(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】複数の領域での顔認識システム及び顔認識方法の効率的な管理
(51)【国際特許分類】
G06V 40/16 20220101AFI20230516BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20230516BHJP
G07C 9/37 20200101ALI20230516BHJP
G07C 9/38 20200101ALI20230516BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230516BHJP
【FI】
G06V40/16 A
G06F21/32
G07C9/37
G07C9/38
G06T7/00 510F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546407
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 US2021013982
(87)【国際公開番号】W WO2021154541
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】エデレン ジェイコブ アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】モール ジュニア ハワード ブルース
【テーマコード(参考)】
3E138
5B043
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138JA03
3E138JB16
3E138JC13
3E138JC19
3E138JD05
5B043AA09
5B043BA04
5B043CA09
5B043FA02
5B043GA04
(57)【要約】
システム及び方法は、人がテーマパークを横断する際に検索データを低減することによって、顔認識処理能力を向上させることができる。システム及び方法は、来客がテーマパークに入る際にテーマパークデータベースに顔識別データを格納し、来客がテーマパークを出る際にテーマパークデータベースから顔識別データを削除することを含む。このように、テーマパークデータベースは、テーマパーク内の来客の顔識別データを含み、テーマパークから離れた来客の顔識別データを含まないので、来客がテーマパークを出る際にテーマパークデータベースのサイズを低減することができる。同様に、この手法は、テーマパークの様々な領域のそれぞれにおいて実施することができ、テーマパークの各領域に関連するデータベースのサイズは、特定の遊園地領域にいる来客に対応するエントリのみを含むようになっている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認識処理能力を向上させるためのシステムであって、
顔画像を取得するように構成された画像取得装置であって、前記画像取得装置は、会場内の領域と関連付けられており、前記会場は第1のデータベースと関連付けられており、前記領域は第2のデータベースと関連付けられている、画像取得装置と、
前記画像取得装置に通信可能に結合されたコンピュータシステムと、
を備え、
前記コンピュータシステムは、処理回路と、前記処理回路に通信可能に結合されたメモリデバイスとを備え、前記メモリデバイスは、前記処理回路に、
前記顔画像を受け取り、
前記顔画像と、前記第1のデータベースに格納された顔識別データの複数のエントリのうちのエントリとの間の十分な相関を判定し、
前記顔画像が前記エントリに十分に相関することに応答して、前記顔画像を前記第2のデータベースに追加する、
ことを行わせるために実行可能な命令を格納するように構成されている、システム。
【請求項2】
追加の顔画像を取得するように構成された追加の画像取得装置を備え、前記追加の画像取得装置は、前記会場の前記領域からの出口に配置され、前記命令は、処理回路に。
前記追加の顔画像を受け取り、
前記追加の顔画像と、前記第2のデータベースに格納された顔識別データの複数のエントリのうちの特定のエントリとの間に十分な相関が存在することを判定し、
前記追加の顔画像と前記特定のエントリとの間に前記十分な相関が存在することに応答して、前記特定のエントリを前記第2のデータベースから削除する、
ことを行わせるために実行可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
来客の追加の顔画像を取得するように構成された追加の画像取得装置を備え、前記追加の画像取得装置は、前記会場の入口に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記命令は、前記処理回路に、
前記追加の顔画像を受け取り、
前記追加の顔画像に関連付けられた顔識別データを生成し、
前記追加の顔画像に関連付けられた前記顔識別データを、前記来客に関連付けられた顔識別データとして格納する、
ことを行わせるように実行可能である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記命令は、前記処理回路に、
前記顔画像の幾何学的な顔の特徴を、前記第1のデータベースに格納された顔識別データの前記複数のエントリの幾何学的な顔の特徴と比較することによって、前記十分な相関を判定する、
ことを行わせるように実行可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピュータシステムに通信可能に結合されたウェアラブルデバイスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンピュータシステムは、前記ウェアラブルデバイスの識別情報を受け取るように構成されており、前記命令は、前記処理回路に、
前記識別情報に関連付けられたプロファイルデータを受け取り、
前記ウェアラブルデバイスを着用している来客の前記顔画像に基づいて、前記プロファイルデータを前記顔識別データの前記複数のエントリのうちの前記エントリにリンクさせる、
ことを行わせるように実行可能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロファイルデータは、前記来客の識別情報、前記会場の特徴に対するアクセス権を示すアクセス情報、又はその両方を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記命令は、前記エントリに十分に相関する前記顔画像に応答して、
前記顔識別データの前記複数のエントリの前記エントリを前記第1のデータベースから削除する、
ように実行可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
追加の顔画像を取得するように構成された追加の画像取得装置を備え、前記追加の画像取得装置は、前記会場の前記領域からの出口に配置され、前記命令は、前記処理回路に、
前記追加の顔画像を受け取り、
前記追加の顔画像と、前記第2のデータベースに格納された顔識別データの複数のエントリのうちの特定のエントリとの間の最も近い一致を判定し、
前記追加の顔画像が前記特定のエントリに十分に相関することに応答して、
前記特定のエントリを前記第2のデータベースから削除し、
前記特定のエントリを前記第1のデータベースに追加する、
ことを行わせるように実行可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のデータベースは、前記第2のデータベースとは別個のものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
方法であって、
処理回路によって、会場の入口に配置された入口画像取得装置によって取得された第1の顔画像から入口顔識別データを特定するステップと、
前記処理回路によって、前記入口顔識別データを会場データベースに格納するステップであって、前記会場データベースは、複数の顔識別データエントリを格納する、ステップと、
前記処理回路によって、前記会場の領域への入口で取得された第2の顔画像が前記入口顔識別データと十分に相関することに応答して、前記入口顔識別データを、前記会場データベースから前記会場の前記領域に関連付けられた領域データベースに転送するステップと、
前記処理回路によって、前記会場の出口に配置された出口画像取得装置によって取得された第3の顔画像を受け取るステップと、
前記処理回路によって、前記第3の顔画像に関連付けられた出口顔識別データと、前記複数の顔識別データエントリのエントリとの間の十分な相関を判定するステップと、
前記処理回路によって、前記出口顔識別データが前記複数の顔識別データエントリの前記エントリに十分に相関するとの判定に応答して、前記複数の顔識別データエントリの前記エントリを前記会場データベースから削除するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
前記処理回路によって、前記会場の特徴に関連する画像取得装置から第4の顔画像を受け取るステップであって、前記第4の顔画像は、前記特徴へのアクセスを求める来客のライブ顔画像を含む、ステップと、
