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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(54)【発明の名称】分解洗浄可能な空調室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0007 20190101AFI20230511BHJP
   F24F 1/0018 20190101ALI20230511BHJP
【FI】
F24F1/0007 321
F24F1/0018
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559998
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2021091218
(87)【国際公開番号】W WO2021219110
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202020715202.5
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020719835.3
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010371117.6
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020719897.4
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020719577.9
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020719554.8
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020719552.9
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020719539.3
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020718857.8
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020718809.9
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020719520.9
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020720118.2
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020715170.9
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517383858
【氏名又は名称】海信(広東)空調有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hisense (Guangdong) Air Conditioning Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No 8 Hisense Road, Advanced Manufacturing Jiangsha Demonstration Park, Jiangmen City, Guangdong Province, PRC
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シャン,イ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ミンジユ
【テーマコード(参考)】
3L049
3L050
【Fターム(参考)】
3L049BC01
3L049BD01
3L050BA02
3L050BA10
(57)【要約】
本開示はモータの分野に関し、特に、分解洗浄可能な空調室内機に関する。当該分解洗浄可能な空調室内機のカバーには第1開口が設けられる。風路部材はカバーに取り外し可能に接続され、第1開口を介して取り外し可能である。ファンは風路部材内に設けられ、一端が風路部材の一側に回転可能に設けられ、他端にブッシュが設けられる。モータは、風路部材の外側に設けられ、モータの出力軸はブッシュに挿設され、ブッシュに出力軸とブッシュとを固定接続するための締結具が取り外し可能に設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口が設けられるカバーと、
前記カバーに取り外し可能に接続され、前記第1開口を介して取り外し可能な風路部材であって、風路キャビティを含む、風路部材と、
前記風路キャビティ内に設けられるファンであって、一端が前記風路キャビティの一側に回転可能に設けられ、他端にブッシュが設けられる、ファンと、
前記風路キャビティの外側に設けられるモータであって、出力軸を有し、前記出力軸は前記ブッシュに挿設され、前記ブッシュに前記出力軸と前記ブッシュを固定接続するための締結具が取り外し可能に設けられる、モータと、
を備える、
ことを特徴とする分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項2】
前記風路キャビティの前記締結具に径方向に対応する位置には、取り外し孔が設けられ、前記取り外し孔の寸法は前記締結具の寸法よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項3】
前記ファンの一端には回転シャフトが固定して設けられ、前記風路キャビティの一端には軸受けが設けられ、前記回転シャフトは前記軸受け内に穿設される、ことを特徴とする請求項2に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項4】
前記ファンはファンフレームと、ファンフレームに取り付けられるファンブレードとを含み、前記回転シャフト、前記ブッシュ及び前記ファンフレームは一体に成形されることを特徴とする請求項3に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項5】
前記ブッシュにはねじ穴が設けられ、前記出力軸には前記ねじ穴に対向する凹溝が設けられ、前記締結具は締結ねじであり、前記ねじ穴には前記締結ねじが取り外し可能に固定配置され、前記締結ねじの端部は凹溝内に延出することを特徴とする請求項2に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項6】
前記取り外し孔は丸穴であり、前記丸穴の直径はボルトのナットの直径の1.5~3倍であることを特徴とする請求項5に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項7】
前記取り外し孔は多角形の穴であり、前記多角形の穴の内接円の直径はボルトのナットの直径の1.5~3倍であることを特徴とする請求項5に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項8】
前記風路キャビティは断面が円弧状である本体を含み、前記本体の両端にはいずれも接続部が一体的に接続され、前記した前記モータに近い接続部には円弧状の開口が設けられ、前記ブッシュは前記開口内に穿設され、前記取り外し孔は前記接続部に設けられることを特徴とする請求項2に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項9】
さらに、ベースを含み、前記風路キャビティと前記モータはいずれも前記ベースに設けられることを特徴とする請求項1-8のいずれか一項に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項10】
前記ブッシュには連結孔が設けられ、前記連結孔は前記ブッシュの径方向に沿って設けられ、且つ前記ブッシュの軸孔に連通し、前記出力軸には前記凹溝に対して間隔を空けて配置されるストッパーが設けられ、前記凹溝は前記出力軸の外周壁に周設され、前記出力軸が前記ブッシュ内に組付けられて前記凹溝を前記連結孔に対向させると、前記ストッパーは前記ブッシュの端部に当接する、ことを特徴とする請求項1に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項11】
前記凹溝の凹み深さは0.3~1.5mmである、ことを特徴とする請求項10に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項12】
前記凹溝の前記駆動軸の軸方向に沿う長さをL、前記締結具の外径をDとすると、L>Dであることを特徴とする請求項10に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項13】
前記凹溝の両側はいずれもテーパ遷移面になるように設けられることを特徴とする請求項10に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項14】
前記出力軸の前端にはガイドテーパ面が設けられる、ことを特徴とする請求項10に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項15】
前記凹溝は前記ガイドテーパ面と前記ストッパーとの間に設けられ、且つ前記凹溝と前記ガイドテーパ面との間には前記ブッシュに嵌合する第1軸部が形成され、前記凹溝と前記ストッパーとの間には前記ブッシュに嵌合する第2軸部が形成され、前記出力軸の軸方向に沿って、前記第1軸部の長さと前記第2軸部の長さは、いずれも前記凹溝の長さ以上であることを特徴とする請求項14に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項16】
前記凹溝は前記ガイドテーパ面と前記ストッパーとの間に設けられ、且つ前記凹溝と前記ガイドテーパ面との間には前記ブッシュに嵌合する第1軸部が形成され、前記凹溝と前記ストッパーとの間には前記ブッシュに嵌合する第2軸部が形成され、前記出力軸の軸方向に沿って、前記第1軸部の長さと前記第2軸部の長さと和は前記凹溝の長さ以上であることを特徴とする請求項14に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項17】
前記ストッパーは前記駆動軸に外嵌される位置決め止め輪であることを特徴とする請求項10に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項18】
前記ブッシュの軸孔は第1嵌合部と第2嵌合部を含み、前記第1嵌合部の孔径は前記第2嵌合部の孔径よりも大きく、前記ブッシュには連結孔が設けられ、前記出力軸は大径部と小径部を含み、前記小径部は前記第2嵌合部に嵌合し、前記大径部は前記第1嵌合部に嵌合することを特徴とする請求項1に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項19】
