(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(54)【発明の名称】六フッ化ウラン加水分解反応装置
(51)【国際特許分類】
C01G 43/025 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
C01G43/025 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528206
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2020082122
(87)【国際公開番号】W WO2021094575
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593128105
【氏名又は名称】フラマトム
【氏名又は名称原語表記】FRAMATOME
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】メゾナ,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】パイユー,パトリック
【テーマコード(参考)】
4G048
【Fターム(参考)】
4G048AA02
4G048AB01
4G048AD03
4G048AE06
(57)【要約】
反応装置(1)は、それぞれUF
6供給源、中性ガス供給源および水蒸気供給源と連結するために具備された第1の流体循環用同心チャネル(11)、第2の流体循環用同心チャネル(13)および第3の流体循環用同心チャネル(15)を含む管状インジェクタ(9)を含む。管状インジェクタ(9)は、付加製造によって得られる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 内部体積(7)を境界画定する壁(5)を含む加水分解チャンバ(3)と、
- 第1の流体循環用同心チャネル(11)、第2の流体循環用同心チャネル(13)および第3の流体循環用同心チャネル(15)を含む管状インジェクタ(9)であって、加水分解チャンバ(3)の壁(5)を貫通して組付けられかつ内部体積(7)内に位置する内側端部(17)と内部体積(7)外に位置する外側端部(19)とを有する、管状インジェクタ(9)と、
を含む六フッ化ウラン加水分解反応装置(1)であって、
- 第1のチャネル(11)、第2のチャネル(13)および第3のチャネル(15)がそれぞれ、内部体積(7)内に通じる第1の内側開口部(21)、第2の内側開口部(23)および第3の内側開口部(25)を内側端部(17)に有しており、
- 管状インジェクタ(9)が、外側端部(19)に、それぞれ第1のチャネル(11)、第2のチャネル(13)および第3のチャネル(15)に対して流体連通されかつそれぞれUF
6供給源、中性ガス供給源および水蒸気供給源と連結するために具備された第1の継手(27)、第2の継手(29)および第3の継手(31)を含んでおり、
- 管状インジェクタ(9)が、付加製造によって得られる、
六フッ化ウラン加水分解反応装置(1)。
【請求項2】
第2のチャネル(13)が、第1のチャネル(11)の周りに延在し、第3のチャネル(15)が、第2のチャネル(13)の周りに延在している、請求項1に記載の反応装置(1)。
【請求項3】
第1のチャネル(11)、第2のチャネル(13)および第3のチャネル(15)が、外側端部(19)において、長手方向に沿って延在し、第1の継手(27)が長手方向に延在し、第2の継手(29)および第3の継手(31)が各々、長手方向と30°~90°の間の角度を成している、請求項1または2に記載の反応装置(1)。
【請求項4】
第2の継手(29)および第3の継手(31)が、長手方向に沿って実質的に同じレベルに位置している、請求項3に記載の反応装置(1)。
【請求項5】
管状インジェクタ(9)が、外側端部(19)の周りに配置された長手方向中心軸スリーブ(57)を含み、このスリーブ(57)に加水分解チャンバ(3)の壁(5)に対する管状インジェクタ(9)の固定用フランジ(61)が取り付けられる、請求項3または4に記載の反応装置(1)。
【請求項6】
管状インジェクタ(9)が、その長さの少なくとも一部分にわたり長円形の外側断面を有する、請求項1から5のいずれか一つに記載の反応装置(1)。
【請求項7】