前記処理回路によって、前記第4の顔画像が前記複数の顔識別データエントリのうちの少なくとも1つのエントリに十分に相関するとの判定に応答して、前記特徴へのアクセスを許可するために、前記第4の顔画像を認証するステップと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記会場内で来客認証の要求を受け取るステップと、
前記複数の顔識別データエントリに基づいて前記来客認証を行うステップと、
を含む、請求項12に記載の方法
【請求項15】
前記入口顔識別データを格納するステップは、前記第1の顔画像が1又は2以上の画像品質パラメータを満足することに応答して、前記入口顔識別データを格納するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記処理回路によって、前記入口顔識別データを、前記入口顔識別データを有する来客に関連付けられたプロファイルデータに関連付けるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
顔認識処理能力を向上させるための顔認識システムであって、
テーマパークへの入口で第1の顔画像を取得するように構成された第1画像取得装置と、
前記テーマパークの複数の領域に対応する複数の第2画像取得装置であって、前記複数の第2画像取得装置の各々は、前記テーマパークの複数の領域のうちの対応する領域の入口で第2顔画像を取得するように構成される、複数の第2画像取得装置と、
ストレージデバイスと、
前記第1画像取得装置、前記複数の第2画像取得装置、及び前記ストレージデバイスに通信可能に結合されたコンピュータシステムと、
を備え、
前記ストレージデバイスは、
前記第1の顔画像に関連付けられた顔識別データを含むテーマパークデータベースと、
複数の遊園地領域データベースであって、前記複数の遊園地領域データベースの各遊園地領域データベースは、前記複数の領域のそれぞれの領域に関連付けられ、前記複数の遊園地領域データベースの各遊園地領域データベースは、それぞれの第2顔画像に関連付けられた顔識別データを含む、複数の遊園地領域データベースと、
を備え、
前記コンピュータシステムは、処理回路と、前記処理回路に通信可能に結合されたメモリデバイスを備え、前記メモリデバイスは、前記処理回路に、
前記第1の顔画像を受け取って対応する顔識別データを生成し、前記対応する顔識別データを前記テーマパークデータベースに格納し、
前記複数の第2画像取得装置のうちの特定の第2画像取得装置によって取得された特定の第2顔画像を受け取り、前記特定の第2顔画像と前記対応する顔識別データとの間の十分な相関を判定し、前記特定の第2画像取得装置は、前記複数の領域のうちの特定の領域と関連付けられており、
前記十分な相関に基づいて、前記テーマパークデータベースからの前記対応する顔識別データを、前記特定の領域に関連付けられた特定の遊園地領域データベースに追加する、
ことを行わせるための命令を格納するように構成されている、顔認識システム。
【請求項18】
前記複数の第2画像取得装置の各第2画像取得装置は、前記複数の領域の前記対応する領域への前記入口に配置されている、請求項17に記載の顔認識システム。
【請求項19】
前記命令は、前記処理回路に、前記特定の第2顔画像の幾何学的な顔の特徴を前記テーマパークデータベース内の前記顔識別データの幾何学的な顔の特徴と比較することによって前記十分な相関を判定させるように構成されている、請求項17に記載の顔認識システム。
【請求項20】
前記複数の遊園地領域データベースのデータは、前記テーマパークデータベースからコピーされる、請求項17に記載の顔認識システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、顔認識に関する。より具体的には、本開示は、顔認識識別データの収集及び保存の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、読み手に、以下に記載する本開示の種々の態様に関連し得る種々の態様を紹介することを意図している。この考察は、読み手に対して本開示の種々の態様をより理解するのを容易にするための背景情報を提供するのを助けると考えられる。従って、本記載はこの観点から読まれものであり従来技術の自認ではないことを理解されたい。
【0003】
テーマパーク、コンサート会場などの多くの会場は、大勢の訪問者のためのアクセス権を管理する。このような会場は、多くに場合、アクセスを制御して処理能力を管理するために、従来の待ち行列システムを利用する。例えば、従来のペーパーチケットシステムは、多くの場合、アクセス権を確認し、来客情報を取得し、及び/又は特定の時間枠内で会場への入場が認められる来客数を制御するために利用される。アクセス権の確認、来客情報の検索、及び/又は入場が認められる来客数の制御のためのより最新の技術は、指紋スキャン又は顔認識技術などの生体データの使用を含む場合がある。生体データを利用することは、大量のデータ記憶及び計算資源を必要とする場合があり、アクセス権の確認及び入場が認められる人数の制御に関連する計算上の複雑さを増加させる場合がある。その結果、これらの最新の技術によるアクセス権の確認は、遅延及び/又は不正確な確認(例えば、誤判定)をもたらす可能性がある。これらの最新の技術に関連する計算の複雑さは、例えば、季節的需要の期間中に、入場者の数が増加するにつれて複雑になる。
【0004】
生体データの使用は、通常、来客が従来のペーパーチケットを携帯する必要がないため、アクセス権の確認及び入場が認められる人数の制御のために訴求力があるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、大量の生体データを効率的に管理するための既存の技術を改善する必要があり、その実施には、様々な大規模会場での実行及び調整が難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
当初請求された主題の範囲に相応する特定の実施形態が、以下に要約される。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図しておらず、むしろこれらの実施形態は、特定の開示された実施形態の簡単な要約を提供することのみを意図している。実際、本開示は、以下に示す実施形態と類似するか又は異なることができる、様々な形態を含むことができる。
【0007】
本開示は、顔認識処理能力を向上させ、顔認識アクセス/要求を処理する時間を短縮し、検索に使用される顔認識データ量を低減し、及び/又は人がテーマパークを横断する際に検索データを低減することによって来客の顔の識別情報を検証する精度を改善することができるシステム及び方法を提供する。本開示のシステム及び方法は、来客がテーマパークに入る際にテーマパークデータベースに顔識別データを格納し、来客がテーマパークを出る際にテーマパークデータベース内の顔識別データを削除することを含む。このようにして、テーマパークデータベースは、テーマパーク内の来客の顔識別データのみを含み、テーマパークから離れた来客の顔識別データを含まないので、来客がテーマパークから離れる際にテーマパークデータベースのサイズを低減することができる。同様に、この手法は、テーマパークの各領域に関連するデータベースのサイズが、特定の遊園地領域内の来客に対応するエントリのみを含むように、テーマパークの様々な領域の各々で実施することができる。
【0008】
一実施形態では、顔認識処理能力を向上させるためのシステムは、顔画像を取得するために会場内の領域に関連付けられた画像取得装置を含む。会場は、第1のデータベースと関連付けられ、領域は、第2のデータベースと関連付けられる。また、システムは、画像取得装置に通信可能に結合されたコンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、処理回路と、処理回路に通信可能に結合されたメモリデバイスとを含む。メモリデバイスは、処理回路に動作を実行させるために実行可能な命令を格納する。動作は、顔画像を受け取ること、顔画像と第1のデータベースに格納された顔識別データの複数のエントリとの間の十分な相関を判定すること、及び顔画像がエントリに十分に相関することに応答して、顔画像を第2のデータベースに追加することを含む。
【0009】
一実施形態において、処理回路によって実行される方法が提供される。本方法は、会場の入口に配置された入口画像取得装置によって取得された第1の顔画像から入口顔面識別データを特定するステップを含む。本方法は、複数の顔識別データエントリを格納する会場データベースに、入口顔識別データを格納するステップを含む。本方法は、会場の領域の入口で取得された第2の顔画像が入口顔識別データと十分に相関することに応答して、入口顔識別データを会場データベースから、会場の領域に関連付けられた領域データベースに転送するステップを含む。本方法は、処理回路によって、会場の出口に配置された出口画像取得装置によって取得された第3の顔画像を受け取るステップと、第3の顔画像に関連付けられた出口顔識別データと複数の顔識別データエントリのエントリとの間の十分な相関を判定するステップとを含む。本方法は、出口顔識別データが複数の顔識別データエントリのエントリに十分に相関するとの判定に応答して、複数の入口顔識別データエントリのエントリを会場データベースから削除するステップを含む。
