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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】固定研磨バフ
(51)【国際特許分類】
   B24D 13/08 20060101AFI20230516BHJP
   B24D 5/14 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
B24D13/08
B24D5/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561152
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 US2021024048
(87)【国際公開番号】W WO2021206918
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/006,409
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】507169495
【氏名又は名称】サン-ゴバン アブラジフ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィシャンカール、サタンジェリ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドスミス、ポール エス.
(72)【発明者】
【氏名】シメオン、ダニエル イー.
【テーマコード(参考)】
3C063
【Fターム(参考)】
3C063AA06
3C063AB03
3C063BA15
3C063BB02
3C063BB03
3C063BB04
3C063BC03
3C063BE03
3C063BE04
3C063BG04
3C063BG18
3C063BH21
3C063CC16
(57)【要約】
中央ハブと、中央ハブに取り付けられた複数の布層とを有する固定研磨バフを提供することを含むシステム及び方法。研磨組成物は、布層全体に分散され、ポリマー結合剤と、ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含む。複数の布層の外縁部における研磨粒子の含有量は、複数の布層の内縁部における研磨粒子の含有量よりも高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央ハブと、
前記中央ハブに取り付けられた複数の布層と、
ポリマー結合剤、及び前記ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含む研磨組成物であって、前記複数の布層の外縁部における前記研磨粒子の含有量が、前記複数の布層の内縁部における前記研磨粒子の含有量よりも高い、研磨組成物と
を備える、固定研磨バフ。
【請求項2】
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨粒子の前記含有量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨粒子の前記含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項3】
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の付加重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の付加重量よりも高い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項4】
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の前記付加重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の前記付加重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、請求項3に記載の固定研磨バフ。
【請求項5】
前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの総重量が、前記複数の布層の前記内縁部における総重量よりも高い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項6】
前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの前記総重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記総重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、請求項5に記載の固定研磨バフ。
【請求項7】
前記内縁部が前記中央ハブに隣接し、前記外縁部は前記中央ハブから半径方向に最も遠い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項8】
前記複数の布層が、織布、不織布、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項9】
前記複数の布層が、少なくとも2つの層、少なくとも4つの層、少なくとも6つの層、少なくとも8つの層、少なくとも10つの層、少なくとも12つの層、少なくとも15つの層、少なくとも20つの層、又は少なくとも25つの層から、100つ以下の層、50つ以下の層、25つ以下の層、20つ以下の層、15つ以下の層、又は12つ以下の層を含む、請求項8に記載の固定研磨バフ。
【請求項10】
前記研磨組成物が、前記複数の布層のそれぞれの上又は中に分散されている、請求項9に記載の固定研磨バフ。
【請求項11】
前記研磨組成物が、
10wt%~80wt%の前記ポリマー結合剤、及び
20wt%~90wt%の研磨粒子
を含む、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項12】
前記ポリマー結合剤が自己架橋性カルボキシル化スチレン-ブタジエン組成物を含む、請求項11に記載の固定研磨バフ。
【請求項13】
前記研磨粒子が、シリカ、アルミナ(溶融又は焼結)、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ酸化物、ケイ酸ジルコニウム、炭化ケイ素、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、セリア、二酸化チタン、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、酸化スズ、炭化タングステン、炭化チタン、酸化鉄、クロミア、フリント、エメリー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の固定研磨バフ。
【請求項14】
前記研磨粒子が、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、又は少なくとも25マイクロメートルの平均粒径を含む、請求項13に記載の固定研磨バフ。
【請求項15】