管状インジェクタ(9)が、それぞれ第1のチャネル(11)および第2のチャネル(13)を境界画定する第1の管状内側隔壁(45)および第2の管状内側隔壁(47)を有し、前記第1の管状内側隔壁(45)および前記第2の管状内側隔壁(47)が、管状インジェクタ(9)の長さの少なくとも一部分にわたり長円形の断面を有する、請求項6に記載の反応装置(1)。
【請求項8】
管状インジェクタ(9)が、内側端部(17)を画定する直線状の第1の端部区分(63)、外側端部(19)を画定する直線状の第2の端部区分(65)、および前記長円形の外側断面を有する弧状中間区分(67)を有する、請求項5または6に記載の反応装置(1)。
【請求項9】
管状インジェクタ(9)が、弧状中間区分(67)に沿って補剛リブ(73)を有している、請求項7に記載の反応装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、六フッ化ウラン加水分解反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第99/28236号は、
- 内部体積を境界画定する壁を含む加水分解チャンバと;
- 加水分解チャンバの壁を貫通して組付けられた、第1、第2および第3の流体循環用同心チャネルを含む管状インジェクタと;
を含む、既知の六フッ化ウラン加水分解反応装置の一例を開示している。
【0003】
管状インジェクタは、内部体積内に位置する内側端部と内部体積外に位置する外側端部を有する。第1、第2および第3のチャネルはそれぞれ、六フッ化ウラン(UF6)供給源、中性ガス供給源および水蒸気供給源に連結されている。
【0004】
管状インジェクタは、加水分解反応装置の作動にとって極めて重要な部品である。
【0005】
これらの管状インジェクタは、定期的に交換されなければならない。現在の管状インジェクタは、品質上の欠点を有し加水分解反応装置を適切に作動させることができないということが観察されてきた。
【0006】
その上、複数の加水分解反応装置を含む設備においては、1つの加水分解反応装置に組付けられた管状インジェクタを別の加水分解反応装置内で使用するのは困難であることが観察された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この状況下で、本発明は、上述の欠点の無い管状インジェクタを有する加水分解反応装置を提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため本発明は、六フッ化ウラン加水分解反応装置において;
- 内部体積を境界画定する壁を含む加水分解チャンバと;
- 第1、第2および第3の流体循環用同心チャネルを含む管状インジェクタであって、加水分解チャンバの壁を貫通して組付けられかつ内部体積内に位置する内側端部と内部体積外に位置する外側端部とを有する、管状インジェクタと;
を含む六フッ化ウラン加水分解反応装置であって:
- 第1、第2および第3のチャネルがそれぞれ、内部体積内に通じる第1、第2および第3の内側開口部を内側端部に有しており、
- 管状インジェクタが、外側端部に、それぞれ第1、第2および第3のチャネルに対して流体連通されかつそれぞれUF6供給源、中性ガス供給源および水蒸気供給源と連結するために具備された第1、第2および第3の継手を含んでおり;
- 管状インジェクタが、付加製造によって得られる;
六フッ化ウラン加水分解反応装置に関する。
【0009】
反応装置はさらに、以下の特徴のうち単数または複数のものを個別に、または技術的に可能なあらゆる組合せにしたがって有することができる:
- 第2のチャネルは、第1のチャネルの周りに延在し、第3のチャネルは、第2のチャネルの周りに延在している;
- 第1、第2および第3のチャネルは、外側端部において、長手方向に沿って延在し、第1の継手は長手方向に延在し、第2および第3の継手は各々、長手方向と30°~90°の間の角度を成している;
- 第2および第3の継手は、長手方向に沿って実質的に同じレベルに位置している;
- 管状インジェクタは、外側端部の周りに配置された長手方向中心軸スリーブを含み、このスリーブに加水分解チャンバの壁に対する管状インジェクタの固定用フランジが取り付けられる;
- 管状インジェクタは、その長さの少なくとも一部分にわたり長円形の外側断面を有する;
- 管状インジェクタは、それぞれ第1のチャネルおよび第2のチャネルを境界画定する第1および第2の管状内側隔壁を有し、前記第1および第2の管状内側隔壁は、管状インジェクタの長さの少なくとも一部分にわたり長円形の断面を有する;
