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特表2023-520892水平に位置させるエンドスティール歯科インプラントシステムと方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-22
(54)【発明の名称】水平に位置させるエンドスティール歯科インプラントシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20230515BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022560248
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 US2021025218
(87)【国際公開番号】W WO2021202768
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】63/004,451
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522386932
【氏名又は名称】ワセフ マイケル
【氏名又は名称原語表記】WASSEF MICHAEL
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】ワセフ マイケル
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159AA03
4C159AA17
4C159AA43
4C159AA44
(57)【要約】
近位端、遠位端、内部アーキテクチャ、および近位端と遠位端との間の外側領域に沿って延びるヘリカルスレッドを有する少なくとも1つの歯科用インプラントを含む、水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。1つ以上のインプラントが、非クレスタルアプローチによって水平または準水平に下顎骨または上顎骨に埋め込まれ、骨組織と係合するように構成される。システムはまた、前記歯科インプラントに取り付けるための近位端と、歯科用プロテーゼの取り付けのために構成された遠位端とを有する少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントを含む。また、水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステムを使用した欠損歯列の診断及び治療方法も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨内膜に水平に配置される非クレスタル歯科インプラントシステムであって:
a. 近位端、遠位端、内部アーキテクチャ、及び前記近位端と前記遠位端との間の外側領域に沿って延びるヘリカルスレッドを有する少なくとも1つの歯科用インプラントであって、前記インプラントは、非クレスタルアプローチによって骨組織と係合するように、下顎または上顎に水平または準水平に埋め込まれるように構成されており;そして
b. 前記歯科インプラントに取り付けるための近位端と、歯科プロテーゼの取り付けのために構成された遠位端とを有する、少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントを含む、前記インプラントシステム。
【請求項2】
少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントがねじ機構で歯科インプラントに取り付けられる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項3】
歯科インプラントを、下顎または上顎との係合を最大限にする角度で、頬側から舌側若しくは口蓋側、または舌側若しくは口蓋側から頬側のいずれかに、水平または準水平で下顎または上顎に挿入する、請求項1に記載のエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントが、歯科用プロテーゼを取り付けられるボール及びソケットアタッチメント機構を採用する、請求項1に記載の水平に位置させる歯科エンドスティール非クレスタルインプラントシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの歯科インプラントの近位端及び遠位端は、前記少なくとも1つの歯科インプラントの挿入を容易にするように切断することができる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの歯科インプラントは、前記の少なくとも1つの歯科インプラントの近位端から前記の少なくとも1つの歯科インプラントの遠位端に向かって内向きに延びる内部アーキテクチャを有する、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの歯科インプラントが両側的に埋め込まれ、下顎骨または上顎骨を通して位置決めされ、そこでは少なくとも1つの歯科インプラントの近位端および遠位端の両方に歯科用インプラントアバットメントを取り付けることができる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの歯科インプラントを別の歯科インプラントと保持バーで接続することができる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項9】
少なくとも1つの歯科インプラントを別の歯科インプラントと保持スプリングで接続することができる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項10】
骨内膜に水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステムであって:
a. 近位端、遠位端、内部アーキテクチャ、及び前記近位端と前記遠位端との間の前記外側領域に沿って延びるヘリカルスレッドを有する少なくとも1つの歯科用インプラントであって、前記インプラントは、下顎または上顎からの骨組織と係合するように、下顎または上顎に非クレスタルアプローチで水平に特別な角度で埋め込まれるように構成されており;
b. 前記歯科インプラントに取り付けるための近位端と、歯科プロテーゼの取り付けのために構成された遠位端とを有する、少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントを備え;及び
c. 前記の少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントに接続するように構成された少なくとも1つの歯科用インプラント用プロテーゼを備えている、前記インプラントシステム。
【請求項11】
少なくとも1つの歯科インプラントが、雄部の保持エレメントまたはアバットメントに対する雌部構成要素として機能するためのオリフィスを含む、請求項10に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントがねじ機構で歯科インプラントに取り付けられる、請求項10に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項13】
歯科インプラントを、下顎または上顎との係合を最大限にする角度で、頬側から舌側若しくは口蓋側、または舌側若しくは口蓋側から頬側のいずれかに水平または準水平で下顎または上顎に挿入する、請求項10に記載の歯科エンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントが、歯科用プロテーゼを取り付けられるボール及びソケットアタッチメント機構を採用する、請求項10に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの歯科インプラントの近位端及び遠位端が、少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントは少なくとも1つの歯科インプラントと平行でも垂直でもない角度で配置され得る、請求項10に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項16】
少なくとも1つの歯科インプラントが、前記の少なくとも1つの歯科インプラントの近位端から前記の少なくとも1つの歯科インプラントの遠位端に向かって延びる内部アーキテクチャを有する少なくとも1つの歯科インプラントを有する、請求項10に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項17】
少なくとも1つの歯科インプラントが下顎骨または上顎骨に両側から埋め込まれ、そこに少なくとも1つの歯科インプラントの近位端および遠位端の両方に歯科用インプラントアバットメントを取り付けることができる、請求項10に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの歯科インプラントを別の歯科インプラントと保持バーで接続することができる、請求項10に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの歯科インプラントを別の歯科インプラントと保持スプリングで接続することができる、請求項10に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項20】
近位端、遠位端、及び前記近位端と前記遠位端との間の外側領域に沿って延びるヘリカルスレッドを有する少なくとも1つの歯科用インプラントを有し、前記インプラントは、骨組織と係合するように非クレスタルアプローチで下顎または上顎に水平または準水平に植立され;前記インプラントに取り付ける近位端と歯科プロテーゼの取り付け用の遠位端のある少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントと歯科プロテーゼをもつ、水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステムの患者診断および埋入方法のステップであって、以下のステップを含む、前記方法。
a. 患者記録及び診断方法を使用して包括的な患者評価を行う;
b. 水平に位置させる歯科インプラントシステムの使用を処方する決定を行う;
c. 1つまたは複数の適切なサイズのインプラントを選択する;
d. 1つまたは複数の適切なサイズの歯科インプラントアバットメントを選択する;
e. 1つまたは複数の適切なサイズの歯科インプラント用プロテーゼを選択する;
f. 非クレスタルアプローチによって適切なサイズのインプラントを外科的に配置; g. 外科的に配置された適切なサイズのインプラントのオッセオインテグレーションを可能にする;
h. 少なくとも一つの歯科インプラントアバットメントを、外科的に配置し、オッセオインテグレーションされた水平に位置させる歯科インプラントに結合する;及び
i. 少なくとも一つの歯科プロテーゼを、外科的に配置し、オッセオインテグレーションされた歯科インプラントに結合された1つ以上の歯科インプラントアバットメントに結合する;
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として歯科インプラント分野に関連する。より具体的には、本発明は、水平に位置させるエンドスティール歯科インプラントシステムと方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
欠損歯列は、1つ以上の歯を失った状態である。歯の喪失の問題は、数百万人の成人が経験している。歯の喪失は1つ以上の歯を伴い、損傷から歯周病に至る要因による。歯列欠損は不可逆的で、しばしば進行性であるため、それは患者の口腔健康の全体的な状態の低下を密接に示す要因の1つである。
