IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司の特許一覧 ▶ 成都京東方光電科技有限公司の特許一覧

特表2023-520613表示基板及びその製造方法、表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230511BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230511BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20230511BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20230511BHJP
   H10K 50/115 20230101ALI20230511BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20230511BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20230511BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20230511BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20230511BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20230511BHJP
   H10K 59/65 20230101ALI20230511BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20230511BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20230511BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/00 338
H05B33/14 Z
H05B33/02
H10K50/115
H05B33/10
H05B33/04
H10K71/00
H10K59/131
H10K59/80
H10K59/65
H10K77/10
H10K50/844
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503526
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(85)【翻訳文提出日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2021080875
(87)【国際公開番号】W WO2021203917
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/083829
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヒュイジュアン
(72)【発明者】
【氏名】フー ユーペン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユー
(72)【発明者】
【氏名】シャン ティンフア
(72)【発明者】
【氏名】ジャン イーヤン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC36
3K107CC41
3K107DD39
3K107DD44Z
3K107DD89
3K107DD90
3K107DD92
3K107EE03
3K107EE41
3K107EE46
3K107EE54
3K107EE68
3K107FF15
3K107GG51
5C094AA14
5C094AA15
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA20
5C094DA07
5C094DA15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094GB10
5G435AA18
5G435BB04
5G435BB05
5G435CC09
5G435EE49
5G435KK05
(57)【要約】
表示基板が提供され、当該表示基板は、表示領域と、孔縁領域と、少なくとも1つの配線領域と、少なくとも1つのスルーホール領域と、少なくとも1つのブラインドホール領域と、を備え、少なくとも1つの配線領域は、それぞれ1つのスルーホール領域又は1つのブラインドホール領域を囲み、前記孔縁領域は、前記配線領域を囲み、前記表示領域は、前記スルーホール領域を囲み、ここで、前記表示基板は、ベース基板と、前記ベース基板上に設けられる駆動回路層と、を含む。前記ベース基板は、前記スルーホール領域にスルーホールを有する。前記駆動回路層は、少なくとも1つの金属層と、少なくとも1つの絶縁層と、を含み、少なくとも1つの金属層は、前記表示領域及び前記配線領域に位置し;前記少なくとも1つの金属層は、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域を避けて設けられる複数の信号線を有する。少なくとも1つの絶縁層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域及び前記ブラインドホール領域に位置する。ここで、前記ブラインドホール領域は光を透過する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、
表示領域と、孔縁領域と、少なくとも1つの配線領域と、少なくとも1つのスルーホール領域と、少なくとも1つのブラインドホール領域と、を含み、前記少なくとも1つの配線領域はそれぞれ1つのスルーホール領域又は1つのブラインドホール領域を囲み、前記孔縁領域は、前記配線領域を囲み、前記表示領域は、前記孔縁領域を囲み、
ここで、前記表示基板は、
前記スルーホール領域にスルーホールを有するベース基板と、
前記ベース基板上に設けられる駆動回路層と、を備え、
前記駆動回路層は、少なくとも1つの金属層と少なくとも1つの絶縁層とを含み、
前記少なくとも1つの金属層は、前記表示領域、前記孔縁領域及び前記配線領域に位置し、前記少なくとも1つの金属層は、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域を避けて設けられる複数の信号線を含み、
前記少なくとも1つの絶縁層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域及び前記ブラインドホール領域に位置し、
前記ブラインドホール領域は光を透過する、
表示基板。
【請求項2】
請求項1に記載の表示基板であって、
前記少なくとも1つのスルーホール領域は2つのスルーホール領域を含み、前記少なくとも1つのブラインドホール領域は1つのブラインドホール領域を含み、且つ前記ブラインドホール領域は前記2つのスルーホール領域の間に設けられる、
表示基板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示基板であって、
前記スルーホール領域の形状は、円形又は略楕円形であり;
前記ブラインドホール領域の形状は、矩形、角丸矩形、幅の異なる矩形がその長手方向に沿って接合された形状、又は幅の異なる角丸矩形がその長手方向に沿って接合された形状である、
表示基板。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示基板であって、
前記複数の信号線は、複数のデータ線及び複数のゲート駆動信号線を含み;
前記複数のゲート駆動信号線は、全体的に第1方向に沿って延在し;前記複数のデータ線は、全体的に第2方向に沿って延在し;
ここで、前記第1方向と前記第2方向とは交差し;
少なくとも1つのデータ線は、前記配線領域に位置し、且つ前記スルーホール領域の周囲に沿って迂回する部分、及び/又は、前記ブラインドホール領域の周囲に沿って迂回する部分を含み;
少なくとも1つのゲート駆動信号線は、前記配線領域に位置し、且つ前記スルーホール領域の周囲に沿って迂回する部分、及び/又は、前記ブラインドホール領域の周囲に沿って迂回する部分を含む、
表示基板。
【請求項5】
請求項4に記載の表示基板であって、
前記複数の信号線は、複数の初期化信号線をさらに含み;
前記複数の初期化信号線は、全体的に前記第1方向に沿って延在し;
少なくとも1つの初期化信号線は、前記配線領域に位置し、且つ前記スルーホール領域の周囲に沿って迂回する部分、及び/又は、前記ブラインドホール領域の周囲に沿って迂回する部分を含む、
表示基板。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の表示基板であって、
前記複数の信号線は、複数の発光制御信号線をさらに含み;
前記複数の発光制御信号線は、全体的に前記第1方向に沿って延在し;
少なくとも1つの発光制御信号線は、前記配線領域に位置し、且つ前記スルーホール領域の周囲に沿って迂回する部分、及び/又は、前記ブラインドホール領域の周囲に沿って迂回する部分を含み;
又は、
少なくとも1つの発光制御信号線は、前記表示領域及び前記孔縁領域に位置する部分を含み、且つ前記第1方向に沿って前記スルーホール領域及び/又は前記ブラインドホール領域まで延在する位置で分断される、
表示基板。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の表示基板であって、
前記少なくとも1つの金属層は、第1ゲート層と、第2ゲート層と、ソース・ドレイン金属層と、を含み;前記少なくとも1つの絶縁層は、第1絶縁層と、第2絶縁層と、層間絶縁層と、を含み;
前記駆動回路層は、前記表示領域及び前記孔縁領域に位置する半導体層をさらに含み;
前記半導体層は、前記ベース基板の一側に設けられ;
前記第1絶縁層は、前記半導体層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;
前記第1ゲート層は、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;
前記第2絶縁層は、前記第1ゲート層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;
前記第2ゲート層は、前記第2絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;
前記層間絶縁層は、前記第2ゲート層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;
前記ソース・ドレイン金属層は、前記第2ゲート層の前記ベース基板から離れた側に設けられる、
表示基板。
【請求項8】
請求項7に記載の表示基板であって、
前記複数の信号線が、複数のデータ線と、複数の発光制御信号線と、複数のゲート駆動信号線と、複数の初期化信号線と、を含む場合、
前記複数のデータ線は、前記ソース・ドレイン金属層に位置し;
前記複数の発光制御信号線及び前記複数のゲート駆動信号線は、前記第1ゲート層に位置し;
前記複数の初期化信号線は、前記第2ゲート層に位置する、
表示基板。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の表示基板であって、
さらに、前記駆動回路層のベース基板から離れた側に設けられる発光素子層を備え;
前記発光素子層は、前記表示領域及び前記孔縁領域に位置し;
前記発光素子層は、
前記駆動回路層の前記ベース基板から離れた側に設けられる第1電極層、ここで、前記第1電極層は、複数の第1電極を含む;
前記第1電極層のベース基板から離れた側に設けられる画素定義層、ここで、前記画素定義層内に、各々が1つの第1電極の1つの少なくとも一部を露出する複数の開口が設けられる;
前記第1電極層の前記ベース基板から離れた側に設けられる機能層、ここで、前記機能層は、各々が1つの開口内に位置する複数の発光部を含む;及び
前記機能層及び前記画素定義層の前記ベース基板から離れた側に設けられる第2電極層;を含み;
前記表示領域には、各々が画素回路と発光素子とを含む複数の画素構造が設けられ;前記発光素子は、前記画素回路に電気的に接続される第1電極と、発光部と、前記第2電極層のうちの前記発光部に対応する部分と、を含み;
前記孔縁領域には、各々が冗長画素回路及び/又は冗長発光素子を含む複数の冗長画素構造が設けられ;前記冗長発光素子は、発光部と、前記第2電極層のうちの当該発光部に対応する部分と、を含み;又は、前記冗長発光素子は、第1電極と、発光部と、前記第2電極層のうちの前記発光部に対応する部分と、を含み、前記第1電極は、前記冗長画素回路に電気的に接続されない、
表示基板。
【請求項10】
請求項9に記載の表示基板であって、
前記画素回路及び前記冗長画素回路は、いずれも、少なくとも1つの薄膜トランジスタを含み、前記薄膜トランジスタは、活性層、ゲート、ソース、及びドレインを有し;
前記活性層は前記半導体層に位置し、前記ゲートは前記第1ゲート層に位置し、前記ソース及び前記ドレインは前記ソース・ドレイン金属層に位置し;
前記孔縁領域は、前記配線領域に近い第1サブ領域と、前記第1サブ領域以外の第2サブ領域と、を含み;
前記表示基板は、
さらに、前記孔縁領域の第2サブ領域に設けられる複数のビア、ここで、各ビアは、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁層を貫通し、前記複数の冗長画素回路は、前記孔縁領域の第2サブ領域に設けられ、前記複数の冗長画素回路における各薄膜トランジスタのソース及びドレインは、前記ビアにより前記活性層に電気的に接続される;
前記孔縁領域の第1サブ領域に設けられる複数の冗長ビア、ここで、各冗長ビアは、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁層を貫通する;及び
前記駆動回路層と前記発光素子層との間に設けられる平坦化層、ここで、前記平坦化層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域及び前記ブラインドホール領域に位置し、前記平坦化層の一部は、前記複数の冗長ビアを充填する;
を備える、
表示基板。
【請求項11】
請求項10に記載の表示基板であって、
さらに、少なくとも1つの封止ダム領域を有し;
各封止ダム領域は、1つのスルーホール領域と当該スルーホール領域を囲む配線領域との間に位置し、且つ前記スルーホール領域を囲み;
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁層は、前記少なくとも1つの封止ダム領域にさらに位置し;
前記表示基板は、さらに、複数の封止ダムを備え;
各封止ダム領域には、前記スルーホール領域を囲む少なくとも1つの封止ダムが設けられ、且つ前記封止ダムは、前記駆動回路層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;
各封止ダム領域に少なくとも2つの封止ダムが設けられる場合、前記少なくとも2つの封止ダムは、前記スルーホール領域の径方向に沿って順次に間隔をあけて配置される、
表示基板。
【請求項12】
請求項11に記載の表示基板であって、
各封止ダム領域に設けられる少なくとも1つの封止ダムは、第1封止ダム及び第2封止ダムを含み、前記第1封止ダムは、前記第2封止ダムの前記スルーホール領域から離れた側に位置し;
前記第2封止ダムの第3方向に沿った厚さは、前記第1封止ダムの第3方向に沿った厚さよりも大きく;ここで、前記第3方向は前記ベース基板に対して垂直であり;
前記第2封止ダムは、
前記平坦化層と同じ層に設けられる第1部と、
前記第1部の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記画素定義層と同じ層に設けられる第2部と、
前記第2部の前記ベース基板から離れた側に設けられる第1スペーサ部と、を含み、
前記第1封止ダムは、
前記画素定義層と同じ層に設けられる第3部と、
前記第3部の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記第1スペーサ部と同じ材料で同じ層に設けられる第2スペーサ部と、を含む、
