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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】自転車
(51)【国際特許分類】
   B62M 1/38 20130101AFI20230509BHJP
   B62M 11/02 20060101ALI20230509BHJP
   B62M 11/16 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B62M1/38
B62M11/02
B62M11/16 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560261
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 KR2021007663
(87)【国際公開番号】W WO2022085892
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0136027
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522387065
【氏名又は名称】キム,ミンホ
(71)【出願人】
【識別番号】522387098
【氏名又は名称】キム,サンギル
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,サンギル
(57)【要約】
本発明は、利用者が自転車に伏せになった状態で乗って走行することにより、重心が下がって走行安定性を高めることができるようになり、走行過程で空気抵抗を減らして速度を増加させることができ、利用者の力をペダルに容易に伝達して、推進力の発生を増加することができるようにしたもので、前輪と後輪を装着し、利用者が伏せになった状態で乗ることができるフレームと、後輪に装着されて、ペダリングによって動力の発生と増速を行う増速手段とを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪(101)と後輪(102)を装着し、利用者が伏せになった状態で乗ることができるフレーム(110)と、
前記後輪(102)に装着されて、ペダリングによって動力の発生と増速を行う増速手段(130)と、を含むことを特徴とする自転車。
【請求項2】
前記フレーム(110)は、
下端に前記前輪(101)が装着されるスタンションチューブ(111)と、
前記スタンションチューブ(111)を回動可能に装着したヘッドチューブ(112)と、
前記ヘッドチューブ(112)の後方で上側に連結されるトップチューブ(113)と、
前記トップチューブ(113)の先端下側に後向へ傾斜するように連結されるダウンチューブ(114)と、
前記トップチューブ(113)とダウンチューブ(114)の後端に縦方向に連結するセンターチューブ(115)と、
前記センターチューブ(115)の上端で後方に下向きに傾斜するように連結するリアチューブ(116)と、
前記センターチューブ(115)の下端で後方に水平に延長して連結するボトムチューブ(117)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の自転車。
【請求項3】
前記増速手段(130)は、
リアチューブ(116)及びボトムチューブ(117)の末端に装着されるメインブラケット(131)と、
前記メインブラケット(131)に一方向ベアリング(132)を介して前進方向には動力を伝達し、後進方向には空回転することができるようにしたペダル軸(133)と、
前記ペダル軸(133)の両側に結合するペダル(134)と、
前記ペダル軸(133)の一側に設けられ、該ペダル軸(133)の回転で動力を発生させる原動ギア(135)と、
前記メインブラケット(131)の間にサポーター(136)で保持される補助ブラケット(137)にベアリングを介して備えられる切替軸(138)と、
前記切替軸(138)の一側に具備されて、前記原動ギア(135)と噛み合う媒介ギア(139)と、
前記媒介ギア(139)の側方に装着する増速ギア(140)と、
前記原動ギア(135)の側方において前記ペダル軸(133)にベアリングを介して装着され前記増速ギア(140)と噛み合って増速された動力を出力する駆動ギア(141)と、
前記駆動ギア(141)に固定して前記後輪(102)を駆動することができるように固定するハブ(142)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の自転車。
【請求項4】
前記トップチューブ(113)の上面に形成して、利用者の上体である胸と腹部位が連接されて安定的に支える平坦部(120)と、
前記トップチューブ(113)の先側に形成して伏せになった利用者の両肩を収容して支えるショルダーフック(121)と、
