(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】作業領域を規定するロボット作業ツールシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230510BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558123
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2021058846
(87)【国際公開番号】W WO2021209277
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511234781
【氏名又は名称】フスクバルナ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】マルクス リリェダール
(72)【発明者】
【氏名】ヨーナス ラングフェ
(72)【発明者】
【氏名】ベッペ ヘルシン
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク カルストレーム
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ペッテション
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC08
5H301CC10
5H301FF11
5H301GG16
(57)【要約】
少なくとも1つのロボット作業ツール100が後に動作することを意図する作業領域105を規定するためのロボット作業ツールシステム200。システム200は、姿勢推定のためのセンサデータ、及び作業領域105内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール100の複数のイベントに関連するイベントデータを受信するように構成された少なくとも1つのコントローラ210を備える。受信したセンサデータとイベントデータは時間的に互いに関連付けられる。コントローラ210は、それぞれのイベントデータに関連付けられた受信センサデータに基づいてイベントの位置を決定し、対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることによって、作業領域105を反映する特徴を決定するように構成される。コントローラ210は、特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較することによって、決定された特徴に基づいて、決定された位置を調整し、調整された位置に基づいて、作業領域105を規定するマップを決定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が後に動作することを意図する作業領域(105)を規定するためのロボット作業ツールシステム(200)であって、前記ロボット作業ツールシステム(200)は、少なくとも1つのコントローラ(210)を具備し、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
姿勢推定のためのセンサデータ、及び前記作業領域(105)内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の複数のイベントに関連するイベントデータを受信することであって、前記受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に互いに関連付けられる、受信することと、
それぞれの前記イベントデータに関連付けられた前記受信したセンサデータに基づいて、前記複数のイベントの位置を決定することと、
対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定することと、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することにより、前記決定された特徴に基づいて、前記決定された位置を調整することと、
前記決定された特徴の前記調整された位置に基づいて、前記作業領域(105)を規定するマップを決定することと、
を実施するように構成される、ロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項2】
姿勢推定のための前記センサデータ、及び前記イベントデータが、前記作業領域(105)内を移動する前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)から受信される、請求項1に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記決定されたマップに基づいて、前記作業領域(105)内で動作する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の動作を制御するようにさらに構成される、請求項1または2に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の前記動作を、
前記作業領域(105)に関連して前記決定されたマップに基づいて、前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が前記作業領域(105)内で動作するときに追従することを意図する前記作業領域(105)内の移動経路を決定すること、
によって制御するように構成される、請求項3に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
前記決定されたマップ及び/又は前記移動経路を、前記ロボット作業ツール(100)及び視覚化ユニット(230)のうちの少なくとも1つに送信する、
ようにさらに構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記決定された位置の外れ値を検知し、前記決定された特徴の前記決定された位置から前記検知された外れ値を除去することによって、前記決定された特徴の前記位置を調整するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、バイアス推定によって前記決定された位置を調整するように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項8】
姿勢推定のための前記受信したセンサデータは、位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項9】
前記ロボット作業ツール(100)の前記イベントに関連する前記イベントデータは、ループイベント、タイマーイベント、及び状態イベントを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記作業領域(105)を反映する特徴を、
前記受信したイベントデータに基づいて、前記決定された位置をさまざまなカテゴリに分類することと、
カテゴリごとに、前記決定された位置を特徴マップに追加することであって、前記特徴マップはそれぞれの前記特徴に対応する、追加することと、
によって決定するように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項11】
前記作業領域(105)に関連する前記マップを決定する前に、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
前記関連付けられたイベントデータに基づいて、前記調整された位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定し、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することにより、前記決定された特徴に基づいて、前記決定された位置を調整する、
ようにさらに構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項12】
前記ロボット作業ツールシステム(200)は前記ロボット作業ツール(100)を具備する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項13】
前記ロボット作業ツール(100)はロボット芝刈り機である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項14】
前記ロボット作業ツールシステム(200)は視覚化ユニット(230)を具備し、前記視覚化ユニット(230)は、前記作業領域(105)に関連する前記決定されたマップを表示するように構成される、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項15】
前記視覚化ユニット(230)は、ユーザからのユーザ入力を、前記ユーザの前記視覚化ユニット(230)の操作中及び相互作用中に受信するように構成され、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記受信したユーザ入力に基づいて、前記作業領域(105)に関連する前記マップを調整するように構成される、請求項14に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項16】
ロボット作業ツールシステム(200)によって実施される、少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が後に動作することを意図する作業領域(105)を規定するための方法(700)であって、前記方法(700)は、
姿勢推定のためのセンサデータ、及び前記作業領域(105)内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の複数のイベントに関連するイベントデータを受信すること(710)であって、前記受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に互いに関連付けられる、受信すること(710)と、
それぞれの前記イベントデータに関連付けられた前記受信したセンサデータに基づいて、前記複数のイベントの位置を決定すること(720)と、
対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定すること(730)と、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することによって、前記決定された特徴の前記位置を調整すること(750)と、
前記決定された特徴の前記調整された位置に基づいて、前記作業領域(105)を規定するマップを決定すること(780)と、
を含む、方法(700)。
【請求項17】
前記方法(700)は、
前記決定されたマップに基づいて、前記作業領域(105)内で動作する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の動作を制御すること(785)をさらに含む、請求項18に記載の方法(700)。
【請求項18】
前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の動作を制御するステップ(785)は、
前記作業領域(105)を規定する前記決定されたマップに基づいて、前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が前記作業領域(105)内で動作するときに追従することを意図する前記作業領域(105)内の移動経路を決定すること(790)をさらに含む、請求項17に記載の方法(700)。
【請求項19】
前記方法(700)は、
前記決定されたマップ及び/又は前記移動経路を、前記ロボット作業ツール(100)及び視覚化ユニット(230)のうちの少なくとも1つに送信すること(795)をさらに含む、請求項18乃至20のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項20】
前記決定された特徴の前記位置を調整するステップ(750)は、
前記決定された位置の外れ値を検知すること(755)と、
前記決定された特徴の前記決定された位置から、前記検知された外れ値を除去すること(760)と、
