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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】磁気共振充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230510BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20230510BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J7/00 301E
H02J50/12
H01F38/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022559529
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2021058087
(87)【国際公開番号】W WO2021198140
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】2003118
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522383089
【氏名又は名称】テスク イノベーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヴァノー,セバスチャン
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503GA01
5G503GB03
5G503GB08
5G503GD03
(57)【要約】
本発明は、磁気共振充電システムであって、電圧源(1)と、インバータ(2)と、を備えており、インバータ(2)が、並列LCインバータ共振回路(3)と、少なくとも1つの充電用プレート(4)と、を備えており、インバータ共振回路(3)が、少なくとも1つの充電用プレート(4)の一次巻線(33)と並列に接続されたコンデンサ(32)を備えていること、及びインバータ(2)が、
-インバータ共振回路(3)の両端の瞬間電圧を測定するための測定手段(5)と、
-前記測定手段(5)に接続された位相シフタ(6)と、
-位相シフタ(6)に接続されており、位相シフタ(6)によって示された位相シフトで、測定手段(5)によって観察される各サイクル中に、電圧源(1)からインバータ共振回路(3)に起因するエネルギーを注入することができる励起手段(7)と、を更に備えていることを特徴とする、磁気共振充電システムに関する。
本発明はまた、本発明による充電システムを動作させる方法にも関する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共振充電システムであって、電圧源(1)と、インバータ(2)と、を備えており、前記インバータ(2)が、並列LCインバータ共振回路(3)と、少なくとも1つの充電用プレート(4)と、を備えており、前記インバータ共振回路(3)が、前記少なくとも1つの充電用プレート(4)の一次巻線(33)と並列に接続されたコンデンサ(32)を備えていること、及び前記インバータ(2)が、
-前記インバータ共振回路(3)の両端の瞬間電圧を測定するための測定手段(5)と、
-前記測定手段(5)に接続された位相シフタ(6)と、
-前記位相シフタ(6)に接続されており、前記位相シフタ(6)によって示された位相シフトで、前記測定手段(5)によって観察される各サイクルにおいて、前記電圧源(1)から前記インバータ共振回路(3)にエネルギーを注入することができる励起手段(7)と、を更に備えており、前記位相シフトが、前記インバータ共振回路(3)の両端で測定される電圧のゼロ交差に対する時間遅延又は前進であることを特徴とする、磁気共振充電システム。
【請求項2】
前記励起手段が、
-前記電圧源(1)と前記インバータ共振回路(3)の第1の端子(14)との間に接続されたタンクインダクタ(8)と、
-充電用ダイオード(9)であって、そのアノードが、前記インバータ共振回路(3)の第2の端子(15)に接続されている、充電用ダイオード(9)と、
-充電用トランジスタ(10)であって、そのドレインが、前記充電用ダイオード(9)のカソードに接続されており、ソースが、出力端子(16)に接続されており、ゲートが、駆動手段(13)に接続されている、充電用トランジスタ(10)と、
-放電用ダイオード(11)であって、そのアノードが、前記インバータ共振回路(3)の第1の端子(14)に接続されている、放電用ダイオード(11)と、
-放電用トランジスタ(12)であって、そのドレインが、前記放電用ダイオード(11)のカソードに接続されており、ソースが、出力端子(16)に接続されており、ゲートが、前記駆動手段(13)に接続されている、放電用トランジスタ(12)と、を備えており、