【0010】
一実施形態では、顔認識処理能力を向上させるための顔認識システムは、テーマパークの入口で第1の顔画像を取得するように構成された第1の画像取得装置と、テーマパークの複数の領域に対応する複数の第2の画像取得装置とを含み、複数の第2の画像取得装置は、テーマパークの複数の領域の対応する領域への入口で第2の顔画像を取得する。顔認識システムは、第1の顔画像に関連する顔識別データのテーマパークデータベースと、複数の遊園地領域データベースとを含むストレージデバイスをさらに含む。複数の遊園地領域データベースの各遊園地領域データベースは、複数の領域のそれぞれの領域に関連付けられ、複数の遊園地領域データベースの各遊園地領域データベースは、それぞれの第2の顔画像に関連付けられた顔識別データを含むようになっている。顔認識システムは、第1の画像取得装置、複数の第2の画像取得装置、及びストレージデバイスに通信可能に結合されたコンピュータシステムをさらに含む。コンピュータシステムは、処理回路と、処理回路に動作を実行させるための命令を格納するメモリデバイスとを含む。動作は、第1の顔画像を受け取って対応する顔識別データを生成し、対応する顔識別データをテーマパークデータベースに格納することを含む。動作は、特定の第2の顔画像と対応する顔識別データとの間の十分な相関を判定するために、複数の第2の画像取得装置の特定の第2の画像取得装置によって取得された特定の第2の顔画像を受け取ることを含み、特定の第2の画像取得装置が複数の領域の特定の領域に関連付けられる。さらに、動作は、十分な相関関係に基づいて、テーマパークデータベースから対応する顔識別データを、特定のエリアに関連付けられた特定の遊園地領域データベースに追加することを含む。
【0011】
本開示のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を、図面全体にわたって同種の文字が同種の部品を表す添付の図面を参照して読むと、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の態様による、来客管理のために顔認識技術を使用する、複数の遊園地領域を含むテーマパークの概略図である。
【
図2】本開示の態様による、
図1の遊園地領域に対応するテーマパークデータベース及び遊園地領域データベースを使用することによって、顔認識技術を使用する顔認識システムのブロック図である。
【
図3】本開示の態様による、
図1のテーマパークの顔認識処理能力を向上させるためのプロセスのフロー図である。
【
図4】本開示の態様による、
図1のテーマパークに入り、
図2の顔認識システムを始動させて
図3のプロセスを実行する来客の斜視図である。
【
図5】本開示の態様による、
図2のテーマパークデータベース及び
図2の遊園地領域データベースのブロック図である。
【
図6】本開示の態様による、
図1のテーマパークを離れ、
図2の顔認識システムを始動させて
図3のプロセスを実行する来客の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1又は2以上の特定の実施形態が以下に説明される。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、実際の実行例の全ての特徴が本明細書で説明されるわけではない。何らかの工業設計又は設計プロジェクトの場合と同様に、何らかの当該の実際の実行例の開発において、実行例間で変動する場合があるシステム関連及び事業関連の制約の遵守など、開発担当者らの特定の目標を達成するために数多くの実行固有の意思決定を行う必要があることを認識されたい。さらに、このような開発作業は、複雑かつ時間が掛かることがあり得るが、それでも、本開示の恩恵を有する当業者にとって設計、作製、及び製造の日常的な仕事になることを認識されたい。
【0014】
本開示の様々な実施形態の要素を説明する場合に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上があることを意味することが意図されている。用語「~を備える」、「~を含む」、及び「~を有する」は、包括的であり、かつ、記載された要素以外のさらなる要素がある場合があることを意味することが意図されている。加えて、本開示の「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、言及された特徴を組み込んでいる追加の実施形態の存在を除外するとして解釈されることが意図されていないことを理解されたい。
【0015】
以下の説明は、一般的にテーマパークとの関連において提示されるが、本明細書に開示される実施形態は、そのような娯楽との関連に限定されないことを理解されたい。実際、本明細書に開示されるシステム、方法、及び概念は、多種多様な用途で実施することができる。本開示における実施例の提供は、現実世界の実装及び用途の例を提供することによって、開示された技術の説明を容易にするためである。本明細書に開示された実施形態は、いくつかの追加の例を挙げると、イベント会場(例えば、コンサート)、レストラン、大型商業ビル、病院、及び/又は多種多様なクライアント/ユーザにサービスを行う他の産業、商業、及び/又は娯楽システムなどの多くの用途において有用であることを理解されたい。
【0016】
このことを考慮して、本開示は、来客がテーマパーク(例えば、遊園地又は娯楽会場)を横断し、顔認識技術に対応する様々な機能(例えば、テーマパークの乗り物にアクセスする、食べ物に支払う、プロファイルデータにアクセスするなど)と関与する場合に、検索データを低減することで、顔認識処理能力を向上させる、顔認識アクセスの処理時間を低減する、検索に使用する顔認識データ量を低減する、及び/又は顔識別情報を検証する正確さを改善するシステム及び方法を提供する。上述したように、テーマパークなどの特定の会場は、来客の識別情報及びアクセス権を確認し、来客に関連する情報を取得し、さらに、特定の時間枠内で会場への入場が認められる人数を制御するために、顔認識技術を使用する場合がある。顔認識技術の実施を成功させるには、大量のデータストレージが必要となり、これはアクセス権及び人の識別情報の確認に関連する計算上の複雑さを増加させる可能性がある。その結果、これらの最新の顔認識技術によってアクセス権を確認することは、遅延及び/又は不正確な確認(例えば、誤判定)をもたらす可能性がある。
【0017】
例えば、顔識別データのデータベースが来客に対応する情報を格納しているか否かを特定することは、来客の新たに取得された顔画像が、データベースに格納されている顔識別データのエントリと実質的に相関する(例えば、精度の目標パーセント内で)ことを特定することを含む場合がある。より少ない顔の特徴を調べることによって計算を単純化することは、来客を識別する速度を増加させる場合があるが、この手法は、誤判定(例えば、来客は、顔識別データの間違ったエントリに関連付けられる場合がある)につながる可能性がある。従って、識別の正確性を損なうことなく、顔認識技術を使用して人の識別情報を確認する速度を向上させる必要性が存在する。本明細書で使用される場合、「顔識別データ」は、顔画像から補外された識別情報を指す場合があり、顔照合及び照合に基づくアクセス許可を助長するために、来客の特定のプロファイルと関連付けられる場合がある。本明細書で使用される場合、「ロジック」は、一連のステップを実行するために実行可能なハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を指す場合がある。以下の説明は、取得された画像と保存された画像との間の「一致(match)」を判定することに関連する説明を含むが、「一致」は、以下に開示される技術を使用して取得された画像と保存された画像との間の十分な相関を指す場合があることを理解されたい。
【0018】
本開示は、来客がテーマパークに入る際にテーマパークデータベースに顔識別データを格納し、来客がテーマパークから出る際にテーマパークデータベース内の顔識別データを削除することによって、この問題に対処するシステム及び方法を含む。このように、テーマパークデータベースは、テーマパーク内の来客の顔識別データを含み(テーマパークを出た来客の顔識別データを含まない)、それによって、来客がテーマパークを出る際にテーマパークデータベースのサイズを低減することができる。本明細書で使用される場合、「テーマパークデータベース」は、テーマパーク全体の入場来客の顔識別情報を含むデータベース(例えば、構造化問い合わせ言語[SQL]データベース、非構造化問い合わせ言語[NoSQL]データベースなど)を意味する。本明細書で使用される「遊園地領域データベース」は、テーマパークの特定の領域又はゾーンにいる来客の顔識別データを含むデータベース(例えば、SQLデータベース、NoSQLデータベース等)を指す。例えば、遊園地領域データベースのエントリは、テーマパークの遊園地領域に対応する、テーマパークデータベースのエントリのより小さいサブセットを含むことができる。テーマパークの各遊園地領域は、対応する遊園地領域データベースを含むことができる。
