(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】ワイヤレス電力伝送のための安全回路
(51)【国際特許分類】
H02J 50/12 20160101AFI20230517BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230517BHJP
H02H 7/10 20060101ALI20230517BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20230517BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J7/00 301D
H02J7/00 S
H02J7/00 P
H02H7/10
H02H7/18
H02M7/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533339
(86)(22)【出願日】2020-12-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 US2020067339
(87)【国際公開番号】W WO2021211177
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514287443
【氏名又は名称】インダクトイーブイ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルゲマス、ジョン ミラー
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
5H006
【Fターム(参考)】
5G053AA03
5G053BA04
5G053CA01
5G053DA02
5G053EA01
5G053EB05
5G053EC03
5G053FA05
5G503AA01
5G503BB01
5G503CC02
5G503FA06
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5G503GB08
5G503GD03
5G503GD06
5H006CA07
5H006CB01
5H006CB02
5H006CB07
5H006DC02
5H006DC05
5H006DC08
5H006FA00
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】
磁気誘導共振式充電回路は、誘導二次コイルを有する共振ネットワークであって、前記誘導二次コイルは誘導一次コイルから受け取った磁場を交流(AC)信号に変換するものである、前記共振ネットワークと、前記AC信号を整流して負荷に印加するための直流(DC)信号を生成する同期整流器とを含む。前記同期整流器は故障の場合にAC電流源の前記AC波形をシャントする様々な構成を含む。例えば、整流器コントローラは、過電圧、過電流故障状態、または過熱故障状態が検出されたときに、前記整流器の一対の常開スイッチをオフに保持し、前記整流器の一対の常閉スイッチをオンに保持して、前記AC電流源をシャントすることができる。前記共振ネットワークが不平衡の場合、電動車両のシャーシで生成される容量性電磁干渉を接地するための構成が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気誘導共振式充電回路であって、
誘導二次コイルを有する共振ネットワークであって、前記誘導二次コイルは誘導一次コイルから受け取った磁場を交流(AC)信号に変換するものである、前記共振ネットワークと、
前記AC信号を整流して、充電される負荷に印加するための直流(DC)信号を生成する同期整流器であって、この同期整流器は故障の場合に前記AC信号をシャントする手段を含むものである、前記同期整流器と
を有する充電回路。
【請求項2】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークはAC電流源である、充電回路。
【請求項3】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、さらに、前記二次コイルの各端に直列に接続された第1および第2の平衡コンデンサを有し、それにより、前記AC信号が前記第1および第2のコンデンサと直列共振するものである、充電回路。
【請求項4】
請求項3に記載の充電回路において、前記同期整流器は一対の常開スイッチと一対の常閉スイッチとを有するものであり、前記一対の常開スイッチの一方および前記一対の常閉スイッチの一方は前記第1の平衡コンデンサに接続されており、前記一対の常開スイッチの他方および前記一対の常閉スイッチの他方は前記第2の平衡コンデンサに接続されているものであり、前記シャントする手段は前記故障の場合に前記2次コイルをシャントする前記常閉スイッチを有するものである、充電回路。
【請求項5】
請求項4に記載の充電回路において、前記常開スイッチは前記故障の場合に前記負荷の短絡を阻止するように構成されている、充電回路。
【請求項6】
請求項4に記載の充電回路において、さらに、前記DC信号を調整して前記負荷に印加するための調整済みDC信号を出力する信号調整回路を有する、充電回路。
【請求項7】
請求項6に記載の充電回路において、さらに、前記共振回路から前記同期整流器への前記AC信号入力を監視する第1の電流および電圧センサーと、前記負荷に印加される前記調整済みDC信号を監視する第2の電流および電圧センサーとを有する、充電回路。
【請求項8】
請求項7に記載の充電回路において、さらに、前記第1の電流および電圧センサーならびに前記第2の電流および電圧センサーによって測定された値に応答して前記共振ネットワークにより出力されたAC信号を位相ロックし、前記測定された値に応じて前記一対の常開スイッチおよび前記一対の常閉スイッチのスイッチングを制御する制御信号を提供する整流器コントローラを有する、充電回路。
【請求項9】
請求項8に記載の充電回路において、さらに、前記同期整流器の過熱故障状態を検出し、検出信号を前記整流器コントローラに提供する温度センサーを有する、充電回路。
【請求項10】
請求項9に記載の充電回路において、さらに、入力AC信号振幅、入力AC信号周波数、調整済みDC波形電圧、調整済みDC波形電流、および前記同期整流器の温度のうちの少なくとも1つを前記整流器コントローラから受け取り、前記整流器コントローラの動作を命令する充電プロセッサを有する、充電回路。
【請求項11】
請求項10に記載の充電回路において、前記充電プロセッサは、前記AC信号周波数が許容範囲内で、前記AC信号の二乗平均平方根が閾値を上回り、且つ故障が検出されていない場合に、前記共振ネットワークからの前記AC信号のほぼゼロ交差で前記一対の常開スイッチおよび前記一対の常閉スイッチをオンオフするように前記整流器コントローラに指示するものである、充電回路。
【請求項12】
請求項10に記載の充電回路において、故障状態が検出されると、前記充電プロセッサは前記整流器コントローラを無効にして前記一対の常開スイッチをオフに保持し前記一対の常閉スイッチをオンに保持するものである、充電回路。
【請求項13】
請求項10に記載の充電回路において、前記第2の電流および電圧センサーによって過電圧、過電流故障状態が検出された場合、または前記温度センサーによって過熱故障状態が検出された場合、前記整流器コントローラは前記一対の常開スイッチをオフに保持し前記一対の常閉スイッチをオンに保持するものである、充電回路。
【請求項14】
請求項2に記載の充電回路において、前記同期整流器は、前記AC電流源の第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第1の対のダイオードと、前記AC電流源の前記第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第2の対のダイオードとを有するものであり、前記シャントする手段は、前記第2の対のダイオードの第1のダイオードと並列に接続された第1の常閉スイッチと、前記第2の対のダイオードの第2のダイオードと並列に接続された第2の常閉スイッチとを有するものであり、前記第1および第2の常閉スイッチは前記故障の場合に前記AC電流源をシャントするものである、充電回路。
【請求項15】
