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特表2023-520386低移行性ヒンダードフェノール系抗酸化化合物、その調製方法及び組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】低移行性ヒンダードフェノール系抗酸化化合物、その調製方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 69/732 20060101AFI20230510BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230510BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20230510BHJP
   C07C 69/738 20060101ALI20230510BHJP
   C07C 323/12 20060101ALI20230510BHJP
   C07C 235/34 20060101ALI20230510BHJP
   C07D 493/10 20060101ALI20230510BHJP
   C07D 251/70 20060101ALI20230510BHJP
   C07D 251/34 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
C07C69/732 Z CSP
C08L101/00
C08K5/13
C07C69/738 Z
C07C323/12
C07C235/34
C07D493/10
C07D251/70 F
C07D251/34 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558562
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2021082762
(87)【国際公開番号】W WO2021190569
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】202010222099.5
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522379657
【氏名又は名称】曾 裕峰
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】曾 裕峰
(72)【発明者】
【氏名】魏 海濤
【テーマコード(参考)】
4C071
4H006
4J002
【Fターム(参考)】
4C071AA04
4C071BB01
4C071CC14
4C071DD27
4C071EE06
4C071FF33
4C071GG03
4C071JJ01
4C071KK11
4C071LL03
4H006AA01
4H006AB51
4J002AA001
4J002CK021
4J002CL011
4J002DH027
4J002EJ016
4J002EJ066
4J002FD076
4J002FD077
(57)【要約】
【課題】本発明は、より良い移行防止機能を備えたマルチユニットヒンダードフェノール系抗酸化化合物を提供する。
【解決手段】本発明は、低移行性ヒンダードフェノール系抗酸化化合物、その調製方法及び組成物を提供する。ポリマーは、生産加工及び使用中において、光、酸素、熱などの影響によって劣化する。1種類以上の抗酸化剤を添加することにより、その抗酸化力を高めることで、酸化して劣化する速度を抑制または遅延させる。従来のヒンダードフェノール系抗酸化化合物の構造は、ポリマーの中で移行することがよくある。本発明のヒンダードフェノール系抗酸化化合物は、ヒンダードフェノールの単位が多く、低抽出、低移行性の目的を達成することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】
、Rはそれぞれ独立してC-C10含有アルキル基、フェニル基、ベンジル基、クミル基(cumyl)、C-C12スルファン、またはC-CメチレンC-C12スルファンから選ばれ;R、Rは水素、C~C含有アルキル基、フェニル基、ベンジル基、クミル基、C~C12スルファン、またはC~Cメチレン基C~C12スルファンから選ばれ;R、Rはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、カルボキシ基、カルボニル基、アシル基、エステル、フェニル基、C~C含有アルキル基、C~Cアルキルアミノ、C~Cアルコキシ基、またはR~Rを結合したケトン基、から選ばれ、
はq価の基であり、
XはN、NH、NHR、O、S、CH、CHRから選ばれ、RはH、OH、C-C含有アルキル基から選ばれ、
m=0~3、n=0~3、p=0~18、q=1~8、r=0~3、s=0~2であることを特徴とする式(I)の化合物またはその塩。
【請求項2】
は、結合、水素、非置換または置換炭素または炭素鎖、非置換または置換酸素または硫黄または窒素或いは金属原子、非置換または置換酸素または硫黄または窒素で中断された炭素鎖であり、非置換または置換5~7員炭素環、或いは酸素または硫黄もしくは窒素を含む5~7員のヘテロ環であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)の化合物は、
【化2】
以上のような構造であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式(I)の化合物は、
【化3】
以上のような構造であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
は-(CHCHO)CHCH-の時、t>1であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
、Rはそれぞれ独立して、C-C含有アルキル基、フェニル基、ベンジル基、クミル基から選ばれ;R、Rはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、C-C含有アルキル基、アシル基、C-Cアルキルアミノ、C-Cアルコキシ基から選ばれ;R、Rはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、フェニル基、C-C含有アルキル基、アシル基から選ばれ;Rは、H、結合、(C)(CH)(CH(CHから選ばれ、a、b、c、d=0~18であり、a、b、c、dは同時に0とならない、(CHCHO)H、(CHCHO)OCH、(CH)q-2(CH0~12(CH1~3
【化4】
S、SH、O、OH、N、NH、NHR、P、Ca、Mg、Zn、Na、K、-(CHR1~18-、-(CH)q-2(CH1~18-、-(C=O)1-4-、-(CHR(C=O)1-4(CHR-、-(CHR1-4(CHR-、-(CHR1-4(CHR-、-(CHCHO)CHCH-、トリアジン系、メラミン系、非置換または置換フェニル基またはベンジル基;q≧a+b+c+d;t=1~20、u=1~10であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
m=0~2、n=0~2、p=0~18、q=1~6、r=0~1、s=0~1;X=NHまたはO;Rは、H、結合、C、CH、(CH1~18、CH、(CHCHO)1~8H、(CHCHO)1~8OCH、(CH)q-2
(CH1~18(CH1~2
【化5】
(S)1~2、SH、O、OH、N、NH、NHR、P、Ca、Mg、Zn、-(C=O)1~2-、-(CH1~2(CH)(CH1~2-、-(CHR1-4(CHR-、トリアジン、メラミン、フェニル基、C1-4アルキル基置換フェニル基から選ばれることを特徴とする請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
m=1、n=2、q=1~4、r=1、s=0であることを特徴とする請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
