(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】医療デバイスからのデータの伝送のためのデジタル通信モジュール
(51)【国際特許分類】
G16H 40/60 20180101AFI20230510BHJP
A61M 1/28 20060101ALN20230510BHJP
A61M 1/14 20060101ALN20230510BHJP
【FI】
G16H40/60
A61M1/28 130
A61M1/14 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022557753
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 US2021023878
(87)【国際公開番号】W WO2021195207
(87)【国際公開日】2021-09-30
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】パドマニ, バベシュ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヒューガー, ビトバ
(72)【発明者】
【氏名】レディー ゴラ, ビジャヤ バスカル
【テーマコード(参考)】
4C077
5L099
【Fターム(参考)】
4C077JJ24
4C077JJ30
4C077KK25
4C077KK30
5L099AA01
(57)【要約】
医療デバイスからのデータの伝送のためのデジタル通信モジュールが、開示される。ある実施例では、デジタル通信装置は、医療デバイスへの通信結合のために構成される、入力インターフェースと、医療ネットワークへの通信結合のために構成される、出力インターフェースとを含む。デジタル通信装置のプロセッサは、入力インターフェースの1つの入力ポートおよび出力インターフェースの少なくとも1つの出力ポート、第1のデータフォーマット、および第2のデータフォーマットを規定する構成ファイルを受信する。プロセッサは、構成ファイルによって規定される入力および出力ポートのためのドライバをインストールし、規定された入力ポートを用いて入力インターフェースをプロビジョニングし、少なくとも1つの規定された出力ポートを用いて出力インターフェースをプロビジョニングする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル通信装置であって、
医療デバイスへの通信結合のために構成される入力インターフェースであって、前記入力インターフェースは、シリアル入力ポートと、イーサネット入力ポートと、無線入力ポートとを含む、入力インターフェースと、
医療ネットワークへの通信結合のために構成される出力インターフェースであって、前記出力インターフェースは、シリアル出力ポート、イーサネット出力ポート、または無線出力ポートのうちの少なくとも1つを含む、出力インターフェースと、
少なくとも1つの構成ファイルおよび前記入力ポートおよび出力ポートのためのドライバを記憶するように構成されるメモリデバイスと、
前記入力インターフェース、前記出力インターフェース、および前記メモリデバイスに通信可能に結合されるプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記出力インターフェースを介して管理コンピュータから構成ファイルを受信することであって、前記構成ファイルは、前記入力インターフェースの入力ポートのうちの1つおよび前記出力インターフェースの少なくとも1つの出力ポート、第1のデータフォーマット、および第2のデータフォーマットを規定する、ことと、
前記構成ファイルを前記メモリデバイスに記憶することと、
前記構成ファイルによって規定された前記入力ポートおよび出力ポートのためのドライバをインストールすることと、
前記第1のデータフォーマットにおいて前記医療デバイスから医療データを受信するために、前記規定された入力ポートを用いて前記入力インターフェースをプロビジョニングすることと、
前記第1のデータフォーマットおよび前記第2のデータフォーマットを使用して前記受信された医療データの少なくとも一部を伝送するために、前記少なくとも1つの規定された出力ポートを用いて前記出力インターフェースをプロビジョニングすることと
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記入力インターフェースを介して前記医療デバイスから前記第1のフォーマットにおいて前記医療データを受信することと、
前記構成ファイルによって規定されるような前記出力ポートのうちの1つを介して前記出力インターフェースを介して、前記第1のデータフォーマットにおける伝送のための前記医療データの第1のサブセットを選択することと、
前記医療データの第2のサブセットを前記第2のデータフォーマットに変換することと、
前記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを介して、伝送のための前記第2のデータフォーマットにおける前記医療データの第2のサブセットを伝送することと
を行うように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記医療データの第1のサブセットは、前記医療データの第2のサブセットと同一である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記出力インターフェースは、前記医療ネットワークを介して、電子医療記録(「EMR」)サーバ、ミドルウェアサーバ、または統合エンジンのうちの少なくとも1つへの通信結合を提供し、
前記プロセッサは、前記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを使用して、前記第2のデータフォーマットにおける前記医療データの第2のサブセットを前記EMRサーバ、前記ミドルウェアサーバ、または前記統合エンジンのうちの少なくとも1つに伝送するように構成される、
請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記イーサネットポートおよび前記無線ポートのうちの少なくとも1つは、前記医療ネットワークの外部にある遠隔サーバへの通信結合を提供し、
前記プロセッサは、前記イーサネットポートまたは前記無線ポートのうちの少なくとも1つを使用して、前記第1のデータフォーマットにおける前記医療データの第1のサブセットを前記遠隔サーバに伝送するように構成される、
請求項2または4に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、第1のコネクティビティエージェントを含み、前記第1のデータフォーマットにおける前記医療データの第1のサブセットの伝送のためのメッセージングプロトコルを使用する、請求項2、4、または5に記載の装置。
【請求項7】
前記メッセージングプロトコルは、メッセージ待ち行列テレメトリトランスポート(「MQTT」)パブリッシュ-サブスクライブネットワークプロトコルを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記構成ファイルは、前記第1のデータフォーマットにおける前記医療データの第1のサブセットを受信するべき第1の宛先ネットワークアドレスを規定し、前記第2のデータフォーマットにおける前記医療データの第2のサブセットを受信するべき第2の宛先ネットワークアドレスを規定し、
前記第1の宛先ネットワークアドレスは、前記医療ネットワークの外部にあるネットワークドメインと関連付けられ、前記第2の宛先ネットワークアドレスは、前記医療ネットワークを含むネットワークドメインと関連付けられる、
請求項2、4、または5に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
ログデータおよび健全性データを発生させることと、
前記構成ファイルによって規定されるような前記出力ポートのうちの1つを介して前記出力インターフェースを介して、前記第1のデータフォーマットにおける伝送のための前記医療データの第1のサブセットとともに前記ログデータおよび前記健全性データを含めることと、
前記ログデータを前記第2のデータフォーマットに変換することと、
前記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを介して、伝送のための前記医療データの第2のサブセットとともに前記ログデータを含めることと
を行うように構成される、請求項2、4、または8に記載の装置。
【請求項10】
前記ログデータは、医療デバイスタイプの識別、医療デバイスシリアル番号の識別、それから前記受信された医療データが前記医療デバイスによって発生された、または前記医療デバイスから前記プロセッサによって受信されたタイムスタンプ、前記装置の識別子、前記医療データの第1のサブセットに関するタイムスタンプ、または単調なタイムスタンプのうちの少なくとも1つを含み、
前記健全性情報は、前記医療デバイスに関連する情報、CPU使用情報、ネットワークコネクティビティ情報、プロセス/スレッド情報、または伝送のための前記医療データの第1および第2のサブセットを処理するために前記プロセッサによって動作されるソフトウェアに関連する情報を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
伝送の前に前記医療データの第1のサブセット内に含まれる患者情報を匿名化すること、または、
伝送の前に前記医療データの第1のサブセットを暗号化すること
のうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項2、9、または10に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記医療データのストリームを受信することと、
周期的間隔において前記医療データのスナップショットを作成することと、
前記医療データのスナップショットを前記医療データの第1のサブセットまたは前記医療データの第2のサブセットのうちの少なくとも1つとして提供することと
を行うように構成される、請求項2または11に記載の装置。
【請求項13】
前記周期的間隔は、5秒~60秒の周期を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
スナップショットの間の前記医療データの変化を識別するために、事象追跡を使用することと、
以前のスナップショットから変化した医療データのみを前記医療データの第1のサブセットまたは前記医療データの第2のサブセットのうちの少なくとも1つとして含めることと
を行うように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記構成ファイルは、前記医療デバイスのタイプを規定し、前記医療デバイスから受信されるべき前記医療データが前記第1のデータフォーマットにおいて提供されることを規定する、請求項1または12に記載の装置。
【請求項16】
前記医療デバイスのタイプは、持続的腎置換療法(「CRRT」)機械、腹膜透析機械、血液透析機械、水浄化機械、または栄養物調合機械のうちの少なくとも1つを含む、請求項1、12、または15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のデータフォーマットは、JavaScript Object Notation(「JSON」)、ハイパーテキスト転送プロトコル(「HTTP」)、またはバイナリプロトコルを含む、請求項1、12、または16に記載の装置。
【請求項18】
前記第2のデータフォーマットは、Health-Level 7(「HL7」)プロトコル、高速保健医療相互運用性リソース(「FHIR」)プロトコル、またはバイナリプロトコルを含む、請求項1、12、または17に記載の装置。
【請求項19】
前記無線入力ポートは、Wi-Fi入力ポートおよびBluetooth(登録商標)入力ポートのうちの少なくとも1つを含み、前記無線出力ポートは、Wi-Fi出力ポートまたはセルラー出力ポートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1、12、または18に記載の装置。
【請求項20】
前記医療データは、
透析サイクルの充填、滞留、および排出段階の間の遷移を備える事象情報、
アラーム情報、
治療プログラミング情報、または、
推定される充填率、排出率、および除去された限外濾過の量を備える治療情報
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1、12、または19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療ネットワークは、典型的には、有意な数の接続された医療デバイスを有する。ネットワークは、医療デバイスからデータを受信する。データを受信した後、ネットワークに接続されたサーバは、データを患者電子医療記録(「EMR」)に記憶する、またはデータを薬局システム等のある病院システムに中継する。セキュリティのために、医療デバイスから収集されたデータは、医療ネットワークに接続する許可を有するユーザデバイスのみに内部で利用可能にされる。本ネットワークセキュリティの結果として、医療デバイス製造業者等の第三者は、概して、それらの展開された医療デバイスによって発生されるデータへのアクセスを有していない。
【0002】
いくつかの製造業者は、営業担当者または技師を各医療デバイスに物理的に訪問させ、診断情報を含む、デバイスデータの少なくとも一部を除去することによって、医療デバイスデータを取得しようと試みる。しかしながら、これは、極端に労働集約的なプロセスである。加えて、本手動プロセスは、多くの場合、データ収集に伴う時間および費用に起因して、多くの医療デバイスをデータ収集から見過ごす、または見落とす。これは、データが後で分析されるときにギャップを生じさせ得る。さらに、本手動収集方法は、データが、収集後数日から数週間、またはさらには数ヵ月しか分析され得ないため、タイムリーではない。
【0003】
いくつかの他の医療デバイス製造業者は、医療ネットワーク内に記憶される医療デバイスデータへの限定されたアクセスを許可される。これらの事例では、デバイス製造業者は、患者記録および病院システムとは別個であるデータリポジトリへのアクセスを有する。1つの問題は、データが、医療デバイスから伝送される医療データに限定され、診断または使用情報等の製造業者が着目するデータを含まない場合があることである。さらに、データは、病院システムによって指定される様式でフォーマットされ、これは、データの大規模な取扱、処理、および分析を困難または不可能にし得る。また、数十から数百の異なる病院システム(それぞれ、その独自のプロトコルおよびデータ記憶要件を伴う)における医療デバイスを伴うデバイス製造業者は、別個に各システムにアクセスし、均一かつ使用可能なデータセットを生成するために任意のデータ変換を実施する必要性があるであろう。
【0004】
上記に説明される問題は、医療デバイス製造業者から有益な医療デバイスデータを奪っている。例えば、デバイス製造業者は、デバイスデータを使用し、デバイスの問題に対処する、デバイス動作傾向を識別する、治療傾向を識別する、デバイス動作推奨を識別する、または次世代のデバイスの開発を計画することに役立ち得る。データの欠如は、多くの場合、医療デバイス製造業者を、問題に対して予応的ではなく即応的にし、これは、長期的には、患者治療の品質に影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
