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特表2023-520949省スペースかつ省エネルギーの気候システムを有して多層状に植物を栽培するための気候セル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-22
(54)【発明の名称】省スペースかつ省エネルギーの気候システムを有して多層状に植物を栽培するための気候セル
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20230515BHJP
   A01G 9/24 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
A01G7/00 601Z
A01G7/00 601A
A01G9/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569296
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(85)【翻訳文提出日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 EP2021052220
(87)【国際公開番号】W WO2021152156
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】102020102525.4
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202020102464.7
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522289736
【氏名又は名称】カレラ ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】521162609
【氏名又は名称】フィースマン リフリッジレーション ソリューションズ ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】522289747
【氏名又は名称】エタノミクス サービス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】マルク コージリアス
(72)【発明者】
【氏名】マルクス へスラー-マローン
(72)【発明者】
【氏名】トルステン メンツェル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス マウル
(72)【発明者】
【氏名】ティム ローセル
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヴィンターズ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヘッカー
【テーマコード(参考)】
2B022
2B029
【Fターム(参考)】
2B022AA03
2B022DA01
2B022DA08
2B022DA17
2B022DA19
2B022DA20
2B029KB03
2B029KB05
2B029MA01
2B029PA05
2B029SF00
(57)【要約】
本発明は、相互に上下に配置された複数の層(12)において植物を栽培するための閉気候セル(100)に関し、気候セル(100)は少なくとも1つのチャンバ(10)を備え、チャンバ(10)内で層(12)は相互に上下に配置されてチャンバ(10)の第1の面(11a)からチャンバ(10)の第2の面(11b)に延在し、各層(12)は少なくとも1つの植物栽培容器及びその上に配置された少なくとも1つの照明プラットフォームを有し、少なくとも1つのチャンバ(10)内の気候が気候セル(100)の気候システム(20)によって設定される。本発明による省スペースかつ省エネルギーな気候調整システムを有するそのような気候セルを形成するために、蓄熱要素(13)は、少なくとも1つのチャンバ(10)の第1の面(11a)及び第2の面(11b)に各々配置され、気候システム(20)の換気システム(21)によって生成された気流(25)は蓄熱要素(13)の双方を流通し、気流(25)について、少なくとも一時点において、2面(11a、11b)の一方が吸気口面(23)を構成し、他方が排気口面(24)を構成し、吸気口面(23)に配置された蓄熱要素(13)は放熱要素(13a)として機能し、排気口面(24)に配置された蓄熱要素(13)は吸熱要素(13b)として機能する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に上下に配置された複数の層(12)において植物を栽培するための閉気候セル(100)であって、該気候セル(100)は少なくとも1つのチャンバ(10)を備え、該チャンバ(10)内で前記層(12)は相互に上下に配置されて前記チャンバ(10)の第1の面(11a)から前記チャンバ(10)の第2の面(11b)に延在し、各層(12)は少なくとも1つの植物栽培容器及びその上に配置された少なくとも1つの照明プラットフォームを有し、前記気候セル(100)の気候システム(20)によって少なくとも1つのチャンバ(10)内の気候が設定され、