表示基板。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の表示基板であって、
さらに、少なくとも1つの第1分離領域と、少なくとも1つの第2分離領域とを含み;
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁層は、前記少なくとも1つの第1分離領域及び前記少なくとも1つの第2分離領域にさらに位置し;
各第1分離領域は、前記配線領域と前記封止ダム領域との間に位置し、且つ前記封止ダム領域を囲み;各第2分離領域は、前記スルーホール領域と前記封止ダム領域との間に位置し、且つ前記スルーホール領域を囲み;
前記表示基板は、
さらに、複数の第1分離柱、ここで、各第1分離領域には、少なくとも1つの第1分離柱が設けられ、各第1分離柱は、前記第1封止ダムを囲むように設けられ、前記第1分離柱は、前記層間絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記第1分離柱の側壁には、溝が設けられる;及び
複数の第2分離柱、ここで、各第2分離領域には、少なくとも1つの第2分離柱が設けられ、各第2分離柱は前記スルーホール領域を囲むように設けられ、前記第2分離柱は前記層間絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記第2分離柱の側壁には、溝が設けられる;
を備える、
表示基板。
【請求項14】
請求項13記載の表示基板であって、前記第1分離柱及び前記第2分離柱は、前記ソース・ドレイン金属層に位置する、表示基板。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の表示基板であって、
前記第1分離柱及び前記第2分離柱は、いずれも、順次に積層されて設けられる第1金属パターン、第2金属パターン、及び第3金属パターンを含み;前記第1分離柱の側壁及び前記第2分離柱の側壁に前記溝を形成するように、前記第2金属パターンの前記ベース基板上への正投影の外境界は、前記第1金属パターン及び前記第3金属パターンの前記ベース基板上への正投影の外境界の内側に位置する、
表示基板。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか1項に記載の表示基板であって、
前記第2分離領域には、少なくとも1つの第4金属パターンと、少なくとも1つの第5金属パターンとがさらに設けられ;前記第4金属パターンは、前記第1ゲート層に位置し、前記第5金属パターンは、前記第2ゲート層に位置し;
各第4金属パターン及び各第5金属パターンは、前記スルーホール領域を囲み;
前記第2分離柱、第4金属パターン及び第5金属パターンの3者は、前記ベース基板上への正投影において共通の重なり領域を有する、
表示基板。
【請求項17】
請求項13~16のいずれか1項に記載の表示基板であって、
各第1分離領域に少なくとも2つの第1分離柱が設けられる場合、前記少なくとも2つの第1分離柱は、前記スルーホール領域の径方向に沿って順次に間隔をあけて配置され;
前記駆動回路層のうち、隣接する2つの第1分離柱の間に位置する部分は、前記ベース基板を露出する第1スロットを有し;
各第2分離領域に少なくとも2つの第2分離柱が設けられる場合、前記少なくとも2つの第2分離柱は、前記スルーホール領域の径方向に沿って順次に間隔をあけて配置され;
前記駆動回路層のうち、隣接する2つの第2分離柱の間に位置する部分は、凹部を有する、
表示基板。
【請求項18】
請求項13~17のいずれか1項に記載の表示基板であって、
さらに、前記発光素子層の前記ベース基板から離れた側に設けられる封止層を備え、
前記封止層は、
前記発光素子層の前記ベース基板から離れた側に設けられる第1無機封止薄膜層、ここで、前記第1無機封止薄膜層は、前記第2分離領域、前記封止ダム領域、前記第1分離領域、前記配線領域、前記孔縁領域、前記表示領域、及び前記ブラインドホール領域に位置する;
前記第1無機封止薄膜層の前記ベース基板から離れた側に設けられる有機封止薄膜層、ここで、前記有機封止薄膜層は、前記封止ダム領域、前記第1分離領域、前記配線領域、前記孔縁領域、前記表示領域、及び前記ブラインドホール領域に位置する;及び
前記有機封止薄膜層の前記ベース基板から離れた側に設けられる第2無機封止薄膜層、ここで、前記第2無機封止薄膜層は、前記第2分離領域、前記封止ダム領域、前記第1分離領域、前記配線領域、前記孔縁領域、前記表示領域、及び前記ブラインドホール領域に位置する;
を含む、
表示基板。
【請求項19】
表示装置であって、
請求項1~18のいずれか1項に記載の表示基板と、
少なくとも1つの第1センサと、
少なくとも1つの第2センサと、を備え、
各第1センサは、1つのスルーホール領域に設けられ、
各第2センサは、1つのブラインドホール領域に設けられる、
表示装置。
【請求項20】
請求項19に記載の表示装置であって、
前記少なくとも1つの第1センサは、カメラを含み、前記少なくとも1つの第2センサは、赤外線センサ、近接光センサ、投光照明器、及び周辺光センサのうちの少なくとも1つを含む、表示装置。
【請求項21】
表示基板の製造方法であって、
ベース基板を提供すること、ここで、前記ベース基板は、表示領域、孔縁領域、少なくとも1つの配線領域、少なくとも1つのスルーホール領域及び少なくとも1つのブラインドホール領域を含み、前記少なくとも1つの配線領域は、それぞれ1つのスルーホール領域又は1つのブラインドホール領域を囲み、前記孔縁領域は、前記配線領域を囲み、前記表示領域は、前記孔縁領域を囲む;
前記ベース基板上に駆動回路層を形成すること、ここで、前記駆動回路層は、少なくとも1つの金属層と、少なくとも1つの絶縁層とを含み、前記少なくとも1つの金属層は、前記表示領域、前記孔縁領域、及び前記配線領域に位置し、前記少なくとも1つの金属層は、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域を避けて設けられる複数の信号線を有し、前記少なくとも1つの絶縁層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域に位置する;
前記駆動回路層の前記ベース基板から離れた側に平坦化層を形成すること、ここで、前記平坦化層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域に位置する;
前記平坦化層の前記ベース基板から離れた側に発光素子層を形成すること、ここで、前記発光素子層は、前記表示領域及び前記孔縁領域に位置する;
前記発光素子層の前記ベース基板から離れた側に封止層を形成すること、ここで、前記封止層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域に位置する;及び
前記ベース基板、前記駆動回路層、前記平坦化層、及び前記封止層の前記スルーホール領域に位置する部分を除去すること;
を含む、表示基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本開示は、2020年04月08日に出願された出願番号がPCT/CN2020/083829である国際出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示は、表示技術分野に属し、特に、表示基板及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示装置において、電子機器製品の益々の画面占有率の向上に対するユーザーの求めを満たすために、一般的に、フレキシブルパネルに溝や穴などを開けている。現在、表示パネルの画面占有率を比較的高くすることができるより成熟した技術は、穴開きディスプレイ(hole-in-display)技術である。
【0004】
穴開きディスプレイ技術は、表示パネルの表示領域(Active Area)の一部を犠牲にする必要があり、当該犠牲にした表示領域はカメラやセンサ等の光学センサを配置するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様において、表示基板が提供される。当該表示基板は、表示領域と、孔縁領域と、少なくとも1つの配線領域と、少なくとも1つのスルーホール領域と、少なくとも1つのブラインドホール領域と、を含み、前記少なくとも1つの配線領域はそれぞれ1つのスルーホール領域又は1つのブラインドホール領域を囲み、前記孔縁領域は、前記配線領域を囲み、前記表示領域は、前記孔縁領域を囲み、ここで、前記表示基板は、ベース基板と、前記ベース基板上に設けられる駆動回路層と、を備える。前記ベース基板は、前記スルーホール領域にスルーホールを有する。
【0006】
前記駆動回路層は、少なくとも1つの金属層と少なくとも1つの絶縁層とを含む。前記少なくとも1つの金属層は、前記表示領域、前記孔縁領域及び前記配線領域に位置し;前記少なくとも1つの金属層は、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域を避けて設けられる複数の信号線を含む。前記少なくとも1つの絶縁層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域及び前記ブラインドホール領域に位置する。ここで、前記ブラインドホール領域は光を透過する。
【0007】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つのスルーホール領域は2つのスルーホール領域を含み、前記少なくとも1つのブラインドホール領域は1つのブラインドホール領域を含み、且つ前記ブラインドホール領域は前記2つのスルーホール領域の間に設けられる。
【0008】
幾つかの実施例において、前記スルーホール領域の形状は、円形又は略楕円形であり;前記ブラインドホール領域の形状は、矩形、角丸矩形、幅の異なる矩形がその長手方向に沿って接合された形状、又は幅の異なる角丸矩形がその長手方向に沿って接合された形状である。
【0009】
幾つかの実施例において、前記複数の信号線は、複数のデータ線と複数のゲート駆動信号線とを含む。前記複数のゲート駆動信号線は、全体的に第1方向に沿って延在し;前記複数のデータ線は、全体的に第2方向に沿って延在する。ここで、前記第1方向と前記第2方向とは交差する。
【0010】
少なくとも1つのデータ線は、前記配線領域に位置し、且つ前記スルーホール領域の周囲に沿って迂回する部分、及び/又は、前記ブラインドホール領域の周囲に沿って迂回する部分を含み;少なくとも1つのゲート駆動信号線は、前記配線領域に位置し、且つ前記スルーホール領域の周囲に沿って迂回する部分、及び/又は、前記ブラインドホール領域の周囲に沿って迂回する部分を含む。
【0011】
幾つかの実施例において、前記複数の信号線は、複数の初期化信号線をさらに含み;前記複数の初期化信号線は、全体的に前記第1方向に沿って延在し;少なくとも1つの初期化信号配線は、前記配線領域に位置し、且つ前記スルーホール領域の周囲に沿って迂回する部分、及び/又は、前記ブラインドホール領域の周囲に沿って迂回する部分を含む。
【0012】
幾つかの実施例において、前記複数の信号線は、複数の発光制御信号線をさらに含み;前記複数の発光制御信号線は、全体的に前記第1方向に沿って延在する。少なくとも1つの発光制御信号線は、前記配線領域に位置し、且つ前記スルーホール領域の周囲に沿って迂回する部分、及び/又は、前記ブラインドホール領域の周囲に沿って迂回する部分を含み;又は、少なくとも1つの発光制御信号線は、前記表示領域及び前記孔縁領域に位置し、且つ前記第1方向に沿って前記スルーホール領域及び/又は前記ブラインドホール領域まで延在する位置で分断される。
【0013】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つの金属層は、第1ゲート層と、第2ゲート層と、ソース・ドレイン金属層と、を含み;前記少なくとも1つの絶縁層は、第1絶縁層と、第2絶縁層と、層間絶縁層と、を含む。前記駆動回路層は、前記表示領域及び前記孔縁領域に位置する半導体層をさらに含む。
【0014】
前記半導体層は前記ベース基板の一側に設けられ;前記第1絶縁層は、前記半導体層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記第1ゲート層は、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記第2絶縁層は、前記第1ゲート層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記第2ゲート層は、前記第2絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記層間絶縁層は、前記第2ゲート層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記ソース・ドレイン金属層は、前記第2ゲート層の前記ベース基板から離れた側に設けられる。
【0015】
幾つかの実施例において、前記複数の信号線が、複数のデータ線と、複数の発光制御信号線と、複数のゲート駆動信号線と、複数の初期化信号線とを含む場合、前記複数のデータ線は、前記ソース・ドレイン金属層に位置し、前記複数の発光制御信号線及び前記複数のゲート駆動信号線は前記第1ゲート層に位置し、前記複数の初期化信号線は、前記第2ゲート層に位置する。
【0016】
幾つかの実施例において、表示基板は、前記駆動回路層のベース基板から離れた側に設けられる発光素子層をさらに備え;前記発光素子層は、前記表示領域及び前記孔縁領域に位置する。
【0017】
前記発光素子層は、第1電極層と、画素定義層と、機能層と、第2電極層と、を含む。第1電極層は、前記駆動回路層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記第1電極層は、複数の第1電極を含む。画素定義層は、前記第1電極層のベース基板から離れた側に設けられ、前記画素定義層内に、複数の開口が設けられ、各開口は、1つの第1電極の少なくとも一部を露出する。機能層は、前記第1電極層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記機能層は、複数の発光部を含み、各発光部は、1つの開口内に位置する。第2電極層は、前記機能層及び前記画素定義層の前記ベース基板から離れた側に設けられる。
【0018】
ここで、前記表示領域には、複数の画素構造が設けられ、各画素構造は、画素回路と発光素子とを含み;前記発光素子は、前記画素回路に電気的に接続される第1電極と、発光部と、前記第2電極層のうちの前記発光部に対応する部分とを含む。
【0019】
前記孔縁領域には、複数の冗長画素構造が設けられ;各冗長画素構造は、冗長画素回路及び/又は冗長発光素子を含み;前記冗長発光素子は、発光部と、前記第2電極層のうちの当該発光部に対応する部分とを含み;又は、前記冗長発光素子は、第1電極と、発光部と、前記第2電極層のうちの当該前記発光部に対応する部分と、を含み、前記第1電極は、前記冗長画素回路に電気的に接続されない。
【0020】
幾つかの実施例において、前記画素回路及び前記冗長画素回路は、いずれも、少なくとも1つの薄膜トランジスタを含み、前記薄膜トランジスタは、活性層、ゲート、ソース、及びドレインを有する。
【0021】
前記活性層は前記半導体層に位置し、前記ゲートは前記第1ゲート層に位置し、前記ソース及び前記ドレインは前記ソース・ドレイン金属層に位置し;前記孔縁領域は、前記配線領域に近い第1サブ領域と、前記第1サブ領域以外の第2サブ領域と、を含む。
【0022】
前記表示基板は、前記孔縁領域の第2サブ領域に設けられる複数のビアと、前記孔縁領域の第1サブ領域に設けられる複数の冗長ビアと、をさらに含む。各ビアは、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁層を貫通し;前記複数の冗長画素回路は、前記孔縁領域の第2サブ領域に設けられ、前記複数の冗長画素回路における各薄膜トランジスタのソース及びドレインは、2つの前記ビアにより前記活性層に電気的に接続される。各冗長ビアは、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層、及び前記層間絶縁層を貫通する。
【0023】
