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特表2023-520607コロナウイルス感染の治療のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】コロナウイルス感染の治療のための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/555 20060101AFI20230510BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230510BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20230510BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230510BHJP
   A61K 31/714 20060101ALI20230510BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20230510BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
A61K31/555
A61P31/12
A61P31/14
A61P11/00
A61K31/714
A41D13/11 M
A62B18/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501327
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 US2021022954
(87)【国際公開番号】W WO2021188787
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/992,083
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/706,520
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520457096
【氏名又は名称】レニバス・セラピューティクス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイザー,ドナルド・ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ギエム,アルバロ・エフ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ブピンダー
(72)【発明者】
【氏名】ゼーガー,リチャード・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,ステイシー
【テーマコード(参考)】
2E185
4C086
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CB11
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA31
4C086DA39
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA27
4C086MA55
4C086MA59
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZB33
(57)【要約】
本発明は、SARS-COV-2を含むコロナウイルス感染の治療のための新規の方法に関与する。方法は、錫プロトポルフィリン及び/又はシアノコバラミンを、コロナウイルス感染による合併症を発症する危険性があるヒト患者に投与することを含む。方法は、特に、患者がコロナウイルス感染と診断されているか、又はコロナウイルスに曝露しているがコロナウイルス感染の症状を発症していない場合に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンベロープウイルス感染を治療するための方法であって、
金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを、エンベロープウイルス感染による合併症を発症する危険性があるヒト患者に投与すること
を含む、方法。
【請求項2】
金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンが、錫プロトポルフィリンix(SnPP)、錫メソポルフィリンix、コバルトプロトポルフィリンix、コバルトメソポルフィリンix、亜鉛プロトポルフィリンix又は亜鉛メソポルフィリンixである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エンベロープウイルス感染が、SARS-COV-2である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
患者が、呼吸器系ウイルス感染に対して陽性が出ている、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
患者が、呼吸器系ウイルス感染に対して陽性が出ており、肺炎の症状を発症していない、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
患者が、SARS-COV-2感染に曝露しているが、コロナウイルス感染に対して陽性が出ていない、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
患者が、SARS-COV-2に伴う合併症に対して1つ以上の危険因子を呈する、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
患者が、60歳以上であり、1μg/Lを超えるd-ダイマーを有し、1以上の構造的臓器不全評価(SOFA)スコアを有する、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
患者が、SARS-COV-2に伴う合併症に対してより高い危険性を伴う共存症に罹患している、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
患者が、高血圧症、糖尿病、冠動脈性心疾患又は慢性閉塞性肺疾患の1つ以上を含む共存症に罹患している、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
コロナウイルス感染を治療するための方法であって、
コバラミンを、コロナウイルス感染による合併症を発症する危険性があるヒト患者に投与すること
を含む、方法。
【請求項12】
コバラミンが、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン又は5-デオキシアデノシルコバラミンである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
コロナウイルスが、SARS-COV-2である、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
患者が、コロナウイルス感染に対して陽性が出ている、請求項11~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
患者が、コロナウイルス感染に対して陽性が出ており、肺炎の症状を発症していない、請求項11~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
患者が、コロナウイルス感染に曝露しているが、コロナウイルス感染に対して陽性が出ていない、請求項11~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
患者が、SARS-COV-2に伴う合併症に対して1つ以上の危険因子を呈する、請求項11~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