【0003】
歯列欠損には2つの種類がある。部分的歯列欠損は、歯列機能の部分的な喪失を意味する。換言すれば、1つまたは複数の歯の喪失であり、すべての歯の喪失を意味するわけではない。この定義は、機能歯の喪失も指す。完全無歯顎は、機能的歯列の全損を指す。完全無歯顎は、中高年以上および高齢患者でより多く見られ、幾つかの原因により起こり得るもので、その中で最も一般的なのは、歯周病による問題、重度の歯ぎしり、継続的な骨損失である。完全無歯顎は、典型的には進行性および長期間の歯科医療の欠如の結果であるが、外傷によっても引き起こされる可能性がある。
【0004】
歯列欠損と歯の喪失の問題は、機能低下よりもはるかに包括的である。副次的問題は、加齢の恐怖、社会的抑制、自己イメージの低下など、患者に多くの心理社会的影響を及ぼすものである。
【0005】
歯の損失に対する最も一般的な解決策は、可撤式装置装着で、欠損した歯を一般に言うパーシャルデンチャー(部分的義歯)またはデンチャー(完全義歯)に置き換えるものである。米国のデンチャー装着者は約3,000~4,000万人にのぼる。他に4900万人がパーシャルデンチャーやブリッジの装着者である。これらの患者の義歯の多くは、いずれは緩い義歯か不適合義歯となる。
【0006】
歯が喪失した患者の口腔内の骨(すなわち、上顎骨及び下顎骨)は、経時的に体積、幅、及び高さが減少する。原因は、デンチャーが歯肉ライン上部からまたは上部に位置されるため、下顎の骨に直接刺激が与えられないためである。この刺激の欠如により、時間経過とともに骨吸収と以上の原因となる。従来のデンチャーやブリッジの固定は顎骨に依存しており、骨損失に伴い、しばしば緩みや、食事上や発音上の問題となる。そして最終的に、強力な接着剤でもデンチャーの固定が不可能になるほど骨損失が進み、新しい装置が必要になる可能性がある。適切なデンチャーのケア、修理、再調整は口腔の健康維持に不可欠であるが、骨損失自体は進行していくことになる。骨萎縮に悩む患者のために新しい補綴装置を作製しても、新しい補綴装置が緩みや動揺の問題を十分に解決することを保証するものではない。デンチャーの緩みの主原因は、骨容量および/または幅および/または高さの喪失にあり、依然として補正されないためである。歯が喪失した患者の口腔内の骨(すなわち、上顎骨及び下顎骨)は、経時的に体積、幅、及び高さが減少する。原因は、デンチャーが歯肉ライン上部からまたは上部に位置されるため、下顎の骨に直接刺激が与えられないためである。この刺激の欠如により、時間経過とともに骨吸収と以上の原因となる。従来のデンチャーやブリッジの固定は顎骨に依存しており、骨損失に伴い、しばしば緩みや、食事上や発音上の問題となる。そして最終的に、強力な接着剤でもデンチャーの固定が不可能になるほど骨損失が進み、新しい装置が必要になる可能性がある。適切なデンチャーのケア、修理、再調整は口腔の健康維持に不可欠であるが、骨損失自体は進行していくことになる。骨萎縮に悩む患者のために新しい補綴装置を作製しても、新しい補綴装置が緩みや動揺の問題を十分に解決することを保証するものではない。デンチャーの緩みの主原因は、骨容量および/または幅および/または高さの喪失にあり、依然として補正されないためである。
【0007】
DENTAL PRODLTCTS REPORTによる最新調査では、約95%の患者が現在のデンチャーに不満を示した。デンチャーの満足度における最も重要な2要因は、快適性と審美性であった。また回答者の約3分の1が、年内に現在使用中の義歯の交換を考えていた。
【0008】
歯科インプラントの利用は広く受け入れられると共に、益々コスト効率の良いブリッジと義歯の代替手段となってきている。歯科インプラントの本質は、上下顎骨の歯槽骨に垂直に埋め入れる人工歯根である。こうしたインプラントは、ネジ形状で周囲の骨が成長し得る。クラウン(歯冠)または義歯は、歯科インプラントの上部構造として結合される。歯科インプラントは、固定(永久)または取り外し可能な人工歯の強固な下部構造となり、患者の生来の歯に合わせてカスタムメイドすることができる。
【0009】
歯科用インプラントは、部分欠損および完全欠損歯列のいずれの患者にも、欠損した歯の代替として最も頻繁に推奨される選択肢となっている。歯科インプラントは本質的に人工歯根のように機能する。従来の歯科用インプラントは、クレスタル・インプラント・プレースメントとして(即ち患者の歯槽骨頂稜から埋入し、垂直か準垂直につまり上から下に)挿入される。患者の顎骨は各インプラントと融合し、歯科プロテーゼ(補綴装置)の安全なプラットフォームを提供する。アバットメントは、プロテーゼとインプラントの結合部の役割を果たす。この処置の普及の裏付けとなる縦断研究では、歯科インプラント治療が正しく適切な患者に施された場合、インプラントの長期の残存率と成功率の高さを示している。
【0010】
しかし、歯科インプラントの成功も合併症の可能性は排除していない。2つの合併症がインプラント歯科技術で発生する:即ち生物学的なものおよび技術的なもの(機能的なものなど)である。生物学的合併症は、インプラント周辺の支持組織、すなわち早期および後期のインプラントの障害に影響を与える生物学的プロセスによって特徴付けられるインプラント機能の障害であり、及びインプラント周辺の硬組織及び軟組織における有害反応である。技術的合併症とは、インプラント、インプラントのコンポーネントおよび/またはプロテーゼの機械的損傷を指す。
【0011】
骨質及び骨質、歯槽骨頂稜の形態及び吸収パターン、顎骨形態の位置、並びに生体力学的考慮のために上顎骨 および下顎骨には、非常に異なる外科的および修復的課題がある。固定式インプラントと可撤性インプラントの選択は、多くの要因に基づいている。例えば、患者の選好、コスト、メンテナンスの容易性、ならびに顎骨の形態、骨質、骨量、およびアーチの形態の臨床的考慮事項が含まれる。歯科インプラントの長期的成功の予測可能性は、設計製作および材料選択だけでなく、患者の骨組織の状態にも左右される。
【0012】
しかしながら、骨損失のある患者は、歯槽骨頂稜を通り/歯槽骨頂稜から位置させる従来の歯科インプラントには、適した対象でない可能性がある。こうしたアプローチはクレスタル・アプローチと呼ばれている。従来、歯科インプラントのオッセオインテグレーションの成功と補綴物の保持または支持に必要な咬合力および咀嚼力に耐えるためには、インプラントのオッセオインテグレーションの表面性状の領域は十分かつ適切に必要とされている。インプラントにこの必要なオッセオインテグレーション表面がなければ、インプラントは骨からの強度と支持の欠如(オッセオインテグレーション表面の不足)のために失敗となる。つまり、十分な骨の高さと幅が存在しなければならない。骨損失のため、上顎骨および/または下顎骨に、しばしば下顎骨および上顎骨に歯科インプラントを骨頂に位置させるには十分な骨がないことがあり、こうした場合は患者がパーシャルデンチャーまたは完全なデンチャーを保持する助けがない。
【0013】
テンポラリーアンカレッジデバイス(TADs)は、小さなネジ状の歯科インプラントで、チタン合金製で、名前の通り一時的なものである。TADsは通常、治療の過程の限られた期間に所定位置に留まり、次には除去される。その機能は、安定したアンカー、すなわち周辺の他のもの(つまり歯)を動かす固定源になることである。TADsはまた、通常は歯列矯正ヘッドギアを介して、本来は口腔外から加えるべき押す力と引く力の固定源ともなる。ヘッドギア着用は快適とは言えず、コンプライアンスの問題もある。TADsによって、多くの場合にヘッドギアの必要性がなくなり、多くの患者にとって歓迎すべき進歩となった。
【0014】
数十年間の使用実績のある歯科インプラントと同じく、TADsは小さく、顎の骨に位置させるネジ状の装置である。ただしインプラントと異なり、通常は顎骨または歯骨自体と一体化する必要はない。通常、機械的な力だけで所定の位置に固定される。こうしたインプラントは一時的目的には有効だが、歯科用補綴装置、保持要素および/またはアバットメントを、取り付けるための永続的システムとはならず、修復歯科ではなく主として外科的矯正治療に使用される。
【0015】
現在は、先行技術の制限を克服する歯科インプラントシステムと方法のニーズがある。特に、骨の縦の高さおよび/または幅に欠陥のある患者のために、外れやすい義歯の問題に対する解決策となる歯科技術が必要である。
【発明の概要】
【0016】
本発明は、先行技術の制限を克服する歯科インプラントシステムの必要性を満たすものである。本質的には、本発明は、近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間の外側領域に沿って延びるヘリカルスレッドを有する少なくとも1つの歯科用インプラントを含み、各インプラントは、非クレスタルアプローチによって水平にまたは準水平に位置させて下顎骨または上顎骨に埋め込まれ、骨組織と係合するように配置され、また少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントには、歯科インプラントに取り付けるための近位端および歯科プロテーゼ取付けのために構成された遠位端を有する。本出願の目的において、非クレスタルアプローチは、顎骨内への非垂直または非準垂直方向からのアプローチとして定義される。
【0017】
全体として本発明は、水平アクセスホール形成により顎(複数可)に位置させる円形、円筒形状の金属合金歯科インプラントである。インプラントの直径、半径、幅、高さ、長さ、内部および外部の保持アーキテクチャは、患者の既存の顎の形態によって異なる。本発明は、従来の歯科インプラントを設計変更し、インプラントを水平に位置させることによって、従来位置のインプラントの適さない患者を支援する装置である。またインプラントの配置ダイナミクスを変更することで、インプラント/補綴機構のメカニズムの物理性も例外なく大きく変化させる。水平に位置させる歯科インプラントは、他の方法では使用できないように見える骨をうまく利用するように設計されている。
【0018】
本発明の目的は、(骨の体積、幅、高さ、またはその3つの任意の組み合わせの欠如により)在来のインプラントに不適な患者が、非在来的な配置技術を通じて歯科インプラントを実現可能にすることである。こうしたシステム及び方法が、歯科インプラント希望者の増大を可能にすることができる。現在、骨損失と外れ安い義歯に悩む人々には大幅なQOLの向上につながる。
【0019】
水平に位置させる本インプラントシステムは、顎側面から口腔内で埋入する設計である。挿入法の角度は、骨の構造、組成、および顎骨密度に応じて異なり、個々の患者の補綴結果が考慮される。このシステムおよび挿入方法は、現在使用されている他のいかなるインプラントとは異なるものである。
【0020】
この水平に位置させる歯科インプラントの形状は円筒形で、大型、小型、1つ、2つ、またはそれ以上のインプラントが可能である。この水平に位置させるインプラントシステムは、上顎骨または下顎骨に挿入することができる。インプラントのアーキテクチャは、従来のインプラントとは異なる。本発明の実施態様では、ねじ山は、形状、長さなどが異なる。より重要なのは、内部アーキテクチャが従来の歯科インプラントとは大きく異なることである。本発明の一実施形態では、インプラントが1つのアバットメント(アタッチメント)または2つのいずれかを受け入れ得る2つのオリフィスが存在する。この汎用性の高い設計は、現在使用されている他のインプラントにはないものである。この孔またはオリフィスはインプラントの両端にある。これにより、プロテーゼを安定させるために患者に提供可能な保持設計の選択肢がこれまでにないほど一挙に増加する。第二のオリフィスの使用は任意である。一実施形態では、第二のオリフィスへのカバーがあり、このカバーを解放する機構がある。このカバーが取り外されると、歯科医はインプラント内部表面にアクセスし、任意のアタッチメントインサートまたはアバットメントインサートの挿入を可能にする。インサートは、スクリュー留めし、機械的に留め、取り外しや固定が可能である。インサートは、可動式または固定式であってもよい。
