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特表2023-520999条件ベースの保守のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】条件ベースの保守のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230516BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/00 511J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022559371
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2021057981
(87)【国際公開番号】W WO2021198093
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】20200386
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジュヴェ ヘゲベ, イェルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ファーゲルラン, イングヴァル
(72)【発明者】
【氏名】マトレ, ダーグ アルネ
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM57
3F022MM61
3F022QQ02
3F022QQ08
3F022QQ20
(57)【要約】
自動保管および回収システムの条件ベースの保守のためのシステムおよび方法であって、システムは、アイテムを保管するための保管コンテナを保管するための3次元保管グリッド構造を形成するレールシステムを伴う骨格構造であって、グリッド構造は、各々がレール間のアクセス開口部のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラムを形成し、レールシステムは、骨格構造上に配置され、レールシステムは、コンテナ取り扱い車両のための利用可能な経路を提供する、骨格構造と、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両であって、グリッド構造は、コンテナが荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両と、保管および回収システムの構成要素に対して保守を実施するための点検ステーションとを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動保管および回収システムの条件ベースの保守のためのシステムであって、前記システムは、
レールシステムを伴う骨格構造(100)であって、前記骨格構造(100)は、アイテムを保管するための保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成し、
前記グリッド構造(104)は、各々が前記骨格構造(100)上に配置された前記レールシステム(108)のレール間のアクセス開口部(112)のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラム(105)を形成し、
前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管コンテナ(106)を前記保管カラム(105)へ、およびそれから移送するコンテナ取り扱い車両(201)のための利用可能な経路を提供する、骨格構造(100)と、
少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)であって、前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱うための把持器の組を伴うコンテナ取り扱いプラットフォーム(500)を有し、
前記グリッド構造は、コンテナ(106)が荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)と、
前記保管および回収システム(1)の構成要素に対して保守を実施するための点検ステーション(502)と
を備え、
前記システムが、中央コンピュータシステム(503)と、点検実施計画マネージャ(507)とを備えていることをさらに特徴とし、
前記点検実施計画マネージャ(507)は、前記保管および回収システムの部品および構成要素にリンクされた条件ベースの情報を回収し、前記回収された条件ベースの情報を分析し、それに基づいて点検実施計画を生成し、条件ベースの保守が実施される前記点検ステーション(502)に前記点検実施計画を送信するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301、401)は、少なくとも1つの再充電可能電源(405)を有し、前記システムは、前記コンテナ取り扱い車両(201、301、401)の前記再充電可能電源を充電するための少なくとも1つの充電デバイスを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記保管および回収システム(1)は、前記条件ベースの情報を提供するために構成要素に取り付けられたセンサ(501)を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
グローバルコンピュータシステムを備え、前記グローバルコンピュータシステムは、各個々の保管および回収システムの前記中央コンピュータシステム、生産設備および試験設備、および点検業者から情報を収集し、分析し、各個々の保管および回収システムの前記中央コンピュータシステムに関連のある情報を返信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサ(501)は、温度センサおよび/または湿度センサを備えている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
点検センター(502)は、構成要素が故障した場合、データ記録を記録および記憶するように構成され、前記データ記録は、前記構成要素、その点検時間、および/または使用年数に関連する情報を備えている、請求項1、3、または5に記載のシステム。
【請求項7】
摩耗した構成要素を伴うコンテナ取り扱い車両(201、301、401)は、前記中央コンピュータシステムによって、前記構成要素条件に適するように、その速度、加速度、および減速度を適合させるように命じられる、請求項1-6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
コンテナ取り扱い車両(201、301)の前記コンテナ取り扱いプラットフォームは、センサ(501)を有し、前記センサ(501)は、保管コンテナ(106)が抵抗に遭遇している場合、または前記保管および回収システム(1)の保管コンテナカラム内で動けなくなっている場合を検出する、請求項1-7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
自動保管および回収システムの条件ベースの保守のための方法であって、
前記システムは、
レールシステムを伴う骨格構造(100)であって、前記骨格構造(100)は、アイテムを保管するための保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成し、
前記グリッド構造(104)は、各々が前記骨格構造(100)上に配置された前記レールシステム(108)のレール間のアクセス開口部(112)のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラム(105)を形成し、
前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管コンテナ(106)を前記保管カラム(105)へ、およびそれから移送するコンテナ取り扱い車両(201)のための利用可能な経路を提供する、骨格構造(100)と、
少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)であって、前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱うための把持器の組を伴うコンテナ取り扱いプラットフォーム(500)を有し、
前記グリッド構造は、コンテナ(106)が荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)と、
前記保管および回収システム(1)の構成要素に対して保守を実施するための点検ステーション(502)と
を備え、
前記方法は、
-前記保管および回収システムの構成要素の条件を監視するステップと、
-前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する情報を中央コンピュータシステムに送信するステップと、
-点検実施計画マネージャ(506)を使用し、前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する前記情報を分析するステップと、
-前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する前記分析された情報に基づいて、点検実施計画を生成するステップと、
-前記点検実施計画を少なくとも1つの点検ステーション(502)に送信するステップと、
