(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-19
(54)【発明の名称】光電子素子用有機分子
(51)【国際特許分類】
C07F 5/02 20060101AFI20230512BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20230512BHJP
H10K 50/12 20230101ALI20230512BHJP
H10K 50/15 20230101ALI20230512BHJP
H10K 50/16 20230101ALI20230512BHJP
H10K 50/17 20230101ALI20230512BHJP
H10K 50/18 20230101ALI20230512BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230512BHJP
H10K 71/12 20230101ALI20230512BHJP
H10K 71/16 20230101ALI20230512BHJP
H10K 50/30 20230101ALI20230512BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
C07F5/02 F CSP
H10K85/60
H10K50/12
H10K50/15
H10K50/16
H10K50/17
H10K50/18
H10K59/10
H10K71/12
H10K71/16
H10K50/30
C09K11/06 660
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560515
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(85)【翻訳文提出日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2021059049
(87)【国際公開番号】W WO2021204868
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ダンツィ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】デュック,ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ティリオン,ダミアン
【テーマコード(参考)】
3K107
4H048
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA02
3K107BB01
3K107CC04
3K107CC07
3K107DD59
3K107DD66
3K107DD68
3K107DD69
3K107DD70
3K107DD72
3K107DD75
3K107DD78
3K107DD87
3K107GG04
3K107GG06
4H048AA01
4H048AA03
4H048AB92
4H048VA32
4H048VA77
4H048VB10
(57)【要約】
光電子素子に使用するための有機分子に係り、該有機分子は、化学式Iの構造を有する:
【化1】
化I
ここで
Xは、直接結合、N-R
1、O、S、SiR
1R
2及びCR
1R
2からなる群のうちから選択され、
Yは、直接結合、N-R
3、O、S、SiR
3R
4及びCR
3R
4からなる群のうちから選択され、かつ
R
1、R
2、R
3及びR
4は、互いに独立して、水素、重水素、N(R
5)
2、OR
5、SR
5、Si(R
5)
3、B(OR
5)
2、OSO
2R
5、CF
3、CN、ハロゲン、C
1-C
40アルキル、C
1-C
40アルコキシ、C
1-C
40チオアルコキシ、C
2-C
40アルケニル、C
2-C
40アルキニル、C
6-C
60アリール、及びC
3-C
57ヘテロアリールで構成された群のうちから選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式Iの構造を含む、有機分子:
【化1】
化I
化学式Iで、
Xは、直接結合、N-R
1、O、S、SiR
1R
2及びCR
1R
2からなる群のうちから選択され、
Yは、直接結合、N-R
3、O、S、SiR
3R
4及びCR
3R
4からなる群のうちから選択され、
R
1、R
2、R
3及びR
4は、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択され、
水素、
重水素、
N(R
5)
2、
OR
5、
SR
5、
Si(R
5)
3、
B(OR
5)
2、
OSO2R
5、
CF
3、
CN、
ハロゲン、
C
1-C
40アルキル、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
1-C
40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
1-C
40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)2、Ge(R
5)2、Sn(R
5)2、C=O、C=S、CSe、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルケニル、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルキニル、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
6-C
60アリール、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、かつ
C
3-C
57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、隣接した基R
5は、互いに選択的に結合され、1以上のC
1-C
5アルキル置換基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、X及びYいずれも、直接結合を示すものではなく、
R
5は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択され、
水素、
重水素、
N(R
6)
2、
OR
6、
SR
6、
Si(R
6)
3、
B(OR
6)
2、
OSO2R
6、
CF
3、
CN、
ハロゲン、
C
1-C
40アルキル、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
1-C
40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
1-C
40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルケニル、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルキニル、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
6-C
60アリール、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、かつ
C
3-C
57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、隣接した基R
5は、互いに選択的に結合され、1以上のC
1-C
5アルキル置換基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
R
6は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択され、
水素、重水素、ハロゲン、OPh、SPh、CF
3、CN、Si(C
1-C
5アルキル)
3、Si(Ph)
3、
C
1-C
5アルキル、
ここで、選択的に、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって置換され、
C
1-C
5アルコキシ、
ここで、選択的に、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって置換され、
C
1-C
5チオアルコキシ、
ここで、選択的に、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって置換され、
C
2-C
5アルケニル、
ここで、選択的に、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって置換され、
C
2-C
5アルキニル、
ここで、選択的に、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって置換され、
C
6-C
18アリール、
これは、1以上のC
1-C
5アルキル置換基で選択的に置換され、
C
3-C
17ヘテロアリール、
これは、1以上のC
1-C
5アルキル置換基で選択的に置換され、
N(C
6-C
18アリール)
2、
N(C
3-C
17ヘテロアリール)
2、及び
N(C
3-C
17ヘテロアリール)(C
6-C
18アリール)、
R
I、R
II、R
III、R
IV、R
V、R
VI、R
VII、R
VIII、R
IX、R
X、R
XI、R
XII、R
XIII、R
XIV、R
XV及びR
XVIは、互いに独立して、次に構成された群のうちから選択され、
水素、
重水素、
N(R
7)
2、
OR
7、
SR
7、
Si(R
7)
3、
B(OR
7)
2、
OSO
2R
7、
CF
3、
CN、
ハロゲン、
C
1-C
40アルキル、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
1-C
40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
1-C
40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルケニル、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルキニル、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
6-C
60アリール、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、かつ
C
3-C
57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、隣接したR
I基ないしR
IV基は、選択的に、互いに結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、隣接したR
V基ないしR
VIII基は、選択的に、互いに結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、隣接した基RIXないしR
XIIは、選択的に、互いに結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、隣接した基R
XIIIないしR
XVIは、選択的に、互いに結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
R
7は、以下からなる群のうちから選択され、
水素、
重水素、
N(R
8)
2、
OR
8、
SR
8、
Si(R
8)
3、
B(OR
8)
2、
OSO
2R
8、
CF
3、
CN、
ハロゲン、
C
1-C
40アルキル、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
1-C
40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
1-C
40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルケニル、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルキニル、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
6-C
60アリール、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、かつ
C
3-C
57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
R
8は、それぞれの場合、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン、OPh、SPh、CF
3、CN、Si(C
1-C
5アルキル)
3またはSi(Ph)
3からなる群のうちから選択され、
C
1-C
5アルキル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
1-C
5アルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
1-C
5チオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
2-C
5アルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
2-C
5アルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
6-C
18アリール、
これは、1以上のC
1-C
5アルキル基で選択的に置換され、
C
3-C
17ヘテロアリール、
これは、1以上のC
1-C
5アルキル基で選択的に置換され、
N(C
6-C
18アリール)
2、
N(C
3-C
17ヘテロアリール)
2、及び
N(C
3-C
17ヘテロアリール)(C
6-C
18アリール)、
ここで、置換基R
1,R
2,R
XIII,R
XIV,R
XVまたはR
XVIは、互いに独立して、1以上の置換基R
1,R
2,R
XIII,R
XIV,R
XVまたはR
XVIのように、単環系または多環系、脂肪族環系、芳香族環系及び/またはベンゾ縮環系を選択的に形成し、
ここで、置換基R
3,R
4,R
IX,R
X,R
XIまたはR
XIIは、互いに独立して、1以上の置換基R
3,R
4,R
IX,R
X,R
XIまたはR
XIIのように、単環系または多環系、脂肪族環系、芳香族環系及び/またはベンゾ縮環系選択的に形成する。
【請求項2】
前記分子は、下記化学式Iaの構造を含む、請求項1に記載の有機分子:
【化2】
化Ia
化学式Iaで、
X
2は、N、SiR
2及びC-R
2からなる群のうちから選択され、
環aは、下記のところを示し、
C
6-C
18アリール環、
ここで、選択的に、1以上の水素原子は、互いに独立して、R
5によって置換され、または
C
3-C
7ヘテロアリール環、
ここで、選択的に、1以上の水素原子は、互いに独立して、R
5によって置換され、
Zは、直接結合、N-R
7、O、S、Si(R
7)
2及びC(R
7)
2からなる群のうちから選択される。
【請求項3】
前記分子は、下記化学式Ibの構造を含む、請求項1または2に記載の有機分子:
【化3】
化Ib。
【請求項4】
前記R
V及び前記R
XIIいずれも、水素を示すものではない、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の有機分子。
【請求項5】
前記Y及び前記Zのうち少なくとも一つが直接結合である、請求項2ないし4のうちいずれか1項に記載の有機分子。
【請求項6】
前述のR
V、R
VI、R
VII、R
VIII、R
IX、R
X、R
XI及びR
XIIは、互いに独立して、下記に構成された群のうちから選択される、請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の有機分子:
水素、重水素、ハロゲン、Me、
iPr、
tBu、CN、CF
3、SiMe
3、SiPh
3、OPh、CMe
2Ph、N(Ph)
2、及び
Ph、
これは、Me、
iPr、
tBu、CN、CF
3及びPhからなる群のうちから、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換され、
ここで、N(Ph)
2、OPh及びCMe
2Phにおいて、Phは、隣接したR
V基ないしR
XII基のうち少なくとも一つと選択的に結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成する。
