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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-22
(54)【発明の名称】内視鏡装置のための固定機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20230515BHJP
【FI】
A61B1/018 514
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558125
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 US2021025900
(87)【国際公開番号】W WO2021207144
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/006,784
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ワイルダー、エバン
(72)【発明者】
【氏名】ブレッチビール、スコット イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェルドン、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】スタンフォード、ブリジット
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF12
4C161HH24
4C161HH25
4C161JJ02
4C161LL02
(57)【要約】
医療装置は、患者の体管腔の中に挿入されるように構成されたシースを備えてもよい。シースの遠位端は、医療装置の配向性を変化させるためのエレベータを含んでもよい。ハンドルはアクチュエータを含んでもよい。アクチュエータはエレベータに操作可能に連結されてもよい。アクチュエータの作動により、エレベータの移動が引き起こされてもよい。係合部分は、ハンドルの少なくとも一形態において、ハンドル本体の表面からアクチュエータに向かって突出してもよい。使用者によって、アクチュエータまたは係合部分のうちの少なくとも一つに付与される力により、(a)係合部分がアクチュエータに作用して係合部分に対するアクチュエータの移動を抑制する第一形態と、(b)アクチュエータが係合部分に対して移動可能な第二形態との間をハンドルが移行させられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体管腔の中に挿入されるように構成されたシースであって、前記シースの遠位端は医療装置の配向性を変化させるためのエレベータを含む、シースと、
ハンドル本体を有するハンドルとを備える医療装置であって、前記ハンドルは、
前記エレベータに操作可能に連結されたアクチュエータであって、前記アクチュエータの作動により前記エレベータの移動が引き起こされ、前記アクチュエータは使用者によって接触されるように構成された、アクチュエータと、
前記ハンドルの少なくとも一つの形態において、前記ハンドル本体の表面から前記アクチュエータに向かって突出する、係合部分とを含み、
前記使用者によって、前記アクチュエータまたは前記係合部分のうちの少なくとも一つに付与される力により、(a)前記係合部分が前記アクチュエータに作用して前記係合部分に対する前記アクチュエータの移動を抑制する第一形態と、(b)前記アクチュエータが前記係合部分に対して移動可能な第二形態との間を前記ハンドルが移行される、医療装置。
【請求項2】
前記アクチュエータはレバーを含む、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記ハンドル本体の表面に向かって放射方向内側へ延びる突起を含む、請求項1または請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記突起は楔形を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記係合部分はフックを含み、前記第一形態において前記突起は前記フックに係合し、前記フックは前記ハンドルを前記第一形態から前記第二形態へ移行させるように移動可能である、請求項3または請求項4に記載の医療装置。
【請求項6】
前記フックは、少なくとも前記ハンドルの前記第一形態において前記ハンドル本体から放射方向外側に突出する第一部分と、少なくとも前記ハンドルの前記第一形態において前記ハンドル本体から放射方向外側に突出する第二部分とを含み、前記第一部分は前記ハンドルの前記第一形態において前記突起に係合するように構成され、前記第二部分は使用者によって放射方向内側に押し込まれて前記ハンドルを前記第一形態から前記第二形態へ移行させるように構成された、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記係合部分は形状記憶材料を含む、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記ハンドルは、前記第二部分に力を付与するように構成されたボタンをさらに含む、請求項6に記載の医療装置。
【請求項9】
前記ハンドルは、前記突起を前記第一部分の第一側から、前記第一部分の、前記第一側と反対側の第二側へ移動させることによって、前記第二形態から前記第一形態へ移行されるように構成された、請求項6に記載の医療装置。
【請求項10】
前記係合部分は複数の歯を含む、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記ハンドルは、前記アクチュエータの第一部分を前記アクチュエータの第二部分に対して移動させることによって、前記第一形態から前記第二形態へ移行される、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項12】
前記係合部分は前記アクチュエータに摩擦力を付与して前記アクチュエータの前記第一形態への移動を抑制する、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項13】
前記係合部分は、前記ハンドル本体の空洞の中に配置されたボディおよびバネを含む、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項14】
前記アクチュエータは壁を含み、前記第一形態において、前記壁の第一部分は前記ハンドル本体の表面に対して第一角度を有し、前記第二形態において、前記壁の前記第一部分は前記ハンドル本体の前記表面に対して第二角度を有し、前記第二角度は前記第一角度とは異なる、請求項13に記載の医療装置。
