(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】体管腔を少なくとも部分的に閉塞する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/01 20060101AFI20230510BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
A61B1/01 513
A61B8/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557861
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 US2021023150
(87)【国際公開番号】W WO2021194875
(87)【国際公開日】2021-09-30
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522149223
【氏名又は名称】エンドビジョン ファンデーション
【氏名又は名称原語表記】ENDOVISION FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ビンメラー,ケニス,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ランスフォード,ジョン,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】サンダー,フィオナ
【テーマコード(参考)】
4C161
4C601
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161DD03
4C161FF36
4C161FF42
4C161HH04
4C161HH56
4C601DD30
4C601EE11
4C601EE16
4C601FE01
4C601GC02
4C601GC22
(57)【要約】
本明細書では、処置中に体管腔の少なくとも一部を閉塞する装置及び関連の方法について記載している。幾つかの実施形態では、本装置は、内側シャフトであって、内側シャフトを貫通する管腔と、第1のアパーチャと、を画定している内側シャフトと、外側シャフトであって、可撓部材を含み、外側シャフトを貫通する管腔と、外側シャフト上の、可撓部材より近位側に配置された第2のアパーチャと、を画定している外側シャフトと、を含む。内側シャフトは、外側シャフトの管腔を通り抜けて延びており、外側シャフトの少なくとも一部が、内側シャフトの遠位部分に向かって又は内側シャフトの遠位部分から離れるように軸方向に並進可能である。外側シャフトの少なくとも一部が内側シャフトの遠位部分に向かって又は内側シャフトの遠位部分から離れるように軸方向に並進するときに、可撓部材は未膨張形態と膨張済み形態との間で移行可能である。幾つかの実施形態では、本装置及び方法は内視鏡処置に使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡処置中に消化管の管腔の少なくとも一部を塞ぐように構成された装置であって、
内側シャフトであって、近位部分及び遠位部分を有し、前記内側シャフトを貫通する管腔と、第1のアパーチャと、を画定している前記内側シャフトと、
外側シャフトであって、前記外側シャフトは、近位端部と、前記内側シャフトの前記遠位部分と結合された遠位端部と、を有し、前記外側シャフトを貫通する管腔を画定しており、前記外側シャフトは更に、可撓部材を含み、前記外側シャフト上の、前記可撓部材より近位側に配置された第2のアパーチャを画定しており、前記内側シャフトは、前記外側シャフトの前記管腔を通り抜けて延びており、
前記外側シャフトの少なくとも一部が、前記内側シャフトの前記遠位部分に向かって又は前記内側シャフトの前記遠位部分から離れるように軸方向に並進可能であり、
前記外側シャフトの少なくとも一部が前記内側シャフトの前記遠位部分に向かって又は前記内側シャフトの前記遠位部分から離れるように軸方向に並進するときに、前記可撓部材は未膨張形態と膨張済み形態との間で移行可能である、
前記外側シャフトと、
を含む装置。
【請求項2】
前記可撓部材は、前記外側シャフトの前記遠位端部より近位側に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可撓部材は、前記外側シャフトの前記遠位端部から約0.1~5インチのところにある、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記可撓部材は、前記外側シャフトの前記遠位端部から約0.8~1.2インチのところにある、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記内側シャフトは更に、前記内側シャフト(従って、前記可撓部材)に対して相対的な前記外側シャフトの動きを制限するように構成されたストッパを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記内側シャフトは更に、前記内側シャフトの表面に伸長インジケータを含み、前記伸長インジケータは、前記可撓部材を前記未膨張形態から前記膨張済み形態まで膨張させる為に前記外側シャフトを動かす必要がある軸方向並進長さを示す、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記伸長インジケータは更に、前記可撓部材の過膨張の状態を示す負の伸長インジケータを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記内側シャフトは更に、前記内側シャフトの前記遠位部分に先端を含み、前記遠位先端は、液体が前記内側シャフトの前記遠位先端から出ていくのを防ぐように構成された弁を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記内側シャフトの前記近位部分と結合された液体注入ポートを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記液体注入ポートと結合された注入装置を更に含み、前記注入装置は、前記液体注入ポートから前記第1及び第2のアパーチャを介して、前記可撓部材より近位側の前記患者の前記消化管内に前記液体を送達するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記可撓部材は近位端部及び遠位端部を含み、前記可撓部材の前記近位端部は前記外側シャフトと結合されており、前記可撓部材の前記遠位端部は前記内側シャフトと結合されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
ハンドルを更に含み、前記ハンドルは、前記内側シャフトと結合された近位端部と、前記外側シャフトと結合された遠位端部と、を有し、それによって、前記ハンドルの前記遠位端部は、前記外側シャフトの前記近位端部を前記内側シャフトの前記遠位部分に向けて又は前記内側シャフトの前記遠位部分から離すように動かすように、軸方向に並進可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記可撓部材の少なくとも第1の半分が複数のストラットを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記複数のストラットを収容するように構成されたカバーを更に含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のストラットは充填材料を囲む、請求項13~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記可撓部材は複数の水和可能ビードを含み、前記ビードは未膨張状態から膨張済み状態まで膨張するように構成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の水和可能ビードは、前記内側シャフト及び前記外側シャフトの一方又は両方を通って液体が注入されたときに膨張するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記可撓部材は編組材料を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記編組材料を収容するように構成されたカバーを更に含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記編組材料は充填材料を囲む、請求項18~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記編組材料はニチノールを含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記可撓部材が前記膨張済み形態のときに、前記第1のアパーチャは前記第2のアパーチャとほぼ位置が揃う、請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記可撓部材はバルーンを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記可撓部材は膨張可能材料でコーティングされている、請求項1~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記膨張可能材料は熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記内側シャフトと前記外側シャフトは、互いに対してほぼ回転固定されている、請求項1~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記可撓部材は、約2~4cmの径まで膨張する、請求項1~26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
内視鏡処置中に消化管の管腔の少なくとも一部を塞ぐように構成された装置であって、
細長ボディであって、前記細長ボディは、近位端部及び遠位端部を有し、前記細長ボディを貫通する管腔を画定しており、前記細長ボディは更に、可撓部材を含み、少なくとも2つのアパーチャを画定しており、第1のアパーチャが、前記細長ボディ上の、前記可撓部材より近位側に配置されており、第2のアパーチャが前記可撓部材を膨張させるように構成されており、
液体が前記細長ボディの前記管腔内を流れて、前記細長ボディの前記第2のアパーチャから流れ出ると、前記可撓部材は未膨張形態から膨張済み形態まで膨張することが可能である、
前記細長ボディ
を含む装置。
【請求項29】
前記細長ボディは更に、ガイドワイヤを受けて通すように構成された第2の管腔を画定している、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のアパーチャは、液体を前記消化管内に送達するように構成されている、請求項28~29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
内視鏡処置中に消化管の管腔の少なくとも一部を閉塞する方法であって、
細長部材の遠位端部を、患者の消化管内の狭窄部の近位側に隣接して配置するステップと、
流動抑制装置を進めて、前記細長部材によって画定された管腔を通り抜けさせ、前記患者の前記消化管内の前記狭窄部を通り抜けさせるステップであって、前記流動抑制装置は、可撓部材を含み、1つ以上のアパーチャを画定している、前記流動抑制装置を進める前記ステップと、
前記消化管内の前記狭窄部より遠位側で前記流動抑制装置の前記可撓部材を未膨張形態から膨張済み形態まで膨張させるステップと、
前記患者の前記消化管内に超音波内視鏡を進めるステップと、
前記流動抑制装置の前記1つ以上のアパーチャを通して前記消化管内に液体を注入するステップであって、前記可撓部材が前記膨張済み形態になると、前記可撓部材を通り過ぎる前記液体の流動が制限される、前記注入するステップと、
前記患者の前記消化管の少なくとも一部を前記超音波内視鏡で画像化するステップと、
を含む方法。
【請求項32】