を含む、請求項16乃至19のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項21】
前記決定された特徴の前記位置を調整するステップ(750)は、
バイアス推定を実行すること(765)を含む、請求項16乃至20のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項22】
姿勢推定のための前記受信したセンサデータは、位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項16乃至21のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項23】
前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の前記イベントに関連する前記イベントデータは、ループイベント、タイマーイベント、及び状態イベントを含む、請求項16乃至22のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項24】
前記作業領域(105)を反映する特徴を決定するステップ(730)は、
前記受信したイベントデータに基づいて、前記決定された位置をさまざまなカテゴリに分類すること(735)と、
カテゴリごとに、前記決定された位置を特徴マップに追加すること(740)であって、前記特徴マップはそれぞれの前記特徴に対応する、追加すること(740)と、
をさらに含む、請求項16乃至23のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項25】
前記作業領域(105)に関連する前記マップを決定するステップ(780)の前に、前記方法(700)は、
前記関連付けられたイベントデータに基づいて、前記調整された位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する更新された特徴を決定すること(770)と、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することによって、前記決定された特徴の前記位置を調整すること(775)と、
をさらに含む、請求項16乃至24のいずれか一項に記載の方法(700)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット作業ツールが後に動作することを意図する作業領域を規定するロボット作業ツールシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット作業ツールとは、特定のタスク、例えば、芝刈り、領域の解体、又は床の清掃を行うために使用される自律型ロボット装置である。ロボット作業ツールは、一般に、ロボット作業ツールが動作することを意図する領域(以下、作業領域と呼ぶ)を規定することによって制御される。作業領域は、作業領域を囲む外周によって規定される。外周は、ロボット作業ツールが横切ることを意図していない縁又は境界を含む。ロボット作業ツールは、通常、作業領域内でランダムなパターンで動作するように構成される。
【0003】
ロボット作業ツールは、一般に、操作対象の作業領域の設計やサイズを認識していない。ロボット作業ツールは、通常、ロボット作業ツールが作業領域の境界、外周、又は障害物に遭遇するまで、作業領域内を移動するように構成されている。次に、ロボット作業ツールは、新たな境界、外周又は障害物に遭遇するまで、方向転換して別の方向に移動し続けるように構成されている。これにより、作業領域内で充分に効率的な方法で動作するロボット作業ツールが概ね提供されるとしても、本発明者らは、領域の設計及びサイズの知識を利用することができれば、ロボット作業ツールが作業領域内でさらに効率的な方法で動作する可能性があることを認識した。
【発明の概要】
【0004】
ロボット作業ツールシステム内に通信装置を導入することで、ロボット作業ツールシステムが実施し得ることの可能性が広がった。ロボット作業ツールシステム内でさまざまな装置を利用してさまざまなタスクを実行することにより、装置をさまざまなことに特化する場合がある。例えば、ロボット作業ツールシステムに含まれるあらゆる装置が高い処理能力を有している必要はない。第1の装置を、データを収集し、収集されたデータを第2の装置に通信するように設計してもよい。第2の装置は、受信したデータを処理し、その後、処理の結果を第1の装置に通信してもよい。その後、第1の装置は、受信した結果をその継続的な動作のために使用してもよい。このため、さまざまな装置を1つのシステムに組み合わせてもよい。ここで、各装置を異なるものに特化してもよく、その結果、さらに優れた能力を備えた改善されたシステムが作成される。
【0005】
さまざまな実施形態の発明者は、独創的で洞察力のある推論の後に、作業領域の設計及びサイズの知識を得るために、ロボット作業ツールシステム内で通信可能に結合された装置を使用することが可能であることに気付いた。この知識を得ることにより、作業領域をより正確に規定することができ、ロボット作業ツールは作業領域内でより効率的に動作することができる。ロボット作業ツールシステムは、作業領域について、より多くの知識を有するため、改善されたマップに作業領域をより正確に反映することができる。マップが改善されると、作業領域内で実行する後続の動きに関して、より適切な決定を下すことができる。
【0006】
従って、上記を考慮して、本開示全体を通して説明する態様及び実施形態の一般的な目的は、ロボット作業ツールシステムが、その後、動作することが意図される作業領域を改善された方法で反映するロボット作業ツールシステムを提供することにある。
【0007】
この一般的な目的は、添付の独立請求項によって対処されている。有利な実施形態は、添付の従属請求項に規定されている。
【0008】
第1の態様によれば、少なくとも1つのロボット作業ツールが動作することを意図する作業領域を規定するロボット作業ツールシステムが提供される。
【0009】
例示的な一実施形態では、ロボット作業ツールシステムは、少なくともコントローラを備える。少なくとも1つのコントローラは、姿勢推定のためのセンサデータ、及び作業領域内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツールの複数のイベントに関連するイベントデータを受信するように構成される。受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に関連付けられる。少なくとも1つのコントローラは、それぞれのイベントデータに関連付けられた受信センサデータに基づいて、複数のイベントの位置を決定するようにさらに構成される。その後、少なくとも1つのコントローラは、対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連付けることによって作業領域を反映する特徴を決定し、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を比較することによって、決定された特徴に基づいて決定された位置を調整するように構成される。少なくとも1つのコントローラは、決定された特徴の調整された位置に基づいて、作業領域を規定するマップを決定するように構成される。
【0010】
一実施形態では、センサデータ及びイベントデータは、作業領域内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツールから受信される。
【0011】
一実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、決定されたマップに基づいて、作業領域内で動作するときの少なくとも1つのロボット作業ツールの動作を制御するようにさらに構成される。少なくとも1つのコントローラは、作業領域に関連する決定されたマップに基づいて、少なくとも1つのロボット作業ツールが作業領域内で動作するときに追従することを意図する作業領域内の移動経路を決定することによって、少なくとも1つのロボット作業ツールの動作を制御するように構成されてもよい。
【0012】
一実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、決定されたマップ及び/又は移動経路をロボット作業ツール及び視覚化ユニットのうちの少なくとも1つに送信するようにさらに構成される。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、決定された位置の外れ値を検知し、決定された特徴の決定された位置から、検知された外れ値を除去することによって、決定された特徴の位置を調整するように構成される。
【0014】
一実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、バイアス推定によって、決定された特徴の決定された位置を調整するように構成される。
【0015】
一実施形態では、姿勢推定のために受信したセンサデータは、位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
一実施形態では、ロボット作業ツールのイベントに関連するイベントデータは、ループイベント、タイマーイベント、及び状態イベントを含む。
【0017】
一実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、受信したイベントデータに基づいて、決定された位置をさまざまなカテゴリに分類することによって、作業領域を反映する特徴を決定し、各カテゴリについて、決定された位置を特徴マップに追加するように構成される。ここで、特徴マップはそれぞれの特徴に対応する。
【0018】
一実施形態では、作業領域に関連するマップを決定する前に、少なくとも1つのコントローラは、関連付けられたイベントデータに基づいて調整された位置を互いに関連付けることによって作業領域を反映する特徴を決定し、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較することによって、決定された特徴に基づいて決定された位置を調整するようにさらに構成される。
【0019】
一実施形態では、ロボット作業ツールシステムは、ロボット作業ツールを備える。ロボット作業ツールは、ロボット芝刈り機であってもよい。
【0020】
一実施形態では、ロボット作業ツールシステムは、視覚化ユニットを備え、視覚化ユニットは、作業領域に関連して決定されたマップを表示するように構成される。視覚化ユニットは、ユーザの操作中及び視覚化ユニットとの対話中にユーザからのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。ここで、少なくとも1つのコントローラは、受信したユーザ入力に基づいて作業領域に関連するマップを調整するように構成されてもよい。
【0021】
第2の態様によれば、第1の態様によるロボット作業ツールシステムによって実施される方法が提供される。
【0022】