【0021】
水平に位置させる歯科インプラントシステムはまた、引き込み可能な作動時にインプラントの中心から口腔内に延びる「保持アーム(維持腕)」が含まれる。保持アームまたは維持腕は、円筒形インプラントの中心から、頬、および口の舌の両方の領域に延びるように構成することができる。保持アームは、固定構造でも患者ニーズに応じて運動できるフレキシブルな材料で作られてもよく、さらに部分的に剛性で部分的にフレキシブルな材料の組み合わせであってもよい。本発明の一実施態様では、この保持アームは、保持アームまたは維持腕の延長をもたらす特定のツールを介した機械的作動を可能にすることができる。代替的な実施形態では、抑制可能な作動が用いられ得る。代替的な実施形態では、このインプラントは、保持アームの回転、及び/または横方向の移動を可能にする様々な内部構造及び設計を有してもよく、これは、保持アーム及び/またはインプラントフィクスチャーへの応力負荷を低減するための努力である。動きは、360度軸上の任意の方向で完全に方向性であってもよい。
【0022】
インプラントの挿入は、外側から内側、または前方から後方にかけて、顎側面に水平に行われる。この方法は、歯槽頂から行うクレスタルアプローチとして知られ理解されているものとは、対照的である。このような処置に必要なツールは、クレスタルアプローチのものと異なる。歯科医がインプラントの位置を適切な方向および向きに埋入させるために使用するガイドであるサージカルガイドまたは「ステント」もまた、異なる。
【0023】
診断および設置の方法として、一連のステップまたは機能が移植され得る。そのような方法の1つでは、エックス線、パノラマエックス線、頭部エックス線、コーンビームCT(CBCT)などを含むがこれらに原点されない、画像法を使用した術前評価を行ってもよい。このような評価は、歯科医師および/または口腔外科医に不可欠な情報を提供する。水平に位置させる歯科インプラントシステムを進めるために決定は、診断評価(臨床およびX線撮影)後に行うことができる。この処置が決まった患者には、適切なサイズのインプラント(直径と長さ)を1つか複数選択する。次に、外科用「ステント」またはガイドを作製する。1つまたは複数の切開が行われる。次いでこのサージカルガイドを使って、水平アクセスによる歯科インプラントの配置が行われる。一実施態様では、次に上部から下部まで均等な円筒形状のインプラントが、顎骨に水平に挿入される。次に、インプラントが患者の顎骨にオッセオインテグレーション(骨結合)させる。オッセオインテグレーション後、1つか複数のアバットメントを選び、融合した歯科用インプラントに取り付ける。各インプラントの内部アーキテクチャは、ネジ留めされたO-ballアバットメントまたは他の適切なアバットメントを受け入れることができる。義歯または部分義歯は、O-ballアバットメントを補完する1つ以上の雌部アタッチメントを有する。その後、患者はインプラントを安定させる取り外し可能なプロテーゼを使用する。
【0024】
水平に位置させる歯科エンドスティールインプラントシステムにおいて、O-ballアバットメントは、臨床医が利用可能なほぼ無限にある種類のアタッチメントまたはアバットメントオプションのうちの1つに過ぎないことを理解されたい。アバットメントの選択及び種類は最終的には臨床医が行い、患者の臨床的ニーズ及び目標を優先して決定される。また、アバットメントまたは保持要素またはその機構は、同じ個体において剛性、可撓性、または剛性および可撓性の両方であってもよいことも理解されたい。
【0025】
さらに、この水平に位置させるインプラントシステムには、多数の義歯または部分義歯およびプロテーゼが正常に取り付け可能なことも理解されたい。このようなシステムは、従来のクレスタルアプローチ歯科インプラントと技術には歯槽頂部骨の高さが足りない患者にとって、広範な汎用性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明は以下の添付図面を参照する実施例によって説明されるが、それらに限定されるわけではなく、同様の参照番号が類似の要素を指し、内容は以下の通りである:
【0027】
図1は、本発明の一実施態様による、インプラント本体及び別個のO-ballアタッチメントまたはアバットメントの斜視図である;
【0028】
図2は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である;
【0029】
図3Aは、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である;
【0030】
図3Bは、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の側面切断図である;
【0031】
図4は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の側面図である;
【0032】
図5は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の側面図である;
【0033】
図6は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステム及び義歯アセンブリを有する下顎骨の斜視図である;
【0034】
図7は、本発明の一実施態様による、水平に配置される歯科インプラントシステム及び義歯アセンブリを有する下顎骨の斜視図である;
【0035】
図8は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを有する下顎骨の横断面図である;
【0036】
図9は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを有する顎骨の横断面図である;
【0037】
図10は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを有する顎骨の横断面図である;
【0038】
図11は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムおよびO-ballアバットメントを備えた上顎骨の正面図である;
【0039】
図12は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムおよびO-ballアバットメントを備えた上顎骨の正面斜視図である;
【0040】
図13は、本発明の一実施形態によるインプラント本体及びアバットメントの側面切断図である;
【0041】
図14は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である;
【0042】
図15は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である;
【0043】
図16は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である;
【0044】
図17は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である;
【0045】
図18は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した顎骨の横断面図である;
【0046】
図19は、本発明の一実施態様による、インプラント本体および別個のボールおよびソケットアタッチメントまたはアバットメントの斜視横断図である;
【0047】
図20Aは、本発明の一実施態様による、水平に位置させたインプラントシステムの
アバットメントの正面図である;
【0048】
図20Bは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの側面断面図である;
【0049】
図20Cは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムの
アバットメントアセンブリの側面断面図である;
【0050】
図21Aは、本発明の一実施態様による、水平に位置させたインプラントシステムの
アバットメントの正面図である;
【0051】
図21B は、本発明の一実施態様による、水平に位置させたインプラントシステムの
アバットメントの側面断面図である;
【0052】
図21Cは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの側面断面図である;
【0053】
図22Aは、本発明の一実施態様による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの正面図である;
【0054】
図22Bは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの側面断面図である;
【0055】
図22Cは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの側面断面図である;
【0056】
図23Aは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの側面断面図である;
【0057】
図23Bは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの側面断面図である;
【0058】
図24Aは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの側面断面図である;
【0059】
図24Bは、本発明の一実施形態による、水平に位置させたインプラントシステムのアバットメントの側面断面図である。
【0060】
その旨の記載がない限り、図面のイラストは一定の縮尺で描かれているわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態の説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書および添付の特許請求の範囲において、文脈上明らかに別異に解される場合を除き、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の場合も含むことに留意されたい。例えば「要素(an element)」は、1つ又は複数の要素を示し、また当業者に公知のその均等物も含む。使用されるすべての接続詞は、可能な限り最も包括的な意味で理解されるものとする。したがって、単語「または(or)」は論理上の「または(or)」の定義を有し、文脈上明らかにそう解されない限り、論理上の「排他的選言(exclusive or)」を定義してはいない。文脈上明らかに別異に解釈される場合を除き、近似値を意味するように解釈することができる表現はそのように理解されるべきである。
【0062】
特に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を表す。好ましい方法、技術、装置、及び材料が記載されているが、本明細書に記載されたものと類似または均等の方法、技術、装置または材料を本発明の実施または試験において使用することができる。本明細書で説明する構造は、そのような構造の機能的均等物を示すことも理解されたい。
【0063】