前記細長部材は内視鏡である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記可撓部材の周囲から前記患者の前記下流消化管を通る前記液体の流量を230ml/分未満まで減らすステップを更に含む、請求項31~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記下流消化管は、前記患者の胃、小腸、又は大腸を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記配置するステップは更に、前記細長部材の前記遠位端部が前記狭窄部に隣接して配置されるように、前記細長部材を前記患者の前記消化管内に進めるステップを含む、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
ガイドワイヤを進めて、前記細長部材の前記管腔を通り抜けさせ、前記患者の前記消化管の前記狭窄部を通り抜けさせるステップであって、前記流動抑制装置は前記ガイドワイヤ上を通って前記狭窄部を通り抜ける、前記ガイドワイヤを進める前記ステップを更に含む、請求項31~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記超音波内視鏡を前記消化管内に進める前に前記消化管から前記細長部材を取り出すステップを更に含む、請求項31~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記注入するステップは更に、前記流動抑制装置の近位端部に液体注入ポートを結合するステップであって、前記液体注入ポートは、前記流動抑制装置によって画定された管腔を通して前記流動抑制装置の前記1つ以上のアパーチャから前記消化管内に前記液体を送達するように構成されている、前記液体注入ポートを結合する前記ステップを含む、請求項31~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記消化管は、食道、胃、小腸、大腸のうちの1つ以上を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
腸-腸瘻造設装置を進めて前記超音波内視鏡の管腔を通り抜けさせるステップを更に含む、請求項31~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
腸-腸瘻造設処置を実施するステップを更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記可撓部材を前記膨張済み形態から前記未膨張形態に折り畳むステップを更に含む、請求項31~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記流動抑制装置を前記消化管から取り出すステップを更に含む、請求項31~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記可撓部材の膨張又は収縮を容易にする為に前記流動抑制装置にハンドルを取り付けるステップを更に含む、請求項31~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記ハンドルをアクチュエートすることによって、前記外側シャフトを前記内側シャフトに対して相対的にマニピュレートするステップを更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記超音波内視鏡を前記消化管から取り出すステップを更に含む、請求項31~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記流動抑制装置は更に、
内側シャフトであって、近位部分及び遠位部分を有し、前記内側シャフトを貫通する管腔と、前記1つ以上のアパーチャのうちの第1のアパーチャと、を画定している前記内側シャフトと、
外側シャフトであって、前記外側シャフトは、近位端部と、前記内側シャフトの前記遠位部分と結合された遠位端部と、を有し、前記外側シャフトを貫通する管腔を画定しており、前記外側シャフトは、前記外側シャフト上の、前記可撓部材より近位側に配置された、前記1つ以上のアパーチャのうちの第2のアパーチャを画定しており、前記内側シャフトは、前記外側シャフトの前記管腔を通り抜けて延びている、前記外側シャフトと、
を含み、
前記可撓部材をマニピュレートする為に、前記外側シャフトの少なくとも一部が、前記内側シャフトの前記遠位部分に向かって又は前記内側シャフトの前記遠位部分から離れるように軸方向に並進可能である、
請求項31~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記消化管の管腔の内面を、前記可撓部材の外周部の少なくとも一部と接触させるステップを更に含む、請求項31~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
内視鏡処置中に消化管の管腔の少なくとも一部を閉塞する方法であって、
流動抑制装置を進めて、前記患者の消化管内の狭窄部を通り抜けさせるステップであって、前記流動抑制装置は、可撓部材を含み、1つ以上のアパーチャを画定している、前記流動抑制装置を進める前記ステップと、
前記消化管内の前記狭窄部より遠位側で前記流動抑制装置の前記可撓部材を未膨張形態から膨張済み形態まで膨張させるステップと、
前記患者の前記消化管内に超音波内視鏡を進めるステップと、
前記流動抑制装置の前記1つ以上のアパーチャを通して前記消化管内に液体を注入するステップであって、前記可撓部材が前記膨張済み形態になると、前記可撓部材を通り過ぎる前記液体の流動が制限される、前記注入するステップと、
前記患者の前記消化管の少なくとも一部を前記超音波内視鏡で画像化するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によってその内容が完全な形で本明細書に組み込まれている、2020年3月23日に出願された米国特許仮出願第62/993,192号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、全般的には、内視鏡検査の分野に関し、より具体的には、超音波内視鏡検査の分野に関する。本明細書では、処置中に体管腔を少なくとも部分的に閉塞するシステム及び方法について記載する。
【背景技術】
【0003】
現時点では、超音波内視鏡ガイド下処置(例えば、腸-腸瘻造設術(胃-腸瘻造設術を含む))は、腸の標的部位の超音波画像化及び管腔の膨張性の質による制限がある。消化管の部位は、画像化を実施できるように液体でひたひたにする。しかしながら、液体はすぐに消化管を通過してしまう為、標的介入の為の管腔の画像化及び膨張に使える時間は限られる。液体の流出に追いつくように大量の液体を注入することも可能であるが、注入されて腸に入る液体が多すぎると(500mlを超えると)代謝障害につながるおそれがある。そこで、消化管の標的部位からの流体の流出を抑制して、画像化品質の向上、より長い画像化時間、及び管腔の膨張性を可能にする、よりよい装置及び方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(例えば、内視鏡処置中に)体管腔を少なくとも部分的に閉塞する為の新規且つ有用な装置及び方法が必要とされている。本開示の一態様は、内視鏡処置中に消化管の管腔の少なくとも一部を塞ぐように構成された装置に関する。幾つかの実施形態では、本装置は、内側シャフトであって、近位部分及び遠位部分を有し、内側シャフトを貫通する管腔と、第1のアパーチャと、を画定している内側シャフトと、外側シャフトであって、近位端部と、内側シャフトの遠位部分と結合された遠位端部と、を有し、外側シャフトを貫通する管腔を画定している外側シャフトと、を含む。幾つかの実施形態では、外側シャフトは更に、可撓部材を含み、外側シャフト上の、可撓部材より近位側に配置された第2のアパーチャを画定している。幾つかの実施形態では、内側シャフトは、外側シャフトの管腔を通り抜けて延びており、外側シャフトの少なくとも一部が、内側シャフトの遠位部分に向かって又は内側シャフトの遠位部分から離れるように軸方向に並進可能である。幾つかの実施形態では、外側シャフトの少なくとも一部が内側シャフトの遠位部分に向かって又は内側シャフトの遠位部分から離れるように軸方向に並進するときに、可撓部材は未膨張形態と膨張済み形態との間で移行可能である。
【0006】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は、外側シャフトの遠位端部より近位側に配置されている。
【0007】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は、外側シャフトの遠位端部から約0.1~5インチのところにある。
【0008】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は、外側シャフトの遠位端部から約0.8~1.2インチのところにある。
【0009】
前述の実施形態のいずれにおいても、内側シャフトは更に、内側シャフト(従って、可撓部材)に対して相対的な外側シャフトの動きを制限するように構成されたストッパを含む。
【0010】
前述の実施形態のいずれにおいても、内側シャフトは更に、内側シャフトの表面に伸長インジケータを含み、伸長インジケータは、可撓部材を未膨張形態から膨張済み形態まで膨張させる為に外側シャフトを動かす必要がある軸方向並進長さを示す。
【0011】
前述の実施形態のいずれにおいても、伸長インジケータは更に、可撓部材の過膨張の状態を示す負の伸長インジケータを含む。
【0012】
前述の実施形態のいずれにおいても、内側シャフトは更に、内側シャフトの遠位部分に先端を含み、遠位先端は、液体が内側シャフトの遠位先端から出ていくのを防ぐように構成された弁を含む。
【0013】
前述の実施形態のいずれにおいても、本装置は更に、内側シャフトの近位部分と結合された液体注入ポートを含む。
【0014】
前述の実施形態のいずれにおいても、本装置は更に、液体注入ポートと結合された注入装置を含み、注入装置は、液体注入ポートから第1及び第2のアパーチャを介して、可撓部材より近位側の患者の消化管内に液体を送達するように構成されている。
【0015】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は近位端部及び遠位端部を含み、可撓部材の近位端部は外側シャフトと結合されており、可撓部材の遠位端部は内側シャフトと結合されている。
【0016】
前述の実施形態のいずれにおいても、本装置はハンドルを含み、ハンドルは、内側シャフトと結合された近位端部と、外側シャフトと結合された遠位端部と、を有し、それによって、ハンドルの遠位端部は、外側シャフトの近位端部を内側シャフトの遠位部分に向けて又は内側シャフトの遠位部分から離すように動かすように、軸方向に並進可能である。
【0017】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材の少なくとも第1の半分が複数のストラットを含む。
【0018】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は更に、複数のストラットを収容するように構成されたカバーを含む。
【0019】
前述の実施形態のいずれにおいても、複数のストラットは充填材料を囲む。
【0020】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は複数の水和可能ビードを含み、それらのビードは未膨張状態から膨張済み状態まで膨張するように構成されている。
【0021】
前述の実施形態のいずれにおいても、複数の水和可能ビードは、内側シャフト及び外側シャフトの一方又は両方を通って液体が注入されたときに膨張するように構成されている。
【0022】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は編組材料を含むか編組材料で形成されている。
【0023】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は更に、編組材料を収容するように構成されたカバーを含む。
【0024】
前述の実施形態のいずれにおいても、編組材料は充填材料を囲む。
【0025】
前述の実施形態のいずれにおいても、編組材料はニチノールを含む。
