(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】コンビネーションロック保護付きの時計
(51)【国際特許分類】
G04B 37/12 20060101AFI20230517BHJP
G04B 37/10 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
G04B37/12 Z
G04B37/10 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543695
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 RU2020000512
(87)【国際公開番号】W WO2021211007
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522285749
【氏名又は名称】デニス・ウラディミロヴィチ・グラトコフ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ウラディミロヴィチ・グラトコフ
(57)【要約】
本発明は時計に関する。本発明によれば、時計は、取り外し可能なカバーを備えたケースと、設定/巻上げ機構を含む、ケースに取り付けられた時計機構とを備える。時計には、設定/巻上げ機構をブロックし、ケースからのカバーの取り外しをブロックして、時計の不正使用を防止するためのダイヤルロックが装備されている。本発明は、時計の不正使用を防止するために、設定/巻上げ機構をブロックし、ケースからのカバーの取り外しをブロックするために取り付けられたコンビネーションロックにより、時計を使用する安全性を高めることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なカバーを有するケースと、前記ケースに取り付けられた、設定/巻上げ機構を含む時計機構とを備える時計であって、
前記時計の不正使用を防ぐために、前記設定/巻上げ機構をブロックし、前記ケースから前記カバーを取り外すことをブロックするよう使用されるコンビネーションロックが設けられていることを特徴とする、時計。
【請求項2】
前記時計機構が機械的な機構またはクォーツ機構を備えることを特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項3】
前記設定/巻上げ機構が時計巻上げ部(リューズ)を有するスピンドルを備えることを特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項4】
前記コンビネーションロックがダイヤルロックを備えることを特徴とする、請求項3に記載の時計。
【請求項5】
前記コンビネーションロックがダイヤルロックを備えることを特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項6】
前記ダイヤルロックが前記設定/巻上げ機構に関連した別個のスピンドルに配置されたていることを特徴とする、請求項5に記載の時計。
【請求項7】
歯車が前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルに取り付けられ、前記ダイヤルロックが前記歯車をブロックするよう適合されたロックボルトを備えることを特徴とする、請求項4に記載の時計。
【請求項8】
前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルが略正方形断面の部分を有し、前記歯車には、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルの前記部分を固定するための対応する開口部が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の時計。
【請求項9】
前記ケースが長方形または正方形であり、前記別個のスピンドルが前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルに略平行に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の時計。
【請求項10】
前記ケースが円形であり、前記別個のスピンドルが前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルに対してある角度で配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の時計。
【請求項11】
前記カバーがネジ接続によって前記ケースに接続され、前記ダイヤルロックの前記ロックボルトがロック要素を有し、前記ダイヤルロックの閉位置において前記カバーをブロックすることを特徴とする、請求項7に記載の時計。
【請求項12】
前記ロック要素に対応するブロック要素が前記カバーの周囲に沿って前記カバーの内面に設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の時計。
【請求項13】
前記ロック要素に対応する前記ブロック要素は、歯または谷であることを特徴とする、請求項12に記載の時計。
【請求項14】