医療デバイスからのデータの伝送のためのデジタル通信モジュール(「DCM」)が、本明細書に開示される。例示的DCMは、医療デバイスのプロセッサ(または療法モジュール)と医療ネットワークとの間に位置付けられる。いくつかの実施形態では、DCMは、医療デバイスの外部にある(シリアル接続またはイーサネット(登録商標)接続を介して接続される)。他の実施形態では、DCMは、医療デバイス内に含まれる、またはそれと統合される。本明細書に開示されるDCMは、医療ネットワークおよび医療ネットワークとは別個である外部サーバ(例えば、IoTシャドウサービスを使用する医療デバイス製造業者サーバ)に医療デバイスデータを並行して、または同時に伝送するためのゲートウェイ(モノのインターネット(「IoT」)ゲートウェイ等)として構成される。
【0006】
実施形態では、DCMは、医療デバイスのプロセッサまたは療法モジュールから医療デバイスデータを受信する。DCMは、医療デバイスデータの2つの別個のストリームを医療ネットワークに伝送するように構成される。第1のデータストリームに関して、DCMは、対応する医療デバイスのデバイス製造業者によって動作され得る、外部サーバへの伝送のための第1のフォーマットにおける医療デバイスデータを提供する。第2のデータストリームに関して、DCMは、病院ネットワーク内のEMRサーバまたは病院システムへの伝送のための第2のフォーマットにおける医療デバイスデータを提供する。いくつかの事例では、DCMは、第1のデータストリームに関する医療デバイスデータを匿名化し、ログ/健全性データを追加し得、これは、デバイス製造業者に着目され、医療デバイスの動作を評価するための高度な分析を可能にする。第2のデータストリームに関して、DCMは、適切なEMRへの包含のために、または適切な病院システムによる使用のために、患者識別情報を伴う医療デバイスデータを伝送する。DCMは、それに応じて、医療デバイス製造業者に、データ分析のための共通のフォーマットにおける有益な医療デバイスデータへの容易なアクセスを提供する一方、また、病院システムに、以前から内部で使用されているものと同一のフォーマットにおける医療デバイスデータを提供する(それによって、医療ネットワークのいかなる変更も要求しない)。
【0007】
本明細書に開示される例示的DCMは、構成ファイルを介して遠隔で構成されてもよい。例示的ファイルは、オペレータが、医療デバイスタイプ、医療デバイスへの接続のためのハードウェアインターフェース、データ管理のためのデバイスドライバ、データ伝送タイプ、およびデータ伝送のためのハードウェアインターフェースを規定することを可能にする。構成ファイルを受信した後、DCMは、規定されたドライバをインストールし、医療デバイスと医療ネットワークとの間をシームレスに統合するように規定された入力および出力インターフェースを構成するように構成される。構成ファイルは、DCMが病院現場に展開された後、デバイス製造業者に柔軟性を与えるために、コネクティビティ要件および/またはデータフォーマットを変更するために更新されてもよい。
【0008】
例示的DCMは、任意のタイプの医療デバイスとともに動作する。例えば、DCMは、血漿交換、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、および持続的腎置換療法(「CRRT」)治療のための医療デバイスとともに動作してもよい。本明細書に説明されるDCMはまた、腹膜透析(「PD」)、静脈内薬物送達、および栄養流体送達のための医療デバイスとともに動作してもよい。これらの異なる治療モダリティは、本明細書では、集合的に、または概して、個々に医療流体送達または治療と称され得る。
【0009】
上記のモダリティは、1つまたはそれを上回るポンプ、弁、ヒータ(必要とされる場合)、直結医療流体発生機器(必要とされる場合)、圧力センサ、伝導率センサ、温度センサ、空気検出器、血液漏出検出器、および同等物等のセンサ、ユーザインターフェース、および上記に説明される機器を制御するための1つまたはそれを上回るプロセッサおよびメモリを採用し得る制御ユニット等の医療流体を送達するために必要とされるコンポーネントを格納する、医療流体送達機械によって提供されてもよい。医療流体送達機械はまた、血液を清潔にするための透析器または血液濾過器および/または水分、透析流体、または他の流体を浄化するための限外濾過器等の1つまたはそれを上回る濾過器を含んでもよい。
【0010】
本明細書に説明されるDCMおよび医療流体送達機械は、在宅ベースの機械と併用されてもよい。例えば、本システムは、患者の便宜に応じて動作される在宅HD、HF、またはHDF機械と併用されてもよい。1つのそのような在宅システムが、2011年10月4日に発行され、「High Convection Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」と題され、2004年11月4日に出願され、本願の譲受人に譲渡された、米国特許第8,029,454号(「第’454号特許」)に説明されている。他のそのような在宅システムも、2013年3月12日に発行され、「Enclosure for a Portable Hemodialysis System」と題され、2008年8月27日に出願された、米国特許第8,393,690号(「第’690号特許」)に説明されている。上記の参照文献のそれぞれの全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0011】
下記に詳細に説明されるように、本開示のDCMは、多くの異なるタイプのデバイスを備える、多くの機械、患者、臨床医、医師、保守人員、電子医療記録(「EMR」)データベース、ウェブサイト、患者および臨床医通信を介して発生されるデータを取り扱うリソース計画システム、およびビジネスインテリジェンスを含み得る、包含的プラットフォームシステム内で動作してもよい。本開示のDCMは、システム全体内で、そのルールおよびプロトコルに違反することなくシームレスに動作する。
【0012】
本明細書の開示に照らして、かついかようにも本開示を限定することなく、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第1の側面では、デジタル通信装置は、医療デバイスへの通信結合のために構成される、入力インターフェースと、医療ネットワークへの通信結合のために構成される、出力インターフェースとを含む。入力インターフェースは、シリアル入力ポートと、イーサネット(登録商標)入力ポートと、無線入力ポートとを含む。出力インターフェースは、シリアル出力ポート、イーサネット(登録商標)出力ポート、または無線出力ポートのうちの少なくとも1つを含む。デジタル通信装置はまた、少なくとも1つの構成ファイルおよび入力および出力ポートのためのドライバを記憶するように構成される、メモリデバイスを含む。デジタル通信装置はさらに、入力インターフェース、出力インターフェース、およびメモリデバイスに通信可能に結合される、プロセッサを含む。プロセッサは、出力インターフェースを介して管理コンピュータから構成ファイルを受信するように構成され、構成ファイルは、入力インターフェースの入力ポートのうちの1つおよび出力インターフェースの少なくとも1つの出力ポート、第1のデータフォーマット、および第2のデータフォーマットを規定する。プロセッサはまた、構成ファイルをメモリデバイスに記憶し、構成ファイルによって規定された入力および出力ポートのためのドライバをインストールし、第1のデータフォーマットにおいて医療デバイスから医療データを受信するために、規定された入力ポートを用いて入力インターフェースをプロビジョニングし、第1のデータフォーマットおよび第2のデータフォーマットを使用して受信された医療データの少なくとも一部を伝送するために、少なくとも1つの規定された出力ポートを用いて出力インターフェースをプロビジョニングするように構成される。
【0013】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第2の側面では、プロセッサは、入力インターフェースを介して医療デバイスから第1のフォーマットにおいて医療データを受信し、構成ファイルによって規定されるような出力ポートのうちの1つを介して出力インターフェースを介して、第1のデータフォーマットにおける伝送のための医療データの第1のサブセットを選択し、医療データの第2のサブセットを第2のデータフォーマットに変換し、構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを介して、伝送のための第2のデータフォーマットにおける医療データの第2のサブセットを伝送するように構成される。
【0014】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第3の側面では、医療データの第1のサブセットは、医療データの第2のサブセットと同一である。
【0015】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第4の側面では、出力インターフェースは、医療ネットワークを介して、電子医療記録(「EMR」)サーバ、ミドルウェアサーバ、または統合エンジンのうちの少なくとも1つへの通信結合を提供し、プロセッサは、構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを使用して、第2のデータフォーマットにおける医療データの第2のサブセットをEMRサーバ、ミドルウェアサーバ、または統合エンジンのうちの少なくとも1つに伝送するように構成される。
【0016】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第5の側面では、イーサネット(登録商標)ポートおよび無線ポートのうちの少なくとも1つは、医療ネットワークの外部にある遠隔サーバへの通信結合を提供し、プロセッサは、イーサネット(登録商標)ポートまたは無線ポートのうちの少なくとも1つを使用して、第1のデータフォーマットにおける医療データの第1のサブセットを遠隔サーバに伝送するように構成される。
【0017】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第6の側面では、プロセッサは、第1のコネクティビティエージェントを含み、第1のデータフォーマットにおける医療データの第1のサブセットの伝送のためのメッセージングプロトコルを使用する。
【0018】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第7の側面では、メッセージングプロトコルは、メッセージ待ち行列テレメトリトランスポート(「MQTT」)パブリッシュ-サブスクライブネットワークプロトコルを含む。
【0019】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第8の側面では、構成ファイルは、第1のデータフォーマットにおける医療データの第1のサブセットを受信するべき第1の宛先ネットワークアドレスを規定し、第2のデータフォーマットにおける医療データの第2のサブセットを受信するべき第2の宛先ネットワークアドレスを規定し、第1の宛先ネットワークアドレスは、医療ネットワークの外部にあるネットワークドメインと関連付けられ、第2の宛先ネットワークアドレスは、医療ネットワークを含むネットワークドメインと関連付けられる。
【0020】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第9の側面では、プロセッサは、ログデータおよび健全性データを発生させ、構成ファイルによって規定されるような出力ポートのうちの1つを介して出力インターフェースを介して、第1のデータフォーマットにおける伝送のための医療データの第1のサブセットとともにログデータおよび健全性データを含め、ログデータを第2のデータフォーマットに変換し、構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを介して、伝送のための医療データの第2のサブセットとともにログデータを含めるように構成される。
【0021】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第10の側面では、ログデータは、医療デバイスタイプの識別、医療デバイスシリアル番号の識別、それから受信された医療データが医療デバイスによって発生された、または医療デバイスからプロセッサによって受信されたタイムスタンプ、装置の識別子、医療データの第1のサブセットに関するタイムスタンプ、または単調なタイムスタンプのうちの少なくとも1つを含み、健全性情報は、医療デバイスに関連する情報、CPU使用情報、ネットワークコネクティビティ情報、プロセス/スレッド情報、または伝送のための医療データの第1および第2のサブセットを処理するためにプロセッサによって動作されるソフトウェアに関連する情報を含む。
【0022】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第11の側面では、プロセッサは、伝送の前に医療データの第1のサブセット内に含まれる患者情報を匿名化すること、または伝送の前に医療データの第1のサブセットを暗号化することのうちの少なくとも1つを行うように構成される。
【0023】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第12の側面では、プロセッサは、医療データのストリームを受信し、周期的間隔において医療データのスナップショットを作成し、医療データのスナップショットを医療データの第1のサブセットまたは医療データの第2のサブセットのうちの少なくとも1つとして提供するように構成される。
【0024】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第13の側面では、周期的間隔は、5秒~60秒の周期を有する。
【0025】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第14の側面では、プロセッサは、スナップショットの間の医療データの変化を識別するために、事象追跡を使用し、以前のスナップショットから変化した医療データのみを医療データの第1のサブセットまたは医療データの第2のサブセットのうちの少なくとも1つとして含めるように構成される。
【0026】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第15の側面では、構成ファイルは、医療デバイスのタイプを規定し、医療デバイスから受信されるべき医療データが第1のデータフォーマットにおいて提供されることを規定する。
【0027】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第16の側面では、医療デバイスのタイプは、持続的腎置換療法(「CRRT」)機械、腹膜透析機械、血液透析機械、水浄化機械、または栄養物調合機械のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第17の側面では、第1のデータフォーマットは、JavaScript Object Notation(「JSON」)、ハイパーテキスト転送プロトコル(「HTTP」)、またはバイナリプロトコルを含む。
