(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】エアロゾル及び液滴を閉じ込めるためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 46/00 20160101AFI20230516BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
A61B46/00
A61B1/00 650
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561652
(86)(22)【出願日】2021-04-12
(85)【翻訳文提出日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 US2021026768
(87)【国際公開番号】W WO2021207720
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522394498
【氏名又は名称】スー,エレン
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー,エレン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161GG11
4C161JJ11
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル/液滴が発生する処置を受けている人からの液滴及びエアロゾルを少なくとも部分的に閉じ込め、それによって、医療従事者のそのような健康障害への直接的な曝露を低減させるデバイス及び方法を包含する。デバイスは、エアロゾル、液滴、流体、及びガスに対して不透過性である平面カバー構造体を含む。平面カバー構造体は、医療従事者と患者の体腔又は体孔との間にバリアを提供する。中空チューブ状拡張部は、平面カバー構造体に開口部を形成しており、開口部は、患者の体腔又は体孔のほぼ上に位置決めされるように構成されている。開口部は、閉鎖機構を介して可逆的に閉鎖されるように構成されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔又は体孔に関わる医学的又は獣医学的処置中に発生した、細菌、及びCOVID-19に関連するSARS-CoV-2を含むウイルス粒子などの、潜在的に感染性の物質を含有するエアロゾル及び液滴への直接的な曝露を防止するための保護デバイスであって、前記保護デバイスが、
上面及び下面を有する平面カバー構造体であって、前記平面カバー構造体が、エアロゾル、液滴、流体、及びガスに対して不透過性であり、前記平面カバー構造体が、医療従事者と患者の前記体腔又は体孔との間にバリアを提供する、平面カバー構造体と、
前記平面カバー構造体の開口部を形成している中空チューブ状拡張部であって、前記中空チューブ状拡張部が、前記患者の前記体腔又は体孔のほぼ上に位置決めされるように構成されている、中空チューブ状拡張部と、を備えており、
前記開口部が、閉鎖機構を介して可逆的に閉鎖されるように構成されている、保護デバイス。
【請求項2】
前記平面カバー構造体が、変形可能で、柔軟で、かつ可撓性である、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項3】
前記平面カバー構造体及び前記中空チューブ状拡張部が、部分的に透明である、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項4】
前記平面カバー構造体が、前記患者を支持しているテーブル又はベッドに可逆的に固定される、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項5】
前記平面カバー構造体が、接着剤、弾性バンド、ファスナ、ストリング、又はコードを介して、前記患者の身体に可逆的に固定される、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項6】
前記中空チューブ状拡張部の前記開口部が、医療デバイスの通過を可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記医療デバイスが、内視鏡である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記閉鎖機構が、コード、弾性バンド、弁、ジッパー、ファスナ、ドローストリング、ダイヤフラム、弾性膜、スポンジ、又は発泡体である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
体腔又は体孔に関わる医学的又は獣医学的処置中に発生した、細菌、及びCOVID-19に関連するSARS-CoV-2を含むウイルス粒子などの、潜在的に感染性の物質を含有するエアロゾル及び液滴への直接的な曝露を防止するための保護デバイスであって、前記保護デバイスが、
上面及び下面を有する平面カバー構造体であって、前記平面カバー構造体が、エアロゾル、液滴、流体、及びガスに対して不透過性であり、前記平面カバー構造体が、医療従事者と患者の前記体腔又は体孔との間にバリアを提供する、平面カバー構造体と、
前記平面カバー構造体の開口部であって、開口部が、前記患者の前記体腔又は体孔のほぼ上に位置決めされるように構成されている、開口部と、を備えており、
前記開口部が、可逆的に閉鎖されるように構成されている、保護デバイス。
【請求項10】
前記開口部が、異なるサイズの開口部を有する弾性膜バリアである、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記開口部が、コード、弾性バンド、弁、ジッパー、ファスナ、ドローストリング、ダイヤフラム、弾性膜、発泡体、又はスポンジを介して可逆的に閉鎖可能である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
患者の体腔又は体孔に関わる医学的処置中のエアロゾル及び液滴への直接的な曝露を防止する方法であって、前記方法が、
(a)平面カバー構造体と、前記平面カバー構造体の開口部と、を備える、保護バリアデバイスを提供するステップであって、前記開口部が、可逆的に閉鎖されるように構成されている、提供するステップと、
(b)前記開口部が前記体腔又は体孔の近傍に位置決めされている状態で、前記平面カバー構造体を前記体腔又は体孔の近傍に可逆的に固定するステップと、
(c)前記開口部を通して、前記体腔又は体孔の開口部の中へ医療デバイスを配置するステップと、
(d)前記開口部を前記医療デバイスの周りで可逆的に閉鎖するステップと、