前記ダイヤルロックが少なくとも3つのディスクを備えることを.特徴とする、請求項7に記載の時計。
【請求項15】
前記ダイヤルロックが少なくとも3つのディスクを備えることを特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項16】
前記コンビネーションロックがローラーロックを備えることを特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項17】
前記ローラーロックが、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルに近接する前記ケースの側面、または前記時計カバーの外側に配置されることを特徴とする、請求項16に記載の時計。
【請求項18】
前記ローラーロックが少なくとも3つのディスクを備えることを特徴とする、請求項16に記載の時計。
【請求項19】
前記カバーがネジ接続によって前記ケースに接続され、前記ローラーロックがロックボルトを有し、前記ローラーロックの前記閉位置において前記カバーをブロックすることを特徴とする、請求項16に記載の時計。
【請求項20】
前記カバーがネジによって前記ケースに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の時計
【請求項21】
前記カバーが長方形または正方形を有し、第1の端部および反対の第2の端部を備え、前記ケースの対応する突起に係合するためのスロットが前記第1の端部に設けられ、前記カバーをブロックするための前記コンビネーションロックの前記ロックボルトを受容するためのラグが前記第2の端部に設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の時計。
【請求項22】
前記カバーが多角形を有し、第1の端部および反対の第2の端部を備え、前記ケースの対応する突起に係合するためのスロットが前記第1の端部に設けられ、前記カバーをブロックするための前記コンビネーションロックの前記ロックボルトを受容するためのラグが前記第2の端部に設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の時計。
【請求項23】
前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルは、軸に沿って移動するよう適合され、前記ダイヤルロックは、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドル上に配置され、中央部によって前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルに係合し、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルの前記軸に略平行な脚部によって前記時計機構のプレートのガイド要素に係合するよう配置されたU字型のロックボルトが設けられ前記U字型のロックボルトは前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルの前記軸に沿って前記スピンドルと共に移動し、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルは、前記軸に沿って3つの位置の間を移動するよう適合され、前記3つの位置は、
(1)巻上げピニオンとスライディングピニオン、および前記スライディングピニオンと中間ホイールとが係合していない、前記ダイヤルロックの前記ロックボルトが前記U字型ロックボルトをブロックするコンビネーションロックブロック位置
(2)前記巻上げピニオンが前記スライディングピニオンと係合して前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルの回転運動を確実にして時計が巻上げられる、前記スライディングピニオンと中間ホイールが係合せずに、前記ダイヤルロックの前記ロックボルトによって前記U字型ロックボルトがブロックされていない、時計巻上げ位置
(3)前記スライディングピニオンが前記中間ホイールに係合して時計の針移動を確実にする、前記巻上げピニオンと前記スライディングピニオンが係合せず、前記ダイヤルロックの前記ロックボルトによって前記U字型ロックボルトがブロックされていない、時計針移動位置
であることを特徴とする、請求項7に記載の時計。
【請求項24】
前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルは、軸に沿って移動するよう適合され、前記ダイヤルロックは、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドル上に配置され、中央部によって前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルに係合し、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルの前記軸に略平行な脚部によって前記時計機構のプレートのガイド要素に係合するよう配置されたU字型のロックボルトが設けられ前記U字型のロックボルトは前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルの前記軸に沿って前記スピンドルと共に移動し、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルは、前記軸に沿って3つの位置の間を移動するよう適合され、前記3つの位置は、