【請求項15】
前記アクチュエータは第一方向および第二方向へ移動可能であって前記エレベータの移動を引き起し、前記ハンドルを前記第一形態から前記第二形態へ移行するために、前記アクチュエータは、前記第一方向および前記第二方向の各々にほぼ垂直な第三方向へ移動される、請求項14に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な態様は、一般的に、医療装置の構成要素の移動を抑制するための装置および方法に関する。実施形態では、本開示は十二指腸内視鏡のハンドルの構成要素を固定するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
十二指腸内視鏡は、操作者によって把持され得、ステアリング、吸引力、水、空気、光、およびイメージング等の機能のための制御要素を含み得るハンドル部分を含んでもよい。十二指腸内視鏡はまた、対象者の中に挿入され得る部分を含んでもよい。例えば、十二指腸内視鏡は、対象者の中への挿入に適した軸を含んでもよい。このような挿入部分は一つ以上の管腔を含んでもよい。十二指腸内視鏡の挿入可能部分の管腔は、例えば空気、水、吸引力、電気、データ、光、および/またはイメージを伝える機能を支持し得る。ツールはまた、軸のワーキングチャネルを介して挿入されてもよい。例えば、ツールは、ワーキングチャネルの中に十二指腸内視鏡のハンドルの中または近くのポートによって挿入されてもよい。
【0003】
十二指腸内視鏡の遠位先端は、ワーキングチャネルの遠位端から突出するツールの配向性を変化させるためのエレベータを含んでもよい。エレベータは、レバー等のハンドルの制御機構を介して制御されてもよい。
【発明の概要】
【0004】
本明細書中に開示される態様の各々は、他の開示される態様のいずれかに関連して記述される特徴の一つ以上を含んでもよい。
医療装置は、患者の体管腔の中に挿入されるように構成されたシースを備えてもよい。シースの遠位端は、医療装置の配向性を変化させるためのエレベータを含んでもよい。ハンドルはハンドル本体を有してもよい。ハンドルはアクチュエータを含んでもよい。アクチュエータはエレベータに操作可能に連結されてもよい。アクチュエータの作動により、エレベータの移動が引き起こされてもよい。アクチュエータは、使用者によって接触されるように構成されてもよい。ハンドルの少なくとも一つの形態において、係合部分は、ハンドル本体の表面からアクチュエータに向かって突出してもよい。使用者によって、アクチュエータまたは係合部分のうちの少なくとも一つに付与される力により、(a)係合部分がアクチュエータに作用して係合部分に対するアクチュエータの移動を抑制する第一形態と、(b)アクチュエータが係合部分に対して移動可能な第二形態との間をハンドルが移行させられ得る。
【0005】
本明細書中に開示される医療装置のいずれも、以下の特徴のいずれかを含んでもよい。アクチュエータはレバーを含んでもよい。アクチュエータは、ハンドル本体の表面に向かって放射方向内側へ延びる突起を含んでもよい。突起は楔形を有してもよい。係合部分はフックを有してもよい。第一形態において、突起はフックに係合してもよい。フックは、第一形態から第二形態へハンドルを移行させるように移動可能でもよい。フックは、少なくともハンドルの第一形態においてハンドル本体から放射方向外側に突出する第一部分と、少なくともハンドルの第一形態においてハンドル本体から放射方向外側に突出する第二部分とを含んでもよい。第一部分は、ハンドルの第一形態において突起に係合するように構成されてもよい。第二部分は、第一形態から第二形態へハンドルを移行させるために、使用者によって放射方向内側に押し込まれるように構成されてもよい。係合部分は形状記憶材料を含んでもよい。ハンドルは、第二部分に力を付与するように構成されたボタンをさらに含んでもよい。ハンドルは、突起を第一部分の第一側から第一部分の第二側へ移動させることによって、第二形態から第一形態へ移行されるように構成されてもよい。第二側は第一側の反対側でもよい。係合部分は複数の歯を含んでもよい。ハンドルは、アクチュエータの第一部分をアクチュエータの第二部分に対して移動させることによって、第一形態から第二形態へ移行されてもよい。係合部分は、アクチュエータに摩擦力を付与して第一形態にあるアクチュエータの移動を抑制し得る。係合部分は、ハンドル本体の空洞に配置されたボディおよびバネを含んでもよい。アクチュエータは壁を含んでもよい。第一形態において、壁の第一部分は、ハンドル本体の表面に対して第一角度を有してもよい。第二形態において、壁の第一部分は、ハンドル本体の表面に対して第二角度を有してもよい。第二角度は第一角度と異なってもよい。アクチュエータは、エレベータを移動させるために第一方向および第二方向に移動可能でもよい。第一形態から第二形態へハンドルを移行させるために、アクチュエータは、第一方向および第二方向の各々にほぼ垂直な第三方向へ移動されてもよい。
【0006】
別の例において、医療装置は、患者の体管腔の中に挿入されるように構成されたシースを備えてもよい。シースの遠位端は、医療装置の配向性を変化させるためのエレベータを含む。ハンドルはハンドル本体を有してもよい。ハンドルはアクチュエータを含んでもよい。アクチュエータはエレベータに操作可能に連結されてもよい。アクチュエータの作動により、エレベータの移動が引き起こされてもよい。アクチュエータは、使用者によって接触されるように構成されてもよい。ハンドルの少なくとも一つの形態において、係合部分は、ハンドル本体の表面からアクチュエータに向かって突出してもよい。係合部分とアクチュエータとの間の相互作用は、アクチュエータを固定して、それによってエレベータの移動を抑制するように構成されてもよい。(a)ハンドル本体の表面または(b)アクチュエータのうち少なくとも一つの上のボタンを押し込むことによって、アクチュエータが固定解除され、それによってエレベータの移動が許容されるように構成されてもよい。
【0007】
本明細書中に記述される医療装置のいずれも、以下の特徴のいずれかを有してもよい。アクチュエータはレバーを含んでもよい。アクチュエータは、ハンドル本体の表面に向かって放射方向内側へ延びる突起を含んでもよい。係合部分はフックを有してもよい。突起はフックに係合してエレベータを固定し得る。ボタンは、エレベータを固定解除するためにフックを移動させてもよい。
【0008】