-必要とされる場合、条件ベースの保守を実施するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記方法は、前記保管および回収システム(1)の構成要素を監視しているセンサ(601)から情報を集めることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記センサからの前記情報は、その点検時間および使用年数に関する情報とともに、前記保管および回収システムの前記構成要素の問題の登録を備えている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、摩耗した構成要素を有するコンテナ取り扱い車両(201、301、401)をタスクリスト上の要求があまり厳しくないタスクに割り振ることを含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記摩耗した構成要素の条件に適するように、摩耗した構成要素を伴うコンテナ取り扱い車両(201、301、401)の速度、加速度、および減速度を適合させること含む、請求項9-12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、コンテナ取り扱い車両(201、301)のコンテナ取り扱いプラットフォームの前記把持器要素にセンサ(501)を取り付けておくことを含み、前記センサ(501)は、保管コンテナ(106)が前記保管および回収システム(1)の保管コンテナカラム内で動けなくなっているときを検出する、請求項9-13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、生産設備および試験設備(504)からの情報を更新すること(608)と、前記更新された情報を前記中央コンピュータシステム(503)に送信することとを含む、請求項9-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、点検業者からの情報を更新すること(609)と、前記更新された情報を前記中央コンピュータシステム(503)に送信することとを含む、請求項9-15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの保管および回収のための自動保管および回収システムに関し、特に、インテリジェント保守システムのためのシステムおよび方法に関し、インテリジェント保守システムは、システムの部品の条件ベースの保守を使用する。
【背景技術】
【0002】
図1は、骨格構造100を伴う典型的な従来技術自動保管および回収システム1を開示し、図2および3は、そのようなシステム1上で動作するために好適な2つの異なる従来技術コンテナ取り扱い車両201、301を開示する。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102および水平部材103間に列をなして配置された保管カラム105を備えている保管容積とを備えている。これらの保管カラム105では、ビンとしても公知である保管コンテナ106が、互いの上にスタックされ、スタック107を形成する。部材102、103は、典型的に、金属、例えば、押し出しアルミニウムプロファイルから成り得る。
【0004】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横断して配置されたレールシステム108を備え、そのレールシステム108上で、複数のコンテナ取り扱い車両201、301が、保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させるために、保管コンテナ106をその中に降下させるために、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するためにも動作させられる。レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横断した第1の方向Xにおけるコンテナ取り扱い車両201、301の移動を誘導するように配置された平行レールの第1の組110と、第1の方向Xに対して直角である第2の方向Yにおけるコンテナ取り扱い車両201、301の移動を誘導するためのレールの第1の組110に対して直角に配置された平行レールの第2の組111とを備えている。カラム105内に保管されたコンテナ106が、コンテナ取り扱い車両によって、レールシステム108内のアクセス開口部112を通してアクセスされる。コンテナ取り扱い車両201、301は、保管カラム105の上方で側方に、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行である平面内で移動することができる。
【0005】
骨格構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの上昇中およびその中へのコンテナの降下中、保管コンテナを誘導するために使用され得る。コンテナ106のスタック107は、典型的に、自立型である。
【0006】
各従来技術コンテナ取り扱い車両201、301は、それぞれ、車体201a、301aと、X方向およびY方向におけるコンテナ取り扱い車両201、301の側方移動を可能にする車輪の第1および第2の組201b、301b、201c、301cとを備えている。図2および3では、各セット内の2つの車輪は、完全に可視である。車輪の第1の組201b、301bは、レールの第1の組110の2つの隣接するレールと係合するように配置され、車輪の第2の組201c、301cは、レールの第2の組111の2つの隣接するレールと係合するように配置される。車輪の組201b、301b、201c、301cのうちの少なくとも1つが、車輪の第1の組201b、301bおよび/または車輪の第2の組201c、301cが、どの時点においても、レールのそれぞれの組110、111と係合され得るように、持ち上げられることおよび降下させられることができる。
【0007】
各従来技術コンテナ取り扱い車両201、301は、保管コンテナ106の垂直輸送、例えば、保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させ、それを保管カラム105の中に降下させるための昇降デバイス(図示せず)も備えている。昇降デバイスは、保管コンテナ106に係合するように適合された1つ以上の把持/係合デバイスを備え、その把持/係合デバイスは、車両201、301から降下させられることができ、それによって、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zにおいて調節されることができる。コンテナ取り扱い車両301の把持デバイスの一部が、図3に示され、参照番号304とともに示される。コンテナ取り扱いデバイス201の把持デバイスが、図2の車体301a内に位置する。
【0008】
従来のように、本願の目的のためにも、Z=1は、保管コンテナの最上層、すなわち、レールシステム108の直下にある層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別する等。図1に開示される例示的従来技術では、Z=8が、保管コンテナの最下底部層を識別する。同様に、X=1・・・nおよびY=1・・・nは、水平面における各保管カラム105の位置を識別する。その結果、例として、かつ図1に示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、図1において106’として識別される保管コンテナは、保管位置X=10、Y=2、Z=3を占有すると言え得る。コンテナ取り扱い車両201、301は、層Z=0内を走行すると言え得、各保管カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
骨格構造100の保管容積は、多くの場合、グリッド104と称されており、このグリッド内の可能な保管位置は、保管セルと称される。各保管カラムは、XおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各従来技術コンテナ取り扱い車両201、301は、レールシステム108を横断して保管コンテナ106を輸送するとき、保管コンテナ106を受け取り、収容するための保管コンパートメントまたは空間を備えている。保管空間は、図2に示されるように、かつ例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、車体201a内の中心に配置された空洞を備え得る。
【0011】
図3は、片持ち梁構造物を伴うコンテナ取り扱い車両301の代替構成を示す。そのような車両は、例えば、第NO317366号(その内容も、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳細に説明される。
【0012】
図2に示される中心空洞コンテナ取り扱い車両201は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、概して、保管カラム105の側方範囲に等しいXおよびY方向における寸法を伴うエリアを覆う占有面積を有し得る。本明細書で使用される用語「側方」は、「水平」を意味し得る。
【0013】
代替として、中心空洞コンテナ取り扱い車両101は、例えば、第WO2014/090684A1号に開示されるように、保管カラム105によって画定される側方面積より大きい占有面積を有し得る。
【0014】
レールシステム108は、典型的に、車両の車輪が走行する溝を伴うレールを備えている。代替として、レールは、上向きに突出する要素を備え得、車両の車輪は、脱線を防止するためのフランジを備えている。これらの溝および上向きに突出する要素は、集合的に、軌道として公知である。各レールは、1つの軌道を備え得るか、または、各レールは、2つの平行な軌道を備え得る。
【0015】