前記研磨粒子が、500マイクロメートル以下、250マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、又は50マイクロメートル以下の平均粒径を含む、請求項14に記載の固定研磨バフ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来のバフ及びバフホイール(集合的に「バフ」)は、とりわけ、様々な金属、プラスチック、セラミックから形成された部品を研磨するために使用される。これらの従来のバフは、典型的には、いかなる固定研磨材料も含まず、一般に、様々な材料(例えば、金属、プラスチック、セラミックなど)から形成された部品を研磨又は表面仕上げする、いわゆるバフ研磨プロセスで使用される。固定された研磨材料を含む代わりに、研磨バフエマルション又は化合物が、従来のバフの作業面に外部から塗布され、研磨作業中に定期的に再塗布される。これらの従来のバフは、維持及び洗浄の高いコスト、バフ中の高い材料廃棄物、研磨バフエマルション又は化合物の繰り返しの再塗布によるより長いバフ研磨時間、並びに研磨バフエマルション又は化合物の廃棄に関連するコスト及び懸念を含む様々な欠点を有する。したがって、研磨加工性能、効率、及び表面品質の向上を提供する改善された固定研磨バフが引き続き求められている。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本開示は、一般に、中央ハブと、中央ハブに固定された複数の布層と、複数の布層全体に取り付けられた、又は複数の布層内に埋め込まれた研磨組成物とを含む固定研磨バフに関する。研磨組成物は、ポリマー結合剤と、ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含む。複数の布層の外縁部における研磨粒子の含有量を、複数の布層の内縁部における研磨粒子の含有量よりも高くすることができる。
【0003】
実施形態の特徴及び利点が達成され、より詳細に理解することができるように、添付の図面に示されている実施形態を参照することによって、より詳細な説明を得ることができる。しかしながら、図面は、いくつかの実施形態のみを示しており、したがって、他の同等に有効な実施形態が存在し得るため、範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の一実施形態による固定研磨バフの画像である。
図2】本開示の一実施形態による固定研磨バフを形成する方法200のフローチャートである。
図3A】本開示の一実施形態による、研磨組成物でコーティングする前の、回転装置に装着されたコーティングされていないバフの画像である。
図3B】本開示の一実施形態による、研磨組成物中に浸漬され、研磨組成物内で回転しているコーティングされていないバフの画像である。
図3C】本開示の一実施形態による、研磨組成物でコーティングされ、研磨組成物から取り外された固定研磨バフの画像である。
図3D】本開示の一実施形態による、過剰な研磨組成物を除去するためにスピンさせた後の、研磨組成物でコーティングされた固定研磨バフの画像である。
図4A】本開示の一実施形態による加圧空気送達装置を有する機器を示す図である。
図4B】本開示の一実施形態による加圧空気送達装置の画像である。
図5A】研磨組成物を含まない使用済み対照研磨バフの画像である。
図5B】本開示の一実施形態による使用済みサンプル固定研磨バフの画像である。
図6A】研磨組成物を含まない対照研磨バフによってバフ研磨された真鍮パネルの画像である。
図6B】本開示の一実施形態によるサンプル固定研磨バフによってバフ研磨された真鍮パネルの画像である。
図7】対照固定研磨バフ及びサンプル固定研磨バフの一実施形態の表面仕上げ(Ra)対時間の比較データを提供するチャートである。
図8】対照固定研磨バフ及びサンプル固定研磨バフの一実施形態の表面仕上げ(Rz)対時間の比較データを提供するチャートである。
図9】対照固定研磨バフ及びサンプル固定研磨バフの一実施形態の累積材料除去対時間の比較データを提供するチャートである。
図10】対照固定研磨バフ及びサンプル固定研磨バフの一実施形態の表面仕上げ(Ra)対時間の比較データを提供するチャートである。
図11】対照固定研磨バフ及びサンプル固定研磨バフの一実施形態の表面仕上げ(Rz)対時間の比較データを提供するチャートである。
図12】対照固定研磨バフ及びサンプル固定研磨バフの一実施形態の累積材料除去対時間の比較データを提供するチャートである。
図13】対照固定研磨バフ及びサンプル固定研磨バフの一実施形態の所要電力対時間の比較データを提供するチャートである。
図14】サンプルストリップが取り外された、分解されたサンプル固定研磨バフの画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、類似又は同一の項目を示す。
【0006】
固定研磨バフ
図1は、本開示の一実施形態による固定研磨バフ100の画像を示す。固定研磨バフ100は、一般に、中央ハブ102と、中央ハブ102に取り付けられた複数の布層104と、複数の布層104全体に配置された、又は複数の布層104内に埋め込まれた研磨組成物106とを備える。研磨組成物106は、ポリマー結合剤と、ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含む。研磨組成物106は、一般に、研磨組成物106(研磨粒子を含む)が固定研磨バフ100の複数の布層104の各々の繊維の中及び間に浸透するように、複数の布層104の全体に配置されるか、又は複数の布層104内に埋め込まれてもよい。
【0007】
固定研磨バフの形成方法
図2は、本開示の一実施形態による固定研磨バフ100を形成する方法200のフローチャートを示す。方法200は、ブロック202において、中央ハブ102と、中央ハブ102に取り付けられた複数の布層104とを備えるコーティングされていないバフを提供することによって開始することができる。方法200は、ブロック204において、コーティングされていないバフを、ポリマー結合剤及び複数の研磨粒子を有する研磨組成物106に少なくとも部分的に浸漬することによって継続することができる。方法200は、ブロック206において、研磨組成物106内でバフを回転させることによって継続することができる。
【0008】
方法200は、ブロック208において、コーティングプロセス中に複数の布層104に圧力を加えて、複数の布層104に各布層を互いに広げる、又は分離させることによって継続することができる。いくつかの実施形態では、複数の布層104を広げることは、加圧空気を複数の布層104に向かって半径方向に適用又は方向付けして、複数の布層104を互いに広げる、又は分離させることによって達成することができる。いくつかの実施形態では、複数の布層104を広げることは、複数の布層104を研磨組成物106を保持する容器の側壁に押し付けて、複数の布層104を互いに広げる、又は分離させることによって達成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、ブロック206及び208のステップは、複数の布層104に圧力を連続的に加えて、研磨組成物106内でバフを回転させながら複数の布層104を互いに広げる、又は分離させて、複数の布層104を研磨組成物106でコーティングして固定研磨バフ100を形成するように、同時に実行されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の布層104を研磨組成物106でコーティングするために研磨組成物106内でバフを回転させることにより、複数の布層104の、中央ハブ102に隣接する内縁部における研磨組成物106の濃度、含有量、及び/又は重量と比較して、複数の布層104の外縁部における研磨組成物106の濃度、含有量、及び/又は付加量若しくは総重量をより高くすることができる。いくつかの実施形態では、方法200は、固定研磨バフ100の複数の布層104への研磨組成物106のより良好な浸透をもたらすことができる。
【0010】
方法200は、ブロック210において、研磨組成物106から固定研磨バフ100を取り外し、固定研磨バフ100を回転させて過剰の研磨組成物106を振り落とすことによって継続することができる。いくつかの実施形態では、固定研磨バフ100は、研磨組成物106から完全に取り外され、過剰な研磨組成物の除去を容易にするために制御された速度で回転されてもよい。少なくとも1つの非限定的な実施形態では、回転速度は、本明細書の実施形態で説明するように、固定研磨バフ100の他の特徴を容易にするように制御されてもよい。
【0011】
方法200は、ブロック212において、固定研磨バフ100上の研磨組成物106を硬化させることによって継続することができる。いくつかの実施形態では、研磨組成物106を硬化させることは、研磨組成物106が硬化及び/又は固化するのに十分な時間を与えることを含んでもよい。他の実施形態では、研磨組成物106を硬化させることは、固定研磨バフ100に熱を加える(例えば、焼付など)など、乾燥を促進する又は硬化を誘発するプロセスを含んでもよい。特定の理論に縛られることを望むものではないが、例えば、これに限定されないが、複数の布層104に圧力を加えるプロセスを含む1つ又は複数のプロセスステップは、所与の層における研磨粒子の特定の分布、及び層ごとの研磨粒子の分布の違いを容易にすることができる。