(e)前記保護バリアデバイスが適所にある状態で、前記エアロゾル及び液滴が発生する前記医学的処置を開始及び完了するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
前記開口部が、異なるサイズの開口部を有する弾性膜バリアである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記開口部が、前記平面カバー構造体の中空チューブ状拡張部である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記平面カバー構造体が、前記患者を支持しているテーブル又はベッドに可逆的に固定される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記平面カバー構造体が、接着剤、弾性バンド、ファスナ、ストリング、又はコードを介して、前記患者の身体に可逆的に固定される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記医療デバイスが、内視鏡である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記開口部が、コード、弾性バンド、弁、ジッパー、ファスナ、ドローストリング、ダイヤフラム、弾性膜、スポンジ、又は発泡体を介して、ステップ(d)で可逆的に閉鎖される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項19】
前記平面カバー構造体が、少なくとも部分的に透明である、請求項12に記載の保護デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2020年4月11日に出願の仮出願第63/100,986号、名称「Devices and Methods to Entrap Aerosols and Droplets」に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
本発明は、エアロゾル/液滴が発生する処置を受けている人からの液滴及びエアロゾルを少なくとも部分的に閉じ込め、それによって、医療従事者のそのような健康障害への直接的な曝露を低減させるデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
口腔/気道/肛門に関わるもの-喉頭鏡検査(気管挿管で実行される)、気管支鏡検査、EGD(食道胃十二指腸鏡検査)、結腸鏡検査、S字結腸鏡検査、肛門鏡検査、及び歯科処置、など-が挙げられるが、それらに限定されない、特定の医学的処置から発生した液滴及びエアロゾルは、細菌、細菌胞子、及びCOVID-19の世界的流行を生じさせているSARS-CoV-2を含むウイルス粒子などの感染性病原性材料を含むことが示されている。したがって、これらの液滴及びエアロゾルは、エアロゾルが発生する処置を行っている医療従事者に対する潜在的な健康障害とみなされる。
【0004】
処置を行っている医療従事者により良好な保護を提供するために、エアロゾルが発生する処置中にこれらの液滴及びエアロゾルを可能な限り閉じ込めることが有益である。今のところ、エアロゾルが発生する処置中に発生したエアロゾル及び液滴への直接的な曝露の相当な低減を可能にする、有効かつ単純な方法又はデバイスは存在していない。したがって、エアロゾル及び液滴を閉じ込めるためのデバイス及び方法が提供される。
【発明の概要】
【0005】
以下、本発明の基本的な理解を提供するために、本発明のいくつかの実施形態の簡略化された概要を提示する。この概要は、本発明の広範囲にわたる概観ではない。鍵となる/重要な本発明の要素を識別すること、又は本発明の範囲を定義することを意図していない。本発明の唯一の目的は、本発明のいくつかの実施形態を、今後提示されるより詳細な説明の序文として簡略化された形態で提示することである。
【0006】
本発明の1つの目的は、患者の口腔に関わる医学的処置から発生した液滴及びエアロゾルへの直接的な曝露を低減させることである。
【0007】
本発明の別の目的は、患者の気道に関わる医学的処置から発生した液滴及びエアロゾルへの直接的な曝露を低減させることである。
【0008】
本発明の別の目的は、人の体腔又は体孔に関わる処置から発生した液滴及びエアロゾルへの直接的な曝露を低減させることである。
【0009】
本発明の別の目的は、動物の体腔又は体孔部に関わる処置から発生した液滴及びエアロゾルへの直接的な曝露を低減させることである。
【0010】
本発明の更に別の目的は、製造が簡単かつ安価であり、使用し易く、かつ使用時に堅牢であるデバイスを提供することである。
【0011】
そうするために、本発明の一態様では、体腔又は体孔に関わる医学的又は獣医学的処置中に発生した、細菌、及びCOVID-19に関連するSARS-CoV-2を含むウイルス粒子などの、潜在的感染性物質を含有するエアロゾル及び液滴への直接的な曝露を防止するための保護デバイスが提供され、本保護デバイスは、上面及び下面を有している平面カバー構造体であって、平面カバー構造体は、エアロゾル、液滴、流体、及びガスに対して不透過性であり、平面カバー構造体は、医療従事者と患者の体腔又は体孔との間にバリアを提供する、平面カバー構造体と、平面カバー構造体の開口部を形成している中空チューブ状拡張部であって、中空チューブ状拡張部は、患者の体腔又は体孔のほぼ上に位置決めされるように構成されている、中空チューブ状拡張部と、を備えており、開口部は、閉鎖機構を介して可逆的に閉鎖されるように構成されている。
【0012】
一実施形態では、平面カバー構造体は、変形可能で、柔軟で、かつ可撓性である。一実施形態では、平面カバー構造体及び中空チューブ状拡張部は、部分的に透明である。別の実施形態では、平面カバー構造体は、患者を支持しているテーブル又はベッドに可逆的に固定される。一実施形態では、平面カバー構造体は、接着剤、弾性バンド、又は面ファスナなどのファスナを介して、患者の身体に可逆的に固定される。一実施形態では、中空チューブ状拡張部の開口部は、医療デバイスの通過を可能にする。別の実施形態では、医療デバイスは、内視鏡である。更に別の実施形態では、閉鎖機構は、コード、弾性バンド、弁、ジッパー、ファスナ、ドローストリング、ダイヤフラム、弾性膜、スポンジ、又は発泡体である。
【0013】
