(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-22
(54)【発明の名称】頭痛障害の処置のための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20230515BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230515BHJP
A61P 29/02 20060101ALI20230515BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20230515BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20230515BHJP
A61K 31/351 20060101ALI20230515BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P25/04
A61P29/02
A61P25/06
A61K45/06
A61K31/351
A61P43/00 111
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560891
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-10-05
(86)【国際出願番号】 EP2021058857
(87)【国際公開番号】W WO2021204756
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】ピーパー ミヒャエル パウル
(72)【発明者】
【氏名】カスパース シュテファン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084AA19
4C084AA20
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA081
4C084ZA082
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA07
4C086GA02
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA08
4C086ZC42
4C086ZC75
(57)【要約】
SGLT2阻害剤、特に、エンパグリフロジンは、頭痛障害の処置のための方法に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭痛障害の処置のための方法に使用するためのSGLT2阻害剤。
【請求項2】
エンパグリフロジンである、請求項1に記載の使用のための阻害剤。
【請求項3】
処置が予防的処置である、請求項1~2の1項以上に記載の使用のための阻害剤。
【請求項4】
頭痛障害が、片頭痛、緊張型頭痛および三叉神経自律神経性頭痛から選択される一次頭痛障害である、請求項1または3の1項以上に記載の使用のための阻害剤。
【請求項5】
頭痛障害が、前兆のない片頭痛、前兆のある片頭痛、慢性片頭痛、片頭痛の合併症、片頭痛の疑い、および片頭痛に関連し得る反復性症候群から選択される片頭痛である、請求項1~4の1項以上に記載の使用のための阻害剤。
【請求項6】
2.5mg、5mg、10mgまたは25mgの1日1回の用量で経口投与される、請求項1~5の1項以上に記載の使用のための阻害剤。
【請求項7】
ベータアドレナリン遮断薬、抗てんかん薬または抗けいれん薬、抗うつ剤、Caチャネルアンタゴニスト、CGRPアンタゴニスト、CGRPおよびその受容体に対するモノクローナル抗体、PACAP38およびその受容体PAC1に対するモノクローナル抗体、アンジオテンシンIIアンタゴニスト、ヒスタミン-H1-受容体アンタゴニスト、アルファアドレナリンアゴニスト、アルファアドレナリンアンタゴニスト、NOシンターゼ阻害剤、神経弛緩薬、鎮痛薬およびNSAID、麦角誘導体、トリプタン系のようなセロトニン5-HT
1B/1Dアゴニスト、セロトニン5-HT
1Fアゴニスト、グルタミン酸受容体アンタゴニスト、制吐薬または消化管運動促進薬、コルチコステロイド、抗ムスカリン薬、AMPAアンタゴニストおよびニューロキニンアンタゴニストからなる群から選択される、頭痛障害の処置のための1種または複数の薬学的活性物質と組み合わせて、同時にまたは逐次に投与される、請求項1~6の1項以上に記載の使用のための阻害剤。
【請求項8】
プロパノロール、チモロール、メトプロロール、アテノロール、ナドロール、ジバルプロエックスナトリウム、トピラメート、ガバペンチン、アミトリプチリン、ブプロピオン、フルオキセチン、ニモジピン、フルナリジン、リメゲパント、アトゲパント、エプチネズマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ、エレヌマブ、ボツリヌス毒素およびベラパミルからなる群から選択される、1種または複数の薬学的活性物質と組み合わせて、同時にまたは逐次に投与される、請求項1~7の1項以上に記載の使用のための阻害剤。
【請求項9】
1種または複数のSGLT2阻害剤と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む、頭痛障害の処置のための方法に使用するための医薬組成物。
【請求項10】
SGLT2阻害剤が、エンパグリフロジンであり、頭痛障害の処置が、前兆のない片頭痛、前兆のある片頭痛、慢性片頭痛、片頭痛の合併症、片頭痛の疑い、および片頭痛に関連し得る反復性症候群から選択される片頭痛の予防的処置である、請求項9に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項11】
経口投与用組成物から、特に錠剤から選択される、請求項9~10の1項以上に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項12】
2.5mg、5mg、10mgまたは25mgの量でエンパグリフロジンを含む、請求項9~11の1項以上に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項13】
プロパノロール、チモロール、メトプロロール、アテノロール、ナドロール、ジバルプロエックスナトリウム、トピラメート、ガバペンチン、アミトリプチリン、ブプロピオン、フルオキセチン、ニモジピン、フルナリジン、リメゲパント、アトゲパント、エプチネズマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ、エレヌマブ、ボツリヌス毒素およびベラパミルからなる群から選択される、1種または複数のさらなる薬学的活性物質をさらに含む、請求項9~12の1項以上に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項14】
頭痛障害の処置を必要とする患者における頭痛障害の処置のための方法であって、患者に1種または複数のSGLT2阻害剤が投与されることを特徴とする、方法。
【請求項15】
