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特表2023-520985容器用の混合アセンブリ及びその作動方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】容器用の混合アセンブリ及びその作動方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/90 20220101AFI20230516BHJP
   B01F 27/112 20220101ALI20230516BHJP
   B01F 27/2122 20220101ALI20230516BHJP
   B01F 27/191 20220101ALI20230516BHJP
   B01F 27/211 20220101ALI20230516BHJP
   B01F 35/32 20220101ALI20230516BHJP
   B01F 35/30 20220101ALI20230516BHJP
   B01F 27/2121 20220101ALI20230516BHJP
   B01F 35/41 20220101ALI20230516BHJP
   B01F 35/53 20220101ALI20230516BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20230516BHJP
   G21F 9/30 20060101ALI20230516BHJP
   B01F 101/25 20220101ALN20230516BHJP
【FI】
B01F27/90
B01F27/112
B01F27/2122
B01F27/191
B01F27/211
B01F35/32
B01F35/30
B01F27/2121
B01F35/41
B01F35/53
G21F9/36 511G
G21F9/30 501
B01F101:25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558133
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 US2021020019
(87)【国際公開番号】W WO2021194691
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】62/993,511
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522376106
【氏名又は名称】アトキンズ ニュークリア セキュアード ホールディングス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ATKINS NUCLEAR SECURED HOLDINGS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】ドン マーク ガーボット
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン クロフォード
(72)【発明者】
【氏名】ジョン リチャードソン
【テーマコード(参考)】
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4G037DA23
4G037EA04
4G078AA18
4G078AB20
4G078BA05
4G078BA09
4G078CA01
4G078CA15
4G078CA17
4G078DA01
(57)【要約】
本発明は、容器用の犠牲的混合アセンブリ及びその作動方法に関する。混合アセンブリは、整合アセンブリ及びパドルアセンブリを備える。整合アセンブリは、容器の基部とほぼ同様の幾何学的形状を有する整合皿と、皿表面から突出する整合シャフトと、を有する。パドルアセンブリは、整合シャフトと係合するための細長部と、容器内に収納された内容物を混合するための、細長部から突出する複数のブレードと、を有する。混合アセンブリは、容器内に収納可能であり、また、整合シャフトの周りを回転可能である。整合皿は、パドルアセンブリが整合シャフトの周りを回転している間に整合シャフトの周りの環状運動を低減するために、容器の基部と整合するように寸法決めされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用の混合アセンブリにおいて、
皿表面を有する整合皿と、
前記皿表面から突出する整合シャフトと、並びに、
前記整合シャフトに結合されるパドルアセンブリであって、
前記整合シャフトと係合するための細長部であり、前記整合シャフトの整合シャフト長よりも長い長さを有する、細長部、及び
前記容器内に収納された内容物を混合するための、前記細長部から突出する複数のブレードであり、前記細長部において、環状方向の周りに分散配置される、複数のブレード、
を有するパドルアセンブリと、
を備え、
前記パドルアセンブリは、前記容器内に収納可能であり、また、前記整合シャフトの周りを回転可能であり、前記整合皿は、前記パドルアセンブリが前記整合シャフトの周りを回転している間に前記整合シャフトの周りの環状運動を低減するように、前記容器の基部と整合するように寸法決めされる、混合アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記容器内に収納可能な前記パドルアセンブリは、貯蔵又は廃棄のために前記容器内で保持される、混合アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記整合皿の表面は、前記容器の基部とほぼ同様の幾何学的形状を有するように構成される、混合アセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記整合シャフトと係合するための前記細長部は、前記整合シャフトを内部に収容するための細長中空部である、混合アセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載の混合アセンブリにおいて、前記細長中空部は細長長方形状管部を有する、混合アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記整合皿は、前記容器の前記基部に隣接して配置されるように構成され、また、前記容器の前記基部と同心であり、前記整合皿は、前記容器の前記基部に隣接して、取り外し可能に配置される、混合アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記細長部は、前記細長部の少なくとも一部と前記整合シャフトとの間に配置されたスリーブを有する、混合アセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載の混合アセンブリにおいて、前記スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の管部を有する、混合アセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記整合皿は、前記皿表面に結合された1つ又は複数の突起部を有する、混合アセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載の混合アセンブリにおいて、前記1つ又は複数の突起部は、スラット、ルーバー又は三角プリズムのうちの少なくとも1つを含む、混合アセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記整合シャフトは、シール溶接及びタック溶接のうちの少なくとも一方に基づいて、前記整合皿に取り付けられる、混合アセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記整合シャフトが前記細長部内に収容されるときに、前記細長部と前記整合皿との間に配置されるワッシャを備える、混合アセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記整合シャフトは炭素鋼柱を有する、混合アセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記整合シャフトは、前記容器の開口部の近位に配置されたテーパ状端部を有する、混合アセンブリ。
【請求項15】
請求項1に記載の混合アセンブリにおいて、前記細長部の第2の端部に結合され、前記容器の開口部から前記内容物が転位することを低減するように構成される、環状ブラシを備える、混合アセンブリ。
【請求項16】
容器用のパドルアセンブリにおいて、
整合シャフトと係合するための細長部であって、前記整合シャフトは、前記容器内に配置され、また、前記容器の基部内に配置された整合皿から突出し、前記細長部は、前記整合シャフトの整合シャフト長よりも長い長さを有する、細長部と、及び、
前記容器内に収納された内容物を混合するための、前記細長部から突出する複数のブレードであって、前記ブレードは、前記細長部において環状方向の周りに分散配置される、複数のブレードと、
を備え、
前記パドルアセンブリは、前記容器内に収納可能であり、また、前記整合シャフトの周りを回転可能であり、前記整合皿は、前記パドルアセンブリが前記整合シャフトの周りを回転している間、前記整合シャフトに対して環状方向においてほぼ静止している、パドルアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のパドルアセンブリにおいて、前記整合シャフトと係合するための細長部は、前記整合シャフトを内部に収容するための細長中空部である、パドルアセンブリ。
【請求項18】
請求項17に記載のパドルアセンブリにおいて、前記細長中空部はスリーブを有し、前記パドルアセンブリが前記整合シャフトの周りを回転している間、前記スリーブは、前記細長中空部の少なくとも一部と前記整合シャフトとの間に配置される、パドルアセンブリ。
【請求項19】