本発明の別の態様では、体腔又は体孔に関わる医学的又は獣医学的処置中に発生した、細菌、及びCOVID-19に関連するSARS-CoV-2を含むウイルス粒子などの、潜在的感染性物質を含有するエアロゾル及び液滴への直接的な曝露を防止するための保護デバイスが提供され、本保護デバイスは、上面及び下面を有している平面カバー構造体であって、平面カバー構造体は、エアロゾル、液滴、流体、及びガスに対して不透過性であり、平面カバー構造体は、医療従事者と患者の体腔又は体孔との間にバリアを提供する、平面カバー構造体と、平面カバー構造体の開口部であって、開口部は、患者の体腔又は体孔のほぼ上に位置決めされるように構成されており、開口部は、可逆的に閉鎖されるように構成されている、開口部と、を備えており、開口部は、異なるサイズの開口部を有する弾性膜バリアである。
【0014】
本発明の更に別の態様では、患者の体腔又は体孔に関わる医学的処置中のエアロゾル及び液滴への直接的な曝露を防止する方法が提供され、本方法は、(a)平面カバー構造体と、平面カバー構造体の開口部と、を備える、保護バリアデバイスを提供するステップであって、開口部が、可逆的に閉鎖されるように構成されている、提供するステップと、(b) 開口部が体腔又は体孔の近傍に位置決めされている状態で、平面カバー構造体を体腔又は体孔の近傍に可逆的に固定するステップと、(c)開口部を通して、体腔又は体孔の開口部の中へ医療デバイスを配置するステップと、(d)開口部を医療デバイスの周りで閉鎖するステップと、(e)保護バリアデバイスが適所にある状態で、エアロゾル及び液滴が発生する医学的処置を開始及び完了するステップと、を含む。
【0015】
前述したものは、後に続く詳細な説明がより良好に理解され得るように、及び当該技術分野への本発明の貢献をより完全に認識することができるように、本開示のより多くの関連する重要な特徴をかなり広範囲に概説したものである。以下では、本発明の特許請求の範囲の主題を形成する追加的な本発明の特徴を説明する。概念並びに開示される特定の方法及び構造は、本開示の同じ目的を実行するための他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者によって認識されるべきである。そのような等価の構造が、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の趣旨及び範囲から逸脱しないことが、当業者によって認識されるべきである。
【0016】
他の本発明の特徴及び利点は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読んだときに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】カバー又はカバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、及びカバー開口部(3)を含んでいる、本発明の一実施形態の上面図を例示する。
【
図1B】カバー本体(1)及びカバー開口部(3)を含んでいる、本発明のカバーの側面図を例示する。
【
図2A】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)、及びコードロック(6)を示す、本発明のカバー開口部の一変形形態の三次元ビューを例示する。
【
図2B】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)、及びコードロック(6)を示す、
図2Aに例示される同じ実施形態を例示する。
【
図2C】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、及びコード(5)を示す、
図2Aに例示される実施形態の断面図である。
【
図2D】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、及びコード(5)を示す、
図2Bに例示される実施形態の断面図である。
【
図2E1】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図2E2】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図2E3】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図3A】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、及び弾性バンド/コード(8)を示す、本発明のカバー開口部の一変形形態の三次元ビューを例示する。
【
図3B】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、及び弾性バンド/コード(8)を示す、
図3Aに例示される同じ実施形態を例示する。
【
図3C】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、及び弾性バンド/コード(8)を示す、
図3Aに例示される実施形態の断面図である。
【
図3D】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、弾性バンド/コード(8)を示す、
図3Bに例示される実施形態の断面図である。
【
図3E1】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図3E2】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図3E3】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図4A】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)を示す、本発明のカバー開口部の一変形形態の三次元ビューを例示する。
【
図4B1】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図4B2】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図4B3】内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
【
図5A】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、及びコード(5)を示す、本発明の一実施形態の断面図である。
【
図5B】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、及びコード(5)を示す、
図5Aに例示される実施形態の断面図である。
【
図6A】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、及び弾性バンド/コード(8)を示す、本発明の一実施形態の断面図である。
