(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】有孔不織布
(51)【国際特許分類】
D04H 1/425 20120101AFI20230516BHJP
A61F 13/51 20060101ALI20230516BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20230516BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20230516BHJP
A61F 13/494 20060101ALI20230516BHJP
D04H 1/492 20120101ALI20230516BHJP
D04H 1/4258 20120101ALI20230516BHJP
【FI】
D04H1/425
A61F13/51
A61F13/511 300
A61F13/53 100
A61F13/494 115
D04H1/492
D04H1/4258
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561190
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 CN2020085097
(87)【国際公開番号】W WO2021208008
(87)【国際公開日】2021-10-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアオシン
(72)【発明者】
【氏名】タン、リー
(72)【発明者】
【氏名】スン、クン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ファンチェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、メン
【テーマコード(参考)】
3B200
4L047
【Fターム(参考)】
3B200BA07
3B200BB03
3B200DA21
3B200DC01
3B200DC02
4L047AA08
4L047AA12
4L047AA28
4L047AB02
4L047AB04
4L047CA01
4L047CA05
4L047CA06
4L047CA10
4L047CC04
4L047CC05
(57)【要約】
本発明は、セルロース系繊維及び複数の孔(302)を含む第1の不織布層を含む有孔不織布(30)に関し、複数の孔(302)は、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下の相対標準偏差を有する、2つの隣接する孔間の最小孔距離を有し、孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm2以下の孔サイズを有し、約9%以下の閉塞を有するか、又は孔(302)は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.5以下のアスペクト比を有するかのいずれかである。本発明はまた、セルロース系繊維及び複数の孔(302)を含む第1の不織布層を含む有孔不織布(30)に関し、孔(302)は、ピンホール孔加工によって形成され、複数の孔(302)は、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下の相対標準偏差を有する、2つの隣接する孔の間に最小孔距離を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース系繊維及び複数の孔を含む第1の不織布層を含む不織布であって、
前記複数の孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下の相対標準偏差を有する、2つの隣接する孔間の最小孔距離を有し、
前記孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm
2以下の孔サイズを有し、前記孔サイズが、約60%以下の相対標準偏差を有し、
前記孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約9%以下の閉塞を有する、不織布。
【請求項2】
セルロース系繊維及び複数の孔を含む第1の不織布層を含む不織布であって、
前記複数の孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下の相対標準偏差を有する、2つの隣接する孔間の最小孔距離を有し、
前記孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm
2以下の孔サイズを有し、
前記孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約2.5以下のアスペクト比を有する、不織布。
【請求項3】
セルロース系繊維及び複数の孔を含む第1の不織布層を含む不織布であって、前記孔が、ピンホール孔加工によって形成され、
前記複数の孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下の相対標準偏差を有する、2つの隣接する孔間の最小孔距離を有する、不織布。
【請求項4】
前記孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下の相対標準偏差を有するアスペクト比を有する、請求項1又は2に記載の不織布。
【請求項5】
前記孔が、ピンホール孔加工によって形成されている、請求項1又は2に記載の不織布。
【請求項6】
前記複数の孔が、別個の孔パターンを形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項7】
前記別個の孔パターンが、繰り返しの別個の孔パターンである、請求項6に記載の不織布。
【請求項8】
前記孔が、孔品質試験によって測定されたとき、約8%以下の閉塞を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項9】
前記孔が、約0.3mm
2~約1.5mm
2の範囲内の孔サイズを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項10】
前記孔が、約5mm以下の最小孔距離を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項11】
前記第1の不織布層が、スパンレースウェブを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項12】
前記第1の不織布層が、前記第1の不織布層の50重量%超のセルロース系繊維を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項13】
前記セルロース系繊維が、綿繊維、再生セルロース系繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項14】
前記不織布が、前記第1の不織布層に接合された第2の不織布層を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項15】
前記第2の不織布層が、合成繊維を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項16】
前記第1の不織布層が、親水性である、請求項1~15のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項17】