【0029】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第18の側面では、第2のデータフォーマットは、Health-Level 7(「HL7」)プロトコル、高速保健医療相互運用性リソース(「FHIR」)プロトコル、またはバイナリプロトコルを含む。
【0030】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第19の側面では、無線入力ポートは、Wi-Fi入力ポートおよびBluetooth(登録商標)入力ポートのうちの少なくとも1つを含み、無線出力ポートは、Wi-Fi出力ポートまたはセルラー出力ポートのうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第20の側面では、医療データは、透析サイクルの充填、滞留、および排出段階の間の遷移を備える事象情報、アラーム情報、治療プログラミング情報、または推定される充填率、排出率、および除去された限外濾過の量を備える治療情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
本開示の第21の側面では、
図1-9に関連して開示される構造および機能性のうちのいずれかは、
図1-9に関連して開示される他の構造および機能性のうちのいずれかと組み合わせられてもよい。
【0033】
本開示および上記の側面に照らして、したがって、医療デバイスデータを医療デバイス製造業者に伝えるための改良されたシステムを提供することが、本開示の利点である。
【0034】
構成ファイルを使用し、DCM上にあるドライバおよび/またはハードウェアインターフェースを構成することが、本開示の別の利点である。
【0035】
付加的特徴および利点が、以下の詳細な説明および図に説明され、それから明白となるであろう。本明細書に説明される特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの付加的特徴および利点が、図および説明を考慮して、当業者に明白となるであろう。また、任意の特定の実施形態は、本明細書に列挙される利点の全てを有する必要性はなく、個々の有利な実施形態を別個に請求することが、明確に想定される。また、本明細書に使用される言語が、発明的主題の範囲を限定するためではなく、主として、可読性および命令目的のために選択されていることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、本開示の例示的実施形態による、DCMと、医療デバイスとを含む、DCM環境の略図である。
【0037】
【
図2】
図2は、本開示の例示的実施形態による、DCM環境の別の略図である。
【0038】
【
図3】
図3は、本開示の例示的実施形態による、
図1および2の例示的DCMの略図である。
【0039】
【
図4】
図4および5は、本開示の例示的実施形態による、構成ファイルが
図1-3のDCM上にインストールされる方法に関して例証する略図である。
【
図5】
図4および5は、本開示の例示的実施形態による、構成ファイルが
図1-3のDCM上にインストールされる方法に関して例証する略図である。
【0040】
【
図6】
図6は、本開示の例示的実施形態による、
図4および5の構成ファイルを例証する略図である。
【0041】
【
図7】
図7は、本開示の例示的実施形態による、入力ポート、出力ポート、および医療デバイスデータを処理するための
図3に関連して上記に説明される1つまたはそれを上回るアプリケーションを含むプロセッサを含む、
図1-3のDCMの略図である。
【0042】
【
図8】
図8は、本開示の例示的実施形態による、構成ファイルを用いて
図1-5および7のDCMを構成するための例示的プロシージャのフロー図である。
【0043】
【
図9】
図9は、本開示の例示的実施形態による、
図1-5および7のDCMを使用して医療デバイスデータを処理するための例示的プロシージャのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
詳細な説明
医療デバイスからのデータの伝送のためのデジタル通信モジュール(「DCM」)が、開示される。例示的DCMは、医療デバイスから医療デバイスデータを受信するように構成される。DCMは、ローカル病院ネットワークおよび外部サーバ(医療デバイス製造業者のサーバ等)に医療デバイスデータを並行して伝送する。いくつかの実施形態では、DCMは、外部サーバに伝送される医療デバイスデータを匿名化する。DCMはまた、外部サーバに伝送される医療デバイスデータに健全性および/またはログデータを追加してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、DCMは、医療デバイスデータを病院システムのための異なるフォーマットに変換してもよい。例示的DCMは、入力インターフェースパラメータ、出力インターフェースパラメータ、デバイスドライバパラメータ、および/またはデータ変換パラメータを規定する構成ファイルを介してプロビジョニングされる。構成ファイルの受信後、DCMは、規定されたデバイスドライバをインストールし、データ変換/暗号化機構をプロビジョニングすることに加えて、規定された入力/出力インターフェースをプロビジョニングするように構成される。
【0045】
DCMは、多くの異なるタイプの医療デバイスとともに動作し、シリアル接続(例えば、RS-232またはRS-485接続)、イーサネット(登録商標)接続、Wi-Fi接続、Bluetooth(登録商標)接続、および/またはユニバーサルシリアルバス(「USB」)接続等の異なるタイプのインターフェースを介して通信するように構成される。DCMの構成可能性は、腹膜透析機械、救命救急透析機械、持続的腎置換療法(「CRRT」)機械、血液透析機械、水調製/浄化デバイス、栄養物調合機械、注入ポンプ等の多くの異なるタイプの医療デバイスとの併用を可能にする。さらに、DCMの構成可能性は、異なるように構成された病院システム内でのその使用を可能にする。DCMの構成可能性は、それに応じて、医療デバイスデータが、医療デバイスまたは病院システムのコネクティビティまたはネットワーキング変更を行う必要性を伴わずに、外部サーバに伝送されることを可能にする。
【0046】
医療デバイスデータが、本明細書に言及される。開示されるように、医療デバイスデータ(例えば、医療データ)が、医療デバイスにおいて発生され、DCMに伝送される。医療デバイスデータは、医療デバイスが患者に治療を施行するように動作するべき方法を定義する、1つまたはそれを上回るパラメータを備える、治療プログラミング情報を含む。腹膜透析療法に関して、パラメータは、患者の腹膜腔の中に圧送されるべき新鮮な透析流体の量(または率)、流体が患者の腹膜腔内に留まるべき時間の量(すなわち、滞留時間)、および滞留周期が終了した後に患者から圧送または排出されるべき使用済み透析流体および限界濾過(「UF」)の量(または率)を規定してもよい。複数のサイクルを伴う治療に関して、パラメータは、サイクル毎の充填、滞留、および排出量および治療の過程の間に実施されるべきサイクルの合計回数(1回の治療が、1日毎に提供される、または別個の治療が、日中および夜間に提供される)を規定してもよい。加えて、パラメータは、治療が医療流体送達機械によって施行されるべき日付/時間/日(例えば、スケジュール)を規定してもよい。さらに、処方療法のパラメータは、ブドウ糖レベル等の透析流体の濃度レベルに加えて、治療毎に投与されるべき透析流体の合計体積を規定してもよい。注入療法に関して、パラメータは、注入されるべき体積、注入されるべき薬品、薬品濃度、薬品投薬量、および/または注入率を含んでもよい。
【0047】
医療デバイスデータはまた、治療の施行に関連する事象情報を含む。事象情報は、測定、検出、または決定されたパラメータ値を示す、医療デバイスによって発生されるデータを含んでもよい。例えば、処方療法は、治療が、それぞれ45分の滞留時間を伴う5つの別個のサイクルを備えるべきであることを規定し得るが、医療流体送達デバイスは、それぞれ30分の滞留時間を伴うより少ないサイクルが提供される治療を施行し得る。医療デバイスは、治療が施行される様子を監視し、それに応じて、動作を示すパラメータを提供する。治療データに関するパラメータは、例えば、患者に投与された透析流体の合計量、動作されるサイクルの回数、サイクルあたりの充填量、サイクルあたりの滞留時間、サイクルあたりの排出時間/量、推定される除去されたUFの量、治療開始時間/日付、および/または治療終了時間/日付を含んでもよい。治療データはまた、圧送された流体の量を圧送に費やされる時間で除算することによって決定される、充填率および排出率等の計算されたパラメータを含んでもよい。治療/事象データはさらに、治療の間に生じたアラームの識別、アラームの持続時間、アラームの時間、アラームと関連付けられる事象、および/またはアラームを引き起こした問題が解決されたかどうか、またはアラームが消されたかどうかに関するインジケーションを含んでもよい。
【0048】
医療デバイスデータはさらに、診断情報、障害情報等を含む、デバイス機械ログを含む。診断情報は、ポンプ動作に関連する障害、信号エラー、通信エラー、ソフトウェア問題等の医療デバイスの内部動作を示す情報を含んでもよい。医療デバイスデータは、データストリームとして伝送される、または周期的間隔において提供されてもよい。いくつかの事例では、医療デバイスデータは、事象またはデータの他の変更が生じる際に伝送されてもよい。
【0049】
例示的DCMによって発生されるログデータおよび健全性データもまた、本明細書に言及される。ログデータは、療法(医療)デバイスタイプの識別、療法デバイスシリアル番号の識別、それから治療データが発生された、または療法デバイスから受信されたタイムスタンプ、DCMの識別子、スナップショットに関するタイムスタンプ、および/またはDCMの単調なタイムスタンプを含む。健全性情報は、例えば、DCMシステムメモリ情報、DCM中央処理ユニット(「CPU」)使用情報、ネットワークコネクティビティ情報、プロセス/スレッド情報、および埋設されたソフトウェアアプリケーションに関する情報を含む。
【0050】
以下は、医療デバイスデータを2つの別個のデータストリームまたはサブセットにパーティション化するDCMを示すが、DCMが、データを3つまたはそれを上回る別個のストリームにパーティション化し得ることを理解されたい。いくつかの実施例では、各異なるストリームは、異なる宛先に指向される、異なるデータフォーマットを含む、および/または医療デバイスデータおよび/またはログ/健全性データの異なるサブセットを含んでもよい。製造業者の分析サーバに加えて、医療デバイスデータは、医薬品/透析流体製造業者のデータ分析サーバ、継続的品質改善システム、監査人、規制当局等に提供されてもよい。
I.DCM環境実施形態
【0051】
図1は、本開示の例示的実施形態による、DCM環境100の略図である。例示的DCM環境100は、医療デバイス104に通信可能に結合される、少なくとも1つのDCM102を含む。DCM102は、シリアル接続、イーサネット(登録商標)接続、USB接続、Wi-Fi接続、Bluetooth(登録商標)接続等を介して医療デバイス104に接続されてもよい。例示的DCM102は、IoTゲートウェイ等のネットワークゲートウェイを含んでもよい。
【0052】
例示的実施形態では、DCM102は、医療デバイス104から医療デバイスデータのみを受信するように構成される。本一方向性通信構成は、別のデバイスが、DCM102を介して医療デバイス104にアクセスする、それをプログラムする、または別様にそれと通信することが可能になることを防止する。しかしながら、いくつかの実施形態では、DCM102は、データ、プログラミング命令、または情報が医療デバイスに伝送されることを可能にするために、医療デバイス104との双方向通信リンクを有してもよい。1つのみのDCM102および医療デバイス104が、
図1に示されるが、環境100が、数十から数百、または数千の医療デバイスおよび個別のDCMを含み得ることを理解されたい。
【0053】
例示的医療デバイス104は、治療または処方を規定する1つまたはそれを上回るパラメータ(すなわち、治療プログラミング情報)を受け入れるように構成される。動作の間、医療デバイス104は、事象、診断、および/または動作データを1つまたはそれを上回るログファイルに書き込む。いくつかの実施形態では、医療デバイス104は、5秒から60秒毎等の周期的に、および/またはデータの変化が存在した後、医療デバイスデータをログファイルに記憶してもよい。ログファイルに書き込まれた新しい医療デバイスデータは、DCM102に伝送される。いくつかの実施形態では、医療デバイス104は、JavaScript Object Notation(「JSON」)フォーマット、ハイパーテキストマークアップ言語(「HTML」)フォーマット、拡張可能マークアップ言語(「XML」)フォーマット、カンマ区切り(「CSV」)フォーマット、テキストフォーマット、および/またはHealth-Level-7(「HL7」)フォーマットにおいて医療デバイスデータを作成する。
【0054】
例示的医療デバイス104は、命令を表示し、ユーザから制御入力を受信するために、1つまたはそれを上回る制御インターフェース105を含んでもよい。制御インターフェース105は、ボタン、制御パネル、またはタッチスクリーンを含んでもよい。制御インターフェース105はまた、ユーザが、医療デバイス104の画面上のあるウィンドウまたはユーザインターフェースにナビゲートすることを可能にするように構成されてもよい。制御インターフェース105はまた、医療デバイス104を動作または制御するための命令を提供してもよい。
【0055】
例示的医療デバイス104はまた、プロセッサまたは療法モジュール107を含む。医療デバイス104のプロセッサまたは療法モジュール107は、患者に対して治療を実施するための1つまたはそれを上回る命令に従って動作する。命令は、制御インターフェース105を介して入手されてもよい。プロセッサまたは療法モジュール107はまた、診断情報としてドキュメント化される、問題に関してデバイスコンポーネントを監視する。プロセッサまたは療法モジュール107は、治療を施行するために1つまたはそれを上回るポンプまたは他のコンポーネントを動作させることと併せて、医療デバイスデータを作成する。プロセッサまたは療法モジュール107は、医療デバイスデータをDCM102に伝送する。
【0056】
例示的DCM環境100はまた、DCM102をEMRサーバ108および1つまたはそれを上回る病院システム110に通信可能に結合する、医療ネットワーク106を含む。医療ネットワーク106は、通信接続を確立し、データをルーティングするために、任意の数のゲートウェイ、ルータ、システムハブ、スイッチ、および/またはネットワークアプライアンスを含むことができる。医療ネットワーク106は、許可された遠隔デバイスおよび/またはサーバのみにアクセスを制限する1つまたはそれを上回るファイアウォールを含んでもよい。医療ネットワーク106は、任意のローカルエリアネットワーク(「LAN」)、イーサネット(登録商標)ネットワーク、Wi-Fiネットワーク、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0057】
