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特表2023-520407ガラス溶融システムにおいて欠陥を低減するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ガラス溶融システムにおいて欠陥を低減するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/43 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
C03B5/43
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559597
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2021022695
(87)【国際公開番号】W WO2021202102
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】63/001,811
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ゴラー,マーティン ハーバート
(72)【発明者】
【氏名】モース,マシュー カール
(57)【要約】
ガラス物品を製造するための装置及び方法は、溶融ガラスを包み込む貴金属又は貴金属合金の導管を含む。また、本装置及び方法は、導管の内部に又は導管に近接して配置され、その中を欠陥抑制流体が流れる流路をさらに含む。流路は、溶融ガラスの自由表面に近接して配置される少なくとも1つの開口部を有しており、この開口部から欠陥抑制流体が流れ出る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製造装置であって、
貴金属又は貴金属合金を含み、溶融ガラスがその中を流れるように構成された導管と、
前記導管の内部に又は前記導管に近接して配置され、その中を欠陥抑制流体が流れるように構成された流路であって、前記溶融ガラスの自由表面に近接して配置され、前記流路から前記欠陥抑制流体を流すように構成された少なくとも1つの開口部を有する流路と、
を備えるガラス製造装置。
【請求項2】
前記導管が、前記流路を周方向に取り囲む槽を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの開口部が、前記欠陥抑制流体を前記槽の壁に向かって流すように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの開口部が、前記欠陥抑制流体を前記槽の壁に概ね平行な方向に流すように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
貴金属又は貴金属合金を含む導管を通して溶融ガラスを搬送するステップと、
前記導管の内部に又は前記導管に近接して配置された流路の少なくとも1つの開口部から欠陥抑制流体を流すステップと、
を含むガラス物品の製造方法であって、
前記少なくとも1つの開口部が、前記溶融ガラスの自由表面に近接して配置されている、方法。
【請求項6】
前記導管が、前記流路を周方向に取り囲む槽を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口部が、前記欠陥抑制流体を前記槽の壁に向かって流す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの開口部が、前記欠陥抑制流体を前記槽の壁に概ね平行な方向に流す、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか1項に記載の方法によって製造されたガラス物品。
【請求項10】
請求項9に記載のガラス物品を備える電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、2020年3月30日を出願日とする米国仮特許出願第63/001811号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、この仮出願のすべての開示内容は、本明細書の依拠するところとし、参照することによって本明細書の一部をなすものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ガラス溶融システムに関し、特に、ガラス溶融システムにおいて欠陥を低減するための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