【
図6B】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、及び弾性バンド/コード(8)を示す、
図6Aに例示される実施形態の断面図である。
【
図7A】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)を示す、本発明の一実施形態の断面図である。
【
図7B】カバー本体(1)、カバー開口部(3)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)、及び内視鏡遠位端(7)を示す、
図7Aに例示される実施形態の断面図である。
【
図8】カバー又はカバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、カバー開口部(3)、及び追加的なカバー開口部(11)を示す、本発明の別の実施形態の上面図を例示する。
【
図9】カバー本体(12)、カバー開口部(3)、胴体(13)のためのカバー開口部、及び四肢のためのカバー開口部(14)を示す、本発明の別の実施形態の三次元ビューを例示する。
【
図10A】カバー又はカバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、及びカバー開口部(3)を示す、本発明の別の実施形態の上面図を例示する。
【
図10B】カバー又はカバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、及びカバー開口部(3)を示す、
図10Aに例示される本発明の同じ実施形態の三次元ビューを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、任意の当業者が本発明を作製して使用することを可能にするために提供され、本発明を実行する発明者によって想到される最良の形態を記載している。しかしながら、特にエアロゾル及び液滴を閉じ込めるためのデバイス及び方法を提供するための本発明の一般原理が本明細書に定義されているので、様々な修正は、当業者に容易に明らかな状態を維持するであろう。
【0019】
図1Aは、カバー又はカバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、及びカバー開口部(3)を含んでいる、本発明の一実施形態の上面図を例示する。カバー(1)は、2つの表面、すなわち、医学的処置を受けている患者と物理的に接触する下面と、医学的処置を行っている医療提供者の手と接触する上面と、を有する、平坦な平面構造体である。カバー(1)は、任意の物質組成/形状/設計/寸法であり得、また、透明又は不透明であり得る。特定の実施形態では、可撓性で薄い透明のカバーが好ましく、これは、医学的処置を行っている医療提供者に、カバーの下の身体のランドマークのより良好な可視化を提供する。本発明の特定の実施形態では、カバー(1)の縁部及び/又はカバー開口部(3)の少なくとも一部は、接着剤、コード/ストリング、面ファスナ(ベルクロ(登録商標)など)、弾性バンド/コード、及び/又は発泡体/スポンジ層と少なくとも部分的に結合される(本図では例示せず)。カバーの取り付け手段(2)は、任意の設計/物質組成/寸法/数であり得る。本図では、ベルクロ(登録商標)ストラップなどのストラップがカバーのコーナー部と関連付けられており、これらのストラップを使用して、カバーを、患者に、カバー本体(1)の別の部分に、及び/又はエアロゾルが発生する医学的処置を受けている患者を支持する病院のベッド/ガーニー/手術テーブルなどに、可逆的に固定することができる。本発明のカバーの特定の実施形態では、接着剤(外科用ドレープに通常使用されているものなど)は、患者と接触するカバー下面の一部として一体化されて、カバーの患者へのより良好な可逆的な取り付けを可能にする。本発明の特定の実施形態では、カバー取り付け手段(2)がなく、その場合は、(患者と接触するカバー下面の一部としての)接着剤の使用が存在する場合又は存在しない場合がある。カバー開口部又は中空チューブ状拡張部(3)は、任意の設計/寸法/物質組成/数であり得る。本発明の特定の実施形態では、それは、本図に示されているように、カバー(1)の中央に位置している。しかしながら、その場所は、本発明の他の実施形態では変動し得る(図示せず)。カバーは、好ましくは、エアロゾル、液滴、流体、及びガスに対して不透過性である。カバーは、好ましくは、変形可能で、柔軟で、かつ可撓性である。
【0020】
図1Bは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)を含んでいる、本発明のカバーの側面図を例示する。カバー開口部(3)は、医学的処置中に、本図では口腔とした標的患者の体腔の上に適切に位置決めされる。カバー(1)は、医学的処置を行っている医療従事者の、医学的処置中に患者の口腔から来るエアロゾル及び液滴への曝露を低減させるためのバリアとしての役割を果たす。
【0021】
図2Aは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)、及びコードロック(6)を示す、本発明のカバー開口部の一変形形態の三次元ビューを例示する。カバー本体(1)と関連付けられたカバースリーブ(4)は、カバー開口部(3)と連通しており、かつカバーの上面(患者と接触しない側/表面)から突出/延在している中空管腔を有している。カバースリーブ(4)の中空管腔及びカバー開口部(3)は、医学的内視鏡検査で使用される内視鏡などの医療デバイスの通過を可能にする。コード(5)は、カバースリーブ(4)の末端部(頂端部)(カバー本体から離れているカバースリーブの端部)と関連付けられている。一実施形態では、本図に示されるように、カバースリーブ(4)の末端部は、コード(5)によって円周方向に取り囲まれている。コード(5)によって作成された引き結びは、コードロック(6)をコード(5)の2つの末端部に向かって、又はそこから離れるように摺動させることによって、それぞれ可逆的に緩める又は締めることができる。本図では、コードロック(6)がコード(5)の末端部の近くにあり、かつカバー開口部(3)から離れているので、カバー開口部(3)が開いている。コードスリーブ(4)、コード(5)、及びコードロック(6)は、任意の寸法/設計/物質組成であり得る。特定の実施形態では、コードは、本質的に弾性である場合、又は弾性でない場合がある。
【0022】
図2Bは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)、及びコードロック(6)を示す、