【0012】
図3A図3Dは、固定研磨バフ100を形成する一実施形態の様々なステップを示す。図3Aは、本開示の一実施形態による、中央ハブ102と、中央ハブ102に取り付けられた複数の布層104とを備える、コーティングされていないバフを示す。コーティングされていないバフは、中央ハブ102を介して回転装置に装着され、研磨組成物106を保持する固定容器の上に吊り下げられる。図3Bは、複数の布層104を研磨組成物106でコーティングするために、研磨組成物106に浸漬され、回転させられているバフを示す。複数の布層104はまた、複数の布層104を互いに広げる、又は分離させるために、研磨組成物106を保持する固定容器の側壁に押し付けられる。しかしながら、他の実施形態では、研磨組成物106の外部で回転する複数の布層104の部分に、加圧空気を半径方向に適用して、研磨組成物106を通って回転する間に複数の布層104を互いに広げる、又は分離させることができる。図3Cは、研磨組成物106から取り外された固定研磨バフ100を示す。図3Dは、固定研磨バフ100をスピンさせて過剰な研磨組成物106を除去した後の、研磨組成物106でコーティングされた固定研磨バフ100を示す。硬化すると、固定研磨バフは、ワークピースを研磨又は表面仕上げするバフ研磨プロセスで使用するための準備が整う。
【0013】
図4Aは、回転装置154によって研磨組成物106を通過するように回転させながら、複数の布層104を互いに広げる、又は分離させるために、複数の布層104の一部に圧縮空気を適用又は方向付けするための加圧空気送達装置152を有する機器150を示す。コーティングされていないバフは、中央ハブ102を介して回転装置154に装着され、研磨組成物106内に少なくとも部分的に吊り下げられてもよい。加圧空気送達装置152は、空気圧縮機又は他の圧縮空気送達装置に接続されてもよい。加圧空気送達装置152は、研磨組成物106を通過して回転する間に複数の布層104を互いに広げる、又は分離させるために、研磨組成物106の外部で回転する複数の布層104の部分に加圧空気を半径方向に適用又は方向付けすることができ、その結果、複数の布層104の、中央ハブ102に隣接する内縁部の研磨組成物106の濃度、含有量、及び/又は重量と比較して、複数の布層104の外縁部の研磨組成物106の濃度、含有量、及び/又は重量をより高くすることができる。図4Bは、本開示の一実施形態による加圧空気送達装置152の画像である。図示の実施形態では、加圧空気送達装置152は、複数の空気送達孔を備える。しかしながら、加圧空気送達装置152の空気送達孔の数は、固定研磨バフ100の幅、直径、布層104の数、又は他の特性に基づいて選択されてもよいことが理解されよう。
【0014】
砥粒又は研磨粒子の分布
いくつかの実施形態では、複数の布層104を研磨組成物106でコーティングするために研磨組成物106内でバフを回転させることにより、複数の布層104の、中央ハブ102に隣接する内縁部における研磨組成物106の濃度、含有量、及び/又は重量と比較して、複数の布層104の外縁部における研磨組成物106の濃度、含有量、及び/又は総重量をより高くすることができる。これにより、ワークピースの表面仕上げの大部分が行われる、固定研磨バフ100の複数の布層104の外周により多くの研磨粒子が配置されるため、有益な表面仕上げ特性を提供することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数の布層104の外縁部における研磨粒子の含有量は、複数の布層104の、中央ハブ102に隣接する内縁部における研磨粒子の含有量よりも高くすることができる。いくつかの実施形態では、複数の布層104の外縁部における研磨粒子の含有量は、複数の布層104の内縁部における研磨粒子の含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高くてもよい。いくつかの実施形態では、複数の布層104の外縁部における研磨粒子の含有量は、複数の布層104の内縁部における研磨粒子の含有量よりも300%以下、200%以下、100%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下高くてもよい。さらに、複数の布層104の外縁部における研磨粒子の含有量は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間、例えば、複数の布層104の内縁部における研磨粒子の含有量よりも少なくとも10%から300%以下まで高くてもよく、又はさらには複数の布層104の内縁部における研磨粒子の含有量よりも少なくとも50%から100%以下まで高くてもよいことが理解されよう。例えば、一実施形態では、外縁部における研磨粒子の含有量は0.639グラムであってもよく、内縁部における研磨粒子の含有量は0.307グラムであってもよい。パーセンテージは、以下の式を使用して計算される:(0.639-0.307)/0.639=0.52%。したがって、この実施形態では、外縁部における含有量は、複数の布層104の内縁部における含有量よりも52%高い。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数の布層104の外縁部における研磨組成物104の付加重量は、複数の布層104の、中央ハブ102に隣接する内縁部における研磨組成物104の付加重量よりも高くすることができる。いくつかの実施形態では、複数の布層の外縁部における研磨組成物104の付加重量は、複数の布層104の内縁部における研磨組成物104の付加重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高くてもよい。いくつかの実施形態では、複数の布層の外縁部における研磨組成物104の付加重量は、複数の布層104の内縁部における研磨組成物104の付加重量よりも300%以下、200%以下、100%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下高くてもよい。さらに、複数の布層104の外縁部における研磨組成物104の付加重量は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間、例えば、複数の布層104の内縁部における研磨組成物104の付加重量よりも少なくとも10%から300%以下まで高くてもよく、又はさらには複数の布層104の内縁部における研磨組成物104の付加重量よりも少なくとも50%から100%以下まで高くてもよいことが理解されよう。例えば、一実施形態では、外縁部における研磨組成物104の付加重量は1.295グラムであってもよく、内縁部における研磨組成物104の付加重量は0.623グラムであってもよい。計算すると、(1.295-0.623)/1.295=0.52%。したがって、この実施形態では、外縁部における研磨組成物104の付加重量は、内縁部における研磨組成物104の付加重量より52%高い。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数の布層104の外縁部における固定研磨バフ100の総重量は、複数の布層104の、中央ハブ102に隣接する内縁部における総重量よりも高くすることができる。いくつかの実施形態では、複数の布層の外縁部における固定研磨バフ100の総重量は、複数の布層104の内縁部における総重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高くてもよい。いくつかの実施形態では、複数の布層の外縁部における固定研磨バフ100の総重量は、複数の布層104の内縁部における総重量よりも300%以下、200%以下、100%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下高くてもよい。さらに、複数の布層104の外縁部における固定研磨バフ100の総重量は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間、例えば、複数の布層104の内縁部における固定研磨バフ100の総重量よりも少なくとも10%から300%以下まで高くてもよく、又はさらには複数の布層104の内縁部における固定研磨バフ100の総重量よりも少なくとも50%から100%以下まで高くてもよいことが理解されよう。例えば、一実施形態では、外縁部における研磨組成物104の総重量は1.901グラムであってもよく、内縁部における研磨組成物104の総重量は1.229グラムであってもよい。計算すると、(1.901-1.229)/1.901=0.32%.したがって、この実施形態では、外縁部における研磨組成物104の総重量は、内縁部における研磨組成物104の総重量より32%高い。