図1に示されるように、DCM102は、医療ネットワーク106に有線または無線で結合されてもよい。いくつかの実施形態では、接続は、イーサネット(登録商標)接続、Wi-Fi接続、および/またはセルラー接続を含んでもよい。加えて、または代替として、DCM102は、医療ネットワーク106を迂回するEMRサーバ108(または病院システム110)へのシリアル接続を有してもよい。
【0058】
図2は、本開示の例示的実施形態による、DCM環境100の別の略図である。本実施形態では、DCM102は、医療デバイス104内に含まれる、および/またはそれと統合される。DCM102は、例えば、NXP i.MX6UL-2、Cortex-A7 528 MHz CPUおよび256 MB/1 GB NANDおよびDDR3フラッシュドライブを有する、Digi ConnectCore(登録商標) 6ULモジュールを含んでもよい。DCM102は、医療デバイスデータを受信するために医療デバイス104の通信バスに接続されてもよい。DCM102(
図1のDCMを含む)はまた、802.11a/b/g/n/ac Wi-Fi無線および/またはBluetooth(登録商標) 4.2無線を含む。DCM102は、Yocto Linux(登録商標)オペレーティングシステムを含んでもよく、Digiチップセットのためのドライバを含有する。
【0059】
図1および2の例示的EMRサーバ108は、メモリデバイス112のデータベース内に記憶される患者EMRを管理するように構成される。EMRサーバ108は、医療デバイスデータを受信し、患者識別子に基づいて、データを解析し、メモリデバイス112内の対応する患者EMRを位置特定し、解析された医療デバイスデータを識別されたEMRに記憶するように構成される。EMRサーバ108はまた、個別の患者を識別する要求メッセージに応答して、1つまたはそれを上回るEMRにアクセスしてもよい。EMRサーバ108は、HL7フォーマット、バイナリバージョン2フォーマット、バイナリバージョン3フォーマット、または高速保健医療相互運用性リソース(「FHIR」)フォーマットにおいて医療デバイスデータを記憶してもよい。
【0060】
例示的DCM環境100は、サービスポータル、企業リソース計画システム、ウェブポータル、ビジネスインテリジェンスポータル、HIPAA準拠データベース、薬局システム等のうちのいずれかを含んでもよい。DCM環境100はまた、ミドルウェアシステムおよび/または統合エンジンを含んでもよい。DCM環境100は、ユーザデバイス(例えば、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、タブレットコンピュータ等)が、医療デバイス112のEMR内に記憶される医療デバイスデータを読み取る、および/またはそれに書き込むことを可能にする。
【0061】
図1の例示的DCM環境100はまた、分析サーバ122に通信可能に結合される、外部ネットワーク120を含む。外部ネットワーク120は、インターネット、セルラーネットワーク(例えば、4G、5G、または6Gセルラーネットワーク)、またはそれらの組み合わせ等の広域ネットワーク(「WAN」)を経由してデータをルーティングするための任意のルータ、ゲートウェイ、スイッチ、セルラー塔、および/またはネットワークアプライアンスを含んでもよい。外部ネットワーク120は、1つまたはそれを上回るイーサネット(登録商標)および/またはセルラー接続を介して医療ネットワーク106に通信可能に結合される。医療ネットワーク106は、医療ネットワーク106に接続されるデバイスに、および/またはそれからデータをルーティングするために、外部ネットワーク120によって認識される、ドメインアドレスまたはサブドメインアドレスを割り当てられてもよい。いくつかの実施形態では、DCM102のセルラー接続は、医療ネットワーク106を迂回し、代わりに、外部ネットワーク120のセルラーネットワークに結合してもよい。
【0062】
例示的分析サーバ122は、DCM102から少なくともいくつかの医療デバイスデータを受信するように構成される。分析サーバ122は、データの永続的記憶のために構成される任意のデバイスを含み得る、メモリデバイス124に受信されたデータを記憶する。メモリデバイス124は、分析サーバ122とともに動作し、サービスとしてのプラットフォーム(「PaaS」)フレームワークを通してAmazon Web Services(登録商標)(「AWS」)を介して医療デバイスデータを記憶する。他の実施形態では、メモリデバイス124は、構造化クエリ言語(「SQL」)データベース、NoSQLデータベース、Amazon(登録商標)リレーショナルデータベースサービス(「RDS」)等において医療デバイスデータを記憶するように構成されてもよい。分析サーバ122は、DCM102から医療デバイスデータを受信するために構成される、1つまたはそれを上回るアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)を含んでもよい。APIは、1つまたはそれを上回る宛先インターネットプロトコル(「IP」)アドレスを割り当てられる、分析サーバ122におけるポートに接続されてもよい。DCM102は、分析サーバ122への医療デバイスデータの伝送を可能にするために、1つまたはそれを上回る宛先IPアドレスを用いて構成される。
【0063】
分析サーバ122は、医療デバイス104の動作に関連するある重要業績評価指標(「KPI」)に関して受信された医療デバイスデータを周期的に分析するように構成される。KPIは、治療傾向、コンポーネント(例えば、ポンプまたは濾過器)使用、アラート/アラーム傾向等に関連してもよい。分析サーバ122は、医療デバイスデータを分析し、医療デバイス104の動作を改良する、および/またはある疾患条件に関する治療プロトコルを改良するための推奨および/またはガイドラインを決定してもよい。例えば、分析サーバ122は、ある程度の腎不全を有する患者に関するより最適な腹膜透析プログラミングパラメータを決定してもよい。医療デバイスデータの分析は、分析サーバ122が標準化、DCMデバイスログの解析、およびDCM健全性統計の分析を提供することを含んでもよい。
【0064】
図示される実施例では、医療デバイス104は、Baxter International Inc.によって製造されるPrisMax CRRT機械である。他の実施形態では、医療デバイス104が、任意の他の腎不全療法機械、注入ポンプ、生理学的センサ等を含み得ることを理解されたい。医療デバイス104は、例えば、注入ポンプ(例えば、シリンジポンプ、線形蠕動ポンプ、大容量ポンプ(「LVP」)、携帯型ポンプ、多チャネルポンプ)、栄養物調合機械、酸素センサ、呼吸モニタ、グルコースメータ、血圧モニタ、心電図(「ECG」)モニタ、体重計、および/または心拍モニタを含んでもよい。
【0065】
腎不全療法機械に関して、種々の原因に起因して、患者の腎臓系は、機能しなくなり得る。腎不全は、いくつかの生理学的撹乱を生じさせる。例えば、腎不全を被る患者は、もはや水分およびミネラルの平衡を保つ、または日常の代謝負荷を排泄することができない。窒素代謝の毒性最終生産物(尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)は、患者の血液および組織中に蓄積し得る。腎臓不全および低減された腎臓機能は、透析を用いて治療されている。透析は、身体から、正常に機能している腎臓がそうでなければ除去するであろう老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。腎臓機能の置換のための透析治療は、治療が救命的であるため、多くの人々にとって重要である。
【0066】
1つのタイプの腎臓不全療法は、一般に、患者の血液から老廃物を除去するために拡散を使用する、血液透析(「HD」)である。拡散勾配が、拡散を引き起こすために、血液と透析液または透析流体と呼ばれる電解質溶液との間の半浸透性透析器を横断して起こる。
【0067】
血液濾過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠する代替腎置換療法である。HFは、治療の間に体外回路に代替液または補液(典型的には、10~90リットルのそのような流体)を添加することによって遂行される。代替液および治療の間に患者によって蓄積される流体は、HF治療の過程にわたって限外濾過され、中および大分子を除去する際に特に有益である対流輸送機構を提供する(血液透析では、透析セッションの間に得られる流体とともに、少量の老廃物が除去されるが、しかしながら、その限外濾過液の除去からの溶質牽引は、対流クリアランスを提供するために十分ではない)。
【0068】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散クリアランスを組み合わせる治療モダリティである。HDFは、拡散クリアランスを提供するために、標準的血液透析と同様に、透析器を通して流動する透析流体を使用する。加えて、代替液が、体外回路に直接提供され、対流クリアランスを提供する。
【0069】
別のタイプの腎臓不全療法は、腹膜透析であり、これは、透析流体とも呼ばれる透析液をカテーテルを介して患者の腹膜腔の中に注入する。透析流体は、腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、拡散および浸透に起因して、患者の血流から、腹膜を通して、透析流体の中に通過し、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して起こる。透析における浸透剤が、浸透勾配を提供する。使用済みまたは消耗済み透析流体は、患者から排出され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルは、例えば、複数回繰り返される。
【0070】
持続的外来腹膜透析(「CAPD」)、自動化腹膜透析(「APD」)、および潮汐流透析、および持続的流動腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々のタイプの腹膜透析療法が、存在する。CAPDは、手動透析治療である。ここでは、患者は、使用済みまたは消耗済み透析液流体が腹膜腔から排出することを可能にするために、埋込されたカテーテルをドレインに手動で接続する。患者は、次いで、カテーテルを通して患者の中に新鮮な透析流体を注入するために、新鮮な透析流体のバッグにカテーテルを接続する。患者は、カテーテルを新鮮な透析流体バッグから接続解除し、透析流体が腹膜腔内で滞留することを可能にし、そこで、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が、起こる。ある滞留周期後、患者は、例えば、1日あたり4回手動透析手技を繰り返し、各治療は、約1時間続く。手動腹膜透析は、患者から有意な量の時間および努力を要求し、改良の余地がある。
【0071】
自動化腹膜透析(「APD」)は、透析治療が排出、充填、および滞留サイクルを含む点においてCAPDに類似する。しかしながら、APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に自動的にサイクルを実施する。APD機械は、治療サイクルを手動で実施する必要性から、かつ日中に供給物を運搬する必要性から患者を解放する。APD機械は、埋込されたカテーテルに、新鮮な透析流体の源またはバッグに、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、新鮮な透析流体を透析流体源から、カテーテルを通して、患者の腹膜腔の中に圧送する。APD機械はまた、透析流体が腔内で滞留することを可能にし、廃棄物、毒素、および過剰な水分の移送が起こることを可能にする。源は、複数の無菌透析流体バッグを含み得る。
【0072】
APD機械は、使用済みまたは消耗済み透析液を腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに圧送する。手動プロセスのように、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、透析の間に起こる。「最後の充填」は、APDの終わりに起こり、次の治療まで患者の腹膜腔内に留まる。
II.DCM実施形態
【0073】
図3は、本開示の例示的実施形態による、
図1および2の例示的DCM102の略図である。例示的DCM102は、医療デバイス104から受信された医療デバイスデータに関する2つの並列データストリームを発生させるように構成される、データデバイスマネージャ302を含む。DCM102はまた、DCMに関連する情報を入手または提供するために、ログマネージャ304と、システム健全性モニタ306とを含む。分析サーバ122に提供される第1のデータストリームまたはサブセットに関して、DCM102は、外部エージェント310と、外部インターフェース312と、外部永続記憶デバイス314とを含む。EMRサーバ108に提供される第2のデータストリームまたはサブセットに関して、DCM102は、内部エージェント320と、内部インターフェース322と、内部永続記憶デバイス324とを含む。
【0074】
DCMの例示的コンポーネント302-312、320、および322は、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラムまたはアプリケーションを使用して実装されてもよい。プログラムまたはアプリケーションは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読取専用メモリ(「ROM」)、フラッシュメモリ、磁気または光学ディスク、光学メモリ、または他の記憶媒体を含む、任意のコンピュータ可読媒体上に記憶される一連のコンピュータ命令によって定義されてもよい。命令は、一連のコンピュータ命令を実行すると、本明細書に開示される、開示される方法およびプロシージャの全てまたは一部を実施する、またはその実施を促進する、DCM102のプロセッサによって実行されるように構成されてもよい。永続記憶デバイス314および324は、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を含む、任意のメモリデバイスを含んでもよい。
【0075】
例示的データデバイスマネージャ302は、医療デバイスデータを受信するために、医療デバイス104とインターフェースをとるように構成される。データデバイスマネージャ302は、離散的な時点で医療デバイスデータのスナップショットを作成するように構成される。時間周期は、構成ファイル(構成ファイル342等)によって規定され、例えば、5秒間隔、10秒間隔、30秒間隔、60秒間隔等を含んでもよい。スナップショット毎に、データデバイスマネージャ302は、医療デバイス104からの直近の受信されたデータを読み取る。このように、デバイスデータマネージャ302は、医療デバイス104のステータスに関する周期的更新を提供する。
【0076】