吸収性物品であって、着用者対向面を有する液体透過性トップシートと、衣服対向面を有する液体不透過性バックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配設された吸収性構造と、請求項1~16のいずれか一項に記載の不織布と、を備える、吸収性物品。
【請求項18】
前記トップシートは、前記不織布の前記第1の不織布層が前記着用者対向面の少なくとも一部を形成するように、請求項1~16のいずれか一項に記載の不織布を含む、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項19】
前記バックシートが、液体不透過性フィルムを含む、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項20】
前記バックシートは、前記不織布の前記第1の不織布層が前記衣服対向面の少なくとも一部を形成するように、請求項1~16のいずれか一項に記載の不織布を更に含む、請求項19に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔品質が高い孔を有する不織布、及び同不織布を含む吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布は、乳児用使い捨ておむつ、幼児用トレーニングパンツ、成人用失禁下着、及び/又は生理用ナプキンなどの個人衛生用の様々な吸収性物品において広く使用され、これらは、排泄物、具体的には、大量の尿、軟液状糞便(bowel movement、BM)、及び/又は経血を吸収して収容するように設計される。
【0003】
皮膚感覚、乾燥感、快適性、排出された体液の吸収、及び流体逆流の防止の観点から、吸収性物品のトップシートなどの構成要素として使用するために、様々な不織布が提案されている。
【0004】
不織布は、孔を有することが望ましい場合があり、これは、孔を有する不織布が、通気性のある外観を有し、特に孔がパターンを形成する場合にユニークなパターンでユーザを楽しませることができると考えられるためである。
【0005】
多くの場合、吸収性物品の構成要素として使用される不織布は、物品の性能を改善するための、並びに美的な視覚的印象を提供するための孔を有する。不織布は、望ましい視覚的品質及び身体排泄物の効率的な取り扱いを提供するために、きれいで鮮明な形状、並びにサイズ及び/又は形状の規則性を有する孔を有することが望ましい場合がある。いくつかの使用には、不織布が天然繊維を含むことが望ましい場合もある。セルロース系繊維を含有する有孔不織布は、スパンレース孔加工プロセス又はウォータージェット孔加工プロセスを使用して生成されている。スパンレース孔加工プロセスは、高圧ウォータージェットがすべての方向にわたって均一に分布された材料ウェブを通過することができるため、比較的均一な孔を有するメッシュタイプ有孔不織布設計を形成し得る。しかしながら、スパンレース孔加工プロセスは、ウェブ上に適用された圧力が均一でない場合があるため、高い鮮明度の別個の孔パターンを形成しない場合がある。材料坪量が40gsmよりも低いとき、及び/又は孔サイズが小さいときに、高鮮明度の別個の孔パターンを形成することがより困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、きれいで鮮明な孔を有する有孔不織布を提供することが望ましい。
【0007】
そのため、鮮明に知覚される孔パターンをもたらすように密接に配置された孔を有する有孔不織布を提供することが望ましい。
【0008】
また、設計通りに完全に展開された孔を有する有孔不織布を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、セルロース系繊維及び複数の孔を含む第1の不織布層を含む不織布に関し、孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下の相対標準偏差を有する、2つの隣接する孔間に最小孔距離を有し、孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm2以下の孔サイズ、及び約9%以下の閉塞を有する。孔サイズは、約60%以下のRSDを有する。
【0010】
本発明はまた、セルロース系繊維及び複数の孔を含む第1の不織布層を含む不織布に関し、孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下の相対標準偏差を有する、2つの隣接する孔間に最小孔距離を有し、孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm2以下の孔サイズを有し、孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.5以下のアスペクト比を有する。
【0011】
本発明はまた、セルロース系繊維及び複数の孔を含む第1の不織布層を含む不織布に関し、孔は、ピンホール孔加工によって形成され、孔は、孔品質試験によって測定されたとき、2つの隣接する孔間の最小孔距離が約40%以下であるRSDを有する。
【0012】
本発明はまた、本明細書に開示された不織布を含む吸収性物品に関する。
【0013】
考察を容易にするために、有孔不織布及び吸収性物品を、これらの図に示される数字を参照しながら考察する。しかしながら、図面及び詳細な説明は、特に明示的に示されない限り、特許請求の範囲を限定するものと見なされるべきではなく、本明細書に開示される発明はまた、様々な吸収性物品の形態においても使用される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面中、同様の数字又は他の表記は、図面全体を通じて同様の特徴を示す。
【
図1A】本発明による、有孔不織布(不織布10)の顕微鏡画像である。
【
図1B】本発明による、有孔不織布(不織布10)の画像である。
【
図2】有孔不織布(不織布1)の顕微鏡画像である。
【
図3】有孔不織布(不織布2)の顕微鏡画像である。
【
図4】本発明による、有孔不織布(不織布4)の顕微鏡画像である。
【
図5】本発明による、有孔不織布(不織布6)の顕微鏡画像である。
【
図6A】本発明による、有孔不織布(不織布7)の顕微鏡画像である。
【
図6B】本発明による、有孔不織布(不織布7)の画像である。
【
図7A】関連技術の有孔不織布(不織布11)の顕微鏡画像である。
【
図7B】関連技術の関連技術の有孔不織布(不織布11)の画像である。
【
図8】関連技術の有孔不織布(不織布12)の顕微鏡画像である。
【
図9】関連技術の有孔不織布(不織布13)の顕微鏡画像である。
【
図10】有孔不織布を生成するための孔加工プロセスの概略表現である。
【
図12】有孔不織布を生成するための別の孔加工プロセスの概略表現である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
固有の工学歪み特性及び低い表面粗度を有する後耳部を含む、吸収性物品の構造、機能、製造、及び使用の原理についての全体的な理解を提供するため、本開示の様々な非限定的な形態について以下に記載する。これらの非限定的な実施形態の1つ以上の実施例が、添付図面に示される。当業者であれば、本明細書に記載され、かつ添付の図面で例示される吸収性物品は非限定的な実施形態であり、本開示の様々な非限定的形態の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの非限定的な形態に関して示される、又は説明される特徴は、他の非限定的な形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本開示の範囲に含まれるものとする。
【0016】