蓄熱要素(13)が、前記少なくとも1つのチャンバ(10)の前記第1の面(11a)及び第2の面(11b)に各々配置され、前記気候システム(20)の換気システム(21)によって生成された気流(25)は蓄熱要素(13)の双方を流通し、前記気流(25)について、少なくとも一時点において、前記第1及び第2の面(11a、11b)の一方が吸気口面(23)を構成し、他方が排気口面(24)を構成し、前記吸気口面(23)に配置された前記蓄熱要素(13)は発熱要素(13a)として機能し、前記排気口面(24)に配置された前記蓄熱要素(13)は受熱要素(13b)として機能する、閉気候セル(100)。
【請求項2】
前記気候セル(100)の前記少なくとも1つのチャンバ(10)は少なくとも1つの第1の段及び少なくとも1つの第2の段(14a、14b)からなり、前記第1の段(14a)及び第2の段(14b)における前記気流(25)は、それぞれ逆方向に向けられる、請求項1に記載の閉気候セル(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのチャンバ(10)を通じる前記気流(25)の方向が、転換及び/又は切換可能である、請求項1又は2に記載の閉気候セル(100)。
【請求項4】
前記気流(25)の方向を転換し及び/又は切り換えるのに使用可能な換気システム(21)を有する、請求項3に記載の閉気候セル(100)。
【請求項5】
前記蓄熱要素(13)が、前記チャンバ(10)の前記第1の面(11a)又は第2の面(11b)に強固に配置された、請求項1から4のいずれか一項に記載の閉気候セル(100)。
【請求項6】
前記気流(25)の方向の転換後に、2つの前記蓄熱要素(13)の機能は、直前に発熱用として機能していた前記要素(13a)は受熱要素(13b)として機能し、直前に受熱用として機能していた前記要素(13b)は発熱要素(13a)として機能するように、切り換えられる、請求項3から5のいずれか一項に記載の閉気候セル(100)。
【請求項7】
一時点において発熱用として機能していた前記少なくとも1つのチャンバ(10)の前記第1の段(14a)の前記要素(13b)は、当該時点において受熱用として機能していた前記少なくとも1つのチャンバ(10)の前記第2の段(14b)の前記要素(13a)と可動に接続される、請求項2に記載の閉気候セル(100)。
【請求項8】
2つの段(14a、14b)の前記蓄熱要素(13)の移動時に、受熱機能を有する一方の前記段(14a、14b)の前記要素(13b)は発熱機能を有する他方の前記段(14a、14b)の要素(13a)に切り換えられ、発熱機能を有する一方の前記段(14a、14b)の前記要素(13a)は受熱機能を有する他方の前記段(14a、14b)の要素(13b)に切り換えられる、請求項7に記載の閉気候セル(100)。
【請求項9】
2つの接続された前記蓄熱要素(13)は、ローターの2部品を構成する、請求項7又は8に記載の閉気候セル(100)。
【請求項10】
2つの接続された前記蓄熱要素(13)の移動が連続的に行われる、請求項7から9のいずれか一項に記載の閉気候セル(100)。
【請求項11】
2つの接続された前記蓄熱要素(13)の移動が別個の工程で行われる、請求項7から9のいずれか一項に記載の閉気候セル(100)。
【請求項12】
前記気候セル(100)が、好ましくは並べて配置された、複数のチャンバ(10)を有することにより、前記気流(25)が前記複数のチャンバ(10)に順次流通する、請求項1から11のいずれか一項に記載の閉気候セル(100)。
【請求項13】
気候調節要素(22)が、2つの隣接チャンバ(10)の間の中間空間(15)及び/又は個々のチャンバ(10)の一方の面(11a、11b)の縁部空間(16)に保持された、請求項1から12のいずれか一項に記載の閉気候セル(100)。
【請求項14】
前記蓄熱要素(13)は、熱伝導性材料(32)、特に金属、好ましくはアルミニウムを有し、又は熱伝導性材料(32)、特に金属、好ましくはアルミニウムからなる、請求項1から13のいずれか一項に記載の閉気候セル(100)。
【請求項15】
前記蓄熱要素(13)は、複数の長細い通路(31)を有し、好ましくはハニカム構造を有し又はハニカム構造からなる、請求項1から14のいずれか一項に記載の閉気候セル(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に上下に配置された複数の層において植物を栽培するための閉気候セルに関し、気候セルは少なくとも1つのチャンバを備え、それらの層は相互に上下に配置され、チャンバの第1の面からチャンバの第2の面に延在し、各層は少なくとも1つの植物栽培容器及びその上に配置された少なくとも1つの照明プラットフォームを有する。気候セルの気候システムが、少なくとも1つのチャンバ内の気候を設定するのに使用される。