【0026】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材が膨張済み形態のときに、第1のアパーチャは第2のアパーチャとほぼ位置が揃う。
【0027】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材はバルーンを含む。
【0028】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は膨張可能材料でコーティングされている。
【0029】
前述の実施形態のいずれにおいても、膨張可能材料は熱可塑性ポリウレタンを含む。
【0030】
前述の実施形態のいずれにおいても、内側シャフトと外側シャフトは、互いに対してほぼ回転固定されている。
【0031】
前述の実施形態のいずれにおいても、可撓部材は、約2~4cmの径まで膨張する。
【0032】
本開示の別の態様は、内視鏡処置中に消化管の管腔の少なくとも一部を塞ぐように構成された装置に関する。幾つかの実施形態では、本装置は細長ボディを含み、細長ボディは、近位端部及び遠位端部を有し、細長ボディを貫通する管腔を画定している。幾つかの実施形態では、細長ボディは更に、可撓部材を含み、少なくとも2つのアパーチャを画定しており、第1のアパーチャが、細長ボディ上の、可撓部材より近位側に配置されており、第2のアパーチャが可撓部材を膨張させるように構成されている。幾つかの実施形態では、液体が細長ボディの管腔内を流れて、細長ボディの第2のアパーチャから流れ出ると、可撓部材は未膨張形態から膨張済み形態まで膨張することが可能である。
【0033】
前述の実施形態のいずれにおいても、細長ボディは更に、ガイドワイヤを受けて通すように構成された第2の管腔を画定している。
【0034】
前述の実施形態のいずれにおいても、第1のアパーチャは、液体を消化管内に送達するように構成されている。
【0035】
本開示の別の態様は、内視鏡処置中に消化管の管腔の少なくとも一部を閉塞する方法に関する。幾つかの実施形態では、本方法は、細長部材の遠位端部を、患者の消化管内の狭窄部の近位側に隣接して配置するステップと、流動抑制装置を進めて、細長部材によって画定された管腔を通り抜けさせ、患者の消化管内の狭窄部を通り抜けさせるステップであって、流動抑制装置は、可撓部材を含み、1つ以上のアパーチャを画定している、流動抑制装置を進める上記ステップと、消化管内の狭窄部より遠位側で流動抑制装置の可撓部材を未膨張形態から膨張済み形態まで膨張させるステップと、患者の消化管内に超音波内視鏡を進めるステップと、流動抑制装置の1つ以上のアパーチャを通して消化管内に液体を注入するステップであって、可撓部材が膨張済み形態になると、可撓部材を通り過ぎる液体の流動が制限される、上記注入するステップと、患者の消化管の少なくとも一部を超音波内視鏡で画像化するステップと、を含む。
【0036】
前述の実施形態のいずれにおいても、細長部材は内視鏡である。
【0037】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、可撓部材の周囲から患者の下流消化管を通る液体の流量を230ml/分未満まで減らすステップを含む。
【0038】
前述の実施形態のいずれにおいても、下流消化管は、患者の食道、胃、小腸、大腸のうちの1つ以上を含む。
【0039】
前述の実施形態のいずれにおいても、配置するステップは更に、細長部材の遠位端部が狭窄部の近位側に隣接して配置されるように、細長部材を患者の消化管内に進めるステップを含む。
【0040】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、ガイドワイヤを進めて、細長部材の管腔を通り抜けさせ、患者の消化管の狭窄部を通り抜けさせるステップであって、流動抑制装置はガイドワイヤ上を通って狭窄部を通り抜ける、上記ステップを含む。
【0041】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、超音波内視鏡を消化管内に進める前に消化管から細長部材を取り出すステップを含む。
【0042】
前述の実施形態のいずれにおいても、注入するステップは更に、流動抑制装置の近位端部に液体注入ポートを結合するステップであって、液体注入ポートは、流動抑制装置によって画定された管腔を通して流動抑制装置の1つ以上のアパーチャから消化管内に液体を送達するように構成されている、液体注入ポートを結合する上記ステップを含む。
【0043】
前述の実施形態のいずれにおいても、消化管は、食道、胃、小腸、大腸のうちの1つ以上を含む。
【0044】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、腸-腸瘻造設装置を進めて超音波内視鏡の管腔を通り抜けさせるステップを含む。
【0045】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、腸-腸瘻造設処置を実施するステップを含む。
【0046】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、可撓部材を膨張済み形態から未膨張形態に折り畳むステップを含む。
【0047】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、消化管から流動抑制装置を取り出すステップを含む。
【0048】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、可撓部材の膨張又は収縮を容易にするハンドルを流動抑制装置に取り付けるステップを含む。
【0049】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、ハンドルをアクチュエートすることによって、外側シャフトを内側シャフトに対して相対的にマニピュレートするステップを含む。
【0050】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、消化管から超音波内視鏡を取り出すステップを含む。
【0051】
前述の実施形態のいずれにおいても、流動抑制装置は更に、内側シャフトであって、近位部分及び遠位部分を有し、内側シャフトを貫通する管腔と、1つ以上のアパーチャのうちの第1のアパーチャと、を画定している内側シャフトと、外側シャフトであって、近位端部と、外側シャフトの遠位部分と結合された遠位端部と、を有し、外側シャフトを貫通する管腔を画定している外側シャフトと、を含む。幾つかの実施形態では、外側シャフトは、外側シャフト上の、可撓部材より近位側に配置された、1つ以上のアパーチャのうちの第2のアパーチャを画定している。幾つかの実施形態では、内側シャフトは、外側シャフトの管腔を通り抜けて延びており、可撓部材をマニピュレートする為に、外側シャフトの少なくとも一部が、内側シャフトの遠位部分に向かって又は内側シャフトの遠位部分から離れるように軸方向に並進可能である。
【0052】
前述の実施形態のいずれにおいても、本方法は更に、消化管の管腔の内面を、可撓部材の外周部の少なくとも一部と接触させるステップを含む。
【0053】
本開示の別の態様は、内視鏡処置中に消化管の管腔の少なくとも一部を閉塞する方法に関する。幾つかの実施形態では、本方法は、流動抑制装置を進めて、患者の消化管内の狭窄部を通り抜けさせるステップであって、流動抑制装置は、可撓部材を含み、1つ以上のアパーチャを画定している、流動抑制装置を進める上記ステップと、消化管内の狭窄部より遠位側で流動抑制装置の可撓部材を未膨張形態から膨張済み形態まで膨張させるステップと、患者の消化管内に超音波内視鏡を進めるステップと、流動抑制装置の1つ以上のアパーチャを通して消化管内に液体を注入するステップであって、可撓部材が膨張済み形態になると、可撓部材を通り過ぎる液体の流動が制限される、上記注入するステップと、患者の消化管の少なくとも一部を超音波内視鏡で画像化するステップと、を含む。
【0054】
ここまでは概要である為、当然のことながら、詳細については限られている。以下では、上述の態様、並びに本技術の他の態様、特徴、及び利点を、添付図面を参照しながら、様々な実施形態に関して説明する。
【0055】
図示の各実施形態は実施例に過ぎず、本開示を限定することを意図していない。各概略図は、特徴や概念を例示する為に描かれており、必ずしも正しい縮尺では描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本明細書の別の場所に記載の装置及び方法を使用しない場合の超音波内視鏡処置を概略的に示す。
【
図2】内視鏡が患者の消化管内を進む様子を概略的に示す。
【
図3】任意選択で、ガイドワイヤが
図2の内視鏡の管腔を通り抜けて進み、患者の消化管内の狭窄部を通り過ぎる様子を概略的に示す。
【
図4】流動抑制装置が未膨張形態で患者の消化管内を進み、狭窄部を通り過ぎる様子を概略的に示す。
【
図5】
図4の流動抑制装置の可撓部材を未膨張形態から膨張済み形態に展開して、患者の消化管を少なくとも部分的に閉塞する様子を概略的に示す。
【
図6】患者の消化管から内視鏡を取り出した様子を概略的に示す。
【
図7】超音波内視鏡が患者の消化管内を進む様子を概略的に示す。
【
図8】患者の消化管内に液体を送達する為に、流動抑制装置の内側シャフトに液体注入ポート及び注入装置を取り付けた様子を概略的に示す。
【
図9】
図8の液体注入ポート及び注入装置を流動抑制装置から取り外した様子を概略的に示す。
【
図10】流動抑制装置を膨張済み形態から未膨張形態に収縮させた様子を概略的に示す。
【
図11】流動抑制装置を患者の消化管から取り出した様子を概略的に示す。
【
図12】流動抑制装置の一実施形態の未膨張形態を示す。
【
図14】流動抑制装置の可撓部材の一実施形態を示し、この可撓部材は編組材料を含むか編組材料で形成されている。
【
図15】
図14の可撓部材の、編組材料の少なくとも一部を収容するカバーを含む一実施形態を示す。
【
図17B】流動抑制装置の内側シャフトと外側シャフトとの間の1つ以上の摩擦ロックの拡大図を示す。
【
図18】流動抑制装置の可撓部材の別の実施形態を示し、この可撓部材は未膨張形態である。
【
図22】
図21の流動抑制装置に似ている、流動抑制装置の別の実施形態の分解図を示す。
【
図24】流動抑制装置の可撓部材の別の実施形態の膨張済み形態を示す。
【
図26】本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの一実施形態を示す。
【
図27】アクチュエート済み状態の
図26のハンドルを、膨張済み形態の可撓部材とともに示す。
【
図28】ユーザが
図26のハンドルをマニピュレートする様子を示す。
【
図29A】
図26のハンドルを流動抑制装置の内側シャフトに固定するクランプの、
図27のA-Aにおける断面図を示す。
【
図30】本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの一実施形態を示す。
【
図31】可撓部材が膨張済み形態になった場合のアクチュエート済み状態の
図30のハンドルを示す。
【
図32】本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの一実施形態を示す。
【
図33】可撓部材が膨張済み形態になった場合のアクチュエート済み状態の
図32のハンドルを示す。
【
図34】本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの一実施形態を示す。
【
図35】可撓部材が膨張済み形態になった場合のアクチュエート済み状態の
図34のハンドルを示す。
【
図37】本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの一実施形態を示す。
【
図38】可撓部材が膨張済み形態になった場合のアクチュエート済み状態の
図37のハンドルを示す。
【
図39】流動抑制装置の可撓部材の別の実施形態の未膨張形態を示す。
【
図40】
図39の可撓部材の複数の水和可能要素の拡大図を示す。
【
図41】
図39の可撓部材の、遠位側表面に小穴があるカバーの拡大図を示す。
【
図47】
図44の流動抑制装置の様々な管腔の別の断面図を示す。
【
図48】