患者が、60歳以上であり、1μg/Lを超えるd-ダイマーを有し、1以上のSOFAスコアを有する、請求項11~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
患者が、SARS-COV-2に伴う合併症に対してより高い危険性を伴う共存症に罹患している、請求項11~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
患者が、高血圧症、糖尿病、冠動脈性心疾患又は慢性閉塞性肺疾患の1つ以上を含む共存症に罹患している、請求項11~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
エンベロープウイルス感染を治療又は予防する方法であって、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含む鼻腔内組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
【請求項22】
鼻腔内組成物が、SnPPを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
鼻腔内組成物が、介護施設、刑務所、精肉加工施設で配布されている、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
患者が、サイトカインストームを経験している、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
エンベロープウイルスが、コロナウイルスである、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
コロナウイルスが、SARS-COV-2である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
鼻腔内組成物が、洗浄、滴下、噴出システム、噴霧、鼻腔保護物、洗浄液又は綿棒として投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
鼻腔内組成物が、局所用液剤、局所用ゲル剤又は吸入液剤である、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
鼻腔内組成物が、生理学的に許容されるpHを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
エンベロープウイルス感染を治療又は予防する方法であって、フェイスマスクをヒトに適用することを含み、フェイスマスクが、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含む抗ウイルス組成物を含み、フェイスマスクを適用する際、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンが、エンベロープウイルス感染を治療又は予防するのに有効な量でヒトの鼻腔に入る、方法。
【請求項31】
抗ウイルス組成物が、SnPPを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
フェイスマスクが、介護施設、刑務所、精肉加工施設で配布されている、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
患者が、サイトカインストームを経験している、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
エンベロープウイルスが、コロナウイルスである、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
コロナウイルスが、SARS-COV-2である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
エンベロープウイルス感染の治療又は予防のための鼻腔内組成物であって、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含み、ヒトの鼻腔内投与に好適である、鼻腔内組成物。
【請求項37】
局所用液剤、局所用ゲル剤又は吸入液剤である、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項38】
5.5~6.5の範囲のpHを有する、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項39】
等張性である、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項40】
SnPPを含む、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項41】
洗浄、滴下、噴出システム、噴霧、鼻腔保護物又は綿棒の形態である、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項42】
エンベロープウイルスの広がりの軽減又は予防の方法であって、フェイスマスクをヒトに適用することを含み、フェイスマスクが、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含む抗ウイルス組成物を含み、ヒトによりフェイスマスクに発散又は吐出されたエンベロープウイルスの粒子が、抗ウイルス組成物により破壊又は中和される、方法。
【請求項43】
抗ウイルス組成物が、SnPPを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
フェイスマスクが、介護施設、刑務所、精肉加工施設で配布されている、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
患者が、サイトカインストームを経験している、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
エンベロープウイルスが、コロナウイルスである、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
コロナウイルスが、SARS-COV-2である、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2020年3月19日に出願された米国仮特許出願第62/992,083号及び2020年8月21日に出願された米国仮特許出願第62/706,520号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
2019年12月以来、世界は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)により引き起こされる、ウイルス感染性肺炎であるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)の発生を経験している。ウイルス排出を含む疾病の臨床経過は、あまり明らかにされていない。
【0003】
中国、武漢に由来する臨床作業からの初期の研究は、COVID-19の成人入院患者の臨床経過及び死亡の危険因子を詳述している。Fei Zhouら、「Clinical course and risk factors for mortality of adult inpatients with COVID-19 in Wuhan,China:a retrospective cohort study」、The Lancet、2020年3月9日を参照のこと。SARS-CoV-2の1つの特定の問題は、図1のように、敗血症及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発症を経た発熱及び咳などのより軽度の状態を伴い、最初の陽性検査から1週間以上後に発症するより重度の症状を含む、陽性が出た後のその臨床経過の進行である。
【0004】