請求項2に記載の充電回路において、前記同期整流器は、前記AC電流源の第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第1の対のダイオードと、前記AC電流源の前記第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第2の対のダイオードとを有するものであり、前記シャントする手段は、前記第1の対のダイオードと前記第2の対のダイオードとの間に接続された常閉安全スイッチを有するものであり、前記常閉安全スイッチは前記故障の場合に前記AC電流源をシャントするものである、充電回路。
【請求項16】
請求項2に記載の充電回路において、前記同期整流器は、前記AC電流源の第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第1の対の常開スイッチと、前記AC電流源の前記第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第2の対の常開スイッチとを有するものであり、前記シャントする手段は前記第1の対の常開スイッチと前記第2の対の常開スイッチとの間に接続された常閉安全スイッチを有するものであり、前記常閉安全スイッチは前記故障の場合に前記AC電流源をシャントするものである、充電回路。
【請求項17】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと並列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと並列の第2の共振コンデンサとを有するものである、充電回路。
【請求項18】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと直列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと直列の第2の共振コンデンサとを有するものである、充電回路。
【請求項19】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと並列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと直列の第2の共振コンデンサとを有するものである、充電回路。
【請求項20】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと直列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと並列の第2の共振コンデンサとを有する、充電回路。
【請求項21】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと並列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルの第1の端部で当該二次コイルと直列の第2の共振コンデンサと、前記二次コイルの第2の端部で当該二次コイルと直列の第3の共振コンデンサとを有するものである、充電回路。
【請求項22】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルの第1の端部で当該一次コイルと直列の第1の共振コンデンサと、前記一次コイルの第2の端部で当該一次コイルと直列の第2の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと並列の第3の共振コンデンサとを有するものである、充電回路。
【請求項23】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルの第1の端部で当該一次コイルと直列の第1の共振コンデンサと、前記一次コイルの第2の端部で当該一次コイルと直列の第2の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルの第1の端部で当該二次コイルと直列の第3の共振コンデンサと、前記二次コイルの第2の端部で当該二次コイルと直列の第4の共振コンデンサとを有するものである、充電回路。
【請求項24】
請求項1に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは、さらに、方形コイル巻線を有する誘導一次コイルを有し、前記方形コイル巻線は絶縁基板の少なくとも1つの側に配置されている、充電回路。
【請求項25】
請求項24に記載の充電回路において、さらに、前記方形コイル巻線の第1の端部に直列に接続された共振コンデンサを有し、当該方形コイル巻線の第2の端部はグランドに接続されているものであり、前記方形コイル巻線はグランドに対して前記共振コンデンサの電圧の半分のコモンモード電圧を有し、これにより、前記方形コイル巻線が容量性電磁干渉ラジエータとなっているものである、充電回路。
【請求項26】
請求項24に記載の充電回路において、さらに、前記方形コイル巻線の第1の端部に直列に接続された第1の共振コンデンサと、前記方形コイル巻線の第2の端部に直列に接続された第2の共振コンデンサとを有するものであり、前記方形コイル巻線の前記第1の端部と前記第2の端部間の中点は実質的にグランドであり、それにより、前記方形コイル巻線が容量性電磁干渉を放射しないものである、充電回路。
【請求項27】
請求項1に記載の充電回路において、前記二次コイルは電動車両に取り付けられ、前記負荷は前記電動車両のバッテリーである、充電回路。
【請求項28】
請求項27に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは不平衡であり、それにより容量性電磁干渉(EMI)を放射するものであり、前記電動車両は、充電中に前記EMIを接地する導電性ビアを備えたタイヤを有するものである、充電回路。
【請求項29】
請求項27に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは不平衡であり、それにより容量性電磁干渉(EMI)を放射するものであり、前記電動車両は、前記充電中に前記EMIを接地する接地ケーブルを有するものである、充電回路。
【請求項30】
請求項27に記載の充電回路において、前記共振ネットワークは不平衡であり、それにより容量性電磁干渉(EMI)を放射するものであり、前記電動車両は、当該電動車両のバッテリーによって電力を供給される回路であって充電中に位相のずれた電圧をキャンセルする回路を有するものである、充電回路。
【請求項31】
電動車両のバッテリーを充電するための磁気誘導共振式充電回路であって、
電動車両において誘導二次コイルを有する共振ネットワークであって、前記誘導二次コイルは誘導一次コイルから受け取った磁場を交流(AC)信号に変換するものであり、この共振ネットワークは不平衡であり、それにより容量性電磁干渉(EMI)を放射するものである、前記共振ネットワークと、
前記AC信号を整流して前記電動車両の前記バッテリーに印加するための直流(DC)信号を生成する同期整流器と、
充電中に前記EMIを接地する手段と
を有する充電回路。
【請求項32】
請求項31に記載の充電回路において、充電中に前記EMIを接地する手段は前記電動車両のタイヤを有するものであり、前記タイヤは充電中に前記EMIを接地する導電性ビアを備えている、充電回路。
【請求項33】
請求項31に記載の充電回路において、充電中に前記EMIを接地する手段は充電中に前記EMIを接地するように前記電動車両に接続された接地ケーブルを有するものである、充電回路。
【請求項34】
請求項31に記載の充電回路において、充電中に前記EMIを接地する手段は、前記電動車両のバッテリーによって電力が供給される回路であって充電中に位相のずれた電圧をキャンセルする回路を有するものである、充電回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2020年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/010,771号および2020年11月19日に出願された米国特許出願第16/952,933号の利益を主張する。これらは、「ワイヤレス電力伝送のための安全回路」と題し、ウォルゲマス、ジョンにより出願されたものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は共振誘導による電気エネルギーの伝送に関する。より具体的には、本開示は、高出力ワイヤレス電力伝送システムの安全性を最大化するシステム設計、回路アーキテクチャ、および安全回路の実装の詳細に関する。