テレビや携帯デバイス(例えば、電話機やタブレット端末)などのディスプレイ用のガラス板などのガラス物品の製造では、溶融したガラスを搬送して、ガラス溶融システム内を通過させている。ガラス溶融システムは、通常、貴金属又は貴金属合金を含む槽又は導管を備えており、溶融ガラスはこれらの槽又は導管を通過して搬送されるが、その際、溶融ガラスが当該貴金属又は貴金属合金に物理的に接触する。このように溶融ガラスと貴金属又は貴金属合金とが接触することにより、酸化還元反応などの化学反応が起こる場合があり、その際、貴金属又は貴金属酸化物が溶融ガラスの中や溶融ガラスの表面に移動する場合があった。そして、このように貴金属や貴金属酸化物が溶融ガラスの中や溶融ガラスの表面に存在することにより、ガラス物品に望ましくない欠陥が生じる場合があった。さらに、このような反応がガラス溶融システムの槽や導管の腐食を引き起こす場合もあり、その結果、これらの部品を修理、交換する必要が生じたり、望ましくないプロセス中断時間が発生したりする恐れがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、これらの影響を緩和又は抑制することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示の実施形態は、ガラス物品を製造するための装置を含む。本装置は、貴金属又は貴金属合金を含み、溶融ガラスがその中を流れるように構成された導管を備える。また、本装置は、導管の内部に又は導管に近接して配置され、その中を欠陥抑制流体が流れるように構成された流路をさらに備える。流路は、溶融ガラスの自由表面に近接して配置され、流路から欠陥抑制流体を流すように構成された少なくとも1つの開口部を有している。
【0006】
また、本明細書に開示の実施形態は、ガラス物品の製造方法をさらに含む。本方法は、貴金属又は貴金属合金を含む導管を通して溶融ガラスを搬送するステップを含む。また、本方法は、導管の内部に又は導管に近接して配置された流路の少なくとも1つの開口部から欠陥抑制流体を流すステップをさらに含む。少なくとも1つの開口部は、溶融ガラスの自由表面に近接して配置されている。
【0007】
以下の詳細な説明において、本明細書に開示の実施形態のさらなる特徴及び利点を記載する。下記のさらなる特徴及び利点は、当業者であれば、ある程度はその説明からただちに理解するであろうし、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載の本開示の実施形態を実施することによって理解するであろう。
【0008】
上述の概略的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも、特許請求の対象となる実施形態の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図した実施形態を示すものであることを理解されたい。また、添付の図面は、さらなる理解のために添付するものであり、本明細書に組み込まれ、その一部をなすものとする。図面は、本開示の種々の実施形態を例示的に示すものであり、以下の詳細な説明と併せて、種々の実施形態の原理及び作用を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】フュージョンダウンドロー式ガラス製造装置及びガラス製造プロセスの一例を示す模式図
図2】本明細書に開示の実施形態に係る例示的な混合槽の一部を示す、模式的な側断面図
図3図2に示す例示的な混合槽の模式的な上部断面図
図4】本明細書に開示の実施形態に係る例示的な混合槽の一部を示す、模式的な側断面図
図5図4に示す例示的な混合槽の模式的な上部断面図
図6】本明細書に開示の実施形態に係る例示的な導管の一部を示す、模式的な側断面図
図7】本明細書に開示の実施形態に係る例示的な導管の一部を示す、模式的な側断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示の好ましい実施形態について詳細に説明する。添付の図面は、これら好ましい実施形態の例を示すものである。図面全体を通して、同一又は類似の箇所は、可能な限り同一の参照番号を用いて示す。なお、本開示は、多種多様な形態で実施することができるものであり、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではない。
【0011】
本明細書において、「約(about)」ある特定の値以上、「約」ある特定の値~「約」他の特定の値、又は、「約」該他の特定の値以下、という形で範囲を表現する場合がある。このような表現で範囲を表す場合、ある特定の値以上、ある特定の値~他の特定の値、又は、該他の特定の値以下、を含む他の実施形態が存在する。同様に、例えばある値の前に「約」をつけるなどによってその値を近似値として表現する場合、その特定の値自身によって構成される他の実施形態も存在することが理解されるであろう。また、各範囲の両端点が持つ意味は、互いに相関しているとともに互いに独立でもあることも理解されるであろう。
【0012】
本明細書において、方向性のある用語(例えば、上へ(up)、下へ(down)、右(right)、左(left)、前(front)、後(back)、上(top)、下(bottom)など)は、図面を参照したものに過ぎず、絶対的な向きを意味することを意図するものではない。
【0013】