【請求項7】
前記R
V=前記R
XII及び/または前記R
X=前記R
VIIである、請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の有機分子。
【請求項8】
前記X
2=Nである、請求項2ないし7のうちいずれか1項に記載の有機分子。
【請求項9】
光電子素子において、発光エミッタ及び/またはホスト材料及び/または電子輸送材料及び/または正孔注入材料及び/または正孔阻止材料としての、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の有機分子の用途。
【請求項10】
前記光電子素子は、下記に構成された群のうちから選択される、請求項9に記載の有機分子の用途:
有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学電池(LEC)、OLEDセンサ、有機ダイオード、有機太陽電池、有機トランジスタ、有機電界効果トランジスタ、有機レーザ及び下向き変換素子。
【請求項11】
以下のところを含む、組成物:
(a)特に、エミッタ及び/またはホスト形態の請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の有機分子、
(b)前記有機分子と異なるエミッタ及び/またはホスト物質、及び
(c)選択的に、染料及び/または溶媒。
【請求項12】
請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の有機分子、または請求項11に記載の組成物を含む、光電子素子。
【請求項13】
有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学電池(LEC)、OLEDセンサ、有機ダイオード、有機太陽電池、有機トランジスタ、有機電界効果トランジスタ、有機レーザ及び下向き変換素子によって構成された群のうちから選択された形態である、請求項12に記載の光電子素子。
【請求項14】
下記のところを含む、請求項12または13に記載の光電子素子:
-基板、
-アノード、及び
-カソード、ここで、前記アノードまたは前記カソードは、前記基板上に配され、
-発光層、ここで、前記アノードと前記カソードとの間に配置され、前記有機分子または前記組成物を含む。
【請求項15】
請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の有機分子、または請求項11に記載の組成物が使用され、特に、真空蒸発方法によるか、あるいは溶液から、有機分子を処理する段階を含む、光電子素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光有機分子及び有機発光ダイオード(OLED)、並びにその他光電子素子におけるその用途に関する。類似した化合物が、CN 109 438 446 A及びCN 110 204 565 Aに公知されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明が解決しようとする課題は、光電子素子に使用するのに適する分子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
そのような目的は、新規の有機分子を提供する本発明によって達成される。
【0004】
本発明の有機分子は、好ましくは、純粋な有機分子である。すなわち、光電子素子に使用されると知られた金属錯体と対照的に、いかなる金属イオンも含まない。従って、本発明によれば、前記有機分子は、金属原子または金属イオンがないことが望ましい。しかしながら、前記有機分子は、半金属(特に、B、Si、Sn、Se及び/またはGe)を含むものでもある。
【発明の効果】
【0005】
有機分子は、空色、緑色または黄色のスペクトル範囲において、最大発光を示す。本発明による有機分子のフォトルミネッセンス量子収率は、特に、10%以上である。本発明の分子は、特に、熱活性化遅延蛍光(thermally activated delayed fluorescence,TADF)を示す。光電子素子、例えば、有機発光ダイオード(an organic light-emitting diode,OLED)における本発明による分子の使用は、素子のさらに高い効率をもたらす。相応するOLEDは、公知のエミッタ物質、及び類似した色を有するOLEDよりさらに高い安定性を有する。OLEDディスプレイにおいて、本発明による分子を使用することにより、自然の可視色をさらに正確に再現(すなわち、表示画像におけるさらに高い解像度)される。特に、前記分子は、蛍光エミッタと組み合わせて使用され、いわゆる、ハイパーフルオレッセンス(hyper-fluorescence)を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施例1の発光スペクトルを図示している(PMMAにおいて10重量%)。最大発光(λ
max)は、535nmである。フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)は、56%であり、半値幅(FWHM)は、0.36eVであり、発光寿命は、1.33μsである。その結果、CIEx座標は、0.38であり、CIEy座標は、0.58である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明による有機分子は、下記化学式Iの構造を含むか、あるいは下記化学式Iからなる。
【化1】
化学式I
化学式Iで、
Xは、直接結合、N-R
1、O、S、SiR
1R
2及びCR
1R
2からなる群から選択され、
Yは、直接結合、N-R
3、O、S、SiR
3R
4及びCR
3R
4からなる群で選択され、
R
1、R
2、R
3及びR
4は、互いに独立して、以下からなる群から選択され、
水素、
重水素、
N(R
5)
2、
OR
5、
SR
5、
Si(R
5)
3、
B(OR
5)
2、
OSO
2R
5、
CF
3、
CN、
ハロゲン、
C
1-C
40アルキル、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
1-C
40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
1-C
40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルケニル、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルキニル、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、Ge(R
5)
2、Sn(R
5)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SまたはCONR
5によって選択的に置換され、
C
6-C
60アリール、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、かつ
C
3-C
57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R
5で選択的に置換され、
ここで、互いに隣接するように位置したR
5基は、互いに選択的に結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、X及びYは、いずれも直接結合を示すものではなく、
R
5は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群から選択され、
水素、
重水素、
N(R
6)
2、
OR
6、
SR
6、
Si(R
6)
3、
B(OR
6)
2、
OSO
2R
6、
CF
3、
CN、
ハロゲン、
C
1-C
40アルキル、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
1-C
40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され
C
1-C
40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルケニル、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルキニル、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
6C=CR
6、C≡C、Si(R
6)
2、Ge(R
6)
2、Sn(R
6)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
6、P(=O)(R
6)、SO、SO
2、NR
6、O、SまたはCONR
6によって選択的に置換され、
C
6-C
60アリール、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、かつ
C
3-C
57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R
6で選択的に置換され、
ここで、互いに隣接するように位置したR
5基は、互いに選択的に結合され、1以上のC
1-C
5 アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成する。
R
6は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択され、
水素、重水素、ハロゲン、OPh、SPh、CF
3、CN、Si(C
1-C
5アルキル)
3、Si(Ph)
3、
C
1-C
5アルキル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
1-C
5アルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
1-C
5チオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
2-C
5アルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
2-C
5アルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
6-C
18アリール、
これは、1以上のC
1-C
5アルキル基で選択的に置換され、
C
3-C
17ヘテロアリール、
これは、1以上のC
1-C
5アルキル基で選択的に置換され、
N(C
6-C
18アリール)
2、
N(C
3-C
17ヘテロアリール)2、及び
N(C
3-C
17ヘテロアリール)(C
6-C
18アリール)、
R
I、R
II、R
III、R
IV、R
V、R
VI、R
VII、R
VIII、R
IX、R
X、R
XI、R
XII、R
XIII、R
XIV、R
XV及びR
XVIは、互いに独立して、次に構成された群のうちから選択され、
水素、
重水素、
N(R
7)
2、
OR
7、
SR
7、
Si(R
7)
3、
B(OR
7)
2、
OSO
2R
7、
CF
3、
CN、
ハロゲン、
C
1-C
40アルキル、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
1-C
40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
1-C
40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルケニル、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルキニル、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
7C=CR
7、C≡C、Si(R
7)
2、Ge(R
7)
2、Sn(R
7)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
7、P(=O)(R
7)、SO、SO
2、NR
7、O、SまたはCONR
7によって選択的に置換され、
C
6-C
60アリール、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、かつ
C
3-C
57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R
7で選択的に置換され、
ここで、互いに隣接するように位置したR
I基ないしR
IV基は、選択的に互いに結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、互いに隣接するように位置したR
V基ないしR
VIII基は、選択的に互いに結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、互いに隣接するように位置したR
IX基ないしR
XII基は、選択的に互いに結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、互いに隣接するように位置したR
XIII基ないしR
XVI基は、選択的に互いに結合され、1以上のC
1-C
5アルキル基、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3で選択的に置換された、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
R
7は、以下からなる群のうちから選択され、
水素、
重水素、
N(R
8)
2、
OR
8、
SR
8、
Si(R
8)
3、
B(OR
8)
2、
OSO
2R
8、
CF
3、
CN、
ハロゲン、
C
1-C
40アルキル、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
1-C
40アルコキシ、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
1-C
40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルケニル、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
2-C
40アルキニル、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接してないCH
2基は、R
8C=CR
8、C≡C、Si(R
8)
2、Ge(R
8)
2、Sn(R
8)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
8、P(=O)(R
8)、SO、SO
2、NR
8、O、SまたはCONR
8によって選択的に置換され、
C
6-C
60アリール、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、かつ
C
3-C
57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R
8で選択的に置換され、
R
8は、それぞれの場合、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン、OPh、SPh、CF
3、CN、Si(C
1-C
5アルキル)
3またはSi(Ph)
3からなる群のうちから選択され、
C
1-C
5アルキル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
1-C
5アルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
1-C
5チオアルコキシ、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
2-C
5アルケニル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
2-C
5アルキニル、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、ハロゲン、CNまたはCF
3によって選択的に置換され、
C
6-C
18アリール、
これは、1以上のC
1-C
5アルキル置換基で選択的に置換され、
C
3-C
17ヘテロアリール、
これは、1以上のC
1-C
5アルキル置換基で選択的に置換され、
N(C
6-C
18アリール)
2、
N(C
3-C
17ヘテロアリール)
2、及び
N(C
3-C
17ヘテロアリール)(C
6-C
18アリール)、
ここで、置換基R
1,R
2,R
XIII,R