化合物は以下から選ばれたもの、
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】

【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
であることを特徴とする請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
以下のようにエステル化反応またはエステル転移反応を含み、R-R、n、X、p、r、sは請求項1の定義通りであり;-X(CH)pRはOHまたは脱離基であることを特徴とする式(I)の化合物の調製方法。
【化24】
【請求項11】
請求項1~8のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその塩は少なくとも1種類を含むことを特徴とする組成物。
【請求項12】
ヒンダードフェノール化合物の(ヒンダードフェノールユニット数/分子量)を最適化し、最適化後と最適化前の(ヒンダードフェノールユニット数/分子量)の比が1以上となるようにすることを特徴とするヒンダードフェノール系抗酸化化合物の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は低移行性ヒンダードフェノール系抗酸化化合物、その調製方法及び組成物に関する。
【0002】
ポリマー材料は、生産加工及び使用中において、光、酸素、熱などの影響によって劣化することが多く、ポリマー材料における物理的、化学的特性が低下される。そのため、ポリマー材料は、1種類以上の抗酸化剤を添加することにより、その抗酸化力を高めると共に、酸化して劣化することを抑制または遅延させ、その耐用年数を延長させる。
【0003】
その中でもヒンダードフェノール系化合物は最も重要な抗酸化化合物の一つである。ヒンダードフェノール系抗酸化剤は、ポリマーにおける耐熱、抗酸化、抗老化性を向上させるために広く応用されている。
【0004】
しかし、従来のヒンダードフェノール系抗酸化剤は、ポリマー内部において移行現象があるため、性能に大きな影響を与える。
【0005】
従来のヒンダードフェノール系抗酸化剤は、例えば2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール(AO333)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、Irganox 1076がある。これらは揮発性が強いため、ポリマー内から拡散してポリマー表面に移行しやすく、最終的にはポリマー中の抗酸化剤の含有量を消失させ、性能に大きく影響する。そして、抗酸化剤は環境に入ると、生態系を破壊するだけでなく、人体健康にも害を及ばす。
【0006】
従って、耐移行性を有するヒンダードフェノール系抗酸化剤を設計することは大きな意義がある。現在においてこれらの問題を解決する方法の一つは、移行を遅らせるためのマルチユニットのヒンダードフェノール系抗酸化剤を開発することである。例えばIrganox 245は2ユニットのヒンダードフェノール系抗酸化剤であり、例えばIrganox 1330は3ユニットのヒンダードフェノール系抗酸化剤であり、そして例えばIrganox 1010は4ユニットのヒンダードフェノール系抗酸化剤である。しかし、単純にヒンダードフェノール系抗酸化剤の分子量を大きくすることだけで、移行防止と酸化防止を兼ねるとは限らない。より良い移行防止機能を備えたマルチユニットヒンダードフェノール系抗酸化剤を開発することが業界の目標である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行技術における不足を解決するために、本発明は、「ヒンダードフェノールユニット/分子量」の比率が最適範囲に維持されるようにした、低移行性ヒンダードフェノール系抗酸化化合物、その調製方法及び組成物を提供する。本方法は、「ヒンダードフェノールユニット数/分子量」を最適化することを含み、最適化後と最適化前の「ヒンダードフェノールユニット数/分子量」の比が1以上となるようにする。すなわち、新たに添加される抗酸化剤ユニットが分子量を大きくしすぎることはない。例えば、本発明の化合物10(実施例10)とEunox 1035(実施例60)のヒンダードフェノールユニット数/分子量の比は、(4/966):(2/642)=1.33(>1)である。
【0008】
驚くべきことに、このような設計により、樹脂中の抗酸化剤の保持力が大幅に向上され、すなわち、従来のヒンダードフェノール系抗酸化剤が移行しやすいという欠点が解消される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的な課題を解決するために、本発明で採用する技術手段は、以下の通りである。
【0010】
第1は、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0011】
【化1】
【0012】
-Rは置換基であり、R-Rはそれぞれ独立してC-C12を含み、好ましくはC-C12アルキル基、フェニル基、ベンジル基、クミル基(cumyl)、C-C12スルファン、C-CメチレンC-C12スルファンから選ばれ;R-Rは水素、C-C含有アルキル基、フェニル基、ベンジル基、クミル基、C-C12スルファン、C-Cメチレン基、C-C12スルファンから選ばれる。R-Rはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、カルボキシ基、C-C含有アルキル基、カルボニル基、アシル基、エステル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアルコキシ基、フェニル基、またはR-Rを結合したケトン基、から選ばれる。好ましくは、R-Rはそれぞれ独立してC-C含有アルキル基、フェニル基、ベンジル基、クミル基から選ばれ;R-Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C-C含有アルキル基、カルボニル基、アシル基、C-Cアルキルアミノ、C-Cアルコキシ基から選ばれ;R-Rがそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C-C含有アルキル基、フェニル基から選ばれる。特に好ましくは、R-Rはそれぞれ独立してメチル基、tert-ブチル基、クミル基から選ばれ;R-Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、メチル基、tert-ブチル基から選ばれ;R-Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C-C含有アルキル基から選ばれる。
【0013】
はq価の基である。好ましくは、Rは、結合、水素、非置換または置換ヘテロ原子、非置換または置換炭素または炭素鎖、酸素または硫黄または窒素で中断された非置換または置換炭素鎖、炭素環、ヘテロ環を含む。より好ましくは、炭素は一級から四級炭素であり、炭素鎖はC-C20炭素鎖、酸素または硫黄または窒素で中断された炭素鎖であり、非重合体のC-C20ヘテロ炭素鎖または例えばポリエチレングリコールなどの複数の重合単位を含む鎖であっても良い。好ましくは、炭素環は5~7員の単環であり、ヘテロ環は酸素または硫黄もしくは窒素を含む5~7員の単環である。
【0014】
より好ましくは、Rは、H、結合、(C)(CH)(CH(CHであり、(C)と(CH)と(CHと(CHの順番は交差または入れ替えても良い。a~dは同時に0ではなく、a~d=0~18、(CHCHO)H、(CHCHO)OCH、(CH)q-2(CH1~10(CH1~4である。好ましくは、(CH)q-2(CH1~10(CH1~3であり、(CH)q-2と(CH1~10と(CH1~3の順番は交差または入れ替えても良い。S、SH、O、OH、N、NH、NHR、P、Ca、Mg、Zn、Na、K、-(CHR1~18-、-(CH)q-2(CH1~18-は、(CH)q-2と(CH1~18の順番は交差または入れ替えても良く、-(C=O)1-4-、-(CHR-、-(C=O)1-4(CHR-は、(C=O)1-4と(CHRは順番を交差または入れ替えても良く、-(CHR1-4(CHR-、-(CHR1-4(CHR-、-(CHCHO)CHCH-、
