(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(54)【発明の名称】アンカー
(51)【国際特許分類】
E04B 9/00 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
E04B9/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561566
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 IB2021052571
(87)【国際公開番号】W WO2021205278
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、サミュエル
(57)【要約】
アンカーは、可撓性の細長い部材を受け入れるための導管を備える。導管は、内部領域と、第1および第2の開口部とを有する。可撓性の細長い部材は、第1および第2の開口部を通り、導管の内部領域を通って伸長することができる。導管は、湾曲した、実質的にU字形の細長い管状部材である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の細長い部材を受け入れるための導管を備えるアンカーであって、前記導管は、内部領域と、第1および第2の開口部とを有し、前記可撓性の細長い部材は、前記第1および第2の開口部を通り、前記導管の内部領域を通って伸長することができる、アンカー。
【請求項2】
前記導管は、湾曲した、実質的にU字形の細長い管状部材である、請求項1に記載のアンカー。
【請求項3】
前記第1および第2の開口部は、前記導管の対向する端に規定され、前記細長い部材は、前記第1および第2の開口部の両方を通って伸長することができる、請求項1または2に記載のアンカー。
【請求項4】
前記導管の対向する端間に空間を規定し、前記空間を通して硬化性材料を受け入れる、請求項1、2または3に記載のアンカー。
【請求項5】
リブ部分は前記導管の対向する端間の空間を横断して伸長する、請求項4に記載のアンカー。
【請求項6】
前記導管を直立位置に筋かいをつけるための筋かい部材を備え、前記筋かい部材は前記導管と前記リブ部分との間に伸長する、請求項5に記載のアンカー。
【請求項7】
前記筋かい部材は、前記リブ部分の中央領域に取り付けられ、前記筋かい部材は、前記リブ部分の中央領域から前記導管に向かって斜めに外側に伸長する、請求項6記載のアンカー。
【請求項8】
前記筋かい部材のうちの2つを備え、前記筋かい部材は、V字形構造に配置されている、請求項6または7に記載のアンカー。
【請求項9】
前記アンカーを支持物品に締結するための締結構造を備え、前記締結構造は前記リブ部分に沿って伸長する、請求項5から8のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項10】
前記締結構造は、締結具を受け入れるアパーチャを規定する突出部を備える、請求項9に記載のアンカー。
【請求項11】
前記突出部は、ウェブ部材を備える、請求項10に記載のアンカー。
【請求項12】
前記締結構造は貫通孔を有する隆起部材を備え、前記隆起部材は、前記突出部から伸長し、前記アパーチャは前記孔のための前記開口部を提供し、前記突出部は、隆起構造を前記導管に接続する、請求項10または11に記載のアンカー。
【請求項13】
前記突出部は、前記リブ部分に取り付けられ、前記リブ部分に沿って伸長する、請求項10、11または12に記載のアンカー。
【請求項14】
前記締結構造のうちの2つを備え、前記締結構造は、前記導管のそれぞれの対向する端で前記導管に取り付けられる、請求項9から13のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項15】
前記導管から伸長する第1および第2の伸長部材を備え、各伸長部材は、前記第1および第2の開口部のそれぞれ1つから伸長する、請求項1から14のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項16】
前記第1および第2の伸長部材のそれぞれは、前記導管の前記内部領域と連通する間隙を規定するそれぞれの管状部材を備える、請求項15に記載のアンカー。
【請求項17】
前記アンカーを支持物品に固定するための前記伸長部材上の固定構造をさらに含み、前記固定構造は、前記アンカーを前記支持物品に固定するために前記支持物品の下側と係合可能である、請求項15または16に記載のアンカー。
【請求項18】
前記固定構造は、スナップフィット構造を備える、請求項17に記載のアンカー。
【請求項19】
