(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両のエンジン速度制御のための方法
(51)【国際特許分類】
H02P 9/04 20060101AFI20230510BHJP
B60K 6/445 20071001ALI20230510BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20230510BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20230510BHJP
B60W 20/17 20160101ALI20230510BHJP
H02P 101/45 20150101ALN20230510BHJP
【FI】
H02P9/04 L ZHV
B60K6/445
B60W10/06 900
B60W10/08 900
B60W20/17
H02P101:45
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560895
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2020059800
(87)【国際公開番号】W WO2021204353
(87)【国際公開日】2021-10-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511312997
【氏名又は名称】トヨタ モーター ヨーロッパ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】マチュー スタッキー
【テーマコード(参考)】
3D202
5H590
【Fターム(参考)】
3D202AA03
3D202AA04
3D202BB08
3D202BB14
3D202DD18
3D202DD20
3D202DD26
5H590AA30
5H590CA23
5H590CB02
5H590CE05
5H590FA05
5H590HA11
5H590JA02
(57)【要約】
負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)の速度を規制する方法であって、第1トルク装置(3、31)の出力トルクと負荷システム(4)の抵抗トルクとの間の関係を修正することにより、第1トルク装置(3、31)の出力シャフトに少なくとも部分的には伝達され得る外乱トルクを補償するフィードフォワードステップを有している。制御ユニット(7)は、上記と同じことを実行するための手段を備えている。非一時的格納媒体は命令を備えており、この命令は、コンピュータにより実行されるとそのコンピュータに該方法を実行させる。データキャリアは、命令を含んでいるコンピュータプログラムを担持しており、このプログラムは、コンピュータにより実行されるとこのコンピュータに該方法を実行させる。マシン(1)は、該方法を実行するための手段と、マシン(1、1’、1”)の駆動構成要素(5、51、52)に結合されているトランスミッション装置(2)を介して負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)とを備えている。車両(11)は同じものを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)の速度(V1)を規制する方法であって、前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の抵抗トルク(OP2)との間の関係を修正することにより、前記第1トルク装置(3、31)の出力シャフトに少なくとも部分的には伝達され得る外乱トルク(TD3)を補償するフィードフォワードステップを有している、方法。
【請求項2】
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の前記関係は比例関係であり随意的に線形である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外乱トルク(TD3)を補償する前記フィードフォワードステップは、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)に対して増加することにより、および/または、
前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して減少することにより、
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)の、指令によるものではない減少に対抗するステップを含んでいる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記外乱トルク(TD3)を補償する前記フィードフォワードステップは、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)に対して減少することにより、および/または、
前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルクに対して増加することにより、
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)の、指令によるものではない増加に対抗するステップを含んでいる、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、前記負荷システム(4)の慣性の関数として修正される、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の前記関係は、
前記負荷システム(4)の速度、
前記第1トルク装置(3、31)と前記負荷システム(4)との間のトルク比、
の1つ以上の関数として修正される、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記負荷システム(4)は第2トルク装置(41、411)を備えており、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、
前記第2トルク装置(41、411)の慣性(I2)、
前記第2トルク装置(41、411)の速度(V2)、
前記第1トルク装置(3、31)と前記第2トルク装置(41、411)との間のトルク比、
の1つ以上の関数として修正される、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、前記第2トルク装置(41、411)の加速度と前記第2トルク装置(41、411)の慣性(I2)を掛けた積に、前記第2トルク装置(41、411)と前記第1トルク装置(3、31)との間のトルク比を掛けた積の関数として修正される、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記外乱トルク(TD3)は、前記第1トルク装置(3、31)と前記負荷システム(4)に結合されている駆動構成要素(5、51、52)を介して、少なくとも部分的には前記第1トルク装置(3、31)の前記出力シャフトに伝達され得る、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)はアイドル速度である、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)上で、請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行するための手段を備えている、制御ユニット(7)。
【請求項12】
前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の抵抗トルク(OP2)の関数として調節するための手段、および/または、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を調節するための手段を備えている、請求項11に記載の制御ユニット(7)。
【請求項13】
前記負荷システム(4)に接続されている1つ以上の電気負荷を調節するための手段と、
前記負荷システム(4)に供給された電力を調節するための手段と、
の1つ以上を備えている、請求項12に記載の制御ユニット(7)。
【請求項14】
前記負荷システム(4)に備えられている第2トルク装置(41、411)に接続されている前記1つ以上の電気負荷の第1負荷を調節するための手段と、
前記第2トルク装置(41、411)に供給された電力を調節するための手段と、
前記負荷システム(4)に備えられている第3トルク装置(42、421)に接続されている前記1つ以上の電気負荷の第2負荷を調節するための手段と、
前記第3トルク装置(42、421)に供給された電力を調節するための手段、
の1つ以上を備えている、請求項13の制御ユニット(7)。
【請求項15】
請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行するための手段と、マシン(1、1’、1”)の駆動構成要素(5、51、52)に結合されているトランスミッション装置(2)を介して負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)を備えている、マシン(1、1’、1”)。
【請求項16】
請求項11から14の何れか一項に記載の制御ユニット(7)を備えている、請求項15に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項17】
前記第1トルク装置(3、31)はヒートエンジンを備えている、請求項15または16に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項18】
前記トランスミッション装置(2)は、遊星トランスミッションを備えている、請求項15から17の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項19】
前記遊星トランスミッションは、前記第1トルク装置(3、31)に結合されている第1遊星ギアセット(21)と、前記マシン(1、1’、1”)の前記駆動構成要素(5、51、52)に結合されている前記第1遊星ギアセット(21)により駆動可能な第2遊星ギアセット(22、23)と、を備えている、請求項18に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項20】
前記負荷システム(4)は、
前記トランスミッション装置(2)により駆動されると、前記負荷システム(4)に接続されている少なくとも1つの電気負荷に電力を供給し、および/または、
電力を供給されると、前記トランスミッション装置(2)を駆動する、
ように構成されている、請求項15から19の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項21】
前記負荷システム(4)は、前記トランスミッション装置(2)に結合されている第2トルク装置(41、411)を備え、
前記マシン(1、1’、1”)は、前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の抵抗トルク(OP2)に対して調節するための手段、および/または、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)を調節するための手段を備えている、
請求項15から19の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項22】
前記第2トルク装置(41、411)は、電気機械式エネルギー変換器を備えている、請求項21に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項23】
前記トランスミッション装置(2)のキャリア部(211)は、前記第1トルク装置(3、31)により駆動可能であり、前記トランスミッション装置(2)の太陽部(212)は、前記第2トルク装置(41、411)により駆動可能であり、前記トランスミッション装置(2)のリング部(213、223、233)は、前記マシン(1、1’、1”)の前記駆動構成要素(5、51、52)に駆動可能に接続できる、請求項21または22に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項24】