第WO2018146304号(特許文献1)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、レールと、X方向およびY方向の両方における平行軌道とを備えているレールシステム108の典型的構成を図示する。
【0016】
第WO 2019/238702号(特許文献2)は、アイテムを保管するためのコンテナを保管するための3次元保管グリッドを形成するレールシステムを伴う骨格構造を備えている自動保管および回収システムを開示し、グリッド構造は、各々が骨格構造上に配置されたレールシステムのレール間のアクセス開口部のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラムを形成し、レールシステムは、保管カラムへの保管コンテナ、および、それからの保管コンテナを取り扱い、移送するコンテナ取り扱い車両のための利用可能な経路を提供する。
【0017】
第US2014/207726号(特許文献3)は、エンジンの技術的条件に応じたヘリコプタエンジンの保守、エンジン間の部品の標準的交換、および異なる部品との部品の交換を推奨するためのシステムを表す。
【0018】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。図1では、カラム119および120は、保管コンテナ106が、保管コンテナ106が骨格構造100の外側からアクセスされるまたは骨格構造100の外またはその中に移送され得るアクセスステーション(図示せず)に輸送され得るように、それらを荷降ろしする、および/または荷積みするためのコンテナ取り扱い車両201、301によって使用されるそのような特殊目的カラムである。当技術分野内では、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置するカラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、水平、斜め、および/または垂直である任意の方向におけるものであり得る。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に設置され、次いで、任意のコンテナ取り扱い車両によって荷積みされ、アクセスステーションへのさらなる輸送のために、ポートカラム119、120に輸送され得る。用語「斜め」が、水平と垂直との間のある一般的な輸送向きを有する保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0019】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取り扱い車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を荷降ろしし得る専用の荷降ろしポートカラムであり得、第2のポートカラム120は、コンテナ取り扱い車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されている保管コンテナ106を荷積みし得る専用の荷積みポートカラムであり得る。
【0020】
アクセスステーションは、典型的に、製品アイテムが保管コンテナ106から除去されるか、または、その中に位置付けられる、ピッキングステーションまたは備蓄ステーションであり得る。ピッキングステーションまたは備蓄ステーションでは、保管コンテナ106は、通常、自動保管および回収システム1から除去されないが、アクセスされると、再度骨格構造100の中に戻される。ポートは、保管コンテナを別の保管設備に(例えば、別の骨格構造に、または別の自動保管および回収システムに)、輸送車両(例えば、電車または大型トラック)に、または生産設備に移送するためにも、使用されることができる。
【0021】
コンベヤを備えているコンベヤシステムが、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために採用される。
【0022】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが、異なるレベルに位置する場合、コンベヤシステムは、保管コンテナ106をポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で垂直に輸送するための垂直コンポーネントを伴う昇降デバイスを備え得る。
【0023】
コンベヤシステムは、例えば、第WO2014/075937A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような異なる骨格構造間で保管コンテナ106を移送するために配置され得る。
【0024】
図1に開示されるカラム105のうちの1つの中に保管される保管コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナ取り扱い車両201、301のうちの1つが、標的保管コンテナ106をその位置から回収し、それを荷降ろしポートカラム119に輸送するように命令される。この動作は、コンテナ取り扱い車両201、301を標的保管コンテナ106が位置付けられる保管カラム105の上方の場所に移動させ、コンテナ取り扱い車両201、301の昇降デバイス(図示せず)を使用して、保管コンテナ106を保管カラム105から回収し、保管コンテナ106を荷降ろしポートカラム119に輸送することを伴う。標的保管コンテナ106が、スタック107内の深くに位置する場合、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が標的保管コンテナ106の上方に位置付けられた状態である場合、動作は、標的保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げることに先立って、上方に位置付けられる保管コンテナを一時的に移動させることも伴う。時として、当技術分野内では「掘出」と称されるこのステップは、続いて、標的保管コンテナを荷降ろしポートカラム119に輸送するために使用される同じコンテナ取り扱い車両を用いて、または、1つまたは複数の他の協働するコンテナ取り扱い車両を用いて、実施され得る。代替として、または加えて、自動保管および回収システム1は、保管コンテナを保管カラム105から一時的に除去するタスクに特に専用のコンテナ取り扱い車両を有し得る。標的保管コンテナ106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナは、元の保管カラム105の中に再度位置付けられることができる。しかしながら、除去された保管コンテナは、代替として、他の保管カラムに位置変更され得る。
【0025】
保管コンテナ106がカラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ取り扱い車両201、301のうちの1つが、保管コンテナ106を荷積みポートカラム120から荷積みし、それをそれが保管されるべき保管カラム105の上方の場所に輸送するように命令される。保管カラムスタック107内の標的位置またはその上方に位置付けられる任意の保管コンテナが除去された後、コンテナ取り扱い車両201、301は、保管コンテナ106を所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナは、次いで、保管カラム105の中に戻るように降下させられるか、または、他の保管カラムに位置変更され得る。
【0026】
自動保管および回収システム1を監視および制御するために、例えば、所望の保管コンテナ106が、コンテナ取り扱い車両201、301が互いに衝突することなく、所望の時間に所望の場所に送達され得るように、骨格構造100内のそれぞれの保管コンテナ106の場所、各保管コンテナ106の内容物、およびコンテナ取り扱い車両201、301の移動を監視および制御するために、自動保管および回収システム1は、典型的に、コンピュータ化され、典型的に、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを備えている制御システム500を備えている。
【0027】
この解決策の問題は、例えば、コンテナ取り扱い車両が、グリッド上でタスクを実施している間に故障した場合、コンテナ取り扱い車両が保守点検されている間、グリッド全体が停止させられる必要があるので、甚大な問題を引き起こすことである。これは、保管システムの異なる部品の全てに関して同じである。保管システムの部品または構成要素が故障した場合、結果は、それが保管システムの動作の遅延を引き起こすので、システム全体に関して大きい。そして、数百台のコンテナ取り扱い車両を伴う保管システムを有する場合、1時間にわたる動作の停止は、多額の金銭損失となる。
【0028】
したがって、上で述べられる問題を解決することが、本発明の目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】国際公開第2018/146304号
【特許文献2】国際公開第2019/238702号
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/207726号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、独立請求項において述べられ、特徴付けられる一方、従属請求項は、本発明の他の特性を説明する。
【0031】