前記表示基板は、前記駆動回路層と前記発光素子層との間に設けられる平坦化層をさらに含み、前記平坦化層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域及び前記ブラインドホール領域に位置し;前記平坦化層の一部は、前記複数の冗長ビアを充填する。
【0024】
幾つかの実施例において、表示基板は、少なくとも1つの封止ダム領域をさらに有し;各封止ダム領域は、1つのスルーホール領域と当該スルーホール領域を囲む配線領域との間に位置し、且つ前記スルーホール領域を囲む。前記第1絶縁層、前記第2絶縁層、及び前記層間絶縁層は、前記少なくとも1つの封止ダム領域にさらに位置する。
【0025】
前記表示基板は、複数の封止ダムをさらに備え;各封止ダム領域には、前記スルーホール領域を囲む少なくとも1つの封止ダムが設けられ、且つ前記封止ダムは、前記駆動回路層の前記ベース基板から離れた側に設けられる。各封止ダム領域に少なくとも2つの封止ダムが設けられる場合、前記少なくとも2つの封止ダムは、前記スルーホール領域の径方向に沿って順次に間隔をあけて配置される。
【0026】
前記表示基板は、各封止ダム領域に設けられる少なくとも1つの封止ダムは、第1封止ダム及び第2封止ダムを含み、前記第1封止ダムは、前記第2封止ダムの前記スルーホール領域から離れた側に位置する。前記第2封止ダムの第3方向に沿った厚さは、前記第1封止ダムの前記第3方向に沿った厚さよりも大きく;ここで、前記第3方向は、前記ベース基板に対して垂直である。
【0027】
前記第2封止ダムは、第1部と、第2部と、第1スペーサ部と、を含み;第1部は、前記平坦化層と同じ層に設けられ;第2部は、前記第1部の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記第2部は、前記画素定義層と同じ層に設けられる。第1スペーサ部は、前記第2部の前記ベース基板から離れた側に設けられる。
【0028】
前記第1封止ダムは、第3部と、第2スペーサ部とを含み;前記第3部は、前記画素定義層と同じ層に設けられ;第2スペーサ部は、前記第3部の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記第2スペーサ部は、前記第1スペーサ部と同じ材料で同じ層に設けられる。
【0029】
幾つかの実施例において、表示基板は、少なくとも1つの第1分離領域と、少なくとも1つの第2分離領域とをさらに含み;前記第1絶縁層、前記第2絶縁層、及び前記層間絶縁層は、前記少なくとも1つの第1分離領域及び前記少なくとも1つの第2分離領域にさらに位置する。
【0030】
各第1分離領域は、前記配線領域と前記封止ダム領域との間に位置し、且つ前記封止ダム領域を囲み;各第2分離領域は、前記スルーホール領域と前記封止ダム領域との間に位置し、且つ前記スルーホール領域を囲む。
【0031】
前記表示基板は、複数の第1分離柱と、複数の第2分離柱とをさらに備え、各第1分離領域には、少なくとも1つの第1分離柱が設けられ、各第1分離柱は、前記第1封止ダムを囲むように設けられ、前記第1分離柱は、前記層間絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記第1分離柱の側壁には、溝が設けられる。各第2分離領域には、少なくとも1つの第2分離柱が設けられ、各第2分離柱は前記スルーホール領域を囲むように設けられ、前記第2分離柱は前記層間絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記第2分離柱の側壁には、溝が設けられる。
【0032】
幾つかの実施例において、前記第1分離柱及び前記第2分離柱は、前記ソース・ドレイン金属層に位置する。
【0033】
幾つかの実施例において、前記第1分離柱及び前記第2分離柱は、いずれも順次に積層されて設けられる第1金属パターン、第2金属パターン、及び第3金属パターンを含み;前記第1分離柱の側壁及び前記第2分離柱の側壁に前記溝を形成するように、前記第2金属パターンの前記ベース基板上への正投影の外境界は、前記第1金属パターン及び前記第3金属パターンの前記ベース基板上への正投影の外境界の内側に位置する。
【0034】
幾つかの実施例において、前記第2分離領域には、少なくとも1つの第4金属パターンと、少なくとも1つの第5金属パターンとがさらに設けられ;前記第4金属パターンは、前記第1ゲート層に位置し;前記第5金属パターンは、前記第2ゲート層に位置する。各第4金属パターン及び各第5金属パターンは、前記スルーホール領域を囲む。前記第2分離柱、前記第4金属パターン、及び前記第5金属パターンの3者は、前記ベース基板上への正投影において共通の重なり領域を有する。
【0035】
幾つかの実施例において、各第1分離領域に少なくとも2つの第1分離柱が設けられる場合、前記少なくとも2つの第1分離柱は、前記スルーホール領域の径方向に沿って順次に間隔をあけて配置される。
【0036】
前記駆動回路層のうち、隣接する2つの第1分離柱の間に位置する部分は、前記ベース基板を露出する第1スロットを有し;各第2分離領域に少なくとも2つの第2分離柱が設けられる場合、前記少なくとも2つの第2分離柱は、前記スルーホール領域の径方向に沿って順次に間隔をあけて配置され;前記駆動回路層のうち、隣接する2つの第2分離柱の間に位置する部分は、凹部を有する。
【0037】
幾つかの実施例において、表示基板は、前記発光素子層の前記ベース基板から離れた側に設けられる封止層をさらに備える。
【0038】
前記封止層は、第1無機封止薄膜層と、有機封止薄膜層と、第2無機封止薄膜層とを含む。第1無機封止薄膜層は、前記発光素子層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記第1無機封止薄膜層は、前記第2分離領域、前記封止ダム領域、前記第1分離領域、前記配線領域、前記孔縁領域、前記表示領域及び前記ブラインドホール領域に位置する。有機封止薄膜層は、前記第一無機封止薄膜層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記有機封止薄膜層は、前記封止ダム領域、前記第1分離領域、前記配線領域、前記孔縁領域、前記表示領域及び前記ブラインドホール領域に位置する。第2無機封止薄膜層は、前記有機封止薄膜層の前記ベース基板から離れた側に設けられ;前記第2無機封止薄膜層は、前記第2分離領域、前記封止ダム領域、前記第1分離領域、前記配線領域、前記孔縁領域、前記表示領域及び前記ブラインドホール領域に位置する。
【0039】
別の態様において、表示装置が提供される。当該表示装置は、上記の態様のいずれかに記載の表示基板と、少なくとも1つの第1センサと、少なくとも1つの第2センサとを備え、各第1センサは、1つのスルーホール領域に設けられ;各第2センサは、1つのブラインドホール領域に設けられる。
【0040】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つの第1センサは、カメラを含み、前記少なくとも1つの第2センサは、赤外線センサ、近接光センサ、投光照明器、及び周辺光センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
更に別の態様において、表示装置の製造方法が提供される。当該製造方法は、ベース基板を提供すること、ここで、前記ベース基板は、表示領域、孔縁領域、少なくとも1つの配線領域、少なくとも1つのスルーホール領域及び少なくとも1つのブラインドホール領域を含み、前記少なくとも1つの配線領域はそれぞれ1つのスルーホール領域又は1つのブラインドホール領域を囲み、前記孔縁領域は、前記配線領域を囲み、前記表示領域は、前記孔縁領域を囲む;
【0042】
前記ベース基板上に駆動回路層を形成すること、ここで、前記駆動回路層は、少なくとも1つの金属層と、少なくとも1つの絶縁層とを含み、前記少なくとも1つの金属層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域及び前記孔縁領域に位置し、前記少なくとも1つの金属層は、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域を避けて設けられる複数の信号線を有し、前記少なくとも1つの絶縁層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域に位置する;
【0043】
前記駆動回路層の前記ベース基板から離れた側に平坦化層を形成すること、ここで、前記平坦化層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域に位置する;
前記平坦化層の前記ベース基板から離れた側に発光素子層を形成すること、ここで、前記発光素子層は、前記表示領域及び前記孔縁領域に位置する;
【0044】
前記発光素子層の前記ベース基板から離れた側に封止層を形成すること、ここで、前記封止層は、前記表示領域、前記孔縁領域、前記配線領域、前記スルーホール領域及び前記ブラインドホール領域に位置する;及び
【0045】
前記ベース基板、前記駆動回路層、前記平坦化層、及び前記封止層のうちの前記スルーホール領域に位置する部分を除去すること;を含む。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本開示の技術案をより明確に説明するために、以下は本開示の幾つかの実施例に要する図面について簡単に説明する。以下の説明における図面は、本開示の幾つかの実施例の図面に過ぎないことは明らかである。当業者であれば、これらの図面によって他の図面を取得することができる。また、以下の説明における図面は、概略図と見なすことができ、本開示の実施例に係る製品の実際の寸法、方法の実際の手順、信号の実際のタイミングなどを限定するものではない。
図1】本開示の幾つかの実施例に係る表示基板の平面図である。
図2図2は、本開示の幾つかの実施例に係る表示基板の全体的な回路構成の概略図である。
図3図3は、図1の領域G1の拡大図である。
図4図4は、図1の領域G1の別の拡大図である。
図5図5は、図1の領域G1のさらに別の拡大図である。
図6図6は、図3の断面線A-A'に沿った断面図である。
図7図7は、本開示の幾つかの実施例に係る表示基板のスルーホール領域及びブラインドホール領域を切る前の断面図である。
図8A図8Aは、本開示の一実施例に係る表示基板の領域G1の配線図である。
図8B図8Bは、本開示の一実施例に係る表示基板の領域G1の別の配線図である。
図8C図8Cは、本開示の一実施例に係る表示基板の領域G1のさらに別の配線図である。
図9図9は、図4の領域G2の拡大図である。
図10図10は、図9の領域G7の拡大図である。
図11図11は、図4の領域G3の拡大図である。
図12図12は、図10の領域G8の拡大図である。
図13図13は、本開示の一実施例に係る表示基板における画素回路の等価回路図である。
図14A図14Aは、図7の領域G6の拡大図である。
図14B図14Bは、図7の領域G4’の拡大図である。
図15図15は、本開示の幾つかの実施例に係る表示基板の表示領域の断面図である。
図16図16は、本開示の幾つかの実施例に係る別の表示基板の表示領域の断面図である。
図17図17は、本開示の幾つかの実施例に係る表示基板の孔縁領域の断面図である。
図18図18は、本開示の幾つかの実施例に係る別の表示基板の孔縁領域の断面図である。
図19図19は、図7の領域G4の拡大図である。
図20図20は、図7の領域G5の拡大図である。
図21図21は、本開示の一実施例に係る表示基板の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面を参照しながら、本開示の幾つかの実施形態における技術案を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本開示の一部の実施形態に過ぎず、すべての実施例ではない。本開示によって提供される実施例に基づいて、当業者が得られる他のすべての実施例は、本開示の請求範囲に含まれるものとする。
【0048】
文脈上別段の解釈を要しない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体において、用語「含む(comprise)」及びその他の形式、例えば、第三人称の単数形である「含む(comprises)」及び現在分詞形の形式である「含む(comprising)」は、開放、包括的な意味、即ち「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。本明細書の記載において、用語「1つの実施例(one embodiment)」、「幾つかの実施例(some embodiments)」、「例示的な実施形態(exemplary embodiments)」、「例(example)」、「特定の例(specific example)」又は「幾つかの例(some examples)」などは、その実施例、又はその例に関連する特定の特徴、構造、材料又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを示すことが意図される。上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すわけではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な態様で、任意の1つ又は複数の実施例又は例に含まれ得る。
【0049】
以下において、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は暗示する、或いは示される技術的特徴の数を暗示的に示すものとして理解されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又は複数のその特徴を明示的又は暗示的に含み得る。本開示の実施例の説明において、特に明記しない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。
【0050】
幾つかの実施例を説明する際に、「結合」及び「接続」及びそれらに由来する表現を使用する場合がある。例えば、幾つかの実施例を説明する際に、2つ以上の構成要素が互いに直接的な物理的又は電気的に接触を有することを示すように、「接続」という用語を使用する場合がある。別の例として、幾つかの実施例を説明する際に、2つ以上の構成要素が互いに直接的な物理的又は電気的接触を有することを示すように、「結合」という用語を使用する場合がある。しかしながら、「結合」又は「通信結合(communicatively coupled)」という用語は、2つ以上の構成要素が互いに直接的な接触を有しないが、それでも互いに協働又は相互作用することを意味することもできる。本明細書に開示された実施例は、必ずしも本明細書に限定されるものではない。
【0051】
「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」は、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」と同じ意味を有し、いずれも以下のA、B及びCの組み合わせを含む:Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの組み合わせ、AとCの組み合わせ、BとCの組み合わせ、A、B及びCの組み合わせ。
【0052】
「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、AとBの組み合わせの3つの組み合わせを含む。
【0053】
本明細書において、「適用する」又は「配置される」の使用は開放的且つ包括的な言語を意味し、追加のタスク又はステップを実行するように適用又は配置される装置を排除しない。
【0054】
また、「基づいて」の使用は、1つ又は複数の記載された条件又は値に「基づいて」行われる手順、ステップ、計算、又は他の動作が、実際には、追加の条件又は記載を超えた値に基づくものであるので、開放的且つ包括的であることを意味する。
【0055】