前記大径部にはストッパーが設けられ、前記ブッシュには連結孔が設けられ、前記連結孔は前記ブッシュの径方向に沿って設けられ、且つ前記第1嵌合部に連通し、前記出力軸が前記ブッシュ内に組付けられて前記ストッパーを前記ブッシュの端部に当接させると、前記小径部の一部は前記第1嵌合部の一部に対応して両者の間に隙間が形成され、前記締結具は前記連結孔内に設けられ、且つ前記締結具の下端部は前記隙間を介して前記小径部に当接する、ことを特徴とする請求項18に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項20】
前記大径部と前記小径部との接続箇所にはテーパ遷移面が設けられることを特徴とする請求項19に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項21】
前記第1嵌合部の長さをA1、前記ストッパーから前記テーパ遷移面までの距離をA2とすると、A1>A2である、ことを特徴とする請求項20に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項22】
前記大径部の直径をD1、前記小径部の直径をD2とすると、D1-D2≧0.6mmである、ことを特徴とする請求項19に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項23】
前記第1嵌合部の側壁には前記軸孔に連通する開口溝が設けられ、前記開口溝の開口幅をH、前記大径部の直径をD1、前記小径部の直径をD2とすると、D2<H≦D1である、ことを特徴とする請求項18に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項24】
前記開口溝はガイド溝部と拘束溝部を含み、前記拘束溝部は前記ガイド溝部の外側に位置し、前記ガイド溝部の開口幅をH1、前記拘束溝部の開口幅をH2とすると、D2<H2<H1≦D1である、ことを特徴とする請求項23に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項25】
前記小径部と前記第1嵌合部との間に形成される前記隙間は0.3~1.5mmであることを特徴とする請求項19に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項26】
前記隙間の前記駆動軸の軸方向に沿う長さをW1、前記締結ねじの外径をDとすると、W1>Dであることを特徴とする請求項25に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項27】
前記ストッパーと前記テーパ遷移面との間の距離をL1、前記拘束溝部の溝長さをL2とすると、L1=L2であることを特徴とする請求項26に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項28】
さらに支持座を含み、前記支持座は前記風路キャビティの一側壁に取け付られ、前記ブッシュを支持するために用いられ、前記支持座は本体を含み、前記本体には前記ブッシュが貫通するためのブッシュ穴が設けられ、前記ブッシュ穴の側部には前記ブッシュの前記締結具が通過するための逃げ溝が設けられ、前記逃げ溝は前記ブッシュ穴に連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年04月30日に中国特許局に出願された出願番号が2020207152025であり、発明の名称が「ファン組立体および室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207198353であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020103711176であり、発明の名称が「ファン組立体および空気調和機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207198974であり、発明の名称が「ファン組立体および空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207195779であり、発明の名称が「ファンブッシュ支持座および空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207195548であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207195529であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207195393であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207188578であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207188099であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207195209であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207201182であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が2020207151709であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、
その開示内容の全ては参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電機の分野に関し、特に分解洗浄可能な空調室内機に関するものである。
【背景技術】
【0003】
生活レベルの向上に伴い、人々の居住環境に対する要求がますます高くなり、空気調和機は環境温度及び/又は湿度などに対する調節作用により、部屋の快適性調節に広く応用されている。
【0004】
従来の空気調和機は、一定期間使用されると、内部の風路システムなどの部品に大量の塵が溜まり、有害菌が発生しやすく、空気調和機が二次汚染源になり、直接に人の健康に害を及ばす。
【0005】
従来技術では、風路構造には風路キャビティが設けられ、ファンは、一般的に風路部材内に回転可能に取り付けられ、モータは風路部材の外部に設けられ、ファンの端部は風路部材を貫通してモータの出力軸に接続される。空気調和機の取付と使用時に、風路部材は空気調和機のカバー内に取り付けられ、且つ壁に対向する。風路部材とファンを洗浄する必要がある場合、風路部材とファンを取り外す時、ファンがモータに接続されているため、風路部材とファンを取り外すために、それらとともにモータを取り外す必要があり、風路部材を洗浄する度にモータを取り外す必要がある。モータが帯電部材であるため、複数回の着脱が取付箇所における緩み又は変形を引き起こしやすく、それにより、電気信号の伝導不良のリスクがあり、電気使用の安全面の懸念が生じる;且つ風路部材を取り外す度にモータを取り外す必要があるので、取り外しが不便であるという問題もある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施例に係る分解洗浄可能な空調室内機は、
第1開口が設けられるカバーと
前記カバーに取り外し可能に接続され、前記第1開口を介して取り出し可能な風路部材であって、風路キャビティを含む、風路部材と、
前記風路キャビティ内に設けられるファンであって、一端が前記風路キャビティの一側に回転可能に設けられ、他端にブッシュが設けられる、ファンと、
前記風路キャビティの外側に設けられるモータであって、出力軸を有し、前記出力軸が前記ブッシュに挿設され、前記ブッシュに前記出力軸と前記ブッシュとを固定接続するための締結具が取り外し可能に設けられる、モータと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施例1に係る構造概略図である。
【0008】
図2】本開示の実施例1に係るカバーを取り外した構造概略図である。
【0009】
図3図2の他の視点の構造概略図である。
【0010】
図4図3のAにおける拡大図である。
【0011】
図5図2に示す構造の右側面図である。
【0012】
図6図2に示す構造のファンを取り外した後の構造概略図である。
【0013】
図7】本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けを示す図である。
【0014】
図8】本開示の実施例1に係るモータの構造概略図である。
【0015】
図9】本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。
【0016】
図10図8のBにおける拡大図である。
【0017】
図11】本開示の実施例2に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。
【0018】
図12】本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。
【0019】
図13】本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。
【0020】
図14】本開示の実施例2に係るブッシュの部分断面拡大図である。
【0021】
図15】本開示の実施例3に係るファンとモータとの組付けの構造概略図である。
【0022】
図16図15のCにおける拡大図である。
【0023】
図17】本開示の実施例3に係るファンとモータとの組付けの部分断面概略図である。
【0024】
図18】本開示の実施例3に係るファンの構造概略図である。
【0025】
図19】本開示の実施例3に係るファンの部分構造概略図である。
【0026】
図20】本開示の実施例3に係るブッシュの部分断面拡大図である。
【0027】
図21】本開示の実施例3に係るモータの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面と実施例を参照して本開示の実施例をさらに詳しく説明する。以下の実施例は、本開示を説明するためのものであるが、本開示の範囲を限定するものではない。
【0029】
本開示の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語によって示された方位又は位置関係は、いずれも製品の使用状態および図面に示す方位又は位置関係に基づき、本開示の説明の便宜又は説明の簡略化を図るためのものに過ぎなく、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成又は操作される必要があることを指示又は暗示するものではないと理解されるべきである。従って本開示を限定するものと理解されるべきでない。具体的には、本実施例において、空調室内機が室内壁体に組付けられた状態で、ユーザに向く側を前側/前面/前端とし、ユーザから離れる側を後側/後面/後端とする。