【0015】
【化2】
【0016】
トリアジン系、メラミン系、非置換または置換フェニル基またはベンジル基、C-Cシクロアルキル;q≧a+b+c+d;t=1~20、u=1~20である。(CH)q-2と(CH1~18の順番は入れ替えてもよく、好ましくは、-(CH)q-2(CH1~18-が-(CH(CH)(CH1-または-(CH(CH)(CH-である。より好ましくは、(C)(CH)(CH(CHは、C、CH、CH、CH、a~d=0~8であり、さらに好ましくは、a~d=0~4。より好ましくは、t=1~10、u=1~10である。さらに好ましくは、t=1~5、u=1~5である。
【0017】
Xは炭素またはヘテロ原子であり、好ましくは、N、NH、NHR、O、S、CH、CHRから選ばれ、RはH、OH、C-C含有アルキル基から選ばれ、より好ましくは、XはNH、O、CH、特に好ましくはX=NHまたはOから選択される。
【0018】
m=0~5、n=0~5、p=0~18、q=1~8、r=0~3、s=0~2。好ましくは、m=0~2、n=0~2、p=0~18、q=1~6、r=0~1、s=0~1。より好ましくは、m=1、n=2、q=1~4、r=1、s=0である。
【0019】
特に好ましくは、式(I)は、以下の構造である。
【0020】
【化3】
【0021】
-R、m、n、X、p、rは上記定義の通りである。
【0022】
特に好ましくは、式(I)は、以下の構造である。
【0023】
【化4】
【0024】
-R、m、n、X、p、q、rは上記定義の通りである。R=-(CHCHO)CHCH-の時、t>1。
【0025】
特に好ましくは、式(I)は、以下の構造である。
【0026】
【化5】
【0027】
-R、m、n、X、p、q、rは上記定義の通りである。
【0028】
式(I)で示される化合物の調製方法は、以下のようにエステル化反応またはエステル転移反応を含むことを特徴とする。
【0029】
【化6】
【0030】
-R、n、r、sは上記定義の通りであり;-X(CH2)pRはOHまたは脱離基である。好ましくは、脱離基は、OCHまたはハロゲンである。
【0031】
化合物(IV)、は、以下のエステル化またはエステル転移反応式によって合成される。
【0032】
【化7】
【0033】
はフリーデル・クラフツ(Friedel-Crafts)のアルキル化反応またはアシル化反応を生じうるベンゼン環上の基またはベンゼン環以外の基であり、Rがベンゼン環上の基の場合、ハロゲン、C-Cハロアルキル、ハロアシル、C-Cハロアシル、C-Cアルケニルが含まれる。Rがベンゼン環以外の基の場合、C-Cアルキルアルデヒドまたはケトンが含まれる。
【0034】
本発明の反応は、任意のエステル化またはエステル転移反応触媒を用いることができ、好ましくはアルミニウムトリイソプロポキシドまたはスズ化合物、特にジブチルスズジアセテートが挙げられる。本発明の実施に有用な触媒の例としては、オクタン酸第一スズ、シュウ酸第一スズ、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルジラウレート、ジブチルジオクチル-2-ヘキサン酸エチル、テトライソプロピル、チタン酸テトラブチル、テトラ-2-エチルヘキシルチタネート、ジブチルジフリルメルカプタン、ジブチルジインドリルオクチルメルカプトアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシド、ブチルスタンニン酸などがある。
【発明の効果】
【0035】
本発明の式(I)の化合物は、組成物に使用でき、抗酸化効果を提供する。この組成物は、各種有機材料に適用でき、例えばポリオールまたはポリウレタンなどがあるが、これらに限定されるものではない。ポリオールは、その後のポリウレタンフォームの製造過程において多くの熱を放出し、黄変の原因となる。一般的な抗酸化剤を添加した場合、抗酸化剤自体が析出するため、黄変の原因となる。本発明のヒンダードフェノール系抗酸化剤は、各種材料に適用し、ナイロン6樹脂を例にすると、100重量部に対して、0.1~5重量部である。本発明のヒンダードフェノール系抗酸化剤は、亜リン酸系抗酸化剤と併用でき、ヒンダードフェノール系抗酸化剤と亜リン酸系抗酸化剤の混合重量比は、1:4~1:1が好ましい。また、本発明のヒンダードフェノール系抗酸化剤は他の安定剤、例えば紫外線吸収剤、ヒンダードアミンなどと併用することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を実施例と関連させてさらに説明する。なお、以下の実施例は、本発明の効果をより明確に説明するためのものであり、これに限定されるべきではない。
【0037】
本発明のヒンダードフェノール系抗酸化剤は、具体的に実施例で表されるが、実施例の化合物に限定されるものではない。Rは連結構造であり、表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
実施例1
メチル3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0042】
【化8】
【0043】
25.4gの2,4-ジ-tert-ブチル-6-クロロメチルフェノール(化合物1.1)と23.6gのメチル3-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸(CAS No36837-50-0,mp=60℃)を取り、200mLの乾燥CHClに溶解させ、室温の窒素の中で攪拌しながら、14gのAlClを加えて攪拌し続ける。TLCで反応をモニタリングし、その間にAlClを補充する。反応終了後、混合物を200mLの氷水に注ぎ入れて攪拌し、CHClで3回抽出する。抽出相を合わせ、1%の希塩酸と食塩水で順番に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を蒸発乾固し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(1)を得る。MS(m/z)=454.3、H1-NMR(CDCl)、化学シフト4.0、(芳香族炭素-CH -芳香族炭素)が新生し、化合物(1)が合成されたことを示す。
【0044】
【化9】
【0045】
2,4-ジ-tert-ブチル-6-クロロメチルフェノール(化合物1.1)の調製方法は、50mlの反応フラスコに3gの2,4-ジ-tert-ブチルフェノール(96-76-4)、0.6gのパラホルムアルデヒド、20gの酢酸、3gの35%塩酸を加え、60℃まで昇温させ、10時間インキュベートした後、サンプル採取して反応をモニタニングする。冷却、洗浄、乾燥して化合物1.1を得る。融点:62℃である。
【0046】
【化10】
【0047】
実施例2
メチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンゾイル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0048】
【化11】
【0049】
実施例1の方法に基づき、2,4-ジ-tert-ブチル-6-クロロメチルフェノール(化合物1.1)の代わりに3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンゾイルクロライドを使用して化合物(2)を得た後、還元して化合物(1)を得る。化合物(2)は、MS(m/z)=468.3である。C13-NMR(CDCl)、化学シフト199.1、(aromatic-(O)-aromatic)が新生し、化合物(2)が合成されたことを示す。
【0050】
【化12】
【0051】
実施例3