1つの例示的な実施形態では、この方法は、少なくとも1つのロボット作業ツールが後に動作することを意図する作業領域を規定するロボット作業ツールシステムによって実施される。この方法は、姿勢推定のためのセンサデータ、及び作業領域内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツールの複数のイベントに関連するイベントデータを受信することを含む。受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に関連付けられる。この方法は、それぞれのイベントデータに関連付けられた受信センサデータに基づいて複数のイベントの位置を決定することと、対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることによって作業領域を反映する特徴を決定することと、をさらに含む。その後、本方法は、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較し、決定された特徴の調整された位置に基づいて、作業領域を規定するマップを決定することによって、決定された特徴の位置を調整することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、決定されたマップに基づいて、作業領域内で動作するときの少なくとも1つのロボット作業ツールの動作を制御することをさらに含む。少なくとも1つのロボット作業ツールの動作を制御するステップは、作業領域を規定する決定されたマップに基づいて、少なくとも1つのロボット作業ツールが作業領域内で動作するときに追従することを意図する作業領域内の移動経路を決定することをさらに含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、決定されたマップ及び/又は移動経路を、ロボット作業ツール及び視覚化ユニットのうちの少なくとも1つに送信することをさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、決定された特徴の位置を調整するステップは、決定された位置の外れ値を検知することと、決定された特徴の決定された位置から、検知された外れ値を除去することと、を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、決定された特徴の位置を調整するステップは、バイアス推定を実施することを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、姿勢推定のために受信したセンサデータは、少なくとも位置データ、IMUデータ、及び/又はオドメトリデータを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、ロボット作業ツールのイベントに関連するイベントデータは、ループイベント、タイマーイベント、及び状態イベントを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、作業領域を反映する特徴を決定するステップは、受信したイベントデータに基づいて、決定された位置をさまざまなカテゴリに分類することと、カテゴリごとに、決定された位置を特徴マップに追加することと、をさらに含み、特徴マップは、それぞれの特徴に対応する。
【0030】
いくつかの実施形態では、作業領域に関連するマップを決定する前に、本方法は、関連付けられたイベントデータに基づいて、調整された位置を互いに関連させることによって、作業領域を反映する更新された特徴を決定することと、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較することによって、決定された特徴の位置を調整することと、をさらに含む。
【0031】
上記の実施形態のいくつかでは、上記で考察した問題を排除するか、少なくとも軽減する。ロボット作業ツールの姿勢及びイベントに関連するデータを処理することにより、作業領域を反映する特徴を決定してもよい。決定された特徴に基づいて、イベントの位置は、より正確に決定されるように調整されてもよい。調整された位置は、作業領域を規定するマップを決定するときに使用されてもよい。このように、ロボット作業ツールが後に動作することを意図する作業領域を規定するマップを改善するロボット作業ツールシステム及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
これら及び他の態様、特徴及び利点は、添付の図面を参照して、さまざまな実施形態の以下の説明から明らかになり、明確となるであろう。
【
図1】
図1は、作業領域でのロボット作業ツールの概略図を示す。
【
図2】
図2は、ロボット作業ツールシステムの概略図を示す。
【
図4】
図4は、未加工ループ値及びフィルタ処理されたループ値の一例を示す。
【
図5】
図5は、決定されたマップの例示的な実施形態を示す。
【
図6】
図6は、ロボット作業ツールの概略図を示す。
【
図7】
図7は、ロボット作業ツールシステムによって実施される例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図8】
図8は、コンピュータ可読媒体の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで、開示した実施形態は、ロボット作業ツールシステムの特定の実施形態を示す添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、このロボット作業ツールシステムは、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が全体的かつ完全であり、ロボット作業ツールシステムの範囲を当業者に十分に伝えることになるように、例として提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0034】
その態様の1つでは、本明細書に提示した開示は、少なくとも1つのロボット作業ツールが後に動作することを意図する作業領域を規定するためのロボット作業ツールシステムに関する。
図1は、そのような作業領域105におけるロボット作業ツール100の概略図を示す。図からわかるように、概略図は縮尺通りではない。作業領域105が芝生であり、ロボット作業ツール100がロボット芝刈り機である場合、作業領域105は、ロボット作業ツール100によって刈り取られる領域である。
図1からわかるように、作業領域105は、作業領域105の境界を設定する、即ち、作業領域105の境界を規定する作業領域外周150によって囲まれる。ロボット作業ツール100は、作業領域105内で動作し、規定された作業領域外周150に起因して、この領域内に留まることを意図するものである。作業領域外周150を規定することにより、ロボット作業ツール100は、外周を横切らず、囲まれた領域、即ち、作業領域105内でのみ動作することになる。作業領域105を規定することにより、ロボット作業ツールシステムは、作業領域外周150及び作業領域外周150内の領域についての知識を有することになる。
【0035】
図1からわかるように、樹木及び花壇が、作業領域105内に配置されてよい。これらの物体は、作業領域105のロボット作業ツール100が動作できない部分、あるいは動作してはならない部分を占める。
図1の物体を茂み及び花壇として示す場合でも、他の障害物及び物体も作業領域105内に配置されてよい。そのような物体の例として、小道、茂み、物置小屋、池などがある。このような物体、あるいは、むしろ、このような物体が占める領域は、立入禁止領域120と呼ばれる場合がある。立入禁止領域120とは、ロボット作業ツール100が動作すべき作業領域105から除外される領域である。立入禁止領域120は、例えば、花壇及び茂みを保護するために使用してよく、ロボット作業ツール100が、ロボット作業ツール100を損傷する可能性のある池及び領域などの制限領域に侵入するのを防ぐために使用してよい。従って、立入禁止領域120は、作業領域105内のロボット作業ツール100がさまざまな理由で進入するべきではない領域である。従って、作業領域105を規定するとき、作業領域105を正確に規定するために、全障害物又は立入禁止領域も覆うことが重要である。
【0036】
ここで、
図2を参照して本開示について説明する。
図2は、ロボット作業ツールシステム200を示す。ロボット作業ツールシステム200は、少なくとも1つのコントローラ210を備える。図からわかるように、ロボット作業ツールシステム200は、互いに通信可能に結合された複数のコントローラ210を備えてもよい。複数のコントローラ210を組み合わせることにより、さらに高い処理能力を達成することができる。
【0037】
ロボット作業ツールシステム200は、芝生など、主に、少なくとも1つのロボット作業ツール100が後に動作することを意図する作業領域105を規定するロボット作業ツールシステム200の観点から概ね説明される。しかしながら、本明細書に記載のロボット作業ツールシステム200は、所望の作業領域内で所望の活動を行うことができる任意のタイプの自律型機械と共に実装できることを理解されたい。そのようなタイプの自律型機械の例には、清掃ロボット作業ツール、研磨作業ツール、修理作業ツール、(屋内用及び/又は屋外用)表面処理作業ツール、及び/又は解体作業ツールなどが挙げられるが、ここに挙げたものに限定されない。
【0038】
図2に示すように、少なくとも1つのコントローラ210は、無線通信インターフェースによってロボット作業ツール100に通信可能に結合されてもよい。これに加えて、あるいは、これとは別に、無線通信インターフェースは、サーバ、パーソナルコンピュータ、又はスマートフォン、充電ステーション、遠隔制御装置、他のロボット作業ツール、あるいは無線通信インターフェースとコントローラとを備える任意の遠隔装置などの他の装置と通信するために使用されてもよい。そのような無線通信の例としては、いくつかの例を挙げると、Bluetooth(登録商標)、グローバルシステムモバイル(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、及び5G又は新たな無線通信(5G無線通信)が挙げられる。いくつかの実施形態では、ロボット作業ツールシステム200は、ロボット作業ツール100を備えてもよい。1つの有利な実施形態では、ロボット作業ツール100は、ロボット芝刈り機であってもよい。
【0039】
一実施形態では、少なくとも1つのコントローラ210は、ソフトウェアとして、例えば、クラウドベースのソリューションにて遠隔的に具体化される。別の実施形態では、少なくとも1つのコントローラ210は、ハードウェアコントローラとして具体化されてもよい。少なくとも1つのコントローラ210は、任意の適切な、公的に利用可能なプロセッサ、計算手段、仮想コンピュータ、クラウドコンピュータ、又はプログラマブル論理回路(PLC)を使用して実装されてもよい。少なくとも1つのコントローラ210は、ハードウェア機能を可能にする命令を使用して、例えば、汎用又は専用のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラム命令であって、コンピュータ可読記憶媒体(ディスク、メモリなど)に記憶されて、そのようなプロセッサによって実行され得るコンピュータプログラム命令を使用することによって実装されてもよい。コントローラ210は、メモリ220から命令を読み取り、これらの命令を実行して、少なくとも1つのロボット作業ツールが後に動作することを意図する作業領域を規定するように構成されてもよい。メモリは、ROM、RAM、SRAM、DRAM、FLASH(登録商標)、DDR、SDRAM又は他の何らかのメモリ技術など、コンピュータ可読メモリ用の任意の一般的に知られている技術を使用して実装されてもよい。
【0040】
ここで、第1の態様による第1の実施形態について説明する。少なくとも1つのコントローラ210は、姿勢推定のためのセンサデータ、及び作業領域105内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール100の複数のイベントに関連するイベントデータを受信するように構成される。受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に関連付けられる。センサデータ及びイベントデータは、作業領域105内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール100から受信されてもよい。作業領域105が非常に広い領域である場合、複数のロボット作業ツール100のセンサデータ及びイベントデータを受信することが有利である場合がある。これにより、作業領域105を規定するために必要な時間を短縮することができる。
【0041】
姿勢推定のためのセンサデータは、少なくとも1つのロボット作業ツール100の姿勢を推定するために使用することができる任意のデータであってもよい。姿勢は、少なくとも1つのロボット作業ツール100の位置及び/又は向きに関連するため、センサデータは、少なくとも1つのロボット作業ツール100の姿勢を推定するために使用することができる任意のデータであってもよい。ロボット作業ツール100の姿勢を参照するために、外部標定と並進を交換可能に使用してもよい。センサデータは、位置データ、慣性測定装置(IMU)データ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含んでもよい。従って、姿勢推定のためのセンサデータを受信することにより、少なくとも1つのロボット作業ツール100の位置を決定することができる。