請求項18に記載のパドルアセンブリにおいて、前記スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン製の管部を有する、パドルアセンブリ。
【請求項20】
請求項17に記載のパドルアセンブリにおいて、前記細長中空部は、細長長方形状管部を有する、パドルアセンブリ。
【請求項21】
請求項16に記載のパドルアセンブリにおいて、前記整合シャフトが前記細長部内に収容されるときに前記細長部と前記整合皿との間に配置されるワッシャを備える、パドルアセンブリ。
【請求項22】
請求項16に記載のパドルアセンブリにおいて、前記細長部の第2の端部に結合され前記容器の開口部から前記内容物が転位することを低減するように構成される、環状ブラシを備える、パドルアセンブリ。
【請求項23】
容器内の内容物を混合する方法において、
混合アセンブリを前記容器内に配置するステップであって、前記混合アセンブリはパドルアセンブリを備え、前記パドルアセンブリは、整合シャフトと係合する細長部を有し、前記整合シャフトは、容器内に配置され、また、前記容器の基部内に配置された整合皿から突出し、前記細長部は、前記整合シャフトの整合シャフト長よりも長い長さを有する、ステップと、
前記細長部を介して外部駆動装置を前記混合アセンブリに結合するステップと、及び、
前記外部駆動装置を介して前記容器内の前記混合アセンブリを回転させるステップと、
を備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記整合シャフトと係合する細長部は細長中空部である、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法において、
前記外部駆動装置の細長部分を分離するステップと、及び
貯蔵又は処分のために、前記容器の開口部に蓋を固定して、前記容器内に前記混合アセンブリ及び混合物質を収納するステップと、
を備える、方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法において、前記容器内の内容物と混合するための固定化試薬を前記容器内に入れるステップを備える、方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法において、前記混合アセンブリを前記容器内に配置するステップは、前記整合シャフトが前記容器の基部の重心に位置するように、前記整合皿を前記容器の基部内に配置するステップを含み、また、 前記容器内の前記混合アセンブリを回転させるステップは、前記パドルアセンブリを前記容器の基部と同心で回転させるステップを含む、方法。
【請求項28】
請求項23に記載の方法において、前記細長部を介して前記外部駆動装置を前記混合アセンブリに結合するステップは、前記外部駆動装置のソケット状シャフト端部を、前記細長部の結合端に嵌合するステップを含む、方法。
【請求項29】
請求項23に記載の方法において、前記細長部を介して前記外部駆動装置を前記混合アセンブリに結合するステップは、前記細長部の凹状端部内に、前記外部駆動装置のシャフト端部を挿入するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年3月23日に出願された「MIXING ASSEMBLY FOR A CONTAINER AND METHOD OF OPERATING THE SAME」と題する米国仮特許出願第62/993,511号の優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は概して、混合アセンブリ、特に、容器用の混合アセンブリ及び混合アセンブリを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
環境及び人間に有害な廃棄物には、様々な種類の廃棄物の中でもとりわけ、核廃棄物が含まれる場合がある。いくつかの場合には、廃棄物を固体マトリックスとして固定化してもよく、そうすることで、廃棄物は、封じ込め装置から環境へ漏出又は浸出しにくくなる。いくつかの実施例では、廃棄物を固定化する方法は、廃棄物を固定化試薬と混合するステップを備える場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、有害廃棄物を収納するための容易に入手可能な容器内に配置するための混合アセンブリを提供することができる。本開示の実施形態は、容器の外部構造的特徴又は完全性を修正する構造的特徴なしに容器内でパドルアセンブリを支持するよう、多数の幾何学的容器形状又は容器寸法に適合可能な整合アセンブリを提供することができる。容器の外的特徴又は構造的な完全性を変化させる必要がない場合、廃棄物の輸送、廃棄等のための容器規制基準に基づく再認証試験が不要となり得る。
【0005】
いくつかの例では、実施形態の混合アセンブリの1つ又は複数の構成要素は、混合アセンブリを使用して廃棄物を固定化試薬と混合する際に、固定化廃棄物と共に廃棄されてもよい。
【0006】
一態様では、本開示は、容器用の混合アセンブリについて記載する。混合アセンブリは、皿表面を有する整合皿と、皿表面から突出する整合シャフトと、整合シャフトに結合されたパドルアセンブリと、を備えてもよい。パドルアセンブリは、整合シャフトと係合するための細長部であり、整合シャフトの整合シャフト長よりも長い長さを有する、細長部と、容器内に収納される内容物を混合するための、細長部から突出する複数のブレードであり、細長部において、環状方向の周りに分散配置される複数のブレードと、を備えてもよく、パドルアセンブリは、容器内に収納可能であり、また、整合シャフトの周りを回転可能であり、整合皿は、パドルアセンブリが整合シャフトの周りを回転している間に、整合シャフトの周りの環状運動を低減するように、容器の基部と整合するように寸法決めされる。
【0007】
いくつかの実施形態では、容器内に収納可能なパドルアセンブリは、貯蔵又は廃棄のために、容器内で保持されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、整合皿の表面は、容器の基部とほぼ同様の幾何学的形状を有するように構成されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、整合シャフトと係合するための細長部は、整合シャフトを内部に収容するための細長中空部であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、整合皿は、容器の基部に隣接して配置されるように構成されてもよく、また、容器の基部と同心であってもよく、整合皿は、容器の基部に隣接して、取り外し可能に配置される。
【0011】
いくつかの実施形態では、細長部は、細長部の少なくとも一部と整合シャフトとの間に配置されたスリーブを備えてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の管部を有してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、整合皿は、皿表面に結合された1つ又は複数の突起部を有してもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の突起部は、スラット、ルーバー又は三角プリズムのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、整合シャフトは、シール溶接及びタック溶接のうちの少なくとも一方に基づいて、整合皿に取り付けられる。
【0016】
いくつかの実施形態では、混合アセンブリは、整合シャフトが細長部内に収容されるときに、細長部と整合皿との間に配置されるワッシャを備えてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、細長部は細長長方形状管部を有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、整合シャフトは炭素鋼柱を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、整合シャフトは、容器の開口部の近位に配置されたテーパ状端部を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、混合アセンブリは、細長部の第2の端部に結合され、容器の開口部から内容物が転位することを低減するように構成される、環状ブラシを備える。
【0021】
別の態様では、本開示は、容器用のパドルアセンブリについて記載する。
パドルアセンブリは、整合シャフトと係合するための細長部であって、整合シャフトは、容器内に配置され、また、容器の基部内に配置された整合皿から突出し、細長部は、整合シャフトの整合シャフト長よりも長い長さを有する、細長部と、及び、容器内に収納された内容物を混合するための、細長部から突出する複数のブレードであって、ブレードは、細長部において環状方向の周りに分散配置される、複数のブレードと、を備え、パドルアセンブリは、容器内に収納可能であり、また、整合シャフトの周りを回転可能であり、整合皿は、パドルアセンブリが整合シャフトの周りを回転している間、整合シャフトに対して環状方向においてほぼ静止している。
【0022】
いくつかの実施形態では、整合シャフトと係合するための細長部は、整合シャフトを内部に収容するための細長中空部であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、細長部はスリーブを備え、パドルアセンブリが整合シャフトの周りを回転している間、スリーブは、細長部の少なくとも一部と整合シャフトとの間に配置される。
【0024】