重度の呼吸器症状の発症後、患者は、集中治療室(ICU)に入院させ、非侵襲的換気又は非常に多くの場合、挿管及び機械的換気を含み得る呼吸支援を行う。一部の患者はまた、昇圧剤支援も必要とする。ARDSが非常に重度である傾向があるので、患者はまた、酸素化を改善する腹臥位換気も必要とする。時折、患者は、機械的換気が十分ではない場合、体外式膜型人工肺(ECMO)も必要とし得る。これらの処置にも関わらず、疾患は、3.5%の全体の死亡率を有し、これは、ICUに入院させる患者の中ではより一層高い。う蝕原性ショック(cariogenic shock)、トロポニンレベルの上昇及び致命的な不整脈が、いくつかの場合で末期の事象として起こることは留意されている。ICU入院に続く死亡率は、より一般的に、高齢の患者及び高血圧症、糖尿病、冠動脈性心疾患、免疫無防備状態又は慢性閉塞性肺疾患などの共存症に罹患している患者に関連する。試みは、ICUの患者をレムデシビル(Gilead,Inc.)又はファビピラビル(富山化学工業株式会社、富士フィルムグループ)などの抗ウイルス薬、ケブザラ(Regeneron)又はアクテムラ(Roche)などの抗炎症薬及び抗マラリア薬であるクロロキン又はヒドロキシクロロキン(Bayer、独国)で処置することにより疾患の経過を反転するためになされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Fei Zhouら、「Clinical course and risk factors for mortality of adult inpatients with COVID-19 in Wuhan,China:a retrospective cohort study」、The Lancet、2020年3月9日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
SARS-CoV-2感染から重度の呼吸器症状を発症する前に安全に投与することができ、ウイルスに起因する疾患の臨床的進行を反転することができる処置に対する必要性が依然として存在する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】COVID-19で入院した患者における主な症状及び転帰並びに疾病の発症からウイルス排出の期間の臨床経過の図である。
図2】直接的なSARS-CoV-2の不活化での錫プロトポルフィリン(SnPP)のインビトロ抗ウイルス活性の図である。
図3A】SARS-CoV-2複製でのSnPPのインビトロ抗ウイルス活性の図である。
図3B】SARS-CoV-2複製でのレムデシビルのインビトロ抗ウイルス活性の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
プロトポルフィリン及びシアノコバラミンを伴う本発明者らの研究は、コロナウイルス感染、特にSARS-CoV-2などの検出後にゆっくり進行するエンベロープウイルス感染の早期の処置を示唆している。このコロナウイルス感染の進行は、ウイルスの検出又は曝露のすぐ後の感染の進行を避けるか、又は遅延する機会を提供する介入に対して臨床ウインドウをもたらす。感染の発生の場合、集中治療室(ICU)の病床の限定的な有効性及び疾患が本段階に進行した後の高い死亡レベルを考慮に入れると、初期介入は重要である。
【0009】
錫プロトポルフィリン(SnPP)は、デング熱ウイルス及び黄熱ウイルスのウイルス感染を非構造タンパク質1(NSP1)の合成を阻害することにより阻害することを示している。Assuncao-Mirandaら、「Inactivation of Dengue and Yellow Fever viruses by heme,cobalt-protoporphyrin IX and tin-protoporphyrin IX」、J.of Applied Microbiol.(2015)。
【0010】
ウイルスにより生成される第1のタンパク質の1つであり、ウイルス感染から身体を保護する生得の免疫応答を遮断するのに重要であるので、非構造タンパク質(NSP)は、ウイルス複製において役割を果たし、特に、NSP1は、感染におけるウイルスの初期において役割を果たす。SARSコロナウイルスにおいて、NSP1は、ワクチン開発の標的である公知の毒性因子である。NSP1を伴わない組み換えをした場合、SARSコロナウイルスは弱体化し、免疫系により検出可能になり、完全な感染を防止する。Narayanan Kら、Virus Res.。
【0011】
NSP1は、COVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2においてウイルスレプリカーゼ転写酵素複合体の一部を形成する。Dong S.ら、2020 J.Med.Virol.;Almeida MSら、2007 J.Virol.。本発明者らは、シアノコバラミン(「CCB」、ビタミンB12としても知られている。)が、CCBがコバルトを含み、一時的なHO-1阻害効果を含まないHO-1を誘導するので、SnPPで見られる保護を再現することができることを示している。SnPP又はCCBでの処置は、1)SARS-CoV-2のウイルス複製を防止し、2)免疫系によるウイルス検出及びクリアランスを可能にする可能性を有するので、COVID-19の初期段階において有用であり得る。
【0012】
一実施形態において、本発明は、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンをヒト患者に投与することにより、エンベロープウイルス感染を治療し、好ましくはSARS-CoV-2感染を治療することを含み、患者は、コロナウイルス感染による合併症を発症する危険性がある。金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンは、錫プロトポルフィリンix(SnPP)、錫メソポルフィリンix、コバルトプロトポルフィリンix、コバルトメソポルフィリンix、亜鉛プロトポルフィリン又は亜鉛メソポルフィリンの1つ以上であり得る。他のプロトポルフィリンもまた使用することができる。一態様において、プロトポルフィリンは静脈内投与される。
【0013】
一態様において、本発明は、コバラミンをヒト患者に投与することにより、コロナウイルスを処置し、好ましくはSARS-CoV-2感染を治療することを含み、患者は、コロナウイルス感染による合併症を発症する危険性がある。コバラミンは、シアノコバラミン(すなわちビタミンB12)、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン又は5-デオキシアデノシルコバラミンであり得る。一態様において、コバラミンは静脈内投与される。別の態様において、コバラミンは経口投与される。
【0014】
一態様は、処置方法の投与のタイミングを含む。例えば、処置は、患者がコロナウイルス感染に対して陽性が出た時点で起こり得る。一態様において、患者は、コロナウイルス感染に対して陽性が出ており、肺炎又はARDSの症状を発症していない。別の態様において、患者は、コロナウイルス感染に曝露し得る。患者がコロナウイルス感染に関連する1つ以上の危険因子を呈する場合、ウイルスに対する陽性検査なしに処置を投与することがより重要であり得る。
【0015】
例えば、SARS-CoV-2について、患者の危険因子は、60歳以上であること、1μg/L超、1.5μg/L超、2.0μg/L超又は1~50μg/L若しくは5~50μg/Lのd-ダイマーレベルを有すること、1以上、2超又は2~10若しくは2.5~6の範囲で構造的臓器不全評価(SOFA)スコアを有することを含む。別の態様において、患者は、高血圧症、糖尿病、冠動脈性心疾患及び/又は慢性閉塞性肺疾患などの共存症に罹患している。
【0016】
本発明に従う処置は、単回で投与され得る。好ましくは、用量は投与され、続いてコロナウイルスに対する別の検査を行う。患者がコロナウイルスに対して陽性が出続ける場合、患者は、本発明に従う別の処置を投与される。一態様において、処置と続く検査のサイクルは、患者がもはや陽性が出なくなるまでか、又はICUでの安定化を行う必要がある点に症状が進展するまで繰り返す。一態様において、コロナウイルスに対する第2の検査は、処置の12時間後に行う。他の処置の間隔は、事前処置の後、24時間、36時間、48時間若しくは72時間又は最大で1週間を含むことが望ましい。