【0042】
ロボット作業ツール100のイベントに関連するイベントデータは、ロボット作業ツール100に関連する特定の行動に関連付けることができるデータである。イベントデータは、少なくとも1つのロボット作業ツール100の少なくとも1つのセンサから生じる。イベントデータは、例えば、ループイベント、タイマーイベント、上昇イベント、衝突イベント、GNSSイベント、動的干渉測位(RTK)イベント、及び状態イベントを含んでもよい。境界イベントと同じ意味で称されるループイベントは、ロボット作業ツール100がループワイヤ、即ち、境界ワイヤを通過するときのイベントを指す。状況イベントと同じ意味で称される状態イベントは、ロボット作業ツール100の状況が変化したときのイベントを指す。このようなイベントの例としては、充電から非充電への変更、停止、及びエラーなどがある。衝突イベントとは、衝突が発生したとき、即ち、ロボット作業ツール100が木や石などの物体と衝突した場合のイベントを指す。従って、少なくとも1つのロボット作業ツール100が立入禁止領域120に侵入するときに、衝突イベントが発生する場合がある。上昇イベントとは、ロボット作業ツール100が地面から持ち上げられるときのイベントを指す。タイマーイベントは、全地球的航法衛星システム(GNSS)イベントに基づいている場合があり、例えば、3秒ごとに生じ得る、3回に1回の割合のGNSSイベントにて送信される場合がある。少なくとも1つのロボット作業ツール100が充電中であるとき、タイマーイベントは、これより少ない頻度、例えば、5分ごとにのみ送信される場合がある。RTKイベントとは、RTK GNSSイベントが発生したときのイベントを指す。
【0043】
少なくともコントローラ210がセンサデータ及びイベントデータを受信した後、少なくとも1つのコントローラ210は、それぞれのイベントデータに関連付けられた受信センサデータに基づいて複数のイベントの位置を決定するように構成される。少なくとも1つのコントローラ210は、対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連付けることによって、作業領域105を反映する特徴を決定するように構成される。その後、少なくとも1つのコントローラ210は、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較することによって、決定された特徴に基づいて決定された位置を調整するように構成される。その後、少なくとも1つのコントローラ210は、決定された特徴の調整された位置に基づいて、作業領域105を規定するマップを決定するように構成される。
【0044】
従って、上記のロボット作業ツールシステム200は、マップを決定する対象になる領域内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール100から発信されるセンサデータを受信する。実際の領域から受信したデータに基づいてマップを決定しているため、マップの信頼性を確保することができる。少なくとも1つのコントローラ210は、受信したデータを処理し、処理の結果に基づいて、高精度のマップが決定される。ロボット作業ツール100の姿勢及びイベントに関連するデータを処理することにより、作業領域105を反映する特徴を決定することができる。決定された特徴に基づいて、位置が、より正確に決定されるように、イベントの位置を調整することができる。調整された位置は、作業領域105を規定するマップを決定するときに使用することができる。従って、提供されるロボット作業ツールシステム200は、費用効率の高い方法で、作業領域105を高精度で規定する信頼できるマップを提供することができる。上記で提案されたロボット作業ツールシステム200を導入することにより、前述の不利な点が排除されるか、少なくとも軽減される。提供されるロボット作業ツールシステム200を用いて、受信したデータは、比較的単純なデータに基づいて、作業領域105のマップの精度を高め得る方法で処理される。
【0045】
一実施形態では、姿勢推定のために受信したセンサデータは、位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含んでもよい。少なくとも1つのコントローラ210は、最初に少なくとも1つのロボット作業ツール100の方位を決定することによって、複数のイベントの位置を決定するように構成されてもよい。ロボット作業ツール100の方位は、それぞれの少なくとも1つのロボット作業ツール100から受信した受信位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つに基づいて決定されてもよい。その後、少なくとも1つのロボット作業ツール100の位置は、受信したオドメトリデータ及び少なくとも1つのロボット作業ツール100の決定された方位に基づいて決定されてもよい。少なくとも1つのロボット作業ツール100の決定された位置は、それぞれのイベントデータに関連付けられてもよい。このようにして、センサデータに関連する不確実性及びエラーが低減され得るため、複数のイベントの最適化された位置が決定され得る。
【0046】
前述の実施形態による例示的な一実施形態によれば、運動の方位及び同方位に関連する精度が、少なくとも1つのコントローラ210によって受信されてもよい。データは、少なくとも1つのロボット作業ツール100のGNSSモジュールから発信されてもよい。この受信データは、必ずしもロボット作業ツール100の方位と同じである必要はないが、ロボット作業ツール100が前進しているとき、両者は同じでなければならない。さらに、少なくとも1つの同じロボット作業ツール100の受信したIMUデータは、ヨー値を報告する可能性がある。ヨー値には、軌道からのずれが含まれ、絶対方位の情報が含まれない可能性がある。少なくとも1つのロボット作業ツール100のIMUは、軌道からのずれの大部分を相殺するであろう実行時較正を有してもよい。較正は、IMUが動いていないことを受信データが示す場合に、実施されてもよい。IMUのオフセットは、区分線形(PWL)関数としてオフセットをモデル化することによって推定されてもよい。
【0047】
第1のステップでは、受信したデータは、これより小さいデータセットに分割されてもよい。受信したデータに大きな時間的なずれが検出され得る場合、新たなデータセットが作成されることになる。時間的なずれは、例えば、約30秒であってもよい。その後、時間的なずれは、ロボット作業ツール100が静止しているときに検出される場合がある。このデータは、そのような期間中は方位が変化しないと想定されるため、個別に処理されてもよい。第2のステップでは、IMUのジャイロドリフトをホイールオドメトリの方位と比較してもよい。これら2つの間に大きな偏差がある場合は、IMUが較正されていないとみなされ、ベースドリフトが計算されてもよい。その後、カルマンフィルタを用いた事前推定を実施してもよい。次に、カルマンフィルタからの出力を最小二乗ミニマイザに入力して、ジャイロの最終的なドリフトを得ることができる。最後に、ジャイロにドリフトを加えることによって、ロボット作業ツール100の方位を計算することができる。
図3は、方位オプティマイザの出力と入力データの例を示す。
【0048】
その後、少なくとも1つのロボット作業ツール100の位置は、少なくとも1つのロボット作業ツール100の決定された方位を、受信した走行距離測定データと融合することによって、決定されてもよい。データ点ごとに、オドメトリxデータ、yデータ、及び方位を受信してもよい。第1のステップでは、このデータに基づいてデルタ運動を決定してもよい。デルタ運動参照フレームは、グローバルフレームの代わりに、ロボット作業ツール100に変換されてもよい。デルタx運動は、ロボット作業ツール100の方向への運動であり、デルタy運動は、ロボット作業ツール100に対する横方向の運動である。これまでに説明したように、受信したデータは、データ内で時間ステップの増大を検知することによって、これより小さなデータセットに分割されてもよい。その後、デルタオドメトリデータは、以前に決定された方位を使用することにより、グローバルフレームに再計算されてもよい。デルタオドメトリデータは、重み付けされたGNSS値と融合されてもよい。この結果、位置が最適化され、GNSSノイズが除去される可能性がある。決定された最適化位置は、その後、それぞれのイベントデータに関連付けられてもよい。
【0049】
これまでに説明したように、少なくとも1つのコントローラ210は、対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることによって、作業領域105を反映する特徴を決定するようにさらに構成される。従って、特定のイベントに関連する全ての位置、あるいは、このような位置の少なくとも大部分は、互いに関連付けることができる。特徴を、作業領域105の特性として説明してもよい。いわゆる特徴の例としては、マップ特徴、ループ特徴、充電ステーション特徴、衝突クラスタ特徴、及び勾配特徴が挙げられる。例えば、マップ特徴は、
図1の立入禁止領域120及び花壇など、作業領域105の境界の輪郭及び作業領域105内の障害物を反映してもよい。作業領域105内の境界及び障害物は、作業領域105内で移動している少なくとも1つのロボット作業ツール100によって生じる衝突及びワイヤ通路を使用することによって、マップに変換されてもよい。このほか、マップ特徴によってガイドワイヤを検知してもよい。
【0050】
例示的な一実施形態では、少なくとも1つのコントローラ210は、受信したイベントデータに基づいて、決定された位置をさまざまなカテゴリに分類することによって、作業領域105を反映する特徴を決定するように構成されてもよい。例えば、決定された位置は、衝突、ループ通過、及びタイマー点に分類されてもよい。少なくとも1つのロボット作業ツール100が動いていない点を、除外してもよい。このほか、精度の低い点を除外してもよい。その後、少なくとも1つのコントローラ210は、カテゴリごとに、決定された位置を特徴マップに追加するように構成されてもよい。従って、特徴マップをカテゴリごとに作成してもよい。特徴マップは、それぞれの特徴に対応し、特定の特徴の情報を適切な形式でコンパイルする。一実施形態によれば、特徴マップは、x、y、及びz位置の行列として記述されてもよい。特徴マップは、例えば、ビットマップであってもよい。これとは別に、特徴マップは、ベクトルマップ、あるいはベクトル化された情報画像であってもよい。
【0051】
少なくとも1つのコントローラ210は、決定された位置をさまざまな方法で特徴マップに追加するように構成されてもよい。例示的な一実施形態によれば、少なくとも1つのコントローラ210は、決定された位置それぞれに2次元ガウス関数を追加することによって、決定された位置を特徴マップに追加するように構成されてもよい。これは、決定された解像度で実施されてもよい。特徴マップの数は、利用可能なイベントデータに依存してもよいが、例示的な一実施形態によれば、4つの特徴マップを作成してもよい。このような4つの特徴マップは、タイマーマップ、衝突マップ、ループマップ、及び境界マップであってもよい。ここで、境界マップは、衝突及びループマップの総和である。作成された特徴マップは、1つのタイプのセンサデータに関連している場合があるが、このほか、複数のセンサデータの組み合わせである場合がある。センサデータのいくつかのカテゴリでは、2次元の特徴マップ又は画像が、位置に関連する2次元放射基底関数の合計として作成されてもよい。これとは別に、2次元特徴マップ又は画像は、特徴マップ又は画像に合計することができる任意の2次元関数の合計として作成されてもよい。融合値が実数値のセンサ値である、センサデータのいくつかのカテゴリ又はセンサデータの組み合わせについて、特徴マップ又は画像の各位置で値又は融合値を反映する特徴マップを作成してもよい。これとは別に、融合値が複素値又はベクトルである、センサデータのいくつかのカテゴリ又はセンサデータの組み合わせについて、ビットマップ/画像の各位置にてその複素値又はベクトルを反映するビットを作成してもよい。
【0052】
その後、決定された位置が特徴マップにどのように追加されたかに関係なく、少なくとも1つのコントローラ210は、作業領域105を反映するそれぞれの特徴を決定するために、フィルタ又はアルゴリズムを使用して特徴マップを改良するように構成されてもよい。これは、いくつかの異なる方法及び異なる組み合わせで実施されてもよく、以下に説明する例は、決して限定するものではない。本明細書で説明する例は、単にフィルタの例及び組み合わせを示すにすぎない。