XIV,R
XVまたはR
XVIは、互いに独立して、1以上の置換基R
1,R
2,R
XIII,R
XIV,R
XVまたはR
XVIのように、単環系または多環系、脂肪族環系、芳香族環系、及び/あるいはベンゾ縮(benzo-fused)環系を選択的に形成し、
ここで、置換基R
3,R
4,R
IX,R
X,R
XIまたはR
XIIは、互いに独立して、1以上の置換基R
3,R
4,R
IX,R
X,R
XIまたはR
XIIのように、単環系または多環系、脂肪族環系、芳香族環系、及び/あるいはベンゾ縮環系を選択的に形成する。
【0008】
一実施形態において、Yは、直接結合、N-R3、O、S、SiR3R4及びCR3R4からなる群のうちから選択され、ただし、YがCR3R4である場合、置換基R3及び置換基R4は、R3、R4、RIX、RX、RXI及びRXIIからなる群のうちから選択された1以上の他の置換基のように、単環系または多環系、脂肪族環系、芳香族環系、及び/あるいはベンゾ縮環系を形成しない。
【0009】
一実施形態において、Yは、直接結合、N-R3、O及びSからなる群から選択される。
【0010】
好ましい一実施形態において、Yは、直接結合である。
【0011】
一実施形態において、Xは、直接結合、N-R1、O、S、SiR1R2及びCR1R2からなる群のうちから選択され、ただし、YがCR1R2である場合、置換基R1及び置換基R2は、R1、R2、RXIII、RXIV、RXV及びRXVIからなる群から選択された1以上の他の置換基のように、単環系または多環系、脂肪族環系、芳香族環系、及び/あるいはベンゾ縮環系を形成しない。
【0012】
一実施形態において、Xは、直接結合、N-R1及びSiR1R2からなる群から選択される。
【0013】
好ましい一実施形態において、Xは、直接結合及びN-R1からなる群から選択される。
【0014】
置換基R1,R2,RXIII,RXIV,RXVまたはRXVIは、互いに独立して、単結合を介し、あるいは縮合により、選択的に互いに結合し、1以上の置換基R1,R2,RXIII,RXIV,RXVまたはRXVIのように、連結基、単結合または縮合により、単環系または多環系、脂肪族環系、芳香族環系及び/あるいはベンゾ縮環系を形成する。置換基R3,R4,RIX,RX,RXIまたはRXIIは、互いに独立して、単結合を介し、あるいは縮合により、選択的に互いに結合し、1以上の置換基R3,R4,RIX,RX,RXIまたはRXIIのように、連結基、単結合または融合により、単環系または多環系、脂肪族環系、芳香族環系、及び/あるいはベンゾ縮環系を形成する。例示は、次の通りである。
【0015】
【0016】
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式I-1a、化学式I-1a-1、化学式I-1a-2、化学式I-1a-3、化学式I-1a-4及び化学式I-1a-5からなる群のうちから選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化3】
化学式I-1a
【化4】
化学式I-1a-1
【化5】
化学式I-1a-2
【化6】
化学式I-1a-3
【化7】
化学式I-1a-4
【化8】
化学式I-1a-5
【0017】
本発明のさらなる実施形態において、RI、RII、RIII、RIV、RXIII、RXIV、RXV及びRXVIは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
Me、iPr、tBu、CN、CF3、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
N(Ph)2。
【0018】
本発明のさらなる実施形態において、RI、RII、RIII、RIV、RXIII、RXIV、RXV及びRXVIは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
Me、
iPr、
tBu、
CN、
CF3、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル。
【0019】
本発明のさらなる実施形態において、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI及びRXIIは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
Me、iPr、tBu、CN、CF3、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、
及びN(Ph)2。
【0020】
本発明のさらなる実施形態において、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI及びRXIIは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
Me、
iPr、
tBu、
CN、
CF3、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル。
【0021】
本発明の望ましい一実施形態において、前記有機分子は、下記化学式I-1aの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化9】
化学式I-1a
【0022】
本発明の他の実施形態において、前記有機分子は、下記化学式I-1bの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化10】
化学式I-1b
【0023】
本発明の一部実施形態において、前記有機分子は、下記化学式I-2の構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化11】
化学式I-2
【0024】
本発明の望ましい一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Iまたは化学式I-1aの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI及びRXIIは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、重水素、ハロゲン、Me、iPr、tBu、CN、CF3、SiMe3、SiPh3、OPh、CMe2Ph、N(Ph)2、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から独立的に選択された1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
ここで、N(Ph)2、OPh及びCMe2PhのPhは、隣接したRV基ないしRXII基に選択的に結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成する。
【0025】
本発明の一部実施形態において、前記有機分子は、下記の化学式I-2b-1ないし化学式I-2b-19からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化12】
【0026】
本発明の望ましい実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Iまたは化学式I-1aの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV及びRXIIは、いずれも水素を示すものではない。
【0027】
本発明の一部実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Iまたは化学式I-1aの構造を含むか、あるいはそれからなり、RV及びRXIIは、水素と異なっている。
【0028】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Iまたは化学式I-1aの構造を含むか、あるいはそれからなり、RV=RXII及び/またはRX=RVIIである。
【0029】
本発明の一部実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Iまたは化学式I-1aの構造を含むか、あるいはそれからなり、RV=RXII及びRX=RVIIである。
【0030】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Iまたは化学式I-1aの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、R1、R2、R3及びR4は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択される:
水素、
C1-C5アルキル、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C6-C60アリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C3-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換される。
【0031】
本発明の望ましい実施形態において、有機分子は、下記化学式Iaの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化13】
化学式Ia
ここで、
X
2は、N、SiR
2及びC-R
2からなる群から選択され、
環aは、下記を示し、
C
6-C
18アリール環、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、R
5によって選択的に置換され、
C
3-C
7ヘテロアリール環、
ここで、1以上の水素原子は、互いに独立して、R
5によって選択的に置換され、
Zは、直接結合、N-R
7、O、S、Si(R
7)
2及びC(R
7)
2からなる群から選択される。
【0032】
本発明の一実施形態において、前記有機分子は、下記化学式Ia-1aの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化14】
化学式Ia-1a
【0033】
本発明の好ましい実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ia化学式またはIa-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、ここで、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI及びRXIIは、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択される:
水素、重水素、ハロゲン、Me、iPr、tBu、CN、CF3、SiMe3、SiPh3、OPh、CMe2Ph、N(Ph)2、及び
Me、iPr、tBu、CN及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
ここで、N(Ph)2、OPh及びCMe2PhのPhは、隣接したRV基ないしRXII基に選択的に結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成する。
【0034】
本発明の一部実施形態において、有機分子は、下記の化学式Ia-1a-1ないし化学式Ia-1a-19からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化15】
【0035】
本発明の望ましい一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ia化学式またはIa-1aの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV及びRXIIは、いずれも水素を示すものではない。
【0036】
本発明の一部実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ia化学式またはIa-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、RV及びRXIIが水素と異なっている。
【0037】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ia化学式またはIa-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、RV=RXII及び/またはRX=RVIIである。
【0038】
本発明の一部実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ia化学式またはIa-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、RV=RXII及びRX=RVIIである。
【0039】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ia化学式またはIa-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、ここで、R1、R2、R3及びR4は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択される:
水素、
C1-C5アルキル、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C6-C60アリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C3-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換される。
【0040】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ia-1bからなる群のうちから選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化16】
化学式Ia-1b
【化17】
化学式Ia-1b-2
【化18】
化学式Ia-1b-3
【0041】
本発明の望ましい実施形態において、有機分子は、下記化学式Ia-1bの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化19】
化学式Ia-1b
【0042】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ia-1cの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化20】
化学式Ia-1c
【0043】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ia-2aの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化21】
化学式Ia-2a
【0044】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ia-2bの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化22】
化学式Ia-2b
【0045】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ia-2cの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化23】
化学式Ia-2c
【0046】
本発明の一部実施形態において、有機分子は、下記化学式Ia-3の構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化24】
化学式Ia-3
【0047】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記の化学式Ibないし化学式Ib-8からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化25】
【0048】
本発明の望ましい実施形態において、有機分子は、下記化学式Ibの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化26】
化学式Ib
【0049】