ある実施例では、医療デバイス104は、連続的ストリームにおいて、周期的間隔において、またはデータの変化後に医療デバイスデータ330を伝送してもよい。医療デバイス104は、ログファイルまたはメッセージのストリームにおいて医療デバイスデータ330を伝送してもよい。デバイスデータマネージャ302は、最後のスナップショット間隔以降に受信されたデータをコンパイルする。次の間隔が近づくと、デバイスデータマネージャ302は、コンパイルの直近のデータをスナップショットにコンパイルし、その時点における医療デバイス104の表現を提供する。複数の事象が、コンパイル周期の間に起こる場合、デバイスデータマネージャ302は、直近の事象のみ、または時間周期の間に起こった事象の全てを含んでもよい。
【0077】
いくつかの事例では、デバイスデータマネージャ302は、現在のスナップショットを以前のスナップショットと比較してもよい。比較に基づいて、デバイスデータマネージャ302は、以前のスナップショット以降に変化した現在のスナップショットにおける医療デバイスデータのみを含めてもよい。比較は、新しい、および/または更新された医療デバイスデータ330のみが通信されるように、各スナップショットにおいて伝送されるデータの量を低減させる。例えば、CRRT医療デバイス104が、典型的には、PD治療の充填および滞留サイクルの間に変化しない、推定されるUF除去値を連続的に伝送し得る。したがって、デバイスデータマネージャ302は、値の変化が存在するときのUF除去値のみを含める。別の実施例では、アラームが、ある時間にアクティブ化し得る。アラームが依然としてアクティブであることを示す、デバイスステータスが、医療デバイスデータ330内に含まれ得る。しかしながら、デバイスデータマネージャ302は、中間スナップショットにおいてアラームがアクティブであったインジケーションを含めることなく、アラームがアクティブ化する時間(およびアラームタイプ)の第1のスナップショットにおける通知および第2の後続スナップショットにおけるアラームが消された、またはリセットされた時間のみを含める。
【0078】
他の実施形態では、医療デバイス104は、以前の値から変化した、または新しい事象を反映する医療デバイスデータのみを選択的に伝送してもよい。これらの事例では、デバイスデータマネージャ302は、受信された医療デバイスデータ302を適切なスナップショットに書き込む。
【0079】
医療デバイスデータ330のスナップショットを作成することと併せて、例示的デバイスデータマネージャ302は、2つの別個のデータセットまたはストリームを作成する。第1のデータセットまたはストリーム316は、分析サーバ122に関するものである。第2のデータサブセットまたはストリーム326は、EMRサーバ108および/または病院システム110に関するものである。第1のデータストリームまたはサブセット316は、第2のデータストリームまたはサブセット326と同一のスナップショットからの医療デバイスデータ330を含んでもよい。他の実施形態では、第2のデータストリームまたはサブセット326と比較して、付加的またはより少ないスナップショットからの医療デバイスデータ330を含んでもよい。例えば、デバイスデータマネージャ302は、第1のデータストリームまたはサブセット316内に診断データ(メタデータ、データフィールド標識、設置等によって識別される)を含める一方、第2のデータストリームまたはサブセット326内に診断データを含めないように構成されてもよい。さらに、デバイスマネージャ302は、第2のデータストリームまたはサブセット326内に患者識別データを含める一方、第1のデータストリームまたはサブセット316内にいかなる患者識別データも含めなくてもよい。
【0080】
例示的DCM102は、第1のデータストリームまたはサブセット316を匿名化し、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318を発生させるための外部エージェント310を含む。外部エージェント310は、患者名、病院が割り当てた識別子、社会保障番号等を示すデータ標識またはキーワードを検索するように構成されてもよい。いくつかの事例では、患者特有情報は、同一の治療からの医療デバイスデータを関連付けるために分析サーバ122によって使用される、(ランダムに)発生されたセッション識別子と置換されてもよい。他の実施形態では、患者識別情報は、外部エージェント310によって除去または削除される。
【0081】
例示的外部エージェント310はまた、ログおよび/または健全性データ319を匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318と組み合わせる、または匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318とともにログおよび/または健全性データ319を含むように構成される。ログデータは、ログマネージャ304によって発生され、医療デバイスタイプの識別、医療デバイスシリアル番号の識別、それから医療デバイスデータ330が発生された、または医療デバイス104から受信されたタイムスタンプ、DCM102の識別子、デバイスデータマネージャ302によって作成されるスナップショットに関するタイムスタンプ、およびDCMの単調なタイムスタンプを含む。医療デバイスタイプの識別、医療デバイスシリアル番号の識別、およびDCM102の識別子は、構成ファイル342において規定されてもよい。いくつかの事例では、医療デバイスタイプの識別および医療デバイスシリアル番号の識別は、医療デバイス104によって報告されてもよい。ログマネージャ304は、医療デバイスデータ330が受信される、および/またはスナップショットが作成される際、本情報を記憶し、適切なタイムスタンプを作成するように構成される。ログマネージャ304は、次いで、分析サーバ122に伝送される匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318に対応するスナップショット毎に外部エージェント310にログデータを伝送する。
【0082】
例示的システム健全性マネージャ306は、DCM102に中継される健全性情報を入手および/または決定するように構成される。システム健全性マネージャ306は、外部エージェント310に、DCMシステムメモリ情報(永続記憶デバイス314および324に関連する)、DCM CPU使用情報、ネットワークコネクティビティ情報、プロセス/スレッド情報、および/またはDCM102上で動作する1つまたはそれを上回るソフトウェアアプリケーションに関連する情報を伝送するように構成される。本情報を入手するために、システム健全性マネージャ306は、永続記憶デバイス314および324のメモリ使用情報にアクセスする、および/またはそれを読み取るように構成される。さらに、システム健全性マネージャ306は、本明細書に説明される動作を実装するDCM102の1つまたはそれを上回るプロセッサを監視するように構成される。システム健全性モニタ306はまた、ネットワーク接続を監視する、および/または分析サーバ122および/またはEMRサーバ108での肯定応答メッセージの受信の欠如を介してネットワーク接続の喪失を検出する。ログマネージャ304と同様に、システム健全性マネージャ306は、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318を伴う伝送のために、外部エージェント310に健全性情報を伝送する。いくつかの事例では、構成ファイル342は、システム健全性モニタ306によって入手されるべき情報を規定する、および/または外部エージェント310および/または内部エージェント320に提供されるべき健全性情報を規定してもよい。
【0083】
例示的外部エージェント310は、分析サーバ122への伝送のために、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を構成する。外部エージェント310は、構成ファイル342から分析サーバ122の宛先IPアドレスを受信する。外部エージェント310はまた、構成ファイル342から医療ネットワーク106に関するドメインコネクティビティ情報および/または分析サーバ122に関するAPI接続情報を受信してもよい。外部エージェント310は、構成ファイル342によって提供される宛先アドレスおよびネットワーキングドメイン情報を使用して、分析サーバ122への伝送のために、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を伴う1つまたはそれを上回るメッセージを作成する。
【0084】
いくつかの実施形態では、外部エージェント310は、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を含む1つまたはそれを上回るメッセージを暗号化する。外部エージェント310は、構成ファイル342によって規定される、またはそれによって提供される暗号化プロトコルおよび/または秘密鍵を使用してもよい。例えば、構成ファイル342は、外部エージェント310がトランスポート層セキュリティ(「TLS」)を使用するように構成される、および/または暗号化のためにAES 256 GCMサイファを使用することを規定してもよい。外部エージェントは、(暗号化された)メッセージを外部インターフェース312に伝送する。
【0085】
いくつかの実施形態では、外部インターフェース312(および/または内部インターフェース322)は、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を伴うメッセージを分析サーバ122に伝送するために、MQテレメトリトランスポート(「MQTT」)を使用するように構成される。本事例では、外部インターフェース312は、パブリッシャとして構成され、分析サーバ122は、ブローカとして構成される。他の実施例では、内部インターフェース312(および/または内部インターフェース322)は、最小下位層プロトコル(「MLLP」)を使用して通信するように構成されてもよい。
【0086】
いくつかの事例では、例示的外部インターフェース312は、分析サーバ122へのアクティブな接続が存在するかどうかを決定するように構成される。外部インターフェース312は、周期的なpingを分析サーバ122に伝送し、pingに対する応答に基づいて、ネットワークステータスを決定してもよい。他の実施例では、外部インターフェース312は、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319のスナップショットの伝送に応答して、肯定応答メッセージが受信されるかどうかを決定してもよい。肯定応答メッセージが、規定された閾値内で受信されない場合、外部インターフェース312は、分析サーバ122とのネットワーク接続の喪失が起こっていると決定する。分析サーバ122への接続が存在しないと決定した後、外部インターフェース312は、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を含有する暗号化されたメッセージを外部永続メモリデバイス314に記憶するように構成される。外部インターフェース312は、ネットワーク接続が再確立されるまで、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を含有するメッセージの後続スナップショットをメモリデバイス314に記憶する。その時点で、外部インターフェース312は、メモリデバイス314内に記憶されたメッセージの全てを分析サーバ122に伝送する。
【0087】
いくつかの事例では、分析サーバ122との接続は、確立されない。これらの実施例では、外部インターフェース312は、データが、オペレータがコンピュータまたはUSBメモリデバイスをDCM102に接続することによって手動で読み出されることができるまで、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319をメモリデバイス314に記憶するように構成される。外部インターフェース312は、構成ファイル342によって、規定された時間数または日数のデータを記憶するように構成されてもよい。規定された時間数または日数が経過した後、外部インターフェース312は、最も古いデータを新しく受信されたデータで上書きしてもよい。
【0088】
分析サーバ122への接続が、存在する場合、外部インターフェース312は、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を伴う1つまたはそれを上回るメッセージを分析サーバ122(例えば、指定されたIPアドレスにおける規定されたAPI)に伝送する。いくつかの実施形態では、外部インターフェース312は、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319が伝送され得る前に、分析サーバ122との自動認証を実施してもよい。ある実施例では、構成ファイル342は、例えば、DCM102の識別子および/またはDCM102に関する一意のパスワードを含む、認証情報を含んでもよい。外部インターフェース312は、最初に、認証情報を分析インターフェース122に伝送する。分析サーバ122から受諾メッセージを受信した後、外部インターフェースは、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を伴う1つまたはそれを上回るメッセージを分析サーバ122に伝送する。いくつかの事例では、外部インターフェース312は、認証情報を使用し、分析サーバ122とのセッションを確立する。本セッションの間、外部インターフェース312は、再認証する必要性を伴わずに、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319の後続スナップショットを分析サーバ122に伝送してもよい。セッションは、データが、5分等の規定された時間周期内に受信されない場合、タイムアウトしてもよい。
【0089】
匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を分析サーバ122に伝送することに加えて、DCM102はまた、第2のデータストリームまたはサブセット326をEMRサーバ108に伝送する。
図3に示されるように、デバイスデータマネージャ302は、第2のデータストリームまたはサブセット326を内部エージェント320に伝送する。各伝送は、第2のデータストリームまたはサブセット326のスナップショットを備えてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、内部エージェント320は、ログマネージャ304および/またはシステム健全性マネージャ306に通信可能に結合される。これらの実施形態では、内部エージェントは、外部エージェント310に提供されるログ/健全性データ319の少なくとも一部を受信する。例えば、内部エージェントは、ログマネージャ304から、医療デバイスタイプ、医療デバイスのシリアル番号、および/またはそれから医療デバイスデータが発生された、または医療デバイス104から受信されたタイムスタンプを示す情報を受信してもよい。内部エージェントは、ログデータ319を、例えば、第2のデータストリームまたはサブセット326と組み合わせる。他の実施形態では、内部エージェント320は、いかなるログ/健全性データ319も受信しない。