メチル3-(3-tert-ブチル-5-((3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0052】
【化13】
【0053】
100mlのエタノールと10gの化合物(2)の混合物を氷水で冷却させ、7.4gのNaBHを加えて、混合物を1時間攪拌して反応を完成させる。反応物を氷酢酸で中和させ、真空状態で濃縮する。濃縮物はCHClと水の間で層となり、有機相を分離させ、飽和食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた後、濃縮することで化合物(3)を得る。MS(m/z)=470.3、H1-NMR(CDCl)、化学シフト6.2(芳香族炭素-COH-芳香族炭素)が新生し、化合物(3)が合成されたことを示す。
【0054】
【化14】
【0055】
実施例4
メチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(1-(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)エチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0056】
【化15】
【0057】
実施例1の方法に基づき、ポリオキシメチレンの代わりにアセトアルデヒドを、2,4-ジ-tert-ブチルフェノールの代わりに2-tert-ブチル-4-メチルフェノールを使用してクロマトグラフィー分離により化合物(4)を得る。MS(m/z)=426.3である。
【0058】
【化16】
【0059】
実施例5
メチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(3-メチル-5-(tert-ブチル)-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0060】
【化17】
【0061】
実施例1の方法に基づき、2,4-ジ-tert-ブチルフェノールの代わりに2-(クロロメチル)-4-(tert-ブチル)-6-メチルフェノールを使用して化合物(5)を得る。MS(m/z)=412.3である。
【0062】
実施例6
オクチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0063】
【化18】
【0064】
実施例1で調製した式(1)の化合物22.7gを、10gのオクタノール(ExxonMobil Chemical)と0.2gのアルミニウムトリイソプロポキシド(トルエンの中)と混合させる。反応混合物を攪拌しながら、窒素の中で85℃まで昇温させ、真空にさせた後メタノールを冷却除去する。反応をモニタニングし、反応終了後にクエン酸水溶液(50%)を加え、20分間攪拌し続ける。その後、75℃で水を加えて20分間攪拌する。有機相を分離させ、食塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧してトルエンと過剰のオクタノールを蒸留させ、残留物を真空乾燥させる。クロマトグラフィー分離により化合物(6)を得る。MS(m/z)=552.4である。
【0065】
実施例7
オクタデシル3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0066】
【化19】
【0067】
実施例6の方法に基づき、オクタノールの代わりにステアリルアルコールを使用して化合物(7)を得る。MS(m/z)=692.6である。
【0068】
実施例8
2,5,8,11,14,17,20-ヘプトキサ多糖類-22-イル-3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)イル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
【0069】
【化20】
【0070】
実施例7の方法に基づき、オクタノールの代わりにMethoxypolyethylene glycol 350を使用してGPCで精製して化合物(8)を得る。
【0071】
実施例9
2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル-3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)- 4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
【0072】
【化21】
【0073】
実施例6の方法に基づき、オクタノールの代わりにトリエチレングリコール(triethylene glycol)を使用してトリエチレングリコールの過量を抑制し、化合物(9)と二量体を得る。
【0074】
実施例10
チオビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシベンゼンベース)プロピオン酸)(10)
【0075】
【化22】
【0076】
実施例6の方法に基づき、化合物(1)とグリコール類のモル比が2:1以上になるように制御し、100gの化合物(1)と12.2gの2,2´-チオジエタノールを使用して化合物(10)を得る。MS(m/z)=966.6である。
【0077】
実施例11
2-(2-(2-((3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル)オキシ(イル)エトキシ)エトキシ)3-(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸
【0078】
【化23】
【0079】
実施例10の方法に基づき、化合物(1)とトリエチレングリコール(triethylene glycol)を利用して、化合物(11)を得る。MS(m/z)=994.7である。
【0080】
実施例12
N,N´-(プロパン-1,3-ジイル)ビス(3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル))プロピオンアミド)
【0081】
【化24】
【0082】
化合物(1)加水分解産物3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(化合物19-1)66g(約1.5モル)、塩化チオニル27g(約2.25モル)を取り、90℃で3時間反応させた後、減圧して過量の塩化チオニルを蒸発させ、3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸クロライド)(化合物12.2)を得る。60℃まで温度を下げ、100gのトルエンを加え、均等に攪拌する。ヘキサメチレンジアミン5.8g(0.5モル)、ピリジン10g(1.25モル)とトルエン50gを組み合わせた混合液を滴下させ、温度60℃以下に制御する。滴下完了後、85℃まで昇温させ、2時間反応させる。水で洗浄した後、乾燥させ、溶媒を蒸発させる。クロマトグラフィー分離により化合物(12)を得る。MS(m/z)=960.7である。
【0083】
【化25】
【0084】
化合物(1)加水分解:45.4gの化合物(1)、100mlのメタノールを窒素の中で攪拌する。60℃になる時に30%NaOH溶液22mlを滴下開始させる。滴下完了後、ゆっくりに65℃まで加熱し、4時間反応させた後、160mLの2N希塩酸を加えて中和させ、2時間撹拌した後、水で中性まで洗浄し、乾燥させた後、化合物(1)遊離酸3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(化合物12-1)を得る。
【0085】
実施例13
1,6-ジイルビス(3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヘキシル)
【0086】
【化26】
【0087】
実施例10の方法に基づき、化合物(1)とヘキサンジオールを使用して化合物(13)を得る。MS(m/z)=947.6である。
【0088】
実施例14
ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル))-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸(オキサリルビス(アザ-ジイル))エステル
【0089】
【化27】
【0090】
実施例10の方法に基づき、化合物(1)とN.N´-ジヒドロキシエチルオキサミド(1871-89-2、mp=168℃)を使用して化合物(14)を得る。MS(m/z)=1020.6である。
【0091】
実施例15
(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイル)ビス(2-メチルプロパン-2,1-ジイル)ビス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0092】
【化28】
【0093】
実施例10の方法に基づき、化合物(1)をスピロエチレングリコールと反応させ、化合物(15)を得る。MS(m/z)=1148.8である。スピロエチレングリコールは工業用原料2,2´-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイル)ビス(2-メチルプロパン-1-アルコール)(mp=202℃)である。
【0094】
【化29】
【0095】
実施例16
3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-N´-(3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル)プロパンヒドラジド
【0096】
【化30】
【0097】
実施例12の方法に基づき、ヘキサメチレンジアミンの代わりにヒドラジン水和物を使用して化合物(16)を得る。MS(m/z)=876.6である。
【0098】
実施例17
ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)フェニルプロピオン酸
【0099】
【化31】
【0100】
実施例10の方法に基づき、化合物(1)とペンタエリスリトールを使用して化合物(17)を得る。MS(m/z)=1945.2である。
【0101】
【化32】
【0102】
実施例18
N,N´´,N´´-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル)ブチル-2-ヒドロキシベンジルベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド)
【0103】
【化33】
【0104】
実施例12の方法に基づき、ヘキサメチレンジアミンの代わりにメラミンを使用する。150gの3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸クロライドと12.6gのメラミンを使用して化合物(18)を得る。MS(m/z)=1392.9である。
【0105】
【化34】
【0106】
実施例19
(2,4,6-トリオキソ-1,3,5-トリアジン-1,3,5-トリイル)トリス(エタン-2,1-ジイル)トリス(3-(3-(tert. ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0107】
【化35】
【0108】
実施例10の方法に基づき、150gの化合物(1)と26gのトリスヒドロキシエチル・イソシアヌレートを使用して化合物(19)を得る。トリスヒドロキシエチル・イソシアヌレートは工業用原料(839-90-7,mp=136℃)である。MS(m/z)=1527.9である。
【0109】
【化36】
【0110】
実施例20
(2,4,6-トリメチルベンゼン-1,3,5-トリイル)トリス(メチレン)トリス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル)イル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0111】
【化37】
【0112】
実施例10の方法に基づき、150gの化合物(1)と21gの2,4,6-トリメチルベンゼン-1,3,5-トリイル)トリメタノールを使用して化合物(20)を得る。MS(m/z)=1477.0である。
【0113】
【化38】
【0114】
実施例21
(モノヘキサイルベンゼン)トリス(メチレン)トリス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル))プロピオン酸)混合物
実施例10の方法に基づき、30gの化合物(1)と2.6gの1,2,3,4,5,6ヘキサメタノールベンゼンを使用して混合物(21)を得る。
【0115】
【化39】
【0116】
実施例22
1,2,3-トリス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸塩フェニルエステル)プロパン
【0117】
【化40】
【0118】
実施例10の方法に基づき、150gの化合物(1)と9.2gのグリセリンを使用して化合物(22)を得る。MS(m/z)=1358.9である。
【0119】
【化41】
【0120】
実施例23
カルシウム3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
45.4gの化合物(1)を200mlのアルコール類混合溶液に加え、窒素の中で攪拌し、5%NaOH溶液100mlを滴下させる。滴下完了後、ゆっくりに60℃まで加熱し、4時間反応させる。アルコール類溶媒を回転式蒸発装置で除去し、酢酸エチル100mlを加えて抽出する。水層を取り、希塩酸を滴下してpH=7-8まで中和させ、同時に0.5M塩化カルシウム水溶液を徐々に加え、2時間撹拌して静置した後、濾過する。炭酸カリウム水溶液で洗浄して遊離酸を除去し、中性になるまで水で洗浄した後、乾燥して化合物(23)を得る。
【0121】
実施例24
3-(3-(5-(tert-ブチル)-2-ヒドロキシ-3-(2-フェニルプロパン-2-イル)ベンジル)-4-ヒドロキシ-5-(2-フェニルプロパン-2-イル)フェニルメチル)プロピオン酸メチル
【0122】
【化42】
【0123】
実施例1の方法に基づき、4-(tert-ブチル)-2-(2-フェニルプロパン-2-イル)フェノール(化合物24-1)と3-(4-ヒドロキシ-3-(2-ベンゼン)メチルプロパン-2-イル)フェニル)プロピオン酸塩化合物(化合物24-2)を使用して反応させ、化合物(24)を得る。
【0124】
化合物(24-1)と化合物(24-2)の調製方法は下記通りである。実施例1の方法に基づき、15gの4-tert-ブチルフェノールまたは29.8gの3-(4-ヒドロキシ-3-(2-フェニル)プロパン-2-イル)フェニル)プロピオン酸メチルエステル)と15.4gの2-クロロ-2-フェニルプロパン(CAS RN,515-40-2)に200mLのジクロロメタンを加え、窒素の中で攪拌し、さらに14gの無水AlCl3を添加し、一晩撹拌する。TLCモニタリングにより、反応が終了したことを確認する。反応混合物を200mLの氷水に注ぎ入れて攪拌し、CHClで3回抽出した。抽出相を合わせ、順番に1%希塩酸と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。エバポレーターで溶媒を蒸発乾固し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(24-1)を得てMS(m/z)=268.2であり、または化合物(24-2)を得てMS(m/z)=298.2である。
【0125】
【化43】
【0126】
実施例25
メチル3-(3-(5-(tert-ブチル)-2-ヒドロキシベンジル)-5-((ドデシルチオ)メチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0127】
【化44】
【0128】