図44~53のハンドル及び/又は装置の為の栓の一実施形態を示す。
【
図49】
図39~47の流動抑制装置用のハンドルの斜視図を示し、ハンドルは
図48の栓を受けるように構成されている。
【
図51】
図49~50のハンドルの、開いている形態を示し、これは可撓部材を膨張させる為の液体を受けるように構成されている。
【
図54】流動抑制装置の前述の実施形態のいずれかを使用して体管腔の少なくとも一部を閉塞する方法を示す。
【
図55】2つ以上の可撓部材を含む流動抑制装置を使用して、体管腔を通る流動を抑制する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
ここまでは概要である為、当然のことながら、詳細については限られている。ここからは、上述の態様、並びに本技術の他の態様、特徴、及び利点を、様々な実施形態に関して説明していく。後述の実施形態を包含することは、本開示をそれらの実施形態に限定することを意図するものではなく、むしろ、当業者であれば、企図される発明の作成及び使用が可能であるようにすることを意図するものである。他の実施形態が利用されてもよく、本発明対象の趣旨又は範囲から逸脱しない限り、修正が行われてもよい。本明細書に記載及び図示されている本開示の各態様は、多様な形式でアレンジ、組み合わせ、修正、及び設計が行われてよく、それらの全てが明示的に企図されて本開示の一部を成す。
【0058】
本明細書では、体の体管腔を少なくとも部分的に閉塞する装置及び方法について記載する。閉塞することは、体管腔をブロックすること、体管腔に障害物を置くこと、体管腔を通る液体の流動を抑制すること、並びに体管腔を通って動く粒子、腫瘤、物体等を捕捉又はブロックすることを含んでよく、これらに限定されない。
【0059】
本明細書では、体管腔は、消化管、口腔、食道、胃、小腸、大腸、血管、動脈、静脈、心腔、腎腔又は腎管、腎臓、尿路、膀胱、尿道、膣管、子宮、頚部、気管、気管支分枝、気管支、細気管支、気道、リンパ本幹、胆管、膵管等を含んでよく、これらに限定されない。
【0060】
本明細書に記載の装置及び方法、並びにこれらの明らかな変形形態は、様々な処置において使用されてよい。処置又は医療業務範囲の例示的且つ非限定的な実施形態として、内視鏡検査、超音波画像化、血栓切除術(例えば、血餅粒子の捕捉)、胃空腸吻合術、生体組織検査(例えば、組織試料の捕捉)、画像化、診断、アブレーション、ステント留置術(例えば、管腔並置金属ステント)等がある。
【0061】
当業者であれば理解されるように、どの実施形態のテレスコープ式伸縮シャフトアセンブリも、元の設計から大きく逸脱することなく、本明細書に記載の他のどの実施形態でも使用されてよい。同様に、本明細書に記載のシングルシャフト実施形態はいずれも、元の設計から大きく逸脱することなく、本明細書に記載の他のどの実施形態でも使用されてよい。更に、当業者であれば理解されるように、本明細書に記載の可撓部材はいずれも、機械的に膨張してよく、液体注入によって膨張してよく、可撓部材内の1つ以上の元素の水和によって膨張してよく、又は他の任意の、可撓部材を膨張させる方法又は手段によって膨張してよい。更に、当業者であれば理解されるように、本明細書では、「膨張済み」及び「未膨張」のような語句を使用しているが、両極端の状態の間に任意の数の中間的な形態、又は中間的な膨張又は収縮の状態があることも想定している。
【0062】
幾つかの実施形態では、任意の1つ以上の構成要素がキットとして製造又は販売されてよい。例えば、キットは、流動抑制装置、内視鏡、注入装置、液体注入ポート、超音波内視鏡、又はこれらの組み合わせのうちの任意の1つ以上を含んでよい。キットは、様々な交換可能な可撓部材を有する流動抑制装置を含んでよく、それによって、ある可撓部材を取り外して別の可撓部材と交換することが可能である。
【0063】
本明細書に記載のように、流動抑制装置の可撓部材は、体管腔を通る液体の流量を低減する、体管腔の少なくとも一部をダム又は障害物で塞ぐ、体管腔を通る液体の流れを妨げる等の働きをしてよい。本明細書に記載の可撓部材は、ニチノール、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、ポリマーエーテルケトン、又は同様の、当該技術分野において知られている材料を含んでよく、又はこれらの材料で少なくとも部分的に形成されてよい。
【0064】
本明細書に記載のように、可撓部材は、未膨張形態から膨張済み形態まで膨張してよい。本明細書では、膨張は、第1の径から第2の径まで動くことを包含してよい(第1の径は第2の径より小さい)。代替又は追加として、膨張は、可撓部材の体積が第1の体積から第2の体積まで増えることを包含してよい(第1の体積は第2の体積より小さい)。体積は、可撓部材に囲まれた空間の体積、及び可撓部材の実際の被覆又は材料の体積のうちの一方又は両方を包含する。体積は、膨張済み部材に囲まれた空間の体積、及び充填材が入って膨張したり、充填材が抜けて収縮したりする材料(例えば、可撓部材、被覆等)の体積を包含するが、これらに限定されない。代替又は追加として、膨張は、体管腔(例えば、消化管)の少なくとも一部と接触している表面積が増えることを包含してよい。可撓部材は、膨張と収縮が処置中に1回ずつ行われてよく、或いは処置中に装置が適切に配置されるように2回以上行われてよい。
【0065】
本明細書では、液体、膨張液体、充填液体等は、水、生理食塩水、造影剤、薬剤(例えば、抗凝固薬、血栓溶解剤等)等を包含してよい。
【0066】
本明細書では、流体は、水、生理食塩水、造影剤、薬剤(例えば、抗凝固薬、血栓溶解剤等)、ガス、空気等を包含してよい。
【0067】
本明細書に記載の流動抑制装置は、交換長が内視鏡ワーキングチャネルの約1.5倍超、約2倍超、約2.5倍超、約3倍超、約3.5倍超等であってよい。例えば、流動抑制装置の交換長は、約3.5m超、約4m超、約4.5m超、約5m超等であってよい。
【0068】
図1は、本明細書の別の場所に記載の装置及び方法を使用しない場合の超音波内視鏡処置を概略的に示す。当該技術分野において知られている任意の方法(例えば、カテーテル、内視鏡等)で、患者10の消化管20の標的部位に液体が注入される。下流に向かう流動を制限するものが何もないので、消化管を通る液体流量18は高い。当業者であれば理解されるように、液体流量18は消化管の出口に示されているが、液体流量18は、消化管20内により局所化されてよく、処置後の一定期間にわたって消化管を通る量であってよい。消化管20の標的部位を液体で十分に満たした後、超音波内視鏡12を消化管20内へ進めて、(例えば、消化管20内の狭窄部26より遠位側にある)消化管20の標的部位を画像化する。超音波画像化の質は、消化管20が液体で満たされている時間によって制限され、この時間は、消化管20を通る液体流量18に正比例する。本明細書に記載の装置及び方法は、この液体流量18の問題を、消化管20を通る液体流量18を抑制することに向けた技術的ソリューションにより解決しようとしたものであり、これによって、長時間化による画像化の改善、消化管20内の組織のより広範な検査が可能になり、この装置及び方法が適用可能な、微細針吸引等の標的、或いは本当に全ての体管腔がより大きく提示される。
【0069】
図2~11は、本明細書の別の場所に記載の実施形態及び技術的ソリューションの一例示的方法を示す。
図2は、内視鏡22が患者10の消化管20内を進む様子を概略的に示す。任意選択で、
図3に示すように、ガイドワイヤ24が内視鏡22のワーキングチャネルを通り抜けて進み、患者10の消化管20内の狭窄部26を通り過ぎる。
図4に示すように、流動抑制装置28が、未膨張形態で、ガイドワイヤ24上を通って、又は単に内視鏡22の管腔内を通って、患者10の消化管20内を進んで、狭窄部26を通り過ぎる。次に、ガイドワイヤ24を取り出して、流動抑制装置28の可撓部材を、
図5に示すように、未膨張形態から膨張済み形態に展開して、患者10の消化管20を少なくとも部分的に閉塞する。次に、
図6に示すように、内視鏡22を患者の消化管20から取り出す。
図7に示すように、超音波内視鏡12が患者10の消化管20を進む。次に、
図8に示すように、患者10の消化管20内に液体を送達する為に、(例えば、液体注入ポート(例えば、トーイボースト、雌ルアーポート等)及び注入装置(例えば、注入ポンプ、シリンジ等)を含む)ハンドル30を、流動抑制装置の近位部分(例えば、内側シャフト又は細長ボディ)に取り付ける。注入された液体は、ほとんどが流動抑制装置28より近位側にとどまって、消化管20から出ていく液体によって決まるスケジュールに束縛されない、超音波内視鏡12の改善された画像化環境を提供する。これは、消化管を出ていく液体18で図示したように、液体が消化管20から出ていくことを流動抑制装置28が抑制又は阻止する為である。
図9に示すように、ハンドル30を流動抑制装置28の近位端から取り外し、
図10に示すように、流動抑制装置28を膨張済み形態から未膨張形態に移行させる。胃-腸瘻造設術が実施される実施形態では、場所Xが、小腸(十二指腸遠位部/空腸近位部)が胃と接続されることになる場所を示している。次に、
図11に示すように、流動抑制装置28を患者10の消化管20から取り出す。幾つかの実施形態では、流動抑制装置28は、超音波内視鏡12と一緒に取り出される。他の実施形態では、流動抑制装置28と超音波内視鏡12は、いずれかの順序で順次取り出される(例えば、流動抑制装置の次に超音波内視鏡、或いは、超音波内視鏡の次に流動抑制装置)。
【0070】
幾つかの実施形態では、
図55に示すように、流動抑制装置が2つ以上の可撓部材を含み、体管腔に注入された液体の少なくとも一部がそれらの可撓部材の間で保持される。この2つ以上の可撓部材は、順次、同時、又はほぼ同時に膨張してよく、順次、同時、又はほぼ同時に収縮してよい。
【0071】
図12及び13は、流動抑制装置1200の一実施形態の未膨張形態及び膨張済み形態をそれぞれ示す。体管腔の少なくとも一部を塞ぐように構成された装置が内側シャフト1210を含み、内側シャフト1210は、近位部分1232及び遠位部分1230を有し、内側シャフト1210の中を通る管腔2138(例えば、
図21に示す)と、第1のアパーチャ2118(例えば、
図21に示す)と、を画定している。内側シャフト1210の管腔2138は、ガイドワイヤを受けて通すように構成されており、それによって、流動抑制装置1200は、ガイドワイヤ上を通って体管腔内の標的又は所望部位に到達することが可能である。装置1200は更に、外側シャフト1212を含み、外側シャフト1212は、近位端部1226と、内側シャフト1210の遠位部分1230に結合された遠位端部1228と、を有し、外側シャフト1212の中を通る管腔2149(例えば、
図21に示す)を画定している。外側シャフト1212は更に、可撓部材1214を含み、外側シャフト1212上の、可撓部材1214より近位側に配置された第2のアパーチャ1216を画定している。内側シャフト1210は外側シャフト1212の管腔を通って延び、それによって、内側シャフト1210と外側シャフト1212は少なくとも部分的にテレスコープ式伸縮アセンブリを形成し、又は、内側シャフト1210と外側シャフト1212は同心のシャフト又はチューブを形成する。例えば、外側シャフト1212の少なくとも一部分が内側シャフト1210の遠位部分1230に向かう方向に又は遠位部分1230から離れる方向に、軸方向に並進可能であり、それによって、可撓部材1214が膨張したり(外側シャフト1212が内側シャフト1210の遠位部分1230に向かう方向に動く)、可撓部材1214が収縮したりする(外側シャフト1212が内側シャフト1210の遠位部分1230から離れる方向に動く)。幾つかの実施形態では、内側シャフト1210と外側シャフト1212は、互いに対してほぼ回転固定されている。幾つかのそのような実施形態では、可撓部材1214が膨張済み形態のときに、第1のアパーチャ1216は第2のアパーチャ2118とほぼ位置が揃う。別の実施形態では、内側シャフト1210と外側シャフト1212は互いに対して回転可能であり、それによって、可撓部材1214は、時計回り方向又は反時計回り方向にトルク付与可能である。幾つかの実施形態では、膨張済み形態の可撓部材1214のトルク付与された構成は、可撓部材1214より近位側にあって消化管に入る液体に、液体の差動流動特性又は差動運動特性を与える。