別段の明示的な記載がない限り、本明細書に記載のいかなる方法も、各ステップ(工程)を特定の順序で実施することを要請していると解釈されることを意図するものではなく、また、いかなる装置に関しても、特定の向きを要請すると意図するものではない。したがって、方法クレームにおいてそのステップの順序を実際に記載している場合、及び、装置クレームにおいて個々の構成要素の並び順や向きを実際に記載している場合を除き、又は、その他、各ステップが特定の順序に限定される旨の記載が請求の範囲若しくは発明の詳細な説明において明確になされている場合、及び、装置の構成要素の特定の並び順や特定の向きを記載している場合を除き、順序(並び順)や向きが推測されることは、いかなる点においても意図していない。これは、各ステップの並び、操作の流れ、構成要素の並び順、又は構成要素の向きについての論法の問題、文法的な構成又は句読点から導き出される通俗的な意味、本明細書に記載の実施形態の数又は種類など、解釈の根拠となり得るあらゆる非明示的事項に対して該当する。
【0014】
本明細書において、「a」、「an」、及び「the(その/前記)」で示す単数形は、文脈上明らかに複数形を含まないことが明らかである場合を除き、対応する複数形に対する言及も包含するものとする。したがって、例えば、ある構成要素を冠詞「a」で導く表現は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、その構成要素を2つ以上有する態様も包含する。
【0015】
本明細書において、「近接(proximate)」という用語は、約75ミリメートル以下の距離を指す。
【0016】
本明細書において、「欠陥抑制流体(defect inhibiting fluid)」という用語は、ガラス製造装置の導管又は槽から溶融ガラスへの貴金属又は貴金属酸化物の移動を抑制する流体を指す。
【0017】
本明細書において、「溶融ガラス(molten glass)」という用語は、その液相温度(この温度を超えると、結晶相が平衡状態でガラスと共存できなくなる温度)以上であるガラス組成物を指す。
【0018】
本明細書において、「溶融ガラスの自由表面(free surface of the molten glass)」という用語は、溶融ガラスが、溶融ガラス上方の雰囲気に接触している領域を指す。
【0019】
本明細書において、「導管(conduit)」という用語は、ガラス製造装置の導管又は槽であって、その中を溶融ガラスが流れるように構成されたものを指す。例示的な導管として、混合槽36、清澄槽34、送達槽40、及び各接続導管が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本明細書において、「接続導管(connecting conduit)」という用語は、ガラス製造装置の構成要素を接続するために使用される導管であって、その中を溶融ガラスが流れるように構成されたものを指す。本明細書に開示の例示的な接続導管として、第1の接続導管32、第2の接続導管38、及び第3の接続導管46が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
図1に、例示的なガラス製造装置10を示す。いくつかの例では、ガラス製造装置10は、ガラス溶融炉12を備えることができ、ガラス溶融炉12は、溶融槽14を備えることができる。溶融槽14に加えて、ガラス溶融炉12は、原料を加熱して原料を溶融ガラスに変化させる加熱要素(本明細書でより詳細に説明する)などの1つ以上のさらなる構成要素を備えている。さらなる例では、ガラス溶融炉12は、溶融槽の近傍からの熱損失を低減する熱管理デバイス(例えば、断熱要素)を備えることもできる。さらに他の例では、ガラス溶融炉12は、原料からガラス融液への溶融を支援する電子デバイス及び/又は電気機械デバイスを備えることができる。またさらに、ガラス溶融炉12は、支持構造体(例えば、支持筐体、支持部材など)などの構成要素を備えることもできる。
【0022】
ガラス溶融槽14は、通常、耐火セラミック材料などの耐火材料(例えば、アルミナ又はジルコニアを含む耐火セラミック材料)で構成される。いくつかの例では、ガラス溶融槽14は、耐火セラミックレンガで構成することができる。以下、ガラス溶融槽14の具体的な実施形態について、より詳細に説明する。
【0023】
いくつかの例では、ガラス溶融炉を、ガラス基板(例えば、長尺のガラスリボン)を製造するためのガラス製造装置の構成要素として組み込むことができる。いくつかの例では、本開示のガラス溶融炉を構成要素として組み込むことができるガラス製造装置として、スロットドロー装置、フロートバス装置、フュージョンプロセスなどのダウンドロー装置、アップドロー装置、プレス圧延装置、又は管引き装置などの、本明細書に開示の態様によって利益を得るであろうガラス製造装置を挙げることができる。一例として、図1には、フュージョンダウンドロー式ガラス製造装置10の構成要素としてのガラス溶融炉12を模式的に示す。フュージョンダウンドロー式ガラス製造装置10は、ガラスリボンをフュージョンドロー法で延伸するための装置であり、このガラスリボンが、後続の工程で個々のガラス板に加工される。
【0024】