【0053】
例示的な一実施形態によれば、ガウスフィルタが、決定されたタイマーマップ上で実施されてもよい。これは、他のマップ上の正規化フィルタとして使用されてもよい。正規化フィルタは、少なくとも1つのロボット作業ツール100がそれほど頻繁に使用されていない領域を増幅してもよい。タイマーマップのソーベルフィルタを使用して、ソーベルマップを作成してもよい。当技術分野で知られているように、ソーベルフィルタを使用して、エッジを強調する画像を作成してもよい。衝突マップ、ループマップ、及び境界マップは、これとは別に、あるいはこれに加えて、複雑なガウス分布に基づいて作成されてもよい。ガウス分布の大きさは、e^(1jシータ)であってもよい。ここで、シータは、少なくとも1つのロボット作業ツール100の方位である。このアプローチを使用することにより、狭い通路がマップ内でさらに良好に検出される可能性がある。
【0054】
マップが生成され、各マップが作業領域105のそれぞれの特徴に対応するとき、境界及び障害物が検知される場合がある。タイマーマップが、作業領域105の内部及び外部のロバストな検出に適している可能性がある。大きさを調べることによって、内側と外側の概算を実施してもよい。上記のように、ソーベルマップがエッジを検知するのに適している可能性があり、ロバストであるが精度が低くなる。境界マップが、ソーベルマップよりも精度が高くなる可能性があるが、ロバスト性が低下する可能性がある。複雑な境界マップの方が、境界マップよりも狭い通路に適している場合がある。衝突及びループイベントマップを使用して、作業領域105内の障害物を検知してもよい。
【0055】
例示的な一実施形態によれば、ウォーターシェッドフィルタを境界マップ及びソーベルマップ上で使用して、作業領域105の内部を検知してもよい。ウォーターシェッドは、セグメンテーションのため、即ち、画像内のさまざまな物体を分離するために使用される古典的なアルゴリズムである。ウォーターシェッドフィルタが適用される前に、内側と外側の領域を規定するマーカを検知する。まず、最小ピークをソーベルマップで検知することができる。ソーベルマップの最小ピークは、通常、作業領域105の内側又は外側の両方で、境界から遠く離れた点を示す。タイマーマップがその最大値の5%未満であるピークを保持し、外側としてマークしてもよく、最大値の20%を超えるピークを保持し、内側としてマークしてもよい。このほか、マップのエッジ、即ち、作業領域105のエッジを外側としてマークしてもよい。マーカとソーベルマップは、ウォーターシェッドアルゴリズムに入力されてもよく、境界の第1の推定値が検知されてもよい。次に、この推定値は、スケルトン化アルゴリズムでフィルタリングされてもよい。当技術分野で知られているように、スケルトン化アルゴリズムを使用して、その接続性、トポロジー、長さ、方向、及び幅などの形状の幾何学的特性及びトポロジー的特性を強調してもよい。スケルトン化アルゴリズムは、作業領域105の内側領域と外側領域の両方に使用されてもよい。ループ障害物、衝突障害物、境界障害物などの小さめの物体の場合、最大ピークがいずれもさまざまなマップで検知される可能性がある。最大ピークは、ウォーターシェッドアルゴリズムへの入力として使用されてもよく、その後、ソーベルフィルタを用いて使用されてもよい。これにより、作業領域105の障害物の形状及びサイズの適切な推定値が得られる場合がある。ソーベルフィルタを使用することにより、障害物120のエッジは、ソーベルフィルタによって最大値が得られる場所に設定されてもよい。特徴マップはこのほか、作業領域105内のガイドワイヤを検知するために使用されてもよい。
【0056】
フィルタを使用して特徴マップを改良して、作業領域105を反映するそれぞれの特徴を決定するステップは、一実施形態によれば、4つのステップを含んでもよい。第1のステップは、タイマーマップのレベルフィルタによって内側と外側のロバスト性を検知する。第2のステップは、ソーベルマップ上でウォーターシェッドアルゴリズムを実行し、第1のステップの結果を入力として使用する。第3のステップは、第2のステップの結果に対してスケルトン化アルゴリズムを実行する。これは、次のステップ、即ち、第4のステップへの入力として使用されてもよい。第4のステップは、複雑なイベントマップ上でウォーターシェッドアルゴリズムを実行する。
【0057】
ループ特徴マップの目的は、作業領域105全体にわたってループ値のマップを作成することである。ループ値は、通常、境界ワイヤのエッジを除いて、作業領域105全体にわたって非常に平坦であってもよい。エッジでは、ループ値は最大値から負の値に急速に変化している場合がある。従って、第1のステップは、ループワイヤ通路を特定し、ワイヤ通路に近い部分を、高次導関数を用いて削除してよい。高次導関数を有する部分は、ピークフォロワーからの値に置き換えることができる。未加工ループ値とフィルタリングされたループ値の一例を
図4に示す。ループフィルタを適用して、ガウスマップを作成してもよい。このマップの場合、レベルは0とpiとの間で線形にスケーリングされ、各ガウス分布に対する複雑なレベルとして使用されてもよい。マップが作成された後、値を0~piからループ値に戻してマッピングする逆のプロセスを実施してもよい。その後、マップは、ループフィルタが適用されるエッジを除いて、作業領域105全体にわたる推定ループ値を含む。
【0058】
特徴がどのように決定されたかに関わらず、少なくとも1つのコントローラ210は、その後、決定された特徴に基づいて、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較することによって、決定された位置を調整するように構成されてもよい。従って、少なくとも1つのロボット作業ツール100の決定された位置は、決定された特徴の位置に従って調整されてもよい。それぞれの特徴の位置を互いに比較してもよく、例えば、統計分析を実施して、どの位置が調整され得るかを決定してもよい。決定された位置を調整するための2つの実施形態を以下に説明する。
【0059】
一実施形態では、少なくとも1つのコントローラ210は、決定された位置の外れ値を検知し、決定された特徴の決定された位置から、検知された外れ値を除去することによって、決定された特徴の位置を調整するように構成されてもよい。外れ値とは、他の観測結果とは大幅に異なるデータ点であり、外れ値はさまざまな方法で検知される可能性がある。外れ値を検知するために使用され得る方法の例としては、RANSAC(RANdom SAmple Consensus)法がある。当技術分野で知られているように、RANSACは、外れ値が推定値に影響を及ぼさない場合に、外れ値を含む観測データのセットから数学モデルのパラメータを推定する反復法である。従って、RANSACはこのほか、外れ値の検出方法として解釈される場合がある。外れ値を検知する方法の他の例としては、MSAC(M-estimator SAmple and Consensus)、MLESAC(Maximum likelihood estimation SAmple and Consensus)、MAPSAC(Maximum A Posterior Sample Consensus)、及びKALMANSACがある。
【0060】
別の実施形態では、少なくとも1つのコントローラ210は、バイアス推定によって決定された特徴の決定された位置を調整するように構成されてもよい。この実施形態によれば、全特徴が決定された後、バイアス推定器を稼働させてもよい。推定器とは、観測データに基づいて所与の量の推定値を計算するための規則であり、推定器のバイアス又はバイアス関数とは、推定器の期待値と推定されるパラメータの真の値との差である。従って、バイアス推定器は、この実施形態によれば、互いに関連するデータ点を検知し、データ点をまとめ、それによって、データのエラーを低減してもよい。バイアス推定器の目的は、データ点、即ち、決定された位置を移動または調整し、GNSSエラーを除去することである。これは、全特徴に対してコストマップを決定し、次に、全データに区分線形バイアスを追加してコストを最小限に抑えようと試みることによって実施されてもよい。これまで説明したように、少なくとも1つのロボット作業ツール100の推定位置は、決定された特徴の位置に従って調整されてもよい。ロボット作業ツール100の位置は時間的に連続しているため、時間的に互いに近接する点をホイールオドメトリに関連付けることができる。バイアス推定器が境界マップの外側にある1つのデータ点を修正すると、その点に近い他のあらゆる点も移動することになる。
【0061】
図5は、バイアス推定を使用した場合の例を示す。
図5の四角は、作業領域105の境界を示す。境界の周りに点在しているドットは、補正されていない点、即ち、バイアス推定が実行される前の点を表す。多くの点は境界マップの外側に位置しているため、バイアス推定器はそのような点を移動して、作業領域105内、即ち、内部に含まれるようにすることを試みることになる。次に、時間的に近接する他のあらゆる点が調整されることになる。決定された特徴の調整された位置に基づいて、作業領域105を規定するマップが決定されてもよい。×印は、バイアス推定器が実施された後のデータ点を示す。従って、
図5に×印で示すデータ点は、調整された点を示す。前述の全特徴マップを、境界マップだけでなく、バイアス推定器に対する入力として使用してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラ210は、作業領域105を反映する特徴を決定し、以前に調整された位置に基づく場合を除いて、決定された位置を調整するステップを繰り返すように構成されてもよい。従って、少なくとも1つのコントローラ210は、関連付けられたイベントデータに基づいて、調整された位置を互いに関連させることによって、作業領域105を反映する特徴を決定し、次に、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較することによって、決定された特徴に基づいて、決定された位置を調整するように構成されてもよい。このようなステップは数回繰り返されてもよい。しかしながら、一般的には、バイアス推定を2回繰り返すことが好ましい。これ以上繰り返しても、典型的には、わずかな改善しか得られないためである。本明細書で提示するロボット作業ツールシステム200を、このような実施形態に従って簡略化された方法で説明する場合、少なくとも1つのコントローラ210は、データを受信するように構成されるものとして説明することができる。受信したデータに基づいて、位置を決定することができる。位置は、例えば、ホイールオドメトリデータ、位置データ、及びIMUデータに基づいて決定されてもよい。イベント及び受信したセンサデータに基づいて、作業領域105を反映する特徴を決定することができる。決定された位置は、例えば、バイアス推定によって、以前に決定された特徴に基づいて調整されてもよい。その後、調整された位置に基づく場合を除いて、特徴を決定するステップを繰り返してもよい。次に、決定された位置は、新たに決定された特徴に基づいて、再度調整されてもよい。最後に、マップを決定することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラ210は、決定されたマップに基づいて、作業領域105内で動作するときに少なくとも1つのロボット作業ツール100の動作を制御するようにさらに構成されてもよい。決定されたマップに基づいて動作を制御することができるロボット作業ツール100は、受信したセンサデータ及びイベントデータが関連するロボット作業ツール100と同じである必要はないことが理解され得る。少なくとも1つのコントローラ210は、少なくとも1つのロボット作業ツール100に関連するセンサデータ及びイベントデータを受信するように構成されてもよく、他のロボット作業ツール100の動作を制御するように構成されてもよい。しかしながら、センサデータ及びイベントデータが関連する少なくとも1つのロボット作業ツール100は、少なくとも1つのコントローラ210によって制御される少なくとも1つのロボット作業ツール100と同じであり得ることが理解され得る。
【0064】