【0019】
コンピュータシステムは、来客がテーマパークに入るときに来客の顔画像(例えば、画像取得装置によって取得された)を受け取り、対応する顔識別データを格納することができる。来客がテーマパーク内の特定の領域に入ると、コンピュータシステムは、来客の別の顔画像を受け取り、顔画像をテーマパークデータベース内の顔識別データと照合し、次に、テーマパークデータベースからの一致する顔識別データをテーマパーク内の特定の領域に対応する遊園地領域データベースに格納することができる。このように、来客が特定の領域において顔認識技術(例えば、画像取得装置)と相互作用すると、顔認識計算が、より大きなテーマパークデータベースではなく、より小さな遊園地領域データベースで行われるので、顔認識技術の実行の精度及び速度を改善することができる。
【0020】
コンピュータシステムは、来客が特定の遊園地領域を離れる際に追加の顔画像を受け取り、コンピュータシステムに、遊園地領域データベースから一致する顔識別データを削除させることができる。このように、来客が遊園地領域から離れる際に、遊園地領域データベースのサイズが低減され、それによって、対応する遊園地領域において顔認識技術を実行することに関連する計算上の負担が低減する。コンピュータシステムは、来客がテーマパークを離れる際に追加の顔画像を受け取り、コンピュータシステムに、テーマパークデータベース(及びすべての遊園地領域データベース)から対応する顔識別データを削除させることができる。このように、テーマパークデータベースのサイズは、来客がテーマパークを離れる際に低減され、それによって、テーマパークで顔認識技術を実行することに関連する計算上の負担が低減する。
【0021】
データベースのサイズを低減する説明は、来客の位置(例えば、画像取得装置によって取得され、コンピュータシステムによって検証されるような)に基づき、より大きなデータベースをより小さなデータベースに分割することに関連して説明されているが、来客の追加的な又は代替的な特性に基づいてデータベースのサイズを低減できることを理解されたい。例えば、より大きなデータベースは、来客が通常のテーマパークアテンダントであるか否か、又は来客が低頻度のテーマパークアテンダント(例えば、パークホッパー)であるか否かに基づいて、それぞれのデータベースに分解することができる。別の例として、データベースは、ウェアラブルデバイスを有する来客のためのより小さなデータベースと、ウェアラブルデバイスを有しない来客のための別のより小さなデータベースといった、より小さなデータベースに分割することができる。さらに、ウェアラブルデバイスは、第1のタイプ又は第2のタイプとすることができ、そのため、より小さいデータベースは、第1のタイプのウェアラブルデバイスを着用する来客に関連するさらに小さいデータベース及び第2のタイプのウェアラブルデバイスを着用する来客に関連する別のさらに小さいデータベースにさらに分割することができる。
【0022】
上記を考慮して、
図1は、本開示の態様による、来客管理のために顔認識技術を利用する、遊園地領域を含むテーマパーク100の概略図である。テーマパーク100は、コンピュータシステム102、画像取得装置104、及び通信ネットワーク106、並びに以下に詳細に説明されるように本開示に従って連係する他の構成要素を含む。テーマパーク100の特定の態様は、
図3に示されるプロセスに示されるように、それらが実行する又は促進するステップに関して参照されることになる。具体的には、本実施態様は、テーマパークにおいて顔認識技術を使用することを容易にし、顔認識技術の精度を損なうことなく顔認識処理能力を向上させることに留意されたい。このようにして、来客120は、来客120にアクセスを許可する物理的な識別アイテム(例えば、従来のチケット又は識別ブレスレット)を全くかほとんど持つことなくテーマパークを横断することができる。
【0023】
来客120が遊園地入口位置124(例えば、ホテルのフロントデスク、キオスク、来客サービスカウンター、遊園地ゲート)に到着すると、画像取得装置104は、来客120の顔画像を取得し、取得した顔画像をコンピュータシステム102に送ることができ、コンピュータシステム102は、
図3で検討するように、来客120に関連する対応する顔識別データを特定してテーマパークデータベースに格納することができる。一実施形態では、来客120は、遊園地マップ、食事及び宿泊の説明書、及びアメニティの説明書などのアイテムの中で、追加の入場資格情報(例えば、チケット又は能動的ウェアラブルデバイス)を備えることができる。情報媒体(例えば、音声、映像)及び画像取得装置104による顔画像の撮影の指示を示す教示標識は、全てのそのような遊園地入口位置124に存在することができる。いくつかの実施態様では、来客120は、テーマパーク100に顔画像を提示し(例えば、事前にテーマパークのウェブサイトを介して顔画像をアップロードすることによって)、遊園地入口位置124でのそのような資格情報の取得を省略することができる。
【0024】
来客120は、テーマパーク通路126に入り、入場することができる。具体的には、
図1に示されるように、通路126は、通路126が開くことを目的とする場合に、通路126の横断を妨げることができる物理的回転ドア又は同様の物理的横断集計又は制御特徴部を排除することができる。一実施形態において、コンピュータシステム102が画像取得装置104によって取得された顔画像を受け取った後、コンピュータシステムは、物理的回転ドアを作動させて来客120のテーマパーク100へのアクセスを許可する。一実施形態において、通路126は、作動時、回転ドアなしとすることができることを理解されたい。
【0025】
テーマパーク100は、顔認識技術による入場に加えて、又はそれに代えて、他の入場技術を使用することができる。例えば、来客120は、固有の識別情報を有する能動的ウェアラブルデバイスに、自分の入場資格情報もしくは識別コード又は番号を転送することができる。このように、来客120は、遊園地又は遊園地領域への本質的に直接的なアクセスを行うことができる。例えば、適切に作動された能動的ウェアラブルデバイスを着用する来客120は、停止することなく通路126を通って歩くことができる。来客120が保持又は着用する能動的ウェアラブルデバイスに関連する資格情報は、検出して遊園地の従業員(例えば、セキュリティサービス会社)によって監視することができるゲート監視設備128に提供することができる。さらに、作動された能動的ウェアラブルデバイスは、コンピュータシステム102が格納した取得された顔画像に関連する同じ来客プロファイルに関連付けることができる。来客120は、テーマパークの顔認識技術を使用することを拒否することができ、代わりに、ウェアラブルデバイスなどの別のアクセス許可方法を使用することを容認することができる。従って、本明細書に開示される実施形態は、ウェアラブルデバイス、顔認識技術、及び/又は来客のアクセスを許可及び/又は追跡するための他の方法を利用する来客によって使用することができる。
【0026】
さらに、本開示は、識別及びアクセス制御の目的のために使用される顔画像との関連において説明されるが、指紋又は他の識別態様(例えば、目認識)などの他の生体データを使用することができる。さらに、コンピュータシステムは、デバイスに配置された送信器/受信器を経由して、ポケット携帯型無線デバイス、ウェアラブルデバイス、携帯型デバイス、又はモバイルデバイスなどの何らかの適切なデバイスによって来客120から情報を受け取ることができる。一実施形態において、来客関連デバイスは、防水性とすることができる。
【0027】
コンピュータシステム102が来客120の顔識別データを格納した後、来客120は、テーマパーク100へのアクセスが許可される。コンピュータシステム102は、各来客120のプロファイルを、来客120の対応する顔識別データに関連付けることができる。例えば、来客プロファイルは、テーマパークの特定の機能へのアクセスを含むこと及びテーマパーク100の他の機能へのアクセスを制限することができる。このように、コンピュータシステムは、来客プロファイルによって定義された許可に相応するテーマパーク100の許可された機能へのアクセスを来客120に許可することができる。本明細書で使用される場合、このような許可情報及び来客に関連する個人情報は、「プロファイルデータ」と呼ぶことができる。テーマパーク102へのアクセスは、コンピュータシステム102が回転ドアを作動させること、ゲートを持ち上げること、ドアのロックを解除すること、及び/又は他の何らかの適切な作動可能デバイスに応答して許可することができる。何らかの作動可能なデバイスがない場合、コンピュータシステム102は、制限領域にいる来客の指示を受け取ることに応答して、セキュリティ担当者に警告することができる。
【0028】