いくつかの実施形態では、スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン製の管部を有してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、細長部は、細長長方形状管部を有してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、パドルアセンブリは、整合シャフトが細長部内に収容されるときに細長部と整合皿との間に配置されるワッシャを備えてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、パドルアセンブリは、細長部の第2の端部に結合され、容器の開口部から内容物が転位することを低減するように構成される、環状ブラシを備えてもよい。
【0028】
別の態様では、本開示は、容器内の物質を混合する方法を提供することができる。本方法は、混合アセンブリを容器内に配置するステップであって、混合アセンブリはパドルアセンブリを備え、パドルアセンブリは、整合シャフトと係合する細長部を有し、整合シャフトは、容器内に配置され、また、容器の基部内に配置された整合皿から突出し、細長部は、整合シャフトの整合シャフト長よりも長い長さを有する、ステップと、細長部を介して外部駆動装置を混合アセンブリに結合するステップと、及び、外部駆動装置を介して容器内の混合アセンブリを回転させるステップと、を備えてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、整合シャフトと係合する細長部は、細長中空部である。
【0030】
いくつかの実施形態では、この方法は、外部駆動装置の細長部分を分離するステップと、貯蔵又は処分のために、容器の開口部に蓋を固定して、容器内に混合アセンブリ及び混合物質を収納するステップと、を備えてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、この方法は、容器内の内容物と混合するための固定化試薬を容器内に入れるステップを備えてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、混合アセンブリを容器内に配置するステップは、整合シャフトが容器の基部の重心に位置するように、整合皿を容器の基部内に配置するステップを含み、また、容器内の混合アセンブリを回転させるステップは、パドルアセンブリを容器の基部と同心で回転させるステップを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、細長部を介して外部駆動装置を混合アセンブリに結合するステップは、外部駆動装置のソケット状シャフト端部を、細長部の結合端に嵌合するステップを含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、細長部を介して外部駆動装置を混合アセンブリに結合するステップは、細長部の凹状端部内に、外部駆動装置のシャフト端部を挿入するステップを含んでもよい。
【0035】
「接続される(connected)」又は「結合される(coupled)」は、直接結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する)及び間接結合(少なくとも1つの付加要素が2つの要素の間に位置付けられる)の両方を含み得る。「a」及び「an」は、本開示が明示的に他の意味であることを特に必要としない限り、1つ又は複数であると定義される。「ほぼ(substantially)」及び「およそ(approximately)」はそれぞれ、当業者によって理解されるように、指定されたものの、必ずしも全てではないが、しかし大部分として定義され、また指定されたものを含む。例えば、ほぼ又はおよそ90度(°)は90度(°)を含み、ほぼ又はおよそ平行は平行を含む。どの開示実施形態においても、「ほぼ(substantially)」及び「およそ(approximately)」は、指定されるものの「%以内」に置き換えることができ、ここで%は、0.1、1、5、及び10%を含む。
【0036】
「備える(comprise, comprise, comprising)」、「有する(have, has, having)」、「含む(include, includes, including)」及び「含有する(contain, contains, containing)」は、オープンエンドな連結動詞である。その結果、1つ又は複数の要素を「備える」、「有する」、「含む」、又は「含有する」装置は、それらの1つ又は複数の要素を有し又は含有するが、それらの1つ又は複数の要素のみを有するように限定されるわけではない。同様に、1つ又は複数のステップを「備える」、「有する」、又は「含む」方法は、それらの1つ又は複数のステップを有するが、それらの1つ又は複数の要素のみを有するように限定されるわけではない。
【0037】
任意の装置、システム、及び方法の任意の実施形態は、記載されているステップ、要素、及び/又は特徴を備える/含む/有するのではなく、それらから構成される(consisting of)又は本質的に構成される(consisting essentially of)ことができる。したがって、任意の請求項において、オープンエンドな連結動詞を使用して、所与の請求項の範囲を、使用しない場合の範囲から変更するために、「構成される」又は「本質的に構成される」を、上記の任意のオープンエンドな連結動詞に置き換えることができる。
【0038】
さらに、所定のやり方で構成される装置又はシステムは、少なくともそのやり方で構成されるが、詳細に記載されていない別のやり方で構成されてもよい。
【0039】
なお、少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、実施形態は、適用の際に、以下の説明に記載される又は図面に示される構成要素の構造の詳細及び構成に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであり、限定するものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0040】
本明細書に記載する実施形態に関する多くのさらなる特徴及びそれらの組み合わせは、本開示を読んだ後の当業者ならば容易に分かるであろう。
【0041】
図面では、実施形態が例として示されている。明細書及び図面は単に例示目的であり、理解の助けとなるものであることを明確に理解されたい。
【0042】
ここで、添付の図面を参照して、単なる例として実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本開示の一実施形態による、容器内に収容された混合アセンブリの部分切除した斜視図である。
図2A図1の容器内にある混合アセンブリの断面立面図である。
図2B図2Aの混合アセンブリにおける一部の拡大断面図である。
図3A図2Aに示す整合アセンブリの立面図である。
図3B】本開示の実施形態による整合シャフトの立面図である。
図4A】本開示の実施形態による混合アセンブリの上面図である。
図4B】本開示の実施形態によるパドルアセンブリの斜視図である。
図5A】本開示の実施形態によるパドルアセンブリの側面図である。
図5B図5Aのパドルアセンブリの断面立面図である。
図6図6Aは、本開示の実施形態による環状ブラシの上面図である。図6Bは、図6Aの環状ブラシの一部の拡大図である。
図7】本開示の実施形態による、容器内にある混合アセンブリの部分断面図である。
図8図7に示す整合アセンブリの拡大斜視図である。
図9】本開示の別の実施形態による整合アセンブリの拡大斜視図である。
図10】本開示の実施形態による細長中空部及び容器の部分拡大斜視図である。
図11】本開示の実施形態による、混合アセンブリの細長中空部の結合端に係合するために、外部駆動デバイスに繋がるシャフトを位置合わせするステップである。
図12】本開示の実施形態による細長中空部及び容器の部分断面図である。
図13】本開示の実施形態による、混合アセンブリの細長中空部の結合端に係合するために、外部駆動デバイスに繋がるソケット状シャフト端部を位置合わせするステップである。
図14】本開示の実施形態による、容器内の内容物を混合する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
有害廃棄物には、様々な種類の廃棄物の中でもとりわけ、核廃棄物が含まれる場合がある。廃棄物は、有害構成物を固定化するために、固定化試薬又はセメント系材料と混合される場合がある。この混合物は、廃棄物を比較的より安定な又は固形の形態にすることで、このような廃棄物が環境中に漏出又は浸出する可能性を低減することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、有害構成物として、放射性液体廃棄物、中レベル液体廃棄物(ILLW:intermediate level liquid waste)又は他タイプの原料を挙げることができる。いくつかの実施例では、廃棄物及びセメント系材料は、外部駆動装置によって回転可能なドラム缶内混合パドルを使用して、208.2リットル(55ガロン)のドラム缶又は他の容器タイプ等の容器内で混合されてもよい。いくつかの実施例では、容器が特殊なドラム缶蓋を備えてもよい。この特殊なドラム缶蓋は、容器内に延在する2つ以上のブレードを有する混合シャフトに結合されるガイドアセンブリを備えてもよい。混合シャフトの回転が必要な場合、外部駆動装置は、容器のガイドアセンブリに結合することができる。本開示に記載するように、特殊な若しくは修正されたドラム缶蓋、又は容器に対して特殊な修正を利用することは、望ましくない場合がある。
【0046】
廃棄物を収容するための容器は、規制基準の対象となることがある。例えば、公的にアクセス可能な道路上での輸送の承認を受けるために、廃棄物を収容するための容器が認証基準を満たすことを必要とする場合があり、この認証基準は、落下試験要件、耐水度試験要件等の遵守を含む場合がある。このような容器が落下試験や耐水度試験等を受ける場合、認証基準は、一連の基準に基づいて、容器が破損又は損傷していないことを要求することができる。
【0047】
