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特表2023-521323不織材料を含む材料およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】不織材料を含む材料およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   D06M 15/53 20060101AFI20230517BHJP
   D04H 3/16 20060101ALI20230517BHJP
   D04H 3/14 20120101ALI20230517BHJP
【FI】
D06M15/53
D04H3/16
D04H3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560349
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 US2021025083
(87)【国際公開番号】W WO2021202660
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】63/003,825
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.STYROFOAM
(71)【出願人】
【識別番号】522388305
【氏名又は名称】ナショナル・ノンウーブンズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】National Nonwovens, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】デリア,コンラート アントニー
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス,マーク グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ホークス,カレン スポールディング
【テーマコード(参考)】
4L033
4L047
【Fターム(参考)】
4L033AA02
4L033AA05
4L033AA07
4L033AB07
4L033AC15
4L033CA48
4L047AA12
4L047AA13
4L047AA19
4L047AA21
4L047AA29
4L047CA19
4L047CB09
(57)【要約】
本開示のいくつかの態様は、概して、不織材料などの材料、例えば、繊維を含んでなる材料に関する。繊維のいくつかの例には、ポリエステル、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、材料は、何らかの方法で官能基化されてもよい。例えば、ポリエチレンオキシドなどの親水性ポリマーが、繊維の少なくとも一部および/またはそれ自体に結合されていてもよい。いくつかの場合において、親水性ポリマーは、繊維に実質的に均一に結合されてもよい。いくつかの場合において、官能基化された材料は、流体がそこを通って流れることを可能する、比較的通気度であってよい。例えば、材料は、空気に対して比較的高い通気度、例えば、少なくとも5立方フィート/分/平方フィートの通気度を有してもよい。他の態様は、概して、そのような材料を製造または使用する方法、そのような材料を含むキットなどに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む不織材料を含み、
前記ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有し、
前記繊維とポリエチレンオキシドとを含む不織材料は、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも5立方フィート/分/平方フィートの通気度を有する、物品。
【請求項2】
前記繊維が熱可塑性繊維を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記繊維がポリエステル繊維を含む、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記繊維がポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の物品。
【請求項5】
前記繊維がレーヨン繊維を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の物品。
【請求項6】
前記繊維がリヨセル繊維を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の物品。
【請求項7】
前記繊維がアセテート繊維を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の物品。
【請求項8】
前記繊維がポリ酢酸ビニル繊維を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の物品。
【請求項9】
前記繊維の少なくとも一部が本質的に単一ポリマーから成る、請求項1~8のいずれか1項に記載の物品。
【請求項10】
前記繊維の少なくとも一部がスパンボンドである、請求項1~9のいずれか1項に記載の物品。
【請求項11】
前記繊維の少なくとも一部が点接合されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の物品。