-前記駆動手段(13)が、前記位相シフタ(6)に接続されており、また、前記位相シフタ(6)によって示される位相シフトで、前記測定手段(6)によって観察される各サイクル中に、前記充電用トランジスタ(10)を遮断モードに、及び前記放電用トランジスタ(12)を飽和モードに設定し、次いで、前記充電用トランジスタ(10)を飽和モードに、及び前記放電用トランジスタ(12)を遮断モードに設定することができる、請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記電圧源(1)が、20kHz~200kHzの周波数で、0V~調節可能な最大電圧、例えば、24~600Vで変動する電圧を送達する、請求項1又は2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記測定手段(5)が、変圧器を備えている、請求項1~3のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項5】
前記一次巻線(33)が、並列に接続されており、かつそれらの長さの少なくとも50%にわたって、少なくとも1mmだけ互いに離間されている、少なくとも2つの導線(17a、17b)を備えている、請求項1~4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項6】
前記電圧源(1)が、AC供給源(19)、例えば、220Vの電圧及び50Hzの周波数を、0V~調節可能な最大電圧、例えば、24~600Vで変動する電圧を送達する電圧源(1)に変換することができる電力供給源(18)によって生成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項7】
前記インバータ(2)が、前記電力供給源(18)と通信すること、及び前記インバータ(2)を起動又は停止させるためのコマンドを提供することができる、マイクロコントローラを備えている、請求項1~6のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項8】
前記電力供給源(18)と通信すること、及びそこに充電電流要求を送信することができる、充電コントローラ(27)を備えている、請求項6~7のうちのいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項9】
前記電力供給源(18)が、例えば、0.1~10μFの静電容量を有し、前記電圧源(1)において前記AC供給源(19)の2倍の周波数の電力発振を生じさせることを可能にするフィルタリングコンデンサ(25)を備えている、請求項6~8のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項10】
少なくとも2つのインバータ(2)を備えている先行請求項に記載の充電システムを使用する方法であって、
-電力(18)を第1のインバータ(2)に供給するステップと、
-前記電力供給源(18)による第2のインバータ(2)の供給を命令するステップと、
-前記第1のインバータ(2)における電力を計算するステップと、
-前記電力が低い値、例えば、前記電力の最大の0.1倍未満を通過するときに、前記第2のインバータ(2)の供給を開始するステップと、を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力貯蔵の分野のものである。本発明は、磁気共振によってアキュムレータ、充電式電池、又はバッテリに充電するためのシステムに関する。
【0002】
磁気共振によってエネルギーを伝達するように設計された既存のシステムは、通常、磁流を二次共振回路に伝達することができる一次共振回路を備えている。一次共振回路は、直列又は並列に接続することができるインダクタ及びコンデンサからなる。これは、直列又は並列LC回路と呼ばれている。
【0003】
直列LC回路は、しばしば、例えば、自転車、スクータ、又は自動車などの電気車両を、磁気共振充電するために使用される。直列LC共振回路を備えている充電システムは、製造が容易であり、したがって、安価であるという利点を有する。実際に、LC直列回路の両端の電気負荷は、その共振周波数に影響を及ぼさない。したがって、直列LC回路が機能するために同じ周波数の正弦波電圧源を供給するのに十分である。しかしながら、LC直列回路には、数多くの不利点を有する。コイル及びコンデンサに高電圧が現れ、これは、設計上の問題をもたらす。加えて、直列LCシステムは、共振回路内で約60~80Aの定RMS電流で動作し、これは、より多くの損失を生成する。温度の変動が大きい場合、直列LC回路の共振周波数が変動し始める場合があり、電圧源に対する周波数シフト、したがって、効率の損失をもたらす。これは、冬及び夏の両方に動作させなければならない、特に屋外のシステムの場合に問題となる。最後に、直列LC回路は、一定の磁流を捕捉するために、二次共振回路上に充電レギュレータを必要とし、これは、複雑さ及びコストを増加させる。
【0004】
他方では、並列LC回路は、通常、多くの障害物に起因して、磁気共振充電に使用されない。並列共振回路は、電流源によって給電しなければならず、これは、複雑で高価である。加えて、並列LC回路の両端の電荷は、その共振周波数に影響を及ぼし、そのようなLC回路を有する充電システムの設計及び製作をより複雑で高価にする。最後に、並列LC共振回路は、一度に1つの二次共振回路に給電することしかできない。