図2Aに例示される同じ実施形態を例示する。本図では、コードロック(6)は、その末端部から離れるように摺動され、それによって、カバースリーブ(4)の末端部の近くでカバー開口部(3)を確実かつ可逆的に閉鎖する。
【0023】
図2Cは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)を示す、
図2Aに例示される実施形態の断面図である。本図面では、カバー開口部(3)が開いており、内視鏡などの医療デバイスの通過を可能にする。
【0024】
図2Dは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)を示す、
図2Bに例示される実施形態の断面図である。本図面では、カバー開口部(3)は、閉鎖されている。そのカバー開口部(3)が閉位置にある状態では、カバー(1)は、患者の体腔から生じるエアロゾル/液滴が医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する(又は少なくとも低減させる)シールドとしての役割を果たす。
【0025】
図2Eは、内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
図2E1は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)、及び内視鏡(7)の遠位部分(先端部)を示す、
図2A~Bに例示される実施形態の断面図である。本図面では、カバー開口部(3)が開いており、カバースリーブ(4)の管腔を通した、内視鏡などの医療デバイスの患者の標的体腔(図示せず)への自由な通過を可能にする。
図2E2は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)、及び内視鏡(7)の遠位部分(先端部)を示す、
図2A~Bに例示される実施形態の断面図である。本図面では、(コードロックをコードスリーブ開口部に向かって摺動させることによって)カバー開口部(3)が内視鏡の周りで閉鎖されており、それによって、(標的患者体腔から生じる)エアロゾル/液滴が、カバー開口部を通って進行して、医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する。
図2E3は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、コード(5)示す、
図2A~Bに例示される実施形態の断面図である。本図面では、患者体腔から内視鏡を取り外した後に(医学的処置の終了時に)カバー開口部(3)が閉鎖された状態に維持され、それによって、(標的患者体腔から生じる)エアロゾル/液滴が、カバー開口部を通って進行して、医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する。本図でのコード/コードロックによって例示された閉鎖機構に加えて、医療提供者はまた、カバースリーブ(4)を手動で圧縮する(絞る)こともでき-図中の小さい矢印を参照されたい-それによって、医学的処置の終了時のカバー開口部(3)の閉鎖を強化する。コードロックは、コードスリーブ(4)から離れるように手動で摺動させ、それによって、カバー開口部(3)を再度開くことを達成することができることに留意されたい。カバー開口部(3)への潤滑剤の適用は、内視鏡(図示せず)の通過を容易にすることができることに留意されたい。
【0026】
図3Aは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、弾性バンド/コード(8)を示す、本発明のカバー開口部の一変形形態の三次元ビューを例示する。カバー本体(1)と関連付けられたカバースリーブ(4)は、カバー開口部(3)と連通しており、かつカバーの上面(患者と接触しない側/表面)から突出/延在している中空管腔を有している。カバースリーブ(4)の中空管腔及びカバー開口部(3)は、医学的内視鏡検査で使用される内視鏡などの医療デバイスの通過を可能にする。弾性コード/バンド(8)は、カバースリーブ(4)の末端部(頂端部)(カバー本体から離れているカバースリーブの端部)と関連付けられている。一実施形態では、本図に示されるように、カバースリーブ(4)の末端部は、弾性コード(8)によって円周方向に取り囲まれている。コードスリーブ(4)、コード(8)は、任意の寸法/設計/物質組成であり得る。本図では、弾性コード/バンド(8)は、手動で広げられて開いており、開いたカバー開口部(3)を示している。
【0027】
図3Bは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、弾性バンド/コード(8)を示す、
図3Aに例示される同じ実施形態を例示する。本図では、弾性バンド/コードは、その固有/自然の状態において緩和され、それによって、カバースリーブ(4)の末端部の近くでカバー開口部(3)を確実かつ可逆的に閉鎖する。
【0028】
図3Cは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、弾性バンド/コード(8)を示す、
図3Aに例示される実施形態の断面図である。本図面では、(弾性コード/バンド(8)を手動で広げて開くことによって)カバー開口部(3)が開いており、内視鏡などの医療デバイスの通過を可能にする。
【0029】
図3Dは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、弾性バンド/コード(8)を示す、
図3Bに例示される実施形態の断面図である。本図面では、弾性コード/バンド(8)がその自然な緩和状態にあるので、カバー開口部(3)が閉鎖されている。そのカバー開口部(3)が閉位置にある状態では、カバー(1)は、患者の体腔から生じるエアロゾル/液滴が医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する(又は少なくとも低減させる)シールドとしての役割を果たす。
【0030】
図3Eは、内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
図3E1は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、弾性バンド/コード(8)、及び内視鏡(7)の遠位部分(先端部)を示す、
図3A~Bに例示される実施形態の断面図である。本図面では、カバー開口部(3)は、手動で広げられて開いており、カバースリーブ(4)の管腔を通した、内視鏡などの医療デバイスの患者の標的体腔(図示せず)への自由な通過を可能にする。