【請求項12】
前記不織材料が少なくとも0.4オンス/平方ヤードの重量を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の物品。
【請求項13】
前記不織材料が0.01インチ~0.1インチの間の厚さを有する、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
ポリエチレンオキシドを含まない不織材料が、0.4オンス/平方ヤード~3.0オンス/平方ヤードの間の重量を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の物品。
【請求項15】
前記不織材料が0.01インチ~0.1インチの間の厚さを有する、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
前記不織材料が、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも50立方フィート/分/平方フィートの通気度を有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の物品。
【請求項17】
前記不織材料が、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも10立方フィート/分/平方フィートの通気度を有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の物品。
【請求項18】
前記不織材料が、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも20立方フィート/分/平方フィートの通気度を有する、請求項1~17のいずれか1項に記載の物品。
【請求項19】
前記不織材料が、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも50立方フィート/分/平方フィートの通気度を有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の物品。
【請求項20】
前記ポリエチレンオキシドが、5,000,000~7,000,000の間の平均分子量を有する、請求項1~19のいずれか1項に記載の物品。
【請求項21】
前記ポリエチレンオキシドが、7,000,000~9,000,000の間の平均分子量を有する、請求項1~19のいずれか1項に記載の物品。
【請求項22】
前記ポリエチレンオキシドが、9,000,000~11,000,000の間の平均分子量を有する、請求項1~19のいずれか1項に記載の物品。
【請求項23】
前記ポリエチレンオキシドが前記不織材料に化学的に結合されている、請求項1~22のいずれか1項に記載の物品。
【請求項24】
前記ポリエチレンオキシドが前記不織材料に物理的に結合されている、請求項1~23のいずれか1項に記載の物品。
【請求項25】
前記ポリエチレンオキシドが熱可塑性樹脂として前記不織材料に結合されている、請求項1~24のいずれか1項に記載の物品。
【請求項26】
前記ポリエチレンオキシドが樹脂として前記不織材料に結合されている、請求項1~25のいずれか1項に記載の物品。
【請求項27】
前記ポリエチレンオキシドが、前記繊維の少なくとも50%に結合されている、請求項1~26のいずれか1項に記載の物品。
【請求項28】
前記ポリエチレンオキシドが、前記繊維の少なくとも80%に結合されている、請求項1~27のいずれか1項に記載の物品。
【請求項29】
前記ポリエチレンオキシドが、前記繊維の少なくとも90%に結合されている、請求項1~28のいずれか1項に記載の物品。
【請求項30】
前記ポリエチレンオキシドが、前記繊維の実質的に全てに結合されている、請求項1~29のいずれか1項に記載の物品。
【請求項31】
前記ポリエチレンオキシドを含まない前記不織材料が、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも50立方フィート/分/平方フィートの通気度を有する、請求項1~30のいずれか1項に記載の物品。
【請求項32】
前記ポリエチレンオキシドが、前記不織材料に実質的に均一に結合されている、請求項1~31のいずれか1項に記載の物品。
【請求項33】
前記不織材料のサンプルを、水と、水が少なくとも5分間、前記不織材料を通って流れることができないような120psiの圧力とに晒す試験に物品が合格するように、前記ポリエチレンオキシドが前記不織材料に実質的に均一に結合されている、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
前記試験中に物品が膨張することを防止する、請求項33に記載の物品。
【請求項35】
繊維を含む不織材料をポリエチレンオキシドに晒すこと、および
前記ポリエチレンオキシドを前記不織材料およびそれ自体に結合すること
を含み、
前記ポリエチレンオキシドが、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有する、方法。
【請求項36】