【0005】
本発明の目的は、性能が向上した低コストの磁気共振充電システムを提供することである。
【0006】
本発明の目的は、自励発振並列LC一次共振回路充電システムを提供することによって、上記の目的の少なくとも一部を満たすことである。この目的のために、本発明は、磁気共振充電システムであって、電圧源(1)と、インバータ(2)と、を備えており、該インバータ(2)が、並列LCインバータ共振回路(3)と、少なくとも1つの充電用プレート(4)と、を備えており、該インバータ共振回路(3)が、該少なくとも1つの充電用プレート(4)の一次巻線(33)と並列に接続されたコンデンサ(32)を備えていること、及び該インバータが、
-該インバータ共振回路の両端の瞬間電圧を測定するための測定手段と、
-該測定手段に接続された位相シフタと、
-位相シフタに接続されており、位相シフタによって示された位相シフトで、測定手段によって観察される各サイクル中に、該電圧源からインバータ共振回路にエネルギーを注入することができる励起手段と、を更に備えていることを特徴とする、磁気共振充電システムを提案する。
【0007】
これらの装置のおかげで、共振回路は、その固有振動数で自動的に共振することができ、これは、自励発振回路である。これは、充電システムの効率を向上させる。
【0008】
他の特徴によれば、
-該励起手段は、
-該電圧源とインバータ共振回路の第1の端子との間に接続されたタンクインダクタと、
-充電用ダイオードであって、そのアノードが、該インバータ共振回路の第2の端子に接続されている、充電用ダイオードと、
-充電用トランジスタであって、そのドレインが、該充電用ダイオードのカソードに接続されており、ソースが、出力端子に接続されており、ゲートが、駆動手段に接続されている、充電用トランジスタと、
-放電用ダイオードであって、そのアノードが、該インバータ共振回路の第1の端子に接続されている、放電用ダイオードと、
-放電用トランジスタであって、そのドレインが、該放電用ダイオードのカソードに接続されており、ソースが、出力端子に接続されており、ゲートが、該駆動手段に接続されている、放電用トランジスタと、を備え得、
-該駆動手段は、位相シフタに接続されており、また、位相シフタによって示される位相シフトで、測定手段によって観察される各サイクル中に、充電用トランジスタを遮断モードに、及び放電用トランジスタを飽和モードに設定し、次いで、充電用トランジスタを飽和モードに、及び放電用トランジスタを遮断モードに設定し、
本発明の単純で、安価で、かつ効率的な実施形態であり、
-電圧源は、20kHz~200kHz周波数で、0V~調節可能な最大電圧、例えば、24~600Vで変動する電圧を送達することができ、これは、大部分のタイプのバッテリ、充電式電池、及びアキュムレータに供給することを可能にし、
-該測定手段は、単純で、安価で、かつ効率的な実施形態である、変圧器を備えることができ、
-該一次巻線は、並列に接続されており、かつそれらの長さの少なくとも50%にわたって、少なくとも1mmだけ互いに離間されている、少なくとも2つの導線を備え得、はるかに大きい断面を有する単一ケーブルと同程度の効率を得ることを可能にし、したがって、単純で、安価で、かつ効率的な実施形態であり、
-該電圧源は、交流電流源、例えば、220Vの電圧及び50Hzの周波数を、0V~調節可能な最大電圧、例えば、24~600Vで変動する電圧を送達する電圧源に変換することができる電力供給源によって生成され得、例えば、国内配電ネットワークを使用することを可能にし、
-該電力供給源は、例えば、0.1~10μFの静電容量を有し、該電圧源において該交流電流源の2倍の周波数の電力の発振を生じさせることを可能にするフィルタリングコンデンサを備え得、同じ電力供給源からいくつかのインバータに供給することを可能にし、第2のインバータの起動は、低電力の通過時に、第1のインバータの充電中に実行することができ、
-該インバータは、電力供給源と通信すること、及びインバータを起動又は停止させるためのコマンドを提供することができる、マイクロコントローラを備え得、本発明の単純かつ有効な実施形態であり、
-本発明による充電システムは、電力供給源と通信すること、及びそこに充電電流要求を送信することができる充電レギュレータを備え得、充填されるバッテリ、アキュムレータ、又は充電式電池に電力供給源によって送られる電力を最適化することを可能にする。
【0009】
本発明はまた、本発明による充電システムを動作させる方法であって、
-電力供給源を第1のインバータ2に供給するステップと、
-電力供給源による第2のインバータ2の供給を命令するステップと、
-第1のインバータ2における電力を計算するステップと、
-該電力が低い値、例えば、該電力の最大の0.1倍未満を通過するときに、第2のインバータの供給を開始するステップと、を含む、方法にも関する。
【0010】