「吸収性物品」は、液体を吸収する及び/又は収容する着用可能デバイスを指し、より詳細には、着用者の身体に対して又は近接して配置されて、身体から排出される様々な排出物を吸収及び収容するデバイスを指す。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人失禁用下着、生理用ナプキン及びパンティライナなどの女性用衛生製品、並びに拭き取り紙が挙げられ得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、本発明を実施する際に、様々な構成要素、成分、又は工程がともに用いられ得ることを意味する。したがって、「含む」という用語は、無制限であり、「から本質的になる」及び「からなる」というより限定的な用語を包含する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「セルロース系繊維」という用語は、特に異なるものとして指定されない限りは、パルプ及び綿などのセルロース繊維と、レーヨンなどの再生セルロース繊維との両方を含むものとする。
【0019】
本明細書で使用される場合、「形成要素」という用語は、不織布を変形させることが可能である、ロール、プレート、及びベルトなどの形成部材の表面上の任意の要素を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「天然繊維」という用語は、植物及び動物によって生成される細長い物質を指し、動物系繊維及び植物性繊維を含む。天然繊維は、いかなる採取後処理工程も受けずに採取される繊維、並びに、例えば、洗浄、すり磨き、及び漂白などの後処理工程を有する繊維を含んでもよい。
【0021】
本明細書で使用される場合、「植物系繊維」という用語は、採取された繊維及びバイオ系含有量を含む合成繊維の両方を含む。採取される植物系繊維としては、木材パルプなどのセルロース系物質、綿などの種子毛、亜麻及び大麻などの茎(又は靱皮)繊維、サイザルなどの葉繊維、並びにココナツなどの殻繊維が挙げられ得る。
【0022】
不織布
不織布は、例えば、衛生分野、ダスト除去及び洗浄器具の分野、並びに医療分野などの多くの分野において有用である。衛生分野では、不織布ウェブは、おむつ、パンツ、成人用失禁製品、タンポン、ライナー、生理用ナプキン、吸収パッド、ベッドパッド、拭き取り紙、及び様々な他の製品における構成要素としての使用など、吸収性物品内で使用される。不織布は、例えば、トップシート、外側カバー不織布材料、レッグカフの部分、捕捉材料、コアラップ材料、耳部及び側部パネルの部分、締結具タブの部分、ベルトの部分、及び/又は第2のトップシートとして、吸収性物品内で使用され得る。本開示の有孔不織布は、トップシート及び/又は外側カバー不織布材料として特定の用途を有し得る。
【0023】
本明細書で考察される不織布は、セルロース系繊維を含む。本明細書で考察される不織布は、任意選択的に、天然繊維を含む。本明細書で考察される不織布は、任意選択的に、合成繊維を含む。本開示の不織布を含む繊維は、連続繊維及び/又はカーディング繊維であり得る。連続繊維は、概して、不織布ウェブ内でランダムな様式で敷設されるより長い繊維であり、一方で、カーディング繊維は、概して、より短く、不織布ウェブ内で決定された指向性よりを有する。
【0024】
本明細書で考察される不織布の合成繊維は、例えば、二成分繊維若しくは三成分繊維、単成分繊維、及び/又は他の繊維タイプなどの多成分繊維を含み得る。本明細書で使用される場合、多成分繊維は、2つ以上の化学種又は材料を含む繊維(すなわち、多成分繊維)を意味する。二成分繊維は、多成分繊維の単なる例である。繊維は、例えば、円形、三角形、三葉、又は他の形状の断面を有し形、三葉形、又は他の形状の断面を有してもよい。連続繊維又はカーディング繊維の文脈では、二成分繊維などの2つ以上のポリマー成分を含む繊維を有することが望ましい場合がある。多くの場合、これらの2つのポリマー成分は、異なる溶融温度、粘度、ガラス転移温度、結晶性、及び/又は結晶化速度を有する。多成分繊維が形成後に冷却する際、第1のポリマー成分は、第2のポリマー成分よりも速い速度で凝固及び/又は収縮し得、一方、第2のポリマー成分は、長手方向繊維軸に沿った圧縮に抵抗するために十分な剛性を有し得る。連続繊維は、次いで、繊維上の歪みが解放されるとき、変形し、及び捲れ上がってもよく、それによって、繊維内の「捲縮」として知られるものを引き起こす。繊維の捲縮は、消費者に望ましい、不織布ウェブ又はトップシートの柔軟性及び嵩高性を支援し得る。
【0025】
二成分繊維は、例えば、第1の溶融温度を有する第1のポリマー成分、及び第2の溶融温度を有する第2のポリマー成分を含み得る。例えば、第1のポリマー成分は、ポリプロピレンを含み得、第2のポリマー成分は、ポリエチレンを含み得る。別の例として、第1のポリマー成分は、ポリエチレンを含み得、第2のポリマー成分は、ポリエチレンテレフタレートを含み得る。更に別の例として、第1のポリマー成分は、ポリエチレンを含み得、第2のポリマー成分は、ポリ乳酸を含み得る。三成分繊維が使用される場合、少なくとも1つのポリマー成分は、他の2つのポリマー成分の少なくとも1つの融解温度とは異なる溶融温度(上記範囲内)を有してもよい。
【0026】
繊維は、石油由来樹脂、再生樹脂、又は、Nature Works製のポリ乳酸及びBraskem製のポリエチレンなどのバイオ由来樹脂を含み得る。繊維は、スパンボンド繊維及びメルトブローン繊維などの連続繊維であっても、それらを含んでもよい。綿、セルロース、及び/若しくは再生セルロースなどの石油由来又はバイオ由来のいずれかのステープル繊維もまた、不織布ウェブ内に含まれ得る。二成分繊維などの多成分繊維は、シース/コア構成、並置構成、海島構成、及び/若しくは偏心構成を含んでも、他の構成を有してもよい。
【0027】
有孔不織布
本発明の不織布は、セルロース系繊維及び複数の孔を含む第1の不織布層を含む。
図1Aは、複数の孔302を含む本発明の有孔不織布30(不織布10)の顕微鏡画像であり、
図1Bは、その画像である。
【0028】
本発明の第1の発明では、第1の不織布層は、孔品質試験によって測定されたとき、40%以下のRSDを有する、2つの隣接する孔間に最小孔距離を有する複数の孔を含む。孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm2以下の孔サイズ及び約9%以下の閉塞を有する。孔サイズは、約60%以下のRSDを有し得る。孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.5以下の孔アスペクト比を有し得る。孔は、ピンホール孔加工によって形成され得る。
【0029】
本発明の第2の発明では、第1の不織布層は、孔品質試験によって測定されたとき、約40%以下のRSDを有する、2つの隣接する孔間の最小孔距離を有する複数の孔を含む。孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm2以下の孔サイズ及び2.5以下のアスペクト比を有する。アスペクト比は、約60%以下のRSDを有し得る。孔は、ピンホール孔加工によって形成され得る。
【0030】
本発明の第3の発明において、第1の不織布層は、ピンホール孔加工によって形成された複数の孔を含み、孔は、孔品質試験によって測定されたとき、40%以下のRSDを有する、2つの隣接する孔間に最小孔距離を有する。孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm2以下の孔サイズを有し得る。孔サイズは、約60%以下のRSDを有し得る。孔は、孔品質試験によって測定されたとき、2.5以下の孔アスペクト比を有し得る。
【0031】