本発明の一部実施形態において、有機分子は、化学式Ibの構造を含むか、あるいはそれによりなり、ここで、R5、RXIII、RXIV及びRXVは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、重水素、ハロゲン、Me、iPr、tBu、CN、CF3、SiMe3、SiPh3、SPh、OPh、CMe2Ph、N(Ph)2、カルバゾール、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
ここで、N(Ph)2、OPh及びCMe2PhのPhは、隣接したR5基、RXIII基、RXIV基及び/またはRXV基に選択的に結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、隣接したR5基、RXIII基、RXIV基及び/またはRXV基は、互いに選択的に結合され、アリール環を形成する。
【0050】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ib-1aの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化27】
化学式Ib-1a
【0051】
本発明の望ましい一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ibまたは化学式Ib-1aの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI及びRXIIは、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択される:
水素、重水素、ハロゲン、Me、iPr、tBu、CN、CF3、SiMe3、SiPh3、OPh、CMe2Ph、N(Ph)2、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
ここで、N(Ph)2、OPh及びCMe2PhのPhは、選択的に、隣接したRV基ないしRXIIに結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成する。
【0052】
本発明の一部実施形態において、有機分子は、下記の化学式Ib-1a-1ないし化学式Ib-1a-19からなる群のうちから選択された構造を含むか、あるいはそれにからなる:
【化28】
【0053】
本発明の望ましい実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ibまたは化学式Ib-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、ここで、RV及びRXIIは、いずれも水素を示すものではない。
【0054】
本発明の一部実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ibまたは化学式Ib-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、RV及びRXIIが水素と異なっている。
【0055】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ibまたは化学式Ib-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、RV=RXII及び/またはRX=RVIIである。
【0056】
本発明の一部実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ibまたは化学式Ib-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、RV=RXII及びRX=RVIIである。
【0057】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ibまたは化学式Ib-1aの構造を含むか、あるいはそれによりなり、ここで、R1、R2、R3及びR4は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択される:
水素、
C1-C5アルキル、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C6-C60アリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C3-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換される。
【0058】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ib-1bの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化29】
化学式Ib-1b
【0059】
本発明のさらなる実施形態において、R5、RI、RII、RIII、RIV、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI、RXII、RXIII、RXIV及びRXVは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
Me、iPr、tBu、CN、CF3、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
N(Ph)2。
【0060】
本発明のさらなる実施形態において、R5、RI、RII、RIII、RIV、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI、RXII、RXIII、RXIV及びRXVは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
Me、
iPr、
tBu、
CN、
CF3、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル。
【0061】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ib-1cの構造を含むか、あるいはそれにからなる:
【化30】
化学式Ib-1c
【0062】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ib-2aの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化31】
化学式Ib-2a
【0063】
本発明の一部実施形態において、有機分子は、化学式Ib-2a1、化学式Ib-2a2及び化学式Ib-2a3からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化32】
化学式Ib-2a1
【化33】
化学式Ib-2a2
【化34】
化学式Ib-2a3
ここで、前述の定義が適用される。
【0064】
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式Ib-2a4、化学式Ib-2a5及び化学式Ib-2a6からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれにからなる:
【化35】
化学式Ib-2a4
【化36】
化学式Ib-2a5
【化37】
化学式Ib-2a6
ここで、前述の定義が適用される。
【0065】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記の化学式Ib-2a7、化学式Ib-2a8及び化学式Ib-2a9からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれにからなる:
【化38】
化学式Ib-2a7
【化39】
化学式Ib-2a8
【化40】
化学式Ib-2a9
ここで、前述の定義が適用される。
【0066】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ib-2bの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化41】
化学式Ib-2b
【0067】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ib-2cの構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化42】
化学式Ib-2c
【0068】
本発明の望ましい一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-2a、化学式Ib-2bまたは化学式Ib-2cの構造を含むか、あるいはそれによりなり、ここで、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI及びRXIIは、互いに独立して、次に構成された群から選択される。
水素、重水素、ハロゲン、Me、iPr、tBu、CN、CF3、SiMe3、SiPh3、OPh、CMe2Ph、N(Ph)2、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
ここで、N(Ph)2、OPh及びCMe2PhのPhは、隣接したRV基ないしRXII基に選択的に結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成する。
【0069】
本発明の望ましい一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-2a、化学式Ib-2bまたは化学式Ib-2cの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV及びRXIIは、いずれも水素を示すものではない。
【0070】
本発明の一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-2a、化学式Ib-2bまたは化学式Ib-2cの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV及びRXIIは、水素ではない。
【0071】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-2a、化学式Ib-2bまたは化学式Ib-2cの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV=RXII及び/またはRX=RVIIである。
【0072】
本発明の一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-2a、化学式Ib-2bまたは化学式Ib-2cの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV=RXII及びRX=RVIIである。
【0073】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-2a、化学式Ib-2bまたは化学式Ib-2cの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、R1、R2、R3及びR4は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
C1-C5アルキル、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C6-C60アリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C3-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換される。
【0074】
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式Ib-2a、化学式Ib-2bまたは化学式Ib-2cの構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、R5、RXIII、RXIV及びRXVは、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択される:
水素、重水素、ハロゲン、Me、iPr、tBu、CN、CF3、SiMe3、SiPh3、SPh、OPh、CMe2Ph、N(Ph)2、カルバゾール、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群のうちから、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
ここで、N(Ph)2、OPh及びCMe2PhのPhは、隣接したR5基、RXIII基、RXIV基及び/またはRXV基に選択的に結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、隣接したR5基、RXIII基、RXIV基及び/またはRXV基は、互いに選択的に結合され、アリール環を形成する。
【0075】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記化学式Ib-3の構造を含むか、あるいはそれからなる:
【化43】
化学式Ib-3
【0076】
本発明の望ましい一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-3の構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI及びRXIIは、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択される:
水素、重水素、ハロゲン、Me、iPr、tBu、CN、CF3、SiMe3、SiPh3、OPh、CMe2Ph、N(Ph)2、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群のうちから、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
ここで、N(Ph)2、OPh及びCMe2PhのPhは、選択的に、隣接したRV基ないしRXIIに結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成する。
【0077】
本発明の望ましい一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-3の構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、RV及びRXIIは、いずれも水素を示すものではない。
【0078】
本発明の一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-3の構造を含むか、あるいはそれからなり、RV及びRXIIが水素と異なっている。
【0079】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-3の構造を含むか、あるいはそれからなり、RV=RXII及び/またはRX=RVIIである。
【0080】
本発明の一実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-3の構造を含むか、あるいはそれからなり、RV=RXII及び/またはRX=RVIIである。
【0081】
本発明の他の実施形態において、本発明による有機分子は、化学式Ib-3の構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、R1、R2、R3及びR4は、それぞれの場合、互いに独立して、以下からなる群のうちから選択される:
水素、
C1-C5アルキル、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C6-C60アリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換され、
C3-C57ヘテロアリール、
これは、1以上の置換基R5で選択的に置換される。
【0082】
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式Ib-3の構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、R5、RXIII、RXIV及びRXVは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、重水素、ハロゲン、Me、iPr、tBu、CN、CF3、SiMe3、SiPh3、SPh、OPh、CMe2Ph、N(Ph)2、カルバゾール、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群のうちから、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
