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特表2023-520795加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法
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  • 特表-加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法 図1
  • 特表-加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-19
(54)【発明の名称】加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/06 20060101AFI20230512BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
F17C5/06
F17C13/00 301Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560399
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2021057390
(87)【国際公開番号】W WO2021204527
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】2003617
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】パオリ、エルヴェ
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BB13
3E172BD03
3E172BD05
3E172DA90
3E172EA02
3E172EA22
3E172EA35
3E172EB02
3E172KA03
3E172KA22
(57)【要約】

本発明は、加圧ガスタンク、特に車両の水素タンクを充填するための装置であって、複数の加圧流体の供給源(2~10)に接続された上流端と、充填されるタンクに接続するための少なくとも1つの分配終端部(11、12、13)を含む下流端とを有する流体移送回路を含み、供給源(2~10)は、少なくとも1つの終端部(11、12、13)に並列に接続され、各供給源(2~10)は、それぞれの出口弁(22~30)に接続された流体出口を含み、供給源(2~10)は、個別のサブグループにおいてそれぞれの移送ライン(35~37)に並列に接続され、すなわち、単一のサブグループの全ての供給源は、専用の移送ライン(35~37)に並列に接続され、供給源のいくつかのサブグループのそれぞれ、好ましくは全てのサブグループは、複数の供給源を含み、移送ライン(35~37)は、少なくとも1つの分配終端部(11、12、13)に並列に接続され、且つそれぞれの移送弁(32~34)をそれぞれ含み、少なくとも1つの分配終端部(11、12、13)は、制御弁(32~34)のセットを含み、少なくとも1つの分配終端部(11、12、13)及びその制御弁(32~34)のセットは、所定の最大充填ガス流量を移送するようにサイズ決めされ、出口弁(22~30)、移送ライン(35~37)及び移送弁(32~34)は、最大充填ガス流量未満の最大移送ガス流量を移送するようにサイズ決めされ、複数の出口弁(22~30)及び複数の移送ライン(35~37)によって提供される複数の最大移送ガス流量の合計は、最大充填ガス流量以上である、装置に関する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧ガスタンク、特に車両の水素タンクを充填するための装置であって、複数の加圧流体の供給源(2~10)に接続された上流端と、充填されるタンクに接続されるように意図された少なくとも1つの分配器(11、12、13)を含む下流端とを有する流体移送回路を含み、前記供給源(2~10)は、前記少なくとも1つの分配器(11、12、13)に並列に接続され、各供給源(2~10)は、それぞれの出口弁(22~30)に接続された流体出口を含み、前記供給源(2~10)は、異なるサブグループにおいてそれぞれの移送ライン(35~37)に並列に接続され、すなわち、同じサブグループの全ての前記供給源は、専用の移送ライン(35~37)に並列に接続され、供給源のいくつかのサブグループのそれぞれ、好ましくは全てのサブグループは、複数の供給源を含み、前記移送ライン(35~37)は、前記少なくとも1つの分配器(11、12、13)に並列に接続され、且つそれぞれの移送弁(32~34)をそれぞれ含み、前記少なくとも1つの分配器(11、12、13)は、制御弁のセットを含み、前記少なくとも1つの分配器(11、12、13)及びその制御弁のセットは、所定の最大充填ガス流量を移送するように寸法決めされ、前記出口弁(22~30)、前記移送ライン(35~37)及び前記移送弁(32~34)は、前記最大充填ガス流量未満の最大移送ガス流量を移送するように寸法決めされ、複数の出口弁(22~30)及び複数の移送ライン(35~37)によって提供される複数の最大移送ガス流量の合計は、前記最大充填ガス流量以上である、装置。