本開示に記載するように、いくつかの実施例では、容器は、ドラム缶内混合パドルを固定すること、又はドラム缶内混合パドルを外部駆動装置に結合することを目的とする構成要素を備えるように修正される場合がある。このような容器の修正は、規制基準に関連する事前の認証試験を無効にすることがある。修正された容器の再認証試験の実施は、面倒な又は時間のかかる手続となる可能性がある。さらに、ドラム缶内混合パドルを固定することを企図する構成要素に適応させるために、修正された又は新しい容器製造工程が必要とされる場合がある。さらに、そのような修正された容器は、修正されていなければ標準化された容器で動作するように設定できる装置又は方法との適合性を変化させる特徴を含む可能性がある。廃棄物を収容するための、標準化された又は事前に認証された容器に適合させるための改良された混合アセンブリが望ましい場合がある。
【0048】
本開示の実施形態は、有害廃棄物を収納するためのストック又は容易に利用可能な容器の中に配置するための混合アセンブリを提供することができる。本開示の実施形態は、容器の外部構造的特徴又は完全性を修正する構造的特徴がなくとも容器内のパドルアセンブリを支持するために、多数の容器の幾何学的形状又は寸法に適合可能であり得る整合アセンブリを提供する。容器の外的特徴又は構造的な完全性を変える必要がないので、廃棄物の輸送、廃棄等に関する容器の規制基準に基づく再認証試験を不要とし得る。
【0049】
本開示の実施形態は、現場において容器(例えば、208.2リットル(55ガロン)のドラム缶等)の内部で固定化試薬を廃棄物と混合できるとともに、廃棄物及び/又は固定化試薬が容器の外側に飛散することの発生を低減する混合アセンブリを提供することができる。いくつかの実施例では、廃棄物が容器の外側に飛散することの発生を低減するために、環状ブラシ又は環状構造物が、混合アセンブリに結合され、かつ容器の開口部の近位に配置されてもよい。
I
【0050】
本開示の実施形態は、容器の基部に隣接して配置可能であり、また、廃棄物又は固定化試薬を混合するためのパドルアセンブリの回転を容器内で支持するように構成可能な整合アセンブリを備える混合アセンブリを提供することができる。いくつかの実施例では、パドルアセンブリの回転は、容器の基部の重心と同心であってもよい。
【0051】
本開示の一実施形態による、容器110内に収容された混合アセンブリ120の部分切除した斜視図を示す図1につき説明する。
【0052】
容器110は、円形基部を有するほぼ円筒状のドラム缶であってもよい。例えば、容器110は、廃棄物を収容するための208.2リットル(55ガロン)のドラム缶であってもよい。いくつかの実施形態では、容器110は、廃棄物を収容するための収納容積部を提供するために、他の幾何学的形状又は容積を有してもよい。例えば、容器110は、直方体(例えば、長方形プリズム等)、又は任意の他の形状若しくは構成を有する容器であってもよい。いくつかの実施形態では、容器110は、炭素鋼、ステンレス鋼、又は原料(例えば、廃棄物)を収納するのに適した他の材料で構成されてもよい。
【0053】
混合アセンブリ120は、整合アセンブリ122及びパドルアセンブリ124を備えてもよい。パドルアセンブリ124は、整合アセンブリ122と係合することができる。整合アセンブリ122は、容器110の基部内に収容する又は配置することができる。いくつかの実施形態では、整合アセンブリ122は、容器110を修正することなく、容器110の基部に隣接して配置する又は取り付けることができる。容器110の中に収容されるとき、混合アセンブリ120は容器110の境界内にほぼ収納でき、また、標準化された蓋を使用して容器110を密封することができる。
【0054】
いくつかの場合には、廃棄物及び混合アセンブリ120が容器110内に収容されるとき、外部駆動装置(図1に図示せず)を混合アセンブリ120に取り外し可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、外部駆動装置は、容器110から物理的に離れることができる場所に配置されてもよい。例えば、外部駆動装置は、外部駆動装置の操作者が容器110から物理的に離れることができるように、容器110からある距離に位置付けられてもよい。容器110から物理的に離れることにより、容器110からの廃棄物又は他の材料が操作者と接触する可能性を低減することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、シャフトによって外部駆動装置を混合アセンブリ120に結合してもよく、また、容器110内の内容物を混合するために、外部駆動装置は、混合アセンブリ120に回転運動を与えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、容器110内の内容物を混合するために回転エネルギーが必要な場合、混合アセンブリ120は、シャフトを介して外部駆動装置に結合するための特徴を備えてもよい。いくつかの実施形態では、混合アセンブリ120は、容器110内の内容物を混合するための動作が完了すると外部駆動装置から分離する特徴を有してもよい。
【0056】
外部駆動装置は、混合アセンブリ120を回転させて、廃棄物を固定化試薬と混合することができる。いくつかの実施形態では、固定化試薬は、廃棄物を固定化するためのセメント系材料又は他の材料を含んでもよい。
廃棄物と固定化試薬の混合が完了すると、混合アセンブリ120から外部駆動装置を分離でき、また、輸送や廃棄物貯蔵等のために、標準化された蓋を使用して容器110を密封することができる。いくつかの場合には、整合アセンブリ122又はパドルアセンブリ124のうちの少なくとも一方を、廃棄物と共に輸送又は処分することができる。
【0057】
容器110内の混合アセンブリ120の断面図を示す図2Aを参照して説明する。本開示に記載するように、混合アセンブリ120は、整合アセンブリ122(図1)及びパドルアセンブリ124(図1)を備える。
【0058】
整合アセンブリ122は、容器110の基部とほぼ同様の幾何学的形状の皿表面を有する整合皿202を備えてもよい。例えば、容器110は円筒状のドラム缶であってもよく、容器110の基部は円形であってもよい。本実施例では、整合皿202は、容器110の円形基部と同様の直径又はより小さい直径を有する円形状であってもよい。整合皿202は、容器110の基部に同心円状に隣接して嵌合できるように、容器110の基部と幾何学的に同様の形状を有するように構成されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、整合皿202は、容器110の基部とほぼ類似しない幾何学的形状を有するように構成されてもよい。非限定的な例として、整合皿202は、三角形状に構成されてもよく、また、容器110の円形基部の中心点とほぼ一致する重心を有してもよい。いくつかの実施形態では、三角形状の整合皿202は、その頂点が容器110の円形基部の円周縁部と係合できるように寸法決めされてもよい。いくつかの他の実施形態では、整合皿202は、容器110の円形基部の周囲長よりも小さい周囲長を有する多角形状であってもよい。整合皿202の他の幾何学的構成を考えてもよい。
【0060】
整合アセンブリ122は、皿表面から突出する整合シャフト204を備えてもよい。いくつかの実施例では、整合シャフト204は、皿表面又は整合皿202に対してほぼ垂直方向に突出してもよい。本開示に示すように、整合シャフト204は、容器110の開口部の近位にいかなる追加の支持特徴がなくとも、パドルアセンブリを支持すると共に、パドルアセンブリを外部駆動装置と位置合わせすることが可能なシャフト長を有し得る。
【0061】
パドルアセンブリ124は整合シャフト204と係合してもよい。パドルアセンブリ124は、整合シャフト204と係合するための細長部を備えてもよい。いくつかの実施形態では、整合シャフト204と係合するための細長部は、整合シャフト204を収容するための細長中空部であってもよい。いくつかの他の実施形態では、整合シャフト204は、細長部が整合シャフト204と係合するように、細長部を収容するように構成された中空シャフトであってもよい。
【0062】
図2Aでは、細長中空部212は、整合シャフト204の整合シャフト長よりも長い中空部長を有してもよい。すなわち、シャフト長は、容器110内でパドルアセンブリ124を支持するように、また、容器の開口部の近位にいかなる追加の上部ガイド機構も必要とせずに、構成されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、整合シャフト204は、パドルアセンブリ124が整合シャフト204と係合している間、パドルアセンブリ124が回転されているときの回転摩擦を低減するための機構又は材料を有してもよい。例えば、回転摩擦を低減するためのこの機構又は材料としては、軸受又は軸受を含む構造を挙げることができる。いくつかの場合には、整合シャフト204の周りの回転摩擦を低減することにより、パドルアセンブリ124に(例えば、外部駆動装置によって)消費される必要なトルクを低減すること、及び、パドルアセンブリ124を回転させるための所与の消費トルクに対する内容物の混合性能又は混合速度を増加させることが有益な場合がある。
I
【0064】
例示的な実施例として、容器110の開口部の近位にさらなる支持特徴を必要とせずともパドルアセンブリ124を直立姿勢で支持できるように、整合シャフト204のシャフト長は、容器110の高さの約1/3であってもよい。外部駆動装置がパドルアセンブリ124に(例えば、細長中空部212の端部を介して)結合される場合には、容器110の開口部に最も近い細長中空部212の端部を、端部に結合された外部駆動装置によって支持することができる。いくつかの他の実施形態では、整合シャフト204のシャフト長は、容器110の高さの1/3とは異なる他の長さであってもよい。
【0065】