物品を吊り下げる方法であって、請求項1に記載のアンカーを支持物品上に配置することと、前記アンカーを覆うように前記支持物品上に硬化性材料を配置することと、前記導管を通して可撓性の細長い部材を挿入し、前記物品を前記細長い部材に取り付けることとを含む、方法。
【請求項20】
前記第1および第2の開口部は前記導管の対向する端に規定され、前記細長い部材を挿入するステップは、前記細長い部材が両方の開口部から伸長するように、前記細長い部材を前記導管を通して挿入すること含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アンカーは、前記アンカーを支持物品に締結するための締結構造を備え、前記物品を前記支持物品上に配置するステップは、前記締結構造を使用して前記アンカーを前記支持物品に締結することを含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記アンカーが前記締結構造のうちの2つを備え、前記アンカーを前記支持物品に締結する前記ステップは、両方の締結構造によって前記アンカーを前記支持物品に締結することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
各締結構造は、締結具を受け入れるアパーチャを規定する突出部を備え、前記アンカーを前記支持物品に締結するステップは、それぞれの締結具を各アパーチャを通して前記支持物品内に挿入することを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
支持物品に第1および第2の孔を形成することと、前記アンカーを前記支持物品に据え付けるために伸長部材を前記孔に挿入することによって前記アンカーを前記支持物品に据え付けることとを含む、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記アンカーは、第1のアンカー部分および第2のアンカー部分を備え、各アンカー部分は前記導管の細長い部分を備え、前記方法は、前記第1および第2のアンカー部分を互いに取り付けることを含む、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーに関する。排他的ではないが、より具体的には、本発明は、屋根又は天井で使用するためのアンカーに関する。本発明の実施形態は、物品を吊り下げるためのアンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルトレイまたはパイプを建物の上部領域、例えば屋根または天井から吊り下げることが必要なことがある。これは、それ自体が屋根または天井から吊下げられた適切な吊下げデバイスにケーブルを通すことによって行われることが多い。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、可撓性の細長い部材を受け入れるための導管を備えるアンカーが提供され、導管は、内部領域と、第1および第2の開口部とを有し、可撓性の細長い部材は、第1および第2の開口部を通り、導管の内部領域を通って伸長することができる。
【0004】
本発明の別の態様によれば、物品を吊り下げる方法が提供され、前記方法は、支持物品上に上述のアンカーを配置することと、アンカーを覆うように支持物品上に硬化性材料を配置することと、導管を通して細長い可撓性部材を挿入し、物品を細長い部材に取り付けることとを含む。
【0005】
導管は、細長くてもよい。導管は、管状部材であってもよい。導管は、湾曲していてもよい。管状部材は、空間の周りに伸長する実質的にU字形部材であってもよい。導管は、逆U字形部材であってもよい。
【0006】
導管は、細長い部材が通って伸長することができる第1および第2の開口部を有することができる。第1および第2の開口部は、導管の対向する端にあってもよい。細長い部材は、両方の開口部から伸長してもよい。
【0007】
方法は、細長い部材が両方の開口部から伸長するように、導管を通して細長い部材を挿入することを含んでもよい。
【0008】
第1および第2の開口部は、互いに実質的に同一平面上にあってもよい。
【0009】
アンカーは天井で使用されてもよい。アンカーは天井アンカーであってもよい。アンカーは、硬化性材料に埋め込まれるのに適していてもよい。硬化性材料は、アンカー上に注がれてもよい。硬化性材料は、コンクリートなどの硬化性建築材料であってもよい。
【0010】
アンカーは、プラスチック材料で形成されてもよく、導管は滑らかな内部通路を提供し、細長い部材が導管を通って容易に移動することを可能にする。
【0011】
アンカーは、導管の対向する端の間に空間を規定してもよい。硬化性材料は、空間を通して受け入れられてもよい。内向きに伸長するフランジ部分は、導管から空間を部分的に横断して伸長してもよい。
【0012】
リブ部分は、空間にわたって伸長してもよい。リブ部分は、フランジ部分から導管の対向する端の間に伸長することができる。