例えば、方法は、アクチュエータに接触することと、アクチュエータに力を付与してアクチュエータを第一位置から第二位置へ移動させ、それによって(a)十二指腸内視鏡の遠位先端のエレベータを下降した形態から上昇した形態へ上昇させるとともに、(b)アクチュエータを十二指腸内視鏡のハンドル本体の表面上の係合部分に遭遇させることと、アクチュエータとの接触を停止させることとを含んでもよい。アクチュエータとの接触を停止させた後、エレベータは上昇した形態に保持されてもよい。力は、アクチュエータまたは係合部分に付与されてもよい。エレベータは、第二位置から第一位置へ移動され、それによって、エレベータを上昇した形態から下降した形態へ下降させてもよい。
【0009】
上述の一般的な記述および以下の詳細な記述は両方とも典型的かつ説明のためのみであり、特許請求されるものとしての発明を制限するものではないことが理解できる。本明細書に使用されるとき、用語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、またはその他にこれらが変化したものは、非排他的に含有物を包含することを意図されているため、要素のリストを備えるプロセス、方法、項目、または機器はこれらの要素のみを含むのではなく、明示的に記載されていない他の要素またはこのようなプロセス、方法、項目、または機器に固有の他の要素を含んでもよい。用語「直径(diameter)」は、要素が円形でない場合の幅を指すことがある。用語「遠位の(distal)」は、操作者から離れる方向を指し、用語「近位の(proximal)」は操作者に向かう方向を指す。用語「典型的な(exemplary)」は、「理想(ideal)」よりむしろ「例(example)」の意味において使用される。用語「ほぼ(approximately)」または同様の用語(例えば「実質的に(substantially)」)は、記載値の+/-10%の値を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書の一部に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の態様を示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
図1A】典型的なハンドルの態様を示す。
図1B】典型的なハンドルの態様を示す。
図2A】典型的な固定機構を示す。
図2B】典型的な固定機構を示す。
図2C】典型的な固定機構を示す。
図3A】典型的な固定機構を示す。
図3B】典型的な固定機構を示す。
図4A】典型的な固定機構を示す。
図4B】典型的な固定機構を示す。
図4C】典型的な固定機構を示す。
図4D】典型的な固定機構を示す。
図5A】典型的な固定機構を示す。
図5B】典型的な固定機構を示す。
図5C】典型的な固定機構を示す。
図6A】典型的な固定機構を示す。
図6B】典型的な固定機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
エレベータを作動させた後、レバーを作動させるために使用される制御機構への接触を維持することなく、エレベータを所望の位置に保持可能なことが操作者にとって望ましいことがある。従って、エレベータ等の十二指腸内視鏡構成要素のための固定機構に対する需要が存在する。本開示の実施形態は、レバーが一つ以上の既定位置にあるときにエレベータ制御レバーの運動を抑制する固定機構に関する。例えば、固定機構は、エレベータが上昇した位置に保持されるようにエレベータレバーを固定してもよい。エレベータが固定された後、使用者は、指をエレベータレバーから離すことができてよく、使用者は自由にその指で他の操作を実施してもよい。
【0012】
図1Aおよび図1Bは、十二指腸内視鏡ハンドル10の互いに異なる図を示す。十二指腸内視鏡という用語が本明細書中に使用され得るが、内視鏡、結腸鏡、尿管鏡、気管支鏡、腹腔鏡、シース、カテーテル、または任意の他の適切な送達装置または医療装置を含む他の装置が、限定されることなく、本開示の固定機構に関連して使用されてもよいことが理解されるであろう。図1Aの図と比較して、図1Aおよび図1Bの座標系によって示されるように、図1Bの図は、図1Aの図に比較して回転されている。図1Aに示すように、ハンドル10は本体12を含んでもよい。レバー20等のエレベータアクチュエータは、図1Bの矢印によって示される方向に移動されて、内視鏡の遠位端におけるエレベータへ制御を提供してもよい。レバー20が示されるが、代替制御機構に本開示のスコープが適用されてもよい。例えば、スライダ、ノブ、スイッチ、ホイール、または他の機構が使用されてもよい。レバー20は、アーム24、およびアーム24から(図1Aの左側および図1Bのページの外側へ)放射方向外側に延び得る接触部分26を含んでもよい。アーム24は、ハンドル10の中に延びて内視鏡の軸を通って延びるワイヤまたは他の構造物(例えば軸)に連結してもよく、内視鏡の遠位端におけるエレベータに連結する。アーム24の移動により、エレベータが上昇または下降されてもよい。
【0013】
接触部分26は、本体12の表面にほぼ平行に延びてもよい。接触部分26は、アーム24にほぼ垂直に延びてもよい。接触部分26は、接触部分26と使用者の指との間の摩擦を増加させ、およびまたは把持を容易にするように、頂上部または他の特徴を含んでもよい。
【0014】
ハンドル10はまた、内視鏡の遠位端を関節接合するためのノブおよび/またはレバーを含み得るステアリングアセンブリ60を含んでもよい。臍(umbilicus)62はハンドル10から延びてもよく、信号、粉末、空気、および/または水をハンドル10および内視鏡の他の部分に提供するためのケーブル、コード、ワイヤ、および/または導管を収容してもよい。イメージ取り込みボタン68は、スチールイメージを取り込むための内視鏡の遠位端上のカメラの制御を許容し得る。ハンドル10はまた、ポートおよびバルブ(例えば空気、水、および/または吸引用)等の他の特徴を有してもよい。
【0015】
図2Aから図6Bは、様々な固定機構を示す。図2Aから図6Bの固定機構は、ハンドル10または代替的なハンドルと共に使用され得る。本明細書中に記述される固定機構の態様は、単独または組み合わせて使用され得る。差し支えなければ、同様の参照番号が本明細書中で、類似の構造を示すために使用されている。別段の記述がない限り、以下に記述されるハンドルはハンドル10の特徴のいずれかを有してもよい。図面は、レバーおよびエレベータを一つの位置に固定するための固定機構を示すが、レバーおよびエレベータを様々な位置に固定するために複数の固定機構が使用されてもよいことが理解されるであろう。固定機構はエレベータレバーおよびエレベータに対して記述されるが、固定機構は代替的に他の構成要素(例えばステアリング構成要素)と共に使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0016】