パドルアセンブリ124は、容器110内に収納される内容物を混合するために、細長中空部212から突出する複数のブレード214を備えてもよい。複数のブレードは、細長中空部212の長手方向に沿って分散配置されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、複数のブレードは、一連の角度を付けた平らな撹拌ブレードであってもよい。いくつかの実施例では、ブレードの幾何学的形状、高さ、及び数は、容器110内に配置される可能性のある予想廃棄物及び/又は固定化試薬の物理的特性に基づいて構成されもよい。例えば、高密度廃棄物を混合するために必要とされるブレードの幾何学的形状、高さ、及び数の第1の構成は、より低密度廃棄物を混合するために必要とされるブレードの幾何学的形状、高さ、及び数の第2の構成と異なってもよい。いくつかの実施形態では、中空細長部212の周りに設けられるブレードの配置、寸法、及び/又は数は、容器内に収容される予想廃棄物材料及び/又は固定化試薬の化学組成又はレオロジーに基づいてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、細長中空部212は、鋼製の正方形中空部から構築されてもよい。いくつかの実施形態では、細長中空部212は、他の材料で構成されてもよく、また、円筒中空部又は三角形中空部等の他の幾何学的構成を有する中空部であってもよい。
【0068】
本開示に記載する実施形態により、容器110を変更しないように、また、再認証試験を必要とせずとも規制基準を確実に遵守するように、整合アセンブリ122又はパドルアセンブリ124のうちの少なくとも1つを、廃棄物及び固定化試薬と共に輸送又は処分できるようにすることができる。さらに、本開示に記載する実施形態は、在庫又は市販容器を修正する必要なしに既存在庫又は既存市販容器の寸法内に配置されるように構成される整合アセンブリ122を提供することができる。すなわち、本開示に記載する実施形態は、(1)容器に適合可能であり、また、廃棄物固定化後に容器内に残留させることができる、又は(2)外部駆動装置によって駆動され、また、廃棄物が固定化されると外部駆動装置から分離される、整合アセンブリ又はパドルアセンブリを提供する。
【0069】
図2Aの混合アセンブリにおける一部の拡大断面図を示す図2Bを参照して説明する。図2Bでは、細長中空部212はスリーブ216を備えてもよい。スリーブ216は、細長中空部212の少なくとも一部と整合シャフト204との間にスリーブ216を配置できるように、細長中空部212内に配置することができる。いくつかの実施形態では、スリーブ216は、滑らかな表面仕上げと、低い摩擦係数及び潤滑性とを有し得るポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の管部を備えてもよい。いくつかの実施形態では、スリーブ216は、パドルアセンブリ124が整合アセンブリ122に結合されるとき、及びパドルアセンブリ124が整合シャフト204の周りで回転されるときに、低摩擦軸受を提供するように、他の材料から構築されてもよい。
スリーブ216は、パドルアセンブリ124が整合シャフト204の周りで容易に回転できるように構成することができる。図2Bに示す寸法は、例示的な実施例に過ぎない。他の寸法を考えてもよい。
【0070】
さらに図2Bを参照して説明すると、いくつかの実施形態では、混合アセンブリは、整合シャフト204の周りに挿通する又はループ状にすることが可能なスペーサ要素230を備えてもよい。スペーサ要素230が整合シャフト204の周りに配置されるとき、及び、整合シャフト204が細長中空部212内に収容されるとき、スペーサ要素230は、細長中空部212の端部と整合皿202の間に配置することができる。スペーサ要素230は、細長部212のための低摩擦垂直スラスト軸受面を提供することができる。いくつかの実施形態では、スペーサ要素230は、プラスチックワッシャであってもよい。いくつかの実施形態では、スペーサ要素230は、他の材料を使用して構築されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、整合シャフト204は、タック溶接部250又はシール溶接部に基づいて整合皿202に結合されてもよい。整合皿202を整合シャフト204に結合する他の方法を考えてもよい。
【0072】
図2Aの整合アセンブリの立面図を示す図3Aを参照して説明する。整合アセンブリは、整合皿202と、整合皿202の表面から直立する姿勢になるように突出又は構成された整合シャフト204とを備える。いくつかの実施形態では、整合シャフト204は、タック溶接部250、シール溶接部又は他の結合構造に基づいて、整合皿202に結合されてもよい。
【0073】
図3Aに示す実施形態では、整合皿202は、整合シャフト204を結合できる凸面を有するように構成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、整合皿202は、整合シャフト204を結合できる凹面を有するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、パドルアセンブリが整合シャフト204に結合されるとき、整合皿202は、パドルアセンブリを容器110内のほぼ中央に配置するように寸法決めされてもよい。すなわち、パドルアセンブリは、整合皿202の表面の重心に配置されてもよい。例えば、整合皿202の表面が円形である場合、パドルアセンブリは、円形整合皿202の中心で、突出整合シャフト204に結合されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、整合皿202は、容器110内の混合アセンブリ120(図2A)の回転と共に、容器110の内容物同士の間の乱流を促進又は増加させるように構成された構造を有してもよい。例えば、整合皿202は、整合皿202から容積部内に延在する1つ又は複数の突起部を有してもよい。例えば、突起部は、翼板(veins)若しくはフィン、又は整合皿202から容器110内の容積部内に延在する他の例示的構造を有してもよい。突起部(例えば、翼板又はフィン)は、例示的な混合アセンブリの回転と共に、混合効率の増加を促進することができる。いくつかの場合には、翼板又はフィンの形状又はサイズは、容器110内の混合される内容物の特性に基づいて構成されてもよい。内容物の特性としては、特性の中でもとりわけ、流体又は固定化試薬の粘度を挙げることができる。整合皿202に結合された翼板又はフィンの例は、後続の図面で開示される。
【0075】
いくつかの実施形態では、整合皿202は、容器110の基部と密接に嵌合するように整合皿202を配置できるように、同様の寸法の容器から得られる基部をトリミングすることにより、容器110用に製造又はカスタマイズされてもよい。整合皿202が容器110の基部と密接に合致するように寸法決めされ得る場合、容器内に収容された廃棄物を混合するためにパドルアセンブリが整合シャフト204の周りで回転されるとき、整合シャフト204は、少なくとも整合シャフト204の表面と容器の基部との間の摩擦力のせいで回転することができない。
【0076】
図3Aの整合シャフト204の立面図を示す図3Bを参照して説明する。いくつかの実施形態では、整合シャフト204は、整合シャフト204の第1の端部に、テーパ状端部234又は面取り部分を有してもよい。細長中空部212(図2A)を整合シャフト204に近づける場合、細長中空部212が整合シャフト204の上に配置されるとき、テーパ状端部234は、細長中空部212内の整合シャフト204の収容を補助することができる。図3Bに示す寸法は、例示的な実施例に過ぎない。
整合シャフト204に関連する他の寸法を考えてもよい。
【0077】
整合シャフト204の第2の端部は、整合基部232を介して整合皿202に結合されてもよい。整合基部232は、整合シャフト204の断面直径よりも大きい断面直径を有する。いくつかの実施形態では、スペーサ要素230(図2B)は、整合シャフト204の周りに挿通する又はループ状にされてもよく、また、整合基部232の上に配置されてもよい。パドルアセンブリが整合シャフト204を収容するとき、スペーサ要素230は、整合基部232とパドルアセンブリの細長中空部212との間に位置決めされ得る。
【0078】
図2Aに示す混合アセンブリの上面図を示す図4Aを参照して説明する。図4Aにおいて、整合皿202は円形でもよく、また、整合シャフト204は整合皿202の中心点から突出してもよい。図4Aの円形整合皿202は例示的であり、いくつかの実施形態では、整合皿202が他の幾何学的形状として構成されてもよい。すなわち、整合皿202は、直線状、楕円形、三角形、又は他の形状であってもよい。
【0079】
本開示に記載するように、パドルアセンブリは、中空細長部212と、中空細長部212から突出する複数のブレードとを備えてもよい。図4Aに示す実施形態では、複数のブレードは、細長中空部212の長さに沿って分散配置されてもよく(例えば、図4Aの紙面の内外の方向に分散配置されてもよい)、細長中空部212の周りに互いにほぼ直角に分散配置されてもよい。上面図からの図4Aでは、各ブレードは、他のブレードから環状方向にほぼ90°の位置に配置されている。いくつかの他の実施形態では、各ブレードは、別のブレードから環状方向に任意の他の角度で配置されてもよい。
【0080】
図2Aに示すパドルアセンブリの斜視図を示す図4Bを参照して説明する。パドルアセンブリは、細長中空部212と、容器内に収納された内容物を混合するための細長中空部から突出する複数のブレード214とを備える。図4Bにおいて、細長中空部212は、ほぼ正方形又は長方形の断面を有するほぼ中空の部分であってもよい。円形又は楕円形の断面を含む他の幾何学的形状を有する中空部を考えてもよい。
【0081】