ガラス製造装置10(例えば、フュージョンダウンドロー装置10)は、任意選択的に、ガラス溶融槽14の上流側に配置される上流側ガラス製造装置16を備えることができる。いくつかの例では、上流側ガラス製造装置16の一部又は全体を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。 図示の例に示すように、上流側ガラス製造装置16は、貯留容器(storage bin)18と、原料送達デバイス20と、原料送達デバイスに接続されるモータ22と、を備えることができる。貯留容器18は、矢印26で示すようにガラス溶融炉12の溶融槽14内に送給することができる量のバッチ原料24を貯留するように構成することができる。バッチ原料24は、通常、1つ以上のガラス形成金属酸化物と、1つ以上の改質剤とを含む。いくつかの例では、原料送達デバイス20により貯留容器18から溶融槽14に所定量のバッチ原料24を送達することができるように、モータ22で原料送達デバイス20を動作させることができる。さらなる例では、モータ22は、溶融槽14の下流側で感知した溶融ガラスレベルに基づいて制御した流量で、バッチ原料24を送り込むように、原料送達デバイス20を動作させることができる。その後、溶融槽14内のバッチ原料24は加熱され、溶融ガラス28を形成することができる。
【0025】
ガラス製造装置10は、任意選択的に、ガラス溶融炉12の下流側に配置される下流側ガラス製造装置30も備えることができる。いくつかの例では、下流側ガラス製造装置30の一部を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。また、場合によっては、後述する第1の接続導管32、又は下流側ガラス製造装置30の他の部分を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。下流側ガラス製造装置の、第1の接続導管32などの各要素は、貴金属で形成することができる。好適な貴金属としては、白金、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、及びパラジウムからなる金属の群から選択される白金族金属、又はそれらの合金が挙げられる。例えば、ガラス製造装置の下流側の構成要素を、約100質量%~約60質量%の白金と、約0質量%~約40質量%のロジウムとを含む白金ロジウム合金で形成することができる。ただし、他の好適な金属として、モリブデン、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、及びそれらの合金を挙げることもできる。また、酸化物分散強化(Oxide Dispersion Strengthened:ODS)貴金属合金も使用することができる。
【0026】
下流側ガラス製造装置30は、例えば、清澄槽34などの第1の調節槽(すなわち、処理槽)を備えることができる。第1の調節槽は、溶融槽14の下流側に配置され、上述の第1の接続導管32によって溶融槽14に連結される。いくつかの例では、溶融ガラス28は、第1の接続導管32によって溶融槽14から清澄槽34に重力送給することができる。例えば、重力によって、溶融ガラス28を、溶融槽14から清澄槽34まで第1の接続導管32の内部経路を通過させることができる。ただし、溶融槽14の下流側(例えば、溶融槽14と清澄槽34の間に)に、他の調節槽を配置することもできることを理解されたい。いくつかの実施形態では、溶融槽と清澄槽との間に調節槽を採用して、一次溶融槽から出た溶融ガラスをさらに加熱して溶融プロセスを継続したり、又は、溶融槽から出た溶融ガラスを、清澄槽に流入するまでに溶融槽内の溶融ガラス温度より低い温度まで冷却したりすることができる。
【0027】
清澄槽34内では、様々な技術によって、溶融ガラス28から気泡を取り除くことができる。例えば、バッチ原料24は、加熱されると化学還元反応を起こして酸素を放出する酸化スズなどの多価化合物(すなわち、清澄剤)を含むことができる。他の好適な清澄剤としては、ヒ素、アンチモン、鉄、及びセリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。清澄槽34は、溶融槽の温度よりも高い温度に加熱され、これにより、溶融ガラスと清澄剤とを加熱する。温度によって誘発された(1つ以上の)清澄剤の化学還元によって、酸素気泡が生成されて清澄槽内の溶融ガラス中を上昇し、この清澄剤によって生成された酸素気泡の中に、溶融炉で生成された溶融ガラス中の気体が拡散(すなわち合体)することができる。そして、大きくなった気泡は、清澄槽内の溶融ガラスの自由表面まで上昇し、その後、気泡を清澄槽の外に排出させることができる。さらに、酸素気泡によって、清澄槽内の溶融ガラスの機械的混合も誘発され得る。
【0028】
また、下流側ガラス製造装置30は、溶融ガラスを混合するための混合槽36などの別の調節槽をさらに備えることができる。混合槽36は、清澄槽34の下流側に配置することができる。混合槽36を使用することにより、均質なガラス溶融組成を実現することができ、これにより、混合槽36を使用しない場合に清澄槽から排出される清澄化後の溶融ガラス内に存在する可能性のあった化学又は温度不均一のすじ(cord)を低減することができる。図示の通り、清澄槽34は、第2の接続導管38によって混合槽36に連結することができる。いくつかの例では、溶融ガラス28は、第2の接続導管38によって清澄槽34から混合槽36に重力送給することができる。例えば、重力によって、溶融ガラス28を、清澄槽34から混合槽36まで第2の接続導管38の内部経路を通過させることができる。なお、混合槽36は清澄槽34の下流側に図示しているが、混合槽36は、清澄槽34より上流側に配置することもできる。いくつかの実施形態では、下流側ガラス製造装置30は、複数の混合槽を備えることができ、例えば、清澄槽34より上流側の混合槽と、清澄槽34より下流側の混合槽とを備えることができる。これらの複数の混合槽は、同一の設計とすることができ、異なる設計とすることもできる。