「一実施形態(one embodiment)」、「一変形(one variant)」、「実施形態(an embodiment)」、「変形(a variant)」、「様々な実施形態(various embodiments)」、「多数の変形 (numerous variants)」などと言及された場合は、このように記載される本発明の実施形態(複数可)が特定の機能、構造、特徴を含むであろうことを示す。ただし、すべての実施形態または変形が、特定の機能、構造、特徴を必ずしも含むとは限らない。さらに、「一実施形態では」、または「例示的な実施形態では」、または「変形」、または「別の変形」という語句の繰り返し使用は、必ずしも同一の実施形態ものを指すとは限らない。互いに通信する複数のコンポーネントを伴う実施形態の説明は、すべてのそのようなコンポーネントが必要であることを意味するものではない。むしろ、本発明で可能な実施形態の幅広い多様性を例示するために、多様なオプションのコンポーネントが記載されている。
【0064】
当業者に周知であるように、こうした水平に位置させる歯科インプラントシステムと方法の最適な製造と製品化の設計には、通常は多くの慎重な考慮と妥協がなされねばならない。本発明の趣旨及び教示に従った商業実施は、特定の用途の必要に応じて、任意の態様(複数可)、特徴(複数可)、機能(複数可)、結果(複数可)、構成(複数可)、アプローチ(複数可)、またはステップ(複数可)の本発明の実施形態に関連する教示によって、当業者が適切に省略、適合、混合、整合、または改良および/または最適化し、設定する場合がある。
【0065】
水平に位置させる歯科インプラントシステムと方法を提供し実施するためのシステムを、手段と方法と共に説明する。一例の水平に位置させる歯科インプラントシステム及び方法は、添付の図面に示されるように、その実施形態を参照して詳細に説明する。
【0066】
図1は、本発明の一実施態様による、インプラント本体及び別個のO-ballアタッチメントまたはアバットメントの斜視図である。水平に位置させる歯科インプラント100は、インプラント本体102及びアタッチメントまたはアバットメント104からなる。各インプラント本体は、近位端及び遠位端106を有する。各インプラント本体はまた、近位端と遠位端106との間の外側領域に沿って延びる1つ以上のヘリカルスレッド108を含む。各インプラント本体の近位端及び遠位端は、インプラント本体102の挿入及び骨結合に有利な様々な方法の形状にすることができる。本発明の一実施形態では、インプラント本体102の近位端及び遠位端106は、切断され得る。各インプラント本体には、歯科インプラントのアバットメント、保持要素、または歯科インプラントプロテーゼを受け入れることができる内部アーキテクチャ110がある。当業者であれば、内部アーキテクチャ110が多数の形状及び配置を想定していることを容易に理解するであろう。本発明の好ましい実施形態では、インプラント本体及びアタッチメントまたはアバットメントは互いに別個ながら、互いに接続可能である。当業者であれば、インプラント本体及びアタッチメントまたはアバットメントが、ロッキングスクリュー機構などを含むがこれに限定されない、様々な手段で相互に付着し得ることを理解するであろう。このスクリュー機構は、アバットメントの一部でも、アバットメントから完全分離でも可能である。
【0067】
図に描かれたアタッチメントまたはアバットメント104の形状および設計が包括的ではないことは、当業者にとって容易に明らかであろう。このイラストは、本発明において、義歯にどう取り付け支持するかを説明する実施形態を描いたものにすぎない。他に、本発明の範囲に適合する多くの設計形状、接続部、及び耐荷重機能がある。この図では、アタッチメントまたはアバットメントは、ボールとソケットの接続で使用されるボールの構成の形態をとる。本発明の好ましい実施形態では、これらのコンポーネントは、チタンまたはチタン合金などのnon-coirodibleで軽量の、金属または合金から作られる。しかし、金属及び合金を含むがこれらに限定されない他の材料も適するであろう。他の実施形態ではジルコニウム合金も含まれるだろう。
【0068】
当業者であれば、当インプラントのアーキテクチャが従来の歯科インプラントとは異なることを理解するだろう。本発明の実施形態では、1つ以上のヘリカルスレッド108が、従来の歯科インプラントとは異なる。本発明の一実施形態では、使用される1つまたは複数のインプラントの挿入を容易にするように、この水平に位置されるエンドスティール歯科インプラントシステムの近位端と遠位端106は切り詰められる。さらに、この水平に位置させる歯科インプラントシステムの形状、幅、長さも、従来の歯科用インプラントのものと異なる。より重要なことに、1つまたは複数の実施形態では、内部アーキテクチャが、咀嚼や散漫な力がかかり散逸する従来の歯科インプラントとは大きく異なることである。
【0069】
図2は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステム100 を埋入した下顎骨の上面切断図である。この図では、様々なサイズ及び深さの水平に位置させる歯科用インプラント 100が示されている。当業者は、この水平に位置させる歯科インプラントシステムと方式が、患者のニーズにより異なるサイズと構成を多数想定していることを理解するだろう。さらに当業者は、この水平に位置させる歯科インプラントが、患者のニーズに応じて様々な角度及び深さで配置され得ることも理解するだろう。本発明の実施形態では、1つか複数のインプラント本体は、非クレスタルアプローチによって水平または準水平に、下顎骨または上顎骨に埋め込まれ、骨組織と係合および統合されるように配置される。本出願の目的において、非クレスタルアプローチとは、歯槽骨頂稜からはアプローチせず、顎骨に垂直か準垂直に挿入しない方向からの、インプラント配置アプローチと定義される。配置の起点が非クレスタルだからである。換言すれば、非クレスタルアプローチは、歯科インプラントを、下顎または上顎との係合を最大限にする角度で、頬側から舌側または口蓋側、または舌側または口蓋側から頬側のいずれかに水平または準水平で挿入するアプローチである。当業者は、非クレスタルアプローチのこの全方向性を理解するであろう。
【0070】
図3Aは、本発明の代替的な一実施形態により、水平に位置させる歯科インプラントシステム100を埋入した下顎骨の上面切断図である。この図では、水平に位置されたインプラントシステム100が、前から後への角度で下顎に入るのが描かれている。水平に位置された歯科インプラントシステムは下顎の後方に向かうが、進行の軌道は角度0またはシータである。代替的な実施形態では、水平に配置された歯科用インプラントが、顎骨または下顎骨内に、同時に上向きか下向きと後方に入っていくことができる。こうしたアプローチは、骨係合を最大化するインプラントを歯科医が利用でき、また長さ及び/または直径のより大きいインプラントの利用を可能にし得る。これが骨との体表面接触率を高め、より強く安定したオッセオインテグレーションの歯科インプラントが可能になる。より長いインプラントは、インプラントに支持されるプロテーゼの固定に使用された場合に、より高強度を付与することができる。この図では、水平に位置されたインプラントの近位端に角度がある。この近位端の角度は、義歯またはプロテーゼに角度を付けるようにアバットメントを挿入することを可能にする。
【0071】
図3Bは、本発明の代替的な一実施形態により、水平に位置させる歯科インプラントシステム100 を埋入した下顎骨の側面図である。この図では、水平に位置されたインプラントシステム100が、前から後への角度で下顎に入るのが描かれている。水平に位置された歯科インプラントシステムは、下顎の後方に向かうにつれ、上向き軌道でも進行している。言い換えれば、この水平に位置された歯科インプラントは、顎骨または下顎骨の中で上向きに進んでいる。このようなアプローチで、より大きなインプラントの長さ及び/または幅の使用を可能にする。インプラントの長さおよび/または幅が大きいほど、義歯の固定に使用された場合の強度が高くなるが;これは、骨量の減った患者が従来の配置の歯科インプラントを使用した場合は、事実上ほとんど不可能である。この水平に位置させる歯科インプラントの挿入角度と長さは、患者のニーズに応じて変えられることを理解されたい。
【0072】
図4は、本発明の代替的な一実施形態により、水平に位置させる歯科インプラントシステム100を埋入した下顎骨の側面図である。この図では、様々なサイズと深さの水平に位置させる歯科インプラントが示されている。当業者は、この水平に位置させる歯科インプラントシステムと方式が、患者のニーズにより異なるサイズと構成を多数想定していることを理解するだろう。
【0073】
図5は、本発明の代替的な一実施形態により、水平に位置させる歯科インプラントシステム100を埋入した下顎骨の側面図である。この図では、同じサイズと幅の水平に位置させる歯科インプラントが描かれている。当業者は、この水平に位置させる歯科インプラントシステムと方式が、患者のニーズにより異なるサイズと構成を多数想定していることを理解するだろう。
【0074】
図6は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステム及び義歯アセンブリ600を有する下顎骨の斜視図である。この図では、アバットメントは保持要素として機能している。このようなアバットメントは、インプラント支持による義歯に一般的に使用されるO-ballアバットメントとして知られている。本発明の実施形態では、義歯は部分義歯及び完全義歯の両方に関連する。この図では、義歯アセンブリ内の対応する円は、雌部アタッチメントまたはO-ballアバットメントと係合する任意の適切なアタッチメントで良い。当業者は、他の多くのアバットメント及びアタッチメントを使用して、そのような義歯アセンブリの取り付け可能なことを理解するだろう。
【0075】
図7は、本発明の一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステム及び義歯アセンブリ700を有する下顎骨の斜視図である。この図では、アバットメントは保持要素として機能している。当業者は、歯科インプラントとアバットメントが、直線パターンなどを含むがそれに限定されない、色々な配置を想定することができると容易に理解するであろう。図7はまた、水平に位置されるインプラントは、目に見えるアタッチメントやアバットメントがないことを示している。これは、このインプラントが、プロテーゼを保持するために水平インプラントに挿入される保持要素のレセプタクルとしても機能することも示す意図がある。言い換えると、少なくとも1つの歯科インプラントには、雄部の保持要素かアバットメントへの雌部コンポーネントとして機能するオリフィスが内部アーキテクチャに含まれている。この保持要素は、義歯アタッチメント装置から発するか、あるいは個別の保持要素として義歯に挿入され、インプラント内またはインプラントに取り付けることができる。当業者は、インプラント及びアバットメントの数、形状、及び配置が、患者の生理及び必要性に応じて変化することを理解するであろう。本発明の実施形態では、義歯は部分義歯及び完全義歯の両方に関連する。この図では、義歯アセンブリ内の対応する円は、雌部アタッチメント、または保持要素、アバットメント、インプラント自体と係合する任意の適切なアタッチメントであり得る。当業者は、他の多くの保持要素、アバットメント及び/またはアタッチメントを使用して、このような義歯アセンブリの取り付け可能なことを理解するだろう。
【0076】
図8は、本発明の一実施態様による、水平に位置された歯科インプラントシステム100を有する下顎骨の横断面図である。この図では、インプラント102は、頬側(頬側)から始まり舌側に向かう角度で挿入されている。インプラント102の起点は、インプラント102の頂点よりも高い位置である。言い換えると、挿入はもっと高い場所から始まり、骨の中に埋入され、骨の中を下向きに入って行く。こうしたアプローチが、歯科医にとってより大きな骨量との係合を可能にし、また長さ及び/または直径がより大きなインプラントを利用することを可能にする。これが骨との体表面接触率を高め、より強く安定したオッセオインテグレーションの歯科インプラントが可能になる。この図では、アタッチメントまたはアバットメント104は、角度800に位置し、インプラント102と平行でも垂直でもないように配置されている。当業者は、アタッチメントまたはアバットメント104が、患者のニーズに応じて角度を付けられることを理解するであろう。