【請求項2】
前記所定の最大ガス流量は、ガス通路直径(断面積)、通路係数(Cv)の少なくとも1つを介して制限されることを特徴とする、請求項1に記載の充填装置。
【請求項3】
前記供給源のサブグループは、専用の移送ライン(35~37)に並列に接続された2つ、3つ又は4つ以上の供給源をそれぞれ含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
2つ、3つ又は4つ以上の供給源のサブグループを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの分配器(11、123)の前記制御弁のセットの流量係数は、3~6であり、好ましくは4.5に等しく、各出口弁(22~30)及び前記移送ライン(35~37)の弁の流量係数は、1~2であり、好ましくは1.5に等しいことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
独立したラインを介して移送ライン(35~37)に並列に接続された複数の分配器(11、12、13)を含み、同一の又は異なる供給源からの、且つ同一の又は異なる圧力若しくは流量での前記分配器へのガスの同時移送を可能にすることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記弁の少なくともいくつかは、制御された弁であり、前記装置(1)は、前記制御された弁を制御するように構成される、データ記憶及び処理のための電子要素(14)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記データ記憶及び処理のための電子要素(14)は、カスケード原理を用いて、前記供給源と、充填されるタンクとの間で連続的な圧力平衡化調整を行うことにより、前記少なくとも1つの分配器(11、12、13)に接続された前記タンクを充填するために前記弁の開放及び閉鎖を制御するように構成されることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記データ記憶及び処理のための電子要素(14)は、複数の供給源と前記タンクとの間で同時圧力平衡化調整を行うことにより、各出口弁(22~30)及び各移送ライン(35~37)の前記最大移送ガス流量を超える所定の基準ガス流量を前記タンクに移送するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記データ記憶及び処理のための電子要素(14)は、一方では異なるサブグループに属する複数の供給源と、他方では前記タンクとの間で同時圧力平衡化調整を行うように構成されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の装置を用いて、少なくとも1つの加圧ガスタンク、特に車両の少なくとも1つの水素タンクを充填するための方法において、前記供給源と、前記充填されるタンクとの間の圧力平衡化調整を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
各出口弁(22~30)及び各移送ライン(35~37)の前記最大移送ガス流量を超える所定の基準ガス流量を前記少なくとも1つのタンクに移送するステップを含み、前記基準ガス流量は、同一の又は異なるサブグループに属する複数の供給源、特に同一の又は異なるサブグループに属する2つ、3つ又は4つ以上の供給源によって同時に提供されるガス流量の積算によって得られることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、加圧ガスタンク、特に車両の水素タンクを充填するための装置であって、複数の加圧流体供給源に接続された上流端と、充填されるタンクに接続されるように意図された少なくとも1つの分配器を含む下流端とを有する流体移送回路を含み、供給源は、少なくとも1つの分配器に並列に接続される、装置に関する。
【背景技術】
【0003】
高圧水素貯蔵車は、様々な充填ステーションに供給するために使用されている。ステーションに最適な状態で供給するため、カスケード原理を用いてこれらの車両の貯蔵ユニットを空にすることができる。
【0004】