【0002】
既に知られているように、植物は、調節された気候の温室内で栽培可能である。ここでは、植物の成長を促進するように、夜間及び冬季において人工光を用いるのが慣例である。温室にファン又は空気交換システムを設置することも知られており、それは空気が交換され又は新しい空気が供給されることを確実にし、酸素含有量、CO含有量又は湿度などの空気組成を調節するのにも使用可能である。
【背景技術】
【0003】
特許文献1には、気候チャンバ用の空気を調節するデバイスが開示されている。ここでは、気候チャンバ内に実質的に閉回路で空気を分散及び循環させるのに対流ファンが用いられ、調節ユニットが空気を加湿、除湿、冷却及び加熱することができる。一方、空気は、ここで調節ユニットによって集中的に調整されてから、再度調節ユニットに戻る前に全気候チャンバ内に循環される。
【0004】
特許文献2には、内部空間において植物を栽培するための気候的に閉じた気候セルが開示され、複数の容器は気候セル内で少なくとも2つの層で相互に上下に配置される。各容器は、植物を受容し及び/又は種子を受容するために平坦に配置された基板を有する受容エリアを有し、容器は受容エリアを周方向に囲むフレームを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第1778624号明細書
【特許文献2】独国特許発明第102016121126号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明の提示:課題、解決手段、効果
本発明の課題は、気候セルの内部の空調機との関係で相互に上下に配置された複数の層において植物を栽培するための閉気候セルを、空調機に非常に省スペースの構造的設計を与えるような態様で改善することである。気候セルの気候システムについての簡素な構造的設計に対する有利な効果は、アセンブリが複雑でないというだけでなく、より少ない換気装置並びにより簡素な冷却装置及び再加熱装置を熱回収とともに使用することで省エネルギーとなることでもある。さらに、新たな構造コンセプトは、非常に均質な温度分布及び全ての植物に対して均一な温度を与え、その温度は、気候セルが大型となっても数度しか変動しない。さらに、空気が両側から吹込み可能であるので、構造コンセプトは非常に柔軟であり、結果として種々の気候チャンバサイズ及び気候セルに適合される。
【0007】
本発明によると、複数の層において植物を栽培するための閉気候セルはこの目的のために提供され、気候セルは少なくとも1つのチャンバを備え、それらの層は相互に上下に配置され、チャンバの第1の面からチャンバの第2の面に延在し、各層は少なくとも1つの植物栽培容器及びその上に配置された少なくとも1つの照明プラットフォームを有する。気候は、気候セルの気候システムによって少なくとも1つのチャンバ内で設定される。
【0008】
この目的のため、蓄熱要素が、少なくとも1つのチャンバの第1及び第2の面に各々配置され、気候システムの換気システムによって生成された気流は蓄熱要素の双方を流通し、気流について、少なくとも一時点において2面の一方は吸気口面を形成し、他方の面は排気口面を形成し、チャンバの吸気口面に配置された蓄熱要素はこの時点において発熱要素として機能し、排気口面に配置された蓄熱要素はこの時点において受熱要素として機能する。
【0009】
本発明によると、閉気候セルは、室内空間において植物を栽培するための6面で閉じた気候セルとして理解される。気候システムは、それぞれの成長段階の関数などとして、植物の要件に基づいて閉気候セルの内部の気候を調整する又は対応して調節するのに使用される。この目的のため、特に空気の温度、湿度、二酸化炭素含有量、酸素含有量及び流速が設定される。閉気候セルに対する有利な効果は、ここでは特に、閉システム内で大量の水分が放散することはないために、従来の栽培法と比較して少量の水しか消費されず、結果として少量の水しか植物に与えられなくてもよいことである。
【0010】
植物栽培容器は、トラフ形状に設計され、植物又は種子のための1又は複数の受容エリアを有し得る。複数の植物栽培容器は、トラフ形状キャリアに並べて配置可能である。種子又は植物が載る基板が、各植物栽培容器の受容エリアに配置される。対応する栄養溶液が、好ましくは基板下に沿って誘導される。
【0011】
照明プラットフォームは、好ましくは、植物栽培容器又は複数の植物栽培容器を並べて配置したキャリアと実質的に同じ外寸を有する。各照明プラットフォームは、複数の照明手段、特にLED、並びに任意選択的にセンサ及び/又はカメラを有していてもよい。照明手段は、好ましくは、ハイブリッド照明、すなわち、日光及び人工的に生成された光を合わせたものから構成されていてもよい。例えば、日光は鏡及びファイバガラスを介して閉気候チャンバに誘導されてそこで分散されてもよい。センサは、日光の強度及び組成を測定し、例えばLEDによる日光のスペクトル内の欠落成分を補強するように照明手段を制御することができる。照明手段は、現成長段階に応じて植物の状態に対して照明を調整するのに使用され得る。この目的のために、照明プラットフォーム又は照明プラットフォームの照明手段は、好ましくは自動化作動され得る。任意選択的なセンサ及び/又はカメラは、閉気候セルの内部の気候の実際の状態及び植物の現成長段階を特定するのに使用され得る。そして、照明プラットフォーム及び/又は気候システム若しくは換気システム、又はチャンバ間に保持された気候調節要素が、これらのデータに基づいて制御され得る。