図2Aから図2Cは、第一の典型的な固定機構100を示す。固定機構100は、アーム124および接触部分126を有するレバー120等のアクチュエータを含んでもよい。レバー120、アーム124、および接触部分126は、それぞれレバー20、アーム24、および接触部分26の特徴のいずれかを有してもよい。本体112を含むハンドル110は、それぞれハンドル10および本体12の特性のいずれかを有してもよい。例えば、イメージ取り込みボタン68は、本体112の表面上に配置されてもよい。本体112は、以下に記述される(係合部分であり得る)フック140を示すために、図2Aから図2Cにおいて透明であるように示される。フック140を除く、本体112の中の他の構成要素は、図の明確化のために示されないことが理解されるであろう。
【0017】
図2Aは、第一形態である固定解除形態にある固定機構100を示す。レバー120は、自由に移動可能である(レバー120の範囲の端における停止部等の他の制約を受ける)。図2Aにおける矢印は、固定機構100を図2Bの第二形態である固定形態に移行させるためにレバー120が移動している方向を示す。図2Bでは、レバー120は第一方向(一般的に図2Aから図2Cにおける左側)へは移動不可能である。停止部、またはアーム124、レバー120の別の部分、および/またはハンドル110の本体112の中のその他の特徴が図2Bに示される位置を超える第二方向へのレバー120の移動を抑制するため、レバー120は第二方向(一般的に図2Aから図2Cにおける右側)へも移動不可能である。
【0018】
レバー120はまた、本体112の表面に対向する接触部分126の表面から延びる突起すなわちキャッチ130を含んでもよい。突起130は、接触部分126から本体112の表面に向かって放射方向内側へ延びてもよい。突起130は、任意の適切な形状を有してもよい。図2Aから図2Cに示すように、突起130は三角形または楔形を有してもよい。突起130の第一側132は、第一方向(図2Aから図2Cにおける左)へ移動するにつれて本体112の表面に向かって放射方向外側へ傾斜し、または先細にされ得る。第一側132は真っ直ぐでもよく、または図2Aから図2Cに示すようにわずかに湾曲してもよい。突起130の第二側134は、第一方向に最も離れた第一側132の端と接触部分126の放射方向内側の面との間に延び得る。
【0019】
フック140の大部分は、本体112の中に配置されてもよいが、フック140の一部はこれから説明されるように本体112の外側に延びてもよい。フック140は、第一端142(第一方向に最も遠い)から本体112の内側の第二端144(第二方向に最も遠い)まで延び得る。軸146は、第一端142から第二端144に向かって延びてもよい。フック型部分148は、軸146から横に延び得る。例えば、フック型部分148は、軸146からおよそ90度の角度で延び得る。第一端142は、返し147で終了してもよく、釣り針の端に類似の形状に形成されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、以下に記述されるように、第一端142(および返し147)は、本体112の開口部を通って放射方向外側に延び得るため、第一端142は本体112の外部へ延びる。
【0020】
軸146の突出部分149は、ほぼ「U」型を形成するように曲げられ得る。突出部分149は、フック140の長手方向軸線から放射方向外側に延び得る。突出部分149を除いて、軸146はほぼ真っ直ぐでもよく、またはわずかに湾曲してもよい。
【0021】
突出部分149は、本体112の表面上のボタン150に整列されてもよく、ボタン150の中に延びてもよい。ボタン150は、任意の適切な構成要素を有してもよい。例えば、ボタン150は可撓性材料または剛体材料から形成されてもよい。ボタン150は、弾性構成要素および/または形状記憶構成要素を含み得るため、ボタン150は図2Aおよび図2Bの押し込まれていない形態に付勢される。例えば、ボタン150はバネを含んでもよく、または使用者によって接触可能なボタン150の部分は形状記憶材料を含んでもよい。ボタン150は、突出部分149と嵌合し、摩擦を介して突出部分149を保持するように構成された内側表面を有し得る。追加的または代替的に、接着剤またはその他の機構が使用されて、ボタン150の中に突出部分149を保持してもよい。
【0022】
レバー120は図2Aから図2Cの互いに異なる形態の間を移行され得る。図2Aの形態において、レバー120は、エレベータが下降した位置または部分的に上昇した位置にあるような位置であってよく、レバー120は第一方向および/または第二方向(それぞれ図面のおよそ左または右)に移動可能であってエレベータを上昇または下降させてよい。図2Bの形態では、レバー120は、エレベータが上昇した位置にあるような位置であってよく、レバー120は固定されて、それによって第一方向へ移動することを抑制され得る。エレベータは従って、下降した位置へ移動することを抑制され得る。代替的に、図2Bにおけるレバー120の固定位置は、エレベータの他の形態(下降、または部分的上昇)に対応し得る。
【0023】
図2Aに示される第一形態では、ボタン150は弛緩形態にあり、レバー120は、返し147を含むフック140の第一端142よりもさらに第一方向側に位置付けられ得る。特に、突起130の第二側134は、フック140の第一側142よりもさらに第一方向側にあり得る。図2Aの第一形態において、レバー120は、フック140に係合されないため、自由に移動可能であってよい。レバー120は固定解除形態にあってよい。
【0024】
フック140は本体112の中に位置付けられ得るため、第二端144は本体112の内面の近位か、または本体112の内面に触れ合って位置付けられる。第二端144は、図2Aから図2Cの形態の各々においてほぼ同じ位置を有し得る。突起149は、弛緩したボタン150の中へ本体112の表面の放射方向外側に延び得る。使用者はボタン150に接触可能であり、それによって突起149へ放射方向内側の力を伝達し得る。
【0025】
レバー120およびフック140を図2Aの第一形態から図2Bの第二形態へ移行させるために、レバー120は第二方向(およそ図2Aから図2Cの右側)へ移動され得る。突起130の第一側132は、返し147を含むフック140の第一端142の上を摺動し得る。第一側132および返し147を含むフック140の第一端142の形状は、突起130の第一側132がフック140の第一端142の上を摺動し得るように相補的でもよい。突起130の第一側132とフック140の第一端142との間の接触により、使用者に触覚フィードバックが提供され、レバー120および/またはレバー120によって制御されるエレベータの位置が示され得る。