パドルアセンブリは、本開示に記載する例示的な整合アセンブリに結合されてもよく、また、細長中空部212は、容器の基部に隣接して配置される整合皿に対してほぼ直交して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、各ブレードは、整合皿及び/又は容器の基部の平面に対して角度を付けてもよい。例えば、各ブレードは、容器の基部の平面に対して0~90°の角度を付けてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、複数のブレード214は、ほぼ同様の角度数だけ角度を付けてもよい。いくつかの実施形態では、各複数のブレード214は、複数のブレード214のうちの別のブレードに対して異なる角度数で角度を付けてもよい。いくつかの実施形態では、複数のブレード214は、容器内で混合されることが予想される流体又は固定化試薬の特性に基づいて、細長中空部22の周りに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のブレード214は、容器内で混合されることが予想される流体又は固定化試薬の特性に基づいて、追加の又はより少ない本数のブレードを有してもよい。いくつかの実施形態では、複数のブレード214は、容器内で混合されることが予想される流体又は固定化試薬の特性に基づいて、1つ又は複数の形状を有してもよい。細長中空部212に対する複数のブレードの配置、サイズ、方位、角度位置、又は他の特性は、容器内の混合効率を改善するように構成又は調整されてもよい。例えば、複数のブレード214は、高粘度流体が容器内で混合される場合、第1の構成で細長中空部212の周りに構成されてもよく、また、第1の構成は、低粘度流体が容器内で混合される場合における細長中空部212の周りの複数のブレードの第2の構成とは異なってもよい。
【0083】
本開示の一実施形態によるパドルアセンブリ524の側面図を示す図5Aを参照して説明する。パドルアセンブリは、細長部512と、細長部512から突出する複数のブレード514とを備える。いくつかの実施形態では、細長部512は、ほぼ中空であってもよい部分と、ほぼ中空でなくてもよい部分とを備えてもよい。例えば、本開示に記載する整合シャフトを収容するように構成された細長部512の端部は、整合シャフトを収容するための第1の長さのほぼ中空部分と、第2の長さの非中空であってもよい部分と、を有してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、複数のブレード514は細長部512に溶接されてもよい。いくつかの他の実施形態では、細長部512及び複数のブレード514は、一体部品構造として製造されてもよい。いくつかの実施形態では、パドルアセンブリ524は、一体式細長部と、ブレード構成要素と、溶接された構成要素と、の組合せで構築されてもよい。
【0085】
図5Aでは、複数のブレード514のうちの1つ又は複数は、整合皿502の平面又は容器の基部に対して角度の付いた位置にして、細長部512に結合してもよい。例示的な実施例として、符号516で識別されるブレードは、整合皿502の平面に対してほぼ45°の角度を付けてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、各複数のブレード514は、複数のブレード514(図5Aに図示せず)のうちの別のブレードの整合皿502の平面に対する角度とは異なる、整合皿502の平面に対する角度で、細長部512に結合されてもよい。
【0087】
図5Aに示す寸法は、例示的な実施例に過ぎない。他の寸法も考えられる。
【0088】
図5Aのパドルアセンブリ524の断面立面図を示す図5Bを参照して説明する。図5Bでは、細長部512は、ほぼ中空の部分516であってもよい部分を有してもよく、また、細長部512は、ほぼ中空の部分516内に配置されるスリーブ518を備えてもよい。スリーブ518は、整合シャフトがほぼ中空の部分516内に収容されるときに、パドルアセンブリ524が整合シャフトの周りを容易に回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スリーブ518は、低摩擦係数及び潤滑係数で結合された滑らかな表面仕上げを有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の管部であってもよい。いくつかの実施形態では、スリーブ518は、整合シャフトが中空部516内に収容されるとき、またパドルアセンブリ524が整合シャフトの周りで回転され得るときに、低摩擦軸受を提供するために、他の材料から構築されてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、中空部516及びスリーブ518は、ほぼ同様の長さであってもよい。例示的な実施例では、中空部516は、細長部512全体の高さ又はパドルアセンブリ524が収容される容器全体の高さの約1/3であってもよい。いくつかの実施形態では、細長部512は、中空部516及び非中空部(例えば、整合シャフトを収容するように構成できない、細長部512の一部)を有してもよい。
【0090】
細長部512は、整合シャフトを収容できる中空部516に近接する第1の端部と、(パドルアセンブリ524が容器内に配置されるときの)容器の開口部に近接する第2の端部とを有してもよい。いくつかの実施形態では、細長部512の第2の端部は、環状ブラシに結合するように構成されてもよい。設置される場合、環状ブラシは、容器の開口部の近位に配置され、廃棄物又は固定化試薬が飛散することを防ぐことができるとともに、パドルアセンブリ524は、整合シャフトの周りで回転することができる。いくつかの実施形態では、環状ブラシは、廃棄物と固定化試薬の混合時に容器内に残ったままでもよく、その後、固定化廃棄物と共に輸送又は廃棄されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、環状ブラシは、環状プラスチックブラシ、環状ワイヤーブラシ、又は、廃棄物若しくは固定化試薬が容器の外側に飛散することを防ぎ、それにより、容器の外側への有害廃棄物の拡散を低減する、他の材料で構成された環状ブラシであってもよい。いくつかの実施形態では、環状ブラシは、容器内に収納された廃棄物と共に固定化試薬を入れるために、外部ノズル又は導管を容器内に導入することができるように展性のある又は変形可能性のあるものであってもよい。
【0092】
本開示の混合アセンブリの実施形態は、以下の動作、すなわち、
(1)蓋又は蓋保持構造(例えば、クランプリング)を容器から取り外すステップ、
(2)整合皿から突出する整合シャフトも含めて、整合皿を容器の基部内に配置するステップ、
(3)整合シャフトの基部にスペーサ要素を配置するステップ、
(4)パドルアセンブリが整合シャフトと結合できるように、パドルアセンブリを容器内に配置するステップ、
(5)環状ブラシが容器の開口部の近位にあるように、環状ブラシを配置してパドルアセンブリと結合させるステップ、又は
(6)蓋を容器上に配置し、また蓋保持構造を使用して蓋を固定するステップ、
のうちの1つ又は複数の動作に基づいて、容器内に配置することができる。
【0093】
本開示に記載する混合アセンブリの実施形態は、収容された廃棄物を輸送、保管、処分等できるように、容器内の廃棄物を固定化するように構成されてもよい。例示的な実施例として、容器内の廃棄物を固定するための動作は、以下の動作、すなわち、
(1)容器蓋を緩めた状態又は容器持ち上げ装置の上に容器を置いた状態で、容器蓋用具又は装置を使用して容器蓋を取り外すステップ(容器の開口部から離れる方向に容器蓋を回転させるステップを含む)、
(2)外部駆動装置を初期化するステップ、
(3)容器を容器充填ステーションに持ち上げて、容器内に配置されたパドルアセンブリと外部駆動装置を結合するステップ、
(4)廃棄物の容積を計量するステップと、パドルアセンブリを使用して廃棄物を撹拌するステップと、均質な混合物を作るために、容器内に配置するための液体及び固体固形化試薬を計量するステップと、能動的換気システムを介して、転位した空気を除去するステップと、容器空間を適切な「押し下げレベル」に維持することで、廃棄物が容器から外部環境に漏れることの発生を低減するステップと、を含むサブ動作に基づいて、容器を充填するステップ、
(5)容器を充填ステーションから離れる方向に下げるステップ、
(6)容器蓋が容器の開口部の近位にあるように、容器を蓋装置又は蓋用具に配置するステップ、又は
(7)蓋保持構造(例えば、クランプリング等)によって、容器蓋を容器に固定するステップ、
のうちの1つ又は複数の動作を含んでもよい。
【0094】
上記の例では、外部駆動装置が誤動作する、又は容器内の混合アセンブリと適切に結合しない場合、操作によって外部駆動装置を分離でき、また、容器の開口部に蓋を配置して容器を密封でき、同時に、技術者が、外部駆動装置に関する誤動作についてトラブルシューティングを行うことができる。いくつかの場合には、外部駆動装置が修復されると、外部駆動装置は、混合動作の続行のために、混合アセンブリに再結合されてもよい。容器内に収納された混合アセンブリから外部駆動装置を分離できることで、廃棄物が容器から飛散することの発生を低減でき、又は、廃棄物が容器の外部環境に導入されることの発生を低減することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、混合アセンブリはモジュール式であってもよく、また、容器に固定されずに容器内に配置されてもよい。したがって、本出願に記載する例示的な混合アセンブリを用いて、標準的な又は容易に入手可能な容器を後付けすることができる。いくつかの実施形態では、混合アセンブリは犠牲的であってもよい。すなわち、混合アセンブリは容器内に廃棄されてもよく、そうすることにより、混合アセンブリを外部駆動装置に結合することに関連する問題のトラブルシューティングを行うときに、有害廃棄物が容器から出る可能性を低減する。
【0096】
いくつかの実施形態では、容器内の内容物を混合する方法は、混合アセンブリを容器内に配置するステップであって、混合アセンブリはパドルアセンブリを備え、パドルアセンブリは、整合シャフトを収容するための細長中空部を有し、整合シャフトは、容器内に配置され、また、容器の基部に配置された整合皿から突出し、細長中空部は、整合シャフトの整合シャフト長よりも長い中空部長を有する、ステップと、混合アセンブリを容器内に配置するステップと、細長中空部を介して外部駆動装置を混合アセンブリに結合するステップと、及び、外部駆動装置を介して容器内の混合アセンブリを回転させるステップと、を備えてもよい。いくつかの実施形態では、この方法は、容器内の内容物と混合するための固定化試薬を容器内に入れるステップを備える。いくつかの実施形態では、混合アセンブリを容器内に配置するステップは、整合シャフトが容器の基部の重心に位置するように、整合皿を容器の基部内に配置するステップを含み、また、容器内の混合アセンブリを回転させるステップは、パドルアセンブリを容器の基部と同心で回転させるステップを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、内容物を混合する方法は、さらに、外部駆動装置の細長中空部分を分離するステップと、容器の開口部に蓋を固定して、容器内に混合アセンブリ及び混合物質を収納するステップと、を備えてもよい。