【0018】
布層
複数の布層104は、一般に、織布、不織布、又はそれらの組み合わせを含む任意の数の様々な材料から作製されてもよい。布層104は、天然繊維若しくは糸、合成繊維若しくは糸、又はそれらの組み合わせなどの複数の繊維若しくは糸から形成されてもよい。天然繊維又は糸は、1つ又は複数の種類の天然繊維を含んでもよい。いくつかの実施形態では、天然繊維又は糸は、セルロース繊維若しくは糸、綿繊維若しくは糸、亜麻繊維若しくは糸、ヘンプ繊維若しくは糸、ジュート繊維若しくは糸、ラミー繊維若しくは糸、サイザル繊維若しくは糸、リネン繊維若しくは糸、絹繊維若しくは糸、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、天然繊維又は糸は、綿繊維又は糸から本質的になってもよい。合成繊維又は糸は、1つ又は複数の種類の合成繊維又は糸を含んでもよい。一実施形態では、合成繊維又は糸は、ガラス繊維若しくは糸、ポリマー繊維若しくは糸、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、ポリマー繊維又は糸は、アクリル繊維若しくは糸、ナイロン繊維若しくは糸、オレフィン繊維若しくは糸、ポリエステル繊維若しくは糸、レーヨン繊維若しくは糸、モダール繊維若しくは糸、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、合成繊維はポリエステル繊維から本質的になる。別の特定の実施形態では、合成繊維はナイロン繊維から本質的になる。
【0019】
いくつかの実施形態では、複数の布層104は、織布を含んでもよい。織布は、経糸及び緯糸などの複数の糸を含んでもよい。いくつかの実施形態では、研磨組成物は、経糸と緯糸との間など、糸の中又は間に少なくとも部分的に配置することができる。さらに、いくつかの実施形態では、研磨組成物は、布地の第1の面から布地の第2の面まで、糸の間の布地を通過させて配置することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、複数の布層104は、非織布を含む。本明細書で使用される場合、「不織布」という用語は、相互に重なっているものの、編地のように識別可能な方式にはない個々の繊維の構造を有するウェブを指す。特定の実施形態では、不織布は、スパンボンド繊維のスパンボンド布地(「スパンレイド」布地としても公知)、メルトブローン繊維のメルトブローン布地、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、研磨組成物は、不織布ウェブの繊維内又は繊維間に少なくとも部分的に配置されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、研磨組成物は、布地の第1の面から布地の第2の面まで、ウェブの繊維間の非不織布の布地を通過させて配置されてもよい。
【0021】
布層数
固定研磨バフ100は、一般に、複数の布層104によって形成される。いくつかの実施形態では、固定研磨バフ100は、少なくとも2つの層、少なくとも4つの層、少なくとも6つの層、少なくとも8つの層、少なくとも10つの層、少なくとも12つの層、少なくとも15つの層、少なくとも20つの層、又は少なくとも25つの層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、固定研磨バフ100は、100つ以下の層、50つ以下の層、25つ以下の層、20つ以下の層、15つ以下の層、又は12つ以下の層を含んでもよい。さらに、固定研磨バフ100は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間、例えば、少なくとも2つの層から30つ以下の層の複数の布層104を含んでもよいことが理解されよう。
【0022】
研磨組成物
研磨組成物106は、一般に、ポリマー結合剤と、ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含んでもよい。研磨組成物106は、一般に、研磨組成物106(研磨粒子を含む)が固定研磨バフ100の複数の布層104の各々の繊維の中及び間に浸透するように、複数の布層104の全体に配置されるか、又は複数の布層104内に埋め込まれてもよい。研磨組成物106は、固定研磨バフ100に塗布され、有益な付加重量を構成することができる。いくつかの実施形態では、研磨組成物106の付加重量は、少なくとも15グラム、少なくとも16グラム、少なくとも17グラム、少なくとも18グラム、少なくとも19グラム、少なくとも20グラム、少なくとも21グラム、少なくとも22グラム、少なくとも23グラム、少なくとも24グラム、又は少なくとも25グラムであってもよい。
【0023】
ポリマー結合剤
ポリマー結合剤は、一般に、単一のポリマー又はポリマーのブレンドから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー結合剤は、エポキシ組成物、アクリル組成物、フェノール組成物、ポリウレタン組成物、フェノール組成物、ポリシロキサン組成物、アクリルラテックス組成物、熱硬化性ゴム組成物、熱硬化性エラストマー組成物、スチレンブタジエンゴム組成物、アクリロニトリル-ブタジエンゴム組成物、ポリブタジエン組成物、又はそれらの組み合わせから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー結合剤は、自己架橋性カルボキシル化スチレン-ブタジエン組成物を含んでもよい。他の実施形態では、ポリマー結合剤はカルボキシル化アクリル組成物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー結合剤は、1種若しくは複数の活性充填剤粒子、添加剤、1種若しくは複数の反応構成成分若しくはポリマー構成成分、増粘剤、溶媒、可塑剤、連鎖移動剤、触媒、消泡剤、安定剤、分散剤、硬化剤、レオロジー調整剤、反応メディエーター及び分散液の流動性に影響を及ぼすための薬剤、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー結合材は、複数の布層104が、柔らかい「ドレープ」としても知られる「柔らかい」面を有するように、硬化後に可撓性であってもよく、その結果、複数の布層104は、触れると柔らかく感じ、可撓性であり、ワークピースの周りに適合可能になる。
【0024】
ポリマー結合剤は、有益な研磨特性に寄与し得る所望のガラス転移温度(Tg)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー結合剤は、少なくとも-30℃、少なくとも-25℃、少なくとも-20℃、又は少なくとも-15℃のガラス転移温度を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー結合剤は、60℃以下、50℃以下、40℃以下、30℃以下、20℃以下、10℃以下、0℃以下、又は-1℃以下のガラス転移温度を含んでもよい。さらに、ポリマー結合剤は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間、例えば、少なくとも-30℃から30℃以下のガラス転移温度を含んでもよいことが理解されよう。
【0025】
