IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-画像処理システム及びその使用方法 図1
  • 特表-画像処理システム及びその使用方法 図2A
  • 特表-画像処理システム及びその使用方法 図2B
  • 特表-画像処理システム及びその使用方法 図2C
  • 特表-画像処理システム及びその使用方法 図3
  • 特表-画像処理システム及びその使用方法 図4
  • 特表-画像処理システム及びその使用方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】画像処理システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
A61B1/045 610
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560450
(86)(22)【出願日】2021-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 US2021025619
(87)【国際公開番号】W WO2021207034
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/005,832
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バルバート、ルイス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】デュバル、ジョージ ウィルフレッド
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161LL02
4C161SS21
4C161TT02
4C161TT07
4C161WW07
(57)【要約】
フィルタアレイを含むセンサを含む医療装置である。センサは、原画像を撮像するように構成され、フィルタアレイは、原画像をフィルタ処理して、第1、第2、及び第3のピクセル値を含む原ピクセル値のフレームを得るように構成される。この医療装置は、実行されるとプロセッサに原ピクセル値のフレームから第1のピクセル値を除外させるデモザイキング命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。プロセッサは、フレーム上の除外された第1のピクセル値及び第3のピクセル値のロケーションにおいて第2の予想ピクセル値を生成し、フレーム上の除外された第1のピクセル値及び第2のピクセル値のロケーションにおいて第3の予想ピクセル値を生成する。プロセッサは、第2のピクセル値、第2の予想ピクセル値、第3のピクセル値、及び第3の予想ピクセル値から、部分解像フレームを有する処理済み画像を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
該医療装置はシャフトを備え、
該医療装置は、前記シャフトの遠位端に連結されるとともにフィルタアレイを含むセンサを備え、前記センサは原画像を撮像するように構成され、かつ、前記フィルタアレイは、前記原画像を原ピクセル値のフレームにフィルタ処理するように構成され、該原ピクセル値のフレームは、複数の第1のピクセル値、複数の第2のピクセル値、及び複数の第3のピクセル値を含み、
該医療装置はプロセッサと、デモザイキング命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体とを備え、該デモザイキング命令は、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
前記原ピクセル値のフレームから前記複数の第1のピクセル値を除外させ、
前記フレーム上の前記複数の除外された第1のピクセル値と前記複数の第3のピクセル値のロケーションにおける複数の第2の予想ピクセル値を生成させ、
前記フレーム上の前記複数の除外された第1のピクセル値と前記複数の第2のピクセル値のロケーションにおける複数の第3の予想ピクセル値を生成させ、
前記複数の第2のピクセル値と、前記複数の第2の予想ピクセル値と、前記複数の第3のピクセル値と、前記複数の第3の予想ピクセル値とから部分解像フレームを有する処理済み画像を生成させる
医療装置。
【請求項2】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記デモザイキング命令は、前記プロセッサに、
前記原画像内の1つ以上のエッジを検出させ、
前記処理済み画像のエッジディテールを増大させるために前記1つ以上のエッジの鮮鋭化エンハンスメントを実行させる、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記デモザイキング命令は、前記プロセッサに、
前記鮮鋭化エンハンスメントステップを実行することから作成された鮮鋭化エンハンスメント画像を出力させ、
前記鮮鋭化エンハンスメント画像を前記処理済み画像と融合させる、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記デモザイキング命令は、前記プロセッサに、
前記複数の第2のピクセル及び前記複数の第3のピクセルの各々の輝度値を設定させ、
前記処理済み画像のコントラストを高めるために前記輝度値を調整することにより、前記複数の第2のピクセルと前記複数の第3のピクセルのコントラストエンハンスメントを実行させる、請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記デモザイキング命令は、前記プロセッサに、
前記コントラストエンハンスメントステップの実行から作成されたコントラストエンハンスメント画像を出力させ、
前記コントラストエンハンスメント画像を前記処理済み画像と融合させる、請求項4に記載の医療装置。
【請求項6】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記デモザイキング命令は、前記プロセッサに、
上述のすべてのステップを閾値まで繰り返させる、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記デモザイキング命令は、前記プロセッサに、
前記複数の第1のピクセルのカラーピクセル値を特定するために、波長シフト入力を受け取らせる、請求項1~6の何れか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記プロセッサに通信可能に連結されて、前記プロセッサに前記波長シフト入力を示す信号を伝送するように構成されたユーザインタフェースをさらに含む、請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
前記センサは、RGBイメージセンサを含み、前記フィルタアレイは赤-緑-青ベイヤカラーフィルタアレイを含み、
前記複数の第1のピクセルは赤ピクセルを含み、前記複数の第2のピクセルは青ピクセルを含み、前記複数の第3のピクセルは緑ピクセルを含む、請求項1~8の何れか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
前記センサは、RGB+Irイメージセンサを含み、前記フィルタアレイは赤-緑-青-赤外ベイヤカラーフィルタアレイを含む、請求項1~9の何れか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記複数の第1のピクセルは青ピクセルを含み、前記複数の第2のピクセルは赤ピクセルと緑ピクセルを含み、前記複数の第3のピクセルは赤外ピクセルを含む、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
前記センサは、RGBイメージセンサとモノクロームセンサとを含む、請求項1~11の何れか一項に記載の医療装置。
【請求項13】
前記ピクセルの部分解像フレーム内の各ロケーションは、前記原ピクセルのフレームから少なくとも1つのカラーピクセル値が除外されるように、1つの撮像されたカラーピクセル値と1つの再構成されたカラーピクセル値を含む、請求項1~12の何れか一項に記載の医療装置。
【請求項14】
前記シャフトの前記遠位端に連結された光源をさらに含み、前記光源は光ファイバ、紫外光、又はマルチカラーLEDアレイである、請求項1~13の何れか一項に記載の医療装置。