上述のように、各来客プロファイルは、顔識別データ以外のデータに基づいて代替的に又は追加的に分解することができる。データベースは、例えば、ウェアラブルデバイスを有する来客用のより小さなデータベース及びウェアラブルデバイスを有しない来客用の別のより小さなデータベースのような、より小さなデータベースに分割することができる。さらに、ウェアラブルデバイスは、第1のタイプ又は第2のタイプとすることができ、より小さいデータベースは、第1のタイプのウェアラブルデバイスを着用する来客に関連するさらに小さいデータベースと、第2のタイプのウェアラブルデバイスを着用する来客に関連する別のさらに小さいデータベースとにさらに分割することができるようになっている。
【0029】
例示のように、テーマパーク100は、様々な遊園地領域130を含む。例えば、テーマパーク100は、ウォーターパーク134を含む第1の遊園地領域132、レストラン領域142を含む第2の遊園地領域140、及び乗り物システム152を含む第3の遊園地領域150を含むことができる。例示のテーマパーク100は3つの遊園地領域130を含むが、テーマパーク100は、何らかの適切な特徴を有する何らかの適切な数の遊園地領域130を含み得ることを理解されたい。
【0030】
遊園地領域130は、対応する画像取得装置104を含む遊園地入口160を含むことができる。例示の概略図では、遊園地領域130は、破線によって規定されて境界付けされている。以下により詳細に説明するように、来客120が遊園地入口160を通って遊園地領域130に入ると、画像取得デバイス104は、来客120の顔画像を取得し、これを通信ネットワーク106経由でコンピュータシステム102に送ることができる(例えば、検証/認証目的で)。例えば、第1の遊園地領域132との関連において、コンピュータシステム102は、第1の遊園地領域132へのアクセスを求める来客120のライブの顔画像を受け取り、顔画像がテーマパークデータベース内の既存のエントリの顔識別データと一致するか否かを判定することができる。顔画像がテーマパークデータベース内の既存のエントリの顔識別データと一致することに応答して、コンピュータシステム102は、一致する顔識別をテーマパークデータベースから第1の遊園地領域132に関連するパークデータベースにコピーすることができる。
【0031】
一致すると判定されない場合、コンピュータシステム102は、顔画像を「不明」画像のリストに追加し、遊園地内のカメラを使用して来客を追跡し、顔画像をテーマパークデータベース内の既存のエントリの顔識別データに一致させるために後続の顔画像の取得を試みること、及び/又は何らかの他の適切なアクションを取ることができる。一実施形態では、顔画像がテーマパークデータベース内の既存のエントリと一致しないとの判定に応答して、コンピュータシステム102は、セキュリティ担当者に警告することができる。
【0032】
さらに、遊園地領域130の特徴は、画像取得装置104を含むこともできる。例えば、ウォーターパーク134は、来客120がウォーターパーク134へのアクセスを許可するアクセスパッケージを購入したか否かを判定するために、画像取得装置104を含むことができる。この判定を行うために、コンピュータシステム102は、ウォーターパーク134の画像取得装置104によって取得された顔画像を受け取り、取得された顔画像がウォーターパーク134へのアクセス権を有するエントリに対応する顔識別データ(領域データベース内)に一致するか否かを判定することができる。
【0033】
別の例では、レストラン領域142は、食べ物の支払いを容易にするために画像取得装置104を含むことができる。例えば、コンピュータシステム102は、レストラン領域142の画像取得装置104によって取得されたライブの顔画像を受け取り、顔画像を顔識別データ(領域データベース内の)に照合して、一致した顔識別データに関連する預金口座に請求することができる。これは、テーマパーク100内でカード、現金、又は他の支払方法を使用しないことを求める来客120にとって特に好都合である可能性がある(例えば、来客120が水にさらされる可能性があるため)。
【0034】
さらに別の例では、乗り物システム152は、来客120が乗り物システム152にアクセスできるか否かを判定するために、画像取得装置104を含むことができる。この判定を行うために、コンピュータシステム102は、乗り物システムの画像取得装置104によって取得された顔画像を受け取り、ライブの顔画像が乗り物システム152へのアクセス権を有するエントリに対応する顔識別データ(エリアデータベース内)に一致するか否かを判定することができる。上述したように、特定の来客120は、テーマパークの顔認識技術の使用を拒否し、代わりにウェアラブルデバイスなどの別のアクセス許可方法の使用を容認することができることを理解されたい。従って、乗り物システム152へのアクセスを許可するか否かの判定は、代替的に、来客のプロファイルデータに対応する固有の識別情報を有するウェアラブルデバイスに関連付けられたアクセス権に基づくことができる。また、来客は、ウェアラブルデバイスを用いて追跡することができる。さらに、アクセスを許可するか否かの判定は、年齢、体重、又は身長の要件を満たさない来客120へのアクセスが制限されるように、来客120の年齢、体重、又は身長に基づくことができる。
【0035】
図2は、本開示の態様による、テーマパークデータベース、並びに
図1の遊園地領域に対応する遊園地領域データベースを使用することによって顔認識技術を用いる顔認識システム200のブロック図である。顔認識システム200は、1又は2以上の画像取得装置104を含むことができる。画像取得装置104は、来客120(
図1)の顔画像203を取得することができるカメラ202を含むことができる。例えば、画像取得装置104は、デジタルカメラ、アクションカメラ、高速カメラ、隠しカメラ、タブレットコンピュータ、デスクトップ又はラップトップに接続されたウェブカメラ、及び/又は来客120の顔の画像を取得することができる何らかの適切なデバイスなどのカメラ202を含むことができる、何らかの適切なデバイスを含むことができる。
【0036】
画像取得装置104は、来客120に指令を提示することができるディスプレイ204を含むことができる。ディスプレイ204は、液晶ディスプレイ(LCD)、セグメントディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、及び/又は情報を表示することができる何らかの適切なデバイスを含むことができる。例えば、ディスプレイ204は、来客120に対する画像を取得するためのカウントダウン、画像を取得する試みが失敗したというメッセージ、画像を再度取得する必要があることを示すメッセージ(例えば、不十分な品質であったため)、画像を正常に取得したというメッセージ、及び/又は来客120又は遊園地係員に対する何らかの他の適切な内容を表示することができる。
【0037】
また、画像取得装置104は、画像取得装置104を制御するコントローラ210を含むことができる。コントローラ210は、画像取得装置104を制御するための命令を実行するプロセッサ212と、命令を格納するメモリ214とを含むことができる。画像取得装置104は、画像取得装置104が通信ネットワーク106を介してコンピュータシステム102などの他の装置と通信することを可能にする通信インターフェース216を含むことができる。プロセッサ212、メモリ214、通信インターフェース216、及び通信ネットワーク106に関する詳細は以下で説明する。テーマパーク100(
図1)は、何らかの適切な数の画像取得装置104を含むことができることを理解されたい。
【0038】
コンピュータシステム102は、ストレージデバイス220、通信インターフェース236、及びコントローラ230を含むことができる。コントローラ230は、プロセッサ232と、メモリ234と、通信インターフェース236とを含むことができる。ストレージデバイス220、プロセッサ232、メモリ234、及び通信インターフェース236に関する詳細は以下で説明する。
【0039】
コンピュータシステム102は、顔識別ロジック240を実行して、
図3に関して後述するプロセスを実施することができる。顔識別ロジック240は、メモリ234に格納されてプロセッサ232によって実行される、機械読み取り可能な命令として格納することができる。一実施形態において、顔識別ロジック240は、画像取得装置104によって取得された許容可能なライブ画像の条件を設定して、適切及び不適切なライブ画像の基準を設定するように調整又は調節することができる。
【0040】
例えば、顔識別ロジック240は、取得された顔画像の明瞭性に基づいて、所望の特性(例えば、ある来客を別の来客から区別するのに十分な、又は来客120の顔の幾何学的特徴の十分な表現)を有する顔画像の取得の成功及び/又は失敗の試みを追跡することができる人工知能(AI)ロジックを含むことができる。AIロジックは、画像取得装置104によって取得された許容可能な顔画像を判定するためのパラメータを調整又は調節して、時間の経過と共に成功及び効率を向上させることができる。一実施形態において、AIロジックは、来客120の取得された顔画像の画質の閾値(例えば、割合、比率など)を規定することができる(例えば、取得された顔画像における所望の特性の割合、比率などに基づいて)。例えば、取得された顔画像の画像品質を規定するパラメータの閾値が不十分である場合、人工知能ロジックは、テーマパーク100内の来客の処理能力を向上させる又は最適化するために、それぞれの閾値を増加又は減少させることができる。