ここで、N(Ph)2、OPh及びCMe2PhのPhは、隣接したR5基、RXIII基、RXIV基及び/またはRXV基に選択的に結合され、アリール環またはヘテロアリール環を形成し、
ここで、隣接したR5基、RXIII基、RXIV基及び/またはRXV基は、互いに選択的に結合され、アリール環を形成する。
【0083】
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式Ib-31、化学式Ib-32及び化学式Ib-33からなる群のうちから選択された構造を含むか、あるいはそれにからなる:
【化44】
化学式Ib-31
【化45】
化学式Ib-32
【化46】
化学式Ib-33
ここで、前述の定義が適用される。
【0084】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記の化学式Ib-34、化学式Ib-35、及び化学式Ib-36からなる群のうちから選択された構造を含むか、あるいはそれにからなる:
【化47】
化学式Ib-34
【化48】
化学式Ib-35
【化49】
化学式Ib-36
ここで、前述の定義が適用される。
【0085】
本発明の一実施形態において、有機分子は、下記の化学式Ib-37、化学式Ib-38、及び化学式Ib-39からなる群のうちから選択された構造を含むか、あるいはそれにからなる:
【化50】
化学式Ib-37
【化51】
化学式Ib-38
【化52】
化学式Ib-39
ここで、前述の定義が適用される。
【0086】
本発明のさらなる実施形態において、R5、RI、RII、RIII、RIV、RV、RVI、RVII、RX、RXI、RXII、RXIII、RXIV及びRXVは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
Me、iPr、tBu、CN、CF3、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
N(Ph)2。
【0087】
本発明のさらなる実施形態において、R5、RI、RII、RIII、RIV、RV、RVI、RVII、RX、RXI、RXII、RXIII、RXIV及びRXVは、互いに独立して、以下からなる群から選択される:
水素、
Me、
iPr、
tBu、
CN、
CF3、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されるPh、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、及び
Me、iPr、tBu、CN、CF3及びPhからなる群から、互いに独立して選択された1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル。
【0088】
本出願全般にわたって使用される用語「アリール」及び「芳香族」は、任意の単環式芳香族部分、二環式芳香族部分または多環式芳香族部分のように、最も広い意味にも理解される。従って、アリール基は、6~60個の芳香族環原子を含む。ヘテロアリール基は、5~60個の芳香族環原子を含み、そのうち少なくとも一つは、ヘテロ原子である。それにもかかわらず、明細書全般にわたり、芳香族環原子数は、特定置換基の定義において、下付き文字数字で与えられうる。特に、ヘテロ芳香族環は、1~3個のヘテロ原子を含む。さらに、用語「ヘテロアリール」及び用語「ヘテロ芳香族」は、1以上のヘテロ原子を含む任意の単環式ヘテロ芳香族部分、二環式ヘテロ芳香族部分または多環式ヘテロ芳香族部分のように、最も広い意味にも理解される。該ヘテロ原子は、それぞれの場合、同一でもあり、あるいは異なってもおり、N、O及びSからなる群から個別的に選択されうる。従って、用語「アリーレン」は、他の分子構造に対し、2個の結合部位を保有し、リンカの役割を行う二価置換基を意味する。例示的な実施形態において、「基」が、ここで与えられた定義と異なるように定義される場合、例えば、芳香族環原子数またはヘテロ原子数が与えられた定義と異なる場合、例示的な実施形態における定義が適用される。本発明によれば、縮合(環状)された、芳香族多環またはヘテロ芳香族多環は、2個以上の単一芳香族環またはヘテロ芳香族環が縮合反応を介して形成される。
【0089】
特に、本明細書全般にわたって使用される用語「アリール基」または「ヘテロアリール基」は、任意の位置で結合を形成することができ、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、ベンズフェナントレン、テトラセン、ペンタセン、ベンツピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジノイミダゾール、キノキサリノイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、1,3,5-トリアジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、カルボリン、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,3,4-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン及びベンゾチアジアゾール、または前述の基の組み合わせから誘導される。
【0090】
本出願全般にわたって使用されているように、用語「環状基」は、任意の単環部分、二環部分または多環部分のように、最も広い意味にも理解される。
【0091】
明細書全体にわたって使用されているように、置換基としての用語「ビフェニル」は、オルトビフェニル、メタビフェニルまたはパラビフェニルのように、最も広い意味にも理解され、ここで、オルト、メタ及びパラという他の化学的部位に対する結合部位と係わって定義される。
【0092】
前述のところ、及び本願において使用されている用語「アルキル基」は、任意の線状、分枝状または環状のアルキル置換基のように最も広い意味にも理解される。特に、用語「アルキル」は、置換基である、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(nPr)、i-プロピル(iPr)、シクロプロピル、n-ブチル(nBu)、i-ブチル(iBu)、s-ブチル(sBu)、t-ブチル(tBu)、シクロブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、t-ペンチル、2-ペンチル、ネオ-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、s-ヘキシル、t-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、ネオ-ヘキシル、シクロヘキシル、1-メチルシクロペンチル、2-メチルペンチル、n-ヘブチル、2-ヘブチル、3-ヘブチル、4-ヘブチル、シクロヘブチル、1-メチルシクロヘキシル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、シクロオクチル、1-ビシクロ[2,2,2]オクチル、2-ビシクロ[2,2,2]オクチル、2-(2,6-ジメチル)オクチル、3-(3,7-ジメチル)オクチル、アダマンチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1-ジメチル-n-ヘク-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘプト-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクト-1-イル、1,1-ジメチル-n-デス-1-イル、1,1-ジメチル-n-ドデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-テトラデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘキサデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクタデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘク-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘプト-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクト-1-イル、1,1-ジエチル-n-デス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ドデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-テトラデス-1-イル、1,1-ジエチルn-n-ヘキサデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクタデス-1-イル、1-(n-プロピル)-シクロヘク-1-イル、1-(n-ブチル)-シクロヘク-1-イル、1-(n-ヘキシル)-シクロヘク-1-イル、1-(n-オクチル)-シクロヘク-1-イル及び1-(n-デシル)-シクロヘク-1-イルを含む。
【0093】
前述のところ、及び本願において使用されている用語「アルケニル」は、線状、分枝状及び環状のアルケニル置換基を含む。アルケニル基という用語は、例示的には、置換基のエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルを含む。
【0094】
前述のところ、及び本願において使用されている用語「アルキニル」は、線状、分枝状及び環状のアルキニル置換基を含む。用語アルキニル基は、例示的には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルまたはオクチニルを含む。
【0095】
前述のところ、及び本願において使用されている用語「アルコキシ」は、線状、分枝状及び環状のアルコキシ置換基を含む。アルコキシ基という用語は、例示的には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ及び2-メチルブトキシを含む。
【0096】
前述のところ、及び本願において使用されているように、用語「チオアルコキシ」は、線状、分枝状及び環状のチオアルコキシ置換基を含み、これは、アルコキシ基のOがSに置換されたものである。
【0097】
前述のところ、及び本願において使用されている用語「ハロゲン」及び「ハロ」は、最も広い意味に理解され、好ましくは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であるとも理解される。
【0098】
本明細書に記載された水素(H)は、その都度、重水素にも置換される。
【0099】
分子フラグメント(fragment)が、置換基や、他部分に結合していると記述されるとき、その名称は、まさしくそれがフラグメント(例えば、ナフチル、ジベンゾフリル)であるように、あるいは分子全体(例えば、ナフタレン、ジベンゾフラン)であるようにも記述される。本明細書に使用されているように、置換基、または結合されたフラグメントを記述する前記方式は、同等であると見なされる。
【0100】
一実施形態において、室温の10重量%の有機分子を有するポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムにおいて、本発明による有機分子は、25μs以下、15μs以下、特に、10μs以下、さらに好ましくは、8μs以下または6μs以下、さらに一層好ましくは、4μs以下の励起状態寿命を有する。
【0101】
本発明の一実施形態において、本発明による有機分子は、熱活性化遅延蛍光(TADF)エミッタを示すものであり、これは、5,000cm-1未満、好ましくは、3,000cm-1未満、さらに好ましくは、1,500cm-1未満、さらに一層好ましくは、1,000cm-1未満または500cm-1未満のΔEST値を示し、ΔEST値は、第一励起一重項状態(S1)と第一励起三重項状態(T1)との間のエネルギー差に該当する。
【0102】
本発明のさらなる実施形態によれば、室温の10重量%の有機分子を有するPMMAフィルムにおいて、本発明による有機分子は、可視光線または近紫外線の範囲、すなわち、480~580nmの波長範囲において発光ピークを有し、0.50eV未満、好ましくは、0.48eV未満、さらに好ましくは、0.45eV未満、一層好ましくは、0.43eV未満または0.40eV未満のFWHM(full width at half maximum)値を有する。
【0103】
本発明のさらなる実施形態において、室温の10重量%の有機分子を有するPMMAフィルムにおいて、本発明による有機分子は、可視光線または近紫外線の範囲、すなわち、480~580nmの波長範囲において発光ピークを有し、0.40eV未満のFWHM値を有する。
【0104】
軌道エネルギー及び励起状態エネルギーは、実験方法や量子化学方法を採用した計算、特に、密度関数理論計算を使用して決定されうる。最高被占軌道(a highest occupied molecular orbital)EHOMOのエネルギーは、0.1eVの精度を有するサイクリックボルタンメトリー測定(cyclic voltammetry measurements)という当業者に公知された方法によって決定される。最低空軌道(a lowest unoccupied molecular orbital)ELUMOのエネルギーは、吸収スペクトルの開始(onset)として決定される。
【0105】
吸収スペクトルの開始は、吸収スペクトルに対する接線と、x軸との交点を計算して決定される。該吸収スペクトルに対する接線は、吸収バンドの低エネルギー側と、吸収スペクトルの最大強度の半値にある点において設定される。
【0106】
第一励起三重項状態T1のエネルギーは、低温、一般的に、77Kにおいて、発光スペクトルの開始から決定される。第一励起一重項状態と、最低三重項状態とが0.4eV以上エネルギー的に分離されたホスト化合物の場合、燐光は、一般的に、2-Me-THFの定常状態(steady-state)のスペクトルにおいて見ることができる。したがって、三重項エネルギーは、燐光スペクトルの開始としても決定される。TADFエミッタ分子の場合、明示されない限り10重量%のエミッタがあるPMMAフィルムにおいて測定され、第一励起三重項状態T1のエネルギーは、77Kにおいて、遅延発光スペクトルの開始から決定される。ホスト及びエミッタ化合物のいずれについても、第一励起一重項状態S1のエネルギーは、明示されない限り、10重量%のホスト、またはエミッタを含むPMMAフィルムにおいて測定した室温における発光スペクトルの開始から決定される。
【0107】
発光スペクトルの開始は、発光スペクトルに対する接線と、x軸との交差点とを計算して決定される。該発光スペクトルに対する接線は、発光バンドの高エネルギー側と、放出スペクトルの最大強度の半値もある点において設定される。
【0108】
本発明のさらなる態様は、光電子素子の、発光エミッタまたは吸収体及び/またはホスト材料及び/または電子輸送材料及び/または正孔注入材料及び/または正孔阻止材料としての本発明による有機分子の用途に係わるものである。
【0109】
光電子素子は、最も広い意味にも理解される。すなわち、可視光線または近紫外線(UV)の範囲、すなわち、380~800nmの波長範囲において、光を放出するのに適する有機材料を基とする任意の素子とも理解される。好ましくは、該光電子素子は、可視光線範囲、すなわち、400~800nmの光を放出することができる。
【0110】
そのような用途と係わり、光電子素子は、さらに具体的には、下記のように構成された群のうちから選択される:
・ 有機発光ダイオード(OLED)
・ 発光電気化学電池(LEC)
・ OLEDセンサ、特に、外部と完全に遮断されていないガスセンサ及び蒸気センサ
・ 有機ダイオード
・ 有機太陽電池
・ 有機トランジスタ
・ 有機電界効果トランジスタ
・ 有機レーザ
・ ダウンコンバート素子
【0111】
発光電気化学電池は、3層(カソード、アノード、及び本発明による有機分子を含む活性層)を含む。
【0112】
そのような使用における、好ましい実施形態において、該光電子素子は、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学電池(LEC)、有機レーザ及び発光トランジスタからなる群から選択される素子である。
【0113】