【請求項15】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記デモザイキング命令は、前記プロセッサに、
前記部分解像フレームの前記処理済み画像を表示装置に出力させる、請求項1~14の何れか一項に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の各種の態様は一般に、画像処理システム、装置、及び関連する方法に関する。本開示の例は、デジタル色素内視鏡検査等のためのシステム、装置、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術開発により、医療システム、装置、及び方法の使用者は対象者に対してますます複雑な処置を施行することが可能となっている。低侵襲手術の技術分野における1つの課題は、対象者の体内の標的治療部位、例えば対象者の胃腸管の中にある腫瘍又は病変を可視化することにかかわる。色素注入を伴う色素内視鏡検査法は、管腔である胃腸管内の粘膜表面における変化を検出しやすくなり得る。しかしながら、血管を可視化するための撮像方法や装置が限定的であることから、処置が長引き、その有効性が制限され、及び/又は患者に危害が及び得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、中でも画像処理システムを提供するためのシステム、装置、及び方法と、中でも波長シフトデモザイキングロジックに関する。本明細書で開示される態様の各々は、開示された他の態様の何れかに関して記載されている特徴の1つ以上を含み得る。
【0004】
ある例によれば、医療装置は、シャフトと、シャフトの遠位端に連結され、フィルタアレイを含むセンサと、を含む。センサは、原画像を撮像するように構成され、フィルタアレイは、原画像をフィルタ処理して、複数の第1のピクセル値、複数の第2のピクセル値、及び複数の第3のピクセル値を含む原ピクセル値のフレームを得るように構成される。医療装置は、プロセッサと、非一時的コンピュータ可読媒体とを含み、該非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサにより実行されると、プロセッサに、原ピクセル値のフレームから複数の第1のピクセル値を除外させるデモザイキング命令を記憶する。プロセッサは、フレーム上の複数の除外された第1のピクセル値と複数の第3のピクセル値のロケーションにおいて複数の第2の予想ピクセル値を生成する。プロセッサは、フレーム上の複数の除外された第1のピクセル値と複数の第2のピクセル値のロケーションにおいて複数の第3の予想ピクセル値を生成する。プロセッサは、複数の第2のピクセル値と、複数の第2の予想ピクセル値と、複数の第3のピクセル値と、複数の第3の予想ピクセル値とから部分解像フレームを有する処理済み画像を生成する。
【0005】
本明細書に記載の医療装置の何れも、以下の特徴の何れでも含み得る。非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたデモザイキング命令は、プロセッサに原画像内の1つ以上のエッジを検出させ、処理済み画像のエッジディテールを増大させるために1つ以上のエッジの鮮鋭化エンハンスメント(sharpened enhancement)を実行させる。非一時的コンピュータ可読媒体内に記憶されたデモザイキング命令は、プロセッサに、鮮鋭化エンハンスメントステップを実行することから作成された鮮鋭化エンハンスメント画像を出力させ、鮮鋭化エンハンスメント画像を処理済み画像と融合させる。非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたデモザイキング命令は、プロセッサに、複数の第2のピクセル及び複数の第3のピクセルの各々の輝度値を設定させ、処理済み画像のコントラストを高めるために輝度値を調整することにより、複数の第2のピクセルと複数の第3のピクセルのコントラストエンハンスメントを実行させる。非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたデモザイキング命令は、プロセッサに、コントラストエンハンスメントステップの実行から作成されたコントラストエンハンスメント画像を出力させ、コントラストエンハンスメント画像を処理済み画像と融合させる。非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたデモザイキング命令は、プロセッサに、上述のすべてのステップを閾値まで繰り返させる。非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたデモザイキング命令は、プロセッサに、複数の第1のピクセルのカラーピクセル値を特定するために、波長シフト入力を受け取らせる。さらに、プロセッサに通信可能に連結されて、プロセッサに波長シフト入力を示す信号を伝送するように構成されたユーザインタフェースを含む。センサは、RGBイメージセンサを含み、フィルタアレイは赤-緑-青ベイヤカラーフィルタアレイを含む。複数の第1のピクセルは赤ピクセルを含み、複数の第2のピクセルは青ピクセルを含み、複数の第3のピクセルは緑ピクセルを含む。センサは、RGB+Irイメージセンサを含み、フィルタアレイは赤-緑-青-赤外ベイヤカラーフィルタアレイを含む。複数の第1のピクセルは青ピクセルを含み、複数の第2のピクセルは赤ピクセルと緑ピクセルを含み、複数の第3のピクセルは赤外ピクセルを含む。センサは、RGBイメージセンサとモノクロームセンサとを含む。ピクセルの部分解像フレーム内の各ロケーションは、1つの撮像されたカラーピクセル値と1つの再構成されたカラーピクセル値を含み、それによって原ピクセルのフレームから少なくとも1つのカラーピクセル値が除外される。さらに、シャフトの遠位端に連結された光源を含み、光源は光ファイバ、紫外光、又はマルチカラーLEDアレイである。非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたデモザイキング命令は、プロセッサに、部分解像フレームの処理済み画像を表示装置に出力させる。
【0006】
他の例によれば、画像処理方法は、原画像を撮像するステップと、原画像をフィルタ処理して、複数の第1のピクセル、複数の第2のピクセル、及び複数の第3のピクセルを含む原ピクセルのフレームを得るステップと、を含む。方法は、少なくとも複数の第1のピクセルを除外するステップと、フレームに沿って複数の除外された第1のピクセルと複数の第3のピクセルのピクセルロケーションに、欠けていた第2のピクセルを生成するステップと、を含む。方法は、フレームに沿って複数の除外された第1のピクセルと複数の第2のピクセルのピクセルロケーションに、欠けていた第3のピクセルを生成するステップと、複数の第2のピクセル、複数の第3のピクセル、生成された第2のピクセル、及び生成された第3のピクセルから部分的にサンプリングされたデジタル画像を構成するステップと、を含む。
【0007】
本明細書に記載の方法の何れも、以下のステップの何れも含み得る。原ピクセルのフレーム内のエッジを検出するステップと、部分的にサンプリングされたデジタル画像中のエッジディテールを増大させるために、エッジの鮮鋭度を高めるステップと、を含む方法。部分的にサンプリングされたデジタル画像中の複数の第2のピクセルと複数の第3のピクセルのコントラストを高めるために、複数の第2のピクセルの及び複数の第3のピクセルの各々に関する輝度値を変更するステップを含む方法。波長シフト入力を受け取って、複数の第1のピクセルのカラーピクセル値を特定するステップを含む方法。原ピクセルのフレームは、複数の第4のピクセルをさらに含む。少なくとも複数の第4のピクセルを除外するステップを含む方法。
【0008】
他の例によれば、プロセッサと、プロセッサにより実行されると、プロセッサに、照明源からの複数の波長を有する光を伝送させ、プロセッサに通信可能に連結されたデジタルイメージセンサにより検出された複数のピクセル値の少なくとも小部分を除去させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体である。デジタルイメージセンサは、光の複数の波長をフィルタ処理し、複数のピクセル値を得るように構成されたフィルタアレイを含む。プロセッサは、複数の予想ピクセル値を生成し、複数のピクセル値と複数の予想ピクセル値を含む部分解像フレームを有する処理済み画像を作り、処理済み画像から複数のピクセル値の少なくとも小部分を除去する。