既知の解決策では、ガスの移送速度を制御し、回路内の負荷損失に作用することにより、加圧ガス供給源からのタンクの充填を保証する。これは、流量を調整するために複数の弁のセットを並列に使用することで実現され得る。
【0005】
特定の場合、移送流量を高くする必要があり、市場で入手できる装置は、これらの流量と適合する回路の提供を可能にしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の上述の欠点の全て又は一部を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、上記の前提部で与えられた一般的な定義に合致する本発明による装置は、各供給源が、それぞれの出口弁に接続された流体出口を含み、供給源が、異なるサブグループにおいてそれぞれの移送ラインに並列に接続され、すなわち、同じサブグループの全ての供給源が専用の移送ラインに並列に接続され、供給源のいくつかのサブグループのそれぞれ、好ましくは全てのサブグループが複数の供給源を含み、移送ラインが少なくとも1つの分配器に並列に接続され、且つそれぞれの移送弁をそれぞれ含み、少なくとも1つの分配器が制御弁のセットを含み、少なくとも1つの分配器及びその制御弁のセットが、所定の最大充填ガス流量を移送するように寸法決めされ、出口弁、移送ライン及び移送弁が、最大充填ガス流量未満の最大移送ガス流量を移送するように寸法決めされ、複数の出口弁及び複数の移送ラインによって提供される複数の最大移送ガス流量の合計が最大充填ガス流量以上であることを本質的に特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る:
- 供給源のサブグループは、専用の移送ラインに並列に接続された2つ、3つ又は4つ以上の供給源をそれぞれ含み、
- 装置は、2つ、3つ又は4つ以上の供給源のサブグループを含み、
- 少なくとも1つの分配器の制御弁のセットの流量係数は、3~6であり、好ましくは4.5に等しく、各出口弁及び移送ラインの弁の流量係数は、1~2であり、好ましくは1.5に等しく、
- 装置は、独立したラインを介して移送ラインに並列に接続された複数の分配器を含み、同一の又は異なる供給源からの、且つ同一の又は異なる圧力若しくは流量での分配器へのガスの同時移送を可能にし、
- 弁の少なくともいくつかは、制御された弁であり、装置は、前記制御された弁を制御するように構成される、データ記憶及び処理のための電子要素を含み、
- データ記憶及び処理のための電子要素は、カスケード原理を用いて、供給源と、充填されるタンクとの間で連続的な圧力平衡化調整を行うことにより、少なくとも1つの分配器に接続されたタンクを充填するために弁の開放及び閉鎖を制御するように構成され、
- データ記憶及び処理のための電子要素は、同じサブグループの供給源又は異なるサブグループの供給源により、カスケード原理を用いて、供給源と、充填されるタンクとの間の連続的な圧力平衡化調整を実行するように構成され、
- データ記憶及び処理のための電子要素は、複数の供給源とタンクとの間で同時圧力平衡化調整を行うことにより、各出口弁及び各移送ラインの最大移送ガス流量を超える所定の基準ガス流量をタンクに移送するように構成され、
- データ記憶及び処理のための電子要素は、一方では異なるサブグループに属する複数の供給源と、他方ではタンクとの間で同時圧力平衡化調整を行うように構成される。
【0009】
本発明は、上記又は下記の特徴のいずれかを含む装置を用いて、少なくとも1つの加圧ガスタンク、特に車両の少なくとも1つの水素タンクを充填するための方法であって、供給源と、充填されるタンクとの間の圧力平衡化調整を含む方法にも関する。
【0010】
他の可能な特有の特徴によれば、
- 方法は、各出口弁及び各移送ラインの最大移送ガス流量を超える所定の基準ガス流量を少なくとも1つのタンクに移送するステップを含み、前記基準ガス流量は、同一の又は異なるサブグループに属する複数の供給源によって同時に提供されるガス流量の積算によって得られ、
- 方法は、各出口弁及び各移送ラインの最大移送ガス流量を超える所定の基準ガス流量を少なくとも1つのタンクに移送するステップを含み、前記基準ガス流量は、同一の又は異なるサブグループに属する2つ、3つ又は4つ以上の供給源によって同時に提供されるガス流量の積算によって得られる。
【0011】
本発明は、特許請求の範囲内の上記又は下記の特徴の任意の組合せを含む任意の代替装置又は方法にも関連し得る。
【0012】
さらなる特有の特徴及び利点は、図を参照してなされる以下の記載を読むことから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の例示的な実施形態による充填装置の構造及び動作を示す概略的な部分図を示す。