【0013】
本明細書で説明される実施形態では、硬化性材料は、アンカの周囲に配置され、細長い部材およびその上の負荷を支持するための強度および形態を提供してもよい。
【0014】
アンカーは、アンカーを支持物品に締結するための締結構造を備えてもよい。
【0015】
方法は、締結構造を使用してアンカーを支持物品に締結することを含んでもよい。
【0016】
支持物品は、建物の建設を容易にすることができる。締結構造は、導管に取り付けられてもよい。
【0017】
支持物品は型枠を備えてもよい。型枠は木製型枠または金属デッキを含むことができる。
【0018】
締結構造は、導管から外向きに伸長してもよい。あるいは、締結構造は、導管から内側に伸長してもよい。この代替では、締結構造は、リブ部分に沿って伸長することができる。
【0019】
締結構造は、締結具を受け入れるためのアパーチャを規定してもよい。締結構造は、突出部を備えてもよい。突出部は、ウェブ部材を備えてもよい。突出部は、前述のアパーチャを規定してもよい。
【0020】
突出部は、リブ部分に取り付けられてもよい。突出部は、リブ部分に沿って伸長してもよい。
【0021】
締結構造は、隆起部材を備えてもよい。隆起部材は貫通孔を有してもよい。隆起部材は、突出部から伸長してもよい。
【0022】
アパーチャは、孔のための開口部を提供することができる。締結具は、孔を通して伸長してもよい。突出部は、隆起構造を導管に接続してもよい。突出部は、隆起構造をリブ部分に接続してもよい。締結具は、ねじ、ボルト、又はこれらに類するものであってもよい。
【0023】
方法は、締結具をアパーチャから支持物品に挿入することを含んでいてもよい。
【0024】
アンカー、前記締結構造のうちの2つを備えていてもよい。
【0025】
方法は、両方の締結構造によってアンカーを支持物品に締結することを含んでいてもよい。
【0026】
締結構造は、互いに対向して導管に取り付けられてもよい。
【0027】
各締結構造は、導管のそれぞれの対向する端において導管に取り付けられてもよい。各締結構造は、前述の第1および第2の開口部のそれぞれ1つにおいて導管に取り付けられてもよい。
【0028】
方法は、それぞれの締結具を各アパーチャを通して支持物品に挿入することを含んでいてもよい。
【0029】
アンカーは、導管に筋かいをつけるための筋かい部材を備えてもよい。筋かい部材は、アンカーを直立位置に筋かいをつける。
【0030】
筋かい部材は、導管から伸長してもよい。筋かい部材は、導管とリブ部分との間に伸長してもよい。筋かい部材は、リブ部分の中央領域に取り付けられてもよい。
【0031】
筋かい部材は、導管の中央領域まで伸長してもよい。筋かい部材は、導管から横断方向に伸長してもよい。筋かい部材は、導管から垂直に伸長してもよい。
【0032】
筋かい部材は、係合部分を備えてもよい。係合部分は、開口部と実質的に同一平面上にあってもよい。
【0033】
係合部分は、前述の支持物品に係合するように配置されてもよい。それにより、筋かい部材は、アンカーを前述の支持物品上で直立位置に維持することができる。
【0034】
筋かい部材は、導管の端間で導管上に配置されてもよい。
【0035】
筋かい部材は、実質的に三角形の主要部分を備えることができる。主要部分は、導管に取り付けられてもよい。
【0036】
筋かい部材は、前述の空間にわたって伸長してもよい。筋かい部材は、フランジ部分からリブ部分まで伸長してもよい。
【0037】
三角形の主要部分は、導管に取り付けられた第1の頂点を有してもよい。各三角形の主要部分は、第2の頂点を有してもよい。第2の頂点は、リブ部分に取り付けられてもよい。
【0038】
主要部分は、第1の頂点から第2の頂点まで空間を横断して伸長してもよい。
【0039】
主要部分は、第3の頂点を有してもよい。第3の頂点は第2の頂点から離間されてもよい。
【0040】
主要部分は、第2の頂点から第3の頂点まで伸長してもよい。
【0041】
筋かい部材は、主要部分から第1および第2の開口部と実質的に同一平面上にある前記領域まで伸長する足部分を備えてもよい。
【0042】
筋かい部材は、前述の足部分のうちの2つを備えてもよい。足の第1の部分は、第3の頂点から伸長してもよい。
【0043】
足の第2の部分は、第2の頂点から伸長してもよい。第2の足部分は、リブ部分に沿って伸長してもよい。
【0044】
アンカーは、筋かい部材のうちの2つを備えてもよい。筋かい部材は、互いに対向して配置されてもよい。筋かい部材は、導管から反対方向に伸長してもよい。
【0045】
代替的に、筋かい部材は、リブ部分の中央領域から導管に対して斜めに外側に伸長してもよい。筋かい部材は、スポーク部材を備えてもよい。
【0046】
アンカーは、筋かい部材のうちの2つを備えてもよい。筋かい部材は、V字形構造に配置されてもよい。