- 管状インジェクタは、内側端部を画定する直線状の第1の端部区分、外側端部を画定する直線状の第2の端部区分、および前記長円形の外側断面を有する弧状中間区分を有する;
- 管状インジェクタは、弧状中間区分に沿って補剛リブを有している。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照しながら、非限定的に一例として以下で示されているその詳細な説明から明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る加水分解反応装置の一例の部分側面図である。
【
図3】
図1の矢印IIIの入射方向に沿って見た
図1および
図2の管状インジェクタの内側端部の図である。
【
図4】
図5の矢印IVの入射方向に沿って見た、管状インジェクタの外側端部の断面図である。
【
図5】
図4の管状インジェクタの外側端部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
UF6から酸化ウランへの乾式直接転換は、かなり以前から工業的に使用されている。工業的実施設備には、概して、順次以下のものが含まれる:
- 加水分解によるUO2F2の形成を誘発するための、UF6および水蒸気の導入手段を備えた反応装置;
- 加熱手段および水蒸気および水素の向流式導入手段を備えた、UO2F2を酸化ウランに変換するための熱加水分解用回転式管状炉;および
- 酸化物粉末の状態調節手段。
【0013】
実施される化学反応は、以下の通りである:
- 反応装置内で、UF6+2H2O→UO2F2+4HF;
- UO2F2+H2O→UO3+2HF;
- 炉内で、UO3+H2→UO2+H2O。
【0014】
図1中に部分的に表示されている反応装置1は、第1段階、すなわち六フッ化ウランUF
6からUO
2F
2への加水分解を実施するためのものである。
【0015】
この反応装置1は、加水分解チャンバ3を含み、壁5が内部体積7を境界画定している。
【0016】
加水分解反応装置1は、さらに、第1、第2および第3の流体循環用同心チャネル(
図2~5参照)を含む管状インジェクタ9を含む。
図1を見れば分かるように、管状インジェクタ9は、加水分解チャンバ3の壁5を貫通して組付けられており、内部体積7内に位置する内側端部17、および内部体積7の外に位置する外側端部19を有する。
【0017】
第1、第2および第3のチャネル11、13、15は、それらの内側端部にそれぞれ、内部体積7内に通じる第1、第2および第3の内側開口部21、23、25(
図3)を有している。
【0018】
管状インジェクタ9はその外側端部19に、それぞれ第1、第2および第3のチャネル11、13、15に対して流体連通された第1、第2および第3の継手27、29、31(
図2および5参照)を含む。
【0019】
第1、第2および第3の継手27、29、31は、それぞれUF6供給源33、中性ガス供給源35および水蒸気供給源37と連結するために具備されている。
【0020】
これらの供給源33、35、37は、
図2中に象徴的に表わされている。
【0021】
図示された例において、第1、第2および第3の継手27、29、31は、それぞれ39、41、43として示された継手用管によって供給源33、35、37に連結されている。これらの管は、それぞれ継手27、29、31に溶接され、フランジ接続によって供給源33、35、37に固定されている。
【0022】
反応装置1は、典型的には、図示されていないものの断熱材料で構成された加熱ボックス内に格納される。このボックスの内部には、図示されていない発熱抵抗体が設置されている。
【0023】
UF6は、気体状態で加水分解チャンバ3内に注入される。
【0024】
加水分解反応の後、それは、細かい粒子の形態を呈するUO2F2へと変換される。これらの粒子は、加水分解チャンバ3の底面に重力で収集され、管状炉に向かって移送され、ここでUO2F2から酸化ウランへの変換が行なわれる。
【0025】
例えば、この移送は、スクリュを用いて行なわれる。
【0026】
図2~5を見れば分かるように、第2のチャネル13は、第1のチャネル11の周りに延在し、第3のチャネル15は第2のチャネル13の周りに延在している。
【0027】
換言すると、第1のチャネルが管状インジェクタの中心で延在し、第3のチャネルが管状インジェクタの外部に向かって延在し、第2のチャネルが第1のチャネルと第3のチャネルの間に置かれるような形で、チャネルは配設されている。