これらの提供のおかげで、単一の電力供給源は、いくつかのインバータに供給し得、第2のインバータの起動は、低電力の通過時に、第1のインバータの充電中に実行することができ、第2のインバータの構成要素を破壊するリスクを回避しながら、インバータの全電力での起動を可能にする。
【0011】
本発明は、添付図面を参照しながら、以下に続く詳細な説明からより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による充電システムの好ましい実施形態の概略図である。
図2】本発明による充電システムのインバータの共振回路巻線の好ましい実施形態の概略図である。
図3】本発明による充電システムの電力供給源の好ましい実施形態の概略図である。
図4】本発明による充電システムの充電レギュレータの好ましい実施形態の概略図である。
【0013】
本発明による充電システムは、その好ましい実施形態が図1に示されており、電圧源1と、少なくとも1つの充電用プレート4を備えている並列LCインバータ共振回路3を備えているインバータ2と、を備えている。充電用プレート4は、エネルギーを、例えば、可動物体上に位置するバッテリに伝達するための磁場を生成することができる、一次巻線33を備えている。一次巻線33は、コンデンサ32と並列に接続されて、該インバータ共振回路3を形成する。
【0014】
いくつかの充電用プレート4が使用され得、各々が、コンデンサ32と並列に接続された一次巻線33を備えている。
【0015】
電圧源1は、正電圧を送達し、正電圧は、0V~最大電圧値、例えば、24~600Vで発振することができる。最大電圧値は、充電システムの出力における電力要求に依存する。
【0016】
インバータ2は、コンデンサ32の両端の瞬間電圧を測定するための測定手段5を含む。この測定手段は、好ましくは変圧器である。
【0017】
測定手段5によって測定された信号は、位相シフタ6に送信され、位相シフタは、該信号を励起手段7に送信する前に位相シフトを導入する。位相シフトは、インバータ共振回路3の両端で測定された電圧のゼロ交差に対する時間遅延又は前進である。励起手段7は、位相シフタ6によって示される位相シフトで、測定手段5によって観察される各サイクルにおいて、電圧源1からインバータ共振回路3にエネルギーを注入するように適合されている。
【0018】
したがって、励起手段7は、測定手段5によって測定された信号の周波数で、インバータ共振回路3にエネルギーを注入することができる。したがって、インバータ共振回路3は、その固有振動数で自動的に励起される。周波数強制は存在せず、これは、充電システムの効率を向上させる。
【0019】
位相シフトは、インバータの電流ピークを制限、更には吸収し、したがって、その構成要素の、特にいかなるトランジスタの破壊も回避することを可能にする。これらの電流ピークは、エネルギーが回路に急に注入されたときに現れて、電圧ピークを生じさせ、電圧ピークが減衰しなかった場合、特に任意のトランジスタにおいて、特定の構成要素の破損を生じさせるリスクがある。更に、位相シフトは、インバータと充電用プレートの共振回路との間のケーブルの長さによって導入されたインダクタンスを吸収することを可能にし、これは、インバータから遠く離れて配置された充電用プレート内の共振回路に送給することを可能にする。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態において、駆動手段7は、タンクインダクタ8と、充電用ダイオード9と、充電用トランジスタ10と、放電用ダイオード11と、放電用トランジスタ12と、ダイオード9、11の駆動手段13と、を備えており、以下で説明するように配置されている。
タンクインダクタ8は、電圧源とインバータ共振回路3の第1の端子14との間に接続されている。タンクインダクタ8は、相対的に小さい値、例えば、500μH~3mHを有する。タンクインダクタ8の値は、充電デバイスを動作させる電力に応じて変動する。インダクタンス値が低過ぎる場合、インバータのスイッチが切れて、破損のリスクが増大し、一方で、インダクタンス値が高過ぎる場合、インバータの両端の電圧の降下が高くなり過ぎる。
【0021】
充電用ダイオード9のアノードは、インバータ共振回路3の第2の端子15に接続されており、そのカソードは、充電用トランジスタ10のドレインに接続されている。充電用トランジスタ10のソースは、出力端子16に接続されており、一方で、そのゲートは、駆動手段13に接続されている。
【0022】
放電用ダイオード11のアノードは、インバータ共振回路3の第1の端子14に接続されており、そのカソードは、放電用トランジスタ12のドレインに接続されている。放電用トランジスタ12のソースは、出力端子16に接続されており、一方で、そのゲートは、駆動手段13に接続される。
【0023】
駆動手段13は、この位相シフタ6からの位相シフトされた被測定信号に基づいて、充電用トランジスタ10を遮断モードに、かつ放電用トランジスタ12を飽和モードに、次いで、充電用トランジスタ10を飽和モードに、かつ放電用トランジスタ12を遮断モードに、連続的に駆動する。
【0024】