図3E2は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、弾性バンド/コード(8)、及び内視鏡(7)の遠位部分(先端部)を示す、
図3A~Bに例示される実施形態の断面図である。本図面では、(弾性コード/バンドがその自然な緩和状態に戻ることを可能にすることによって)カバー開口部(3)が内視鏡の周りで閉鎖されており、それによって、(標的患者体腔から生じる)エアロゾル/液滴が、カバー開口部を通って進行して、医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する。
図3E3は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、弾性バンド/コード(8)を示す、
図3A~Bに例示される実施形態の断面図である。本図面では、患者体腔から内視鏡を取り外した後に(医学的処置の終了時に)カバー開口部(3)が閉鎖された状態に維持され、それによって、(標的患者体腔から生じる)エアロゾル/液滴が、カバー開口部を通って進行して、医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する。本図での弾性コード/バンドによって例示された閉鎖機構に加えて、医療提供者はまた、カバースリーブ(4)を手動で圧縮する(絞る)こともでき-図中の小さい矢印を参照されたい-それによって、医学的処置の終了時のカバー開口部(3)の閉鎖を強化する。カバー開口部(3)への潤滑剤の適用は、内視鏡(図示せず)の通過を容易にすることができることに留意されたい。
【0031】
図4Aは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)を示す、本発明のカバー開口部の一変形形態の三次元ビューを例示する。カバー本体(1)と関連付けられたカバースリーブ(4)は、カバー開口部(3)と連通しており、かつカバーの上面(患者と接触しない側/表面)から突出/延在している中空管腔を有している。カバースリーブ(4)の中空管腔及びカバー開口部(3)は、医学的内視鏡検査で使用される内視鏡などの医療デバイスの通過を可能にする。その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)は、カバースリーブ(4)の末端部(頂端部)(カバー本体から離れているカバースリーブの端部)と関連付けられている。膜バリア(9)は、本図に示されるように、その自然な緩和状態において小さい開口部(10)を有している。膜バリア(9)は、好ましくは、弾性/伸縮性であり、それによって、内視鏡などの医療デバイスの通過に適応するように、その開口部(10)の直径を増加させる。コードスリーブ(4)、膜バリア(9)、及びその小さい開口部(10)は、任意の寸法/設計/物質組成であり得る。
【0032】
図4Bは、内視鏡処置中に本発明を使用する方法を例示する。
図4B1は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)を示す、
図4Aに例示される実施形態の断面図である。
図4B2は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)、及び内視鏡遠位端(7)を示す、
図4Aに例示される実施形態の断面図である。本図面では、内視鏡(7)は、カバー開口部(3)を通過して、弾性膜バリア(9)の小さい開口部(10)を介して、カバースリーブ(4)の管腔を通って、標的患者体腔(図示せず)の中へ入っている。その弾性膜(9)を有するカバー開口部(3)は、(弾性膜バリアの小さい開口部(10)が、より大きい直径に広げられて、内視鏡の外部に適合するように)内視鏡の周りで閉鎖され、それによって、(標的患者体腔から生じる)エアロゾル/液滴が、カバー開口部を通って進行して、医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止することに留意されたい。
図4B3は、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、カバースリーブ(4)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)を示す、
図4Aに例示される実施形態の断面図である。本図面では、患者体腔から内視鏡を取り外した後に(医学的処置の終了時に)カバー開口部(3)が閉鎖された状態に維持され、それによって、(標的患者体腔から生じる)エアロゾル/液滴が、カバー開口部を通って進行して、医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する。本図での弾性コード/バンドによって例示された閉鎖機構に加えて、医療提供者はまた、カバースリーブ(4)を手動で圧縮する(絞る)こともでき-図中の小さい矢印を参照されたい-それによって、医学的処置の終了時のカバー開口部(3)の閉鎖を強化する。カバー開口部(3)及び/又は小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)への潤滑剤の適用は、内視鏡(図示せず)の通過を容易にすることができることに留意されたい。
【0033】
図4Cは、
図4A~Bに例示される弾性膜バリア(9)が、少なくとも1つの開口部(10A)を有する可撓性発泡体/スポンジ(9A)の1つ以上の層の形態である、
図4A~Bに記載された実施形態に類似する本発明の別の実施形態を例示する。
図4C1は、内視鏡の通過を可能にする少なくとも1つの開口部(10A)を有する単層スポンジ/発泡体(9A)の三次元ビューを示す。
図4C2は、内視鏡の通過を可能にする、異なる配向の細長い開口部(10A)を有する2層のスポンジ/発泡体(9A)の組み合わせの三次元ビューを示す。この図では、スポンジの異なる配向のスリット開口部が重なることは、内視鏡の周りのスポンジのより良好な接合を可能にし、内視鏡通過中のスポンジと内視鏡との間の潜在的空間/ギャップを最小にする。スポンジ/発泡体は、任意の寸法/設計であり得、また、剛性構造体によって少なくとも部分的に支持され得るか、又はそれと関連付けられ得る。
図4C3は、スポンジ(9A)の外周を取り囲む剛性リング/フレームである、そのような剛性構造体(RS)の一例を例示する。そのような構造体(RS)は、デバイス展開中に内視鏡がスポンジの開口部をより容易に通過することを可能にする。
【0034】
図5Aは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、及びコード(5)を示す、本発明の一実施形態の断面図である。この実施形態では、カバースリーブ(
