる。
【0129】
アノード16の機能は、従来技術のアノードの機能に準ずる。
【0130】
界面層22は、基板20と電極21との間の界面を改善する。
【0131】
特に、界面層22の10μm未満の厚さは、基板20と電極21との間の界面を改善するために、また、基板20と電極21との間の電気抵抗を低減させるために、有利に使用され得る。
【0132】
基板20と電極21との間の界面層22の存在は、アノード16の異なる層の間の接着性を改善するために使用することができ、これによりその効率が著しく改善される。
【0133】
さらに、界面層22の穿孔された外観及び界面層22の第2の面222の粗さは、基板20と電極21との間の電気抵抗を低減させるために使用することができる。高い抵抗は、セル10のサイクルの間に電子の移動に対する障壁として作用する。
【0134】
従って、界面層22は、アノード16の電子導電性に大きな影響を与えるが、これは、それが基板20と電極21との間のより良好な界面を提供し、基板20と電極21との間の良好な電気接触を維持するためである。
【0135】
界面層22の存在により、導電経路がさらに改善される。
【0136】
従って、アノード16の電気化学的性能は、界面層22の存在によって著しく改善される。
【0137】
界面層22の穿孔された外観及び基板20と電極21との間に配置された界面層22の第2の面222の粗さに起因する界面の改善は、セル10の充放電サイクル中のシリコン粒子の体積膨張によって生じるアノード16の劣化及び剥離をさらに制限する。そのため、サイクル容量保持率及びアノード16の耐用年数が向上する。
【0138】
図3に示す変形例によれば、界面層22は、複数の要素40を含むアレイ38からなる。
【0139】
要素40は、基板20の第1の面201の全面にわたって均質に分布している。
【0140】
要素40の数は、nで示される。
【0141】
説明された例によれば、各要素40は同一である。
【0142】
界面層22の各要素40は、基板20の第1の面201と、電極21の面212とに接触している。
【0143】
界面層22の各要素40は、基部401を有する。
【0144】
各要素40の基部401は、基板20の第1の面201に接触している。
【0145】
各基部401は、長さd1のより大きな直径を有する円盤である。直径d1は、200μmと1000μmの間、優先的には500μmと900μmの間で変化する。
【0146】
各基部401は、中心を有する。
【0147】
各基部401は、表面積A401を有する。
【0148】
各基部401の表面積A401は、0.03平方ミリメートルと0.8平方ミリメートルとの間に含まれる。
【0149】
各要素40は、その基部401から生成される体積である。
【0150】
説明された例では、要素40はドームである。
【0151】
界面層22の各要素40は、10μm以下の高さH40を有する。優先的には、界面層22の各要素40は、6μm以下の高さH40を有する。優先的にはさらに、界面層22の各要素40は、10nm以上の高さH40を有する。優先的にはさらに、界面層22の各要素40は、0.5μm以上の高さH40を有する。有利には、界面層22の各要素40は、10nmと3μmの間に含まれる高さH40を有する。
【0152】
要素40のこのような高さH40は、電極21との接触表面積を増加させることを可能にし、従って、基板20と電極21との間の電気接触を改善することを可能にする。また、要素40のこのような高さH40は、電極21のインターカレーション材料MIの体積変動に伴う機械的応力を抑制することを可能にする。
【0153】
図3から分かるように、界面層22は、アレイ38を形成するn個の離散した要素40からなる。従って、基板20の第1の面201は、複数の要素40によって完全に覆われていない。
【0154】
界面層22は、基板20の第1の面201の被覆率R(r/s)により特徴付けられる。
【0155】
被覆率R(r/s)は、界面層22の表面積A22と基板20の第1の面201の表面積A201との比に対応する。
【0156】
界面層22の表面積A22は、界面層22のn個の要素40の基部401の表面積A401の総和として定義される。界面層22の表面積A22は、以下の式に従って計算され、ここで、iはi番目の表面積A401を示す。
【0157】
【0158】
説明された例によれば、基部401は全て同一であり、界面層の表面積A22は、以下の式に従って計算される:
A22=n×A401
【0159】
被覆率R(r/s)は、以下の式に従って計算される:
R(r/s)=A22/A201
【0160】
優先的には、被覆率R(r/s)は、0.1と0.9の間に含まれる。
【0161】
有利には、被覆率R(r/s)は、0.2と0.5の間に含まれる。
【0162】
基板20の第1の面201が界面層22によって完全に覆われていないという事実は、基板20の第1の面201にレリーフを生成するために用いることができ、これにより、電極21との接触面を増やすことが可能になり、従って、基板20と電極21との間の電気接触を改善することができる。このようにして、セル10の動作中に電極21の活物質の体積変動によって発生する機械的応力を抑制することができる。被覆率R(r/s)の調節はさらに、被覆率が1に等しい場合と比較して基板20と電極21との間の電気抵抗を低減させるために使用することができる。