(1)巻上げピニオンとスライディングピニオン、および前記スライディングピニオンと中間ホイールとが係合していない、前記ダイヤルロックの前記ロックボルトが前記U字型ロックボルトをブロックするコンビネーションロックブロック位置
(2)前記巻上げピニオンが前記スライディングピニオンと係合して前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルの回転運動を確実にして時計が巻上げられる、前記スライディングピニオンと中間ホイールが係合せずに、前記ダイヤルロックの前記ロックボルトによって前記U字型ロックボルトがブロックされていない、時計巻上げ位置
(3)前記スライディングピニオンが前記中間ホイールに係合して時計の針移動を確実にする、前記巻上げピニオンと前記スライディングピニオンが係合せず、前記ダイヤルロックの前記ロックボルトによって前記U字型ロックボルトがブロックされていない、時計針移動位置
であることを特徴とする、請求項14に記載の時計。
【請求項25】
前記設定/巻上げ機構が前記3つの移動位置に対応する3つの溝を作動面に有する軸巻上げブリッジを含むことを特徴とする、請求項23に記載の時計。
【請求項26】
前記設定/巻上げ機構が前記3つの移動位置に対応する3つの溝を作動面に有する軸巻上げブリッジを含むことを特徴とする、請求項24に記載の時計。
【請求項27】
前記ダイヤルロックの前記ディスクが前記プレートに平行または垂直な平面に配置されていることを特徴とする、請求項23に記載の時計。
【請求項28】
前記ダイヤルロックの前記ディスクが前記プレートに平行または垂直な平面に配置されていることを特徴とする、請求項24に記載の時計。
【請求項29】
文字盤に前記コンビネーションロックのロック位置およびロック解除位置を表示するための窓が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項30】
前記コンビネーションロックが、前記コンビネーションロックのロック位置およびロック解除位置を表示するために、前記ダイヤルロックの前記ロックボルトに関連したインジケータを備えることを特徴とする、請求項7に記載の時計。
【請求項31】
前記時計巻上げ部(リューズ)または前記文字盤に前記ダイヤルロックの数字表示が設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の時計。
【請求項32】
前記ダイヤルロックの前記数字表示が前記文字盤に配置され、互いに斜めに配置された一対の係合歯車によって前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルに関連付けられ、前記歯車の一方は、前記設定/巻上げ機構の前記スピンドルに取り付けられ、他方は、前記ダイヤルロックの前記数字表示に係合することを特徴とする、請求項31に記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時計に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、時計の所有者、特に高価な機械式時計またはクォーツ時計の所有者は、その後の使用または再販のための盗難のリスク、および紛失のリスクに直面している。
【0003】
現在存在する機械式時計やクォーツ時計には、不正使用を防ぐための機械式補助装置が装備されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、不正使用を防止する手段を含む時計を作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特に、本発明によれば、作成された時計は、取り外し可能なカバーを有するケースと、ケースの中に設置された設定/巻上げ機構を含む時計機構を含み、時計の不正使用を防ぐために、設定/巻上げ機構をブロックし、カバーをケースから取り外すことをブロックするコンビネーションロックによって特徴づけられている。
【0006】
本発明の技術的成果は、時計の不正使用を防ぐために、取り付けられたコンビネーションロックが設定/巻上げ機構をブロックし、ケースからカバーを取り外すことにより、その後の使用が不可能になることによる時計の盗難の可能性を減らすことにある。
【0007】
確かに、設定/巻上げ機構をブロックし、ケースカバーの取り外しを防ぐコンビネーションロックは、泥棒がこのコンビネーションロックのブロックを解除するためのコードを理解し、時計カバーを取り外して設定/巻上げ機構のロックを解除するのに膨大な時間がかかるため、時計の盗難とその後の再販をほとんど無意味にする。正しいコードを入力せずにロックを解除または開こうとすると、時計が損傷し、その価値が失われる。
【0008】
さらに、コンビネーションロックのデザインは非常にシンプルでコンパクトであるため、既存の時計やリリース準備中の時計の両方に簡単に統合することができる。
【0009】
時計機構は、好ましくは、機械的またはクォーツ機構を備える。