頭痛障害の処置を必要とする患者における頭痛障害を処置する医薬の製造における、1種または複数のSGLT2阻害剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭痛障害、特に、片頭痛のような一次頭痛障害、緊張型頭痛および三叉神経自律神経性頭痛の処置のための方法に使用するための、他の薬学的活性物質と組み合わせてもよい、SGLT2阻害剤、特にエンパグリフロジンに関する。さらに、本発明は、前記阻害剤を含む医薬組成物であって、他の薬学的活性物質を含んでもよい医薬組成物、および前記阻害剤または組成物により頭痛障害の処置のための方法であって、他の薬学的活性物質と組み合わせてもよい方法に関する。
【背景技術】
【0002】
再発性頭痛を特徴とする頭痛障害は、特に成人の間に、世界中で高い有病率を有する、最も一般的な神経系の障害である。頭痛はそれ自体、いくつかの一次頭痛障害、すなわち片頭痛、緊張型頭痛および三叉神経自律神経性頭痛という疼痛を伴い、日常生活に支障をきたす特徴がある。
頭痛は疼痛を伴うだけではなく、日常生活に支障をきたす。頭痛障害は、世界中で、障害のために失われた年数の主要原因の1つである。特に、片頭痛および緊張型頭痛は、高い集団レベルの障害および不健康の原因となり、こうして、高い社会経済的負荷をもたらすので、公衆衛生に重要である。頭痛障害は、時として、かなりの人的被害、クオリティオブライフの悪化および経済的コストを含めた、罹患者にはっきりとした負担を課す。反復性の頭痛発作、および多くの場合、次の発作への絶え間ない恐怖は、家族生活、社会生活、雇用への損害をもたらす。慢性頭痛障害に対処する長期にわたる取り組みは、個体を他の病気に罹患し易くさせる恐れもある。
片頭痛の病態生理学は、依然として十分に理解されていない。遺伝的素因および環境的な引き金が、片頭痛の病因に重要であるように思われる。片頭痛は、神経血管障害と説明されることが多い。片頭痛には、関連性があり、恐らく相互に関連している、ニューロンの機構および血管機構が関与している。同様に、片頭痛の病態生理学における代謝機構があることが想定されている。
【0003】
片頭痛は、思春期に始まることが最も多く、大部分は、35~45歳の間の人が罹患する。片頭痛は、恐らくホルモンの影響のため、約2:1の割合で通常、女性においてより一般的である。片頭痛は再発性で、多くの場合、生涯にわたり、断続的発作を特徴とする。発作は、通常、中度から重度の強度の片側に起こる頭痛を含み、これにより、質が変動し、通常の身体活動によって悪化する。視覚障害、吐き気、嘔吐、および光、音または匂いへの過敏が、関連する特徴となり得る。通常、未処置の片頭痛の発作は、4~72時間の期間を有し、その頻度は、1年に1回~1週間に1回の間のどこかになる。
頭痛障害の適切な処置は、医療専門家の訓練、正確な診断および状態の認識、費用対効果のある投薬による適切な処置、単純なライフスタイルの変更および患者教育を必要とする。一部の片頭痛患者は、ライフスタイルの変更により治癒され得(トリガの排除)、店頭市販薬により、または鍼治療、催眠などによって処置することができるが、患者の大部分は、片頭痛の軽減およびさらなる発作の予防のための処方薬を必要とする。処置を必要とする大部分の症状は、頭部疼痛および胃腸管の症状である。光恐怖症および前兆もまた、処置されなければならないことがある。
【0004】
薬理学的頭痛障害処置、とりわけ片頭痛処置は多くの場合、発作頻度および重症度を低減する目的とする予防的治療と、発作を終わらせる急性治療法の両方を含む。頭痛障害を処置する薬物の主要なクラスは、非特異的薬物(鎮痛薬および非ステロイド系抗炎症薬のような)、および特異的薬物(麦角誘導体およびトリプタン系などの特異的抗片頭痛薬のような)を含む。制吐薬または消化管運動促進薬が、とりわけ、吐き気および嘔吐を伴う頭痛の発作のための、一次薬物の吸収を促進するために共投与されることがある。頭痛の慢性化および過剰投薬による頭痛の発症を回避することも重要である。
頭痛障害症候群を有する患者のための、潜在的な新規な処置選択肢を探索するという、満たされていない高い医療的ニーズが依然として存在する。
SGLT2阻害剤は、ナトリウム/グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害する化合物である。それらは、特に糖尿病の処置に使用される。上市されているSGLT2阻害剤の例は、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エルツグリフロジン、イプラグリフロジン、ルセオグリフロジン、エタボン酸レモグリフロジン、エタボン酸セルグリフロジン、ソタグリフロジンおよびトホグリフロジンである。
【0005】
エンパグリフロジンは、例えば、国際公開第2005/092877号に記載されている、
【化1】
の化合物である1-クロロ-4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-[4-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-ベンジル]-ベンゼンである。その合成方法は、当業者に公知であり、文献に、例えば、国際公開第2006/120208号、国際公開第2007/031548号および国際公開第2011/039108号にも記載されている。エンパグリフロジンの有利な結晶形態が、それらの全体により本明細書に組み込まれている、国際公開第2006/117359号および国際公開第2011/039107号に記載されている。この結晶形態は、SGLT2阻害剤の良好な生体利用率を可能にする、良好な溶解度特性を有する。さらに、結晶形態は、物理化学的に安定であり、したがって、医薬組成物の保存可能期間の良好な安定性をもたらす。経口投与のための固形製剤、例えば錠剤などの好ましい医薬組成物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2010/092126号に記載されている。
【0006】
エンパグリフロジンは、SGLT2の強力かつ選択的な阻害剤であり、すなわち、それは、腎臓におけるグルコースおよびナトリウムの再吸収を低下させ、こうして、血中糖を低下させて、例えば2型糖尿病の処置に有用となる。さらに、エンパグリフロジンは、臨床検討において、および前臨床レベルにおいて、心血管に利点をもたらすこと、血圧をモジュレートすること、遊離脂肪酸を増大させること、および血中ケトン体レベルを適度に増大することが示されている。
【発明の概要】
【0007】
第1の態様では、本発明は、頭痛障害の処置のための方法に使用するためのSGLT2阻害剤に関する。
第2の態様では、本発明は、頭痛障害の処置のための方法に使用するための1種または複数の前記阻害剤、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。
第3の態様では、本発明は、それを必要とする患者における頭痛障害の処置のための方法であって、1種または複数の前記阻害剤が患者に投与されることを特徴とする、方法に関する。
第4の態様では、本発明は、それを必要とする患者において、頭痛障害を処置する医薬の製造における、1種または複数の前記阻害剤の使用に関する。
本発明のさらなる態様は、上記および下記の記載ならびに実施例から直接、当業者に明白となろう。
【0008】
一般的な用語および定義
本明細書において具体的に定義されていない用語は、本開示および文脈に照らし合わせて、当業者によりこれらの用語に与えられていると思われる意味が与えられているとすべきである。しかし、本明細書に使用されている場合、反対に指定されていない限り、以下の用語が表示されている意味を有しており、以下の慣習に従う。