前記トップチューブ(113)の後端に後方へ傾斜しながら、上側に突出されて、利用者の臀部を支えるシート部(122)と、
前記スタンションチューブ(111)の上端両側に前記ヘッドチューブ(112)と干渉することなく装着するハンドル(125)と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の自転車。
【請求項5】
前記フレーム(110)の外側にキャップ(150)をさらに装着する、ことを特徴とする請求項1に記載の自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車に関し、さらに詳しくは、利用者が完全に伏せになった状態で乗ることができるようにすることにより、走行過程で空気抵抗を減らし、重心を下げて安定性を確保しながら、増速手段を通じて速度を上げることができるように改善した自転車の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自転車は金属または非鉄金属材質で備えられるフレームの前、後側にタイヤを装着し、前方には操向のためのハンドルが装着され、中央には着席のための鞍(シート)が設置され、鞍の下方と後車軸との間には走行に必要な動力を発生させるための動力発生手段を設置して構成する。
【0003】
前記のような一般的な自転車の構成を、特許文献を通じてその技術内容を説明すれば次の通りである。
【0004】
特許文献1は、フレーム110に回転可能に結合されたクランク軸120と、前記クランク軸120の一側に結合され、前記クランク軸120の回転時に一緒に回転する前頭スプロケット130と、前記前頭スプロケット130の外側に位置し、前記クランク軸120の一側に結合されて、前記クランク軸120が回転すると一緒に回動する第1クランクアーム131と、前記フレーム110とアーム部材1411を介して固定されて結合され、前記前頭スプロケット130と前記第1クランクアーム131との間に位置し、中心部に第1孔1412が形成されており、前記クランク軸120が前記第1孔1412に貫通され、前記クランク軸120が回転しても固定されて回転しない第1固定スプロケット141と、前記第1クランクアーム131の末端に回転可能に結合され、前記第1固定スプロケット141と1:1の比率で突起が形成された第1回転スプロケット142と、前記第1クランクアーム131の末端に回動可能に結合され、前記第1回転スプロケット142と固定されて一緒に回転する第1補助クランクアーム151と、前記第1固定スプロケット141と前記第1回転スプロケット142とを連結して動力を伝達する第1動力伝達部材161と、前記クランク軸120の他側の末端に結合されて、前記クランク軸120が回転すると一緒に回動する第2クランクアーム132と、前記フレーム110と固定されて結合され、中心部に第2孔1432が形成されており、前記クランク軸120が前記第2孔1432に貫通され、前記クランク軸120が回転しても前記フレーム110に固定されて回転しない第2固定スプロケット143と、前記第2クランクアーム132の末端に回転可能に結合され、前記第2固定スプロケット143と1:1の比率で突起が形成された第2回転スプロケット144と、前記第2クランクアーム132の末端に回動可能に結合され、前記第2回転スプロケット144と固定されて一緒に回転する第2補助クランクアーム152と、前記第2固定スプロケット143と前記第2回転スプロケット144とを連結して、動力を伝達する第2動力伝達部材162とを含む構成である。
【0005】
特許文献2は、フロントフレーム、及び前記フロントフレームと接合されているリアフレームを含み、前記フロントフレームは、縦方向に配置されたヘッドチューブ、シートチューブ、及び横方向に配置され、前記ヘッドチューブと前記シートチューブとを連結して接合されているセンターチューブを含み、前記リアフレームは、前記シートチューブの上端部及び後輪と連結されるシートステー、及び前記シートチューブの下端部及び後輪と連結されるチェーンステーを含み、前記シートチューブは、上部シートチューブ、中部シートチューブ及び下部シートチューブを含み、前記ヘッドチューブ、前記センターチューブ及び前記中部シートチューブは、纎維強化プラスチックで形成され、前記上部シートチューブ、前記下部シートチューブ及び前記リアフレームは、金属で形成され、前記センターチューブは、前記センターチューブの中間地点で前記ヘッドチューブ及び前記シートチューブの方向に行くほど漸次に幅が広く形成され、断面が放物線形態の外被、及び前記外被の内側上部に垂直方向に形成され、複数の穴が形成されたリブを含む構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許第10-1912557-0000号