本明細書において、理想的な例示的な図面である断面図及び/又は平面図を参照して例示的な実施態様を説明している。図面において、層及び領域の厚さは、明確性のために誇張されている。したがって、例えば製造技術及び/又は公差に起因する、図面に対する形状の変動が想定され得る。したがって、例示的な実施態様は、本開示に示される領域の形状に限定されるものと解釈されるべきではなく、例えば製造による形状偏差などを含むものである。例えば、矩形として示されるエッチング領域は、通常、湾曲した特徴を有する。したがって、図面に示される領域は、本質的に例示的なものであり、且つそれらの形状は、装置の領域の実際形状を示すことを意図するものではないし、例示的な実施態様の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0056】
表示装置は、表示基板と、光学センサとを含み、表示装置が携帯電話である場合を例として挙げると、表示装置は、例えば、カメラ、近接光センサ、3D検知モジュールなどの光学センサを含み、これらの光学部品は、相応する機能を実現するために、表示装置の表示面側からの光を受ける必要がある。表示装置では、表示基板内に光学センサを嵌め込むために、一般的に、表示基板に穴を開ける必要がある。
【0057】
表示基板は、表示領域と、表示領域の少なくとも一側に位置する額縁領域とを含み、幾つかの実施例において、穴開け技術により表示基板に開けられる穴は、スルーホール(Punch Hole)とブラインドホール(Transparent Hole)との2種類を含み、スルーホール及びブラインドホールは、いずれも表示領域内に開けられる。スルーホール設計の利点は、穴開きの箇所に光学センサを遮る膜層がないため、光透過率が高いことであり、カメラ等透過率に対する要求が高いデバイスを搭載するのに適している。ブラインドホールは、実際の穴開きの箇所に透明膜層が保留されており、ブラインドホールの透過率は、膜層のないスルーホールの透過率よりも低いが、表示基板の表示領域の透過率よりも高いため、一般的に、例えば光センサ等、透過率に対する要求が比較的低いデバイスを搭載するために使用される。
【0058】
表示基板の製造過程において、スルーホールを形成するように、積層された複数の膜層を切断する必要があるので、スルーホールの設計では、製品の信頼性を確保するためにスルーホールの周辺に封止構造を追加する必要がある。当該封止構造は、大きな寸法を有し、一部の空間を占有するため、表示領域の面積を減少させ、画面占有率の向上に不利である。従って、表示領域に開けられるスルーホールの数に制限がある。また、ブラインドホールの設計では、ブラインドホールの周辺に封止構造を設ける必要がなく、表示領域の面積を余分に占有することがない。現在、発明者らは、関連製品にはスルーホールのみが設けられているか又はブラインドホールのみが設けられていることを発見した。スルーホールのみが設けられる表示製品は、スルーホールの位置に、カメラ等の透過率に対する要求が高い光学センサだけを搭載するものであり、残りの光学センサは、表示基板の額縁領域に搭載する必要があり、額縁サイズを占有し、表示基板の狭額縁化に不利である。ブラインドホールのみが設けられる表示製品では、透過率に対する要求が高い光学センサをブラインドホール内に設けると、透過率の損失により、光学センサの動作効果に影響を与え、例えば、カメラの撮像品質が若干劣化する。
【0059】
これに基づいて、本開示の幾つかの実施例は、スルーホールとブラインドホールを同時に設ける表示基板と表示装置を提供し、スルーホールとブラインドホールの組み合わせの設計により、スルーホールの透過率の利点と、ブラインドホールの封止構造を設ける必要がない利点を組み合わせ、光学センサの動作効果を損なわないという前提で、表示基板の画面占有率を向上させ、額縁を小さくする。
【0060】
図1に示すように、本開示の幾つかの実施例は、表示基板100を提供し、当該表示基板100は、例えば、OLED (Organic Light-Emitting Diode)表示基板、マイクロ有機発光ダイオード(Micro Organic Light-Emitting Diode、Micro OLED)表示基板、量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light Emitting Diodes、QLED)表示基板、ミニ発光ダイオード(Mini Light-Emitting Diode、Mini LED)表示基板、又はマイクロ発光ダイオード(Micro Light-Emitting Diode、Micro LED)表示基板などであってもよい。
【0061】
表示基板100は、表示領域10aと、額縁領域10bと、少なくとも1つの配線領域10cと、少なくとも1つのスルーホール領域10dと、少なくとも1つのブラインドホール領域10eとを含み、前記少なくとも1つの配線領域10cは、1つのスルーホール領域10d又は1つのブラインドホール領域10eを囲み各配線領域10cは、1つのスルーホール領域10d又は1つのブラインドホール領域10eを囲み、表示領域10aは、配線領域10cを囲む。即ち、配線領域10cの数は、少なくとも1つのスルーホール領域10dの数と少なくとも1つのブラインドホール領域10eの数との合計に等しい。
【0062】
ここで、各配線領域10cが1つのスルーホール領域10d又は1つのブラインドホール領域10eを囲むとは、各配線領域10cが1つのスルーホール領域10dを一周するように設けられること、又は、各配線領域10cが1つのブラインドホール領域10eを一周するように設けられることを意味する。表示領域10aが配線領域10cを囲むとは、表示領域10aが配線領域10cの外側に位置することを意味する。
【0063】
幾つかの実施例において、図1図3図5に示すように、表示基板100が表示領域10aと前記少なくとも1つの配線領域10cとの間に位置する孔縁領域10fをさらに含むことは、表示領域10a内に閉鎖領域G1を有すると理解されてもよい。例えば、当該閉鎖領域G1はカプセルの形状であり、当該閉鎖領域G1は少なくとも1つの配線領域10cと、少なくとも1つのスルーホール領域10dと、少なくとも1つのブラインドホール領域10eと、孔縁領域10fとを含み、ここで、表示領域10aは孔縁領域10fを囲み、孔縁領域10fは前記少なくとも1つの配線領域10cを囲み、孔縁領域10fは表示領域10a及び前記少なくとも1つの配線領域10cと接触し、各配線領域10cは1つのスルーホール領域10d又は1つのブラインドホール領域10eを囲み、額縁領域10bは表示領域10aを囲む。
【0064】
表示基板100は、複数のサブ画素と、複数の信号線とを含む。ここで、各スルーホール領域10b内にはスルーホールが設けられ、各ブラインドホール領域10c内にはブラインドホールが設けられる。少なくとも1つの配線領域10cは、信号線を設けるために使用され、しかも、信号線のみを設け、サブ画素とサブ画素の中の如何なる構造も設けない。複数の信号線は、少なくとも1つの配線領域10cにおいて密に配置される。表示領域10aは、複数のサブ画素を設けるために使用され、各々のサブ画素は画素構造を有し、これにより、表示領域10aは表示を行うことができる。孔縁領域10fは、複数の冗長画素構造を設けるために使用され、表示を行うことができない。無論、表示基板100に含まれる複数の信号線は、さらに表示領域10a及び孔縁領域10fに設けられる。
【0065】
少なくとも1つのスルーホール領域10d及び少なくとも1つのブラインドホール領域10eの数、位置、寸法及び形状は、実際の必要に応じて設定することができ、例えば、表示装置に含まれる光学センサのうち、透過率に対する要求が高い光学センサの数と、透過率に対する要求が低い光学センサの数とに基づいて決定される。
【0066】
一例として、図1図3及び図4に示すように、表示基板100は、2つのスルーホール領域10dと、1つのブラインドホール領域10eとを有し、かつ、当該1つのブラインドホール領域10eは、前記2つのスルーホール領域10dの間に設けられる。これにより、表示基板100は、3つの配線領域10cを有し、そのうちの2つの配線領域10cがそれぞれ2つのスルーホール領域10dを囲み、残りの1つの配線領域10cがブラインドホール領域10eを囲む。他の例において、スルーホール領域の間にブラインドホール領域を設けず、2つの隣接するスルーホール領域の一側にブラインドホール領域を設ける。
【0067】
図3及び図4の設計に対して、2つのカメラを、それぞれ2つのスルーホール領域10dの2つのスルーホール内に搭載し、他の光学センサを、ブラインドホール領域10eのブラインドホール内に搭載してもよい。
【0068】
幾つかの実施例において、ブラインドホール及びスルーホールの形状は、円形、矩形、又は他の規則的な若しくは不規則な形状であってもよい。例えば、スルーホール領域10dの形状は、円形、略楕円形、又は矩形と二重半円が接合された図形である。ブラインドホール10eの形状は、矩形、角丸矩形、幅の異なる矩形がその長手方向に沿って接合された形状、又は幅の異なる角丸矩形がその長手方向に沿って接合された形状である。図3に示すように、スルーホール領域10dの形状は円形であり、スルーホール領域10dにおけるスルーホールの形状は円形であり、ブラインドホール領域10eの形状は角丸矩形であり、ブラインドホール領域10cにおけるブラインドホールの形状も角丸矩形である。図4に示すように、スルーホール領域10dの形状は円形であり、スルーホール領域10dにおけるスルーホールの形状は円形であり、ブラインドホール領域10eは、幅の異なる2つの角丸矩形がその長手方向に沿って接合された形状であり、当該2つの寸法の異なる角丸矩形が接合された形状は、哺乳瓶のような形状である。図5に示すように、2つのスルーホール領域10dは、それぞれ、隣接する1つの大スルーホール領域10d1と1つの小スルーホール領域10d2であり、当該大スルーホール領域10d1の形状は角丸矩形状であり、当該小スルーホール領域10b2の形状は円形である。
【0069】
スルーホール及びブラインドホールの寸法は必要に応じて設定してもよく、例えば、図3及び図4に示すように、スルーホールやブラインドホールが円形である場合、その直径は2mm~4mmの範囲内にあってもよい。図3に示すように、円形スルーホールの直径は2mm~4mmの範囲内にあってもよく、不規則形状のブラインドホールの長手方向及び幅方向に沿う寸法は、必要に応じて円形スルーホールの寸法に合わせて設定する必要がある。図5に示すように、大スルーホール領域10d1の長さは9mm~10mmの範囲内であり、幅は4mmであってもよく;小スルーホール領域10d2の直径は、4mmであってもよい。大スルーホール領域10d1の左側部分はカメラを搭載し、右側部分は光学センサを搭載してもよい。
【0070】
幾つかの実施例において、図3及び図4に示すように、表示基板100は、少なくとも1つの封止領域10gをさらに含み、各封止領域10gは、1つのスルーホール領域10dと当該スルーホール領域10dを囲む配線領域10cとの間に位置し、且つ当該スルーホール領域10dを囲み、即ち、封止領域10gの数がスルーホール領域10dの数に等しい。スルーホール領域10dの形状が円形である場合、対応する封止領域10gの形状はリング状である。各封止領域10g内には、スルーホール領域10dを囲む封止構造が設けられる。
【0071】
幾つかの例において、各封止領域10gは、封止ダム領域10g3を含み、即ち、表示基板100は、少なくとも1つの封止ダム領域10g3を含み、各封止ダム領域10g3は、1つのスルーホール領域10dと当該スルーホール領域10dを囲む配線領域10cとの間に位置し、且つ当該スルーホール領域10dを囲む。各封止ダム領域10g3には、各々がスルーホール領域10dを囲む少なくとも1つの封止ダムが設けられる。
【0072】
幾つかの例において、各封止領域10gは、第1分離領域10g1と、第2分離領域10g2とをさらに含み、即ち、表示基板100は、少なくとも1つの第1分離領域10g1と、少なくとも1つの第2分離領域10g2とをさらに含む。各第1分離領域10g1は、1つの配線領域10cと1つの封止ダム領域10g3との間に位置し、且つ当該封止ダム領域10g3を囲む。各第2分離領域10g2は、1つのスルーホール領域10dと1つの封止ダム領域10g3との間に位置し、且つ当該スルーホール領域10dを囲む。各第1分離領域10g1には少なくとも1つの第1分離柱が設けられ、各第2分離領域10g2には少なくとも1つの第2分離柱が設けられる。
【0073】
前記少なくとも1つの封止ダムと、少なくとも1つの第1分離柱と、少なくとも1つの第2分離柱とは、封止構造を構成する。
【0074】
図3及び図4に示すように、1つのスルーホール領域10dの中心から外側に向かう方向に沿って、1つの第2分離領域10g2と、1つの封止ダム領域10g3と、1つの第1分離領域10g1と、1つの配線領域10cとは、順次にスルーホール領域10dを囲むように設けられる。
【0075】
図3及び図4に示すように、スルーホール領域10dとブラインドホール領域10eとの間隔の設定、及び図5に示すように、隣接する2つのスルーホール領域10dの間隔の設定は、封止構造を設けるために封止領域10gのスペースを事前に確保することが必要である。
【0076】
上記の通り、図6に示すように、本開示の幾つかの実施例に提供される表示基板100において、少なくとも1つのスルーホール領域10d及び少なくとも1つのブラインドホール領域10eを設け、スルーホール領域10dにスルーホールを設け、ブラインドホール領域10eにブラインドホールを設けることにより、当該表示基板100にスルーホール及びブラインドホールの両方を設けることができる。このようなスルーホールとブラインドホールとを組み合わせる設計により、カメラ等の透過率に対する要求が高い光学センサ200をスルーホール内に搭載し、赤外線センサ、近接光センサ、投光照明器、周辺光センサ等の透過率に対する要求が低い光学センサ300をブラインドホール内に搭載することができ、これにより、異なる光学センサの光学的要求を満たすことができ、例えば、カメラの画像品質を向上させることができる。ブラインドホールは封止構造を設ける必要がないため、ブラインドホール領域に対応する封止領域を設ける必要がない。従って、スルーホール設計と比べて、閉鎖領域の面積を余り大きくする必要がなく、これにより、表示領域10aの面積が保証され、表示画面の完全性が保証される。また、光学センサを額縁領域に設ける必要がないため、額縁領域のサイズを小さくすることができる。従って、表示基板の狭額縁化に有利であり、表示基板の画面占有率を向上させることに有利である。
【0077】
図6に示すように、カメラ等の光透過率に対する要求が高い光学センサ200を、スルーホールに正対して、表示基板の駆動回路層から離れた側に設けることができ、かつ、スルーホール内に延在させることができ;赤外線センサ、近接光センサ、投光照明器、周辺光センサ等の光透過率が低い光学センサ300を、ブラインドホールに正対して、表示基板の一側に設け、且つ光透過率に対する要求が高い光学センサ300と光透過率に対する要求が低い光学センサ300を表示基板100の同じ側に設ける。
【0078】
本開示の以下の実施例において、図3及び図4に示すスルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eの設置を例として、表示基板100の具体的な構成について説明する。
【0079】
ここで、図1に示すように、表示基板100は、閉鎖領域G1を有する表示領域10aを含み、表示基板100は、閉鎖領域G1内に位置する2つのスルーホール領域10dと、2つのスルーホール領域10dの間に位置する1つのブラインドホール領域10eと、2つの第2分離領域10g2と、2つの封止ダム領域10g3と、2つの第1分離領域10g1と、3つの配線領域10cと、孔縁領域10fとを含む。各スルーホール領域10dの形状は円形であり、1つのスルーホール領域10dの周囲に、1つの配線領域10cと、1つの第2分離領域10g2と、1つの封止ダム領域10g3と、1つの第1分離領域10g1とは、順次にスルーホール領域10dを囲むように配置される。配線領域10c、第2分離領域10g2、封止ダム領域10g3及び第1分離領域10g1の形状は、いずれもリング状であり、中央の1つの配線領域10cはブラインドホール領域10eを囲む。閉鎖領域G1のうち、2つのスルーホール領域10d、1つのブラインドホール領域10e、2つの第2分離領域10g2、2つの封止ダム領域10g3、2つの第1分離領域10g1、及び2つの配線領域10c以外の領域は、いずれも、孔縁領域10fである。
