IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニング インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-5208773次元真空成形機能を有する多用途ガラス成形コンベア
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-22
(54)【発明の名称】3次元真空成形機能を有する多用途ガラス成形コンベア
(51)【国際特許分類】
   C03B 35/18 20060101AFI20230515BHJP
   C03B 33/033 20060101ALI20230515BHJP
   C03B 33/09 20060101ALI20230515BHJP
   C03B 13/04 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
C03B35/18
C03B33/033
C03B33/09
C03B13/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559977
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 US2021024871
(87)【国際公開番号】W WO2021202519
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】63/003,037
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/119,261
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ブレスラー,ダグラス デール
(72)【発明者】
【氏名】デネカ,デイヴィッド アラン
(72)【発明者】
【氏名】ロック,ウィリアム エドワード
(72)【発明者】
【氏名】マコーマック,フィリップ リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ソナー,トーマス マシュー
【テーマコード(参考)】
4G015
【Fターム(参考)】
4G015FA03
4G015FA06
4G015FB02
4G015FC02
4G015FC05
4G015GA00
(57)【要約】
本開示は、種々の態様の方法及びシステムを提供するものであり、詳細には、高温の柔軟なガラス含有リボンを、順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、挟圧ローラをガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、該挟圧ローラの挟圧エッジと金型の表面との間でガラスリボンに挟圧を加えて、ガラスリボンに少なくとも1つの挟圧領域を形成するステップと、ガラスリボンを冷却して、挟圧領域に沿ってガラスリボンを分離して複数の個別のガラス部品に分けるステップと、を含む方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の柔軟なガラス含有リボンを、順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、
挟圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、該挟圧ローラの挟圧エッジと前記金型の表面との間で前記ガラスリボンに挟圧を加えて、前記ガラスリボンに少なくとも1つの挟圧領域を形成するステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、前記挟圧領域に沿って前記ガラスリボンを分離して複数の個別のガラス部品に分けるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記個別のガラス部品の外周縁が前記挟圧領域によって画定され、任意選択的に、前記挟圧領域と前記ガラスリボンの少なくとも1つの縁との組み合わせによって画定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
高温の柔軟なガラス含有リボンを、3次元表面パターンを備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、
加圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、前記ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、前記金型の前記3次元表面と前記加圧ローラとの間で前記ガラスリボンをプレスするステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成されたガラスリボンを形成するステップと、
を含む方法。
【請求項4】
前記ガラスリボンを複数の個別の部品に成形するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記成形するステップが、レーザ加工、割線縁割り、機械加工、選択的アブレーション、化学的アブレーション、及び/又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
加工時に挟圧ローラを用いて前記リボン材料に挟圧領域を画定するステップをさらに含む、請求項3~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
高温の柔軟なガラス含有リボンを、順次搬送される複数の金型に沿って前記ガラスリボンが均一な厚さを有するように沈着させるステップと、
3次元パターンを形成した表面を有する加圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、前記ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、前記金型の3次元表面と前記加圧ローラの前記3次元表面パターンとの間で前記ガラスリボンをプレスするステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成されたガラスリボンを形成するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
高温の柔軟なガラス含有リボンを、第1の3次元表面パターンを備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、
第2の3次元パターンを形成した表面を有する加圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、前記ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、前記金型の前記第1の3次元表面パターンと前記加圧ローラの前記第2の3次元表面パターンとの間で前記ガラスリボンをプレスし、前記第1の3次元表面パターンを前記ガラスリボンの第1の表面に付与し、前記第2の3次元表面パターンを前記ガラスリボンの第2の表面に付与するステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成された、断面肉厚を有するガラス部品を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
高温の柔軟なガラス含有リボンを、3次元部品形状を有する金型表面と真空係合部とをそれぞれ備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、
前記真空係合部を介して、前記ガラスリボンと前記金型表面との間に画成された空洞に負圧をかけることにより、前記ガラスリボンを前記3次元部品形状の前記表面に合わせて成形するステップと、
加圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、前記加圧ローラで前記ガラスリボンを前記金型に向かって係合させるステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、断面肉厚を有する3次元ガラス部品を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
個別のガラス部品の外周縁が挟圧領域によって画定され、任意選択的に、前記挟圧領域と前記ガラスリボンの少なくとも1つの縁との組み合わせによって画定される、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年3月31日を出願日とする米国仮特許出願第63/003037号及び2020年11月30日を出願日とする同第63/119261号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、この仮出願のすべての開示内容は、参照することによって本明細書の一部をなすものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広義には、薄い(例えば、約1mm未満)の断面板厚や、特殊な形状、表面パターンを有するガラス、ガラスセラミック、又はセラミック製の部品を、高い生産性で大量生産するシステム及び方法に関する。より詳細には、本開示は、溶融したガラス含有材料(例えば、ガラス、ガラスセラミック、及び/又はセラミック材料)を特殊な構成で加工することにより、優位性のある、カスタムメードの、及び/又は特殊形状の部品を(すなわち、最終部品に近い形状(near net shape)及び/又は最小限の追加処理のみで最終部品形状とすることができる形状で)大量生産するコンベア構成とこれに関連する方法の種々の実施形態に関する。
【背景技術】
【0003】
特殊な形状のガラス部品を高い生産性で製造することが非常に望まれている。個別の部品単位での切断加工やプレス加工の技術はいくつかあるが、これらの方法は、製造部品に不均一性が生じる恐れがある上、断面が薄肉の部品には対応できるものではなかった。
【発明の概要】
【0004】
本開示の1つ以上の実施形態において、本システムは、他の成形技術では実現できないカスタムメードの(例えば、薄肉で、均一な断面厚を有し、複雑な表面パターン及び/又は複雑な形状を有する)ガラス、ガラスセラミック、及び/又はセラミック製品を製造するように構成される。本システムによる1つ以上の製品は、特殊な及び/又はカスタムメードの特徴を備えて構成されるものである。そのような特徴としては、複雑な3次元の幾何学的形状、質感のある表面、個別の2次元形状、及び/又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0005】
一実施形態では、リボンは、単板のガラス、セラミック、又はガラスセラミックである。一実施形態では、リボンは複層板である。
【0006】
一実施形態では、製品特性の例として、製品厚さ(断面厚)が1mm未満であること、製品肉厚(断面厚)が1mm~3mmであること、側部と底部(製品形態の縁や壁)の間のコーナー半径が小さい(例えば、1.5mmである)こと、1mmの肉厚(断面厚)を有する1インチ(約25.4mm)超の深さの3次元形状であること、薄肉(1mm厚未満)の板厚で構成されかつ3度~7度の範囲の急勾配の側壁を持つ3次元の製品であること、が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、本開示により製造した製品は、アニール処理が不要である。いくつかの実施形態では、本開示により製造した製品は、溶融材料の塊からプレス製造した部品にチルしわ状の表面特徴やせん断疵が生じていない。