充電用トランジスタ10が遮断モードにあり、かつ放電用トランジスタ12が飽和モードにあるときに、エネルギーがタンクインダクタ8に蓄積される。次いで、充電用トランジスタ10が飽和モードにあり、かつ放電用トランジスタ12が遮断モードにあるときに、蓄積されたエネルギーがインバータ共振回路3に放出される。タンクインダクタ8は、電圧源1を電流源に変換するために使用される。
【0025】
充電用トランジスタ10及び放電用トランジスタ12は、好ましくは、MOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)又はIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)タイプのトランジスタである。
【0026】
この実施形態では、インバータは、以下のステップ:
-インバータの起動を要求するステップ、
-放電用トランジスタを遮断モードに設定し、一方で、充電用トランジスタを飽和モードに設定するステップ、
-インバータ共振回路3に小電流を送り、発振を開始するステップ、
-測定手段5によってインバータ共振回路3の共振周波数を読み出して、この及びおそらく他のパラメータが正しい場合、インバータにおいて全電力を放出するステップ、を含む方法に従って起動され得る。
【0027】
駆動手段7は、上で説明した、図1に例示されているものとは異なる方法で実現され得る。例えば、駆動手段7は、4つのトランジスタと、4つのダイオードと、を備え得るが、これは、充電中だけでなく放電中にもインバータ共振回路3にエネルギーを注入することを可能にする。
【0028】
インバータ共振回路3は、並列RLC回路を形成するようにコンデンサと並列に巻回されたインダクタからなる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態の一例が図2に示されており、一次巻線33は、並列に接続された2つの導線17、例えば、リッツ線を有する構造によって実現されている。図2では、2つの導線17a、17bが示されている。導線17は、導線の長さの少なくとも50%にわたって互いに離間されており、これは、より大きい断面を有するフラットケーブル、特に、断面が、離間された導線17を包含するものと同じ磁束密度を得ることを可能にする。間隔は、好ましくは、少なくとも1mmである。これは、プレート4のインダクタンスの全体的な値を低減させ(2つのインダクタを並列にし)、したがって、一次巻線33を流れる電流を低減させることを可能にする。したがって、大幅に小さいケーブル質量で同じ効率が得られ、したがって、コストが低減する。好ましくは、導線17は、各巻回ターンの後、又は特定の数の巻回ターンの後に交差させ、それにより、同線は、同じ全長を有し、したがって、同じインダクタンス及び抵抗値を有する。したがって、このように形成された回路は、バランスがとれている。2つの導線17は、導線が、好ましくは一定の距離だけ、常に互いに離間されているという点で、交差している場合であっても常に並列である。
【0030】
電圧源1は、交流電流源19から電圧源1を生成するために好適である、図3に示される電力供給源18によって生成され得る。したがって、電力供給源18は、ACネットワーク、例えば、220V/50Hzに直接接続され得、インバータ2の適切な動作に必要とされる電圧源1を送達し得る。特に、電力供給源は、充電システムの出力において必要とされる電力に関する、必要なパワーエンベロープを生成することができる。
【0031】
電力供給源18は、入力にEMCフィルタ20を備え得、下流に誘導される外乱をフィルタリングし、したがって、電気ネットワークを妨害しないことを可能にする。
【0032】
電力供給源18はまた、入力に、又は必要に応じてEMCフィルタ20の出力に入力変圧器21も含み得る。変圧器21は、強度値及び電流値を修正することを可能にする。出力1上のステージ22のガルバニック絶縁を実現することを可能にする。したがって、インバータ2の接地基準は、接地である。
【0033】
電力供給源は、変圧器の入力の前に位置するチョッピングモジュール22を含み得る。チョッパモジュール22は、電流の周波数を、例えば、入力における50Hzの周波数から、出力における20kHz~200kHzの周波数まで上昇させることを可能にする。これは、高周波変圧器である場合、変圧器21に供給するために必要である。そのような変圧器のサイズは小さいので、高周波変圧器の使用が好ましい。
【0034】
チョッパモジュール22は、整流器23から成り得、その出力にチョッパ24が接続されている。チョッパ24は、充電システムの需要に従って、電流の電力を調節することを可能にする。本発明の好ましい一実施形態では、フィルタリングコンデンサ25は、ダイオード整流器23とチョッパ24との間に配置されている。フィルタリングコンデンサの静電容量は、0.1~10μF、典型的には、数μFであり得る。そのような相対的に低いフィルタリングは、電力伝達中に、この電力に対する「リップル」効果、すなわち、ネットワークの周波数の2倍の発振の出現を可能にする。この発振に起因して、インバータ2に伝達される電力は、最小値を経る。これは、充電システムが、単一の電力供給源18に接続されたいくつかのインバータ2を有するときに利点を有する。電力供給源18が第1のインバータ2に電力を伝達するときに、第2のインバータ2を起動させた場合、第2のインバータの起動を可能にする前に、電力供給源18内の電力最小値の通過を待機することが可能である。したがって、第2のインバータ2は、構成要素に損傷を与える電力ピークのリスクを伴うことなく、全電力で起動され得る。