【背景技術】
【0003】
誘導電力伝送には多くの産業や市場にまたがる多くの重要な用途がある。バッテリーなどの蓄電器に充電することへの誘導電力伝送の利用は、携帯可能な低電力民生機器において一般的になりつつある。
【0004】
磁気共振を用いたコイル間での電力の伝送はよく知られている。ファラデーの誘導法則およびレンツの法則で説明されるように、一次(別称、送信機)コイルの交流電流は磁場を形成し、当該磁場がエアギャップを介して伝播して、対応する逆の電流を二次(別称 受信機)コイルに発生させる。バッテリーを充電するために、その誘導された交流(AC)は直流(DC)に変換される。整流器が、周期的に方向を反転させる交流(AC)を一方向にのみ流れる直流(DC)に変換する。
【0005】
AC周波数、所望のDC電圧、または所望の効率に応じて、受動整流器(passive rectifier)(ダイオードベース)または能動整流器(active rectifier)(MOSFETまたはスイッチベース)が使用され得る。整流器は通常、バッテリーの充電に必要な均一な定常電圧および/または電圧レベル(DC/DC)変換をもたらすための追加の回路を必要とする。
【0006】
より速い充電への要望が高まるにつれ、より高い電力での充電の必要性から、より高い電圧、より高い電流の使用がもたらされる。高電流源および高電圧源により安全上の危険性が高まるため、感電の可能性を減らす安全回路が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主題に係る実施形態に関する様々な詳細が添付の図面および以下の詳細な説明本文で提供される。
【0008】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、故障の場合に電力をシャントするメカニズムを提供することにより、ワイヤレス電力伝送中の感電に対する安全性を高める。例示の実施形態において、磁気誘導共振式充電回路が提供される。この磁気誘導共振式充電回路は、誘導二次コイルを有する共振ネットワークであって、前記誘導二次コイルは誘導一次コイルから受け取った磁場を交流(AC)信号に変換するものである、前記共振ネットワークと、前記AC信号を整流して、充電される負荷に印加するための直流(DC)信号を生成する同期整流器とを含む。前記同期整流器は、さらに、故障の場合に前記AC波形をシャントする手段を含む。例示的な構成において、前記二次コイルは電動車両に取り付けられ、前記負荷は前記電動車両のバッテリーである。
【0009】
例示的な実施形態において、前記共振ネットワークは前記二次コイルの各端部に直列に接続された第1および第2の平衡コンデンサを含み、それにより、前記AC信号が前記第1および第2のコンデンサと直列共振するものである。前記同期整流器は一対の常開スイッチと一対の常閉スイッチとを有するものであり、前記一対の常開スイッチの一方および前記一対の常閉スイッチの一方は前記第1の平衡コンデンサに接続されており、前記一対の常開スイッチの他方および前記一対の常閉スイッチの他方は前記第2の平衡コンデンサに接続されているものである。前記シャントする手段は前記故障の場合に前記2次コイルをシャントする前記常閉スイッチを有するものである。前記常開スイッチは前記故障の場合に前記負荷の短絡を阻止するように構成されている。前記DC信号を調整して前記負荷に印加するための調整済みDC信号を出力する信号調整回路が提供されてもよい。
【0010】
例示的な実施形態において、前記共振回路から前記同期整流器への前記AC信号入力を監視する第1の電流および電圧センサーが提供されてもよく、また、前記負荷に印加される前記調整済みDC波形を監視する第2の電流および電圧センサーが提供されてもよい。整流器コントローラが、前記第1の電流および電圧センサーならびに前記第2の電流および電圧センサーによって測定された値に応答して前記共振ネットワークにより出力された前記AC信号を位相ロックし、前記測定された値に応じて前記一対の常開スイッチおよび前記一対の常閉スイッチのスイッチングを制御する制御信号を提供してもよい。前記同期整流器の過熱故障状態を検出し、検出信号を前記整流器コントローラに提供する温度センサーが提供されてもよい。
【0011】
他の例示的な実施形態において、前記充電回路は、さらに、入力AC信号振幅、入力AC信号周波数、調整済みDC波形電圧、調整済みDC波形電流、および/または前記同期整流器の温度を前記整流器コントローラから受け取り、例えば検出された故障状態からの保護を提供するよう前記整流器コントローラの動作を命令する充電プロセッサを含む。前記充電プロセッサは、前記AC信号周波数が許容範囲内で、前記AC信号の二乗平均平方根が閾値を上回り、且つ故障が検出されていない場合に、前記共振ネットワークからの前記AC信号のほぼゼロ交差で前記一対の常開スイッチおよび前記一対の常閉スイッチをオンオフするように前記整流器コントローラに指示するものである。一方、故障状態が検出されると、前記充電プロセッサは前記整流器コントローラを無効にして前記一対の常開スイッチをオフに保持し前記一対の常閉スイッチをオンに保持するものである。例えば、前記第2の電流および電圧センサーによって過電圧、過電流故障状態が検出された場合、または前記温度センサーによって過熱故障状態が検出された場合、前記整流器コントローラは前記一対の常開スイッチをオフに保持し前記一対の常閉スイッチをオンに保持してもよい。
【0012】
更なる例示的な実施形態において、前記共振ネットワークは交流(AC)電流源を有してもよく、また、前記同期整流器は、前記AC電流源の第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第1の対のダイオードと、前記AC電流源の前記第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第2の対のダイオードとを有してもよい。前記シャントする手段は、前記第2の対のダイオードの第1のダイオードと並列に接続された第1の常閉スイッチと、前記第2の対のダイオードの第2のダイオードと並列に接続された第2の常閉スイッチとを有してもよい。前記第1および第2の常閉スイッチは前記故障の場合に前記AC電流源をシャントするものである。
【0013】
更なる例示的な実施形態において、前記共振ネットワークは交流(AC)電流源を有してもよく、また、前記同期整流器は、前記AC電流源の第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第1の対のダイオードと、前記AC電流源の前記第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第2の対のダイオードとを有してもよい。前記シャントする手段は、前記第1の対のダイオードと前記第2の対のダイオードとの間に接続された常閉安全スイッチを有してもよい。前記常閉安全スイッチは前記故障の場合に前記AC電流源をシャントするものである。
【0014】
更なる例示的な実施形態において、前記共振ネットワークは交流(AC)電流源を有してもよく、また、前記同期整流器は、前記AC電流源の第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第1の対の常開スイッチと、前記AC電流源の前記第1および第2のリード線にそれぞれ接続された第2の対の常開スイッチとを有してもい。前記シャントする手段は前記第1の対の常開スイッチと前記第2の対の常開スイッチとの間に接続された常閉安全スイッチを有してもよい。前記常閉安全スイッチは前記故障の場合に前記AC電流源をシャントするものである。
【0015】
例示的な実施形態において、前記共振ネットワークは平衡または不平衡とすることができる。様々な構成を用いることができる。
【0016】
前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと並列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと並列の第2の共振コンデンサとを有する平衡並列―並列共振ネットワーク(PPRN)であってもよい。
【0017】