【0077】
図9は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置された歯科インプラントシステム100を有する下顎骨の横断面図である。この図では、インプラント102は、頬側を起点に舌側に向かう角度で挿入されている。インプラント102は、インプラント102の頂点の高さを起点とする。言い換えると、インプラント102は、頬側を起点に骨の舌側に向かって挿入され、骨に対して垂直なままである。本発明の一実施形態では、アタッチメントまたはアバットメント104は、インプラント102と平行な角度で配置され得る。当業者は、アタッチメントまたはアバットメント104が、患者のニーズに応じて角度を付けられることを理解するであろう。
【0078】
図10は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置された歯科インプラントシステム100を有する下顎骨の横断面図である。この図では、インプラント102は、頬側(頬側)から始まり舌側に向かう角度で挿入されている。インプラント102 の起点は、インプラント102の頂点よりも低い位置である。言い換えると、挿入はもっと低い場所から始まり、骨の中に埋入され、骨の中に上向きに進む。こうしたアプローチが、歯科医にとってより大きな骨量との係合を可能にし、また長さ及び/または直径がより大きなインプラントを利用することを可能にする。これが骨との体表面接触率を高め、より強く安定したオッセオインテグレーションの歯科インプラントが可能になる。この図では、アタッチメントまたはアバットメント104 は、角度800 に位置し、インプラント102と平行でも垂直でもないように配置されている。この角度800は、患者の解剖学的および/または生理学的ニーズに応じて変化し得る。当業者は、アタッチメントまたはアバットメント 104 が、患者のニーズに応じて角度を付けられることを理解するであろう。
【0079】
図11は、本発明の一実施形態による、水平に配置された歯科用インプラントシステムを備えた上顎骨の正面図である。図は、インプラントに取り付けられた4つのO-ballアバットメントを備えた上顎または上顎骨を示している。また、義歯の内側に「雌部」アタッチメントを有する上部義歯1100を示している。言い換えれば、こうした義歯アタッチメントは外から見えない。義歯が連結され、O-ballアバットメントと対応する雌部が接続されると義歯が固定される。当業者は、このようなアバットメントが、患者に保持性の機能的な義歯を提供できるような、様々な方法で義歯と接続され得ることを理解するだろう。
【0080】
図12は、本発明の一実施形態による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の正面図である。図は、インプラントに取り付けられた6つのO-ballアバットメントを備えた下顎または下顎骨を示している。図はさらに、義歯の内側に「雌部」アタッチメントを有する下部義歯 1200を示している。言い換えれば、こうした義歯アタッチメントは外から見えない。義歯が連結され、O-ballアバットメントと対応する雌部が接続されると義歯が固定される。当業者は、そのようなアバットメントが、患者に機能的な義歯を提供するために、多数の方法で義歯と接続するように構成され得ることを理解するであろう。
【0081】
図13は、本発明の一実施形態によるインプラント本体及びアバットメントの側面切断図である。本発明の実施形態では、1つか複数のインプラント本体は、非クレスタルアプローチによって水平または準水平に、下顎骨または上顎骨に埋め込まれ、骨組織と係合および統合されるように構成される。本出願の目的において、
非クレスタルアプローチは、顎骨内への非垂直または非準垂直方向からのアプローチとして定義される。換言すれば、非クレスタルアプローチは、歯科インプラントを、下顎または上顎との係合を最大限にする角度で、頬側から舌側または口蓋側、または舌側または口蓋側から頬側のいずれかに水平または準水平で挿入するアプローチである。この図では、インプラントの両端にデュアルの内部アクセススロットを備えたインプラントを示している。図は、2つの同一のアタッチメントまたはアバットメント104を示す。当業者は、アバットメントの代わりに、アタッチメントまたはエレメントという用語を使用できることを理解するであろう。この独自の属性により、複数のアバットメントまたはその他の保持エレメントや補綴エレメントを、単一のインプラントフィクスチャー102で利用することが可能になる。この図では、2つのアタッチメントまたはアバットメントはボール形状で、ボール/ソケット接続が使用される。ただし、他のアタッチメントまたはアバットメントまたは保持エレメントも使用可能である。本発明の実施形態では、1つまたは両方のアクセススロットの利用は任意選択である。臨床医は、どちらかのスロットまたは両方のスロットを使用可能である。この特長は、補綴設計の選択肢という点で前例のない汎用性を実現する。インプラントは、補綴部分がインプラントと係合し得る1つまたは複数のオリフィスを有することができる。バイオリフィス(二孔)インプラントの配置が、必ずしも両方のオリフィスを利用しなければならないことを意味しない。使用しないオリフィスは「キャップする」か、カバースクリューやカバープレート、カバーフィクスチャーなどで覆うことができる。
【0082】
図14は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図であるが、ここでは、インプラントの両端で利用されているアバットメントが示されている。この図では、様々なサイズ及び深さの水平に位置させる歯科用インプラント100が示されている。当業者は、この水平に位置させる歯科インプラントシステムと方式が、患者のニーズにより異なるサイズと構成を多数想定していることを理解するだろう。アタッチメントまたはアバットメント104は、当技術分野で既知の様々な手段によって取り付け得る。
【0083】
図15は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である。この図で示されている2つの水平に位置されたインプラント102は、インプラント両端にそれぞれ1つのデュアル内部アクセススロットを備えている。円筒形の保持バーは、各インプラントの内部アクセススロットと係合する。こうした実施形態では、円筒形バーにばね作用を含むことができ、この円筒バーに圧力がかかると縮む。このような収縮は、保持バーの挿入及び除去プロセスを促進する。円筒形バーから圧縮力が放出されると、元の位置に戻り、インプラント 102のアクセススロットに係合する。
【0084】
図16は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である。この図にも、図15と同様のばね機構があるが、この図のものは湾曲した円筒形の保持バーが使用されている。この収縮が、保持バーの挿入及び除去プロセスを促進する。
【0085】
図17は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した下顎骨の上面切断図である。この図で示されている2つの水平に位置されたインプラント102は、歯科インプラント両端にそれぞれ1つのデュアル内部アクセススロットを備えている。この図では、2つの別個の保持バーが示されており、各保持バーは、個別に利用されても(一つずつ)、または同時に利用されてもよい。各保持コイルまたはバーは、下顎骨の頬側および舌側の両方に示されている。
【0086】
図18は、本発明の代替的な一実施態様による、水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入した顎骨の横断面図である。この図のインプラント102は骨を通っている。骨の両側に配置され得るアタッチメントまたはアバットメント104のためのデュアル内部アクセススロットがある。当業者は、アタッチメントまたはアバットメント104が、患者のニーズに応じて角度を付けられることを理解するであろう。
【0087】
図19は、本発明の一実施態様による、インプラント本体と別個のボールおよびソケットアタッチメントまたはアバットメントの斜視横断図である。このような実施形態では、水平インプラントフィクスチャーは、インプラントの長さの大きな部分を引き受ける内部アーキテクチャを有する。エンドスティール水平インプラントの内部アーキテクチャは、長さ、構造、形状、設計が、実施形態の違いにより大きく異なる。この実施形態では、O-ball保持アバットメントバー1902は、水平インプラントを通してねじ込まれてもよい。他の、当該技術分野で既知の認識されている保持エレメント1902を使用することができる。インプラント102を通ってねじ込まれたO-ballアタッチメントまたはアバットメント1904は、アバットメントバーまたは保持エレメント1902の端部にねじ込まれてよい。第二のスロットまたはオリフィスの使用は任意となる。一方のスロットまたはオリフィスのみが使用される場合、他方の残りのスロットまたはオリフィスは、当該技術分野で既知のカバーキャップによって覆われ得る。本発明の一実施形態では、O-ballの雌部分1904は、インプラントフィクスチャー102に、リテーナーねじ1906を使用するリテーナーねじ機構によって接続される。別の実施形態では、O-ballの雌部分1904は、リテーナーねじの取り付け手段を不要にするため、インプラントフィクスチャー102と一体で製造されてもよい。本発明の別の実施形態では、O-ballアタッチメントや任意の保持エレメントまたはアバットメントは、特定の保持目的のために、あらゆる水準で360度回転または任意の回転あるいは事実上無制限の回転を可能にして、義歯、保持エレメント、他のアバットメントの取り付けを行うようにすることができる。そのような実施形態の義歯装置は、円筒形、楕円形、六角形、八角形その他の形状のハードウェア部分を有し得、これがO-ball保持アバットメントバー1902が、最終的にO-ball雌コネクタ1104と接続する義歯のハードウェア部分を起点とし/またはハードウェア部分を通ることを可能にし得る。
【0088】
本発明の一実施形態では、保持エレメントおよびインプラントは、すでに一体化してる場合があり;保持エレメントはインプラントの範囲内にあるが、歯科インプラントの配置ツールのレセプタクルとしても使用することができる。このように保持エレメント(またはアバットメントないし保持アバットメント)は、複数の目的に役立ち得る;保持エレメントだけでなく、インプラント埋入ツールがインプラントを埋入する際の媒体としても使用され得る。限定せずにあくまで例示として挙げれば、例えば臨床医はインプラントを埋入ツールに係合し、インプラントを所望の深さまで顎骨内に埋入することができる(保持エレメントは依然として完全にインプラント範囲内にある)。オッセオインテグレーション後(3~4ヶ月後、場合により長期)、保持エレメントまたはアバットメントを「活性化」してインプラント内から突出させることができ、プロテーゼ補綴に「使用可能」になる。
【0089】
本発明の別の実施形態では、患者の義歯は、水平インプラントから出ている保持エレメントのレセプタクルを有する。補完的なアクセス孔の代わりの保持アタッチメント装置である。この保持アタッチメント装置はまた、水平インプラントとも整合する。この保持アタッチメント装置は、義歯壁またはフランジ内に位置してもよい。次に、患者は機械的に、この保持アタッチメント装置を動作させるが、機械的または回転力を介してもよい。他の実施形態では、保持アタッチメント装置は、プッシュイン-プルアウト機構、側方力、またはこの保持機構を係合または作動させるのに必要な任意方向の力を介して作動され得る。