【0041】
上述したように、画像取得装置104及びコンピュータシステム102の各々は、1又は2以上のそれぞれのプロセッサ212、232、及び1又は2以上のそれぞれのメモリデバイス214、234を含むそれぞれのコントローラ210、230を含むことができる。プロセッサ212、232(例えば、マイクロプロセッサ)は、顔画像203の取得及び分析、取得した顔画像203が既存の顔識別データ242と一致するか否かの判定、顔識別データ242をストレージデバイス220に格納する又はストレージデバイス220からは削除することなどを容易にするソフトウェアプログラム及び/又は命令を実行することができる。さらに、プロセッサ212、232は、複数のマイクロプロセッサ、1又は2以上の「汎用」マイクロプロセッサ、1又は2以上の特殊用途マイクロプロセッサ、及び/又は1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。例えば、プロセッサ212、232は、1又は2以上の縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサを含むことができる。
【0042】
メモリデバイス214、234、並びにストレージデバイス220は、制御ソフトウェア、ルックアップテーブル、構成データなどの情報を格納することができる。一実施形態において、プロセッサ212、232、メモリデバイス214、234、及び/又はストレージデバイス220は、それぞれのコントローラ210、230の外部とすることができる。メモリデバイス214、234の各々及びストレージデバイス220は、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))及び/又は不揮発性メモリ(例えば、リードオンリーメモリ(ROM))などの有形、非一時的、機械読み取り可能な媒体を含むことができる。メモリデバイス214、234の各々及びストレージデバイス220は、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、及び/又は何らかの他の適切な光学、磁気、又は固体記憶媒体を含むことができる1又は2以上のストレージデバイス(例えば、不揮発性ストレージデバイス)を含むことができる。
【0043】
メモリデバイス214、234及びストレージデバイス220は、様々な目的のために使用される様々な情報を格納することができる。例えば、メモリデバイス214、234及びストレージデバイス220は、画像取得装置104によって取得された顔画像に関連する顔識別データ242の取得及び/又は格納を容易にする命令などの、プロセッサ212、232が実行するための機械可読及び/又はプロセッサ実行可能命令(例えば、ファームウェア又はソフトウェア)を格納することができる。
【0044】
コンピュータシステム102は、顔画像203を受け取り、顔画像203及び対応する顔識別データ242をストレージデバイス220に格納することができる。以下により詳細に説明するように、ストレージデバイス220は、テーマパークデータベース250、遊園地領域データベース252、及びプロファイルデータ254を含むことができる。プロファイルデータ254は、来客120のそれぞれの情報を含むことができる。例えば、プロファイルデータ254は、識別情報(例えば、名前、年齢、身長、体重、生年月日など)、アクセス情報(例えば、特定の来客120が購入したパッケージ、特定の来客120に特定のアクセス/制限を許可するパッケージなど)などを含むことができる。プロファイルデータ254は、データベースに格納することができ、例えば、データベースは、それぞれのテーブルに、テーブルの対応するエントリ内にプロファイルデータ254と共に各来客120の情報を有する。一実施形態において、コンピュータシステム102は、顔識別データ242をプロファイルデータ254に関連付けることができ、本明細書に記載される顔認識技術を用いることは、コンピュータシステム102に顔画像203に基づいてプロファイルデータ254を参照させるようになっている。
【0045】
コンピュータシステム102は、対応する来客120がテーマパーク100に入ると、顔識別データ242をテーマパークデータベース250に格納することができ、対応する来客120がテーマパーク100から出ると、テーマパークデータベース250の顔識別データ242を削除することができる。このように、テーマパークデータベース250は、テーマパーク100の内部の来客120の顔識別データ242のみを含み、それによって、来客がテーマパーク100を出る際にテーマパークデータベース250のサイズを低減する。
【0046】
加えて、来客120がテーマパーク100内の特定の領域130(
図1)に入ると、コンピュータシステム102は、特定の領域130に関連する画像取得装置104から来客120の新しい顔画像203を受け取ることができる。コンピュータシステム102は、新しい顔画像203をテーマパークデータベース250内の顔識別データ242と照合し、次に、テーマパークデータベース250からの顔識別データ242を特定の領域130に対応する遊園地領域データベース252に保存することができる。このように、来客120が特定の領域130で画像取得装置104と相互作用すると、顔認識の計算がより大きなテーマパークデータベース250ではなく、より小さな遊園地領域データベース252で行われるので、上述の顔認識技術の実行の精度及び速度を改善することができる。
【0047】
また、画像取得装置104、コンピュータシステム102、及びテーマパーク100の他の特徴は、それぞれのコントローラ210、230に通信可能に結合されたそれぞれの通信インターフェース216、236を含み、それぞれのコントローラ210、230は、通信ネットワーク106を含む何らかの適切な通信ネットワークと通信することができる。例えば、通信ネットワーク106は、モバイルネットワーク、Wi-Fi、Bluetooth、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどの無線ネットワークを含むことができる。通信インターフェース216、236は、それぞれのコントローラ210、230が通信ネットワーク106と通信することを可能にすることができる。このように、通信インターフェース216、236は、コントローラ210、230が、顔認識技術の実施を助長するための情報の交換を可能にするために、互いに通信することを可能にすることができる。
【0048】
図3は、本開示の態様による、
図1のテーマパーク100の顔認識処理能力を向上させるためのプロセス300のフロー図である。一実施形態において、プロセス300は、
図2の顔認識システム200によって実行することができる。プロセス300の説明を容易にするために、
図3から6は一緒に説明される。すなわち、プロセス300を説明する際に、本開示は
図4から6を参照することができる。
図4は、本開示の態様による、
図1のテーマパーク100に入る来客120(
図1)の斜視図である。
図5は、本開示の態様による、
図2のテーマパークデータベース250及び
図2の遊園地領域データベース252のブロック図である。
【0049】
プロセス300は、より効率的な方法で顔認識技術を実行するために、
図2の顔認識システム200によって実行することができる。一実施形態において、コンピュータシステム102は、プロセス300を実行することができる。例えば、プロセス300は、コンピュータシステム102の適切な処理回路(例えば、
図2のプロセッサ232)によって実行可能な非一時的なコンピュータ可読命令の形態とすることができる。プロセス300のステップの少なくとも一部は、AI及び/又は機械学習手法を用いることによって実行することができる。プロセス300は、例として提供されており、本開示によれば、プロセス300の特定の例示されたステップは、他の順序で実行すること、スキップすること、又は繰り返すことができる。
【0050】
プロセス300は、遊園地入口位置124(
図1)の画像取得装置104(
図1-2)から顔画像203(
図2)を受け取るステップを含む(プロセスブロック310)。
図4を参照すると、遊園地入口キューで待機した後、遊園地入口位置124(