研磨組成物中のポリマー結合剤の量は変動してもよい。いくつかの実施形態では、研磨組成物は、少なくとも10wt%のポリマー結合剤、少なくとも15wt%、少なくとも20wt%、少なくとも25wt%、少なくとも35wt%、又は少なくとも50wt%のポリマー結合剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、研磨組成物は80wt%以下のポリマー結合剤、75wt%以下、70wt%以下、65wt%以下、60wt%以下、55wt%以下、50wt%以下、40wt%以下、35wt%以下、又は30wt%以下のポリマー結合剤を含んでもよい。さらに、研磨組成物中のポリマー結合剤の量は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間、例えば、少なくとも10wt%から80wt%以下のポリマー結合剤であってもよいことが理解されよう。
【0026】
研磨粒子
研磨粒子は、アルミナ、炭化ケイ素、シリカ、セリアなどの本質的に単相の無機材料、並びに/又は立方晶窒化ホウ素及びダイヤモンドなどのより高硬度の高性能超研磨粒子を含んでもよい。さらに、研磨粒子は、マクロ構造及び特定の三次元構造を含む加工研磨剤を含んでもよい。凝集体は、研磨性凝集体及び/又は非研磨性凝集体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、凝集体は、複合粒子状材料を含んでもよく、複合粒子状材料は、揮発又は蒸発によって液体担体を除去し、未焼成(「未処理(green)」)凝集体を残すことを含むスラリー処理経路を介して形成することができ、未焼成凝集体は、場合により高温処理(すなわち、焼成、焼結)を受けて使用可能な焼成凝集体を形成することができる。
【0027】
研磨粒子は、シリカ、アルミナ(溶融又は焼結)、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ酸化物、ケイ酸ジルコニウム、炭化ケイ素、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、セリア、二酸化チタン、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、酸化スズ、炭化タングステン、炭化チタン、酸化鉄、クロミア、フリント、エメリー、若しくはそれらの組み合わせを含む研磨粒子のいずれか1種又は組み合わせから形成されてもよい。例えば、研磨粒子及び/又は凝集体は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ガーネット、ダイヤモンド、共融合アルミナジルコニア、セリア、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、フリント、エメリー、窒化アルミナ、及びそれらのブレンドからなる群から選択されてもよい。特定の実施形態では、研磨粒子は本質的に炭化ケイ素からなる。
【0028】
研磨粒子の平均粒径は変動してもよい。研磨粒子の粒径は、典型的には、研磨粒子の最長寸法であると指定される。一般に、粒径には範囲分布が存在する。いくつかの実施形態では、研磨粒子は、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、又は少なくとも25マイクロメートルの平均粒径を含んでもよい。いくつかの実施形態では、研磨粒子は、1500マイクロメートル以下、1000マイクロメートル以下、750マイクロメートル以下、500マイクロメートル以下、250マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、又は50マイクロメートル以下の平均粒径を含んでもよい。さらに、研磨粒子は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の平均粒径、例えば、5マイクロメートルから1500マイクロメートル以下、又はさらには少なくとも10マイクロメートルから50マイクロメートル以下を含んでもよいことが理解されよう。
【0029】
研磨組成物中の研磨粒子の量も変動してもよい。いくつかの実施形態では、研磨組成物は、少なくとも10wt%の研磨粒子、少なくとも15wt%、少なくとも20wt%、少なくとも25wt%、少なくとも30wt%、少なくとも35wt%、少なくとも40wt%、少なくとも45wt%、少なくとも50wt%、少なくとも55wt%、又は少なくとも60wt%の研磨粒子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、研磨組成物は75wt%以下の研磨粒子、70wt%以下、65wt%以下、60wt%以下、55wt%以下、又は50wt%以下の研磨粒子を含んでもよい。研磨粒子は、上記の任意の最小値又は最大値の範囲内であってもよい。さらに、研磨組成物中の研磨粒子の量は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間、例えば、少なくとも10wt%から75wt%以下の研磨粒子であってもよいことが理解されよう。
【実施例
【0030】
サンプル固定研磨バフを本明細書に開示される方法に従って調製した。2つの異なる研磨組成物を使用した。第1の未硬化研磨組成物を以下の表1に示す。いくつかの成分について範囲が与えられているが、組成物中の成分は合計100%である。
【表1】
【0031】
第2の未硬化研磨組成物を以下の表2に示す。第2の研磨組成物は、約50%少ない研磨粒子を含むことに留意されたい。いくつかの成分について範囲が与えられているが、組成物中の成分は合計100%である。
【表2】
【0032】
サンプル固定研磨バフS1は、本明細書に開示される方法に従って調製され、この方法は、複数の布層に圧力を加えて複数の布層を広げることと、第1の研磨組成物でバフをコーティングするために研磨組成物内でバフを回転させることとを含んでいた。対照サンプルC1は、複数の布層に圧力を加えることなく従来の方法に従って調製した。得られたサンプルの重量を以下の表3に示す。
【表3】
【0033】
サンプルS1は、対照サンプルC1よりも研磨組成物の重量が高かった。これは、少なくとも部分的には、複数の布層に圧力を加えて複数の布層を広げたことに起因する可能性がある。
【0034】
追加のサンプルバフを作製した。すべてのサンプルは、同じ綿布バフを用いて開始した。対照サンプル(「C1」)は、研磨組成物でコーティングしないままであり、代わりに、バフ研磨中は、6000~7000SFPMでバフに外部塗布された研磨バフ化合物を使用した。バフ研磨後の、使用した対照サンプルC1を図5Aに示す。サンプルS1は、同じ綿布バフを使用して調製され、本明細書に開示される方法に従って表1の第1の研磨組成物でコーティングされた。バフ研磨後の、使用したサンプルS1を図5Bに示す。
【0035】
サンプル(C1、S1)を、幅6インチ、長さ24インチ、及び厚さ0.125インチの真鍮パネル上で試験した。C1でバフ研磨して得られた真鍮パネルを図6Aに示す。S1でバフ研磨して得られた真鍮パネルを図6Bに示す。特に、S1によってバフ研磨された表面仕上げは、より良好な表面仕上げを有するように見える。
【0036】
図7は、C1及びS1の表面仕上げ(Ra)の比較データを提供するチャートを示す。最も注目すべきは、S1がはるかに良好な表面仕上げ(Ra)を達成したことである。図8は、C1及びS1の表面仕上げ(Rz)の比較データを提供するチャートを示す。最も注目すべきは、S1がはるかに良好な表面仕上げ(Rz)を達成したことである。図9は、C1及びS1の累積材料除去(グラムで測定)の比較データを提供するチャートを示す。最も注目すべきは、S1がはるかに高い累積材料除去を有したことである。驚くべきことに、かつ有益なことに、S1は、表面仕上げ(Ra及びRzの両方)及び累積材料除去速度の両方においてC1よりも優れていた。
【0037】
8つのさらなるサンプル固定研磨綿バフを作製し、本明細書に開示される方法に従って研磨組成物でコーティングした。サンプル固定研磨バフを、研磨組成物及び砥粒又は研磨粒子の重量について、未試験で分析した。結果を以下の表4に示す。
【表4】
【0038】