【特許文献2】韓国特許第10-1999438-0000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のような先行技術による特許文献1は、ペダルの回転軌跡を前方に移動させて、ペダルが前にある時にクランク軸から遠く離れるようにして、レバーの原理を利用して強い力をクランク軸に伝達することができるトルクが増加された自転車駆動装置に関し、特許文献2は、フレームの一部分を纎維強化プラスチックで補強することにより、軽量化と優れた機械的強度を有するようにしたものである。
【0008】
従来技術が適用される自転車のフレームは、中央に備えられる鞍に利用者の臀部が密着されて、上体を前方に傾斜した状態を保持し、両手でハンドルを取って操向し、両足を利用してペダリングを通じて動力(推力)を発生させて走行可能にしている。
【0009】
このように座る姿勢を取るため、重心が高くなって走行過程で不安定になり、操向性が悪いことはもちろん、凹凸などによって倒れやすい現象が頻繁に発生して、利用者の身体的損傷を引き起こす事故の発生する慮が高い。
【0010】
また、走行中に上体を前方に曲げるとしても限界があるため、風の影響を受けて抵抗が強くなる原因となり、特に、競走用自転車に用いられる時には、抵抗による記録短縮に良くない影響を及ぼすことは自明である。
【0011】
そして、自転車が走行することができる動力は、チェーンギアとチェーンの組み合わせによって発生するため、変速を通じて増速するとしても限界があって、スピードのある競技またはスピードを楽しむのに限界がある。
【0012】
特に、動力の伝達をフレームの中央に設置されるペダル軸に固定されるメインチェーンギアと後輪軸に装着される駆動チェーンギアとの間をチェーンで連結して動力が伝達されるようにすると、利用者の力が完全に伝達されない動力損失が発生するため、利用者の身体の疲労が急激に発生する原因となる。
【0013】
さらに、使用過程では、チェーンに相当な応力が作用して切れる場合が発生し、それによる事故の誘発と修理及び整備にたくさんの時間と費用が必要となるといった諸問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、本発明は上記のような諸問題を解決するために発明したものであって、前輪101と後輪102を装着し、利用者が乗ることができるフレーム110と、後輪102に装着されて、ペダリングによって動力の発生と増速を行う増速手段130とを含み、利用者が自転車に伏せになった状態で乗って走行することにより、重心が下がって走行安定性を高めることができ、走行過程で空気抵抗を減らして速度を増加させることができ、利用者の力をペダルへの伝達を容易にして、推進力の発生を増加することができるという目的を達する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、利用者が伏せになった状態で乗ることができるようにフレームを構成して、重心を下げて安定性を高めながら、走行過程で抵抗を減らして走行性を向上させることができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明は、後輪軸の中心にペダルと直接連結された増速手段を通じて速度を上げることができるようにすることで、動力の損失を最小化することができ、フレームにキャップを装着して運行することが可能で、さらに一歩進んだ自転車を提供することができるなど多様な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の技術が適用された自転車を示した例示的な構成図である。
図2】本発明の技術が適用された自転車のフレームを抜粋して示した全体斜視図である。
図3】本発明の技術が適用された自転車のフレームに利用者が乗った状態を示した例示図である。
図4】本発明の技術が適用された自転車の増速手段を抜粋して示した全体構成図である。
図5】本発明の技術が適用された自転車の増速手段を抜粋して示した断面斜視図である。
図6】本発明の技術が適用された自転車の増速手段を抜粋して示した断面図である。
図7】本発明の技術が適用された自転車にキャップを装着した状態を示した例示図である。
図8】本発明の技術が適用された自転車にキャップを装着した状態を示した他の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術が適用される自転車100は、前輪101と後輪102を装着し、利用者が乗ることができるフレーム110と、後輪に装着されてペダリングによって動力の発生と増速を行う増速手段130と、を備える。
【0019】
前記フレーム110は、下端に前輪101が装着されるスタンションチューブ111を回動可能に装着したヘッドチューブ112の後方で上側にトップチューブ113が連結され、前記トップチューブ113の先端下側に後方へ傾斜するようにダウンチューブ114が連結される。
【0020】
前記トップチューブ113とダウンチューブ114の後端にはセンターチューブ115を縦方向に連結し、前記センターチューブ115の上端には後方に下向きに傾斜するようにリアチューブ116を連結し、センターチューブ115の下端には後方に水平に延長したボトムチューブ117を連結し、リアチューブ116及びボトムチューブ117の後端は、接点されて後輪102が装着される。