【0163】
界面層22の要素40は、基板20の第1の面201上に第3の組成物C3を堆積させることによって製造される。優先的には、界面層22の要素40は、基板20の第1の面201上に第3の組成物C3をコーティングすることによって製造される。
【0164】
第3の組成物C3は、第3の導電性添加剤AC3と、必要に応じて第3のバインダー材料ML3とを含む。有利には、第3の組成物C3は、第3の導電性添加剤AC3及び第3のバインダー材料ML3からなる。
【0165】
第3の導電性添加剤AC3は、電子導電性を向上させるように、1種又は複数種の導電性元素を含む。
【0166】
第3の導電性添加剤AC3は、例えば、カーボン、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、活性カーボンファイバー、非活性カーボンナノファイバー、金属フレーク、金属粉末、金属ファイバー、及び導電性ポリマーから選択される。
【0167】
第3の組成物C3は、20%以上の第3の導電性添加剤AC3の重量濃度を含む。
【0168】
優先的には、第3の組成物C3は、90%以下の第3の導電性添加剤AC3の重量濃度を含む。
【0169】
有利には、第3の組成物C3に含まれる第3の導電性添加剤AC3の重量濃度は、40%と70%の間に含まれる。
【0170】
第3のバインダー材料ML3は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、及びそれらの混合物から選択される1つ又は複数のポリマーからなる。
【0171】
熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、及びエラストマーは、本明細書で上記のように定義されるようなものである。
【0172】
第3の組成物C3は、10%以上の第3のバインダー材料ML3の重量濃度を含む。
【0173】
優先的には、第3の組成物C3は、80%以下の第3のバインダー材料ML3の重量濃度を含む。
【0174】
有利には、第3の組成物C3に含まれる第3のバインダー材料ML3の重量濃度は、30%と60%の間に含まれる。
【0175】
界面層22のn個の要素40は、異なる変形例に従って配置される。
【0176】
図4、
図5及び
図6に示す例によれば、界面層22のn個の要素40は、対応する素メッシュに配置され、各素メッシュは同一である。
図7に示す例によれば、界面層のn個の要素40は、基板20の第1の面201上にランダムに分布している。
【0177】
図4に示す変形例によれば、界面層22の素メッシュ50は、正方形に配置された4つの基部401によって提供される。
【0178】
このように、素メッシュ50の4つの頂点は、正方形を形成し、各頂点は、基部401の中心である。
【0179】
素メッシュ50は、2つの隣接する基部401の中心を結ぶ線分によって定義される辺を有する。
【0180】
素メッシュ50の辺は、400μmと3500μmの間に含まれる、優先的には600μmと2000μmの間に含まれる長さc1を有する。
【0181】
アレイ38は、方向X及びYに沿った素メッシュ50の周期的繰り返しに対応するセットであり、方向X及びYは、互いに法線方向であり、かつ、方向Zに対して法線方向である。
【0182】
図3及び
図4に示す変形例によるアノード16の機能は、
図2に示すようなアノード16の機能に準ずる。
【0183】
このような変形例によるアノード16の利点は、
図2に示すようなアノード16の利点と同様である。
【0184】
さらに、素メッシュによって形成されたアレイに配置された複数の要素40における界面層22の構成は、その全寸法にわたって均質なアノードを提供する。パターンの繰り返し性により、より良好なアノードの再現性及びより良好な電気化学的性能の再現性が提供される。
【0185】
図5に示す変形例によれば、界面層22の要素40の基部401は正方形である。
【0186】
各基部401は、長さd2を有する対角線によって定義される。長さd2は、200μmと1200μmの間、優先的には500μmと1000μmの間で変化する。
【0187】
界面層22の素メッシュ60は、中央の正方形を形成する5つの基部401によって提供される。
【0188】
このように、素メッシュ60の4つの頂点は正方形を形成し、各頂点は基部401の中心であり、5番目の基部401の中心は該正方形の中心に配置されている。
【0189】
素メッシュ60は、正方形を形成する4つの基部401から選択された2つの隣接する基部401の中心を結ぶ線分によって定義される辺を有する。
【0190】
素メッシュ60の辺は、長さc2によって定義される。長さc2は、400μmと3700μmの間、優先的には600μmと2200μmの間で変化する。
【0191】