【0010】
設定/巻上げ機構は、好ましくは、時計巻上げ部(リューズ)を有するスピンドルを備える。
【0011】
コンビネーションロックは、ロックを解除するための多数の組み合わせにより、時計に適切な保護を提供するダイヤル(ツイスト)ロックであることが好ましい。
【0012】
ダイヤルロックは、設定/巻上げ機構に関連する別個のスピンドルに配置されることが好ましい。
【0013】
歯車は、設定/巻上げ機構のスピンドルに取り付けられることが好ましく、ダイヤルロックは、歯車をブロックするように適合されたロックボルトを含む。
【0014】
設定/巻上げ機構のスピンドルは、好ましくは、正方形の断面を有する部分を有し、歯車には、設定/巻上げ機構のスピンドルの前記部分に固定するための対応する開口部が設けられている。
【0015】
ケースは長方形または正方形であることが好ましく、別個のスピンドルは設定/巻上げ機構のスピンドルと平行である。
【0016】
ケースは丸い形状であることが好ましく、前記別個のスピンドルは、設定/巻上げ機構のスピンドルに対してある角度で配置されている。
【0017】
カバーは、ねじ接続によってケースに接続されることが好ましく、ダイヤルロックのロックボルトは、ダイヤルロックの閉位置でカバーをブロックするためのロック要素を有する。原則として、カバーのロック機構を設ける必要はなかったが、時計カバーをブロックすると、取り外してダイヤルロックにアクセスしたり、設定/巻上げ機構のロックを解除したりできないため、時計のセキュリティがさらに向上する。
【0018】
ロック要素に対応するブロック要素は、カバーの周囲に沿ってカバーの内面に設けられている。
【0019】
ロック要素に対応するブロック要素は、好ましくは歯または谷である。
【0020】
コンビネーションロックは、少なくとも3つのディスクを備える。
【0021】
コンビネーションロックは、好ましくはローラー(コード化)ロックを備える。
【0022】
ローラーロックは、設定/巻上げ機構のスピンドルに近接するケースの側面、または時計カバーの外側に配置することが好ましい。
【0023】
ローラーロックは、好ましくは、少なくとも3つのディスクを備える。
【0024】
カバーは、ねじ接続によってケースに接続されることが好ましく、ローラーロックは、ローラーロックの閉位置でカバーをブロックするためのロックボルトを有する。
【0025】
カバーはネジでケースに固定するのが好ましい。
【0026】
カバーは、好ましくは長方形または正方形の形状を有し、第1の端部および反対側の第2の端部を備え、ケースの対応する突起と係合するためのスロットが第1の端部に設けられ、カバーをブロックするためのコンビネーションロックのロックボルトを受け入れるためのラグが第2の端部に設けられる。
【0027】
カバーは多角形であることが好ましく、第1の端部と反対側の第2の端部とを備え、ケースの対応する突起と係合するためのスロットが第1の端部に設けられ、カバーをブロックするためのコンビネーションロックのロックボルトを受け入れるためのラグが第2の端部に設けられる。
【0028】
設定/巻上げ機構のスピンドルは、その軸に沿って移動するように適合され、ダイヤルロックは、設定/巻上げ機構のスピンドル上に配置され、中央部によって設定/巻上げ機構のスピンドルと係合し、設定/巻上げ機構のスピンドルの軸に実質的に平行な脚部によって時計機構のプレートのガイド要素に係合するように配置されたU字型ロックボルトが設けられ、スピンドルと共に設定/巻上げ機構のスピンドルの軸に沿ってU字型ロックボルトを軸に沿って動かし、設定/巻上げ機構のスピンドルは、その軸に沿って以下の3つの位置の間を移動するように適合される。
(1)巻上げピニオンとスライディングピニオン、およびスライディングピニオンと中間ホイールとが係合していない状態で、ダイヤルロックのロックボルトがU字型ロックボルトをブロックするコンビネーションロックブロック位置
(2)巻上げピニオンがスライディングピニオンと係合して設定/巻上げ機構のスピンドルの回転運動を確実にして時計が巻上げられる、スライディングピニオンと中間ホイールが係合せずに、ダイヤルロックのロックボルトによってU字型ロックボルトがブロックされていない、時計巻上げ位置
(3)スライディングピニオンが中間ホイールに係合して時計の針移動を確実にする、巻上げピニオンとスライディングピニオンが係合せず、ダイヤルロックのロックボルトによってU字型ロックボルトがブロックされていない、時計針移動位置
本実施形態では、設定/巻上げ機構のスピンドルにコンビネーションロックを配置することを可能にし、それにより時計ケースをさらにコンパクトにすることが可能となる。
【0029】
周知の軸巻上げブリッジとは異なり、本発明による時計機構の軸巻上げブリッジは、好ましくは、前記3つの移動位置に対応して、その作動面上に3つの溝を有する。
【0030】
ダイヤルロックのディスクは、好ましくは、プレートに平行または垂直な平面に配置される。ダイヤルロックのディスクをプレートと平行に配置すると、時計ケースを薄くすることができる。
【0031】
時計の文字盤には、コンビネーションロックのロック位置とロック解除位置を表示するための窓が設けられていることが好ましい。
【0032】