前記駆動構成要素(5、51、52)の減速を、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)に対して増加することにより、および/または、
前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP1)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して減少することにより、
補償するように構成されている、請求項23に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項25】
前記駆動構成要素(5、51、52)の加速を、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)に対して減少することにより、および/または、
前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して増加することにより、
補償するように構成されている、請求項23または24に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項26】
前記負荷システム(4)は、前記トランスミッション装置(2)に結合されている第3トルク装置(42、421)を備え、
前記マシン(1、1’、1”)は、前記第3トルク装置(42、421)の抵抗トルクを調節するための手段を備えている、請求項21から25の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項27】
前記リング部(213、223、233)は、前記第3トルク装置(42、421)により駆動可能である、請求項23と26に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項28】
前記第3トルク装置(42、421)は、電気機械式エネルギー変換器を備えている、請求項26または27に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項29】
請求項17から28の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)を備えている、車両(11、11’、11”)。
【請求項30】
命令を有している非一時的格納媒体であって、該命令は、コンピュータ(7)により実行されると前記コンピュータ(7)に、請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行させる、非一時的格納媒体。
【請求項31】
命令を含んでいるコンピュータプログラムを担持しているデータキャリアであって、前記プログラムは、コンピュータ(7)により実行されると前記コンピュータ(7)に、請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行させる、データキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記述は、モータ速度制御の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第7,610,898号は、車両における内燃機関に対するアイドル速度制御を記述しており、このアイドル速度制御においては、エンジンの空気取り込みと弁のタイミングは、アイドル速度における検出された変動を補償するためにフィードバックとフィードフォワード制御を使用して調整される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の発明者は、モータの出力における、指令によるものではない変動は望ましくない可能性があることを認識した。例えば、内燃機関の速度における、指令によるものではない変動は、エンジンの燃料消費の増加に繋がる可能性がある。
【0004】
出力における変動または他の変化は、それが入力における対応する変化がないときに起こる、または起こると思われるときは、それは指令によるものではないと考えることができる。
【0005】
追加的に、これらの変動は、モータのノイズおよび/またはノイズの振動を増加する可能性がある。モータがマシンに提供されているときは、このノイズおよび/または振動はマシンの動作を妨害する可能性がある。例えば、マシンが車両のときは、ノイズおよび/または振動は、運転手および/または同乗者の快適さを減少する可能性がある。
【0006】
追加的に、本発明の発明者は、モータの出力が、モータを含んでいるマシンの複数の出力の間で分割されると(例えば、ハイブリッド車両におけるような)、マシンの出力の1つに加えられた擾乱は、モータの出力を擾乱する可能性があるということを認識した。
【0007】
本開示の例によれば、負荷システムに結合された第1トルク装置の速度を規制する方法を提供できる。方法は、第1トルク装置の出力トルクと、負荷システムの抵抗トルクとの間の関係を修正することにより、第1トルク装置の出力シャフトに少なくとも部分的には伝達される可能性のある外乱トルクを補償するフィードフォワードステップを含んでいる。
【0008】
外乱トルクを補償するフィードフォワードステップは、第1トルク装置の出力トルクを、負荷システムの抵抗トルクに対して増加することにより、第1トルク装置の速度の、指令によるものではない減少に対抗するステップを含むことができる。追加的に、または、代替的に、第1トルク装置の速度の、指令によるものではない減少に対抗するステップは、負荷システムの抵抗トルクを、第1トルク装置の出力トルクに対して減少することを含むことができる。これらのステップのそれぞれ、またはその両者は、第1トルク装置の出力トルクと負荷システムの抵抗トルクとの間の関係を修正することを可能にできる。
【0009】
外乱トルクを補償するためのフィードフォワードステップは、第1トルク装置の出力トルクを、負荷システムの抵抗トルクに対して減少することにより、第1トルク装置の速度の、指令によるものではない増加に対抗するステップを含むことができる。追加的に、または、代替的に、第1トルク装置の速度の、指令によるものではない増加に対抗するステップは、負荷システムの抵抗トルクを、第1トルク装置の出力トルクに対して増加することを含むことができる。これらのステップのそれぞれ、またはその両者は、第1トルク装置の出力トルクと負荷システムの抵抗トルクとの間の関係を修正することを可能にできる。
【0010】
第1トルク装置の速度はアイドル速度であってよい。
【0011】
本開示の実施形態によれば、第1トルク装置の出力トルクと負荷システムの抵抗トルクとの間の関係は比例関係であってよい。関係は線形であってよい。
【0012】
第1トルク装置の出力トルクと負荷システムの抵抗トルクとの間の関係は、負荷システムの慣性の関数として修正できる。
【0013】
第1トルク装置の出力トルクと負荷システムの抵抗トルクとの間の関係は、負荷システムの速度の関数として修正できる。追加的に、または代替的に、関係は、第1トルク装置と負荷システムとの間のトルク比の関数として修正できる。
【0014】
負荷システムは第2トルク装置を含むことができる。第1トルク装置の出力トルクと負荷システムの抵抗トルクとの間の関係は、第2トルク装置の慣性の関数として修正できる。追加的に、または代替的に、関係は、第2トルク装置の速度の関数として修正できる。追加的に、または代替的に、関係は、第1トルク装置と第2トルク装置との間のトルク比の関数として修正できる。
【0015】
第1トルク装置の出力トルクと負荷システムの抵抗トルクとの間の関係は、第2トルク装置の加速度と第2トルク装置の慣性を掛けた積に、第2トルク装置と第1トルク装置との間のトルク比を掛けた積の関数として修正できる。
【0016】
外乱トルクは、第1トルク装置と負荷システムに結合されている駆動構成要素を介して、少なくとも部分的には第1トルク装置の出力シャフトに伝達され得る。
【0017】
本開示の例によれば、制御ユニットを提供できる。制御ユニットは、負荷システムに結合されている第1トルク装置上で、ここにおいて記述されているような方法を実行するための手段を含んでいる。
【0018】
制御ユニットは、第1トルク装置の出力トルクを、負荷システムの抵抗トルクの関数として調節するための手段を含むことができる。追加的に、または代替的に、制御ユニットは、負荷システムの抵抗トルクを調節するための手段を含むことができる。
【0019】
制御ユニットは、下記の、負荷システムに接続されている1つ以上の電気負荷を調節するための手段と、負荷システムに供給された電力を調節するための手段の1つ以上を含むことができる。
【0020】
制御ユニットは、1つ以上の電気負荷の第1負荷を調節するための手段を含むことができる。1つ以上の電気負荷の第1負荷は、第2トルク装置に接続できる。
【0021】
負荷システムは第2トルク装置を含むことができる。
【0022】
制御ユニットは、1つ以上の電気負荷の第1負荷を調節するための手段を含むことができる。1つ以上の電気負荷の第1負荷は、第2トルク装置に接続できる。追加的に、または代替的に、制御ユニットは、第2トルク装置に供給された電力を調節するための手段を含むことができる。追加的に、または代替的に、制御ユニットは、1つ以上の電気負荷の第2負荷を調節するための手段を含むことができる。1つ以上の電気負荷の第2負荷は、第3トルク装置に接続できる。
【0023】
負荷システムは第3トルク装置を含むことができる。追加的に、または代替的に、制御ユニットは、第3トルク装置に供給された電力を調節するための手段を含むことができる。
【0024】
本開示の例によれば、マシンを提供できる。マシンは、ここにおいて記述されているような方法を実行するための手段と、マシンの駆動構成要素に結合されているトランスミッション装置を介して負荷システムに結合されている第1トルク装置を含んでいる。
【0025】
マシンは、ここにおいて記述されているような制御ユニットを含むことができる。
【0026】
第1トルク装置はヒートエンジンを含むことができる。
【0027】
トランスミッション装置は、遊星トランスミッションを含むことができる。
【0028】
遊星トランスミッションは、第1トルク装置に結合されている第1遊星ギアセットを含むことができる。遊星トランスミッションは第2遊星ギアセットを含むことができる。第2遊星ギアセットは、第1遊星ギアセットにより駆動可能であり、マシンの駆動構成要素に結合できる。
【0029】
負荷システムは、トランスミッション装置により駆動されると、負荷システムに接続されている少なくとも1つの電気負荷に電力を供給するように構成できる。追加的に、または、代替的に、負荷システムは、電力を供給されると、トランスミッション装置を駆動するように構成できる。
【0030】
負荷システムは第2トルク装置を含むことができる。第2トルク装置は、トランスミッション装置に結合できる。マシンは、第1トルク装置の出力トルクを、第2トルク装置の抵抗トルクに対して調節するための手段を含むことができる。追加的に、または、代替的に、マシンは、第2トルク装置の抵抗トルクを調節するための手段を含むことができる。
【0031】
第2トルク装置は、電気機械式エネルギー変換器を含むことができる。
【0032】
トランスミッション装置のキャリア部は、第1トルク装置により駆動可能である。トランスミッション装置の太陽部は、第2トルク装置により駆動可能である。トランスミッション装置のリング部は、マシンの駆動構成要素に駆動可能に接続できる。
【0033】
マシンは、第1トルク装置の出力トルクを、第2トルク装置の抵抗トルクに対して増加することにより、駆動構成要素の減速を補償するように構成できる。追加的に、または、代替的に、マシンは、第2トルク装置の抵抗トルクを、第1トルク装置の出力トルクに対して減少することにより、駆動構成要素の減速を補償するように構成できる。
【0034】