【0047】
アンカーは、伸長部材を備えてもよい。伸長部材は、導管から伸長してもよい。各伸長部材は、第1および第2の開口部のそれぞれ1つから伸長してもよい。
【0048】
各伸長部材は、空洞を規定してもよく、空洞は、導管の内部領域と連通している。前記連通は、第1または第2の開口部を介するものであってもよい。
【0049】
アンカーは、アンカーを支持物品に固定するための固定構造を伸長部材上にさらに含むことができる。第1の固定構造は、スナップフィット構造を備えてもよい。
【0050】
方法は、支持物品内に第1および第2の孔を形成することによって、支持物品上にアンカーを据え付けることを含んでもよい。伸長部材は、アンカーが支持物品上に配置されるとき、孔を通して挿入されてもよい。
【0051】
固定構造は、伸長部材上に設けられてもよい。固定構造は、支持物品の下側を係合して、アンカーを支持物品に固定することができる。
【0052】
細長い物品は、伸長部材のうちの1つを介して導管中に挿入されてもよい。細長い部材がアンカーに完全に通されるとき、細長い部材は、伸長部材の両方を通って伸長することができる。
【0053】
あるいは、伸長部材は、細長い部材をアンカーに挿入する前に取り外されてもよい。
【0054】
アンカーは、第1のアンカー部分と、第2のアンカー部分とを備えてもよい。アンカー部分のそれぞれは、導管の細長い部分を備えてもよい。本方法は、第1および第2のアンカ部分を相互に取り付けることを含んでもよい。
【0055】
第1及び第2のアンカー部分のそれぞれは、半部分を備えてもよい。アンカー部分のそれぞれは、導管の細長い半部分を備えてもよい。
【0056】
添付の図面を参照して、単なる例として、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】
図1は、アンカーの一方向からの斜視図である。
【
図2】
図2は、アンカーの別の方向からの斜視図である。
【
図4】
図4は、支持物品に締結されているアンカーの側面図である。
【
図5】
図5は、支持物品に締結されているアンカーの側断面図である。
【
図6】
図6は、導管に挿入されている可撓性の細長い部材を示す、
図5と同様の図である。
【
図7】
図7は、導管に挿入した後の可撓性の細長い部材を示す、
図6と同様の図である。
【
図8】
図8は、可撓性の細長い部材を導管内に保持する1つの方法を示す
図7と同様の図である。
【
図9】
図9は、更なるアンカーの上からの斜視図である。
【
図12】
図12は、支持物品上に据え付けられた他のアンカーを示す前断面図である。
【
図13】
図13は、
図12と同様の図であるが、前記他のアンカーを通して挿入されている細長い部材を示している。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図面は、木製ボードの形態の型枠32を使用して形成された天井で使用するのに適したアンカー10を示しているが、金属デッキの形態の型枠32を使用して形成された天井にも使用することができる。
【0059】
アンカー10は、空間15の周りに伸長する管状の逆U字形部材の形態の導管12を備える。図示の実施形態では、アンカー10は天井アンカーである。
【0060】
図面に示される実施形態では、アンカー10は、2つの半体10A、10Bの接合を示す線11(
図2を参照)によって示されるように、2つの半体10A、10Bから形成される。
【0061】
アンカーを2つの半体に形成することは、製造の便宜のために行われる。当業者は、アンカー10が適切な製造技術によって一体型ユニットとして形成されることができることを理解するであろう。
【0062】
導管12は、空の内部領域17と、導管12の対向する端18における内部領域17のための第1および第2の開口部14、16とを規定する(
図3参照)。第1および第2の開口部14、16は、互いに実質的に同一平面上にある。
【0063】
以下でより詳細に説明するように、導管12は、細長い部材20が第1および第2の開口部14、16の両方から伸長するように、それを通して可撓性の細長い部材20、例えば、ケーブルを受け入れることができる。
【0064】
アンカー10は、第1および第2の開口部14、16において導管12に取り付けられた2つの締結構造22をさらに含む。締結構造22は、導管12から反対方向に直径方向に外向きに伸長する。
【0065】
各締結構造22は、隆起部材24と、各隆起部材24と導管12との間に伸長するウェブ部材26の形態のそれぞれの突出部とを備え、各隆起部材24は、ウェブ部材26のそれぞれ1つから伸長する。
【0066】
ウェブ部材26は、導管12のそれぞれの対向する端18から直径方向に対向する方向に、径方向に外側に伸長する。
【0067】