【0098】
本開示の一実施形態による環状ブラシ600の上面図を示す図6Aを参照して説明する。環状ブラシ600は、パドルアセンブリに結合され、また、容器の開口部の近位に配置されることで、廃棄物又は固定化試薬が飛散することを防ぐことができ、同時に、パドルアセンブリは、整合シャフトの周りで回転させることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、(本開示のいくつかの実施形態で説明するように)パドルアセンブリを整合シャフトの周りで回転させるとき、容器内に収容される廃棄物及び固定化試薬が共に混合又はブレンドされてもよい。遠心力により容器の内容物が撹拌され、それにより、小球体又は廃棄製品(例えば、廃棄物及び/又は固定化試薬)を容器内で回転させることができる。したがって、環状ブラシ600は、容器内の廃棄物が飛散することを防ぐように構成されてもよい。
【0100】
環状ブラシ600は、中央領域604から半径方向に延びる一連のブラシ要素602を有してもよい。中央領域604は、円形でもよく、また、参照符号B(図6)によって識別される直径と、参照符号C(図6)によって識別される半径と、を有してもよい。環状ブラシ600は、参照符号A(図6)によって識別される直径を有してもよい。いくつかの実施形態では、環状ブラシ600は、容器の開口部の容器直径とほぼ一致する直径を有してもよい。環状ブラシ600の直径が容器の直径にほぼ一致し得るとき、環状ブラシ600は、廃棄物が容器から飛散することを防ぐことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、中央領域604は、外部駆動装置を、容器内に挿入できるように、及び/又は容器内に配置されたパドルアセンブリに結合できるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、中央領域604は、容器内にある材料の容積を監視又は特定するために、センサ又は他の器具を容器内に挿入できるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、中央領域604は、材料(例えば、廃棄物、水、セメント粉末等)を容器内又は容器外に導入又は抽出するためのノズル収容用の入口/出口を提供するように構成されてもよい。したがって、本開示に記載する環状ブラシの実施形態は、容器の開口部に向かう方向に向かって上方又は外側に押される小球体又は廃棄物の他の断片から、容器の外部にあり得るシステムの構成要素を遮蔽することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、環状ブラシ600は、容器内に配置可能な、及び/又は容器構成要素を修正せずともパドルアセンブリに結合可能なばね付きディスクとして構成されてもよい。いくつかの実施形態では、パドルアセンブリが回転されている間、環状ブラシ600は、環状ブラシ600を容器内の静止位置に維持するために、半径方向のばね力を有してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、環状ブラシ600は、容器構造又は任意の容器蓋に何らの修正もなしに、容器内に配置されてもよく、また、パドルアセンブリに結合されてもよい。容器構造又は容器蓋は環状ブラシ600に適応させるようには修正されないので、規制基準に遵守するための再認証試験は、実施の必要がない場合がある。
【0104】
例示的な実施例として、環状ブラシ600は、以下の設計仕様、すなわち、内側ディスク/内部リングブラシ:22.5″外径×10″内径×#7亜鉛めっき鋼バッキング材付き5/16″厚さ、0.030″捲縮黒色ポリプロピレンフィラメントの設計仕様を有することができる。
上記の設計仕様の詳細は例示的な実施例であり、環状ブラシ600に関連する他の設計仕様を考えてもよい。
【0105】
図6Aの環状ブラシ600の一部の拡大図を示す図6Bを参照して説明する。環状ブラシ600は、ブラシ要素602を有してもよい。いくつかの実施形態では、ブラシ要素602は、一連のフィラメント又はワイヤを有してもよい。いくつかの実施形態では、ブラシ要素602は、ポリプロピレンフィラメントを有してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、環状ブラシ600は、ブラシ要素602を一連のフィラメント又はワイヤに結合するための基部を含む、バッキング材610を有してもよい。いくつかの実施形態では、バッキング材610は、容器内に配置されたパドルアセンブリに結合するように構成されてもよい。
【0107】
本開示の別の実施形態による、容器110(図1)内の混合アセンブリの部分断面図を示す図7を参照して説明する。混合アセンブリは、本明細書に記載するパドルアセンブリのいずれかと同様のパドルアセンブリ又は別のパドルアセンブリ(例えば、図1の124)と、整合アセンブリとを備えてもよい。
【0108】
整合アセンブリは、容器110の基部とほぼ同様の幾何学的形状の皿表面を有する整合皿702を備えてもよい。
【0109】
整合アセンブリは、皿表面から突出する整合シャフト704を備えてもよい。図1に示す整合アセンブリと同様に、整合シャフト704は、皿表面又は整合皿702に対してほぼ垂直方向に突出してもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、皿表面は、ほぼ滑らかであってもよい、又はいかなる突起部も存在しなくともよい。
【0111】
他の実施形態では、整合皿702は、整合皿702から突出する1つ又は複数の突起部750あるいは他の構造を有してもよい。例示的な混合アセンブリの回転と共に、フィン750は、容器110内で流体又は固定化試薬の乱流又は移動を発生させること、及び/又は容器110内の乱流を促進することにより、混合効率の増加を促進することができる。図7に示す実施例では、1つ又は複数のフィン750は、整合皿702の表面から突出するスラット又はルーバーであってもよい。1つ又は複数のフィン750は、整合皿702の表面に対して90°未満の角度で整合皿702から突出してもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のフィン750は、長方形状のスラット又はルーバーであってもよく、三角形状のスラット又はルーバーであってもよく、台形状のスラット又はルーバーであってもよく、又は他の例示的な形状であってもよい。
【0112】
図7に示す整合アセンブリの拡大斜視図を示す図8を参照して説明する。図示のように、1つ又は複数のフィン750は、整合皿702から突出するスラット又はルーバーであってもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のフィン750は、整合アセンブリの中心軸の周りに配置されてもよく、又は整合アセンブリの中心軸からずれ得る他の位置に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、各フィン750は、所与の間隔で他のフィン750に隣接して配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、各フィンと他の隣接するフィンとの間の間隔が可変であってもよい。
【0113】
本開示の別の実施形態による整合アセンブリ900の拡大斜視図を示す図9を参照して説明する。整合アセンブリ900は、整合皿902を備えてもよい。整合皿902は、整合アセンブリ900が挿入される容器の基部と幾何学的に同様の形状を有するように構成されてもよい。整合アセンブリ900は、整合皿902の表面から突出する整合シャフト904を備えてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、整合アセンブリ900は、整合皿902に結合される、又は整合皿902から延在する1つ又は複数のフィン950を有してもよい。フィン950は、パドルアセンブリ(図9に図示せず)が整合シャフト904の周りで回転されるときに、容器(明示的に図示せず)内の流体又は固定化試薬の移動を阻害するように、また、容器内の乱流を促進するように構成されてもよく、そうすることにより、容器内の流体及び固定化試薬の混合効率を増加させることができる。
【0115】
図9の例示において、1つ又は複数のフィン950は、整合皿902の表面を横切って配置された細長い三角プリズム構造体であってもよい。図9には三角柱構造体が示されているが、いくつかの他の実施形態では、1つ又は複数のフィン950は、容器内で流体又は材料の乱流又は移動を発生させるための任意の他の形状のデバイスであってもよい。
【0116】
本開示に記載するように、いくつかの場合には、パドルアセンブリは外部駆動装置と係合されてもよく、そうすることで、外部駆動装置は、容器内の流体の移動を促進するために、混合パドルアセンブリに回転トルクを付与することができる。いくつかの実施形態では、パドルアセンブリは、パドルアセンブリを外部駆動装置に結合すること又は外部駆動装置から分離することを促進するための特徴を有してもよい。
【0117】