【0007】
製品の例としては、特に、表面質感のある屋根瓦、家電製品の外形、有孔ガラス板(防音板)、3次元形状製品、カトラリー、食器類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0008】
一実施形態では、ガラス、セラミック、又はガラスセラミックを含有する溶融材料を、少なくとも1対の成形・定寸ローラを備えるガラス成形・定寸アセンブリに送達するステップと、少なくとも1対の成形・定寸ローラにより溶融ガラスを加工して、幅と厚さとを有するガラスリボンを形成するステップと、1対の挟圧ローラによりガラスリボンの断面厚さに、局所的に断面厚さを薄くした領域として定義される少なくとも1つの挟圧領域を付与して、挟圧加工入りガラスリボンを作製するステップと、(コンベア又はエアベントによって)挟圧加工入りガラスリボンを、間隔をあけて順次並べられた複数の金型表面に送るステップと、間隔をあけて順次並べられた金型表面上に置かれた挟圧加工入りガラスリボン上で加圧ローラを転動させて、挟圧加工入りガラスリボンに特性を付与してガラスリボン製品を形成するステップと、ガラスリボン製品を冷却することにより挟圧領域に沿って分離して、それぞれが上述の付与された特性を有する複数の個別のガラス部品に分けるステップと、を含む方法を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、本方法において、1対の挟圧ローラが、第1のローラと第2のローラとで構成され、第1のローラが、挟圧部(挟圧エッジ又は挟圧隆起部)を備えて構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法において、1対の挟圧ローラが、第1のローラと第2のローラとで構成され、第1のローラが、挟圧部(挟圧エッジ又は挟圧隆起部)を備えて構成され、第2のローラが、挟圧部(挟圧エッジ又は挟圧隆起部)を備えて構成され、第1のローラの第1の挟圧部と第2のローラの第2の挟圧部は噛み合い係合して、ガラスリボンに挟圧領域を形成するよう構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法において、特性を付与するステップが、(第1のローラ表面上の第1のパターン及び/又は第2のローラ表面上の第2のパターンによって)ガラスリボンの第1の主面及びガラスリボンの第2の主面の少なくとも一方に表面質感を付与するステップをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、ガラス取り外しアセンブリによってガラスリボン製品及び/又は個別のガラス部品の第2の面に加圧空気を作用させて、挟圧領域に沿って部品が分離及び/又は離間するのを支援するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ガラス取り外しアセンブリによってガラスリボン製品及び/又は個別のガラス部品の第2の面にガスを吹き付けて、挟圧領域に沿って部品が分離及び/又は離間するのを支援するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ガラス取り外しアセンブリによってガラスリボン製品及び/又は個別のガラス部品の第2の面にガス流を(例えば、連続流で)送って、挟圧領域に沿って部品が分離及び/又は離間するのを支援するステップをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、挟圧領域が部品の外周を画定し、場合によっては(リボンの縁には挟圧を加えられない場合に)リボンの縁と組み合わせて、部品の外周を画定する。
【0014】
いくつかの実施形態において、挟圧領域は、個別の各ガラス部品の横断方向の分離を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、挟圧領域は、個別の各ガラス部品の縦方向の分離を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、挟圧領域は、個別の各ガラス部品の横断方向の分離と縦方向の分離を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、挟圧領域は、不連続な縁部分(ガラス屑)からのガラス部品の縦方向の分離(強度の高い綺麗な縁の形成)を含む。いくつかの実施形態では、挟圧領域をファイアポリッシュで研磨することにより、個別のガラス製品に強度の高い綺麗な縁を形成することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、2次元の非対称な縁部構造、2次元の幾何学的な外周縁部構造、2次元の非正形(非同心状)の縁部構造、少なくとも1つの特性(例えば、平坦さ、質感、パターン)、及び/又はその組み合わせのうちの少なくとも1つを有する部品を提供するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、間隔をあけて順次並べられた複数の金型はそれぞれ、金型表面と、金型キャリアボックスと、コンベアベルトに対して着脱可能に取り付けられる機械的係合と、を有する金型で構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、コンベアが、複数の金型及び金型キャリアボックスと連通する真空ボックスを備え、真空ボックスと金型キャリアと金型が、アセンブリを真空に引くように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数の真空装備金型に真空をかけることにより、挟圧加工入りガラスリボンを各金型の表面に合わせて変形させるステップを含む。
【0022】
リボン材料(ribbon material)は、例えば、長さが幅よりも長いことを意味するが、これに限定されるものではない。本明細書ではリボン(ribbon)という用語を用いているが、本開示の1つ以上の実施形態に係る加工は、板状の部材(sheet)に対しても(すなわち、長さ及び断面厚さがリボンと同様で幅がリボンよりも大きい場合など、リボンよりも大きな断面積を有する板状の部材に対しても)同様に実施できることを理解されたい。
【0023】
本明細書において、挟圧(pinch)とは、リボン材料の断面厚さを所定量だけ薄くすることを意味する。本明細書に記載するように、リボン断面厚さ(例えば、平均断面厚さ)が1mmである場合に、挟圧領域は、0.25mm以上0.51mm以下の範囲から選択される平均厚さを有する。例えば、これに限定されるものではないが、挟圧領域の断面厚さは、リボン材料の断面厚さの25%以上75%以下の範囲まで薄肉化される。例えば、これに限定されるものではないが、挟圧領域の断面厚さは、リボン材料の断面厚さの30%以上70%以下の範囲まで薄肉化される。例えば、これに限定されるものではないが、挟圧領域の断面厚さは、リボン材料の断面厚さの40%以上75%以下の範囲まで薄肉化される。
【0024】
本明細書において、「均一(uniform)」とは、断面厚さが概ね一定であることを意味し、断面厚さが所定の範囲(ばらつき)の範囲内であることを意味する。例えば、断面厚さが1mmである場合の均一な断面厚さとは、1mmの約10%以内、1mmの約5%以内、1mmの約3%以内、1mmの約1%以内、1mmの約0.5%以内であることとすることができる。
【0025】
一実施形態では、高温の柔軟なガラス含有リボン(例えば、タフィーのような粘度(taffy-like consistency))を、順次搬送される複数の金型に沿って、ガラスリボンが1mm以下の均一な厚さを有するように沈着させるステップと、挟圧ローラをガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、該挟圧ローラの挟圧エッジと金型の表面との間でガラスリボンに挟圧を加えて、ガラスリボンに少なくとも1つの挟圧領域を形成するステップと、ガラスリボンを冷却して(例えば、これにより、挟圧領域とこれに隣接する挟圧領域との間に圧縮応力が発生することにより)、挟圧領域に沿ってガラスリボンを分離して複数の個別のガラス部品に分けるステップと、を含む方法を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、個別のガラス部品の外周縁が挟圧領域によって画定され、任意選択的に、挟圧領域とガラスリボンの少なくとも1つの縁との組み合わせによって画定される。
【0027】
一実施形態では、高温の柔軟なガラス含有リボンを、3次元表面パターンを備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って、ガラスリボンが1mm以下の均一な厚さを有するように沈着させるステップと、加圧ローラをガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、金型の3次元表面と加圧ローラとの間でガラスリボンをプレスするステップと、ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成されたガラスリボンを形成するステップと、を含む方法を提供する。
【0028】
一実施形態では、本方法は、レーザ加工、割線縁割り(score edge break)、機械加工、選択的アブレーション、化学的アブレーション、及び/又はそれらの組み合わせによって)ガラスリボンを個別の部品に切断するステップを含む。
【0029】
一実施形態では、本方法は、加工時に挟圧ローラを用いてリボン材料に挟圧領域を画定するステップをさらに含む。
【0030】
一実施形態では、高温の柔軟なガラス含有リボンを、順次搬送される複数の金型に沿って、ガラスリボンが1mm以下の均一な厚さを有するように沈着させるステップと、3次元パターンを形成した表面を有する加圧ローラをガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、金型の3次元表面と加圧ローラの3次元表面パターンとの間でガラスリボンをプレスするステップと、ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成されたガラスリボンを形成するステップと、を含む方法を提供する。
【0031】
一実施形態では、高温の柔軟なガラス含有リボンを、第1の3次元表面パターンを備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って、ガラスリボンが1mm以下の均一な厚さを有するように沈着させるステップと、第2の3次元パターンを形成した表面を有する加圧ローラをガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、金型の第1の3次元表面パターンと加圧ローラの第2の3次元表面パターンとの間でガラスリボンをプレスし、第1の3次元表面パターンをガラスリボンの第1の表面に付与し、第2の3次元表面パターンをガラスリボンの第2の表面に付与するステップと、ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成された、1mm以下の断面肉厚を有するガラス部品を形成するステップと、を含む方法を提供する。