前記ポリエチレンオキシドを結合することは、前記ポリエチレンオキシドが前記不織材料に実質的に均一に結合されているように、前記ポリエチレンオキシドを前記不織材料に結合することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記不織材料のサンプルを、水と、水が少なくとも5分間、前記不織材料を通って流れることができないような120psiの圧力とに晒す試験に物品が合格するように、前記ポリエチレンオキシドが前記不織材料に実質的に均一に結合されている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記試験中に物品が膨張することを防止する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記不織材料が熱可塑性繊維を含む、請求項35~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記不織材料を、ポリエチレンオキシドの20g/平方ヤード~200g/平方ヤードの間の表面処理に晒すことを含む、請求項35~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記不織材料を、ポリエチレンオキシドの70g/平方ヤード~160g/平方ヤードの間の表面処理に晒すことを含む、請求項35~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記不織材料を、ポリエチレンオキシドの40g/平方ヤード~90g/平方ヤードの間の表面処理に晒すことを含む、請求項35~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記不織材料を、ポリエチレンオキシドの40g/平方ヤード~70g/平方ヤードの間の表面処理に晒すことを含む、請求項35~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記繊維がポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、請求項35~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記繊維がアセテートを含む、請求項35~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
ポリエチレンオキシドを含まない不織材料が、0.4オンス/平方ヤード~3.0オンス/平方ヤードの間の重量を有する、請求項35~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記不織材料が0.01インチ~0.1インチの間の厚さを有する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記ポリエチレンオキシドを結合することが、前記ポリエチレンオキシドを前記不織材料に散布コートすることを含む、請求項35~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記ポリエチレンオキシドを結合することが、前記ポリエチレンオキシドを前記不織材料に焼結することを含む、請求項35~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記ポリエチレンオキシドを結合させることが、前記不織材料に熱を加えることを含む、請求項35~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記不織材料を少なくとも180°Fに加熱することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記不織材料を180°F~340°Fの間に加熱することを含む、請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
前記ポリエチレンオキシドを結合させることが、前記不織材料に伝導熱を加えることを含む、請求項35~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記ポリエチレンオキシドを結合させることが、前記不織材料に対流熱を加えることを含む、請求項35~53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記ポリエチレンオキシドを結合させることが、前記不織材料に圧力を加えることを含む、請求項35~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
少なくとも20psiの圧力を加えることを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
20psi~120psiの間の圧力を加えることを含む、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
20psi~80psiの間の圧力を加えることを含む、請求項55~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
回転式プレスを用いて圧力を加えることを含む、請求項55~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
プラテンプレスを用いて圧力を加えることを含む、請求項55~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む不織材料を含み、
前記ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有し、
前記繊維とポリエチレンオキシドとを含む不織材料は、124Paの差圧および25℃の温度で、少なくとも15m/(分・m)の通気度を有する、物品。
【請求項62】
繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む材料を含み、
前記ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有し、
前記繊維とポリエチレンオキシドとを含む材料は、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも5立方フィート/分/平方フィートの通気度を有する、物品。
【請求項63】
繊維を含む材料をポリエチレンオキシドに晒すこと、および
前記ポリエチレンオキシドを、前記材料およびそれ自体に結合させること
を含み、
前記ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有する、方法。
【請求項64】
繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む材料を含み、
前記ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有し、
前記繊維とポリエチレンオキシドとを含む材料は、124Paの差圧および25℃の温度で、少なくとも15m/(分・m)の通気度を有する、物品。
【請求項65】
繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む材料を含み、
前記ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有し、
前記材料は、ASTM D2842を用いて決定される撥水性を有する、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2020年4月1日に出願され、D'Eliaらによる発明の名称「Materials, Including Nonwoven Materials, and Methods Thereof」の米国仮出願番号63/003,825号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示のいくらかの態様は、概して、不織材料などの材料に関し、そのような材料の製造方法または使用方法を含む。
【背景技術】
【0003】
不織構造体は、典型的には、個々の繊維を一緒に織るまたは編むことなく一緒に組み立てられる繊維から形成される。場合によっては、不織構造体は、布材料に類似していてもよい。不織構造体は、個々の繊維を機械的、熱的、化学的等に一緒に絡ませることによって形成されてもよい。例えば、不織構造体は、ニードルパンチ技術またはニードルフェルト技術を使用して作製されてもよく、ニードルを使用して個々の繊維を機械的に絡め合わせ、不織構造体を形成する。不織構造体を形成するための他の技術には、熱結合、ハイドロエンタングルメント(または水流交絡)、超音波結合、または化学的結合が含まれる。このような不織構造体は、例えば、アパレル、家庭用家具、ヘルスケア、エンジニアリング、工業、または消費財などの幅広い用途で使用することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示のいくらかの態様は、概して、不織材料などの材料に関し、そのような材料の製造方法または使用方法を含む。本開示の主題は、場合によっては、相互に関連する製品、特定の問題に対する代替的な解決策、および/または1つ以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる用途を含む。
【0005】
本開示のいくつかの態様は、概して、物品に関する。物品は、不織材料であってよい。いくつかの場合、物品は織物材料であってもよい。物品はまた、いくらかの実施形態において、不織部分および織物部分の両方を含んでもよい。
【0006】
例えば、本開示の1つの態様は、繊維と、繊維の少なくとも一部(または少なくともいくつか;at least some)およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシド(またはポリエチレンオキサイド;polyethylene oxide)とを含む不織材料に関する。ある実施形態では、ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有する。いくらかの場合において、繊維およびポリエチレンオキシドを含む不織材料は、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも5立方フィート/分/平方フィートの通気度(または空気透過性;air permeability)を有する。
【0007】
別の態様は、概して、繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む不織材料に関する。いくつかの実施形態において、ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有する。いくらかの場合において、繊維およびポリエチレンオキシドを含む不織材料は、124Paの差圧および25℃の温度で、少なくとも15m/(分・m)の通気度を有する。
【0008】
更に別の態様は、概して、繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む材料に関する。ある実施態様では、ポリエチレンオキシドは、5,000,000から12,000,000の間の平均分子量(M)を有する。いくらかの場合において、繊維およびポリエチレンオキシドを含む材料は、水の0.5インチの差圧および77°Fの温度で、少なくとも5立方フィート/分/平方フィートの通気度を有する。