【0091】
任意のログ/健全性データ319を第2のデータストリームまたはサブセット326と組み合わせた後、内部エージェント320は、データを、EMRサーバ108と互換性がある、またはそれによって必要とされるデータフォーマットにフォーマットするように構成される。言い換えると、内部エージェントは、第2のデータストリームまたはサブセット328および/またはログデータ319の変換を作成する。変換タイプは、構成ファイル342によって規定されてもよい。変換は、例えば、JSONからHL7、バイナリ、および/またはFHIRであってもよい。内部エージェント320は、例えば、JSONフォーマットにおける第2のデータストリームまたはサブセット326および/またはログデータ319がHL7、バイナリ、および/またはFHIRに変換されるべき方法を規定する、1つまたはそれを上回るファイルおよび/またはアルゴリズムを含んでもよい。ファイルおよび/またはアルゴリズムは、位置、データ標識、フィールド名、および/またはメタデータによってJSONデータを識別し、データ標識名、メタデータ名、数値フォーマット、位置付け等の変換を含む、データが変換されるべき方法を規定してもよい。内部エージェント320は、次いで、変換された第2のデータストリームまたはサブセット328および/またはログデータ319を内部インターフェース322に伝送する。
【0092】
例示的内部インターフェース322は、外部インターフェース312が分析サーバ122との接続をチェックするものと類似する様式で、EMRサーバ108への接続をチェックするように構成される。加えて、シリアル接続に関して、内部インターフェース322は、DCM102のポートの中へのシリアルコネクタの存在をチェックしてもよい。接続が、存在しない場合、内部インターフェース322は、変換された第2のデータストリームまたはサブセット328および/またはログデータ319を内部永続メモリデバイス324に記憶する。接続が、存在する場合、内部インターフェース322は、第2のデータストリームまたはサブセット328および/またはログデータ319を伴う1つまたはそれを上回るメッセージをEMRサーバ108に伝送する(第2のデータストリームまたはサブセット326および/またはログデータ319の以前のスナップショットを伴うメモリデバイス324内の任意の以前に記憶されたメッセージを含む)。いくつかの実施形態では、内部インターフェース322は、EMRサーバ108が、変換をサポートする場合、変換された第2のデータストリームまたはサブセット328および/またはログデータ319を伴う(非シリアル接続に関する)メッセージを暗号化してもよい。
【0093】
図3の例示的DCM102はまた、1つまたはそれを上回る構成ファイル342を記憶および/または処理するための構成ファイルマネージャ350を含む。構成ファイルマネージャ350は、
図4および5に関連して下記に議論されるように、コンピュータ400またはサーバ500から構成ファイル342を受信するように構成される。
【0094】
構成ファイルマネージャ350は、構成ファイル342を読み取り、ファイル342において規定されるように、ログマネージャ304、システム健全性マネージャ306、デバイスデータマネージャ302、外部エージェント310、外部インターフェース312、内部エージェント320、および/または内部インターフェース322を構成する。ログマネージャ304に関して、これは、DCM識別子、医療デバイスタイプ、医療デバイス識別子等をログマネージャ304のレジスタ、パラメータ、および/または変数に書き込むステップを含んでもよい。システム健全性マネージャ306に関して、これは、監視するべきDCM102のメモリデバイス314、324および/またはプロセッサ/CPUのパラメータ/属性を規定するステップを含んでもよい。内部エージェント320に関して、これは、変換に関するデータタイプを規定するステップを含んでもよい。
【0095】
いくつかの事例では、構成ファイルマネージャ350はまた、外部エージェント310に関する変換ファイルタイプを規定してもよい。さらに、構成ファイルマネージャ350は、スナップショットの間の持続時間、別個のストリームおよび/またはサブセット316、326内に含まれるべき医療デバイスデータのタイプ、および/または医療デバイス104から受信されるべきデータのタイプ(例えば、JSONデータ、HTMLデータ、バイナリデータ、HL7データ、XMLデータ等)に基づいて、デバイスデータマネージャ302を構成する。構成ファイルマネージャ350はまた、構成ファイル342を読み取り、外部インターフェース312および内部インターフェース322に関するネットワーク認証情報、認証情報、暗号化キー、API識別子、宛先IPアドレス等を規定する。
【0096】
構成ファイルマネージャ350はまた、コンピュータ600またはサーバ700のユーザが、記憶された構成ファイル342を閲覧および/または修正することを可能にするユーザインターフェースを定義する、または別様に提供してもよい。ユーザインターフェースは、DCM102のネットワーク接続を構成する、DCM102の識別子を規定する、DCM102にアクセスするためのユーザ名/パスワードを規定する、構成ファイル342のパラメータを規定する、および/またはコネクティビティクライアントまたはアプリケーション等のソフトウェアをインストールするためのフィールドを含んでもよい。
【0097】
図4は、本開示の例示的実施形態による、コンピュータ400を介してDCM102上にインストールされている
図3の構成ファイル342を示す、略図である。本実施例では、コンピュータ400は、イーサネット(登録商標)、シリアル、またはUSB接続を介してDCM102に直接接続する。コンピュータ400は、病院技師または医療デバイス104の製造業者と関連付けられる技師によって動作されてもよい。
【0098】
接続後、DCM102は、構成ファイルマネージャ350を介して、コンピュータ400上での表示のためのインターフェースを呼び出す。本時間の間、コンピュータ400のオペレータは、構成、ネットワーク、ソフトウェア、および/またはセキュリティに関連するユーザインターフェースのフィールドに情報を編集する、および/または打ち込んでもよい。さらに、コンピュータ400は、構成ファイルマネージャ350を介して、オペレータが、構成ファイル342のパラメータまたは属性を規定することを可能にするように構成される。パラメータおよび/または属性が規定された後、コンピュータ400は、構成ファイル342をDCM102に伝送する。構成マネージャ350は、構成ファイル342を受信し、それに応じて、DCM102をプロビジョニングする、または別様に構成する。
【0099】
図5は、サーバ500がDCM102上に構成ファイル342をインストールする略図を示す。本実施例では、DCM102は、製造の時点でサーバ500のIPアドレスを用いて構成されてもよい。DCM102はまた、医療ネットワーク106にアクセスするための認証情報および/またはネットワーク設定および/またはデバイスタイプ等の医療デバイス104に関連する情報を用いて構成されてもよい。DCM102が給電された後、DCM102は、構成ファイル342を要求する要求メッセージをサーバ500に伝送する。要求メッセージは、DCM102の認証および/または検証情報および/またはIPアドレスを含んでもよい。サーバ500は、病院ネットワークおよび/またはローカル構成選好に基づいて、1つまたはそれを上回る異なるタイプの構成ファイルを記憶してもよい。サーバ500は、例えば、医療デバイス104のタイプ、医療ネットワーク106等に基づいて、DCM102に割り当てられる構成ファイルを決定する。
【0100】
応答して、検証後、サーバ500は、外部ネットワーク120および医療ネットワーク106を介してDCM102に選択された構成ファイル342を伝送する。DCM102は、構成ファイル342を受信し、これは、DCM102をプロビジョニングまたは別様に構成するために、
図3の構成ファイルマネージャ350によって使用される。
図5に示される構成は、技師またはコンピュータへの直接接続を伴わずに、DCM102の自動的構成を可能にする。いくつかの実施形態では、サーバ500は、
図1-3の分析サーバ122を含んでもよい。
【0101】
図6は、本開示の例示的実施形態による、
図4のコンピュータ400においてオペレータによって選択可能である、または
図5のサーバ500によって規定される、構成ファイル342のパラメータおよび/または属性を例証する略図を示す。構成ファイル342は、医療デバイスタイプ602に関するパラメータを含む。医療デバイスタイプの選択は、受信されるべき医療デバイスデータのタイプおよび/またはフォーマットのインジケーションを提供する。医療デバイスタイプパラメータ602の選択はまた、DCM102に、その医療デバイスタイプからのデータを処理するための1つまたはそれを上回るドライバをインストールさせてもよい。ドライバが、DCM102上に記憶され、対応するデバイスタイプパラメータが選択されるときのみインストールされ得ることを理解されたい。
【0102】
構成ファイル342はまた、入力ポートタイプパラメータ620を含む。入力ポートタイプパラメータ620の選択は、プロビジョニングおよび/またはアクティブ化されるべきDCM102の入力ポートに関するインジケーションを提供する。DCM102はまた、医療デバイスからのデータが、例えば、標準化されたJSONフォーマットに変換される方法を規定する、選択された入力ポートに関する1つまたはそれを上回るドライバをインストールしてもよい。構成ファイル342はさらに、外部インターフェース630に関するパラメータおよび内部インターフェース640に関するパラメータを含む。これは、データ変換タイプ、接続プロトコル、および/または暗号化データ保護プロトコルを含む。これはまた、プロビジョニングおよび/またはアクティブ化されるべきDCM102の1つまたはそれを上回るハードウェア出力ポートの選択を含む。
【0103】
構成ファイル342はさらに、識別情報、IPまたはネットワークアドレス、スナップショット周期、メモリデバイス永続性情報、監視するべき健全性統計等のDCM情報650に関するパラメータを含む。DCM情報パラメータ650はさらに、分析サーバ122にアクセスするための外部アドレスおよび/または認証情報と、EMRサーバ108にアクセスするための内部アドレスおよび/または認証情報とを含んでもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、構成ファイルマネージャ350は、
図6に示されるパラメータに類似するインターフェースを表示してもよい。ユーザは、単純に、対応するボタンを選択する、または情報を表示されるフィールドに打ち込むことによって、パラメータを選択してもよい。他の実施形態では、構成ファイルは、テキストベース、XMLベース、および/またはJSONベースであり、パラメータは、ファイルのある区分において規定される、または関連するデータ標識/フィールドによって識別されてもよい。構成ファイル342が、医療デバイスまたはネットワークインフラストラクチャの変更を行う必要性を伴わずに、任意の所望のフォーマットにおいて事実上あらゆる医療デバイスタイプから外部サーバへのデータ伝送を可能にすることを理解されたい。
【0105】
図7は、本開示の例示的実施形態による、入力ポート702、出力ポート704、および医療デバイスデータを処理するための
図3に関連して上記に説明される1つまたはそれを上回るアプリケーションを含むプロセッサ706を含む、DCM102の略図である。図示される実施例では、入力ポート702は、医療デバイス104に通信可能に結合するようにデバイスデータマネージャ302とともに動作する。入力ポート702は、1つまたはそれを上回るシリアルポート、イーサネット(登録商標)ポート、Wi-Fiポート、Bluetooth(登録商標)ポート、またはUSBポートを含むことができる。DCM102が、より少ないポートを含み得ることを理解されたい。構成ファイル342は、適切なドライバのインストールを含む、医療デバイス104との通信のためにアクティブ化されるポートを規定する。
【0106】
同様に、DCM102は、病院ネットワーク108を介する分析サーバ122およびEMRサーバ108への接続のための出力ポート704を含む。図示される実施例では、出力ポート704は、分析サーバ122およびEMRサーバ108に通信可能に結合するようにインターフェース312および322とともに動作する。出力ポート704は、1つまたはそれを上回るシリアルポート、イーサネット(登録商標)ポート、Wi-Fiポート、および/またはセルラーポートを含むことができる。DCM102が、より少ないまたはより多い出力ポートを含み得ることを理解されたい。構成ファイル342は、適切なドライバのインストールを含む、医療デバイス104との通信のためにアクティブ化されるポートを規定する。
【0107】
例示的プロセッサ706は、
図3に関連して説明される動作を実施する1つまたはそれを上回る命令を規定する。プロセッサ706は、デバイスデータマネージャ302と、医療デバイスドライバ712とを含む、入力モジュール710を含む。例示的デバイスドライバ712は、DCM102と併用される医療デバイス104のタイプに基づいてインストールされる。各ドライバは、医療デバイスからのデータがフォーマットまたは構造化される方法に関する命令を含み、これは、デバイスデータマネージャ302が、患者匿名化または第1および第2のデータストリームまたはサブセット316/326内への包含に関する異なるデータタイプを識別することを可能にする。
【0108】
例示的プロセッサ706はまた、上記に説明される外部エージェント310と、インターフェース312とともに動作する暗号化モジュール714とを含む。プロセッサ706はさらに、内部エージェント320と、インターフェース322とともに動作する別の暗号化モジュール716とを含む。加えて、プロセッサ706は、構成ファイル342によって規定されるように、DCM102を構成するための構成ファイルマネージャ350を含む。
【0109】
プロセッサ706はまた、データ変換モジュール718を含む。例示的データ変換モジュール718は、構成ファイル342によって規定されるように、医療デバイスデータを第1のフォーマットから第2のフォーマットに変換するように構成される。データ変換モジュール718の異なるデータタイプは、データが異なるフォーマットから、HL7、バイナリv2、バイナリv3、および/またはFHIR等の規定された第2のフォーマットに変換される方法を定義する。いくつかの実施形態では、モジュール718は、JSON、XML、HTTP、HTML等のための区分を含んでもよい。
【0110】
図7の例示的DCM102は、IoTフレームワークを活用することによって、DCMから分析サーバ122へのセキュアな双方向コネクティビティを提供するIoTエージェントとして構成されてもよい。DCM102は、デバイス管理、構成、セキュリティ、およびコネクティビティ健全性統計の伝送のためにIoTフレームワークを使用してもよい。いくつかの実施例では、DCM102は、匿名化された第1のデータストリームまたはサブセット318および/またはログ/健全性データ319を伝えるために、分析サーバ122に関するIoTデバイスシャドウを用いて構成される。
【0111】