実施例1の方法に基づき、化合物(1)の代わりにメチル3-(3-(ドデシルチオ)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸を使用して化合物(25)を得る。MS(m/z)=570.4である。
【0129】
【化45】
【0130】
メチル3-(3-(ドデシルチオ)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の調製方法:100gの4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸メチルエステルに86gのドデカンチオール、19gのパラホルムアルデヒド、150mLのジメチルホルムアミド、3.6gのピペリジンを加え、窒素保護下で一晩還流加熱させる。濾過、水洗い、吸引濾過を経て、化合物(25.2)を得る。
【0131】
【化46】
【0132】
実施例26
メチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0133】
【化47】
【0134】
25.4gの2,6-ジ-tert-ブチル-4-クロロメチルフェノール(CAS No 955-01-1,mp=40℃)と29gの3-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシベンゼンベース)プロピオン酸メチル(CAS No 36837-50-0, mp=60℃)を取り、200mLの乾燥CHCl中に溶解させ、室温の窒素の中で撹拌しながら、14gの無水AlClを加えて撹拌する。TLCで反応をモニタニングし、その間にAlClを補充する。反応終了後、反応混合物を200mLの氷水に注ぎ入れて攪拌し、CHClで3回抽出した。抽出相を合わせ、順番に1%希塩酸と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。エバポレーターで溶媒を蒸発乾固し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(26)を得る。MS(m/z)=454.3である。
【0135】
【化48】
【0136】
実施例27
メチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0137】
【化49】
【0138】
実施例26の方法に基づき、2,6-ジ-tert-ブチル-4-クロロメチルフェノールの代わりに3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイルクロライドを使用して化合物(27)を得る。MS(m/z)468.3である。
【0139】
【化50】
【0140】
実施例28
メチル3-(3-tert-ブチル-5-((3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0141】
【化51】
【0142】
実施例3の方法に基づき、化合物(2)の代わりに化合物(27)を使用して化合物(28)を得る。MS(m/z)=470.3である。
【0143】
実施例29
メチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(1-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0144】
【化52】
【0145】
実施例1の方法に基づき、ポリオキシメチレンの代わりにアセトアルデヒドを使用して化合物(29)を得る。MS(m/z)=468.3である。
【0146】
実施例30
メチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0147】
【化53】
【0148】
実施例26の方法に基づき、2,4-ジ-tert-ブチル-6-クロロメチルフェノールの代わりに2-(クロロメチル)-4-(tert-ブチル)-6-メチルフェノールを使用して化合物(30)を得る。MS(m/z)=412.3である。
【0149】
実施例31
オクチル3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0150】
【化54】
【0151】
実施例6の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(31)を得る。MS(m/z)=552.4である。
【0152】
実施例32
3-(3,5-ジ-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルエステル
【0153】
【化55】
【0154】
実施例7の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(32)を得る。MS(m/z)=692.6である。
【0155】
実施例33
オキソビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシベ-ズ)プロピオン酸)
【0156】
【化56】
【0157】
120gの化合物(26)、13gのジエチレングリコール、0.5gのアルミニウムトリイソプロポキシド(トルエンの中)を混合する。反応混合物を攪拌して窒素の中で85℃まで昇温させ、真空にさせて生成したメタノールを冷却除去する。反応をモニタニングし、反応終了後にクエン酸水溶液(50%)を加え、20分間攪拌する。そして、75℃の時に水を加えて20分間攪拌し、有機相を分離させ、食塩水で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させる。続いて、減圧した中で有機相からトルエンと過量のオクタノールを蒸留し出し、残留物を真空乾燥する。クロマトグラフィー分離により化合物(33)を得る。MS(m/z)=950.6である。
【0158】
実施例34
(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル)ブチル-4-)ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0159】
【化57】
【0160】
実施例33の方法に基づき、ジエチレングリコールの代わりにトリエチレングリコールを使用して化合物(34)を得る。MS(m/z)=994.7である。
【0161】
実施例35
チオビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシベンゼンベース)プロピオン酸)
【0162】
【化58】
【0163】
実施例33の方法に基づき、ジエチレングリコールの代わりに2,2´-チオジエタノールを使用して化合物(35)を得る。MS(m/z)=966.6である。
【0164】
実施例36
3,6,9,12,15,18,21,24-オクタオキソヘキサデカン-1,26-ジイルビス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5- ジ-tert-ブチル-4-)ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0165】
【化59】
【0166】
実施例33の方法に基づき、ジエチレングリコールの代わりにノナエチレングリコールを使用して化合物(36)を得る。
【0167】
実施例37
N,N´-(プロパン-1,3-ジイル)ビス(3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル))プロピオンアミド)
【0168】
【化60】
【0169】
実施例12の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(37)を得る。MS(m/z)=960.7である。
【0170】
実施例38
1,6-ジイルビス(3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸塩ヘキシル)
【0171】
【化61】
【0172】