【0012】
ここで、気候セルのチャンバは、相互に上下に配置された複数の層からなり、それらはチャンバの対向面に固定される。ここで、各面は、それ自体が吸気口又は排気口を有し、好ましくは全幅にわたって空気の流れを搬送することができる。これは、空気又は生成された気流がチャンバの第1の面を通じてチャンバに進入し、チャンバを流通し、第2の面において再度チャンバを流出することを意味する。チャンバは、相互に上下に配置されてもよい。
【0013】
複数のチャンバが並べて配置される場合、第2のチャンバの第1の面は第1のチャンバの第2の面に隣接配置されるので、第1のチャンバを流出する空気は、2つのチャンバ間の中間空間を流通した後に、第2のチャンバ内へその第1の面を貫通し得る。中間空間は、ここでは好ましくはチャンバよりも明らかに狭い。これにより、気候セル内に多数のチャンバを並べて配置することができる。チャンバを相互に前後に配置することも可能となるので、並べて配置されたチャンバを有する複数の列が相互に順次配置される。ただし、相互に順次配置されたこれらのチャンバは、好ましくは、共有する空気循環を有しないが、当該気候システム又は他の気候システムによって気候的に独立して選好的に調整及び/又は調節される。例えば、それぞれの換気システムは、チャンバの各列に割り当てられてもよく、並べて配置された列内の全てのチャンバを通じて流れるそれぞれの気流を生成してもよい。
【0014】
蓄熱要素はチャンバの第1又は第2の面内又は面上に固定され、換気システムの気流の方向に応じて、蓄熱要素は発熱要素若しくは受熱要素となり得るものであり、又は発熱要素若しくは受熱要素として機能する。本発明の目的のために、蓄熱要素は、ある時点では常に発熱要素として機能し、この時点ではチャンバの吸気口面に配置される。この時点で同チャンバの排気口面に配置された蓄熱要素は、この時点では受熱要素として機能する。したがって、蓄熱要素は、それらの機能を受熱と発熱の間で切り換えることができる。例えば、これは、気流反転によって行われ得る。
【0015】
本発明によると、蓄熱要素は、それが当該蓄熱要素を流通する気流に対して蓄熱を放出する場合に発熱機能を有する。逆に、蓄熱要素は、それが当該蓄熱要素を流通する気流から熱を受けることにより気流を冷却する場合に受熱機能を有する。
【0016】
チャンバが並べて配置されることを考慮すると、気流内で最初に位置するチャンバの受熱要素は、気流内で2番目に位置するチャンバの発熱要素に隣接配置され、両要素又はチャンバは中間空間によって離隔される。気候システムのより多くの要素、例えば気候調節要素が、この中間空間に配置可能であり、又は配置されていてもよい。例えば、1つのそのような気候調節要素が、好ましくは空気を冷却し及び/又は水分を調節するために使用可能である。
【0017】
換気システムは、空気移動要素及び/又は気流を生成する要素を備える。例えば、換気装置が、この目的のために設けられてもよいし、縁部空間内の気候セルの片面又は両面に固定されてもよい。また、並べて配置されたチャンバの列の両端に縁部空間を固定することもでき、好ましくは双方に換気システムが装備される。したがって、縁部空間は、並べて配置されたチャンバの列の始端及び終端をある程度形成し、中間空間の代わりに第1のチャンバの第1の面及び最後のチャンバの第2の面に続く。換気システムは、気候セル又はチャンバ内の気流の方向を決定する。
【0018】
閉気候セルの少なくとも1つのチャンバは、好ましくは少なくとも1つの上段及び少なくとも1つの下段からなる。段は、ここでは好ましくは構造的に離隔されるので、各段の間では大きな空気交換は可能でない。構造的離隔は、理想的には、個々のチャンバが間に位置する中間空間を含むように離隔されることにより、上段内を通る気流及び下段内を通る気流が相互から独立して流れることができるものである。上段の気流及び下段の気流はそれぞれ逆方向に向けられることが特に好ましい。チャンバ内に3段以上が存在する場合、気流の方向が常に2つの段の間で逆方向に交互に向けられることにより、気流が2つのそれぞれの段を一種の環状循環で流通し、又は全段を交互の方向に蛇行して流通することが可能となる。複数段であれば、空気が複数段を同じ方向に流通することにより、気流の方向転換が全ての段の間で行われないようにすることも可能となる。各段が略同数の層からなることによって段の間の距離が概ね等距離となることが特に好ましい。
【0019】