前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと直列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと直列の第2の共振コンデンサとを有する不平衡直列―直列共振ネットワーク(SSRN)であってもよい。
【0018】
前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと並列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと直列の第2の共振コンデンサとを有する不平衡並列―直列共振ネットワーク(PSRN)であってもよい。
【0019】
前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと直列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと並列の第2の共振コンデンサとを有する不平衡直列ー並列共振ネットワーク(SPRN)であってもよい。
【0020】
前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルと並列の第1の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記誘導コイルの第1の端部で前記二次コイルと直列の第2の共振コンデンサと、前記二次コイルの第2の端部で当該二次コイルと直列の第3の共振コンデンサとを有する平衡PSRNであってもよい。
【0021】
前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルの第1の端部で当該一次コイルと直列の第1の共振コンデンサと、前記一次コイルの第2の端部で当該一次コイルと直列の第2の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルと並列の第3の共振コンデンサとを有する平衡SPRNであってもよい。
【0022】
前記共振ネットワークは、誘導一次コイルと、前記一次コイルの第1の端部で当該一次コイルと直列の第1の共振コンデンサと、前記一次コイルの第2の端部で当該一次コイルと直列の第2の共振コンデンサと、前記二次コイルと、前記二次コイルの第1の端部で当該二次コイルと直列の第3の共振コンデンサと、前記二次コイルの第2の端部で当該二次コイルと直列の第4の共振コンデンサとを有する平衡SSRNであってもよい。
【0023】
例示的な実施形態において、前記共振ネットワークは、さらに、方形コイル巻線を有する誘導一次コイルを有してもよく、前記方形コイル巻線は絶縁基板の少なくとも1つの側に配置されている。前記共振コンデンサは前記方形コイル巻線の第1の端部に直列に接続されていてもよく、前記方形コイル巻線の第2の端部はグランドに接続されていてもよい。結果として、前記方形コイル巻線はグランドに対して前記共振コンデンサの電圧の半分のコモンモード電圧を有し、これにより、前記方形コイル巻線が容量性電磁干渉ラジエータとなり得る。
【0024】
他の例示的な実施形態では、第1の共振コンデンサが前記方形コイル巻線の第1の端部に直列に接続されていてもよく、第2の共振コンデンサが前記方形コイル巻線の第2の端部に直列に接続されていてもよい。そのような構成では、前記方形コイル巻線の前記第1の端部と前記第2の端部間の中点が実質的にグランドとなり、それにより、前記方形コイル巻線が容量性の電磁干渉を放射しないものである。
【0025】
更なる例示的な実施形態において、前記共振ネットワークが不平衡である場合に放射される容量性電磁干渉(EMI)を軽減するための技術が提供される。第1の技術によれば、前記電動車両には充電中に前記EMIを接地する導電性ビアを有するタイヤが装備される。第2の技術によれば、前記電動車両は、充電中に前記EMIを接地する接地ケーブルを有するものである。第3の技術によれば、前記電動車両は、前記電動車両のバッテリーによって電力を供給される回路であって充電中に位相のずれた電圧をキャンセルする回路を有する。
【0026】
他の態様によれば、電動車両のバッテリーを充電するために、磁気誘導共振式充電回路であって、電動車両において誘導二次コイルを有する共振ネットワークであって、前記誘導二次コイルは誘導一次コイルから受け取った磁場を交流(AC)信号に変換するものであり、この共振ネットワークは不平衡であり、それにより容量性電磁干渉(EMI)を放射するものである、前記共振ネットワークと、前記AC信号を整流して、前記電動車両の前記バッテリーに印加するための直流(DC)信号を生成する同期整流器と、充電中に前記EMIを接地する手段とを含む充電回路が提供される。例示的な実施形態において、充電中に前記EMIを接地する手段は前記電動車両のタイヤを有してもよく、この場合、前記タイヤは、充電中に前記EMIを接地する導電性ビアを備えている。代替的に、充電中に前記EMIを接地する手段は充電中に前記EMIを接地するように前記電動車両に接続された接地ケーブルを有してもよい。他の実施形態では、充電中に前記EMIを接地する手段は、前記電動車両のバッテリーによって電力が供給される回路であって充電中に位相のずれた電圧をキャンセルする回路を有してもよい。
【0027】
この要約部分は、本発明の主題の態様を簡略化された形式で紹介するために提供され、詳細な説明の本文に続き本発明の主題の更なる説明である。この要約部分は、請求される主題の本質的または必要な特徴を特定することを意図するものではなく、この要約部分に列挙された要素の特定の組み合わせおよび順序は請求される主題の要素を限定することを意図するものではない。むしろ、下記部分は、以下の詳細な説明に記載の実施形態のいくつかの要約された例示を提供することが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の前述のおよび他の有益な特徴ならびに利点は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、安全性が強化された磁気共振誘導システムの高レベル回路の実施形態を概略的に示す。
【
図2】
図2は、無効負荷を有する電圧源の一般的な安全回路を概略的に示す。
【
図3】
図3は、無効負荷を有する電流源の一般的な安全回路を概略的に示す。
【
図4A】
図4Aは、複雑な負荷インピーダンスを有する交流電圧源のスイッチベースの同期整流を概略的に示す。
【
図4B】
図4Bは、複雑な負荷インピーダンスを有する交流電流源のスイッチベースの同期整流を概略的に示す。
【
図4C】
図4Cは、直流電圧負荷を有する交流電圧源のスイッチベースの同期整流を概略的に示す。
【
図4D】
図4Dは、直流電圧負荷を有する交流電流源のスイッチベースの同期整流を概略的に示す。
【
図5A】
図5Aは、インピーダンス負荷を有する交流電圧源の受動整流を概略的に示す。
【
図5B】
図5Bは、インピーダンス負荷を有する交流電流源の受動整流を概略的に示す。
【
図5C】
図5Cは、インピーダンス負荷を有する交流電流源の受動整流の代替的な実施形態を概略的に示す。
【
図6】
図6は、インピーダンス負荷を有する交流電流源のスイッチベースの同期整流の代替的な実施形態を概略的に示す。
【
図7B】
図7Bは、不平衡直列-直列共振誘導回路を概略的に示す。
【
図7C】
図7Cは、ハイブリッド並列―不平衡直列共振誘導回路を概略的に示す。
【
図7D】
図7Dは、ハイブリッド不平衡直列―並列共振誘導回路を概略的に示す。
【
図7E】
図7Eは、ハイブリッド並列―平衡直列共振誘導回路を概略的に示す。
【
図7F】
図7Fは、ハイブリッド平衡直列ー並列共振誘導回路を概略的に示す。
【
図7G】
図7Gは、平衡直列-直列共振誘導回路を概略的に示す。
【
図8】
図8は、磁気共振誘導電力システムで使用するコイルを幾何学的に示す。
【
図9】
図9は、共振誘導電力システムで使用するための平面コイルに相当する不平衡回路を概略的に示す。
【
図10】
図10は、共振誘導電力システムで使用する平面コイルに相当する平衡回路を概略的に示す。
【
図11】