【0030】
「第1」、「第2」という用語は説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示しているもの、若しくは指示された技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解されるべきでない。従って、「第1」、「第2」で限定されている特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本開示の説明では、特に説明がない限り、「複数」の意味は2つ以上である。
【0031】
なお、本開示の説明では、特に明確な規定又は限定がない限り、「取付」、「連結」及び「接続」という用語は、広義で理解されるべきである。例えば、固定接続されてもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、また、一体的に接続されてもよい;機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい;直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、また、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとって、上記用語の本開示における具体的な意味は具体的な状況に応じて理解され得る。
実施例1
【0032】
図1は本開示の実施例1に係る構造概略図である。図2は本開示の実施例1に係るカバーを取り外した構造概略図である。図3図2の他の視点の構造概略図である。図4図3のAにおける拡大図である。図5図2に示す構造の右側面図である。図6図2に示す構造のファンを取り外した後の構造概略図である。図7は本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けを示す図である。図8は本開示の実施例1に係るモータの構造概略図である。図9は本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。図10図8のBにおける拡大図である。図1図10に示すように、本開示の一実施例に係る分解洗浄可能な空調室内機は、カバー9、ベース体1、風路部材2、ファン3、及び支持座4を含む。カバー9には第1開口91が設けられ、風路部材2はカバー9に取り外し可能に接続され、且つ第1開口91を介して取り外し可能である。分解洗浄可能な空調室内機分野では、風路部材2の分解洗浄を容易にするために、風路部材2とベース体1との間は取り外し可能な接続方式が用いられ、一般的に、風路部材2とベース体1との間の接続方式はコネクタによる接続、クリップによる接続などの取り外し可能な接続方式を含むが、これらに限定されない。ベース体1にはモータ5が設けられ、モータ5には出力軸51が設けられる。本実施例において、モータ5をベース体1に設けることにより、風路部材2を取り外す時にモータ5などの帯電部材を一緒に取り外すことによる安全面の懸念を回避することができる。風路部材2は第1側壁21と第2側壁22を有し、第1側壁には軸受座7が設けられ、支持座4は第2側壁22に設けられる。ファン3の一端には軸受座7に接続される連結軸31が設けられ、ファン3は風路部材2内に取り付けられ、ファン3の他端にはブッシュ32が設けられ、ブッシュ32には締結具33が設けられる。取付時に、ブッシュ32は支持座4を貫通した後モータ5の出力軸51に接続され、且つ締結具33によって締め付けられ、締結具33はブッシュ32の径方向に沿って出力軸51を締め付ける。図5に示すように、支持座4は本体41を含み、本体41にはブッシュ32が貫通するためのブッシュ穴411が設けられ、ブッシュ穴411の中心、軸受座7の中心及び出力軸51は同一直線上に位置し、ブッシュ穴411の側部には締結具33が通過するための逃げ溝42が設けられ、逃げ溝42はブッシュ穴411に連通している。一般的に、支持座4、ファン3および出力軸51の同軸度を保証するために、ブッシュ穴411は本体41の中部に設けられている。
【0033】
図2は本開示の実施例1に係るカバーを取り外した構造概略図である。図3図2の他の視点の構造概略図である。図4図3のAにおける拡大図である。図5図2に示す構造の右側面図である。図6図2に示す構造のファンを取り外した後の構造概略図である。図2-6に示すように、具体的には、ファン3の一端は連結軸31を介して軸受座7に接続され、ファン3のブッシュ32は支持座4のブッシュ穴411を貫通してモータ5に接続され、ブッシュ穴411の中心、軸受座7の中心と出力軸51は同一直線上に位置することにより、ファン3の取付の同軸度を保証し、ファン3の取付の安定を保証する。逃げ溝42は締結具33を逃すために用いられ、ブッシュ32の脱着時に、締結具33は当該逃げ溝42を介して自由に通過することができる。このようにファン3の取付時、まずファン3の連結軸31を軸受座7に取り付け、そして、ブッシュ32が支持座4によって予め位置決められるように、ブッシュ32上の締結具33を逃げ溝42に位置合わせてブッシュ32を本体41のブッシュ穴411に挿通し、その後に組付けられたファン3と風路部材2を一体的にベース体1に取り付ける。風路部材2が所定位置に取り付けられた後、ブッシュ32も出力軸51と同軸となり、そして、ファン3のブッシュ32を出力軸51に容易に位置合わせて取り付けて、組付け効率を高める。また、モータ5の出力軸51からファン3のブッシュ32を取り外す時、ファン3のブッシュ32を軸方向に沿って一定距離退避させ、ブッシュ32は出力軸51から離脱した後に依然として支持座4に支持され、ブッシュ32における締結具33は同期的に逃げ溝42を介して移動することができる。これにより、ファン3が風路部材2から離脱して支持が失われることによるファン3の破損を回避することができる。
【0034】
本実施例において、支持座4は、風路部材3と一体に成形するように設けられてもよい。これにより、支持座4と風路部材2との組付けを省くことができる。支持座4は、風路部材2に取り外し可能に接続されるように設けられてもよい。
【0035】
支持座4が風路部材2に取り外し可能に接続される場合、風路部材2の第2側壁22には取付溝が設けられ、支持座4は取付溝に取り外し可能に接続される。具体的には、本実施例において、逃げ溝42は扇形溝であってもよく、方形溝であってもよい。ブッシュ32上の締結具33がブッシュ32の着脱に干渉しないように、締結具33が通過可能な寸法に逃げ溝42を形成すればよい。
【0036】
風路部材2の締結具33と径方向に対向する位置には、取り外し孔23が設けられ、取り外し孔23の寸法は締結具33の寸法よりも大きい。ファン3を回動させてブッシュ32上の締結具33を取り外し孔23に対応させ、取り外し工具を取り外し孔23内に挿入して締結具33を取り外し、ファン3とモータ5との固定接続を解除し、モータ5を軸方向に摺動可能とし、ファン3を軸方向に移動させてブッシュ32をモータ5の出力軸51から離す。このように、風路部材2を取り外す時、モータ5を取り外す必要がなく、モータ5の取り外しによる不都合、および複数回のモータ5の取り外しによる安全面の懸念を回避することができる。
【0037】
本実施例において、具体的には、ファン3の一端が以下のように軸受けを通じて風路部材2と接続されてよい。連結軸31にはキー溝が設けられ、軸受け内輪には長尺のフラットキーが設けられ、キー溝とフラットキーは嵌合し、且ついずれも連結軸31の軸方向に沿って延出し、キー溝の長さはフラットキーの長さよりも大きい。これにより、ブッシュ32とモータ5との固定接続を解除した後、軸受け方向に向かってファン3を軸方向に移動させてファン3のブッシュ32をモータ5の出力軸51から離すことができる。さらに、ファン3はファンフレーム34と、ファン3のフレームに取り付けられるファンブレード35とを含み、連結軸31、ブッシュ32及びファンフレーム34は、ファンフレーム34の強度を増やすために、一体に成形される。
【0038】
図7は本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けを示す図である。図8は本開示の実施例1に係るモータの構造概略図である。図9は本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。図10図8のBにおける拡大図である。図7-10に示すように、ブッシュ32には連結孔321が設けられ、連結孔321はブッシュ32の経方向に沿って配置され、且つブッシュ32の軸孔324に連通する。具体的には、連結孔321はねじ穴であり、モータ5の出力軸51にはねじ穴に対向する凹溝52が設けられ、ねじ穴内には締結具33が取り外し可能に取り付けられ、締結具33は締結ねじであり、締結ねじはねじ穴に挿入され、さらに凹溝52内に延出し、これにより、締結ねじを利用してブッシュ32を出力軸51に固定連結させることで、ファン3を固定するという目的を実現する。
【0039】
具体的には、本実施例において、出力軸51にはストッパー6が設けられ、凹溝52は出力軸51の外周壁に周設され、出力軸51がブッシュ32内に組付けられて凹溝52を連結孔321に対向させる時、ストッパー6はブッシュ32の端部に当接する。ストッパー6は出力軸51がブッシュ32に挿入する深さを規制し、出力軸51とブッシュ32との間の適切な取り付けを保証する。締結ねじは連結孔321内に設けられ、締結ねじの下端部は凹溝52に当接する。凹溝52を設けることにより、締結ねじが出力軸51に当接して出力軸51に局部的な突起が生じて出力軸51の再組付けに影響を与えることを回避する。本実施例においては、締結ねじを介して出力軸51とブッシュ32の両者を締め付けることで、緩みによりファン3の動作の安定性に影響を与えることを回避できる。締結ねじの連結安定性を保証するために、連結孔321は締結ねじと嵌合する雌ねじ穴である。本実施例では、ファン3をモータ5と取り外し可能に接続することにより、ファン3をベース体1から取り外して洗浄作業を行うことができる。
【0040】
特に、凹溝52は出力軸51の外周壁に周設されるため、モータ5とファン3を組付ける時、出力軸51はブッシュ32内に真っ直ぐに挿入することができ、出力軸51の位置を回転させる必要がなく、連結孔321を介して締結ねじを出力軸51に当接させて締め付けることができ、素早く手軽に操作でき、組付けの効率を保証することができる。
【0041】
さらに、凹溝52の凹み深さCは0.3~1.5mmであり、これにより、締結ねじと凹溝52との締付時に生じる局部的な突起によって出力軸51からブッシュ32を再取り外しにくく、又は再取り外し不能になることを回避する。締結ねじの下端部が凹溝52に確実に締め付けられることを保証するように、凹溝52の出力軸51の軸方向に沿う長さをL、締結ねじの外径をDとすると、L>Dである。
【0042】
凹溝52の加工を容易にするように、凹溝52の両側はいずれもテーパ遷移面53になるように設けられ、即ち凹溝52は出力軸51に設けられるテーパ状の溝である。
【0043】