コンビネーションロックのロック位置とロック解除位置を表示するために、ダイヤルロックのロックボルトに関連付けられたインジケータを備えていることが好ましい。
【0033】
ダイヤルロックの数字表示は、時計巻上げ部(リューズ)または時計の文字盤に配置するのが好ましい。
【0034】
ダイヤルロックの数字表示は、時計の文字盤に配置され、互いに角度を付けて配置された一対の係合歯車によって設定/巻上げ機構のスピンドルに関連付けられ、歯車の1つが設定/巻上げ機構のスピンドルに取り付けられ、他方がダイヤルロックの数字表示に係合する。
以下、提案された発明を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】ブロック位置にある、設定/巻上げ機構に関連する別個のスピンドルに配置されたコンビネーションロックを有する時計の断面図である。
【
図2】
図1による時計の断面側面図であり、コンビネーションロックのブロックを示している。
【
図3】時計カバーのブロックを示す時計の側面図である。
【
図4A】上に配置されたロック要素を示す丸いねじ込み式時計カバーの上面図である。
【
図4B】
図4Aによるカバーを有する時計の側面図であり、時計カバーのブロックを示している。
【
図5】ブロック位置で、巻上げ/設定軸に取り付けられたコンビネーションダイヤルロックを有する時計の断面図である。
【
図6】時計の巻上げ位置で、巻上げ/設定スピンドルに取り付けられたコンビネーションダイヤルロックを有する時計の断面図である。
【
図7】時計針移動位置で、巻上げ/設定軸に取り付けられたコンビネーションダイヤルロックを有する時計の断面図である。
【
図8】巻上げ/設定軸に取り付けられたダイヤルロックと、時計の文字盤に配置された数値表示を備えた時計の断面図である。
【
図9】ブロック位置で、プレートに平行に取り付けられたコンビネーションダイヤルロックを有する時計の断面図である。
【
図10】ブロック解除位置で、プレートに平行に取り付けられたコンビネーションダイヤルロックを有する時計の断面図である。
【
図11】ブロック位置においてプレートに平行に取り付けられたコンビネーションダイヤルロックおよび文字盤に配置された数値表示を有する時計の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明によれば、参照番号1の時計は、取り外し可能なカバー3を有するケース2と、ケース2に取り付けられた文字盤とを含み、設定/巻上げ機構を作動させる。時計機構は、機械式とクォーツの両方にすることができる。時計1には、時計1の不正使用を防止するために、設定/巻上げ機構をブロックし、ケース2からカバー3を取り外すことをブロックするために使用される参照番号4で示されるコンビネーションロックが装備されている。
【0037】
設定/巻上げ機構は、スピンドル5と時計巻上げ部(リューズ)を備える。
【0038】
この特定の実施形態では、コンビネーションロック4は、別個のスピンドル7に取り付けられたダイヤルロックであり、ロックボルトおよび歯車によって設定/巻上げ機構に接続されている。当業者にとって、ダイヤルロックの形でのコンビネーションロック4の実装は、単なる一例であり、発明の特許保護の範囲を限定するものではないことは明らかである。例えば、コンビネーションロック4は、ローラーロック(
図12を参照)、押しボタンロック、および当業者に明確で利用可能な他の多数の装置の形で作製することができる。
【0039】
歯車8は、設定/巻上げ機構のスピンドル5に取り付けられ、ダイヤルロックは、歯車8をブロックするように適合されたロックボルト9を備える。
【0040】
この実施形態の設定/巻上げ機構のスピンドル5は、断面が正方形の部分を有し、歯車8には、設定/巻上げ機構のスピンドル5の前記部分に固定するための対応する開口部10が設けられている。
【0041】
この実施形態のケース2は、長方形または正方形の形状を有し、別個のスピンドル7は、設定/巻上げ機構のスピンドル5に平行である。当業者には、ケース2が同じ丸い形状を有することができることは明らかである(
図4Aを参照)。他の実施形態は、長方形または正方形のケース2の場合と同じであるが、前記別個のスピンドル7が、設定/巻上げ機構のスピンドル5に対してある角度で配置されている。
【0042】
カバー3は通常、ネジ接続でケース2に接続され、ダイヤルロックの閉位置でカバー3をブロックするためにロック要素11が設けられる。
【0043】
その周囲に沿ったカバー3の内面には、歯または谷の形で、ロック要素11に対応するブロック要素12がある。
【0044】
ダイヤルロックは、実装スキームおよび機構の所望の盗難防止策に応じて、少なくとも3つのディスク13を含むことができる。当業者には、コンビネーションロックに含まれるディスク13が多いほど、時計1のセキュリティが高くなることは明らかである。
【0045】
ダイヤルロック自体はよく知られているツールであるため、コードの設定や開錠については説明しない。
【0046】
レバー14のバー(参照番号で示されていない)が対応する開口部(参照番号で示されていない)にはまり、正しいダイヤルでダイヤルロックが開いた後、ロックボルト9はダイヤルロックのディスク13で解放され、設定/巻上げ機構のスピンドル5に取り付けられた歯車8および時計の背面カバーのロックが解除され、時計1で必要な操作(時計の巻上げ、針の調整、日付の設定など)を可能にする。