【0032】
一実施形態では、高温の柔軟なガラス含有リボン(例えば、タフィーのような粘度)を、3次元部品形状を有する金型表面と真空係合部とをそれぞれ備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って、ガラスリボンが1mm以下の均一な厚さを有するように沈着させるステップと、真空係合部を介して、ガラスリボンと金型表面との間に画成された空洞に負圧をかけることにより、ガラスリボンを3次元部品形状の表面に合わせて成形するステップと、加圧ローラをガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、加圧ローラでガラスリボンを金型に向かって係合させる(例えば、リボンの外縁を金型の外縁に向かって係合させて、ガラスリボンを金型表面パターンに合わせて真空成形できるようにする)ステップと、ガラスリボンを冷却して、1mm以下の断面肉厚を有する3次元ガラス部品を形成するステップと、を含む方法を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態では、個別のガラス部品の外周縁が挟圧領域によって画定され、任意選択的に、挟圧領域とガラスリボンの少なくとも1つの縁との組み合わせによって画定される。
【0034】
いくつかの実施形態では、溶融ガラスの送達は、坩堝による送達、(例えば、連続式タンク又はバッチ式タンクからの)丸管を介した送達、又は、尾びれ状に広がる開口部(orifice、slot)からの送達として遂行することができる。いくつかの実施形態では、開口部(slot)からの送達により次々と連続的に単板ガラス又は複層ガラス板を供給して、薄板成形ローラの上部において両エッジの端から端まで均一にガラスが溜まるように構成することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、坩堝は、(例えば、シート幅を制御するために任意選択的にダムを使用するなどにより)3~5ポンド(約1,361~2,268g)の溶融ガラスを送達するように構成されている。本実施形態では、製造対象の製品形態において所望とされる大きさや厚さに応じて、複数の型穴(例えば、10~30個)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ダムの有無にかかわらず、丸管を介した送達により、ローラの上部に、所望の粘度(例えば、500ポアズ以上3000ポアズ以下)でガラスを送達するように構成されている。管から送達されたガラスは、中央の管出口から外側に向かって流れ出てガラス溜まりを形成する。このガラス溜まりの幅は、適切なガラス送達流量(例えば、ポンド/時間)並びに適切なローラ間隔(ミリメートル)及び適切なプロセス速度(例えば、インチ/秒)を選択することにより、所望の幅に設定することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、制御システムを利用して、システム及びコンポーネントの1つ以上の特徴を設定(制御、調整)する。そのような特徴として、特に、流量制御、空気流の圧力(正圧又は負圧(真空))、流量制御(ローラ)冷却液、冷却液の流量、(エアベント(エアターン)用の)空気流量、コレット、ローラとコンベア速度の同期、及び/又はローラ圧下速度、並びにそれらの組合せ、が挙げられる。
【0037】
いくつかの実施形態では、リボン沈着システムは、溶融材料から高温の柔軟な平坦薄板(例えば、タフィー状のもの)を作製し、それをコンベアに送達するように構成されている。リボン沈着(リボン加工)システムは、少なくとも1対のローラ、2対のローラ、3対のローラ、又はそれ以上のローラを備える。いくつかの実施形態では、圧延機械搬送システムで使用するローラの種類としては、平滑面ステンレス鋼ローラ(輪郭線はあってもなくてもよい)、セラミックコーティングを施したローラ(例えば、低熱伝導率となるように構成したもの)、表面質感のあるローラ、模様彫りを施したローラ(例えば、3次元の深浮き彫りを有するもの)、薄肉化挟圧ローラ(例えば、薄板の分離や個別部品の外周成形のための凸状挟圧エッジを備えて構成したもの)、3次元の凹部を有するローラ、特別な構成を有するローラ(例えば、板表面を穿孔するためのピンローラ)、金属ローラ(例えば、インコネル、ニッケル特殊合金、高温組成ローラ)、セラミックコーティングを施した材料(例えば、鏡面仕上げに研磨した高密度酸化クロム)が挙げられる。限定を意図するものではないが、セラミックコーティングを施したローラの例として、ジルコニア、クロミアアルミナ(例えば、プラズマ溶射クロミアアルミナ)及びこれらの組成物の複層コーティングが挙げられる。
【0038】
いくつかの実施形態では、コンベア上に設けられる加圧(押下)ローラは、モータ(例えばサーボモータ)によって駆動されるように構成されている。加圧(押下)ローラは、平滑面ローラ、質感表面ローラ、挟圧ローラ、質感表面を有する挟圧ローラ、及びそれらの組み合わせとして構成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、コンベアはローラチェーンを備えている。ローラチェーンは、チェーンの長さを長くしたり、コンベアの側部の長さを変化させたりすることによってコンベア長を変更することができる。いくつかの実施形態では、コンベア幅は、コンベアの両側部を離間させるスペーサの長さ変更や、スプロケットシャフトの長さ変更、並びに、金型、金型キャリア、及び/又は加圧ローラサブアセンブリの幅変更、のうちの少なくともいずれかによって変更することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、コンベアは、コンベアの長さに沿って複数の金型を(例えば、順次、連続して)保持するように構成された金型キャリア(金型チェーン)を含んでいる。
【0041】
いくつかの実施形態では、金型は、平坦な上面、表面質感のある3次元上面を有する平坦な金型、3次元形状(例えば、基準面より高い雄型形状又は基準面より低い雌型空洞、複雑な形状)を有する真空成形金型、模様彫りや質感を有する(1つ以上の)表面を有する3次元形状、その外周に沿って挟圧エッジを設けた3次元型穴、各金型キャリアの一端に沿って挟圧エッジを設けた金型、及び/又はそれらの組合せとして構成することができる。
【0042】
一実施形態では、金型は、鋳造セラミック金型(例えば、超低熱伝導率を有するように構成したもの)とすることができる。一実施形態では、金型は、高温のガラスを入れても室温で使用できるように構成されている。一実施形態では、金型は、空冷用(冷却)空気又は液冷用(冷却)液を備えて構成される。
【0043】
金型材料の例として、特に、鋳造用セラミック(castable ceramic)、室温硬化型シリカセラミック(例えば、コトロニクス社(Cotronics Corporation)のRescor(登録商標)750)、ステンレス鋼、鋳鉄、酸化クロムコーティングを施したIncramet800が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
いくつかの実施形態では、挟圧領域は、リボン材料がコンベア上を流れる(そして、それに伴い、温度が下がり続ける)間に自動的に分離するように構成されている。例えば、加工済のガラスリボン(又はセラミックリボン、又はガラスセラミックリボン)がコンベア上を流れて温度が下がり続ける間に、製品となる肉厚ガラス部分と薄肉挟圧位置の肉薄ガラス部分との間の温度差によって挟圧領域に沿って熱応力が生じ、リボン材料がコンベアの終端に達する前に、挟圧領域に沿って自動的に分離して、リボン材料が個別の部品(parts、components)に成形される。
【0045】
本明細書に記載の1つ以上の実施形態を使用して、複雑な形状の製品を3次元成形することにより、30インチ(約76.2cm)/秒という高い処理速度を達成できることが実証されている。この処理速度は、長さ5インチ(約12.7cm)の製品(例えば、携帯電話の背面)の場合であれば、毎秒5個を上回る生産速度に相当する。毎秒5個は、毎分300個、1時間当たり18,000個、1日24時間当たり432,000個、1年365日当たり157,680,000個に相当する。歩留まり率を低めの64%で見積もっても、1台の機械システムで年間1億個超の良品の部品を生産できることになる。
【0046】
いくつかの実施形態では、低粘度ガラス(送達時50~100ポアズ)をリボン材料に成形している。
【0047】
いくつかの実施形態では、(100~10,000ポアズの粘度範囲の)高温ガラス板を真空成形することにより、高温ガラス板を真空型穴に完全に引き込んで金型の表面形状(例えば、微細な形状)を正確に複製することができる。
【0048】
以下の詳細な説明において、さらなる特徴及び利点を記載する。下記のさらなる特徴及び利点は、当業者であれば、その説明からただちに理解するであろうし、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって理解するであろう。
【0049】
上述の概略的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも、例示的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載の本開示の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図するものであることを理解されたい。
【0050】
添付の図面は、本開示の原理のさらなる理解のために添付するものであり、本明細書に組み込まれ、その一部をなすものとする。図面は、1つ以上の実施形態を例示的に示すものであり、以下の詳細な説明と併せて、本開示の原理及び作用を例示的に説明するためのものである。本明細書及び図面に開示する本開示の種々の特徴は、ありとあらゆる組み合わせで用いることができることを理解されたい。限定を意図するものではないが、例えば、以下の態様にしたがって、本開示の様々な特徴を互いに組み合わすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1A】本開示の1つ以上の態様に係るガラス加工コンベアの一実施形態を示す模式図
図1B】本開示の1つ以上の態様に係るガラス加工コンベアの一実施形態を示す模式図
図2】本開示の1つ以上の態様に係るガラス加工コンベアの一実施形態を示す模式図
図3】本開示の1つ以上の態様に係るガラス加工コンベアの一実施形態を示す模式図
図4】本開示の1つ以上の態様に係るガラス加工コンベアの一実施形態を示す模式図
図5】本開示の1つ以上の態様に係るガラス加工コンベアの一実施形態を示す模式図
図6】本開示の1つ以上の態様に係るシステムの一態様を示す図
図7図6に示すガラス加工システム及びコンベアシステムの部分拡大図
図8A】本開示の1つ以上の態様に係る、挟圧エッジを有する挟圧ローラの一実施形態を示す図;いくつかの実施形態では、図8A図8Cの挟圧ローラのうちのいずれかが、ガラス加工アセンブリの挟圧ローラに設けられる;いくつかの実施形態では、図8A図8Cの挟圧ローラのうちのいずれかが、コンベアシステム内の加圧ローラに設けられる;図8Aを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態に係る、複雑なパターンの(例えば、非円形、非定型、及び/又は非対称の)外周として構成される挟圧エッジを有する挟圧ローラが図示されている