各隆起部材24は、アンカー10を支持物品に締結するために釘又はねじのような締結具30を挿入することができる孔28を備えている。各ウェブ部材26は、孔28のための開口部を提供するアパーチャ29を規定する。
【0068】
支持物品は、コンクリートの形態の硬化性材料を流し込んで天井を形成することができる型枠32を含む。型枠32は木製型枠または金属デッキの形態である。
【0069】
アンカー10は、導管12上に内側に伸長するフランジ部分34を含む。フランジ部分34は、導管12から空間15を部分的に横切って伸長し、導管12の一端18から対向する端18まで導管12に沿って伸長する。
【0070】
リブ部分36は、導管12の対向する端18の間の空間15を横切って伸長する。
【0071】
アンカー10はまた、導管12に取り付けられた2つの筋かい部材38を含む。
筋かい部材38は、アンカー10の両側に配置され、導管12およびフランジ部分34から反対方向に垂直に伸長する。
【0072】
各筋かい部材38は、導管12に取り付けられた第1の頂点42を有する三角形の主要部分40を備える。
【0073】
主要部分40は、空間15を横切ってリブ部分36に取り付けられた第2の頂点44まで伸長する。主要部分40は、リブ部分36から、リブ部分36から離間した第3の頂点46まで伸長する。
【0074】
各筋かい部材38は、リブ部分36を横切って第2の頂点44から下方に伸長する第1の足部分48の形態の係合部分を含む。第1の足部分48は、第2の頂点44で主要部分40に取り付けられ、リブ部分36に取り付けられる。
【0075】
各筋交い部材38は、主要部分40から下方に伸長する第2の足部分50の形態のさらなる係合部分をさらに含む。第2の足部分50は、第3の頂点46で主要部分40に取り付けられる。
【0076】
第1および第2の足部分48、50のそれぞれは、導管12の対向する端18と実質的に同一平面上で終端するように、主要部分40から伸長する。第1及び第2の足部分48、50は、アンカー10を直立位置に維持するために型枠32に係合する。
【0077】
使用時には、天井の建設中に、天井が建設されるべき領域を横切って型枠32が置かれる。
次に、アンカー10のうちの1つ以上が型枠32に締結される。
【0078】
型枠32が金属板の形態である場合には、アンカー10を型枠32に締結する前に、型枠32を通る孔があけられる。これらの孔は、第1の開口部14と第2の開口部16との間の距離と同じ距離だけ互いに離間している。
【0079】
次いで、導管12の対向する端18に規定された第1および第2の開口部14、16が孔と位置合わせされるように、アンカー10が孔の上で型枠32に締結される。
【0080】
アンカー10は、締結構造22のアパーチャ28を通して締結具30を挿入し、次に締結具30を型枠32に押し込むことによって、型枠32に締結される。したがって、アンカー10は、直立位置で型枠32に締結される。
【0081】
各アンカー10がそのように締結されるとき、第1および第2の足部分48、50は型枠32と係合する。したがって、型枠32は、締結構造22ならびに第1および第2の足部分48、50によって係合される。
【0082】
これは、作業者が作業中にアンカー10のうちの1つ以上の上を移動した場合、または建設中に材料がアンカー10の上を引きずられた場合に、アンカー10が蹴倒されるのを防止する効果を有する。
【0083】
次に、型枠32上にコンクリートを所望の深さまで流し込み、型枠32に締結されたアンカー10を覆って天井54を形成する(
図6、
図7及び
図8参照)。
【0084】
線55は、コンクリートの深さを示す。
コンクリートが注入されている間、コンクリートは導管12の周りを流れ、空間15を通過する。
【0085】
コンクリートが硬化するとき、木製ボードの形態の型枠32が除去され、天井54の下面56において、各アンカー10の導管12の対向する端18にある第1および第2の開口部14、16が露出する。
【0086】
金属板の形態の型枠32の場合、型枠32は所定の位置に残される。締結具30の先端は、コンクリートの下面56から突出しないように除去することができる。
【0087】
図6及び
図7を参照すると、次に、可撓性の細長い部材20の一端を第一の開口部14を介して導管12内に挿入する。金属ボードの形態の型枠32の場合、可撓性の細長い部材20は、型枠の孔を通過する。
【0088】
可撓性の細長い部材20は、可撓性の細長い部材20の端が第2の開口部16を介して導管12から出るまで導管12に通され、それによって導管12から伸長する2つの通路を形成する。
【0089】
可撓性の細長い部材20にループを形成することができ、2つの通路を互いに接続することができ、物品、例えばパイプまたはケーブルトレイを、当技術分野で知られている適切な手段によって可撓性の細長い部材20に取り付けることができる。