マシンは、第1トルク装置の出力トルクを、第2トルク装置の抵抗トルクに対して減少することにより、駆動構成要素の加速を補償するように構成できる。追加的に、または、代替的に、マシンは、第2トルク装置の抵抗トルクを、第1トルク装置に対して増加することにより、駆動構成要素の加速を補償するように構成できる。
【0035】
負荷システムは第3トルク装置を含むことができる。第3トルク装置はトランスミッション装置に結合できる。マシンは、第3トルク装置の抵抗トルクを調節するための手段を含むことができる。
【0036】
リング部は第3トルク装置により駆動可能である。
【0037】
第3トルク装置は、電気機械式エネルギー変換器を含むことができる。
【0038】
本開示の例によれば、車両を提供できる。車両は、ここにおいて記述されているようなマシンを含んでいる。
【0039】
本開示の例によれば、非一時的格納媒体を提供できる。格納媒体は命令を含んでおり、この命令はコンピュータにより実行されるとそのコンピュータに、ここにおいて記述されているような方法を実行させる。
【0040】
本開示の例によれば、データキャリアを提供できる。データキャリアは、命令を含んでいるコンピュータプログラムを有しており、このプログラムはコンピュータにより実行されるとそのコンピュータに、ここにおいて記述されているような方法を実行させる。
【0041】
ここにおいて開示されているような方法は、第1トルク装置の速度における、指令によるものではない変動を減少すること、または、実質的に削除することさえも可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
開示は、開示の例の下記の詳細な記述を、付随する図面と連携して考慮することにより、より完全に理解することができる。
【0043】
【
図2A】トルク/速度ダイヤグラムを示している図である。
【
図2B】時間に対するトルク/速度のグラフを示している図である。
【
図3】時間に対するトルク/速度のグラフを示している図である。
【
図4】時間に対するトルク/速度のグラフを示している図である。
【
図7】車両のトランスミッションの模式図を示している。
【
図8】車両のトランスミッションの模式図を示している。
【0044】
開示の例は、修正物および代替の形状に容易に変更可能であるが、その詳細は、図面において例として示されてきており、詳細に記述される。しかし、開示の例を、記述されている特別な例に制限することは意図されていないということは理解されるべきである。それとは逆に、本開示は、開示の範囲内のすべての修正物、等価物、および代替物を含むことが意図されている。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示および付随する特許請求の範囲において使用されているように、単数形「1つの」および「その」は、状況によりそうではないと明示的に記載されない限り、複数のものを含んでいる。本開示および付随する特許請求の範囲において使用されているように、「または」という用語は、状況によりそうではないと明示的に記載されない限り、「および/または」を含んでいる意味において一般的に採用されている。
【0046】
下記の詳細な記述は、図面を参照して読まれるべきである。詳細な記述と、必ずしも一定の比率で拡大/縮小されているとは限らない図面は、例を示しているにすぎず、開示の範囲を制限することは意図されていない。示されている例は、単なる典型的な例にすぎないことが意図されている。
【0047】
図1は、典型的な例としてのマシン1の模式図を示しており、この場合は、トランスミッションが見える典型的な例としての車両11であり、車両11はトランスミッション装置2を含んでおり、トランスミッション装置2は、この場合は、第1トルク装置3と負荷システム4に結合されている第1遊星ギアセット21である。
【0048】
本開示の目的のために、トルク装置は、他の対象物にトルクを与えることができる装置である。トルク装置の非制限的な例としては、モータ、ブレーキ、クラッチなどが含まれる。
図1において、第1トルク装置3は内燃機関31である。内燃機関の非制限的な例としては、火花点火エンジンと圧縮点火エンジン(ディーゼルエンジン)が含まれる。本開示の目的のために、内燃機関は、燃焼室を備えているヒートエンジンであり、燃焼室において燃料が燃焼され、それにより、エンジンの作動流体流回路の一部が形成されている。本開示の目的のために、ヒートエンジンは、熱エネルギー(そして、おそらく化学エネルギーも)を機械エネルギーに変換するモータである。他のタイプのヒートエンジンもまた想定され、その非制限的な例としては、ピストンエンジン、ロータリエンジン、熱空気エンジン、タービンエンジン、および外部燃焼エンジンが含まれる。本開示の目的のために、モータは、機械エネルギーであってもなくてもよいエネルギーの1つの形状を機械エネルギーに変換できる装置である。他のタイプのモータもまた想定され、その非制限的な例としては、電気モータと物理的動力モータが含まれる。
【0049】
負荷システム4は、この場合は、第1モータ/発電機411である第2トルク装置41と、この場合は、第2モータ/発電機421である第3トルク装置42を含んでいる。モータ/発電機は、電気機械式エネルギー変換器の非制限的な例である。各モータ/発電機は「駆動」させることができ、これは、電気エネルギーを生成するために、外部トルクの動作のもとで、その回転子と固定子を互いに対して回転させることができることを意味しており、またはモータ/発電機には「電力を与えること」ができ、これは、機械エネルギーを生成するために、モータ/発電機に電気エネルギーを供給すると、その回転子と固定子を互いに対して回転させることができることを意味している。
【0050】
第1遊星ギアセット21のキャリア部211は内燃機関31に結合され、第1遊星ギアセット21の太陽部212は第1モータ/発電機411に結合され、第1遊星ギアセット21のリング部213は駆動構成要素5(ドライブシャフト、ドライブ軸、パワーテイクオフ(動力取り出し装置)なども想定されるが、この場合は、例えば、差動装置52の駆動輪51)に結合されている。内燃機関31の出力は、第1遊星ギアセット21により、第1モータ/発電機411および/または第2モータ/発電機421を駆動できる。
【0051】
第2モータ/発電機421はまた、第1遊星ギアセット21のリング部213に結合できる。そのような構成は、例えば、トヨタにより提供された第1世代トヨタハイブリッドシナジードライブシステムを特徴付けるハイブリッド車両において見出すことができる。
【0052】
負荷システム4はエネルギー格納装置6(この場合はバッテリ61)に結合されている。電気エネルギー格納装置の他の非制限的な例、例えば、(スーパー)コンデンサも想定される。
【0053】
バッテリ61から負荷システム4に供給されたエネルギーは、そのモータ/発電機411、421の1つ以上に電力を供給できる。負荷システム4のモータ/発電機411、421の少なくとも1つを駆動することにより生成された電気エネルギーは、バッテリ61に供給できる。この点に関して、負荷システム4に接続されているバッテリ61は、負荷システム4に接続されている電気負荷を表していると考えることができる。
【0054】
マシン1は、第1トルク装置3と負荷システム4に接続され、それらを制御するように構成されている典型的な例としての制御ユニット7を含んでいる。制御ユニットは、コンピュータの非制限的な例である。制御ユニット7にはコンピュータプログラムを提供できる。非制限的な例として、コンピュータプログラムは、データキャリアを使用して提供できる。
【0055】
非制限的な例として、制御ユニット7は、内燃機関31を制御するためのエンジン制御ユニット71、負荷システム4により送出された電力を格納し、および/または、電力を負荷システム4に供給する電力制御ユニット72、および、負荷システム4、電力制御ユニット72、およびエンジン制御ユニット71を制御するためのハイブリッド車両制御ユニット73を備えることができる。
【0056】
マシン1またはその制御ユニット7は、負荷システム4に接続されている電気負荷を調節するための手段、および/または、負荷システム4に供給された電力を調節するための手段を含むことができる。例えば、マシン1またはその制御ユニット7は、第1モータ/発電機411および/または第2モータ/発電機421からバッテリ61への電力を調節するための手段、および/または、バッテリ61からモータ/発電機411、421に供給された電力を調節するための手段を含むことができる。
【0057】
図2Aは、
図1において示されているハイブリッド車両11に対するトルク/速度図を示しており、第1トルク装置3(内燃機関31)、第2トルク装置41(第1モータ/発電機411)、および駆動構成要素5(差動装置52を介する駆動輪51)は、駆動装置の出力(「出力OP3」)が、第1トルク装置(内燃機関)からの出力(「出力OP1」)と、第2トルク装置(第1モータ/発電機)からの出力(「出力OP2」)との組み合わせに対応するように第1遊星ギアセットに結合されているということを示している。
図1は、第2トルク装置41(第1モータ/発電機411)と第3トルク装置42(第2モータ/発電機421)を、負荷システム4の一部を形成しているとして示しているが、第3トルク装置42を、第1遊星ギアセット21と駆動構成要素5との間を運動学的に仲介するように設置することは、第3トルク装置の、負荷システム4の出力への貢献を無視することを可能にし、下記の検討は、第3トルク装置が存在していなくても適用可能である。
【0058】
図2Aにおいて見られるように、第1トルク装置の出力OP1は、方向DIR11、または方向DIR11とは反対の方向DIR12において提供できるトルクを含むと理解できる。第1トルク装置の出力OP1の大きさは、内燃機関の燃料/空気の混合物の取り込みを増加することにより増加でき(例えば、方向DIR11において)、および/または、燃料/空気の混合物の取り込みを減少することにより減少できる(例えば、方向DIR11において)。追加的に、または、代替的に、内燃機関の出力OP1は、例えば、弁のタイミングへの調整を通して調節できる。マシンの制御ユニットは、例えば、内燃機関の燃料/空気の混合物の取り込みを調節することにより、および/または、弁のタイミングを調整することにより出力OP1を調節するように構成できる。
【0059】
第2トルク装置の出力OP2は、方向DIR21、または方向DIR21とは反対の方向DIR22において提供できるトルクを含むと理解できる。第2トルク装置の出力OP2は、第1遊星ギアセットを駆動するための第1モータ/発電機の動きにより生成でき、または、第1遊星ギアセットにより駆動されたときの動きに対するに第1モータ/発電機の対抗により生成できる。第1モータ/発電機が第1遊星ギアセットにより駆動されているときに、第1モータ/発電機から第1遊星ギアセットに伝達されるトルクは、「抵抗トルク」と呼ぶことができる。
【0060】
抵抗トルクは、電力の入力により駆動されるモータ/発電機と同様に能動的に送出することができる。例として、モータ/発電機は、抵抗トルクがモータ/発電機の回転速度と同じ方向に送出されるか、または、抵抗トルクがモータ/発電機の回転速度とは反対の方向に送出されるかどうかに関係なく、抵抗トルクを能動的に送出できる。
【0061】
抵抗トルクは、モータ/発電機が機械力から電気を生成するのと同様に、または、対象物が加速または減速されるのと同様に受動的に送出することができる。例として、モータ/発電機は、抵抗トルクを、モータ/発電機の加速または減速とは反対の方向において受動的に送出できる。
【0062】
抵抗トルクは、第1モータ/発電機に接続されている電気負荷の大きさを増加(第1モータ/発電機による電力生成を増加)することにより増加でき、それは、第1遊星ギアセットにより何れかの方向において駆動されることに対抗することを増加でき、または、抵抗トルクは、第1遊星ギアセットのトルクとは反対の方向における動きを促進するように第1モータ/発電機に電力を供給することにより増加できる。追加的に、または、代替的に、抵抗トルクは、電気負荷の大きさを減少(電力生成を減少)することにより減少でき、または、第1遊星ギアセットのトルクと同じ方向における動きを促進することにより減少できる。