本発明内では、用語「エンパグリフロジン」はまた、その水和物、溶媒和物、およびそれらの多形形態、ならびにそれらのプロドラッグ、例えば、エステルまたは炭酸エステル、特に、エタボン酸エステルを含み、これらは、インビボで、薬理学的に活性な化合物に加水分解される。同じことが、一般に、用語「SGLT2阻害剤」に、および本発明において明記されている他の特異的なSGLT2阻害剤のINN名に適用される。
「薬学的に許容される」という言い回しは、妥当な医療的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題、または合併症なしに、ヒトおよび動物の組織に接触して使用するのに好適な、妥当な利益/リスク比に見合う化合物、物質、組成物および/または剤形を指すために本明細書において使用される。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」とは、親化合物が、その有機酸もしくは無機酸の塩、または有機塩基もしくは無機塩基の塩を作製することにより修飾された、開示化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例には、以下に限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などを含む。
【0009】
例えば、本発明の化合物を精製または単離するために有用な上記のもの以外の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)もまた、本発明の一部を構成する。
用語「錠剤」は、コーティングを有さない錠剤、および1種または複数のコーティングを有する錠剤を含む。さらに、この用語は、1種、2種、3種またはさらに多い層を有する錠剤、および有核錠剤を含み、この場合、先に述べたタイプの錠剤はそれぞれ、コーティングを含まなくてもよく、または1種もしくは複数のコーティングを含んでもよい。用語「錠剤」はまた、ミニ錠剤、メルト錠剤、チュアブル錠剤、発泡錠剤および経口崩壊錠剤を含む。
上記の活性化合物の1つの生理学的に許容される塩の全用量または投与量単位は、活性化合物自体の用量または投与量として理解されるべきである。
本発明の意味の範囲内での「組合せ物」または「組み合わせた」という用語は、限定することなく、固定および非固定(例えば、自由な)形態(キットを含む)、ならびに例えば、構成成分もしくは成分の同時使用、逐次使用または個別使用などの使用を含むことができる。
用語「処置」および「処置すること」は、本明細書で使用する場合、治療的、すなわち治癒的処置および/または緩和的処置、とりわけ頓挫処置および/または急性処置と、予防的処置、すなわち防止的処置の両方を包含する。
【0010】
治療的処置(「治療法」)とは、発症形態、急性形態または慢性形態の前記状態の1つまたは複数を既に発症している患者の処置を指す。治療的処置は、特定の兆候の症状を軽減するための対症処置、あるいは兆候の状態を反転させるもしくは部分的に反転させるため、または疾患の進行を停止もしくは減速させるための原因処置とすることができる。
予防的処置(「予防」、「防止」)とは、前記状態の1つまたは複数を発症するリスクにある患者を、前記リスクを低減するために、疾患の臨床的な発生前に処置することを指す。
用語「処置」および「処置すること」は、症状もしくは合併症の発生を予防または遅延させるため、ならびに疾患、状態もしくは障害の発症を予防または遅延させるため、ならびに/あるいは疾患、状態もしくは障害をなくすまたは制御するため、ならびに疾患、状態もしくは障害に関連する症状または合併症を軽減するために、1種または複数の活性化合物、特に、その治療有効量を投与することを含む。
【0011】
用語「治療有効量」は、(i)特定の疾患もしくは状態を処置するまたは予防する、(ii)特定の疾患もしくは状態の1つまたは複数の症状を弱化する、改善するあるいはなくす、あるいは(iii)本明細書に記載されている特定の疾患もしくは状態の1つまたは複数の症状の発生を予防するあるいは遅延させる、本発明の化合物の量を意味する。
本発明が、処置を必要とする患者を指す場合、本発明は、哺乳動物、特にヒトにおける処置に主に関する。ヒト患者は、成人、青年または子供とすることができる。成人患者は、18歳以上の年齢である。青年は、10~17歳、好ましくは13~17歳である。子供は、2~10歳、好ましくは6~10歳である。
本発明の範囲内では、頭痛障害の定義および分類は、その全体が本明細書に組み込まれている、The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition (ICHD-3) (Cephalalgia 2018, 38(1), 1-211)において、国際頭痛学会(IHS)の頭痛分類委員会によって提示されている通りに従う。特に、「頭痛障害」、「一次頭痛障害」、「片頭痛」、「緊張型頭痛(TTH)」、「三叉神経自律神経性頭痛(TAC)」、「他の一次頭痛障害」、およびそれらのあらゆる部分クラスのような医療状態を定義する用語が使用され、ICHD-3に照らし合わせて解釈されるものとする。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、SGLT2阻害剤の投与によって、患者における、管理可能な副作用を伴う頭痛障害の有効な処置を可能にする。
本発明の第1の態様では、SGLT2阻害剤は、頭痛障害の処置に有益となり得ることが見出される。これは、例えば、SGLT2阻害剤であるエンパグリフロジンは、いくつかの病態生理学的な原理、例えば、原因となる片頭痛に対処することが可能であるという事実によって合理的に説明することができる。
片頭痛の病態生理学は、血管の構成成分を有すると長い間、説明されてきた。
エンパグリフロジンは、例えば、臨床試験(Zinman et al., N Engl J Med (2015); 373(22):2117-28)および前臨床のレベル(Park et al., Cardiovasc Diabetol (2020); 19(1):19)において示されている、身体の塩分および水の代謝に及ぼすその効果から、その血圧をモジュレートする特性から、およびその証明された心血管利点から明白な通り、血管作用を有する。したがって、これらの特徴は、片頭痛を有する患者の処置における、エンパグリフロジンの有益な効果の一因ともなり得る。
さらに、片頭痛は、インスリン抵抗性およびメタボリックシンドロームと関連があることが知られており、このことは、これらの障害が、炎症またはグルコース代謝の欠陥に関連するものであっても、少なくとも部分的に共通の病因を共有していると解釈することができる。さらに、酸化ストレスは、片頭痛の原因に関連していることが議論されている。
【0013】