追加の固定研磨バフで試験を行った。対照サンプルC2は、織綿のバフを利用し、研磨組成物でコーティングしないままであった。対照サンプルC3は、織綿のバフを利用し、バフの形成前に研磨組成物を層に塗布することによる従来の方法に従って調製した。サンプル固定研磨バフS2は、不織バフを利用し、研磨化合物でコーティングしないままであった。サンプル固定研磨バフS3は、不織バフを利用して、本明細書に開示される方法に従って調製され、この方法は、複数の布層に圧力を加えて複数の布層を広げることと、第1の研磨組成物でバフをコーティングするために研磨組成物内でバフを回転させることとを含んでいた。
【0039】
サンプルC2、C3、S2、及びS3を、実質的に同様の真鍮ワークピース上で試験した。C2及びS2は、バフ研磨中にバフに塗布される棒状化合物を利用して試験した。C3及びS3は、調製したままで試験した。
【0040】
図10は、C2、C3、S2、及びS3の表面仕上げ(Ra)の比較データを提供するチャートを示す。最も注目すべきは、S3が、C2、C3、及びS2と比較して、はるかに良好な表面仕上げ(Ra)を達成したことである。さらに、S3はまた、C2、C3、及びS2と比較してはるかに短い時間でより良好な表面仕上げを達成した。
【0041】
図11は、C2、C3、S2、及びS3の表面仕上げ(Rz)の比較データを提供するチャートを示す。最も注目すべきは、S3が、C2、C3、及びS2と比較して、はるかに良好な表面仕上げ(Rz)を達成したことである。さらに、S3はまた、C2、C3、及びS2と比較してはるかに短い時間でより良好な表面仕上げを達成した。
【0042】
図12は、C2、C3、S2、及びS3の累積材料除去(グラムで測定)の比較データを提供するチャートを示す。最も注目すべきは、S3が、C2、C3、及びS2と比較して、はるかに高い累積材料除去を有したことである。
【0043】
図13は、C2、C3、S2、及びS3の必要電力(馬力(Hp)で測定)の比較データを提供するチャートを示す。最も注目すべきは、S3が、C2、C3、及びS2と比較してより高い累積材料除去を達成しながら、所望の表面仕上げ(Ra及びRzの両方)を達成するために必要な電力がはるかに少ないことである。したがって、S3は、表面仕上げ(Ra及びRzの両方)及び累積材料除去速度の両方においてC2、C3、及びS2よりも優れており、これらの結果を達成するために必要な電力をはるかに少ない。
【0044】
サンプル中のコーティング及び砥粒又は研磨粒子の量の比較のためにサンプルS3を提出した。図14に示すように、分解したサンプルS3から幅0.5インチ(円周方向に測定)及び長さ1.25インチ(半径方向に測定)のサンプルストリップを切断した。サンプルストリップのサンプル重量を平均し、記録した。サンプルストリップを摂氏450度で10時間、いわゆる「バーンオフ」プロセスに供することによって、これらのサンプルストリップを分析した。
【0045】
重量減少を記録した。サンプルストリップは、バーンオフプロセス後にいくらかの無機残留物(K-Cl相)を有することが認められた。砥粒(SiC粒)の正確な量を見出すために、バーンオフプロセスから残った灰を10%体積の塩酸(HCl)で処理した。残留砥粒量を記録した。結果を以下の表5に示す。
【表5】
【0046】
表5に示すように、外縁部は、より高い全重量及びより高い全研磨組成物コーティングを有した。その結果、外縁部における砥粒の濃度(0.8972g)は、内縁部における砥粒の濃度(0.4289g)と比較して高くなっていた。最も注目すべきは、外縁部が、試験されたサンプルS3の外縁部において約52.19%高い濃度を含有したことである。
【0047】
本明細書において、以下の実施形態のうちの1つ又は複数を含み得る研磨品の実施形態が開示されることが理解されよう。
【0048】
実施形態1.中央ハブと、前記中央ハブに取り付けられた複数の布層と、ポリマー結合剤、及び前記ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含む研磨組成物であって、前記複数の布層の外縁部における前記研磨粒子の含有量が、前記複数の布層の内縁部における前記研磨粒子の含有量よりも高い、研磨組成物とを備える、固定研磨バフ。
【0049】
実施形態2.前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨粒子の前記含有量は、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨粒子の前記含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、実施形態1に記載の固定研磨バフ。
【0050】
実施形態3.前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の付加重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の付加重量よりも高い、実施形態1に記載の固定研磨バフ。
【0051】
実施形態4.前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の前記付加重量は、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の前記付加重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、実施形態3に記載の固定研磨バフ。
【0052】
実施形態5.前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの総重量が、前記複数の布層の前記内縁部における総重量よりも高い、実施形態1に記載の固定研磨バフ。
【0053】
実施形態6.前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの前記総重量は、前記複数の布層の前記内縁部における前記総重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、実施形態5に記載の固定研磨バフ。
【0054】
実施形態7.前記内縁部は前記中央ハブに隣接し、前記外縁部は前記中央ハブから半径方向に最も遠い、実施形態1から6のいずれかに記載の固定研磨バフ。
【0055】
実施形態8.前記複数の布層は、織布、不織布、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1に記載の固定研磨バフ。
【0056】
実施形態9.前記複数の布層は、少なくとも2つの層、少なくとも4つの層、少なくとも6つの層、少なくとも8つの層、少なくとも10つの層、少なくとも12つの層、少なくとも15つの層、少なくとも20つの層、又は少なくとも25つの層から、100つ以下の層、50つ以下の層、25つ以下の層、20つ以下の層、15つ以下の層、又は12つ以下の層を含む、実施形態8に記載の固定研磨バフ。
【0057】
実施形態10.前記研磨組成物は、前記複数の布層のそれぞれの上又は中に分散されている、実施形態1に記載の固定研磨バフ。
【0058】
実施形態11.前記研磨組成物は、10wt%~80wt%の前記ポリマー結合剤、及び20wt%~90wt%の研磨粒子を含む、実施形態1に記載の固定研磨バフ。
【0059】
実施形態12.前記ポリマー結合剤は自己架橋性カルボキシル化スチレン-ブタジエン組成物を含む、実施形態11に記載の固定研磨バフ。
【0060】
実施形態13.前記研磨粒子は炭化ケイ素を含む、実施形態11に記載の固定研磨バフ。
【0061】
実施形態14.前記研磨粒子は、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、又は少なくとも25マイクロメートルの平均粒径を含む、実施形態13に記載の固定研磨バフ。
【0062】
実施形態15.前記研磨粒子は、500マイクロメートル以下、250マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、又は50マイクロメートル以下の平均粒径を含む、実施形態14に記載の固定研磨バフ。
【0063】