【0090】
図20Aは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの正面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。示されているのは、埋め込まれた歯科用インプラントの端部が露出している骨表面領域で、そこにインプラントのアバットメントを取り付けることができる。この図では、水平に位置されるインプラントの内部空間は、六角形の形状を想定している。このような六角形の形状は、アバットメント及び他の保持エレメントの高精度の取り付けを可能にする。
【0091】
図20Bは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。インプラント端部の最も外側の表面は、インプラントのアバットメント、保持エレメント、または任意の付属アタッチメントピースを取り付けることができる場所である。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャ設計、ならびにその内部アーキテクチャが可能であることを理解するであろう。この水平に位置させるエンドスティール非クレスタルインプラントシステムは、いかなる物理的形状や直径にも限定されないことを理解されたい。患者の解剖学的および/または生理学的ニーズに適合する設計は、言及するにはあまりにも多数存在する。
【0092】
図20Cは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。示されているのは、骨に埋入された歯科インプラントの領域である。インプラント端部の最も外側の表面は、インプラントのアバットメント、保持エレメント、または任意の付属アタッチメントピースを取り付けることができる場所である。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャ設計、ならびにその内部アーキテクチャが可能であることを理解するであろう。この図では、保持エレメントまたはアバットメント2000は、水平に位置させる歯科インプラントに係合されている。当業者は、保持エレメントまたはアバットメントが、プロテーゼまたは義歯と同様に、水平インプラントから分離できることを理解するであろう。また当業者は、保持エレメントまたはアバットメントがプロテーゼまたはインプラントからも発することができることも理解するであろう。最後に、保持エレメントまたはアバットメントは、まず水平インプラント内に配置して、プロテーゼまたは義歯に固定した保持機構と係合され得る。
【0093】
本発明の様々な実施形態では、保持エレメントは、インプラント本体自体の内壁で、回転可能な「ばね懸架式」能力を有することができる。当業者は、この水平に位置させるエンドスティール非クレスタルインプラントシステムが、様々な設計及び機能の保持要素及びアバットメントを受け入れるように構成可能であることを容易に理解するであろう。限定せずにあくまで例示として挙げれば、保持エレメント2000は、インプラント本体の範囲内に完全に配置され得る。保持エレメントまたはアバットメントは、水平インプラント内に完全に埋入され得る。この保持エレメントは、保持エレメントの最も外側の表面積が、水平インプラントを顎骨に埋入するために使用する埋入ツールを受け入れるように設計することができる。
【0094】
歯科インプラントは、耐荷重のある使用の前に、典型的には3~4ヶ月間、顎骨内のオッセオインテグレーションが起きるまでの治癒期間は放置される。ただし、埋入したインプラントの数、骨密度、所望の保持量、インプラントの長さおよび表面積、ならびにニュートンセンチメートル単位の埋入トルク値に基づいて、臨床医は「イミディエートローディング」インプラントを選択することができる。この「イミディエートローディング」シナリオでは、その即時負荷の名称通りに、インプラントはオッセオインテグレーション期間なしに埋入後から荷重と力を受け入れる。
【0095】
この水平インプラントを係合して荷重負荷使用の時が来ると、3~4ヶ月過ぎたオッセオインテグレーション後であるか、埋入直後であるかを問わず、保持エレメントが活性化され、水平インプラントの範囲から口腔内に延びる。この活性化メカニズムを限定せずに例示すると、反時計回り回転、圧縮解除及び回転、専用ツールの介在、または任意の方向の任意の力によって、または可能な任意の機械的手段など、多くの方法で達成することができる。
【0096】
図21Aは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの正面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。示されているのは、骨に埋入された歯科インプラントの領域である。インプラント端の最も外側の表面は、インプラントのアバットメント、保持エレメント、または任意の付属アタッチメントピースを取り付けることができる場所である。
図21Bは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。インプラント端部の最も外側の表面は、インプラントのアバットメント、保持エレメント、または任意の付属アタッチメントピースを取り付けることができる場所である。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャ設計、ならびにその内部アーキテクチャが可能であることを理解するであろう。本発明の一実施形態では、水平インプラントは、口腔に露出したオリフィスを有し、アバットメントまたは保持要素を受け入れる準備ができている。患者の義歯には、水平インプラントのオリフィスと相互関連し整合する補完的なアクセス孔を有するようにできる。患者は、水平インプラントとプロテーゼの両方から分離された保持エレメントを採用し、それを義歯の側面から対応する水平インプラントまで挿入することができる。その後、患者は、水平インプラント内に「ロック」されるまで、または想像可能な他の任意のメカニズムによって、保持エレメントを回転させることができる。この水平に位置させるインプラントは、口腔内に露出したオリフィスまたは雌部アタッチメントか雄部アタッチメントあるいはレセプタクルを有し得、これらが保持エレメントを受け入れ可能にする。そのような実施形態では、患者の義歯は、補完的なアクセス孔の代わりに保持アタッチメント装置を有することになる。少なくとも保持エレメントを持つ保持装着装置のサイズ、形状、配置、組成は多様になるであろう。
【0097】
図21Cは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。インプラント端部の最も外側の表面は、インプラントのアバットメント、保持エレメント、または任意の付属アタッチメントピースを取り付けることができる場所である。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャならびにその内部スペースの設計が可能であることを理解するであろう。この図では、保持エレメントまたはアバットメント2100は、水平に位置させる歯科インプラントに係合している。当業者は、保持エレメントまたはアバットメントが、プロテーゼまたは義歯と同様に、水平インプラントから分離できることを理解するであろう。また当業者は、保持エレメントまたはアバットメントがプロテーゼまたはインプラントからも発することができることも理解するであろう。さらに、この保持エレメントまたはアバットメントは、まず水平インプラント内に配置して、プロテーゼまたは義歯に固定した保持機構と係合され得る。当業者は、この保持エレメントまたはアバットメントがインプラントからも発することができ;保持エレメントは、最初にインプラント本体の範囲内の引っ込んだ位置にあり、必要に応じて、インプラント本体から口腔内に突出するように作動させることができることをさらに理解するであろう。最後に、保持要素またはアバットメントは、インプラントおよび義歯保持メカニズムの両方から分離することができ、義歯オリフィスまたはアクセスポイントを介して手動で挿入し、インプラントと係合することができる。この時点で、患者は、手動または専用ツールを使って保持メカニズムを捻り、押し、押圧し、または作動させることができる。
【0098】
図22Aは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの正面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。示されているのは、骨表面に埋入された歯科インプラントの領域で、端部が突出し、インプラントのアバットメントを取り付けることができる場所である。
【0099】
図22Bは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しているとする。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャならびにその内部スペースの設計が可能であることを理解するであろう。
【0100】
図22Cは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャならびにその内部スペースの設計が可能であることを理解するであろう。この図では、保持エレメントまたはアバットメント2200は、水平に位置させる歯科インプラントに係合している。当業者は、保持エレメントまたはアバットメントが、プロテーゼまたは義歯と同様に、水平インプラントから分離できることを理解するであろう。さらに当業者は、保持エレメントまたはアバットメントは、プロテーゼまたはインプラントからも発することができることを理解するであろう。さらに、この保持エレメントまたはアバットメントは、まず水平インプラント内に配置して、プロテーゼまたは義歯に固定した保持機構と係合され得る。当業者は、この保持エレメントまたはアバットメントがインプラントからも発することができることをさらに理解するであろう。保持エレメントは、最初に、インプラント本体の範囲内の引っ込んだ位置にあり、必要に応じて、インプラント本体から口腔内に突出するように作動させることができる。最後に、保持エレメントまたはアバットメントは、インプラントおよび義歯保持メカニズムの両方から分離することができ、義歯オリフィスまたはアクセスポイントを介して手動で挿入し、インプラントと係合することができる。その時点で、患者は、手動または特別なツールを使用して、保持機構を捻り、押し、押圧し、または作動させることができる。
【0101】
図23Aは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。この図に関しては、顎骨の角度は他の図よりも大きく先細りしている。示されているのは、骨表面に埋入された歯科インプラントの領域で、端部が突出し、インプラントのアバットメントを取り付けることができる場所である。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャならびにその内部スペースの設計が可能であることを理解するであろう。
【0102】