図11は、不平衡共振ネットワークを備えた電動車両の共振誘導電力システムについてその寄生電界を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の例示的な実施形態が図に関して説明される。本明細書に記載の電流源安全回路およびそれに関連する方法は、本開示の一部を形成する添付の図面および例に関連して提供される以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解することができる。この説明は、本明細書に記載および/または示される特定の製品、方法、条件、またはパラメータに限定されるものではなく、本明細書で使用される用語は、単なる例示として特定の実施形態を説明することを目的としており、請求される主題を限定することは意図されないことが理解されよう。同様に、考えられるメカニズム若しくは作用機序または改良の理由に関する説明は例示のみを目的としており、本明細書に記載の主題は、そのような提案されたメカニズム若しくは作用機序または改良の理由の正誤によって限定されるべきではない。この文全体を通して、この説明はそのような方法を実施するための方法およびシステム/ソフトウェアの両方に言及していることが理解される。
【0030】
次に、例示的な実施形態の詳細な説明を
図1~
図11を参照して説明する。この説明は、可能な実施形態の詳細な例を提供するが、これらの詳細は例示を意図したものであり、本発明の主題の範囲を決して限定するものではないことに留意されたい。
【0031】
オープンエアトランスを使用するワイヤレス電力伝送システムでは、磁気/ワイヤレス充電に使用される共振ネットワーク(つまり、一次/送信機と二次/受信機)が、車両での整流のために交流電流源を形成する。電流源があると、電源の家庭用シナリオおよび産業用シナリオにおいて電圧源特有の規定がほとんど逆になる。これらのシナリオとの主な違いは、電圧源では短絡が悪いことである。その結果、電力変換トポロジーは短絡を回避するためにノーマリーオフのデバイスで構築される。しかしながら、電流源の場合はその逆になる。つまり、開回路は不良である。これは、典型的な整流技術が望ましくないことを意味する。ストレート受動(ダイオードベース等の)整流器は保護を提供しない。従来の同期整流器は保護を提供できるが、それはデバイスに電力を供給してデバイスをオンにする確実な手段がある場合に限られる。
【0032】
図1は、磁気誘導共振を用いた直流バッテリー充電回路の高レベルの概略図を概略的に示す。共振ネットワーク101(別称、受信機または二次)は、誘導二次コイル104と、平衡容量105および106とを有する。二次コイル104は、充電用送信機(図示せず)からの磁場を、電圧領域の平衡容量105および106と直列に共振する交流(AC)信号に変換する。
図7A~
図7Gに関して以下で説明するように、共振ネットワークの一次側は平衡または不平衡とすることができる。次に、共振ネットワーク101からの前記AC信号は整流段102で直流(DC)信号へと整流される。整流段102は、対をなす常開(normally open:NO)スイッチ107および108と、対をなす常閉(normally closed:NC)スイッチ109および110を用いた同期整流回路を有する。以下で説明するように、対をなすNCスイッチ109および110は、故障の場合に二次コイル104をシャントするように機能する。前記DC信号は調整回路111に渡される。調整回路111は、バッテリー112を充電するのに使用される調整済みDC信号を出力する。
【0033】
整流器コントローラ115は、整流器スイッチ107~110のタイミングを制御するための基準として(例えば、検出されたゼロ交差について)、第1の電流および電圧センサー113で共振ネットワーク電流を位相ロックする。整流器コントローラ115(公称、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または従来のマイクロコンピュータ)は、AC波形が十分な振幅を有しスイッチング周波数がその取得範囲内にあるかぎり、第1の電流および電圧センサー113を介して二次コイル104からの入力AC波形についてその振幅、周波数および瞬時位相の推定値を生成する。整流器コントローラ115はまた、第2の電流および電圧センサー114を介してバッテリー112に印加される出力DC電流波形の振幅を監視する。
【0034】
車両充電プロセッサ116(一般にマイクロプロセッサ上で実行されるソフトウェアとして実装される)は、インターフェース(例えば、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)バス)を介して、(ワイヤレス電力伝送(WPT)システム)内部サブシステムと外部車両システムの通信を処理し、整流器コントローラ115の動作を命令することができる。例えば、車両充電プロセッサ116によって照会されると、整流器コントローラ115は、入力AC信号の振幅、入力AC信号の周波数、DC出力の電圧および電流、ならびにスイッチングデバイスの温度を報告してもよい。報告された入力スイッチング周波数が許容される閉範囲内(例えば、79kHz~90kHz)であり、AC二乗平均平方根(RMS)が閾値(例えば、5アンペア)を超えており、且つ故障が検出されていない場合、車両充電プロセッサ116は、整流器コントローラ115に、入力AC波形の適切なゼロ交差で上対のNOスイッチ107および108ならびに下対のNCスイッチ109および110をオンオフして整流の効率を最大化するように指示することができる。公称状態は「起動」または「安全」であり、この場合、上対のNOスイッチ107および108は開いており、下対のNCスイッチ109および110は閉じている。二次コイル104が正の信号を生成しているとき、スイッチ107および109の第1のセットが開かれ、スイッチ108および110の第2のセットが閉じられる。二次コイル104からの信号が反転すると、スイッチ107および109の第1のセットが閉じられ、スイッチ108および110の第2のセットが開かれる。このシーケンスが繰り返されて、数学的には入力AC信号の絶対値である出力信号が生成される。
【0035】
車両充電プロセッサ116によって無効にされた場合、整流器コントローラ115は、上部NOスイッチ107および108の対をオフに、下部NCスイッチ109および110の対をオンに保持する。また、電流および電圧センサー114で過電圧、過電流故障状態が検出された場合、または温度センサー117で過熱故障状態が検出された場合、整流器コントローラ115は、上部NOスイッチ107および108の対をオフに保持し、下部NCスイッチ109および110の対をオンに保持して、二次コイル104からの電流をシャントする。
【0036】
整流器コントローラ115は電流および電圧センサー114によって整流段102からの出力DC電圧を監視する。整流器コントローラ115はまた、電流および電圧センサー114によって出力DC電流を測定し、当該出力DC電流を車両充電プロセッサ116に報告し、それにより、システムがバッテリー112に供給される総電力を計算できるようになっている。さらに、整流器コントローラ115は、整流器のスイッチングデバイス107~110の取付プレートの温度を測定する前記温度センサーまたは複数のセンサー(例えば、サーミスタまたはサーミスタのネットワーク)117を監視してもよい。この取付プレートの温度はスイッチングデバイス107~110のケース温度を表すが、これは、スイッチングデバイス107~110による電力損失に関連している。
【0037】
直列―直列共振送信機(図示せず)と組み合わせる場合、共振ネットワーク101はAC電流源である。共振ネットワーク101を開回路にする状態は危険な状態をもたらす。しかしながら、同期整流段102のNOスイッチ107および108ならびにNCスイッチ109および110の前記選択により、本質的に安全なシステムとなる。通常の状態では、偶発的または特定的に制御されて、二次コイル104をシャントするようNCスイッチ109および110を閉じることができ、したがって、共振ネットワーク101の前記AC電流源をシャントする手段が提供できる。NOスイッチ107および108は、出力ネットワーク103、特にバッテリー112の短絡を阻止する。
【0038】
故障の場合、バッテリー112は信号調整回路111から切断され、調整回路111に流れる電流は変化しないが調整回路111から流れ出る電流はゼロに減少する。これにより、調整回路111および整流段102を通じた電圧が、前記整流された電流および調整回路111のインピーダンスに比例した速度で増加することとなる。
【0039】