図2】本発明の第2の例示的な実施形態による充填装置の構造及び動作を示す概略的な部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
示される加圧ガスタンク充填装置1は、複数の加圧流体供給源2~10に接続された上流端を有する流体移送回路を含む。これらの供給源2~10は、例えば、高圧ガス貯蔵ユニット(例えば、150~1000バール)を含み得る。特に、これらの貯蔵ユニットは、移動式であり得、例えば同じセミトレーラ又は異なるセミトレーラに搭載され得る。
【0015】
回路は、充填されるタンクに例えばクイックリリース継手のノズルを介して接続されるように意図された少なくとも1つの分配器を含む。図1の例では、装置は、2つの分配器11、12を含み、そのうちの一方12は、点線で象徴的に示されている。単一(又は3つ以上、特に3つ)の分配器を含むことも考えられる。分配器11、12は、フラップ若しくは弁15、圧力リリーフ弁及び/又は流れ調整器105、クイックリリース継手の少なくとも1つを含み得る。
【0016】
供給源2~10は、適切な管を介して分配器11、12、13に並列に接続される。各供給源2~10は、少なくとも1つのそれぞれの出口弁22~30に接続された流体出口を含む。以下では、簡潔にするために、各供給源のアパーチャ及びそれに関連する弁を形容詞「出口」で表すことに留意されたい。当然のことながら、この出口アパーチャ及びこの関連する出口弁は、必要に応じて、供給源を再充填しなければならないとき(特に供給源が別の充填アパーチャを有しない場合)、流体の導入のために使用することができる。
【0017】
供給源2~10は、異なるサブグループにおいてそれぞれの移送ライン35~37に並列に接続される。換言すると、同じサブグループの全ての供給源は、専用の移送ライン35~37に並列に接続される。好ましくは、供給源のサブグループは、複数の供給源からそれぞれ構成される。これらの非限定的な例では、装置は、3つの移送ライン35~37にそれぞれ接続された3つのサブグループに分割された9つの供給源を含む。当然のことながら、装置1は、より多い又は少ないサブグループに分割された9つよりも多い又は少ない供給源を含み得る。
【0018】
さらに下流(分配器11、12の方向において)では、移送ライン35~37は、分配器11、12、13に並列に接続される。
【0019】
図示されるように、好ましくは、各移送ライン35~37は、少なくとも1つのそれぞれの移送弁32~34を含む。さらに下流では、分配器11、12、13は、制御弁、例えば弁(好ましくは制御された)、流量及び/又は圧力調節器、柔軟部分、クイックリリース継手、ノズルのうちの少なくとも1つの流体要素のセットを含み得る。
【0020】
分配器11、12、13及び関連する要素(弁等)は、所定の最大充填ガス流量を許容するように寸法決めされ、それは、比較的高い流量、例えば1000kg/hのオーダーの流量であり得る(一方、特に移送ラインについて、流量は、2~10倍より少ない、特に5倍より少ないオーダーの流量であり得る)。
【0021】
これは、特に、比較的多い流量を大容量タンク、特にトラック又は列車のタンクに移送するために必要とされる場合がある。
【0022】
好ましくは、分配器11、12、13の上流の回路の全て又は一部は、この最大充填ガス流量よりも低い最大移送ガス流量を移送するように寸法決めされる。換言すると、出口弁22~30、移送ライン35~37及びそれぞれの移送弁32~34(及び出口弁を移送ラインに接続する管)は、最大充填ガス流量未満の最大移送ガス流量のためにより小さく寸法決めされ得る。
【0023】
しかしながら、複数の出口弁22~30及び複数の移送ライン35~37によって供給される複数の最大移送ガス流量の和は、最大充填ガス流量以上となるように構成される。換言すると、この最大充填ガス流量を達成することは、複数の供給源及び対応する移送ラインを同時に使用することによって達成され得る。
【0024】
このように供給源2~10を関連付け、必要に応じてそれらを組み合わせることにより、第2のケース(大流量)のために回路全体を寸法決めする必要なく、比較的少ない流量及び比較的多い流量の両方を分配器11、12、13に供給することが可能となる。これにより、可能な用途を制限することなく、回路の製造のコスト及び制約が低減される。例えば、上流側の管、ライン及び弁は、4.5のより大きい直径又は流量係数Cvを有する弁又は管の代わりに、1.5の直径又は流量係数Cvを有し得る(これらのより大きい寸法は、分配器11、12、13のために確保される)。
【0025】
特に、これにより、より小さいライン、管、ホース及び弁の使用が可能になる。
【0026】