一側面では、本発明は、自動保管および回収システムの条件ベースの保守のためのシステムを提供し、システムは、アイテムを保管するための保管コンテナを保管するための3次元保管グリッド構造を形成するレールシステムを伴う骨格構造であって、グリッド構造は、各々が骨格構造上に配置されたレールシステムのレール間のアクセス開口部のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラムを形成し、レールシステムは、保管カラムへ、およびそれから保管コンテナを取り扱い、移送するコンテナ取り扱い車両のための利用可能な経路を提供する、骨格構造と、保管コンテナを取り扱うための把持器の組を伴うコンテナ取り扱いプラットフォームを有する少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両であって、グリッド構造は、コンテナが荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両と、保管および回収システムの構成要素に対して保守を実施するための点検ステーションとを備え、中央コンピュータシステムと、保管および回収システムの部品および構成要素にリンクされた条件ベースの情報を回収し、回収された条件ベースの情報を分析し、それに基づいて点検実施計画を生成し、点検ステーションに点検実施計画を送信するように構成された点検実施計画マネージャとをさらに備えている。
【0032】
したがって、上記目的に対する解決策は、システムの異なる部品の条件について可能な限り多くの情報を集め、この情報を点検または他の保守の必要性があるときを予測するために使用することである。システムの部品および構成要素が定期的に修復および維持される場合、保管システムは、故障するロボットに起因して部分的または全面的に停止させられる必要はなくなり、経済的損失が、かなりより少なくなる。システムは、したがって、持続的な監督によってだけではなく、システムの各構成要素に関する、および/または多くの異なるソースからの情報を集めることにもよって、多くの異なるソースから情報を集める必要がある、
【0033】
システムは、各個々の保管および回収システムの中央コンピュータシステム、生産設備および試験設備、および点検業者から情報を収集し、分析し、各個々の保管および回収システムの中央コンピュータシステムに関連のある情報を返信するように構成されたグローバルコンピュータシステムを備えている。
【0034】
したがって、さらに、保管システムは、条件ベースの情報を提供するために構成要素に取り付けられたセンサを備え得る。センサは、温度センサおよび/または湿度センサを含み得る。センサは、負荷センサを含み得る。センサは、移動センサを含み得る。
【0035】
点検センターは、構成要素が故障した場合、データ記録を記録および記憶するように構成され得、データ記録は、構成要素、その点検時間、および/または使用年数に関連する情報を含む。
【0036】
摩耗した構成要素を伴うコンテナ取り扱い車両は、中央コンピュータシステムによって、構成要素条件に適するように、その速度、加速度、および減速度を適合させるようにも命じられ得る。例えば、これは、その最高速度を低減させるように、その平均速度を低減させるように、その加速度を低減させるように、および/またはその減速度を低減させるように命じられ得る。コンテナ取り扱い車両上のコンテナ取り扱いプラットフォームは、保管コンテナが大きい抵抗を受けている場合、または保管システムの保管コンテナカラム内で動けなくなっている場合を検出するためのセンサを有する。コンテナ取り扱い車両が抵抗の増加に遭遇している場所、または保管カラム内で動けなくなっている場所の位置詳細が、中央コンピュータシステムおよび/または点検実施計画マネージャにフィードバックされ得る。
【0037】
少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両は、少なくとも1つの再充電可能電源を有し得る。自動保管および回収システムは、コンテナ取り扱い車両の再充電可能電源を充電するための少なくとも1つの充電デバイスを備え得る。
【0038】
本発明の第2の側面は、自動保管および回収システムの条件ベースの保守のための方法を対象とし、システムは、アイテムを保管するための保管コンテナを保管するための3次元保管グリッド構造を形成するレールシステムを伴う骨格構造であって、グリッド構造は、各々が、骨格構造上に配置されたレールシステムのレール間のアクセス開口部のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラムを形成し、レールシステムは、保管カラムへ、およびそれから保管コンテナを取り扱い、移送するコンテナ取り扱い車両のための利用可能な経路を提供する、骨格構造と、保管コンテナを取り扱うための把持器の組を伴うコンテナ取り扱いプラットフォームを有する少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両であって、グリッド構造は、コンテナが荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両と、保管および回収システムの構成要素に対して保守を実施するための点検ステーションとを備え、方法は、以下のステップ:保管および回収システムの構成要素の条件を監視するステップと、保管および回収システムの構成要素の条件に関する情報を中央コンピュータシステムに送信するステップと、点検実施計画マネージャを使用し、保管および回収システムの構成要素の条件に関する情報を分析するステップと、保管および回収システムの構成要素の条件に関する分析された情報に基づいて、点検実施計画を生成するステップと、点検実施計画を条件ベースの保守が実施される、少なくとも1つの点検ステーションに送信するステップとを含む。
【0039】
さらに、方法は、保管および回収システムの構成要素を監視しているセンサから情報を集めることを含み得る。センサからの情報は、その点検時間および使用年数に関する情報とともに、保管および回収システムの構成要素の問題の登録を含み得る。
【0040】
方法は、摩耗した構成要素を有するコンテナ取り扱い車両をタスクリスト上の要求があまり厳しくないタスクに割り振ることも含み得る。コンテナ取り扱い車両は、摩耗した構成要素の条件に適するように、摩耗した構成要素を伴うコンテナ取り扱い車両の速度、加速度、および/または減速度を適合させるように命令され得る。例えば、それは、その最高速度を低減させるように、その平均速度を低減させるように、その加速度を低減させるように、および/またはその減速度を低減させるように命じられ得る。
【0041】
保管コンテナが大きな抵抗に遭遇したとき、または保管および回収システムの保管コンテナカラム内で動けないときを検出するためのコンテナ取り扱い車両のコンテナ取り扱いプラットフォーム上の把持器要素に取り付けるセンサを有する実施形態では、保管コンテナが有意な抵抗に遭遇した場所、または動けなくなった場所の位置に関する情報が、中央コンピュータシステムおよび/または点検実施計画マネージャにフィードバックされることができる。生産設備および試験設備からの情報が、更新され、中央コンピュータシステに送信されることができる。点検業者からの情報が、更新され、中央コンピュータシステムに送信されることができる。
【0042】
これを行うことによって、本発明は、少なくとも、好ましい実施形態では、情報が多くの異なるリソースから集められ、情報が、保管および回収システムの異なる部品の材料および構成の意図しない故障を防止するという唯一の意図を伴って点検実施計画を生成するために使用されるシステムを説明する。
【0043】
ここでの意図は、予防的であり、かつ最小限のリスクを伴って全ての構成要素の有用性を最大化することである。この解決策は、問題が大きくなる前にそれらを捉えることである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために添付される。図面は、ここで例のみとして説明されるであろう本発明の実施形態を示す。
【0045】
図1図1は、従来技術自動保管および回収システムの3次元保管グリッド構造の斜視図である。
図2図2は、保管コンテナをその中で運搬するための中心に配置された空洞を有する従来技術コンテナ取り扱い車両の斜視図である。
図3図3は、保管コンテナを真下で運搬するための片持ち梁を有する従来技術コンテナ取り扱い車両の斜視図である。
図4図4は、コンテナ取り扱い車両が、その上でコンテナを運搬し得るコンテナ取り扱い車両の形態にある従来技術コンテナ取り扱い車両の斜視図である。
図5図5は、システムのアクティブな部品が表示されるシステムおよびそれらが協働する方法のある実施形態のボックス図である。
図6図6は、本発明のある実施形態の例示的なステップ毎のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下において、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面が、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図していないことを理解されたい。
【0047】
自動保管および回収システム1の3次元保管グリッド構造(104)を形成するレールシステムを伴う骨格構造(100)は、図1-4に関連して上で説明される従来技術骨格構造100、すなわち、いくつかの直立部材102、および直立部材102によって支持されたいくつかの水平部材103に従って構築され、さらに、骨格構造100は、X方向およびY方向における第1の上側レールシステム108を備えている。
【0048】
骨格構造100は、部材102および103間に提供される保管カラム105の形態にある保管コンパートメントをさらに備え、保管コンテナ106は、保管カラム105内のスタック107においてスタック可能である。
【0049】
骨格構造100は、任意のサイズであることができる。特に、骨格構造が、図1に開示されるものより大幅に広い、および/または長い、および/または深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個より多いカラムの水平範囲と、12個より多いコンテナの保管深度とを有し得る。
【0050】