エンパグリフロジンは、グルコース代謝(Ferrannini et al., Diabetes Obes Metab (2013), 15(8):721-8; Zinman et al., N Engl J Med (2015), 373(22):2117-28)、やはりまた炎症作用(Benetti et al., J Pharmacol Exp Ther (2016), 359(1):45-53; Iannantuoni et al., J Clin Med (2019), 8(11); Amin et al., Fundam Clin Pharmacol (2020), 34(5):548-558)に対して正の効果を有すると説明されている。さらに活性酸素種を低減する有益な効果(Uthman et al., Cell Physiol Biochem (2019), 53(5):865-886; Das et al., Cell Signal (2020), 68:109506; Amin et al., Fundam Clin Pharmacol (2020), 34(5):548-558)、およびミトコンドリア機能(Mizuno et al., Physiol Rep (2018), 6(12):e13741; Shao et al., Cardiovasc Diabetol (2019), 18(1):165)に及ぼす有益な効果が報告されている。さらに、細胞内ナトリウム(Na+)レベルに及ぼす有益な効果が、エンパグリフロジンに関して記載されている(Baartscheer et al., Diabetologia (2017), 60(3):568-573; Bertero et al., Cardiovasc Res (2018), 114(1):12-18)。したがって、エンパグリフロジンはまた、インスリン抵抗性およびメタボリックシンドロームに対して正の効果を有する(Kern et al., Metabolism (2016), 65(2):114-23; Xu et al., BMJ Open Diabetes Res Care (2019), 7(1):e000783)。したがって、同様に、エンパグリフロジンによる片頭痛の処置に利益が得られることがある。
【0014】
血中のケトン体のレベルの中度の向上は、片頭痛の病態生理学において様々な潜在的に有益な効果を有することが報告されており、例えば、ケトン体誘発食を摂取している患者において観察可能な通り、片頭痛から保護することができる。
この正の効果は、エンパグリフロジンによってやはり実現可能であり、ケトン体のレベルの向上をもたらす。エンパグリフロジンの摂取後のケトン体の中程度の向上が、いくつかの臨床試験および前臨床検討において示されている(Ferrannini et al., Diabetes Care (2016); 39(7):1108-14; Kim et al., Diabetes Obes Metab (2019); 21(4):801-811)。
片頭痛の処置に関連するエンパグリフロジン投与の正の効果はまた、抗片頭痛活性の状況を検討するために使用される、前臨床検討によって裏付けられ得る。
エンパグリフロジン活性を担う正確な根本機構の正体の解明は依然として残されているが、これらの知見は、片頭痛患者の処置において、臨床的に有益な効果につながることが期待される。
この見解は、エンパグリフロジンが実際に片頭痛発作の数を減少させることができることを示す臨床試験からの観察、および他のSGLT2阻害剤による処置を受けている患者において、片頭痛の頻度が低下したことに関する症例報告において支持される。
したがって、SGLT2阻害剤の投与は、片頭痛および他の頭痛障害の処置に臨床的に有益となり得る。
【0015】
SGLT2阻害剤による処置の利益は、様々なタイプの頭痛障害に対して、とりわけ、片頭痛、緊張型頭痛(TTH)、三叉神経自律神経性頭痛(TAC)のような一次頭痛障害、ならびにICHD-3によるこれらの用語によって含まれる状態のすべてのサブタイプおよび部分クラスを含む他の一次頭痛障害に対して、特に、片頭痛、前兆のない片頭痛、前兆のある片頭痛、慢性片頭痛、片頭痛の合併症(例えば、片頭痛発作重積)、片頭痛の疑い、および片頭痛に関連し得る反復性症候群(episodic syndrome)に対して効力が生じ得る。
SGLT2阻害剤による頭痛障害の処置は、予防的および/または治療的、例えば急性であってもよい。特に片頭痛の場合、頓挫処置も望ましい。
好ましいSGLT2阻害剤は、頭痛障害の処置に対しても安全性および耐容性要件を満たすことが期待されるので、他の適応症のための市販の薬物製品において既に上市されているもの、特に、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エルツグリフロジン、イプラグリフロジン、ルセオグリフロジン、レモグリフロジン、セルグリフロジン、ソタグリフロジンおよびトホグリフロジン、最も好ましくはエンパグリフロジンである。同様に、前記阻害剤のプロドラッグ、特に、その炭酸エステル、より詳細にはそのエタボン酸エステル、例えば、エタボン酸レモグリフロジンまたはエタボン酸セルグリフロジンを使用することができる。
【0016】
したがって、本発明の第1の態様の一実施形態によれば、特に、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エルツグリフロジン、イプラグリフロジン、ルセオグリフロジン、レモグリフロジン、セルグリフロジン、ソタグリフロジンおよびトホグリフロジンおよびそれらの炭酸エステルプロドラッグ、特にエンパグリフロジンからなる群から選択されるSGLT2阻害剤が、頭痛障害の処置のための方法に使用するために提供される。
別の実施形態によれば、前記阻害剤は、片頭痛、緊張型頭痛(TTH)、三叉神経自律神経性頭痛(TAC)および他の一次頭痛障害から選択される一次頭痛障害、より好ましくは片頭痛の処置のための方法に使用するために好ましくは提供される。
別の実施形態によれば、前記阻害剤は、前兆のない片頭痛、前兆のある片頭痛、慢性片頭痛、片頭痛の合併症(例えば、片頭痛発作重積)、片頭痛の疑い、および片頭痛に関連し得る反復性症候群から選択される、片頭痛の処置のための方法に使用するためにより好ましくは提供される。
【0017】
別の実施形態によれば、前記阻害剤は、稀発および頻発反復性TTH、慢性TTHおよびTTHの疑いから選択される緊張型頭痛(TTH)の処置のための方法に使用するために提供される。
別の実施形態によれば、前記阻害剤は、群発頭痛、発作性片側頭痛、短期間の片側神経痛様頭痛発作、継続性片側頭痛およびTACの疑いから選択される三叉神経自律神経性頭痛(TAC)の処置のための方法に使用するために提供される。
別の実施形態によれば、前記阻害剤は、一次咳嗽性頭痛、一次運動性頭痛、性的行為に関連する一次頭痛、一次性雷鳴頭痛、寒冷刺激による頭痛、外圧性頭痛、一次性穿刺様頭痛、貨幣状頭痛、睡眠時頭痛および新しい日常の持続性頭痛から選択される、他の一次頭痛の処置のための方法に使用するために提供される。
別の実施形態によれば、前記阻害剤は、上記の頭痛障害を予防的に処置する方法に使用するために提供される。
別の実施形態によれば、前記阻害剤は、上記の頭痛障害の治療的処置、例えば急性処置、特に片頭痛の頓挫処置の方法に使用するために提供される。
【0018】
頭痛障害の処置に使用するための上記のSGLT2阻害剤は、治療有効量で投与される。通常、これらは、1日あたり、1mg~300mg、特に、1mg~25mgの範囲の合計となる1日分の用量、例えば、1mg、2.5mg、5mg、10mg、12.5mg、15mg、25mg、100mgおよび300mg、好ましくは2.5mg、5mg、10mgおよび25mgによって達成される。