少なくとも1つのチャンバを流通する気流の方向は、好ましくは転換され及び/又は切り換えられ得る。これは、1段における気流が第1の方向及び対向する第2の方向に交互に流れることができることを意味する。ここで、流れの方向転換は、任意の方向転換をいうものとするが、特に同じ段における流れの直前の方向とは逆方向の流れをいうものとする。気流は、特に好ましくは、方向が転換される前に一方向に10秒~3分間流れる。気流は、方向転換が行われる前に、一方向に60秒~2分間、特に好ましくは90秒~100秒間流れると特に好適である。方向転換が行われると、気流は、好ましくは、それが一方向に流れていた限り、まさに他方の方向にも流れることにより、方向転換は等しい周期で発生する。気流は、方向転換を考慮して短時間休止することが好ましく、気流が短時間、特に20秒未満、好ましくは10秒未満停止することを意味する。ここで、気流は、換気システムを両側でオンしないことによって停止可能となる。ただし、気流は、気候セルの片側の縁部領域において換気システムをオフするとともに気候セルの反対側の縁部空間においてそれをオンすることによっても減速又は停止可能となり、それにより最大限速い方向転換が実現可能となる。
【0020】
さらに好ましくは、閉気候セルは、気流の方向が転換及び/又は切換可能な換気システムを有することが規定される。換気システムは、好ましくは換気装置を備える。代替的又は追加的に、換気システムは、送風機又は圧縮機を備えていてもよい。換気システムが気流の方向を制御可能であることが重要である。
【0021】
さらに好ましくは、蓄熱要素がチャンバの第1又は第2の面に強固に配置されることが規定される。ここで、強固な配置とは、要素が固定的に、すなわち不動的にチャンバの第1又は第2の面に接続されることを意味する。蓄熱要素は、着脱可能であってもよいが、チャンバのそれぞれの面に対して可動とはならない。ここで、蓄熱要素は、チャンバの吸気口及び排気口を構築し、すなわちチャンバを構造的に閉じるが、それ自体、例えば孔又は通路を通じて通気可能である。例えば、蓄熱要素は、層の固定用骨格に取付け可能である。2つの蓄熱要素の機能は、具体的には、直前に発熱用として機能していた要素は受熱要素として機能し、直前に受熱用として機能していた要素は発熱要素として機能するように、気流の方向転換後に切り換えられると特に好適である。これに対する有利な効果は、受熱要素と発熱要素が切り換わり、最初に受熱要素が流通する空気から熱をここで抽出し、その後に、それが発熱要素として機能するときに、現在逆方向に流通する空気に再度放出することができるということである。したがって、チャンバの吸気口及び排気口において空気は異なる温度を有し、空気貯蔵要素の一方の排気口における空気によって放出されたエネルギーの一時的蓄積とともに吸気口及び排気口の逆転に起因して、逆転後の空気進入時に再使用可能となることが利用されるので、蓄熱要素における熱の蓄積によってエネルギーが伝達可能となり、それによりエネルギーが節減される。
【0022】
閉気候セル内の空気の方向転換の代替として、ある時点において熱を放出するように機能する少なくとも1つのチャンバの上段の要素は、好ましくは、その時点で熱を受けるように機能する少なくとも1つのチャンバの下段の要素に、その2つの要素が可動に交換可能な態様で、接続され得る。ここで、可動とは、2つの要素の相互との又は相互に対する反転、旋回及び/若しくは回転又は他の何らかの移動として理解可能である。少なくとも2つの段の蓄熱要素は、好ましくは、それらの段にわたって対で接続され、それにより、チャンバの同じ側の異なる機能、すなわち発熱又は受熱機能を有する要素が、相互に接続される。これは、上段の吸気口の発熱要素が下段の排気口の受熱要素に接続され、上段の排気口の受熱要素が下段の吸気口の発熱要素に接続されることを意味する。特に、第1及び第2の面の2つの要素の各々は、反転、旋回、回転、あるいは相互の周囲に移動可能であることにより、それらの位置を容易に切り換えることができると好適である。ここで、要素は、相互に対して容易にオフセットされるように取付け可能であってもよく、それにより、要素を昇降することによって切換が行われる。
【0023】
代替的に、2つの要素は回転対称体の2つの半分体であってもよく、それにより、2つの接続された蓄熱要素はローターの2部品を構成する。ここで、回転は、熱を受ける本体の部品と熱を放出するものとを変更するが、常に排気口に配置される発熱要素の位置又は常に吸気口に配置される受熱要素の位置を変化させない。したがって、2段の蓄熱要素の回転時に、受熱機能を有する第1の段の要素が発熱機能を有する第2の段の要素に切り換えられ、発熱機能を有する第1の段の要素が受熱機能を有する第2の段の要素に切り換えられることが特に好適である。
【0024】
2つの接続された蓄熱要素は、好ましくは連続的に移動する。これにより、2つの蓄熱要素における一定の変化、及び受熱要素と発熱要素の間の連続的切換がもたらされる。これに対する有利な効果は、吸気口及び排気口のそれぞれの領域における本体の温度が非常に一定となることである。より正確に述べると、第1の段の吸気口領域における連続的に移動する蓄熱要素の温度上昇は、回転方向の第2の段の排気口領域の直後に来る最も温暖な要素の温度を明らかにする。回転方向における第2の段の排気口領域の前に位置する第1の段の吸気口領域の他方の領域は、それと比較すると幾らか低温である。排気口領域については、温度勾配は真逆となり、第2の段の吸気口に続く領域が、回転方向において第2の段の吸気口領域の前に位置する第1の段の排気口領域の領域よりも低温である。