図2-4では、異なるコンテナ取り扱い車両が示され、図2では、中心空洞解決策を伴うコンテナ取り扱い車両が、示される。ここでは、コンテナは、コンテナ取り扱い車両内の中心空洞の中で運搬される。
【0051】
図3では、片持ち支持解決策を伴うコンテナ取り扱い車両が、示される。ここでは、コンテナは、コンテナ取り扱い車両の主本体に隣接して据えられた昇降フレームによって運搬される。
【0052】
図4では、コンテナが送達車両の上で運搬されるコンテナ取り扱い車両である送達車両の形態にあるコンテナ取り扱い車両が、示される。
【0053】
全ての車両は、8つの車輪、すなわち、車両をX方向に移動させるための4つと、車両をY方向に移動させるための4つとを有する。
【0054】
図5は、本発明のある実施形態のボックス図であり、システムのアクティブな部品が、表示され、それらが接続される方法が、示される。
【0055】
保管および回収システムは、その全体として、システムを動作させるために協働する複数の異なる部品と、構成要素とから成る。これらの部品および構成要素のうちのいくつかは、それらが可動部品であること、またはそれらが歪みおよび温度変化のいずれかを受けることに起因して、摩耗および損耗を受ける。そのような部品または構成要素の例は、コンテナ取り扱い車両上の可動部品(車輪、および、車輪を持ち上げ、それらの移動を制御する部品のような)である。コンテナ取り扱い車両の昇降プラットフォーム内の構成要素も。
【0056】
さらに、ポートおよび荷積みステーションの可動部品に取り付けられたセンサ501が、あり得、荷積みステーションにおいて、コンテナ取り扱い車両は、コンテナを送達し、コンテナ内のアイテムが、さらなる流通のために荷積みされる。センサ501は、異なる保管グリッドを互いから分離し、グリッドの部品を保管グリッドの他の部品から分離する障壁内に提供されることができ、センサ501は、構成要素の状態を監視するためのものである。
【0057】
構成要素または部品の状態を追跡するために、センサ501が、部品または構成要素が劣化の兆候を示すかどうかを登録するために、それらの上に、またはそれらに関連して設置されることができる。部品または構成要素が、劣化の兆候を示す場合、センサはその情報を登録し、それを前方に、すなわち、この状況において行うべきことを決定し得るローカル点検システムまたは中央コンピュータシステム503に伝送する。
【0058】
使用され得るセンサ501の例は、構成要素からの熱の異常な発生が存在するかどうかをチェックするために構成要素の温度を測定し得る温度センサ501である。構成要素内に任意の異常な移動が存在するかどうかをチェックするために、構成要素に取り付けられた加速度計も、存在し得る。異常な移動は、例えば、構成要素が振動していることであり得る。システムの部品のエネルギー消費も、監視されることができる。通常より高いエネルギー消費は、構成要素に異常があることの信号であることができる。センサ501は、部品または構成要素が発している音を測定するマイクロホンであることもできる。部品または構成要素が動作している速度も、センサによって測定されることができる。
【0059】
本発明のある実施形態では、センサ501は、点検ステーション502、例えば、現場にあり、レールシステムと接続されたローカル点検ステーションにそれらの情報を送信する。ローカル点検ステーション502は、システムの全ての保守が管理され、部品および構成要素の条件に関する情報が記憶される場所であることができる。記憶される情報は、センサ501から伝送される情報であり得、それは、保管および回収システム上で行われる修復中に集められる情報であり得る。ローカル点検ステーション502は、情報を記憶し、構成要素の摩耗および損耗を追跡する。ローカル点検ステーション502は、集められた情報を中央コンピュータシステム503に通信する。本実施形態は、中央コンピュータシステム503と別個であり、ローカル点検ステーション502から管理される点検および保守コンピュータシステムを有する。
【0060】
本発明の代替実施形態では、センサ501から伝送された情報の全ては、中央コンピュータシステム503に伝送されることができる。本解決法では、中央コンピュータシステム503は、その保管および回収システムから全ての情報を集め、保管および回収システムの構成要素および部品の条件に加えて、行われる必要がある全ての保守を追跡する。本実施形態では、点検および保守システム全体が、中央コンピュータシステム503の一部である。
【0061】
条件ベースの情報は、少なくとも1つの保管および回収システムの構成要素および部品を監視するセンサ501から集められる情報である。さらに、それは、システムの構成要素上に見られる摩耗および損耗に関する点検提供者から集められた情報を含む。また、条件ベースの情報は、生産および試験504部門から集められた情報である。この情報は、機器の試験および調査中に構成要素および部品上で発見された設計または生産欠陥であり得る。そのような情報の例は、回路基板のバッチ等の問題であり得る。この情報は、特定の部品または構成要素を使用する保管および回収システムに配信されることができ、点検実施計画マネージャ506は、点検実施計画を作成しているときにこの情報を考慮することができる。
【0062】
中央コンピュータシステム503は、グローバルコンピュータシステム507上に送信するべき情報を決定する。他の保管および回収システムに関心のあり得る情報がグローバルコンピュータシステム507に伝達されることができる一方、特定の保管および回収システムに固有である発生または条件に起因する動作不良を説明する情報は、グローバルコンピュータシステム507に伝送されないこともある。通常は伝達されない情報は、衝突に起因するコンテナ取り扱い車上の部品または構成要素に対する損傷であり得るまたはこれは、人的過誤に起因する損傷であり得る。対照的に、グローバルコンピュータシステム507に伝達される情報は、他の保管および回収システムが関心のある部品および構成要素に対する点検を予測し得る点検実施計画を展開することに役立ち得る情報である。関心情報の例は、構成要素の使用年数の記録、構成要素の点検時間、それが動作していた条件であり、構成要素が摩耗および損耗の兆候を示し始めたとき、または、それが故障した場合、この情報を伝送する。この情報は、グローバルコンピュータシステム507が、部品または構成要素の寿命期間を予測し、グリッド上のコンテナ取り扱い車両または保管および回収システムの他の構成要素の複雑化および高価な破損を回避するために部品が点検保守される必要があるときを保管および回収システムに通知することに役立つことができる。
【0063】
グローバルコンピュータシステム507は、それらの評価および計算を基づかせるための可能な限り多くの基盤を有するために、複数の保管および回収システムから情報を集める。情報は、構成要素または部品のタイプ、問題のタイプに関する情報、構成要素または部品の使用年数、構成要素の点検時間、および、それが動作してきた条件、および関心のあり得る任意の他の情報である。
【0064】
この情報に基づいて、グローバルコンピュータシステム507は、構成要素上の摩耗および損耗に関する傾向を発見することができる。これらの傾向は、部品または構成要素が点検保守または変更を必要としているときを示すことに役立つ。
【0065】
評価は、問題を有し得る構成要素、そうではない構成要素、および、それらが摩耗および損耗において見られる傾向があるかどうかを決定するためのものである。
【0066】
さらに、グローバルコンピュータセンターは、生産および試験504から情報を受信する。生産および試験504は、構成要素の性能および耐久性に影響を及ぼす設計欠陥等の情報を提供することができる。例えば、欠陥のある回路基板が存在する場合、バッチ番号および他の関心情報が、生産および試験504部門によって収集されることもできる。
【0067】
グローバルコンピュータシステム507は、修復または変更されている構成要素に関する情報も変更されたときおよび場所とともに、点検業者505から受信する。
【0068】
集められた情報は、構成要素の問題に関してあきらかである任意の傾向が存在するかどうかを見出すために、グローバルコンピュータシステム507によって分析される。分析の結果が、保管および回収システムの中央コンピュータシステム503に送信される。
【0069】
中央コンピュータシステム503は、グローバルコンピュータシステム507から送信された情報に基づいて、情報をその点検実施計画マネージャ506に伝達することができる。点検実施計画マネージャ506は、中央コンピュータシステム503の一部であることができるか、または、それは、別個の点検システムの一部であることができ、それは、保管および回収システムを制御し、動作させる全ての他のシステムから独立した、別個の独立型システムであることさえ可能である。点検実施計画マネージャ506は、その情報に基づいて点検実施計画を生成する。
【0070】
点検実施計画は、保管グリッドの部品および構成要素が保守点検されるべきときを制御する。点検実施計画マネージャ506は、定期的に、新しい情報で更新され、故に、点検実施計画も、保守点検および変更される必要があるものに関する新しい情報で更新される。
【0071】
摩耗および損耗の兆候を示す構成要素または部品を保守点検または変更するための代替策として、摩耗した構成要素およびそれが取り付けられた機器が、例えば、構成要素または部品上により少ない負荷を及ぼすために低減させられた稼働速度で稼働するように命じられることができる。例えば、コンテナ取り扱い車両は、低減させられた速度で動作するように、またはより少ない重量を運搬するように、または、よりゆっくりと加速または減速するように命じられることができる。これは、寿命および経済の両方を念頭に置いた、構成要素または部品の最良の使用を確実にする。
【0072】