実際の治療有効量または治療投与量は、当然ながら、患者の年齢および体重、投与経路および疾患の重症度などの、当業者によって公知の因子に依存する。あらゆる場合において、活性化合物は、患者の固有の状態に基づいて治療有効量を送達することが可能な投与量および方法で投与される。同様に、例えば、医薬品有効成分への有害反応のために、用量調節が必要であるかの判定およびその実行は、当業者に公知である。
投与は、特に予防的処置の場合、1日1回、2回または3回、好ましくは1日1回とすることができる。
投与経路は、経口、口内、舌下、鼻腔、非経口、吸入、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、直腸内、局所、眼内、硝子体内または腹腔内、好ましくは経口である。
【0019】
上記の例示的なSGLT2阻害剤の好適な用量、投与スキームおよび製剤は、当業者に公知である。
したがって、本発明の第1の態様の一実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている使用のためのSGLT2阻害剤は、1mg~25mgの範囲の用量で、1日1回、経口投与するために提供される。
好ましい実施形態によれば、エンパグリフロジンは、好ましくは1日1回、1mg~25mgの範囲の合計となる1日分の用量で、例えば、錠剤の形態で経口投与される。
上記の頭痛障害の処置に関すると、SGLT2阻害剤は、頭痛障害の予防的および/または治療的処置、例えば急性処置に好適な、1種または複数の他の薬学的活性物質と、同時または逐次のどちらか一方で組み合わせて使用されてもよい。これらの他の物質、特に本明細書のこれ以降に具体的に明記されているものの用量強度、投与スキームおよび製剤は、当業者に公知である。例えば、別の好適な薬学的活性物質と組み合わせたSGLT2阻害剤が、疼痛に対して相乗効果を有するが、同時に、制吐活性も望ましい場合、1種超の他の活性医薬との組合せ物が有用である。
【0020】
組合せ投与は、例えば、単回製剤もしくは剤形で、または1つ超の個別の製剤もしくは剤形で、一緒に、または個別に、同時に、もしくは逐次に、共同してまたは時間をずらしてもよく、この場合、組合せ物の要素の1つの投与は、この組合せ物の他の要素の投与前、これと同時、またはその後であってもよい。併用処置は、第1選択治療法、第2選択治療法もしくは第3選択治療法、あるいは初期もしくはアドオン併用療法または補充療法とすることができる。有利には、エンパグリフロジンの投与を開始および/または継続しながら、組合せ物の他の薬学的活性物質の数および/または投与量、すなわち用量強度および/または頻度が低減される。
【0021】
SGLT2阻害剤はまた、栄養補給物、例えば、コエンザイムQ10、酸化マグネシウムおよびリボフラビンと組み合わせて使用されてもよい。
同様に、SGLT2阻害剤は、ライフスタイルの変更、筋弛緩法、鍼治療、口腔内器具、手術、神経調節または神経刺激、例えば、蝶口蓋神経節刺激、シングルパルス経頭蓋磁気刺激、非侵襲的迷走神経刺激、経皮的眼窩上神経刺激のような非投薬ベースの処置手法と組み合わせて使用されてもよい。
【0022】
頭痛障害を処置するのに好適な薬学的活性物質は、例えば、
ベータアドレナリン遮断薬(例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、ネビボロール、プロパノロール、チモロール)、
抗てんかん薬または抗けいれん薬(例えば、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ジバルプロエックスナトリウム、トピラメート、カルバムアゼピン、プレガバリン、ガバペンチン、フェニトイン、ビガバトリン、レベチラセタム)、
抗うつ剤、とりわけ、三環系抗うつ剤または選択的セロトニン再取り込み阻害剤、(例えば、アミトリプチリン、ブプロピオン、ベンラファキシン、イミプラミン、フロキセチン、デュロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、トラゾドン)、
Caチャネルアンタゴニスト(例えば、アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、フルナリジン、ジルチアゼム、ガロパミル、ベラパミル)、
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)アンタゴニスト(例えば、ウブロゲパント、リメゲパント、アトゲパント)、
CGRPおよびその受容体に対するモノクローナル抗体(例えば、エプチネズマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ、エレヌマブ)、
下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP38)およびその受容体PAC1に対するモノクローナル抗体(例えば、AMG-301、ALD1910)、および
アンジオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、アジルサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン)、
ヒスタミン-H1-受容体アンタゴニスト(例えば、シプロヘプタジン、ジフェンヒドラミン、プロメタジン)、
アルファアドレナリンアゴニスト(例えば、クロニジン、グアンファシン、チザニジン)、
アルファアドレナリンアンタゴニスト(例えば、インドラミン)、NOシンターゼ阻害剤、神経弛緩薬、
およびさらなる薬学的活性物質(例えば、ボツリヌス毒素、メチセルギド、メチルエルゴメトリン、メマンチン)、
鎮痛薬および非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(例えば、アセメタシン、アセチルサリチル酸、アザチオプリン、イブプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、フェンブフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ロルノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、アセトアミノフェン、カフェイン、アクロフェナク、ジクロフェナク、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクエポラミン、ゾメピラク、インドメタシン、ケトロラク、エトドラク、トルフェナム酸、メタミゾール(ジピロン)、フェナゾン、ペチジン、デキストロプロポキシフェン、ジフルニサル、レフルノミド、メフェナム酸、フェニルブタゾン、スルファラジン、セレコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ならびにそれらの組合せ物、とりわけアセチルサリチル酸および/またはアセトアミノフェンとカフェインとの組合せ物、ならびにプロスタグランジン合成の早期段階もしくは後期段階を阻害する物質、または例えば、EP2-受容体アンタゴニストおよびIP-受容体アンタゴニストなどのプロスタグランジン受容体アンタゴニスト)、
麦角誘導体(例えば、エラゴタミン、エルゴタミン酒石酸塩(カフェインと組み合わされてもよい)、ジヒドロエルゴタミン)、
セロトニン5-HT1B/1Dアゴニスト、特に、トリプタン系(例えば、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン)、