少なくとも1つのコントローラ210は、いくつかの異なる方法で少なくとも1つのロボット作業ツール100の動作を制御するように構成されてもよい。例示的な一実施形態によれば、少なくとも1つのコントローラ210は、作業領域105に関連する決定されたマップに基づいて、少なくとも1つのロボット作業ツール100が作業領域105内で動作する場合に追従することを意図する作業領域105内の移動経路を決定するように構成されてもよい。別の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのコントローラ210は、作業領域105を同時に動作することを意図する複数のロボット作業ツール100のための移動パターンを決定するように構成されてもよい。これは、例えば、作業領域105全体で動作することを保証するために使用されてもよく、複数のロボット作業ツール100が作業領域105の異なる部分で動作する必要がある場合に使用されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラ210は、決定されたマップをロボット作業ツール100及び視覚化ユニットのうちの少なくとも1つに送信するようにさらに構成されてもよい。これとは別に、あるいはこれに加えて、少なくとも1つのコントローラ210は、移動経路をロボット作業ツール100及び視覚化ユニットのうちの少なくとも1つに送信するようにさらに構成されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、ロボット作業ツールシステム200は、視覚化ユニットを備えてもよい。視覚化ユニットは、作業領域105に関連して決定されたマップを表示するように構成されてもよい。
図2は、視覚化ユニット230を備えるロボット作業ツールシステム200の一例を示す。
図2では、視覚化ユニット230は、少なくとも1つのコントローラ210と同じ装置に配置されているものとして示される。しかしながら、視覚化ユニット230は、少なくとも1つのコントローラ210から分離された別の装置に配置され得ることが理解され得る。一実施形態では、視覚化ユニット230は、ユーザの操作中及び上記視覚化ユニット230との相互作用中にユーザからのユーザ入力を受信するように構成されてもよく、少なくとも1つのコントローラ210は、受信したユーザ入力に基づいて、作業領域105に関連するマップを調整するように構成されてもよい。
【0067】
これまで説明したように、ロボット作業ツールシステム200は、ロボット作業ツール100を備えてもよい。ロボット作業ツール100の一例を
図6に例示する。ロボット作業ツール100は、例えば、ロボット芝刈り機であってもよい。
図6は、本体及び複数の車輪130を有するロボット作業ツール100を示す。ロボット作業ツール100の車輪130は、ロボット作業ツール100が可動であることを示すためのものである。他の実施形態では、車輪130は、例えば、無限軌道として具体化されてもよい。ロボット作業ツール100は、ロボット作業ツール100の動作を制御するように構成されたプロセッサなどのコントローラ110を備えてもよい。ロボット作業ツール100は、コントローラ110に読み込まれたときにロボット作業ツール100の動作を制御する命令を担持するように構成されるメモリ120又はコンピュータ可読媒体をさらに備えてもよい。
【0068】
このほか
図6に示すように、ロボット作業ツール100は、少なくとも1つのセンサユニット140を備える。センサユニット140は、ロボット作業ツール100の姿勢推定のためのデータを受信するように構成されてもよい。センサユニット140は、位置データ又は測位信号を受信するように構成された測位ユニットを備えてもよい。測位ユニットは、衛星信号受信機を備えてもよい。同受信機は、全地球的航法衛星システム(GNSS)衛星信号受信機であってもよい。このようなシステムの一例には、全地球測位システム(GPS)が挙げられる。測位ユニットは、例えば、リアルタイムキネマティック、RTK、測位を使用するように構成されてもよい。有利な実施形態では、少なくとも1つの測位ユニットは、RTK-GNSS測位を使用してもよい。RTK-GNSSシステムは衛星通信に基づくものである。少なくとも1つのセンサユニット140は、ロボット作業ツールシステム200の少なくとも1つのコントローラ210に接続されて、コントローラ210がロボット作業ツール100の姿勢を推定し、決定することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサユニット140は、デッドレコニングとも呼ばれる推測航法のための信号を提供するための推測航法センサをさらに備えてもよい。そのような推測航法センサの例としては、走行距離計、IMU、羅針盤が挙げられる。ここに挙げたものには、例えば、ホイールチックカウンタ、加速度計、及びジャイロスコープが含まれてもよい。さらに、視覚オドメトリを使用して、推測航法の精度をさらに高めることができる。
【0070】
ロボット作業ツール100は、少なくとも1つのイベントユニット160をさらに備えてもよい。少なくとも1つのイベントユニット160は、検知イベントデータを収集するように構成されてもよい。収集された検知入力データは、ロボット作業ツール100のイベントを表してもよい。少なくとも1つのイベントユニット160は、ロボット作業ツール100が作業領域105内を移動している間に、検知入力データを収集するように構成されてもよい。収集された検知イベントデータは、少なくとも1つのイベント160によって、連続的に取得されてもよく、ロボット作業ツール100に何かが発生したときに取得されてもよい。収集されたイベントデータは、例えば、ループデータ、タイマーデータ、負荷データ、位置データ、衝突データなどであってもよいが、ここに挙げたものに制限されない。
【0071】
例えば、少なくとも1つのイベントユニット160は、衝突センサを備えてもよい。衝突センサは、ロボット作業ツール100が作業領域105内で移動したときに衝突を検出するように構成されてもよい。検出された衝突の情報を、少なくとも1つのコントローラ210に伝達してもよい。衝突センサ160は、ロボット作業ツール100の本体に対するシャーシの動きの方向を検出するように構成されてもよい。動きは衝突を示している。動きは、また、ロボット作業ツール100の上昇を示してもよい。従って、衝突センサは、任意の方向の動きの方向を検出することができる。
【0072】
本明細書で提示するロボット作業ツールシステム200は、信頼性が高く費用効率の高い方法で作業領域105を正確に規定するマップを決定する方法を提供する。ロボット作業ツールシステム200は、規定対象の作業領域105内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール100に関連するセンサデータ及びイベントデータのみに基づいて、作業領域105を規定するマップを決定することを可能にする。従って、提供されたロボット作業ツールシステム200は、比較的単純なデータに基づいて、作業領域105の正確なマップを決定することができる。
【0073】
第2の態様によれば、第1の態様によるロボット作業ツールシステム200に実装される方法が提供される。この方法について、
図7を参照して説明する。
【0074】
一実施形態では、方法700は、少なくとも1つのロボット作業ツール100が後に動作することを意図する作業領域105を規定するためのロボット作業ツールシステム200によって実施されてもよい。
図7に示すように、方法700は、姿勢推定のためのセンサデータ、及び作業領域105内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール100の複数のイベントに関連するイベントデータを受信するステップ710から始まる。受信したセンサデータ及びイベントデータは互いに時間的に関連付けられる。受信したセンサデータは、位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含んでもよい。少なくとも1つのロボット作業ツール100のイベントに関連するイベントデータは、ループイベント、タイマーイベント、及び状態イベントを含んでもよい。
【0075】
方法700は、それぞれのイベントデータに関連付けられた受信センサデータに基づいて複数のイベントの位置を決定するステップ720に続く。その後、方法700は、対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることによって、作業領域105を反映する特徴を決定するステップ730に続く。このステップ730は、受信したイベントデータに基づいて、決定された位置をさまざまなカテゴリに分類するステップ735と、カテゴリごとに、決定された位置を特徴マップに追加するステップ740とをさらに含んでもよい。特徴マップは、それぞれの特徴に対応してもよい。
【0076】
作業領域105を反映する特徴が決定された後、方法700は、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較することによって、決定された特徴の位置を調整するステップ750に続く。決定された特徴の位置を調整するステップ750は、ステップ755及びステップ760をさらに含んでもよい。ステップ755は、決定された位置の外れ値を検知することを含み、ステップ760は、決定された特徴の決定された位置から、検知された外れ値を除去することを含む。これに加えて、あるいはこれとは別に、方法700は、バイアス推定を実施するステップ765をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、この方法は、ステップ770及び775をさらに含む。ステップ770は、関連付けられたイベントデータに基づいて、調整された位置を互いに関連させることによって、作業領域105を反映する更新された特徴を決定することを含む。ステップ775は、決定された特徴ごとに、それぞれの決定された位置を互いに比較することによって、決定された特徴の位置を調整することを含む。この2つのステップ、ステップ770及び775は、いくつかの実施形態によれば、複数回繰り返されてもよい。
【0077】
決定された特徴の位置が調整されたときに、方法700は、決定された特徴の調整された位置に基づいて、作業領域105を規定するマップを決定するステップ780に続く。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、方法700は、決定されたマップに基づいて、作業領域105内で動作する少なくとも1つのロボット作業ツール100の動作を制御するステップ785をさらに含んでもよい。少なくとも1つのロボット作業ツール100の動作を制御するステップ785は、例えば、作業領域105を規定する決定されたマップに基づいて、少なくとも1つのロボット作業ツール100が作業領域105内で動作するときに追従することを意図する作業領域105内の移動経路を決定するステップ790を含んでもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、方法700は、決定されたマップ及び/又は移動経路をロボット作業ツール100及び視覚化ユニットのうちの少なくとも1つに送信するステップ795をさらに含んでもよい。
【0080】
提案された方法700を用いると、信頼性が高く費用効率の高い方法で作業領域105を正確に規定するマップを決定することが可能である可能性がある。方法700は、規定対象の作業領域105内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール100に関連するセンサデータ及びイベントデータのみに基づいて、作業領域105を規定するマップを決定することを可能にする。従って、提供される方法700によって、比較的単純なデータに基づいて、作業領域105の正確なマップを決定することができる。
【0081】