そして、アレイ38は、方向X及びYに沿った素メッシュ60の周期的な繰り返しに対応するセットであり、方向X及びYは、互いに法線方向であり、かつ、方向Zに対して法線方向である。
【0192】
図5に示す変形例によるアノード16の機能は、
図3及び
図4に示すようなアノード16の機能に準ずる。
【0193】
このような変形例によるアノード16の利点は、
図3及び
図4に示すようなアノード16の利点と同様である。
【0194】
さらに、n個の千鳥状の要素40の構成は、被覆率R(r/s)を高めるために、故に電極21との接触面を増やすために使用することができる。要素40の基部401が正方形であるという事実は、被覆率R(r/s)を高めるためにさらに使用することができる。
【0195】
図6に示す別の例では、素メッシュは、基部401が円盤である
図5による素メッシュ60に対応する素メッシュ70からなる。
【0196】
各基部401は、長さd3を有する直径によって定義される。長さd3は、200μmと1200μmの間、優先的には500μmと1000μmの間で変化する。
【0197】
素メッシュ70は、長さc3によって定義される辺を有する。長さc3は、400μmと3500μmの間、優先的には600μmと2000μmの間で変化する。
【0198】
そして、アレイ38は、方向X及びYに沿った素メッシュ70の周期的な繰り返しに対応するセットであり、方向X及びYは、互いに法線方向であり、かつ、方向Zに対して法線方向である。
【0199】
図6に示す変形例によるアノード16の機能は、
図3及び
図4に示すようなアノード16の機能に準ずる。
【0200】
このような変形例によるアノード16の利点は、
図3及び
図4に示すようなアノード16の利点と同様である。
【0201】
さらに、n個の要素40を千鳥状に構成することで、被覆率R(r/s)を高めることができ、従って電極21との接触面を増やすことができる。
【0202】
図7に示す例によれば、界面層のn個の要素40は、基板20の第1の面201上にランダムに分布している。
【0203】
2つの隣接する要素40は、距離Dadjだけ分離されており、距離Dadjは、2つの隣接する要素40の2点間の最小の距離である。
【0204】
2つの隣接する要素40は、隣接する要素40の対を形成し、隣接する要素40の対は、第1の要素40と第2の要素40とからなる。界面層22の各要素40は、隣接する要素40の少なくとも1つの対に含まれる。距離Dadjは、隣接する要素40の対の第1の要素40の基部401上の点と、隣接する要素40の対の第2の要素40の基部401上の点との間の最小の距離を表す。
【0205】
界面層22の隣接する要素40のそれぞれの対の距離Dadjは、200μmと2500μmの間、優先的には400μmと1000μmの間に含まれる。
【0206】
言い換えれば、界面層22の各要素40は、200μmと2500μmの間、優先的には400μmと1000μmの間に含まれる距離Dadjだけ、それに隣接する要素40のセットから分離されている。
【0207】
各基部401は同じ形状を有し、その形状は、
図4、5及び6による基部401のうちの1つから選択される。
【0208】
図7に示す変形例によるアノード16の機能は、
図3に示すようなアノード16の機能に準ずる。
【0209】
このような変形例によるアノード16の利点は、
図3に示すようなアノード16の利点と同様である。
【0210】
さらに、界面層22をアレイに配置された複数の要素40で構成することで、その全寸法にわたって均質なアノードが提供される。
【0211】
さらに、
図3、4、5、6及び7による実施例から、界面層22の各要素40の基部401は多角形又は楕円形であることがわかる。
【0212】
要素40の基部401の形状は、被覆率R(r/s)を調整するために使用することができる。
【0213】
界面層22の要素40の各基部401は、基板20の第1の面201と接触している。各要素40はさらに、表面402を有する。要素40の表面402は、基板20の第1の面201と接触していない。
【0214】
優先的には、各要素40の表面402は、粗さを有する。
【0215】
各要素40の表面402の粗さは、各要素40の表面402のレリーフの幅を表す。
【0216】
各要素40の表面402の粗さは、界面層22の第2の面222の粗さを決定するために上述した方法と同じ方法に従って決定される。
【0217】
優先的には、各要素40の表面402の粗さは、10nmと10μmの間、優先的には0.5μmと9μmの間、優先的には0.5μmと8μmの間、より優先的には0.5μmと6μmの間、有利には1μmと6μmの間、より有利には2μmと6μmの間に含まれる。
【0218】
各要素40の表面402の粗さは、組成物C3の成分のサイズ、形状及び量によって調節される。
【0219】
図8に示す別の変形例によれば、アノード16は、2つの界面層22を含む。
【0220】
2つの界面層22は、積層方向Zに沿って、互いに重ね合わされている。
【0221】
第1の界面層22は、基板20の第1の面201に接触しており、第2の界面層22は、電極の面212に接触している。
【0222】
第1の界面層22は、
図2による界面層22に相当する。