【0080】
以下は、まず、表示基板の全体的な回路構成について説明する。
【0081】
図2に示すように、1001は表示基板100の全体外輪郭線を示し;表示基板は、表示領域(即ち画素アレイ領域)10aと、表示領域10aの周辺に位置する周辺領域10bとを含む。表示基板100は、表示領域10aに位置する複数のサブ画素Pと、複数のデータ線DLと、複数の発光制御信号線ELと、複数のゲート駆動信号線GLとを含む。一例として、複数のサブ画素Pは、アレイ状に配列され、例えば、複数のサブ画素PはM行N列に配列され、複数の発光制御信号線EL及び複数のゲート駆動信号線GLは、いずれも第1方向Xに沿って延在し、例えば、複数の発光制御信号線ELはE1-EM(Mは1より大きい整数)であり、複数のゲート駆動信号線GLはG1-GM(Mは1より大きい整数)であり、複数のデータ線DLは第2方向Yに沿って延在し、例えば、複数のデータ線DLはD1~DN (Nは1より大きい整数)であり、各制御信号線ELは一行のサブ画素Pに電気的に接続され、ゲート駆動信号線GLは一行のサブ画素Pに電気的に接続され、各データ線DLは一列のサブ画素Pに電気的に接続される。ここで、第1方向Xと第2方向Yとは交差し、第1方向Xと第2方向Yとのなす角は、例えば90°である。
【0082】
表示基板100は、周辺領域10bに位置するゲート駆動回路101及び発光制御回路102をさらに含み、ゲート駆動回路101は、複数のカスケードされたシフトレジスタ1011を備え、例えば、複数のシフトレジスタ1011は、表示領域10aの両側にそれぞれ設けられ、同一段のシフトレジスタ1011は、1つのゲート駆動信号線GLに電気的に接続され、ゲート駆動回路101は、複数のサブ画素Pに、例えば、行ごとにシフトされるゲート走査信号を提供するように配置される。発光制御回路102は、複数のカスケードされた発光制御ユニット1021を備え、例えば、複数の発光制御ユニット1021は、表示領域10aの両側にそれぞれ設けられ、同一段の発光制御ユニット1021は、1つの発光制御信号線ELに電気的に接続され、発光制御回路102は、複数のサブ画素Pに、例えば、行ごとにシフトされる発光制御信号を提供するように配置される。
【0083】
複数のデータ線DLは、ソースドライバ103に電気的に接続され、ソースドライバ103は、複数のデータ線DLにより複数のサブ画素Pにデータ信号を提供するように配置される。
【0084】
各サブ画素Pは、各々が画素回路11と発光素子12とを有する画素構造1を含み;一例として、画素回路11は、本分野における7T1C、8T2C、又は4T1C等を有する回路構成であってもよく、発光素子12は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)又は量子ドット発光ダイオード(QLED)であってもよい。画素回路11は、データ線DLにより送信されるデータ信号、ゲート駆動信号線GLにより送信されるゲート走査信号、及び発光制御信号線ELにより送信される発光制御信号の制御の下で動作し、これにより、発光素子の発光を駆動して表示等の操作を実現する。
【0085】
なお、図2に示す表示基板の全体的な回路構成及び上記の説明は、説明の便宜上、表示領域10a内に閉鎖領域G1を設けない場合を例として説明しており、表示領域10a内に閉鎖領域G1を設けない場合には、上記複数のデータ線DL、複数の発光制御信号線EL及び複数のゲート駆動信号線GLは、スルーホール領域10dと1つのブラインドホール領域10eを避ける必要がある。また、閉鎖領域G1内に発光可能なサブ画素Pを設けない。
【0086】
以下、表示基板100に含まれる膜層構造について説明する。
【0087】
図7に示すように、表示基板100は、ベース基板2と、ベース基板2上に設けられる駆動回路層3と、を含む。
【0088】
なお、表示基板100におけるスルーホール及び開孔の製造は、通常、まず表示基板100に含まれる膜層構造の製造を全て完成してから、相応する領域の膜層を除去することで行われ、例えば、スルーホール領域10dに積層された層の全体を切断してスルーホール領域10dの膜層全体を除去し、又は、ブラインドホール領域10eに積層された層の一部を切ってブラインドホール領域10eの膜層の一部を除去することで行われる。図7に示す表示基板100の断面図は、切る前の表示基板100の構成図であり、図中、切って除去する必要のある部分がマークされている。
【0089】
ベース基板2は、スルーホール領域10dにスルーホールを有する。例えば、表示基板100が2つのスルーホール領域10dを含む場合、ベース基板2は2つのスルーホールを有する。一例として、ベース基板2は、積層されて設けられるベース21とバッファ層22とを含む。また、ベース基板2は、他の複合ベース基板であってもよい。例えば、ベース基板2は、フレキシブル基板である。
【0090】
駆動回路層3は、少なくとも1つの金属層31と、少なくとも1つの絶縁層32とを含む。
【0091】
ここで、少なくとも1つの絶縁層32は、表示領域10a、配線領域10c及びブラインドホール領域10eに位置し;少なくとも1つの絶縁層32の材料は、ブラインドホール領域10eの光透過率を確保するために、光透過性材料である。
【0092】
幾つかの実施例において、少なくとも1つの絶縁層32は、孔縁領域10f及び封止領域10にさらに位置する。
【0093】
少なくとも1つの金属層31は表示領域10a及び配線領域10cに位置し、幾つかの例において、少なくとも1つの金属層31は、孔縁領域10fにも位置する。図8A図8Cに示すように、前記少なくとも1つの金属層21は、複数のデータ線を含み、例えば、当該複数のデータ線は、複数のデータ線DL、複数の発光制御信号線EL、複数のゲート駆動信号線GL、及び複数の初期化信号線VINTであってもよい。
【0094】
前記少なくとも1つの金属層31は、光を遮断してブラインドホール領域10eの光透過率に影響を与えることを回避するために、ブラインドホール領域10eに設けられない。前記複数の信号線は、スルーホール領域10dとブラインドホール領域10eを避けて設けられる。
【0095】
一例として、前記複数の信号線が、スルーホール領域10dとブラインドホール領域10eを避けて設られることは、複数の信号線のうちの少なくとも1つの信号線の少なくとも一部が、スルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eを避けるように、スルーホール領域10d及び/又はブラインドホール領域10eの周囲を迂回すること、又は、複数の信号線のうちの少なくとも1つの信号線が、スルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eを避けるように、スルーホール領域10d及び/又はブラインドホール領域10eの位置で分断されることを含む。
【0096】
幾つかの例において、図8A図8Cに示すように、前記複数のデータ線DLは全体として第2方向Yに沿って延在し、前記複数の発光制御信号線EL、前記複数のゲート駆動信号線GL及び複数の初期化信号線VINTは全体として第1方向Xに沿って延在する。ここで、本開示における複数の信号線の延在方向は、複数の信号線の全体的な延在傾向を指し、即ち、複数の信号線の全体的な方向は、特定の方向に沿っており、一部の信号線の閉鎖領域G1内に位置する部分がスルーホール領域10d及び/又はブラインドホール領域10eの周囲を迂回することの影響を受けない。
【0097】
以下では、2つのスルーホール領域10dと1つのブラインドホール領域10eとが第1方向Xに沿って並ぶ場合を例に挙げて説明する。
【0098】
図8A図9図11に示すように、少なくとも1つのデータ線DLは、配線領域10cに位置し、且つスルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分及び/又はブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する部分を含み、このデータ線DLの他の部分は、表示領域10a及び配線領域10fに位置する。例えば、穴を開けない場合、第2方向Yに沿って閉塞領域G1を本来真っ直ぐに通るはずの複数のデータ線DLは、スルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eを避けるように、スルーホール領域10dの周囲又はブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する必要がある。少なくとも1つのデータ線DLは、スルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分を含み、当該部分は円弧である。スルーホール領域10dの周囲には封止領域10gが設けられるため、当該データ線DLのスルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分は、実際には封止領域10gの周囲に沿って迂回する。少なくとも1つのデータ線DLは、ブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する部分を含み、当該部分は円弧と直線との組み合わせである。
【0099】
閉鎖領域G1を通過する少なくとも1つのデータ線DLを除き、他のデータ線DLは表示領域10aに設けられ、各データ線DLは、第2方向Yに沿って延在し、表示領域10aを真っ直ぐに通る。
【0100】
図8A図9図11に示すように、少なくとも1つの初期化信号線VINTは、配線領域10cに位置し、且つスルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分及び/又はブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する部分を含み、この初期化信号線VINTの他の部分は、表示領域10a及び配線領域10fに位置する。例えば、穴を開けない場合、第1方向Xに沿って閉鎖領域G1を本来真っ直ぐに通るはずの初期化信号線VINTは、スルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eを避けるように、スルーホール領域10dの周囲及びブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する必要がある。少なくとも1つの発光制御信号線ELは、スルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分と、ブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する部分とを含む。スルーホール領域10dの周囲には封止領域10gが設けられるため、当該初期化信号線VINTのスルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分は、実際には封止領域10gの周囲に沿って迂回する。当該部分は、順次に、一つ目のスルーホール領域10dの周囲の封止領域10gの周囲に沿って迂回し、ブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回し、そして、二つ目のスルーホール領域10dの周囲の封止領域10gの周囲に沿って迂回する。
【0101】
閉鎖領域G1を通過する少なくとも1つの初期化信号線VINTを除き、他の初期化信号線VINTは表示領域10aに設けられ、各初期化信号線VINTは、第1方向Xに沿って延在し且つ表示領域10aを真っ直ぐに通る。
【0102】
図8A図9図11に示すように、少なくとも1つのゲート駆動信号線GLは、配線領域10cに位置し、且つスルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分及び/又はブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する部分を含み、このゲート駆動信号線GLの他の部分は表示領域10a及び配線領域10fに位置する。例えば、穴を開けない場合、第1方向Xに沿って閉鎖領域G1を本来真っ直ぐに通過するはずのゲート駆動信号線GLは、スルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eを避けるように、スルーホール領域10dの周囲及びブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する必要がある。少なくとも1つのゲート駆動信号線GLは、スルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分と、ブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する部分とを含む。スルーホール領域10dの周囲には封止領域10gが設けられるため、当該ゲート駆動信号線GLのスルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分は、実際には封止領域10gの周囲に沿って迂回する。当該部分は、順次に、一つ目のスルーホール領域10dの周囲の封止領域10gの周囲に沿って迂回し、ブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回し、そして、二つ目のスルーホール領域10dの周囲の封止領域10gの周囲に沿って迂回する。
【0103】
閉鎖領域G1を通過する少なくとも1つのゲート駆動信号線GLを除き、他のゲート駆動信号線GLは表示領域10aに設けられ、各ゲート駆動信号線GLは、第1方向Xに沿って延在し且つ表示領域10aを真っ直ぐに通る。
【0104】
発光制御信号線ELについて、幾つかの実施例において、図8Bに示すように、少なくとも1つの発光制御信号線ELは、配線領域10cに位置し、且つスルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分及び/又はブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する部分を含み、この発光制御信号線ELの他の部分は、表示領域10a及び配線領域10fに位置する。例えば、穴を開けない場合に本来第1方向Xに沿って閉鎖領域G1を真っ直ぐに通過するはずの発光制御信号線ELは、スルーホール領域10dの周囲及びブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する必要がある。少なくとも1つの発光制御信号線ELは、スルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分と、ブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する部分とを含む。スルーホール領域10dの周囲には封止領域10gが設けられるため、当該発光制御信号線ELのスルーホール領域10dの周囲に沿って迂回する部分は、実際には封止領域10gの周囲に沿って迂回する。該部分は、順次に、一つ目のスルーホール領域10dの周囲の封止領域10gの周囲に沿って迂回し、ブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回し、そして、二つ目のスルーホール領域10dの周囲の封止領域10gの周囲に沿って迂回する。
【0105】
他の実施例において、図4図8C図9図11に示すように、少なくとも1つの発光制御信号線ELは、表示領域10a及び孔縁領域10cに位置する部分を含み、且つ第1方向Xに沿ってスルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eまで延在する位置で分断される。当該発光制御信号線ELは、配線領域10cに位置する部分を含まない。
【0106】
図4及び図8Cに示すように、穴を開けない場合に本来第1方向Xに沿って閉鎖領域G1を真っ直ぐに通るはずの発光制御信号線ELは、スルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eまで延在する位置で分断される。図4及び図8Cにおいて、細い破線は、本来第1方向Xに沿って閉鎖領域G1を真っ直ぐに通るはずの発光制御信号線ELを示し、太い実線は、分断された発光制御信号線ELを示し、発光制御信号線ELが複数の部分に分断されていることが分かる。