【0029】
また、下流側ガラス製造装置30は、送達槽40などの別の調節槽をさらに備えることができる。送達槽40は、混合槽36の下流側に配置することができる。送達槽40は、下流の成形デバイスに送給される溶融ガラス28を調節することができる。例えば、送達槽40は、溶融ガラス28が出口導管44を通って成形本体42まで安定して流れるように流量を調整及び/又は送給する滞留機構(accumulator)及び/又は流量制御機構として機能することができる。図示の通り、混合槽36は、第3の接続導管46によって送達槽40に連結することができる。いくつかの例では、溶融ガラス28は、第3の接続導管46によって混合槽36から送達槽40に重力送給することができる。例えば、重力によって、溶融ガラス28を、混合槽36から送達槽40まで第3の接続導管46の内部経路を通過させることができる。
【0030】
下流側ガラス製造装置30は、上記成形本体42と入口導管50とからなる成形装置48をさらに備えることができる。出口導管44は、送達槽40から成形装置48の入口導管50まで溶融ガラス28を送達するように配置することができる。例えば、出口導管44は、入口導管50内に入れ子状にかつ入口導管50の内面から離間して配置することができ、これにより、出口導管44の外面と入口導管50の内面との間の位置に溶融ガラスの自由表面が得られる。フュージョンダウンドロー式ガラス製造装置における成形本体42は、成形本体の上面に位置する溝(trough)52と、成形本体のドロー方向に向かって互いに近づいて底縁56に沿って合わさる収束成形面54とを備えることができる。送達槽40、出口導管44、及び入口導管50を介して成形本体の溝に送達された溶融ガラスは、溝の側壁を越流し、別々の溶融ガラス流に分かれて各収束成形面54に沿って流れ落ちる。これらの別々の溶融ガラス流が、底縁56の下方で、底縁56に沿って合流して一本のガラスリボン58となり、ガラスが冷却されてガラスの粘度が増大する際に、このガラスリボンに対して、重力、エッジロール72及び引張ロール82などによって張力を加えることにより、ガラスリボンを底縁56からドロー方向(すなわち流れ方向)60に延伸し、これによりガラスリボンの寸法を制御する。したがって、ガラスリボン58は粘弾性転移を起こし、これを経てガラスリボン58自身の安定的な寸法特性を決める力学的特性を獲得する。いくつかの実施形態では、ガラスリボン58は、ガラスリボンの弾性が高い領域で、ガラス分離装置100によって個々のガラス板62に分離することができる。そして、個々のガラス板62は、ロボット64が把持ツール65でコンベアシステムに移載し、コンベアシステム上で個々のガラス板にさらなる加工を施すことができる。
【0031】
図2は、本明細書に開示の実施形態に係る例示的な混合槽36の一部を示す、模式的な側断面図である。混合槽36は、溶融ガラス28を包み込むように構成される。混合槽36は、溶融ガラス28を周方向に取り囲む壁140を備えている。また、混合槽は、溶融ガラス28の上方に配置されるように構成された取り外し可能なカバー130をさらに備えている。さらに、混合槽36は、回転可能な中央シャフト132を備えており、中央シャフト132から攪拌羽根142が延出している。取り外し可能なカバー130は、回転可能な中央シャフト132が取り外し可能なカバー130を挿通して延在することができるように構成されており、例えば、回転可能な中央シャフト132を囲んで二枚貝のように延在する2つの略半円形の部分を含むことができる。
【0032】
図2に示すように、流路134は、混合槽36の内部に延びて、流路134の一部が溶融ガラス28の自由表面Sと概ね平行になる(すなわち、流路134の一部が水平に延びる)ように配置されている。流路134は、ワイヤなどの支持構造体136と、ナットなどの締め付け構造体138とで混合槽36内に固定することができる。締め付け構造体138は、緩めたり締めたりすることができ、これにより、混合槽36内の流路134の位置を調整する(例えば、流路134を動かして、混合槽36内の流路134の位置を相対的に上下させる)ことができる。流路134は、欠陥抑制流体がその中を流れるように構成されており、溶融ガラス28の自由表面Sに近接する開口部144を有している。開口部144は、流路134における、溶融ガラス28の自由表面Sに概ね平行な部分に配置されている。
【0033】