出力軸51の組付けを容易にするとともに、組付け時に出力軸51の前端が作業者を切創したり、又は部品の嵌め合い面を損傷したりすることを回避するように、出力軸51の前端にはガイドテーパ面54が設けられ、一般的にガイドテーパ面の円錐半角度を10°に設置する。さらに、凹溝52はガイドテーパ面54とストッパー6との間に設けられ、且つ凹溝52とガイドテーパ面54との間にはブッシュ32に嵌合する第1軸部55が形成され、凹溝52とストッパー6との間にはブッシュ32に嵌合する第2軸部56が形成される。出力軸51の軸方向に沿って、第1軸部55の長さ及び第2軸部56の長さは凹溝52の長さ以上であり、又は、第1軸部55の長さと第2軸部56の長さの和は凹溝52の長さ以上であり、これにより、出力軸51とブッシュ32との間の係合度を保証し、さらに両者の嵌合安定性を保証し、室内機の運転安定性を向上させることができる。本実施では、第1軸部55と第2軸部56は直径が等しい。
【0044】
本実施では、出力軸51にはストッパー6が設けられ、ストッパー6は出力軸51がブッシュ32内に組付けられる時に位置決めと固定を実現できる。ストッパー6は締結ねじと協力して出力軸51の軸方向と径方向における移動を規制する。本開示の実施例では、ストッパー6は、出力軸51に外嵌される位置決め止め輪であり、例えば、弾性ワッシャや弾性ガスケットなどである。弾性位置決め止め輪は激しい振動と衝撃荷重を耐え、且つ予荷重力を増加することにより、出力軸51とブッシュ32との連接安定性を保証する。一般的には、出力軸51に取付溝が設けられ、ストッパー6は取付溝内に設けられることにより、出力軸51との接続締結を実現する。
【0045】
さらに、本開示において、取り外し孔23は丸穴又は多角形の穴であってもよい。取り外し孔23が丸穴である場合、丸穴の直径が締結ねじのナットの直径の1.5~3倍であり、これにより、締結ねじの取り外しを容易にする。取り外し孔23が多角形の穴である場合、多角形の穴の内接円の直径が締結ねじのナットの直径の1.5~3倍であり、これにより、締結ねじをスムーズに取り外すことを保証することができる。
【0046】
本開示の他の実施例では、取り外し孔23は例えば三角形などの他の形の貫通孔であってもよく、その中に含まれる円形の寸法は締結ねじのナットの直径よりも大きい必要がある。取り外し孔23の位置はブッシュ32の軸方向に垂直する締結ねじが位置する径方向面に設けてよい。この径方向面と風路部材2との交差線におけるいずれの箇所にも取り外し孔23を設けてよい。具体的には、実際の使用需要における風路部材2の設計要求に応じて、取り外し孔23の径方向面における位置が設けられる。
【0047】
さらに、粉塵が取り外し孔23から風路部材2の背部に入ることを回避するために、取り外し孔23には孔蓋が取外し可能に挿着される。孔蓋の風路部材2の外部における端部にはバックルが設けられ、風路部材2とファン3を洗浄する必要がある時に、手動でバックルを持ち上げて孔蓋を取り出す。
【0048】
具体的には、風路部材2とファン3を洗浄する必要がある時、孔蓋を開け、ファン3とモータ5との間の締結ねじを緩め、モータ5の出力軸51から離脱するようにファン3を他端に移動させ、そして風路部材2の固定構造を緩めると風路部材2とファン3を外方に引き出すことができる。
実施例2
【0049】
図11は本開示の実施例2に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。図12は本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。図13は本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。図14は本開示の実施例2に係るブッシュの部分断面拡大図である。図11-14に示すように、本実施例と実施例1との相違点は、本実施例におけるブッシュ32の軸孔324は第1嵌合部322と第2嵌合部323を含み、出力軸51は大径部57と小径部58を含み、大径部57にはストッパー6が設けられ、第1嵌合部322は大径部57に嵌合し、第2嵌合部323は小径部58に嵌合することにある。出力軸51がブッシュ32内に組付けられてストッパー6をブッシュ32の端部に当接させると、小径部58の一部は第1嵌合部322の一部に対応し、且つ両者の間に隙間8を形成し、締結ねじの下端部は隙間8を介して小径部58に当接する。支持座4は第2側壁22に設けられ、支持座4は本体41を含み、本体41にはブッシュ32が貫通するためのブッシュ穴411が設けられ、ブッシュ穴411の中心、軸受座7の中心及び出力軸51は同一直線上に位置し、ブッシュ穴411の側部には締結ねじが通過するための逃げ溝42が設けられ、逃げ溝42はブッシュ穴411に連通する。
【0050】
具体的には、ブッシュ32の端部がストッパー6に当接する時には所定位置に組付けられていることを示す。出力軸51が軸孔324中に挿入された時に、出力軸51の小径部58は第2嵌合部323に嵌合し、大径部57は第1嵌合部322に嵌合し、小径部58の一部は第1嵌合部322の一部に対応する。小径部58と第1嵌合部322との寸法差により、両者が組付けられると出力軸51の周方向に配置される隙間8が形成され、締結ねじの下端部は間隙8を介して小径部58に当接することができる。締結ねじは出力軸51とブッシュ32を締め付けて両者の間の接続安定性を保証し、両者の間に相対運動が生じて室内機に不良動作が発生することを回避する。一方、小径部58と第1嵌合部322との間に周方向における隙間8が存在するため、ファン3を組付ける時、出力軸51は真っ直ぐに直接ブッシュ32に挿入可能である。ストッパー6がブッシュ32の端部に当接すると、締結ねじは隙間8に対応して小径部58に当接するので、出力軸51の位置を回転させる必要がなく、締結ねじを出力軸51に当接させて締め付けることができ、素早く手軽に操作でき、組付けの効率を保証することができる。
【0051】
さらに、小径部58と第1嵌合部322との間に形成される隙間8は0.3~1.5mmであり、これにより、締結ねじと小径部58との締付時に生じる局部的な突起によって出力軸51からブッシュ32を再取り外しにくく、又は再取り外し不能になることを回避することができる。締結ねじの下端部を完全に出力軸51の小径部58に当接させるために、この隙間8の出力軸51の軸方向に沿う長さをW1、締結ねじの外径をDとすると、W1>Dである。
【0052】
第1嵌合部322と小径部58との間の隙間8が要求を満たすことを確保するために、出力軸51の軸方向に沿って、第1嵌合部322の長さをA1、ストッパー6からテーパ遷移面53までの距離をA2とすると、A1>A2である。こうして、出力軸51は、ストッパー6が所定の位置に到達した後、第1嵌合部322の一部が小径部58に対向でき、これにより、両者の間に隙間8を形成できることを確保する。さらに、大径部57の直径をD1、小径部58の直径をD2とすると、D1-D2≧0.6mmである。これにより、出力軸51とファン3との嵌合強度に影響を与えない状態で、隙間8が締結具33の締付要求を満たすことを保証できる。
実施例3
【0053】
図15は本開示の実施例3に係るファンとモータとの組付けの構造概略図である。図16図15のCにおける拡大図である。図17は本開示の実施例3に係るファンとモータとの組付けの部分断面概略図である。図18は本開示の実施例3に係るファンの構造概略図である。図19は本開示の実施例3に係るファンの部分構造概略図である。図20は本開示の実施例3に係るブッシュの部分断面拡大図である。図21は本開示の実施例3に係るモータの構造概略図である。図15図21に示すように、本実施例と実施例1との相違点は、ブッシュ32の軸孔324は第1嵌合部322と第2嵌合部323を含み、第1嵌合部322の孔径は第2嵌合部323の孔径よりも大きく、第1嵌合部322の側壁には軸孔324に連通する開口溝36が設けられ、出力軸51は大径部57と小径部58を含み、小径部58は第2嵌合部323に嵌合し、大径部57は第1嵌合部322に嵌合し、開口溝36の開口幅をH、大径部57の直径をD1、小径部58の直径をD2とすると、D2<H≦D1である、ことにある。
【0054】
ここで、第1嵌合部322の側壁には軸孔324に連通する開口溝36が設けられ、開口溝36の開口幅は小径部58の直径よりも大きく、且つ大径部57の直径よりも小さい。ファン3の取付時、まず出力軸51の小径部58を第1嵌合部322側壁の開口溝36から直接に径方向に挿入し、そして出力軸51の軸方向に沿って大径部57を第1嵌合部322に嵌合するまで相応に押し入ればよい。大径部57の直径が開口溝36の開口幅よりも大きいため、大径部57と第1嵌合部322と確実な嵌合を保証して脱落を防止することができる。これにより、出力軸51全体を軸方向に沿ってブッシュ32に取り付ける従来技術に比べて、出力軸51の軸方向における取付距離を効果的に短縮し、さらにファン3と室内機のカバー9との間の軸方向距離を短縮し、運転過程中のファン3の安定性を保証し、ファン3の騒音を減少することができる。
【0055】
図12は本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。図21は本開示の実施例3に係るモータの構造概略図である。図12及び図21に示すように、さらに、開口溝36は、ガイド溝部361と、ガイド溝部361の外側に位置する拘束溝部362とを含む。ガイド溝部361の開口幅をH1、拘束溝部362の開口幅をH2とすると、D2<H2<H1≦D1である。開口溝36の開口部、即ちブッシュ32の端面において拘束溝部362を設け、拘束溝部362の開口幅をガイド溝部361の開口幅よりも小さくすることにより、ブッシュ32101の端面において第2嵌合部323と出力軸51の大径部57との間の係合度を保証でき、出力軸51とブッシュ32との間の嵌合安定性を保証できる。
【0056】
具体的には、出力軸51をブッシュ32に組付けてストッパー6をブッシュ32の端部に当接させる場合、小径部58の一部は第1嵌合部322の一部に対応し、両者の間に隙間8が形成され、締結ねじの下端部は隙間8を介して小径部58に当接し、締結ねじは出力軸51とブッシュ32とを締め付けて両者の間の接続安定性を保証し、これにより、両者の間に相対運動が生じて室内機に不良動作が発生することを回避する。また、締結ねじとストッパー6はそれぞれ径方向と軸方向から出力軸51を締め付けて制限し、出力軸51とブッシュ32との間の緩みを回避するとともに、小径部58と第1嵌合部322の間に周方向の隙間8が存在するため、締結ねじの下端部は隙間8を介して小径部58に当接し、締結ねじと小径部58との締め付け時に生じる局部的な突起によって、出力軸51からブッシュ32を再取り外しにくく、又は再取り外し不能になることを回避することができる。
【0057】
本実施例では、連結孔321はガイド溝部361に対応するブッシュ32の周壁に設けられる。ガイド溝部361の開口幅が拘束溝部362の開口幅と小径部58の直径よりも大きいため、締結ねじが締め付けられる時に出力軸51に作用力を加えて出力軸51の表面に局部的な突起を生じさせ、この局部的な突起により出力軸51の締結ねじに対応する位置における径方向寸法が大きくなった場合でも、この局部的な突起はガイド溝部361をスムーズに通過することができる。これにより、出力軸51をスムーズにブッシュ32に取り付けることができる。