【0107】
一例として、図4及び図8Cに示すように、閉鎖領域G1を通過する少なくとも1つの発光制御信号線ELのうち、各発光制御信号線ELは、第1発光制御信号線EL1と、第2発光制御信号線EL2とを含む。図11に示すように、各発光制御信号線ELの第1発光制御信号線EL1は、表示領域10a及び孔縁領域10fに位置し、第1発光制御信号線EL1は、表示領域10aの両側から第1方向Xに沿って中央に延在し、且つスルーホール領域10dの周囲の配線領域10cに近い位置で分断される。図10に示すように、各発光制御信号線ELの第2発光制御信号線EL2は、隣接するスルーホール領域10dとブラインドホール領域10eとの間の配線領域10fに位置し、第2発光制御信号線EL2は、長さが短く、第1方向Xに沿って延在し、その両端がいずれも配線領域10cに近い位置で分断される。
【0108】
各発光制御信号線ELの第1発光制御信号線EL1は、額縁領域10bに位置する発光制御回路102に電気的に接続され、発光制御信号を送信することにより、表示領域10aのサブ画素を制御して表示を行う。第2発光制御信号線EL2は発光制御回路102に電気的に接続されないため、発光制御信号線ELには電気信号の送信がない。孔縁領域10f自体は表示機能を備えないため、このような設計は表示基板100の全体的な表示効果に影響を与えない。
【0109】
閉鎖領域G1を通過する少なくとも1つの発光制御信号線ELを除き、他の発光制御信号線ELは表示領域10aに設けられ、各発光制御信号線ELは、第1方向Xに沿って延在し且つ表示領域10aを真っ直ぐに通る。
【0110】
なお、閉鎖領域G1を通る複数の信号線の表示領域10aにおける部分が本来の間隔に基づいて配置されることを保証するために、複数の信号線の配線領域10cに位置する部分は、密に配列される。
【0111】
幾つかの実施例において、図7図14B図18に示すように、前記少なくとも1つの金属層31は、第1ゲート層311と、第2ゲート層312と、ソース・ドレイン金属層313とを有し;前記少なくとも1つの絶縁層32は、第1絶縁層321と、第2絶縁層322と、層間絶縁層323とを含む。
【0112】
駆動回路層3は、孔縁領域10f及び表示領域10aに位置する半導体層33をさらに含む。
【0113】
図7図14B及び図15に示すように、半導体層33は、ベース基板2の一側に設けられ、第1絶縁層321は、半導体層33のベース基板2から離れた側に設けられ、第1ゲート層311は、第1絶縁層321のベース基板2から離れた側に設けられ;第2絶縁層322は、第1ゲート層311のベース2から離れた側に設けられ;第2ゲート層312は、第2絶縁層322のベース基板2から離れた側に設けられ;層間絶縁層323は、第2ゲート層312のベース基板2から離れた側に設けられ;ソース・ドレイン金属層313は、第2ゲート層312のベース基板2から離れた側に設けられる。
【0114】
幾つかの実施例において、前記複数のデータ線DLは、ソース・ドレイン金属層313に位置する。複数の発光制御信号線ELは、第1ゲート層311又は第2ゲート層312に位置し;複数のゲート駆動信号線GLは、第2ゲート層312又は第1ゲート層311に位置する。例えば、図7に示すように、複数の発光制御信号線ELと複数のゲート駆動信号線GLは、いずれも第1ゲート層311に位置し、前記複数の初期化信号線VINTは、第2ゲート層312に位置する。
【0115】
幾つかの例において、図14Bに示すように、各データ線DLは順次に積層されて設けられる第1データ線パターンDL1と、第2データ線パターンDL2と、第3データ線パターンDL3とを含み、第1データ線パターンDL1、第2データ線パターンDL2及び第3データ線パターンDL3の材料は、いずれも金属である。例えば、第1データ線パターンDL1及び第3データ線パターンDL3の材料はチタンであり、第2データ線パターンDL2の材料はアルミニウムであり、各データ線DLはチタニウム-アルミニウム-チタニウム構造である。これにより、データ線DLの導電性を確保する上で、データ線DLの耐酸化性を向上させる。
【0116】
幾つかの実施例において、図11図15図16に示すように、表示領域10aには、複数の画素構造1が設けられ、各画素構造1は、画素回路11と発光素子12とを有し、画素回路11と発光素子12とが電気的に接続される。別の実施例において、図11図17及び図18に示すように、孔縁領域10fには複数の冗長画素構造1’が設けられ、孔縁領域10fが表示できず、冗長画素構造1’が正常に動作できない。各冗長画素構造1’は、冗長画素回路11’と冗長発光素子12’とを有する。冗長画素回路11’は、画素回路11と同じ構成である。以下、画素構造1における画素回路11及び発光素子12、並びに冗長画素構造1’における冗長画素回路11’及び冗長発光素子12’についてそれぞれ説明する。
【0117】
幾つかの実施例において、図7図15図18に示すように、表示基板100は、駆動回路層3のベース基板2から離れた側に設けられる発光素子層4をさらに含む。発光素子層4は、表示領域10a及び孔縁領域10fに位置する。
【0118】
発光素子層4は、第1電極層41と、機能層42と、第2電極層43と、画素定義層44とを有する。
【0119】
第1電極層41は、駆動回路層3のベース基板2から離れた側に設けられ、複数の第1電極411を含む。一例として、第1電極層41はアノード層であり、第1電極411はアノードである。第1電極層41の材料は、例えば、ITO、IZO、Au、Pt、Siのうちの少なくとも1つである。
【0120】
画素定義層44は、第1電極層41のベース基板2から離れた側に設けられ、画素定義層44内には、複数の開口K1が設けられ、各開口K1は、1つの第1電極411の少なくとも一部を露出し、且つ、各開口K1は1つのサブ画素P内に位置する。図11に示すように、表示領域10aでは、画素定義層44が開口し、各開口K1の輪郭線は、1つの第1電極411内にある。
【0121】
機能層42は、第1電極層41のベース基板2から離れた側に設けられる。機能層42は、複数の発光部421を含み、各発光部421は、1つの開口K1内に位置する。
【0122】
幾つかの実施例において、機能層42は、正孔輸送層(HTL、Hole Tranport Layer)と、電子輸送層(ETL、Electron Tranport Layer)とをさらに含む。
【0123】
一例として、正孔輸送層は、第1電極層41のベース基板2から離れた側に設けられ、複数の発光部421は、正孔輸送層のベース基板2から離れた側に設けられ、電子輸送層は、複数の発光部421のベース基板2から離れた側に設けられる。正孔輸送層と電子輸送層は、複数の開口K1内に位置する部分と、複数の開口K1外に位置する部分とを含み、例えば、図7に示す断面図における機能層42は、正孔輸送層及び電子輸送層を示しており、複数の発光部421を示していない。
【0124】
第2電極層43は、機能層42及び画素定義層44のベース基板2から離れた側に設けられ、一例として、第2電極層43は、カソード層である。
【0125】
幾つかの実施例において、発光素子層4は、第2電極層43のベース基板2から離れた側に設けられるキャッピング層(CPL、Capping Layer)をさらに含む。キャップピング層は、発光素子の発光効率を高めるように配置される。
【0126】
幾つかの実施例において、発光素子層4は、画素画定層44と第2電極層43との間に設けられる支持層45をさらに含み、支持層45は、画素画定層44と同じ材料で形成されてもよい。
【0127】
図7に示すように、表示基板100は、駆動回路層3と発光素子層4との間に設けられる平坦化層5をさらに含み、平坦化層5は、表示領域10a、配線領域10c、孔縁領域10f、及びブラインドホール領域10eに位置する。平坦化層5は、ソース・ドレイン金属層313を覆う。
【0128】
幾つかの実施例において、平坦化層5の材料は、光透過可能な絶縁材料であり、例えば、平坦化層5の材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は酸窒化ケイ素などである。
【0129】
幾つかの実施例において、図16に示すように、平坦化層5は、2層構造であり、積層されて設けられる第1平坦化層51と第2平坦化層52とを含む、第1平坦化層51は、第2平坦化層52よりもベース基板2に近い。
【0130】
この場合、図16に示すように、表示基板100は、複数の転送電極411’をさらに含み、各転送電極411’は、1つの第1電極411と電気的に接続され、転送電極411’は、ビアを介して画素回路11に電気的に接続される。
【0131】
また、表示基板100は、第1平坦化層51とソース・ドレイン金属層313との間に設けられるパッシベーション層5’をさらに含み、当該パッシベーション層5’は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は酸窒化ケイ素などの材料により形成されてもよく;当該パッシベーション層5’は、ソース・ドレイン金属層313を覆う。上記ビアは、第1平坦化層51及びパッシベーション層5’を貫通し、これにより、転送電極411’は、当該ビアを介して画素回路11における薄膜トランジスタに電気的に接続される。
【0132】
幾つかの実施例において、図15及び図16に示すように、表示領域10aに設けられる複数の画素構造1において、各画素構造1は、画素回路11と発光素子12とを有する。発光素子12は、画素回路11に電気的に接続される第1電極411、発光部421、及び第2電極層43のうちの発光部421に対応する部分を含む。
【0133】
別の実施例において、図17及び図18に示すように、孔縁領域10fに設けられる複数の冗長画素構造1’において、各冗長画素構造1’は、冗長画素回路11’及び/又は冗長発光素子12’を有し、孔縁領域10fは表示できず、冗長画素構造体1’は正常に動作できない。各冗長画素構造1’は、冗長画素回路11’と冗長発光素子12’とを有する。冗長画素回路11’は、画素回路11と同じ構成である。図17に示すように、冗長発光素子12’は、発光部421と、第2電極層43のうちの発光部421に対応する部分とを含み;又は、図18に示すように、冗長発光素子12’は、第1電極411、発光部421、及び、第2電極層43のうちの発光部421に対応する部分を含み、第1電極411は、冗長画素回路11’に電気的に接続されない。
【0134】
幾つかの実施例において、画素回路11及び冗長画素回路11’は、いずれも、少なくとも1つの薄膜トランジスタTを有し、さらに蓄積コンデンサを有する。、画素回路11と冗長画素回路11’の回路構成は同じであり、例えば、いずれも7T1C、8T2C、4T1Cなどの回路構成である。図12は、図10及び図11の領域G8と、図11の領域G8’の拡大図であり、図12に示すように、一例として、画素回路11及び冗長画素回路11’は、いずれも7T1Cの回路構成である。以下は、孔縁領域10fに位置する冗長画素回路11’を例として、冗長画素回路11’の構成について説明する。
【0135】
図12及び図13に示すように、冗長画素回路11’は、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、駆動トランジスタTd及び蓄積コンデンサCstを有する。1つの冗長画素回路11’は、3つのゲート駆動信号線GLと、1つの発光制御信号線ELとに電気的に接続され、当該3つのゲート駆動信号線GLは、それぞれ、ゲート走査線Gate、第1リセット信号線Reset1、及び第2リセット信号線Reset2である。
【0136】
なお、表示基板100は、表示領域10a及び孔縁領域10fに設けられる複数の第1電圧信号線VDDをさらに含み、一例として、複数の第1電圧信号線VDDは、ソース・ドレイン金属層313に位置する。
【0137】
蓄積コンデンサCstの第1端子は第1電圧信号線VDDに電気的に接続され、蓄積コンデンサCstの第2端子は第1ノードN1に電気的に接続される。
【0138】
駆動トランジスタTdの制御電極は、第1ノードN1に電気的に接続される。第1トランジスタT1の制御電極は、第1リセット信号線Reset1に電気的に接続され、第1トランジスタT1の第1電極は、初期化信号線VINTに電気的に接続され、第1トランジスタT1の第2電極は、第1ノードN1に電気的に接続される。
【0139】
第2トランジスタT2の制御電極は、ゲート走査線Gateに電気的に接続され、第2トランジスタT2の第1電極は、駆動トランジスタTdの第2電極に電気的に接続され、第2トランジスタT2の第2電極は、第1ノードN1に電気的に接続される。
【0140】
第3トランジスタT3の制御電極は、ゲート走査線Gateに電気的に接続され、第3トランジスタT3の第1電極は、データ線DLに電気的に接続され、第3トランジスタT3の第2電極は、第3ノードN3に電気的に接続される。
【0141】
第4トランジスタT4の制御電極は、発光制御線ELに電気的に接続され、第4トランジスタT4の第1電極は、第1電圧信号線VDDに電気的に接続され、第4トランジスタT4の第2電極は、第3ノードN3に電気的に接続される。
【0142】
第5トランジスタT5の制御電極は、第2リセット信号線Reset2に電気的に接続され、第5トランジスタT5の第1電極は、初期化信号線VINTに電気的に接続され、第5トランジスタT5の第2電極は、第4ノードN4に電気的に接続される。
【0143】
第6トランジスタT6の制御電極は、発光制御線ELに電気的に接続され、第6トランジスタT6の第1電極は、第3ノードN3に電気的に接続され、第6トランジスタT6の第2電極は、第4ノードN4に電気的に接続される。
【0144】
図11に示すように、表示領域10aにおいて、画素構造1は、画素回路11と発光素子12とを含み、画素回路11における第6トランジスタT6の第2電極が発光素子12の第1電極411に電気的に接続され、これにより、第6トランジスタT6が第1電極411に駆動信号を送信して発光素子12の発光を制御する。幾つかの実施例において、図10及び図11に示すように、孔縁領域10fにおいて、冗長画素構造1’は画素回路11’と発光素子12’とを含み、発光素子12’は第1電極を含まない。従って、画素回路11’における第6トランジスタT6の第2電極は他の素子に電気的に接続されず、発光素子12’は発光しないため、孔縁領域10fは表示を行わない。
【0145】
幾つかの実施例において、各薄膜トランジスタTは、活性層t1、ゲートt2、ソースt3、及びドレインt4を含む。活性層t1は半導体層33に位置し、ゲートt2は第1ゲート層311に位置し、ソースt3及びドレインt4はソース・ドレイン金属層313に位置する。薄膜トランジスタTのゲートt2と、複数の発光制御信号線ELと、複数のゲート駆動信号線GLとは、同じ層に設けられる。薄膜トランジスタTのソースt3と、ドレインt4と、複数のデータ線DLとは、同じ層に設けられる。図15図18に示す断面図における薄膜トランジスタは、画素回路11又は冗長画素回路11’における第6トランジスタT6とみなすことができる。
【0146】
図15に示すように、蓄積コンデンサCstは、第1電極板c1と、第2電極板c2とを含み得る。当該第1電極板c1は、第1ゲート層311に位置し、薄膜トランジスタTのゲートt2、複数の発光制御信号線EL及び複数のゲート駆動信号線GLと同じ層に設けられる。第2電極板c2は、第2ゲート層312に位置し、複数の初期化信号線VINTと同じ層に設けられる。且つ、第1電極板c1と第2電極板c2は対向して設けられる。
【0147】
薄膜トランジスタTのゲートt2、第1電極板c1、及び第2電極板c2の材料は、モリブデン、アルミニウム、及びチタン等の金属材料又は合金材料を含み得る。薄膜トランジスタTのソース210及びドレイン211は、金属材料又は合金材料、例えば、モリブデン、アルミニウム、チタン等から形成される金属単層又は多層構造を含み得る。例えば、当該多層構造は多金属積層構造であり、例として、チタン、アルミニウム、チタン(Al/Ti/Al)の3層金属積層構造が挙げられる。
【0148】
図10及び図11に示すように、孔縁領域10fは、配線領域10cに近い第1サブ領域10f1と、第1サブ領域10f1以外の第2サブ領域10f2とを含む。第1サブ領域10f1は、第2サブ領域10f2の外側に位置する。複数の冗長画素構造1’の画素回路11’における各薄膜トランジスタTは、第2サブ領域10f2に設けられ、第1サブ領域10f1のスペースは比較的狭いため、薄膜トランジスタTを設けることができない。