欠陥抑制流体は、矢印Fで示すように流体源(図示せず)から流路134内に流れ込み、矢印F’で示すように開口部144から流路134の外に流れ出る。図2に示すように、開口部144は、欠陥抑制流体を混合槽36の壁140に向かって流すように構成されている。なお、図2に示すように、欠陥抑制流体は、混合槽36の壁140に向かって若干下向きの半径方向外方に流れるが、本明細書における実施形態には、欠陥抑制流体が、混合槽36の壁140に向かって若干上向きの半径方向外方に流れる態様、及び/又は混合槽36の壁140に向かってまっすぐ(すなわち、上向きでも下向きでもない)半径方向外方に流れる実施形態も含まれる。
【0034】
図3は、図2に示す例示的な混合槽36のXX’線に沿った模式的な上部断面図である。図3に示すように、2本の流路134は混合槽36の内部に配置されており、各流路134は、混合槽36の壁140によって周方向に囲まれた概ね半円形の部分(この概ね半円形の部分が、図2に示す、溶融ガラスの自由表面Sに概ね平行な部分に相当する)を有している。各流路134は、欠陥抑制流体を、矢印F’に示すように、複数の開口部(図3では不図示)から混合槽36の壁140に向かって半径方向外方に流すように構成されている。
【0035】
図4は、本明細書に開示の実施形態に係る例示的な混合槽36の一部を示す、模式的な側断面図である。図2に示す混合槽36と同様、混合槽36は、溶融ガラス28を包み込むように構成される。混合槽36は、溶融ガラス28を周方向に取り囲む壁140を備えている。また、混合槽は、溶融ガラス28の上方に配置されるように構成された取り外し可能なカバー130をさらに備えている。さらに、混合槽36は、回転可能な中央シャフト132を備えており、中央シャフト132から攪拌羽根142が延出している。取り外し可能なカバー130は、回転可能な中央シャフト132が取り外し可能なカバー130を挿通して延在することができるように構成されており、例えば、回転可能な中央シャフト132を囲んで二枚貝のように延在する2つの略半円形の部分を含むことができる。
【0036】
図4に示すように、流路134’は、その一部が取り外し可能なカバー130の上方に延在し、その他の部分が混合槽36の内部に延びるように配置されており、流路134’における、混合槽36の内部に延びる部分は、溶融ガラス28の自由表面Sに対して概ね垂直となる(すなわち、流路134’のいくつかの部分が鉛直に延びる)ように配置されている。流路134’は、ナットなどの締め付け構造体138で混合槽36内に固定することができる。締め付け構造体138は、緩めたり締めたりすることができ、これにより、混合槽36内の流路134’の位置を調整する(例えば、流路134’を動かして、混合槽36内の流路134’の位置を相対的に上下させる)ことができる。流路134’は、欠陥抑制流体がその中を流れるように構成されており、溶融ガラス28の自由表面Sに近接する開口部144を有している。開口部144は、流路134’における、溶融ガラス28の自由表面Sに概ね垂直な部分に配置されている。欠陥抑制流体は、矢印Fで示すように流体源(図示せず)から流路134’内に流れ込み、矢印F’で示すように開口部144から流路134’の外に流れ出る。
【0037】
図5は、図4に示す例示的な混合槽36のXX’線に沿った模式的な上部断面図である。図5に示すように、2本の流路134’は、各流路134’の概ね半円形の部分が取り外し可能なカバー130の上方に延在し、各流路134’の他の部分が混合槽36内部に鉛直に延びる(この鉛直に延びる部分が、図4に示す、溶融ガラスの自由表面Sに概ね垂直な部分に相当する)ように配置されている。各流路134’は、欠陥抑制流体を、矢印F’に示すように、複数の開口部(図5では不図示)から混合槽36の壁140に概ね平行な方向に流すように構成されている。
【0038】
図6は、本明細書に開示の実施形態に係る例示的な導管の一部を示す、模式的な側断面図である。なお、図6では、導管として第2の接続導管38を示しているが、図6は、第1の接続導管32及び第3の接続導管46などの、本明細書に開示の他の導管にも適用することができる。第2の接続導管38は、溶融ガラス28を包み込むように構成される。第2の接続導管38は、第2の接続導管38の本体から半径方向外方に延びる付加部230を備えている。付加部230は、状態測定デバイス232(例えば、レベルプローブ、温度プローブなど)を周方向に取り囲んでおり、状態測定デバイス232の先端は溶融ガラス28の内部まで延びている。状態測定デバイス232は、欠陥抑制流体がその中を流れるように構成された流路として機能する。詳細には、欠陥抑制流体は、矢印Fで示すように流体源(図示せず)から状態測定デバイス232内に流れ込み、矢印F’で示すように開口部234から状態測定デバイス232の外に流れ出る。図6から分かるように、開口部234は、溶融ガラス28の自由表面Sに近接している。
【0039】