【0058】
さらに、小径部58と第1嵌合部322との間に形成される隙間8は0.3~1.5mmである。これにより、締結ねじと小径部58との締め付け時に生じる局部的な突起によって、出力軸51からブッシュ32を再取り外しにくく、又は再取り外し不能になることを回避することができる。締結ねじの下端部を確実に出力軸51の小径部58に当接させて出力軸51を締め付ける効果を実現できることを保証するために、図17に示すように、隙間8の出力軸51の軸方向に沿う長さをW1、締結ねじの外径をDとすると、W1>Dである。
【0059】
さらに、出力軸51の加工を容易にし、出力軸51の構造的強度を保証するために、出力軸51の大径部57と小径部58との接続箇所にはテーパ遷移面53が設けられる。本実施例では、図21に示すように、ストッパー6とテーパ遷移面53との間の距離をA2、拘束溝部362の溝長さをL2とすると、A2=L2であり、即ち、出力軸51がブッシュ32に組付けられる時には、ストッパー6とテーパ遷移面53との間の軸部は拘束溝部362に対応して組付けられ、小径部58は第2嵌合部323に対応して組付けられる。これにより、ファン3のブッシュ32とモータ5の出力軸51の同軸度を保証し、ファン3の運転の安定性と信頼性を確保することができる。
【0060】
以上、本開示の実施例に係る分解洗浄可能な空調室内機は、カバー9、ベース体1、風路部材2、ファン3及び支持座4を含み、風路部材2には第1側壁21と第2側壁22が設けられ、第1側壁21には軸受座7が設けられ、支持座4は第2側壁22に設けられ、ファン3の一端は連結軸31を介して軸受座7に接続され、ファン3のブッシュ32は支持座4のブッシュ穴411を貫通してモータ5に接続され、ブッシュ穴411の中心、軸受座7の中心及び出力軸51は同一直線に位置してファン3の取付の同軸度を保証し、ファン3の取付の安定を保証する。逃げ溝42は締結ねじを逃すために用いられ、ブッシュ32の着脱時に、締結ねじはこの逃げ溝42により自由に通行できる。このように、ファン3の取付時に、まずファン3の連結軸31を軸受座7アセンブリに取り付け、そしてブッシュ32における締結ねじを逃げ溝42に位置合わせてブッシュ32を本体41のブッシュ穴411に挿通して予め位置決めを行い、そして組付けられたファン3と風路部材2を一体的にベース体1に取り付ける。風路部材2が所定の位置に取り付けられた後、ブッシュ32は出力軸51と同軸になり、その後にファン3のブッシュ32を出力軸51に容易に位置合わせて取り付けて、組付け効率を高める。また、駆動モータ5の出力軸51からファン3のブッシュ32を取り外す時、ファン3のブッシュ32を軸方向に沿って一定距離退避させて支持座4に支持させる。ブッシュ32における締結ねじは同期的に逃げ溝42を介して移動することができる。これにより、ファン3が風路部材2から離脱して支持が失われることによるファン3の損傷を回避することができる。
【0061】
上記は、本発明の好適な実施形態にすぎず、当業者にとって、本発明の技術的趣旨から逸脱することなく、本開示の技術的範囲内で容易に想到できる改善及び置換はすべて本発明の保護範囲内に包含するものとみなされることに留意されたい。
【符号の説明】
【0062】
ベース体;
風路部材,21、第1側壁,22、第2側壁,23、取り外し孔;
ファン,31、連結軸,32、ブッシュ,321、連結孔,322、第1嵌合部,323、第2嵌合部,324、軸孔,33、締結具,34、ファンフレーム,35、ファンブレード,36、開口溝,361、ガイド溝部,362、拘束溝部;
支持座,41、本体,411、ブッシュ穴,42、逃げ溝;
モータ,51、出力軸,52、凹溝,53、テーパ遷移面,54、ガイドテーパ面,55、第1軸部,56、第2軸部,57、大径部,58、小径部;
ストッパー;
軸受座;
間隙;
カバー,91、第1開口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年04月30日に中国特許局に出願された出願番号が202020715202.5であり、発明の名称が「ファン組立体および室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020719835.3であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202010371117.6であり、発明の名称が「ファン組立体および空気調和機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020719897.4であり、発明の名称が「ファン組立体および空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020719577.9であり、発明の名称が「ファンブッシュ支持座および空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020719554.8であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020719552.9であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020719539.3であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020718857.8であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020718809.9であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020719520.9であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020720118.2であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、
2020年04月30日に出願された出願番号が202020715170.9であり、発明の名称が「分解洗浄可能な空調室内機」である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、
その開示内容の全ては参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電機の分野に関し、特に分解洗浄可能な空調室内機に関するものである。
【背景技術】
【0003】
生活レベルの向上に伴い、人々の居住環境に対する要求がますます高くなり、空気調和機は環境温度及び/又は湿度などに対する調節作用により、部屋の快適性調節に広く応用されている。
【0004】
従来の空気調和機は、一定期間使用されると、内部の風路システムなどの部品に大量の塵が溜まり、有害菌が発生しやすく、空気調和機が二次汚染源になり、直接に人の健康に害を及ばす。
【0005】
従来技術では、風路構造には風路キャビティが設けられ、ファンは、一般的に風路部材内に回転可能に取り付けられ、モータは風路部材の外部に設けられ、ファンの端部は風路部材を貫通してモータの出力軸に接続される。空気調和機の取付と使用時に、風路部材は空気調和機のカバー内に取り付けられ、且つ壁に対向する。風路部材とファンを洗浄する必要がある場合、風路部材とファンを取り外す時、ファンがモータに接続されているため、風路部材とファンを取り外すために、それらとともにモータを取り外す必要があり、風路部材を洗浄する度にモータを取り外す必要がある。モータが帯電部材であるため、複数回の着脱が取付箇所における緩み又は変形を引き起こしやすく、それにより、電気信号の伝導不良のリスクがあり、電気使用の安全面の懸念が生じる;且つ風路部材を取り外す度にモータを取り外す必要があるので、取り外しが不便であるという問題もある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施例に係る分解洗浄可能な空調室内機は、
第1開口が設けられるカバーと
前記カバーに取り外し可能に接続され、前記第1開口を介して取り出し可能な風路部材であって、風路キャビティを含む、風路部材と、
前記風路キャビティ内に設けられるファンであって、一端が前記風路キャビティの一側に回転可能に設けられ、他端にブッシュが設けられる、ファンと、
前記風路キャビティの外側に設けられるモータであって、出力軸を有し、前記出力軸が前記ブッシュに挿設され、前記ブッシュに前記出力軸と前記ブッシュとを固定接続するための締結具が取り外し可能に設けられる、モータと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施例1に係る構造概略図である。
【0008】
図2】本開示の実施例1に係るカバーを取り外した構造概略図である。
【0009】
図3図2の他の視点の構造概略図である。
【0010】
図4図3のAにおける拡大図である。
【0011】
図5図2に示す構造の右側面図である。
【0012】
図6図2に示す構造のファンを取り外した後の構造概略図である。
【0013】
図7】本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けを示す図である。
【0014】
図8】本開示の実施例1に係るモータの構造概略図である。
【0015】
図9】本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。
【0016】
図10図8のBにおける拡大図である。
【0017】
図11】本開示の実施例2に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。
【0018】
図12】本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。
【0019】
図13】本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。
【0020】
図14】本開示の実施例2に係るブッシュの部分断面拡大図である。
【0021】
図15】本開示の実施例3に係るファンとモータとの組付けの構造概略図である。
【0022】
図16図15のCにおける拡大図である。
【0023】
図17】本開示の実施例3に係るファンとモータとの組付けの部分断面概略図である。
【0024】
図18】本開示の実施例3に係るファンの構造概略図である。
【0025】
図19】本開示の実施例3に係るファンの部分構造概略図である。
【0026】
図20】本開示の実施例3に係るブッシュの部分断面拡大図である。
【0027】
図21】本開示の実施例3に係るモータの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面と実施例を参照して本開示の実施例をさらに詳しく説明する。以下の実施例は、本開示を説明するためのものであるが、本開示の範囲を限定するものではない。