図8は、プロセッサなどのコントローラに読み込まれたときに、上記で開示した実施形態による方法又は手順を実行する命令810を担持するように構成されたコンピュータ可読媒体の概略図を示す。コンピュータ可読媒体800は、この実施形態では、データディスク800である。一実施形態では、データディスク800は、磁気データ記憶ディスクである。データディスク800は、命令をコントローラに読み込むために、読み取り装置に接続されるように配置されるか読み取り装置内に配置され、読み取り装置によって読み取られるように配置される。1つ(又は複数)のデータディスク800と組み合わせた読み取り装置のそのような一例には、ハードドライブが挙げられる。コンピュータ可読媒体はこのほか、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、フラッシュメモリ、あるいは一般的に使用される他のメモリ技術などの他の媒体であってもよいことに留意されたい。そのような実施形態では、データディスク800は、有形のコンピュータ可読媒体800の1つのタイプである。
【0082】
命令810は、また、命令810をコントローラに読み込むために、コンピュータデータ読み取り装置に(例えば、インターネットを介した)無線(又は有線)インターフェースを介して送信されたコンピュータ可読信号に命令810を含めることによって、コントローラ210などのコンピュータデータ読み取り装置、あるいはコンピュータ可読媒体上でコンピュータ符号化データを読み取ることができる他の装置にダウンロードされてもよい。そのような実施形態では、コンピュータ可読信号は、無形のコンピュータ可読媒体800の1つのタイプである。
【0083】
コンピュータプログラム、命令、コードなどへの言及には、プログラマブルプロセッサ又はファームウェア用のソフトウェア、例えば、プロセッサに対する命令かどうかにかかわらずハードウェア装置のプログラム可能なコンテンツ、あるいは固定機能デバイス、ゲートアレイ、又はプログラマブル論理装置などのための構成設定が含まれると理解されたい。説明した実施形態の変更を始めとする変形が、前述の説明及び関連付けられた図面に提示された教示の利益を有する当業者には思い浮かぶであろう。従って、実施形態は、本開示に記載する特定の例示的な実施形態に限定されず、修正及び他の変形が本開示の範囲内に含まれることを意図するものであることを理解されたい。さらに、本明細書では特定の用語を採用する場合があるが、このような用語は一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。従って、添付の特許請求の範囲内に依然として含まれるであろう、記載の実施形態に対する多数の変形を当業者が認識するであろう。本明細書で使用する場合、「備える」又は「含む」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。さらに、個々の特徴が異なる特許請求の範囲に含まれ得るが、特徴は場合により有利に組み合わされる可能性があり、異なる請求項を含めることは、特徴の組み合わせが実現可能でなかったり、及び/又は有利ではなかったりすることを意味しない。さらに、単数との言及は複数を除外しない。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
コンピュータプログラム、命令、コードなどへの言及には、プログラマブルプロセッサ又はファームウェア用のソフトウェア、例えば、プロセッサに対する命令かどうかにかかわらずハードウェア装置のプログラム可能なコンテンツ、あるいは固定機能デバイス、ゲートアレイ、又はプログラマブル論理装置などのための構成設定が含まれると理解されたい。説明した実施形態の変更を始めとする変形が、前述の説明及び関連付けられた図面に提示された教示の利益を有する当業者には思い浮かぶであろう。従って、実施形態は、本開示に記載する特定の例示的な実施形態に限定されず、修正及び他の変形が本開示の範囲内に含まれることを意図するものであることを理解されたい。さらに、本明細書では特定の用語を採用する場合があるが、このような用語は一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。従って、添付の特許請求の範囲内に依然として含まれるであろう、記載の実施形態に対する多数の変形を当業者が認識するであろう。本明細書で使用する場合、「備える」又は「含む」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。さらに、個々の特徴が異なる特許請求の範囲に含まれ得るが、特徴は場合により有利に組み合わされる可能性があり、異なる請求項を含めることは、特徴の組み合わせが実現可能でなかったり、及び/又は有利ではなかったりすることを意味しない。さらに、単数との言及は複数を除外しない。
[構成1]
少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が後に動作することを意図する作業領域(105)を規定するためのロボット作業ツールシステム(200)であって、前記ロボット作業ツールシステム(200)は、少なくとも1つのコントローラ(210)を具備し、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
姿勢推定のためのセンサデータ、及び前記作業領域(105)内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の複数のイベントに関連するイベントデータを受信することであって、前記受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に互いに関連付けられる、受信することと、
それぞれの前記イベントデータに関連付けられた前記受信したセンサデータに基づいて、前記複数のイベントの位置を決定することと、
対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定することと、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することにより、前記決定された特徴に基づいて、前記決定された位置を調整することと、
前記決定された特徴の前記調整された位置に基づいて、前記作業領域(105)を規定するマップを決定することと、
を実施するように構成される、ロボット作業ツールシステム(200)。
[構成2]
姿勢推定のための前記センサデータ、及び前記イベントデータが、前記作業領域(105)内を移動する前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)から受信される、構成1に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成3]
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記決定されたマップに基づいて、前記作業領域(105)内で動作する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の動作を制御するようにさらに構成される、構成1または2に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成4]
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の前記動作を、
前記作業領域(105)に関連して前記決定されたマップに基づいて、前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が前記作業領域(105)内で動作するときに追従することを意図する前記作業領域(105)内の移動経路を決定すること、
によって制御するように構成される、構成3に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成5]
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
前記決定されたマップ及び/又は前記移動経路を、前記ロボット作業ツール(100)及び視覚化ユニット(230)のうちの少なくとも1つに送信する、
ようにさらに構成される、構成1乃至4のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成6]
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記決定された位置の外れ値を検知し、前記決定された特徴の前記決定された位置から前記検知された外れ値を除去することによって、前記決定された特徴の前記位置を調整するように構成される、構成1乃至5のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成7]
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、バイアス推定によって前記決定された位置を調整するように構成される、構成1乃至6のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成8]
姿勢推定のための前記受信したセンサデータは、位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含む、構成1乃至7のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成9]
前記ロボット作業ツール(100)の前記イベントに関連する前記イベントデータは、ループイベント、タイマーイベント、及び状態イベントを含む、構成1乃至8のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成10]
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記作業領域(105)を反映する特徴を、
前記受信したイベントデータに基づいて、前記決定された位置をさまざまなカテゴリに分類することと、
カテゴリごとに、前記決定された位置を特徴マップに追加することであって、前記特徴マップはそれぞれの前記特徴に対応する、追加することと、
によって決定するように構成される、構成1乃至9のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成11]
前記作業領域(105)に関連する前記マップを決定する前に、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
前記関連付けられたイベントデータに基づいて、前記調整された位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定し、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することにより、前記決定された特徴に基づいて、前記決定された位置を調整する、
ようにさらに構成される、構成1乃至10のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成12]
前記ロボット作業ツールシステム(200)は前記ロボット作業ツール(100)を具備する、構成1乃至11のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成13]
前記ロボット作業ツール(100)はロボット芝刈り機である、構成1乃至12のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成14]
前記ロボット作業ツールシステム(200)は視覚化ユニット(230)を具備し、前記視覚化ユニット(230)は、前記作業領域(105)に関連する前記決定されたマップを表示するように構成される、構成1乃至13のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成15]
前記視覚化ユニット(230)は、ユーザからのユーザ入力を、前記ユーザの前記視覚化ユニット(230)の操作中及び相互作用中に受信するように構成され、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記受信したユーザ入力に基づいて、前記作業領域(105)に関連する前記マップを調整するように構成される、構成14に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
[構成16]
ロボット作業ツールシステム(200)によって実施される、少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が後に動作することを意図する作業領域(105)を規定するための方法(700)であって、前記方法(700)は、