実施形態16.固定研磨バフを形成する方法であって、中央ハブ、及び前記中央ハブに取り付けられた複数の布層を含むコーティングされていないバフを提供するステップと、前記複数の布層に圧力を加えて、前記複数の布層を広げるステップと、研磨組成物内で前記バフを回転させて、前記バフを前記研磨組成物でコーティングするステップとを含む、方法。
【0064】
実施形態17.前記複数の布層の外縁部における前記研磨粒子の含有量が、前記複数の布層の内縁部における前記研磨粒子の含有量よりも高い、実施形態16に記載の方法。
【0065】
実施形態18.前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨粒子の前記含有量は、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨粒子の含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、実施形態17に記載の方法。
【0066】
実施形態19.前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の付加重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の付加重量よりも高い、実施形態16から18のいずれかに記載の方法。
【0067】
実施形態20.前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の前記付加重量は、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の付加重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、実施形態19に記載の方法。
【0068】
実施形態21.前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの総重量が、前記複数の布層の前記内縁部における総重量よりも高い、実施形態16から20のいずれかに記載の方法。
【0069】
実施形態22.前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの前記総重量は、前記複数の布層の前記内縁部における前記総重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、若しくは少なくとも50%高い、又はそれらの組み合わせである、実施形態21に記載の方法。
【0070】
実施形態23.前記複数の布層に圧力を加えるステップは、前記複数の布層に向かって加圧空気を適用すること、前記研磨組成物を保持する容器の側壁に前記複数の布層を押し付けること、又はそれらの組み合わせによって達成される、実施形態16から22のいずれかに記載の方法。
【0071】
実施形態24.前記研磨組成物から前記固定研磨バフを取り外すステップと、前記固定研磨バフを回転させて過剰な研磨組成物を振り落とすステップと、前記固定研磨バフ上で前記研磨組成物を硬化させるステップとをさらに含む、実施形態16から23のいずれかに記載の方法。
【0072】
実施形態25.前記研磨組成物の付加重量が、少なくとも15グラム、少なくとも16グラム、少なくとも17グラム、少なくとも18グラム、少なくとも19グラム、少なくとも20グラム、少なくとも21グラム、少なくとも22グラム、少なくとも23グラム、少なくとも24グラム、又は少なくとも25グラムである、実施形態1から15のいずれかに記載の固定研磨バフ又は実施形態16から24のいずれかに記載の方法。
【0073】
本明細書は、最良の形態を含む実施形態を開示するために、また当業者が本発明を作成及び使用することを可能にするために、例を使用する。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0074】
一般的な説明又は例で上述した活動のすべてが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされなくてもよく、記載した活動に加えて1つ又は複数のさらなる活動が行われてもよいことに留意されたい。さらに、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0075】
前述の明細書では、概念は特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解する。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきであり、そのような修正はすべて本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0076】
本明細書で使用される場合、「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語又はそれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は機器は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは機器に固有の他の特徴を含むことができる。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「又は」は、包含的論理和を指し、排他的論理和を指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真(又は存在)かつBが偽(又は存在しない)、Aが偽(又は存在しない)かつBが真(又は存在)、及びAとBの両方が真(又は存在)。
【0077】
また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を説明するために使用される。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むものとして読まれるべきであり、そうでないことを意味することが明らかでない限り、単数形は複数形も含む。
【0078】
利益、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上述されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策を発生又はより顕著にし得る任意の特徴(複数可)は、請求項のいずれか又はすべての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0079】
本明細書を読んだ後、当業者は、明確にするために別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴を、単一の実施形態において組み合わせて提供することができることを理解するであろう。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている様々な特徴を、別個に又は任意の部分的な組み合わせで提供することもできる。さらに、範囲に記載された値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央ハブと、
前記中央ハブに取り付けられた複数の布層と、
ポリマー結合剤、及び前記ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含む研磨組成物であって、前記複数の布層の外縁部における前記研磨粒子の含有量が、前記複数の布層の内縁部における前記研磨粒子の含有量よりも高い、研磨組成物と
を備える、固定研磨バフ。
【請求項2】
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨粒子の前記含有量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨粒子の前記含有量よりも、少なくとも10%高い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項3】
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の付加重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の付加重量よりも高い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項4】