図8B】本開示の1つ以上の態様に係る、挟圧エッジを有する挟圧ローラの一実施形態を示す図;いくつかの実施形態では、図8A図8Cの挟圧ローラのうちのいずれかが、ガラス加工アセンブリの挟圧ローラに設けられる;いくつかの実施形態では、図8A図8Cの挟圧ローラのうちのいずれかが、コンベアシステム内の加圧ローラに設けられる;図8Bを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態に係る、円形の外周として構成される挟圧エッジを有する挟圧ローラが図示されている
図8C】本開示の1つ以上の態様に係る、挟圧エッジを有する挟圧ローラの一実施形態を示す図;いくつかの実施形態では、図8A図8Cの挟圧ローラのうちのいずれかが、ガラス加工アセンブリの挟圧ローラに設けられる;いくつかの実施形態では、図8A図8Cの挟圧ローラのうちのいずれかが、コンベアシステム内の加圧ローラに設けられる;図8Cを参照すると、本開示の1つ以上の態様に係る、ダブルY字型に構成される挟圧エッジを有する挟圧ローラが図示されている;例えば、これに限定されるものではないが、このダブルY字型のエッジをリボン材料に用いる場合、ダブルY字型のエッジは、2つの別個の部品の間の境界を画定するとともに、部品の角に沿って襟の付いたエッジ(collared-edge)(例えば、角取り)を付けるように構成される
図9A】本開示の1つ以上の実施形態に係るガラス加工システムの挟圧ローラを示す模式図;図9Aに示すように、2つのローラのうちの一方のローラが挟圧エッジを備えて構成されており、これにより、リボン材料が挟圧ローラの間を移動する際に、リボン材料に挟圧領域が画定される
図9B】本開示の1つ以上の実施形態に係るガラス加工システムの挟圧ローラを示す模式図;図9Bに示すように、各ローラが挟圧エッジを備えて(各挟圧エッジがそれぞれ、互いの位置に対応するように)構成されており、これにより、リボン材料が挟圧ローラの間を移動する際に、2つの挟圧エッジが対応する近接位置で噛み合い係合することにより、リボン材料に挟圧領域が画定される
図10A】本開示の種々の態様に係るリボン材料の一実施形態を示す模式上面図
図10B】本開示の1つ以上の態様に係るリボン材料を示す模式側面図
図11A】本開示の種々の態様に係る、コンベアシステムに配置した状態のリボン材料の一実施形態を示す模式側面図
図11B】本開示の種々の態様に係る、各金型アセンブリが挟圧エッジを備えて構成されるコンベアシステムに配置した状態のリボン材料の一実施形態を示す模式側面図
図12A】本開示の1つ以上の態様に係る、ガラス加工システムの挟圧ローラ及び/又はコンベアシステムの加圧ローラで利用することができる挟圧ローラを示す模式図
図12B】本開示の1つ以上の態様に係る、ガラス加工システムの挟圧ローラ及び/又はコンベアシステムの加圧ローラで利用することができる挟圧ローラを示す模式図
図12C】本開示の1つ以上の態様に係る、ガラス加工システムの挟圧ローラ及び/又はコンベアシステムの加圧ローラで利用することができる挟圧ローラを示す模式図
図12D】本開示の1つ以上の態様に係る、ガラス加工システムの挟圧ローラ及び/又はコンベアシステムの加圧ローラで利用することができる挟圧ローラを示す模式図
図12E】本開示の1つ以上の態様に係る、ガラス加工システムの挟圧ローラ及び/又はコンベアシステムの加圧ローラで利用することができる挟圧ローラを示す模式図
図13】本開示の1つ以上の実施形態に係る、真空ポートと、金型アセンブリの下側に構成された真空ボックスと、コンベアの端部に構成された押し上げ部材とを示す、コンベアアセンブリの模式側断面図
図14】本開示の1つ以上の態様に係る、平坦面を持つ複数の金型アセンブリを有するコンベアアセンブリの一実施形態を示す斜視上面図
図15】本開示の1つ以上の態様に係る、複雑な3次元形状とこれに対応する真空成形構成とを備える複数の金型アセンブリを有するコンベアアセンブリの一実施形態を示す斜視上面図
図16A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図14に示すコンベアシステムで用いる金型アセンブリの拡大斜視上面図であり、平坦面を有する金型を示す図
図16B】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図15に示すコンベアシステムで用いる金型アセンブリの拡大斜視上面図であり、3次元形状の表面を有する金型を示す図
図16C】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図18に示すコンベアシステムで用いる金型アセンブリの拡大斜視上面図であり、3次元形状の表面を有する金型を示す図
図17】本開示の1つ以上の態様に係る、複雑な3次元形状とこれに対応する真空成形構成と、さらにこれらに組み合わせて、(例えば、真空で形成した3次元部品の周囲に挟圧領域を画定するための)金型アセンブリの挟圧エッジと、を備える複数の金型アセンブリを有するコンベアアセンブリの一実施形態を示す斜視上面図;いくつかの実施形態では、ローラの挟圧エッジは、金型外周のトリムエッジと同期可能に(これらの挟圧エッジとトリムエッジとが作動タイミングを合わせて協働してガラスリボンに挟圧部を形成するように)構成されている
図18A】本開示の1つ以上の態様に係るリボン材料から製造することが可能な複雑な3次元部品の種々の実施形態を示す図であり、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品の一実施形態を示す上面図(図18Aの上側)及び側面図(図18Aの下側);図18Aには、カトラリー(例えばスープスプーン)として構成された製品を示している
図18B】本開示の1つ以上の態様に係るリボン材料から製造することが可能な複雑な3次元部品の種々の実施形態を示す図であり、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品の一実施形態を示す上面図;図18Bには、不均一な縁(例えば、波形の縁)を有する円形の皿として構成された製品を示している
図18C】本開示の1つ以上の態様に係るリボン材料から製造することが可能な複雑な3次元部品の種々の実施形態を示す図であり、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品の一実施形態を示す上面図;図18Cには、不均一な縁(例えば、対応する外周縁)を有する対称的な非円形の皿として構成された製品を示している
図18D】本開示の1つ以上の態様に係るリボン材料から製造することが可能な複雑な3次元部品の種々の実施形態を示す図であり、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品の一実施形態を示す上面図;図18Dには、不均一な縁(例えば、対応する外周縁)を有する幾何学的形状(長方形)の皿として構成された製品を示している
図18E】本開示の1つ以上の態様に係るリボン材料から製造することが可能な複雑な3次元部品の種々の実施形態を示す図であり、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品の一実施形態を示す斜視上面図;図18Eには、不均一な高さ(例えば、波形の壁又は畝状の壁)を持つ隆起縁(壁)を有する対称的な幾何学的形状(楕円形)に構成された製品を示している
図19】本開示の1つ以上の実施形態に係るコンベアシステムの一実施形態を示す模式的斜視上面図
図20】本開示の1つ以上の実施形態に係るコンベアシステムの一実施形態を示す模式的斜視上面図
図21】本開示の1つ以上の実施形態にしたがって製造した様々な態様の製品の形状を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下の詳細な説明では、本開示の種々の原理を完全に理解してもらうために特定の詳細を開示する例示的な実施形態を示す。なお、これら実施形態は、説明を目的としたものであり、限定を目的とするものではない。本明細書に開示される特定の詳細から逸脱した他の実施形態でも本開示を実施し得ることは、本開示の利益を得ることになった当業者であれば明らかであろう。さらに、本開示の種々の原理の説明を不明瞭とすることがないよう、周知の装置、方法、および材料については、説明を省略する場合がある。また、同様の要素については、可能な限り同様の参照番号で示す。
【0053】
図1Aは、コンベアシステム100の一実施形態を示す模式図である。本開示の1つ以上の実施形態によれば、図1Aに示すコンベアシステム100は、部品24への加工用のコンベアにリボン材料を供給するための、任意選択的な上流側加工コンポーネントを有している。任意選択的なガラス加工システム40は、溶融材料送達装置60と、1対の成形ローラ212及び1対の定寸(sizing)ローラ218を設ける薄リボン沈着装置200と、リボン材料を下流側のコンベアシステム100に導くエアターン240と、を含む送達・加工システムを有している。
【0054】
この任意選択的な薄リボン沈着装置200は、第1の成形ローラ及び第2の成形ローラで構成される1対の成形ローラ212を備えている。成形ローラ212は、連続的に送達される溶融材料(例えば、溶融したガラス、セラミック、及び/又はガラスセラミックの)バッチを送って、高温の柔軟なリボン(すなわち、柔軟ではあるが溶融材料よりも形状保持性(粘度)が高いタフィーのような高温のリボンの状態)にするように構成されている。リボン材料は、第1の面と第2の面という2つの主面と、第1の縁と第2の縁という2つの対応する縁と、を有するように構成されている。続いて、リボンを、第1の定寸ローラ及び第2の定寸ローラで構成される1対の定寸ローラ218に送って通過させる。定寸ローラは、ガラスリボン表面(第1の主面、第2の主面、第1の縁、及び第2の縁)に作用して、ガラスを(例えば、その長さと幅全体に亘って測定した場合に)均一な厚さとするように構成される。
【0055】
そして、図1Aに示すように、任意選択的な上流側加工によりリボン材料を形成した後、リボン材料をコンベアシステム100上に送る。コンベアシステム100は、ガラスリボンが入る大きさの複数の金型アセンブリ110を備えて構成される。金型アセンブリ110は、1つの金型アセンブリ110が少なくとも2つの他の金型アセンブリ110に隣接するように、間隔をあけて順番に並べて構成される。
【0056】
金型アセンブリ110は、搬送時に実質的に水平方向となるように構成され、これにより、重力の補助を受けて金型アセンブリ110の上にリボン材料が載置される。コンベアシステム100は、搬送加圧ローラ144を備える搬送ローラアセンブリ140を備えて構成される。搬送加圧ローラ144は、挟圧エッジ148を表面に有する挟圧ローラ146であり、リボン材料の第1の面(上面)に対して作用することにより、リボン材料を金型アセンブリ110及び対応する金型表面120にプレスしてリボン材料を扁平な構成とする。これにより、ガラスリボンは、金型表面と搬送加圧ローラ表面との間の作用によって成形され、少なくとも1つの挟圧領域を有する複数の成形ガラスリボン部分が画定される。