【0223】
第2の界面層22は、
図3から
図6による界面層22に相当する。
【0224】
より一般的には、
図8によるアノード16の例から、アノード16は、数pの界面層22を含み、pは2以上の整数であることがわかる。優先的には、pは2と4の間に含まれる。
【0225】
アノード16のp個の界面層22は、積層方向Zに沿って互いに重ね合わされている。
【0226】
アノード16のp個の界面層22は、第2の組成物C2又は第3の組成物C3を堆積させることによって、優先的にはコーティングすることによって、順次、互いに堆積されている。
【0227】
第2の組成物C2及び第3の組成物C3は、p個の界面層22のそれぞれに対して異なるものである。
【0228】
このような変形例によるアノード16の機能は、
図2から
図7に示すようなアノード16の機能に準ずる。
【0229】
アノード16の利点は、
図2及び
図7に示すようなアノード16の利点と同様である。
【0230】
さらに、少なくとも2つの界面層22の存在は、単一の界面層22が存在する場合よりも多くのレリーフを生成するために用いることができ、これにより、電極21との接触面積を増加させ、故に基板20と電極21との間の電気接触を改善することが可能である。少なくとも2つの界面層の組成並びに被覆率を調節することにより、異なる層間の界面を成形し、アノード16の電気化学的性能を向上させることが可能である。第1の界面層22の組成は、例えば、電極21の基板20への接着性を改善することができ、一方、第2の界面層22の組成は、アノード16内の導電性を著しく増加させることを可能にするであろう。このように、各界面層22によって提供される利点を付加し、それらの相互作用によってアノード16の性能を最大化することが可能である。
【0231】
優先的には、全ての実施形態において、界面層22は、粗さを有する。
【0232】
界面層22は、基板20の第1の面201と接触していない面を有する。
【0233】
例えば、基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面は、
図2に示す面221、又は
図3に示す離散した要素40の全ての面402に対応する。
【0234】
界面層22の粗さは、基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面のレリーフの幅を表す。
【0235】
基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面の粗さは、例えば、ナノメータ非接触表面トポグラフィステーション(OptoSurf brand)を用いることによって、白色光干渉測定により決定される。トポグラフィステーションは、基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面を2D及び3Dで再構成し、その粗さを決定するために使用される。
【0236】
界面層22の粗さは、基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面の少なくとも2つの異なる領域から定義される。各ゾーンについて、レリーフの幅Rtが決定され、すなわち、該ゾーンの最高点と最低点との間の距離が決定される。
【0237】
界面層22の粗さは、少なくとも2つのレリーフ幅値Rtの、Rtmで示される平均値に等しく、各レリーフ幅値Rtは、基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面の異なるゾーンに対応する。
【0238】
レリーフの幅の平均を測定するために、基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面の表面を少なくとも2つの異なるゾーンに分割する利点は、基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面の可能な不均質性に関連する不確実性を制限することである。
【0239】
界面層22の粗さを決定するために定義された基板20の第1の面201と接触していない界面層22の面のそれぞれの異なるゾーンの表面は、例えば40,000μm2を測定する。
【0240】
優先的には、界面層22の粗さは、10nmと10μmの間、優先的には0.5μmと9μmの間、優先的には0.5μmと8μmの間、より優先的には0.5μmと6μmの間、有利には1μmと6μmの間、より有利には2μmと6μmの間に含まれる。
【0241】
界面層22の粗さは、電極21内でより良好な電気浸透を生成するために、また、集電体23との電子交換表面積を増大させるために使用することができる。
【0242】
優先的には、全ての実施形態において、界面層22は、厳密には1未満である基板20の第1の面201の被覆率R(ci/s)を有する。基板20の第1の面201は、従って、界面層22によって完全に覆われていない。
【0243】
界面層22は、基板20の第1の面201と接触する面を有する。
【0244】
例えば、基板20の第1の面201と接触する界面層22の面は、
図2に示す面222、又は