プロセッサ706は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、コントローラ等として構造化されるデジタルおよびアナログ回路を備えてもよい。例えば、プロセッサ106は、NXP i.MX6UL-2、Cortex-A7 528 MHz CPUおよび256 MB/1 GB NANDおよびDDR3フラッシュドライブを有する、Digi ConnectCore(登録商標) 6ULモジュールを含んでもよい。DCM102はまた、対応する入力ポート702および/または出力ポート704に接続される、802.11a/b/g/n/ac Wi-Fi無線およびBluetooth(登録商標) 4.2無線を含む。DCM102のプロセッサ106は、Yocto Linux(登録商標)オペレーティングシステムとともに動作するように構成されてもよく、Digiチップセットのためのドライバを含有する。プロセッサ106は、ユーザが、構成ファイルマネージャ350を介してネットワークおよび構成設定を管理することを可能にする、コネクティビティアプリケーションを動作させてもよい。コネクティビティアプリケーションはまた、DCM102が、遠隔で提供されたソフトウェアおよびファームウェア更新を受信することを可能にする。
III.例示的DCM構成プロシージャ
【0112】
図8は、本開示の例示的実施形態による、構成ファイル342を用いてDCM102を構成するための例示的プロシージャ800のフロー図である。プロシージャ800は、
図8に図示されるフロー図を参照して説明されるが、プロシージャ800と関連付けられるステップを実施する多くの他の方法が、使用され得ることを理解されたい。例えば、ブロックのうちの多くの順序は、変更されてもよく、あるブロックは、他のブロックと組み合わせられてもよく、説明されるブロックのうちの多くは、随意であってもよい。ある実施形態では、ブロックの数は、変更されてもよい。さらに、構成ファイル342の受信の確認を伝送するステップは、省略されてもよい。プロシージャ800に説明されるアクションは、1つまたはそれを上回る命令によって規定され、例えば、DCM102、コンピュータ400、および/またはサーバ500を含む、複数のデバイス間で実施されてもよい。
【0113】
例示的プロシージャ800は、DCM102が、構成ファイル342を受信または別様に入手する(ブロック802)ときに
図8において開始される。いくつかの実施形態では、構成ファイル342は、構成ファイルマネージャ350によって提供されるユーザインターフェースを介して、DCM102においてローカルで作成されてもよい。入手後、DCM102は、構成ファイルを記憶する(ブロック804)。DCM102は、次に、構成ファイル342を読み取り、規定されるパラメータ/属性を決定する。規定されたパラメータ/属性に基づいて、DCM102は、規定された医療デバイスタイプからのデータを処理するために、対応するデバイスドライバにアクセスし、それをインストールする(ブロック806)。
【0114】
例示的DCM102はまた、構成ファイル342の規定されたパラメータ/属性に基づいて、医療デバイス104との通信のための入力インターフェースの1つまたはそれを上回る入力ポートをプロビジョニングする(ブロック808)。例示的DCM102はさらに、構成ファイル342の規定されたパラメータ/属性に基づいて、分析サーバ122との通信のために出力インターフェースの1つまたはそれを上回る出力ポートをプロビジョニングする(ブロック810)。加えて、例示的DCM102は、構成ファイル342の規定されたパラメータ/属性に基づいて、EMRサーバ108との通信のために出力インターフェースの1つまたはそれを上回る出力ポートをプロビジョニングする(ブロック812)。入力/出力ポートをプロビジョニングするステップは、識別された入力おおよび出力ポートをアクティブ化し、任意の関連するドライバをインストールするステップを含んでもよい。
【0115】
上記に加えて、DCM102は、EMRサーバ108への伝送のために、医療デバイスからの医療デバイスデータを構成ファイル342によって規定されたフォーマットに変換するようにデータマネージャをプロビジョニングする(ブロック816)。いくつかの事例では、DCM102は、分析サーバ122によって処理するために、医療デバイスデータを標準化されたフォーマットに変換するようにデータマネージャをプロビジョニングする。DCM102は、次いで、構成を示す確認メッセージ817を、例えば、それぞれ、
図4および5のコンピュータ400またはサーバ500に伝送することによって、構成プロセスを完了してもよい(ブロック818)。例示的プロシージャ800は、次いで、終了し、DCM102は、医療デバイスデータを処理できる状態になる。
IV.
例示的DCM医療デバイスデータ処理プロシージャ
【0116】
図9は、本開示の例示的実施形態による、DCM102を用いて医療デバイスデータを処理するための例示的プロシージャ900のフロー図である。プロシージャ900は、
図9に図示されるフロー図を参照して説明されるが、プロシージャ900と関連付けられるステップを実施する多くの他の方法が、使用され得ることを理解されたい。例えば、ブロックのうちの多くの順序は、変更されてもよく、あるブロックは、他のブロックと組み合わせられてもよく、説明されるブロックのうちの多くは、随意であってもよい。ある実施形態では、ブロックの数は、変更されてもよい。さらに、データサブセットを暗号化するステップは、省略されてもよい。プロシージャ900に説明されるアクションは、1つまたはそれを上回る命令によって規定され、例えば、DCM102、医療デバイス104、分析サーバ122、および/またはEMRサーバ108を含む、複数のデバイス間で実施されてもよい。
【0117】
例示的プロシージャ900は、DCM102が、通信可能に結合される医療デバイス104から医療デバイスデータ330を受信する(ブロック902)ときに開始される。DCM102は、周期的間隔に基づいて、受信されたデータのスナップショットを記録し、2つの別個のデータストリームまたはサブセットを作成する(ブロック904)。いくつかの事例では、同一の医療デバイスデータが、サブセット毎に使用される。他の事例では、データサブセットは、異なる医療デバイスデータおよび同一の医療デバイスデータの一部を含んでもよい。
【0118】
第1のデータストリームまたはサブセットに関して、DCM102は、データを匿名化し、匿名化されたデータ318を作成する(ブロック906)。これは、患者を識別するために使用され得る任意のデータを除去するステップを含む。いくつかの事例では、患者識別子が、セッション識別子および/またはランダムな文字セットと置換される。DCM102は、次いで、ログ/健全性データ319を匿名化されたデータ318に追加する(ブロック908)。DCM102は、次いで、匿名化されたデータ318および/またはログ/健全性データを暗号化してもよい(ブロック910)。
【0119】
DCM102は、次いで、分析サーバ122への接続が存在するかどうかをチェックする(ブロック912)。いくつかの事例では、DCM102は、接続ステータスをチェックするために、メッセージ待ち行列テレメトリトランスポート(「MQTT」)メッセージングプロトコルを使用してもよい。接続が、存在しない場合、DCM102は、匿名化されたデータ318および/またはログ/健全性データ319を伴う1つまたはそれを上回る暗号化されたメッセージを永続メモリデバイスに記憶する(ブロック914)。DCM102は、データ接続が検出されるまで、後続の暗号化されたメッセージを記憶し続ける。いったんデータ接続が検出されると、DCM102は、1つまたはそれを上回るネットワーク106、120を介して、匿名化されたデータ318および/またはログ/健全性データ319を含む暗号化されたメッセージを分析サーバ122に伝送する(ブロック916)。例示的プロシージャ900は、次いで、新しく受信された医療デバイスデータを処理するためにブロック902に戻る。
【0120】
医療デバイスデータの第2のストリームまたはサブセットに関して、DCM102は、データを、EMRサーバ108のために規定されるフォーマットに変換する(ブロック920)。これは、JSONフォーマット、HL7フォーマット、バイナリバージョン2/3フォーマット、FHIRフォーマット、XMLフォーマット、および/またはHTTPフォーマットにおける医療デバイスデータを変換するステップを含んでもよい。DCM102は、次いで、ログ/健全性データ319を変換されたデータ328に追加してもよい(ブロック922)。DCM102は、次いで、変換されたデータ328および/またはログ/健全性データ319を暗号化してもよい(ブロック924)。
【0121】
DCM102は、次いで、EMRサーバ108への接続が存在するかどうかをチェックする(ブロック926)。いくつかの事例では、DCM102は、接続ステータスをチェックするために、MQTTメッセージングプロトコルまたは最小下位層プロトコル(「MLLP」)を使用してもよい。接続が、存在しない場合、DCM102は、変換されたデータ328および/またはログ/健全性データ319を伴う1つまたはそれを上回る暗号化されたメッセージを永続メモリデバイスに記憶する(ブロック928)。DCM102は、データ接続が検出されるまで、後続の暗号化されたメッセージを記憶し続ける。いったんデータ接続が検出されると、DCM102は、医療ネットワーク106および/またはシリアル接続を介して、変換されたデータ328および/またはログ/健全性データ319を含む暗号化されたメッセージをEMRサーバ108に伝送する(ブロック930)。例示的プロシージャ900は、次いで、新しく受信された医療デバイスデータを処理するためにブロック902に戻る。
V.結論
【0122】
本明細書に説明される本好ましい実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく行われることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付される請求項によって網羅されることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル通信装置であって、
医療デバイスへの通信結合のために構成される入力インターフェースであって、前記入力インターフェースは、シリアル入力ポートと、イーサネット入力ポートと、無線入力ポートとを含む、入力インターフェースと、
医療ネットワークへの通信結合のために構成される出力インターフェースであって、前記出力インターフェースは、シリアル出力ポート、イーサネット出力ポート、または無線出力ポートのうちの少なくとも1つを含む、出力インターフェースと、
少なくとも1つの構成ファイルおよび前記入力ポートおよび出力ポートのためのドライバを記憶するように構成されるメモリデバイスと、
前記入力インターフェース、前記出力インターフェース、および前記メモリデバイスに通信可能に結合されるプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記出力インターフェースを介して管理コンピュータから構成ファイルを受信することであって、前記構成ファイルは、前記入力インターフェースの入力ポートのうちの1つおよび前記出力インターフェースの少なくとも1つの出力ポート、第1のデータフォーマット、および第2のデータフォーマットを規定する、ことと、
前記構成ファイルを前記メモリデバイスに記憶することと、
前記構成ファイルによって規定されるような前記入力ポートおよび前記少なくとも1つの出力ポートを選択することと、
前記構成ファイルによって規定された前記入力ポートおよび出力ポートのためのドライバをインストールすることと、
前記第1のデータフォーマットにおいて前記医療デバイスから医療データを受信するために、前記規定された入力ポートを用いて前記入力インターフェースをプロビジョニングすることと、
前記第1のデータフォーマットおよび前記第2のデータフォーマットを使用して前記受信された医療データの少なくとも一部を伝送するために、前記少なくとも1つの規定された出力ポートを用いて前記出力インターフェースをプロビジョニングすることと
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記入力インターフェースを介して前記医療デバイスから前記第1のフォーマットにおいて前記医療データを受信することと、
前記構成ファイルによって規定されるような前記出力ポートのうちの1つを介して前記出力インターフェースを介して、前記第1のデータフォーマットにおける伝送のための前記医療データの第1のサブセットを選択することと、
前記医療データの第2のサブセットを前記第2のデータフォーマットに変換することと、
前記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを介して、伝送のための前記第2のデータフォーマットにおける前記医療データの第2のサブセットを伝送することと
を行うように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記医療データの第1のサブセットは、前記医療データの第2のサブセットと同一である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記出力インターフェースは、前記医療ネットワークを介して、電子医療記録(「EMR」)サーバ、ミドルウェアサーバ、または統合エンジンのうちの少なくとも1つへの通信結合を提供し、
前記プロセッサは、前記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを使用して、前記第2のデータフォーマットにおける前記医療データの第2のサブセットを前記EMRサーバ、前記ミドルウェアサーバ、または前記統合エンジンのうちの少なくとも1つに伝送するように構成される、
請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記イーサネットポートおよび前記無線ポートのうちの少なくとも1つは、前記医療ネットワークの外部にある遠隔サーバへの通信結合を提供し、
前記プロセッサは、前記イーサネットポートまたは前記無線ポートのうちの少なくとも1つを使用して、前記第1のデータフォーマットにおける前記医療データの第1のサブセットを前記遠隔サーバに伝送するように構成される、
請求項2または4に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、第1のコネクティビティエージェントを含み、前記第1のデータフォーマットにおける前記医療データの第1のサブセットの伝送のためのメッセージングプロトコルを使用する、請求項2、4、または5に記載の装置。
【請求項7】
前記メッセージングプロトコルは、メッセージ待ち行列テレメトリトランスポート(「MQTT」)パブリッシュ-サブスクライブネットワークプロトコルを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記構成ファイルは、前記第1のデータフォーマットにおける前記医療データの第1のサブセットを受信するべき第1の宛先ネットワークアドレスを規定し、前記第2のデータフォーマットにおける前記医療データの第2のサブセットを受信するべき第2の宛先ネットワークアドレスを規定し、