【0028】
このために、管状インジェクタは、それぞれ第1のチャネル11および第2のチャネル13を境界画定する第1および第2の管状内側隔壁45、47を有する。外側壁49が、管状インジェクタの外表面を画定する。第1の内側隔壁は、第1のチャネル11を第2のチャネル13から分離している。第2の内側隔壁47は、第2のチャネル13を第3のチャネル15から分離している。外側壁49は、第3のチャネルを半径方向に外部に向かって閉鎖する。
【0029】
第1の内側隔壁45と第2の内側隔壁47の間、および第2の内側隔壁47と外側壁49との間に一定の離隔距離を維持するような形で、第2のチャネル13内および第3のチャネル15内に図示されていないスペーサが設置される。
【0030】
こうして、第2および第3のチャネル13、15に沿って一定の通過断面を保つことが可能となる。
【0031】
本発明によると、管状インジェクタ9は、付加製造によって得られる。この製造方法は、3Dプリンティングなる名称でも知られている。
【0032】
管状インジェクタは典型的には、金属、例えばインコネルまたは他のあらゆる適切な材料で製造される。
【0033】
管状インジェクタ9は、好ましくは全体が付加製造によって製造されている。
【0034】
特に、第1および第2の内側隔壁45、47、外側壁49、第1、第2および第3の継手27、29、31は、付加製造によって得られる。
【0035】
このような製造様式は、優れた製造品質を保証することを可能にする。
【0036】
これにより、特に優れた同心性、ひいてはチャネル11、13および15に沿って極めて均一な通過断面を得ることができる。
【0037】
チャネルを境界画定する部品間の溶接が無いことから、チャネルに沿った気体の循環の際の負荷損失は極度に削減される。このことは、加水分解反応装置のより優れた性能に有利に作用する。
【0038】
付加製造により管状インジェクタを製造することから、第1、第2および第3のチャネルの優れた同心性を得ることが可能である。このため、内側隔壁45、47の間および内側隔壁47と外側端部19の間に多数のスペーサを載置する必要がない。このことは、負荷損失を減少させ、再現性のある作動特性を得ることにも寄与する。付加製造によって得られたのではなく機械溶接された従来技術の管状インジェクタでは、チャネルに沿って循環する気体が受ける負荷損失は、管状インジェクタ毎に変動する。
【0039】
これが、一部には、所与の加水分解反応装置に適応された管状インジェクタを異なる別の加水分解反応装置内で再利用することができなかったことの理由であった。
【0040】
したがって、管状インジェクタの作動特性、特に負荷損失は、はるかに再現性の高いものである。このため、所与の加水分解反応装置に用いられた管状インジェクタを、はるかに容易に別の加水分解反応装置に対して再利用することができる。
【0041】
特に
図5を見れば分かるように、管状インジェクタの外側端部19にある第1、第2および第3のチャネル11、13、15は、長手方向に延在する。
【0042】
第1の継手27も同様に、外側端部19に沿って長手方向に延在する。
【0043】
第2および第3の継手29、31は各々、長手方向と30°~90°の間の角度を成している。
【0044】
図示された実施例において、第2および第3の継手29、31は、長手方向と45°の角度を成している。
【0045】
この角度は、典型的には、継手の内側ダクトの中心軸と長手方向の間で測定される。
【0046】
図1および
図2を比較すると分かるように、第1、第2および第3の継手27、29、31は、実質的に同じ平面内に配置されている。
【0047】
有利には、第2の継手29および第3の継手31は、長手方向に沿って実質的に同じレベルに位置している。
【0048】
第2および第3の継手29、31は、管状インジェクタの外側壁49との関係において横方向に突出している。これらの継手は、第1の継手27の両側に設置されている。
【0049】
第2および第3の継手29、31の各々は、外側壁49との関係において突出した外側端部部分51を有する管の形状を有する。
【0050】
第2の継手29は、第3のチャネル15を横断しかつ第2の管状隔壁47を貫通して第2のチャネル13に通じることになる内側端部部分53を有する。
【0051】
内側端部部分53は、第2の内側隔壁47と一体化している。
【0052】