【0025】
連続的移動の代替として、2つの接続された蓄熱要素の移動は、好ましくは別個の工程で行われ得る。ここで、蓄熱要素の移動は、一定時間間隔、例えば、均一な周期的間隔で最長で1分、好ましくは30秒未満、特に好ましくは10秒未満で発生し得る。例えば、30°、60°、120°又は180°の回転が、ここでは常に実行可能である。蓄熱要素の形状に応じて、本体が回転対称ではない場合には厳密に180°の1回の回転のみが可能である場合もあり得る。ただし、2つの蓄熱要素の水平オフセット配置であれば、要素の上下動が場所の切換となることもあり得る。要素の回転がある場合、すなわち、移動が回転である場合、温度勾配は蓄熱要素内にもやはり存在するので、回転方向における第2の段の排気口領域の直後に来る第1の段の吸気口領域は、回転方向における第2の段の排気口領域の前に来る吸気口領域の領域よりも温暖な要素温度を有する。逆に、回転方向における第2の段の吸気口領域の直後に来る第1の段の排気口領域の領域は、回転方向における第2の段の吸気口領域の直前に配置される第1の段の排気口領域の領域よりも低温となる。
【0026】
閉気候セルは、好ましくは、気流がチャンバを順次通過するように、好ましくは並べて配置された複数のチャンバを備える。これは、気流は、第1のチャンバの一方の面を流出すると、チャンバ間の短い中間空間を流通し、その後に第1のチャンバに対向する第2のチャンバの面に流通する。気流は、循環しながら、同時に全てのチャンバを流通する。結果として、気流は、複数のチャンバ及び存在する場合にはチャンバ間の中間空間を同じ方向に順次通過し得る。
【0027】
気候調節要素が閉気候セルの2つの隣接チャンバ間の中間空間に及び/又は個々のチャンバの一方の面に保持されることが特に好適である。例えば、気候調節要素は、ここでは、空気を冷却し又は水分を調節するための要素であり得る。例えば、空気は、ここでは、低温水滴など、他の低温物質内を流れる低温空気によって又は他の低温物質を導入することによって冷却され得る。ここで、水分調節は、水分減少及び水分増加の双方を伴い得る。水分減少は、例えば、収着材を介して空気除湿機によって又は低温水滴若しくは低温表面での凝縮を通じて行われ得る。空気が冷水によって冷却される場合、「空気洗浄」時のように何らかの潜在的な汚染物及び不純物も空気から溶解され得る。チャンバの中間空間における気候調節要素によって与えられる有利な効果は、制御された気候条件が各チャンバの始端で支配的となるように空気が各チャンバの後で調節可能となることである。好ましくは、測定デバイスが中間空間に設置されてもよく、それは空気を制御し、それにより空気の状態が再調整可能となる。例えば、変化する成長段階にある植物がチャンバ内に存在し、他の温度又は湿度が理想的である場合、チャンバを変動的な気候条件に設定することもできる。
【0028】
好ましくは、蓄熱要素は熱伝導性材料、特に金属、好ましくはアルミニウムを有し、又は熱伝導性材料、特に金属、好ましくはアルミニウムからなることがさらに規定される。ここで、種々の熱伝導性材料が可能であり、熱伝導性材料の熱蓄積容量が第一に重要である。
【0029】
さらに、蓄熱要素は、複数の長方形の通路を有し、好ましくはハニカム構造からなり又はハニカム構造を有する。この場合、長方形の通路は、通路の直径が通路の長さよりも小さいことを意味し、通路において、長さは特に直径の少なくとも2倍であり、長さは特に好ましくは直径の少なくとも5倍であり、長さは非常に特に好ましくは直径の10倍に対応する。蓄熱要素が層状構造を有し又は螺旋状に構成されることも同様に可能であり、バー又はシャフトなどのより小さな構造物が円形状間又は螺旋アーム間に保持される。ここで、シャフトは、最大部及び最小部の各々が螺旋アームに近接するように、螺旋アーム間に配置されてもよい。
【0030】
ここで、換気システムの空気の温度変化又は水分変化を、付随する中間空間を有するチャンバの気候調節のための一例として説明する。換気システムの空気の温度は、空気がチャンバに進入するにつれて発熱要素によって好適に昇温され、空気がチャンバに進入した後、それを流出するまで上昇し、それにより、その後に受熱要素によってチャンバから排気口において降温され、及び場合によっては気候調節要素によって中間空間においてチャンバの後に降温される。
【0031】
例えば、チャンバへの吸気口における温度は、それが発熱要素を通過するにつれて20℃から22℃に加熱され得る。例えば、チャンバ内の温度は、22℃から25℃に上昇し得る。この上昇は、主に照明システムの廃熱に起因し得る。例えば、受熱要素は、チャンバの排気口において空気を25℃から23℃に冷却する。これはさらに2つのチャンバ間の中間空間において、特に気候調節要素によって23℃から20℃に冷却され得る。中間空間では、空気の湿度は流れがチャンバを通過するにつれて増加するので、空気の湿度はさらに85%から65%に低減されてもよい。理想的には、チャンバ間の中間空間における気候調節要素は、空気冷却要素であり、空気の湿度を設定する役割も担う。気候調節要素はまた、特に好ましくは、空気のCO2濃度及び/又は酸素濃度を調節し得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】複数のチャンバを有する気候的に閉じた気候セルを示す図である。