【0029】
本開示の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語によって示された方位又は位置関係は、いずれも製品の使用状態および図面に示す方位又は位置関係に基づき、本開示の説明の便宜又は説明の簡略化を図るためのものに過ぎなく、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成又は操作される必要があることを指示又は暗示するものではないと理解されるべきである。従って本開示を限定するものと理解されるべきでない。具体的には、本実施例において、空調室内機が室内壁体に組付けられた状態で、ユーザに向く側を前側/前面/前端とし、ユーザから離れる側を後側/後面/後端とする。
【0030】
「第1」、「第2」という用語は説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示しているもの、若しくは指示された技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解されるべきでない。従って、「第1」、「第2」で限定されている特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本開示の説明では、特に説明がない限り、「複数」の意味は2つ以上である。
【0031】
なお、本開示の説明では、特に明確な規定又は限定がない限り、「取付」、「連結」及び「接続」という用語は、広義で理解されるべきである。例えば、固定接続されてもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、また、一体的に接続されてもよい;機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい;直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、また、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとって、上記用語の本開示における具体的な意味は具体的な状況に応じて理解され得る。
実施例1
【0032】
図1は本開示の実施例1に係る構造概略図である。図2は本開示の実施例1に係るカバーを取り外した構造概略図である。図3図2の他の視点の構造概略図である。図4図3のAにおける拡大図である。図5図2に示す構造の右側面図である。図6図2に示す構造のファンを取り外した後の構造概略図である。図7は本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けを示す図である。図8は本開示の実施例1に係るモータの構造概略図である。図9は本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。図10図8のBにおける拡大図である。図1図10に示すように、本開示の一実施例に係る分解洗浄可能な空調室内機は、カバー9、ベース体1、風路部材2、ファン3、及び支持座4を含む。カバー9には第1開口91が設けられ、風路部材2はカバー9に取り外し可能に接続され、且つ第1開口91を介して取り外し可能であり、風路部材は風路キャビティを含む。分解洗浄可能な空調室内機分野では、風路部材2の分解洗浄を容易にするために、風路部材2とベース体1との間は取り外し可能な接続方式が用いられ、一般的に、風路部材2とベース体1との間の接続方式はコネクタによる接続、クリップによる接続などの取り外し可能な接続方式を含むが、これらに限定されない。ベース体1にはモータ5が設けられ、モータ5には出力軸51が設けられる。本実施例において、モータ5をベース体1に設けることにより、風路部材2を取り外す時にモータ5などの帯電部材を一緒に取り外すことによる安全面の懸念を回避することができる。図6に示すように、風路部材2は第1側壁21と第2側壁22を有し、第1側壁には軸受座7が設けられ、支持座4は第2側壁22に設けられる。図2図7に示すように、ファン3の一端には軸受座7に接続される連結軸31が設けられ、ファン3は風路部材2内に取り付けられ、ファン3の他端にはブッシュ32が設けられ、ブッシュ32には締結具33が設けられる。取付時に、ブッシュ32は支持座4を貫通した後モータ5の出力軸51に接続され、且つ締結具33によって締め付けられ、締結具33はブッシュ32の径方向に沿って出力軸51を締め付ける。図5図6に示すように、支持座4は本体41を含み、本体41にはブッシュ32が貫通するためのブッシュ穴411が設けられ、ブッシュ穴411の中心、軸受座7の中心及び出力軸51は同一直線上に位置し、ブッシュ穴411の側部には締結具33が通過するための逃げ溝42が設けられ、逃げ溝42はブッシュ穴411に連通している。一般的に、支持座4、ファン3および出力軸51の同軸度を保証するために、ブッシュ穴411は本体41の中部に設けられている。
【0033】
図2は本開示の実施例1に係るカバーを取り外した構造概略図である。図3図2の他の視点の構造概略図である。図4図3のAにおける拡大図である。図5図2に示す構造の右側面図である。図6図2に示す構造のファンを取り外した後の構造概略図である。図2-6に示すように、ファン3の一端は連結軸31を介して軸受座7に接続され、ファン3の他端のブッシュ32は支持座4のブッシュ穴411を貫通してモータ5に接続され、ブッシュ穴411の中心、軸受座7の中心と出力軸51は同一直線上に位置することにより、ファン3の取付の同軸度を保証し、ファン3の取付の安定を保証する。逃げ溝42は締結具33を逃すために用いられ、ブッシュ32の脱着時に、締結具33は当該逃げ溝42を介して自由に通過することができる。このようにファン3の取付時、まずファン3の連結軸31を軸受座7に取り付け、そして、ブッシュ32が支持座4によって予め位置決められるように、ブッシュ32上の締結具33を逃げ溝42に位置合わせてブッシュ32を本体41のブッシュ穴411に挿通し、その後に組付けられたファン3と風路部材2を一体的にベース体1に取り付ける。風路部材2が所定位置に取り付けられた後、ブッシュ32も出力軸51と同軸となり、そして、ファン3のブッシュ32を出力軸51に容易に位置合わせて取り付けて、組付け効率を高める。また、モータ5の出力軸51からファン3のブッシュ32を取り外す時、ファン3のブッシュ32を軸方向に沿って一定距離退避させ、ブッシュ32は出力軸51から離脱した後に依然として支持座4に支持され、ブッシュ32における締結具33は同期的に逃げ溝42を介して移動することができる。これにより、ファン3が風路部材2から離脱して支持が失われることによるファン3の破損を回避することができる。
【0034】
本実施例において、支持座4は、風路部材3と一体に成形するように設けられてもよい。これにより、支持座4と風路部材2との組付けを省くことができる。支持座4は、風路部材2に取り外し可能に接続されるように設けられてもよい。
【0035】
支持座4が風路部材2に取り外し可能に接続される場合、風路部材2の第2側壁22には取付溝が設けられ、支持座4は取付溝に取り外し可能に接続される。具体的には、本実施例において、逃げ溝42は扇形溝であってもよく、方形溝であってもよい。ブッシュ32上の締結具33がブッシュ32の着脱に干渉しないように、締結具33が通過可能な寸法に逃げ溝42を形成すればよい。
【0036】
図4に示すように、風路部材2の締結具33と径方向に対向する位置には、取り外し孔23が設けられ、取り外し孔23の寸法は締結具33の寸法よりも大きい。ファン3を回動させてブッシュ32上の締結具33を取り外し孔23に対応させ、取り外し工具を取り外し孔23内に挿入して締結具33を取り外し、ファン3とモータ5との固定接続を解除し、モータ5を軸方向に摺動可能とし、ファン3を軸方向に移動させてブッシュ32をモータ5の出力軸51から離す。このように、風路部材2を取り外す時、モータ5を取り外す必要がなく、モータ5の取り外しによる不都合、および複数回のモータ5の取り外しによる安全面の懸念を回避することができる。
【0037】
本実施例において、具体的には、ファン3の一端が以下のように軸受けを通じて風路部材2と接続されてよい。連結軸31にはキー溝が設けられ、軸受け内輪には長尺のフラットキーが設けられ、キー溝とフラットキーは嵌合し、且ついずれも連結軸31の軸方向に沿って延出し、キー溝の長さはフラットキーの長さよりも大きい。これにより、ブッシュ32とモータ5との固定接続を解除した後、軸受け方向に向かってファン3を軸方向に移動させてファン3のブッシュ32をモータ5の出力軸51から離すことができる。さらに、ファン3はファンフレーム34と、ファン3のフレームに取り付けられるファンブレード35とを含み、連結軸31、ブッシュ32及びファンフレーム34は、ファンフレーム34の強度を増やすために、一体に成形される。
【0038】
図7は本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けを示す図である。図8は本開示の実施例1に係るモータの構造概略図である。図9は本開示の実施例1に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。図10図8のBにおける拡大図である。図7-10に示すように、ブッシュ32には連結孔321が設けられ、連結孔321はブッシュ32の経方向に沿って配置され、且つブッシュ32の軸孔324に連通する。具体的には、連結孔321はねじ穴であり、モータ5の出力軸51にはねじ穴に対向する凹溝52が設けられ、ねじ穴内には締結具33が取り外し可能に取り付けられ、締結具33は締結ねじであり、締結ねじはねじ穴に挿入され、さらに凹溝52内に延出し、これにより、締結ねじを利用してブッシュ32を出力軸51に固定連結させることで、ファン3を固定するという目的を実現する。
【0039】
具体的には、本実施例において、出力軸51にはストッパー6が設けられ、凹溝52は出力軸51の外周壁に周設され、出力軸51がブッシュ32内に組付けられて凹溝52を連結孔321に対向させる時、ストッパー6はブッシュ32の端部に当接する。ストッパー6は出力軸51がブッシュ32に挿入する深さを規制し、出力軸51とブッシュ32との間の適切な取り付けを保証する。締結ねじは連結孔321内に設けられ、締結ねじの下端部は凹溝52に当接する。凹溝52を設けることにより、締結ねじが出力軸51に当接して出力軸51に局部的な突起が生じて出力軸51の再組付けに影響を与えることを回避する。本実施例においては、締結ねじを介して出力軸51とブッシュ32の両者を締め付けることで、緩みによりファン3の動作の安定性に影響を与えることを回避できる。締結ねじの連結安定性を保証するために、連結孔321は締結ねじと嵌合する雌ねじ穴である。本実施例では、ファン3をモータ5と取り外し可能に接続することにより、ファン3をベース体1から取り外して洗浄作業を行うことができる。
【0040】
特に、凹溝52は出力軸51の外周壁に周設されるため、モータ5とファン3を組付ける時、出力軸51はブッシュ32内に真っ直ぐに挿入することができ、出力軸51の位置を回転させる必要がなく、連結孔321を介して締結ねじを出力軸51に当接させて締め付けることができ、素早く手軽に操作でき、組付けの効率を保証することができる。