【0026】
突起130の第一側132がフック140の第一端142を通過して第二方向へ移動するにつれて、第一側132は第一端142へ放射方向内側の力を付与し得るため、第一端142は放射方向内側へ押される。返し147および突起130の第一側132の放射方向外側角度は突起130が返し147を通過して摺動することを容易にするために、ほぼ平行か、またはそれ以外の方法で相補的であり得る。第二端144はほぼ静止したままでもよい。フック140が放射方向内側に押されるとき、フック140は、以下でさらに詳細に記述される図2Cに示される形態に類似の形態をとり得る。しかしながら、図2Cの形態と比較すると、突起130が第一端142を通過して移動し、図2Aの第一形態から図2Bの第二形態へ移行するとき、ボタン150は押し下げられないままでもよい。
【0027】
突起130の全体が第一端142を越えて(図2Bに示すように、突起130が図2Aの第一形態におけるものと第一端142の反対側に存在するように)移動した後に、第一端142(返し147を含む)が突起130に向かって本体112の表面の放射方向外側へ延びる、第一端142が元の位置に戻り得るように、フック140は付勢され得る。フック140は、付勢された位置に戻った後、図2Aの第一形態におけるものと同じ形状を有し得る。
【0028】
図2Bの形態では、返し147を含むフック140の第一端142は、突起130の第二側134の放射方向最内部端を越えて放射方向外側へ延び得る。フック140の第一端142により、突起130、およびそれに応じてレバー120の第一方向(図面の左側)への移動が抑制され得る。レバー120への第一方向の力(使用者からまたは他の種類の力)により、突起130の第二側134を第一端142および/または返し147を含むフック140のフック型部分148に接触させ得る。フック140によって突起130へ付与される力は、ほぼ第二方向であってもよく、第一方向への移動を抑制し得る。例えば、図2Aから図2Cに示されるように、フック型部分148および第二側134は互いに対してほぼ平行であり得る。
【0029】
レバー120を固定解除(およびそれにより、レバー120によって制御されるエレベータの移動を許容)するために、図2Cの第三形態に示されるように、ボタン150が使用者によって押し込まれ得る。ボタン150は突出部分149へ放射方向内側の力を付与し得、これによって、次にフック140の少なくとも一部を放射方向内側へ移動させ得る。代替的に、ボタン150は省略されてもよく、使用者は突出部分149またはフック140の別の部分を直接押し込んでもよい。フック140は、バネに連結されるか、または形状記憶特性を有してもよいため、フック140は図2Bおよび図2Cの形状に付勢される。例えば、フック140はニチノールまたは別の材料(金属またはプラスチック等)から作製されてもよい。さらなる代替品として、他の適切な機構が使用されてフック140の一部(第二端144を含む)を放射方向内側へ押し込んでもよい。フック140は、図2A図2Bの位置と図2Cの位置との間の第一端142の移行を遂行するために任意の適切な形状を有してもよい。
【0030】
ボタン150が押し込まれて突起部分149が放射方向内側に押されたとき、フック140の第二端144は本体112の内面に対して押し込まれるため、回動運動が第一端142に伝えられ、第一端142を図2Cに示す位置まで放射方向内側に移動させる。フック140は、フック140の第一端142の放射方向内側への移動を遂行するために適切な可撓性または剛性を有し得る。代替的または追加的に、突出部分149を放射方向内側に押し込むことによって、フック140の放射方向内側への移動がもたらされ、第一端142を含むフック140の全部分を放射方向内側へ移動させ得る。
【0031】
第一端142は、本体112とほぼ同じ高さであり得、または本体112の表面の放射方向内側であり得る。第一端142は、図2Cの第三形態において突起130と放射方向に交差しなくてもよい。それ故に、フック140はレバー120の第一方向への移動を抑制しなくてもよい。代替的に、第一端142は、第一端142および突起130が互いに放射方向に交差するが、図2Cのように放射方向に押し込まれたときに、突起130が第一端142の上を滑ることができるような形状に形成され得る。例えば、返し147は斜面様形状を有してこのような滑りを許容し得る。
【0032】
ボタン150を押し下げつつ、使用者は固定解除レバー120を第一方向に移動させてもよい。突起130の第二端134が第一端142よりもさらに第一方向に位置した(例えば第一端142からクリア)後、使用者はボタン150を解放するとともにレバー130を第一方向に移動させ続けてもよい。
【0033】
使用中に、操作者は十二指腸内視鏡の遠位端を所望の場所に位置付け得る。ツールは、十二指腸内視鏡の遠位端から突出するまで十二指腸内視鏡のシースを通過し得る。固定機構100は図2Aの形態にあり得る。使用者はその後、第二方向へレバー120を移動させて十二指腸内視鏡のエレベータを上昇させ得る。使用者は、固定機構が自動的に図2Bの形態へ移行するまでレバー120を移動させ得る。使用者は、固定機構を第二形態へ移行するためにボタン150を押し下げることを要求されなくてもよい。それどころか、フック140および突起130の形状および特性により、一旦、突起130がフック140の第一端142を越えると、自動的な固定が容易になり得る。フック140は、突起130がフック140の第一端142を越えた時に放射方向内側へ曲がってもよい。フック140は、エレベータが上昇した位置にあるとき、突起130に係合してレバー120を固定し得る。操作者は、レバー120が固定されている間、自由に指をレバー120から離してもよい。使用者がエレベータを下降させることを望むとき、使用者はボタン150を押し下げてフック140の第一端142を放射方向内側へ移動させ、レバー120が第一方向へ移動されるように突起130がフック140の第一端142の放射方向外側を越えることを許容し得る。
【0034】
固定機構100のパラメータは、レバー120を固定および/または固定解除するのに要求される力の量を調整するために変更され得る。例えば、フック140の第一端142(返し147を含む)および突起130の大きさおよび形状は、それらの構成要素間の相互作用、およびレバー120を固定位置へ移行させるのに要求される力の量、および提供される固定力の量を調節するために変更され得る。突出部分149および/またはボタン150の態様もまた、レバー120を固定解除するために要求される固定解除力の量を調節するために変更され得る。