一実施形態において、該有機発光ダイオードの発光層は、本発明による有機分子を含む。
【0114】
一実施形態において、該有機発光ダイオードの発光層は、本発明による有機分子だけではなく、ホストをさらに含み、前記ホストは、前記有機分子の三重項(T1)および一重項(S1)のエネルギー準位より三重項(T1)及び一重項(S1)のエネルギー準位が高い。
【0115】
本発明のさらなる態様は、下記のものを含むか、あるいはそれからなる組成物に係わるものである:
(a)特に、エミッタ形態及び/またはホスト形態の本発明による有機分子
(b)本発明による有機分子と異なる1以上のエミッタ物質及び/またはホスト物質、及び
(c)任意に、1以上の色素及び/または1以上の溶媒
【0116】
本発明のさらなる実施形態によれば、組成物は、室温において、10%以上、好ましくは、20%以上、さらに好ましくは、40%以上、一層好ましくは、60%以上または70%以上のフォトルミネッセンス量子収率(PLQY)を有する。
【0117】
1以上の追加エミッタがある組成物
本発明の一実施形態は、下記のものを含むか、あるいはこれからなる組成物に係わるものである:
(i)1~50重量%、好ましくは、5~40重量%、特に、10~30重量%の本発明による有機分子。
(ii)5~98重量%、好ましくは、30~93.9重量%、特に、40~88重量%の1つのホスト化合物H。
(iii)1~30重量%、特に、1~20重量%、好ましくは、1~5重量%の本発明による分子の構造と異なる構造を有する少なくとも1つのさらなるエミッタ分子F。
(iv)選択的に、0~94重量%、好ましくは、0.1~65重量%、特に、1~50重量%の本発明による分子の構造と異なる構造を有する1以上のさらなるホスト化合物D。
(v)任意に、0~94重量%、好ましくは、0~65重量%、特に、0~50重量%の溶媒。
成分または組成物は、成分重量の和が100%になるように選択される。
【0118】
本発明のさらなる実施形態において、組成物は、可視光線または近紫外線の範囲、すなわち、380~800nmの波長範囲において、発光ピークを有する。
【0119】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つのさらなるエミッタ分子Fは、純粋な有機エミッタである。
【0120】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの追加エミッタ分子Fは、純粋有機TADFエミッタである。純粋有機TADFエミッタは、例えば、Wong and Zysman-Colman (「Purely Organic Thermally Activated Delayed Fluorescence Materials for Organic Light-Emitting Diodes」, Adv. Mater. 2017 Jun; 29 (22))の文献に記載されている。
【0121】
本発明の一実施形態において、1以上の追加エミッタ分子Fは、蛍光エミッタ、特に、赤色蛍光エミッタ、黄色蛍光エミッタまたは緑色蛍光エミッタである。
【0122】
本発明のさらなる実施形態において、1以上の追加エミッタ分子Fを含む組成物は、可視光線または近紫外線の範囲、すなわち、380~800nmの波長範囲において、0.30eV未満、特に、0.25eV未満、好ましくは、0.22eV未満、さらに好ましくは、0.19eV未満または0.17eV未満(下限値は、0.05eVである)のFWHM値を有する発光ピークを示す。
【0123】
1以上の追加エミッタ分子Fが緑色蛍光エミッタである組成物
本発明のさらなる実施形態において、1以上の追加エミッタ分子Fは、蛍光エミッタ、特に、緑色蛍光エミッタである。
【0124】
一実施形態において、1以上の追加エミッタ分子Fは、下記群のうちから選択された蛍光エミッタである:
【化53】
【化54】
【0125】
本発明のさらなる実施形態において、組成物は、可視光線または近紫外線の範囲において、発光ピークを有する。すなわち、380~800nm、特に、485nm~590nm、好ましくは、505nm~565nm、一層好ましくは、515nm~545nmの波長範囲において、発光ピークを有する。
【0126】
1以上の追加エミッタ分子Fが赤色蛍光エミッタである組成物
本発明のさらなる実施形態において、1以上の追加エミッタ分子Fは、蛍光エミッタ、特に、赤色蛍光エミッタである。
【0127】
一実施形態において、1以上の追加エミッタ分子Fは、下記群のうちから選択された蛍光エミッタである:
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【0128】
本発明のさらなる実施形態において、組成物は、可視光線または近紫外線の範囲において、発光ピークを有する。すなわち、380~800nm、特に、590nm~690nm、好ましくは、610nm~665nm、一層好ましくは、620nm~640nmの波長範囲において、発光ピークを有する。
【0129】
発光層EML
一実施形態において、本発明の有機発光ダイオードの発光層EMLは、下記のところを含むか、あるいはそれからなる組成物を含む(あるいは、本質的になる):
(i)1~50重量%、好ましくは、5~40重量%、特に、10~30重量%の本発明による1以上の有機分子、
(ii)5~99重量%、好ましくは、30~94.9重量%、特に、40~89重量%の1以上のホスト化合物H、
(iii)任意に、0~94重量%、好ましくは、0.1~65重量%、特に、1~50重量%の本発明による分子の構造と異なる構造を有する1以上の追加ホスト化合物D
(iv)任意に、0~94重量%、好ましくは、0~65重量%、特に、0~50重量%の溶媒、および、
(v)任意に、0~30重量%、特に、0~20重量%、好ましくは、0~5重量%の本発明による分子の構造と異なる構造を有する少なくとも1つの追加エミッタ分子Fを含む。
【0130】
好ましくは、エネルギーは、ホスト化合物Hから、本発明による1以上の有機分子に、特に、ホスト化合物Hの第1励起三重項状態T1(H)から、本発明による1以上の有機分子の第1励起三重項状態T1(E)に移動することができ、かつ/あるいはホスト化合物の第1励起一重項状態S1(H)から、本発明による1以上の有機分子の第1励起一重項状態S1(E)に移動することができる。
【0131】
一実施形態において、ホスト化合物Hは、-5eV~-6.5eV範囲のエネルギーEHOMO(H)を有する最高被占軌道HOMO(H)を有する。本発明Eによる1つの有機分子は、EHOMO(E)エネルギーを有する最高被占軌道HOMO(E)を有し、ここで、EHOMO(H)>EHOMO(E)である。
【0132】
さらなる実施形態において、ホスト化合物Hは、エネルギーELUMO(H)を有する最低空軌道LUMO(H)を有する。本発明Eによる1つの有機分子は、エネルギーELUMO(E)を有する最低空軌道LUMO(E)を有し、ここで、ELUMO(H)>ELUMO(E)である。
【0133】
1以上の追加ホスト化合物Dを含む発光層EML
さらなる実施形態において、本発明の有機発光ダイオードの発光層EMLは、下記のものを含むか、あるいはそれからなる組成物を含む(あるいは、実質的になる):
(i)1~50重量%、好ましくは、5~40重量%、特に、10~30重量%の本発明による1つの有機分子、
(ii)5~99重量%、好ましくは、30~94.9重量%、特に、40~89重量%の1つのホスト化合物H、および、
(iii)0~94重量%、好ましくは、0.1~65重量%、特に、1~50重量%の本発明による分子の構造と異なる構造を有する1以上の追加ホスト化合物D
(iv)選択的に、0~94重量%、好ましくは、0~65重量%、特に、0~50重量%の溶媒、および、
(v)選択的に、0~30重量%、特に、0~20重量%、好ましくは、0~5重量%の本発明による分子の構造と異なる構造を有する少なくとも1つの追加エミッタ分子Fを含む。
【0134】
本発明の有機発光ダイオードの一実施形態において、ホスト化合物Hは、-5eV~-6.5eV範囲のエネルギーEHOMO(H)を有する最高被占有軌道HOMO(H)を有する。1以上の追加ホスト化合物Dは、エネルギーEHOMO(D)を有する最高被占軌道HOMO(D)を有し、ここで、EHOMO(H)>EHOMO(D)である。EHOMO(H)>EHOMO(D)関係を満たすとき、効率的な正孔輸送性を示す。
【0135】
さらなる実施形態において、ホスト化合物Hは、エネルギーELUMO(H)を有する最低空軌道LUMO(H)を有する。1以上の追加ホスト化合物Dは、エネルギーELUMO(D)を有する最低空軌道LUMO(D)を有し、ここで、ELUMO(H)>ELUMO(D)である。ELUMO(H)>ELUMO(D)関係を満たすとき、効率的な電子輸送性を示す。
【0136】
本発明の有機発光ダイオードの一実施形態において、ホスト化合物Hは、エネルギーEHOMO(H)を有する最高被占軌道HOMO(H)、及びエネルギーELUMO(H)を有する最低空軌道LUMO(H)を有し、
1以上のさらなるホスト化合物Dは、エネルギーEHOMO(D)を有する最高被占軌道HOMO(D)、及びエネルギーELUMO(D)を有する最低空軌道LUMO(D)を有し、
本発明の有機分子Eは、エネルギーEHOMO(E)を有する最高被占軌道HOMO(E)、及びエネルギーELUMO(E)を有する最低空軌道LUMO(E)を有し、
ここで、
EHOMO(H)>EHOMO(D)であり、
本発明による有機分子の最高被占軌道HOMO(E)のエネルギー準位(EHOMO(E))と、ホスト化合物Hの最高被占軌道HOMO(H)のエネルギー準位(EHOMO(H))との差は、-0.5eV~0.5eV、さらに好ましくは、-0.3eV~0.3eV、さらに一層好ましくは、-0.2eV~0.2eVまたは-0.1eV~0.1eVであり、
ELUMO(H)>ELUMO(D)であり、
本発明による有機分子の最低空軌道LUMO(E)のエネルギー準位(ELUMO(E))と、追加ホスト化合物Dの最低空軌道LUMO(D)のエネルギー準位(ELUMO(D))との差は、-0.5eV~0.5eV、さらに好ましくは、-0.3eV~0.3eV、さらにより好ましくは、-0.2eV~0.2eVまたは-0.1eV及び0.1eVである。
【0137】
1以上の追加エミッタ分子Fを含む発光層EML
さらなる実施形態において、発光層EMLは、下記のところを含むか、あるいはそれからなる組成物を含む(あるいは、実質的になる):
(i)1~50重量%、好ましくは、5~40重量%、特に、10~30重量%の本発明による1つの有機分子
(ii)5~98重量%、好ましくは、30~93.9重量%、特に、40~88重量%の1つのホスト化合物H
(iii)1~30重量%、特に、1~20重量%、好ましくは、1~5重量%の本発明による分子の構造と異なる構造を有する少なくとも1つの追加エミッタ分子F、および
(iv)選択的に、0~94重量%、好ましくは、0.1~65重量%、特に、1~50重量%の本発明による分子の構造と異なる構造を有する1以上の追加ホスト化合物D、および
(v)選択的に、0~94重量%、好ましくは、0~65重量%、特に、0~50重量%の溶媒。
【0138】
さらなる実施形態において、発光層EMLは、「1種以上の追加エミッタを有する組成物」に記載されたような組成物を含み(あるいは、(本質的に)それからなる)、ここで、1種以上の追加エミッタ分子Fは、「組成物」とも定義されており、ここで、少なくとも1つの追加エミッタ分子Fは、緑色蛍光エミッタである。
【0139】
さらなる実施形態において、発光層EMLは「1種以上の追加エミッタを有する組成物」に記載されたような組成物を含み(あるいは、本質的にそれからなる)、ここで、1種以上の追加エミッタ分子Fは、「組成物」とも定義されており、ここで、少なくとも1つの追加エミッタ分子Fは、赤色蛍光エミッタである。
【0140】
1以上の追加エミッタ分子Fを含む発光層EMLの一実施形態において、本発明Eの1以上の有機分子から1以上の追加エミッタ分子Fに、エネルギーが移動することができる。特に、本発明Eの1以上の有機分子の第1励起一重項状態S1(E)から、1以上の追加エミッタ分子Fの第1励起一重項状態S1(F)に移動することができる。
【0141】
一実施形態において、発光層の1つのホスト化合物Hの第1励起一重項状態S1(H)は、本発明Eの1以上の有機分子の第1励起一重項状態S1(E)より、エネルギーがさらに高く:S1(H)>S1(E)であり、
1つのホスト化合物Hの第1励起一重項状態S1(H)は、少なくとも1つのエミッタ分子Fの第1励起一重項状態S1(F)より、エネルギーがさらに高く、すなわち、S1(H)>S1(F)である。
【0142】
一実施形態において、1つのホスト化合物Hの第1励起三重項状態T1(H)は、本発明Eの1以上の有機分子の第1励起三重項状態T1(E)より、エネルギーがさらに高く、すなわち、T1(H)>T1(E)であり、
1つのホスト化合物Hの第1励起三重項状態T1(H)は、1以上のエミッタ分子Fの第1励起三重項状態T1(F)より、エネルギーがさらに高く、すなわちT1(H)>T1(F)である。
【0143】
一実施形態において、本発明Eの1以上の有機分子の第1励起一重項状態S1(E)は、少なくとも1つのエミッタ分子Fの第1励起一重項状態S1(F)より、エネルギーがさらに高く、すなわちS1(E)>S1(F)である。
【0144】
一実施形態において、本発明の1以上の有機分子Eの第1励起三重項状態T1(E)は、少なくとも1つのエミッタ分子Fの第1励起一重項状態T1(F)より、エネルギーがさらに高く、すなわちT1(E)>T1(F)である。
【0145】
一実施形態において、本発明の1以上の有機分子Eの第1励起三重項状態T1(E)は、少なくとも1つのエミッタ分子Fの第1励起一重項状態T1(F)より、エネルギーがさらに高く、すなわち、T1(E)>T1(F)であり、
ここで、T1(E)とT1(F)とのエネルギー差の絶対値は、0.3eVより大きく、好ましくは、0.4eVより大きく、さらに好ましくは、0.5eVより大きい。
【0146】
一実施形態において、ホスト化合物Hは、エネルギーEHOMO(H)を有する最高被占軌道HOMO(H)、及びエネルギーELUMO(H)を有する最低空軌道LUMO(H)を有し、
本発明による1つの有機分子EはエネルギーEHOMO(E)を有する最高被占軌道HOMO(E)、及びエネルギーELUMO(E)を有する最低空軌道LUMO(E)を有し、
1以上の追加エミッタ分子Fは、エネルギーEHOMO(F)を有する最高被占軌道HOMO(F)、及びエネルギーELUMO(F)を有する最低空軌道LUMO(E)を有し、
ここで
EHOMO(H)>EHOMO(E)であり、
1以上の追加放出分子の最高被占軌道HOMO(F)のエネルギー準位(EHOMO(F))と、ホスト化合物の最高被占軌道HOMO(H)のエネルギー準位(EHOMO(H))との差は、-0.5eV~0.5eV、さらに好ましくは、-0.3eV~0.3eV、さらにより好ましくは、-0.2eV~0.2eV、または-0.1eV~-0.1eVであり、
ELUMO(H)>ELUMO(E)であり、
1以上の追加エミッタ分子の最低空軌道LUMO(F)のエネルギー準位(ELUMO(F))と、本発明による1つの有機分子の最低空軌道LUMO(E)のエネルギー準位(ELUMO(E))との差は、-0.5eV~0.5eV、さらに好ましくは、-0.3eV~0.3eV、さらに一層好ましくは、-0.2eV~0.2eV、または-0.1eV及び0.1eVである。
【0147】
光電子素子
さらなる態様において、本発明は、有機分子、または本明細書に記載されたような組成物を含む光電子素子に係わるものであり、さらに具体的には、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学電池(LEC)、OLEDセンサ(特に、外部に密閉されていないガスセンサq及び蒸気センサ)、有機ダイオード、有機太陽電池、有機トランジスタ、有機電界効果トランジスタ、有機レーザ、及び下向き変換素子からなる群から選択される素子である。
【0148】
望ましい実施形態において、該光電子素子は、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学電池(LEC)及び発光トランジスタからなる群から選択される素子である。
【0149】
本発明の光電子素子の一実施形態において、本発明による有機分子は、発光層EMLにおいて、発光物質として使用される。
【0150】
本発明の光電子素子の一実施形態において、発光層EMLは、本願に記載された本発明による組成物からなる。
【0151】
該光電子素子がOLEDである場合、例えば、次のような層構造を示すことができる:
1.基質
