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特表2023-521009低能力ユーザ装置のためにネットワークリソースのスケジューリングを向上させる方法
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  • 特表-低能力ユーザ装置のためにネットワークリソースのスケジューリングを向上させる方法 図1
  • 特表-低能力ユーザ装置のためにネットワークリソースのスケジューリングを向上させる方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】低能力ユーザ装置のためにネットワークリソースのスケジューリングを向上させる方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/23 20230101AFI20230516BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20230516BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20230516BHJP
   H04J 1/00 20060101ALI20230516BHJP
   H04B 1/713 20110101ALI20230516BHJP
【FI】
H04W72/23
H04W8/22
H04W72/0453
H04J1/00
H04B1/713
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559936
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2021058159
(87)【国際公開番号】W WO2021198181
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】20167592.3
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196512
【氏名又は名称】タレス ディアイエス エイアイエス ドイツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ブロイアー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA41
5K067CC02
5K067CC04
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
(57)【要約】
本発明は、複数のユーザ装置にサービスし、少なくともアップリンク方向に1つのサポートされている周波数帯域及びダウンリンク方向に1つのサポートされている周波数帯域で動作する、セルラネットワークの一部である基地局を動作させる方法であって、複数のユーザ装置が低能力ユーザ装置と見なされる少なくとも1つのユーザ装置を含み、基地局が、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅を示す上記低能力ユーザ装置からの能力情報を確認するように構成され、少なくとも1つの低能力ユーザ装置をスケジュールするために、基地局(BS)が、-受信した能力情報を考慮して、スケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当てを示す上記ユーザ装置のための少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を送信するステップと、-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域における情報を、上記スケジュールされたアップリンク周波数帯域との所定の公称間隔での同期伝送のためにスケジュールされたアップリンク周波数帯域及びスケジュールされたダウンリンク周波数帯域の中心に基づいてスケジュールするステップとを含む方法に関する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ装置(UE)にサービスし、少なくともアップリンク方向に1つのサポートされている周波数帯域及びダウンリンク方向に1つのサポートされている周波数帯域(SUFB、SDFB)で動作する、セルラネットワーク(CN)の一部である基地局(BS)を動作させる方法であって、前記複数のユーザ装置が低能力ユーザ装置と見なされる少なくとも1つのユーザ装置を含み、前記基地局(BS)が、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅(CBW)を示す前記低能力ユーザ装置からの能力情報を確認するように構成されており、
前記少なくとも1つの低能力ユーザ装置(UE)をスケジュールするために、前記基地局(BS)が、
-受信した前記能力情報を考慮して、スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)への割り当て(UA)を指示する前記ユーザ装置(UE)のための少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を送信するステップと、
-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)における情報を、前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)との所定の公称間隔(NMS)での同期伝送のために前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)及び前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)の中心に基づいてスケジュールするステップとを含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を送信するステップが、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を示し、前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域内で前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)への前記割り当て(UA)を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のダウンリンク信号を送信するステップが、
-マスター情報ブロック(MIB)周りの所定の近接性に従って、又は
-ブロードキャストシグナリングにおいて前記基地局(BS)により告知されるように、又は
-ユーザ装置固有の要素を考慮するホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部で、又は
-フレームタイミング関係を考慮するホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部で実行される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)が前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)を突き出ているかどうかを判断し、
突き出ている場合に、前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の端に移動させることによって前記スケジューリングを補正するステップを更に含む、請求項1乃至3の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局(BS)が時間領域複信方式の場合、前記公称間隔(NMS)がゼロである、請求項1乃至4の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項6】
前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)を考慮してアップリンク伝送を行った後に、第2のスケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)が、
-前記マスター情報ブロック(MIB)周りの所定の近接性、
-前記ブロードキャストシグナリング、
-前記ホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部、
-以前に使用された前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)、