【0009】
更に別の態様は、概して、繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む材料に関する。いくつかの実施形態において、ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有する。特定の場合において、繊維およびポリエチレンオキシドを含む材料は、124Paの差圧および25℃の温度で、少なくとも15m/(分・m)の通気度を有する。
【0010】
別の態様は、概して、繊維と、繊維の少なくとも一部およびそれ自体に結合したポリエチレンオキシドとを含む材料に関する。いくつかの実施形態において、ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有する。特定の場合において、材料は、ASTM D2842を用いて決定される撥水性を有する。1つの実施形態では、材料は、不織材料である。
【0011】
本開示の更に他の態様は、概して、いくらかの方法に関する。例えば、1つの態様は、概して、繊維を含む不織材料をポリエチレンオキシドに晒す(または暴露する)こと、およびポリエチレンオキシドを不織材料およびそれ自身に結合させることを含む方法に関する。いくつかの実施形態において、ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有する。
【0012】
別の態様は、概して、繊維を含む材料をポリエチレンオキシドに晒すこと、およびポリエチレンオキシドを、材料およびそれ自体に結合させることを含む方法に関する。いくつかの実施形態において、ポリエチレンオキシドは、5,000,000~12,000,000の間の平均分子量(M)を有する。
【0013】
別の態様において、本開示は、本明細書中に記載される1つ以上の実施形態、例えば、不織材料などの材料の製造方法を包含する。更に別の態様では、本開示は、本明細書中に記載された1つ以上の実施形態、例えば、不織材料などの材料を使用する方法を包含する。
【0014】
他の利点および新規の特徴は、様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示のいくつかの態様は、概して、不織材料などの材料、例えば、繊維を含む材料に関する。繊維のいくつかの例には、ポリエステル、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、材料は、何らかの方法で官能基化されてもよい。例えば、ポリエチレンオキシドなどの親水性ポリマーが、繊維の少なくとも一部および/またはそれ自体に結合されていてもよい。いくつかの場合において、親水性ポリマーは、繊維に実質的に均一に(または一様に;uniformly)結合されてもよい。いくつかの場合において、官能基化された材料は、流体がそこを通って流れることを可能にする、比較的透過性であってよい。例えば、材料は、比較的高い通気度、例えば、少なくとも5立方フィート/分/平方フィートを有してもよい。他の態様は、概して、そのような材料を製造または使用する方法、そのような材料を含むキットなどに関する。
【0016】
いくつかの態様は、概して、繊維を含んでなる不織材料などの材料に関する。繊維の1つの例は、ポリエステルポリマーを含む繊維である。繊維の他の非限定的な例としては、アクリル、ポリプロピレン、ポリアラミド、ポリアミドまたはナイロン、ポリエチレンテレフタレート、レーヨン、リヨセル、ポリ酢酸ビニルなどのポリマーを含む繊維が挙げられる。更なる例については、以下でより詳細に説明する。繊維は、例えば、ニードルパンチ、ニードルフェルト、または本明細書中に記載されるような他の技術などを用いて、材料、例えば、不織材料に組み立てられてもよい。材料の他の例としては、本明細書中に記載されているような織物材料、ニット材料などが挙げられる。
【0017】
場合によっては、材料は、比較的軽量でありながら強度があり、これにより、そのような材料を、自動車、トラック、列車、船、ボート、航空機、または他の車両内の構造部品として、床敷物の一部として、布地の一部として、建設材料として、または同様の用途で使用することができる。加えて、いくつかの実施形態では、不織材料および/または織物材料を含む、本明細書中に記載されるもののいずれかを含む材料は、気体または液体などの流体がそこを通過することを可能にし得る。例えば、材料は、比較的多孔質であってもよい。そのような多孔質材料は、様々な用途に有用である可能性がある。材料の多孔度は、例えば、通気度として決定することができる。例えば、材料は、高い通気度、例えば、少なくとも5立方フィート/分/平方フィート、または本明細書中に記載されるような他の通気度を有するように構造化されてもよい。このような通気度は、例えば、材料に何らかの処理を施した後の最終的な材料を用いて決定することができる。例えば、材料は、例えば本明細書中に記載されているように、ポリエチレンオキシドなどの親水性ポリマーを含むように処理されてもよい。
【0018】