図23Bは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャ設計、ならびにその内部アーキテクチャが可能であることを理解するであろう。この図では、保持エレメントまたはアバットメント2300は、水平に位置させる歯科インプラントに係合している。当業者は、保持エレメントまたはアバットメントが、プロテーゼまたは義歯と同様に、水平インプラントから分離できることを理解するであろう。また当業者は、保持エレメントまたはアバットメントがプロテーゼまたはインプラントからも発することができることも理解するであろう。さらに、この保持エレメントまたはアバットメントは、まず水平インプラント内に配置して、プロテーゼまたは義歯に固定した保持機構と係合され得る。当業者は、この保持エレメントまたはアバットメントがインプラントからも発することができ;保持エレメントは、最初にインプラント本体の範囲内の引っ込んだ位置にあり、必要に応じて、インプラント本体から口腔内に突出するように作動させることができることをさらに理解するであろう。最後に、保持エレメントまたはアバットメントは、インプラントおよび義歯保持メカニズムの両方から分離することができ、義歯オリフィスまたはアクセスポイントを介して手動で挿入し、インプラントと係合することができる。その時点で、患者は、手動または特別なツールを使用して、保持機構を捻り、押し、押圧し、または作動させることができる。
【0103】
図24Aは、本発明の一実施形態による、水平に位置させるインプラントシステムのラテラルエッジの側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャ設計、ならびにその内部アーキテクチャが可能であることを理解するであろう。当業者は、図24A及び図24Bの両方の内部空間が、前の各図のようにインプラント表面に垂直でないことを理解するであろう。これは、従来の歯科インプラントと比較して極めて斬新かつ独自性のある広範なソリューションで、非常に汎用性の高い選択肢を備える、水平に位置させるインプラントシステムの数多い実施形態の1つである。
【0104】
図24Bは、本発明の一実施形態による、水平に配置されたインプラントシステムのインプラント端部の側面断面図である。この図では、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨に埋入されて骨結合しており、アバットメントは、水平に位置させるインプラントに取り付け可能であるとする。この図の破線(折線)は、水平に位置させる歯科インプラントの内部空間を示す。当業者は、多くの異なる水平インプラント自体のアーキテクチャ設計、ならびにその内部アーキテクチャが可能であることを理解するであろう。この図では、保持エレメントまたはアバットメント2400は、水平に位置させる歯科インプラントに係合している。当業者は、保持エレメントまたはアバットメントが、プロテーゼまたは義歯と同様に、水平インプラントから分離できることを理解するであろう。また当業者は、保持エレメントまたはアバットメントがプロテーゼまたはインプラントからも発することができることも理解するであろう。さらに、この保持エレメントまたはアバットメントは、まず水平インプラント内に配置して、プロテーゼまたは義歯に固定した保持機構と係合され得る。当業者は、この保持エレメントまたはアバットメントがインプラントからも発することができること;保持エレメントは、最初にインプラント本体の範囲内の引っ込んだ位置にあり、必要に応じて、インプラント本体から口腔内に突出するように作動させることができることをさらに理解するであろう。最後に、保持エレメントまたはアバットメントは、インプラントおよび義歯保持メカニズムの両方から分離することができ、義歯オリフィスまたはアクセスポイントを介して手動で挿入し、インプラントと係合することができる。その時点で、患者は、手動または特別なツールを使用して、保持機構を捻り、押し、押圧し、または作動させることができる。
【0105】
水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入しまた使用する一般的な方法として、包括的な治療計画は不可欠である。埋入および使用方法として、3つの主要なステップに対応する必要がある。第一ステップには、患者の病歴および歯科治療歴の徹底評価が含まれる。第二ステップは、適切な診断を伴う。第三ステップは、適切な治療過程を伴う。
【0106】
患者の病歴の徹底的な評価で、臨床医または開業医は患者の口腔健康状態を評価するために必要な情報を把握することができる。特定の患者は、骨損失の進行、または水平に位置させる歯科インプラントシステムに不適な他の健康上の配慮から、この水平に位置させる歯科インプラントシステムに適さない可能性がある。
【0107】
適した対象者には、放射線写真およびコーンビームCT(FMX、パノラマ、頭部X線規格、CBCT)、診療用模型、および徹底した臨床検査が含まれ得るが、これらに限定されない適切な患者の顎の術前診断が必要である。このような診断手順は、患者の一般的な歯の健康状態の適切な診断を行うのに十分な情報を有すること、ならびにこの水平に位置させるインプラントシステムおよび併せて使用されるあらゆるプロステーゼに対する骨質、骨量、および適切で十分な(予定部)スペースを評価する上で最重要である。この水平に位置させる歯科インプラントシステムの使用を処方する決定は、このステップに含まれる。その後、治療計画を作成し対象患者に提示して、徹底した話し合いを行い、治療手順に関して患者のインフォームドコンセントを得る。臨床医はそこから、患者のために1つまたは複数の適切なサイズのインプラントを選択することができる。次いで臨床医は、1つまたは複数のインプラントを結合する、1つまたは複数の適切なサイズの歯科インプラントアバットメントを選択する。このアバットメントは、手術時の来院では埋入できず、臨床医は適切かつ順当なオッセオインテグレーション(骨結合)を数ヶ月(3~6か月)待ってから、アバットメントを処置しなければならないであろう。患者側の準備ができたら、次いで臨床医は1つまたは複数の適切なサイズの歯科インプラント用アバットメントと結合するために、1つまたは複数のインプラントに支持されるプロテーゼを設計・製作することができる。この水平に位置させるインプラントシステムは極めて汎用性が高く、単独のシステムとして使用することも、従来の歯科インプラントまたは小径インプラント(ミニインプラント)と組み合わせて使用することもできるため、外科的および修復的選択肢が従来の歯科学では実現できなかったレベルまで指数関数的に増加することに留意することが重要である。当業者は、この歯科インプラント、歯科インプラントのアバットメント及び歯科インプラントプロテーゼのサイズ、形状、構成が、患者のニーズに応じて変化し得ることを容易に理解するであろう。
【0108】
水平に位置させる歯科インプラントシステムを埋入し使用する方法の次のステップは、非クレスタルアプローチによって適切なサイズのインプラントを外科的に埋入することが含まれる。当業者は、手術ステップが一般に、深部局所麻酔(またはいくつかの状況では全身麻酔)の使用、サージカルテンプレートまたはステントを口腔または口腔に配置すること、および非クレスタルアプローチのために上顎骨または下顎骨の歯肉に沿って適切なサイズの切開を行うことからなることを理解するであろう。
【0109】
手術部位にアクセス可能な場合、この水平に位置させる歯科インプラントの準備として、パイロットドリルを使用して顎骨に骨切り開き部位を作る。当業者は、水平に位置させる歯科インプラントの所望の幅と深さに到達するために使用される骨切削バーの幅が増加し、使用される様々なサイズの骨切削バーが漸増的に増すことを認識するであろう。ガイドピンおよび/または平行ピンは、配置位置、角度および深さを確認するために使用され、骨切り部位またはドリル部位に配置される。外科的処置の間、臨床医はコーンビームCTシステム(CBCT)を使用して、手術の進行の正確さをリアルタイムでさらにチェックすることができる。
【0110】
所望の切断幅、深さ、および角度が達成されると、次いでインプラントが骨切り部位に配置される。インプラントは、インプラント埋入ツールを介して、または歯科用ハンドピースまたはそれらの組み合わせを用いて、手で配置することができる。当業者は、歯科インプラントを挿入するために必要な力が埋入トルクと呼ばれることを理解するであろう。これは、インプラントのスレッドを骨と係合させるためにインプラントを締め込むのに必要な力である。また当業者は、トルクレンチならびにインプラント埋入(サージカル)モーター(インプラント埋入に使用するハンドピースユニット)が、所定の位置にインプラントをセットするために使用されるトルク量(通常ニュートンセンチメートル単位)を測定することができることを理解するであろう。本発明の実施形態では、必要なトルクは約35ニュートンセンチメートルから75ニュートンセンチメートル以上の任意の範囲であり得る。
【0111】
インプラントが所望のトルクに設定されると、カバースクリューをインプラントの側方端部(複数可)上に配置して、インプラントのオリフィスを封止することができる。臨床医はまた、手術部位を閉じた後に、軟組織レベルを超えて突出するか否かを問わず、インプラントアバットメントまたはヒーリングカラーを使用してもよい。現在、患者が可撤性プロテーゼ(複数可)を装着している場合、それらのプロテーゼは、新たに埋入したインプラントに不要な力が加わるのを避けるために、臨床医が取り外すか「解除」することができる。
【0112】
インプラント埋入が完了したら、縫合糸を配置し、外科的切開部を閉じる。その後、臨床医は止血を確実にするために患者を監視する。術後のコーンビームCT及び/またはパノラマX線撮影、または当技術分野で既知かつ理解されている他の画像技術を使用して、適切な配置を確保する。
【0113】
処置が完了すると、患者に与えられた術後のホームケア指示とともに、患者を解放する。これで、水平に位置させる歯科インプラントは、顎骨とオッセオインテグレーションが可能になる。オッセオインテグレーションのプロセスは、患者の年齢、病歴、骨の種類または骨密度、および生理学的要因などによって異なり得る。臨床医は、オッセオインテグレーションの進捗状況を定期的に確認する必要がある。オッセオインテグレーションが完了すると、歯科インプラントのアバットメントを歯科インプラントと結合することができる。次いで、義歯または他のプロテーゼを、既に歯科インプラントと結合済みの歯科インプラントのアバットメントと結合することができる。
【0114】
任意の添付の要約および図面を含む、本明細書に開示されるすべての特徴は、別途明示的に記載されない限り、同じ、均等または類似の目的を果たす代替の特徴と交換され得る。したがって、特に断らない限り、開示される各特徴は、均等または類似の特徴の一般的な系列の一例としてのみ開示される。
【0115】
水平に位置させる歯科インプラントシステムおよび方法の少なくとも1つの実施形態を完全に説明した後、本発明による水平に位置させる歯科インプラントシステムおよび方法を実装する他の均等または代替の方法は、当業者には明らかであろう。水平に配置された歯科用インプラントシステム及び方法の様々な態様は、例示として上記に説明されており、開示された特定の実施形態は、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図していない。例えば、水平に位置させる歯科用インプラントシステムおよび方法の実施形態は、異なるアバットメントまたは延長部、または患者により異なる解剖学的および生理学的変形を提供するように構成され得る。他の実施形態では、インプラントの異なる形状及び構成を使用し得る。水平に位置させる歯科インプラントシステム及び方法の特定の実装は、特定のコンテキストに即してまたは用途に応じて変化し得る。限定ではなく例示として前述した、水平に位置させる歯科インプラントシステム及び方法は、主としてより良く適合するデンチャーまたはパーシャルデンチャーを必要とする患者を対象としていた。しかしながら、同様の技術は、代わりに、永続的な「取り外し不可能な」修復または補綴の選択肢を求める患者に適用され得る。さらに、既存のインプラント技術の異なる組み合わせおよび構成は、これらの水平に位置させる歯科インプラントシステムに構成され得る。本発明は、従ってすべての変形、均等物、および添付の特許請求の趣旨及び範囲に属する代替形態を包含するものである。本明細書に開示された全実施形態は、必ずしも本明細書に記載の目的、利点、または改良の各々を満たす又は実現しないことをさらに理解されたい。