【0063】
駆動構成要素への出力OP3は、方向DIR31、または方向DIR31とは反対の方向DIR32において提供できるトルクを含むと理解できる。
【0064】
OP1、OP2、およびOP3の速度(それぞれV1、V2、およびV3と示されている)は、V1=(V2×N2÷(N2+N3))+(V3×N3÷(N2+N3))として互いに関連付けられており、N2÷N3の量は、第1遊星ギアセットの太陽部とリング部との間のギア比である。
【0065】
この点に関して、方向DIR11、DIR21、およびDIR31は、いわゆる「第1方向」の例と考えることができ、方向DIR12、DIR22、およびDIR32は、第1方向とは反対のいわゆる「第2方向」の例と考えることができる。しかし、そのように考えることは、必ずしも、互いに異なる第1方向に回転している2つの対象物が、必ずしも互いに同時回転していることを意味しない。
【0066】
図2Aはまた、第1トルク装置、第2トルク装置、および駆動構成要素が、駆動構成要素に加えられた外乱トルクのために所与の動作状態に対して提示する可能性のある逸脱を示している。
図2Aにおいて見られるように、第1トルク装置、負荷システム、および駆動構成要素は、第1動作状態において示されており、駆動構成要素は、速度P1で示されている。方向DIRD(この例においては方向DIR32と等価)において駆動構成要素加えられた外乱トルクTD3は、第1トルク装置、負荷システム、および駆動構成要素を第2動作状態に向けて変え、そこにおいて、駆動構成要素は速度P2を有している。
【0067】
非制限的な例として、外乱トルクTD3は、ユーザ入力によるか、またはよらないかどうかに関係なく、車両の走行方向における減速または加速などのような、車両の走行速度における変化により生成される可能性がある。そして、第1遊星ギアセットは外乱トルクを、一部は内燃機関(例えば、その出力シャフト)に伝達され、一部は、第1モータ/発電機(例えば、その出力シャフト)に伝達されるように分配する。
【0068】
第1動作状態においては、第1トルク装置と負荷システムは、それぞれ速度P3とP4として示されている。これらの部分は、内燃機関の回転速度において、および/または、第1モータ/発電機の回転速度における部分において顕著な変化を引き起こすことができる。表現における簡潔性の理由で、および、内燃機関の慣性は、モータ/発電機の慣性よりも実質的に大きいので、内燃機関の回転速度における変化は、第1モータ/発電機のそれと比較して無視できるものとして示されている。しかし、これらの部分の相対的な大きさは、それらがそれぞれ、第1トルク装置と第1モータ/発電機の回転速度をどのくらいの程度変化させることができるかということに依存し得るということは理解できる。第1モータ/発電機の速度における変化は、駆動構成要素の速度における変化と反対の方向において起こり、例えば、駆動構成要素の速度V3が第2方向DIR32において変化すると、第1モータ/発電機の速度V2は第1方向DIR21において変化する。
【0069】
外乱トルクTD3の影響下で、第1モータ/発電機は、第1動作状態と第2動作状態との間の遷移の間に速度P5に変化する(この場合は方向DIR21で示されている)。第1モータ/発電機は非ゼロ慣性を有しているので、第1モータ/発電機の回転速度における結果としての変化は、速度P4から速度P5(そのためDIR22)の変化の方向とは反対の方向の反動トルクTR2を引き起こすことができる。反動トルクTR2の大きさは、例えば、第1モータ/発電機に伝達された外乱トルクの部分の大きさと等価であることができる。
【0070】
この反動トルクTR2は、第1遊星ギアセットを介して内燃機関に伝達され、反動トルクTR2の方向と同じ方向の、反動トルクTR2の大きさと、内燃機関と第1モータ/発電機との間(例えば、第1遊星ギアセットのキャリア部と太陽部との間)のトルク比(例えば、ギア比)を反映している大きさを有する摂動トルクTR1に適宜変換される。内燃機関は有限の慣性を有しているので、摂動トルクTR1は、内燃機関の回転速度における変換を引き起こすことができる。
【0071】
そのような変化を減少または回避するために、そのマシンまたはその制御ユニットは、第1トルク装置と負荷システム上の第1トルク装置の速度を規制するためのそのような方法を実行するように構成できる。この方法に従って速度を規制すると、過剰なアイドル速度の場合(つまり、内燃機関が、アイドリングを持続するために必要な回転速度よりも高い回転速度を有している場合)の頻度および/または持続時間および/または程度を減少できるので、アイドリング時の内燃機関のエネルギー消費を減少できる。
【0072】
方法は、出力OP1と出力OP2との間の関係を修正するステップを含むことができる。例えば、関係は、出力OP1を修正すること、および/または、出力OP2を修正することにより修正できる。本開示において使用されているような用語「関係を修正すること」は、内燃機関の出力OP1を修正することにより、および/または、第1モータ/発電機の出力OP2を修正することにより所与の結果を取得できるという事実を指している。この可能性は、
図3と4に関して、より詳細に検討される。
【0073】
出力OP1を修正することは、摂動トルクTR1の、内燃機関の速度を変える能力を減少または除去するように摂動トルクTR1に対抗することを可能にできる。例えば、出力OP1は、摂動トルクTR1と反対の方向において補償トルクCT1を加えることにより修正できる。
【0074】
補償トルクCT1が、出力OP1と同じ方向を有しているときは、出力OP1は「増加する」と理解できる。補償トルクCT1が、出力OP1と反対の方向を有しているときは、出力OP1は「減少する」と理解できる。
【0075】
出力OP2を修正することは、第1モータ/発電機に伝達された外乱トルクTD3の部分を補うことにより、反動トルクTR2(従って、摂動トルクTR1)を減少または除去することを可能にできる。例えば、出力OP2は、補償トルクCT2を、P4からP5への速度における変化と同じ方向に加えることにより修正できる。
【0076】
図2B、3、および4は、
図2Aに関して記述したように、内燃機関、第1モータ/発電機、および第1遊星ギアセット結合された駆動構成要素に対する、時間経過における速度およびトルクのグラフを含んでいる。「第1方向」は、上方に向かう矢印として表され、「第2方向」は、下方に向かう矢印として表されている。
【0077】
簡潔性のために、内燃機関、第1モータ/発電機、および駆動構成要素は、平衡動作状態と、そこからの逸脱に関して示され、記述されている。しかし、この検討はまた、平衡動作状態であってもなくてもよい他の動作状態と、そこからの逸脱に適用可能であるということは理解され得る。
【0078】
動作状態は、内燃機関と第1モータ/発電機への実質的に一定の入力が、駆動構成要素からの実質的に一定の出力という結果になるときに平衡動作状態であると理解できる。動作状態は、内燃機関への実質的に一定でない入力および/または第1モータ/発電機への実質的に一定でない入力が、駆動構成要素からの一定でない出力という結果になるときに非平衡動作状態であると理解できる。
【0079】
図2B、3、および4においては、状態S1の間は、内燃機関と第1モータ/発電機は、平衡状態で示されており、内燃機関速度V1、第1モータ/発電機速度V2、および駆動構成要素速度V3は安定している。
【0080】
状態S2(状態S1に続く)の間は、外乱トルクが駆動構成要素に第2方向において加えられ、駆動構成要素の回転速度V3を、状態S1の間のその回転速度に対して第2方向において増加させる。
【0081】
状態S3(状態S2に続く)の間は、駆動構成要素の回転速度は、外乱トルクの印加の後で安定する。
【0082】
簡潔性のために、駆動構成要素の回転速度V3は、状態S1~S3を通して第1方向(DIR11、DIR21、DIR31)における回転速度であるとして表され且つ記述されており、内燃機関と第1モータ/発電機のそれら(V1とV2それぞれ)と同様である。しかし、この検討はまた、駆動構成要素と第1および/または第2トルク装置の他の回転速度に適用可能であるということは理解され得る。例えば、駆動構成要素および/または第2トルク装置の回転速度は、状態S1~S3を通して第2方向(DIR12、DIR22、DIR32)であってよく、または、状態S1~S3の少なくとも1つの間はゼロ速度を有することができる。例えば、駆動構成要素および/または第2トルク装置の回転速度は、第1方向と第2方向の間で遷移でき、または、第1および第2方向の何れかにおいてゼロ速度と非ゼロ速度の間で遷移できる。同じことは、例えば、第1トルク装置のあるアーキテクチャにおいても成立し得る。従って、例えば、第1方向における増加は、第2方向における減少と等価であることができ、第1方向における減少は、第2方向における増加と等価であることができるということは理解できる。
【0083】
非制限的な例として、内燃機関の速度V1は、アイドル速度に対応することができる(例えば、回転しているが出力電力を生成しない、または、その出力が、内燃機関の内部摩擦を、例えば、交流発電機を介して、電気付属品を含んでいるような車両の付属品システムへの電力供給、および/または、空調に関連する負荷との可能性のある組み合わせにおいて一致させることにより、内燃機関の安定した動作を維持すること以上の目的のために使用されていない)。
【0084】
ハイブリッド車両の前方走行は、駆動構成要素速度が方向DIR31のときに取得することができ、駆動構成要素に加えられた外乱トルクは、ハイブリッド車両の減速を表すことができる。
【0085】
【0086】
状態S4(状態S2の最初の部分に対応している)の間、外乱トルクの開始は、第1モータ/発電機の回転速度V2を第1方向において増加させることができ(第1方向におけるd/dt(V2)の変化として表されている)、第1モータ/発電機に、第2方向における対応する反動トルクTR2(
図2Aにおいて表されている)を送信させ、対応する摂動トルクTR1の影響下で、第1方向において内燃機関の回転速度が減少するという結果にさせる。内燃機関と第1モータ/発電機の回転速度V1、V2における変化は、第1モータ/発電機および/または内燃機関に提供された入力における1つ以上の対応する変化と関連付けられていないので、これらの変化は、指令によるものではないと考えることができる。
【0087】
状態S2の間に見られるように、摂動トルクTR1の持続時間が十分である場合、内燃機関の回転速度V1は状態S4の後で安定することができる。
【0088】
状態S5(状態S3の最初の部分に対応している)の間、第1モータ/発電機の回転速度V2は安定し(第2方向におけるd/dt(V2)の変化として表されている)、反動トルクTR2を停止させ(第2方向において減少することにより)、内燃機関の回転速度V1が、状態S5の後で安定する前に、第1方向において増加する(指令によるものではない増加を受ける)ことを可能にする。
【0089】
図3においては、
図2Aに関して記述したように、フィードバック補償が、内燃機関、第1モータ/発電機、およびに第1遊星ギアセットに結合されている駆動構成要素に対して提供され、
図4においては、
図2Aに関して記述したように、フィードフォワード補償が、内燃機関、第1モータ/発電機、およびに第1遊星ギアセットに結合されている駆動構成要素に対して提供される。検討の簡潔性のため、これらのタイプの補償は互いに別個に提供されるものとして記述される。しかし、フィードバックおよびフィードフォワード補償は互いに組み合わせて提供できるということは理解できる。この可能性は後で検討する。従ってフィードバック補償は、フィードバックトルク要求RBにおける変動として表され、一方、フィードフォワード補償は、フィードフォワードトルク要求RFにおける変動として表されている。
図6に関してより詳細に検討されるように、トルク要求は、内燃機関および/または第1モータ/発電機に提供された入力信号に加えることができる。従って、内燃機関の出力OP1および/または第1モータ/発電機の出力OP2は、フィードバックトルク要求および/またはフィードフォワードトルク要求に少なくとも部分的には対応すると理解でき、トルク要求における変化と関連付けられている内燃機関の出力OP1における変化および/または第1モータ/発電機の出力OP2における変化は、指令による変化であると考えることができる。