図1)の画像取得装置104は、カメラ202によって来客120の顔画像203を取得することができる。画像取得装置104(又はコンピュータシステム102)は、顔画像203が十分な品質であるか否かを判定することができ、顔の標的とする特徴は、来客120の顔の幾何学的形状、又は他の来客と識別又は区別可能な顔の特徴の閾値数などを判定するのに十分な精度で識別できる。画像取得装置104は、カメラ202に、閾値数の顔画像203又は来客120が顔を動かしている(例えば、回転、平行移動など)映像を取得するように試行させることができる。追加的に又は代替的に、画像取得装置104は、様々な顔画像203を取得することができ、画像取得装置104(又はコンピュータシステム102)は、品質閾値値を超える顔画像を選択すること、又は顔画像203の上位数(例えば、3、4、10、又は何らかの好ましい数)を選択することができる。一実施形態において、画像品質は、幾つかを挙げると顔画像203のコントラスト、ぼやけ、ノイズ、アーチファクト、歪み、又はそれらの何らかの組み合わせなどの画像要因を考慮する、画像品質評価(IQA)に基づくことができる。しかしながら、顔画像203の適切な品質を判定するために、何らかの適切な1又は複数のIQA技術を用いることができることを理解されたい。
【0051】
コンピュータシステム102は、IQAを満たす顔画像203から顔識別データ242を特定することができる(例えば、AI又は機械学習手法を実行することによって)。例えば、コンピュータシステム102は、顔画像203を受け取り、顔画像203に基づいて、特定の顔の特徴の互いに対する正確な位置を特定することができる。一実施形態において、コンピュータシステム102は、眉毛、目、鼻、口、顔の輪郭、顎ライン、耳、髪、顔ひげなどの、顔の特徴の位置を特定することができる。コンピュータシステムは、顔画像203に基づいて、来客120(
図1)の顔の3次元(3D)又は2次元(2D)レンダリングを生成することができる。幾何学ベースの顔認識技術に加えて、又はそれに代えて、何らかの適切な顔認識手法は、幾つかの例を挙げると、ピースミールベース(piecemeal-based)手法、統計ベース手法(例えば、ピクセルテンプレートマッチング、統計ベース、主成分分析(PCA)、カーネルPCA、離散コサイン変換(DCT)、線形判別分析(LDA)、局所保存投影(LPP)、ガボールウェーブレットなど)、及び/又はニューラルネットワーク手法(例えば、ガボールフィルターによるニューラルネットワーク、ニューラルネットワーク及び隠れマルコフモデル(HMM)、ファジーニューラルネットワーク)を使用することができる。
【0052】
来客120は、プロファイルデータ254を含むことができるウェアラブルデバイス312、モバイルデバイス、又は入場券などの有形アイテムを有することができる。コンピュータシステム102は、プロファイルデータ254を示す情報を受け取り、次に、プロファイルデータ254を、取得された顔画像203に関連付けされた顔識別データ242にリンクさせることができる。例えば、来客120は、テーマパーク100へのVIPアクセスを事前に購入することができる。来客120は、走査ステーション314で、モバイルデバイスからのバーコード、自分のウェアラブルデバイス312からのビーコン、又は入場券からのバーコードをスキャンすることができる。
【0053】
入場券が使用される場合、入場券は、何らかの適切なチケット(例えば、入場券、テーマパークチケット、娯楽チケット、特別ステータスパスなど)、識別文書(例えば、パスポート、運転免許証など)、支払形式(例えば、クレジットカード、デビットカードなど)など、スキャンすることができる何らかの適切な文書を含むことができる。具体的には、入場券は、来客120に対して、特定の特権(例えば、テーマパーク又はスポーツイベントへの入場、金融資産へのアクセスなど)を可能にする権利又は資格を提供することができる。このように、来客120は、走査ステーション314を利用して入場券をスキャンして、入場券に関連する情報をコンピュータシステム102に送ることができる。次に、コンピュータシステム102は、(入場券に関連付けられた)プロファイルデータを顔識別データ242にリンクして関連付け、テーマパーク、娯楽施設、コンサート、映画館、演劇、イベントの特別レベル(例えば、クラブレベル又はVIPレベル)などへの入場権を獲得することができる。加えて、入場券は、来客120の識別情報を認証するための又は製品又はサービスの代金を支払うための追加の方法又はバックアップ方法として機能することができる。
【0054】
いずれの場合も、走査ステーション314は、ウェアラブルデバイス312、モバイルデバイス、及び/又は入場券の識別コードを読み取って、来客120を認証することができる。例えば、走査ステーション314は、バーコードリーダー、クイックレスポンス(QR)コードリーダー、無線個別識別(RFID)コードリーダー、近距離無線通信タグリーダーなど、何らかの適切なタイプの識別コードリーダーを含むことができる。このように、識別コードは、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、無線個別識別(RFID)コード、近距離無線通信タグなど、何らかの適切なタイプの識別コードを含むことができる。さらに、一実施形態では、入場券は電子文書とすることができ、携帯電話(例えば、スマートフォン)、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス312、又は識別コードを表示することができる他の何らかの適切なデバイスなどの来客の電子デバイスに表示することができる。
【0055】
ウェアラブルデバイス312、モバイルデバイス、及び/又は入場券の識別コードは、走査ステーション314が識別コードを読み取ることができるように、走査ステーション314の走査領域と整列させることができる。識別コードがバーコード又はQRコードであるような一実施形態では、走査ステーション314は、照明システム(例えば、赤色光)で識別コードを照明することによって、識別コードの要素(例えば、マーキング)を読み取ることができる。走査ステーション314のセンサは、照明システムからの反射光を検出し、デコーダに送られるアナログ信号を生成することができる。デコーダは、アナログ信号を解釈し、識別コードを認証し(例えば、チェックデジットプロセスを使用して)、識別コードを使用可能なデータ(例えば、テキスト)に変換することができる。
【0056】
走査ステーション314は、有形アイテムをスキャンし、プロファイルデータ254を顔識別データ242にリンクさせるための命令リスト317を、ディスプレイ316を介して来客120に提示することができる。もしくは、有形アイテム(例えば、ウェアラブルデバイス312、モバイルデバイス、及び/又は入場券)は省略することができ、来客120は、プロファイルデータ254を含むパスワード保護されたプロファイルにログインしてプロファイルデータ254を顔識別データ242に関連付けるために、ユーザインターフェース318(例えば、ボタン及び/又はタッチスクリーンインターフェース)と関与するようになっている。このように、複数の入口位置124が複数の画像取得装置104及び走査ステーション314を含むことができるので、テーマパーク100の入場プロセスが自動化及び/又は高速化され、それによって来客120の処理能力が高くなる。
【0057】
図3に戻ると、プロセス300は、テーマパークデータベース250に顔識別データを格納するステップを含む(プロセスブロック320)。上述したように、テーマパークデータベース250(
図2)は、テーマパークデータベース250に来客120の顔識別データ242を格納する大規模データベースを含むことができる。テーマパーク100は、数百又は数千の来客を収容する能力を有する可能性があるので、テーマパーク100内の来客120の顔認識技術を実行することは、来客120の顔画像203をテーマパークデータベース250内の顔識別データ242に対して照合することを含む場合がある。このような実施構成は、コンピュータシステムにとって計算集約的であり、遅延をもたらす可能性がある。
【0058】
顔認識処理能力を向上させるために、テーマパーク100は、遊園地領域130(
図1)の入口に画像取得装置104を含むことができる。コンピュータシステム102は、特定の遊園地領域130の画像取得装置104のカメラ202を介して顔画像203を受け取ることができる(プロセスブロック330)。コンピュータシステム102は、特定の遊園地領域130に関連する画像取得装置104で取得された顔画像203を、テーマパークデータベース250内の顔識別データ242と照合することができる。顔画像203を顔識別データ242に照合することは、いくつか例を挙げると、EigenFaces顔認識器、FischerFaces認識器、及び/又は局所二値パターンヒストグラムなどの何らかの適切な顔認識照合技術を実行することを含むことができる。
【0059】
特定の遊園地領域130に関連する画像取得装置104で取得された顔画像203が、テーマパークデータベース250内の既存のエントリの顔識別データ242と一致することに応じて、コンピュータシステム102は、テーマパークデータベース250から第1の遊園地領域132に関連付けられた遊園地領域データベース252に一致する顔識別データ242をコピーして格納することができる(プロセスブロック340)。一実施形態では、テーマパークデータベース250から第1の遊園地領域132に関連付けられた遊園地領域データベース252に一致する顔識別データ242を格納することは(プロセスブロック340)、テーマパークデータベース250から一致する顔識別データ242を削除することを含むことができる。このようにして、来客120がテーマパーク100内の特定の遊園地領域130に入る際に、テーマパークデータベース250の全体のサイズは、テーマパーク100に入る又は様々な領域に130に入る来客120の処理能力を向上させるために低減することができる。