【0021】
前記フレーム110は、軽量化のために、強化アルミニウムやカーボンのような材質で構成することが好ましく、トップチューブ113の上面には利用者の上体である胸と腹部位が連接されて安定的に支えることができるように、14~40cmの幅を有する平坦部120を形成する。
【0022】
前記トップチューブ113の先側には、伏せになった利用者の両肩を収容して支えることができるように、ショルダーフック121を一体に形成し、トップチューブ113の後端には後方へ傾斜しながら上側に突出されて、利用者の臀部を支えるためのシート部122を一体に形成する。
【0023】
前記平坦部120とショルダーフック121及びシート部122の表面には密着感を高めながら衝撃と振動を吸収することができるように、緩衝パッドを有するようにする。
【0024】
前記スタンションチューブ111の上端両側には、ヘッドチューブ112と干渉がないようにハンドル125を装着して操向可能にし、前記ハンドル125の形状と模様は多様であり得るので、いずれか一つの形状と模様で特定しない。
【0025】
前記増速手段130は、リアチューブ116及びボトムチューブ117の末端に装着されるメインブラケット131に一方向ベアリング132を介して前進方向には動力を伝達し、後進方向には空回転することができるようにしたペダル軸133を保持し、前記ペダル軸133の両側にペダル134を結合する。
【0026】
前記ペダル軸133の一側には、ペダル軸133の回転で動力を発生させる原動ギア135を装着または一体形成し、前記メインブラケットト131の間にサポーター136で保持される補助ブラケット137にベアリングを介在して備えられた切替軸138の一側に具備される媒介ギア139と噛み合うようにし、前記媒介ギア139の側方には増速ギア140を装着する。
【0027】
前記増速ギア140は、原動ギア135の側方においてペダル軸133にベアリングを介して装着される駆動ギア141と噛み合って増速された動力を出力することができるようにし、前記駆動ギア141には後輪102のハブ142を固定して後輪102を駆動することができるように構成する。
【0028】
前記原動ギア135は、媒介ギア139よりも大きく、増速ギア140は、原動ギア135及び媒介ギア139よりも大きく形成して、最も小さい駆動ギア141を早く回転させることができるようにし、これらそれぞれのギア比は目的とする速度を考慮して計算され、前記ハブ142の外側面にはブレーキングのためのブレーキディスクを装着することができる。
【0029】
(実施形態)
自転車100に搭乗しようとする場合には、伏せになった姿勢を取って利用者の腹と胸部位はトップチューブ113の上面に形成される平坦部120に密着されるようにし、トップチューブ113の先側に形成されるショルダーフック121に肩が密着されるようにし、臀部はトップチューブ113の後方に形成されるシート部122に密着されるようにする。
【0030】
両手は、スタンションチューブ111の上端両側に形成されるハンドル125を取って方向を調節することができるようにし、このような状態で走行しようとする場合には、両足で地面を蹴飛ばして前進させながらペダリングをしてもよく、一の足を地面につけ、他の足でペダリングしながら走行と同時に両足でペダリングをしてもよい。
【0031】
走行が始まると、ペダリングによって原動ギア135が回転し、原動ギアの動力は切替軸138に装着された媒介ギア139と増速ギア140を通じて動力が伝達され、最終的にペダル軸133の回転に関わらずペダル軸133に装着された駆動ギア141を通じて利用者のペダリング速度よりも早く速度が増加されて出力される。
【0032】
前記駆動ギア141にはハブ142を装着しているので、最終的には後輪102が回転して走行することが可能になり、必要な場合には、フレーム110の外側にキャップ150を装着して、雨や雪が降る際にも走行ができるようにしながら速度を競う競走用として用いることができる。
【0033】
特に、本発明は、利用者が伏せになった状態を保持するので、楽な姿勢を保持することができ、下体を利用してペダリングする際に、損失される力が無く完全に伝達することができて、動力伝達と動力発生の効率性を極大化することができるという長所を有する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
上記のように本発明は、利用者が自転車100に伏せになった状態で乗って走行することにより、重心が下がって走行安定性を高めることができ、走行過程で空気抵抗を減らして速度を増加させることができ、利用者の力をペダル134に容易に伝達して、推進力の発生を増加することができるなど多様な長所を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】