【0090】
検討の簡潔性のために、
図2A、3、および4は、摂動トルクTR1に対抗するために、出力OPのみを修正することによる補償を表しており、前述した補償トルクCT1の提供という結果になる。しかし、前述したように、補償は、摂動トルクTR1が対応する反動トルクTR2を減少または削除するために出力OP2のみを修正することにより実行でき、前述した補償トルクCT2の提供という結果になり、または、上述したような出力OP2に対する修正を、上述したような出力OP1に対する修正と組み合わせることによってさえも補償を実行できる。従って、
図2Aにおいては、補償トルクCT1は、実線の外形を有する太い矢印として表されており、一方、参照のために、補償トルクCT2は、破線の外形を有する太い矢印として表されている。
【0091】
図2B、
図3において見られるように、状態S4の間に、外乱トルクの開始は、摂動トルクTR1の生成および、内燃機関の回転速度V1における第1方向における指令によるものではない減少という結果になり得る。しかし、状態S6(状態S4のすぐ後の状態S2の部分に対応している)の間は、この減少が検出され、内燃機関の回転速度V1が第1方向において増加するように、第1トルク装置の出力OP1と第1モータ/発電機の出力OP2との間の関係を修正するために使用される。従って、フィードバックトルク要求RBは、第1方向において補償トルクCT1(
図2Aにおいて表されている)を提供するために増加を開始するように示されている(この場合は、第1方向における増加)。フィードバックトルク要求RBにおける増加に応答して、内燃機関の回転速度V1は、状態S6の間は、状態S4の間に発生した指令によるものではない減少に対抗するために指令による増加を受けることが分かる。フィードバックトルク要求RBは、類似の結果に対する抵抗トルクにおける減少を生成するために(例えば、第1モータ/発電機に送られたトルク要求を修正することにより)、第1モータ/発電機への入力に追加的に、または、代替的に加えることができるということは理解できる。例えば、第1モータ/発電機が電気を供給する電気負荷は、抵抗トルクを減少するために減少でき、および/または、第1モータ/発電機に供給された電気エネルギーは、第1モータ/発電機に伝達された外乱トルクの部分により加速されるように、第1モータ/発電機を同じ方向に加速するために増加できる。
【0092】
図3の例においては、フィードバックトルク要求RBが、内燃機関のみに対して入力に加えられ、従って、フィードバックトルク要求は、状態S6の間に、内燃機関の回転速度V1における、指令による変化を引き起こすとして示されている。しかし、内燃機関の入力に加える代わりとして、または、内燃機関の入力に加えることに追加して、第1モータ/発電機の入力にフィードバックトルク要求RBを加えるということも想定される。
【0093】
状態S2の間において見られるように、フィードバック補償、例えば、補償トルクCT1が十分に応答性を有していれば(例えば、強度および/または摂動トルクTR1の持続時間に対して)、内燃機関の回転速度V1は、内燃機関と第1モータ/発電機への入力信号に実質的に対応するレベル(例えば、事前擾乱レベル)で状態S6の後で安定することができる。従って、状態S2の間は、フィードバックトルク要求RBと、第1トルク装置の回転速度V1は、状態S6の後で安定する。
【0094】
図2Bにおける状態S3の間、
図3における状態S3の間において見られるように、摂動トルクTR1の停止の後には、内燃機関の回転速度V1および/または第1モータ/発電機の回転速度V2における、指令によるものではない変化が伴うことができる。しかし、
図2Bの例とは対照的に、
図3の例においては、摂動トルクTR1に対する補償が提供される。従って、
図3においては、状態S3は、状態S5の代わりに状態S7を含むとして表されている。状態S7は、状態S2のすぐ後の状態S3の部分に対応している。
【0095】
状態S7の間に、摂動トルクTR1が停止すると(例えば、第1モータ/発電機の回転速度V2が安定するとき)、フィードバック補償は長引く可能性があり、状態S4の間に見られることとは反対に、内燃機関の回転速度V1における変化という結果になる(この場合、内燃機関の回転速度V1は、フィードバックトルク要求RBが状態S7において長引いているときに、第1方向において増加していることが見られる)。この変化は、入力信号(これに対してフィードバックトルク要求RBが加えられる)がこの状態の間に変えられなかったので、指令によらない変化であると考えることができる。この指令によらない変化に応答して、フィードバックトルク要求RBは、減少を開始することが見られる。
【0096】
状態S8(状態S7のすぐ後の状態S3の部分に対応している)の間にこの変化は検出され、内燃機関の回転速度V1が、状態S3の間に安定する前に状態S7において見られる変化とは反対の方向に変化するように、内燃機関の出力OP1と第1モータ/発電機の出力OP2との間の関係を修正するために使用される(この場合、フィードバックトルク要求RBが第1方向において減少するときに、第1方向において減少しているのが見られる)。フィードバックトルク要求RBにおける減少に応答して、内燃機関の回転速度V1は、状態S8の間に、状態S7の間に起きた、指令によらない増加に対抗するために指令による減少を受けることが見られる。フィードバックトルク要求RBシステムは、類似の結果に対する抵抗トルクにおける増加を生成するために、第1モータ/発電機の入力に追加的に、または、代替的に加えることができるということは理解できる(例えば、第1モータ/発電機に送られたトルク要求を修正することにより)。例えば、第1モータ/発電機が電気を供給する電気負荷を、抵抗トルクを増加するために増加でき、および/または、第1モータ/発電機に供給される電気エネルギーを、状態S6に関して記述したように、反対の方向に第1モータ/発電機を加速するために減少できる。
【0097】
状態S3の間に、フィードバックトルク要求RBおよび内燃機関の回転速度V1は、状態S8の後で安定する。
【0098】
図4において、状態S4の間に、外乱トルクの開始が検出され、内燃機関の回転速度V1における顕著な変化の前に、フィードフォワード補償が提供されるという結果になる(フィードフォワードトルク要求RFの第1方向における増加として表されており、
図2Aにおいて見ることができる補償トルクCT1に対応している)。例えば、内燃機関の回転速度V1は、100RPM(毎分回転数)未満で変動でき、状態S1とS4との間では、50PRM未満でも変動できる。従って、状態S4の間に、内燃機関の回転速度V1は、
図3とは対照的に、状態S1とS4との間で相対的に一定であるとして表されており、
図4においては、内燃機関の回転速度V1は状態S1とS2との間で相対的に安定しているので、状態S2には状態S6がない。外乱トルクの検出は、例えば、第1モータ/発電機に提供される入力信号と比較して、第1モータ/発電機の回転速度V2(またはその時間に関する導関数d/dt(V2))を監視することにより実行できる。
【0099】
図3に関して記述されたフィードバック補償と同様に、
図4において、内燃機関の出力OP1を、第1モータ/発電機の抵抗トルクに対して増加することにより、および/または、抵抗トルクを、内燃機関の出力OP1に対して減少することにより、駆動構成要素の減速を補償できる。追加的に、または、代替的に、例えば、内燃機関の出力OP1を、第1トルク装置の抵抗トルクに対して減少し、および/または、抵抗トルクを、内燃機関の出力OP1に対して増加することにより、駆動構成要素の加速を補償できる。
【0100】
フィードフォワード補償は、停止の前の所定の持続時間の間提供できる。例えば、所定の持続時間は、外乱トルク(またはその一部)の影響下で、第1モータ/発電機の回転速度V2が安定するために必要な時間に対応できる。
【0101】
フィードフォワード補償は、外乱トルクの停止が検出されると停止してよい。例えば、状態S7の間に、フィードフォワード補償は、内燃機関の回転速度V1における顕著な変化の前に停止してよい(この場合は、第1方向における減少)。外乱トルクの停止は、第1モータ/発電機の回転速度V2(または、その時間に関する導関数d/dt(V2))を監視すること、および、それを第1モータ/発電機に提供された入力信号と比較することにより検出できる。従って、状態S7の間は内燃機関の回転速度V1は、状態S2とS7との間で相対的に一定として表され、
図3とは対照的に、
図4においては、内燃機関の回転速度V1が状態S2とS3との間では相対的に安定しているので、状態S3には状態S8がない。
【0102】
図5は、
図4に関して記述したフィードフォワード補償の強度を計算する典型的な例としての方法を示している。非制限的な例として、負荷システムに関する信号は、電力制御ユニット72によりハイブリッド車両制御ユニット73に送ることができ、補償に関する信号は、ハイブリッド車両制御ユニット73からエンジン制御ユニット71に送ることができる。しかし、そのような配置の代替として、またはそのような配置に追加して、第1トルク装置に関する信号を、エンジン制御ユニット71によりハイブリッド車両制御ユニット73に送ること、および、ハイブリッド車両制御ユニットが、補償に関する信号を電力制御ユニット72に送ることも想定される。
【0103】
補償は、それがフィードフォワード補償であってもフィードバック補償であっても、トルクにおける変化として考えることができ、それは例えば、前述したように、補償トルクCT1および/または補償トルクCT2(両者とも
図2Aに表されている)を加えることにより取得できる。
【0104】
例えば、補償トルクCT1を提供するために、出力OP1のみを修正することにより補償が提供されるときは、補償は、摂動トルクTR1に対抗するための出力OP1における変化として計量できる。例えば、CT1=-TR1である。
【0105】
例えば、補償トルクCT2を提供するために、出力OP2のみを修正することにより補償が提供されるときは、補償は、伝達された外乱トルクの部分を補うための出力OP2における変化として計量できる。例えば、CT2=-TR2である。
【0106】
出力OP1と出力OP2を修正することにより補償が提供されるときは(補償トルクCT1を、補償トルクCT2との組み合わせにおいて提供するために)、補償は、対応する摂動トルクTR1に対抗するための出力OP1における変化と組み合わされた、反動トルクTR2を削除するための出力OP2における変化として計量できる。例えば、
CT1+R*CT2=-TR1=-R*TR2、または
CT2+CT1/R=-TR2=-TR1/Rであり、全面的にCT1を使用して、または、全面的にCT2を使用して、または、CT1とCT2が組み合わされて使用されるときにTR1とTR2を修正するためには、CT1=-(1/n)*TR1、およびCT2=-(1-1/n)*TR2であり、ここでnは少なくとも1である。
【0107】
図5において見られるように、フィードフォワード補償強度は、第1モータ/発電機が外乱トルクTD3に基づいて生成できる反動トルクTR2、および/または、反動トルクに対応する摂動トルクTR1に対応するために計算できる。
【0108】
反動トルクTR2は、所与の方向(DIR21またはDIR22)における第1モータ/発電機の加速度A2と、第1モータ/発電機の慣性I2との積に対応することができる。この慣性は定数であることができ(例えば、モータ/発電機の回転子の回転慣性)、第1モータ/発電機のモデルから導出でき、または、各第1モータ/発電機に対して個々であることができる(各車両が、自身の第1モータ/発電機に対応する自身の定数を有するように)。定数は、経験的にも導出できる。
【0109】
第1モータ/発電機の加速度A2は直接測定でき、および/または計算できる(例えば、時間の経過における第1モータ/発電機の速度V2における変化として)。例えば、加速度A2は速度V2の時間に関する導関数の推定値に対応できる。
【0110】