細長中空部212(例示的な整合皿の表面から突出するが、そのことは図10には明示的に示していない)、及び図2Aに示すものと同様の特徴を有する容器110の部分拡大斜視図を示す図10を参照して説明する。細長中空部212は、容器110の開口部の近位に結合端1050を備えてもよい。結合端1050は、外部駆動装置に繋がるシャフト1060を収容するように構成された凹部を有してもよい。説明を容易にするために、シャフト1060の短セグメントを図10に示す。外部駆動装置に繋がるシャフト1060は、細長中空部の結合端1050に接触するときにシャフト1060を係合位置にガイドできるテーパ状であってもよい。結合端1050は凹部を有してもよく、またシャフト1060はテーパ状端部を有してもよいので、外部駆動装置の操作者は、最初にシャフト1060を細長中空部212に整合させることができなかった場合でも、より容易にシャフト1060を細長中空部212に結合することができる。
【0118】
図11に示すように、(外部駆動装置に繋がる)シャフト1060が細長中空部212の結合端1050の一部の中に収容される場合には、容器110内でパドルアセンブリ全体(図11には明示的に示していない)を回転させるために、シャフト1060を回転させて細長中空部212に回転力を加えることができる。
【0119】
細長中空部212(例示的な整合皿の表面から突出するが、そのことは図12には明示的に示していない)、及び図2Aに示すものと同様の特徴を有する容器110の部分断面図を示す図12を参照して説明する。細長中空部212は、図10を参照して説明した結合端と同様の結合端1050を有してもよい。
【0120】
結合端1050は、外部駆動装置に繋がるシャフトと係合するように構成されてもよく、また、シャフトは、シャフト端部1270が結合端1050の近位に配置されたときに、結合端1050を包み込み、収容し、あるいは結合端1050と係合するようにサイズ設定されたシャフト端部1270を有してもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、結合端1050がシャフト端部1270によって収容されるときに、容器110内の流体又は他の材料の混合を促進するために、外部駆動装置が細長中空部212を回転させるための回転トルクを付与できるように、シャフト端部1270をソケットに類似する形状にしてもよい。
シャフト端部1270をソケット構成に類似するように構成することにより、外部駆動装置は、比較的途切れることのない動作で、細長中空部212に結合すること又は細長中空部212から分離することができる。
【0122】
図13に示すように、(外部駆動装置に繋がる)シャフト端部1270が細長中空部212の結合端1050を収容する場合、容器110内のパドルアセンブリ全体(図13には明示的に示していない)を回転させるために、シャフト端部1270を回転させて細長中空部212に回転トルクを付与することができる。
【0123】
他の実施形態では、駆動シャフト1060からパドルアセンブリのシャフトに回転力を付与するための異なる係合機構を使用又は提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、駆動シャフト及びパドルアセンブリシャフトについて例示されている例示的な係合機構は、交換することができる。また、他の実施形態では、他の係合機構を使用することもできる。
【0124】
本開示の実施形態による、容器内の内容物を混合する方法1400を示す図14を参照して説明する。方法1400は、容器内に配置された混合アセンブリを作動させるための操作を含んでもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、容器は、円筒状のドラム容器であってもよく、又は任意の他の形状若しくは構成を有する容器であってもよい。いくつかの場合には、容器は、例示的な使用事例又は要件の中でもとりわけ、廃棄物(又は他の材料)の輸送や廃棄のための規制基準を容器が満たし得ることを保証するための認証を必要とする場合がある。
【0126】
いくつかの場合には、容器に関連する規制認証を取得するのは、コストがかかる場合があり、又は長さ認証プロセスを必要とする場合がある。いくつかの場合には、対象容器が規制認証試験に合格できるような特徴を有する容器を設計するために、特殊な技術資源が必要な場合がある。いくつかの場合には、ドラム缶容器に結合される付加要素又は構造を追加する設計は、結合された付加要素又は構造を有するドラム缶容器の再認証を必要とする場合がある。
以前の規制認証試験を時代遅れにさせない動作に基づいて以前に認証された容器に適合可能な混合アセンブリを提供することは、有益な場合がある。
【0127】
いくつかの実施形態では、容器内に配置するための混合アセンブリは、パドルアセンブリを備えてもよい。パドルアセンブリは、容器内に配置され、また、容器の基部に配置された整合皿から突出する整合シャフトを収容するための細長中空部を有してもよい。細長中空部は、整合シャフトの整合シャフト長よりも長い中空部長を有してもよい。
【0128】
動作ステップ1402では、混合アセンブリを容器内に配置してもよい。一実施例では、容器が円筒容器であってもよく、基部が円形基部であってもよい。本実施例では、混合アセンブリの整合皿は、円筒容器内に配置されるように寸法決めされたほぼ円形の基部を有してもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、整合皿は、整合シャフトが容器の基部の重心に位置するように、容器の基部内に配置されてもよい。
【0130】
動作1402では、外部駆動装置は、パドルアセンブリの細長中空部を介して、混合アセンブリに結合されてもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、外部駆動装置は、図12及び図13を参照して説明した一実施例に記載したように、パドルアセンブリの細長中空部と結合するためのソケット型端部を有するシャフトを備えてもよい。例えば、細長中空部を介して外部駆動装置を混合アセンブリに結合するステップは、外部駆動装置のソケット状シャフト端部を、細長中空部の結合端に嵌合するステップを含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、外部駆動装置は、図10及び図11を参照して説明した一実施例に記載したように、パドルアセンブリの細長中空部の結合端における凹部内に収容できるシャフト端部を有するシャフトを備えてもよい。いくつかの実施形態では、シャフト端部は、シャフト端部を細長中空部の凹部に実質的に空間的に位置合わせすることができない場合であっても、シャフト端部を細長中空部の凹部内に収容できるように、テーパ状先端部を有してもよい。例えば、細長中空部を介して外部駆動装置を混合アセンブリに結合するステップは、外部駆動装置のシャフト端部を細長中空部の凹状端部内に挿入するステップを含む。
【0133】
いくつかの上述の実施形態では、外部駆動装置又は細長中空部の特徴が、外部駆動装置の比較的容易な且つ遠隔の操作を促進してもよく、それにより、操作者が容器に接近せずとも、外部駆動装置を混合アセンブリに結合することができる。容器が有害廃棄物を含む可能性がある場合には、操作者が一定の距離から外部駆動装置を混合アセンブリに結合するようにできると、操作者の物理的安全性を保護するのに有益な場合がある。
【0134】
動作ステップ1406では、外部駆動装置は、容器内の混合アセンブリを回転させるために、回転トルクを付与してもよい。いくつかの実施形態では、容器内の混合アセンブリを回転させるステップは、パドルアセンブリを容器の基部と同心で回転させるステップを含む。すなわち、パドルアセンブリは、整合皿又は容器基部の中心又は重心の周りで回転されてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、混合動作が完了すると、操作者は、細長中空部を外部駆動操作から分離してもよい。いくつかの実施形態では、混合アセンブリは、混合アセンブリを混合材料と共に処分できるように、混合材料と共に容器内に残ったままでもよい。さらに、操作者は、貯蔵又は処分のために、容器の開口部に蓋を固定して、混合アセンブリ及び混合物質を収納してもよい。したがって、混合アセンブリは「犠牲的」又は使い捨てであってもよく、それにより、混合材料が容器の外側に広がる又は飛散する可能性を低減する。
【0136】
実施形態について詳細に説明してきたが、本明細書の範囲から逸脱することなく、様々な変形、置換、及び変更を本明細書において行うことができることを理解されたい。さらに、本開示の範囲は、本明細書に記載されているプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。
【0137】
当業者であれば、本明細書に記載した対応する実施形態に利用できるものとほぼ同じ機能を実行し、又はほぼ同じ結果を達成する、現時点で既存の、又は後に開発される、開示、プロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップから容易に理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法、又はステップを含むことが意図される。
【0138】
明細書は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は本発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示された要素のすべての可能な組み合わせを含むと考えられる。したがって、ある実施形態が要素A、B及びCを含み、第2の実施形態が要素B及びDを含む場合、本発明の主題は、明示的に開示されていなくても、A、B、C又はDの他の残りの組合せも含むと考えられる。
【0139】
理解され得るように、上記に記載されかつ例示された実施例は、例示的なものに過ぎないことが意図される。
【0140】
出願人は、記載された実施形態及び実施例が例示的かつ非限定的であることを注記する。特徴の実際の実装形態は、いくつかの又はすべての態様の組合せを組み込むことができ、また本明細書に記載する特徴は、将来の又は既存の製品計画の指標と見なされるべきではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】