のうちの少なくとも1つを考慮して決定される、請求項1乃至5の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項7】
複数のユーザ装置にサービスするように構成され、少なくともアップリンク方向に1つのサポートされている周波数帯域及びダウンリンク方向に1つのサポートされている周波数帯域で動作する、セルラネットワークの一部である基地局(BS)であって、前記複数のユーザ装置が低能力ユーザ装置と見なされる少なくとも1つのユーザ装置を含み、前記基地局(BS)が、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅(CBW)を示す前記低能力ユーザ装置(UE)からの能力情報を確認するように構成されており、
前記少なくとも1つの低能力ユーザ装置(UE)をスケジュールするために、前記基地局(BS)が、
-受信した前記能力情報を考慮して、スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)への割り当て(UA)を示す前記ユーザ装置(UE)のための少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を送信し、
-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)における情報を、前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)との所定の公称間隔(NMS)での同期伝送のために前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)及び前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)の中心に基づいてスケジュールするように構成された基地局(BS)。
【請求項8】
少なくとも1つの第1のダウンリンク信号の前記送信が、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を示すこと、及び前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)内で前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)への前記割り当て(UA)を送信することを含む、請求項7に記載の基地局(BS)。
【請求項9】
前記第1のダウンリンク信号の前記送信が、
-マスター情報ブロック(MIB)周りの所定の近接性に従って、又は
-ブロードキャストシグナリングにおいて前記基地局(BS)により告知されるように、又は
-ユーザ装置(UE)固有の要素を考慮するホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部で、又は
-フレームタイミング関係を考慮するホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部で実行される、請求項7又は8に記載の基地局(BS)。
【請求項10】
前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)が前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)を突き出ているかどうかを判断し、
突き出ている場合に、前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の端に移動させることによって前記スケジューリングを補正するように更に構成された、請求項7乃至9の少なくとも一項に記載の基地局(BS)。
【請求項11】
前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)を考慮してアップリンク伝送を行った後に、第2のスケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を、
-前記マスター情報ブロック(MIB)周りの所定の近接性、
-前記ブロードキャストシグナリング、
-前記ホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部、
-以前に使用された前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)、
のうちの少なくとも1つを考慮して決定するように更に構成された、請求項7乃至10の少なくとも一項に記載の基地局(BS)。
【請求項12】
セルラネットワーク(CN)の複数の基地局(BS)の1つ(以下サービング基地局という)で動作可能なユーザ装置(UE)であって、低能力ユーザ装置と見なされ、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅(CBW)を保持するユーザ装置(UE)のための方法であって、
-前記サービング基地局(BS)に能力情報を送信するステップと、
-前記サービング基地局(BS)から少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を受信するステップと、
-スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)への割り当て(UA)を前記第1のダウンリンク信号から導出するステップと、
-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を、前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)及び前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)の中心との所定の公称間隔(NMS)を考慮することによって決定するステップと、
-前記基地局(BS)からの信号について前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を同期的にモニタし、前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)を使用して少なくとも1つの信号を前記基地局(BS)に送信するステップと、を含む方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を受信するステップが、
-マスター情報ブロック(MIB)周りの所定の近接性に従って、又は
-ブロードキャストシグナリングにおいて前記基地局(BS)により告知されるように、又は
-ユーザ装置(UE)固有の要素を考慮するホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部で実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)が前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)を突き出ているかどうかを判断し、
突き出ている場合に、前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の端に移動させるステップを更に含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)を考慮してアップリンク伝送を行った後に、第2のスケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を、
-前記マスター情報ブロック(MIB)周りの所定の近接性、
-前記ブロードキャストシグナリング、
-前記ホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部、
-以前に使用された前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)、
のうちの少なくとも1つを考慮して決定するステップを更に含む、請求項12又は14に記載の方法。
【請求項16】
セルラネットワーク(CN)の複数の基地局(BS)の1つ(以下サービング基地局(BS)という)で動作可能なユーザ装置(UE)であって、低能力ユーザ装置と見なされ、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅(CBW)を保持するユーザ装置(UE)において、前記ユーザ装置(UE)が、
-前記サービング基地局(BS)に能力情報を送信し、
-前記サービング基地局(BS)から少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を受信し、
-スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)への割り当て(UA)を前記第1のダウンリンク信号から導出し、
-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を、前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)及び前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)の中心との所定の公称間隔(NMS)を考慮することによって決定し、
-前記基地局(BS)からの信号について前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を同期的にモニタし、前記スケジュールされたアップリンク周波数帯域(SUB)を使用して少なくとも1つの信号を前記基地局(BS)に送信するように構成されたユーザ装置(UE)。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第1のダウンリンク信号の前記受信が、
-マスター情報ブロック(MIB)周りの所定の近接性に従って、又は
-ブロードキャストシグナリングにおいて前記基地局(BS)により告知されるように、又は
-ユーザ装置(UE)固有の要素を考慮するホッピングシーケンスにより特定された前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の一部で実行される、請求項16に記載のユーザ装置(UE)。
【請求項18】
前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)が前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)を突き出ているかどうかを判断し、
突き出ている場合に、前記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域(SDB)を前記サポートされているダウンリンク周波数帯域(SDFB)の端に移動させるように更に構成された、請求項16又は17に記載のユーザ装置(UE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基地局を動作させる方法に関する。本発明はまた上記方法を用いる基地局に関する。本発明は更にユーザ装置のための方法に関する。本発明はまた上記方法を用いるユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の分野ではこれまで、動作しているセルラネットワークの基地局が提供する全帯域幅又は低減帯域幅でのみ動作しているユーザ装置が知られていた。CAT-1以上をサポートするLTEデバイスは全帯域幅をカバーする一方、Cat-M又はNB-IoTでは、例えば1.4MHzの一部のみが処理される。これらはいわゆる帯域幅低減(BR)デバイスである。
【0003】
この設計には、帯域幅低減デバイスにとって全二重通信が不可能であるという欠点がある。つまり帯域幅低減デバイスは、同時にダウンリンク動作又はアップリンク動作の一方がスケジュールされる。
【0004】
しかしながら、新無線(NR)すなわち5G規格の発展に伴い、この欠点を取り除き、基地局(5Gでは基地局はgNodeBと呼ばれる)の全帯域幅で動作できるわけではないユーザ装置が全二重モードで動作することを可能にする計画がある。これらは以下の一般的な低能力ユーザ装置における、いわゆるNRライト又はNR-REDCAP(reduced-capability)デバイスである。
【0005】
そのために、ユーザ装置と基地局との既知の相互動作のいくつかの修正を、例えば既存のPDCCHモニタリングルールに対して行う必要がある。
【0006】
この新しい要求を満たすために解決すべき問題の1つは、アップリンク及びダウンリンクにおいて確保される周波数範囲についてのスケジューリングである。全帯域幅デバイスでは、アップリンク及びダウンリンク伝送の処理が帯域幅全体について行われた後、ユーザ装置のスケジュールされたPRBが更に処理される一方、他のものは破棄される。少なくとも周波数領域(FDD)展開について、アップリンク及びダウンリンク周波数範囲は規格で定められた既知の公称間隔を有する。したがって、例えばダウンリンクの周波数帯域及びかかる公称間隔の始まりとともに、アップリンク周波数帯域はユーザ装置に対して定義される。
【0007】
かかるアプローチは帯域幅低減デバイスには機能しない。また、かかるデバイスに特定の周波数領域を確保することは想定されておらず、むしろgNodeBにより提供される帯域幅全体に分散されたスケジューリングを適用する。
【0008】
したがって、復号可能な周波数帯域を顕著なシグナリングオーバヘッドを伴うことなくアップリンク及びダウンリンクにスケジュールする方法に対する解決策が必要である。
【0009】
したがって本発明の目的は、帯域幅低減ユーザ装置の改善されたスケジューリングのための解決策を提案することである。
【0010】
したがって、更なる代替的かつ有利な解決策が当該技術分野で望ましいであろう。
【発明の概要】
【0011】
このため、本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載の基地局のための方法が提案される。本発明の第2の態様によれば、請求項7に記載の基地局が更に提案される。本発明の第3の態様では、請求項12に記載のユーザ装置のための方法が提案される。本発明の第4の態様では、上記方法を用いる請求項16に記載のユーザ装置が更に提案される。
【0012】
本発明の第1の態様では、複数のユーザ装置にサービスし、少なくともアップリンク方向の1つのサポートされている周波数帯域及びダウンリンク方向の1つのサポートされている周波数帯域で動作する、セルラネットワークの一部である基地局を動作させる方法であって、複数のユーザ装置が低能力ユーザ装置と見なされる少なくとも1つのユーザ装置を含み、基地局が、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅を示す上記低能力ユーザ装置からの能力情報を確認するように構成されており、少なくとも1つの低能力ユーザ装置をスケジュールするために、基地局が
-受信した能力情報を考慮して、スケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当てを示す上記ユーザ装置のための少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を送信するステップと、
-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域における情報を、上記スケジュールされたアップリンク周波数帯域との所定の公称間隔での同期伝送のためにスケジュールされたアップリンク周波数帯域及びスケジュールされたダウンリンク周波数帯域の中心に基づいてスケジュールするステップとを含む方法が提案される。
【0013】
本発明の方法は、具体的には3G、4G又はそれ以上の無線技術標準を実装するセルラネットワークの基地局に関する。基地局は、上記基地局を登録しこれにキャンプオンするとされる低能力ユーザ装置にサービスすることができる。
【0014】
低能力ユーザ装置は、具体的にはハードウェアリソースが限られているために基地局が展開する全周波数帯域を処理できるわけではないという事実によって定義される。実際、可能な周波数帯域幅のみに、好ましくはアップリンク(UL)方向及びダウンリンク(DL)方向の両方に対処することができる。
【0015】
この構成では以下の用語を区別すべきである。
【0016】
サポートされる周波数帯域(UL及びDL)とは、基地局が提供し得るものである。したがって、実質的にアップリンク又はダウンリンク通信が可能な最大範囲である。基本的には、具体的には開始周波数と、長さすなわち帯域幅とにより定められる一定の範囲である。
【0017】
サポートされる周波数帯域は、FDD展開ではアップリンクとダウンリンクで異なる範囲である一方、TDD展開では同じ範囲である。
【0018】
可能な周波数帯域幅(UL及びDL)とは、ユーザ装置が処理し得る帯域幅である。これは帯域幅低減デバイスを定義するため、この可能な周波数帯域幅は、ユーザ装置が動作することを希望する少なくとも1つの基地局のサポートされる周波数帯域の帯域幅より小さい。
【0019】
これに対し、スケジュールされた周波数帯域(UL及びDL)は、基地局とのUL/DL伝送にユーザ装置の可能な周波数帯域幅が使用されなければならないもの及びサポートされる周波数帯の場所を定義する。