フィードフォワード補償が、出力OP2を修正することによる、出力OP1と出力OP2との間の関係の修正のみを含むときは、フィードフォワード補償強度は、実質的に反動トルクTR2に対応することができる。フィードフォワード補償が、出力OP1を修正することによる、出力OP1と出力OP2との間の関係の修正のみを含むときは、フィードフォワード補償強度は摂動トルクTR1に対応することができる。例えば、摂動トルクは、反動トルクTR2と、第1モータ/発電機と内燃機関との間のトルク比R(ギア比T3,31/T41,411として表される)の積として決定できる。
【0111】
フィードフォワードおよび/またはフィードバック補償が、内燃機関の出力OP1と、第1モータ/発電機の出力OP2を調整することにより提供されるときは、これらの出力OP1、OP2のそれぞれに対する調整は、その両者の間のトルク比に依存して調整の程度が変動し得る。フィードフォワード補償が、出力OP1と出力OP2を修正することによる、出力OP1と出力OP2との間の関係の修正を含むときは、フィードフォワード補償強度は、出力OP1に加えることが可能な部分FF1(補償トルクCT1に対応している)と、出力OP2に加えることが可能な部分FF2(補償トルクCT2に対応している)を含むと考えることができる。例えば、内燃機関から第1モータ/発電機へのギア比が相対的に高いときは、関係は、第1モータ/発電機の抵抗トルクを主に調整することにより、および/または、内燃機関の出力OP1を少し調整することにより修正できる。同様に、例えば、内燃機関から第1モータ/発電機へのギア比が相対的に低いときは、関係は、内燃機関の出力OP1を主に調整することにより、および/または、第1モータ/発電機の抵抗トルクを少し調整することにより修正できる。これらのケースの一方、または両者において、幾つかの例によれば、第1モータ/発電機の抵抗トルクを調整することは、内燃機関の出力OP1を調整することの逆として実行できる。
【0112】
内燃機関の出力OP1と第1モータ/発電機の抵抗トルクとの間の関係を、内燃機関と第1モータ/発電機との間のトルク比の関数として修正することは、追加的に、または、代替的に、内燃機関および/または第1モータ/発電機の動作能力を超えることなく、補償が実行されるのを可能にできる。例えば、第1トルク装置から第2トルク装置へのギア比が相対的に高いときは、第2トルク装置の抵抗トルクを主に調整し、および/または、第1トルク装置の出力トルクを少し調整することにより関係を修正できる。
【0113】
図6は、フィードフォワード補償(RFとして表されている)とフィードバック補償(RBとして表されている)を互いに組み合わせて(合計として表される)使用する典型的な例を示している。フィードフォワード補償は、フィードフォワード制御ステップにより加えられる可能な複数の条件の1つとして提供できる。
【0114】
フィードバック補償がフィードフォワード補償と組み合わせられるときは、フィードバック補償をフィードフォワード補償の後に加えることができる。そのため、擾乱(外乱トルクTD3を含むことができ、おそらくは、動作損失および/または付属品からの負荷に加えて)はフィードフォワード制御により扱うことができ、フィードバック制御は、フィードフォワード制御で解決できなかった擾乱を扱うために加えることができる。
【0115】
例えば、フィードフォワード補償強度が不十分であると判明した場合、フィードバック補償を、内燃機関の回転速度V1を安定させるために加えることができる。
【0116】
前述したように、内燃機関と第1モータ/発電機に伝達された外乱トルクTD3の部分の相対的な大きさは、内燃機関と第1モータ/発電機の回転速度をそれぞれがどの程度変化させることができるかに依存し得る。
【0117】
第1モータ/発電機からの抵抗トルクにおける増加は、所与の外乱トルクTD3と出力OP1に対して、例えば、第1モータ/発電機の回転速度が変化する程度を減少することにより、内燃機関に伝達された部分の大きさを増加すると理解できる。非制限的な例として、抵抗トルクにおける増加は、補償トルクCT2を、第1モータ/発電機に伝達された外乱トルクの部分の方向とは反対の方向に加えることにより取得できる。
【0118】
第1モータ/発電機からの抵抗トルクにおける減少は、所与の外乱トルクTD3と出力OP1に対して、例えば、第1モータ/発電機の回転速度が変化する程度を増加することにより、内燃機関に伝達された外乱トルクの部分の大きさを減少すると理解できる。非制限的な例として、抵抗トルクにおける減少は、補償トルクCT2を、第1モータ/発電機に伝達された外乱トルクの部分の方向と同じ方向に加えることにより取得できる。
【0119】
マシンまたはその制御ユニットは、第1モータ/発電機の抵抗トルクを決定するための手段を含むことができる。例えば、制御ユニットは、出力OP2の推定値を、第1モータ/発電機の状態に関する情報から決定できるように、第1モータ/発電機のモデルを含むことができる。追加的に、または、代替的に、例えば、マシン(またはその制御ユニット)は、第1モータ/発電機の抵抗トルク、および/または、電気負荷に送出される電気エネルギーを測定するために1つ以上のセンサを含むことができる。
【0120】
内燃機関により提供された補償トルクCT1は摂動トルクTR1に対応することができ、摂動トルクTR1自体は、例えば、反動トルクTR2と、内燃機関と第1モータ/発電機との間のトルク比に対応することができる。
【0121】
第1トルク装置と第2トルク装置との間のトルク比は一定であってよく、例えば、第1遊星ギアセットのギア比に依存できる。
【0122】
内燃機関と第1モータ/発電機との間の回転速度比は、非線形または比例的でなくてよく、第1遊星ギアセットのリング部の回転速度に依存できる。
【0123】
ここ
図1に戻ると、負荷システム4は、第2モータ/発電機421を含むことができることが分かる。この場合、第2モータ/発電機は421を、第1モータ/発電機411に電力を供給するための電気エネルギーを供給するために駆動でき、および/または、逆も可能である。第1モータ/発電機411と第2モータ/発電機421の何れかが、第1モータ/発電機411と第2モータ/発電機421の他方に電力を供給するための電気エネルギーを供給すると、後者は、前者の電気負荷を表すと考えることができ、前者は、後者の電気エネルギー源を表すと考えることができる。車両11(または、その制御ユニット7)は、第1モータ/発電機411と第2モータ/発電機421との間の電気エネルギーの供給を管理するように構成できる。
【0124】
第2モータ/発電機421はまた、バッテリ61が存在していればバッテリ61に接続可能で、それにより、第2モータ/発電機421を駆動することにより生成された電力は格納でき、および/または、それにより、バッテリ61に格納されている電気エネルギーを、第2モータ/発電機421に電力を供給するように第2モータ/発電機421に供給できる。車両11(または、その制御システム7)は、第1モータ/発電機411と第2モータ/発電機421のそれぞれに対する電気エネルギーの供給、および/または、第1モータ/発電機411と第2モータ/発電機421のそれぞれによるバッテリ61の充電を管理するように構成できる。
【0125】
図7は、典型的な例としてのマシン1’(この場合は、典型的な例としてのハイブリッド車両11’で、トランスミッションが見える)の模式図を示している。
図7のハイブリッド車両11’は、負荷システム4の第2モータ/発電機421が、内燃機関31と第1モータ/発電機411(これらは依然として伝達装置2の第1遊星ギアセット21に接続されている)とは異なる、伝達装置2の遊星ギアセット(第2遊星ギアセット22と呼ばれる)に結合されているということにおいて
図1のハイブリッド車両11とは異っている。非制限的な例として、これらの遊星ギアセット21、22のリング部213、223は、駆動構成要素5に結合できる。非制限的な例として、トヨタにより提供された第2世代トヨタハイブリッドシナジー駆動システムの場合のように、第2モータ/発電機421は、第2遊星ギアセット22の太陽部222に結合でき、第2遊星ギアセット22のキャリア部221は固定できる(例えば、車両11’のフレームに関する回転において)。
【0126】
そのような構成においては、
図2Aは、例えば、伝達装置2の第1遊星ギアセット21を表していると考えることができる(駆動構成要素5が、第2遊星ギアセット22を介して第1遊星ギアセット21のリング部213に結合されるように、内燃機関31と第1モータ/発電機411が第1遊星ギアセット21に結合されている)。
【0127】
図8は、典型的な例としてのマシン1”(この場合は、典型的な例としてのハイブリッド車両11”で、トランスミッションが見える)の模式図を示している。
図8のハイブリッド車両11’は、負荷システム4の第2モータ/発電機421が結合されている第2遊星ギアセット22が、Ravigneaux(ラビニュー)ギアセット23であることにおいて
図7のハイブリッド車両11’とは異なっている。Ravigneauxギアセット23のリング部233は、第1クラッチ234を介して接地可能(車両に関して回転において固定可能)である。第2モータ/発電機421は、Ravigneauxギアセット23の第1太陽部232Aに結合されている。第1太陽部232Aは、第1キャリア部231Aを介して、Ravigneauxギアセット23のリング部233に結合されている。Ravigneauxギアセット23の第1キャリア部231Aは、第1遊星ギアセット21(ここに内燃機関31と第1モータ/発電機411が結合されている)のリング部233に結合されている。Ravigneauxギアセット23の第2太陽部232Bは、第2クラッチ235を介して接地可能である。第2太陽部232Bは、Ravigneauxギアセット23の第2キャリア部231Bを介して、リング部233に結合されている。Ravigneauxギアセット23の第2キャリア部231Bは、駆動構成要素5(この場合は、例えば、差動歯車53の駆動輪51)に結合されている。そのような構成は、例えば、トヨタにより提供された第3世代トヨタハイブリッドシナジー駆動システムにおいて知られている。
【0128】
そのような構成においては、
図2Aは、例えば、第1遊星ギアセット21を表していると考えることができる(駆動構成要素5が、Ravigneauxギアセット23を介して第1遊星ギアセット21のリング部213に結合されるように、内燃機関31と第1モータ/発電機411が第1遊星ギアセット21に結合されている)。
【0129】
記述された例は、異なる典型的な例として提供されたが、これらの例は組み合わせることが可能で、または、矛盾しなければ、記述された例において列挙された特徴は相互に交換可能であるということが考えられる。
【0130】
特許請求の範囲を含めて、記述を通して、「1つの~を備えている」という用語は、そうでないと記述されない限り「少なくとも1つの~を備えている」と同義であると理解されるべきである。追加的に、特許請求の範囲を含めて、記述において記述されている如何なる範囲も、そうでないと記述されない限り、その端部の値も含んでいるとして理解されるべきである。記述された要素に対する特定の値は、この技術における技量を有する者には知られている容認される製造または産業の誤差範囲内であると理解されるべきであり、「実質的に」および/または「近似的に」および/または「一般的に」という用語は、そのような容認される誤差範囲内であることを意味していると理解されるべきである。
【0131】
ここにおける本開示は、特別な例を参照して記述されてきたが、これらの例は、本開示の原則および適用の単なる例にすぎないということは理解されるべきである。
【0132】
明細書と例は、典型的な例としてのみ考えられることが意図されており、開示の真の範囲は、下記の特許請求の範囲により示されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0132
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0132】