姿勢推定のためのセンサデータ、及び前記作業領域(105)内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の複数のイベントに関連するイベントデータを受信すること(710)であって、前記受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に互いに関連付けられる、受信すること(710)と、
それぞれの前記イベントデータに関連付けられた前記受信したセンサデータに基づいて、前記複数のイベントの位置を決定すること(720)と、
対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定すること(730)と、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することによって、前記決定された特徴の前記位置を調整すること(750)と、
前記決定された特徴の前記調整された位置に基づいて、前記作業領域(105)を規定するマップを決定すること(780)と、
を含む、方法(700)。
[構成17]
前記方法(700)は、
前記決定されたマップに基づいて、前記作業領域(105)内で動作する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の動作を制御すること(785)をさらに含む、構成18に記載の方法(700)。
[構成18]
前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の動作を制御するステップ(785)は、
前記作業領域(105)を規定する前記決定されたマップに基づいて、前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が前記作業領域(105)内で動作するときに追従することを意図する前記作業領域(105)内の移動経路を決定すること(790)をさらに含む、構成17に記載の方法(700)。
[構成19]
前記方法(700)は、
前記決定されたマップ及び/又は前記移動経路を、前記ロボット作業ツール(100)及び視覚化ユニット(230)のうちの少なくとも1つに送信すること(795)をさらに含む、構成18乃至20のいずれか一項に記載の方法(700)。
[構成20]
前記決定された特徴の前記位置を調整するステップ(750)は、
前記決定された位置の外れ値を検知すること(755)と、
前記決定された特徴の前記決定された位置から、前記検知された外れ値を除去すること(760)と、
を含む、構成16乃至19のいずれか一項に記載の方法(700)。
[構成21]
前記決定された特徴の前記位置を調整するステップ(750)は、
バイアス推定を実行すること(765)を含む、構成16乃至20のいずれか一項に記載の方法(700)。
[構成22]
姿勢推定のための前記受信したセンサデータは、位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含む、構成16乃至21のいずれか一項に記載の方法(700)。
[構成23]
前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の前記イベントに関連する前記イベントデータは、ループイベント、タイマーイベント、及び状態イベントを含む、構成16乃至22のいずれか一項に記載の方法(700)。
[構成24]
前記作業領域(105)を反映する特徴を決定するステップ(730)は、
前記受信したイベントデータに基づいて、前記決定された位置をさまざまなカテゴリに分類すること(735)と、
カテゴリごとに、前記決定された位置を特徴マップに追加すること(740)であって、前記特徴マップはそれぞれの前記特徴に対応する、追加すること(740)と、
をさらに含む、構成16乃至23のいずれか一項に記載の方法(700)。
[構成25]
前記作業領域(105)に関連する前記マップを決定するステップ(780)の前に、前記方法(700)は、
前記関連付けられたイベントデータに基づいて、前記調整された位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する更新された特徴を決定すること(770)と、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することによって、前記決定された特徴の前記位置を調整すること(775)と、
をさらに含む、構成16乃至24のいずれか一項に記載の方法(700)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が後に動作することを意図する作業領域(105)を規定するためのロボット作業ツールシステム(200)であって、前記ロボット作業ツールシステム(200)は、少なくとも1つのコントローラ(210)を具備し、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
姿勢推定のためのセンサデータ、及び前記作業領域(105)内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の複数のイベントに関連するイベントデータを受信することであって、前記受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に互いに関連付けられる、受信することと、
それぞれの前記イベントデータに関連付けられた前記受信したセンサデータに基づいて、前記複数のイベントの位置を決定することと、
対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定することと、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することにより、前記決定された特徴に基づいて、前記決定された位置を調整することと、
前記決定された特徴の前記調整された位置に基づいて、前記作業領域(105)を規定するマップを決定することと、
を実施するように構成される、ロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項2】
姿勢推定のための前記センサデータ、及び前記イベントデータが、前記作業領域(105)内を移動する前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)から受信される、請求項1に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記決定されたマップに基づいて、前記作業領域(105)内で動作する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の動作を制御するようにさらに構成される、請求項1または2に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の前記動作を、
前記作業領域(105)に関連して前記決定されたマップに基づいて、前記少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が前記作業領域(105)内で動作するときに追従することを意図する前記作業領域(105)内の移動経路を決定すること、
によって制御するように構成される、請求項3に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
前記決定されたマップ及び/又は前記移動経路を、前記ロボット作業ツール(100)及び視覚化ユニット(230)のうちの少なくとも1つに送信する、
ようにさらに構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記決定された位置の外れ値を検知し、前記決定された特徴の前記決定された位置から前記検知された外れ値を除去することによって、前記決定された特徴の前記位置を調整するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、バイアス推定によって前記決定された位置を調整するように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項8】
姿勢推定のための前記受信したセンサデータは、位置データ、IMUデータ、及びオドメトリデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項9】
前記ロボット作業ツール(100)の前記イベントに関連する前記イベントデータは、ループイベント、タイマーイベント、及び状態イベントを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記作業領域(105)を反映する特徴を、
前記受信したイベントデータに基づいて、前記決定された位置をさまざまなカテゴリに分類することと、
カテゴリごとに、前記決定された位置を特徴マップに追加することであって、前記特徴マップはそれぞれの前記特徴に対応する、追加することと、
によって決定するように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項11】
前記作業領域(105)に関連する前記マップを決定する前に、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、
前記関連付けられたイベントデータに基づいて、前記調整された位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定し、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することにより、前記決定された特徴に基づいて、前記決定された位置を調整する、
ようにさらに構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項12】
前記ロボット作業ツールシステム(200)は前記ロボット作業ツール(100)を具備する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項13】
前記ロボット作業ツール(100)はロボット芝刈り機である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項14】
前記ロボット作業ツールシステム(200)は視覚化ユニット(230)を具備し、前記視覚化ユニット(230)は、前記作業領域(105)に関連する前記決定されたマップを表示するように構成される、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項15】
前記視覚化ユニット(230)は、ユーザからのユーザ入力を、前記ユーザの前記視覚化ユニット(230)の操作中及び相互作用中に受信するように構成され、前記少なくとも1つのコントローラ(210)は、前記受信したユーザ入力に基づいて、前記作業領域(105)に関連する前記マップを調整するように構成される、請求項14に記載のロボット作業ツールシステム(200)。
【請求項16】
ロボット作業ツールシステム(200)によって実施される、少なくとも1つのロボット作業ツール(100)が後に動作することを意図する作業領域(105)を規定するための方法(700)であって、前記方法(700)は、
姿勢推定のためのセンサデータ、及び前記作業領域(105)内を移動する少なくとも1つのロボット作業ツール(100)の複数のイベントに関連するイベントデータを受信すること(710)であって、前記受信したセンサデータ及びイベントデータは時間的に互いに関連付けられる、受信すること(710)と、
それぞれの前記イベントデータに関連付けられた前記受信したセンサデータに基づいて、前記複数のイベントの位置を決定すること(720)と、
対応するイベントに関連付けられた位置を互いに関連させることにより、前記作業領域(105)を反映する特徴を決定すること(730)と、
決定された特徴ごとに、それぞれの前記決定された位置を互いに比較することによって、前記決定された特徴の前記位置を調整すること(750)と、
前記決定された特徴の前記調整された位置に基づいて、前記作業領域(105)を規定するマップを決定すること(780)と、
を含む、方法(700)。
【国際調査報告】