セロトニン5-HT1Fアゴニスト(例えば、ラスミジタン)、
グルタミン酸受容体アンタゴニスト(例えば、テザンパネル)、
CGRPアンタゴニスト(例えば、ウブロゲパント、リメゲパント、アトゲパント)、
制吐薬または消化管運動促進薬(例えば、ドンペリドン、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、ジメンヒドリナート、シクリジン、ドロペリドール、ハロペリドール)、
コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン)、
抗ムスカリン薬、AMPAアンタゴニスト、ニューロキニンアンタゴニスト、
およびさらなる薬学的活性物質(例えば、リドカイン(リグノカイン)、ピゾチフェン、リシノプリル、イソメテプテン)、
または生理学的に許容されるそれらの塩、ならびにそれらの組合せ物
である。
【0023】
特に、予防的処置に好適なこのような他の薬学的活性物質は、例えば、
ベータアドレナリン遮断薬(例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、ネビボロール、プロパノロール、チモロール)、
抗てんかん薬または抗けいれん薬(例えば、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ジバルプロエックスナトリウム、トピラメート、カルバムアゼピン、プレガバリン、ガバペンチン、フェニトイン、ビガバトリン、レベチラセタム)、
抗うつ剤、とりわけ、三環系抗うつ剤または選択的セロトニン再取り込み阻害剤、(例えば、アミトリプチリン、ブプロピオン、ベンラファキシン、イミプラミン、フロキセチン、デュロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、トラゾドン)、
Caチャネルアンタゴニスト(例えば、アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、フルナリジン、ジルチアゼム、ガロパミル、ベラパミル)、
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)アンタゴニスト(例えば、ウブロゲパント、リメゲパント、アトゲパント)、
CGRPおよびその受容体に対するモノクローナル抗体(例えば、エプチネズマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ、エレヌマブ)、およびさらなる薬学的活性物質(例えば、ボツリヌス毒素、メチセルギド、メチルエルゴメトリン、メマンチン、アセチルサリチル酸)、
下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP38)およびその受容体PAC1に対するモノクローナル抗体(例えば、AMG-301、ALD1910)、および
アンジオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、アジルサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン)、
ヒスタミン-H1-受容体アンタゴニスト(例えば、シプロヘプタジン)、
アルファアドレナリンアゴニスト(例えば、クロニジン、グアンファシン、チザニジン)、
アルファアドレナリンアンタゴニスト(例えば、インドラミン)、NOシンターゼ阻害剤、神経弛緩薬、
およびさらなる薬学的活性物質(例えば、ピゾチフェン、リシノプリル)、
または生理学的に許容されるそれらの塩、ならびにそれらの組合せ物
とすることができる。
【0024】
好ましくは、予防的処置のためのこのような他の物質は、プロパノロール、チモロール、メトプロロール、アテノロール、ナドロール、ジバルプロエックスナトリウム、トピラメート、ガバペンチン、アミトリプチリン(amitriptylin)、ブプロピオン、フルオキセチン(fluoxetin)、ニモジピン、フルナリジン、リメゲパント、アトゲパント、エプチネズマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ、エレヌマブ、ボツリヌス毒素およびベラパミル、
最も好ましくは、プロパノロール、チモロール、メトプロロール、ジバルプロエックスナトリウム、トピラメート、ガバペンチン、アミトリプチリン、フルナリジン、ガルカネズマブ、フレマネズマブおよびエレヌマブである。
【0025】
特に、治療的処置、例えば急性処置に好適なこのような他の薬学的活性物質は、例えば、
鎮痛薬および非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(例えば、アセメタシン、アセチルサリチル酸、アザチオプリン、イブプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、フェンブフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ロルノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、アセトアミノフェン、カフェイン、アクロフェナク、ジクロフェナク、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクエポラミン、ゾメピラク、インドメタシン、ケトロラク、エトドラク、トルフェナム酸、メタミゾール(ジピロン)、フェナゾン、ペチジン、デキストロプロポキシフェン、ジフルニサル、レフルノミド、メフェナム酸、フェニルブタゾン、スルファラジン、セレコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ならびにそれらの組合せ物、とりわけアセチルサリチル酸および/またはアセトアミノフェンとカフェインとの組合せ物、ならびにプロスタグランジン合成の早期段階もしくは後期段階を阻害する物質、または例えば、EP2-受容体アンタゴニストおよびIP-受容体アンタゴニストなどのプロスタグランジン受容体アンタゴニスト)、
麦角誘導体(例えば、エラゴタミン、エルゴタミン酒石酸塩(カフェインと組み合わされてもよい)、ジヒドロエルゴタミン)、
セロトニン5-HT1B/1Dアゴニスト、特に、トリプタン系(例えば、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、アビトリプタン)、
セロトニン5-HT1Fアゴニスト(例えば、ラスミジタン)、
グルタミン酸受容体アンタゴニスト(例えば、テザンパネル)、
CGRPアンタゴニスト(例えば、ウブロゲパント、リメゲパント、アトゲパント)、
制吐薬または消化管運動促進薬(例えば、ドンペリドン、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、ジメンヒドリナート、シクリジン、ドロペリドール、ハロペリドール)、
ヒスタミン-H1-受容体アンタゴニスト(例えば、ジフェンヒドラミン、プロメタジン)、
コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン)、
抗ムスカリン薬、神経弛緩薬、AMPAアンタゴニスト、ニューロキニンアンタゴニスト、NOシンターゼ阻害剤、アルファアドレナリンアゴニストおよびアルファアドレナリンアンタゴニスト、