【0017】
一態様において、プロトポルフィリン又はコバラミンの投与される用量は、患者のウイルス負荷を低減又は解消するのに効果的である。これは、例えば、0.5~2.5mg/kg、好ましくは0.6~2.15mg/kg、より好ましくは1~1.6mg/kgの範囲内のプロトポルフィリンの用量を含み得る。一態様において、用量は、45~150mg、好ましくは50~120mgの範囲であり、例えば約90mgである。
【0018】
一態様において、プロトポルフィリン又はコバラミン、特にSnPPは、鼻腔内投与され得る。鼻腔内組成物は、呼吸器系ウイルスなどのエンベロープウイルスが介護施設、刑務所、精肉加工施設などで急速に広がることが知られている環境で特に効果的であり得る。処置を受ける患者は、曝露している患者であり得、SARS-COV-2に感染した一部の患者に起こることが知られている、ウイルス感染に対する患者の免疫応答の結果としてサイトカインストームを経験している患者に及ぶ可能性がある。鼻腔内組成物は、洗浄、滴下、噴出システム、噴霧、鼻腔保護物、洗浄液又は綿棒として投与され得る。鼻腔内組成物は、局所用液剤、局所用ゲル剤又は吸入液剤であり得、これらは生理学的に適合したpHを有し得る。例えば、pHは5.5~6.5である。液剤はまた、鼻腔内投与時の不快感を軽減するために等張性であり得る。
【0019】
別の態様において、投与は、抗ウイルス組成物をフェイスマスクに適用することにより起こる。特に、フェイスマスクに適用する際、金属プロトポルフィリン(例えばSnPP)又は金属メソポルフィリンは、患者に作用することができるか、又は感染の広がりをさらに低減することができる。一態様において、フェイスマスクに適用する際、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンは、エンベロープウイルス感染を治療又は予防するのに有効な量でヒトの鼻腔に入る。別の態様において、ヒトによりフェイスマスクに発散又は吐出されたエンベロープウイルスの粒子は、抗ウイルス組成物により破壊又は中和される。両方の作用は、同時又は順次に起こり得、ウイルスのコミュニティでの広がりを軽減し、マスクの有効性を改善するマスクを着用した際にさらなる保護を提供することができる。用語マスクは、バンダナ、ゲートル、ニットマスクなどのサージカルマスク又はN95マスクと同様にして顔面に被覆させる他の物品を含む。
【実施例
【0020】
[実施例1]
SARS-CoV-2感染に対して陽性が出た患者は、陽性検査の時点で錫プロトポルフィリンixの用量を投与される。患者は、90mgの単回用量で、静脈内で錫プロトポルフィリンixを投与される。次いで、患者は、3日後にSARS-CoV-2に対して再び検査される。
【0021】
[実施例2]
SARS-CoV-2感染に対して陽性が出た患者は、陽性検査の時点でシアノコバラミンの用量(1mg/mL)を静脈内投与される。投与された用量は1mgである。次いで、患者は、3日後にSARS-CoV-2に対して再び検査される。
【0022】
[実施例3]
錫プロトポルフィリン(SnPP)又はシアノコバラミン(CCB)を使用する、危険性の高い個体において無症候又は軽度の症状のCOVID-19の進行を防止する際のSnPP及びCCBの効果を評価する第II相無作為化プラセボ対照試験。
【0023】
本試験の目的は、7点の順序尺度を使用して14日目を通してCOVID-19の重症度を評価することである。順序尺度は、所与の試験日の第1の評価時の臨床状態の評価である。尺度は以下の通りである:
1)死亡;
2)侵襲的機械的換気又は体外式膜型人工肺(ECMO)を用いる、入院;
3)非侵襲的換気又は高流量酸素デバイスを用いる、入院;
4)酸素の供給を必要とする、入院;
5)酸素の供給を必要としない、入院;
6)活動を制限する、非入院;
7)活動を制限しない、非入院。
【0024】
第2の目的は、投薬後の28日間の以下のパラメーターを評価することを含む:ウイルス力価、発熱の発生率、患者報告転帰測定情報システム(PROMIS)の呼吸困難の機能的制限及び重症度における変化、入院期間の長さ、無酸素の日数、ICUに進行する対象の百分率、換気装置を伴う日数、死亡率並びに/又は安全性。
【0025】
およそ150名の対象が、登録されることを計画し、1:1:1に無作為化して、SnPP 90mg、CCB XXmg又はプラセボ(生理食塩水)を受ける。試験期間は対象ごとに30日間である。
【0026】
SnPPは、試験1日目に180分間にわたって静脈内(IV)注入を介して90mgの単回用量として投与される。CCBは、試験1日目に180分間にわたって/X日間毎日、筋肉内(IM)/IVを介して単回用量として投与される。プラセボは、試験1日目に180分間(180-period)にわたってIVを介して投与される。
【0027】
包含基準:
1.スクリーニング時に18歳以上の男女の対象。
2.直前の7日以内のSARS-CoV-2の文書化された感染
3.無症候、又は以下で定義される軽度の症状を含むCOVID-19の軽度の症状を呈する:
・発熱
・軽度の咳
・全身痛
・咽頭痛
・頭痛
4.COVID-19による消化器症状
5.1~2週間以内に疾患の進行の危険性の高い対象(60歳超又は糖尿病、免疫無防備状態、進行性慢性腎疾患、活性悪性腫瘍、臓器移植の状態を含む共存症)。
6.観察及び標準ケアの処置のために病院又は管理施設に入る対象。
7.酸素の供給を必要としない対象。
8.女性の場合、閉経後であるべきであり、外科的に滅菌であるべきであり、又は妊娠可能な女性対象の場合、試験中及び試験完了後の28日間、産児制限の2つの効果的な方法を実行するべきである。
9.妊娠可能な女性に対して、妊娠検査はスクリーニング訪問時に陰性であるべきである。
10.男性の場合、外科的に滅菌であるべきであり、又は試験中及び試験完了後の30日間、産児制限の2つの効果的な方法を実行しようとする。
【0028】
インフォームドコンセントを提供し、全ての試験手順に従うようにするべきであり、これらを行うことができる。
【0029】
除外基準:
1.ICUケア及び/又は換気装置支援に対する即座の必要性又は予想される必要性。
2.スクリーニングの時点での公知の又は疑いのある敗血症。
3.妊娠又は授乳。
4.試験責任医師の意見において、SnPPにより悪化し得る光源過敏症又は活性皮膚疾患の病歴。
5.SnPP又は任意の錫系生成物に対する公知の過敏症又は以前のアナフィラキシー。
6.試験薬の第1の投薬の前の30日以内の治験薬での処置又は介入試験への関与。
7.試験プロトコルの要件に従うことができないこと。
【0030】
試験デザイン:
これは、疾患の進行の危険性の高い個体において無症候/軽度の症状のCOVID-19の進行を防止する際のSnPPの効果を評価する第II相多施設無作為化プラセボ対照試験である。対象は、1:1:1に無作為化して、COVID-19の診断後7日以内にIV注入を介して単回用量のSnPP、CCB又はプラセボを受ける。
【0031】
本試験は、以下の通り設計される:
・試験適正に対するベースラインの評価を伴うスクリーニング期間。
・対象が適正基準を満たす場合、180分間にわたってIV注入を介してSnPP、CCB又はプラセボを受ける。
・対象は、以下に対して、14日目を通して評価される:
・COVID-19の重症度(順序臨床尺度)
・入院状況
・対象は、投薬後の28日間を通して以下に対して評価される:
・COVID-19のウイルス力価
・発熱の発生率
・PROMISの呼吸困難の機能的制限及び重症度における変化
・入院期間の長さ
・無酸素の日数
・ICUへの進行
・換気装置を伴う日数
・28日目の死亡率
・安全性
【0032】
有効性評価
14日目を通した有効性評価は、以下を含む:
・COVID-19の重症度(順序臨床尺度)
・入院状況
【0033】