【0009】
以上の一般的な説明文と以下の詳細な説明文はどちらも例示及び解説のためにすぎず、特許請求の範囲による本発明を限定するものではないと理解されたい。
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な態様を図解しており、説明文と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の態様による例示的な医療システムの概略図。
図2A】本開示の態様による、センサと光源を含む図1の医療システムの医療装置の部分斜視図。
図2B】本開示の態様による、センサと複数の光源を含む図1の医療システムの他の医療装置の部分斜視図。
図2C】本開示の態様による、センサのペアと光源を含む図1の医療システムの他の医療装置の部分斜視図。
図3】本開示の態様による、図2Aの医療装置の例示的なイメージセンサの概略図。
図4】本開示の態様による、図3のイメージセンサにより撮像される画像から受け取った原ピクセルデータのフレームの概略図。
図5】本開示の態様による、図1の医療システムを用いて標的部位を撮像する例示的な方法のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の例は、対象者(例えば、患者)の体内の1つ以上の標的治療部位の画像を、処理済み画像の中で標的部位の1つ以上の特徴(例えば、血管、脈管系等)を強調することによって品質向上させるシステム、装置、及び方法を含む。以下に本開示の態様を詳しく説明するが、その例が添付の図面に示されている。可能なかぎり、図面全体を通じて同じ又は同様の参照番号は同じ又は類似の部品を指すために使用される。「遠位」という用語は、装置を患者の体内に導入するときに使用者から最も遠い部分を指す。それに対して、「近位」という用語は、装置を対象者の体内に設置するときに使用者に最も近い部分を指す。本明細書で使用されるかぎり、「~を備える/からなる(comprises)」、「~を備えている/からなる(comprising)」という用語又はその他のあらゆる変形型は非排他的な包含をカバーするものであり、列挙された要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもこれらの要素だけを含むのではなく、明示的に挙げられていない、又はかかるプロセス、方法、物品、又は装置に固有のその他の要素を含み得る。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」という意味で使用される。本明細書で使用されるかぎり、「約」、「実質的に」、及び「ほぼ」という用語は、明記された値の+/-10%の値の範囲を示す。
【0012】
本開示の例は、対象者の体内の標的部位を、対象者の管腔である胃腸管の1つ以上の特徴及び/又は特性を視覚的に強調するピクセル値の部分解像フレーム(pertial-resolution frame)を有する処理済み画像を生成することによって特定するために使用され得る。このような特徴及び/又は特性には、例えば、腫瘍、病変、血管、粘膜表面の変化等が含まれる。幾つかの実施形態において、医療装置は画像処理装置を含み得、これはプロセッサと、部分解像フレームを生成するための1つ以上のアルゴリズムを記憶するメモリと、を含む。実施形態では、メモリはデモザイキングロジック、エッジエンハンスメントロジック、及び/又はコントラストエンハンスメントロジックに従ったプログラム可能な命令を含み得る。さらに、画像処理装置は、そこでユーザ入力を受け取るように動作可能なユーザインタフェースを含み得、これは例えば、少なくとも1つのカラーピクセル値をフィルタで除去するための波長シフト入力であり、その後でイメージセンサにより撮像された他のカラーピクセル値の補間及びエンハンスメントが行われる。医療装置の画像処理装置により生成された処理済み画像は、ピクセル値の部分解像フレームを含み得、それが表示装置へと出力され得る。
【0013】
本開示の例は、各種の医療処置を行うため、及び/又は大腸(結腸)、小腸、盲腸、食道、及び胃腸管の他の何れかの部分及び/又はその他の何れかの適当な患者の体内構造の部分(まとめて、本明細書では「標的治療部位」と呼ぶ)を治療するための装置及び方法に関し得る。本明細書に記載の様々な例は、単回使用又は使い捨ての医療装置を含む。以下に、上で説明され、添付の図面に示される本開示の例を詳しく説明する。可能なかぎり、図面全体を通じて同じ参照番号は同じ又は類似の部品を指すために使用される。
【0014】
図1は、本開示の例による例示的な医療システム100の概略図を示す。医療システム100は、1つ以上の光源130、画像処理装置101、医療器具110、及び医療装置140を含み得る。画像処理装置101は、医療器具110に、例えばワイヤード接続、ワイヤレス接続等によって通信可能に連結され得る。例において、画像処理装置101は、画像処理装置101がデータ(例えば、イメージセンサのデータ)を受信し、情報(例えば、波長データ)を処理し、及び/又は医療システム100の使用者に対して出力するための処理画像を生成することができるようにする複数のハードウェアコンポーネントが組み込まれたコンピュータシステムである。画像処理装置101の例示的なハードウェアコンポーネントとしては、少なくとも1つのプロセッサ102、少なくとも1つのメモリ103、少なくとも1つのユーザインタフェース108、及び少なくとも1つのディスプレイ109を含み得る。
【0015】
画像処理装置101のプロセッサ102は機械可読命令を実行できる何れかのコンピューティング装置を含み得、命令は非一時的コンピュータ可読媒体、例えば画像処理装置101のメモリ103に記憶され得る。例えば、プロセッサ102は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、及び/又はプログラムを実行するために必要な計算とロジック演算を実行するように動作可能な他のあらゆるコンピュータ処理ユニットを含み得る。本明細書中でより詳しく説明するように、プロセッサ102は、メモリ103上に記憶された命令に従って1つ以上の演算、例えばイメージングロジック104、デモザイキングロジック105、エッジエンハンスメントロジック106、コントラストエンハンスメントロジック107等を実行するように構成される。
【0016】
引き続き図1を参照すると、画像処理装置101のメモリ103は、その上に機械可読命令、例えばイメージングロジック104、デモザイキングロジック105、エッジエンハンスメントロジック106、及びコントラストエンハンスメントロジック107を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。イメージングロジック104は、医療システム100が、医療器具110の1つ以上のコンポーネント、例えば1つ以上のイメージセンサ150、150A、150B(図2A図2C)を作動させることによって原デジタル画像を撮像できるようにする実行可能な命令を含み得る。
【0017】
さらに、デモザイキングロジック105は、医療システム100がデジタル画像(例えば、モザイク状画像)を、画像をデモザイキングし、モザイク状画像の中の欠けた及び/又は未知のピクセル値を再構成することによって処理することができるようにする実行可能な命令を含み得る。理解すべき点として、カラーフィルタセンサアレイを使用してイメージセンサにより撮像されたデジタル画像は、モザイクパターンに配置された各種のカラーピクセル値を有する原画像を提供し得る。パターンの各ピクセルアレイは、1つのカラーピクセル値のみを含み、それによってその上では1つ以上のカラーピクセル値が除去され得る。本明細書中で詳しく説明するように、デジタル画像はピクセル値の2次元アレイを含み、各ピクセル値は画像内のあるピクセルロケーションにおける複数のスペクトルバンドのうちの1つにおける光強度(例えば、カラーピクセル値)に対応する。
【0018】