【0047】
上記のように、別の実施形態によるコンビネーションロック4は、例えば、ローラーロックを含み得る。この実施形態を
図12に示す。
【0048】
ローラーロックは、ケース2の側面、設定/巻上げ機構のスピンドル5の近く、または時計1のカバー3の外側に配置することができる。
【0049】
ローラーロックは、少なくとも3つのディスクを備える。コンビネーションロックと同様に、当業者には、ローラーロックが構成するホイール15が多いほど、時計1の安全性が高くなることは明らかだろう。
【0050】
この実施形態のカバー3は、ネジ接続によってケース2に接続されている。カバー3は、ネジまたはケース2に確実に固定できるその他の適切な留め具を使用してケース2に接続することもできる。ローラーロックは、ローラーロック閉位置でカバー3をブロックするためのロックボルト9を有する。
【0051】
この実施形態では、カバー3は、長方形または正方形の形状を有する。当業者は、例えば、カバー3が多角形であり得ることを理解している。カバー3は、第1の端部と反対側の第2の端部とを有し、第1の端部には、ケース2の対応する突起と係合するためのスロットが設けられ、第2の端部には、カバー3をブロックするためのコンビネーションロック4のロックボルト9を受け入れるためのラグ16が設けられる。
【0052】
したがって、通常の動作状態では、時計1は、時計1のカバー3がロックされた位置にあり、時計1を巻上げたり、針を動かしたりすることはできない。時計1のロックを解除するには、ユーザーは、コンビネーションロック4で自分だけが知っているコンビネーションを合わせる必要があり、これにより、設定/巻上げ機構と時計のカバー3のロックが解除される。
【0053】
別の実施形態によれば、コンビネーションロックは、設定/巻線機構のスピンドル5上に配置され、その軸に沿って移動するように適合されている。U字型ロックボルト17は、設定/巻上げ機構のスピンドル5に配置され、その中央部が設定/巻上げ機構のスピンドル5と係合し、脚部18は、設定/巻上げ機構のスピンドル5の軸に平行であり、時計機構のプレートのガイド要素19と係合して、U字型ロックボルト17を、設定/巻上げ機構のスピンドル5の軸に沿って、スピンドル5と共に動かす。
【0054】
設定/巻上げ機構のスピンドル5は、その軸に沿って以下の3つの位置の間を移動するように適合されている。
(1)巻上げピニオン20とスライディングピニオン21、およびスライディングピニオン21と中間ホイール22が係合していない、ダイヤルロックのロックボルト9がU字型ロックボルト17をブロックするコンビネーションロックブロック位置(
図5参照)。
(2)巻上げピニオン20がスライディングピニオン21と係合して設定/巻上げ機構のスピンドル5の回転運動を確実にして時計1が巻上げられる、スライディングピニオン21および中間ホイール22が係合せずに、ダイヤルロックのロックボルト9によってU字型ロックボルト17がブロックされていない、時計巻上げ位置(
図6を参照)。
(3)スライディングピニオン21が中間ホイール22と係合して時計1の針移動を確実にする、巻上げピニオン20とスライディングピニオン21が係合せず、ダイヤルロックのロックボルト9によってU字型ロックボルト17がブロックされていない、時計針移動位置(
図7を参照)。
【0055】
時計機構の軸巻上げブリッジ23は、その作動面上に、前記3つの移動位置に対応する3つの溝を有する。
【0056】
ダイヤルロックのディスク13は、プレートに平行または垂直な平面に配置することができる。
【0057】
文字盤には、コンビネーションロックのロック位置とロック解除位置を表示するためのウィンドウを設けることができる。
【0058】
コンビネーションロックのロック位置とロック解除位置を表示するために、ダイヤルロック4のロックボルト9に関連付けられたインジケータ24を有する。
【0059】
コンビネーションロックの数字表示25は、時計巻上げ部6(リューズ)または時計の文字盤に取り付けられている(
図8、11を参照)。
【0060】
ダイヤルロックの数字表示25は時計の文字盤に配置され、互いに角度を付けて配置された一対の係合歯車によって設定/巻上げ機構のスピンドル5に関連付けられ(
図11を参照)、歯車の一方は、設定/巻上げ機構のスピンドル5に取り付けられ、他方は、ダイヤルロックの数字表示に係合する。
【0061】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の概念および範囲から逸脱することなく、様々な変更および追加の影響を受けることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 時計
2 ケース
3 カバー
4 コンビネーションロック
5 スピンドル
6 時計巻上げ部(リューズ)
7 別個のスピンドル
8 歯車
9 ロックボルト
10 開口部
11 ロック要素
12 ブロック要素
13 ディスク
14 レバー
15 ホイール
16 ラグ
17 U字型ロックボルト
18 脚部
19 ガイド要素
20 巻上げピニオン
21 スライディングピニオン
22 中間ホイール
23 軸巻上げブリッジ
24 インジケータ
25 数字表示
【国際調査報告】