実施例13の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(38)を得る。MS(m/z)=962.7である。
【0173】
実施例39
ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル))-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸(オキサリルビス(アザ-ジイル))エステル
【0174】
【化62】
【0175】
実施例14の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(39)を得る。MS(m/z)=1020.6である。
【0176】
実施例40
(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイル)ビス(2-メチルプロパン-2,1-ジイル)ビス(3-(3-tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0177】
【化63】
【0178】
実施例15の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(40)を得る。MS(m/z)=1148.8である。
【0179】
実施例41
N-3-(3-tert-ブチル-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-N´-(3-(3-tert-ブチル- 5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル)プロパンヒドラジド
【0180】
【化64】
【0181】
実施例16の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(41)を得る。MS(m/z)=876.6である。
【0182】
実施例42
ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3-tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)フェニルプロピオン酸
【0183】
【化65】
【0184】
実施例17の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(42)を得る。MS(m/z)=1945.2である。
【0185】
【化66】
【0186】
実施例43
N,N´´,N´´´-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド)
【0187】
【化67】
【0188】
実施例18の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(43)を得る。MS(m/z)=1392.9である。
【0189】
【化68】
【0190】
実施例44
(2,4,6-トリオキソ-1,3,5-トリアジン-1,3,5-トリイル)トリス(エタン-2,1-ジイル)トリス(3-(3-(tert. ブチル)-5-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0191】
【化69】
【0192】
実施例19の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(44)を得る。MS(m/z)=1527.9である。
【0193】
【化70】
【0194】
実施例45
1,3,5-トリイルトリス(エタン-2,1-ジイル)トリス(3-(3-(tert-ブチル)-5-((3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベース)-4-ヒドロキシフェニル)フェニルプロピオン酸)
【0195】
【化71】
【0196】
実施例20の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用し、2,4,6-トリメチルベンゼン-1,3,5-トリイル)トリメタノールの代わりに1,3,5 ベンゼントリメタノール(4464-18-0)を使用して化合物(45)を得る。MS(m/z)=1434.9である。
【0197】
【化72】
【0198】
実施例46
1,2,3-トリス(3-(3-(tert-ブチル)-5-(2,4-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸塩フェニルエステル)プロパン
【0199】
【化73】
【0200】
実施例22の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(26)を使用して化合物(45)を得る。MS(m/z)=1358.9である。
【0201】
実施例47
メチル3-(3-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-フェニルプロパン-2-イル)ベンジル)-4-ヒドロキシ-5-(2-フェニルプロパン-2-イル)フェニルメチル)プロピオン酸
【0202】
【化74】
【0203】
実施例24の方法に基づき、化合物(24.1)の代わりに2-(tert-ブチル)-4-(クロロメチル)-6-(2-フェニルプロパン-2-イル)フェノール(化合物47.1)を使用して化合物(47)を得る。MS(m/z)=578.3である。
【0204】
【化75】
【0205】
実施例48
ヘキサン-1,6-ジイルビス(3-(3-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-フェニルプロパン-2-イル)ベンジル)-4-ヒドロキシ-5-(2-フェニルプロパン-2-イル)フェニル)プロピオン酸メチルエステル)
【0206】
【化76】
【0207】
実施例13の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(47)を使用して化合物(48)を得る。MS(m/z)=1210.7である。
【0208】
実施例49
メチル3-(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-5-((ドデシルチオ)メチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0209】
【化77】
【0210】
実施例25の方法に基づき、化合物(25.1)の代わりに2,6-ジ-tert-ブチル-4-(クロロメチル)フェノールを使用して化合物(49)を得る。MS(m/z)=612.4である。
【0211】
実施例50
ブタン-1,4-ジイルビス(3-(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-5-((ドデシルチオ)メチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0212】
【化78】
【0213】
実施例13の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(49)を使用し、ヘキサンジオールの代わりにブタンジオールを使用して化合物(50)を得る。MS(m/z)=1250.9である。
【0214】
実施例51
メチル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0215】
【化79】
【0216】
25.4gの3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルクロライド(CAS No955-01-1,mp=40℃)と29.2gの(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼン塩基)プロピオン酸メチル(CAS No6386-38-5,mp=66℃)を200mLの乾燥のCHClに溶解させ、室温の窒素の中で攪拌しながら、14gの無水AlClを加えて攪拌する。TLCで反応をモニタニングし、その間にAlClを補充する。反応終了後、反応混合物を200mLの氷水に注ぎ入れて攪拌し、CHClで3回抽出する。抽出相を合わせ、順番に1%の希塩酸と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を蒸発乾固し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(51)を得る。MS(m/z)=510.4である。