【0035】
図3Aおよび図3Bは、代替的な固定機構200を示す。固定機構200はラチェット機構を使用してもよい。固定機構200は、接触部分226を含み得るレバー220等のアクチュエータを含んでもよい。レバー220および接触部分226は、それぞれレバー20、120および接触部分26、226の性質のいずれかを有してもよい。突起230は、接触部分226の放射方向内側の表面から本体212の表面に向かって放射方向内側へ延びてもよい。本体212は、本体12、112の特徴のいずれかを有してもよい。突起230は歯止めに似た特徴を有してもよく、接触部分226の表面に対して曲がってもよい。
【0036】
本体212は、その表面上に形成された、例えば鋸歯状の歯240を有し得る。歯240は係合部分を形成し得る。歯240は、レバー220が移動されてレバー220によって制御されるエレベータを上昇させる方向であり得る第二方向(図3Aおよび図3Bにおける右側)へ配向され得る。歯240は、本体212と同じ材料から本体212と一体に形成されてもよく、または本体212に固定された一つ以上の個別のピースから形成されてもよい。歯240は、レバー220がそれに沿って移動可能である本体212の全部または一部に沿って延びてもよく、本体212から突出してもよい。例えば、歯240は、レバー220の固定が所望される範囲に沿って配置され得る。
【0037】
突起230および歯240は、レバー220が少なくとも第二方向(図3Aおよび図3Bにおける右側)へ移動されたときに、突起230の放射方向内側の先端が歯240に係合し、歯240の上を移動するにつれて突起230が放射方向内側へ曲がり得るように、相補的な形状を有し得る。突起230の歯240との係合により、レバー220(およびそれによって制御されるエレベータ)がある移動範囲以内にあるという触覚または聴覚によるフィードバックが使用者に提供され得る。例えば、突起230の歯240との係合により、エレベータは特定の角度に上昇されたことを使用者に示し得る。
【0038】
レバー220は枢動可能部分222を有してもよい。枢動可能部分222はレバー220の残りの部分(例えばレバー220のアーム)に対して枢動可能であり得る。ヒンジは、枢動可能部分222とレバー220の残りの部分との間に配置され得る。枢動可能部分222は、接触部分226の放射方向内側の表面が本体212の表面にほぼ平行である、図3Aの形態に付勢され得る。付勢は、レバー220のヒンジにおけるバネを介して、またはレバー220の形状記憶特性を介して引き起こされ得る。使用者は、指を使用して枢動可能部分222を図3Bにおいて矢印によって示される方向に枢動または切り替え得る。枢動可能部分222の枢動により、突起230が本体212および歯240の表面から放射方向に離れるように移動させられ得る。
【0039】
使用中に、操作者は十二指腸内視鏡の遠位端を所望の場所に位置付け得る。ツールは、十二指腸内視鏡の遠位端から突出するまで十二指腸内視鏡のシースを通過し得る。使用者はその後、枢動可能部分222が図3Aの形態にある間にレバー220を第二方向へ移動して、十二指腸内視鏡のエレベータを上昇させ得る。使用者は、突起230が歯240に係合するまで、レバー220を移動させてもよい。突起230が歯240に係合した後、(停止部等の別の特徴が所望の範囲を超える移動を妨げない限りは)レバー220は第二方向へ移動可能であり得る。しかしながら、突起230の歯240との係合により、レバー220が第一方向に移動することが抑制され得る。歯240と突起230との間の係合により、特定の位置(例えば、エレベータが上昇された位置または別の所望の位置)におけるレバー220の固定が引き起こされ得る。操作者は、レバー220がこのように固定されている間、自由に指をレバー220から離してもよい。使用者がレバー220を第一方向に移動させることを望むとき(例えば、エレベータを下降させるため)、使用者は枢動可能部分222を図3Bに示す形態に枢動してもよい。枢動可能部分222の枢動により、レバー突起230が歯240から離間させられ、それによってレバー220が固定解除され、(例えば、エレベータを下降させるために)レバー220が第一方向に移動されることが許容され得る。
【0040】
固定機構200は、レバー120のための複数の固定場所およびレバー120によって制御されるエレベータのための対応する複数の固定される位置を提供するための歯240を有する複数のセグメントを含み得る。歯240のない平らなセグメントにより、歯240を有する複数のセグメントが中断され得る。
【0041】
図4Aおよび図4Bは、別の典型的な固定機構300の断面図を示す。固定機構300は、十二指腸内視鏡の遠位端におけるエレベータの移動を制御し得る、レバー320等のアクチュエータを含んでもよい。レバー320は、上のレバー20、120、220の特性のいずれかを有してもよい。レバー320は、接触表面326、アーム360、および軸線Aの周りに回動可能な回動部分362を有してもよい。回動部分362はワッシャ型でもよいとともに本体312の外側または内側に配置されてもよい。アーム360は、回動部分362から放射方向外側に延びてもよいとともに接触部分326にて終了してもよい。アーム360は回動部分362よりも狭くてもよい。接触部分326はアーム360の長手方向軸線に対して外側に突出してもよい。レバー320は、レバー20、120、220に関して上述されたものを含む、代替的な形態を有してもよい。
【0042】
停止部340は、ハンドル本体312の表面上に配置されてもよいとともに係合部分を形成してもよい。本体312は上の本体12、112、212の特性のいずれかを有してもよい。停止部340はハンドル本体312の表面から放射方向外側に突出してもよい。停止部340は、レバー320の放射方向内側の表面に作用するような形状および大きさに形成され得る。図4Aに示すように、停止部340は円形または楕円形の一部である断面形状を有してもよい。停止部340はアーム360の一つの側に配置されてもよく、または、それを通るアーム360の通路を許容するように中に形成されたチャネルを含んでもよい。
【0043】
レバー320は、それが停止部340と整列されず、および/または停止部340に係合しない間、自由に移動し得る。接触部分326の内面等のレバー320の一部が停止部340の外面と整列し、および/またはそれに係合するとき、レバー320は停止部340に接触し、レバー320と停止部340との間に摩擦力をもたらし得る。
【0044】