更に、いくらかの実施形態において、材料内の繊維の少なくとも一部は、官能基化されてもよい。例えば、親水性ポリマーまたは疎水性ポリマーは、例えば、繊維の疎水性を変更するために、繊維の少なくとも一部に結合されてもよい。これにより、例えばコーティング用途など、様々な用途で使用することができる場合がある。繊維を官能基化するために使用され得るポリマーの非限定的な例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリウレタン、フルオロカーボン、シラン、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。このようなポリマーは、焼結、散乱コーティング(scatter-coating)、噴霧付着(またはスプレー付着)、飽和、蒸着(例えば、化学蒸着、物理蒸着等)等の異なる技術を使用して材料上に結合またはコーティングされてもよい。例えば、いくらかの場合には、熱および/または圧力を用いて、ポリマーを材料の繊維の少なくとも一部に結合させることができる。
【0019】
前述のように、様々な態様に従って、様々な繊維が材料に使用されてもよい。例えば、1つの実施形態では、材料の一部または全部は、本明細書中に記載されるなどの不織材料であってもよい。不織材料は、不織材料を形成するために一緒に絡み合う(例えば、織らずに)任意の数の繊維タイプを含んでもよい。例えば、不織材料は、1種、2種、3種、または4種以上の繊維を含んでもよく、繊維はそれぞれ独立して、任意の好適な組成、長さ、質量密度等を有してもよい。
【0020】
しかしながら、他の実施形態では、材料の一部または全部は、織物繊維を含んでもよい。例えば、繊維は、一方向性、双方向性、多方向性、準等方性等の様式で一緒に織られていてもよい。いくらかの実施形態では、繊維の少なくとも一部は、実質的に平行であり、および/または互いに対して直交するように配向されているが、繊維の他の構成も可能である。いくらかの実施形態において、繊維は、布、織物、または他の基材を共に規定してもよい。
【0021】
使用され得る材料(例えば、織物材料および/または不織材料)に使用され得る好適な繊維の例としては、これらに限定されないが、綿または他の植物繊維、木材繊維、動物繊維、ガラス繊維、ファイバーグラス、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、または合成繊維若しくはポリマー繊維等が挙げられる。例えば、上記繊維は、例えば、熱可塑性ポリマーおよび/または熱硬化性ポリマーを含むポリマーを含んでもよい。使用され得るポリマー繊維の非限定的な例としては、ポリアミドまたはナイロンなどのポリアミド、ノボロイド(novoloid)(例えば、American Kynol社から市販の「Kynol(登録商標)」、ノボラック、フェノール繊維、メラミン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸またはアクリル、ポリアラミド、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンスルフィド、リヨセル(例えば、「Tencel(登録商標)」)、レーヨン、アラミド(例えば、メタ‐またはパラ‐アラミド、例えば、DuPont社の「Kevlar(登録商標)」)、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレンベンゾビスオキサゾール、芳香族ポリケトン(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン等)、ポリアセテート(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリイソブチレン、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ乳酸などが挙げられる。材料中のポリマー繊維は、これらのポリマーの1つ以上、および/または他のポリマーを含んでいてもよく、および/またはポリマー繊維は、1種類のポリマーから形成されてもよいし、本質的に1種類のポリマーから成っていてもよい。場合によっては、上記材料は、異なる組成、長さ、直径、密度などを有する1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の繊維の種類を含むことができる。
【0022】
ポリマーは、非晶質、結晶性、半結晶性などであってもよい。場合によっては、材料内のポリマー繊維は、これらの特性のうちの1つ以上を示してもよい。例えば、ポリマー繊維は、部分的に非晶質であり、かつ部分的に結晶性であってもよい。更に、いくらかのポリマーは、合成技術に応じて、非晶質、結晶性、または半結晶性にすることができ、また、いくつかの実施形態で使用することができることに留意すべきである。いくつかの場合において、ポリマーは、例えば、おおよそ1μmのサイズであってよい半結晶性領域を含んでよいが、結晶化度および半結晶性領域のサイズは、分子鎖のサイズおよび配向、合成技術、並びにポリマーを形成するモノマーなどの因子に基づいて変化してもよい。ポリマー中の結晶化度は、X線回折(XRD)または当業者に既知の他のX線散乱技術などの技術を使用して決定することができる。いくつかの場合において、非晶質ポリマーの結晶化度は、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満であってよい。更に、非晶質ポリマーは、いくつかの実施形態において、その融点を決定することによって決定されてもよく;いくつかの場合、非晶質ポリマーは、(例えば、結晶領域またはドメインの欠如のために)鋭い融点を示さず、いくつかの場合、非晶質ポリマーは、定義可能または決定可能な融点さえ示さないかもしれない。
【0023】