【0020】
低能力ユーザ装置にサービスするために、基地局はスケジューリングを実行する必要がある。
【0021】
また、低能力ユーザ装置では、複信方式が動作可能であることが期待される、つまり並列にアップリンク及びダウンリンクデータ交換のスケジューリング、伝送及び処理が行われる。これは、NR(新無線)すなわち5Gの技術標準の定義におけるNRライトすなわちNR-REDCAPの展開と一致している。
【0022】
好ましくは、基地局は、データ交換セッションがペイロード交換が低いために長く続くことがあるため、かかるユーザ装置のフルサポートされている周波数帯域の一定のエリアを定めることを自分自身で制限しない。これは基地局が他の、具体的には完全な能力があるユーザ装置にサービスすることを妨げることになる。
【0023】
ここで本発明の方法が役に立つ。本発明の方法によれば、解決策は以下の方法ステップによって実行される。
【0024】
前提条件として、基地局はまず各低能力ユーザ装置からの能力情報を確認する。これは具体的には登録時に、又はデータ交換セッションすなわちコンテキストの開始要求と同時に実行される。
【0025】
この能力情報によって、基地局は少なくとも可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域に関する表示を得る。これは通常、大きさがMHz単位の値によって示される。
【0026】
代替的又は付加的に、複数のサブキャリアが、具体的には可変サブキャリア間隔の場合に上記表示として送信される。適用される間隔に関係なくサポートされるサブキャリアの数は、同質である場合に、ユーザ装置における並列処理能力の測度、すなわち並列に処理され得るサブキャリアの数である。間隔が大きければ大きいほど、シンボル/フレーム持続時間が短く、所与のスループットに対して必要とされるユーザ装置における処理時間/速度がより速くなる。
【0027】
能力情報の表示は、他の方向の帯域幅に直接的又は間接的に適用される可能なアップリンク又はダウンリンク周波数帯域幅のみを含む場合がある。したがって、それは可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅を示すための1つの値を送信するには十分である場合がある。好ましくは、ユーザ装置は上記能力情報とともに一般的なユーザ装置能力に関する他の情報を提供する。
【0028】
この交換は、ユーザ装置の基地局での登録手順の際に実行される。具体的には上記登録中に基地局の能力要求に応じて送信される。ただし、ユーザ装置による最初の送信も本発明の方法に包含される。
【0029】
好ましくはデータ交換セッション時に、基地局は少なくとも1つの第1のダウンリンク信号をユーザ装置に送信する。このとき、次の差し迫ったデータ交換セッションのためのスケジュールされたダウンリンク周波数帯域が示される。
【0030】
このスケジュールされたダウンリンク周波数帯域は、ユーザ装置から先に受信した能力情報を考慮して決定される。具体的には、上記低能力ユーザ装置の可能なダウンリンク周波数帯域幅は、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域を決定するために考慮される。
【0031】
この情報は、ユーザ装置に指定された物理リソースブロック(PRB)又はシンボルが送信されることがあるため、少なくともユーザ装置によりモニタされる必要がある周波数帯域を知らせることが意図されている。
【0032】
一般に現在では、ユーザ装置が基地局により展開された周波数帯域全体を復号及び処理し得ることが知られている。したがって、PRB又はマスター情報ブロック(MIB)のどこかに、上記ユーザ装置に専用のペイロードデータのようなシグナリングされたデータが送信される場所を示す制御情報が送信されることがある。
【0033】
低能力ユーザ装置の場合、このアプローチはもはや実行可能ではない。
【0034】
したがって、この第1のダウンリンク信号によって、ユーザ装置は、次のデータ交換セッションのためにどの周波数帯域ウィンドウをモニタしなければならないかについて知らされる。
【0035】
ただし第1のダウンリンク信号は、ユーザ装置によりモニタされている周波数範囲で送信される必要がある。
【0036】
好適な実施形態によれば、第1のダウンリンク信号を送信することが、
-マスター情報ブロック周りの所定の近接性に従って、又は
-ブロードキャストシグナリングにおいて基地局により告知されるように、又は
-ユーザ装置固有の要素を考慮するホッピングシーケンスにより特定されたサポートされているダウンリンク周波数帯域の一部で、又は
-フレームタイミング関係を考慮するホッピングシーケンスにより特定されたサポートされているダウンリンク周波数帯域の一部で
実行されることが提案される。
【0037】
この実施形態によって、低能力ユーザ装置が第1のダウンリンク信号を受信し得ることが保証される。
【0038】
好適な第1のオプションでは、この第1のダウンリンク信号は、マスター情報ブロック又はブロードキャストチャネルBCH周りの所定の範囲で送信される。ユーザ装置はいずれにせよBCH及び/又はMIBを読み込むことが期待され、その結果、この範囲を受信するように調整される。
【0039】
したがって、この範囲を上記第1のダウンリンク信号を送信するのにも使用することは好ましい。
【0040】
代替的又は付加的に、基地局はブロードキャストシグナリングで、具体的にはシステム情報の一部として、第1のダウンリンク信号が送信される基地局のサポートされているダウンリンク周波数帯域で送信を行う。
【0041】
このオプションはまた、ユーザ装置がMIBに合わせられることを考慮するため、いかなる状況でもこの第1のダウンリンク信号に気付くことになる。
【0042】
これはMIB周りのエリアが通常かなり良好に事前設定されるために有利である。
【0043】
更に、これはより小さい可能なダウンリンク周波数帯域に対して適切かつ十分に大きいエリアを与える。ユーザ装置がMIBのサイズ、すなわち低能力ユーザ装置が受信及び復号できる必要がある最小のサイズを取得する能力しかない場合、第1のダウンリンク信号の余地はない。
【0044】
第3のオプションとして、第1のダウンリンク信号をユーザ装置固有の要素を考慮するホッピングシーケンスにより特定されたサポートされているダウンリンク周波数帯域の一部で送信することが提案される。
【0045】
この精巧なアプローチはホッピングシーケンスを定義し、ホッピングシーケンスは、IDのようなユーザ装置固有の要素、例えばIMEI、又はホッピングシーケンスを決定する任意の他の要素を考慮する。ユーザ装置及び基地局はいずれも上記ユーザ装置の固有の要素からホッピングシーケンスを時間内に導出することができ、したがって、いずれも第1のダウンリンク信号についてユーザ装置が基地局のサポートされているダウンリンク周波数帯域のどの部分をモニタする必要があるかを知っている。
【0046】
第3のオプションの変形として、第4のオプションもホッピングシーケンスを定義する。ただし、これはフレームタイミング関係、すなわちフレーム番号又は接続タイミングを考慮することによって特定される。
【0047】
このフレームタイミング関係は、SFN(システムフレーム番号)自体を意味するか又は事前に定義された値によるモジュロ計算などに使用されるSFNに関連する可能性がある。
【0048】
かかる事前に定義された値は、基地局のサポートされている周波数帯域幅をユーザ装置の可能な周波数帯域幅で割って小数点以下を切り捨てた値である場合がある。
【0049】
更にSFNモジュロはユーザ装置のIMEI又はその導出値を使用することがある。
【0050】
この変形はCFN(接続フレーム番号)を考慮する可能性もある。これは接続が確立されたときに0から始めて、その後システムフレームをカウントすることを示す。
【0051】
第3及び/又は第4のオプションは、例えばスケジュールされた周波数帯域の複数の位置である、上記の結果として生じる番号を考慮することを含む。したがって、上記ユーザ装置の個々のホッピングシーケンスである、特別な順序のホッピングを決定することが可能である。
【0052】
ユーザ装置が確実に第1のダウンリンク信号を受信するように、この発明の一部としてその他のオプション又は前述のオプションの組み合わせも可能である。
【0053】
上記第1のダウンリンク信号は、スケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当て、つまりアップリンク割り当てを指示する。
【0054】
かかる指示は、好ましくは第1のダウンリンク信号とともに、又は少なくとも第1のダウンリンク信号の周波数帯域内で送信される。
【0055】