これに加えて、建物の内側の温度および湿度を監視するために、保管および回収システムを収容する建物の内側周辺に取り付けられるセンサ501が、存在することができる。これは、構成要素のより多くの摩耗および損耗を引き起こすある温度または湿度範囲が存在するかどうかをシステムが監視することを可能にする。
【0073】
図6は、本発明のある実施形態の例示的なステップ毎のプロセスのフローチャートである。
【0074】
センサ501は、構成要素の条件に関する情報を伝送する。この情報は、構成要素の保管および回収システムの一部である中央コンピュータシステム503またはローカル点検ステーション502のいずれかに伝送される。
【0075】
異常がある場合、部品が、低減させられた能力で動作し続け得るか、またはそうでないかが、評価される。該当しない場合、構成要素または部品は、保守点検または変更される。
【0076】
中央コンピュータシステム503またはローカル点検ステーション502は、情報を分析し、それをグローバルデータベースに送信する。グローバルデータベースは、複数の異なる保管および回収システムから情報を収集する。さらに、情報は、生産および試験504設備からも、または保管および回収システムに対する修復および保守を取り扱う点検業者505からも集められる。
【0077】
グローバルデータベースは、この情報を全て集め、それを分析する。この分析に基づいて、異なる構成要素に関する情報が、中央コンピュータシステム503またはローカル点検ステーション502に返信される。中央コンピュータシステム503またはローカル点検ステーション502は、情報を分析し、その情報に基づいて点検実施計画を生成する点検実施計画マネージャ506に送信する。点検実施計画は、中央コンピュータシステム503またはローカル点検ステーション502に送信される。
【0078】
点検実施計画は、変更するべき構成要素、および保守点検するべき構成要素、およびそれを行うときに関する情報を含む。
【0079】
点検実施計画は、センサ501および生産および試験504設備および点検業者505からの情報が定期的にシステム内にフィードされるので、定期的に更新される。
【0080】
代替解決策では、センサ501およびローカル点検ステーション502から集められた情報が、ローカルで分析されることができ、点検業者505および生産および試験504設備からの情報が、各保管および回収システム内にフィードされる。点検実施計画マネージャ506は、次いで、それが監視している保管および回収システムから集められた情報から点検実施計画を生成する。他のシステムからの情報は、点検実施計画のための基礎として使用されないか、または、概して使用されない。
【0081】
本発明はまた、グリッドの条件を推定するためにも使用されることができる。グリッドは、各個々のカラムレベルまで辿って推定されることができる。カラムのうちの1つに問題が存在する場合、これは、当該カラムのための条件推定値内に示されるであろう。システムは、この情報をコンテナ取り扱い車両上の摩耗および損耗を低減させるために使用することができる。使用され得る代替コンテナが存在する場合、コンテナ取り扱い車両は、代替コンテナを得るように送信されることができる。代替コンテナが存在しない場合、コンテナ取り扱い車両は、コンテナが持ち上げられている速度を低減させるように命じられることができる。問題を示すカラムまたは一連のカラムが存在する場合、コンテナ取り扱い車両は、影響を及ぼされるカラムの周囲に進むように指示されることができるか、または、それらは、影響を及ぼされるエリア内で駆動するとき、低減させられた速度を使用するように命じられることができる。
【0082】
コンテナは、多くの摩耗および損耗を受ける。それらが持ち上げられ、カラムの中に降下させられるとき、多くの摩耗および損耗が、存在し、それらも、カラム内で互いの上にスタックされるので、多くの静圧力を受ける。コンテナの内容物も、コンテナが取り扱われているときのコンテナ内のアイテムの移動に起因して、問題になり得る。コンテナの問題が存在することが示される場合、システムは、可能である場合、代替コンテナを選定することができる。コンテナの条件が、良好から不良に急変した場合、システムは、コンテナの検査を示すことができる。これは、コンテナ取り扱い車両上に搭載されるカメラを介して行われることができる。代替として、コンテナは、オペレータによる検査のためにポートに送られることができる。さらに、当該コンテナが、それが移動させられる回数を低減させるために、殆ど活動がないエリア内に設置されることさえできる。不良のコンテナが、あまり使用されていないカラムの上に設置されることができる。いくつかの不良のコンテナを自動保管および回収システムの効率に関して不良のコンテナが有する影響を最小化するために1つのエリア内に設置することも、可能である。
【0083】
ポートが問題を有することが示される場合、中央コンピュータシステムは、問題を示すポートの作業負荷量を低減させることができる。
【0084】
通信システムも、監視されることもできる。多くの不正確な伝送に起因する通信不良が存在するエリアが登録された場合、点検システムは、そのエリア内の通信機器が誤動作しており、保守点検または変更されることのいずれかを必要としていることを示すことができる。これは、自動保管および回収システムのその部分内における無線通信を中断させるものが存在するという指示であることもできる。条件ベースの推定を使用することによって、無線の問題に対処することが、可能である。
【0085】
さらに充電器が、監視されることができ、充電器が、例えば、コンテナ取り扱い車両のバッテリを充電するためにより長い時間を使用する場合のような、劣化した性能の指示を示す場合、条件ベースの保守が、保守の必要性を示すために使用されることができる。充電器では、充電器が完全な有効性に至るまで充電しない理由が、フィルタ内の埃であり得る。
【0086】
さらに、充電器は、接続点を有する。コンテナ取り扱い車両は、それらがそのバッテリを再充電する必要がある場合、これらの接続点に取り付ける。それらが充電を終了したとき、それらは、接続点からそれ自体を取り外す。充電ステーションおよびコンテナ取り扱い車両の両方は、充電するときに接続する接続点を有する。コンテナ取り扱い車両は、充電ステーションに取り付けることまたは取り外すことを行うように操縦するために、電気モータからの電力を使用する。1日中、いくつかのコンテナ取り扱い車両の充電ステーションへの取り付けおよびそれからの取り外しは、最終的に、充電ポイントの摩耗を引き起こすであろう。コンテナ取り扱い車両の接続点および充電器の接続点の両方は、摩耗にさらされる。しかしながら、通常、充電器より多くのコンテナ取り扱い車両が、存在するので、コンテナ取り扱い車両より充電器上に多くの摩耗が存在する。
【0087】
コンテナ取り扱い車両または充電器上の接続点のいずれかが、それらが変更される必要がある点まで摩耗しているかどうかをチェックする方法が、存在する。コンテナ取り扱い車両は、充電器から取り外すために必要とされる電力およびトルクの量を測定することができる。コンテナ取り扱い車両が、あらかじめ設定された閾値レベルを超えて電力またはトルクを使用する必要がある場合、コンテナ取り扱い車両は、それが、変更される必要がある充電器上の接続点またはコンテナ取り扱い車両の接続点であるかどうかを決定するために、異なる充電器に取り付けられ、それから取り外されることを試すことができる。
【0088】
コンテナ取り扱い車両は、次いで、中央コンピュータシステムに、コンテナ取り扱い車両の接続点が変更される必要があるかどうか、または充電器の接続点のうちの1つが変更される必要があるかどうかの情報を与えることができる。こ解決法は、システムが充電器およびコンテナ取り扱い車両の両方の接続点の持続的な監督を有することを可能にする。
【0089】
バッテリ上のセンサが、バッテリの充電容量が低下していることを示すことができる。例は、バッテリが、完全に充電されることが可能ではないこと、または充電レベルが、使用中に急激に降下することであり得る。クリスマスおよびブラックフライデーのような繁忙期間中、バッテリの低減させられた効果が、保管および回収システムの全面的性能全てに大幅に影響を及ぼすであろう。
【0090】
保管および回収システムは、膨大な量のデータを処理し、通常のコンピュータシステムが捉えることが可能ではない接続を捉えるために機械学習を使用することができる。
【0091】
ローカルコンピュータシステムは、故障または低下した容量またはコンテナ取り扱い車両間の衝突のリスクを低減させるために、使用される保管および回収システムのコンテナ取り扱い車両または他の部品を制御することができる。さらに、グリッド構造の問題が存在する場合、問題を伴うグリッド構造の部分が、グリッドがさらに破壊されないことを確実にするために、停止させること、または遮断されることができる。
【0092】
コンテナ取り扱い車両が保守を必要としている場合、コンテナ取り扱い車両は、保守エリアに進む前にスペア部品を伴うコンテナを回収することが命じられることもできる。保守を必要とする2つ以上のコンテナ取り扱い車両が存在する場合、コンテナ取り扱い車両のうちの1つが、保守エリアに送られる前、スペア部品を伴うコンテナを得るために使用されることができる。
【0093】
前の説明では、本発明による、送達車両および自動保管および回収システムの種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。解説の目的のために、具体的な数値、システム、および構成が、システムおよびその作用の徹底的な理解を提供するために記載された。しかしながら、この説明は、限定的意味で解釈されることを意図していない。開示される主題が関連する当業者に明白である例証的実施形態の種々の修正および変形例、およびシステムの他の実施形態が、本発明の範囲内に存在すると見なされる。
【0094】
(参照番号のリスト)