前記第1の宛先ネットワークアドレスは、前記医療ネットワークの外部にあるネットワークドメインと関連付けられ、前記第2の宛先ネットワークアドレスは、前記医療ネットワークを含むネットワークドメインと関連付けられる、
請求項2、4、または5に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
ログデータおよび健全性データを発生させることと、
前記構成ファイルによって規定されるような前記出力ポートのうちの1つを介して前記出力インターフェースを介して、前記第1のデータフォーマットにおける伝送のための前記医療データの第1のサブセットとともに前記ログデータおよび前記健全性データを含めることと、
前記ログデータを前記第2のデータフォーマットに変換することと、
前記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを介して、伝送のための前記医療データの第2のサブセットとともに前記ログデータを含めることと
を行うように構成される、請求項2、4、または8に記載の装置。
【請求項10】
前記ログデータは、医療デバイスタイプの識別、医療デバイスシリアル番号の識別、それから前記受信された医療データが前記医療デバイスによって発生された、または前記医療デバイスから前記プロセッサによって受信されたタイムスタンプ、前記装置の識別子、前記医療データの第1のサブセットに関するタイムスタンプ、または単調なタイムスタンプのうちの少なくとも1つを含み、
前記健全性情報は、前記医療デバイスに関連する情報、CPU使用情報、ネットワークコネクティビティ情報、プロセス/スレッド情報、または伝送のための前記医療データの第1および第2のサブセットを処理するために前記プロセッサによって動作されるソフトウェアに関連する情報を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
伝送の前に前記医療データの第1のサブセット内に含まれる患者情報を匿名化すること、または、
伝送の前に前記医療データの第1のサブセットを暗号化すること
のうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項2、9、または10に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記医療データのストリームを受信することと、
周期的間隔において前記医療データのスナップショットを作成することと、
前記医療データのスナップショットを前記医療データの第1のサブセットまたは前記医療データの第2のサブセットのうちの少なくとも1つとして提供することと
を行うように構成される、請求項2または11に記載の装置。
【請求項13】
前記周期的間隔は、5秒~60秒の周期を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
スナップショットの間の前記医療データの変化を識別するために、事象追跡を使用することと、
以前のスナップショットから変化した医療データのみを前記医療データの第1のサブセットまたは前記医療データの第2のサブセットのうちの少なくとも1つとして含めることと
を行うように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記構成ファイルは、前記医療デバイスのタイプを規定し、前記医療デバイスから受信されるべき前記医療データが前記第1のデータフォーマットにおいて提供されることを規定する、請求項1または12に記載の装置。
【請求項16】
前記医療デバイスのタイプは、持続的腎置換療法(「CRRT」)機械、腹膜透析機械、血液透析機械、水浄化機械、または栄養物調合機械のうちの少なくとも1つを含む、請求項1、12、または15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のデータフォーマットは、JavaScript Object Notation(「JSON」)、ハイパーテキスト転送プロトコル(「HTTP」)、またはバイナリプロトコルを含む、請求項1、12、または16に記載の装置。
【請求項18】
前記第2のデータフォーマットは、Health-Level 7(「HL7」)プロトコル、高速保健医療相互運用性リソース(「FHIR」)プロトコル、またはバイナリプロトコルを含む、請求項1、12、または17に記載の装置。
【請求項19】
前記無線入力ポートは、Wi-Fi入力ポートおよびBluetooth(登録商標)入力ポートのうちの少なくとも1つを含み、前記無線出力ポートは、Wi-Fi出力ポートまたはセルラー出力ポートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1、12、または18に記載の装置。
【請求項20】
前記医療データは、
透析サイクルの充填、滞留、および排出段階の間の遷移を備える事象情報、
アラーム情報、
治療プログラミング情報、または、
推定される充填率、排出率、および除去された限外濾過の量を備える治療情報
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1、12、または19に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
付加的特徴および利点が、以下の詳細な説明および図に説明され、それから明白となるであろう。本明細書に説明される特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの付加的特徴および利点が、図および説明を考慮して、当業者に明白となるであろう。また、任意の特定の実施形態は、本明細書に列挙される利点の全てを有する必要性はなく、個々の有利な実施形態を別個に請求することが、明確に想定される。また、本明細書に使用される言語が、発明的主題の範囲を限定するためではなく、主として、可読性および命令目的のために選択されていることに留意されたい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
デジタル通信装置であって、
医療デバイスへの通信結合のために構成される入力インターフェースであって、上記入力インターフェースは、シリアル入力ポートと、イーサネット入力ポートと、無線入力ポートとを含む、入力インターフェースと、
医療ネットワークへの通信結合のために構成される出力インターフェースであって、上記出力インターフェースは、シリアル出力ポート、イーサネット出力ポート、または無線出力ポートのうちの少なくとも1つを含む、出力インターフェースと、
少なくとも1つの構成ファイルおよび上記入力ポートおよび出力ポートのためのドライバを記憶するように構成されるメモリデバイスと、
上記入力インターフェース、上記出力インターフェース、および上記メモリデバイスに通信可能に結合されるプロセッサであって、上記プロセッサは、
上記出力インターフェースを介して管理コンピュータから構成ファイルを受信することであって、上記構成ファイルは、上記入力インターフェースの入力ポートのうちの1つおよび上記出力インターフェースの少なくとも1つの出力ポート、第1のデータフォーマット、および第2のデータフォーマットを規定する、ことと、
上記構成ファイルを上記メモリデバイスに記憶することと、
上記構成ファイルによって規定された上記入力ポートおよび出力ポートのためのドライバをインストールすることと、
上記第1のデータフォーマットにおいて上記医療デバイスから医療データを受信するために、上記規定された入力ポートを用いて上記入力インターフェースをプロビジョニングすることと、
上記第1のデータフォーマットおよび上記第2のデータフォーマットを使用して上記受信された医療データの少なくとも一部を伝送するために、上記少なくとも1つの規定された出力ポートを用いて上記出力インターフェースをプロビジョニングすることと
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、装置。
(項目2)
上記プロセッサは、
上記入力インターフェースを介して上記医療デバイスから上記第1のフォーマットにおいて上記医療データを受信することと、
上記構成ファイルによって規定されるような上記出力ポートのうちの1つを介して上記出力インターフェースを介して、上記第1のデータフォーマットにおける伝送のための上記医療データの第1のサブセットを選択することと、
上記医療データの第2のサブセットを上記第2のデータフォーマットに変換することと、
上記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを介して、伝送のための上記第2のデータフォーマットにおける上記医療データの第2のサブセットを伝送することと
を行うように構成される、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記医療データの第1のサブセットは、上記医療データの第2のサブセットと同一である、項目2に記載の装置。
(項目4)
上記出力インターフェースは、上記医療ネットワークを介して、電子医療記録(「EMR」)サーバ、ミドルウェアサーバ、または統合エンジンのうちの少なくとも1つへの通信結合を提供し、
上記プロセッサは、上記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを使用して、上記第2のデータフォーマットにおける上記医療データの第2のサブセットを上記EMRサーバ、上記ミドルウェアサーバ、または上記統合エンジンのうちの少なくとも1つに伝送するように構成される、
項目2または3に記載の装置。
(項目5)
上記イーサネットポートおよび上記無線ポートのうちの少なくとも1つは、上記医療ネットワークの外部にある遠隔サーバへの通信結合を提供し、
上記プロセッサは、上記イーサネットポートまたは上記無線ポートのうちの少なくとも1つを使用して、上記第1のデータフォーマットにおける上記医療データの第1のサブセットを上記遠隔サーバに伝送するように構成される、
項目2または4に記載の装置。
(項目6)
上記プロセッサは、第1のコネクティビティエージェントを含み、上記第1のデータフォーマットにおける上記医療データの第1のサブセットの伝送のためのメッセージングプロトコルを使用する、項目2、4、または5に記載の装置。
(項目7)
上記メッセージングプロトコルは、メッセージ待ち行列テレメトリトランスポート(「MQTT」)パブリッシュ-サブスクライブネットワークプロトコルを含む、項目6に記載の装置。
(項目8)
上記構成ファイルは、上記第1のデータフォーマットにおける上記医療データの第1のサブセットを受信するべき第1の宛先ネットワークアドレスを規定し、上記第2のデータフォーマットにおける上記医療データの第2のサブセットを受信するべき第2の宛先ネットワークアドレスを規定し、
上記第1の宛先ネットワークアドレスは、上記医療ネットワークの外部にあるネットワークドメインと関連付けられ、上記第2の宛先ネットワークアドレスは、上記医療ネットワークを含むネットワークドメインと関連付けられる、
項目2、4、または5に記載の装置。
(項目9)
上記プロセッサは、
ログデータおよび健全性データを発生させることと、
上記構成ファイルによって規定されるような上記出力ポートのうちの1つを介して上記出力インターフェースを介して、上記第1のデータフォーマットにおける伝送のための上記医療データの第1のサブセットとともに上記ログデータおよび上記健全性データを含めることと、
上記ログデータを上記第2のデータフォーマットに変換することと、
上記構成ファイルによって規定されるような同一または異なる出力ポートを介して、伝送のための上記医療データの第2のサブセットとともに上記ログデータを含めることと
を行うように構成される、項目2、4、または8に記載の装置。
(項目10)
上記ログデータは、医療デバイスタイプの識別、医療デバイスシリアル番号の識別、それから上記受信された医療データが上記医療デバイスによって発生された、または上記医療デバイスから上記プロセッサによって受信されたタイムスタンプ、上記装置の識別子、上記医療データの第1のサブセットに関するタイムスタンプ、または単調なタイムスタンプのうちの少なくとも1つを含み、
上記健全性情報は、上記医療デバイスに関連する情報、CPU使用情報、ネットワークコネクティビティ情報、プロセス/スレッド情報、または伝送のための上記医療データの第1および第2のサブセットを処理するために上記プロセッサによって動作されるソフトウェアに関連する情報を含む、
項目9に記載の装置。
(項目11)
上記プロセッサは、
伝送の前に上記医療データの第1のサブセット内に含まれる患者情報を匿名化すること、または、
伝送の前に上記医療データの第1のサブセットを暗号化すること
のうちの少なくとも1つを行うように構成される、項目2、9、または10に記載の装置。
(項目12)
上記プロセッサは、
上記医療データのストリームを受信することと、
周期的間隔において上記医療データのスナップショットを作成することと、
上記医療データのスナップショットを上記医療データの第1のサブセットまたは上記医療データの第2のサブセットのうちの少なくとも1つとして提供することと
を行うように構成される、項目2または11に記載の装置。
(項目13)
上記周期的間隔は、5秒~60秒の周期を有する、項目12に記載の装置。
(項目14)
上記プロセッサは、
スナップショットの間の上記医療データの変化を識別するために、事象追跡を使用することと、
以前のスナップショットから変化した医療データのみを上記医療データの第1のサブセットまたは上記医療データの第2のサブセットのうちの少なくとも1つとして含めることと
を行うように構成される、項目12に記載の装置。
(項目15)
上記構成ファイルは、上記医療デバイスのタイプを規定し、上記医療デバイスから受信されるべき上記医療データが上記第1のデータフォーマットにおいて提供されることを規定する、項目1または12に記載の装置。
(項目16)
上記医療デバイスのタイプは、持続的腎置換療法(「CRRT」)機械、腹膜透析機械、血液透析機械、水浄化機械、または栄養物調合機械のうちの少なくとも1つを含む、項目1、12、または15に記載の装置。
(項目17)
上記第1のデータフォーマットは、JavaScript Object Notation(「JSON」)、ハイパーテキスト転送プロトコル(「HTTP」)、またはバイナリプロトコルを含む、項目1、12、または16に記載の装置。
(項目18)
上記第2のデータフォーマットは、Health-Level 7(「HL7」)プロトコル、高速保健医療相互運用性リソース(「FHIR」)プロトコル、またはバイナリプロトコルを含む、項目1、12、または17に記載の装置。
(項目19)
上記無線入力ポートは、Wi-Fi入力ポートおよびBluetooth(登録商標)入力ポートのうちの少なくとも1つを含み、上記無線出力ポートは、Wi-Fi出力ポートまたはセルラー出力ポートのうちの少なくとも1つを含む、項目1、12、または18に記載の装置。
(項目20)
上記医療データは、
透析サイクルの充填、滞留、および排出段階の間の遷移を備える事象情報、
アラーム情報、
治療プログラミング情報、または、
推定される充填率、排出率、および除去された限外濾過の量を備える治療情報
のうちの少なくとも1つを含む、項目1、12、または19に記載の装置。
【国際調査報告】