図7は、本明細書に開示の実施形態に係る例示的な導管の一部を示す、模式的な側断面図である。図6と同様、図7でも、導管として第2の接続導管38を示しているが、やはりこれも、第1の接続導管32及び第3の接続導管46などの、本明細書に開示の他の導管にも適用することができる。図6と同様、第2の接続導管38は、溶融ガラス28を包み込むように構成される。第2の接続導管38は、第2の接続導管38の本体から半径方向外方に延びる付加部230を備えている。付加部230は、状態測定デバイス232(例えば、レベルプローブ、温度プローブなど)を周方向に取り囲んでおり、状態測定デバイス232の先端は溶融ガラス28の内部まで延びている。また、シース236は、状態測定デバイス232を周方向に取り囲むとともに、付加部230によって周方向に取り囲まれている。シース236は、欠陥抑制流体がその中を流れるように構成された流路として機能する。詳細には、欠陥抑制流体は、矢印Fで示すように流体源(図示せず)からシース236内に流れ込み、開口部234からシース236の外に流れ出る。図7から分かるように、開口部234は、溶融ガラス28の自由表面Sに近接している。
【0040】
図2図7に示す実施形態などの特定の例示的な実施形態においては、溶融ガラス28の自由表面に近接して配置され、欠陥抑制流体を流路(例えば、流路134、134’など)から流し出すように構成された1つ以上の開口部が設けられている。例えば、1つ以上の開口部は、溶融ガラス28の自由表面の約5ミリメートル~約75ミリメートルの位置、例えば、約10ミリメートル~約50ミリメートルの位置に配置することができる。さらに、特定の例示的な実施形態においては、例えば、1つ以上の開口部を、壁140の約5ミリメートル~約75ミリメートルの位置、例えば、約10ミリメートル~約50ミリメートルの位置に配置することができる。
【0041】
図2図7に示す実施形態などの特定の例示的な実施形態において、各流路は、槽(例えば、混合槽36)又は導管(例えば、第2の接続導管38)と同一又は同様の材料で構成することができる。例えば、特定の例示的な実施形態において、流路134、流路134’、状態測定デバイス232、及び/又はシース236は、貴金属又は貴金属合金を含むことができる。例示的な貴金属としては、白金、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、及びパラジウムからなる金属の群から選択される白金族金属、又はそれらの合金が挙げられる。例えば、流路は、約70質量%~約90質量%の白金と、約10質量%~約30質量%のロジウムとを含む白金ロジウム合金を含むことができる。ただし、他の好適な金属として、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、及びそれらの合金を挙げることもできる。
【0042】
欠陥抑制流体は、槽(例えば、混合槽36)又は導管(例えば、第2の接続導管38)から溶融ガラス28への貴金属又は貴金属酸化物の移動を抑制するものである。例えば、槽又は導管が白金ロジウム合金を含む場合、酸素を豊富に含む雰囲気中では、以下のような酸化還元反応が起こる可能性がある:
Pt・Rh+O→Pt・RhO
【0043】
このような反応により、溶融ガラス28中に望ましくない量の白金及び/又はロジウムの酸化物が存在するようになる恐れがある。そして、この反応により、貴金属ガスが生成され、この貴金属ガスを原料に、以下の逆反応が起こって欠陥が形成され得る:
Pt・RhO→Pt・Rh+O
【0044】
また、この逆反応が、多価元素の酸化還元反応(SnO/SnO、FeO/Feなど)のような他の反応をさらに引き起こす場合もある。しかし、本明細書に開示するように、溶融ガラス28の自由表面に近接させて欠陥抑制流体を流すことにより、このような反応を抑制することができる。
【0045】
例示的な欠陥抑制流体としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、水素、塩素、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
特定の例示的な実施形態では、欠陥抑制流体の温度は、溶融ガラス28の温度又はその付近とすることができる。例えば、欠陥抑制流体の温度は、少なくとも約1200℃とすることができ、例えば、少なくとも約1300℃、さらに例えば、少なくとも約1400℃、またさらに例えば、少なくとも約1500℃とすることができ、約1200℃~約1700℃の温度(例えば、約1300℃~約1600℃)などの温度とすることができる。
【0047】
特定の例示的な実施形態において、欠陥抑制流体の流量は、約0.1~約100標準リットル/分(Standard Liters Per Minute:SLPM)の範囲、例えば、約5SLPM~約50SLPMの範囲とすることができる。
【0048】
以上、上述の実施形態をフュージョンダウンドロープロセスに関連させて説明したが、かかる実施形態は、フロートプロセス、スロットドロープロセス、アップドロープロセス、管引きプロセス、及びプレス圧延プロセスなどの他のガラス成形プロセスにも適用できることを理解されたい。
【0049】
当業者であれば、本開示の趣旨及び範囲から逸脱しない範囲で、本開示の実施形態に種々の変形及び変更を加えることができることは明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲を逸脱しない範囲で、そのような変形や変更も範囲に含むことが意図されている。
【0050】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0051】