【0057】
成形ガラスリボン部分がコンベア100に従って移動を続ける間、ガラスの温度は下がり続ける。このとき、ガラスにおいて薄肉の挟圧線(領域)に沿った割れが生じるのに十分な温度低下が起こるため、コンベアが成形ガラス部品をコンベア100の出口に向かって送る間に、成形ガラスリボンが分離して複数の成形ガラス部品に分かれる。任意選択的に、部品取り外しモジュール160をコンベアの出口側に設けて、正圧アクチュエータ162がコンベアから空気を吹き出すように構成することができ、これにより、複数の成形ガラス部品をコンベアから引き上げることや、(1本以上の)薄肉の挟圧線に沿って2つ以上の成形ガラス部品を互いから分離することを支援することができる。
【0058】
図1Bは、コンベアシステム100の異なる実施形態を含んでいる。このコンベアシステム100では、各金型表面120が挟圧エッジを備えており、これにより、搬送ローラアセンブリ140の加圧ローラ144と挟圧エッジを有する金型表面120との間でガラスリボンに作用して、挟圧エッジがリボン材料の下面に衝突して、リボン材料少なくとも1つの挟圧線(挟圧領域)を形成するように構成されている。
【0059】
成形リボン材料がコンベア100に従って移動を続ける間、リボン材料の温度は下がり続ける。このとき、成形され挟圧加工されたリボン材料において薄肉の挟圧線(領域)に沿った割れが生じるのに十分な温度低下が起こるため、成形ガラスリボンが分離して、表面パターンを有する複数の成形部品に分かれる。任意選択的に、部品取り外しモジュール160をコンベア100の出口側に設けて、正圧アクチュエータ162がコンベアから空気を吹き出すように構成することができ、これにより、表面パターンを有する複数の成形ガラス部品をコンベアから引き上げることや、(1本以上の)薄肉の挟圧線に沿って2つ以上の表面パターンを有する成形ガラス部品を互いから分離することを支援することができる。
【0060】
図2は、コンベアシステム100の異なる実施形態を含んでいる。このコンベアシステム100では、各金型表面120が3次元表面パターンを備えており、これにより、加圧ローラ144がリボン材料の第1の面に作用する際に、かかる3次元表面パターンがリボン材料の下面に衝突するように構成されている。ここで、挟圧エッジ148をローラ144に一体に設けて挟圧ローラ146とすることにより、第1の面に薄肉の挟圧部を付与することができる。あるいは、挟圧領域を付与するため、金型アセンブリ110の部品の縁に隣接する位置にトリムエッジ116を有することもでき、又は、各金型アセンブリ110のエッジ間に設けられた金型キャリア114にトリムエッジを有することもできる。
【0061】
成形リボン材料がコンベア100に従って移動を続ける間、リボン材料の温度は下がり続ける。このとき、成形され挟圧加工されたリボン材料において薄肉の挟圧線(領域)に沿った割れが生じるのに十分な温度低下が起こるため、成形ガラスリボンが分離して、表面パターンを有する複数の成形部品に分かれる。任意選択的に、部品取り外しモジュール160をコンベア100の出口側に設けて、正圧アクチュエータ162がコンベアから空気を吹き出すように構成することができ、これにより、表面パターンを有する複数の成形ガラス部品をコンベアから引き上げることや、(1本以上の)薄肉の挟圧線に沿って2つ以上の表面パターンを有する成形ガラス部品を互いから分離することを支援することができる。
【0062】
図3は、コンベアシステム100の異なる実施形態を含んでいる。このコンベアシステム100では、各金型表面120が平滑なパターンを備える一方、加圧ローラ144が3次元表面パターンを備えており、これにより、加圧ローラ144がリボン材料の第1の面に作用する際に、かかる3次元表面パターンがリボン材料の上面(第1の面)に衝突するように構成されている。ここで、挟圧エッジ148をローラ144に一体に設けて挟圧ローラ146とすることにより、第1の面に薄肉の挟圧部を付与することができる。あるいは、挟圧領域を付与するため、金型アセンブリ110の部品の縁に隣接する位置にトリムエッジ116を有することもでき、又は、各金型アセンブリ110のエッジ間に設けられた金型キャリア114にトリムエッジを有することもできる。
【0063】
成形リボン材料がコンベア100に従って移動を続ける間、リボン材料の温度は下がり続ける。このとき、成形され挟圧加工されたリボン材料において薄肉の挟圧線(領域)に沿った割れが生じるのに十分な温度低下が起こるため、成形ガラスリボンが分離して、表面パターンを有する複数の成形部品に分かれる。任意選択的に、部品取り外しモジュール160をコンベア100の出口側に設けて、正圧アクチュエータ162がコンベアから空気を吹き出すように構成することができ、これにより、表面パターンを有する複数の成形ガラス部品をコンベアから引き上げることや、(1本以上の)薄肉の挟圧線に沿って2つ以上の表面パターンを有する成形ガラス部品を互いから分離することを支援することができる。
【0064】
図4は、コンベアシステム100の異なる実施形態を含んでいる。このコンベアシステム100では、各金型表面120が3次元表面パターンを備え、加圧ローラ144も3次元表面パターンを備えるように構成されている。本実施形態では、金型表面120がガラスリボンの下面に3次元表面パターンを付与し、ローラ144がガラスリボンの上面(第1の面)に3次元表面パターンを付与している。なお、第1の面と第2の面は、同一パターンを有するように構成することができる。第1の面と第2の面は、異なる表面パターンを有することもできる。ここで、挟圧エッジ148をローラ144に一体に設けて挟圧ローラ146とすることにより、第1の面に薄肉の挟圧部を付与することができる。あるいは、挟圧領域を付与するため、金型アセンブリ110の部品の縁に隣接する位置にトリムエッジ116を有することもでき、又は、各金型アセンブリ110のエッジ間に設けられた金型キャリア114にトリムエッジを有することもできる。
【0065】
成形リボン材料がコンベア100に従って移動を続ける間、リボン材料の温度は下がり続ける。このとき、成形され挟圧加工されたリボン材料において薄肉の挟圧線(領域)に沿った割れが生じるのに十分な温度低下が起こるため、成形ガラスリボンが分離して、表面パターンを有する複数の成形部品に分かれる。任意選択的に、部品取り外しモジュール160をコンベア100の出口側に設けて、正圧アクチュエータ162がコンベアから空気を吹き出すように構成することができ、これにより、表面パターンを有する複数の成形ガラス部品をコンベアから引き上げることや、(1本以上の)薄肉の挟圧線に沿って2つ以上の表面パターンを有する成形ガラス部品を互いから分離することを支援することができる。
【0066】
図5は、コンベアシステム100の異なる実施形態を含んでいる。このコンベアシステム100では、各金型表面120が、3次元表面パターンと真空係合部132とを備え、真空係合部132が、金型本体112を貫通して延在し、真空ボックス136に接続するように構成されている。本実施形態では、真空ボックス136が、リボン材料と金型本体112の上面との間の空洞に作用してこの空洞から空気を吸引して脱気し、これにより、リボン材料を金型表面に沿って変形させる。よって、リボン材料は、真空により3次元表面を有するように構成される。
【0067】
一実施形態では、加圧ローラがリボン材料の第1の面に作用して、リボン材料の少なくとも一部を金型表面にプレスする(そしてこれにより、例えば、リボン下面の金型表面との接触部にパターンを付与するか、又は、挟圧縁を設ける)。挟圧縁は、(金型表面上のトリムエッジ(挟圧エッジ)116で)3次元部品形状の周囲に設けたり、又は、(金型キャリア114上に構成された挟圧エッジで)金型アセンブリと金型アセンブリの間に設けたりすることができる。
【0068】
他の実施形態では、挟圧エッジ148をローラ144に一体に設けて挟圧ローラ146とすることにより、第1の面に挟圧領域を付与することができる。あるいは、挟圧領域を付与するため、金型アセンブリ110の部品の縁に隣接する位置にトリムエッジ116を有することもでき、又は、各金型アセンブリ110のエッジ間に設けられた金型キャリア114にトリムエッジを有することもできる。種々の実施形態においては、真空作動ステップの前、同時、又は後に、加圧ローラがリボン材料に作用して金型にプレスするように構成することができる。
【0069】
成形リボン材料がコンベア100に従って移動を続ける間、リボン材料の温度は下がり続ける。このとき、成形され挟圧加工されたリボン材料において薄肉の挟圧線(領域)に沿った割れが生じるのに十分な温度低下が起こるため、成形ガラスリボンが分離して、表面パターンを有する複数の成形部品に分かれる。任意選択的に、部品取り外しモジュール160をコンベア100の出口側に設けて、正圧アクチュエータ162がコンベアから空気を吹き出すように構成することができ、これにより、表面パターンを有する複数の成形ガラス部品をコンベアから引き上げることや、(1本以上の)薄肉の挟圧線に沿って2つ以上の表面パターンを有する成形ガラス部品を互いから分離することを支援することができる。
【0070】
リボン材料の複数の挟圧部は、薄肉化挟圧ローラ224に対してどのようなパターニングを行うかに従って、様々な方向に延びるように構成することができる。
【0071】
一実施形態では、複数の薄肉挟圧部が、複数の横断方向の挟圧部を含んでおり、横断方向の挟圧はそれぞれ、リボン材料の一方の縁から他方の縁まで(例えば、リボン材料の幅に亘って)延在するように構成されている。本実施形態では、成形システムは、薄肉化挟圧コンポーネントとコンベア100とを備えて構成される。
【0072】
一実施形態では、複数の薄肉挟圧部が、複数の縦方向の挟圧部を含んでおり、縦方向の挟圧はそれぞれ、リボン搬送方向と平行に(例えば、リボンの全長の少なくとも一部に沿って)延在するように構成されている。一実施形態では、複数の挟圧部が、弧状の方向に(例えば、リボンの寸法に対して角度の付いた方向に)延びて、リボンが、薄肉の挟圧領域で構成される複数の平行四辺形(例えば、向かい合う平行な縁)を有するように構成されている。
【0073】
図6は、本開示の1つ以上の態様に係るガラス部品加工システム50の一態様を示す図である。図6には、ガラス送達システム60と、ガラス加工システム40と、ガラスコンベアシステム100と、が示されている。
【0074】
ガラス送達システム60は、溶融材料(例えば、溶融したガラス、セラミック又はガラスセラミック材料)をガラス加工システム40に供給する。ガラス加工システム40は、成形ローラ212(第1の成形ローラ及び第2の成形ローラ)と、定寸ローラ218(第1の定寸ローラ及び第2の定寸ローラ)と、挟圧ローラ224(第1の挟圧ローラ及び第2の挟圧ローラ)とを備えている。
【0075】
成形ローラ212は、送達された溶融材料から高温の柔軟なリボン材料(例えば、ガラスリボン材料、セラミックリボン材料、又はガラスセラミックリボン材料)を成形するように構成される。成形されたリボン材料は、定寸ローラ218によって適切な幅と厚さ(例えば、均一な厚さ)に定寸加工される。
【0076】