本発明の不織布は、孔品質試験によって測定されたとき、0.1mm2~約2.2mm2の範囲内、又は約0.3mm2~約2mm2の範囲内、又は約0.5mm2~約2.0mm2の範囲内、又は約0.5mm2~約1.5mm2の範囲内の孔サイズを有する孔を含み得る。孔サイズが非常に大きいと、消費者は、柔軟性及び漏れに対して否定的な感覚を覚えることがあり、トップシート下の吸収層を目にする可能性がある。
【0032】
本発明の不織布は、孔のサイズにほとんど変化がないため、非常に規則的な幾何学的品質を呈し得る。例えば、本発明の不織布内の孔は、約60%以下、約50%以下、約45%以下、又は約40%以下の孔サイズのRSDを有し得る。孔サイズのRSDによって表現されるこの非常に規則的なサイズの孔は、不織布ウェブの視覚的品質との両方で重要であり得る。
【0033】
本発明による有孔不織布は、本明細書におけるアスペクト比試験によって測定されたとき、約2.5以下、又は約2以下、又は約1.8以下、又は約1.5以下の低アスペクト比を有する孔を有し得る。
【0034】
本発明の不織布は、孔の形状にほとんど変化がないため、非常に規則的な幾何学的品質を呈し得る。例えば、本発明の不織布内の孔は、アスペクト品質試験によって測定されたとき、約40%以下、約30%以下、約25%以下、又は約20%以下の孔アスペクト比を有し得る。低RSDのアスペクト比によって表現されるこの高度な形状規則性は、不織布ウェブの視覚的品質との両方で重要であり得る。
【0035】
更に、本発明による不織布は、2つの隣接する孔間の最小孔距離及び/又はそのRSDとして示されるとき、より高い孔パターン鮮明度を呈し得る。本発明の不織布内の孔は、約5mm以下、又は約4.5mm以下、約4mm以下、約3.5mm以下の2つの隣接する孔間の最小空間を有し得る。本発明の不織布が複数の孔を含むパターンを含むとき、最小孔距離及び/又は最小孔距離の低相対標準偏差によって表現されるこの高度な孔パターン鮮明度は、隣接する孔間の最小孔距離及び/又は最小孔距離のRSDが大きすぎるとき、有孔パターンが完全なグラフィックパターンとして知覚されない場合があるため、視覚的品質のために重要であり得る。
【0036】
更に、本発明による不織布は、閉塞率として示されるとき、より高い孔鮮明度を呈し得る。本発明の不織布は、本明細書に記載の孔品質試験下の孔鮮明度試験によって測定されたとき、約9%以下、又は約8%以下、又は約7%以下、又は約6%以下の閉塞を有し得る、複数の孔を含む。孔のサイズが小さいとき、孔閉塞は、増加する傾向があるが、本発明の不織布は、小さい孔サイズが2.2mm2以下にもかかわらず、低い閉塞状態の孔を有する。理論に拘束されることを望むものではないが、改善された孔鮮明度は、改善された身体排泄物取り扱い性能、並びに改善された可視知覚を有する有孔不織布をもたらし得ると考えられる。
【0037】
本発明の不織布は、セルロース系繊維及び複数の孔を含む第1の不織布層を含む。第1の不織布層は、複数の孔によって形成された別個のパターンを含み得る。本明細書の別個のパターンという用語で、孔によって形成された別個のパターンを含む不織布は、メッシュタイプの有孔不織布を除外することを意図している。一実施形態では、別個のパターンは、本発明の不織布が複数の繰り返しの孔パターンを含むような繰り返しパターンであり得る。繰り返しパターンは、ランダムな方向に繰り返し得る。繰り返しパターンは、第1の方向に繰り返し得る。繰り返し単位は、第1の方向及び第1の方向とは異なる第2の方向に繰り返し得る。繰り返しパターンは、同じサイズ若しくはスケールであっても、異なるサイズ若しくはスケールであってもよい。繰り返しパターンは、同じ配向であり得る。いくつかの例では、繰り返しパターンは、異なる配向にあり得る。別の実施形態では、パターンは、連続的な繰り返しパターンであり得る。繰り返しパターンは、第1の方向において連続的であり得る。繰り返し単位は、第1の方向及び第1の方向とは異なる第2の方向において連続的であり得る。繰り返しパターンは、同じサイズ若しくはスケールであっても、異なるサイズ若しくはスケールであってもよい。繰り返しパターンは、同じ配向であり得る。
【0038】
本発明の不織布は、突出部及び凹部などの複数の三次元要素を含み得、そのため、有孔不織布は、三次元構造を有する。
【0039】
有孔不織布は、第2の複数の孔を画定し得、そのため、第1の複数の孔及び第2の複数の孔が不織布内にゾーンを形成する。各ゾーンは、同じゾーン内の別の孔と比較されたとき、アスペクト比における変動がほとんど存在しないような非常に規則的な幾何学的品質を呈し得る複数の孔を含み得るが、孔サイズはゾーン間で変化する。
【0040】
本発明の不織布では、第1の不織布層は、スパンレースウェブを含み得る。第1の不織布層は、綿繊維、再生セルロース系繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるセルロース系繊維を含み得る。
【0041】
本発明の不織布では、第1の不織布層は、第1の不織布層の50重量%超、60重量%超、70重量%超、80重量%超、又は90重量%超のセルロース系繊維を含み得る。一実施形態では、第1の不織布層中の繊維は、100%綿繊維を含む。
【0042】
本発明の不織布は、第1の不織布層に接合された第2の不織布層を更に含み得る。第2の不織布層は、合成繊維を含み得る。
【0043】
図1は、本発明の有孔不織布(不織布10)の顕微鏡画像である。
図1を参照すると、有孔不織布30は、複数の孔302を画定し得る。
図2及び
図3は、それぞれ、比較有孔不織布、不織布1及び2の顕微鏡画像である。
図4~
図6は、本発明による、有孔不織布、それぞれ、不織布4、6、及び7の顕微鏡画像である。
図7A、
図8、及び
図9は、関連技術の不織布、それぞれ、不織布11~13の顕微鏡画像である。
【0044】
本発明による不織布は、例えば、吸収性物品に組み込むことができる。例えば、吸収性物品は、有孔不織布を含むトップシート及び/又は最外シートなどの構成要素を有し得る。
【0045】
有孔不織布は、不織布の全体にわたって複数の孔を含んでも、不織布の1つ以上の別個のエリア又はゾーンにわたって複数の孔を含んでもよい。不織布は、各々が複数の孔を画定する、2つ以上のゾーンを含み得、孔は、各ゾーン内の形状及びサイズにおいて高度な規則性を呈するが、ゾーン間で異なるサイズ及び/又は異なる形状を有する。孔又はエンボスはまた、不織布内に任意の想像力豊かなパターンを形成してもよい。
【0046】
本発明の吸収性物品は、本発明の有孔不織布を含む。一実施形態では、吸収性物品は、本発明の有孔不織布を含むトップシートを含む。トップシートが2つ以上の層を有する場合、着用者に対向するように構成された第1の側面の第1の層のみが、本発明の有孔不織布を含み得る。第2の層は、非有孔層であり、親水性であり得る。代替的に、多層トップシートのすべての層が、孔を有してもよい。例えば、トップシートは、2つの有孔、疎水性不織布ウェブを含み得る。このような場合、トップシートは、親水性取得層と対向関係にある面に配設され得る。トップシートは、トップシート全体にわたって複数の孔を画定しても、トップシートの1つ以上の別個のエリア又はゾーンにわたって複数の孔を画定してもよい。一例として、孔は、捕捉材料又は吸収性コアと重なり合うトップシートの部分上にのみ形成され得る。トップシートは、各々が複数の孔を画定する、2つ以上のゾーンを含み得、孔は、各ゾーン内の形状及びサイズにおいて高度な規則性を呈するが、異なるサイズ及び/又は異なる形状を有する。
【0047】
有孔不織布を生成するためのプロセス
図9は、本開示の有孔不織布を形成するためのプロセスの一例の概略図である。本発明による例示的なプロセスの簡略化された概略図を図示する
図9を参照すると、不織布20は、不織布20の含水量が調整される含水量調整ユニット200に供給され、その結果、不織布20は、エリア内の不織布の少なくとも約12重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約40重量%の含水量を有する少なくとも1つのエリアを含むようになる。