図2a】蓄熱要素の側面図である。
図2b】蓄熱要素の正面図である。
図3a】異なる時点での気候システムの気流を示す図である。
図3b】異なる時点での気候システムの気流を示す図である。
図4a】閉気候セルの動作時の蓄熱要素の回転を示す図である。
図4b】閉気候セルの動作時の蓄熱要素の回転を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を、好適な実施形態に基づいて例示的に以下に説明する。
【0034】
図1は、例えば4個のチャンバ10からなる、植物栽培用の閉気候セル100を示す。チャンバ10は、並べて配置され、小さな中間空間15によって相互に離隔される。ただし、チャンバ10及び中間空間15は、完全に閉気候セル100の内部に位置する。
【0035】
チャンバ10の各々は複数の層12を備え、それは1又は複数の植物栽培容器及びその上に配置された1又は複数の照明プラットフォームを備える。層12はチャンバ10の第1の面11aからチャンバの第2の面11bまで延在し、チャンバ10の高さ全体にわたって保持される。
【0036】
1又は複数のそれぞれの蓄熱要素13が、チャンバ10の第1の面11a及び第2の面11bに配置され、それを通じて、気候システム20(図3参照)の換気システム21によって生成された気流25が流れ得る又は流れる。気候調節要素22は、隣接して位置するチャンバ10の蓄熱要素13の間、すなわち、面11a、11bの間の中間空間15に配置される。
【0037】
空気は、閉気候セル100を両面で閉じる縁部空間16に保持された換気システム21によってチャンバ10を通じて誘導される。チャンバ10は、チャンバ10の上部領域に配置された第1の段14a、及びそこから構造的に離隔されてチャンバ10の下部領域を形成する第2の段14bを備える。中間空間15も、このように2つの段14a、14bに分割される。ここで、気候セル100に循環される空気は、段14a、14b内で常に同じ方向に流れるが、好ましくは異なる2つの段14a、14bにおいて異なる方向に流れ得る。したがって、段14a、14bは、気流25が構造的離隔を克服し得ないような態様で離間している。
【0038】
図2aは蓄熱要素13の側面図を示し、それを通じて気流25が左から右に流れる。ここで、気流25は、蓄熱要素13において、正面33aから背面33b全体に延在する通路31を流通する。結果として、正面33aにおける蓄熱要素13の表面構造は、背面33bと同一である。熱伝導性材料32が、通路31と通路31の間に位置し、蓄熱要素13を有し、又は蓄熱要素13を構成する。図2aに示す通路31は、蓄熱要素13を通じて直線状に延びているが、他の実施形態では湾曲又は屈曲していてもよい。
【0039】
図2bは、蓄熱要素13の正面図を示し、通路31の入口を示す。熱伝導性材料32からなるバーが、通路31と通路31の間に示される。蓄熱要素13の通路31のハニカム構造は、容易に視認可能である。ここで、通路31の直径は、通路31の長さよりも明らかに小さく、図2aでも分かるように、結果として細い通路31の長細い構造物となる。熱伝導性材料32も蓄熱性である。蓄熱要素13の外形はここでは正方形、長方形又は円形であり得るが、蓄熱要素13は他の何らかの種類の形状を有していてもよい。
【0040】
図3aは、例えば中間空間15によって相互から離隔された4個のチャンバ10からなる閉気候セル100を示す。ここで、閉気候セル100は2つの段14a、14bに分割され、チャンバ10及び中間空間15の双方が構造的離隔によってこれら2つの段14a、14bに分割される。ここで、第1の段14aは上段であり、第2の段14bは下段である。2つの段14a、14bへの分割部は、第1のチャンバ10の前でかつ最後のチャンバ10の後に配置された縁部空間16を通じて延在することはなく、結果として気候セル100を水平方向に閉じる。
【0041】
それぞれの換気システム21、例えば換気装置は、縁部空間16に保持される。チャンバ10は第1の面11a及び第2の面11bによって境界付けられ、層12はチャンバ内で面11a、11bの間に配置され、相互に縦方向に上下に存在し、水平方向に延びる。ここで、各層12は、1又は複数の植物栽培容器及びその上に配置された1又は複数の照明プラットフォームからなる。
【0042】
それぞれの蓄熱要素13は、段14a、14bの各々においてチャンバ10の第1の面11a及び第2の面11bに保持され、それを通じて空気又は気流25がチャンバ10に流入し、チャンバ10から流出し得る。したがって、第1の段14a及び第2の段14bのチャンバ10及び中間空間15は、気流25が段14a、14bを阻害されずに流通できるような態様で、相互に接続される。