2.アノード層A
3.正孔注入層(HIL)
4.正孔輸送層(HTL)
5.電子阻止層(EBL)
6.発光層(EML)
7.正孔阻止層(HBL)
8.電子輸送層(ETL)
9.電子注入層(EIL)
10.カソード層
ここで、該OLEDは、それぞれの層を選択的に含み、異なる層が併合され、該OLEDは、前述のところで定義された各層のうち1層以上の層を含むものでもある。
【0152】
さらに、前記光電子素子は、選択的に、1層以上の保護層を含むものでもある。前記保護層は、湿気、蒸気及び/またはガスなどを含む環境の有害物質に対する有害な露出から素子を保護することができる。
【0153】
本発明の一実施形態において、光電子素子は、下記の逆積み層(inverted layer)構造を示すOLEDである:
1.基質
2.カソード層
3.電子注入層(EIL)
4.電子輸送層(ETL)
5.正孔阻止層(HBL)
6.発光層B
7.電子阻止層(EBL)
8.正孔輸送層(HTL)
9.正孔注入層(HIL)
10.アノード層A
ここで、逆積み層構造を有するOLEDは、それぞれの層を選択的に含み、異なる層は、併合されてもよく、該OLEDは、前述の定義された層のうち2層以上の層を含むものでもある。
【0154】
本発明の一実施形態において、光電子素子は、積層構造を示すことができるOLEDである。前記構造においては、OLEDが並んで配される一般的な配列とは異なり、個別ユニットが互いの上に積層される。混合光は、積層構造を示すOLEDによって生成され、特に、白色光は、青色OLED、緑色OLED及び赤色OLEDを積層しても生成される。また、積層構造を示すOLEDは、選択的に、電荷生成層(CGL)を含むものでもあり、これは、一般的に、2個のOLEDサブユニット間に位置し、一般的に、n-ドーピング及びp-ドーピングされた層として構成される。一般的に、前記CGLのn-ドーピング層がアノード層にさらに近く位置する。
【0155】
本発明の一実施形態において、光電子素子は、アノードとカソードとの間に、2層以上の発光層を含むOLEDである。特に、いわゆるタンデムOLEDは、3層の発光層を含み、ここで、1層の発光層は、赤色光を放出し、1層の発光層は、緑色光を放出し、1層の発光層は、青色光を放出し、個々の発光層間に、選択的に、電荷生成層、電荷阻止層または電荷輸送層を含んでもよい。さらなる実施形態において、該発光層は、隣接するように積層される。さらなる実施形態において、該タンデムOLEDは、それぞれの2層の発光層間に電荷生成層を含む。また、隣接した発光層、または電荷生成層によって分離した発光層は、併合されうる。
【0156】
前記基板は、任意の物質、または該物質の組成物によっても形成される。ほとんど、ガラススライドが基板として使用される。代案としては、薄い金属層(例えば、銅、金、銀またはアルミニウムフィルム)、またはプラスチックフィルムやプラスチックスライドが使用されうる。それは、さらに高レベルの柔軟性を許容することができる。アノード層Aは、ほとんど(本質的に)透明なフィルムを得ることができる材料によって構成される。OLEDからの発光を許容するために、二電極のうち少なくとも一つは、(本質的に)透明ではなければならないので、アノード層Aまたはカソード層Cのうち一層は、透明である。好ましくは、アノード層Aは、透明導電性酸化物(TCOs)を多量含むか、あるいは透明導電性酸化物(TCO)によってなる。そのようなアノード層Aは、例示的には、インジウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、フッ素ドーピングされたスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、PbO、SnO、ジルコニウム酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、黒鉛、ドーピングされたSi、ドーピングされたGe、ドーピングされたGaAs、ドーピングされたポリアニリン、ドーピングされたポリピロール及び/またはドーピングされたポリチオフェンを含むものでもある。
【0157】
好ましくは、アノード層Aは、(本質的に)インジウムスズ酸化物(ITO)(例えば、(InO3)0.9(SnO2)0.1)からなる。透明導電性酸化物(TCO)によるアノード層(A)の粗さは、正孔注入層(HIL)を使用することによっても緩和される。また、該HILは、TCOから正孔輸送層(HTL)への類似電荷キャリアの輸送が促進されるという点において、類似電荷キャリア(例えば、正孔)の注入が容易となる。正孔注入層(HIL)は、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、MoO2、V2O5、CuPCまたはCuI、特に、PEDOT及びPSSの混合物を含むものでもある。正孔注入層(HIL)は、またアノード層(A)から正孔輸送層(HTL)に金属が拡散することを防止することができる。例えば、該HILは、PEDOT:PSSCH(poly-3,4-ethylendioxy thiophene:polystyrene sulfonate)、PEDOT(poly-3,4-ethylendioxy thiophene)、mMTDATA(4,4’,4”-tris[phenyl(m-tolyl)amino]triphenylamine)、spiro-TAD(2,2’,7,7’-tetrakis(n,n-diphenylamino)-9,9’-spirobifluorene)、DNTPD(N1,N1’-(biphenyl-4,4’-diyl)bis(N1-phenyl-N4,N4-di-m-tolylbenzene-1,4-diamine),NPB(N,N’-nis-(1-naphthalenyl)-N,N’-bis-phenyl-(1,1’-biphenyl)-4,4’-diamine),NPNPB(N,N’-diphenyl-N,N’-di-[4-(N,N-diphenyl-amino)phenyl]benzidine)、MeO-TPD(N,N,N’,N’-tetrakis(4-methoxyphenyl)benzidine)、HAT-CN(1,4,5,8,9,11-hexaazatriphenylen-hexacarbonitrile)及び/またはspiro-NPD(N,N’-diphenyl-N,N’-bis-(1-naphthyl)-9,9’-spirobifluorene-2、7-diamine)によっても構成される。
【0158】
アノード層Aまたは正孔注入層(HIL)に隣接し、一般的に、正孔輸送層(HTL)が位置する。ここで、いかなる正孔輸送化合物も使用されうる。例示的には、トリアリールアミン及び/またはカルバゾールのような、電子が豊富なヘテロ芳香族化合物が、正孔輸送化合物としても使用される。該HTLは、アノード層(A)と発光層(EML)との間のエネルギー障壁を低減させることができる。該正孔輸送層(HTL)は、また電子阻止層(EBL)でもある。好ましくは、該正孔輸送化合物は、三重項状態T1の比較的高いエネルギー準位を有する。例えば、正孔輸送層(HTL)は、TCTA(tris(4-carbazoyl-9-ylphenyl)amine)、poly-TPD(poly(4-butylphenyl-diphenyl-amine))、[alpha]-NPD(poly(4-butylphenyl-diphenyl-amine))、TAPC(4,4’-cyclohexyliden-bis[N,N-bis(4-methylphenyl)benzenamine])、2-TNATA(4,4’,4”-tris[2-naphthyl(phenyl)amino]triphenylamine)、spiro-TAD、DNTPD,NPB,NPNPB、MeO-TPD、HAT-CN及び/またはTrisPcz(9,9’-diphenyl-6-(9-phenyl-9H-carbazol-3-yl)-9H,9’H-3,3’-bicarbazole)のような星状のヘテロ環を含むものでもある。また、該HTLは、有機正孔輸送マトリックス内の無機または有機ドーパントのよっても構成されるp-ドーピングされた層を含むものでもある。該無機ドーパントとしては、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物またはタングステン酸化物のような遷移金属酸化物が例示的に使用されうる。該有機ドーパントとしては、F4-TCNQ(tetrafluorotetracyanoquinodimethane)、Cu(I)pFBz(copper-pentafluorobenzoate)または遷移金属錯体が例示的に使用されうる。
【0159】
EBLは、例示的には、mCP(1,3-bis(carbazol-9-yl)benzene)、TCTA、2-TNATA、mCBP(3,3-di(9H-carbazol-9-yl)biphenyl)、トリス-Pcz、CzSi(9-(4-tert-butylphenyl)-3,6-bis(triphenylsilyl)-9H-carbazole)及び/またはDCB(N,N’-dicarbazolyl-1,4-dimethylbenzene)。
【0160】
正孔輸送層(HTL)に隣接し、一般的に、発光層(EML)が位置する。該発光層(EML)は、少なくとも1つの発光分子を含む。特に、該EMLは、本発明による1以上の発光分子を含む。一般的に、該EMLは、1以上のホスト材料を追加して含む。例えば、該ホスト材料は、CBP(4,4’-bis-(N-carbazolyl)-biphenyl)、mCP、mCBP、Sif87(dibenzo[b,d]thiophen-2-yltriphenylsilane)、CzSi、Sif88(dibenzo[b,d]thiophen-2-yl)diphenylsilane)、DPEPO(bis[2-(diphenylphosphino)phenyl]etheroxide)、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾール、T2T(2,4,6-tris(biphenyl-3-yl)-1,3,5-triazine)、T3T(2,4,6-tris(triphenyl-3-yl)-1,3,5-triazine)及び/またはTST(2,4,6-トリス(2,4,6-tris(9,9’-spirobifluorene-2-yl)-1,3,5-triazine)のうちから選択される。ホスト物質は、一般的に、有機分子の第一三重項(T1)及び第一一重項(S1)エネルギー準位よりエネルギー的にさらに高い第一三重項(T1)エネルギー準位及び第一一重項(S1)エネルギー準位を示すように選択されなければならない。
【0161】
本発明の一実施形態において、EMLは、少なくとも、1つの正孔支配ホスト、及び1つの電子支配ホストを有する、いわゆる、混合ホストシステムを含む。一部実施形態において、該EMLは、本発明による正確に1つの発光分子種、及び電子支配ホストと正孔支配ホストとによって構成された混合ホストシステムを含み、前記電子支配ホストは、T2Tであり、前記正孔支配ホストは、CBP、mCP、mCBP、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾール及び9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾールのうちから選択される。さらなる実施形態において、該EMLは、50~80重量%、好ましくは、60~75重量%のCBP、mCP、mCBP、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾール及び9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾールから選択されたホスト;10~45重量%、好ましくは、15~30重量%のT2T、及び5~40重量%、好ましくは、10~30重量%の本発明による発光分子を含む。
【0162】
発光層(EML)に隣接し、電子輸送層(ETL)が配置されてもよい。ここで、電子輸送体は、任意のものを用いることができる。例示的には、ベンズイミダゾール、ピリジン、トリアゾール、オキサジアゾール(例えば、1,3,4-オキサジアゾール)、ホスフィンオキシド及びスルホンのような電子不足化合物が使用されうる。該電子輸送体は、またTPBi(1,3,5-tri(1-phenyl-1H-benzo[d]imidazol-2-yl)phenyl)のような星型ヘテロ環であることができる。該ETLは、NBphen(2,9-bis(naphthalen-2-yl)-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline)、Alq3(aluminum-tris(8-hydroxyquinoline))、TSPO1(diphenyl-4-triphenylsilylphenyl-phosphinoxide)、BPyTP2(2,7-di(2,2’-bipyridin-5-yl)triphenyle)、Sif87(dibenzo[b,d]thiophen-2-yltriphenylsilane)、Sif88(dibenzo[b,d]thiophen-2-yl)diphenylsilane)、BmPyPhB(1,3-bis[3,5-di(pyridin-3-yl)phenyl]benzene)及び/またはBTB(4,4’-bis-[2-(4、6-diphenyl-1,3,5-triazinyl)]-1,1’-biphenyl)を含むものでもある。選択的に、該ETLは、Liqのような物質でドーピングされてもよい。該電子輸送層(ETL)は、また正孔を阻止することができる。または、正孔阻止層(HBL)が導入される。
【0163】
例えば、HBLは、BCP(2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline=bathocuproine)、BAlq(bis(8-hydroxy-2-methylquinoline)-(4-phenylphenoxy)aluminum)、NBphen(2,9-bis(naphthalen-2-yl)-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline)、Alq3(aluminum-tris(8-hydroxyquinoline))、TSPO1(diphenyl-4-triphenylsilylphenyl-phosphinoxide)、T2T(2,4,6-tris(biphenyl-3-yl)-1,3,5-triazine)、T3T(2,4,6-tris(triphenyl-3-yl)-1,3,5-triazine)、TST(2,4,6-tris(9,9’-spirobifluorene-2-yl)-1,3,5-triazine)及び/またはTCB/TCP(1,3,5-tris(N-carbazolyl)benzol/1,3,5-tris(carbazol)-9-yl)benzene)を含むものでもある。
【0164】
カソード層Cは、電子輸送層(ETL)に隣接して配置されてもよい。例えば、該カソード層Cは金属(例えば、Al、Au、Ag、Pt、Cu、Zn、Ni、Fe、Pb、LiF、Ca、Ba、Mg、In、WまたはPd)または金属合金を含むものでもある。実用的な理由により、該カソード層は、(本質的に)Mg、CaまたはAlのような不透明な金属によっても構成される。代案的として、あるいはさらには、カソード層Cは、またグラファイト及び/またはカーボンナノチューブ(CNT)を含むものでもある。代案としては、カソード層Cは、またナノスケール銀ワイヤによっても構成される。
【0165】
OLEDは、選択的に、電子輸送層(ETL)とカソード層(C)(電子注入層(EIL)でもある)と間に、保護層を追加して含むものでもある。当該層は、フッ化リチウム、フッ化セシウム、銀、Liq(8-hydroxyquinolinolatolithium)、Li2O、BaF2、MgO及び/またはNaFを含むものでもある。
【0166】
選択的に、また電子輸送層(ETL)及び/または正孔阻止層(HBL)は、1以上のホスト化合物を含むものでもある。
【0167】