【表1】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
件ベースの保守のためのシステムであって、前記システムは、自動保管および回収システムを備え、前記自動保管および回収システムは、
レールシステムを伴う骨格構造(100)であって、前記骨格構造(100)は、アイテムを保管するための保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成し、
前記グリッド構造(104)は、各々が前記骨格構造(100)上に配置された前記レールシステム(108)のレール間のアクセス開口部(112)のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラム(105)を形成し、
前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管コンテナ(106)を前記保管カラム(105)へ、およびそれから移送するコンテナ取り扱い車両(201)のための利用可能な経路を提供する、骨格構造(100)と、
少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)であって、前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱うための把持器の組を伴うコンテナ取り扱いプラットフォーム(500)を有し、
前記グリッド構造は、コンテナ(106)が荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)と、前記保管および回収システム(1)の構成要素に対して保守を実施するための点検ステーション(502)と
を備え、
前記保管および回収システムシステムが、
前記保管および回収システムの部品および構成要素にリンクされた条件ベースの情報を提供するために前記保管および回収システムの構成要素に取り付けられるように構成されている複数のセンサ(501)と、
点検実施計画マネージャ(507)と
を備えていることをさらに特徴とし、
前記点検実施計画マネージャは、前記複数のセンサから条件ベースの情報を回収し、前記保管および回収システムの部品および構成要素にリンクされた前記条件ベースの情報に基づいて点検実施計画を作成し、条件ベースのメンテナンスが実行される場所のローカル点検ステーション(502)に前記点検実施計画送信するように構成され、
前記システムは、中央コンピュータシステム(503)をさらに備え、
前記中央コンピュータシステム(503)は、前記複数のセンサから条件ベースの情報を受信し、前記条件ベースの保守のためのシステムの一部であるグローバルコンピュータシステムに送信すべき情報を決定するように構成され、前記中央コンピュータシステムは、他の保管および回収システムが関心のあり得る情報のみをさらに送信、
前記グローバルコンピュータシステムは、前記中央コンピュータシステムから前記条件ベースの情報を受信し、構成要素点検または構成要素の充電に関する傾向を決定するように構成され、さらに、前記グローバルコンピュータシステムは、個々の中央コンピュータシステムの点検実施計画マネージャに前記傾向についての情報を伝達する、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301、401)は、少なくとも1つの再充電可能電源(405)を有し、前記システムは、前記コンテナ取り扱い車両(201、301、401)の前記再充電可能電源を充電するための少なくとも1つの充電デバイスを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
グローバルコンピュータシステムを備え、前記グローバルコンピュータシステムは、各個々の保管および回収システムの前記中央コンピュータシステム、生産設備および試験設備、および点検業者から情報を収集し、分析し、各個々の保管および回収システムの前記中央コンピュータシステムに関連のある情報を返信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサ(501)は、温度センサおよび/または湿度センサを備えている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
点検センター(502)は、構成要素が故障した場合、データ記録を記録および記憶するように構成され、前記データ記録は、前記構成要素、その点検時間、および/または使用年数に関連する情報を備えている、請求項1、3、または5に記載のシステム。
【請求項6】
摩耗した構成要素を伴うコンテナ取り扱い車両(201、301、401)は、前記中央コンピュータシステムによって、前記構成要素条件に適するように、その速度、加速度、および減速度を適合させるように命じられる、請求項1-のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
コンテナ取り扱い車両(201、301)の前記コンテナ取り扱いプラットフォームは、センサ(501)を有し、前記センサ(501)は、保管コンテナ(106)が抵抗に遭遇している場合、または前記保管および回収システム(1)の保管コンテナカラム内で動けなくなっている場合を検出する、請求項1-のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
自動保管および回収システムの条件ベースの保守のための方法であって、
前記システムは、
レールシステムを伴う骨格構造(100)であって、前記骨格構造(100)は、アイテムを保管するための保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成し、
前記グリッド構造(104)は、各々が前記骨格構造(100)上に配置された前記レールシステム(108)のレール間のアクセス開口部(112)のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラム(105)を形成し、
前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管コンテナ(106)を前記保管カラム(105)へ、およびそれから移送するコンテナ取り扱い車両(201)のための利用可能な経路を提供する、骨格構造(100)と、
少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)であって、前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱うための把持器の組を伴うコンテナ取り扱いプラットフォーム(500)を有し、
前記グリッド構造は、コンテナ(106)が荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)と、
前記保管および回収システム(1)の構成要素に対して保守を実施するための点検ステーション(502)と
を備え、
前記方法は、
-前記保管および回収システム’(1)の構成要素を監視しているセンサ(601)から情報を集めるステップと、
-前記保管および回収システムの構成要素の条件を監視するステップと、
-前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する情報を中央コンピュータシステムに送信するステップと、
-前記中央コンピュータシステム(503)からグローバルコンピュータシステム(507)に他の保管および回収システムが関心のあり得る情報のみを送信するステップと、
-点検実施計画マネージャ(506)を使用し、前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する前記情報を分析するステップと、
-前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する前記分析された情報に基づいて、点検実施計画を生成するステップと、
-前記点検実施計画を少なくとも1つの点検ステーション(502)に送信するステップと、
-必要とされる場合、条件ベースの保守を実施するステップと
-前記グローバルコンピュータシステムによって、前記中央コンピュータシステムからの情報に基づいて、構成要素点検または充電に関する傾向を決定するステップと、
-前記点検実施計画についての情報を更新するために、前記グローバルコンピュータシステムによって、個々の中央コンピュータシステムの点検実施計画マネージャに前記傾向についての情報を送信するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記センサからの前記情報は、その点検時間および使用年数に関する情報とともに、前記保管および回収システムの前記構成要素の問題の登録を備えている、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、摩耗した構成要素を有するコンテナ取り扱い車両(201、301、401)をタスクリスト上の要求があまり厳しくないタスクに割り振ることを含む、請求項またはに記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記摩耗した構成要素の条件に適するように、摩耗した構成要素を伴うコンテナ取り扱い車両(201、301、401)の速度、加速度、および減速度を適合させること含む、請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、コンテナ取り扱い車両(201、301)のコンテナ取り扱いプラットフォームの前記把持器要素にセンサ(501)を取り付けておくことを含み、前記センサ(501)は、保管コンテナ(106)が前記保管および回収システム(1)の保管コンテナカラム内で動けなくなっているときを検出する、請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、生産設備および試験設備(504)からの情報を更新すること(608)と、前記更新された情報を前記中央コンピュータシステム(503)に送信することとを含む、請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、点検業者からの情報を更新すること(609)と、前記更新された情報を前記中央コンピュータシステム(503)に送信することとを含む、請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