付加的又は代替的に、かかる指示は第1のダウンリンク信号で間接的に実行される。
【0056】
上記によれば、少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を送信する上記ステップは、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域を示すこと、及び上記スケジュールされたダウンリンク周波数帯域内で上記スケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当てを送信することを含む。
【0057】
これによって、第1のダウンリンク信号はスケジュールされたダウンリンク周波数帯域を示す。上記スケジュールされたアップリンク周波数帯域内で、ユーザ装置はユーザ装置に専用の更なる伝送についてモニタリングを行う。かかる伝送はユーザ装置のダウンリンクペイロードデータを含むことがある。
【0058】
このスケジュールされたダウンリンク周波数帯域内で、スケジュールされたアップリンク周波数帯域への上記アップリンク割り当てを含む信号が送信される。
【0059】
かかるアップリンク割り当てによって、ユーザ装置はどのアップリンク周波数帯域でアップリンク伝送を実行し得るかを導き出すことができる。
【0060】
しかしながら、二重データ伝送が想定されているため、アップリンク伝送と同時に追加のダウンリンクデータ伝送が実行されることがあり、その結果、ユーザ装置はこれをモニタする必要がある。実際、これが第1のダウンリンク信号で示されるようなスケジュールされたダウンリンク周波数帯域に留まることを確認することはできない。基地局は、これをユーザ装置のサポートされているダウンリンク周波数帯域の完全に異なるエリアにスケジュールすることがある。
【0061】
したがってスケジューリングは、スケジュールされたアップリンク周波数帯域に依存して、同期スケジュールされたダウンリンク周波数帯域が所定の公称間隔で利用できるように実行される。
【0062】
この所定の公称間隔は、好ましくはユーザ装置及び基地局により知られており、具体的には標準定義で事前に定義された一定値である。
【0063】
所定の公称間隔は、スケジュールされたアップリンク周波数帯域の中心から適用されるため、結果として生じるスケジュールされたダウンリンク周波数帯域の中心をもたらす。
【0064】
これはスケジュールされたアップリンク及びダウンリンク周波数帯域のサイズが異なる可能性が高いため有利である。したがって、各周波数範囲の中心に適用される公称間隔は、周波数帯域がよく分配されることを保証する。
【0065】
具体的には、3GPP TS 36.101に固定値として定義されたいわゆる複信間隔がここで適用されることがある。これは具体的には周波数分割複信方式に適用される。
【0066】
好適な実施形態によれば、基地局が時間領域複信(TDD)方式の場合、公称間隔はゼロである。
【0067】
つまりTDD方式では、スケジュールされたアップリンク周波数帯域及びスケジュールされたダウンリンク周波数帯域は同じであり、アップリンク及びダウンリンク伝送は周波数ではなく時間によって分離される。
【0068】
かかる本発明の方法のアプローチによって、並列アップリンク・ダウンリンクスケジューリングを追加シグナリングを用いずに連続的に適用でき、低能力ユーザ装置がスケジュールされたダウンリンクデータを安全にモニタできることが保証される。
【0069】
更に好適な実施形態では、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域がサポートされているダウンリンク周波数帯域を突き出ているかどうかを判断し、突き出ている場合にスケジュールされたダウンリンク周波数帯域をサポートされているダウンリンク周波数帯域の端に移動させることによってスケジューリングを補正するステップが提案される。
【0070】
この実施形態は、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域のサイズがスケジュールされたアップリンク周波数帯域より大きい場合に出現し得る状況をカバーする。
【0071】
その場合、基地局の完全にサポートされているアップリンク周波数帯域の端の近くにスケジュールされたアップリンク周波数帯域を展開することは、所定の公称間隔で展開されている並列ダウンリンク周波数帯域がサポートされているダウンリンク周波数帯域の端を突き出る状況をもたらすことになる。
【0072】
これはまず、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域の合計使用可能サイズを小さくすることになるため不利である。第2に、基地局のサポートされているアップリンク周波数帯域全体が低能力ユーザ装置のスケジューリングに使用可能であることが保証されなければならない。第3に、サポートされているダウンリンク周波数帯域の端に展開することは、スケジューリングエリアがMIBと重ならないために有利である。
【0073】
この実施形態では、この状況は、まずこの状況を検出することによってカバーされる。これは、結果として生じるスケジュールされたダウンリンク周波数帯域をスケジュールされたアップリンク周波数帯域から計算することによって、具体的にはユーザ装置の可能な周波数帯域幅をモニタすべき最大(及びデフォルト)帯域幅と見なすことによって容易に行われる。
【0074】
この状況が検出される場合、ダウンリンクのスケジューリングを補正することによって、ダウンリンク伝送のためにスケジュールされたダウンリンク周波数帯域を基地局のサポートされているダウンリンク周波数帯域の端に移動させることによって解決される。
【0075】
その意味で所定の公称間隔はもはや適用されないが、ユーザ装置と基地局の両方にとって安全かつロバストな動作モードであり、スケジュールされた周波数帯域全体が使用され得ることが保証される可能性がある。
【0076】
別の好適な実施形態によれば、上記スケジュールされたアップリンク周波数帯域を考慮してアップリンク伝送を行った後に、第2のスケジュールされたダウンリンク周波数帯域が、
-上記マスター情報ブロック(MIB)周りの所定の近接性、
-上記ブロードキャストシグナリング、
-上記ホッピングシーケンスにより特定された上記サポートされているダウンリンク周波数帯域の一部、
-以前に使用されたスケジュールされたダウンリンク周波数帯域、
のうちの少なくとも1つを考慮して決定されることが提案される。
【0077】
この実施形態は、アップリンクデータ伝送を実行したユーザ装置がアップリンクデータ伝送を終え、その結果、更なるスケジュールされたアップリンク周波数帯域を要求しなかった状況に関する。
【0078】
したがって、公称間隔を用いてスケジュールされたダウンリンク周波数帯域を導出できるアップリンク割り当てがない場合がある。
【0079】
要求されていないアップリンク割り当てを、それからスケジュールされたダウンリンク周波数帯域を導出するためだけに提供することは不利になる。これは基地局のリソースを浪費することになる。
【0080】
したがって、ユーザ装置へのダウンリンク伝送の更なるモニタリングのためにスケジュールされたダウンリンク周波数帯域を他の手段から導出することが提案される。
【0081】
まず、ここで第1のダウンリンク信号に使用される同じオプションが適用される。
【0082】
代替的に、以前にスケジュールされたダウンリンク周波数帯域が維持される。
【0083】
ユーザ装置のためのエリアをより長い期間ある決まった方法で割り当てることは不利であるが、例えばHARQ手順が完了することを保証するために維持することは有利である。HARQ手順にはデータ伝送の繰り返しが必要となる可能性があるため、これが同じスケジュールされたダウンリンク周波数帯域で実行され、その結果、ユーザ装置によって容易かつ安全に受信可能となることを保証することは有利である。
【0084】
HARQプロセスが完了した後(成功裏に終わるか又はタイムアウト障害の後)、別の周波数帯域でもこのユーザ装置のダウンリンクスケジューリングが行われ得ることを保証することは有利である。
【0085】
したがって、前述のオプションの組み合わせもこの実施形態の一部として提案される。
【0086】
本発明の第2の態様によれば、複数のユーザ装置にサービスするように構成され、少なくともアップリンク方向に1つのサポートされている周波数帯域及びダウンリンク方向に1つのサポートされている周波数帯域で動作する、セルラネットワークの一部である基地局であって、複数のユーザ装置が低能力ユーザ装置と見なされる少なくとも1つのユーザ装置を含み、基地局が、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅を示す上記低能力ユーザ装置からの能力情報を確認するように構成されており、少なくとも1つの低能力ユーザ装置をスケジュールするために、基地局が、