【0116】
水平に位置させる歯科インプラントシステム及び方法の具体的な特徴は、一部の図面に示されており、他の図面に示されていないが、当業者は、これが便宜上のものであることを理解するであろう。各特徴は、本発明に従って、他の特徴のうちのいずれかまたは全てと組み合わせ得る。本明細書で使用される「含む (including)」、「含む (comprising)」、「有する(having)」、及び「有する(with)」という単語は、広範かつ包括的に解釈されるべきであり、いかなる物理的な相互接続にも限定されない。本明細書の構成要素および工程は番号及び/または文字が付されているのは、読みやすさと理解の助けのみを意図している。これらの任意の数字および文字は、それ自体が特許請求の構成要素及び/または工程の追加された順序を示す意図はなく、またそのように解釈すべきではない。可撤性プロテーゼの保持設計には2つのアプローチがあり得ることも理解されたい。義歯は「永久的に」固定することができるが、これは義歯が口内に残り、患者が日常的に取り外さないことを意味する。義歯とインプラントのメンテナンスは、患者は歯科医を定期的に訪問して行い、通常は3~6ヶ月間である。通常はこの訪問で、専門家による義歯の取り外し、プロテーゼの洗浄、インプラント領域の洗浄、正常な摩耗と破損によるパーツ交換、義歯機構装置の再接続などを行う。第二のアプローチとしては、患者が日常的あるいは必要に応じて歯科医によらず義歯を取り外すことを可能にする保持設計が含まれる。想像されるように、保持機構の設計は、2つの保持方法の選択肢の間で異なり得る。
【0117】
本特許の出願の手続き中にいかなる修正の提示があったとしても、説明または特許請求に提示されている特許請求要素のいかなる放棄ともならない。あらゆる均等物を文字通り包含する特許請求範囲を起草することは、当業者にも合理的に期待できない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
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図6
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図10
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図13
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図20A
図20B
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図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図24A
図24B
【手続補正書】
【提出日】2021-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨内膜に水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステムであって;
a. 近位端、遠位端、内部アーキテクチャ、及び前記近位端と前記遠位端との間の前記外側領域に沿って延びるヘリカルスレッドを有する少なくとも1つの歯科用インプラントであって、前記インプラントは、下顎または上顎からの骨組織との係合を最大化する角度で、前記頬側から前記舌側若しくは前記口蓋側に向かって、または前記舌側若しくは前記口蓋側から前記頬側に向かって、舌側または口蓋側を有する下顎または上顎に非クレスタルアプローチで水平または準水平に埋め込まれるように構成されている前記歯科用インプラント;及び
b. 前記歯科インプラントに取り付けるための近位端と、歯科プロテーゼの取り付けのために構成された遠位端とを有する、少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントを含む、前記インプラントシステム。
【請求項2】
少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントがねじ機構で歯科インプラントに取り付けられる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントが、歯科用プロテーゼを取り付けられるボール及びソケットアタッチメント機構を採用する、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの歯科インプラントの近位端及び遠位端は、前記少なくとも1つの歯科インプラントの挿入を容易にするように切断することができる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの歯科インプラントは、前記の少なくとも1つの歯科インプラントの近位端から前記の少なくとも1つの歯科インプラントの遠位端に向かって内向きに延びる内部アーキテクチャを有する、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの歯科インプラントが両側的に埋め込まれ、下顎骨または上顎骨を通して位置決めされ、そこでは少なくとも1つの歯科インプラントの近位端および遠位端の両方に歯科用インプラントアバットメントを取り付けることができる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの歯科インプラントを別の歯科インプラントと保持バーで接続することができる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの歯科インプラントを別の歯科インプラントと保持スプリングで接続することができる、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項9】
骨内膜に水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステムであって:
a. 近位端、遠位端、内部アーキテクチャ、及び前記近位端と前記遠位端との間の前記外側領域に沿って延びるヘリカルスレッドを有する少なくとも1つの歯科用インプラントであって、前記インプラントは、下顎または上顎からの骨組織との係合を最大化する角度で、前記頬側から前記舌側若しくは前記口蓋側に向かって、または前記舌側若しくは前記口蓋側から前記頬側に向かって、舌側または口蓋側を有する下顎または上顎に非クレスタルアプローチで水平に埋め込まれるように構成されており;
b. 前記歯科インプラントに取り付けるための近位端と、歯科プロテーゼの取り付けのために構成された遠位端とを有する、少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントを備え;及び
c. 前記の少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントに接続するように構成された少なくとも1つの歯科用インプラント用プロテーゼを備えている、前記インプラントシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの歯科インプラントが、雄部の保持エレメントまたはアバットメントに対する雌部構成要素として機能するためのオリフィスを含む、請求項に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項11】
少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントがねじ機構で歯科インプラントに取り付けられる、請求項に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントが、歯科用プロテーゼを取り付けられるボール及びソケットアタッチメント機構を採用する、請求項に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの歯科インプラントの近位端及び遠位端が、少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントは少なくとも1つの歯科インプラントと平行でも垂直でもない角度で配置することができる、請求項に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの歯科インプラントが、前記の少なくとも1つの歯科インプラントの近位端から前記の少なくとも1つの歯科インプラントの遠位端に向かって延びる内部アーキテクチャを有する少なくとも1つの歯科インプラントを有する、請求項に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの歯科インプラントが下顎骨または上顎骨に両側から埋め込まれ、そこに少なくとも1つの歯科インプラントの近位端および遠位端の両方に歯科用インプラントアバットメントを取り付けることができる1つ以上のオリフィスがある前記少なくとも1つの歯科インプラントを備えた、請求項に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項16】
少なくとも1つの歯科インプラントを別の歯科インプラントと保持バーで接続することができる、請求項に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項17】
少なくとも1つの歯科インプラントを別の歯科インプラントと保持スプリングで接続することができる、請求項に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【請求項18】
近位端、遠位端、及び前記近位端と前記遠位端との間の外側領域に沿って延びるヘリカルスレッドを有する少なくとも1つの歯科用インプラントを有し、前記インプラントは、骨組織と係合するように非クレスタルアプローチで下顎または上顎に水平または準水平に植立され;前記インプラントに取り付ける近位端と歯科プロテーゼの取り付け用の遠位端のある少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントと歯科プロテーゼをもつ、水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステムの患者診断および埋入方法のステップであって、以下のステップを含む、前記方法。
a. 患者記録及び診断方法を使用して包括的な患者評価を行う;
b. 水平に位置させる歯科インプラントシステムの使用を処方する決定を行う;
c. 1つまたは複数の適切なサイズのインプラントを選択する;
d. 1つまたは複数の適切なサイズの歯科インプラントアバットメントを選択する;
e. 1つまたは複数の適切なサイズの歯科インプラント用プロテーゼを選択する;
f. 非クレスタルアプローチによって適切なサイズのインプラントを外科的に配置する;
g. 外科的に配置された適切なサイズのインプラントのオッセオインテグレーションを可能にすること;
h. 少なくとも1つの歯科インプラントアバットメントを、外科的に配置し、オッセオインテグレーションされた水平に位置させる歯科インプラントに結合すること;及び
i. 少なくとも1つの歯科プロテーゼを、外科的に配置し、オッセオインテグレーションされた歯科インプラントに結合された1つ以上の歯科インプラントアバットメントに結合する;
【請求項19】
さらに、引き込み可能な保持アームを備え、前記引き込み可能な保持アームは、前記インプラントの中心から口腔に作動時に伸縮可能である、請求項1に記載の水平に位置させるエンドスティール非クレスタル歯科インプラントシステム。
【国際調査報告】