28日目を通した有効性評価は、以下を含む:
・COVID-19のウイルス力価
・発熱の発生率
・PROMISの呼吸困難の機能的制限及び重症度における変化
・入院期間の長さ
・無酸素の日数
・ICUへの進行
・換気装置を伴う日数
・28日目の死亡率
【0034】
安全性評価
・発生率、重症度及び試験薬との関係を含む、処置中に発生した有害事象(TEAE)
・有害事象(AE)による中止
・身体検査の所見
・生命徴候における変化
・臨床検査における変化
・AEによる併用医薬の使用
【0035】
[実施例4] ウイルス力価を決定するプラークアッセイ
およそアッセイの24時間前、6ウェルプレートを使用し、4×10個のVero E6細胞/ウェルを播種した(2mlのダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM)+10%のウシ胎児血清(FBS)+1%のP/Sにおいて)。分析される各サンプルに対して、DMEM+1%のペニシリン、ストレプトマイシン、グルタミンP/S/Gにおける10倍段階希釈を、数回ピペットを上下させることにより行った。陰性対照として、DMEM+1%のP/S/Gを単独で使用した。各化合物に対して、陰性対照を含む、Vero E6細胞上の400μl/ウェルの各段階希釈をプレーティングした。サンプルを37℃で1時間インキュベートし、15分ごとに手動で揺動した。1時間後、サンプルを除去し、3mlの温かいオーバーレイDMEM/F-12/寒天混合物(1%のDEAE-デキストランを含むDMEM-F12、2%の寒天及び2%の寒天を含有する5%のNaHCO)を、各ウェルに添加した。プレートを、37℃で3日間、5%のCOでインキュベートした。このインキュベートの期間後、オーバーレイを除去し、サンプルを、10%の中性緩衝ホルマリンを使用してプレートに終夜固定し、続いてPBSで1回洗浄した。細胞を、室温で15~20分間、0.5%のトリトン-X-100で透過性を付与した。リン酸緩衝食塩水(PBS)で3回洗浄し、次いでマウス抗NP SARS-CoV-1/SARS-CoV-2、1C7C7抗体を、1μg/mlでPBS+1%のウシ血清アルブミン(BSA)に、37℃で1時間、5%のCOで添加した。このインキュベートの期間後、細胞をPBSで洗浄し、調製し、150μlの通常のブロッキングを含有する10mlのPBS中のビオチン化した二次抗体(150μl)を、37℃で30分間、5%のCOで添加した。(Vector laboratories、カタログ:PK-4000を参照)。プレートをインキュベートしている間、ABC試薬を、2滴(100ul)の試薬A及び2滴(100μl)の試薬Bを10mlのPBSに添加することにより調製した。(Vector laboratories、カタログ:PK-4000を参照)。
【0036】
二次抗体のインキュベート後、アビジン-ビオチン複合体(ABC)試薬を添加し、室温で30分間インキュベートした。プレートをPBSで3回洗浄し、基質溶液を、以下の試薬の混合物を5mlの蒸留水に添加することにより調製した。さらに基質を添加する必要がある場合、試薬を比例的に添加した。
【0037】
2滴(84μl)の3,3’ジアミノベンジジン(DAB)試薬1
4滴(100μl)のDAB試薬2
2滴(80μl)のDAB試薬3
2滴(80μl)のDAB試薬4
【0038】
プレートを、製造元の取扱説明書通りにVector DAB基質を添加することにより作成した(Vector DAB SK-4000)。プレートを3回洗浄し、プラークを計数し、ウイルス力価を以下に与えられる式を使用して計算した:
ウイルス(PFU/ml)=プラーク数×プラークが計数された際の希釈度×1/使用されるウイルス接種原[ml]
【0039】
[実施例5] 細胞培養及びウイルス伝播
Vero E6細胞(ATCC# CRL 1586)を、5~10%のFBS及び1%のP/Sを含有するDMEMで培養した。細胞を37℃、5%のCOで保持した。SARS-CoV-2のサンプルを、BEI Resourcesから入手した(2019-nCoV/USA-WAl/2020株)。ストックを、完全に細胞変性効果(CPE)を可視化するまで、2~3日間、Vero E6細胞のコンフルエントな単層の感染により調製した(T75フラスコ)。培地を収集し、-80℃での保存のためのアリコートを行う前に遠心分離により不純物を除去した。ストックの力価を、実施例4に記載されたように6ウェルプレートにおいてVero E6細胞を使用するプラークアッセイにより決定した。感染性ウイルスを伴う全ての作業は、生物学的安全性レベル3の研究所において実施した。
【0040】
ウイルス定量化のためのプラークアッセイ。24時間でのEC50アッセイ由来の培養上清を収集して、ウイルス力価を定量化した。SnPPのEC50及び2つの隣接する濃度を使用して、6ウェル又は12ウェルの培養プレートにおいて伝統的なプラークアッセイを実施した。細胞は、2~3日間細胞変性効果について観察し、次いで、固定し、染色し、プラーク計数を使用してウイルス力価を計算した。
【0041】
[実施例6] 条件1.SnPPの有効濃度決定(EC50)(SARS-CoV-2曝露及びSnPP処置を同時に)
Vero E6細胞(5×10個の細胞/ウェル、96ウェルプレートフォーマット、四重)を播種した。24時間後、段階希釈したSnPP(100uM~5nM)を、37℃で1時間SARS-CoV-2(MOI 0.05)でインキュベートした。Vero E6細胞(5×10個の細胞/ウェル、96ウェルプレートフォーマット、四重)を、37℃で1時間SARS-CoV-2(MOI 0.05)で予めインキュベートした、段階希釈したSnPP(100uM~5nM)で処置した。37℃で1時間、ウイルス-薬物混合物で細胞をインキュベートした後、ウイルス-薬物混合物を除去し、感染後培地(DMEM 2%のFBS、1%のPS)及びアビセルを添加した。細胞をウイルス(薬物なし)に曝露し、細胞のみ及びビヒクル対照を含む細胞をアッセイ対照として利用した。感染の24時間後、細胞を固定し、SARS-CoV-2と交差反応するSARS-CoV-1に対する抗NPウサギポリクローナル抗体で染色した。ウイルスプラークを、ELISPOTリーダーにおいて定量化した。
【0042】
SnPPの50mMのストック溶液を、ジメチルスルホキシド(DMSO)で作製し、アリコートを-20℃で凍結し、新しいアリコートを各実験のために取り出した。3倍段階希釈したSnPP(100μM~5nM;3倍段階希釈)を、37℃で1時間、5%のCO2で、SARS-CoV-2[感染多重度(MOI)0.01]でインキュベートした。Vero E6細胞(5×10個/ウェル;96ウェル培養プレート;24時間前に播種)を、37℃で1時間、5%のCO2で、段階希釈したSnPP(100μM~5nM)及びSARS-CoV-2(MOI 0.01)の混合物で感染させた。37℃で1時間後、ウイルス-薬物混合物を除去し、オーバーレイ(DMEM 2%のFBS、1%のペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン(PSG))を含有する1%のアビセルを添加した。ウイルス(薬物なし)に曝露した細胞、細胞のみ及びビヒクル対照(DMSO)を含む細胞を対照として含んだ。
【0043】
感染の24時間後、培養上清を収集し、実施例4に記載されたように6ウェルプラークアッセイによるウイルス定量化のために-80℃で保存した。プレートを、10%の中性緩衝ホルマリンを使用して終夜固定し、続いてPBSで3回洗浄した。細胞を、室温で15~20分間、0.5%のトリトン-X-100で透過性を付与した。洗浄後、細胞を、37℃で1時間、PBS+1%のBSA中の1μg/mlでのマウス抗NP SARS-CoV-2、1C7C7抗体で染色した。このインキュベートの後、細胞をPBSで洗浄し、150μlの通常のブロッキング血清を含有する10mlのPBS中のビオチン化した二次抗体(150μl)を、37℃で30分間添加した(Vector laboratories、カタログ:PK-4000を参照)。プレートをインキュベートしている間、ABC試薬を、2滴(100μl)の試薬A、2滴(100μl)の試薬Bを10mlのPBSに添加することにより調製した(Vector laboratories、カタログ:PK-4000を参照)。二次抗体のインキュベート後、ABC試薬を、室温で30分間添加した。PBSで3回洗浄した後、基質溶液を、以下の試薬の混合物を5mlの蒸留水に添加することにより調製し、プラークを発生させた。