およびさらなる薬学的活性物質(例えば、リドカイン(リグノカイン)、ピゾチフェン、イソメテプテン)
または生理学的に許容されるその塩、ならびにそれらの組合せ物
とすることができる。
【0026】
好ましくは、治療的処置、例えば急性処置のためのこのような他の物質は、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、ケトロラク、アセチルサリチル酸とアセトアミノフェンおよびカフェインとの組合せ物、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、スマトリプタンとナプロキセンまたはナプロキセンナトリウムとの組合せ物、エラゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、ラスミジタン、ウブロゲパント、リメゲパント、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、ジフェンヒドラミン、ドロペリドールおよびデキサメタゾン、
最も好ましくは、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、スマトリプタンとナプロキセンまたはナプロキセンナトリウムとの組合せ物、エラゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、ラスミジタン、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、ジフェンヒドラミンおよびデキサメタゾンである。
【0027】
したがって、本発明の一実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている使用のためのSGLT2阻害剤は、ベータアドレナリン遮断薬、抗てんかん薬または抗けいれん薬、抗うつ剤、Caチャネルアンタゴニスト、CGRPアンタゴニスト、CGRPおよびその受容体に対するモノクローナル抗体、PACAP38およびその受容体PAC1に対するモノクローナル抗体、アンジオテンシンIIアンタゴニスト、ヒスタミン-H1-受容体アンタゴニスト、アルファアドレナリンアゴニスト、アルファアドレナリンアンタゴニスト、NOシンターゼ阻害剤および神経弛緩薬からなる群から好ましくは選択される、頭痛障害を予防的処置するための物質と組み合わせて使用するために提供される。
【0028】
好ましい実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている使用のためのSGLT2阻害剤は、プロパノロール、チモロール、メトプロロール、アテノロール、ナドロール、ジバルプロエックスナトリウム、トピラメート、ガバペンチン、アミトリプチリン(amitriptylin)、ブプロピオン、フルオキセチン(fluoxetin)、ニモジピン、フルナリジン、リメゲパント、アトゲパント、エプチネズマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ、エレヌマブ、ボツリヌス毒素およびベラパミルからなる群から選択される、頭痛障害の予防的に処置するための物質と組み合わせて使用するために提供される。
別の実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている使用のためのSGLT2阻害剤は、鎮痛薬およびNSAID、麦角誘導体、トリプタン系のようなセロトニン5-HT1B/1Dアゴニスト、セロトニン5-HT1Fアゴニスト、グルタミン酸受容体アンタゴニスト、CGRPアンタゴニスト、制吐薬または消化管運動促進薬、ヒスタミン-H1-受容体アンタゴニスト、コルチコステロイド、抗ムスカリン薬、神経弛緩薬、AMPAアンタゴニスト、ニューロキニンアンタゴニスト、NOシンターゼ阻害剤、アルファアドレナリンアゴニストおよびアルファアドレナリンアンタゴニストから好ましくは選択される、頭痛障害の治療的処置、例えば急性処置のための物質と組み合わせて使用するために提供される。
【0029】
好ましい実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている使用のためのSGLT2阻害剤は、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、ケトロラク、アセチルサリチル酸とアセトアミノフェンおよびカフェインとの組合せ物、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、スマトリプタンとナプロキセンまたはナプロキセンナトリウムとの組合せ物、エラゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、ラスミジタン、ウブロゲパント、リメゲパント、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、ジフェンヒドラミン、ドロペリドールおよびデキサメタゾンからなる群から選択される、頭痛障害の治療的処置、例えば急性処置のための物質と組み合わせて使用するために提供される。
別の実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている使用のためのSGLT2阻害剤は、頭痛障害の治療的処置、例えば急性処置のための前記物質と組み合わせて使用するために提供され、この場合、組合せ使用は同時である。
【0030】
別の実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている使用のためのSGLT2阻害剤は、頭痛障害の治療的処置、例えば急性処置のための前記物質と組み合わせて使用するために提供され、この場合、組合せ使用は逐次である。
本発明の第2の態様では、頭痛障害の予防的および/または治療的処置、例えば急性処置のための、治療有効量の前記阻害剤の投与に好適な、SGLT2阻害剤の医薬組成物を製剤化することができることが見出される。
これらの医薬組成物は、例えば、効力、投与量、用量強度、用量頻度、薬力学特性、薬物動態特性、有害事象がほとんどないこと、便利さ、服薬遵守などの点で、頭痛障害の処置にとって有利な効果を示すことができる。
前記医薬組成物は、あらゆる適切な経路によって、例えば、経口、口内、舌下、鼻腔、非経口、吸入、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、直腸内、局所、眼内、硝子体内または腹腔内投与により投与することができる。それらは、液体形態もしくは固体形態、または吸入もしくは吸送による投与に好適な形態にあってもよい。経口投与のための固体組成物が好ましい。
【0031】
本発明の医薬品有効成分を投与するための好適な組成物は、当業者に明白であり、例えば、経口錠剤、経口分散性錠剤、発泡性錠剤のような錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、点鼻剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤、注射剤、吸入剤、粉状顆粒剤などを含む。好適な錠剤は、上記の医薬品有効成分の1種または複数を、公知の賦形剤、例えば不活性希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤および/または滑沢剤と、例えば混合することによって得ることができる。フィルムコート錠剤が、最も好ましい。エンパグリフロジンの具体的な医薬組成物が、例えば、国際公開第WO2010/092126号に記載されている。同様に、上記の他の例示的なSGLT2阻害剤の好適な組成物が、当業者に公知である。