図2に例示される実施形態に示されるものなど)が存在せず、コード(5)は、カバー表面(1)と同一平面上にある。本図面では、カバー開口部(3)が開いており、内視鏡などの医療デバイスの通過を可能にする。コード(5)は、カバー開口部(3)と円周方向に関連付けられている。コード(5)によって作成された引き結びは、コードロック(
図2に示され、本図には示さず)をコード(5)の2つの末端部に向かって、又はそこから離れるように摺動させることによって、それぞれ可逆的に緩める又は締めることができる。本図では、コードロック(図示せず)がコード(5)の末端部の近くにあり、かつカバー開口部(3)から離れているので、カバー開口部(3)が開いている。コード(5)及びコードロック(図示せず)は、任意の寸法/設計/物質組成であり得る。特定の実施形態では、コードは、本質的に弾性である場合、又は弾性でない場合がある。
【0035】
図5Bは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、及びコード(5)を示す、
図5Aに例示される実施形態の断面図である。本図面では、コードロック(図示せず)がカバー開口部(3)に向かって移動されて、引き結び開口部を閉鎖しているので、カバー開口部(3)が閉鎖されている。そのカバー開口部(3)が閉位置にある状態(医療デバイスがその開口部を通過している又はしていない状態)では、カバー(1)は、患者の体腔から生じるエアロゾル/液滴が医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する(又は少なくとも低減させる)シールドとしての役割を果たす。
【0036】
図6Aは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、弾性バンド/コード(8)を示す、本発明の一実施形態の断面図である。この実施形態では、カバースリーブ(
図3に例示される実施形態に示されるものなど)が存在せず、弾性バンド/コード(8)は、カバー表面(1)と同一平面上にある。本図面では、(弾性コード/バンド(8)を手動で広げて開くことによって)カバー開口部(3)が開いており、内視鏡などの医療デバイスの通過を可能にする。本図に示されるように、カバー開口部(3)は、弾性コード(8)によって円周方向に取り囲まれている。コード(8)は、任意の寸法/設計/物質組成であり得る。本図において、弾性コード/バンド(8)は、手動で広げられて開いており、開いたカバー開口部(3)を示している。
【0037】
図6Bは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、弾性バンド/コード(8)を示す、
図6Aに例示される実施形態の断面図である。本図面では、弾性コード/バンド(8)がその自然な緩和状態にあるので、カバー開口部(3)が閉鎖されている。そのカバー開口部(3)が閉位置にある状態(医療デバイスがその開口部を通過している又はしていない状態)では、カバー(1)は、患者の体腔から生じるエアロゾル/液滴が医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止する(又は少なくとも低減させる)シールドとしての役割を果たす。
【0038】
図7Aは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)を示す、本発明の一実施形態の断面図である。この実施形態では、カバースリーブ(
図4に例示される実施形態に示されるものなど)が存在せず、弾性膜バリア(9)は、カバー表面(1)と結合されている。その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)は、カバー開口部(3)と関連付けられている。膜バリア(9)は、本図に示されるように、その自然な緩和状態において小さい開口部(10)を有している。膜バリア(9)は、好ましくは、弾性/伸縮性であり、それによって、内視鏡などの医療デバイスの通過に適応するように、その開口部(10)の直径を増加させる。膜バリア(9)及びその小さい開口部(10)は、任意の寸法/設計/物質組成であり得る。本発明の特定の実施形態では、弾性膜バリア(9)は、内視鏡の通過を可能にする少なくとも1つの開口部を有する(好ましくは、伸縮性、可撓性の)スポンジ/発泡体の少なくとも1つの層を含んでいる。そのような発泡体/スポンジ設計の例は、先に
図4Cに記載しており、異なる配向の細長い開口部を有するスポンジの2つ以上の層の組み合わせを含んでいる。そのような発泡体/スポンジ設計/要素は、上部消化管鏡検査/食道胃十二指腸鏡検査(EGD)、及び気管支鏡検査中に一般的に使用される咬合阻止器(口及び内視鏡を保護するために使用される、マウスガード又はマウスピースとしても知られている)と結合(又は一体化)され得る。
【0039】
図7Bは、カバー本体(1)、カバー開口部(3)、その小さい開口部(10)を有する弾性膜バリア(9)、及び内視鏡遠位端(7)を示す、
図7Aに例示される実施形態の断面図である。本図面では、内視鏡(7)は、カバー開口部(3)を通過して、弾性膜バリア(9)の小さい開口部(10)を介して、標的患者体腔(図示せず)の中へ入っている。その弾性膜(9)を有するカバー開口部(3)は、(弾性膜バリアの小さい開口部(10)が、より大きい直径に広げられて、内視鏡の外部に適合するように)内視鏡の周りで閉鎖され、それによって、(標的患者体腔から生じる)エアロゾル/液滴が、カバー開口部を通って進行して、医学的処置を行っている医療提供者に到達することを防止することに留意されたい。本発明の特定の実施形態では、弾性膜バリア(9)は、内視鏡の通過を可能にする少なくとも1つの開口部を有する(好ましくは、伸縮性、可撓性の)スポンジ/発泡体の少なくとも1つの層を含んでいる。そのような発泡体/スポンジ設計の例は、先に
図4Cに記載しており、異なる配向の細長い開口部を有するスポンジの2つ以上の層の組み合わせを含んでいる。そのような発泡体/スポンジ設計/要素は、上部消化管鏡検査/食道胃十二指腸鏡検査(EGD)、及び気管支鏡検査中に一般的に使用される咬合阻止器(口及び内視鏡を保護するために使用される、マウスガード又はマウスピースとしても知られている)と結合(又は一体化)され得る。
【0040】
図8は、カバー又はカバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、カバー開口部(3)、及び追加的なカバー開口部(11)を示す、本発明の別の実施形態の上面図を例示する。カバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、及びカバー開口部(3)の詳細は、先の図(