【0048】
含水量調整ユニット200内の不織布20の含水量は、例えば、任意の既知の好適な方法を使用して不織布20に水分を適用するか、又は不織布20を乾燥させることによって調整することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、不織布の含水量は、不織布に水分を適用することによって調整され得る。一例として、不織布の含水量は、水分発生機を装備したチャンバを利用して不織布を湿潤させて、チャンバを水分で充填させることによって調整され得る。不織布は、チャンバに供給され、チャンバを通過し、不織布がチャンバを通過しながら湿潤され、その結果、不織布は、目標範囲内の含水量を有するようになる。別の例として、不織布の含水量は、複数のノズルを有する水パイプを利用して不織布を湿潤させることによって調整することができる。水パイプは、湿潤される不織布の上方に位置決めされ得、水噴霧は、不織布が目標範囲内の含水量を有するように、水を適用するためのノズルを通して適用される。かかる実施形態のうちのいくつかでは、不織布の全エリアが湿潤される。
【0050】
いくつかの実施形態では、不織布の含水量は、例えば、本発明のプロセスが、水流交絡に続いて連続的に行われて、不織布ウェブを生成するオンラインプロセスであるとき、不織布から過剰な水を除去するために不織布を乾燥させることによって調整されてもよい。過剰量の水を含有する水流交絡からの不織布は、不織布が目標範囲内の含水量を有するように、過剰な水が除去される乾燥システムなどの脱水デバイスを通過し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、不織布中の少なくとも1つの所定の領域の含水量は、位置決めされた湿潤プロセスによって調整され得る。例えば、業界で既知のフレックス印刷又は刻印印刷のような印刷技術を使用して、所定の領域が所望のように湿潤されるように、不織布上の特定の判定された領域に水を印刷/供給することができる。
【0052】
図9を参照すると、含水量調整ユニット200を離れる不織布20は、エリア内の不織布の少なくとも約12重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約40重量%の含水量を有する少なくとも1つのエリアを含み得る。いくつかの実施形態では、不織布20の全エリアは、不織布の少なくとも約12重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約40重量%の含水量を有するように湿潤される。他の実施形態では、不織布20は、複数の湿潤エリアを含み、各湿潤エリアは、エリア内の不織布の少なくとも約12重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約40重量%の含水量を有する。湿潤エリアは、変形が形成される所定のエリアであり得る。
【0053】
不織布20を形成する繊維は、天然起源のものであることも、人工起源のものであることもでき、ステープル繊維であっても、連続フィラメントであってもよく、またその場で形成されてもよい。不織布20は、不織布の少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも50重量%、又は100重量%の天然繊維を含み得る。天然繊維は、セルロース系繊維であり得る。いくつかの実施形態では、不織布20を形成する繊維は、セルロース系繊維である。
【0054】
不織布20は、単層を含み得る。これは、2つ以上の層を含み得、これらは単一の構造を形成しても、別個の層のままであってもよく、これらの層は、例えば、熱結合、接着剤結合、又はこれらの組み合わせによって互いに少なくとも部分的に付着させることができる。本明細書における単一構造とは、互いに別個の特性及び/又は組成を有するいくつかの副層で形成することができるが、これらの副層は、副層間の明確な境界の代わりに、異なる副層が互いに移行する領域を識別することが可能であるように、副層が境界領域で何らかの形で相互に混じり合っていることを意味するものとする。かかる単一構造は、典型的に、例えば、エアレイド又は湿式堆積を使用して、異なるサブ層を連続的な形で他の層の上に形成することによって構築される。典型的に、一体型材料の副層間に接着剤は使用されない。しかしながら、場合によっては、接着剤及び/又は結合剤は、典型的に、別個の層によって形成される多層材料におけるより少ない量で存在してもよい。
【0055】
不織布20は、20gsm~100gsm、又は25gsm~50gsm、又は30gsm~50gmsの坪量を有し得る。
【0056】
図9を参照すると、含水量調整ユニット200を離れる不織布20は、不織布20が機械的に変形し、脱水されて、有孔不織布30を生成する変形ユニット300に移送される。
【0057】
不織布の機械的変形は、当業者に既知の様々なプロセスを介して行われ得る。機械的変形プロセスは、孔形成プロセス、突出形成プロセス、エンボス加工形成プロセス、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、変形装置を使用するプロセスを含み得る。不織布の機械的変形は、機械的変形装置を使用して行われ得る。エンボス加工及び/又は孔を形成する機械的変形装置は、国際公開第2011/090974号及び同第2015/134359号などの当該技術分野において既知である。いくつかの実施形態では、変形プロセスは、不織布を変形装置に供することであって、変形装置が、第1の形成部材及び第2の形成部材を含む、供することと、第1の形成部材と第2の形成部材が係合されたときに変型が不織布内に形成されるように、第1の形成部材と第2の形成部材との間に形成されるニップを通して不織布を移動させることと、を含み得る。装置は、便宜上主にロールの観点から本明細書に記載されるが、その記載は、任意の他の好適な構成を有する形成部材を含む形成構造に適用できることが理解されるべきである。
【0058】
図10は、不織布の機械的変形の一例の概略図である。不織布20は、不織布ウェブ20において変形を形成するために、一対のロール500、2つの噛み合いロール504及び506によって形成されたニップ502を通過する。第1のロール504は、第1のロール504から外側に延在する突出部などの複数の第1の要素を含み得る。第1のロール504上の第1の要素は、孔及びエンボス加工などの変形のサイズ、形状、及び寸法を判定し得る、様々なサイズ、形状、高さ、面積、幅、及び/又は寸法であり得る。第2のロール506は、平坦な表面を有し得る。又は、第2のロール506は、第1のロール504の突出部と噛み合う溝を含み得る。不織布20が熱可塑性繊維を含むとき、ロール504及び506のうちの少なくとも1つは、不織布20を構成する繊維を軟化させるが、繊維の融点よりも低い温度に加熱され得る。繊維がシース/コアタイプのビコポリマー(bicopolymer)を含むとき、ロール504及び506のうちの少なくとも1つは、シースポリマーの融点よりも高い温度に加熱され得る。いくつかの実施形態では、第1のロール504は、(第2のロールと組み合わせて)孔を作成することができ、第2のロール506は、不織布20内の(第1のロールと組み合わせて)突起部を作成することができる。第1のロール506は、歯などの複数の第1の形成要素と、第1のロール504の径方向外部表面において形成された複数の第2の凹部と、を含み得る。第2のロール506は、第1のロール504内の第2の凹部と少なくとも部分的に係合するように構成された第2のロール506から径方向外側に延在する複数の第2の形成要素を含み得る。
【0059】