物品内の繊維は、任意の好適な長さ、サイズ、組成、直径、質量密度などを有してもよい。そのような繊維の非限定的な例は、本明細書中において詳細に記載されている。しかしながら、材料内の繊維は、例えば、本明細書中において記載されているように、加熱、圧力、添加剤などの影響により、初期繊維とは多少異なる寸法、物理的特性、および/または組成を有することもできると解されるべきである。
【0024】
一組の実施形態では、材料内の繊維は、任意の好適な直径(または円柱の形態でない繊維の最小断面寸法)を有してもよい。非限定的な例として、材料は、約500μm未満、約400μm未満、約300μm未満、約200μm未満、約100μm未満、約90μm未満、約80μm未満、約70μm未満、約60μm未満、約50μm未満、約40μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、約10μm未満、約5μm未満、約1μm未満、約0.5μm、約0.3μm未満、約0.1μm未満、約0.05μm未満などの平均直径を有する繊維を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維は、少なくとも約0.05μm、少なくとも約0.1μm、少なくとも約0.3μm、少なくとも約0.5μm、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、少なくとも約60μm、少なくとも約70μm、少なくとも約80μm、少なくとも約90μm、少なくとも約100μm、少なくとも約200μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μmなどの平均直径を有してもよい。これらのいずれかの好適な組み合わせも、いくつかの実施形態において企図され、例えば、繊維は、約50μm~100μmの間の直径を有してもよい。複数の種類の繊維が材料中に存在する場合、繊維は独立して、同じまたは異なる直径を有してもよい。更に、直径は実質的に同じであってもよいし、材料内の実質的に同じ組成を有する繊維の直径の範囲があってもよい。また、材料内の異なる直径を有する繊維は、独立して、同じ組成または異なる組成を有してもよい。
【0025】
物品内の繊維はまた、任意の好適な長さを有することができ、繊維の長さは実質的に同じであってもよく、または実質的に同じ組成を有する繊維について材料内に長さの範囲が存在してもよい。例えば、繊維は、実施形態に応じて、約15インチ以下、約12インチ以下、約11インチ以下、約10インチ以下、約9インチ以下、約8インチ以下、約7インチ以下、約6インチ以下、約5インチ以下、約4インチ以下、約3インチ以下、約2インチ以下、または約1インチ以下の長さを有してもよい(1インチは25.4mm)。いくつかの実施形態では、繊維はまた、少なくとも約1インチ、少なくとも約2インチ、少なくとも約3インチ、少なくとも約4インチ、少なくとも約5インチ、少なくとも約6インチ、少なくとも約7インチ、少なくとも約8インチ、少なくとも約9インチ、少なくとも約10インチ、少なくとも約11インチ、少なくとも約12インチなどの長さ、および/またはこれらのいずれかの組み合わせを有してもよい(例えば、材料内の繊維は、約3インチ~約8インチの間の長さを有してもよい)。複数の繊維タイプが材料内に存在する場合、繊維タイプは、独立して、同じまたは異なる長さを有することができる。材料内の異なる長さを有する繊維はまた、独立して、同じ組成または異なる組成を有することができる。更に、長さは実質的に同じであってもよいし、材料内の実質的に同じ組成を有する繊維タイプについて長さの範囲が存在してもよい。
【0026】
加えて、いくつかの実施形態では、材料は、1つ以上の「重さ」、より正確には質量密度を有する繊維を含む。例えば、材料は、20デニール以下、18デニール以下、16デニール以下、15デニール以下、14デニール以下、13デニール以下、12デニール以下、11デニール以下、10デニール以下、9デニール以下、8デニール以下、7デニール以下、6デニール以下、5デニール以下、4デニール以下、3デニール以下、2.5デニール以下、2デニール以下、1.5デニール以下、1デニール以下、0.5デニール以下、0.3デニール以下、0.2デニール以下、0.1デニール以下、または0.05デニール以下の平均線質量密度を有する繊維を含んでもよい(1デニールは、繊維の9,000リニアメーターに対するグラム質量で、比率で表すと繊維の平均線質量密度となる。)。場合によっては、材料は、少なくとも0.05デニール、少なくとも0.1デニール、少なくとも0.2デニール、少なくとも0.3デニール、少なくとも0.5デニール、少なくとも1デニール、少なくとも1.5デニール、少なくとも2デニール、少なくとも2.5デニール、少なくとも3デニール、少なくとも4デニール、少なくとも5デニール、少なくとも6デニール、少なくとも7デニール、少なくとも8デニール、少なくとも9デニール、少なくとも10デニール、少なくとも11デニール、少なくとも12デニール、少なくとも13デニール、少なくとも14デニール、少なくとも15デニール、少なくとも16デニール、少なくとも18デニール等の平均線質量密度を有する繊維を含む。これらのいずれかの好適な組み合わせも他の実施形態において企図され、例えば、材料は、2デニールを超え、かつ6デニール未満の平均線質量密度を有する繊維を含んでもよい。更に、材料内の実質的に同じ組成を有する繊維について、密度は実質的に同じであってもよいし、密度の範囲が存在してもよい。
【0027】