図3に示す離散した要素40の全ての基部401に対応する。
【0245】
基板20の第1の面201と接触する面は、表面積A22を有する。
【0246】
基板20の第1の面201は、表面積A201を有する。
【0247】
基板20の第1の面201の被覆率R(ci/s)は、基板20の第1の面201と接触する面の表面積A22と、基板20の第1の面201の表面積A201との比に対応し、以下の式に従って計算される:
R(ci/s)=A22/A201
【0248】
被覆率R(ci/s)は、優先的には、0.1以上である。
【0249】
優先的には、被覆率R(ci/s)は、0.1と0.9の間、有利には0.2と0.9の間に含まれる。
【0250】
基板20の第1の面201の被覆率を調節することにより、基板20が界面層22によって完全に覆われている(被覆率が1に等しい)場合と比較して基板20と電極21との間の電気抵抗を低減させることが可能になる。
【0251】
図9に示す変形例によれば、アノード16を形成するための電極21に関連する集電体23は、2つの界面層22を含む。
【0252】
第1及び第2の界面層22は、上記で定義された粗さ、及び厳密には1未満である基板20の第1の面201の被覆率の両方を有する。
【0253】
いかなる理論にも拘束されることを望まないが、本発明者らは、電子が電極21から基板20に向かう少なくとも4つの可能な経路(
図9に示すように、何れの界面層を通過せずに電極21から基板20に直接移動する、第1の界面層22のみを通過する、第2の界面層22のみを通過する、又は2つの界面層22を通過する)を有するという事実により、各経路が異なる導電特性を有し、それにより電子が好ましい方法で1つの経路又は複数の経路をとることができるため、電子の伝送が改善されると信じている。
【0254】
基板20の第1の面201は、優先的には、実質的に平滑である。「実質的に平滑である」とは、プロフィロメータで測定した基板20の表面の粗さが、500nm以下、優先的には200nm以下、優先的には80nm以下、より優先的には50nm以下、有利には20nm以下であることを意味する。
【0255】
界面層22の厚さe22は、優先的には、10nmと10μmの間である。界面層22の厚さが10μmより厚い場合、界面層は、電極を形成する材料に不利な体積を占め、大きすぎる重量を有し、それにより、電気化学セル内のエネルギー密度の損失を誘発するであろう。一方、界面層22の最小厚さは、それが得られる塗布方法及び/又は組成によって制御される。例えば液体コーティングによって製造された界面層は、100nm以上の厚さを有することができる。
【0256】
優先的には、界面層22の厚さe22は、100nm以上である。
【0257】
有利には、界面層22の厚さe22は、0.5μmと6μmの間に含まれる。
【0258】
本明細書を通じて、界面層22の厚さは、該界面層22の最大厚さに相当する。
【0259】
集電体23の電極21との交換面を改善することに加えて、少なくとも1つの界面層22の存在により、電極21のインターカレーション材料の体積膨張によって引き起こされるアノード16の劣化及び剥離を抑制することが可能となる。このような現象は、活物質が300%の体積変化に達することがあるシリコンアノードにおいて、特に非常に顕著である。
【0260】
ここで、集電体の実施形態を示す具体的な、しかし決して限定的ではない例を挙げる。
【実施例】
【0261】
実施例1:その組成による界面層の粗さの測定
3つの異なる界面層の粗さを測定した。3つの界面層の組成は、導電性添加剤の中のファイバーの割合が各層で異なっているという点で異なっており、それにより、添加剤の形状が界面層の粗さに与える影響を評価することが可能である。3つの界面層の組成は、以下の通りであった:
配合A:導電性添加剤100w%に対して、ファイバー0w%
配合B:導電性添加剤100w%に対して、ファイバー23w%
配合C:導電性添加剤100w%に対して、ファイバー39w%
【0262】
導電性添加剤の残りは、卵形の(ovoid)粒子からなる。
【0263】
各界面層について、本明細書に記載された方法を用いて、Rtm測定を5回行った。Rtm測定は、各界面層の分析面を25ゾーンに分割し、各ゾーンに対するRt測定の平均である。
【0264】
得られた結果を以下の表に示す。
【0265】
【0266】
このような結果は、組成物の成分の選択によって、また、特に導電性添加剤を介して、界面層の粗さを調節することが可能であることを実証している。ここで、ファイバーの形態の粒子は、より大きなレリーフの幅を生成すること、また、組成物中のファイバーの質量が多いほど幅がより増大すること、が実証されている。
【0267】
実施例2:基板に対する界面層の接着性の評価
基板に対する界面層の接着性の質を評価するための特性評価方法が開発された。この目的のために、接着剤を用いて1つ又は複数の界面層でコーティングされた基板に対して、ピール強度特性評価を実施した。プロトコルは以下の通りであった:
-7.5N/cmの180°ピール接着力を有する界面層の表面への接着剤の塗布(ASTM D3330)