第3の継手31は、外側壁49と一体化した端部部分55を有する。第3の継手の内側ダクトは、外側壁49を貫通して第3のチャネル15と連通している。
【0053】
第2の継手29および第3の継手31は、第2および第3の継手の端部部分53および55が長手方向に実質的に同じレベルに位置しているという意味において、長手方向に実質的に同じレベルに位置する。
【0054】
換言すると、それぞれ第2の内側隔壁47および外側壁49内に設けられかつ継手29および31の内側チャネルを第2のチャネル13および第3のチャネル15と連通させているオリフィスは、長手方向に実質的に同じレベルに位置する。
【0055】
このことは、管状インジェクタの外側端部19の設計がこうして長手方向に極めてコンパクトなものとなるために、極めて有利である。従来技術においては、継手は、管状インジェクタが機械溶接された構造であるため、互いに長手方向にオフセットされている。
【0056】
長手方向によりコンパクトな設計を有することで、付加製造による管状インジェクタの製造は容易になる。非常に大きいサイズの製造用ツールを備える必要がなく、より小さいサイズはコストを節約することができる。
【0057】
その上、管状インジェクタ9は、外側端部19の周りに配置された長手方向中心軸のスリーブ57を含む。
【0058】
スリーブ57は、円形断面の円筒形の全体形状を有する。コーン59が、スリーブ57を第1の継手27に向かって長手方向に延長している。コーン59は、スリーブ57の閉じた輪郭エッジの1つと一体化している。このコーン59は同様に、外側壁49ならびに第2および第3の継手29、31とも一体化している。コーン59は、スリーブ57を外側端部19に一体化できるようにしている。
【0059】
スリーブ57およびコーン59は、管状インジェクタの一部を成し、同様に付加製造によって得られる。
【0060】
図1および
図2を見れば分かるように、管状インジェクタ9を加水分解チャンバの壁5に固定するフランジ61が、スリーブ57に取り付けられる。
【0061】
フランジ61は、スリーブ57の外部で、このスリーブの周りに取り付けられる。したがって、スリーブは中央オリフィスを有し、その中にフランジ61が係合され、フランジ61は、例えばステッチ溶接などのあらゆる手段によってスリーブ57に固定される。フランジ61は、例えばネジなどの適切なあらゆる手段によって壁5にしっかりと固定される。
【0062】
有利には、管状インジェクタは、その長さの少なくとも一部分にわたり長円形の外側断面を有する。
【0063】
典型的には、これらの長円形の断面は、楕円形状をしている。
【0064】
図1を見れば分かるように、管状インジェクタは、内側端部17を画定する直線状の第1の端部区分63を有する。
【0065】
管状インジェクタ9は同様に、外側端部19を画定する直線状の第2の端部区分65を有する。
【0066】
第1および第2の端部区分の間に、管状インジェクタ9は、弧状の中間区分67を有する。
【0067】
例えば、区分63および65は、互いに直交している。
【0068】
少なくとも弧状中間区分は、長円形の外側断面を有する。図示された実施例において、第2の端部区分65も同様に長円形の外側断面を有する。
【0069】
一方、第1の端部区分63は、内側端部17を画定する円形断面の終端部分69を含み、第1の端部区分63はさらに、中間区分67を終端部分69に連結する継手区分71を含む。継手区分71に沿って、外側断面は、長円形状から円形状へと漸進的に移行する。長円形の外側断面を有する管状インジェクタの部分に沿って、第1および第2の管状内側隔壁45、47も同様に、長円形の断面を有する。
【0070】
管状インジェクタの長円形の外側断面は、外側壁によって画定される。
【0071】
第1および第2の管状内側隔壁45、47および外側壁49のそれぞれの長円形の断面は、互いに平行であるという点に留意すべきである。換言すると、これらの断面は同心的である。これはすなわち、隔壁45、47および外側壁49が形成する長円形の幾何学的中心が一致していることを意味する。
【0072】
長円形の外側断面を具備することにより、付加製造を容易にすることができる。
【0073】
実際、管状インジェクタは、長円形の長軸を垂直方向に沿って方向づけた状態で、
図4に示された方向にしたがって製造される。
【0074】
断面の上部部分の製造に際して、断面が円形である場合の崩壊の危険性に比べ、崩壊の危険性は低減される。
【0075】
管状インジェクタは、弧状中間区分に沿って補剛リブ73を有しているという点に留意すべきである。これにより、管状インジェクタの剛性を強化することができる。