レバー320と停止部340との間の摩擦力は、レバー320および/または停止部340の特性に依存し得る。例えば、レバー320の表面および停止部340の表面を形成するために使用される材料は、それらの間の摩擦力に影響を与え得る。レバー320および停止部340の表面処理もまた、レバー320と停止部340との間の摩擦力に影響を与え得る。例えば、レバー320および/または停止部340の粗さにより、レバー320と停止部340との間の摩擦力が増加し得る。停止部340(またはレバー320の表面)は、レバー320と停止部340との間の摩擦力を増加させるために、可撓性材料および/または圧縮性材料(ゴム等)を含んでもよい。
【0045】
レバー320と停止部340との間の摩擦力は、使用者が停止部340を越えてレバー320を手動で移動させることを許容しつつ、摩擦力によりレバー320と停止部340との間の固定効果を引き起こすことを可能にするように調整され得る。所望の摩擦力は、十二指腸内視鏡の特性(例えば、十二指腸内視鏡の軸への張力によって十二指腸内視鏡のエレベータへ付与される力)、使用者特性、処置の種類、またはその他の因子に依存し得る。レバー320と停止部340との間の摩擦力は、製造において確立されてもよく、または、使用者によって調節されてもよい。
【0046】
図3Aおよび図3Bは一つの停止部340を示すが、複数の停止部340が使用されてもよい。例えば、停止部340はエレベータの既定の形態(完全に上昇、完全に下降、部分的に上昇等)に対応する位置に設置され得る。停止部340は、レバー320の進行路の両端(レバー320が両方向に進行し得る範囲内)、またはレバー320の進行路の端と端との間に設置され得る。
【0047】
使用中に、使用者は、レバー320の一部が停止部340に係合していないとき、レバー320を自由に調節できる。レバー320の表面(例えば、接触部分326の表面)が停止部340に接触するとき、レバー320はレバー320と停止部340との間の摩擦力によって固定され得る。使用者は、レバー320がそのように固定されている間、エレベータから自由に指を離してもよい。使用者は、停止部340とレバー320との間の摩擦力に打ち勝つために十分な力を付与することによってレバー320を固定解除し得る。
【0048】
図4Cおよび図4Dは、別の典型的な固定機構300’を示す。固定機構300’は、固定機構300と同様に機能し得る。固定機構300’は、本明細書中に明記されることを除いて固定機構300の特性を有し得る。
【0049】
固定機構300は本体312の外面上に停止部340を含み得るが、停止部340’は本体312の内側の中に配置され得る。停止部340’は、本体312の中の任意の適切な構造物に固定されてもよい。
【0050】
回動部分362’もまた、本体312の中に配置され得る。回動部分362’の表面が時として停止部340’に係合するが、他の時には停止部340’に係合しないような形状に回動部分362’が形成され得ることを除いて、回動部分362’は回動部分362の特性のいずれかを有し得る。例えば、図4Dに示すように、回動部分362’は放射方向の大きさが変化する部分を有し得る。図4Dに示すように、回動部分362’は、回動部分362’の対応する部分を回動部分362’の残りの部分よりも小さい半径を有するようにする切欠き部分364すなわち凹部を有し得る。切欠き部分364が停止部340’と整列するとき(図4C)、レバー320は自由に移動可能であり得る。切欠き部分364が停止部340’と整列しないとき、回動部分362’は停止部340’に係合し、上述したようにブレーキとして役立つ摩擦力をもたらし得る。図4Cおよび図4Dに示すように、切欠き364は回動部分362’の外周の小さなサブセットを形成し得るため、回動部分362’の大部分は停止部340’に係合するように構成される。代替的に、切欠き364は回動部分362’の外周のより多くの割合を占めてもよい。回動部分362’は、停止部340’に係合しない複数の切欠き部分364、および停止部340’に係合する複数の部分を含んでもよい。
【0051】
上述の固定機構300に関する原理は、回動可能部分362’と停止部340’との間の摩擦力の調整に関するものを含み、固定機構300’にも適用される。使用中に、図4Cの第一形態では、停止部340’は切欠き364と整列し得、レバー320は自由に移動可能であり得る。切欠き364の両方向は、停止部340’に係合し得る回動部分362の表面である。切欠き364がもはや停止部340’と整列しない(図4D)ようにレバー320が回動されるとき、停止部340’は回動可能部分362’の表面に係合してレバー320を固定する摩擦力をもたらし得る。レバー320を固定解除するために、使用者はレバー320に摩擦力に打ち勝つための力を付与し得る。
【0052】
図5Aから図5Cは別の典型的な固定機構500を示す。固定機構500は、レバー20、120、220、320の特徴のいずれかを有し得る、レバー520等のアクチュエータを含んでもよい。レバー520は、レバー520を第一形態(図5Aおよび図5B)と第二形態(図5C)との間で移行させる作動アセンブリ580を含んでもよい。作動アセンブリ580はボタン582を含んでもよい。ボタン582は、レバー520の中心または他の部分を通って、またはレバー520の横を延びてもよい。
【0053】
図5Aおよび図5Bにおいて、ボタン582は押し下げられた位置に示される。図5Cは付勢されない中立の位置にあるボタン582を示し、ボタン582は押し下げられていない。バネ592はボタン582の軸584の周りに配置されて、図5Cの押し下げられていない位置へ向かってボタン582を付勢する。形状記憶材料等の、バネ592に代わる機構が使用されてボタン582を図5Cの形態に付勢してもよい。
【0054】
壁部分586および588は、少なくとも部分的に、軸584およびバネ592の周りに延び得る。例えば、壁部分586および588は、軸584を完全に周囲に囲む構造物(チューブ等)の一部でもよい。あるいは、壁部分586および588は、軸584を部分的にのみ囲む個別のピースでもよい。壁部分586および588は、真っ直ぐでも湾曲してもよい。
【0055】
壁部分588は可動部分590を含んでもよい。図5Aおよび図5Bの作動された形態において、ボタン582が押し下げられ、または作動されたとき、可動部分590は傾斜した縁を形成し得る。可動部分590は、壁部分588の放射方向内側(本体12、112、212、312の特性のいずれかを有し得る本体512の表面に向かう)の部分を形成し得る。作動された形態(図5Aおよび図5B)において、可動部分590は壁部分588の残りの部分に対して壁部分586に向かって角度付けられ得る。ボタン582が中立の未作動位置にある図5Cの形態では、可動部分590を含む壁部分588はほぼ真っ直ぐでもよく、可動部分590は壁部分588の残りの移動不可能部分とほぼ平行か、同軸上でもよい。壁部分588の真っ直ぐな形態において、可動部分590、および壁部分588の全体は、壁部分586にほぼ平行でもよい。真っ直ぐな壁部分588および壁部分586は、本体512の表面にほぼ垂直であり得る。図5Cの形態において、壁部分588および壁部分586は、本体512の表面に近接あるいは触れ合う放射方向内側の端を有し得る。可動部分590を作動させて壁部分588を図5Cのほぼ真っ直ぐな形態から図5Aおよび図5Bの角度付けられた形態へ移行させるために、ボタン582は、可動部分590に作動結合され得る。