挟圧ローラ224は、成形・定寸加工されたリボン材料に挟圧を加えるように構成され、これにより、リボン材料に挟圧領域を形成する。挟圧領域は、部品とガラス屑(cullet)との間や、個別の部品の間、及び/又はそれらの組み合わせの間の境界を画定するように構成されている。挟圧領域は、初期断面厚さを有するガラスリボンと一体に、1つのピース(例えば、リボン材料+挟圧領域)として下流側で加工されるように構成されており、ガラス送達システム60から、成形ローラ212と、定寸ローラ218と、薄肉化挟圧ローラ224とを備えるリボン沈着システム200に連続的に送られる。図では、ガラス加工システム40として、重力補助型及び/又は上下配置構成のローラ(ローラ沈着システム200)を例示している。
【0077】
図6を参照すると、挟圧加工を加えたリボンは、ガラス加工システム40からエアターン240(例えば、エアベント)を介してガラスコンベアシステム100に送られる。エアターン240は、挟圧ローラ224の下方かつコンベア100のコンベアベルト108に隣接する位置に設けられる。コンベアシステム100は、コンベアベルト108と、コンベアベルト108上に設けられる複数の金型アセンブリ110と、搬送ローラアセンブリ140とを備える。挟圧加工入りリボン材料は、エアターンアセンブリ240によって鉛直に配置された状態から概ね水平に配置された状態になるように送られ、コンベア100上の金型(金型アセンブリ110の金型表面120)に沿って沈着し、コンベア100上で、挟圧加工入りリボン材料に対してさらなる加工が施される。
【0078】
搬送ローラアセンブリ140は、少なくとも1つのローラを備えて構成される。少なくとも1つのローラは、(対応する(1つ以上の)挟圧エッジ148を有する)挟圧ローラ146、加圧ローラ144、(例えば、平滑な表面を有する)加圧ローラ、3次元表面パターン152(例えば、マイクロパターン又はマクロパターン)を有する加圧ローラ、及び/又は、それらの組み合わせとして構成することができる。
【0079】
搬送ローラアセンブリ140は、フレーム142を備えて構成され、フレーム142は、モータと、ローラ138と、これに付随する任意選択的な油圧コンポーネント(例えば、ローラとリボン材料との間の係合を促進するように構成される)と、を備えている。コンベア100は、ガラス加工システム40の位置に対して調整可能に構成された車輪付きフレームアセンブリを備えて構成されている。加圧ローラアセンブリ140は、挟圧加工入りリボン材料が金型表面120とローラ138との間に係合するように、リボン材料の第1の面とローラ係合する。加圧アームローラ138及び/又は金型表面120(又は金型キャリア114)の構成に応じて、挟圧加工入りリボン材料は、コンベアに従って搬送される間にさらなる加工を受ける。
【0080】
リボンがリボン加工システム40とコンベアシステム100とを通過して移動している間に、リボンの温度は徐々に低下する。十分に冷却されると、挟圧領域とこれに隣接する部分(例えば、リボン材料の大部分に相当する断面厚さを有する部分)との間に生じる圧縮応力が増大して、その結果、リボン材料が挟圧領域に沿って分離される。このような挟圧領域に沿った分離の結果、(1つ以上の)挟圧領域の構成や製品の形状・寸法に応じて個別の部品が作られたり、ガラス屑が発生したりする。
【0081】
薄肉挟圧加工入りガラスリボンから個別の部品を形成した後、各部品は、(1つ以上の)金型が搬送部の端部に到達する際(例えば、金型が鉛直に直立した状態に引き上げ(位置付け)られる前の、金型がまだ水平状態にある間)に、真空でコンベアから引き上げるか、金型から取り外すことができる。この部品は、下流側でさらに加工を加えることができる。例えば、挟圧領域による分離で画定した部品の縁をファイアポリッシュで研磨して、部品の縁を滑らかにすることができる。また、これに代わる加工方法として、機械加工、酸エッチング、レーザ加工、及び/又はこれらの組み合わせも挙げられる。
【0082】
図7は、図6に示すガラス加工システム及びコンベアシステムの部分拡大図である。図7に示すように、コンベア100は、上部に設けられた複数の金型アセンブリ110が、コンベアベルト108の上面(作業面)の周りを循環することができ、これにより、コンベアベルト108の上面でガラスリボンの加工を行い、そして、成形したガラス部品をコンベアベルト108上の金型表面120から取り外した後、金型アセンブリ及びコンベアベルトがガラスリボン載置ゾーンに向かって戻り、ガラスリボン載置ゾーンで、コンベアベルト108に取り付けられた空の金型アセンブリ110上に、薄肉挟圧加工入りガラスリボンをエアベント240によって再度送り込むように構成されている。リボン沈着システム200の詳細図には、互いに隣接配置して構成された1対の成形ローラ212と、互いに隣接配置した1対の定寸ローラ218と、互いに隣接配置した1対の薄肉化挟圧ローラ224と、示している。さらに、ガラスリボン沈着システム200は、そのフレーム210によって上下に調整可能であり、したがって、ガラスリボン沈着システム200とコンベアシステム100との間の距離を設定可能に構成されている。また、コンベアの支持体も上下に調整可能であり、よってリボン沈着システム200とコンベアシステム100との間の距離をさらに調節することができる。
【0083】
図8A図8Cは、本開示の1つ以上の態様に係る、挟圧エッジ148を有する挟圧ローラ146の3つの異なる実施形態を示す図である。
【0084】
いくつかの実施形態では、図8A図8Cの挟圧ローラ146のうちのいずれかが、ガラス加工アセンブリ40の挟圧ローラ146に設けられる。
【0085】
いくつかの実施形態では、図8A図8Cの挟圧ローラ146のうちのいずれかが、コンベアシステム100内の搬送加圧ローラ144の加圧ローラ138に設けられる。
【0086】
図8Aを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態に係る、複雑なパターンの(例えば、非円形、非定型、及び/又は非対称の)外周として構成される挟圧エッジ148を有する挟圧ローラ146が図示されている。
【0087】
図8Bを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態に係る、円形の外周として構成される挟圧エッジ148を有する挟圧ローラ146が図示されている。
【0088】
図8Cを参照すると、本開示の1つ以上の態様に係る、ダブルY字型に構成される挟圧エッジ148を有する挟圧ローラ146が図示されている。例えば、これに限定されるものではないが、このダブルY字型のエッジをリボン材料に用いる場合、ダブルY字型のエッジは、2つの別個の部品の間の境界を画定するとともに、最後の部品の角に沿って襟の付いたエッジ(例えば、角取り)を付けるように構成される。
【0089】
図9Aは、本開示の1つ以上の実施形態に係るガラス加工システム40の挟圧ローラ224、226を示す模式図である。
【0090】
図9Aに示すように、2つのローラのうちの一方の第1のローラ224が挟圧エッジ230を備えて構成されており、これにより、リボン材料が挟圧ローラ(224及び226)の間を移動する際に、リボン材料に挟圧領域が画定(プレス)される。
【0091】
図9Bは、本開示の1つ以上の実施形態に係るガラス加工システム40の挟圧ローラ(224、226)を示す模式図である。
【0092】
図9Bに示すように、各ローラ(第1の挟圧ローラ224、第2の挟圧ローラ226)が挟圧エッジを備えて構成されている(第1の挟圧ローラ224が挟圧エッジ230を備えて構成され、第2の挟圧ローラ226が挟圧エッジ232を備えて構成される)。この構成では、挟圧エッジ(230、232)はそれぞれ、互いの位置に対応するように構成されており、これにより、リボン材料が挟圧ローラ(224、226)の間を移動する際に、2つの挟圧エッジ(230、232)が対応する近接位置で噛み合い係合することにより、リボン材料に挟圧領域が画定される。したがって、ガラスリボンを薄肉化する挟圧は、その第1の主面と第2の主面から表裏で同じ位置に加えられる。
【0093】
図10Aは、本開示の種々の態様に係るリボン材料10の一実施形態を示す模式上面図である。リボン材料10は、(例えば、ガラスの送達形態(連続送達か束で送達するか)に応じて)連続体及び/又は長尺部材として構成される。ガラスリボン10は、第1の主面16及び第2の主面18と、対応する第1の縁12及び第2の縁14と、を備えて構成される。成形ローラと定寸ローラとによってガラスを構成する場合には、これらのローラがリボンの第1の主面と第2の主面とに関与して、リボンを、対応する(例えば、ローラの間隔(隙間)に基づいた)厚さを有するリボンとなるように構成する。
【0094】
図10Bは、本開示の1つ以上の態様に係るリボン材料10を示す模式側面図である。本明細書の1つ以上の実施形態に開示するように、コンベアは、第2の面が複数の金型アセンブリに接触するようにガラスリボン10を(金型アセンブリによって)保持するように構成されている。図示の配置では、第1の面16が、加圧ローラ(例えば、リボン材料の第1の面に接触(関与)するように構成されたローラ)の方を向いている。一方、第2の主面18は、金型アセンブリの金型表面の方を向いている。また、図10Bには、リボン材料10の断面厚さ38も示されている。
【0095】
図11Aは、本開示の種々の態様に係る、コンベアシステム100に配置した状態のリボン材料10の一実施形態を示す模式側面図である。図11Aに示すように、リボン材料10は、(例えば、ガラスの送達形態に応じて)連続体及び/又は長尺部材として構成される。順次並べて構成した複数の金型アセンブリ110をまとめて、コンベア100として示している。コンベア100の金型アセンブリ110は、第2の面18が金型アセンブリ110に接触するようにガラスリボン10を保持するように構成される。図示の位置では、第1の面16が上方向、つまり、搬送ローラアセンブリ140とそこに構成された対応するローラの方を向いている。図には、ガラスリボン10の第1の面16に接触するように構成された挟圧エッジ148が画定された挟圧ローラアーム146としてのローラが示されており、これはその挟圧エッジ148によって、リボン10に挟圧領域を形成するものである。
【0096】
図11Bは、本開示の種々の態様に係る、各金型アセンブリ110が挟圧エッジ116を備えて構成されるコンベアシステム100に配置した状態のリボン材料10の一実施形態を示す模式側面図である。図11Bに示すように、リボン材料10は、(例えば、ガラスの送達形態に応じて)連続体及び/又は長尺部材として構成される。コンベア100は、第2の面18が金型アセンブリに接触するように(複数の金型アセンブリ110で)ガラスリボン10を保持するように構成される。図示の位置では、第1の面16が、挟圧エッジ148を有する挟圧ローラ146として構成されたローラの方を向いている。挟圧ローラ146は、リボン10の第1の面16に作用して、リボン10を各金型アセンブリの挟圧エッジ116にプレスする。そして、挟圧ローラ146がリボン10の第1の面に作用すると、挟圧ローラ146の挟圧エッジ148がリボン10の第1の面16に薄肉挟圧部を形成する。従って、挟圧ローラ146が金型アセンブリ110の挟圧エッジ116と協働することにより、挟圧加工を加えたリボンに対して、第1の面に薄肉挟圧部20と第2の面18に薄肉挟圧部とを協調した位置に有する挟圧領域(ローラが作用した後の金型アセンブリの挟圧エッジ116周辺の領域として図示)が設けられる。
【0097】