引き続き図1を参照すると、エッジエンハンスメントロジック106は、医療システム100が標的部位のモザイク状画像を処理し、モザイク状画像内の1つ以上のエッジの精細度を高めることができるようにする実行可能な命令を含み得る。理解すべき点として、デモザイキングプロセスは固有の副作用を含み得、これは例えば、画像内の1つ以上のエッジの鮮鋭度の低下である。例えば、デモザイキングプロセスにより、画像の高周波数ディテール(high-frequency detail)が減衰し、及び/又は画像の低周波数ディテール(low-frequency detail)が強調され得る。
【0019】
この例では、画像内の鮮鋭なコントラストの境界のエッジにおいて色フリンジが生じ得、この場合、鮮鋭なコントラストの境界のエッジがモザイク状画像のカラーピクセル内のフリンジアーチファクトを含み得る。さらに後述するように、エッジエンハンスメントロジック106は、医療システム100がデジタル画像(例えば、モザイク状画像)を、エッジを検出し、前記エッジのディテールを増大させて、カラーピクセル内で前記画像のより鮮鋭な精細度を提供することによって処理することができるようにする実行可能な命令を含み得る。
【0020】
引き続き図1を参照すると、コントラストエンハンスメントロジック107は、医療システム100が標的部位のモザイク状画像を処理し、モザイク状画像内の1つ以上のピクセルのコントラストを高めることができるようにする実行可能な命令を含み得る。理解すべき点として、デモザイキングプロセスは固有の副反応を含み得、これは例えば、画像内のピクセル間の色差信号の減少による画像のコントラストの低下である。
【0021】
この例において、カラーピクセルの解像フレーム(resolution frame)は、各種のカラーピクセル間で画像の1つ以上の特徴を差別化するのに十分な明るさを欠いているかもしれない。さらに後述するように、コントラストエンハンスメントロジック107は、医療システム100がデジタル画像(例えば、モザイク状画像)を、特定のカラーピクセルの輝度をスケーリングし、解像フレームの明るさを増大させて、カラーピクセル内で前記画像のより明瞭な鮮鋭度を提供することによって処理することができるようにする実行可能な命令を含み得る。
【0022】
幾つかの実施形態において、イメージングロジック104、デモザイキングロジック105、エッジエンハンスメントロジック106、及び/又はコントラストエンハンスメントロジック107は、医療システム100が標的部位の周期的な画像処理を、ユーザ入力を必要とせずに自動的に実行できるようにする実行可能な命令を含み得る。他の実施形態では、画像処理装置101は、標的部位の画像処理を開始する、例えば画像処理装置101のユーザインタフェース108からのユーザ入力を受信するように構成され得る。認識すべき点として、幾つかの実施形態では、ユーザインタフェース108は画像処理装置101と一体の装置であり得、他の実施形態では、ユーザインタフェース108は画像処理装置101と通信する(例えば、ワイヤレス、ワイヤード等)リモート装置であり得る。
【0023】
理解すべき点として、医療システム100の動作を支援する各種のプログラミングアルゴリズム及びデータは全部又は一部がメモリ103の中にあり得る。メモリ103は、データ及びアルゴリズムを記憶するのに適した何れの種類のコンピュータ可読媒体も含み得、これは例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、及び/又は機械可読命令を記憶することのできるあらゆる装置である。メモリ103は、1つ以上のデータセットを含み得、これには医療システム100の1つ以上のコンポーネント(例えば、医療器具110、医療装置140等)からの画像データが含まれるが、これに限定されない。
【0024】
引き続き図1を参照すると、医療器具110は、医療システム100の1つ以上のコンポーネント、例えば医療装置140を対象者(例えば、患者)に関して位置決めしやすくするように構成され得る。実施形態において、医療器具110は、何れの種類の内視鏡、十二指腸内視鏡、胃内視鏡、大腸内視鏡、尿管鏡、気管支鏡、カテーテル、又はその他の送達システムでもあり得、ハンドル112、操作機構114、少なくとも1つのポート116、及びシャフト120を含み得る。医療器具110のハンドル112は、医療システム100の1つ以上の他のコンポーネントのルーメンと連通する1つ以上のルーメン(図示せず)を有し得る。ハンドル112は、ハンドル112の1つ以上のルーメン中へと開放する少なくとも1つのポート116をさらに含む。本明細書中でさらに詳しく説明するように、少なくとも1つのポート116は、その中に1つ以上の器具、例えば医療システム100の医療装置140を受けるような大きさ及び形状である。
【0025】
医療器具110のシャフト120は十分に柔軟なチューブを含み得、シャフト120は、対象者の曲がりくねった体内構造の中に、及び/又はそこを通って標的治療部位へと挿入される際に、選択的に曲がり、回転し、及び/又は捩じれるように構成される。シャフト120は、その中を通って延びる1つ以上のルーメン(図示せず)を有し得、これは例えば、器具(例えば、医療装置140)を受けるための作業ルーメンを含む。他の例では、シャフト120は、1つ以上の遠位部品/ツール(例えば、関節運動継手、エレベータ等)を操作するための1つ以上のコントロールワイヤを受けるためのコントロールワイヤルーメン、流体を送達するための流体ルーメン、照明アセンブリ(図示せず)の少なくとも一部を受けるための照明ルーメン、及び/又はイメージングアセンブリ(図示せず)の少なくとも一部を受けるためのイメージングルーメン等の追加のルーメンを含み得る。
【0026】
引き続き図1を参照すると、医療器具110は、シャフト120の遠位端にチップ122をさらに含み得る。幾つかの実施形態において、チップ122はシャフト120の遠位端に取り付けられ得、他の実施形態では、チップ122はシャフト120と一体であり得る。例えば、チップ122はその中にシャフト120の遠位端を受けるように構成されたキャップを含み得る。チップ122は、シャフト120の1つ以上のルーメンと連通する1つ以上の開口を含み得る。例えば、チップ122は作業口123を含み得、それを通じて医療装置140がシャフト120の作業ルーメンから出られ得る。認識すべき点として、シャフト120のチップ122の他の1つ以上の開口は示されていない。医療器具110の操作機構114はハンドル112上にあり、1つ以上のノブ、ボタン、レバー、スイッチ、及び/又はそれらの適当なアクチュエータを含み得る。操作機構114は、少なくともシャフト120の向きを制御する(例えば、コントロールワイヤの操作を通じて)ように構成される。
【0027】
医療システム100の医療装置140は、医療装置140の近位端141と医療装置140の遠位端144との間の長さ方向本体142を有するカテーテルを含み得る。医療装置140の長さ方向本体142は柔軟であり得、それによって医療装置140が、医療器具110の作業ルーメンの中に挿入される際、曲がり、回転し、及び/又は捩じれるように構成される。医療装置140は、長さ方向本体142の近位端141にハンドルを含み得、これは、長さ方向本体142を動かし、回転させ、及び/又は曲げるように構成され得る。さらに、医療装置140の近位端141のハンドルは、医療装置140の長さ方向本体142を通じて1つ以上のツールを受けるような大きさの1つ以上のポート(図示せず)を画定し得る。
【0028】
引き続き図1を参照すると、医療器具110は、医療装置140を少なくとも1つのポート116から、作業ルーメンを介してシャフト120を通り、チップ122の作業口123へと受けるように構成され得る。この例では、医療装置140は、作業口123から遠位方向に、チップ122の周囲環境へと、後でさらに詳しく説明するように、例えば対象者の標的治療部位において延び得る。医療装置140の遠位端144は、長さ方向本体142がシャフト120の作業ルーメンの中で移動したことに応答して、チップ122から遠位方向に延び得る。医療装置140は、長さ方向本体142の遠位端144において、標的治療部位に1つ以上の動作を行うための1つ以上のエンドエフェクタ(図示せず)を含み得る。
【0029】
医療器具110はさらに、光ファイバ146に接続されるように医療器具110のルーメンの少なくとも1つを介してシャフト120を通る1つ以上の光源130を受けるように構成され得る。この例では、1つ以上の光源130は画像処理装置101とは別のコンポーネントとして示されており、それによって光源130は医療器具110に、画像処理装置とは別に(例えば、ケーブルを介して)連結される。認識すべき点として、他の実施形態では、1つ以上の光源130は画像処理装置101に含められてもよく、それによって光源130は画像処理装置101と共に医療器具110に通信可能に連結され得る。