明細書と例は、典型的な例としてのみ考えられることが意図されており、開示の真の範囲は、下記の特許請求の範囲により示されている。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)の速度(V1)を規制する方法であって、前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の抵抗トルク(OP2)との間の関係を修正することにより、前記第1トルク装置(3、31)の出力シャフトに少なくとも部分的には伝達され得る外乱トルク(TD3)を補償するフィードフォワードステップを有している、方法。
〔態様2〕
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の前記関係は比例関係であり随意的に線形である、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記外乱トルク(TD3)を補償する前記フィードフォワードステップは、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)に対して増加することにより、および/または、
前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して減少することにより、
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)の、指令によるものではない減少に対抗するステップを含んでいる、態様1または2に記載の方法。
〔態様4〕
前記外乱トルク(TD3)を補償する前記フィードフォワードステップは、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)に対して減少することにより、および/または、
前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルクに対して増加することにより、
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)の、指令によるものではない増加に対抗するステップを含んでいる、態様1から3の何れか一態様に記載の方法。
〔態様5〕
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、前記負荷システム(4)の慣性の関数として修正される、態様1から4の何れか一態様に記載の方法。
〔態様6〕
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の前記関係は、
前記負荷システム(4)の速度、
前記第1トルク装置(3、31)と前記負荷システム(4)との間のトルク比、
の1つ以上の関数として修正される、態様1から5の何れか一態様に記載の方法。
〔態様7〕
前記負荷システム(4)は第2トルク装置(41、411)を備えており、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、
前記第2トルク装置(41、411)の慣性(I2)、
前記第2トルク装置(41、411)の速度(V2)、
前記第1トルク装置(3、31)と前記第2トルク装置(41、411)との間のトルク比、
の1つ以上の関数として修正される、態様5または6に記載の方法。
〔態様8〕
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、前記第2トルク装置(41、411)の加速度と前記第2トルク装置(41、411)の慣性(I2)を掛けた積に、前記第2トルク装置(41、411)と前記第1トルク装置(3、31)との間のトルク比を掛けた積の関数として修正される、態様1から7の何れか一態様に記載の方法。
〔態様9〕
前記外乱トルク(TD3)は、前記第1トルク装置(3、31)と前記負荷システム(4)に結合されている駆動構成要素(5、51、52)を介して、少なくとも部分的には前記第1トルク装置(3、31)の前記出力シャフトに伝達され得る、態様1から8の何れか一態様に記載の方法。
〔態様10〕
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)はアイドル速度である、態様1から9の何れか一態様に記載の方法。
〔態様11〕
負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)上で、態様1から10の何れか一態様に記載の方法を実行するための手段を備えている、制御ユニット(7)。
〔態様12〕
前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の抵抗トルク(OP2)の関数として調節するための手段、および/または、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を調節するための手段を備えている、態様11に記載の制御ユニット(7)。
〔態様13〕
前記負荷システム(4)に接続されている1つ以上の電気負荷を調節するための手段と、
前記負荷システム(4)に供給された電力を調節するための手段と、
の1つ以上を備えている、態様12に記載の制御ユニット(7)。
〔態様14〕
前記負荷システム(4)に備えられている第2トルク装置(41、411)に接続されている前記1つ以上の電気負荷の第1負荷を調節するための手段と、
前記第2トルク装置(41、411)に供給された電力を調節するための手段と、
前記負荷システム(4)に備えられている第3トルク装置(42、421)に接続されている前記1つ以上の電気負荷の第2負荷を調節するための手段と、
前記第3トルク装置(42、421)に供給された電力を調節するための手段、
の1つ以上を備えている、態様13の制御ユニット(7)。
〔態様15〕
態様1から10の何れか一態様に記載の方法を実行するための手段と、マシン(1、1’、1”)の駆動構成要素(5、51、52)に結合されているトランスミッション装置(2)を介して負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)を備えている、マシン(1、1’、1”)。
〔態様16〕
態様11から14の何れか一態様に記載の制御ユニット(7)を備えている、態様15に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様17〕
前記第1トルク装置(3、31)はヒートエンジンを備えている、態様15または16に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様18〕
前記トランスミッション装置(2)は、遊星トランスミッションを備えている、態様15から17の何れか一態様に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様19〕
前記遊星トランスミッションは、前記第1トルク装置(3、31)に結合されている第1遊星ギアセット(21)と、前記マシン(1、1’、1”)の前記駆動構成要素(5、51、52)に結合されている前記第1遊星ギアセット(21)により駆動可能な第2遊星ギアセット(22、23)と、を備えている、態様18に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様20〕
前記負荷システム(4)は、
前記トランスミッション装置(2)により駆動されると、前記負荷システム(4)に接続されている少なくとも1つの電気負荷に電力を供給し、および/または、
電力を供給されると、前記トランスミッション装置(2)を駆動する、
ように構成されている、態様15から19の何れか一態様に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様21〕
前記負荷システム(4)は、前記トランスミッション装置(2)に結合されている第2トルク装置(41、411)を備え、
前記マシン(1、1’、1”)は、前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の抵抗トルク(OP2)に対して調節するための手段、および/または、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)を調節するための手段を備えている、
態様15から19の何れか一態様に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様22〕
前記第2トルク装置(41、411)は、電気機械式エネルギー変換器を備えている、態様21に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様23〕
前記トランスミッション装置(2)のキャリア部(211)は、前記第1トルク装置(3、31)により駆動可能であり、前記トランスミッション装置(2)の太陽部(212)は、前記第2トルク装置(41、411)により駆動可能であり、前記トランスミッション装置(2)のリング部(213、223、233)は、前記マシン(1、1’、1”)の前記駆動構成要素(5、51、52)に駆動可能に接続できる、態様21または22に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様24〕
前記駆動構成要素(5、51、52)の減速を、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)に対して増加することにより、および/または、
前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP1)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して減少することにより、
補償するように構成されている、態様23に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様25〕
前記駆動構成要素(5、51、52)の加速を、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)に対して減少することにより、および/または、
前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して増加することにより、
補償するように構成されている、態様23または24に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様26〕
前記負荷システム(4)は、前記トランスミッション装置(2)に結合されている第3トルク装置(42、421)を備え、
前記マシン(1、1’、1”)は、前記第3トルク装置(42、421)の抵抗トルクを調節するための手段を備えている、態様21から25の何れか一態様に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様27〕
前記リング部(213、223、233)は、前記第3トルク装置(42、421)により駆動可能である、態様23と26に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様28〕
前記第3トルク装置(42、421)は、電気機械式エネルギー変換器を備えている、態様26または27に記載のマシン(1、1’、1”)。
〔態様29〕
態様17から28の何れか一態様に記載のマシン(1、1’、1”)を備えている、車両(11、11’、11”)。
〔態様30〕
命令を有している非一時的格納媒体であって、該命令は、コンピュータ(7)により実行されると前記コンピュータ(7)に、態様1から10の何れか一態様に記載の方法を実行させる、非一時的格納媒体。
〔態様31〕
命令を含んでいるコンピュータプログラムを担持しているデータキャリアであって、前記プログラムは、コンピュータ(7)により実行されると前記コンピュータ(7)に、態様1から10の何れか一態様に記載の方法を実行させる、データキャリア。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)の速度(V1)を規制する方法であって、前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の抵抗トルク(OP2)との間の関係を修正することにより、前記第1トルク装置(3、31)の出力シャフトに少なくとも部分的には伝達され得る外乱トルク(TD3)を補償するフィードフォワードステップを有している、方法。