【0060】
図5を参照すると、ストレージデバイス220は、顔識別データ242の1又は2以上のリポジトリを保持することができる。例示するように、ストレージデバイス220は、テーマパーク100内の来客120の顔識別データ242を含むテーマパークデータベース250を含むことができる。また、ストレージデバイス220は、遊園地領域130の各々のための遊園地領域データベース252を含むことができる。この例では、ストレージデバイス220は、n個の遊園地領域130に対応する第1の遊園地領域データベース252A、第2の遊園地領域データベース252B、及びN番目の遊園地領域データベース252Cを含む。
【0061】
顔識別データ242を格納することに加えて、テーマパークデータベース250は、対応する来客120に関連するプロファイルデータ254を格納することができる。図示の例では、テーマパークデータベース250は、10人の来客120の顔識別データ242及び対応するプロファイルデータ254を格納し、第1の遊園地領域データベース252Aは、10人の来客のうちの3人の顔識別データ242及び対応するプロファイルデータ254を格納し、第2の遊園地領域データベース252Bは、10人の来客のうちの他の3人の顔識別データ242及び対応するプロファイルデータ254を格納する。上述のように、来客120がテーマパーク100の入口位置124で画像取得装置104と関与し、テーマパーク100への入場が許可されると、その顔識別データ242は、テーマパークデータベース250に新たに追加及び格納することができる(プロセスブロック320)。来客120が特定の遊園地領域130に移動すると、コンピュータシステム102は、来客120に関連付けられた対応する顔識別データ242を、特定の遊園地領域130に関連付けられた遊園地領域データベース252にコピーして格納することができる(プロセスブロック340)。そうすることによって、コンピュータシステム102は、テーマパークデータベース250から来客120に関連付けられた対応する顔識別データ242を削除することができる。
【0062】
図示の例では、テーマパークデータベース250及び遊園地領域データベースは、顔識別データ242及びプロファイルデータ254を格納するように示されているが、一実施形態では、テーマパークデータベース250及び/又は遊園地領域データベース252は、顔識別データ242のみを含むことができることを理解されたい。この場合、顔識別データは、顔識別データ242の対応するエントリを対応するプロファイルデータ254にマッピングする、メタデータ、ポインタなどを含むことができる。従って、顔識別データ242及びプロファイルデータは、異なるデータベースに置くこと、又は同じデータベースの異なるテーブルに置くことができる。
【0063】
テーマパーク100は、各々が対応するデータベースを有する複数の領域130に分割されるものとして説明されているが、テーマパーク100は幾つかの遊園地領域130に分割することができ、遊園地領域130は幾つかの部分領域(subarea)に分割されて、それぞれが対応するデータベースを有することを理解されたい。例えば、テーマパーク100は遊園地領域130に分割することができ、領域130は部分領域に分割することができ、部分領域は、娯楽乗り物/建物に分割することができ、テーマパーク100、領域130、部分領域、及び娯楽乗り物/建物は対応する画像取得装置104及びデータベースを含むようになっている。このようなテーマパークで本開示の態様を用いることにより、データベースのサイズ、従って顔認識技術の実行に関連する計算の複雑性が低減されるため、顔認識精度及び処理能力を高くすることができる。
【0064】
図3を参照すると、来客120が特定の遊園地領域130を離れて一般のテーマパーク100に入ると、出口の画像取得装置104は、顔画像203を受け取ることができる。コンピュータシステム102は、領域出口で取得された顔画像203を受け取り、遊園地領域データベース252から顔識別データ242を削除することができる(プロセスブロック350)。上述のように、コンピュータシステム102は、領域出口で取得された顔画像203に最も一致する顔識別データ242を遊園地領域データベース252から削除することができる。このようにして、遊園地領域データベース252のエントリは、使用されない可能性が高いエントリ(例えば、遊園地領域130から離れた来客120に対応するエントリ)がなく、最新の状態に維持することができる。
【0065】
図5を参照すると、遊園地領域データベース252から顔識別データ242を削除することは、遊園地領域データベースにサイズを低減するようにさせることができる。一実施形態において、遊園地領域データベース252から顔識別データ242を削除することは、コンピュータシステム102に、削除された顔識別データ242をテーマパークデータベース250に追加するようにさせることができる。例えば、例示の来客3が第1の遊園地領域132を離れることになった場合、コンピュータシステム102は、遊園地領域データベース252から来客3に関連付けられた顔識別データ242を削除することができ、コンピュータシステム102に、顔識別データ242をテーマパークデータベース250に追加するようにさせることができる。
【0066】
図6を参照すると、来客120がテーマパーク100を離れる際に、テーマパーク出口364の画像取得装置104は、来客120の顔画像203を取得することができる。
図3を参照すると、コンピュータシステム102は、テーマパーク出口370で取得された顔画像203を受け取り、対応する顔識別データ242をテーマパークデータベース250から削除することができる(プロセスブロック360)。コンピュータシステム102は、テーマパーク出口364で取得された顔画像203に最も一致する顔識別データ242をテーマパークデータベース250から削除することができる。このようにして、テーマパークデータベース250のエントリは、使用されない可能性が高いエントリ(例えば、テーマパーク100から離れた来客120に対応するエントリ)がなく、最新の状態に維持することができる。
【0067】
本明細書では、開示された実施形態の特定の特徴のみを図示及び説明してきたが、当業者であれば多くの修正及び変更を想起するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神の範囲に入るすべてのそのような修正及び変更をカバーすることが意図されていることを理解されたい。
【0068】
本開示の技術的効果は、検索データを低減することによって、顔認識処理能力を向上させ、顔認識アクセスを処理する時間を短縮し、及び/又は人がテーマパークを横断する際に顔識別の検証精度を改善するシステム及び方法を含む。本開示の技術的効果は、来客がテーマパークに入る際にテーマパークデータベースに顔識別データを格納し、来客がテーマパークを出る際にテーマパークデータベースの顔識別データを削除することを含む。このようにして、テーマパークデータベースは、テーマパーク内の来客の顔識別データのみを含み、テーマパークから離れた来客の顔識別データを含まないので、来客がテーマパークを離れる際にテーマパークデータベースのサイズを低減することができる。同様に、この手法は、上述したように、テーマパークの様々な領域(及び部分領域)内で実施することができるので、テーマパークの領域に関連付けられたそれぞれのデータベースのサイズは、特定の遊園地領域の来客に対応するエントリのみを含むようになっている。
【0069】
本明細書は、ベストモードを含む現在開示されている実施形態の実施例を使用し、また、当業者であれば、何らかのデバイス又はシステムの形成及び使用、及び何らかの組み込まれた方法の実行を含む、開示された実施形態を実施することができる。開示された実施形態の特許性のある範囲は、クレームによって定義され、当業者が想定する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、それらがクレームの文言と異なっていない構造要素を有する場合又はクレームの文言と実質的に異なっていない均等の構造要素を含む場合、クレームの範囲内にあることが意図されている。
【0070】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0071】
102 コンピュータシステム
104 画像取得装置
106 通信ネットワーク
202 カメラ
203 顔画像
204 ディスプレイ
210 コントローラ
212 プロセッサ
214 メモリ
216 通信インターフェース
220 ストレージデバイス
230 コントローラ
232 プロセッサ
234 メモリ
236 通信インターファース
240 顔IDロジック
242 顔IDデータ
250 テーマパークデータベース
252 遊園地領域データベース
254 プロファイルデータ
【国際調査報告】