【0041】
さらに、図9に示すように、凹溝52の凹み深さCは0.3~1.5mmであり、これにより、締結ねじと凹溝52との締付時に生じる局部的な突起によって出力軸51からブッシュ32を再取り外しにくく、又は再取り外し不能になることを回避する。締結ねじの下端部が凹溝52に確実に締め付けられることを保証するように、凹溝52の出力軸51の軸方向に沿う長さをL、締結ねじの外径をDとすると、L>Dである。
【0042】
図10に示すように、凹溝52の加工を容易にするように、凹溝52の両側はいずれもテーパ遷移面53になるように設けられ、即ち凹溝52は出力軸51に設けられるテーパ状の溝である。
【0043】
出力軸51の組付けを容易にするとともに、組付け時に出力軸51の前端が作業者を切創したり、又は部品の嵌め合い面を損傷したりすることを回避するように、出力軸51の前端にはガイドテーパ面54が設けられ、一般的にガイドテーパ面の円錐半角度を10°に設置する。さらに、凹溝52はガイドテーパ面54とストッパー6との間に設けられ、且つ凹溝52とガイドテーパ面54との間にはブッシュ32に嵌合する第1軸部55が形成され、凹溝52とストッパー6との間にはブッシュ32に嵌合する第2軸部56が形成される。出力軸51の軸方向に沿って、第1軸部55の長さ及び第2軸部56の長さは凹溝52の長さ以上であり、又は、第1軸部55の長さと第2軸部56の長さの和は凹溝52の長さ以上であり、これにより、出力軸51とブッシュ32との間の係合度を保証し、さらに両者の嵌合安定性を保証し、室内機の運転安定性を向上させることができる。本実施では、第1軸部55と第2軸部56は直径が等しい。
【0044】
本実施では、出力軸51にはストッパー6が設けられ、ストッパー6は出力軸51がブッシュ32内に組付けられる時に位置決めと固定を実現できる。ストッパー6は締結ねじと協力して出力軸51の軸方向と径方向における移動を規制する。本開示の実施例では、ストッパー6は、出力軸51に外嵌される位置決め止め輪であり、例えば、弾性ワッシャや弾性ガスケットなどである。弾性位置決め止め輪は激しい振動と衝撃荷重を耐え、且つ予荷重力を増加することにより、出力軸51とブッシュ32との連接安定性を保証する。一般的には、出力軸51に取付溝が設けられ、ストッパー6は取付溝内に設けられることにより、出力軸51との接続締結を実現する。
【0045】
さらに、本開示において、取り外し孔23は丸穴又は多角形の穴であってもよい。取り外し孔23が丸穴である場合、丸穴の直径が締結ねじのナットの直径の1.5~3倍であり、これにより、締結ねじの取り外しを容易にする。取り外し孔23が多角形の穴である場合、多角形の穴の内接円の直径が締結ねじのナットの直径の1.5~3倍であり、これにより、締結ねじをスムーズに取り外すことを保証することができる。
【0046】
本開示の他の実施例では、取り外し孔23は例えば三角形などの他の形の貫通孔であってもよく、その中に含まれる円形の寸法は締結ねじのナットの直径よりも大きい必要がある。取り外し孔23の位置はブッシュ32の軸方向に垂直する締結ねじが位置する径方向面に設けてよい。この径方向面と風路部材2との交差線におけるいずれの箇所にも取り外し孔23を設けてよい。具体的には、実際の使用需要における風路部材2の設計要求に応じて、取り外し孔23の径方向面における位置が設けられる。
【0047】
さらに、粉塵が取り外し孔23から風路部材2の背部に入ることを回避するために、取り外し孔23には孔蓋が取外し可能に挿着される。孔蓋の風路部材2の外部における端部にはバックルが設けられ、風路部材2とファン3を洗浄する必要がある時に、手動でバックルを持ち上げて孔蓋を取り出す。
【0048】
具体的には、風路部材2とファン3を洗浄する必要がある時、孔蓋を開け、ファン3とモータ5との間の締結ねじを緩め、モータ5の出力軸51から離脱するようにファン3を他端に移動させ、そして風路部材2の固定構造を緩めると風路部材2とファン3を外方に引き出すことができる。
実施例2
【0049】
図11は本開示の実施例2に係るファンとモータとの組付けの部分断面拡大図である。図12は本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。図13は本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。図14は本開示の実施例2に係るブッシュの部分断面拡大図である。図11-14に示すように、本実施例と実施例1との相違点は、本実施例におけるブッシュ32の軸孔324は第1嵌合部322と第2嵌合部323を含み、出力軸51は大径部57と小径部58を含み、大径部57にはストッパー6が設けられ、第1嵌合部322は大径部57に嵌合し、第2嵌合部323は小径部58に嵌合することにある。出力軸51がブッシュ32内に組付けられてストッパー6をブッシュ32の端部に当接させると、小径部58の一部は第1嵌合部322の一部に対応し、且つ両者の間に隙間8を形成し、締結ねじの下端部は隙間8を介して小径部58に当接する。支持座4は第2側壁22に設けられ、支持座4は本体41を含み、本体41にはブッシュ32が貫通するためのブッシュ穴411が設けられ、ブッシュ穴411の中心、軸受座7の中心及び出力軸51は同一直線上に位置し、ブッシュ穴411の側部には締結ねじが通過するための逃げ溝42が設けられ、逃げ溝42はブッシュ穴411に連通する。
【0050】
具体的には、ブッシュ32の端部がストッパー6に当接する時には所定位置に組付けられていることを示す。出力軸51が軸孔324中に挿入された時に、出力軸51の小径部58は第2嵌合部323に嵌合し、大径部57は第1嵌合部322に嵌合し、小径部58の一部は第1嵌合部322の一部に対応する。小径部58と第1嵌合部322との寸法差により、両者が組付けられると出力軸51の周方向に配置される隙間8が形成され、締結ねじの下端部は間隙8を介して小径部58に当接することができる。締結ねじは出力軸51とブッシュ32を締め付けて両者の間の接続安定性を保証し、両者の間に相対運動が生じて室内機に不良動作が発生することを回避する。一方、小径部58と第1嵌合部322との間に周方向における隙間8が存在するため、ファン3を組付ける時、出力軸51は真っ直ぐに直接ブッシュ32に挿入可能である。ストッパー6がブッシュ32の端部に当接すると、締結ねじは隙間8に対応して小径部58に当接するので、出力軸51の位置を回転させる必要がなく、締結ねじを出力軸51に当接させて締め付けることができ、素早く手軽に操作でき、組付けの効率を保証することができる。
【0051】
さらに、小径部58と第1嵌合部322との間に形成される隙間8は0.3~1.5mmであり、これにより、締結ねじと小径部58との締付時に生じる局部的な突起によって出力軸51からブッシュ32を再取り外しにくく、又は再取り外し不能になることを回避することができる。図11に示すように、締結ねじの下端部を完全に出力軸51の小径部58に当接させるために、この隙間8の出力軸51の軸方向に沿う長さをW1、締結ねじの外径をDとすると、W1>Dである。
【0052】
図13図14に示すように、第1嵌合部322と小径部58との間の隙間8が要求を満たすことを確保するために、出力軸51の軸方向に沿って、第1嵌合部322の長さをA1、ストッパー6からテーパ遷移面53までの距離をA2とすると、A1>A2である。こうして、出力軸51は、ストッパー6が所定の位置に到達した後、第1嵌合部322の一部が小径部58に対向でき、これにより、両者の間に隙間8を形成できることを確保する。さらに、大径部57の直径をD1、小径部58の直径をD2とすると、D1-D2≧0.6mmである。これにより、出力軸51とファン3との嵌合強度に影響を与えない状態で、隙間8が締結具33の締付要求を満たすことを保証できる。
実施例3
【0053】
図15は本開示の実施例3に係るファンとモータとの組付けの構造概略図である。図16図15のCにおける拡大図である。図17は本開示の実施例3に係るファンとモータとの組付けの部分断面概略図である。図18は本開示の実施例3に係るファンの構造概略図である。図19は本開示の実施例3に係るファンの部分構造概略図である。図20は本開示の実施例3に係るブッシュの部分断面拡大図である。図21は本開示の実施例3に係るモータの構造概略図である。図15図21に示すように、本実施例と実施例1との相違点は、ブッシュ32の軸孔324は第1嵌合部322と第2嵌合部323を含み、第1嵌合部322の孔径は第2嵌合部323の孔径よりも大きく、第1嵌合部322の側壁には軸孔324に連通する開口溝36が設けられ、該開口溝36は軸孔324の径方向において軸孔324に連通する。出力軸51は大径部57と小径部58を含み、小径部58は第2嵌合部323に嵌合し、大径部57は第1嵌合部322に嵌合し、大径部57の直径をD1、小径部58の直径をD2とすると、開口溝36の開口幅はD2よりも大きく、かつD1以下である、ことにある。
【0054】
ここで、第1嵌合部322の側壁には軸孔324に連通する開口溝36が設けられ、開口溝36の開口幅は小径部58の直径よりも大きく、且つ大径部57の直径以下である。ファン3の取付時、まず出力軸51の小径部58を第1嵌合部322側壁の開口溝36から直接に径方向に挿入し、そして出力軸51の軸方向に沿って大径部57を第1嵌合部322に嵌合するまで相応に押し入ればよい。大径部57の直径が開口溝36の開口幅以上であるため、大径部57と第1嵌合部322と確実な嵌合を保証して脱落を防止することができる。これにより、出力軸51全体を軸方向に沿ってブッシュ32に取り付ける従来技術に比べて、出力軸51の軸方向における取付距離を効果的に短縮し、さらにファン3と室内機のカバー9との間の軸方向距離を短縮し、運転過程中のファン3の安定性を保証し、ファン3の騒音を減少することができる。
【0055】
図12は本開示の実施例2に係るモータの構造概略図である。図21は本開示の実施例3に係るモータの構造概略図である。図12図19及び図21に示すように、さらに、開口溝36は、ガイド溝部361と、ガイド溝部361の外側に位置する拘束溝部362とを含む。ガイド溝部361の開口幅をH1、拘束溝部362の開口幅をH2とすると、D2<H2<H1≦D1である。開口溝36の開口部、即ちブッシュ32の端面において拘束溝部362を設け、拘束溝部362の開口幅をガイド溝部361の開口幅よりも小さくすることにより、ブッシュ32の端面において第2嵌合部323と出力軸51の大径部57との間の係合度を保証でき、出力軸51とブッシュ32との間の嵌合安定性を保証できる。
【0056】