【0149】
表示基板100は、孔縁領域10fの第2サブ領域10f2に設けられる複数のビアK2と、孔縁領域10fの第1サブ領域10f1に設けられる複数の冗長ビアK3と、をさらに含む。
【0150】
各ビアK2は、第1絶縁層321、第2絶縁層322、及び層間絶縁層323を貫通する。複数の冗長画素構造1’は、孔縁領域10fの第2サブ領域10f2に設けられ、複数の冗長画素構造1’の各薄膜トランジスタTのソースt3及びドレインt4は、ビアK2を介してその活性層t1に電気的に接続される。一例として、各薄膜トランジスタTのソースt3及びドレインt4は、それぞれ、2つのビアK2を介してその活性層t1に電気的に接続される。
【0151】
無論、表示基板100は、表示領域10aに設けられる複数のビアK2をさらに含み、表示領域10aに位置する画素構造1における各薄膜トランジスタTのソースt3及びドレインt4は、ビアK2を介してその活性層t1に電気的に接続される。一例として、各薄膜トランジスタTのソースt3及びドレインt4は、それぞれ、2つのビアK2を介してその活性層t1に電気的に接続される。
【0152】
各冗長ビアK3は、第1絶縁層321、第2絶縁層322、及び層間絶縁層323を貫通する。平坦化層5の一部は、複数の冗長ビアK3を充填する。
【0153】
幾つかの例において、複数の冗長ビアK3の大きさは、第1サブ領域10f1のスペースの大きさに応じて設けられてもよく、その数も限定されなくてもよい。複数の冗長ビアK3を設けるのは、孔縁領域10fと表示領域10aにおけるビアKの密度の差を均一にし、薄膜トランジスタの均一な特性を確保するためである。
【0154】
以下、表示基板100の封止領域10gに設けられる構造について説明する。
【0155】
幾つかの実施例において、図7に示すように、表示基板100は、少なくとも1つの封止ダム領域10g3をさらに含み、各封止ダム領域10g3は、1つのスルーホール領域10dと、当該スルーホール領域10dを囲む配線領域10cとの間に位置し、且つ当該スルーホール領域10dを囲む。一例として、表示基板100は、2つの封止ダム領域10g3を含み、各封止ダム領域10g3は、1つのスルーホール領域10dを囲む。
【0156】
第1絶縁層321、第2絶縁層322、及び層間絶縁層323は、前記少なくとも1つの封止ダム領域10g3にさらに位置する。
【0157】
表示基板100は、複数の封止ダム6をさらに含み;各封止ダム領域10g3に少なくとも1つの封止ダム6が設けられ、各封止ダム6は、スルーホール領域10dを囲み、また、封止ダム6は、駆動回路層3のベース基板2から離れた側に設けられる。
【0158】
各封止ダム領域10g3に少なくとも2つの封止ダム6が設けられる場合、前記少なくとも2つの封止ダム6は、スルーホール領域10dの径方向に沿って順次に間隔をあけて配置される。
【0159】
幾つかの例において、図7に示すように、各封止ダム領域10g3に設けられる少なくとも1つの封止ダム6は、第1封止ダム61と第2封止ダム62とを含み、第1封止ダム61は、第2封止ダム62のスルーホール領域10dから離れた側に位置する。
【0160】
第2封止ダム62の第3方向Zに沿った厚さは、第1封止ダム61の第3方向Zに沿った厚さよりも大きく;ここで、第3方向Zは、ベース基板2に対して垂直である。
【0161】
一例として、図7に示すように、第2封止ダム62は、第1部62aと、第2部62bと、第1スペーサ部62cとを含み、第1部62aは、平坦化層5と同じ層に設けられる。第2部62bは、第1部62aのベース基板2から離れた側に設けられる。前記第2部62bは、画素定義層44と同じ層に設けられる。第1スペーサ部62cは、第2部62bのベース基板2から離れた側に設けられる。
【0162】
第1封止ダム61は、第3部61aと、第2スペーサ部61bとを含む。第3部61aは、画素定義層44と同じ層に設けられる。第2スペーサ部61bは、第3部61aのベース基板2から離れた側に設けられ、第2スペーサ部61bは第1スペーサ部62cと同じ材料で同じ層に設けられる。
【0163】
幾つかの例において、図7に示すように、機能層42のうちの正孔輸送層、電子輸送層及び第2電極層43も封止ダム領域10g3に位置し、且つ機能層42及び第2電極層43は、複数の封止ダム6のベース基板2から離れた側に、順次に積層されて設けられる。
【0164】
幾つかの実施例において、図7に示すように、表示基板100は、少なくとも1つの第1分離領域10g1と、少なくとも1つの第2分離領域10g2と、をさらに含む。各第1分離領域10g1は、前記配線領域と前記封止ダム領域10g3との間に位置し、且つ前記封止ダム領域10g3を囲み;各第2分離領域10g2は、スルーホール領域10dと前記封止ダム領域10g3との間に位置し、且つ当該スルーホール領域10dを囲む。一例として、表示基板100は、2つの第1分離領域10g1と、2つの第2分離領域10g2とを含む。
【0165】
第1絶縁層321、第2絶縁層322、及び層間絶縁層323は、前記少なくとも1つの第1分離領域10g1と、少なくとも1つの第2分離領域10g2と、にさらに位置する。
【0166】
図7図19及び図20に示すように、表示基板100は、複数の第1分離柱7と、複数の第2分離柱8とをさらに含む。
【0167】
各第1分離領域10g1には、少なくとも1つの第1分離柱7が設けられ、各第1分離柱7は、第1封止ダム61を囲むように設けられる。各第1分離領域10g1に少なくとも2つの第1分離柱7が設けられる場合、前記少なくとも2つの第1分離柱7は、スルーホール領域10dの径方向に沿って順次に間隔をあけて配置される。
【0168】
各第2分離領域10g2には、少なくとも1つの第2分離柱8が設けられ、各第2分離柱8は、スルーホール領域10dを囲むように設けられる。各第2分離領域10g2に少なくとも2つの第2分離柱8が設けられる場合、前記少なくとも2つの第2分離柱8は、スルーホール領域10dの径方向に沿って順次に間隔をあけて配置される。
【0169】
幾つかの実施例において、図7に示すように、第1分離柱7及び第2分離柱8は、層間絶縁層323のベース基板2から離れた側に設けられる。一例として、第1分離柱7と第2分離柱8は、ソース・ドレイン金属層313に位置する。第1分離柱7と第2分離柱8は、複数のデータ線DLと同じ層に設けられる。
【0170】
幾つかの例において、図7に示すように、機能層42のうちの正孔輸送層、電子輸送層及び第二電極層43も、少なくとも1つの第1分離領域10g1及び少なくとも1つの第2分離領域10g2に位置し、且つ機能層42及び第二電極層43は、複数の第1分離柱7及び複数の第2分離柱8のベース基板2から離れた側に、順次に積層されて設けられる。
【0171】
少なくとも1つの第1分離柱1c及び少なくとも1つの第2分離柱8は、有機発光材料(正孔輸送層及び電子輸送層の材料)を遮断することにより、水分や酸素が発光素子に侵入することを防止することができる。図7に示すように、少なくとも1つの第1分離柱7が一定の厚さを有し、表示基板において凸形状となっているため、機能層42を形成する際に、機能層42の正孔輸送層と電子輸送層は第1分離柱7で分断され、これにより、機能層42を不連続にする。これにより、スルーホール領域から機能層42に入った水分や酸素が、表示領域10aの発光素子(例えば、発光素子における発光部421)に侵入して、表示効果に影響を与えることを防止することができる。
【0172】
可能な設計として、図19及び図20に示すように、第1分離柱7の側壁に溝が設けられ;第2分離柱8の側壁に溝が設けられる。一例として、第1分離柱7及び第2分離柱8は、いずれも順次に積層されて設けられる第1金属パターン8aと、第2金属パターン8bと、第3金属パターン8cとを含み、第1分離柱7の側壁と第2分離柱8の側壁に溝を形成するように、第2金属パターン8bのベース基板2への正投影の外境界が、第1金属パターン8aと第3金属パターン8cのベース基板2への正投影の外境界の内側に位置する。
【0173】
幾つかの実施例において、各データ線DLが、順次に積層されて設けられる第1データ線パターンDL1と、第2データ線パターンDL2と、第3データ線パターンDL3とを含む場合、第1金属パターン8aは第1データ線パターンDLと同じ層に設けられ、第2金属パターン8bは第2データ線パターンDL2と同じ層に設けられ、第3金属パターン8cは第3データ線パターンDL3と同じ層に設けられる。第1金属パターン8a及び第3金属パターン8cの材料はチタンであり、第2金属パターン8bの材料はアルミニウムであり、これにより、各第1分離柱7及び第2分離柱8は、いずれもチタン-アルミニウム-チタン構造である。このように、複数のデータ線DLと第1分離柱7と第2分離柱8とを同一のパターニング工程で製造することができ、工程の簡略化に有利である。
【0174】
幾つかの実施例において、図20に示すように、各第2分離領域10g2には、少なくとも1つの第4金属パターン8dと、少なくとも1つの第5金属パターン8eとがさらに設けられている。第4金属パターン8dは、第1ゲート層311に位置し、第5金属パターン8eは、第2ゲート層312に位置する。各第4金属パターン8d及び各第5金属パターン8eは、スルーホール領域10dを囲む。
【0175】
第2分離柱8、第4金属パターン8d、及び第5金属パターン8eの3者は、ベース基板2上への正投影において共通の重なり領域を有する。一例として、少なくとも1つの第4金属パターン8dの数と、少なくとも1つの第5金属パターン8eの数は、少なくとも1つの第2分離柱8の数と等しい。各第2分離柱8の直下には1つの第5金属パターン8eが設けられ、各第5金属パターン8eの直下には1つの第4金属パターン8dが設けられる。
【0176】
少なくとも1つの第4金属パターン8dと少なくとも1つの第5金属パターン8eは、第2分離柱8を持ち上げるために使用され、ベース基板2のクラックの発生を緩和することもできる。
【0177】
幾つかの実施例において、図19に示すように、各第1分離領域10g1に少なくとも2つの第1分離柱7が設けられる場合、駆動回路層3の隣接する2つの第1分離柱7の間に位置する部分は、第1スロット1dを有し、一例として、第1スロット1dは、ベース基板2を露出する。
【0178】
幾つかの例において、駆動回路層3における第1絶縁層321、第2絶縁層322、及び層間絶縁層323を製造した後、第1絶縁層321、第2絶縁層322、及び層間絶縁層323のうちの隣接する2つの第1分離柱7の間に位置する部分をエッチング工程により除去し、ベース基板2を露出させ、これにより、第1スロット1dを形成する。別の幾つかの例において、層間絶縁層323のうちの隣接する2つの第1分離柱7の間に位置する部分のみを除去し、第2絶縁層322を露出させ、又は、層間絶縁層323及び第2絶縁層322のうちの隣接する2つの第1分離柱7の間に位置する部分のみを除去し、第1絶縁層321を露出させ、これにより、浅い第1スロット1dを形成してもよい。
【0179】
図20に示すように、各第2分離領域10g2に少なくとも2つの第2分離柱8が設けられる場合、駆動回路層3のうちの隣接する2つの第2分離柱8の間に位置する部分は、凹部1fを有する。
【0180】
各第2分離領域10g2には少なくとも1つの第4金属パターン8dと少なくとも1つの第5金属パターン8eがさらに設けられ、第4金属パターン8d及び第5金属パターン8eが、第2分離柱8の直下に設けられるので、第4金属パターン8dを形成した後、第2絶縁層322を堆積する過程において、隣接する2つの第4金属パターン8dの間に自然な凹部が形成され、続いて第5金属パターン8eを形成し、層間絶縁層323を堆積する過程において、隣接する2つの第5金属パターン8eの間に自然な凹部が形成され、絶縁層をエッチングする必要がない。
【0181】
幾つかの実施例において、図7図15図18に示すように、表示基板100は、発光素子層4のベース基板2から離れた側に設けられる封止層9をさらに含む。
【0182】
封止層9は、第1無機封止薄膜層91と、有機封止薄膜層92と、第2無機封止薄膜層93と、を含む。
【0183】
第1無機封止薄膜層91は、発光素子層4のベース基板2から離れた側に設けられ;第1無機封止薄膜層91は、第2分離領域10g2、封止ダム領域10g3、第1分離領域10g1、配線領域10c、孔縁領域10f、表示領域10a、及びブラインドホール領域10eに位置する。有機封止薄膜層92は、第1無機封止薄膜層91のベース基板2から離れた側に設けられ;有機封止薄膜層92は、封止ダム領域10g3、第1分離領域10g1、配線領域10c、孔縁領域10f、表示領域10a及びブラインドホール領域10eに位置する。第2無機封止薄膜層93は、有機封止薄膜層92のベース基板2から離れた側に設けられ;第2無機封止薄膜層93は、第2分離領域10g2、封止ダム領域10g3、第1分離領域10g1、配線領域10c、孔縁領域10f、表示領域10a及びブラインドホール10eに位置する。
【0184】
図7及び図14Aに示すように、ブラインドホール領域10eの膜層構造は、ベース基板2、第1絶縁層321、第2絶縁層322、層間絶縁層323、平坦化層5、及び封止層9を含む。幾つかの実施例において、当該ブラインドホール領域10eにおける複数の膜層をエッチングすることにより、上記膜層構造の一部のみを残してもよく、例えば、ブラインドホール領域10eにおける膜層は、ベース基板2、第1絶縁層321、第2絶縁層322、層間絶縁層323、平坦化層5、封止層9のうちの1つ又は複数を含んでもよく、例えば、ベース基板2、第1絶縁層321、第2絶縁層322、層間絶縁層323のみを含んでもよく、又はベース基板2、第1絶縁層321、第2絶縁層322、層間絶縁層323、平坦化層5のみを含んでもよい。通常では、ブラインドホール領域10eに図4に示す各層を残すことにより、表示基板の厚さが大きく変化しないようにし、貼り合わせ工程により各層を貼り合わせる際に、各層間に貼り合わせ気泡が発生することを回避する。光は、光入射方向に沿って各膜層を通過し、ブラインドホールに対応するセンサ105に到達する。
【0185】
ブラインドホール10eが一定の光透過率を有することを確保するために、ベース基板2、第1絶縁層321、第2絶縁層322、層間絶縁層323、平坦化層5、及び封止層9は、いずれも透明材料から形成されることが要求される。例えば、ベース基板2は、ポリイミド等の有機材料から形成されてもよく、第1絶縁層321、第2絶縁層322、層間絶縁層323は酸化ケイ素、酸窒化ケイ素等から形成されてもよい。平坦化層206は、例えばフォトレジスト、アクリル系ポリマー、シリコン系ポリマー等の有機材料で形成されてもよい。封止層9の第1無機封止薄膜層91及び第2無機封止薄膜層93は、水分及び酸素が表示基板100の表示側及びスルーホール領域10dから表示領域10aの発光素子に進入することを防止するために使用され;当該第1無機封止薄膜層91及び第2無機封止薄膜層93は、窒化ケイ素、酸化ケイ素等の無機材料で形成されてもよい。有機封止薄膜層92は、第2無機封止薄膜層93の形成を容易にするように、平坦化作用を実現するために使用され、当該有機封止薄膜層92は、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー等の材料を用いて形成してもよい。
【0186】
本開示の幾つかの実施例は、表示装置1000をさらに提供し、当該表示装置1000は、上記実施例に係る表示基板100と、当該表示基板を駆動するための駆動回路とを含む。
【0187】
幾つかの実施例において、図6に示すように、当該表示装置1000は、少なくとも1つの第1センサ200と、少なくとも1つの第2センサ300とをさらに含む。
【0188】
各第1センサ100は、1つのスルーホール領域10dに設けられ、且つ第1センサ200は、スルーホール内に位置し、スルーホール領域10bにおけるスルーホールに直接に対向して設けられる。一例として、表示基板200は、対向する表示面側Bと非表示面側B’とを有し、第1センサ200は、前記表示基板100の非表示面側B’に位置し、スルーホール内に延在可能である。少なくとも1つの第1センサ200は、光透過率に対する要求が高い素子であり、例えば、第1センサ200は、カメラを含む。
【0189】