【0072】
可撓部材1214は、内側シャフト1210の(キャップ1224として示される)遠位端部より近位側に配置される。幾つかの実施形態では、可撓部材1214は、内側シャフト1210の遠位端部から約0.1~5インチのところにある。幾つかの実施形態では、可撓部材1214は、内側シャフト1210の(キャップ1224として示される)遠位端部から約0.8~1.2インチのところにある。
【0073】
内側シャフト1210は、任意選択で、伸長インジケータ1213を含み、例えば、正の伸長インジケータが、可撓部材1214を未膨張形態から膨張済み形態まで膨張させる為に外側シャフト1212を動かす必要がある軸方向並進長さを示す。これは、例えば、可撓部材1214の過伸長又は伸長不足を防ぐものである。幾つかの実施形態では、伸長インジケータ1213は更に、負の伸長インジケータを含み、これは、可撓部材1214の過膨張の状態を示す。例えば、可撓部材は、ほぼ又は約2~4cm、約1.5~4.5cm、約3~5cm、約1~3cm等の径まで膨張する。別の実施形態では、内側シャフト1210上の伸長インジケータが外側シャフト1212を通して見えるように、外側シャフト1212の近位端部1226に窓又は切り欠きが画定されている。伸長インジケータ1213は、色、視覚パターン、触覚パターン(例えば、小さなコブ、線状の突起等)、ハプティクス等のうちの1つ以上を含んでよい。例えば、正の伸長インジケータは緑色であってよく、負の伸長インジケータは赤色であってよい。本明細書に記載の流動抑制装置はいずれも、任意選択で伸長インジケータを含んでよい。
【0074】
代替又は追加として、内側シャフト1210と外側シャフト1212との間に触覚インジケータ(例えば、機械的ストッパ)が存在してよく、それによって、外側シャフト1212が内側シャフト1210の特定の長さを通り過ぎて摺動することを阻まれ、これが可撓部材1214の過伸長又は伸長不足を防ぐことになる。
図17Bに示すように、1つ以上の摩擦ロック1413が内側シャフト1410の外径上、及び/又は外側シャフト1412の内径上に配置されてよく、これにより、可撓部材が膨張済み形態のときに内側シャフト1410が外側シャフト1412を通り過ぎて摺動することを阻まれる。摩擦ロックは、内側シャフト1410の外径と外側シャフト1412の内径との間に摩擦を発生させることにより、外側シャフト1412と内側シャフト1410との間のすべり又は摺動を防ぐ。そのような摩擦は、可撓部材1214の膨張済み状態の不意の変化を防ぎうる。本明細書に記載の流動抑制装置はいずれも、任意選択で1つ以上の機械式ストッパ又はロックを含んでよい。
【0075】
更に、本明細書に記載の流動抑制装置はいずれも、
図16に示すように、膨張ストッパ1435を含んでよい。膨張ストッパ1435は、可撓部材1414の膨張時に、外側シャフト1412の遠位端部1428が突き当たる、内側シャフト1410上の可動又は固定の同心チューブ、及び/又は、可撓部材1414の膨張時に、外側シャフト1412が突き当たる、内側シャフト1410の外径上の1つ以上の固定の突起、環等のうちの一方又は両方を含む。代替として、外側シャフト1412の遠位端部1428が結合部1420を越えて伸びてよく、それによって、可撓部材1414の膨張時に外側シャフト1412の遠位端部1428が、内側シャフト1410と可撓部材1410との間の結合部1422に突き当たる。一実施形態では、
図16に示すように、可撓部材1414の未膨張形態から膨張済み形態への移行時に、外側シャフト1412の遠位端部1428が膨張ストッパ1435に押し当たる。膨張ストッパ1435は、可撓部材1414の展開時に外側シャフト1412が可撓部材1414を過膨張させるのを防ぐ。可撓部材1414が過膨張した場合、可撓部材1414は平らになり始め、それによって、薄いリムができて、これが、可撓部材1414が配置されている体管腔を刺激したり、更には傷つけたりするおそれがある。平らになった形状は更に、又は代替として、折り重なって、その、液体流動を抑制又はブロックする能力を減じたり、その効果を弱めたりする可能性がある。
【0076】
更に、
図12~13に示すように、可撓部材は近位端部及び遠位端部を含み、可撓部材1214の近位端部1220は外側シャフト1212と結合されており、可撓部材1214の遠位端部1222は内側シャフト1210と結合されている。可撓部材1214は、位置1220で外側シャフト1212と結合されており、可撓部材1214は、位置1222で内側シャフト1210と結合されている。可撓部材1214と外側シャフト1212との間、及び可撓部材1214と内側シャフト1210との間の結合は、接着剤、粘着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、機械的結合(例えば、止めピン付き又は相補形の面同士)、溶剤結合、又は他の任意の、当業者に知られている方法で行われてよい。
【0077】
内側シャフト1210は更に、遠位先端カバー1224を含み、遠位先端カバー1224は、図示のように、且つ本明細書の別の場所に記載のように、その中に弁(例えば、ダックビル弁)を含み、この弁は、内側シャフト1210の管腔を通って運ばれてきた液体が、流動抑制装置1200の遠位端部又は先端から出ていくのを防ぎ、同時に、ガイドワイヤがそこを通り抜けることを可能にする。
【0078】
幾つかの実施形態では、体管腔を少なくとも部分的に閉塞する一システムが、流動抑制装置1200を含み、更に、内側シャフト1210の近位部分1232と結合された液体注入ポート(例えば、トーイボースト弁、雌ルアーポート等)と、液体注入ポートと結合された注入装置(例えば、ポンプ、シリンジ等)と、を含み、注入装置は、液体注入ポートから第1及び第2のアパーチャ1216、2118を介して、可撓部材1214より近位側の患者の消化管内に液体を送達するように構成されている。アパーチャ1216、2118は、径が約0.005~0.05インチ、例えば、約0.01~0.05インチであってよい。
【0079】
図14~17Aは、流動抑制装置の別の実施形態1400を示す。流動抑制装置1400の可撓部材1414は、代替材料1434を含むか、少なくとも一部が代替材料1434で形成されており、代替材料1434は、例えば、編組されたニチノール、ステンレス綱、コバルトクロム合金、チタン、金、白金、銀、イリジウム、タンタル、タングステン等である。幾つかの実施形態では、編組材料は更に、本明細書の別の場所に記載のように、充填材料又は水和可能材料を囲んでよい。代替又は追加として、可撓部材1414の代替材料1434は又、あるパターンにカットされたチューブ、又はほぼ軸方向に整列した繊維の束で形成されてよく又はこれを含んでよく、これは、軸方向に圧迫されたときに膨張することになる(ステントと似ている)。可撓部材1414は更に、カバー1436で覆われてよく、これは、例えば、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、又は同様の材料を含むか、少なくとも一部がその材料で形成される。カバー1436は、可撓部材1414の少なくとも一部又は全体を収容してよい。例えば、幾つかの実施形態では、カバー1436は、可撓部材1414の近位側又は近位部分1415だけを覆ってよい。
図12~13に関して上述したように、流動抑制装置1400は更に、内側シャフト1410と、外側シャフト1412と、アパーチャ1416と、内側シャフト管腔1428と、可撓部材と外側シャフトとの結合部1420と、可撓部材と内側シャフトとの結合部1422と、を含む。内側シャフト1210の遠位先端の更なる細部を、
図16~17Aに示している。内側シャフト1210の遠位端部1430は、遠位先端1450と、弁1446と、遠位先端1450に固定されたキャップ1424と、を含む。キャップ1424は、幾つかの実施形態では、キャップ1424を貫通するアパーチャ1452を画定しており、それによって、ガイドワイヤ又は他の細長デバイスが内側シャフト1210の管腔1438を通り抜けて、キャップ1424によって画定されたアパーチャ1452から出ることが可能である。弁1446及びキャップ1424は、管腔1438を通って運ばれてきた液体が、流動抑制装置1400の遠位端部から放出されるのを防ぎ、その一方で、ガイドワイヤ又は他の細長デバイスがキャップ1424及びアパーチャ1452を通り抜けることを可能にしている。
図16~17Aの可撓部材1414は、膨張済み形態(
図16)と未膨張形態(
図17A)との間で移行可能であり、これは、
図12~13に関して上述したものと似ている。
【0080】
図18~21は、流動抑制装置の別の実施形態1800の可撓部材1814を示す。可撓部材1814は、
図18に示した未膨張形態と、
図19~21に示した膨張済み形態との間で移行可能である。上述の各実施形態と同様に、
図18~21の流動抑制装置は、互いに対して軸方向に並進可能な(1840)内側シャフト1810、2110(中を通る管腔1838、2138を画定している)及び外側シャフト1812、2112(中を通る管腔2149を定義している)と、可撓部材1814、2114と、外側シャフト2112の1つ以上のアパーチャ2116と、内側シャフト2110の1つ以上のアパーチャ2118と、外側シャフト1812、2112と可撓部材1814、2114との間の第1の(近位)結合部1820、2120と、内側シャフト1810、2110と可撓部材1814、2114との間の第2の(遠位)結合部1822、2122と、上述のような同様の内部構成要素(例えば、内側シャフト2110の弁2146、ガイドワイヤ管腔2152、遠位先端2150)を有する遠位キャップ1824、2124と、を含む。但し、この実施形態では、可撓部材1814、2114の少なくとも第1の半分が複数のストラット1844、2144を含む。当然のことながら、任意の数のストラットが企図されており、例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は12個のストラットが企図されている。複数のストラット1844、2144は、複数のジョイント1842、2142を含む。
図21は、
図18の流動抑制装置1800の分解図を示す。例えば、各ストラットは、ジョイント2142で互いに結合された近位ストラット2144a及び遠位ストラット2144bと、近位ハブ2163aと、遠位ハブ2163bと、で形成されてよい。ジョイント2142は、可撓部材2114が、ジョイント2142を中心として近位ストラット2144aが遠位ストラット2144bに対してほぼ又は約180度にある未膨張形態から、ジョイント2142を中心として近位ストラット2144aが遠位ストラット2144bに対してほぼ又は約20~70度にある膨張済み形態に移行することを可能にする。可撓部材2114は更に、カバー2136を含んでよく、カバー2136は遠位カバーハブ2159を介して内側シャフト2110と結合され、カバー2136は複数のストラット2144を収容するように構成されている。幾つかの実施形態では、任意選択で、複数のストラット2144は充填材料を囲む。
【0081】
図22~23は、流動抑制装置の別の実施形態の可撓部材2214を示し、この可撓部材は
図18~21の可撓部材と似ている。
図22に示すように、流動抑制装置は、上述の流動抑制装置と同様の構成要素、即ち、互いに対して軸方向に並進可能な内側シャフト2210(中を通る管腔2238を画定している)及び外側シャフト2212(中を通る管腔2249を定義している)と、可撓部材2214と、外側シャフト2212の1つ以上のアパーチャ2216と、内側シャフト2210の1つ以上のアパーチャ2218と、外側シャフト2212と可撓部材2214との間の第1の(近位)結合部2220と、内側シャフト2210と可撓部材2214との間の第2の(遠位)結合部2222と、上述のような同様の内部構成要素(例えば、内側シャフト2210の弁2246、ガイドワイヤ管腔2252、遠位先端2250)を有する遠位キャップ2224と、を含む。但し、この実施形態では、可撓部材2214の少なくとも第1の半分が複数のストラット2248を含む。複数のストラット2248は、複数のジョイント2242を含む。例えば、各ストラットは、ジョイント2242で互いに結合された近位ストラット2244a及び遠位ストラット2248bと、近位ハブ2263aと、遠位ハブ2263bと、で形成されてよい。