機械的に変形された不織布20は、脱水されて、有孔不織布を生成する。不織布20は、不織布に圧縮を提供することによって脱水され得る。不織布20は、不織布に熱を導入することによって脱水され得る。加熱ローラ、オーブン、バーナ、及び/又は赤外線放射線などの不織布製造プロセスにおいて既知の様々な熱源のいずれか、並びにこれらの任意の組み合わせを用いて、不織布に熱を導入することができる。例えば、加熱ローラなどの熱源を不織布に直接接触させることによって、熱を不織布に導入することができる。又は、オーブン若しくはバーナを使用して不織布に熱風を提供することによって、熱を不織布に導入してもよい。脱水された不織布は、約20%未満、又は約15%未満、又は約12%未満、又は約10%未満の含水量を有し得る。
【0060】
機械的変形プロセスでは、不織布の機械的変形が、不織布を脱水する前に行われ得る。又は、機械的変形及び不織布の脱水は、同時に実行されてもよい。いくつかの実施形態では、
図14を参照すると、本発明に好適な変形プロセスは、不織布を変形装置に供することであって、変形装置が、第1の形成部材及び第2の部材を含み、第1の形成部材が、その表面上に第1の形成要素を含み、第1の形成部材及び第2の形成部材のうちの少なくとも1つが、加熱される、供することと、第1の形成部材及び第2の形成部材が係合する際に、変形が不織布内に形成されるように、第1の形成部材と第2の形成部材との間に形成されるニップを通して、不織布を移動させることであって、不織布は、変形が形成され、不織布の脱水が発生するのに十分な時間の間、第1及び第2の形成部材と接触する、移動させることと、を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、変形プロセスは、ピン孔加工プロセスを含む。
図10を参照すると、第1のロール504は、歯が基部及び先端部から先細になるような複数の第1の形成要素を含んでもよく、歯は、第1のロールに接合されている。第2のロール506は、ニップで第1のロール上の第1の形成要素と噛み合う複数の第1の凹部を含み得る。ロール504及び506のうちの少なくとも1つは、接触時間中に不織布に十分な熱を導入するために加熱されて、意図されるように孔を形成し得、不織布中の水分を、蒸発させることができる。ロール温度は、不織布と加熱ロールとの接触時間を考慮して判定され得る。50℃などの低温は、長い接触時間で用いられ得るが、高速変形プロセスへの効率的な適用ではない場合がある。高不織布生成プロセスの傾向を考慮すると、ロールなどの第1及び/又は第2の形成部材は、70℃超、又は80℃超、又は100℃超、又は110℃超、又は120℃超の温度に加熱され得る。
【0062】
理論に拘束されることを望まないが、不織布の含水量は、変形品質に影響を及ぼし得る。セルロース系繊維を含む不織布では、乾燥状態のセルロース系繊維は、水素結合を介して接続される。不織布が十分な水分を吸収するとき、繊維を接続させる水素結合が解放され、繊維はより可撓性となって移動し、その結果、不織布がより変形しやすくなる。不織布内に形成された変形が維持されながら、機械的に孔を有する不織布中の水分の低減を促進すると、繊維間に新しい水素結合の形成をもたらし、変形を安定させることができる。
【0063】
図11を参照すると、有孔不織布30は、任意選択的に、有孔不織布30を更に乾燥させるために乾燥ユニット400に供される。有孔不織布30は、微生物の成長に起因する問題を防止するために、約10重量%未満、約5重量%未満、又は約3重量%未満の含水量又は他の溶液含有量を有するように更に乾燥され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、本発明の不織布は、(a)不織布を得るために繊維ウェブを交絡プロセスに供することと、(b)不織布が、不織布の少なくとも12重量%の含水量を有する少なくとも1つのエリアを含むように不織布の含水量を調整することと、(c)不織布を機械的変形プロセスに供して、有孔不織布を生成することと、を含むプロセスによって生成され得る。交絡プロセスは、水流交絡プロセス又は針パンチプロセスである。(b)及び(c)工程は、同時に実行され得る。
【0065】
図11は、本発明による不織布を生成するための別の例示的なプロセスの簡略化された概略図を図示する。
図11を参照すると、繊維ウェブ10は、繊維交絡のための交絡ユニット100に供給されて、不織布ウェブ20を生成する。不織布20は、不織布20の含水量が調整される含水量調整ユニット200に供給され、その結果、不織布20は、エリア内の不織布の少なくとも約12重量%の含水量を有する少なくとも1つのエリアを含むようになる。不織布20は、不織布を機械的に変形させ、不織布を脱水するために変形ユニット300に供される。なお
図11を参照すると、有孔不織布30は、乾燥ユニット400に供されて、有孔不織布30を不織布の10重量%未満の含水量を有するように乾燥させることができる。
【0066】
交絡ユニット100内の繊維交絡は、針パンチ法、水流交絡法、水蒸気流(蒸気噴射)交絡法などの繊維交絡に関して既知の任意の方法によって実行することができる。いくつかの実施形態では、繊維交絡は、水流交絡法を使用して実行される。
【0067】
上記の
図9のプロセスに関する変形プロセス及び乾燥プロセスに関する説明は、
図11のプロセスに適用される。
【0068】
図12は、水流交絡の不織布製造プロセスの一例の簡略化された概略図を図示する。当該技術分野において一般に既知であるように、水流交絡(ときに、スパンレーシング、ジェット交絡、ウォーター交絡、水流交絡、又は液圧式ニードリングとも呼ばれる)は、高圧ウォータージェット手段によって不織布ウェブの繊維を交絡加工する、機械的な接着プロセスである。パターン化ドラム又はベルトを使用して、繊維にドラムデザインの反転像を形成させて、パターン化を達成することができる。形成された様々な繊維構成要素のウェブ(通常、エアレイド、ウェットレイド又はカード処理による、ただし、ときにはスパンボンド又はメルトブローン加工等による)をまず圧密して予め湿潤させてからエアポケットを取り除き、その後で、ウォーターニードル加工することができる。
図12を参照すると、ジェットヘッド32の上流の繊維ウェブ10は、ジェットヘッド32の下を通過し、水流交絡を通過する。交絡プロセス中、繊維ウェブ10は、概して、ウォーターカーテンを形成するように位置決めされる複数のインジェクタを含むジェットヘッド32を通過する(
図12では、図解を簡素化するため、1つのインジェクタ34のみが示される)。ウォータージェット36は、150又は400バールなどの高圧で繊維ウェブ10を通して方向付けられる。理解されるように、示されてはいないが、典型的には、インジェクタ34の複数の列が使用され、これらを繊維ウェブ10の片側又は両側上に位置決めすることができる。
【0069】
水流交絡不織布20は、例えば、(示されているような)可動ワイヤスクリーン、又は回転式多孔質ドラム上など、任意の好適な支持システム39によって支持され得る。示されてはいないが、理解されるように、水流交絡システムは、各ジェットヘッドがウォータージェットを異なる圧力で送達する状態で、繊維ウェブ10を機械方向に沿った一連のジェットヘッド32に曝露させることができる。利用される特定の数のジェットヘッド32を、例えば、所望の坪量、要求される接着度、ウェブの特質等に基づいて利用することができる。ウォータージェット36がウェブを貫通すると、繊維ウェブ10の下部近くに位置決めされた吸い込みスロット38が水を集め、その結果、後続の噴射のために、水が濾過されてジェットヘッド32に戻され得る。ジェットヘッド32によって送達されたウォータージェット36は、その運動エネルギーの大部分を主に、繊維を旋回させ撚り合わせて一連の互いに噛み合うノットを形成するように、繊維ウェブ10内の繊維を再編成することに使い果たす。
【0070】