具体的には、出力軸51をブッシュ32に組付けてストッパー6をブッシュ32の端部に当接させる場合、小径部58の一部は第1嵌合部322の一部に対応し、両者の間に隙間8が形成され、締結ねじの下端部は隙間8を介して小径部58に当接し、締結ねじは出力軸51とブッシュ32とを締め付けて両者の間の接続安定性を保証し、これにより、両者の間に相対運動が生じて室内機に不良動作が発生することを回避する。また、締結ねじとストッパー6はそれぞれ径方向と軸方向から出力軸51を締め付けて制限し、出力軸51とブッシュ32との間の緩みを回避するとともに、小径部58と第1嵌合部322の間に周方向の隙間8が存在するため、締結ねじの下端部は隙間8を介して小径部58に当接し、締結ねじと小径部58との締め付け時に生じる局部的な突起によって、出力軸51からブッシュ32を再取り外しにくく、又は再取り外し不能になることを回避することができる。
【0057】
本実施例では、連結孔321はガイド溝部361に対応するブッシュ32の周壁に設けられる。ガイド溝部361の開口幅が拘束溝部362の開口幅と小径部58の直径よりも大きいため、締結ねじが締め付けられる時に出力軸51に作用力を加えて出力軸51の表面に局部的な突起を生じさせ、この局部的な突起により出力軸51の締結ねじに対応する位置における径方向寸法が大きくなった場合でも、この局部的な突起はガイド溝部361をスムーズに通過することができる。これにより、出力軸51をスムーズにブッシュ32に取り付けることができる。
【0058】
さらに、小径部58と第1嵌合部322との間に形成される隙間8は0.3~1.5mmである。これにより、締結ねじと小径部58との締め付け時に生じる局部的な突起によって、出力軸51からブッシュ32を再取り外しにくく、又は再取り外し不能になることを回避することができる。締結ねじの下端部を確実に出力軸51の小径部58に当接させて出力軸51を締め付ける効果を実現できることを保証するために、図17に示すように、隙間8の出力軸51の軸方向に沿う長さをW1、締結ねじの外径をDとすると、W1>Dである。
【0059】
さらに、出力軸51の加工を容易にし、出力軸51の構造的強度を保証するために、出力軸51の大径部57と小径部58との接続箇所にはテーパ遷移面53が設けられる。本実施例では、図19図21に示すように、ストッパー6とテーパ遷移面53との間の距離をA2、拘束溝部362の溝長さをL2とすると、A2=L2であり、即ち、出力軸51がブッシュ32に組付けられる時には、ストッパー6とテーパ遷移面53との間の軸部は拘束溝部362に対応して組付けられ、小径部58は第2嵌合部323に対応して組付けられる。これにより、ファン3のブッシュ32とモータ5の出力軸51の同軸度を保証し、ファン3の運転の安定性と信頼性を確保することができる。
【0060】
以上、本開示の実施例に係る分解洗浄可能な空調室内機は、カバー9、ベース体1、風路部材2、ファン3及び支持座4を含み、風路部材2には第1側壁21と第2側壁22が設けられ、第1側壁21には軸受座7が設けられ、支持座4は第2側壁22に設けられ、ファン3の一端は連結軸31を介して軸受座7に接続され、ファン3のブッシュ32は支持座4のブッシュ穴411を貫通してモータ5に接続され、ブッシュ穴411の中心、軸受座7の中心及び出力軸51は同一直線に位置してファン3の取付の同軸度を保証し、ファン3の取付の安定を保証する。逃げ溝42は締結ねじを逃すために用いられ、ブッシュ32の着脱時に、締結ねじはこの逃げ溝42により自由に通行できる。このように、ファン3の取付時に、まずファン3の連結軸31を軸受座7に取り付け、そしてブッシュ32における締結ねじを逃げ溝42に位置合わせてブッシュ32を本体41のブッシュ穴411に挿通して予め位置決めを行い、そして組付けられたファン3と風路部材2を一体的にベース体1に取り付ける。風路部材2が所定の位置に取り付けられた後、ブッシュ32は出力軸51と同軸になり、その後にファン3のブッシュ32を出力軸51に容易に位置合わせて取り付けて、組付け効率を高める。また、駆動モータ5の出力軸51からファン3のブッシュ32を取り外す時、ファン3のブッシュ32を軸方向に沿って一定距離退避させて、出力軸51から離脱した後に依然として支持座4に支持させる。ブッシュ32における締結ねじは同期的に逃げ溝42を介して移動することができる。これにより、ファン3が風路部材2から離脱して支持が失われることによるファン3の損傷を回避することができる。
【0061】
上記は、本発明の好適な実施形態にすぎず、当業者にとって、本発明の技術的趣旨から逸脱することなく、本開示の技術的範囲内で容易に想到できる改善及び置換はすべて本発明の保護範囲内に包含するものとみなされることに留意されたい。
【符号の説明】
【0062】
1、ベース体;
2、風路部材,21、第1側壁,22、第2側壁,23、取り外し孔;
3、ファン,31、連結軸,32、ブッシュ,321、連結孔,322、第1嵌合部,323、第2嵌合部,324、軸孔,33、締結具,34、ファンフレーム,35、ファンブレード,36、開口溝,361、ガイド溝部,362、拘束溝部;
4、支持座,41、本体,411、ブッシュ穴,42、逃げ溝;
5、モータ,51、出力軸,52、凹溝,53、テーパ遷移面,54、ガイドテーパ面,55、第1軸部,56、第2軸部,57、大径部,58、小径部;
6、ストッパー;
7、軸受座;
8、間隙;
9、カバー,91、第1開口。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口が設けられるカバーと、
前記カバーに取り外し可能に接続され、前記第1開口を介して取り外し可能な風路部材であって、風路キャビティを含む、風路部材と、
前記風路キャビティ内に設けられるファンであって、一端が前記風路キャビティの一側に回転可能に設けられ、他端にブッシュが設けられ、前記ブッシュには連結孔が設けられ、前記連結孔は前記ブッシュの径方向に沿って設けられ、且つ前記ブッシュの軸孔に連通する、ファンと、
前記風路キャビティの外側に設けられるモータであって、出力軸を有し、前記出力軸には前記連結孔に対向する凹溝が設けられ、前記出力軸は前記ブッシュに挿設され、前記ブッシュに前記出力軸と前記ブッシュを固定接続するための締結具が取り外し可能に設けられ、前記締結具の端部は前記連結孔を介して凹溝内に延出する、モータと、
を備える、
ことを特徴とする分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項2】
前記風路キャビティの前記締結具に径方向に対応する位置には、取り外し孔が設けられ、前記取り外し孔の寸法は前記締結具の寸法よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項3】
前記ファンの一端には連結軸が固定して設けられ、前記風路キャビティの一端には軸受けが設けられ、前記連結軸は前記軸受け内に穿設される、ことを特徴とする請求項2に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項4】
前記連結孔はねじ穴であり、前記締結具は締結ねじであり、前記ねじ穴には前記締結ねじが取り外し可能に固定配置され、前記締結ねじの端部は凹溝内に延出することを特徴とする請求項2に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項5】
さらに、ベース体を含み、前記風路キャビティと前記モータはいずれも前記ベース体に設けられることを特徴とする請求項1-4のいずれか一項に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項6】
前記出力軸にはストッパーが設けられ、前記凹溝は前記出力軸の外周壁に周設され、前記出力軸が前記ブッシュ内に組付けられて前記凹溝を前記連結孔に対向させると、前記ストッパーは前記ブッシュの端部に当接する、ことを特徴とする請求項1に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項7】
前記出力軸の前端にはガイドテーパ面が設けられ;
前記凹溝は前記ガイドテーパ面と前記ストッパーとの間に設けられ、且つ前記凹溝と前記ガイドテーパ面との間には前記ブッシュに嵌合する第1軸部が形成され、前記凹溝と前記ストッパーとの間には前記ブッシュに嵌合する第2軸部が形成され、前記出力軸の軸方向に沿って、前記第1軸部の長さと前記第2軸部の長さは、いずれも前記凹溝の長さ以上であり;又は
前記第1軸部の長さと前記第2軸部の長さと和は前記凹溝の長さ以上である、ことを特徴とする請求項6に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項8】
前記ストッパーは前記出力軸に外嵌される位置決め止め輪であることを特徴とする請求項6に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項9】
第1開口が設けられるカバーと、
前記カバーに取り外し可能に接続され、前記第1開口を介して取り外し可能な風路部材であって、風路キャビティを含む、風路部材と、
前記風路キャビティ内に設けられるファンであって、一端が前記風路キャビティの一側に回転可能に設けられ、他端にブッシュが設けられ、前記ブッシュの軸孔は第1嵌合部と第2嵌合部を含み、前記第1嵌合部の孔径は前記第2嵌合部の孔径よりも大きく、前記ブッシュには連結孔が設けられ、前記連結孔は前記ブッシュの径方向に沿って設けられ、且つ前記ブッシュの軸孔に連通する、ファンと、
前記風路キャビティの外側に設けられるモータであって、出力軸を有し、前記出力軸は大径部と小径部を含み、前記小径部は前記第2嵌合部に嵌合し、前記大径部は前記第1嵌合部に嵌合し、前記出力軸は前記ブッシュに挿設され、前記ブッシュに前記出力軸と前記ブッシュを固定接続するための締結具が取り外し可能に設けられ、前記締結具の端部は前記連結孔を介して前記小径部に当接する、モータと、を備える、
ことを特徴とする分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項10】
前記大径部にはストッパーが設けられ、前記連結孔は前記ブッシュの径方向に沿って設けられ、且つ前記第1嵌合部に連通し、前記出力軸が前記ブッシュ内に組付けられて前記ストッパーを前記ブッシュの端部に当接させると、前記小径部の一部は前記第1嵌合部の一部に対応して両者の間に隙間が形成され、前記締結具は前記連結孔内に設けられ、且つ前記締結具の下端部は前記隙間を介して前記小径部に当接する、ことを特徴とする請求項9に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項11】
前記第1嵌合部の側壁には前記軸孔に連通する開口溝が設けられ、前記大径部の直径をD1、前記小径部の直径をD2とすると、前記開口溝の開口幅はD2よりも大きく、かつD1以下である、ことを特徴とする請求項9に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【請求項12】
さらに支持座を含み、前記支持座は前記風路キャビティの一側壁に取け付られ、前記ブッシュを支持するために用いられ、前記支持座は本体を含み、前記本体には前記ブッシュが貫通するためのブッシュ穴が設けられ、前記ブッシュ穴の側部には前記ブッシュの前記締結具が通過するための逃げ溝が設けられ、前記逃げ溝は前記ブッシュ穴に連通する、ことを特徴とする請求項1又は請求項9に記載の分解洗浄可能な空調室内機。
【国際調査報告】