図22に示すように、近位ストラット2248aは、遠位ストラット2248bの約2倍の長さである為(近位ストラット:遠位ストラット=2:1)、ジョイント2242は、近位ストラット2248aの長さL
2248を半分ほど下ったところにある。別の実施形態では、近位ストラット2248aと遠位ストラット2248bの長さの比は、約1.5:1、約3:1、約2.5:1、約4:1等である。
図22~23に示した、近位ストラット2248aの自由端2251は、後処理方法により組織を傷つけないようにでき、或いは、カバー2236に対する追加又は代替として、組織を傷つけない材料で覆うことが可能である。ジョイント2242は、可撓部材2214が、ジョイント2242を中心として近位ストラット2148aが遠位ストラット2248bに対してほぼ又は約180度にある未膨張形態から、ジョイント2242を中心として近位ストラット2248aが遠位ストラット2248bに対してほぼ又は約20~70度にある膨張済み形態に移行することを可能にする。可撓部材2214は更に、
図23に示すように、複数のストラット2248を収容するように構成されたカバー2236を含んでよい。カバー2236は、遠位カバーハブ2259bを介して内側シャフト2210と結合されており、近位カバーハブ2259aを介して外側シャフト2212と結合されている。カバー2236は、空間又はエンクロージャ2256を画定してよい。幾つかの実施形態では、任意選択で、エンクロージャ2256を流体(例えば、ガス、水、薬剤等)又は充填材料で満たすことが可能であってよい。
【0082】
図23の幾つかの実施形態では、複数のストラット2248からなる凹面が流動抑制装置の近位端部に面してよく、複数のストラット2248を覆うカバー2236が、よりストラットに密着してよく、それによって、複数のストラットは、よりカゴ状になって、例えば、生検試料、血餅等を収集するように働く。
【0083】
図24~25は、可撓部材2414を含む、流動抑制装置の別の実施形態2400を示す。流動抑制装置2400は、上述の流動抑制装置と同様の特徴、即ち、互いに対して軸方向に並進可能な(2440)内側シャフト2410及び外側シャフト2412と、可撓部材2414と、外側シャフト2412の1つ以上のアパーチャ2416と、外側シャフト2412と可撓部材2414との間の第1の(近位)結合部2420と、内側シャフト2410と可撓部材2414との間の第2の(遠位)結合部2422と、上述のような同様の内部構成要素(例えば、内側シャフトの弁、ガイドワイヤ管腔、遠位先端等)を有する遠位キャップ2424と、を含む。但し、この実施形態では、可撓部材2414は、(例えば、編組、レーザカット等が行われた)コーティングされた(2454)代替材料を含むか、これで形成される。編組され、コーティングされた(2454)可撓部材2414は、上述のように、エンクロージャ2456を画定している。このように、可撓部材2414は、カバーを含むわけではなく、その代わりに、代替材料を覆うコーティング2454を含んでおり、これは、1つ以上のアパーチャ2416から消化管に液体が注入された後に、液体が可撓部材2414から流出するのを防ぐように働く。
【0084】
次に
図26~38を参照すると、これらは、本明細書に記載の流動抑制装置の様々なハンドル構成を示す。本明細書では、ハンドルは、可撓部材を未膨張状態から膨張済み状態に移行させ、必要に応じて未膨張状態に戻すように、流動抑制装置をマニピュレートし、可撓部材を(例えば、機械的に、流体的に等)アクチュエートするように構成された任意の装置を意味する。ハンドルは、アクチュエーション、可撓部材内への流体又は液体の輸送、流動抑制装置の1つ以上のポートに栓をすること等に使用されてよい。
【0085】
図26~29Bは、本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの一実施形態2660を示す。
図26は、未アクチュエート状態のハンドル2660を未膨張形態の可撓部材2614とともに示し、
図27は、アクチュエート済み状態のハンドル2660を膨張済み形態の可撓部材2614とともに示す。
図26~27に示すように、流動抑制装置は、内側シャフト2610と、外側シャフト2612と、外側シャフト2612と可撓部材2614との間の第1の(近位)結合部2620と、内側シャフト2610と可撓部材2614との間の第2の(遠位)結合部2622と、上述のような同様の内部構成要素(例えば、内側シャフトの弁、ガイドワイヤ管腔、遠位先端等)を有する遠位キャップ2624と、を含む。ハンドル2660の近位端部2662は内側シャフト2610と結合されており、ハンドル2660の遠位端部2664は外側シャフト2612と結合されている。
図28に示すように、使用中は、ユーザの手2674がハンドルボディ2666を指2667と掌とで握ってよく、ハンドル2660の遠位端部2664を親指2669でマニピュレートしてよい。ハンドル2660の遠位端部2664がハンドルボディ2666に対して相対的に軸方向に並進することによって、外側シャフト2612の、内側シャフト2610に対して相対的な軸方向並進2640が推進され、それによって、ハンドル2660の遠位端部2664がハンドルボディ2666から離れて遠位方向に動くと、可撓部材2614が膨張して膨張済み形態(
図27)になり、ハンドル2660の遠位端部2664がハンドルボディ2666に向かって近位方向に動くと、膨張済みの可撓部材2614が未膨張形態(
図26)に移行する。ハンドル2660の近位端部2662は、クランプ2658で内側シャフト2610に固定されている。クランプ2658の詳細を
図29A~29Bに示す。本明細書の別の場所に記載の幾つかの実施形態では、クランプ2658に似たクランプが使用されている。
【0086】
図29A~29Bに示すように、クランプ2658は、上部クランプボディ2658a及び下部クランプボディ2658bを、それらの間の可動ウェッジ2673とともに含む。ノブ2668をアクチュエートして(例えば、回転させて)スクリュー2670をアクチュエートすると、可動ウェッジ2673が下部クランプボディ2658bに向かって動いて、上部クランプ面2672aと下部又は底部クランプ面2672bとの間に固定された内側シャフト2610に力がかかる。上部クランプ面2672a及び下部クランプ面2672bは、それぞれが、内側シャフト2610をそれらの間に受けて固定する為のサイズ及び形状の相補的な溝2675を含んでよい。
【0087】
図30~31は、本明細書の別の場所に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの別の実施形態3060を示す。ハンドル3060の第1の端部(近位端部)3076は内側シャフト3010と結合されており、ハンドル3060の第2の端部(遠位端部)3078は外側シャフト3012と結合されている。ハンドル3060の近位端部3076と遠位端部3078は、可撓ハンドルバー3080で互いに結合されており、且つ、第1の(近位)端部3076と結合された第1のテレスコープ式伸縮チューブ(近位チューブ)3082と、第2の(遠位)端部3078と結合された第2のテレスコープ式伸縮チューブ(遠位チューブ)3084とで互いに結合されており、遠位チューブ3084は、近位チューブ3082の管腔内で軸方向に並進可能である。ハンドル3060は、可撓ハンドルバー3080をテレスコープ式伸縮チューブ3082、3084に対して(即ち、向かって)押しつぶすことによってアクチュエートされる。そのようにして、可撓ハンドルバー3080が平らになり、細長くなり、それによって、遠位端部3078が近位端部3076から遠ざかるように押し退けられ、即ち、ハンドル3060の遠位端部3078がハンドル3060の近位端部3076に対して相対的に軸方向に並進して(3040)、可撓部材が未膨張形態(
図30)から膨張済み形態(
図31)に移行する。例えば、
図31に示すように、ハンドル3060の遠位端部3078が遠位方向に動くにつれて(且つ可撓ハンドルバー3080が細長くなるにつれて)、遠位チューブ3084が近位チューブ3082の管腔から外に伸びて、可撓部材が膨張する。逆に、
図30に示すように、ハンドル3060の遠位端部3078が近位方向に動くにつれて(且つ可撓ハンドルバー3080が細長くなくなるにつれて)、遠位チューブ3084が近位チューブ3082の管腔内にほぼ又は完全に入って、可撓部材は未膨張形態になる。内側シャフト3010は、上述のクランプ2658に似ているクランプ3058でハンドル3060内に固定されており、内側シャフト3010は、遠位チューブ3084内に同軸配置されており、遠位チューブ3084は、近位チューブ3082内に同軸配置されている。
【0088】
図32~33は、本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの別の実施形態3260を示す。ハンドル3260は、上述のハンドル3060に似ており、以下の特徴、即ち、内側シャフト3210と結合された、ハンドル3260の第1の端部(近位端部)3276と、外側シャフト3212と結合された、ハンドル3260の第2の端部(遠位端部)3278と、上部可撓ハンドルバー3280a及び下部可撓ハンドルバー3280bで互いに結合された、ハンドル3260の近位端部3276及び遠位端部3278と、近位端部3276と結合された近位チューブ3278と、遠位端部3278と結合された遠位チューブ3284とで互いにに結合された、ハンドル3260の近位端部3276及び遠位端部3278と、を含む。ハンドル3260は、上部可撓ハンドルバー3280a及び下部可撓ハンドルバー3280bを一緒に(即ち、互いに向けて)押しつぶすことによってアクチュエートされる。そのようにして、上部可撓ハンドルバー3280a及び下部可撓ハンドルバー3280bが平らになり、細長くなり、それによって、遠位端部3278が近位端部3276から遠ざかるように押し退けられ、即ち、ハンドル3260の遠位端部3278がハンドル3260の近位端部3276に対して相対的に軸方向に並進して(3240)、可撓部材が未膨張形態(
図32)から膨張済み形態(
図33)に移行する。例えば、
図32に示すように、ハンドル3260の遠位端部3278が遠位方向に動くにつれて(且つ可撓ハンドルバー3280A、3280Bが細長くなるにつれて)、遠位チューブ3284が近位チューブ3282の管腔から外に伸びて、可撓部材が膨張する。逆に、
図32に示すように、ハンドル3260の遠位端部3278が近位方向に動くにつれて(且つ可撓ハンドルバー3280a、3280bが細長くなくなるにつれて)、遠位チューブ3284が近位チューブ3282の管腔内にほぼ又は完全に入って、可撓部材は未膨張形態になる。内側シャフト3210は、上述のクランプ2658に似ているクランプ3258でハンドル3260内に固定されており、内側シャフト3210は、遠位チューブ3284内に同軸配置されており、遠位チューブ3284は、近位チューブ3282内に同軸配置されている。
【0089】
図34~36は、本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの別の実施形態3460を示す。ハンドル3460は、大まかな構造は
図30~33に示したハンドルと同じであるが、明らかな違いが幾つかある。
【0090】
図30~33との類似に関しては、ハンドル3460は、内側シャフト3410と結合された、ハンドル3460の第1の(近位)端部3476と、外側シャフト3412と結合された、ハンドル3460の第2の(遠位)端部3478と、可撓ハンドルバー3480で互いに結合された、ハンドル3460の近位端部3476及び遠位端部3478と、近位端部3476と結合された近位チューブ3482と、遠位端部3478と結合された遠位チューブ3484と、を含む。ハンドル3460は、可撓ハンドルバー3480をテレスコープ式伸縮チューブ3482、3484に対して(即ち、向かって)押しつぶすことによってアクチュエートされる。そのようにして、可撓ハンドルバー3480が平らになり、細長くなり、それによって、遠位端部3478が近位端部3476から遠ざかるように押し退けられ、即ち、ハンドル3460の遠位端部3478がハンドル3460の近位端部3476に対して相対的に軸方向に並進して(3440)、可撓部材が未膨張形態(