【0030】
次に図2A図2Cを参照すると、本開示の1つ以上の例による医療器具110のチップ122が示されている。まず図2Aを参照すると、1つの実施形態において、医療器具110のチップ122はチップ122に光ファイバ146とイメージセンサ150を含み得る。この例では、光ファイバ146は医療システム100の1つ以上の光源130に連結され得、それによって1つ以上の光源130の各々は1本の光ファイバ146を通じて光を伝送し得る。図示されていないが、認識すべき点として、複数の光源130はファイバスプリッタ/コンバイナを介して光ファイバ146に連結され得る。医療器具110の光ファイバ146は、1つ以上の光源130からの様々な振幅の光をシャフト120のチップ122から遠位方向に送達するように構成され、そのように動作可能であり得る。幾つかの実施形態において、光ファイバ146は、白光、紫外光、近赤外(NIR)光、及び/又は可視スペクトル内若しくはそれを超える他の各種の波長を送達するように構成され得る。
【0031】
引き続き図2Aを参照すると、医療器具110のイメージセンサ150は医療システム100の画像処理装置101に、例えばワイヤード接続、及び/又はワイヤレス接続等を介して通信可能に連結され得る。医療器具110のイメージセンサ150は、シャフト120のチップ122の周囲環境の原画像(例えば、デジタル画像)を撮像するように構成され、そのように動作可能であり得る。幾つかの実施形態において、イメージセンサ150はイメージセンサ、例えばRGB(すなわち、赤-緑-青)デジタルセンサ、RGB-Ir(すなわち、赤-緑-青-赤外)デジタルセンサ、及び/又はモノクロームセンサ等を含み得る。本明細書でさらに詳しく説明するように、イメージセンサ150は、白光、紫外光、近赤外光、及び/又は可視スペクトル内若しくはそれを超える他の波長からの色をフィルタ処理するための1つ以上のコンポーネントを含み得る。
【0032】
他の実施形態において、次に図2Bを参照すると、医療器具110はシャフト120のチップ122にマルチカラーLEDアセンブリを含み得る。この例では、マルチカラーLEDアセンブリは、イメージセンサ150の周囲に環状アレイとして配置された1つ以上の発光ダイオード(以下、LED)146A、146B、146C、146Dを含み得る。LED 146A、146B、146C、146Dの各々は、相互に関して異なる光の波長及び/又は振幅(例えば、色)を伝送するように構成され、そのように動作可能であり得る。理解すべき点として、異なる照明源で異なるスペクトルを生成し得る。認識すべき点として、医療器具110のLED 146A、146B、146C、146Dはチップ122に本明細書で図示され、記載されているものより多い、及び/又は少ないダイオードを含み得、それも本開示の範囲から逸脱しない。
【0033】
他の実施形態において、次に図2Cを参照すると、医療器具110はシャフト120のチップ122にマルチセンサアセンブリを含み得る。この例では、マルチセンサアセンブリは、カラーイメージセンサ150Aとモノクロームイメージセンサ150Bを含み得る。本明細書中でさらに詳しく説明するように、カラーイメージセンサ150Aは、カラーイメージセンサ150Aの個々のピクセルロケーションの各々において入射光のうち入射光の色に応じた部分を撮像するように構成され、そのように動作可能であり得る。幾つかの実施形態において、カラーイメージセンサ150Aは、例えばRGB(赤-緑-青デジタルセンサ)、及びRGB-Ir(赤-緑-青-赤外)デジタルセンサ等を含み得る。本明細書でさらに詳しく説明するように、モノクロームイメージセンサ150Bは、入射光の色に関係なく、モノクロームセンサ150Bの個々のピクセルロケーションの各々において入射光の全部を完全に撮像するように構成され、そのように動作可能であり得る。
【0034】
次に図3を参照すると、医療器具110のイメージセンサ150は、その上に複数のマイクロレンズ154が配置された外面152を含み得る。幾つかの例において、外面152及び/又は複数のマイクロレンズ154は、ガラス、プラスチック、及び/又はその他の透明材料で形成され得る。イメージセンサ150は、相対的に外面152の下に配置されたカラーフィルタアレイ156を含むカラーイメージセンサであり得る。カラーフィルタアレイ156は、所定のパターンに配置された複数のカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cを有する光ファイバ装置を含み得る。この例では、複数のマイクロレンズ154の各々は、外面152の下に配置されたカラーフィルタアレイ156の複数のカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cのうちの少なくとも1つと整合させて位置付けられ得る。
【0035】
幾つかの実施形態において、カラーフィルタアレイ156は、複数の第1のカラーピクセルロケーション158A、複数の第2のカラーピクセルロケーション158B、及び/又は複数の第3のカラーピクセルロケーション158Cを含み得る。複数のカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cは、カラーフィルタアレイ156に沿ってモザイクパターン、例えばベイヤパターンで配置され得る。この例では、複数の第1のカラーピクセルロケーション158Aは赤色フィルタを含み得、複数の第2のカラーピクセルロケーション158Bは緑色フィルタを含み得、複数の第3のカラーピクセルロケーション158Cは青色フィルタを含み得る。他の実施形態では、複数のカラーピクセル158A、158B、158Cは、本明細書で図示され、記載されているもの以外の各種の適当なカラーフィルタ及び/又はパターンを含み得る。例えば、イメージセンサ150がRGB-Irセンサを含む実施形態では、カラーフィルタアレイ156は追加的に、赤外色フィルタに対応する複数の第4のカラーピクセルロケーションを含み得ると理解すべきである。
【0036】
引き続き図3を参照すると、イメージセンサ150のカラーフィルタアレイ156は、光ビーム10の1つ以上の波長12、14、16(例えば、光強度、スペクトルバンド、色等)を選択的に伝送するように構成され、そのように動作可能であり得る。例えば、カラーピクセルロケーション158A、158B、158Cの各々は、光ビーム10(例えば、少なくとも1つの波長12、14、16)の、前記カラーピクセルロケーション158A、158B、158Cのカラーフィルタに応じた一部分を、それを通じて送達し、及び/又は透過させることができるように構成される。従って、各カラーピクセルロケーション158A、158B、158Cでは、1つのカラー成分(例えば、カラーピクセル値)だけがイメージセンサ150により測定され得る。本明細書でさらに説明するように、カラーピクセル値はスペクトルの有色範囲(例えば、赤範囲、緑範囲、青範囲等)のエネルギ量を含み得る。
【0037】
この例では、複数のカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cの各々は、光ビーム10の1つの波長12、14、16だけがカラーフィルタアレイ156を透過できるようにし得る。イメージセンサ150はさらに、相対的にカラーフィルタアレイ156の下に配置されたフォトセンサアレイ160をさらに含み得、イメージセンサ150のカラーフィルタアレイ156は外面152とフォトセンサアレイ160との間に位置付けられ得る。イメージセンサ150のフォトセンサアレイ160は、複数のフォトサイト162と複数のフォトサイト162に通信可能に連結された回路構成164を有するフォトダイオード(例えば、半導体装置)を含み得る。
【0038】
引き続き図3を参照すると、複数のフォトサイト162はアレイ状(例えば、グリッド)に配置され、複数のフォトサイト162の各々は、フォトセンサアレイ160の上方に配置されたカラーフィルタアレイ156の複数のカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cの少なくとも1つと整合させて位置付けられる。フォトセンサアレイ160は、外面152及びカラーフィルタアレイ156を通じて受け取った光ビーム10を電流に変換するように構成され、そのように動作可能であり得る。この例では、受け取った光からの光子が複数のフォトサイト162に吸収されると、電流がフォトセンサアレイ160により生成され得る。