【0043】
図3aに、上段である第1の段14a及び下段である第2の段14bを反時計回りに流通する気流25を示し、それは縁部空間16内の左側の換気システム21の動作によって維持又は生成される。ここでは、縁部空間16の後に、気流25は最初にチャンバ10の第1の面11aの蓄熱要素13を流通し、それはチャンバへの吸気口23を実現し、発熱要素13aとして機能する。したがって、チャンバ10への気流25の進入時に、この蓄熱要素13は、気流25に対して蓄熱を放出する。チャンバの内部では、気流25は、例えば、照明ユニットによってさらに加熱される。第2の面11bのチャンバ10の排気口24では、蓄熱要素13は、受熱要素13bとして機能する。結果として、蓄熱要素13は、気流25がチャンバ10を流出するにつれて気流25から蓄熱を受け、それにより気流を冷却する。
【0044】
そして、気流25の空気は、気候調節要素22が保持される中間空間15に流入する。気候調節要素22は、外部レギュレータによって制御されることにより、第1のチャンバと第2のチャンバの間の空気を再調整、設定又は調節することができる。
【0045】
第2のチャンバ10の始端において、空気は、ここでは、吸気口23を通じて再度第1の面11a及び発熱要素13aを通じてチャンバ10へ流れ、排気口24において、当該チャンバ10の第2の面11bの受熱要素13bを通じて次の中間空間15へ流れる。
【0046】
第1の段14aの終端において、縁部空間16における気流25は第2の段14bに誘導され、そこで対向方向に逆流し、それにより、発熱要素13aを有する当該チャンバ10の吸気口23を構成するチャンバ10の第2の面11bを最初に通過する。気流25は、チャンバ10を流通した後に、受熱要素13bを通じてチャンバ10の第1の面11aの排気口24を通じてチャンバ10を流出することにより、中間空間15に流入する。閉気候セル100の動作時に、この気流25又は気流25の方向は数秒間、好ましくは10秒~3分間、特に好ましくは60秒~120秒間、非常に特に好ましくは90秒~100秒間維持される。
【0047】
図3bに示すように、その後に気流25の方向は反転され、それにより空気は閉気候セル100の左側の縁部空間の換気システム21によっては駆動されなくなるが、反対側の(ここでは右側に図示される)縁部空間16の換気システム21によって駆動される。結果として、気流25の空気は、第1及び第2の段14a、14bを反時計回りに流通する。ここで、第1の段14aの気流25はチャンバ10の第2の面11bをまず通過し、発熱要素13aは吸気口23に位置する。排気口24における空気は、チャンバ10を流通した後、チャンバの第1の面11aにおける受熱要素13bを、気候調節要素22が保持された中間空間15へ通過する。第2の段14bでは、気流25は、チャンバ10への進入時に吸気口23を通過し、すなわち、チャンバ10の第1の面11aにおける発熱要素13aを通過する。空気は、チャンバ10を流通した後、チャンバ10の第2の面11bにおける受熱要素13bを通じて排気口24を再度流出する。気候調節要素22及び換気システム21は気候システム20の部分であるが、それは、さらに多くの要素、例えば、測定デバイス、センサ及び/又は追加の調節ユニットを備えていてもよい。
【0048】
図4は、蓄熱要素13の回転が、どのように、気流25の方向を転換するためではなく、発熱要素13aと受熱要素13bの間の切換のために使用され得るのかを模式的に示す。蓄熱要素13は、ある程度が第1の段14aの高さに位置し、ある程度が第2の段14bの高さに位置し、要素はチャンバ10の第1の面11a又は第2の面11bに配置される。ここで、蓄熱要素13は、同じ高さに、すなわち、相互に直接重ねて配置されるが相互からオフセットされて配置され得る1又は複数の部品からなり得る。蓄熱要素13を切り換える1つの態様は、共有中間点の周りに蓄熱要素13を回転させることを伴う。図4aの第1の段14aは、発熱要素13aが配置された吸気口23を表し、第2の段14bは、受熱要素13bが配置された排気口24を表す。ここで、蓄熱要素13は、図4bでは例示的に60°回転されたものであり、ここでは第1の段14aの直前に発熱要素13aであった部分を第2の段14bの受熱要素13bに反転したものである。通常通り、吸気口23は第1の段14aに位置し、排気口24は第2の段14bに位置する。
【符号の説明】
【0049】
100 気候セル
10 チャンバ
11a (第1の)面
11b (第2の)面
12 層
13 蓄熱要素
13a 発熱要素
13b 受熱要素
14a (第1の)段
14b (第2の)段
15 中間空間
16 縁部空間
20 気候システム
21 換気システム
22 気候調節要素
23 吸気口(吸気口面)
24 排気口(排気口面)
25 気流
31 通路
32 熱伝導性材料
33a 正面
33b 背面
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
【国際調査報告】