整流器コントローラ115は、電流および電圧センサー114を用いて電圧および/または電流を監視して、バッテリー112の切断を検出する。故障の場合、整流器コントローラ115は、NOスイッチ107および108を開き、NCスイッチ109および110を閉じることによって応答することができる。これは、共振ネットワーク101を調整回路111およびバッテリー112から切断するように作用する。整流段102から調整回路101およびバッテリー112への整流された電流の流れがNOスイッチ107および108によって遮断され、共振ネットワーク101からの電流の流れがNCスイッチ109および110へシャントされると、電力伝送は直ちに停止することとなる。
【0040】
コントローラを操作したり同期的に整流したりする制御力がない受動状態では、NOスイッチ107および108は出力ネットワーク103を開き、NCスイッチ109および110は共振ネットワーク101をシャントする。これは、スプリアスエネルギーが偶発的なものまたは故意によるもののいずれであっても、共振ネットワーク101によって拾われるスプリアスエネルギーから充電器、負荷およびサービス要員を保護する。
【0041】
図2は、無効負荷を有する電圧源の一般的な安全回路を概略的に示す。
図2では、電圧源201と負荷202が共通のグランド203を共有する、一般的な電圧源供給の保護ソリューションを示す。電圧源201は供給元の電流に対して不変の固定電圧を提供する。供給元の電流は、負荷202の負荷インピーダンスによって設定される。電流センサー205は供給元の電流を監視する。供給元の電流が許容限界を超える場合、電流センサー205は、常開スイッチ204を開状態にトリガーすることによって保護機能を提供する。常開スイッチ204はリセットされるまで開いたままである。常開スイッチ204の切断がトリガーされると、負荷202の両端の電圧および電流がゼロにされる。本明細書に示す常開(NO)スイッチ204および電流センサー205は、広く使用されている様々なリレー、回路遮断器、およびヒューズを備えた単なる1つの実装オプションである。
図2に示すように、事実上すべての電源および配電ネットワークは、電圧源で動作し、何らかの形式のブレーカーまたはヒューズを用いてある種の電流制限スキームを実施する。電圧源電力システムでは、開回路が良好であり、短絡はよくないことが理解されよう。
【0042】
図3に示す電流源供給の実施形態はあまり一般的でない。定電流電源では、より一般的な電圧源電源における安全保護の最善の措置が忠実に現れる必要がある。電流源電力システムでは、電圧源電力システムとは異なり、開回路は良くなく、シャント(意図的な短絡)が良好な実施形であることが理解されよう。したがって、本明細書で説明する安全回路の異なる実施形態は、電源が電流源電源システムであるか電圧源電源システムであるかに基づいて検討されるべきである。
【0043】
図3は、無効負荷を有する電流源の一般的な安全回路を概略的に示す。電流源301はその両端の電圧とは無関係に無効負荷302に電流を供給する。この例では、全ての回路パスが共通のグランド303を共有している。電流源301は電圧電流に対して不変の固定電流を提供する。
【0044】
電流のシャント、および供給元から負荷の分離(およびその逆)を提供するために、電位感受式断路器が無効負荷302と並列に配置される。
図3に示す常閉(NC)スイッチシャント304および電圧センサー305は、様々なスイッチ、リレー、回路ブレーカー、およびヒューズを伴う広く用いられているシャント手段の単なる1つの実装オプションである。NCスイッチシャント304が電圧センサー305によってトリガーされると、NCスイッチシャント304が開かれて、無効負荷302を流れる電圧および電流の流れがゼロへと動される。
【0045】
図4A~
図4Dは全て、ワイヤレス電力伝送に必要な安全整流回路と追加のサブシステムの代替的な実施形態を示す。
【0046】
図4Aは、複雑な負荷インピーダンスを備えた交流電圧源のスイッチベースの同期整流を概略的に示す。具体的には、
図4Aは、従来の交流(AC)電圧源と、直流(DC)電圧源を形成するための安全性が強化された同期整流回路を示す。AC電圧源401は、常開(NO)スイッチ402、403、404、および405のセットによって同期的に整流される。電力調整ネットワーク406は整流されたDC電圧をフィルタリングにより負荷407用のDC電圧源にする。故障の場合、NOスイッチは故障時として開き、負荷407をAC電圧源401から切断して保護する。
【0047】
図4Bは、例示的な実施形態における、複雑な負荷インピーダンスを有する交流電流源のスイッチベースの同期整流を概略的に示す。具体的には、
図4Bは、AC電流源と、DC電流源を形成するための安全性が強化された同期整流回路を示す。AC電流源410は、NOスイッチ403および404ならびに常閉(NC)スイッチ408および409のセットによって同期的に整流される。電力調整ネットワーク406は整流された電流をフィルタリングにより負荷407のためのDC電流源にする。AC電流源410は、故障の場合に電流をシャントする手段を提供するため、NCスイッチ408および409のセットを開く必要がある。故障状態では、閉じたスイッチ408および409が負荷407をAC電流源410から分離して電力の逆送りを防ぐ。
【0048】
図4Cは、直流電圧負荷を有する交流電圧源のスイッチベースの同期整流を概略的に示す。具体的には、
図4Cは、AC電圧源と、バッテリー充電用のDC電圧源を形成するための安全性が強化された同期整流回路を示す。AC電圧源401は、NOスイッチ402、403、404、および405のセットによって同期的に整流される。電力調整ネットワーク406は整流された電圧をフィルタリングにより電力変換段411のためのDC電圧源にする。電力変換段411は、DC電圧源を、バッテリー412を充電するのに必要な電圧に適合させる。
【0049】
図4Dは、例示的な実施形態における直流電圧負荷を有する交流源のスイッチベースの同期整流を概略的に示す。具体的には、
図4Dは、AC電流源と、バッテリー充電用のDC電圧源を形成するための安全性が強化された同期整流回路を示す。AC電流源410は、NOスイッチ402および403ならびにNCスイッチ408および409のセットによって同期的に整流される。電力調整ネットワーク406は整流された電流をフィルタリングによりバッテリー412のためのDC電流源にする。AC電流源410は、故障の場合に電流をシャントする手段を提供するためにNCスイッチ408および409のセットを必要とする。しかしながら、このシステムは電流源から電力を供給されるため、バッテリーの充電に
図4Cの電力変換段411は必要とされない。
【0050】
図5Aは、インピーダンス負荷を有する交流電圧源の受動整流を概略的に示す。具体的には、
図5Aは、AC電圧源501のための従来の受動型全波整流回路を概略的に示す。ダイオード502、503、504、および505は一方向ゲートとして機能し、AC信号の全波整流を生成する。電力調整段506は、負荷507に印加される整流器電圧出力を平滑化するのに役立ち、負荷507の充電を可能にする。
【0051】
全てのダイオード回路と同様に、順方向バイアス状態での逆回復時間および電圧降下は整流回路の効率に影響を与える。受動整流回路はコントローラ段を必要としない。しかしながら、故障の場合に、AC電圧源501は、電力調整段506を介して負荷507に接続されたままであり、負荷507を電圧源故障に(およびその逆に)さらす。
【0052】
図5Bは、例示的な実施形態におけるインピーダンス負荷を有する交流電流源の受動整流を概略的に示す。具体的には、
図5Bは、AC電流源508の整流のための安全性が強化された回路のハイブリッド型の実施形態を示す。フルブリッジ受動整流ダイオード502、503、510、および512は、常閉(NC)スイッチ509および511により補われる。ダイオード502、503、510、および512は、一方向ゲートとして機能し、全波整流を生成する。NCスイッチ509および511は、故障の場合にシャントする手段として機能し、AC電流源508およびダイオード502、503、510、および512間の過電圧損傷を防止する。電力調整段506は、負荷507に印加される整流器電圧出力を平滑化するのに役立ち、負荷507の充電を可能にする。
【0053】
全てのダイオードベースの整流回路と同様に、順方向バイアス状態での逆回復時間および電圧降下は整流回路の効率に影響を与える。この受動整流回路はコントローラ段を必要としないが、NCスイッチ509および511に命令するためのコントローラ(例えば、整流器コントローラ115)が必要である。