【0039】
この例において、複数のフォトサイト162の各々は、フォトセンサアレイ160の表面に沿ったフォトサイト162のロケーションで、入射光10内の1つのカラーピクセル値(例えば、赤、緑、青)のみの数量を測定するように構成され得る。従って、複数のフォトサイト162は入射光10を撮像し、電気信号を生成し得、それが定量化され、結果として得られる処理済み画像ファイル内に数値として保存され得る。認識すべき点として、フォトセンサアレイ160は本明細書で図示され、説明されたもの以外の各種の適当な形状、大きさ、及び/又は構成を含み得る。他の実施形態で、イメージセンサ150はモノクロームセンサ(例えば、モノクロームセンサ150B)であり得、それによって図示され、上述されたカラーフィルタアレイ156は、外面152とフォトセンサアレイ160との間から完全に排除され得る。この例で、フォトセンサアレイ160に沿った各フォトサイト162は、光ビーム10の3つの波長12、14、16の全てを受け取り、撮像し、吸収するように動作可能であり得る。
【0040】
次に図3図4図5のフロー図と併せて参照すると、医療システム100を使って標的部位の処理済み画像を生成するための例示的な方法200が概略的に示されている。図3~5の図とそれに関する以下の説明は、本明細書に記載の主題を特定の方法に限定しようとするものではない。
【0041】
まず、図1に関して、医療システム100の医療器具110は対象者の体(図示せず)の中に挿入され、チップ122が標的部位に隣接するように位置付けられ得る。例えば、シャフト120は対象者(例えば、患者)の消化管の中で、チップ122を対象者の鼻又は口(或いは体のその他の適当な自然の開口)に挿入し、対象者の体内の胃腸管(例えば、食道、胃、小腸等)を通って標的部位に到達させることにより案内され得る。認識すべき点として、シャフト120の長さは、医療器具110の近位端(ハンドル112を含む)が対象者の体外にあり、同時に医療器具110のチップ122は対象者の体内にあるようにするのに十分であり得る。本開示は対象者の消化管における医療システム100の使用に関しているが、本開示の特徴は対象者の体内のその他の様々な位置(例えば、他の器官、組織等)でも使用できると理解すべきである。
【0042】
追加的に、医療器具110が対象者の体内に受け入れられ、シャフト120のチップ122が標的部位の比較的近くに配置されたところで、医療装置140が少なくとも1つのポート116から医療器具110の中に受けられ得る。この例では、医療装置140の長さ方向本体142は、シャフト120のルーメンの少なくとも1つ(例えば、作業ルーメン)を通じてシャフト120の中で移動させられる。長さ方向本体142の遠位端144は、シャフト120のチップ122から、シャフト120の作業ルーメンと連通する作業口123を通じて遠位方向に延び得る。認識すべき点として、このステップは任意選択的であり得、医療器具110の中に医療装置140を受けられるようにすることは、方法200の他の様々なステップで行われても、及び/又は完全に省かれてもよい。チップ122は、標的治療部位に隣接し、それと対向するように位置付けられ得る。
【0043】
図5を参照すると、ステップ202において、画像処理装置101のプロセッサ102がイメージングロジック104を実行して、1つ以上の光源130を作動させたことに応答し、1つ以上の標的対象が医療器具110により照明され得る。光ファイバ146(図2A)及び/又はマルチカラーLEDアセンブリ146A、146B、146C、146D(図2B)を含む医療器具110の例では、1つ以上の光源130からの光が医療器具110のチップ122から発せられて、標的対象を照明し得る。
【0044】
ステップ204において、標的対象が医療器具110からの光により照明されると、イメージセンサ150は、プロセッサ102がイメージングロジック104を実行することにより作動されて、標的対象の1つ以上の原デジタル画像を撮像し得る。理解すべき点として、画像処理装置101のプロセッサ102は、医療器具110のイメージセンサ150に回路構成164を介して通信可能に連結され得る。例えば、再び図3を参照すると、光ファイバ146及び/又はマルチカラーLEDアセンブリ146A、146B、146C、146Dにより標的対象に伝送される光10は、標的対象で反射し、イメージセンサ150で受け取られ得る。この例では、光10の複数の波長12、14、16が外面152上の複数のマイクロレンズ154のうちの1つ以上を通って受け取られ得る。
【0045】
複数の波長12、14、16は、カラーフィルタアレイ156の対応する1つ以上のカラーピクセルロケーション158A、158B、158C、例えばそこを通って光ビーム10を受け取るマイクロレンズ154と整合するもので受け取られ得る。複数のカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cの各々において、光10の複数の波長12、14、16のうちの1つ以上は、カラーピクセルロケーション158A、158B、158Cのカラーフィルタに応じて、カラーフィルタアレイ156を透過できないように(例えば、フィルタ処理、除外、排除、ブロック)され得る。それゆえ、光10を受け取るカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cのカラーフィルタ構成(例えば、赤、緑、青等)によって、波長12、14、16(例えば、赤、青、緑等)のうちのどれが前記ロケーションでのカラーフィルタアレイ156を透過できるかが決まる。
【0046】
従って、理解すべき点として、カラーピクセルロケーション158A、158B、158Cの各々は、前記ロケーションで入射光10の約3分の1(例えば、33%)だけがフォトセンサアレイ160を透過できるようにし得る。例えば、複数の第1のカラーピクセルロケーション158A(例えば、赤色フィルタ)の各々では、光10の波長12(例えば、光スペクトルの赤範囲)だけがカラーフィルタアレイ156を透過でき、それによって波長14、16(例えば、それぞれ青と緑)は前記第1のカラーピクセルロケーション158Aでカラーフィルタアレイ156により除去され得る。認識すべき点として、この実施形態ではそれぞれ、複数の第2のカラーピクセルロケーション158B(例えば、緑色フィルタ)は波長14(例えば、光スペクトルの緑範囲)を透過させるように構成され得、複数の第3のカラーピクセルロケーション158C(例えば、青色フィルタ)は波長16(例えば、光スペクトルの青範囲)を透過させるように構成され得る。
【0047】
引き続き図3を参照すると、光10の、カラーフィルタアレイ156を透過する個々の波長12、14、16は、フォトセンサアレイ160に沿って検出され、複数のフォトサイト162(すなわち、そこを通る光ビーム10を受け取るカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cと整合するもの)のうちの1つ以上により吸収され得る。この例では、光10のうち複数のフォトサイト162の各々により吸収される部分は、電流に変換され得る。イメージセンサ150により撮像される原デジタル画像は、フォトセンサアレイ160に沿ったフォトサイト162の各グリッドロケーションで測定された光エネルギの定量的記録を含み得、各フォトサイト162はその上で受け取った波長12、14、16のカラーピクセル値を特定するように構成される。
【0048】
この例において、画像処理装置101のプロセッサ102は、イメージングロジック104を実行すると、フォトセンサアレイ160にカラーピクセル値の電気信号を画像処理装置101に、例えば回路構成164を介して送信させ得る。カラーピクセル値の電気信号は、画像処理装置101のメモリ103の中に記憶され、デモザイキングロジック105、エッジエンハンスメントロジック106、及び/又はコントラストエンハンスメントロジック107によって処理済みの画像を生成するために使用され得る。
【0049】