図34、
図36)から膨張済み形態(
図35)に移行する。例えば、
図35に示すように、ハンドル3460の遠位端部3478が遠位方向に動くにつれて(且つ可撓ハンドルバー3480が細長くなるにつれて)、遠位チューブ3484が近位チューブ3482の管腔から外に伸びて、可撓部材が膨張する。逆に、
図34に示すように、ハンドル3460の遠位端部3478が近位方向に動くにつれて(且つ可撓ハンドルバー3480が細長くなくなるにつれて)、遠位チューブ3484が近位チューブ3482の管腔内にほぼ又は完全に入って、可撓部材は未膨張形態になる。内側シャフト3410は、上述のクランプ2658に似ているクランプ3458でハンドル3460内に固定されており、内側シャフト3410は、遠位チューブ3484内に同軸配置されており、遠位チューブ3484は、近位チューブ3482内に同軸配置されている。
【0091】
図30~33との違いに関しては、
図36に最もよく示すように、ラッチ3488が可撓ハンドルバー3480から延びて段付き延長部3486と相互作用して結合することにより、ハンドルが流動抑制装置を展開済み構成に(可撓部材を膨張済み形態に)固定することが可能である。更に、近位端部3476がブラケット(フォーク)3476aを含み、フォーク3476aは穴部3476cを受け入れる形状になっており、穴部3476cはピン3476bでフォーク3476a内に固定されている。遠位端部3478も同様の構成を含み、ブラケット(フォーク)3478aが穴部3478cを受け入れる形状になっており、穴部3478cはピン3478bでフォーク3478a内に固定されている。そのようにして、可撓ハンドルバー3480がアクチュエートされると(即ち、テレスコープ式伸縮チューブ3482、3484に向かって押しつぶされると)遠位端部3478が近位端部3476から遠ざかるように動き、可撓ハンドルバー3480が未アクチュエート状態に戻ると遠位端部3478が近位端部3476に向かって動き、それらによって、穴部3476c、3478cがフォーク3476a、3478a内でピン3476b、3478bを中心として枢動する。
【0092】
図37~38は、本明細書に記載の流動抑制装置のいずれとも使用されるように構成されたハンドルの別の実施形態3760を示す。ハンドル3760は、
図29A~29Bで説明したクランプに似ているクランプのセットを使用して、内側シャフト3710を外側シャフト3712に対して相対的にマニピュレートする。
図29A~29Bに関して説明した機構により、ハンドル3760の近位端部ボディ3766aが内側シャフト3710と結合されており、遠位端部ボディ3766bが外側シャフト3712と結合されている。例えば、近位クランプ3758aが内側シャフト3710と結合されており、遠位クランプ3758bが外側シャフト3712と結合されている。外側シャフト3712と結合された遠位ボディ3766bが流動抑制装置の遠位端部に向かって軸方向に並進すると(3740)、流動抑制装置の可撓部材が膨張し、外側シャフトと結合された遠位ボディが近位端部(従って、近位ボディ3766a)に向かって軸方向に並進すると(3740)、膨張済みの可撓部材が未膨張形態に移行する。
【0093】
図39~47は、流動抑制装置の様々な実施形態を示しており、これらは、本明細書の別の場所に記載の他のいずれかの流動抑制装置の特徴(例えば、伸長インジケータ、機械式ストッパ、膨張ストッパ、材料等)のいずれか又は全てを含んでよい。
図39~47に示した実施形態は、複数の形態で存在してよい。例えば、流動抑制装置は、同心のチューブ(内側シャフト及び外側シャフト。上述のとおり、且つ本明細書の別の場所に記載のとおり)又は1つの細長い部材(後で詳述のとおり)を含んでよい。更に、
図39~47の流動抑制装置は、2つ以上の管腔を含んでよい。例えば、一実施形態では、流動抑制装置は3つの管腔を含む。1つの管腔はガイドワイヤを通す為のものであり、1つの管腔は、流動抑制装置の可撓部材を膨張させる膨張液体を受けて通すように構成されたものであり、1つの管腔は、処置の為に体管腔を満たす液体を受けるように構成されたものである。別の実施形態では、流動抑制装置は2つの管腔を含む。1つの管腔はガイドワイヤを通す為のものであり、1つの管腔は、可撓部材を膨張させ、処置の為に体管腔を満たす液体を受けるように構成されたものである。
【0094】
ここで
図39~43を参照すると、これらは流動抑制装置の一実施形態3900を示す。処置中に体管腔の少なくとも一部を塞ぐように構成された装置3900が細長ボディ3990を含み、細長ボディ3990は、近位端部3990a及び遠位端部3990bを有し、中を通る管腔3992を画定している。細長ボディ3990は更に、可撓部材3914を含み、可撓部材3914は、第1の(近位)位置3993a及び第2の(遠位)位置3993bで細長ボディ3990と結合されている。細長ボディ3990は、少なくとも2つのアパーチャ3991、3998を画定している。第1のアパーチャ3991は、細長ボディ3990上の、可撓部材3914より近位側に配置されており、流動抑制装置3900が配置される体管腔内に液体を送達するように構成されている。第2のアパーチャ3998は、可撓部材3914の中にあり、可撓部材3914を膨張流体で膨張させるように構成されている。液体が細長ボディ3990の管腔3992内を流れて、細長ボディ3990の第2のアパーチャ3998から流れ出ると、可撓部材3914は、
図39に示した未膨張形態から、
図43に示した膨張済み形態まで膨張することが可能である。幾つかの実施形態では、細長ボディ3990は更に、
図42に示すように、ガイドワイヤを受けて通すように構成された第2の管腔3994を画定している。任意選択で、幾つかの実施形態では、細長ボディ3990は更に、別の液体を受けて通すように構成された第3の管腔を画定しており、その液体は、例えば、患者の体管腔を満たすものであり、且つ/又は流動抑制装置3900の可撓部材3914を満たすものである。細長ボディ3990は遠位キャップ3924を含み、遠位キャップ3924は、本明細書の別の場所に記載の遠位キャップと似ていて、同様の構成要素(例えば、弁、細長ボディの遠位先端、ガイドワイヤ管腔)を含み、ガイドワイヤを通す一方、流動抑制装置3900の遠位端部3990bから液体が逃げるのを防ぐように働く。
【0095】
図39~43に示すように、可撓部材3914は、複数の水和可能ビード3996を含む膨張可能材料を含むか、これによって形成されており、それによって、液体がアパーチャ3998から可撓部材3914に注入されると、ビード3996が膨張して未膨張状態から膨張済み状態になることが可能である。複数の水和可能ビード3996は、水和済み状態になると、可撓部材3914によって画定されている空間をほぼ又は完全に使い切ることが可能である。本明細書の別の場所に記載のような、細長ボディが1つあるだけではなく内側シャフトと外側シャフトがある、流動抑制装置3900の別の実施形態では、複数の水和可能ビード3996は、内側シャフト及び外側シャフトの一方又は両方を通って液体が注入されたときに膨張するように構成されている。可撓部材3914は更に、可撓部材3914の遠位側に1つ以上の小穴3995を画定してよく、これらの小穴は、複数の水和可能ビード3996が最大容量、閾値、又は平衡状態に達したときに余剰の液体を可撓部材3914から放出する為のものである。幾つかの実施形態では、流動抑制装置3900は、単一の細長部材の代わりに、本明細書の別の場所に記載のように内側シャフト及び外側シャフトの構成を含む。
【0096】
図44~47は、流動抑制装置の別の実施形態4400を示す。流動抑制装置4400は、上述の流動抑制装置3900と同様に、ガイドワイヤ管腔4494及び注入管腔4492(並びに任意選択で、本明細書の別の場所に記載のような第3の管腔)を画定している細長ボディ4490を含む。細長ボディ4490は更に、第1のアパーチャ4491及び第2のアパーチャ4498を画定している。第1のアパーチャ4491は、流動抑制装置上の、可撓部材4414より近位側に配置されており、流動抑制装置が配置される体管腔を満たすように働く。第2のアパーチャ4498は、可撓部材4414の中にあり、可撓部材4414を液体で膨張させるように働く。可撓部材4414は、近位結合位置4493a及び遠位結合位置4493bで細長ボディ4490と結合されている。細長ボディ4490は更に、遠位キャップ4424を含み、遠位キャップ4424は、
図45に示すように、弁4446と、細長ボディ4490の遠位先端4450と、ガイドワイヤ管腔4452と、を含む。
図44~47に示すように、可撓部材4414は、膨張可能材料又はエラストマ材料を含むか、これによって形成されており、この材料は、例えば、バルーン、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルエーテルケトン、非弾性材料(例えば、伸びずに満たす又は膨張する材料)等である。幾つかの実施形態では、流動抑制装置4400は、単一の細長部材の代わりに、本明細書の別の場所に記載のように内側シャフト及び外側シャフトの構成を含む。
【0097】
図44及び48~53は、
図49~53に示したハンドル4960のいずれかの管腔に挿入されるように構成された栓の一実施形態4861を示す。例えば、栓4861は、注入液体が膨張管腔4992内を通っているときにガイドワイヤ管腔4994に挿入することが可能であり、栓4861は、可撓部材が膨張済みになった後に膨張管腔4992に挿入することが可能であり(これは、例えば、アセンブリの近位端部から膨張流体が逆流するのを防ぐ)、栓4861は、膨張が必要になるまで膨張管腔3992、4492に可逆的に挿入することが可能であり、栓4861は、管腔が3つあるハンドルにおいて、使用されていない管腔を塞ぐこと等が可能である。栓4861はボディ4866を含み、ボディ4866は(例えば、先細である又は先細ではない)挿入部4889と結合されており、挿入部4889は引き込み部4899と結合されており、挿入部4889及び引き込み部4899は、細長部材又は細長部材に取り付けられたハンドルの管腔(例えば、注入管腔)に挿入することが可能である。注入ハンドルの一実施形態4960を
図49~53に示す。ハンドル4960は内側回転ボディ4965を含み、これは、近位部4965a、中央部4965b、及び遠位部4965cを含む。中央部4965bは膨張管腔アクセス削ぎ部4985を含み、これは、ここから液体が注入されていて、外側回転ボディ4967がこれに回転可能に重なり合っているときに可撓部材を膨張させるように構成されている。外側回転ボディ4967は、近位封止機構4987a(例えば、Oリング)及び遠位封止機構4987b(例えば、Oリング)と結合されている。外側回転ボディ4967は更に、膨張アパーチャ4983を画定している。
図51に示すように、完全に組み立てられて、開いている形態のときは、内側回転ボディ4965の膨張管腔アクセス削ぎ部4985は、外側回転ボディ4967の膨張アパーチャ4983と位置が揃っており、それによって、液体がハンドル4960を通り、流動抑制装置(例えば、位置が揃っている削ぎ部4985及びアパーチャ4983にある、ハンドル4960を取り巻く弁(例えば、トーイボースト)、近位部4965cに取り付けられた弁等)を通って注入されることが可能である。
図52に示すように、閉じている形態では、内側回転ボディ4965の膨張管腔アクセス削ぎ部4985は、外側回転ボディ4967の膨張アパーチャ4983と位置がずれており(揃っておらず)、それによって、液体がハンドル4960を通り、流動抑制装置を通って、可撓部材に注入されることができない。ハンドル4960は更に、削ぎ部4985とアパーチャ4983の位置が揃っていること(
図53)、並びに削ぎ部4985とアパーチャ4983の位置が揃っていないこと(
図52)を示す伸長インジケータ4913a、4913bを含んでよい。外側回転ボディ4967は内側回転ボディ4965に対して回転可能なので、伸長インジケータの第1の(近位)端部4913aと伸長インジケータの第2の(遠位)端部4913bは、注入管腔を開くときには位置が揃い、注入管腔を閉じるときには位置がずれる。ハンドル4960の説明を
図39~49に関して行ったが、当然のことながら、ハンドル4960は、本明細書に記載のいずれの流動抑制装置(例えば、