図1を見れば分かるように、加水分解反応装置の内部で、第1の端部区分は、垂直に方向付けられる。内側端部は下方を向いている。第2の端部区分は、実質的に水平の方向を有する。
【符号の説明】
【0076】
1 六フッ化ウラン加水分解反応装置
3 加水分解チャンバ
5 壁
7 内部体積
9 管状インジェクタ
11 第1のチャネル
13 第2のチャネル
15 第3のチャネル
17 内側端部
19 外側端部
21 第1の内側開口部
23 第2の内側開口部
25 第3の内側開口部
27 第1の継手
29 第2の継手
31 第3の継手
45 第1の管状内側隔壁
47 第2の管状内側隔壁
57 スリーブ
61 フランジ
63 第1の端部区分
65 第2の端部区分
67 弧状中間区分
73 補剛リブ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【手続補正書】
【提出日】2022-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 内部体積(7)を境界画定する壁(5)を含む加水分解チャンバ(3)と、
- 第1の流体循環用同心チャネル(11)、第2の流体循環用同心チャネル(13)および第3の流体循環用同心チャネル(15)を含む管状インジェクタ(9)であって、加水分解チャンバ(3)の壁(5)を貫通して組付けられかつ内部体積(7)内に位置する内側端部(17)と内部体積(7)外に位置する外側端部(19)とを有する、管状インジェクタ(9)と、
を含む六フッ化ウラン加水分解反応装置(1)であって、
- 第1のチャネル(11)、第2のチャネル(13)および第3のチャネル(15)がそれぞれ、内部体積(7)内に通じる第1の内側開口部(21)、第2の内側開口部(23)および第3の内側開口部(25)を内側端部(17)に有しており、
- 管状インジェクタ(9)が、外側端部(19)に、それぞれ第1のチャネル(11)、第2のチャネル(13)および第3のチャネル(15)に対して流体連通されかつそれぞれUF
6供給源、中性ガス供給源および水蒸気供給源と連結するために具備された第1の継手(27)、第2の継手(29)および第3の継手(31)を含んでおり、
- 管状インジェクタ(9)が、付加製造によって得られる、
六フッ化ウラン加水分解反応装置(1)。
【請求項2】
第2のチャネル(13)が、第1のチャネル(11)の周りに延在し、第3のチャネル(15)が、第2のチャネル(13)の周りに延在している、請求項1に記載の反応装置(1)。
【請求項3】
第1のチャネル(11)、第2のチャネル(13)および第3のチャネル(15)が、外側端部(19)において、長手方向に沿って延在し、第1の継手(27)が長手方向に延在し、第2の継手(29)および第3の継手(31)が各々、長手方向と30°~90°の間の角度を成している、請求項1または2に記載の反応装置(1)。
【請求項4】
第2の継手(29)および第3の継手(31)が、長手方向に沿って実質的に同じレベルに位置している、請求項3に記載の反応装置(1)。
【請求項5】
管状インジェクタ(9)が、外側端部(19)の周りに配置された長手方向中心軸スリーブ(57)を含み、このスリーブ(57)に加水分解チャンバ(3)の壁(5)に対する管状インジェクタ(9)の固定用フランジ(61)が取り付けられる、請求項
3に記載の反応装置(1)。
【請求項6】
管状インジェクタ(9)が、その長さの少なくとも一部分にわたり長円形の外側断面を有する、請求項1
または2に記載の反応装置(1)。
【請求項7】
管状インジェクタ(9)が、それぞれ第1のチャネル(11)および第2のチャネル(13)を境界画定する第1の管状内側隔壁(45)および第2の管状内側隔壁(47)を有し、前記第1の管状内側隔壁(45)および前記第2の管状内側隔壁(47)が、管状インジェクタ(9)の長さの少なくとも一部分にわたり長円形の断面を有する、請求項6に記載の反応装置(1)。
【請求項8】
管状インジェクタ(9)が、内側端部(17)を画定する直線状の第1の端部区分(63)、外側端部(19)を画定する直線状の第2の端部区分(65)、および前記長円形の外側断面を有する弧状中間区分(67)を有する、請求項
6に記載の反応装置(1)。
【請求項9】
管状インジェクタ(9)が、弧状中間区分(67)に沿って補剛リブ(73)を有している、請求項
8に記載の反応装置(1)。
【国際調査報告】