図5を参照すると、ステップ206において、波長シフト入力が医療システム100の使用者によって、例えば画像処理装置101のユーザインタフェース108を介して入力され得る。波長シフト入力は、イメージセンサ150により撮像された原デジタル画像のデモザイキングプロセスを調整するための1つ以上の光波長の識別情報、振幅、及び/又はカラーピクセル値等を含み得る。認識すべき点として、幾つかの実施形態では、ステップ206はステップ202及び204の前に行われ、及び/又は画像処理装置101のメモリ103の中に自動的に事前プログラムされていてもよく、それによって方法200は波長シフト入力が事前に特定された状態でステップ208に進み得る。
【0050】
次に図4を参照すると、画像処理装置101で受け取った原デジタル画像は、イメージセンサ150により測定された複数のカラーピクセル値22A、22B、22Cで形成される原ピクセル20のフレーム(例えば、グリッド)を含み得る。理解すべき点として、原ピクセル20のフレームに沿ったグリッドロケーションの各々は、フォトセンサアレイ160上のフォトサイト162のロケーションに対応し得る。それゆえ、原ピクセル20のフレーム上のグリッドロケーションの各々は、フォトサイト162がそれを通じて波長12、14、16を受け取るカラーフィルタアレイ156のカラーピクセルロケーション158A、158B、158Cに関するグリッドロケーションの相対位置に基づいて、第1のカラーピクセル値22A、第2のカラーピクセル値22B、又は第3のカラーピクセル値22Cの少なくとも1つを含む。
【0051】
ステップ208において、プロセッサ102は原ピクセル20のフレームをカラーピクセル値22A、22B、22Cにより分離して、ステップ206で受け取った波長シフト入力に基づいて第1のカラーピクセル値22A、第2のカラーピクセル値22B、又は第3のカラーピクセル値22Cのうちの少なくとも1つをフィルタ処理(例えば、除外)し得る。換言すれば、画像処理装置101は、イメージセンサ150により撮像された原デジタル画像のデモザイキングプロセスを、原ピクセル値のフレーム20の中の複数のカラーピクセル値22A、22B、22Cからカラーピクセル値22A、22B、22Cの小部分へとシフトさせるように構成される。
【0052】
従って、後で詳しく説明するように、原デジタル画像のデモザイキングプロセス(ステップ210A、210B)、エッジエンハンスメントプロセス(ステップ212A、212B)、及び/又はコントラストエンハンスメントプロセス(ステップ214A、214B)は、イメージセンサ150により撮像された原デジタル画像に含まれる原ピクセル値のフレーム20の一部のみについて実行される。例えば、画像処理装置101のプロセッサ102は、波長シフト入力に従って複数の第1のカラーピクセル値22Aを取り除き、これによって、画像処理装置101により生成される結果的な処理済み画像はピクセルの部分解像フレームを含む。
【0053】
例えば、引き続き図5を参照すると、ステップ210Aにおいて、プロセッサ102は、例えば波長12(例えば、赤)及び波長16(例えば、青)を受け取ったグリッドロケーションなど、波長14(例えば、緑)を受け取らなかった原ピクセル20のフレームに沿ったグリッドロケーションでの第2のカラーピクセル値22B(例えば、緑)の推定値を計算するために、(デモザイキングロジック105を実行するとき)複数の第2のカラーピクセル値22Bのデモザイキングプロセスを実行する。プロセッサ102は、原ピクセル値のフレーム20上の、波長14を受け取らなかったグリッドロケーションでの未知の第2のカラーピクセル値22Bの量を、既知の第2のカラーピクセル値22Bの測定値から補間によって推定し得る。
【0054】
この例では、デモザイキングロジック105を実行するプロセッサ102は、欠けている第2のカラーピクセル値22Bを、測定された第2のカラーピクセル値22Bを含む隣接する(例えば、隣の)グリッドロケーションから補間する。プロセッサ102は、未知の第2のカラーピクセル値22Bの量を、波長14を受け取った隣のグリッドロケーションから特定する。理解すべき点として、プロセッサ102はステップ210Bにおいて、ステップ210Aに関して上述したものと実質的に同様の方法で、デモザイキングロジック105を実行し、原ピクセル値のフレーム20に沿った未知の、及び/又は欠けている第3のカラーピクセル値22Cを、再構成し得る。
【0055】
引き続き図5を参照すると、ステップ212Aにおいて、画像処理装置101のプロセッサ102は、エッジエンハンスメントロジック106を実行し、イメージセンサ150により撮像された原デジタル画像をさらに再構成し得る。この例で、エッジエンハンスメントロジック106は、プロセッサ102により実行されると、原ピクセル値20のフレーム内の1つ以上のエッジのディテール及び/又は精細度を高め得る。例えば、プロセッサ102は、原ピクセル値のフレーム20の中の各グリッドロケーション内の1つ以上のエッジの位置を検出し、そのエッジの周囲のノイズレベルを、そのグリッドロケーションにおける複数の第2のカラーピクセル値22Bの1つ以上を調整することによって最小化し得る。幾つかの実施形態において、プロセッサ102は、グリッドロケーション内の1つ以上のエッジの鮮鋭度を、複数の第2のカラーピクセル値22Bの勾配(例えば、大きさ)を高めることにより向上させ得る。
【0056】
理解すべき点として、プロセッサ102はステップ212Bにおいて、ステップ212Aに関して上述したものと実質的に同様の方法で、エッジエンハンスメントロジック106を実行し、原ピクセル値20のフレームに沿った複数の第3のカラーピクセル値22Cの1つ以上を調整することにより、デジタル画像のエッジを再構成し得る。認識すべき点として、他の実施形態では、他の様々な適当なエッジエンハンスメントプロセスがエッジエンハンスメントロジック106に含められ、プロセッサ102により実行され得る。
【0057】
引き続き図5を参照すると、ステップ214Aにおいて、画像処理装置101のプロセッサ102は、コントラストエンハンスメントロジック107を実行して、イメージセンサ150により撮像された原デジタル画像をさらに再構成し得る。この例では、コントラストエンハンスメントロジック107は、プロセッサ102により実行されると、原ピクセル値のフレーム20の表現のコントラストを強調させ得る。例えば、プロセッサ102は、原ピクセル値のフレーム20の中の各グリッドロケーション内の複数の第2のカラーピクセル値22Bの1つ以上の明るさ成分(例えば、輝度)を増大させ得る。幾つかの実施形態において、プロセッサ102は、原ピクセル値のフレーム20内の1つ以上のグリッドロケーションの明るさを、その中にある第2のカラーピクセル値22Bを縮小して、第2のカラーピクセル値22Bにより提供されるコントラスト貢献度を低下させることによって調整し得る。
【0058】
理解すべき点として、プロセッサ102はステップ214Bにおいて、ステップ214Aに関して上述したものと実質的に同様の方法で、コントラストエンハンスメントロジック107を実行し、原ピクセル値のフレーム20に沿った複数の第3のカラーピクセル値22Cの1つ以上を調整することにより、デジタル画像の局所的コントラストを高め得る。認識すべき点として、他の実施形態では、他の様々な適当なコントラストエンハンスメントプロセスがコントラストエンハンスメントロジック107に含められ、プロセッサ102により実行され得る。
【0059】
引き続き図5を参照すると、ステップ216において、画像処理装置101のプロセッサ102は、デモザイキングプロセス(ステップ210A、210B)、エッジエンハンスメントプロセス(ステップ212A、212B)、及びコントラストエンハンスメントプロセス(ステップ214A、214B)の現在のイテレーションが所定の及び/又はダイナミックな反復閾値と等しい、又はそれより大きいかを特定し得る。幾つかの実施形態において、所定の反復閾値は、事前に決定されて画像処理装置101のメモリ103に記憶されるか、又は医療システム100の使用者により選択的に入力され得る。
【0060】