-2.6kgのロールで接着剤を界面層に押し付ける。接着剤をコーティング上に塗布する圧力が、分析した異なるサンプルで同じであることを確認し、試験の再現性をより良くする。
-180°ピールで界面層から接着剤を除去する。
-界面層及びコーティングと接触している接着剤の面の外観を分析する。界面層が特定のゾーンで完全に基板から除去され、接着剤上に存在する場合、剥離がある:基板に対する界面層の接着性は品質が悪いと考えられる。
【0268】
3つの集電体構成について研究した:
-サンプルA(EchA):0.9の被覆率で銅箔上に堆積された、60%と65%の間に含まれるバインダー材料の重量濃度、及び、35%と40%の間に含まれる導電性添加剤の重量濃度を有するC2組成物から形成された界面層。
-サンプルB(EchB):0.27の被覆率で銅箔上に堆積された、50%と55%の間に含まれるバインダー材料の重量濃度、及び、45%と50%の間に含まれる導電性添加剤の重量濃度を有するC3組成物から形成された界面層。
-サンプルC(EchC):銅箔上に堆積されたサンプルEchAと同一の組成物C2から形成された第1の界面層、及び、組成物C2を有する界面層上に堆積された、サンプルEchBと同一の組成物C3から形成された第2の界面層を形成し、これにより界面層のオーバーレイが形成される。
【0269】
バインダー材料の性質及び導電性添加剤の性質は、組成物C2と組成物C3とで同じである。
【0270】
異なるサンプルの界面層のピール抵抗は、上記で詳述したプロトコルを使用して特性評価した。
【0271】
得られた結果を以下の表に示す。
【0272】
【0273】
サンプルEchAでは、サンプルEchBと異なり、剥離は認められなかった。サンプルEchAの組成物C2は、サンプルEchBの組成物C3よりもバインダー材料の濃度が高い。このように、銅箔に対する界面層の接着性はより良好である。しかしながら、サンプルEchCでは、剥離が発生しなかった。従って、組成物C3を有する界面層は、界面層C2に対してより良質な接着性を有する。このように、異なる界面層を重ねることによって、その導電性添加剤の濃度が組成物C2よりも大きい組成物C3を使用することが可能になり、それによって、電極と接触してより良好な界面品質とより良好な電気浸透を発生させることができる。従って、このようなオーバーレイは、C2を介して良質な電極/基板接着性を提供し、組成物C3から得られる層を介して電気性能のブーストを提供すると仮定することが可能である。このように、界面層のオーバーレイは、このようなレイアウトなしでは不可能であった、より導電性の高い、新しい界面、あるいは導電性勾配が制御された界面を導入することを可能にすることが実証されている。サンプルEchCの場合、各界面層が提供する利点が累積され、その相互作用によりアノードの性能を最大化することが可能になる。
【0274】
また、組成物C3のバインダー材料の性質が組成物C2の性質と異なる場合にも、同様の結果が得られると推測される。実際、組成物C3のバインダー材料の選択は、電極の組成物とのより良好な適合性のために適合させることができ、金属箔へのアセンブリの接着性は組成物C2によって提供される。従って、このようなレイアウトは、電極と接触する界面層の組成物中のバインダー材料及び/又は導電性添加物及び重量濃度の選択を広げるために使用することができるが、なぜなら、後者が金属箔に接着する能力によって制限されないからである。
【0275】
さらに、本出願人は、組成物C3から形成される界面層の基部の形状は、接着試験の結果に大きな影響を与えないことを示した。
【0276】
実施例3:異なる界面層を含む電気化学セルのインピーダンスの測定
電気化学セルは、以下の連続する層で製造した:
-集電体
-第1の集電体上に堆積された電極であって、インターカレーション材料MIはS’tileシリコンであり、バインダー材料ML1はPAA(ThermoFisher Scientific)であり、導電性添加剤AC1はSUPER P(登録商標)-Liカーボン(Imerys Graphite&Carbon)である、電極
-LiPF6 EC DMC 2% FEC電解質で含浸された、セパレータ、ポリプロピレン膜(セルガード(登録商標)タイプ)
-リチウム金属対向電極。
【0277】
多層系を有するこれらの全ての要素をコインセルに取り付けることで、電気化学セルを形成した。このようなアセンブリにおいて、対向電極は金属リチウムであるため、シリコンを含む電極は「負」とみなすことはできない。
【0278】
5つの異なる集電体を含む5つの電気化学セルを製造した:
-比較例としての、厚さ10μmの銅箔(Circuit Foil)からなり、界面層を有しない、基準集電体(CCREF1)
-第2の比較例としての、厚さ10μmの銅箔(Circuit Foil)と、45%の導電助剤と55%のバインダーとから構成され、3μmの厚さ及び0.5μmの粗さを有する被覆率1(100%)の界面層と、からなる、基準集電体2(CCREF2)
-