繊維ウェブ10が水流交絡されると、不織布20は、次いで、過剰な水が除去される、脱水デバイス42を通過する。脱水デバイス42は、例えば、多重セグメント多重レベルベッド乾燥機、真空システム、及び/又はエアドラム乾燥機などの乾燥システムを含む任意の好適な脱水システムであり得る。脱水デバイス42は、不織布20を脱水して乾燥させる働きをし、その結果、不織布20は(約20重量%~約70重量%の範囲内の)含水量を有するようになる。乾燥後の有孔不織布30は、特に不織布が合成繊維を含むとき、追加の熱で更に処理され得る。合成繊維が軟化しはじめ、これらの軟化した繊維どうしが相互に触れ合うと、繊維間に接着部が形成され、それにより、これらの接着部位の形成に起因して、構造体の全体的な曲げ剛性を増加させる。
【0071】
吸収性物品
本発明はまた、本発明による不織布又は積層体を含む層を含む吸収性物品を提供する。
【0072】
本発明の吸収性物品は、トップシート及びトップシートに接合されたバックシートを含み得る。本発明の吸収性物品は、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアを更に含み得る。いくつかの実施形態では、本発明の吸収性物品は、本発明による不織布又は積層体を含むトップシート又はトップシートの下方に配設された層を含む。
【0073】
本発明の吸収性物品は、任意の好適な手段によって、工業的に生成され得る。それゆえ、異なる層が、エンボス加工、熱接着、糊付け、又はこれらの任意の組み合わせなどの標準的な手段を使用して組み立てられ得る。
【0074】
トップシート
トップシートは、体液を捕捉し、及び/又は吸収性物品内部の流体の浸透を可能にすることができる。本発明による不織布に関して、第1のウェブ層は、好ましくは、皮膚と接触する側面上に配設される。
【0075】
バックシート
一般に吸収性物品用に使用される任意の従来型液体不透過性バックシート材料は、バックシートとして使用され得る。いくつかの実施形態において、バックシートは、吸収された身体排泄物によって発生する悪臭ガスに対して不透過性とすることができ、その結果、悪臭が漏れないようになる。バックシートは、通気性があってもなくてもよい。
【0076】
吸収性コア
吸収性物品が、トップシートとバックシートとの間に配設される吸収性コアを更に含むことが望ましい場合がある。本明細書で使用される場合、「吸収性コア」という用語は、尿、血液、月経分泌物、及び他の身体排出物などの流体を吸収、分配、及び収容するのに好適な材料又は材料の組み合わせを指す。吸収性物品に好適な吸収性コア用の任意の従来の材料を、吸収性コアとして用いてよい。
【0077】
測定
1.含水量測定
含水量は、不織布の含水量を決定するためのオーブン乾燥法を特定するISO法ISO287:2017を使用して測定される。
【0078】
2.顕微鏡画像
試験片の顕微鏡画像は、VR-3200(KEYENCE、Japan)又は同等物などの光学顕微鏡を使用して撮影される。適切な倍率及び作動距離は、孔が測定のために好適に拡大されるように選択される。画像は、孔サイズを測定するために、ImageJソフトウェア(バージョン1.52e以上、米国国立衛生研究所)を使用して分析される。
【0079】
3.孔品質試験
(1)試料の調製
トップシートがその原材料形態で入手可能であるとき、50mm×50mmのサイズを有する試験片を原材料から切断する。不織布が最終製品の構成要素であるとき、不織布は、最終製品の他の構成要素から不織布を切除するために、かみそり刃を使用して最終製品から除去されて、50mm×50mmのサイズを有する不織布試験片を提供する。必要な場合、低温スプレー(Cyto-Freeze、Control Company、Houston TXなど)を使用して、不織布試験片を最終製品の他の構成要素から除去し得る。
【0080】
(2)画像の生成
不織布に関する孔サイズ、孔アスペクト比、孔率、及び孔鮮明度測定などの孔品質は、試験片を均一な表面照明条件下で暗い背景に対して平坦に設置し、Keyence 3D Measurement System VR-3200又は同等物などの光学顕微鏡を使用してデジタル画像を取得することによって生成される画像上で実施される。分析は、ImageJソフトウェア(バージョン1.52p以上、米国国立衛生研究所)及び同等物などの画像分析プログラムを使用して実施される。画像は、画像解像度、すなわち、1mm当たり67.8画素を得るために、定規の画像で距離較正される必要がある。オートフォーカス工程の実施後、顕微鏡は、i)1つの個別の有孔パターン全体、又はii)少なくとも20の孔を収容する少なくとも35mm×20mmの面積、のいずれか利用可能なほうを収容する領域である、孔領域を含む、長方形の視野を有する試験片画像を取得する。
【0081】
(3)画像分析-バイナリ画像
ImageJ内の試験片画像を開く。画像タイプを8ビットに変換する。次いで、8ビットグレースケール画像が、「最小値」閾値化方法:階調(gray level、GL)値のヒストグラム(0~255の範囲であり、1つのビンが階調iごとの傾向Piを含む)がちょうど2つの極大値を有する場合、閾値階調値tは、Pt-1>Pt及びPt≦Pt+1である値として定義される、を使用して、(孔領域に対応する「黒」の前景画像を有する)バイナリ画像に変換される。ヒストグラムが2つよりも多い極大値を有する場合、ヒストグラムは、サイズ3の窓付き算術平均を使用して反復的に平滑化され、この平滑化は、ちょうど2つの極大値が存在するまで反復的に実施される。閾値階調値tは、Pt-1>Pt及びPt≦Pt+1である値として定義される。この手順は、開口部の暗い画素ピークと試験片材料のより明るい画素ピークとの間に位置付けられる最小母集団のための階調(GL)値を識別する。ヒストグラムがゼロ又は1つの極大値のいずれかを含有する場合、方法は、更に続行することができず、出力パラメータは、定義されない。
【0082】
(4)孔サイズ、アスペクト比、孔率、及び開口率
画像解像度によってスケールを設定する。画素が周囲よりも暗い場合、画素を半径5画素の周囲面積の中央値と置き換える、中央値フィルタを除去する外れ値を使用して、上記の(3)画像分析で得られたバイナリ画像内の小さい開放部を除去することによって、フィルタリングされた画像を作成する。画素が周囲より明るい場合、画素を半径5画素の周囲面積の中央値を有する画素と置き換える、中央値フィルタを除去する外れ値を使用して、バイナリ画像内の浮遊繊維を除去することによって、第1のものに基づいて第2のフィルタリングされた画像を作成する。孔面積及び形状記述子(すなわち、同じ面積、配向、及び重心を元の選択として維持することによって、面積選択を最良適合楕円と置き換えた後、適合された楕円の主軸の長さと短軸の長さとの間の比である、アスペクト比)の分析を含むように測定値を設定する。外縁によって開口部を追跡し、0.10mm2を下回るサイズを有する開口部及び取得された画像の縁部における不完全な開口部を除外した後、選択された開口部(「高品質孔」)の面積及びアスペクト比値を得る。
【0083】
(4-1)孔サイズ
すべての高品質孔の面積値を分析して、孔サイズの平均及び標準偏差を0.01mm2単位で計算する。平均孔サイズは、孔サイズとして報告される。すべての高品質孔の面積値の相対標準偏差(RSD、平均で除算し、100を乗じた標準偏差として定義される)は、1%単位で計算される。
【0084】
(4-2)アスペクト比
すべての高品質孔に関するアスペクト比値を分析して、孔形状を記述する際にアスペクト比の平均及び標準偏差を、0.01単位で計算する。平均アスペクト比は、アスペクト比として報告される。すべての高品質孔に関するアスペクト比値の相対標準偏差(RSD、平均で除算し、100を乗じた標準偏差として定義される)は、1%単位で計算される。
【0085】