【0217】
【化80】
【0218】
実施例52
メチル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0219】
【化81】
【0220】
実施例51の方法に基づき、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルクロライドの代わりに3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイルクロライドを使用して化合物(2)を得る。MS(m/z)=524.4である。
【0221】
【化82】
【0222】
実施例53
メチル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-((3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)(ヒドロキシ)メチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0223】
【化83】
【0224】
実施例3の方法に基づき、化合物(2)の代わりに化合物(52)を使用して化合物(53)を得る。MS(m/z)=526.4である。
【0225】
実施例54
メチル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-(クロロ(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0226】
【化84】
【0227】
51gの化合物(53)をトルエンの中に溶解させ、凝縮水分離器を配置して110℃で加熱還流させる。トルエン溶液の中に酢酸6gと濃硫酸1.5mLを加える。反応をモニタニングし、反応終了後、飽和NaHCOを加えて中和させ、ジクロロメタンで抽出した。その後、飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥させる。濾過後、蒸発乾固し、カラムクロマトグラフィーにより、化合物(54)を得る。MS(m/z)=568.4である。
【0228】
【化85】
【0229】
実施例55
メチル3-(5-(tert-ブチル)-2-(1-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-2-フェネチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0230】
【化86】
【0231】
実施例4の方法に基づき、アセトアルデヒドの代わりにフェニルアセトアルデヒドを、化合物(4.1)の代わりに化合物2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(4.1)を、化合物(1.2)の代わりに化合物(51.2)を使用する。クロマトグラフィー分離により化合物(55)を得る。MS(m/z)=600.4である。
【0232】
実施例56
オクチル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
【0233】
【化87】
【0234】
実施例6の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(51)を使用して化合物(56)を得る。MS(m/z)=608.5である。
【0235】
実施例57
(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(3-(5-(tert-ブチル)-2-(3,5-ジ-tert-ブチル)イル-4-)ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)
【0236】
【化88】
【0237】
実施例10の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(51)を使用して化合物(57)を得る。MS(m/z)=1106.8である。
【0238】
実施例58
3-(5-(tert-ブチル)-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-N´-(3-(5-(tert-ブチル))-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパンヒドラジド
【0239】
【化89】
【0240】
実施例16の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(51)を使用して化合物(58)を得る。MS(m/z)=988.7である。
【0241】
実施例59
2-(アセトキシイミノ)-1-(4-((4-(3-オキソ-3-フェニルプロプ-1-エン-1-イル)フェニル)スルファニル)フェニル)ヘキサ-1-ケトン
【0242】
【化90】
【0243】
実施例17の方法に基づき、化合物(1)の代わりに化合物(51)を使用して化合物(59)を得る。MS(m/z)=2155.5である。
【0244】
実施例60:ポリウレタン中の抗酸化剤析出試験
【0245】
ポリエーテルポリオールは、ポリウレタンの原料である。50重量部のポリエーテルポリオール(triol,分子量3000)、2.0重量部の水、0.1重量部のトリエチレンジアミンと0.1重量部のシリコーンオイルを混合した後、0.2重量部のオクタン酸第一すず、0.15重量部の実施例化合物または対照群化合物、50重量部のトルエンジイソシアネート、50重量部のポリエーテルポリオール(triol,分子量3000)を含む混合物を加え、両者を混ぜ合わせた後、容器に流し込んで発泡反応させる。室温で1時間放置し、オーブンで熟成させる。反応終了後、抗酸化剤の有無にかかわらずポリウレタンのサンプル1gを切り取り、蓋付きのガラス瓶に入れて抗抽出または抗老化分析を行う。100mlの溶媒を加えて抽出を行い、抽出液に対して分析する。各種化合物の抽出量は、HPLCで検出する。対照群からの抽出量は100%とし、抽出量が少ないほど、分離しにくくなる。基本的に、試験される化合物に有する抗老化または抗黄化効果はヒンダードフェノールユニットの数と正の相関がある。抗抽出試験の結果を表4に示す。抽出される対照群を100%とし、実施例化合物が抽出される化合物の相対比を換算した。実施例化合物の抽出率=(100÷対照群の抽出量a)×(例示化合物の抽出量b)×%。実施例化合物の総合的な抗酸化効率は、抽出後のポリウレタン中の残留量と正比例となり、また(ヒンダードフェノール単位数/分子量)とも正比例となる。例えば、化合物10とEunox 1035の(ヒンダードフェノール単位/分子量)の比は、(4/966):(2/642)=1.33であり、残留比が1以上であれば、進歩性を有すると推定できる。表4の実施例化合物の抽出率は、いずれも75%以下であることから、残留比はいずれも1以上であった。
【0246】
【表4-1】
【0247】
【表4-2】
【0248】
対照品はすべて市販品または特許に由来し、Eunoxは本出願人の商標であり、41028-42-6(CAS番号)は特許(JP56052073)に由来され、構造式は次の通りである。
【0249】
【化91】
【0250】
【化92】
【0251】
【化93】
【0252】
【化94】
【0253】
【化95】
【0254】
以上は本発明の好ましい実施形態を開示したが、本発明を限定するものではなく、置き換えまたは効果変換から得られるすべての技術手段は、本発明の保護範囲に属するものである。
【国際調査報告】