【0044】
2滴(84μl)のDAB試薬1
4滴(100μl)のDAB試薬2
2滴(80μl)のDAB試薬3
2滴(80μl)のDAB試薬4
【0045】
プレートを、CTL ImmunoSpotプレートリーダー及び計数ソフトウェア(Cellular Technology Limited、Cleveland、OH、米国)を使用して読取った。ウイルス阻害パーセントを、以下のように計算した:
[(処置条件からのプラーク数-細胞のみからのプラーク数(陰性対照)/ウイルスのみからのプラーク数(陽性対照)]×100。
【0046】
希釈曲線にわたる解析に合致した非線形回帰曲線を、GraphPad Prism vs.7.0を使用して実施して、SnPPの有効濃度50(EC50)を計算した。
【0047】
結果:条件1.(ウイルス曝露及び薬物処置を同時に);SnPPの有効濃度決定(EC50
SARS-CoV-2を直接不活化するSnPP(RBT-9)の能力を評価した。SnPPは、1.32μMの平均EC50を有するSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を示した(図2及び表1)。陰性ビヒクル対照(DMSO)もまた、SnPP濃度と同等に希釈し、その最大濃度まで不活性であることを見出した。ウイルス感染単独(対照)で得られたプラークの平均数は、100%のウイルス感染とみなされた。(実際の数は、表1に示されている。)
【0048】
【表1】
【0049】
最近接ウェル(1.23μMウェル)からSnPP EC50濃度(1.32μMウェル)までのウイルス定量化を測定し、ウイルス成長の46.2%の低下をウイルス単独の対照ウェルに対して示した(0.98×10PFU/ml対1.83×10PFU/ml、それぞれ、表2)。約98.6%のウイルス低下は、SnPPに対して3.7μMの濃度で検出された(SnPP EC50値より3倍高い。)。しかし、ウイルス負荷における低下は、SnPPに対して0.411μMの濃度で検出されなかった(SnPP EC50値の3分の1)。
【0050】
【表2】
【0051】
[実施例7] 条件2.SnPPの有効濃度決定(EC50)(ウイルス曝露後の薬物処置)
Vero E6細胞(5×10個の細胞/ウェル、96ウェルプレートフォーマット、四重)をSARS-CoV-2(MOI 0.05)に感染させた。37℃でのウイルス吸収の1時間後、ウイルス接種原を除去し、段階希釈したSnPP(100μM~5nM)を含有する感染後培地(DMEM 2%のFBS、1%のPS)及びアビセルを添加した。ウイルスに曝露した細胞(薬物なし)、細胞のみ、ビヒクル及び陽性対照(レムデシビル)を含む細胞を内部対照として使用した。感染の24時間後、細胞を固定し、透過性を付与し、SARS-CoV-2と交差反応するSARS-CoV-1に対して抗NPウサギポリクローナル抗体で染色した。ウイルスプラークを、ELISPOTリーダーにおいて定量化した。
【0052】
SnPPの50mMのストックをDMSOで作製し、アリコートを-20℃で凍結し、新しいアリコートを各実験のために取り出した。Vero E6細胞(5×10個/ウェル;96ウェル培養プレート;24時間前に播種)を、37℃で1時間、5%のCO2で、SARS-CoV-2(MOI 0.01)で感染させた。37℃、5%のCO2でのウイルス吸収の1時間後、ウイルス接種原を除去し、3倍段階希釈したSnPP(100μM~5nM、3倍段階希釈)を含有する感染後培地(DMEM 2%のFBS、1%のPS)及び1%のアビセルを添加した。ウイルスに曝露した細胞(薬物なし)、細胞のみ、ビヒクル(DMSO)及び対照のレムデシビル(50μM~2.5nM;3倍段階希釈)を含む細胞を対照として含んだ。感染の24時間後、培養上清を収集し、実施例4に記載されたように6ウェルプラークアッセイによるウイルス定量化のために-80℃で保存した。
【0053】
プレートを、10%の中性緩衝ホルマリンを使用して終夜固定し、続いてPBSで3回洗浄した。細胞を、室温で15~20分間、0.5%のトリトン-X-100で透過性を付与した。洗浄後、細胞を、37℃で1時間、PBS+1%のBSA中の1μg/mlでのマウス抗NP SARS-CoV-2、1C7C7抗体で染色した。このインキュベートの後、細胞をPBSで洗浄し、150μlの通常のブロッキング血清を含有する10mlのPBS中のビオチン化した二次抗体(150μl)を、37℃で30分間添加した(Vector laboratories、カタログ:PK-4000を参照)。プレートをインキュベートしている間、ABC試薬を、2滴(100μl)の試薬A及び2滴(100μl)の試薬Bを10mlのPBSに添加することにより調製した(Vector laboratories、カタログ:PK-4000を参照)。二次抗体のインキュベート後、ABC試薬を、室温で30分間添加した。
【0054】
PBSで3回プレートを洗浄した後、基質溶液を、以下の試薬の混合物を5mlの蒸留水に添加することにより調製し、プラークを発生させた。
【0055】
2滴(84μl)のDAB試薬1
4滴(100μl)のDAB試薬2
2滴(80μl)のDAB試薬3
2滴(80μl)のDAB試薬4
【0056】
プレートを、CTL ImmunoSpotプレートリーダー及び計数ソフトウェア(Cellular Technology Limited、Cleveland、OH、米国)を使用して読取った。ウイルス阻害パーセントを、以下のように計算した:
[(処置条件からのプラーク数-細胞のみからのプラーク数(陰性対照)/ウイルスのみからのプラーク数(陽性対照)]×100。
【0057】
希釈曲線に合致した非線形回帰曲線を、GraphPad Prism vs.7.0を使用して実施して、SnPPの有効濃度50(EC50)を計算した。
【0058】
結果
SARS-CoV-2複製に影響を及ぼすSnPPの能力を検査した。SnPPは、45.73μMの平均EC50を有するSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を示した(図3A及び表3)。陽性対照として利用したレムデシビル(EC50 1.758μM;図3B及び表3)。ウイルスのみ(対照)で得られたプラークの平均数は、100%のウイルス感染を表すとみなされた。(実際の数は、表3に示されている。)
【0059】
【表3】
【0060】
ウイルス力価を、プラークアッセイによりSnPP EC50濃度(45.73μMのEC50)周囲の近接ウェル(33.33μMウェル)において定量化した。ウイルスは、EC50より3倍高い濃度(100μM)では検出することはできなかった。しかし、EC50より3分の1の濃度(11.1μM)で、約48%のウイルス阻害が、対照ウェル(ウイルス単独)に対して観察された(2×10PFU/ml対3.91×10PFU/ml、それぞれ)。
【0061】
【表4】
【0062】
結果は、SnPPが、解析GraphPad Prism vs.7に合致した非線形回帰曲線により計算した、1.32μMのEC50での直接的なSARS-CoV-2の不活化及び45.73μMのEC50でのSARS-CoV-2複製で抗ウイルスの有効性を示すことを指摘する。
【0063】
CC50がSARS-CoV-2の存在下でVero E6細胞株において30μMより大きいことを記述したデータは、国立衛生研究所(NIH)における国立先端トランスレーショナル科学センター(NCATS)グループから先に得られた。上記の実施例における試験は、SnPPの細胞変性効果(CPE)は観察されず、細胞の破壊はなかったことを意味した(例えば、細胞生存率が維持された。)。ゆえに、本発明者らは、これらのデータがSARS-CoV-2の不活化による抗ウイルスの有効性を示すとみなした。