ここでの意図は、予防的であり、かつ最小限のリスクを伴って全ての構成要素の有用性を最大化することである。この解決策は、問題が大きくなる前にそれらを捉えることである。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
自動保管および回収システムの条件ベースの保守のためのシステムであって、前記システムは、
レールシステムを伴う骨格構造(100)であって、前記骨格構造(100)は、アイテムを保管するための保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成し、
前記グリッド構造(104)は、各々が前記骨格構造(100)上に配置された前記レールシステム(108)のレール間のアクセス開口部(112)のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラム(105)を形成し、
前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管コンテナ(106)を前記保管カラム(105)へ、およびそれから移送するコンテナ取り扱い車両(201)のための利用可能な経路を提供する、骨格構造(100)と、
少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)であって、前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱うための把持器の組を伴うコンテナ取り扱いプラットフォーム(500)を有し、
前記グリッド構造は、コンテナ(106)が荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)と、
前記保管および回収システム(1)の構成要素に対して保守を実施するための点検ステーション(502)と
を備え、
前記システムが、中央コンピュータシステム(503)と、点検実施計画マネージャ(507)とを備えていることをさらに特徴とし、
前記点検実施計画マネージャ(507)は、前記保管および回収システムの部品および構成要素にリンクされた条件ベースの情報を回収し、前記回収された条件ベースの情報を分析し、それに基づいて点検実施計画を生成し、条件ベースの保守が実施される前記点検ステーション(502)に前記点検実施計画を送信するように構成されている、システム。
(項目2)
前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301、401)は、少なくとも1つの再充電可能電源(405)を有し、前記システムは、前記コンテナ取り扱い車両(201、301、401)の前記再充電可能電源を充電するための少なくとも1つの充電デバイスを有する、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記保管および回収システム(1)は、前記条件ベースの情報を提供するために構成要素に取り付けられたセンサ(501)を備えている、項目1に記載のシステム。
(項目4)
グローバルコンピュータシステムを備え、前記グローバルコンピュータシステムは、各個々の保管および回収システムの前記中央コンピュータシステム、生産設備および試験設備、および点検業者から情報を収集し、分析し、各個々の保管および回収システムの前記中央コンピュータシステムに関連のある情報を返信するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記センサ(501)は、温度センサおよび/または湿度センサを備えている、項目3に記載のシステム。
(項目6)
点検センター(502)は、構成要素が故障した場合、データ記録を記録および記憶するように構成され、前記データ記録は、前記構成要素、その点検時間、および/または使用年数に関連する情報を備えている、項目1、3、または5に記載のシステム。
(項目7)
摩耗した構成要素を伴うコンテナ取り扱い車両(201、301、401)は、前記中央コンピュータシステムによって、前記構成要素条件に適するように、その速度、加速度、および減速度を適合させるように命じられる、項目1-6のいずれかに記載のシステム。
(項目8)
コンテナ取り扱い車両(201、301)の前記コンテナ取り扱いプラットフォームは、センサ(501)を有し、前記センサ(501)は、保管コンテナ(106)が抵抗に遭遇している場合、または前記保管および回収システム(1)の保管コンテナカラム内で動けなくなっている場合を検出する、項目1-7のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
自動保管および回収システムの条件ベースの保守のための方法であって、
前記システムは、
レールシステムを伴う骨格構造(100)であって、前記骨格構造(100)は、アイテムを保管するための保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成し、
前記グリッド構造(104)は、各々が前記骨格構造(100)上に配置された前記レールシステム(108)のレール間のアクセス開口部(112)のサイズによって画定される水平面積を有する垂直保管カラム(105)を形成し、
前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管コンテナ(106)を前記保管カラム(105)へ、およびそれから移送するコンテナ取り扱い車両(201)のための利用可能な経路を提供する、骨格構造(100)と、
少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)であって、前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱うための把持器の組を伴うコンテナ取り扱いプラットフォーム(500)を有し、
前記グリッド構造は、コンテナ(106)が荷積みされることができるように、保管グリッドからそれらを抽出するための1つ以上のポートを備えている、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)と、
前記保管および回収システム(1)の構成要素に対して保守を実施するための点検ステーション(502)と
を備え、
前記方法は、
-前記保管および回収システムの構成要素の条件を監視するステップと、
-前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する情報を中央コンピュータシステムに送信するステップと、
-点検実施計画マネージャ(506)を使用し、前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する前記情報を分析するステップと、
-前記保管および回収システムの前記構成要素の条件に関する前記分析された情報に基づいて、点検実施計画を生成するステップと、
-前記点検実施計画を少なくとも1つの点検ステーション(502)に送信するステップと、
-必要とされる場合、条件ベースの保守を実施するステップと
を含む、方法。
(項目10)
前記方法は、前記保管および回収システム(1)の構成要素を監視しているセンサ(601)から情報を集めることを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記センサからの前記情報は、その点検時間および使用年数に関する情報とともに、前記保管および回収システムの前記構成要素の問題の登録を備えている、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記方法は、摩耗した構成要素を有するコンテナ取り扱い車両(201、301、401)をタスクリスト上の要求があまり厳しくないタスクに割り振ることを含む、項目9または10に記載の方法。
(項目13)
前記方法は、前記摩耗した構成要素の条件に適するように、摩耗した構成要素を伴うコンテナ取り扱い車両(201、301、401)の速度、加速度、および減速度を適合させること含む、項目9-12のいずれかに記載の方法。
(項目14)
前記方法は、コンテナ取り扱い車両(201、301)のコンテナ取り扱いプラットフォームの前記把持器要素にセンサ(501)を取り付けておくことを含み、前記センサ(501)は、保管コンテナ(106)が前記保管および回収システム(1)の保管コンテナカラム内で動けなくなっているときを検出する、項目9-13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記方法は、生産設備および試験設備(504)からの情報を更新すること(608)と、前記更新された情報を前記中央コンピュータシステム(503)に送信することとを含む、項目9-14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記方法は、点検業者からの情報を更新すること(609)と、前記更新された情報を前記中央コンピュータシステム(503)に送信することとを含む、項目9-15のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】