発光層EMLの発光スペクトル及び/または吸収スペクトルを追加して修正するために、発光層EMLは、1以上の追加エミッタ分子Fを追加して含むものでもある。そのようなエミッタ分子Fは、当業界に公知された任意のエミッタ分子であってもよい。好ましくは、そのようなエミッタ分子Fは、本発明による分子の構造と異なる構造を有する分子である。エミッタ分子Fは、選択的に、TADFエミッタでもある。代案としては、エミッタ分子Fは、選択的に、発光層EMLの発光スペクトル及び/または吸収スペクトルをシフトさせることができる蛍光性及び/またはリン光性のエミッタ分子でもある。例えば、エミッタ分子Eによって放出された光と比較し、一般的に、赤色偏移された光を放出することにより、基底状態S0に緩和される前、三重項及び/または一重項励起子は、本発明によるエミッタ分子からエミッタ分子Fにも移動してもよい。選択的に、エミッタ分子Fは、また二光子効果(すなわち、最大吸収エネルギーの半分である2個の光子の吸収)を誘発することができる。
【0168】
選択的に、光電子素子(例えば、OLED)は、例えば、本質的に、白色光電子素子でもある。例示的なそのような白色光電子素子は、少なくとも1つの(深い)青色エミッタ分子、及び緑色光及び/または赤色光を放出する1以上のエミッタ分子を含むものでもある。その後、選択的に、前述のように、2以上の分子間にエネルギー移動がありうる。
【0169】
本明細書に使用されているように、特定文脈において、さらに具体的に定義されない場合、放出及び/または吸収された光の色相指定は、下記の通りである:
紫色:>380~420nmの波長範囲
濃青色:>420~480nmの波長範囲
空色:>480~500nmの波長範囲
緑色:>500~560nmの波長範囲
黄色:>560~580nmの波長範囲
オレンジ色:>580~620nmの波長範囲
赤色:>620~800nmの波長範囲
【0170】
エミッタ分子と係わり、そのような色は最大発光を示す。従って、例えば、濃青色エミッタは、>420~480nm範囲で最大発光を有し、空色エミッタは、>480~500nm範囲で最大発光を有し、緑色エミッタは、>500~560nmの範囲最大発光を有し、赤色エミッタは、>620~800nm範囲で最大発光を有する。
【0171】
OLEDと係わる本発明の他の実施形態は、原色緑色(CIEx=0.170及びCIEy=0.797)のCIEx(=0.170)及びCIEy(=0.797)の色座標(ITU-RRecommendation BT.2020(Rec.2020)に定義されている)に近いCIEx及びCIEyの色座標の光を放出する。従って、UHD-TVのようなUHD(Ultra High Definition)ディスプレイに使用するのに適する。本明細書の「近い」という用語は、この段落の終わりに提供されたCIEx座標及びCIEy座標の範囲を示す。商業的応用において、典型的に、上面出射型(上部電極は、透明である)素子が使用される一方、本発明全般にわたって使用されるテスト素子は、ボトム出射型素子(下部電極及び基板が透明である)が使用されている。従って、OLEDと係わる本発明のさらなる態様によれば、CIEx色座標が0.15~0.45、好ましくは、0.15~0.35、さらに好ましくは、0.15~0.30、または一層好ましくは、0.15~0.25、またはさらに好ましくは0.15~0.20、かつ/あるいはCIEy色座標が、0.60~0.92、好ましくは、0.65~0.90、さらに好ましくは、0.70~0.88、さらにより好ましくは、0.75~0.86、またはさらに好ましくは0.79~0.84である発光を示すOLEDである。
【0172】
OLEDと係わる本発明のさらに他の実施形態は、原色赤色(CIEx=0.708及びCIEy=0.292)のCIEx(=0.708)及びCIEy(=0.292)の色座標(ITU-RRecommendation BT.2020(Rec.2020)に定義されている)に近いCIEx及びCIEyの色座標で光を放出する。従って、UHD-TVのようなUHDディスプレイに使用するのに適する。本明細書の「近い」という用語は、この段落の終わりに提供されるCIEx座標及びCIEy座標の範囲を示す。商業的応用において、典型的に、上面出射型(上部電極は、透明である)素子が使用される一方、本発明全体にわたって使用されるテスト素子は、ボトム出射型素子(下部電極及び基板が透明である)が使用されている。従って、OLEDと係わる本発明のさらなる態様によれば、CIEx色座標が、0.60~0.88、好ましくは、0.61~0.83、より好ましくは、0.63~0.78、一層好ましくは、0.66~0.76、またはさらに好ましくは0.66~0.76、0.68~0.73、かつ/あるいはCIEy色座標が、0.25~0.70、好ましくは、0.26~0.55、さらに好ましくは、0.27~0.45、さらにより好ましくは、0.28~0.40、またはさらに好ましくは0.29~0.35である発光を示すOLEDである。
【0173】
したがって、OLEDと係わる本発明のさらなる実施形態は、14,500cd/m2において、10%以上、より好ましくは、13%以上、さらに好ましくは、15%以上、さらにより好ましくは、17%以上、またはさらに好ましくは20%以上する外部量子効率(EQE)を示し、かつ/あるいは495nm~580nm、好ましくは、500nm~560nm、より好ましくは、510nm~550nm、さらにより好ましくは、515nmないし540nmで最大発光を示し、かつ/あるいは14,500cd/m2において、100h以上、好ましくは、250h以上、さらに好ましくは、50h以上、一層好ましくは、750h以上、またはさらに好ましくは1,000h以上のLT97値を示す。
【0174】
本発明による光電子素子、特に、OLEDは、蒸着及び/または液状工程の任意の手段によっても作製される。従って、少なくとも1層は、下記工程によって作製される。
-昇華過程
-有機気相蒸着工程
-キャリアガス昇華工程
-溶液工程または
-印刷
光電子素子、特に、本発明によるOLEDを製造するのに使用される方法は、当業界に公知されている。異なる層は、後続の蒸着工程により、適切な基板上に、個々に連続して蒸着される。個々の層は、同一であるか、あるいは異なる蒸着方法を使用して蒸着することができる。
【0175】
例えば、該蒸着工程は、熱(共)蒸着、化学的気相蒸着及び物理的気相蒸着を含む。アクティブマトリックスOLEDディスプレイの場合、AMOLEDバックプレーンが基板として使用される。個々の層は、適切な溶媒を使用する溶液または分散液からも処理される。例えば、溶液堆積工程は、スピンコーティング、ディップコーティング及びジェットプリンティングを含む。液体工程は、選択的に、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気)において遂行され、該溶媒は、選択的に、当業界に公知された手段により、完全にまたは部分的に除去されてもよい。
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
AAV1合成のための一般的な手順:
【化62】
N
2雰囲気において、還流冷却器が装着された2口フラスコに、E1(1.0当量)を充填した後、クロロベンゼン(100mL)、及び後続して、三臭化ホウ素[10294-33-4](3.5当量)添加した。混合物を100℃で2時間撹拌した後、0℃で水(50mL)を添加して反応を止めた(quenching)。沈殿物を濾過して乾燥させ、追加精製なしに、対応する固体生成物P1を得た。
【0180】
AAV2合成のための一般的な手順:
【化63】
N
2雰囲気において、2口フラスコにP1(1.0当量)を充填した後、クロロベンゼン(100mL)を添加して混合物を10分間脱気させた。三塩化ホウ素[10294-34-5](0.5当量)を0℃で添加し、混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。N
2雰囲気において、2つ目の2口フラスコにE2(3.0当量)を充填した後、脱水tert-ブチルベンゼン(50mL)を添加し、混合物を10分間脱気させた。tert-ブチルリチウム溶液[54-19-4](2.8当量)を、次のフラスコに0℃で添加し、当該反応混合物を室温に暖め、30分間撹拌した。0℃において、始めのフラスコの反応混合物に、2つ目のフラスコの反応混合物を徐々に添加した後、黄色混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた後、粗(crude)混合物をカラムクロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、対応する固体生成物P2を得た。
【0181】
サイクリックボルタンメトリー
サイクリックボルタンメトリーは、ジクロロメタン、または適する溶媒、及び適する支持電解質(例:0.1mol/Lのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート)において、有機分子の濃度が10-3mol/Lである溶液で測定される。該測定は、3電極アセンブリ(作用電極及び相対電極:Ptワイヤ、参照電極:Ptワイヤ)を使用し、窒素雰囲気において、室温で行い、内部標準として、FeCp2/FeCp2
+を使用して補正する。HOMOデータは、飽和カロメル電極(SCE)に係わる内部標準として、フェロセンを使用して補正された。
【0182】
密度関数理論計算
分子構造は、BP86機能及びRI(Resolution of Identity)アプローチを使用して最適化された。励起エネルギーは、TD-DFT(Time-Dependent DFT)方法でもって、(BP86)最適化された構造を使用して計算される。軌道エネルギー及び励起状態エネルギーは、B3LYP機能でもって計算される。数値積分のために、Def2-SVP基本セット及びm4-gridが使用される。Turbomoleプログラムパッケージは、全ての計算に使用される。
【0183】
光物理的測定
試料前処理:スピンコーティング
装置:Spin150、SPS euro
試料濃度は、適切な溶媒に溶解された10mg/mlである。
【0184】
プログラム:1)400U/分で3秒、1,000U/分で20秒(1,000Upm/s)。3)4,000U/分で10秒(1,000Upm/s)。コーティングを行った後、フィルムを70゜Cで1分間乾燥させた。
【0185】
フォトルミネッセンス分光法及び時間相関単一光子計数(TCSPC)
定常発光分光法は、150Wキセノン-Arcランプ、励起及び放出単色器、Hamamatsu R928光電子増配管及び時間相関単一光子計数オプションが装着されたModel FluoroMax-4(Horiba Scientific)で測定される。標準補正フィット(standard correction fits)を使用し、発光スペクトル及び励起スペクトルを補正する。
励起状態寿命は、FM-2013装備及びHoriba Yvon TCSPCハブと共に、TCSPC方法を使用する同一システムを使用して決定される。
励起ソース:
NanoLED 370(波長:371nm、パルス持続時間:1.1ns)
NanoLED 290(波長:294nm、パルス持続時間:<1ns)
SpectraLED 310(波長:314nm)
SpectraLED 355(波長:355nm)
データ分析(指数関数フィット(exponential fit))は、ソフトウェア製品群DataStation及びDAS6分析ソフトウェアを使用して行われる。フィット(fit)は、カイ二乗検定(chi-squared-test)を使用して特定される。
【0186】
フォトルミネセンス量子収率測定
フォトルミネセンス量子収率(PLQY)測定のために、Absolute PL量子収率測定C9920-03Gシステム(浜松ホトニクス)が使用されている。量子収率及びCIE座標は、ソフトウェアU6039-05バージョン3.6.0を使用して決定された。
最大発光は、nmで示され、量子収率Fは、%で示され、CIE座標は、x,y値で示される。PLQYは、次のプロトコルを使用して決定される:
1)品質保証:エタノール中におけるアントラセン(知られた濃度)を基準に使用する。
2)励起波長:有機分子の最大吸収が決定され、該波長を使用し、分子が励起される。
3)測定:量子収率は、窒素雰囲気において、溶液またはフィルム試料について測定される。収率は、次の方程式を使用して計算される。
【数1】
ここで、n
photonは、光子数を示し、Intは、強度を示す。
【0187】
HPLC-MS
HPLC-MS分析は、MS-検出器(Thermo LTQ XL)があるAgilent(1100シリーズ)のHPLCで行われる。
【0188】
一般的なHPLC方法は、次の通りである。Agilentから、逆相カラム4.6mmx150mm、及び粒子サイズ3.5μm(ZORBAX Eclipse Plus 95Å C18、4.6x150mm、3.5μm HPLCカラム)がHPLCに使用される。HPLC-MS測定は、勾配により、室温(rt)で行われる。
【0189】
【0190】
0.5mg/mL濃度の分析物溶液から、5μLの注入体積を測定のために取る。
プローブのイオン化は、陽(APCI+)イオン化モードまたは陰(APCI-)イオン化モードにおいて、APCI(大気圧化学イオン化)ソースを使用して行われる。
【0191】
光電子素子の生産及び特性化
本発明による有機分子を含むOLED素子のような光電子素子は、真空蒸着方法を介しても製造される。層が、1層以上の化合物を含む場合、1以上の化合物の重量百分率は、%で表示される。総重量百分率値は、100%であるので、値が指定されていない場合、該化合物の比率は、指定された値と、100%との差と同じである。
【0192】
(完全に最適化されていない)OLEDは、標準方法を使用し、電気発光スペクトル、光ダイオードで感知された光を使用して計算された強度による外部量子効率(%)、及び電流を測定して特性化される。OLED素子の寿命は、一定電流密度で動作する間、輝度の変化から抽出される。LT50値は、測定輝度が、初期輝度の50%に低減された時間に該当し、類似して、LT80は、測定輝度が、初期輝度の80%に低減された時点に該当し、LT95は、測定輝度が、初期輝度の95%に低減された時間に該当する。
【0193】
加速寿命測定が行われる(例:増大された電流密度適用)。例示的には、500cd/m
2において、LT80値は、次の方程式を使用して決定される。
【数2】
ここで、L
0は、印加された電流密度における初期輝度を示す。
【0194】
値は、さまざまなピクセル(一般的に、2~8個)の平均に該当し、そのようなピクセル間の標準偏差が提供される。
【実施例】
【0195】
実施例1
【化64】
実施例1は、E1=(2-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)ボロン酸[1189047-28-6]及びE2=1,3,6,8-テトラメチル-9H-カルバゾール[6558-85-6]を使用し、AAV1(収率91%)及びAAV2(収率31%)によって合成された。
【0196】
図1は、実施例1の発光スペクトルを示す(PMMAにおいて、10重量%)。最大発光(λ
max)は、535nmである。フォトルミネセンス量子収率(PLQY)は、56%であり、半値幅(FWHM)は、0.36eVであり、発光寿命は、1.33μsである。その結果のCIEx座標は、0.38であり、CIEy座標は、0.58である。
1H NMR(300MHz、塩化メチレン-d
2)δ8.78(d,J=8.8Hz、1H)、8.59(d,J=8.6Hz、1H)、8.51(dd,J=7.4、1.2Hz、1H)、8.33(ddd,J=7.7、1.5、0.6Hz、1H)、7.95(ddd,J=8.8、7.1,1.8Hz、1H)、7.897.82(m,3H)、7.79(dd,J=7.6、1.8Hz、1H)、7.72(ddd,J=8.6、7.3、1.4Hz、1H)、7.577.49(m,2H)、7.26(ddd,J=7.8、7.1、0.8Hz、1H)、6.88(s,2H)、2.50(s,6H)、1.81(s,6H)
【0197】
実施例D1
実施例1は、以下の層構造に製造されたOLED D1でテストされた:
【表3】
【化65】
【0198】
OLED D1は、1,000cd/m2において、外部量子効率(EQE)が16.7%である。5.2Vにおいて、最大発光は、542nmであり、FWHMは、75nmである。当該CIEx値は、0.387であり、当該CIEy値は、0.588である。
【0199】
本発明の有機分子の追加例
【化66】
【化67】
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
【化79】
【化80】
【化81】
【化82】
【化83】
【化84】
【化85】
【化86】
【化87】
【化88】
【化89】
【化90】
【化91】
【化92】
【化93】
【化94】
【化95】
【化96】
【化97】
【化98】
【化99】
【化100】
【化101】
【化102】
【化103】
【化104】
【化105】
【化106】
【化107】
【化108】
【国際調査報告】