図12A図12Eは、本開示の1つ以上の態様に係るローラの種々の構成を示している。図示のローラは、ガラス加工システム40の挟圧ローラで利用することができるローラであり、及び/又は、図中の参照番号で示すように、コンベアシステム100の挟圧エッジ148を有する挟圧ローラ146として構成される加圧ローラで利用することができるローラである。
【0098】
図12Aに示す挟圧ローラ146は、ローラ146の周方向に延在する2本の挟圧エッジ148を備えて構成され、挟圧エッジ148によって、リボン材料の両縁に沿った第1の縁と第2の縁とにそれぞれ隣接するように挟圧領域を画定するものである。一実施形態では、加工後のリボン材料が冷却されることにより、挟圧領域で製品がエッジ(ガラス屑)から分離される。あるいは、他の実施形態では、周方向挟圧エッジを利用して、リボン材料から形成する個別部品の列を複数画定する。図12Aに示す挟圧エッジ148は、対応するリボン材料の長さに沿って、リボン材料に(1つ以上の)縦方向の薄肉挟圧領域を形成するように構成される。
【0099】
図12Bに示す挟圧ローラ146は、ローラ146の一端から他端までローラ146の軸方向に延在する挟圧エッジ148を備えて構成されている。一実施形態では、加工後のリボン材料が冷却されることにより、挟圧領域で製品がエッジ(ガラス屑)から分離される。あるいは、他の実施形態では、軸方向挟圧エッジを利用して、リボン材料から形成する個別部品の列を複数画定する。図12Bに示す挟圧エッジ148は、対応するリボン材料の幅に沿って、リボン材料にリボンの一方の縁からリボンの他方の縁に向かって延在する(1つ以上の)横断方向の薄肉挟圧領域を形成するように構成される。
【0100】
図12Cに示す挟圧ローラ146は、ローラの一端から他端まで軸方向に延在す挟圧エッジ148を備えて構成されている。さらに、ローラ表面が、ローラ表面に沿った3次元マイクロパターン158としてパターニングした3次元表面パターン152を有しており、これにより、リボン材料の表面に、対応する(例えば、ネガ像又は鏡像の)3次元マイクロパターンを付与するように構成されている。一実施形態では、加工後の、表面にパターンを付与したリボン材料が冷却されることにより、挟圧領域で製品がエッジ(ガラス屑)から分離される。あるいは、他の実施形態では、挟圧エッジを利用して、リボン材料から形成する個別部品の列を複数画定する。
【0101】
図12Dに示す挟圧ローラ146は、挟圧ローラ146の一端から他端までの軸方向に延在する挟圧エッジを備えて構成されている。さらに、ローラ表面が、表面に沿ったマクロパターン156(例えば星形)として構成される3次元表面パターン152を有しており、これにより、リボン材料の表面に、対応する(例えば、ネガ像又は鏡像の)3次元マクロパターンを付与するように構成されている。一実施形態では、加工後の、表面にパターンを付与したリボン材料が冷却されることにより、挟圧領域で製品がエッジ(ガラス屑)から分離される。あるいは、他の実施形態では、挟圧エッジを利用して、リボン材料から形成する個別部品の列を複数画定する。
【0102】
図12Eに示す挟圧ローラ146は、複数の挟圧エッジ148を備えて構成される。この複数の挟圧エッジ148には、互いに型が対応する少なくとも2つの挟圧エッジ148が含まれるが、そのような挟圧エッジ148として、(例えば、ローラの周囲に配置される)複数の周方向挟圧エッジと、(例えば、ローラの一端から他端まで延在するように配置される)複数の軸方向挟圧エッジと、が示されている。この場合、リボン材料には、複数の挟圧領域が格子状パターンで付与される。加工後のリボン材料が冷却されることにより、これらの挟圧領域で(1つ以上の)製品がエッジ(ガラス屑部)から分離される。あるいは、他の実施形態では、周方向挟圧エッジを利用して、リボン材料から形成する個別部品の列を複数画定する。
【0103】
図13は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、真空係合部132と、金型アセンブリ110の下側に構成された真空ボックス136と、部品取り外しモジュール160とを示す、コンベアアセンブリ100の模式側断面図である。図では、部品取り外しモジュール160を、コンベアアセンブリ100の端部での成形ガラス部品の取り外しを支援する複数の押し上げ部材(例えば、空気圧チューブ)を備えて構成される正圧アクチュエータ162として示している。コンベア100は、複数の真空ボックス136を備えており、各真空ボックス136は、複数の金型アセンブリ110と相互作用するように構成されている。動作時には、(真空ボックス136と連通している)真空係合部132を介して真空を印加し、それによって、真空係合部132と真空ボックス136とを経由して、真空ポートでコンベアシステム100から排気するように金型表面全体の真空(負圧)を引く。したがって、真空係合部132を介してガラスリボンの下面と金型表面との間に付与される負圧によって、リボン部材を金型表面に向かって引きつけ、及び/又はリボン部材を金型表面に沿って変形(成形)させる。これにより、リボン材料は、対応する各金型アセンブリ110の3次元金型表面の3次元形状に対応する3次元形状に構成される。また、図13に示すように、押し上げ機構160(部品取り出しモジュール)には、個別の正圧印加ポート(正圧アクチュエータとして参照番号162で示す)が設けられており、これにより、真空により成形した3次元部品を、金型の穴から押し上げて、押し出す。
【0104】
図14は、本開示の1つ以上の態様に係る、複数の金型アセンブリ110が平坦面を備えて構成されているコンベアアセンブリ100の一実施形態を示す斜視上面図である。また、図14には、加圧ローラ144とフレーム142とを備えて構成される搬送ローラアセンブリ140のその他の構成要素もさらにいくつか示している。
【0105】
図15は、本開示の1つ以上の態様に係る、複雑な3次元形状とこれに対応する真空成形構成とを備える(真空成形構成は、図示の真空ポート134を介して備える)複数の金型アセンブリ110を有するコンベアアセンブリ100の一実施形態を示す斜視上面図である。金型アセンブリ110は、(ガラスリボンの下面に付与される形状及び/又は表面パターンを定める)金型本体112と、(金型本体112をコンベアベルト108に保持するように構成されたコンポーネントである)金型キャリア114とを備えて構成されており、この構成により、複数の金型アセンブリ110は、互いに間隔をあけて順番に並べた関係で取り外し可能に固定した状態となるように構成されている。また、図15には、加圧ローラ144とフレーム142とを有する搬送ローラアセンブリ140も示されている。
【0106】
図16Aは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、図14に示すコンベアシステム100で用いる金型アセンブリ110の拡大斜視上面図であり、平滑な平坦面を有する金型として構成された金型表面120を示している。
【0107】
図16Bは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、図15に示すコンベアシステム100で用いる金型アセンブリ110の拡大斜視上面図であり、3次元形状の表面を有する金型として構成された金型表面120を示している。図示の通り、金型アセンブリ110の底部には、複数の真空係合部132(貫通穴)が形成されている。真空係合部132は、金型本体112を貫通するように構成されており、これにより、真空ボックス136から真空をかけると、穴である真空係合部132から真空に引くように構成されている。さらに、金型本体112の真空係合部132は、コンベアベルトの端部で部品取り外しモジュールと係合して、これにより、正圧アクチュエータが真空係合部132を介して空気(正圧)を吹き込んで、ガラス部品を金型表面120から送り出すことができるように構成されている。また、図16Bには、金型本体112をコンベアベルトに保持するように構成された金型キャリア114の拡大図や、搬送ローラアセンブリのローラと協働してガラスリボンの下面に挟圧領域を形成するように構成された、金型キャリアの挟圧エッジの拡大図も示されている。
【0108】
図16Cは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、コンベアシステムで用いる金型アセンブリ110の拡大斜視上面図であり、3次元形状の表面を有する金型(例えば、皿状又はボウル状のパターン)を示している。図示の通り、金型本体112の底部には、複数の真空係合部132(貫通穴)が形成されている。本開示の種々の態様によれば、真空係合部(穴)132は、金型本体112を貫通するように構成されており、これにより真空ボックスにより真空をかけると、穴132から真空に引くように構成されている。また、金型アセンブリ110は、金型本体112をコンベアベルトに取り付けるように構成された金型キャリア114をさらに備えている。そして、本開示の1つ以上の態様によれば、金型本体112は、その3次元形状の外周に挟圧エッジ116をさらに備えており、加圧ローラが金型表面120と横断的に係合する際に、加圧ローラが挟圧エッジ116と係合して、(例えば、真空でリボン材料を3次元金型形状に吸引(形成)する際に)3次元形状部品の周囲に挟圧領域を画定するように構成されている。
【0109】
図17は、本開示の1つ以上の態様に係る、複雑な3次元形状とこれに対応する真空成形構成と、さらにこれらに組み合わせて、(例えば、真空成形した3次元部品24の周囲に挟圧領域を画定するための)金型アセンブリの挟圧エッジと、を備える複数の金型アセンブリ110を有するコンベアアセンブリ100の一実施形態を示す斜視上面図である。図17を参照すると、ガラス送達モジュール60は、溶融した供給材料(例えば、ガラス、セラミック、又はガラスセラミック)を、1対の成形ローラ212と、1対の定寸ローラと、エアターン240とを有するリボン沈着システム内に送り、これにより、リボン材料をコンベア装置100上に送る。コンベア装置100は、金型本体と金型キャリア114とを有する複数の金型アセンブリ110をさらに備えており、金型キャリア114は、金型アセンブリをコンベアベルト108に取り付けるように構成されている。搬送ローラアセンブリにより、トリムエッジ148を備えて構成されたトリミングローラ146が設けられる。トリムエッジ148がリボン材料に作用すると、ローラ146も対応する金型表面のトリムエッジ116に作用し、ガラスリボンの第1の面と第2の面のいずれにもトリム縁が設けられる。また、真空係合部132によって、リボン材料の下面と金型表面との間に負圧が供給され、これにより、リボンを金型本体の形状に合わせて成形する。
【0110】
図18A図18Eは、本開示の1つ以上の態様に係るリボン材料から製造することが可能な複雑な3次元部品の種々の実施形態を示す図である。
【0111】
図18Aは、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品24の一実施形態を示す上面図(図18Aの上側)及び側面図(図18Aの下側)である。図18Aには、カトラリー(例えばスープスプーン)として構成された製品24を示している。
【0112】
図18Bは、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品24の一実施形態を示す上面図である。図18Bには、不均一な縁(例えば、波形の縁)を有する円形の皿として構成された製品24を示している。
【0113】