-受信した能力情報を考慮して、スケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当てを示す上記ユーザ装置のための少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を送信し、
-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域における情報を、上記スケジュールされたアップリンク周波数帯域との所定の公称間隔での同期伝送のためにスケジュールされたアップリンク周波数帯域とスケジュールされたダウンリンク周波数帯域の中心に基づいてスケジュールするように構成されている基地局が提案される。
【0087】
本発明のこの態様は、複数のユーザ装置にサービスするための基地局に関する。
【0088】
基地局は、好ましくは複数の基地局を含むセルラネットワークの一部である。それらは具体的には2G、3G、4G、5G又はそれ以上のセルラ無線通信技術標準の1つ以上を実装している。実装されている技術標準に応じて、基地局はgNodeB、eNodeB、nodeB、基地局などと名付けられている。
【0089】
基地局とは、セルラネットワークで動作しているユーザ装置とのエアインタフェースを介した直接的な通信を実行するためのセルラネットワーク装置である。好ましくは、基地局は更に、具体的にはコアネットワーク又は各無線アクセスネットワークの一部として他のセルラネットワーク要素に接続される。間接的に各基地局は、かかるセルラネットワーク要素を介して互いに基地局に接続される。
【0090】
基地局は、エアインタフェースを介して無線通信を行うための少なくとも1つのアンテナと結合された送受信回路を備える。
【0091】
基地局は更に、実装されている技術標準の通信プロトコルに従って送受信回路を制御するための処理回路を備える。
【0092】
また、基地局は少なくとも1つのメモリユニット、好ましくは揮発性メモリ及び/又は永久メモリを備えることが好ましい。これは、キャッシング及びロギングなどのためにオペレーティングシステムソフトウェア、構成データを保持するためのものである。
【0093】
基地局は、以下でサポートされている周波数帯域と呼ばれる少なくとも1つの周波数帯域幅を事前設定するように構成されている。基地局が各標準の時分割複信(TDD)バリアントを実装するか周波数分割複信(FDD)バリアントを実装するかに応じて、アップリンク及びダウンリンク方向に共通(TDD)又は別々のサポートされている周波数帯域がある。
【0094】
具体的にはアップリンク及びダウンリンクについて別々のサポートされている周波数帯域は、公称間隔と呼ばれる事前に定義された周波数距離に展開される。
【0095】
これは具体的には各技術標準の事前に定義された値である。
【0096】
基地局は低能力ユーザ装置にサービスすることができる。
【0097】
これらはアップリンク又はダウンリンク方向の少なくとも一方の基地局の完全なサポートされている周波数帯域を処理できないユーザ装置である。
【0098】
そのために基地局は、サービスしている低能力ユーザ装置からの、具体的には可能なアップリンク周波数帯域幅及び/又は可能なダウンリンク周波数帯域幅を示す能力情報を確認するように構成されている。これは両方向で同じ値であるか又は異なる場合がある。
【0099】
これに基づいて、基地局は各ユーザ装置に対するスケジューリングを実行し、かかるユーザ装置に対するスケジューリングが提供されることになるサポートされている周波数帯域内に情報を提供するように構成されている。かかる範囲は、最大で可能なアップリンク又はダウンリンク周波数帯域のサイズを有することがある。
【0100】
第2の態様は、本発明の第1の態様の利点を共有する。
【0101】
本発明の第3の態様によれば、セルラネットワークの複数の基地局の1つ(以下サービング基地局という)で動作可能なユーザ装置であって、低能力ユーザ装置と見なされ、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅を保持するユーザ装置のための方法であって、
-サービング基地局に能力情報を送信するステップと、
-サービング基地局から少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を受信するステップと、
-スケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当てを第1のダウンリンク信号から導出するステップと、
-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域を、スケジュールされたアップリンク周波数帯域及びスケジュールされたダウンリンク周波数帯域の中心との所定の公称間隔を考慮することによって決定するステップと、
-基地局からの信号についてスケジュールされたダウンリンク周波数帯域を同期的にモニタし、スケジュールされたアップリンク周波数帯域を使用して少なくとも1つの信号を基地局に送信するステップと、を含む方法が提案される。
【0102】
本発明のこの態様は、本発明の第2の態様に係る基地局で動作するとされるユーザ装置のための方法に関する。
【0103】
ユーザ装置は低能力ユーザ装置と見なされ、つまり基地局の完全なサポートされている周波数帯域を処理することができない。したがって、ユーザ装置は、継続するサービスを確保するために、基地局のサポートと異なる方法で動作する必要がある。これには全二重方式も含まれる。
【0104】
ユーザ装置は、ユーザ装置、具体的には処理能力を有する物理的装置及びトランシーバにより扱われ得る周波数範囲である可能なアップリンク及びダウンリンク周波数帯域幅を保持する。
【0105】
したがって、この方法によれば、ユーザ装置は、可能なアップリンク及びダウンリンク周波数に関する能力情報を、ユーザ装置が現在キャンプオンしている基地局であるサービング基地局が利用できるようにする。
【0106】
これは基地局へのキャンプオンを開始するとき、又は登録したときに行われることが好ましい。付加的又は代替的に、この情報は別の基地局、具体的にはユーザ装置が以前にキャンプオンしていたものから基地局によって受信される可能性がある。
【0107】
データ交換セッションを実行するために、ユーザ装置は具体的にはダウンリンクにおけるユーザ装置のサポートされている周波数帯域をモニタする必要がある。しかしながら、ユーザ装置はサポート周波数帯域全体をモニタすることができないため、ユーザ装置のスケジュールされた情報を予想する必要がある場合に、基地局のサポートされている周波数帯域の範囲を示すスケジューリング表示を必要とする。
【0108】
これは、サービング基地局から第1のダウンリンク信号を受信することによって達成される。これは、ユーザ装置がデフォルトでモニタしている好ましくは事前に定義されたエリアに送信される。
【0109】
第1のダウンリンク信号において、ユーザ装置はスケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当てを更に取得する。それはユーザ装置がそのデータ伝送を基地局に送信し得る周波数範囲である。
【0110】
あるいは第1のダウンリンク信号によって、スケジュールされたダウンリンク周波数エリアが示され、上記スケジュールされたダウンリンク周波数エリア内でスケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当てが送信される。
【0111】
具体的にはスケジュールされたアップリンク周波数帯域の中心への割り当てが行われる。
【0112】
ユーザ装置はまた、潜在的なアップリンクデータ伝送と並行して行われることが予想されるダウンリンク通信について、かかる追加のダウンリンクスケジューリングがどこで行われることになるかを理解する必要がある。第1のダウンリンク信号のスケジュールされた周波数帯域に留まり続けるオプションはない。
【0113】
しかしながら、スケジュールされたアップリンク周波数帯域への割り当てと並列なスケジュールされたダウンリンク周波数帯域への割り当ての両方にシグナリングすることも、基地局のこの比較的優先度の低いユーザ装置へのシグナリングを増加させることになるため不利である。
【0114】
したがって、この方法は、ユーザ装置がスケジュールされたアップリンク周波数帯域表示から所定の公称間隔によって並列なスケジュールされたダウンリンク周波数帯域を導出すると予測する。
【0115】