【0064】
[実施例8] 一次CPEアッセイ
以下のアッセイは、「Reduction of virus-induced cytopathic effect(Primary CPE Assay)」、Institute for Antiviral Research、ユタ州立大学、2020年4月28日に記載される。
【0065】
Vero 76細胞のコンフルエント又はコンフルエントに近い細胞培養の単層を、検査の前日に96ウェルの使い捨てマイクロプレートにおいて調製する。細胞を5%のFBSで補充された最小必須培地(MEM)において保持する。抗ウイルスアッセイに対して、同じ培地を使用するが、FBSを2%まで低下させ、50μg/mlのゲンタマイシンで補充させた。化合物を、DMSO、食塩水又は提出者により要求される希釈剤に溶解する。溶解性の低い化合物をボルテックスし、加熱し、超音波処理し、これらが依然として溶液になっていない場合は、コロイド懸濁液として検査される。試験化合物を、4つの一続きのlog10濃度、通常0.1、1.0、10及び100μg/ml又はμM(提供企業の嗜好による)で調製する。より低い濃度は、不十分な化合物が提供される場合に使用される。5つのマイクロウェルを希釈ごとに使用し、3つは感染した培養に対して、2つは感染していない毒性培養に対して使用した。実験に対する対照は、各プレート上に、感染したが処置していない6つのマイクロウェル(ウイルス対照)及び未処置で感染していない6つのマイクロウェル(細胞対照)からなる。公知の活性薬を、試験化合物に適用されるのと同じ方法を使用して陽性対照薬として並行して検査する。陽性対照は、検査を実行するごとに検査する。
【0066】
成長培地を細胞から除去し、試験化合物を2倍濃度でウェルに0.1mlの体積で適用する。ウイルスは、0.1mlの体積における約60個のCCID50(50%の細胞培養の感染用量)で正常であるが、ウイルス感染に対して指定されたウェルに添加される。ウイルスを含まない培地を、毒性対照ウェル及び細胞対照ウェルに置く。プレートを、印付けしたCPE(最多のウイルス株に対して80%超のCPE)がウイルス対照ウェルにおいて観察されるまで、37℃、5%のCOでインキュベートした。次いで、プレートを、5%のCOのインキュベータにおいて37℃でおよそ2時間、0.011%のニュートラルレッドで染色する。ニュートラルレッド培地を完全に吸引することにより除去し、細胞をリン酸緩衝溶液(PBS)で1回すすいで、残存した染料を除去することができる。PBSを完全に除去し、組み込まれたニュートラルレッドを、少なくとも30分間、50%のセーレンセンのクエン酸緩衝液/50%のエタノールで溶出する。ニュートラルレッド染料は生細胞に浸透するので、赤色がより強いと、ウェルに存在する生存細胞の数がより大きい。各ウェルの染料の含量は、540nmの波長での分光測光器を使用して定量化する。各セットのウェルの染料の含量は、Microsoft Excelのコンピュータに基づくスプレッドシートを使用して未処置の対照ウェルに存在する染料の百分率に変換し、ウイルス対照に基づいて正規化する。次いで、50%の有効(EC50、ウイルス阻害)濃度及び50%の細胞傷害(CC50、細胞阻害)濃度を回帰分析で計算する。EC50で除算したCC50の商は、選択性指数(SI)値を示す。10を超えるSI値を示す化合物は活性とみなされる。
【0067】
ウイルス収率の低下(二次VYRアッセイ)
活性化合物は、確認アッセイにおいてさらに検査される。本アッセイは、上述の方法に類似して設定し、8つのみの半log10濃度の阻害剤を抗ウイルス活性及び細胞傷害性に対して検査する。ウイルス複製が十分に起こった後(SARS-CoV-2に対して3日)、上清のサンプルを各感染したウェルから採取し(3つの複製ウェルをプールする。)、直ちに検査するか、又は後のウイルス力価の決定のために-80℃で凍結を保持する。最大のCPEを観察した後、生存プレートをニュートラルレッド染料で染色する。組み込まれた染料の含量を、上述の通りに定量化して、EC50値及びCC50値を生成する。
【0068】
VYR検査は、試験化合物がウイルス複製をどの程度阻害するかの直接的な決定である。試験化合物の存在下で得られるウイルスを滴定し、未処置のウイルス対照からのウイルス力価と比較する。ウイルスサンプル(上記の段落で記載した通りに収集)の滴定を、エンドポイント希釈により実施する(Reed,L.J.及びH.Muench、「A Simple Method of Estimating Fifty Percent Endpoints」Am J Hyg 27(1938):493~98頁)。
【0069】
ウイルスの段階1/10希釈を行い、Vero 76細胞の新鮮な細胞単層を含有する4つの複製ウェルにプレーティングする。次いで、プレートをインキュベートし、異なるCPEが観察された後、細胞をウイルスの有無についてスコア付けし、CCID50をリード-ミュンヒの方法を使用して計算する。90%(1log10)の有効濃度(EC90)は、阻害剤濃度のlog10対各濃度で生成したウイルスのlog10をプロットすることによる回帰分析により計算する。EC90をCC50で除算することで、本検査に対するSI値を得る。
【0070】
[実施例9] 二次VYRアッセイの結果
【0071】
【表5】
【0072】
上記のデータを、上記の実施例8に記載した二次VYRアッセイにしたがって得た。VYRアッセイからの結果は、SARS-CoV-2に対するRBT-9の抗ウイルス活性を確認した。RBT-9は、0.97μMの濃度(EC50)でウイルス複製の90%を阻害した。この濃度は、39μMの50%細胞毒性濃度の40分の1であった。
【0073】
本発明の他の実施形態及び使用は、明細書及び本明細書に開示される本発明の実行を考慮すると当業者には明らかである。全ての米国及び外国の特許及び特許出願を含む、本明細書に記載される全ての参考文献は、具体的かつ完全に参照により本明細書に組み込まれる。本明細書及び実施例が、以下の特許請求の範囲により示された本発明の真の範囲及び趣旨と共に例示のみとみなすべきであることは意図される。
図1
図2
図3A
図3B
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンベロープウイルス感染による合併症を発症する危険性があるヒト患者において、エンベロープウイルス感染を治療するための医薬組成物であって、
金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含む、医薬組成物
【請求項2】
金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンが、錫プロトポルフィリンix(SnPP)、錫メソポルフィリンix、コバルトプロトポルフィリンix、コバルトメソポルフィリンix、亜鉛プロトポルフィリンix又は亜鉛メソポルフィリンixである、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項3】
エンベロープウイルス感染が、SARS-COV-2である、請求項1又は2に記載の医薬組成物
【請求項4】
患者が、呼吸器系ウイルス感染に対して陽性が出ている、請求項1~3のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項5】
患者が、呼吸器系ウイルス感染に対して陽性が出ており、肺炎の症状を発症していない、請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項6】
患者が、SARS-COV-2感染に曝露されているが、コロナウイルス感染に対して陽性が出ていない、請求項1~5のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項7】
患者が、SARS-COV-2に伴う合併症に対して1つ以上の危険因子を呈する、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項8】