他の実施形態において、反復閾値はプロセッサ102により、例えばデモザイキング、エッジエンハンスメント、及びコントラストエンハンスメントプロセスを通じたデジタル画像の初期変換からのピーク精細度、コントラスト、及び視認性を含む1つ以上の要因に基づいてダイナミックに決定され得る。この例では、原ピクセル値20の初期状態を示すデータ(例えば、フレームのヒストグラム)は、1回目のイテレーションの完了時にプロセッサ102により解析され得、精細度、コントラスト、及び視認性の特性に関するピーク値が特定され得る。従って、プロセッサ102は継続的に、プロセスの毎回のイテレーションの完了時に、初期のピーク値(即ち、ダイナミック反復閾値)に関するデジタル画像の現在の精細度、コントラスト、及び視認性を特定し得る。
【0061】
ステップ216でプロセッサ102が方法200の現在のイテレーションが所定の(又はダイナミック)閾値より低いと特定したことに応答して、画像処理装置101はステップ210A、210Bに戻り、デモザイキング、エッジエンハンスメント、及び/又はコントラストエンハンスメントプロセスのうちの1つ以上を実行するように構成され、そのように動作可能であり得る。ステップ216でプロセッサ102が方法200の現在のイテレーションが所定の(又はダイナミックな)閾値と少なくとも等しいか、又はそれより大きいと特定したことに応答して、画像処理装置101は、補間された出力画像を生成するように構成され、そのように動作可能であり得る。認識すべき点として、イメージセンサ150により当初撮像された原ピクセル値20のフレームの反復的エンハンスメントに応答して、精細度、コントラスト、及び/又は視認性が改善された画像が提供され得る。
【0062】
引き続き図5を参照すると、ステップ218において、画像処理装置101のプロセッサ102は、本明細書で図示され、記載された方法200のプロセスから得られる処理済みの画像を生成し得る。この例では、出力画像は、カラーピクセル値の部分解像フレーム、例えば複数の第2のカラーピクセル値22B及び複数の第3のカラーピクセル値22Cを含み得る。従って、画像処理装置101のプロセッサ102により生成されるデジタル画像では、イメージセンサ150により当初撮像された原ピクセル値20のフレームのグリッドロケーションの1つ以上から少なくとも複数の第1のカラーピクセル値22Aが省かれ得る。この例では、生成された画像からは、画像処理装置101は部分解像画像(partial-resolution image)を生成するように、原ピクセル値20のフレームのグリッドロケーションの各々において第1のカラーピクセル値22Aが除外されている。
【0063】
医療システム100のディスプレイ109が画像処理装置101のプロセッサ102に通信可能に連結された状態で、プロセッサ102は、部分解像画像をディスプレイ109に送信して、医療システム100の使用者が見えるように動作可能であり得る。幾つかの例において、医療システム100は、本明細書で図示され、説明される方法200を連続的に実行するように構成され、そのように動作可能であり得、それによってディスプレイ109は1つ以上の標的対象の連続的(例えば、ライブ、リアルタイム等)イメージングを提供するための複数の部分解像画像を出力し得る。
【0064】
認識すべき点として、処理済みの画像から原ピクセル値20のフレーム内の(イメージセンサ150により)当初撮像された複数のカラーピクセル値22A、22B、22Cの少なくとも1つを除外することによって、標的治療部位の1つ以上の特徴及び/又は構造(例えば標的対象)の差別化が容易になり得る。例えば、ステップ206でプロセッサ102が波長シフト入力に従ってカラーピクセル値22A、22B、22Cのうちの少なくとも1つをフィルタ処理により排除することにより、血管を周囲の組織からよりよく区別できるようになり得る。幾つかの例において、1つ以上の標的対象の主要な色は相互に実質的に類似し得、例えば組織と血管は概して赤で表示され、それによって生成画像中で前記特徴が区別しにくい。この例では、青及び/又は緑カラーピクセル(例えば、それぞれ第2のカラーピクセル値22B及び第3のカラーピクセル値22C)を強調することにより、前記特徴がよりよく区別可能となり得る。
【0065】
追加的に、理解すべき点として、1つ以上の色成分(例えば、赤)のコントラストは、標的治療部位内の1つ以上の他の色成分(例えば、緑、青)と比較してより低い場合がある。結果として得られるデジタル画像から色成分のうちの1つ以上、例えば第1のカラーピクセル値22A(例えば、赤)を除外することによって対象者の脈管が強調され得るが、これは、原ピクセル値20のフレームから保持されるのが第2のカラーピクセル値22B(例えば、青)と第3のカラーピクセル値22C(例えば、緑)だけであるからである。
【0066】
医療装置140の光ファイバ146が紫外光を生成するように動作可能である実施形態において、医療システム100は、望ましい(例えば、健康な)組織を望ましくない(例えば、不健康な)組織から区別することのできる部分解像フレームを生成するように構成され得るが、これは前記組織が紫外光下では異なる色の蛍光を発し得ることによる。この例では、ステップ206の波長シフト入力は第1のカラーピクセル値22A(例えば、赤)と第3のカラーピクセル値22C(例えば、緑)を含み得、それによって結果として得られる処理済み画像内には第2のカラーピクセル値22B(例えば、青)だけが含まれ得る。
【0067】
医療器具110のイメージセンサ150がRGB-Irセンサを含む実施形態において、イメージセンサにより検出され、撮像される原ピクセル値20のフレームは、複数の第1のカラーピクセル値22A(例えば、赤)、複数の第2のカラーピクセル値22B(例えば、青)、複数の第3のカラーピクセル値22C(例えば、緑)、及び可視スペクトルに含まれず、赤外スペクトルにより近い複数の第4のカラーピクセル値(例えば、赤外)を含み得る。この例において、医療システム100は、標的治療部位(例えば、体内管腔)内の比較的暗い領域を、第1のカラーピクセル値22A、第3のカラーピクセル値22C、及び/又は第4のカラーピクセル値を強調することによってより見やすくすることができる部分解像フレームを生成するように構成され得る。従って、ステップ206の波長シフト入力は、処理済み画像から除外するための第2のカラーピクセル値22B(例えば、青)を含み得る。
【0068】
シャフト120のチップ122がカラーイメージセンサ150A(例えば、RGB-Irセンサ)とモノクロームイメージセンサ150Bを含む実施形態において、画像処理装置101は、カラーイメージセンサ150Aにより撮像された部分解像画像を生成し、その一方で、モノクロームイメージセンサ150Bで原ピクセル値20のフレーム内の比較的暗い領域のコントラストをさらに高めるように構成され得る。この例では、モノクロームイメージセンサ150Bは、光10内で照射された近赤外波長を感知し得るため、第4のカラーピクセル値(例えば、赤外)が容易に検出され得る。認識すべき点として、標的治療部位内に1つ以上の材料、例えば蛍光色素を提供することにより、モノクロームイメージセンサ150Bによる1つ以上の標的対象の可視化が容易となり得る。
【0069】
上述のシステム、装置、アセンブリ、及び方法の各々は、対象者のピクセル値の部分解像フレームを生成するために使用され得る。波長シフトデモザイキングロジックを記憶する画像処理システムを含む医療装置を提供することにより、使用者は処置中に、光源を操作することなく、対象者の体内の標的部位の1つ以上の特徴及び/又は特性をよりよく可視化し得る。この医療装置により、使用者は標的部位の位置を正確に特定することが可能となり得、それによって全体的な処置時間が短縮され、処置の効率が向上し、標的治療部位における標的対象の位置の特定が不正確であった場合に生じる対象者の体への不必要な危害が回避される。
【0070】
当業者にとって、開示された装置及び方法には、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な改良や変更を加え得ることが明らかであろう。開示された装置は複数のハードウェアコンポーネント、例えばプロセッサと、装置が本明細書に記載のものに従って処置中の1つ以上の動作を実行できるようにする非一時的コンピュータ可読媒体を内蔵する各種の適当なコンピュータシステム及び/又はコンピューティングユニットを含み得ると認識すべきである。本明細書の考察とその中で開示される特徴の実践から、当業者にとっては本開示のその他の態様も明らかとなるであろう。本明細書と例は例示的にすぎないとみなされるものとする。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
【国際調査報告】