図1~7)に記載している。追加的なカバー開口部(11)は、任意の数/寸法/設計/形状/場所/配向であり得、好ましくは、任意の機構を介して可逆的に閉鎖可能である。一例は、ジッパーでライニングされている直線状の開口部である-ジッパー機構を介した直線状の開口部の可逆的な開閉を可能にする。そのような追加的なカバー開口部(11)の可逆的な開閉の別の方法は、(カバーフラップを有する、又は有しない)ベルクロ(登録商標)機構又は磁石などの面ファスナの使用を含み得る。そのような追加的な開口部(11)は、気道の近傍で内視鏡検査中に、麻酔チーム/プロバイダによる気道への追加のアクセスを提供する。本発明の特定の実施形態では、そのような追加的なカバー開口部(11)は、総計で1つを超え得る。
【0041】
図9は、カバー本体(12)、カバー開口部(3)、胴体(13)のためのカバー開口部、及び四肢のためのカバー開口部(14)を示す、本発明の別の実施形態の三次元ビューを例示する。カバー開口部(3)の詳細は、先の図に記載している(
図1~7を参照されたい)。カバー本体(12)は、任意の物質組成/形状/設計/寸法/構成であり得、また、透明又は不透明であり得る。特定の実施形態では、可撓性で薄く透明のカバーが好ましく、これは、医学的処置を行っている医療提供者に、カバーの下の身体のランドマークのより良好な可視化を提供する。特定の実施形態では、カバー本体(12)は、患者の胴体/腰部/腹部に適合させるための上部開口部(13)と、患者の上肢/鼠径部に適合させるための下部開口部(14)と、を有し、-実際に、カバー本体(12)は、図に示されるように、ショーツ/下着/おむつの構成を有し得る。カバー本体(12)の上部及び下部開口部(13、14)は、(弾性バンド、止血バンド/ストリングなどの使用などの任意の機構/設計を介して)可逆的に閉鎖可能及び/又は伸縮性であり得-そのため、カバー本体(12)の内部空間が、カバー本体(12)の外側の環境と連通せず、それによって、内視鏡検査処置(結腸鏡検査及びS字結腸鏡検査などの下部GI内視鏡検査)中に、標的体孔(肛門/結腸)から生じるエアロゾル/液滴が、カバー本体(12)の外側にまき散らされることを防止する。
【0042】
図10Aは、カバー又はカバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、及びカバー開口部(3)を示す、本発明の別の実施形態の上面図を例示する。カバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、カバー開口部(3)の詳細は、先の図(
図1~7)に記載している。本実施形態の取り付け手段(2)は、好ましくは、カバー本体(1)の縁部と結合された細長い構造であり、また、接着剤、コード/ストリング、ベルト、面ファスナ(ベルクロ(登録商標)など)、弾性バンド/コード、及び/又は発泡体/スポンジの層を含み得る。特定の実施形態では、本図に示されるように、カバー本体(1)の2つの対向縁部は、取り付け手段(2)と関連付けられている。本発明のカバーの特定の実施形態では、接着剤(外科用ドレープに通常使用されているものなど)は、患者と接触するカバー下面の一部として一体化され得、カバーの患者へのより良好な可逆的な取り付けを可能にする。
【0043】
図10Bは、カバー又はカバー本体(1)、カバー取り付け手段(2)、及びカバー開口部(3)を示す、
図10Aに例示される本発明の同じ実施形態の三次元ビューを例示する。取り付け手段(2)は、カバー本体(1)を、医学的処置を受けている患者の周りに可逆的かつ確実に巻き付けることを可能にする。本図では、カバー本体(1)の頂縁部の取り付け手段(2)及びカバー本体(1)の底縁部の取り付け手段(2)は、カバー本体(1)によって形成される中空管腔の形成を可能にし、これは、医学的処置を受けている患者の胴体/四肢/又は任意の身体部分を収容する。カバー開口部(3)は、標的体孔の近傍に配置されている。本図に例示されるような、カバー本体(1)を、医学的処置を受けている患者の周りに可逆的に固定するそのような方法は、医学的処置中に標的体孔から生じるエアロゾル及び液滴の閉じ込めを向上させ得る。
【0044】
先に記載した本発明の実施形態のいずれかは、医療従事者の、医学的処置中に発生したエアロゾル及び液滴への曝露を更に最小にするために、任意の設計の追加的な吸引/排気デバイス(上部消化管/口腔処置のための歯の口腔吸引デバイス、又は病室内の吸引管系など)と結合され得ることに留意されたい。標的体孔/腔の近傍でのそのような吸引/排気デバイスの使用は、内視鏡処置中に発生したエアロゾル及び液滴のより良好な排出を可能にする。そのような吸引/排気デバイスと本発明のバリアカバー(
図1~7)との結合は、本発明の範囲内に含まれる。
【0045】
本発明は、構造的特徴に特有の言語でかなり詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明は、必ずしも記載されている特定の特徴に限定されるわけではないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴は、特許請求される発明を実施する例示的な好ましい形態として開示されている。他に記述がなければ、本明細書、並びに要約書で用いられている表現法及び用語法は、説明のためのものであり、限定するものであるとみなされるべきではないことを理解されたい。したがって、本発明の例示的な例示的実施形態が説明されているが、当業者には、多数の変形形態及び代替的な実施形態が生じるであろう。そのような変形形態及び代替の実施形態が想到され、それらは、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく作製することができる。
【0046】
本開示の全体を通して、左、右、前面、後面、頂部、底部、前進、後退、時計回り、反時計回り、上、下などの表記、又は上方、下方、後方、前方、垂直、水平、斜め、近位、遠位、平行、垂直、横方向、縦方向、などの他の同様の用語は、便宜上の目的でのみ使用されており、任意の特定の固定された方向又は配向を暗示することを意図しているものではないことに更に留意されたい。代わりに、それらは、物体の様々な部分の間の相対的な場所及び/又は方向/配向を反映するために使用される。
【0047】
加えて、「第1の」、「第2の」、「第3の」などへの参照は、本開示(及び特に、特許請求の範囲)の全体を通して、要素は、連続的又は数値的な限定を示すために使用されるものではなく、代わりに、群の様々な要素を区別又は識別するために使用される。
【国際調査報告】