図18Cは、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品24の一実施形態を示す上面図である。図18Cには、不均一な縁(例えば、対応する外周縁)を有する対称的な非円形の皿として構成された製品24を示している。
【0114】
図18Dは、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品24の一実施形態を示す上面図である。図18Dには、不均一な縁(例えば、対応する外周縁)を有する幾何学的形状(長方形)の皿として構成された製品24を示している。
【0115】
図18Eは、本開示の1つ以上の態様に係る、3次元形状を内部に有する真空金型アセンブリをコンベアシステムと組み合わせることで形成される製品24の一実施形態を示す斜視上面図である。図18Eには、高さの不均一な隆起縁(壁)(例えば、波形の壁又は畝状の壁)を有する対称的な幾何学的形状(楕円形)に構成された製品24を示している。
【0116】
図19は、本開示の1つ以上の態様に係るコンベアシステム100の一実施形態を示す模式的斜視上面図である。図19に示す複雑な形状のコンベアは、3次元形状の金型アセンブリ110でこれに対応する3次元形状を真空成形するように構成されている。これにより得られる製品24は、ガラス、セラミック、又はガラスセラミック製の屋根瓦として利用することができる。本開示の1つ以上の実施形態によれば、これにより得られる製品を、ガラス、セラミック、又はガラスセラミック製の屋根瓦として利用することができる。図19に示すように、コンベアベルト108は、複数の金型アセンブリ110を上部に設け、隣接する金型アセンブリの間にそれぞれ挟圧領域20を有する構成を有しており、ガラスリボンの下面に挟圧領域を画定するように構成されている。金型アセンブリ110は、凹状の金型表面パターンを有する雌金型として構成される。
【0117】
図20は、本開示の1つ以上の態様に係るコンベアシステム100の一実施形態を示す模式的斜視上面図である。図20に示す複雑な形状は、金型アセンブリ110の雄金型として(凸パターンとして)構成されており、この形状に対応する表面形状を有する加圧ローラでリボン材料を圧延することにより(例えば、真空成形を行わずに)、リボン材料を金型表面120に沿った形状とする。図では、3次元形状の金型アセンブリに加えて、これに対応する3次元形状の製品24も示している。本開示の1つ以上の実施形態によれば、これにより得られる製品を、ガラス、セラミック、又はガラスセラミック製の屋根瓦として利用することができる。
【0118】
図21は、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって製造した様々な態様の製品の形状を示す写真である。図の左上には、本開示の1つ以上の実施形態に係る、成形当初の製品の縁の一態様を示す。図の右上には、挟圧エッジに沿って分離した領域の一実施形態を示す。図の左下には、本開示の1つ以上の実施形態に係る、成形当初の製品の縁を、左上とは異なる角度で示す。図の右下には、本開示の種々の態様に係る、後処理(ファイアポリッシュ研磨)後の挟圧縁(部品縁)を示す。
【0119】
本明細書において、方向性のある用語(例えば、上へ(up)、下へ(down)、右(right)、左(left)、前(front)、後(back)、上(top)、下(bottom)など)は、図面を参照したものに過ぎず、絶対的な向きを意味することを意図するものではない。
【0120】
別段の明示的な記載がない限り、本明細書に記載のいかなる方法も、各ステップ(工程)を特定の順序で実施することを要請していると解釈されることを意図するものではない。したがって、方法クレームにおいてそのステップの順序を実際に記載している場合を除き、又は、その他、各ステップが特定の順序に限定される旨の記載が請求の範囲又は発明の詳細な説明において明確になされている場合を除き、各ステップの順序が推測されることは、いかなる点においても意図していない。これは、各ステップの並び又は操作の流れについての論法の問題、文法的な構成又は句読点から導き出される通俗的な意味、本明細書に記載の実施形態の数又は種類など、解釈の根拠となり得るあらゆる非明示的事項に対して該当する。
【0121】
本明細書において、「a」、「an」、及び「the(その/前記)」で示す単数形は、文脈上明らかに複数形を含まないことが明らかである場合を除き、対応する複数形に対する言及も包含するものとする。したがって、例えば、ある構成要素を冠詞「a」で導く表現は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、その構成要素を2つ以上有する態様も包含する。
【0122】
本開示の趣旨及び諸原則から実質的に逸脱しない範囲で、本開示の上述の実施形態に対して多くの変形や変更を加えることができる。そして、そのようなすべての変更や変形が、本開示の範囲に含まれ、以下の特許請求の範囲の保護の対象となることが意図されている。
【0123】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0124】
実施形態1
高温の柔軟なガラス含有リボンを、順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、
挟圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、該挟圧ローラの挟圧エッジと前記金型の表面との間で前記ガラスリボンに挟圧を加えて、前記ガラスリボンに少なくとも1つの挟圧領域を形成するステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、前記挟圧領域に沿って前記ガラスリボンを分離して複数の個別のガラス部品に分けるステップと、
を含む方法。
【0125】
実施形態2
前記個別のガラス部品の外周縁が前記挟圧領域によって画定され、任意選択的に、前記挟圧領域と前記ガラスリボンの少なくとも1つの縁との組み合わせによって画定される、実施形態1に記載の方法。
【0126】
実施形態3
高温の柔軟なガラス含有リボンを、3次元表面パターンを備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、
加圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、前記ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、前記金型の前記3次元表面と前記加圧ローラとの間で前記ガラスリボンをプレスするステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成されたガラスリボンを形成するステップと、
を含む方法。
【0127】
実施形態4
前記ガラスリボンを複数の個別の部品に成形するステップをさらに含む、実施形態3に記載の方法。
【0128】
実施形態5
前記成形するステップが、レーザ加工、割線縁割り、機械加工、選択的アブレーション、化学的アブレーション、及び/又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態3又は4に記載の方法。
【0129】
実施形態6
加工時に挟圧ローラを用いて前記リボン材料に挟圧領域を画定するステップをさらに含む、実施形態3~5のいずれかに記載の方法。
【0130】
実施形態7
高温の柔軟なガラス含有リボンを、順次搬送される複数の金型に沿って前記ガラスリボンが均一な厚さを有するように沈着させるステップと、
3次元パターンを形成した表面を有する加圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、前記ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、前記金型の3次元表面と前記加圧ローラの前記3次元表面パターンとの間で前記ガラスリボンをプレスするステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成されたガラスリボンを形成するステップと、
を含む方法。
【0131】
実施形態8
高温の柔軟なガラス含有リボンを、第1の3次元表面パターンを備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、
第2の3次元パターンを形成した表面を有する加圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、前記ガラスリボンに少なくとも1つの加圧ローラを作用させて、前記金型の前記第1の3次元表面パターンと前記加圧ローラの前記第2の3次元表面パターンとの間で前記ガラスリボンをプレスし、前記第1の3次元表面パターンを前記ガラスリボンの第1の表面に付与し、前記第2の3次元表面パターンを前記ガラスリボンの第2の表面に付与するステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、表面に3次元パターンが形成された、断面肉厚を有するガラス部品を形成するステップと、
を含む方法。
【0132】
実施形態9
高温の柔軟なガラス含有リボンを、3次元部品形状を有する金型表面と真空係合部とをそれぞれ備えて構成されるとともに順次搬送される複数の金型に沿って沈着させるステップと、
前記真空係合部を介して、前記ガラスリボンと前記金型表面との間に画成された空洞に負圧をかけることにより、前記ガラスリボンを前記3次元部品形状の前記表面に合わせて成形するステップと、
加圧ローラを前記ガラス含有リボンの表面上で転動させることにより、前記加圧ローラで前記ガラスリボンを前記金型に向かって係合させるステップと、
前記ガラスリボンを冷却して、断面肉厚を有する3次元ガラス部品を形成するステップと、
を含む方法。
【0133】
実施形態10
個別のガラス部品の外周縁が挟圧領域によって画定され、任意選択的に、前記挟圧領域と前記ガラスリボンの少なくとも1つの縁との組み合わせによって画定される、実施形態9に記載の方法。
【符号の説明】
【0134】
10 ガラスリボン材料
12 第1の縁
14 第2の縁
16 第1の主面
18 第2の主面
20 挟圧領域(薄肉挟圧部)
24 部品(製品)
38 断面厚さ
50 ガラス部品加工システム
100 ガラスコンベアシステム(コンベア)
108 コンベアベルト
110 金型アセンブリ
112 金型本体
114 金型キャリア
116 (金型の)挟圧エッジ(トリムエッジ)
120 金型表面
132 真空係合部(貫通穴)
134 真空ポート
136 真空ボックス
138 加圧ローラ
142 フレーム
144 加圧ローラ
146 挟圧ローラ(トリミングローラ)
148 (ローラの)挟圧エッジ(トリムエッジ)
152 3次元表面パターン
156 マクロパターン
158 3次元マイクロパターン
160 部品取り外しモジュール
162 正圧アクチュエータ
210 フレーム
212 成形ローラ
218 定寸ローラ
224 第1の挟圧ローラ
226 第2の挟圧ローラ
230 (第1の挟圧ローラの)挟圧エッジ
232 (第2の挟圧ローラの)挟圧エッジ
240 エアターンアセンブリ(エアベント)
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
図20
図21
【国際調査報告】