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の前記付加重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の前記付加重量よりも、少なくとも10%高い、請求項3に記載の固定研磨バフ。
【請求項5】
前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの総重量が、前記複数の布層の前記内縁部における総重量よりも高い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項6】
前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの前記総重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記総重量よりも、少なくとも10%高い、請求項5に記載の固定研磨バフ。
【請求項7】
前記内縁部が前記中央ハブに隣接し、前記外縁部は前記中央ハブから半径方向に最も遠い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項8】
前記複数の布層が、織布、不織布、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項9】
前記複数の布層が、少なくとも2つの層、及び50つ以下の層、25つ以下の層、20つ以下の層、15つ以下の層、又は12つ以下の層を含む、請求項8に記載の固定研磨バフ。
【請求項10】
前記研磨組成物が、前記複数の布層のそれぞれの上又は中に分散されている、請求項9に記載の固定研磨バフ。
【請求項11】
前記研磨組成物が、
10wt%~80wt%の前記ポリマー結合剤、及び
20wt%~90wt%の研磨粒子
を含む、請求項1に記載の固定研磨バフ。
【請求項12】
前記ポリマー結合剤が自己架橋性カルボキシル化スチレン-ブタジエン組成物を含む、請求項11に記載の固定研磨バフ。
【請求項13】
前記研磨粒子が、シリカ、アルミナ(溶融又は焼結)、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ酸化物、ケイ酸ジルコニウム、炭化ケイ素、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、セリア、二酸化チタン、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、酸化スズ、炭化タングステン、炭化チタン、酸化鉄、クロミア、フリント、エメリー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の固定研磨バフ。
【請求項14】
前記研磨粒子が、少なくとも5マイクロメートルの平均粒径を含む、請求項13に記載の固定研磨バフ。
【請求項15】
前記研磨粒子が、500マイクロメートル以下の平均粒径を含む、請求項14に記載の固定研磨バフ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
一態様では、本開示は、一般に、中央ハブと、中央ハブに固定された複数の布層と、複数の布層全体に取り付けられた、又は複数の布層内に埋め込まれた研磨組成物とを含む固定研磨バフに関する。研磨組成物は、ポリマー結合剤と、ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含む。複数の布層の外縁部における研磨粒子の含有量を、複数の布層の内縁部における研磨粒子の含有量よりも高くすることができる。
他の記載と重複するが、本発明及びその好ましい態様を以下に示す。但し、本発明は以下に限定されない。
[1]
中央ハブと、
前記中央ハブに取り付けられた複数の布層と、
ポリマー結合剤、及び前記ポリマー結合剤中に分散された複数の研磨粒子とを含む研磨組成物であって、前記複数の布層の外縁部における前記研磨粒子の含有量が、前記複数の布層の内縁部における前記研磨粒子の含有量よりも高い、研磨組成物と
を備える、固定研磨バフ。
[2]
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨粒子の前記含有量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨粒子の前記含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、[1]に記載の固定研磨バフ。
[3]
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の付加重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の付加重量よりも高い、[1]に記載の固定研磨バフ。
[4]
前記複数の布層の前記外縁部における前記研磨組成物の前記付加重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記研磨組成物の前記付加重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、[3]に記載の固定研磨バフ。
[5]
前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの総重量が、前記複数の布層の前記内縁部における総重量よりも高い、請求項1に記載の固定研磨バフ。
[6]
前記複数の布層の前記外縁部における前記固定研磨バフの前記総重量が、前記複数の布層の前記内縁部における前記総重量よりも、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%高い、[5]に記載の固定研磨バフ。
[7]
前記内縁部が前記中央ハブに隣接し、前記外縁部は前記中央ハブから半径方向に最も遠い、[1]に記載の固定研磨バフ。
[8]
前記複数の布層が、織布、不織布、又はそれらの組み合わせを含む、[1]に記載の固定研磨バフ。
[9]
前記複数の布層が、少なくとも2つの層、少なくとも4つの層、少なくとも6つの層、少なくとも8つの層、少なくとも10つの層、少なくとも12つの層、少なくとも15つの層、少なくとも20つの層、又は少なくとも25つの層から、100つ以下の層、50つ以下の層、25つ以下の層、20つ以下の層、15つ以下の層、又は12つ以下の層を含む、[8]に記載の固定研磨バフ。
[10]
前記研磨組成物が、前記複数の布層のそれぞれの上又は中に分散されている、[9]に記載の固定研磨バフ。
[11]
前記研磨組成物が、
10wt%~80wt%の前記ポリマー結合剤、及び
20wt%~90wt%の研磨粒子
を含む、[1]に記載の固定研磨バフ。
[12]
前記ポリマー結合剤が自己架橋性カルボキシル化スチレン-ブタジエン組成物を含む、[11]に記載の固定研磨バフ。
[13]
前記研磨粒子が、シリカ、アルミナ(溶融又は焼結)、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ酸化物、ケイ酸ジルコニウム、炭化ケイ素、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、セリア、二酸化チタン、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、酸化スズ、炭化タングステン、炭化チタン、酸化鉄、クロミア、フリント、エメリー、又はそれらの組み合わせを含む、[11]に記載の固定研磨バフ。
[14]
前記研磨粒子が、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、又は少なくとも25マイクロメートルの平均粒径を含む、[13]に記載の固定研磨バフ。
[15]
前記研磨粒子が、500マイクロメートル以下、250マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、又は50マイクロメートル以下の平均粒径を含む、[14]に記載の固定研磨バフ。
【国際調査報告】