図5に示す実施形態による集電体(CC1)であって、厚さ10μmの銅箔(Circuit Foil)、並びに、千鳥配置で配置された複数の要素のアレイで構成された界面層であって、各要素の基部は正方形であり、被覆率は0.27(すなわち基板表面で27%)であり、45%の導電助剤と55%のバインダーとから構成され、3μmの要素の高さを有する、界面層から構成される、集電体(CC1)
-
図4に示す実施形態による集電体(CC2)であって、厚さ10μmの銅箔(Circuit Foil)、並びに、複数の要素のアレイで構成された界面層であって、各要素の基部は円盤であり、被覆率は0.21(すなわち基板表面で21%)であり、45%の導電助剤と55%のバインダーとから構成され、3μmの要素の高さを有する、界面層から構成される、集電体(CC2)
-
図6に示す実施形態による集電体(CC3)であって、厚さ10μmの銅箔(Circuit Foil)、並びに、千鳥配置で配置された複数の要素のアレイで構成された界面層であって、各要素の基部は円盤であり、被覆率は0.27(すなわち基板表面で27%)であり、45%の導電助剤と55%のバインダーとから構成され、2μmの要素の高さを有する、界面層から構成される、集電体(CC3)。
【0279】
セルの電気化学的性能は、マルチチャネルポテンショスタットVMP3(Biologic)によって特性評価した。
【0280】
シリコン電極上に固体電解質界面層(SEI)を形成し、電極が機能することを確認するために、速度C/20(理論容量で計算)で、1.2Vと10mVの間、対Li/Li+で化成サイクルを実施した。
【0281】
次いで、電気化学インピーダンス分光法(EIS)スペクトルを、500kHzから10mHzの周波数範囲で、5mVの振幅で記録した。
【0282】
電気化学インピーダンス分光法は、電気化学セルの集電体/電極/電解質界面における電気化学的及び物理的現象を研究するための有用な技術である。それは、定常領域と線形領域における電気化学系の伝達関数の研究に基づいている。非線形系をこのような状態に置くためには、想定される準定常機能点(平衡系)の周りに小振幅の摂動を印加する。本研究では、系の平衡電圧付近で5mVの振幅を有する正弦波電位摂動を印加することによって、インピーダンス測定を行った。
【0283】
インピーダンスをナイキスト平面で表示することにより(図示せず)、研究対象のセルに関与する様々な現象を強調することが可能になった。
【0284】
実際、得られたインピーダンススペクトル(図示せず)は、電気化学セル内の異なる寄与:電気化学セルと集電体のアセンブリに起因すると考えられる接触抵抗、電荷移動抵抗、電極内のLi+イオンの拡散など、に対応している。集電体の得られる抵抗値を比較するために、上述の全ての寄与で得られる半円の幅に相当する2つの異なる周波数点の間の差を測定し、インピーダンスとも呼ばれる抵抗値「R EIS」を求めた。
【0285】
得られた結果を以下の表に示す。
【0286】
【0287】
上記の結果は、集電体のインピーダンスの差異が被覆率に関係し得るという事実を示す。実際、被覆率0.21を有する集電体(CC2)と比較して、被覆率0.27のコーティングを有する集電体(CC1及びCC3)において、より低いインピーダンスが見出された。
【0288】
このような差異はさらに、界面層を形成する要素の高さに関連し得るが、なぜなら、集電体CC1の要素の高さは、集電体CC3の要素の高さよりも大きいので、電極とのより大きな電気接触面を生成するからである。また、界面層を形成する各要素の形状及び表面積も、測定されたインピーダンスの変動に関与し得る。
【符号の説明】
【0289】
10 セル
12 電解質
14 カソード
16 アノード
20 基板
21 電極
22 界面層
23 集電体
35 金属箔
38 アレイ
40 要素
50 素メッシュ
60 素メッシュ
70 素メッシュ
401 基部
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード(16)用の集電体(23)であって、前記集電体(23)は、
-第1の面(201)を有する基板(20)と、
-10マイクロメートル未
満の厚さを有し、前記基板(20)の前記第1の面(201)と接触する少なくとも1つの界面層(22)であって、その深さが0.5マイクロメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する、界面層(22)と、
を含む、集電体(23)。
【請求項2】
前記界面層(22)は、前記基板(20)の前記第1の面(201)と接触する第2の面(222)を有し、前記界面層(22)の前記第2の面(222)は表面積(A22)を有し、前記基板(20)の前記第1の面(201)は表面積(A201)を有し、前記界面層(22)の前記第2の面(222)の前記表面積(A22)と前記基板(20)の前記第1の面(201)の前記表面積(A201)の比は、0.1と1の間に含まれる、請求項1に記載の集電体(23)。
【請求項3】
前記界面層(22)は、第2の組成物(C2)をコーティングすることによって形成され、前記第2の組成物(C2)は、第2のバインダー材料(ML2)及び第2の導電性添加剤(AC2)を含む、請求項1又は2に記載の集電体(23)。
【請求項4】