【0090】
あるいは、
図8に示されるように、トグル60または同様の部材(例えば、クリンプ部材)が、可撓性の細長い部材20の一端に取り付けられることができる。
【0091】
次に、可撓性の細長い部材20の他端をトグル60がコンクリート54の下面56に係合するまで引っ張ることができ、それにより、トグル60は、可撓性の細長い部材20を導管12内に保持する。
【0092】
以上、天井に埋設可能なアンカー10について説明した。ケーブルのような可撓性の細長い部材20をアンカー10に通すことができ、それにより、ケーブルは、ねじ山付きロッド又は接続デバイスのような中間コネクタを必要とせずに、天井から直接伸長することができる。
【0093】
本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正を行うことができる。
【0094】
図9および
図10は、全体的に110で示されるさらなるアンカーを示す。アンカー110は、アンカー10の特徴の多くを備える。これらの特徴は、
図1から8に示される対応する特徴と同じ参照番号で示される。
【0095】
アンカー110は、筋かい部材38がスポーク部材138に置き換えられている点でアンカー10とは異なる。スポーク部材138は、リブ部分36の中央領域140(
図10参照)から導管12に対して斜めに外側に伸長する。スポーク部材138は、V字形構造に配置され、導管12に筋かいを提供する。
【0096】
締結構造22は、隆起部材24及びウェブ部材126を含む。ウェブ部材126は、導管12のそれぞれの端18から互いに向かって内向きに伸長する。さらに、ウェブ部材126は、リブ部分36の両側に取り付けられ、リブ部分36に沿って伸長する。
【0097】
隆起部材24は、リブ部分36の両側でウェブ部材126上に設けられる。隆起部材24は、(
図9に破線で示す)孔128を有し、この孔を通って締結具30が伸長する。各ウェブ部材126は、孔128のための開口部を提供するアパーチャ129を規定する。
【0098】
導管12の端18の内側に締結構造22を配置することによって、
図9に示すアンカー110は、
図1から
図8に示すアンカー10よりもコンパクトになる。
【0099】
全体的に210で示される、別のアンカーは、
図11から
図14に示されている。アンカー210は、金属デッキの形態の型枠32を使用して形成された天井で使用するのに特に適している。
【0100】
アンカー210は、アンカー110の特徴の多くを備える。これらの特徴は、
図9から10に示される対応する特徴と同じ参照番号で示される。
【0101】
アンカー210は、締結構造が隆起構造を有さず、単にアパーチャ129を規定するウェブ部材126の形態であるという点で、アンカー110とは異なる。
【0102】
アンカー210とアンカー110との間のさらなる差異は、アンカー210が、開口部14、16のそれぞれにおいて導管12から伸長する管状伸長部材230を備えることである。
【0103】
各伸長部材230は、導管の内部領域17と連通する空洞231を規定し、前記連通は、第1の開口部14または第2の開口部16を介する。
【0104】
アンカー210は、伸長部材230上にスナップフィット構造232をさらに含む。スナップフィット構造232は、以下に説明するように、アンカー210を型枠32に固定する。
【0105】
アンカー210は、
図12から
図14に概略的に示されている金属デッキの形態の型枠32に据え付けられてもよい。2つの孔が型枠32にあけられている。
【0106】
これらの孔は、第1の開口部14と第2の開口部16との間の距離と同じ距離だけ互いに離間している。
【0107】
アンカー210は、
図12に示すように、伸長部材230が孔を通って挿入された状態で型枠32上に配置される。スナップフィット構造232は、アンカー210を型枠32に固定するために型枠32の下側に係合する。
【0108】
ねじの形態の締結具が、アパーチャ129を通して挿入され、型枠32の中にねじ込まれ、それによって、アンカー210を型枠32に締結する。
【0109】
次に、コンクリートが、天井を形成するためにアンカー210を覆う型枠32上に注がれる。コンクリートが硬化されたとき、所望であれば、難燃剤を型枠32の下側に噴霧してもよい。
【0110】
次いで、細長い部材20は、伸長部材230のうちの1つに挿入されることによってアンカー210に通され、次いで、導管12に通され、次いで、他の伸長部材230に通される。
【0111】
アンカー210に完全に通されるとき、上述したのと同じ方法で物品を細長い部材20に取り付けることができる。
【0112】
所望であれば、伸長部材230は、コンクリートが硬化した後に、細長い部材20がアンカー210に通される前に、除去されてもよい。
【国際調査報告】