患者が、60歳以上であり、1μg/Lを超えるd-ダイマーを有し、1以上の構造的臓器不全評価(SOFA)スコアを有する、請求項1~7のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項9】
患者が、SARS-COV-2に伴う合併症に対してより高い危険性を伴う共存症に罹患している、請求項1~8のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項10】
患者が、高血圧症、糖尿病、冠動脈性心疾患又は慢性閉塞性肺疾患の1つ以上を含む共存症に罹患している、請求項1~9のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項11】
コロナウイルス感染による合併症を発症する危険性があるヒト患者において、コロナウイルス感染を治療するための医薬組成物であって、
コバラミンを含む、医薬組成物
【請求項12】
コバラミンが、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン又は5-デオキシアデノシルコバラミンである、請求項11に記載の医薬組成物
【請求項13】
コロナウイルスが、SARS-COV-2である、請求項11又は12に記載の医薬組成物
【請求項14】
患者が、コロナウイルス感染に対して陽性が出ている、請求項11~13のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項15】
患者が、コロナウイルス感染に対して陽性が出ており、肺炎の症状を発症していない、請求項11~14のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項16】
患者が、コロナウイルス感染に曝露されているが、コロナウイルス感染に対して陽性が出ていない、請求項11~15のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項17】
患者が、SARS-COV-2に伴う合併症に対して1つ以上の危険因子を呈する、請求項11~16のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項18】
患者が、60歳以上であり、1μg/Lを超えるd-ダイマーを有し、1以上のSOFAスコアを有する、請求項11~17のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項19】
患者が、SARS-COV-2に伴う合併症に対してより高い危険性を伴う共存症に罹患している、請求項11~18のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項20】
患者が、高血圧症、糖尿病、冠動脈性心疾患又は慢性閉塞性肺疾患の1つ以上を含む共存症に罹患している、請求項11~19のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項21】
エンベロープウイルス感染を治療又は予防するための医薬組成物であって、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含む鼻腔内組成物を含む、医薬組成物
【請求項22】
鼻腔内組成物が、SnPPを含む、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項23】
鼻腔内組成物が、介護施設、刑務所、精肉加工施設で配布されている、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項24】
患者が、サイトカインストームを経験している、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項25】
エンベロープウイルスが、コロナウイルスである、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項26】
コロナウイルスが、SARS-COV-2である、請求項25に記載の医薬組成物
【請求項27】
鼻腔内組成物が、洗浄、滴下、噴出システム、噴霧、鼻腔保護物、洗浄液又は綿棒として投与される、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項28】
鼻腔内組成物が、局所用液剤、局所用ゲル剤又は吸入液剤である、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項29】
鼻腔内組成物が、生理学的に許容されるpHを有する、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項30】
エンベロープウイルス感染を治療又は予防するためのフェイスマスクであって、フェイスマスクが、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含む抗ウイルス組成物を含み、フェイスマスクが適用される際、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンが、エンベロープウイルス感染を治療又は予防するのに有効な量でヒトの鼻腔に入る、フェイスマスク
【請求項31】
抗ウイルス組成物が、SnPPを含む、請求項30に記載のフェイスマスク
【請求項32】
フェイスマスクが、介護施設、刑務所、精肉加工施設で配布されている、請求項30に記載のフェイスマスク
【請求項33】
患者が、サイトカインストームを経験している、請求項30に記載のフェイスマスク
【請求項34】
エンベロープウイルスが、コロナウイルスである、請求項30に記載のフェイスマスク
【請求項35】
コロナウイルスが、SARS-COV-2である、請求項34に記載のフェイスマスク
【請求項36】
エンベロープウイルス感染の治療又は予防のための鼻腔内組成物であって、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含み、ヒトの鼻腔内投与に好適である、鼻腔内組成物。
【請求項37】
局所用液剤、局所用ゲル剤又は吸入液剤である、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項38】
5.5~6.5の範囲のpHを有する、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項39】
等張性である、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項40】
SnPPを含む、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項41】
洗浄、滴下、噴出システム、噴霧、鼻腔保護物又は綿棒の形態である、請求項36に記載の鼻腔内組成物。
【請求項42】
エンベロープウイルスの広がりの軽減又は予防の方法であって、フェイスマスクヒトに適用され、フェイスマスクが、金属プロトポルフィリン又は金属メソポルフィリンを含む抗ウイルス組成物を含み、ヒトによりフェイスマスクに発散又は吐出されたエンベロープウイルスの粒子が、抗ウイルス組成物により破壊又は中和される、方法。
【請求項43】
抗ウイルス組成物が、SnPPを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
フェイスマスクが、介護施設、刑務所、精肉加工施設で配布されている、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
患者が、サイトカインストームを経験している、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
エンベロープウイルスが、コロナウイルスである、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
コロナウイルスが、SARS-COV-2である、請求項42に記載の方法。
【国際調査報告】