この公称間隔はユーザ装置及び基地局に知られている。公称間隔は具体的にはスケジュールされたアップリンク周波数帯域の中心に割り当てられ、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域の中心を示す。
【0116】
これにより本発明の方法は、二重通信において低能力ユーザ装置が確実に基地局によりスケジュールされる方法を有利に達成する。これはセルラネットワークのシグナリング及びユーザ装置の電力消費量の点で少ない負担で達成される。
【0117】
更なる実施形態が想定される。
【0118】
本発明の第4の態様によれば、セルラネットワークの複数の基地局の1つ(以下サービング基地局という)で動作可能なユーザ装置であって、低能力ユーザ装置と見なされ、可能なアップリンク周波数帯域幅及び可能なダウンリンク周波数帯域幅を保持するユーザ装置において、ユーザ装置が、
-サービング基地局に能力情報を送信し、
-サービング基地局から少なくとも1つの第1のダウンリンク信号を受信し、
-スケジュールされたアップリンク周波数帯域の中心への割り当てを第1のダウンリンク信号から導出し、
-スケジュールされたダウンリンク周波数帯域を、スケジュールされたアップリンク周波数帯域及びスケジュールされたダウンリンク周波数帯域との所定の公称間隔を考慮することによって決定し、
-基地局からの信号についてスケジュールされたダウンリンク周波数帯域を同期的にモニタし、スケジュールされたアップリンク周波数帯域を使用して少なくとも1つの信号を基地局に送信するように構成されたユーザ装置が提案される。
【0119】
本発明のこの態様はユーザ装置に関する。
【0120】
ユーザ装置は、本発明の第2の態様に係る基地局で動作することができる。ユーザ装置は低能力ユーザ装置である。
【0121】
ユーザ装置は、少なくとも1つのアンテナと連動して、少なくとも1つの基地局、具体的にはサービング基地局とエアインタフェースを介して無線通信を行う送受信回路を備える。
【0122】
好ましくはユーザ装置の送受信回路はトランシーバに組み込まれている。更にユーザ装置に、送受信回路、すなわちトランシーバを保持する無線モデムと、基地局との無線通信を実行するのに必要な他の全てのハードウェア及びソフトウェアコンポーネントとを備えることは有利である。かかる無線モデムは、好ましくはユーザ装置のアプリケーション部が通信を制御し得る呼出インターフェイスを更に備える。
【0123】
ユーザ装置は、少なくとも1つの処理回路、好ましくは中央処理装置(CPU)又は/及びベースバンドプロセッサを更に備える。この少なくとも1つの処理回路は無線通信を実行するためのトランシーバを制御するように構成されている。更に、好ましくはユーザ装置のタイプに応じてユーザインタフェースの取扱、リモートサーバに送信するための測定値の収集及び処理、無線通信接続を介して受信した情報又は命令の取扱などを含み得るアプリケーションロジックを実行するように構成されている。
【0124】
ユーザ装置は、オペレーティングソフトウェア、通信プロトコルソフトウェア、構成データ、アプリケーションデータなどを記憶する揮発性又は永久メモリユニットを更に備える。
【0125】
第4の態様は、本発明の第3の態様の利点を共有する。
【0126】
このように、この発明は示された問題を有利に解決し、著しい欠点や追加のシグナリング努力を伴わない、低能力ユーザ装置の基地局との全二重通信のための信頼できるアプローチを提案する。
【図面の簡単な説明】
【0127】
以下の記述及び添付図面はいくつかの例示的な態様を詳細に示しているが、実施形態の原理を用いることができる種々の方法のほんの一部しか示していない。本発明の特徴及び利点は、限定的ではなく例示的な例として与えられる有利な実施形態の以下の記述及び添付図面を読むときに現れるだろう。
【0128】
図1】本発明が実施形態として適用されるタイプの、基地局及びユーザ装置間のアップリンク及びダウンリンク通信の第1の例示的なスケジューリングを示す図。
図2】本発明が実施形態として適用されるタイプの、アップリンク及びダウンリンク通信の第2の例示的なスケジューリングを示す図。
図3】本発明の例示的な実施形態に係るシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0129】
図1は、ユーザ装置UEがセルラネットワークCNの一部である基地局BSで動作する様子を模式的に示している。基地局BSは、具体的には2G、3G、4G、5G及び/又はそれ以上のセルラ無線通信規格と適合するように構成されている。
【0130】
ユーザ装置UEは基地局にキャンプオンしている。ユーザ装置UEは低能力ユーザ装置である。つまり基地局BSの完全なサポートされているダウンリンク周波数帯域SDFB及び/又はサポートされているアップリンク周波数帯域SUFBを処理する能力がない。5GすなわちNRとの関連で、かかる低能力デバイスはNRライト又はNR-REDCAPと呼ばれる。これは、低能力ユーザ装置が低能力認定にもかかわらず全二重動作することが期待されていることを意味する。これによって、この展開は二重シグナリングが不可能な、例えばNB-IoTと異なる。
【0131】
基地局BSは、好ましくは基地局にキャンプオンする初期プロセス中に能力情報の一部として交換された、ユーザ装置UEの可能な周波数帯域幅CBWを知っている。
【0132】
横軸は周波数を示し、基地局BSがサポートしている周波数帯域SDFB及びSUFBの展開が示されている。ここには、サポートされているアップリンク周波数帯域とサポートされているダウンリンク周波数帯域とが分離された周波数分割二重(FDD)展開が示されている。
【0133】
この分離は任意ではなく、公称間隔NMSを表す所定の一定距離がある。この一定の公称間隔NMSは、好ましくはLTE 3GPP TS 36.101などの各種の実装技術標準から得られる。
【0134】
低能力ユーザ装置UEにサービスするために、基地局BSは、時間を示す縦軸に示される以下のステップを実行している。つまり、同じ高さにあるものは、ほぼ並列に行われることになっている。
【0135】
まずステップS1において、基地局BSは、キャンプオンしている少なくとも1つの低能力ユーザ装置により復号され得る、したがって、ユーザ装置の可能な周波数帯域幅CBWに適合する一定の範囲で、上記少なくとも1つのユーザ装置が上記ユーザ装置に専用の信号をモニタすることになると考える。
【0136】
好ましくは、これは、少なくともLTE展開の場合、マスター情報ブロックMIBの極めて近くに展開され、少なくとも常に最新のシステム情報及び任意の他の同報送信された情報を受信するために、とにかくキャンプオンしているユーザ装置によって読み込まれる必要がある。
【0137】
このスケジュールされた範囲内で、基地局BSは、差し迫ったデータ伝送セッションのために、スケジュールされたアップリンク周波数帯域SUBのためのアップリンク割り当てUAを指示する上記ユーザ装置UEのための第1のダウンリンク信号を送信する。これは、基地局BSのサポートされているアップリンク周波数帯域SUFBにおいて、ユーザ装置UEがデータ伝送を実行し得る場合の指示である。
【0138】
かかるデータ伝送は、ユーザ装置UEがモニタすることが期待される基地局BSからのダウンリンクデータ伝送と並列に行われることが期待される。
【0139】
このため、これは一定ではないため、次の期間のためのスケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBを利用可能にすることが求められる。
【0140】
これは、基地局BSからスケジュールされたアップリンク周波数帯域SUBとの公称間隔NMSによってスケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBを一定の距離に展開することによって達成される。
【0141】
したがって、ステップS2において、アップリンク及びダウンリンク方向のスケジュールされた周波数帯域の両方が展開され、ダウンリンクにおいてユーザ装置によりモニタされ、アップリンクにおいてデータ伝送に使用されることになる。
【0142】
ステップS3に示すように、少なくとも1つの指示が基地局によって送信される。ここで別のアップリンク割り当てUAが、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDB内でユーザ装置UEにシグナリングされる。
【0143】
これは、このユーザ装置UEのための展開が変化し得る次の期間のための新しいスケジューリングに続いている。
【0144】
アップリンク伝送について示されているため、ステップS4のアップリンク割り当てUAは、サポートされているアップリンク周波数帯域SUFBの完全に異なるエリアにスケジュールされたアップリンク周波数帯域SUBを示す。