【0056】
本体512の表面は空洞594を含み得る。空洞594は、任意の適切な形状を有してもよい。例えば、空洞594は四角形の側面または円形の断面を有してもよい。空洞594は、エレベータが上昇した位置にあるとき、レバー520の場所に対応した位置に配置され得る。ボディ596は空洞594の中に移動可能に配置され得、バネ598またはその他の付勢機構に連結され得る。ボディ596は係合部分を形成し得る。ボディ596は、例えば、ボールベアリングを含んでもよい。ボディ596は図5Aおよび図5Cの形態に付勢され得、ボディ596の少なくとも一部は本体512の表面の放射方向外側に延びる。
【0057】
レバー520が空洞594と整列しないとき(図5Aに示される)、レバー520は自由に移動可能でエレベータを上昇または下降し得る。使用者がレバー520を移動させてエレベータを作動させるとき、使用者はボタン582を押し下げて可動部分590に図5Aおよび図5Bの角度付けられた形態をとらせ得る。可動部分590が図5Bに示すような角度付けられた形態にあるとき、可動部分590の放射方向内側の縁はボディ596の上を移動し得るとともに、ボディ596に放射方向内側の力を付与して空洞594の中へボディ596を押し得る。エレベータは、レバー520が図5Bの形態にあるときに、上昇した位置にあってもよい。
【0058】
エレベータが上昇されたとき(または別の、図5Bおよび図5Cの形態にあるレバー520の位置に対応する固定可能位置にあるとき)、使用者はレバー520およびボタン582を解放してもよい。ボタン582が解放されたとき、可動部分590は、可動部分590が壁部分588の残りの部分に対してほぼ真っ直ぐである図5Cに示される形態に移行され得る。可動部分590は、壁部分586から離れるように揺動して図5Cの形態に移行し得る。可動部分590はもはやボディ596に力を付与しなくてもよいため、バネ598は中立の形態をとってもよく、ボディ596は図5Cの形態へ放射方向外側へ移動してもよい。ボディ596は、壁部分586および588の放射方向内側の端の放射方向外側に配置され得る。図5Cの形態において、ボディ596は、ボディ596が第一方向(図5Aから図5Cにおける左側へ)または第二方向(図5Aから図5Cにおける右側へ)のいずれか一方に移動することを抑制し得る。ボディ596およびバネ598の特性(例えば、ボディ596の質量または体積、またはバネ598の剛性)により、図5Cの形態において、レバー520が移動することを抑制するために、ボディ596に十分な復元力が引き起こされ得る。従って、図5Cの形態において、レバー520は固定された形態にあり得る。
【0059】
レバー520を固定解除するために、ボタン582が押し下げられてレバー520を図5Bの形態へ移行させ得る。可動部分590は、ボディ594に放射方向内側の力を付与して空洞594の中へボディ596を押し、それによってレバー520の第一方向および第二方向への移動を許容し得る。
【0060】
図5Aから図5Cは壁部分588の可動部分を示し、壁部分586の可動部分は示さないが、壁部分586もまた、壁部分588に向かって角度付けられた形態と可動部分が壁部分586の残りの部分に対してほぼ真っ直ぐである形態との間で移行され得る可動部分を含んでもよいことが理解されるであろう。このような追加の可動部分により、中にボディ596を有する複数の空洞594を介した複数の固定位置の使用が容易になり得る。
【0061】
図6Aおよび図6Bは、別の典型的な固定機構600を示す。固定機構600は、レバー620等のアクチュエータ(レバー20、120、220、320、520の特徴のいずれかを有する)および本体612(本体12、112、212、312、512の特徴のいずれかを有する)を有してもよい。レバー520は枢動点の周りを第一方向および第二方向(図6Aおよび図6Bにおける上および下)に移動可能であり、エレベータを上昇または下降させ得る。
【0062】
本体612は、その表面上に形成された特徴640を含んでもよい。例えば、特徴640は、突起、チャネル、ノッチ、および/またはその他の構造物を含み得る。レバー620は、その放射方向内側の表面上に相補的な構造物(図示なし)を有し得る。例えば、レバー620は、特徴640のチャネルに係合するように構成された突起、または特徴640の突起に係合するように構成された凹部を含み得る。図6Aは一つの特徴640を示すが、複数の特徴が本体612の表面上に配置されてもよいことが理解されるであろう。
【0063】
図6Aの形態において、レバー620は第一方向および第二方向に移動可能であってエレベータを作動し得る。レバー620はまた、第一方向および第二方向にほぼ垂直な第三方向(図6Aおよび図6Bにおける左側)へ移動可能であってもよい。レバー620が特徴640と整列し、レバー620が図6Bに示される形態へ第三方向に移動されるとき、レバー620は、特徴640に係合して特徴640が配置された第一/第二方向に沿った位置にレバー620を保持し得る。特徴640はそのように、レバー620を固定するのに役立ち、レバー620の回動およびそれによって制御されるエレベータの移動を抑制し得る。レバー620を固定解除するために、レバー620は第四方向(右側)へ移動され得る。
【0064】
特徴640は、エレベータの固定が所望された、表面612の上の位置に存在し得る。例えば、特徴640は、エレベータが上昇した形態、下降した形態、または部分的に上昇した形態にあるレバー620の位置に対応する、第一方向/第二方向に沿った位置に配置され得る。
【0065】
本開示の原理は特定の応用のための説明的な例を参照して本明細書中に記述されたが、本開示はそれらに限定されないことを理解されたい。当業者は、さらなる修正、応用、および同等品の代用が全て本明細書中に記述された例の範囲以内にあることを認識するであろう。従って、本発明は、先の記述によって制限されるとみなされるものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
【国際調査報告】