(4-3)孔率
孔率は、以下の式によって得られる。
孔率=(高品質孔の数/標的孔の数)×100
【0086】
本明細書の標的孔の数は、ピン孔加工装置内のピンの数など、機械設計によって判定され得る、形成することを意図した孔の総数を意味する。高品質孔の数を、標的孔の数で除算し、これに100を乗じて、孔率の結果を得る。合計5つの実質的に同様の複製試料を調製し、分析する。報告された値は、5つの複製試料の1%単位での算術平均である。
【0087】
(4-4)開口率
すべての高品質孔の面積値の合計を、1つの試験片画像に関する矩形視野の面積によって除算し、これに100を乗じて、開口率を計算する。同じビューサイズで合計5つの複製試料を調製し、分析する。報告された値は、5つの複製試料の0.01%単位での算術平均である。
【0088】
(4-5)最小孔距離
すべての高品質孔に関して、各孔の重心の記録された場所(すなわち、孔面積選択におけるすべての画素のx及びy座標の平均によって得られる孔の中心点)を使用して、各孔の重心間のユークリッド距離が、すべての他の孔重心に対して計算される。各高品質孔に関して、最短(最小)距離が、次いで識別され、最近傍距離として記録される。分析のために、1mmを上回る最近傍距離が選択される。
【0089】
視野内の選択された最近傍距離の算術平均は、最小孔距離として0.1mm単位で計算され記録される。記録された視野内の最近傍距離値の標準偏差(SD)及び相対標準偏差(RSD、平均によって除算し、100によって乗じた標準偏差として定義される)が、それぞれ0.1mm又は1%単位で最小孔距離のSD又はRSDとして計算され、記録される。
【0090】
(5)孔鮮明度
孔鮮明度は、閉塞率の測定値(すなわち、浮遊繊維によって閉塞された孔面積のパーセンテージ)によって判定される。画素が周囲より暗い場合、画素を、半径6画素の周囲面積の中央値と置き換える、中央値フィルタを除去する外れ値を使用する(3)画像分析-バイナリ画像において生成されたバイナリ画像内の小さい開口部を除去することによってフィルタリングされた画像を作成する。形態学的閉鎖フィルタを使用して孔から浮遊繊維を除去し、このことで、孔の残りの穴を充填する前に、浸食のとき、拡張(又は浸食)及びパッド縁部に関する、1つの隣接する前景(又は後景)画素の設定下での拡張動作、続いて浸食動作を実施する。フィルタリングされた画像から元のバイナリ画像を減算し、正の値のみを維持して、孔内の浮遊繊維を示し、浮遊繊維の総面積を測定する。次いで、浮遊繊維の総面積を、フィルタリングされた画像からの孔の総面積によって除算し、これに100を乗じて、0.01%単位で孔鮮明度として記録された閉塞率の結果を得る。
【実施例】
【0091】
実施例1:有孔不織布の調製
不織布1:湿潤しない35gsmスパンレース100%綿不織布(CHTC、China)が供給された。本明細書に開示される含水量測定によって測定された不織布の含水量は、不織布の8重量%であった。不織布は、不織布1を得るために複数の孔を形成するための装置を使用するピン孔加工プロセスで連続的に進行された。装置内のピンの温度は、105℃であり、機械における不織布の接触時間は、20秒であった。
図2は、測定下で顕微鏡画像によって撮影された不織布1の顕微鏡画像である。
不織布2:35gsmスパンレース100%綿不織布が供給され、不織布が20%の含水量を有するように湿潤された。不織布は、不織布1を生成するために使用されたものと同じ孔加工装置及びプロセスを使用するピン孔加工プロセスで連続的に進行された。
図3は、測定下で顕微鏡画像によって撮影された不織布2の顕微鏡画像である。
不織布3~5:不織布3~5は、それぞれ、32%、40%、及び53%の含水量を使用することを除いて、不織布2を生成するために使用されたものと同じ不織布、孔加工装置及びプロセスを使用して生成された。
図3は、測定下で顕微鏡画像によって撮影された不織布4の顕微鏡画像である。
不織布6:不織布6は、35gsm100%の綿及び55%の含水量の代わりに、35gsmの100%レーヨン(Beijing Dayuan製)を使用することを除いて、不織布2を生成するために使用されたものと同じ孔加工装置及びプロセスを使用して生成された。
図5は、本明細書の顕微鏡画像によって撮影された不織布6の顕微鏡画像である。
不織布7~9:不織布7~9は、以下の表1に記載の変形条件下で、不織布2を生成するために使用されたものと同じ不織布、孔加工装置及びプロセスを使用して生成された。
図6Aは、測定下で顕微鏡画像によって撮影された不織布7の顕微鏡画像であり、
図6Bは、同じ不織布の画像である。
図6Bは、異なるサイズを有する3つの有孔パターンを示し、中央サイズのパターンのうちの1つは、
図6Aのために選択された。
不織布10:不織布10は、不織布を16%の含水量を有するように湿潤させることにより、35gsmスパンレース100%綿不織布を使用し、及び表1に記載の変形条件下でピン孔加工を行うことで生成された。
図1は、測定下で顕微鏡画像によって撮影された不織布10の顕微鏡画像である。
不織布11:35gsm100%の面不織布が、不織布11を得るために、ウォータージェットパンチプロセスを使用して生成された。
図7は、測定下で顕微鏡画像によって撮影された不織布11の顕微鏡画像である。
不織布12及び13:2つの市販の100%綿不織布、不織布12(Jacob Holm Industrials)及び不織布13(Winner Medical Co.,Ltd.)を得た。両方とも、35gsmであり、メッシュ形状の孔パターンを有する。
図8及び
図9は、測定下で顕微鏡画像によってそれぞれ撮影された不織布12及び13の顕微鏡画像である。
【0092】
実施例2:不織布の特徴
実施例1で調製した不織布の高品質孔、孔サイズ、孔アスペクト比、孔率、孔、最小孔距離、及び孔鮮明度(閉塞)の数を、測定下で孔品質試験によって測定し、以下の表1に示す。
【0093】
画像視野サイズは、不織布1~9に関して31mm×26mm、不織布10に関して37mm×33mm、不織布11~13に関して36mm×20mmである。
【0094】
【0095】
【0096】
不織布1及び2、比較不織布は、孔品質試験によって測定されたとき、40%超のRSDを有する2つの隣接する孔間で最小孔距離を有する孔を有する。
【0097】
本発明の不織布3~10は、孔品質試験によって測定されたとき、40%以下のRSDを有する、2つの隣接する孔間で最小孔距離を有する孔を有する。孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.2mm2以下の孔サイズを有し、約60%以下の孔サイズのRSDを有する。孔は、孔品質試験によって測定されたとき、約2.5未満の孔アスペクト比、及び9%未満の閉塞を有する。高い孔形状の規則性及びサイズ規則性を伴い、本発明の不織布は、鮮明な孔パターンを提供する。
【0098】
不織布11、関連技術の不織布は、60%超のRSDを有する、孔サイズを有する孔を有する。装置は、孔品質試験によって測定されたとき、2.5超のアスペクト比及び9%より高い閉塞を有する。
【0099】
不織布12、関連技術の不織布は、孔品質試験によって測定されたとき、2.5超の孔アスペクト比、及び9%より高い閉塞を有する孔を有する。
【0100】
不織布13、関連技術の不織布は、孔品質試験によって測定されたとき、2.2mm2超の孔サイズを有する孔を有する。
【0101】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0102】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0103】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】