【0145】
その結果、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBも公称間隔NMSを考慮して移動される。
【0146】
かかる実施形態によって、基地局BSにより行われる定期的なスケジューリングが、ユーザ装置の可能な周波数帯域幅CBWと適合する限られた範囲がスケジューリング目的で使用されることをユーザ装置に常に保証できるようにすることが例示的に示される。
【0147】
図2には、前と同様に適用された本発明の第2の例が示されている。
【0148】
ステップS11~S14は、図1のステップS1~S4にほぼ一致する。
【0149】
ただしS13では、アップリンク割り当てUAによって、スケジュールされたアップリンク周波数帯域SUBが基地局のサポートされているアップリンク周波数帯域の端に比較的近い様子が示されている。周波数帯域の合計サイズに起因して、サポートされているアップリンク周波数帯域に完全に適合する。
【0150】
しかしながら、対応する並列のスケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBは、サイズがスケジュールされたアップリンク周波数帯域SUBより大きい。これによって、公称間隔NMSが一定距離であることから、ステップS14に示すようにスケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBの一部がサポートされているダウンリンク周波数帯域SDFBの端を突き出ることになる。
【0151】
かかる状況において、ステップS15では、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBはサポートされているダウンリンク周波数帯域SDFBの端まで移動される。これによって、必要に応じて可能なデータスループットを確保するために、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域全体がかかるステップで使用され得ることが保証される。
【0152】
この効果は、ステップS16における次の展開されたスケジュールされたアップリンク周波数帯域SUBで特に明らかになる。アップリンク割り当てUAに従って、SUBはサポートされているアップリンク周波数帯域SUFBの端で右に展開される。また、ユーザ装置UEにより要求されるアップリンク伝送用のリソース量が少ない場合があることから非常に小さい。
【0153】
これは、公称間隔NMSを適用することによって、結果として生じるスケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBの実質的に半分がサポートされているダウンリンク周波数帯域SDFBの外側に存在しているという効果をもたらす。
【0154】
ステップS17において、これは結果として生じるスケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBをサポートされているダウンリンク周波数帯域SDFBの端まで再び移動させることによって緩和される。
【0155】
この例示的な実施形態は、アップリンク及びダウンリンク方向のスケジューリングがユーザ装置UEにとって十分に使用可能であることが確実に保証されることを示す。
【0156】
図3は、本発明の例示的な実施形態におけるユーザ装置UE及び基地局BS間でシグナリングされたメッセージを示すシーケンス図を示している。
【0157】
シーケンスは、具体的には基地局にキャンプオンするために実行される手順の間のメッセージM1から始まり、ユーザ装置は能力情報を基地局に送信する。
【0158】
具体的にはユーザ装置UEの登録手順において、基地局はUE能力要求をユーザ装置に発信する。上記能力要求は、ユーザ装置能力が以前のサービング基地局によって転送されていない場合、セルラネットワークによって発信される。初期接続の場合、ユーザ装置は、その能力をネットワーク登録手順の一部として基地局に送信する。
【0159】
LTEでは一般に、ユーザ装置の能力は、NAS手順TS23.401の一部であるMMEに保持され、例えばRRC手順TS36.331を介して実行される。ユーザ装置がそのE-UTRAN無線アクセス能力を変更した場合、より高次の層に、ユーザ装置の無線アクセス能力の更新をもたらすことになる必要なNAS手順(TS 23.401参照)を新しいRRC接続を使用して開始することを要請するものとする。同様にTS 38.331、TS.23.401を含むNRのための方法が存在し、通信はAMF(アクセス・モビリティ管理機能)によって行われる。
【0160】
これに対して又は新規登録として、ユーザ装置はUE能力メッセージM1でその能力を基地局に送信する。UE能力メッセージM1はUE能力に関する全ての情報を含む。
【0161】
これは、具体的にはアップリンク及びダウンリンク両方のユーザ装置の全ての可能な周波数帯域に関連する。
【0162】
このメッセージM1の直後に、又は少しの待ち時間の後に、具体的にはデータ伝送セッションの期限が到来したとき、基地局BSはメッセージM2で第1のダウンリンク信号をユーザ装置に送信する。ユーザ装置は、どの周波数範囲を基地局からのかかるダウンリンク信号メッセージについてモニタするかを、例えばマスター情報ブロックMIBに近接した既に認知又は定義されている情報に基づいて知る。
【0163】
ダウンリンク信号M2の一部はアップリンク割り当てUAである。アップリンク割り当てUAに基づいて、ユーザ装置は、基地局BSのサポートされているアップリンク周波数範囲のどこでアップリンク伝送を実行し得るかを知る。
【0164】
この実施形態では、アップリンク伝送の期限が到来していないため、ユーザ装置から基地局に信号/メッセージは送信されない。
【0165】
しかしながら、基地局はユーザ装置への並列ダウンリンク伝送を実行する必要がある。これらはスケジュールされる必要があり、ユーザ装置UEはこれらのダウンリンク伝送がどこにスケジュールされるかを知る必要がある。
【0166】
これはメッセージM2で送信されたアップリンク割り当てUAによって間接的に達成される。一定の公称間隔をアップリンク割り当てUAの中心に適用することによって、ユーザ装置UEは容易にスケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBの中心を導出することができる。このためユーザ装置UEは可能な周波数帯域幅CBW全体を適用する。しかしながら、他の分配ルールによって、スケジュールされたダウンリンク周波数帯域幅SDBの一部のみが基地局BSによる指示をスケジュールするのに使用されることがあるため、ユーザ装置UEはその可能な周波数帯域CBWの一部しかリスンしない。かかる手段は、例えばLTEにおいて知られており、キャンプオンしている全てのユーザ装置UEが可能なサポートされている周波数範囲にわたって分配されており、その結果、各ユーザ装置が各周波数範囲を同じくらいの頻度でリスンし、各周波数範囲は全てのユーザ装置UEについてスケジュールするのに同じくらいの頻度で使用される。
【0167】
スケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDBが完全に基地局BSのサポートされているダウンリンク周波数帯域SDFB内に位置する場合、ユーザ装置UEは、ユーザ装置に専用のデータが送信されるまで、メッセージM3でスケジュールされたダウンリンク周波数帯域SDB内で基地局BSのデータ伝送をモニタする準備ができている。
【0168】
メッセージステップM4によって、ユーザ装置UEは上記モニタリングを実行し、ユーザ装置UEに専用の信号又はデータパケットを復号する。
【0169】
以上の詳細な説明において、例示により、本発明が実施される特定の実施形態を示す添付図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に記載される。異なっていたとしても、本発明の様々な実施形態は必ずしも互いに排他的ではないことは理解されるべきである。例えば、一実施形態と関連して本明細書に記載される特定の特徴、構造、又は特性は、本発明の範囲を逸脱することなく、別の実施形態において実現されてもよい。加えて、開示される各実施形態の範囲内の個別要素の位置又は配置は、本発明の範囲を逸脱することなく変更されてもよいことは理解されるべきである。したがって、以上の詳細な説明は、限定的な意味で受け取られるべきではなく、本発明の範囲は、請求項が権利を得ることができる全範囲の同等物とともに、適切に解釈された、添付の請求項によってのみ定義される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】