図12~25)とも使用されてよく、且つ/又は、本明細書の別の場所に記載の他のいずれのハンドル実施形態(例えば、
図26~38)とも使用されてよい。
【0098】
幾つかの実施形態では、膨張管腔アクセス削ぎ部4985は更に、体管腔に液体を送達する為に注入管腔アクセス削ぎ部4985として働く。幾つかのそのような実施形態では、可撓部材のカバーが1つ以上の小穴を含んでよく、それによって、液体は、可撓部材を満たすだけでなく、可撓部材より近位側の体管腔も満たす。
【0099】
幾つかの実施形態では、ハンドル4960は、流動抑制装置の内側シャフトと完全に一体化されて連続しているように、内側シャフトの近位部分又は近位端部の一部を成す。幾つかのそのような実施形態では、内側回転ボディ4965は、特殊化された内側シャフトであり、外側回転ボディ4967は、近位封止機構4987a(例えば、Oリング)及び遠位封止機構4987b(例えば、Oリング)を介して内側シャフトと結合されている。別の実施形態では、ハンドル4960は、ハンドル4960の様々な管腔と流動抑制装置の内側シャフトとが連続していて途切れないように、内側シャフトの近位部分又は近位端部と結合可能である。
【0100】
次に
図54を参照すると、これは、前述の、流動抑制装置及び/又はハンドル及び/又は注入装置の実施形態のいずれかを使用して体管腔の少なくとも一部を閉塞する一方法5400を示す。方法5400のいずれのステップもどのように順序で実施されてもよく、更なるステップが追加されてもよく、既存のステップが省略されてもよい。処置に備えて又は処置中に体管腔の少なくとも一部を閉塞する方法5400は、体管腔内に流動抑制装置を進めるステップであって、流動抑制装置は可撓部材を含み、1つ以上のアパーチャを画定している、上記進めるステップ(S5410)と、流動抑制装置の可撓部材を未膨張形態から膨張済み形態まで膨張させるステップ(S5420)と、患者の体管腔内に器具を進めるステップ(S5430)と、流動抑制装置の1つ以上のアパーチャを通して体管腔に液体を注入するステップであって、可撓部材が膨張済み形態になると、可撓部材を通り過ぎる液体の流動が制限される、上記注入するステップ(S5440)と、器具により患者の体管腔の少なくとも一部で処置を実施するステップ(S5450)と、を含む。
【0101】
方法5400のいずれの実施形態においても、本明細書の別の場所に記載の流動抑制装置のいずれかが使用及び/又は採用されてよい。方法5400のいずれの実施形態においても、器具は任意の医療器具を含み、そのようなものとして、超音波トランスデューサ又は内視鏡、アブレーション器具、生検器具、結紮器具、画像化器具(例えば、カメラ、顕微鏡、超音波)、センサ、ステント、血栓切除装置、又は他の任意の医療装置があり、これらに限定されない。
【0102】
幾つかの実施形態では、方法5400は、腸-腸瘻造設術を実施することに特に適している。幾つかのそのような実施形態では、ブロックS5410は、流動抑制装置を進めて患者の消化管内の狭窄部を通り抜けさせるステップを含み、流動抑制装置は可撓部材を含み、1つ以上のアパーチャを画定している。幾つかの実施形態では、ブロックS5410は更に、細長部材(例えば、内視鏡、カテーテル等)の遠位端部を患者の消化管内の狭窄部の近位側に隣接して配置し、流動抑制装置を進めて、細長部材(例えば、内視鏡、カテーテル等)によって画定された管腔(例えば、ワーキングチャネル)を通り抜けさせ、消化管内の狭窄部を通り抜けさせるステップを含む。
【0103】
幾つかの実施形態では、ブロックS5420は更に、消化管内の狭窄部より遠位側で流動抑制装置の可撓部材を未膨張形態から膨張済み形態まで膨張させるステップを含む。
【0104】
幾つかの実施形態では、ブロックS5430、S5440、及びS5450は、患者の消化管内に超音波内視鏡を進めるステップと、流動抑制装置の1つ以上のアパーチャを通して消化管に液体を注入するステップであって、可撓部材が膨張済み形態になると、可撓部材を通り過ぎる液体の流動が制限される、上記注入するステップと、超音波内視鏡により患者の消化管の少なくとも一部を画像化するステップと、を含む。
【0105】
幾つかの実施形態では、注入するステップは更に、流動抑制装置の近位端部に液体注入ポート(例えば、トーイボースト弁)を結合するステップを含み、液体注入ポートは、流動抑制装置によって画定された管腔(例えば、注入管腔)を通して流動抑制装置の1つ以上のアパーチャから消化管内に液体を送達するように構成されており、消化管は、食道、胃、小腸、又は大腸のうちの1つ以上を含む。
【0106】
幾つかの実施形態では、方法5400は、細長部材(例えば、内視鏡、カテーテル等)の遠位端部を、患者の消化管内の狭窄部の近位側に隣接して配置するステップを含む。例えば、胃-腸瘻造設術の場合、狭窄部は、典型的には小腸の近位側(十二指腸)に位置するが、これは胃の遠位側でもありうる(内容物が胃に逆流する場合には「胃流出路閉塞」と呼ばれる)。
【0107】
幾つかの実施形態では、方法5400は更に、ガイドワイヤを進めて、細長部材の管腔を通り抜けさせ、患者の消化管の狭窄部を通り抜けさせるステップであって、流動抑制装置はガイドワイヤ上を通って狭窄部を通り抜ける、上記ステップを含む。内視鏡及び/又は流動抑制装置を狭窄部の先まで進めることができない場合はガイドワイヤを使用してよい。
【0108】
幾つかの実施形態では、方法5400は更に、器具を体管腔内に進める前に体管腔から細長部材を取り出すステップを含む。
【0109】
幾つかの実施形態では、方法5400は、可撓部材の周囲から患者の下流体管腔を通る液体の流量を、約300ml/分未満、約230ml/分未満、約200ml/分未満、約200~300ml/分、約150~250ml/分、約100~200ml/分等まで減らすステップを含む。
【0110】
体管腔が消化管である幾つかの実施形態では、下流消化管は、患者の小腸、大腸、又は結腸のうちの1つ以上を含む。
【0111】
幾つかの実施形態では、方法5400は、腸-腸瘻造設装置を進めて超音波内視鏡の管腔を通り抜けさせるステップと、腸-腸瘻造設処置を実施するステップと、を含む。
【0112】
幾つかの実施形態では、方法5400は、膨張済みの可撓部材を膨張済み形態から未膨張形態に折り畳むステップを含む。幾つかのそのような実施形態では、折り畳むステップは、外側シャフトを、内側シャフトの近位部分に向けて近位方向に動かして、膨張済みの可撓部材を膨張済み形態から未膨張形態に折り畳むステップを含む。代替又は追加として、膨張済み可撓部材を未膨張形状に折り畳む為に、注入管腔に吸気圧力(負圧)が印加されてよい(これは、例えば、可撓部材の内部から液体を取り出す為である)。
【0113】
幾つかの実施形態では、方法5400は、消化管から流動抑制装置を取り出すステップを含む。(可撓部材が膨張した後に)折り畳まれた形態では、可撓部材の径は、可撓部材が膨張する前の未膨張形態での径より大きい場合がある。そのように大きくなった径であっても、体管腔から有効に取り出すのに十分に小さい径でありうる。
【0114】
幾つかの実施形態では、方法5400は、可撓部材の膨張又は収縮又は制御を容易にするハンドルを流動抑制装置に取り付けるステップを含む。本明細書の別の場所に記載のハンドル及び/又は注入装置はいずれも、本明細書の別の場所に記載のどの流動抑制装置にも取り付けられてよい。本方法は更に、ハンドルをアクチュエートすることによって、外側シャフトを内側シャフトに対して相対的にマニピュレートするステップを含んでよい。そのようなアクチュエーションは、可撓部材を膨張させる為に、外側シャフトと結合されたハンドルの遠位端部を装置の遠位端部に向けて動かすステップを含んでよい。代替として、ハンドルをアクチュエートするステップは、可撓部材を膨張させる為に、外側回転ボディを内側回転ボディに対して回転させて、液体注入用アパーチャを開くステップを含んでよい。
【0115】
幾つかの実施形態では、方法5400は、消化管から超音波内視鏡を取り出すステップを含む。
【0116】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のシステム及び装置はいずれも、内視鏡的切除(例えば、十二指腸にあるポリープの除去)後に蠕動によって下流に移動する可能性のある組織標本の消失を防ぐ為に使用されてよい。例えば、本方法は、細長部材(例えば、内視鏡)を通して内視鏡誘導下で可撓部材を切除対象の病変より下流に展開するステップと、可撓部材を定位置に残したまま細長部材を取り出すステップと、細長部材を再挿入して可撓部材に横付けする又は可撓部材に隣接して配置する又は可撓部材より近位側に配置するステップと、細長部材で病変を切除して標本を作成するステップと、可撓部材を近位方向に引いて「すくう」又は「ひっつかむ」ことによって標本を取り出す又は別の方法で標本を収集するステップと、可撓部材を折り畳んで標本をその中に確保するステップと、可撓部材及び細長装置を患者から取り出すステップと、を含んでよい。
【0117】
本明細書及び請求項では、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに矛盾する場合を除き、単数形の参照及び複数形の参照の両方を包含する。例えば、「アパーチャ」という用語は、複数のアパーチャを包含してよく、包含するように企図されている。時には、請求項及び開示は、「複数の(a plurality)」、「1つ以上の(one or more)」、又は「少なくとも1つの(at least one)」という語句を含んでよいが、そのような語の欠落は、複数が想定されていないことを意味するものではなく、そのように意味すると解釈されるべきではない。
【0118】
「約(about)」又は「約(approximately)」という語は、(例えば、長さや圧力を規定する)数値指定又は数値範囲の前に使用される場合には、±5%、±1%、又は±0.1%だけばらつきうる近似を示す。本明細書で示す数値範囲は全て、記載した開始値及び終了値を含む。「ほぼ(substantially)」という語は、装置又は方法のほとんど(即ち、50%超)全て又は実質的に全てを示す。
【0119】
本明細書では「含む(comprising)」又は「含む(comprises)」という語は、装置、システム、及び方法が記載の要素を含んでいて、更に他の任意の要素を含んでよいことを意味するものとする。「本質的に~からなる(consisting essentially of)」は、装置、システム、及び方法が記載の要素を含んでいて、記載の目的の為の組み合わせに対して本質的な意義を有する他の要素を排除することを意味するものとする。従って、本明細書で定義された要素から本質的になるシステム又は方法は、特許請求される開示の基本的且つ新規な特徴に実質的に影響しない他の材料、特徴、又はステップを排除しないことになる。「からなる(consisting of)」は、装置、システム、及び方法が記載の要素を含み、取るに足らない又は重要でない要素又はステップ以上のものを全て排除することを意味するものとする。これらの移行用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本開示の範囲内にある。
【0120】
本明細書に含まれる実施例及び具体例は、本発明対象が実施されうる具体的な実施形態を、限定ではなく例示として示す。他の実施形態は、それらから利用されてよく、又それらから由来してよく、従って、本開示の範囲から逸脱しない限り、構造的又は論理的な置換又は変更が行われてよい。本発明対象のそのような実施形態は、本明細書においては、個別に参照されてよく、或いは、「本発明」という言い方でまとめて参照されてよく、「本発明」という言い方で参照することは、あくまで便宜上であって、本出願の範囲を、実際には2つ以上が開示されていても、いずれか1つの発明又は発明概念に自発的に限定することを意図するものではない。従って、本明細書では特定の実施形態を図示及び説明してきたが、この、示された特定の実施形態を、同じ目的を達成するように作られた任意の構成で置き換えてよい。本開示は、様々な実施形態のあらゆる翻案又は変形を包含するものである。当業者であれば、上述の説明を精査することにより、上述の複数の実施形態の組み合わせ、及び本明細書に具体的な記載がない他の実施形態が明らかになるであろう。
【国際調査報告】