前記界面層(22)は、前記基板(20)の前記第1の面(201)上に配置された複数の要素(40)を含むアレイ(38)からなり、各要素(40)は、200マイクロメートルと2500マイクロメートルの間に含まれる距離(Dadj)だけ、別の隣接する要素(40)から分離されており、2つの隣接する要素(40)の間の前記距離(Dadj)は、第1の要素(40)の点と、前記第1の要素(40)に隣接する第2の要素(40)の点と、の間の最小の距離である、請求項1に記載の集電体(23)。
【請求項5】
前記界面層(22)は、第3の組成物(C3)をコーティングすることによって形成され、前記第3の組成物(C3)は、第3の導電性添加剤(AC3)及び任意の第3のバインダー材料(ML3)を含む、請求項4に記載の集電体(23)。
【請求項6】
各要素(40)は基部(401)を有し、各要素(40)の前記基部(401)は多角形又は円盤又は楕円形である、請求項4又は5に記載の集電体(23)。
【請求項7】
前記界面層(22)の前記要素(40)の前記基部(401)は、0.1と0.9の
間に含まれる前記基板(20)の前記第1の面(201)の被覆率を有する、請求項6に記載の集電体(23)。
【請求項8】
各要素(40)は、10マイクロメートル以下の高さ(H40)を有する、請求項4から7の何れか一項に記載の集電体(23)。
【請求項9】
前記界面層(22)は、厳密には1未満である前記基板(20)の前記第1の面(201)の被覆率を有する、請求項1から8の何れか一項に記載の集電体(23)。
【請求項10】
少なくとも1つの第2の界面層(22)をさらに含み、前記第2の界面層(22)は、前記基板(20)の前記第1の面(201)上に配置された複数の要素(40)を含むアレイ(38)からなり、各要素(40)は、200マイクロメートルと2500マイクロメートルの間に含まれる距離(Dadj)だけ、別の隣接する要素(40)から分離されており、2つの隣接する要素(40)の間の前記距離(Dadj)は、第1の要素(40)の点と、前記第1の要素(40)に隣接する第2の要素(40)の点と、の間の最小の距離であり、第1の界面層(22)と第2の界面層(22)は互いに重ね合わされている、請求項2又は3に記載の集電体(23)。
【請求項11】
電気化学セル(10)用のアノード(16)であって、前記アノード(16)は、
-請求項1から10の何れか一項に記載の集電体(23)と、
-第1の組成物(C1)に従って製造される電極(21)であって、前記第1の組成物(C1)は、インターカレーション材料(MI)、第1のバインダー材料(ML1)、及び第1の導電性添加剤(AC1)を含み、前記インターカレーション材料(MI)はシリコンを含み、前記電極(21)は面(212)を有し、前記基板(20)の前記第1の面(201)と前記電極(21)の前記面(212)は対向しており、前記界面層(22)は前記基板(20)と前記電極(21)の間に配置され、前記基板(20)の前記第1の面(201)及び前記電極(21)の前記面(212)に接触している、電極(21)と、
を含む、アノード。
【請求項12】
前記インターカレーション材料(MI)のシリコン濃度は、30重量%以
上である、請求項11に記載のアノード。
【請求項13】
前記インターカレーション材料(MI)はシリコンである、請求項11又は12に記載のアノード。
【請求項14】
請求項1から10の何れか一項に記載の集電体(23)、又は請求項11から13の何れか一項に記載のアノードを含む、電気化学セル(10)。
【請求項15】
請求項14に記載の少なくとも1つのセルを含む、エネルギー貯蔵デバイス。
【請求項16】
アノード(16)用の集電体(23)を製造する方法であって、
-第1の面(201)を有する基板(20)を提供するステップと、
-前記基板(20)の前記第1の面(201)上に少なくとも1つの界面層(22)をコーティングすることによって堆積させるステップであって、前記界面層(22)は、10マイクロメートル未
満の厚さを有し、前記界面層(22)は、その深さが0.5マイクロメートルと10マイクロメートルの間に含まれる粗さを有する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
電気化学セル(10)用のアノード(16)を製造する方法であって、
-請求項
16に記載のアノード(16)用の集電体(23)を製造する方法のステップを実施するステップと、
-インターカレーション材料(MI)、第1のバインダー材料(ML1)、及び第1の導電性添加剤(AC1)を含む第1の組成物(C1)を調製するステップであって、前記インターカレーション材料(MI)はシリコンを含む、ステップと、
-面(212)を有する電極(21)を得るために、前記界面層(22)上に前記第1の組成物(C1)をコーティングすることによって堆積させるステップであって、前記基板(20)の前記第1の面(201)と前記電極(21)の前記面(212)は対向しており、前記界面層(22)は前記基板(20)の前記第1の面(201)及び前記電極(21)の前記面(212)に接触している、ステップと、
を含む、方法。
【国際調査報告】