【0054】
図5Cは、例示的な実施形態におけるインピーダンス負荷を有する交流電流源の代替的な受動整流を概略的に示す。
図5Cは、AC電流源508のための安全性が強化された全波整流回路の代替的な準受動(semi-passive)の実施形態を示す。ダイオード502、503、510、および512は、一方向ゲートとして機能し、全波整流を生成する。電力調整段506は、負荷507に印加される整流器電圧出力を平滑化するのに役立ち、負荷507の充電を可能にする。この実施形態では、常閉(NC)シャントスイッチ513が回路内に配置されている。故障または命令オプションが発生した場合、シャントスイッチ513は、整流回路内の電流をシャントし、電力調整段506および負荷507への損傷を防止する。
【0055】
この実施形態は、より単純な制御を備えたより安価な実装である。しかしながら、効率は低くなる。さらに、それは、シャントスイッチ513の分離された制御境界を越えて高いdV/dtを生じる。全てのダイオードベースの整流回路と同様に、順方向バイアス状態での逆回復時間および電圧降下は整流回路の効率に影響を与える。
【0056】
図6は、例示的な実施形態におけるインピーダンス負荷を有する交流電流源の代替的なスイッチベースの同期整流を概略的に示す。具体的には、
図6は、AC電流源601の能動整流のための代替的な安全回路を示す。電力調整段606は、充電される負荷607に印加する整流器電圧出力を平滑化するのに役立つ。全波整流は、AC電流源601の正弦波出力のゼロ交差で交互に切り替えることによって達成される。常閉(NC)安全スイッチ608は、上部常開(NO)整流スイッチ602および604と下部常開(NO)整流スイッチ603および605との間に設置され、故障または命令オプションが発生した場合に、整流回路内の電流をシャントする手段を提供して、電力調整段606および負荷607への損傷を防止する。
【0057】
故障状態または整流制御不能の場合では、NO整流スイッチ602、603、604、および605は開状態になれず(または命令され)、一方、NC安全スイッチ608は閉状態となれない。したがって、負荷がNC安全スイッチ608によって分離されている間、電流はAC電流源601にシャントバックされる。この実施形態は、追加のスイッチ608を使うことで常閉(NC)スイッチの需要を減らす。
【0058】
共振誘導ワイヤレス充電では、4つの可能な2極ネットワークがある。並列―並列共振ネットワーク(PPRN)と直列―直列共振ネットワーク(SSRN)がある。ガルバニック絶縁により、並列―直列共振ネットワーク(PSRN)と直列―並列共振ネットワーク(SPRN)を形成することもできる。PPRN、PSRN、およびSPRNは全て、負荷インピーダンスがネットワークインピーダンスと比較して大きい場合はAC電圧制御電圧源(AC Voltage Controlled Voltage Sources:VCVS)として動作し、負荷インピーダンスがネットワークインピーダンスと比較して小さい場合はAC電圧制御電流源(AC Voltage Controlled Current Sources:VCCS)として動作する。一方、SSRNは全ての負荷インピーダンスに対してVCCSとして動作する。定電圧負荷、例えばバッテリーは、電力レベルが変化すると可変負荷インピーダンスとして振る舞う。バッテリーは、低電力では高インピーダンス負荷として振る舞い、高電力では低インピーダンスとして振る舞う。高電力では、4つの共振ネットワーク全てがVCCSとして動作することとなる。
【0059】
VCCSとして動作する場合、PPRNの相互コンダクタンス(G)は、アンペア/Voltの単位でk/(w*L)である。ここで、kは、0~1の範囲の1次および2次インダクタの磁気結合係数であり、単位はない。wはネットワークの共振周波数でラジアン/秒の単位、Lはヘンリーの1次および2次インダクタの幾何平均である。VCCSとして動作する場合、PSRN、SPRN、およびSSRNのGは1/(w*L*k)である。これは、固定Gでは、PPRNのインダクタがk2だけ小さく、PPRNのコンデンサがk-2だけ大きいことを意味する。コンデンサは遥かに高価な部品であるため、これは望ましくない。
【0060】
共振ネットワークは、P/kに比例する電力量Sを共振させる。ここで、Pはネットワークを通過する電力である。kの典型的な値(例えば、0.05~0.2)では、SはPの5~20倍高くなる。並列共振分岐において、共振電力は容量性要素および誘導要素を流れる電流と見なされる。直列共振分岐において、共振電力は容量性要素および誘導要素の両端の更なる電圧と見なされる。例えば、kが0.1の500V、125Aシステムでは、並列共振では前記インダクタおよびコンデンサにおいて125A/0.1または1,250Aが共振し、直列共振では前記インダクタおよびコンデンサにおいて500V/0.1または5,000Vが共振する。直列共振の場合は、より高い電圧で更なる絶縁を必要とする一方、より高い電流で更なる導体を必要とするので好ましく、より高い電圧によってより軽量でよりコンパクトな製品が可能となる。
【0061】
これらの考慮事項を念頭に置いて、PSRN、SPRN、およびSSRNは各々、平衡トポロジーと不平衡トポロジーの両方を有し得る。PPRNは平衡トポロジーのみを有する。これらのトポロジーのそれぞれを
図7A~
図7Gに示す。
【0062】
図7Aは、例示的な実施形態における平衡PPRN回路を概略的に示す。この共振ネットワークは、グランド誘導コイル701と、グランド並列共振コンデンサ703と、車両誘導コイル702と、車両並列共振コンデンサ704とを有する。
【0063】
図7Bは、例示的な実施形態における不平衡SSRN回路を概略的に示す。この共振ネットワークは、グランド誘導コイル701と、グランド直列共振コンデンサ705と、車両誘導コイル702と、車両直列共振コンデンサ706とを有する。
【0064】
図7Cは、例示的な実施形態における不平衡PSRN回路を概略的に示す。この共振ネットワークは、グランド誘導コイル701と、グランド並列共振コンデンサ707と、車両誘導コイル702と、車両直列共振コンデンサ708とを有する。
【0065】
図7Dは、例示的な実施形態における不平衡SPRN回路を概略的に示す。この共振ネットワークは、グランド誘導コイル701と、グランド直列共振コンデンサ709と、車両誘導コイル702と、車両並列共振コンデンサ710とを有する。
【0066】
図7Eは、例示的な実施形態における平衡PSRN回路を概略的に示す。この共振ネットワークは、グランド誘導コイル701と、グランド並列共振コンデンサ711と、車両誘導コイル702と、一対の車両直列共振コンデンサ712および713とを有する。
【0067】
図7Fは、例示的な実施形態における平衡SPRN回路を概略的に示す。この共振ネットワークは、グランド誘導コイル701と、一対のグランド直列共振コンデンサ714および715と、車両誘導コイル702と、車両並列共振コンデンサ716とを有する。
【0068】
図7Gは、例示的な実施形態における平衡SSRN回路を概略的に示す。この共振ネットワークは、グランド誘導コイル701と、一対のグランド直列共振コンデンサ717および718と、車両誘導コイル702と、一対の車両直列共振コンデンサ719および720とを有する。
【0069】
図8は、例示的な実施形態における磁気共振誘導電力システムにおいて一次コイルとして使用するための平面コイル801を幾何学的に示す。方形のコイルとして示しているが、他の形状(例えば、古典的な丸いコイルまたは矩形)も可能である。コイル巻線803は、絶縁基板805上に配置され、個別の導電性リボン(例えば、プリント回路基板)、絶縁されたワイヤストランド(例えば、リッツワイヤ)などを含んでもよい。ビア802および804は絶縁基板805の反対側にある他のコイルとの接続を可能にする。
【0070】
図9は、例示的な実施形態における直列共振ネットワーク901で使用する平面コイル801と同等の不平衡回路を概略的に示す。直列共振ネットワーク901は送信機である。ネットワークの端子906および907はインバータに接続されている。共振コンデンサ905は、直列共振ネットワーク901が共振するときに、その両端に高電圧高周波電圧を有する。これと同じ電圧がインダクタ903の両端に見られる。インダクタ903の第1の端子904は効率的にグランド電位に保持される。インダクタの第2の端子902は、グランドに対して共振コンデンサ905の全電圧にさらされる。すなわち、インダクタ903の電圧は、グランドに対して、共振コンデンサ905の両端の電圧の半分のコモンモード電圧を有し、これにより、インダクタ903は容量性電磁干渉(EMI)ラジエータとなる。この構成では、