【請求項2】
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の前記関係は比例関係であり随意的に線形である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外乱トルク(TD3)を補償する前記フィードフォワードステップは、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)に対して増加することにより、および/または、
前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して減少することにより、
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)の、指令によるものではない減少に対抗するステップを含んでいる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記外乱トルク(TD3)を補償する前記フィードフォワードステップは、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)に対して減少することにより、および/または、
前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルクに対して増加することにより、
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)の、指令によるものではない増加に対抗するステップを含んでいる、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、前記負荷システム(4)の慣性の関数として修正される、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間
の関係は、
前記負荷システム(4)の速度、
前記第1トルク装置(3、31)と前記負荷システム(4)との間のトルク比、
の1つ以上の関数として修正される、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記負荷システム(4)は第2トルク装置(41、411)を備えており、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、
前記第2トルク装置(41、411)の慣性(I2)、
前記第2トルク装置(41、411)の速度(V2)、
前記第1トルク装置(3、31)と前記第2トルク装置(41、411)との間のトルク比、
の1つ以上の関数として修正される、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)と前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)との間の関係は、前記第2トルク装置(41、411)の加速度と前記第2トルク装置(41、411)の慣性(I2)を掛けた積に、前記第2トルク装置(41、411)と前記第1トルク装置(3、31)との間のトルク比を掛けた積の関数として修正される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記外乱トルク(TD3)は、前記第1トルク装置(3、31)と前記負荷システム(4)に結合されている駆動構成要素(5、51、52)を介して、少なくとも部分的には前記第1トルク装置(3、31)の前記出力シャフトに伝達され得る、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1トルク装置(3、31)の前記速度(V1)はアイドル速度である、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)上で、請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行するための手段を備えている、制御ユニット(7)。
【請求項12】
前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)を、前記負荷システム(4)の抵抗トルク(OP2)の関数として調節するための手段、および/または、前記負荷システム(4)の前記抵抗トルク(OP2)を調節するための手段を備えている、請求項11に記載の制御ユニット(7)。
【請求項13】
前記負荷システム(4)に接続されている1つ以上の電気負荷を調節するための手段と、
前記負荷システム(4)に供給された電力を調節するための手段と、
の1つ以上を備えている、請求項12に記載の制御ユニット(7)。
【請求項14】
前記負荷システム(4)に備えられている第2トルク装置(41、411)に接続されている前記1つ以上の電気負荷の第1負荷を調節するための手段と、
前記第2トルク装置(41、411)に供給された電力を調節するための手段と、
前記負荷システム(4)に備えられている第3トルク装置(42、421)に接続されている前記1つ以上の電気負荷の第2負荷を調節するための手段と、
前記第3トルク装置(42、421)に供給された電力を調節するための手段、
の1つ以上を備えている、請求項13の制御ユニット(7)。
【請求項15】
請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行するための手段と、マシン(1、1’、1”)の駆動構成要素(5、51、52)に結合されているトランスミッション装置(2)を介して負荷システム(4)に結合されている第1トルク装置(3、31)を備えている、マシン(1、1’、1”)。
【請求項16】
請求項11から14の何れか一項に記載の制御ユニット(7)を備えている、請求項15に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項17】
前記第1トルク装置(3、31)はヒートエンジンを備えている、請求項15または16に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項18】
前記トランスミッション装置(2)は、遊星トランスミッションを備えている、請求項15から17の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項19】
前記遊星トランスミッションは、前記第1トルク装置(3、31)に結合されている第1遊星ギアセット(21)と、前記マシン(1、1’、1”)の前記駆動構成要素(5、51、52)に結合されている前記第1遊星ギアセット(21)により駆動可能な第2遊星ギアセット(22、23)と、を備えている、請求項18に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項20】
前記負荷システム(4)は、
前記トランスミッション装置(2)により駆動されると、前記負荷システム(4)に接続されている少なくとも1つの電気負荷に電力を供給し、および/または、
電力を供給されると、前記トランスミッション装置(2)を駆動する、
ように構成されている、請求項15から19の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項21】
前記負荷システム(4)は、前記トランスミッション装置(2)に結合されている第2トルク装置(41、411)を備え、
前記マシン(1、1’、1”)は、前記第1トルク装置(3、31)の出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の抵抗トルク(OP2)に対して調節するための手段、および/または、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)を調節するための手段を備えている、
請求項15から19の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項22】
前記第2トルク装置(41、411)は、電気機械式エネルギー変換器を備えている、請求項21に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項23】
前記トランスミッション装置(2)のキャリア部(211)は、前記第1トルク装置(3、31)により駆動可能であり、前記トランスミッション装置(2)の太陽部(212)は、前記第2トルク装置(41、411)により駆動可能であり、前記トランスミッション装置(2)のリング部(213、223、233)は、前記マシン(1、1’、1”)の前記駆動構成要素(5、51、52)に駆動可能に接続できる、請求項21または22に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項24】
前記駆動構成要素(5、51、52)の減速を、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)に対して増加することにより、および/または、
前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP1)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して減少することにより、
補償するように構成されている、請求項23に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項25】
前記駆動構成要素(5、51、52)の加速を、
前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)を、前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)に対して減少することにより、および/または、
前記第2トルク装置(41、411)の前記抵抗トルク(OP2)を、前記第1トルク装置(3、31)の前記出力トルク(OP1)に対して増加することにより、
補償するように構成されている、請求項23または24に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項26】
前記負荷システム(4)は、前記トランスミッション装置(2)に結合されている第3トルク装置(42、421)を備え、
前記マシン(1、1’、1”)は、前記第3トルク装置(42、421)の抵抗トルクを調節するための手段を備えている、請求項21から25の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項27】
前記負荷システム(4)は、前記トランスミッション装置(2)に結合されている第3トルク装置(42、421)を備え、
前記マシン(1、1’、1”)は、前記第3トルク装置(42、421)の抵抗トルクを調節するための手段を備え、
前記リング部(213、223、233)は、前記第3トルク装置(42、421)により駆動可能である、
請求項23に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項28】
前記第3トルク装置(42、421)は、電気機械式エネルギー変換器を備えている、請求項26または27に記載のマシン(1、1’、1”)。
【請求項29】
請求項17から28の何れか一項に記載のマシン(1、1’、1”)を備えている、車両(11、11’、11”)。
【請求項30】
命令を有している非一時的格納媒体であって、該命令は、コンピュータ(7)により実行されると前記コンピュータ(7)に、請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行させる、非一時的格納媒体。
【請求項31】
命令を含んでいるコンピュータプログラムを担持しているデータキャリアであって、前記プログラムは、コンピュータ(7)により実行されると前記コンピュータ(7)に、請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行させる、データキャリア。
【国際調査報告】