【0035】
最後に、電力供給源は、変圧器の出力において交流電流を、電流(その電圧は、電圧源1を得るために、0V~調節可能な最大値、例えば、24~600Vで変動する)に変換することができる整流器26を含み得る。
【0036】
インバータ2は、以下のデータ:測定手段5によって取り出されるインバータ共振回路3の動作周波数、例えば、インバータ共振回路3の第1の端子14及び出力端子16において取り出される電圧及び電流の値に基づいて、インバータ2の起動及び停止コマンドを提供することができるマイクロコントローラを備え得る。マイクロコントローラはまた、電力供給源18と通信することも可能であり得、それにより、電力供給源18がすでに別のインバータ2に給電している場合、マイクロコントローラは、低電力を通過するときに、インバータ2の起動を適時に許可する。これを行うために、インバータ2のマイクロコントローラはまた、インバータ2において取得されるいくつかの測定値から電力を計算し得る。これらの測定値は、インバータ共振回路ループ3の電流電圧、電圧源1の出力における電流電圧、及びインバータ2における電圧ゼロ交差時間を含み得る。
【0037】
電力供給源18はまた、以下のデータ:電力構成要素の温度、チョッパモジュール及び整流器の電圧及び電流の値、に基づいて、電力供給源18へのオン及びオフコマンドを発行することができるマイクロコントローラも含み得る。
【0038】
本発明による充電システムは、その一実施形態が図4に例示される充電レギュレータ27を含み得る。充電コントローラは、充電物28、例えば、バッテリ、アキュムレータ、又は充電式電池に、充電用プレート4によって生成された磁性エネルギーを充電/再充電するために使用することができる電気信号に変換することを可能にする。
【0039】
充電レギュレータ27は、充電プレート4の一次共振回路と周波数を同調させた二次共振回路29を含む。充電物28が定電流充電を必要とするバッテリである場合、二次共振回路29は、好ましくは、直列LC回路である。充電物が、AC/DC変換器、例えば、220VのACネットワークに接続された充電器である場合、二次共振回路は、好ましくは、充電レギュレータの出力において大きいDC電圧を得るために並列LC回路である。
【0040】
二次共振回路29の出力において、充電レギュレータは、二次共振回路29を源とする電流を、充電物28に充電するために好適な直流電流に変換することを可能にする、整流器及びフィルタリングモジュール30を備えている。
【0041】
低電力、例えば、50V未満の充電電圧の場合、電流が充電物28に送られる前に、バックコンバータ31が、好ましくは、整流器及びフィルタリングモジュール30の出力に加えられる。バックコンバータは、電流の電圧が、充電物28によって必要とされる値まで低下されることを可能にする。
【0042】
充電レギュレータ27は、電力供給源18と通信することが可能なマイクロコントローラを含み得る。したがって、充電レギュレータ27は、充電物28の充電電流要求を電力供給源18に直接送信し得、その要求を満たそうとする。
【0043】
例えば、供給源18が、電流源19の2倍の周波数で電力供給源18によって生成された電力を発振させることを可能にするフィルタリングコンデンサ25を備えており、発振が100Hzの周波数である場合、例えば、充電物28の充電は、ネットワーク周波数において、電力供給源18によって送達される電圧が充電物28の両端の電圧よりも高いときの充電段階、次いで、電力供給源18によって送達される電圧が負荷28の両端の電圧よりも低いときの緩和段階、を繰り返す、2つの段階で起こり得る。したがって、従来の充電システムとは逆に、電力供給源18は、充電レギュレータ27が廃棄し得る連続電力を送らず、単に負荷28によって要求された必要電力だけを送る。したがって、充電システムの全体的な効率が最適化される。
【0044】
本発明による充電システムは、以下のステップ:
-電力供給源18を第1のインバータ2に供給するステップと、
-電力供給源18による第2のインバータ2の供給を命令するステップと、
-第1のインバータ2における電力を計算するステップと、
-該電力が低い値、例えば、該電力の最大の0.1倍未満を通過するときに、第2のインバータ2の供給を開始するステップと、を含む、充電方法において使用され得る。
【0045】
上の説明は、特定の実施形態に基づくものであるが、決して本発明の範囲を限定するものではなく、特に、技術的な均等物の置換によって、又は上記で開発された特徴の全て若しくは一部の異なる組み合わせによって修正が行われ得る。

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】