前記所定の最大ガス流量は、ガス通路の直径(断面積)、回路の決定された部分における通路係数(Cv)又は任意の他の流量制限装置の少なくとも1つによって決定され得る。
【0027】
したがって、他の全ての等しい条件(圧力、速度等)下において、前記最大流量は、上述の分配器、弁及び/又はライン部分の内径によって決定され得る。
【0028】
例えば、配管内の最大速度が100m/sであり、供給圧力が635バールであり、及び10mmの内径の3つの分配器(ホース)の場合、理論的には、ホースごとに独立して3500Nm3/h、すなわち合計(3つのホース)で約11,000Nm3/hのオーダーの流量を得ることが可能である。
【0029】
従来の設備(単一ホース)で同じ仮定で同じ流量を得るには、内径17.5mmのホースが必要であろう。
【0030】
しかしながら、これは、非限定的な例である。実際には、より大きい直径のホースを使用すれば(例えば、直径12mmの3つのホース(直径21mmに相当)は、3×5000Nm3/hの移送を可能にする)、その利益は、通路断面積に連動されることから、したがって直径の2乗に比例して増加するため、はるかにより優れたものになる。
【0031】
当然のことながら、この非限定的な例に加えて、2つ、4つ又は任意の数の分配器(ホース)を提供することができる。
【0032】
高い流量(例えば、最大充填ガス流量)を提供するために、例えば3つのサブグループに属する2つ、3つ又は4つ以上の供給源によって同時にガスを供給することができる。例えば、供給源内の圧力に応じて、第1の供給源2、5、8(図面中、上から下の順)を同時に使用して、多くの流量を提供することができる。代替的に、3つのサブグループの第2の供給源3、6、9(又は最後の3つの供給源4、7、10)を同時に関連付けることもできる。
【0033】
より少ない流量を提供するために、必要な下流流量及び供給源内の圧力に応じて、他の供給源を関連付けることを検討することができる。
【0034】
全ての可能な組合せを検討することができる。
【0035】
この装置により、供給源と、下流タンクを充填するように機能する分配器との間で大量のガスを可能な最も速い速度で移送することが可能である。
【0036】
供給源2~10は、使用される供給源と、充填されるタンクとの間の圧力差を常に最大にするために、圧力を上げながら順次使用することができる。
【0037】
使用される供給源のグループ分けは、供給源のそれぞれにおける圧力に依存する。このようにして、ジュール・トムソン効果(高い引出し速度は、セクション内の圧力の大きい変動を伴い、これにより冷気が生じる)によるセクションの1つでの冷気の発生を抑制しながら、移送が行われる。
【0038】
好ましくは、装置1が複数の分配器11、12、13を含む場合、これらを移送ライン35~37に並列に接続して(必要に応じて並列管を介して)、それにより、場合により異なる圧力レベルでの複数の分配器11、12、13の同時の且つ差別化な供給を可能にする。
【0039】
このように、供給源の圧力に応じて、異なるサブグループの供給源を関連付けることにより、サブグループを再構成することができる。これらの再構成されたサブグループである(例えば、3つの供給源で構成される)。
【0040】
好ましくは、弁の全て又は一部は、制御された弁であり、ここで、装置1は、前記制御された弁を制御するように構成される、データ記憶及び処理のための電子要素14(計算機、コンピュータ又はマイクロプロセッサを含む)を含むか又はそれに関連付けられる。
【0041】
この電子要素14は、特に、カスケード原理を用いて、供給源と、充填されるタンクとの間の連続的な最適圧力平衡化調整を達成することにより、少なくとも1つの分配器11、12、13に接続されたタンクを充填するために弁の開放及び閉鎖を制御するように構成され得る。
【0042】
図2に示されるように、各サブグループの供給源の少なくとも1つは、出口弁を迂回し、弁と流量制限器とを含むライン122を設けられ得る。これにより、この供給源が下流との大きすぎる圧力差を有する場合、圧力の漸増が下流で可能になる。
【0043】
さらに、移送ライン35~37は、それぞれの逆止弁によって共通の平衡化ライン16に並列に接続することができる。この平衡化ライン16には、接続ライン17、18、19を並列に接続することができる。これらの接続ライン17、18、19は、接続継手の上流側にフラップ、弁、制限器又は圧力リリーフ装置を備え得る。これにより、ガス分析機能、減圧機能及び配管パージ機能を実行することが可能になる。
【0044】
示されるように、コネクタ135、136、137を移送ライン35~37のそれぞれの端部に設け、分配器11、12、13に接続されるようにし得る(例えば、独立して又は図1の実施形態のように並列に)。
図1
図2
【国際調査報告】