各第2センサ300は1つのブラインドホール10eに設けられ、各第2センサ300は、少なくとも1つのブラインドホール10cにおけるブラインドホールに直接に対向して設けられ、且つ第1センサ200は表示基板100の非表示面側B’に位置する。少なくとも1つの第2センサ300は、光透過率に対する要求が低い素子であり、例えば、第2センサ300は、赤外線センサ、近接光センサ、投光照明器、及び周辺光センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0190】
一例として、少なくとも1つの第1センサ200及び少なくとも1つの第2センサ300の感知面は、いずれも表示基板100の表示面側Bに向け、これにより、表示基板100の表示面側Bからの光を受ける。
【0191】
上記表示装置1000において、関連技術のスルーホール(カメラを搭載する)のみ、又はスルーホールとベゼルに設けられるセンサとを組み合わた配置に比べて、表示装置がセンサ機能を実現する品質を保証するだけでなく、狭額縁の実現にも有利であり;従来のブラインドホールのみ、又はブラインドホールとベゼルに設けられるセンサとを組み合わせた配置に比べて、カメラの画像品質の向上に有利であり、狭額縁の実現にも有利である。
【0192】
本開示の別の実施例は、表示基板の製造方法をさらに提供する。図21に示すように、当該製造方法は、下記のステップを含む。
【0193】
S1では、ベース基板2を提供する。ベース基板2は、表示領域10aと、少なくとも1つの配線領域10cと、少なくとも1つのスルーホール領域10dと、少なくとも1つのブラインドホール領域10eとを含み、各配線領域10cは、1つのスルーホール領域10d又は1つのブラインドホール領域10eを囲み、表示領域10aは、配線領域10cを囲む。
【0194】
幾つかの実施例において、ベース基板2は、孔縁領域10fをさらに含み、孔縁領域10fは、配線領域10cと表示領域10aとの間に位置し、即ち、孔縁領域10fは配線領域10cを囲み、表示領域10aは孔縁領域10fを囲む。
【0195】
なお、ベース基板2における表示領域10a、配線領域10c、スルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eは、形成しようとする表示基板100における表示領域10a、配線領域10c、孔縁領域10f、スルーホール領域10d及びブラインドホール領域10eと一致する。
【0196】
S2では、ベース基板2上に駆動回路層3を形成する。駆動回路層3は、少なくとも1つの金属層31と、少なくとも1つの絶縁層32と、を含む。
【0197】
少なくとも1つの金属層31は、表示領域10aと、配線領域10cと、孔縁領域10fとに位置する。少なくとも1つの金属層は複数の信号線を有し、複数の信号線のうちの少なくとも1つの信号線の少なくとも一部は、スルーホール領域10d及び/又はブラインドホール領域10eの周囲に沿って迂回する。
【0198】
一例として、複数の信号線は、複数のデータ線DLと、複数の発光制御信号線ELと、複数のゲート駆動信号線GLと、複数の初期化信号線VINTとを含み、複数の信号線の具体的な配置については、図8A図8C及び前述の説明を参照し得るので、ここではその説明を省略する。
【0199】
少なくとも1つの絶縁層32は、表示領域10aと、配線領域10cと、スルーホール領域10dと、ブラインドホール領域10eと、孔縁領域10fとに位置する。
【0200】
幾つかの例において、図7に示すように、前記少なくとも1つの金属層31は、第1ゲート層311と、第2ゲート層312と、ソース・ドレイン金属層313とを含み;前記少なくとも1つの絶縁層32は、第1絶縁層321と、第2絶縁層322と、層間絶縁層323とを含む。駆動回路層3は、表示領域10a及び孔縁領域10fに位置する半導体層33をさらに含む。
【0201】
S2、ベース基板2上に駆動回路層3を形成することは、以下のことを含む。
【0202】
S21、ベース基板2上の一側に半導体層33を形成すること。
【0203】
S22、半導体層33のベース基板2から離れた側に第1絶縁層321を形成すること。
【0204】
S23、第1絶縁層321のベース基板2から離れた側に第1ゲート層311を形成すること。
【0205】
S24、第1ゲート層311のベース基板2から離れた側に第2絶縁層322を形成すること。
【0206】
S25、第2絶縁層322のベース基板2から離れた側に第2ゲート層312を形成すること。
【0207】
S26、第2ゲート層312のベース基板2から離れた側に層間絶縁層323を形成すること。
【0208】
S27、層間絶縁層323のベース基板2から離れた側に、ソース・ドレイン金属層313を形成すること。
【0209】
ここで、半導体層33、第1絶縁層321、第2絶縁層322及び層間絶縁層323の製造方法は堆積工程を用いてもよく、第1ゲート層311、第2ゲート層312及びソース・ドレイン金属層313の製造方法はスパッタリング工程を用いて金属膜層を形成し、さらにエッチング工程を用いて複数のパターンを形成してもよい。
【0210】
表示領域10aにおいて、駆動回路層3は、複数の画素回路11を含み、各画素回路11は、少なくとも1つの薄膜トランジスタを有する。孔縁領域10fにおいて、駆動回路層3は、複数の冗長画素回路11’を含み、各冗長画素回路11’は、少なくとも1つの薄膜トランジスタを有する。
【0211】
幾つかの実施例において、図4に示すように、少なくとも1つの金属層31はスルーホール領域10dにさらに位置し、これにより、スルーホール領域10dに冗長画素回路11’を形成する。スルーホール領域10dに冗長画素回路11’を設けることにより、表示基板100の厚さをより均一にすることができ、その後のスルーホール領域10dにおける表示基板を切断する過程において、均一に切断することができる。
【0212】
ここで、S23において形成される第1ゲート層311は、複数のゲート走査信号線GLと、複数の発光制御信号線ELと、複数の薄膜トランジスタのゲートと、を含み、複数のゲート走査信号線GL、複数の発光制御信号線EL、及び複数の薄膜トランジスタのゲートは、同一のパターニング工程により形成される。S25において形成される第2ゲート層312は、複数の初期化信号線VINTを含み、複数の初期化信号線VINTは同一のパターニング工程により形成される。S27において形成されるソース・ドレイン金属層313は、複数のデータ線DLと、複数の薄膜トランジスタのソース及びドレインと、を含み、複数のデータ線DLと、複数の薄膜トランジスタのソース及びドレインは、同一のパターニング工程により形成される。
【0213】
S3では、駆動回路層3のベース基板2から離れた側に平坦化層5を形成する。平坦化層5は、表示領域10aと、配線領域10cと、スルーホール領域10dと、ブラインドホール領域10eと、孔縁領域10fとに位置する。
【0214】
一例として、コーティング工程により、ソース・ドレイン金属層313のベース基板から離れた側に平坦化層の材料をコーティングする。例えば、平坦化層5の材料は、フォトレジスト、アクリル系ポリマー、シリコン系ポリマー等を含む。
【0215】
S4では、平坦化層5のベース基板2から離れた側に発光素子層4を形成し;発光素子層は表示領域10aに位置する。
【0216】
幾つかの例において、発光素子層4は、第1電極層41と、機能層42と、第2電極層43と、画素定義層44と、を含む。
【0217】
S41で平坦化層5のベース基板2から離れた側に発光素子層4を形成することは以下のことを含む。
【0218】
平坦化層5のベース基板2から離れた側に第1電極層41を形成し、ここで、第1電極層41は、複数の第1電極411を有し、各第1電極411は、平坦化層5を貫通するビアを介して駆動回路層3における薄膜トランジスタに電気的に接続されること。
【0219】
S42、第一電極層41のベース基板2から離れた側に画素定義層44を形成し、画素定義層44に複数の開口K1を形成し、各開口K1は、1つの第一電極411の少なくとも一部を露出すること。
【0220】
幾つかの例において、画素定義層44は、さらに、孔縁領域10fに形成されてもよく、孔縁領域10fに位置する画素定義層は、複数の開口を設けなくてもよい。
【0221】
S43、第1電極層41のベース基板2から離れた側に、機能層42を形成し、ここで、機能層42は、複数の発光部421を有し、各発光部421は1つの開口K1内に位置すること。
【0222】
S44、機能層42及び画素定義層44のベース基板2から離れた側に第2電極層43を形成すること。
【0223】
表示領域10aにおいて、発光素子層4は、複数の発光素子12を含み、各発光素子12は、画素回路11に電気的に接続される第1電極411と、発光部421と、第2電極層43のうちの発光部421に対応する部分と、を有する。孔縁領域10fにおいて、発光素子層4は、複数の冗長発光素子12’を含み、各冗長発光素子12’は、発光部421と、第2電極層43のうちの発光部421に対応する部分と、を有し;又は、図18に示すように、冗長発光素子12’は、第1電極411と、発光部421と、第2電極層43のうちの発光部421に対応する部分と、を含み、第1電極411は、冗長画素回路11’に電気的に接続されない。
【0224】
S5では、発光素子層4のベース基板2から離れた側に封止層9を形成し;封止層9は、表示領域10aと、配線領域10cと、スルーホール領域10dと、ブラインドホール領域10eと、孔縁領域10fとに位置する。
【0225】
封止層9は、第1無機封止薄膜層91と、有機封止薄膜層92と、第2無機封止薄膜層93と、を含む。
【0226】
発光素子層4のベース基板2から離れた側に封止層9を形成することは、以下のことを含む。
【0227】
S51、発光素子層4のベース基板2から離れた側に第1無機封止薄膜層91を形成すること。
【0228】
S52、第1無機封止薄膜層91のベース基板2から離れた側に有機封止薄膜層92を形成すること。
【0229】
S51、有機封止薄膜層92のベース基板2から離れた側に第2無機封止薄膜層93を形成すること。
【0230】
S6、ベース基板2、駆動回路層3、平坦化層5、及び封止層9のスルーホール領域に位置する部分を除去すること。
【0231】
一例として、レーザ切断又は機械プレスの方式により、スルーホール領域10dの各膜層を切断することにより、スルーホールを有する表示基板100を得ることができる。
【0232】
図4及び図5に示すように、表示基板100を切断する前に、スルーホール領域10dにおける表示基板上に、切断位置決めのために、位置決めマーク構造Mを設ける。位置決めマーク構造は、ソース・ドレイン金属層313に位置し、複数のデータ線DLと薄膜トランジスタのソース及びドレインと同一のパターニング工程により形成される。位置決めマーク構造Mの位置には冗長画素回路11’がない。
【0233】
幾つかの実施例において、S6は、封止層9のうちのブラインドホール領域10eに位置する部分を除去することをさらに含む。又は、S6は、駆動回路層3の少なくとも1つの絶縁層のうち、1つの絶縁層の、ブラインドホール領域10eに位置する部分を除去することをさらに含む。例えば、層間絶縁層323のうち、ブラインドホール領域10eに位置する部分を除去することにより、ブラインドホール領域10eの膜厚を薄くし、光透過性を向上させる。
【0234】
幾つかの実施例において、図3図5図7に示すように、ベース基板2は、少なくとも1つの封止ダム領域10g3と、少なくとも1つの第1分離領域10g1と、少なくとも1つの第2分離領域10g2と、をさらに含み;各封止ダム領域は、1つのスルーホール領域と当該スルーホール領域を囲む配線領域との間に位置し、且つ前記スルーホール領域を囲み、各第1分離領域は、前記配線領域と前記封止ダム領域との間に位置し、且つ前記封止ダム領域を囲み;各第2分離領域は、前記スルーホール領域と前記封止ダム領域との間に位置し、且つ前記スルーホール領域を囲む。
【0235】
ベース基板2上に駆動回路層3を形成するステップS2において、形成される少なくとも1つの絶縁層32は、少なくとも1つの封止ダム領域10g3と、少なくとも1つの第1分離領域10g1と、少なくとも1つの第2分離領域10g2とにさらに位置する。平坦化層5を形成するステップS3において、形成される平坦化層5は、少なくとも1つの封止ダム領域10g3と、少なくとも1つの第1分離領域10g1と、少なくとも1つの第2分離領域10g2とにさらに位置する。
【0236】
幾つかの実施例において、S27において形成されるソース・ドレイン金属層313は、複数の第1分離柱7と、複数の第2分離柱8と、をさらに含む。即ち、複数の第1分離柱7と、複数の第2分離柱8と、複数のデータ線DLとは、同一のパターニング工程により形成される。各第1分離領域10g1には、各々が第1封止ダム61を囲むように設けられる少なくとも1つの第1分離柱7が設けられ、各第2分離領域10g2には、各々がスルーホール領域10dを囲むように設けられる少なくとも1つの第2分離柱8が設けられる。
【0237】
第1分離柱7と第2分離柱8は、いずれも順次に積層されて設けられる第1金属パターン8aと、第2金属パターン8bと、第3金属パターン8cと、を含み、第1分離柱7の側壁と第2分離柱8の側壁に溝を形成するように、第2金属パターン8bのベース基板2への正投影の外境界が、第1金属パターン8aと第3金属パターン8cのベース基板2への正投影の外境界の内側に位置する。S27で複数の第1分離柱7と複数の第2分離柱8を形成する過程において、第1金属パターン8a、第2金属パターン8b、第3金属パターン8cのそれぞれの膜層を順次に形成し、各第2金属パターン8bの面積が第1金属パターン8aの面積及び第3金属パターン8cの面積よりも小さくなるように、各膜層を順次にエッチングする。
【0238】
幾つかの例において、第1絶縁層321、第2絶縁層322、及び層間絶縁層323のうちの隣接する2つの第1分離柱7の間に位置する部分をエッチング工程により除去し、ベース基板2を露出させ、隣接する2つの第1分離柱7の間に第1スロット1dを形成する。
【0239】
幾つかの実施例において、表示基板100の製造方法は、複数の封止ダム6を形成するステップをさらに含む。各封止ダム領域10g3に、少なくとも1つの封止ダム6が設けられ、各封止ダム6は、スルーホール領域10dを囲み、且つ封止ダム6は、駆動回路層3のベース基板2から離れた側に設けられる。
【0240】
S3において、駆動回路層3のベース基板2から離れた側に平坦化層5を形成するとともに、封止ダム6の少なくとも1つの第2封止ダム62の第1部分62aを形成することをさらに含み、第1部分62aは平坦化層5と同じ層に設けられる。
【0241】
一例として、図7に示すように、形成される第2封止ダム62は、第1部62aと、第2部62bと、第1スペーサ部62cと、を含む。第1部62aは、平坦化層5と同じ層に設けられる。第2部62bは、第1部62aのベース基板2から離れた側に設けられ、画素定義層44と同じ層に設けられる。第1スペーサ部62cは、第2部62bのベース基板2から離れた側に設けられる。
【0242】
形成される第1封止ダム61は、第3部61aと、第2スペーサ部61bと、を含む。第3部61aは、画素定義層44と同じ層に設けられる。第2スペーサ部61bは、第3部61aのベース基板2から離れた側に設けられる。第2スペーサ部61bは、第1スペーサ部62cと同じ材料で同じ層に設けられる。
【0243】
S5発光素子層4のベース基板2から離れた側に封止層9を形成することは、第1無機、第2分離領域10g2、封止ダム領域10g3及び第1分離領域10g1にさらに封止薄膜層91を配置することと、封止ダム領域10g3及び第1分離領域10g1に有機封止薄膜層92をさらに配置することと、第2分離領域10g2、封止ダム領域10g3及び第1分離領域10g1に第2無機封止薄膜層92を配置することと、を含む。
【0244】
以上に説明したのは、本開示の具体的な実施態様に過ぎず、本開示の保護範囲はこれらに限定されない。当業者が本開示の技術的範囲内において、容易に想到できる変更や置換は、すべて本開示の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された権利範囲を準拠するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】