図11に関して以下に示すように、EMI放射を軽減する技術が望ましい。
【0071】
図10は、例示的な実施形態における直列共振ネットワーク1001で使用する平面コイル801と同等の平衡回路を概略的に示す。直列共振ネットワーク1001も送信機である。前記ネットワークの端子1007および1008は、インバータに接続されている。コンデンサ1005および1006は、直列共振ネットワーク1001が共振するときに、それらの両端に高電圧高周波電圧を有する。それらの電圧の合計はインダクタ1003の両端に見られる。しかしながら、直列共振ネットワーク1001は平衡状態にあるので、端子1002と端子1004間のインダクタ1003の中点は実質的に接地されている。したがって、インダクタ1003の両端には差動電圧があるが、グランドへの高周波コモンモード電圧はない。インダクタ1003は、容量性のEMIを放射せず、EMIを処理するメカニズムを必要としない。
【0072】
図11は、例示的な実施形態におけるEMI放射につながる不平衡共振ネットワークを備えた電動車両1101の共振誘導電力システムについてその寄生電界を示す。電動車両1101は、シャーシ1106とグランド1108間にタイヤ1102を介してわずかなコンダクタンスを有する。シャーシ1106とグランド1108間の高周波でのアドミタンスは、シャーシ1106とグランド1108間の静電容量によって左右する。送信機1104または受信機1103によって生成されるコモンモード容量性EMIは、シャーシ1106とグランド1108間のギャップ1107に発生する電界1105が前記容量を励起しシャーシ1106に電圧をもたらすこととなるので、最小化しなければならない。少なくとも、この容量結合はEMIの問題を大きくする可能性があり、最悪の場合、ショックの危険をもたらす可能性がある。
【0073】
導電パスをグランドに追加することによりシャーシ電圧を下げることができ、これは充電中にEMIを接地する手段として機能する。タイヤの材料に低抵抗の導電性ビアを付加することで、タイヤの既導電材料(カーボンブラック)を強化してもよい。接地ケーブルまたはワイヤの「テール」の配置により充電中のシャーシ電圧を軽減することもできる。また、シャーシ電圧は、ワイヤレス充電システムまたは車両バッテリーシステムによって電力が供給される回路であって充電中に位相のずれた電圧をキャンセルする回路を追加することによっても軽減することができる。
【0074】
本明細書に記載の実施形態は、充電中の感電の可能性を最小限に抑えるために、故障の場合に直流波形をシャントする様々な手段を提供するものであることが当業者には理解されよう。この技術は、平衡または不平衡の共振ネットワークトポロジーに用いることができる。前記整流回路は、故障の場合に電力をシャントするように設計された構成のダイオードおよび/またはスイッチを含んでよく、これは、充電プロセス中の、特に電動車両の充電などの高電力伝送用途における安全性の向上につながる。
【0075】
本明細書で説明するように、本明細書に記載の方法の態様を実施するロジック、コマンド、または命令は、デスクトップまたはノートブック・パーソナル・コンピュータ、モバイルデバイス、例えばタブレット、ネットブック、およびスマートフォンなど、並びにクライアント端末およびサーバでホストされるマシンインスタンスなどのコンピューティングシステムの任意の数のフォームファクタを含むコンピューティングシステムで提供することができる。本明細書で説明する他の実施形態は、本明細書で説明する技術を、他の形態のプログラムされた論理、ハードウェア構成、またはそのような技術の機能を実行するそれぞれの手段を備えた装置を含む特有のコンポーネント若しくはモジュールを含む他の形態へ組み込むことを含む。そのような技術の機能を実行するのに使用される各アルゴリズムは、本明細書に記載の電気的動作のいくつかまたは全てのシーケンス、または添付の図面および以下の詳細な説明に示す他の態様を含み得る。また、本明細書に記載の方法を実施する命令を含むそのようなシステムおよびコンピュータ可読媒体も、例示的な実施形態を構成する。
【0076】
一実施形態において、本明細書に記載の監視機能および制御機能はソフトウェアで実施することができる。ソフトウェアは、1若しくはそれ以上の非一時的メモリまたは、ローカルの若しくはネットワーク化された他の種類のハードウェアベースの記憶装置などの、コンピュータ可読媒体若しくはコンピュータ可読記憶装置に記憶されたコンピュータ実行可能命令からなり得る。さらに、そのような機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせとなり得るモジュールに対応する。必要に応じて、1若しくはそれ以上のモジュールで複数の機能を実行してもよく、記載されている実施形態は単なる例に過ぎない。ソフトウェアは、デジタル・シグナル・プロセッサ、ASIC、マイクロプロセッサ、またはパーソナルコンピュータ、サーバ、若しくは他のコンピュータシステムなどのコンピュータシステム上で動作する他の種類のプロセッサ上で実行され得、そのようなコンピュータシステムを具体的にプログラムされた機械に変え得る。
【0077】
本明細書に記載されるような実施例は、プロセッサ、ロジック、またはいくつかのコンポーネント、モジュール、またはメカニズム(本明細書では「モジュール」)を含み得るか、またはそれらで動作し得る。モジュールは、特定の動作を実行可能な有形のエンティティ(例えば、ハードウェア)であり、特定の様式で構成または配置することができる。一例では、モジュールとして指定された様式で(例えば、内部に、または他の回路などの外部エンティティに対して)回路を配置することができる。一例では、1若しくはそれ以上のコンピュータシステムの全体または一部(例えば、スタンドアロン、クライアント若しくはサーバコンピュータシステム)あるいは1若しくはそれ以上のハードウェアプロセッサを、指定された動作を実行するように動作するモジュールとして、ファームウェアまたはソフトウェア(例えば、命令、アプリケーションの一部、またはアプリケーション)により構成してもよい。一例では、ソフトウェアは機械可読媒体にあってもよい。ソフトウェアは、モジュールの基盤となるハードウェアによって実行されると、ハードウェアに指定された動作を実行させる。
【0078】
したがって、「モジュール」という用語は、有形のハードウェアおよび/またはソフトウェアエンティティであって、特定された方法で動作するか本明細書に記載の動作の一部または全てを実行する、物理的に構築され、特定的に構成された(例えば、配線で接続された(hardwired))、または限られた期間だけ(例えば、一時的に)構成された(例えば、プログラムされた)ものを含むと理解される。モジュールが一時的に構成されている例を考えると、各モジュールは任意の一時点でインスタンス化する必要はない。例えば、モジュールがソフトウェアを用いて構成された汎用ハードウェアプロセッサを有する場合、その汎用ハードウェアプロセッサは異なる時間に異なるそれぞれのモジュールとして構成され得る。したがって、ソフトウェアは、例えば、ある時点では特定のモジュールを構成し、その他の時点ではその他のモジュールを構成するように、ハードウェアプロセッサを構成することができる。
【0079】
当業者であれば、本明細書に記載のトポロジーおよび回路実装方法論は単一の特定用途向け集積回路としての効果的な実現を可能にすることを理解されよう。さらに、本明細書に含まれる開示は、車両への電力の供給に関するものであるが、これは多くの可能な用途のうちの1つに過ぎず、車両用途以外のものを含む他の実施形態が可能であることを理解されたい。例えば、当業者であれば、車両以外の誘導充電用途、例えば、歯ブラシ、携帯電話、およびその他のデバイスを充電するのに使用されるもの(例えば、パワーマット(登録商標))といった携帯型の家庭用電子機器の充電器など、電流源安全回路を提供する多くの用途があることを理解されよう。したがって、これらおよび他のそのような用途は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【国際調査報告】