本組成物は、本発明による使用のための、治療有効量のSGLT2阻害剤を提供する。例えば、それを必要とする患者への経口投与向け組成物は、1mg~300mg、特に、1mg~25mg、例えば、1mg、2.5mg、5mg、10mg、12.5mg、15mg、25mg、100mgおよび300mg、好ましくは2.5mg、5mg、10mgおよび25mgの範囲のSGLT2阻害剤の用量を含むことができる。本組成物は、特に予防的処置の場合、1日1回、2回または3回、好ましくは1日1回、適用される。
【0032】
処置の方法が、上記のSGLT2阻害剤と他の薬学的活性物質との共投与を含む場合、SGLT2阻害剤だけではなく、さらに好適な上記の物質も含む医薬組成物を投与することが可能である。
代替的に、SGLT2阻害剤およびその組合せパートナーは、1種超の個別の医薬組成物中で存在してもよい。これらの個別の組成物は、一緒に、または個別に、逐次にもしくは同時に、共同してもしくは時間をずらして投与されてもよい。
さらに、前記1種または複数の医薬組成物は、有効用量の上記の医薬品有効成分の同時使用または逐次使用するための、医薬品キット内に入れられてもよい。例えば、前記医薬品キットは、1種または複数の上記組成物を包含し、例えば、それらを適用するためのデバイスを個別のコンパートメントに包含してもよい。
したがって、本発明の第2の態様の一実施形態によれば、頭痛障害の予防的および/または治療的処置、例えば急性処置の方法に使用するための、治療有効量の1種または複数の上記のSGLT2阻害剤、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0033】
好ましくは、本組成物は、治療有効量のエンパグリフロジンを含む。好ましくは、処置は、予防的処置である。好ましくは、頭痛障害は、前兆のない片頭痛、前兆のある片頭痛、慢性片頭痛、片頭痛の合併症(例えば、片頭痛発作重積)、片頭痛の疑い、および片頭痛に関連し得る反復性症候群から選択される、片頭痛である。
別の実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている医薬組成物は、経口投与のための組成物から、好ましくはカプセル剤および錠剤から、最も好ましくはフィルムコート錠剤から選択される。
別の実施形態によれば、本医薬組成物、好ましくは本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されているフィルムコート錠剤は、SGLT2阻害剤を1mg~300mg、特に、1mg~25mg、好ましくは2.5mg、5mg、10mgまたは25mgの範囲の量で含む。
別の実施形態によれば、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている医薬組成物は、頭痛障害の処置に好適な、治療有効量の上記の1種または複数のさらなる薬学的活性物質、好ましくは1種のさらなる薬学的活性物質をさらに含む。
【0034】
別の実施形態によれば、活性成分の同時、逐次および/または個別使用するための、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている1種または複数の医薬組成物を含む頭痛障害を処置するための医薬品キットであって、それを投与するための医療用デバイスを含んでもよい医薬品キットが提供される。
好ましくは、前記キットは、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている1種または複数のSGLT2阻害剤の医薬組成物を含む第1のコンパートメント、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている頭痛障害の処置に好適な別の薬学的活性物質の医薬組成物を含む第2のコンパートメントを含み、第1および/または第2のコンパートメントの内容物を投与するための医療用デバイスを含む第3のコンパートメントを含んでもよい。好ましくは、前記キットは、前記活性成分の同時使用、逐次使用および/または個別使用のためのものである。
本発明の第3の態様では、それを必要とする患者における、1種または複数の上記のSGLT2阻害剤による、頭痛障害の処置のための方法が記載されている。さらに、本発明は、1種または複数の上記の医薬組成物による、頭痛障害の処置のための方法に関する。
【0035】
前記方法は、本発明の第1および第2の態様に関して、上に記載されている特徴および実施形態を特徴とする。
本発明の第4の態様では、それを必要とする患者における頭痛障害の処置のための上記の方法のための医薬の製造における、上記のSGLT2阻害剤の使用が、記載されている。
前記医薬および前記方法は、本発明の第1、第2および第3の態様に関して、上に記載されている特徴および実施形態を特徴とする。
本発明のさらなる実施形態および特徴は、以下の実施例から明白になろう。
実施例および実験データ
以下の実施例は、本発明の原理の例示目的に過ぎず、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
【0036】
(実施例1)
片頭痛を有する患者の処置
片頭痛を有する患者の関連集団における、エンパグリフロジンによる処置の効力を、標準治療へのアドオン治療法として、エンパグリフロジンによる処置とプラセボを比較するため、無作為化した、二重盲検のプラセボを対照とする並行群試験で検討する。患者の経過観察の期間は、好ましくは、長期処置、例えば、24、48または52週間である。
患者は、片頭痛を有する成人個体を含む。主要な選択基準は、可能性として代謝リスク因子に富む、片頭痛の高いリスクである。
エンパグリフロジンを、患者に、1日1回、例えば、2.5mgおよび/または10mgおよび/または25mgの経口用量として投与する。
本検討の一次エンドポイントは、片頭痛エピソードの期間および/または数である。
重要な二次エンドポイントは、鎮痛剤投薬の使用、病気欠勤日、医療相談および/または入院に関する。
さらに二次エンドポイントは、クオリティオブライフのエンドポイントである。
さらなるエンドポイントは、ケトンレベルの測定値に関するものでもよい。
安全性診断基準は、血圧、心拍数および有害事象を含む。
【0037】
(実施例2)
エンパグリフロジンのフィルムコート錠剤
【表1】
量は、フィルムコート錠剤あたりのmg数で示されている。用語「活性物質」は、国際公開第2006/117359号および国際公開第2011/039107号に記載されている、エンパグリフロジン、とりわけその結晶形態を表す。
【0038】
錠剤の製造、医薬品有効成分、賦形剤およびフィルム-コーティングシステムに関する詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2010/092126号、特に、実施例5および6に記載されている。国際公開第2010/092126号はまた、経口投与のための組成物および剤形のさらなる例を開示する。
【国際調査報告】