実施形態1
ガラス製造装置であって、
貴金属又は貴金属合金を含み、溶融ガラスがその中を流れるように構成された導管と、
前記導管の内部に又は前記導管に近接して配置され、その中を欠陥抑制流体が流れるように構成された流路であって、前記溶融ガラスの自由表面に近接して配置され、前記流路から前記欠陥抑制流体を流すように構成された少なくとも1つの開口部を有する流路と、
を備えるガラス製造装置。
【0052】
実施形態2
前記少なくとも1つの開口部が、前記溶融ガラスの前記自由表面から約5ミリメートル~約75ミリメートルの位置に配置されるように構成されている、実施形態1に記載の装置。
【0053】
実施形態3
前記導管が、前記流路を周方向に取り囲む槽を含む、実施形態1に記載の装置。
【0054】
実施形態4
前記槽が混合槽を含む、実施形態3に記載の装置。
【0055】
実施形態5
前記導管が接続導管を含む、実施形態1に記載の装置。
【0056】
実施形態6
前記欠陥抑制流体が、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、水素、塩素、又はこれらの混合物のうち少なくとも1つから選択される、実施形態1に記載の装置。
【0057】
実施形態7
前記少なくとも1つの開口部が、前記欠陥抑制流体を前記槽の壁に向かって流すように構成されている、実施形態3に記載の装置。
【0058】
実施形態8
前記少なくとも1つの開口部が、前記欠陥抑制流体を前記槽の壁に概ね平行な方向に流すように構成されている、実施形態3に記載の装置。
【0059】
実施形態9
前記開口部が、前記流路における、前記溶融ガラスの前記自由表面に対して概ね平行な部分に沿って配置されるように構成されている、実施形態7に記載の装置。
【0060】
実施形態10
前記開口部が、前記流路における、前記溶融ガラスの前記自由表面に対して概ね垂直な部分に沿って配置されるように構成されている、実施形態8に記載の装置。
【0061】
実施形態11
貴金属又は貴金属合金を含む導管を通して溶融ガラスを搬送するステップと、
前記導管の内部に又は前記導管に近接して配置された流路の少なくとも1つの開口部から欠陥抑制流体を流すステップと、
を含むガラス物品の製造方法であって、
前記少なくとも1つの開口部が、前記溶融ガラスの自由表面に近接して配置されている、方法。
【0062】
実施形態12
前記少なくとも1つの開口部が、前記溶融ガラスの前記自由表面から約5ミリメートル~約75ミリメートルの位置に配置されている、実施形態11に記載の方法。
【0063】
実施形態13
前記導管が、前記流路を周方向に取り囲む槽を含む、実施形態11に記載の方法。
【0064】
実施形態14
前記槽が混合槽を含む、実施形態13に記載の方法。
【0065】
実施形態15
前記導管が接続導管を含む、実施形態11に記載の方法。
【0066】
実施形態16
前記欠陥抑制流体が、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、水素、塩素、又はこれらの混合物のうち少なくとも1つから選択される、実施形態11に記載の方法。
【0067】
実施形態17
前記少なくとも1つの開口部が、前記欠陥抑制流体を前記槽の壁に向かって流す、実施形態13に記載の方法。
【0068】
実施形態18
前記少なくとも1つの開口部が、前記欠陥抑制流体を前記槽の壁に概ね平行な方向に流す、実施形態13に記載の方法。
【0069】
実施形態19
前記開口部が、前記流路における、前記溶融ガラスの前記自由表面に対して概ね平行な部分に沿って配置されている、実施形態17に記載の方法。
【0070】
実施形態20
前記開口部が、前記流路における、前記溶融ガラスの前記自由表面に対して概ね垂直な部分に沿って配置されている、実施形態18に記載の方法。
【0071】
実施形態21
実施形態11に記載の方法によって製造されたガラス物品。
【0072】
実施形態22
実施形態21に記載のガラス物品を備える電子デバイス。
【符号の説明】
【0073】
10 ガラス製造装置
12 ガラス溶融炉
14 ガラス溶融槽
16 上流側ガラス製造装置
18 貯留容器
20 原料送達デバイス
22 モータ
24 バッチ原料
26 矢印
28 溶融ガラス
30 下流側ガラス製造装置
32 第1の接続導管
34 清澄槽
36 混合槽
38 第2の接続導管
40 送達槽
42 成形本体
44 出口導管
46 第3の接続導管
48 成形装置
50 入口導管
52 溝
54 収束成形面
56 底縁
58 ガラスリボン
60 流れ方向
62 ガラス板
64 ロボット
65 把持ツール
72 エッジロール
82 引張ロール
100 ガラス分離装置
130 カバー
132 中央シャフト
134、134’ 流路
136 支持構造体
138 締め付け構造体
140 壁
142 攪拌羽根
144 (流路の)開口部
230 付加部
232 状態測定デバイス
234 (状態測定デバイス又はシースの)開口部
236 シース
S 自由表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】