いくらかの実施形態では、材料は疎水性であるか、または例えば撥水剤を用いて疎水性にするように処理されている。例えば、材料は、約75°より大きい、約90°より大きい、約100°より大きい、約120°より大きい、約135°より大きい等の水接触角を有してもよい。好適な処理剤または撥水剤の例としては、これらに限定されないが、フルオロアルキルエステル、パーフルオロアクリレート、三フッ化炭化水素、四フッ化炭化水素、フッ化アクリレート、パーフルオロアクリレートなどのフッ素化炭化水素(例えば、3、4、5、6、7、または8個の炭素を有する)、反応性有機シリコーンなどのシリコーン類、ポリジメチルシロキサンまたはポリメチル水素シロキサンなどのポリシロキサン類、または同様のものなどが挙げられる。一組の実施形態では、材料は疎水性または撥水性であり、および/または、例えばASTM D2842吸水試験(Standard Test Method for Water Absorption of Rigid Cellular Plastics)に記載されているように、96時間後に4重量%未満の水を吸収するように処理される。
【0028】
いくつかの態様において、繊維は、不織材料などの材料に形成される。このような繊維は、様々な技術を使用して材料に形成することができる。例えば、材料は、いくらかの実施形態において、ニードルパンチまたはニードルフェルトなどの技術を使用して本明細書中に記載されるような繊維から作製され得る不織部分を含んでいてもよい。不織材料を形成するための他の方法には、ハイドロエンタングルメント、または超音波結合を含む。不織材料料を形成するための方法の更に他の非限定的な例としては、化学結合(例えば、水、接着剤などの好適な結合剤を使用する)、スピン結合、フラッシュスピニング、メルトブロー、酸結合、熱結合(例えば、高ロフト熱結合を含む)、点結合などが挙げられる。当業者であれば、繊維を不織材料に形成するためのこれらおよび他の様々な方法を知っている。
【0029】
加えて、繊維の少なくとも一部は、いくらかの実施形態に従って、織物材料に形成することができる。本明細書中に記載されるような繊維は、様々な技術を使用して材料に形成することができる。例えば、繊維は、織物または相互織物、編み物、編み込み、絡み合い、ねじれ、相互ループなどの技術を使用して、織物または層を形成するために共に織られてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、材料は、不織材料を含む部分、および/または織物材料を含む部分、および/または発泡体等の他の材料を含む部分を含んでもよい。例えば、不織材料と織物材料は、例えば、ニードルパンチ、ニードルフェルト、接着剤、ハイドロエンタングルメント、超音波接合、または本明細書中に記載されるような他の技術を使用して、共に接合されてもよい。
【0031】
材料は、任意の好適な形状またはサイズを有してもよい。場合によっては、材料は、実質的に平面であってもよいが、これは全ての実施形態に対する要件ではない。例えば、いくつかの用途では、材料は、特定の用途に有用な特定の形状(例えば、不規則な形状、平面曲線、マニホールドなど)などの、異なる構成を有するように成形または成型されてもよい。
【0032】
材料は、例えば、材料が実質的に平面である場合、任意の好適な厚さまたは最小の寸法を有することができる。例えば、材料の最小寸法は、少なくとも約0.01インチ、少なくとも約0.02インチ、少なくとも約0.03インチ、少なくとも約0.05インチ、少なくとも約0.1インチ、少なくとも約0.25インチ、少なくとも約0.5インチ、少なくとも約0.75インチ、少なくとも約1インチ、少なくとも約1.25インチ、少なくとも約1.5インチ、少なくとも約1.75インチ、少なくとも約2インチ、少なくとも約2.25インチ、少なくとも約2.5インチ、少なくとも約2.75インチ、少なくとも約3インチ、少なくとも約3.5インチ、少なくとも約4インチ、少なくとも約4.5インチ、少なくとも約5インチ、少なくとも約6インチ、少なくとも約7インチ、少なくとも約8インチ、少なくとも約9インチ、少なくとも約10インチ、少なくとも約12インチ等であってもよい。更に、場合によっては、材料は、約13インチ以下、約12インチ以下、約10インチ以下、約9インチ以下、約8インチ以下、約7インチ以下、約6インチ以下、約5インチ以下、約4.5インチ以下、約4インチ以下、約3.5インチ以下、約3インチ以下、約2.75インチ、約2.5インチ以下、約2.25インチ以下、約2インチ以下、約1.75インチ以下、約1.5インチ以下、約1.25インチ以下、約1インチ以下、約0.75インチ以下、約0.5インチ以下、約0.25インチ以下、約0.1インチ以上、約0.05インチ以上、約0.03インチ以上、約0.02インチ以上等であってもよい。いくつかの実施形態では、材料は、これらの範囲の任意の好適な組み合わせの中に入り、例えば、厚さまたは最小寸法が0.5インチ~2インチの間にある。
【0033】
いくらかの実施形態において、材料は、比較的低い繊維密度を有することができる構造を有してもよい。これにより、いくつかの実施形態では、材料は比較的軽量でありながら強度があり、そのような材料を、様々な異なる用途に使用することができる。
【0034】
材料の繊維密度は、様々な方法で決定することができる。例えば、一組の実施形態では、材料の密度または目付が決定されてもよい。例えば、材料は、少なくとも0.2オンス/平方ヤード、少なくとも0.4オンス/平方ヤード、少なくとも0.5オンス/平方ヤード、少なくとも0.6オンス/平方ヤード、少なくとも0.8オンス/平方ヤード、少なくとも1.0オンス/平方ヤード、少なくとも1.2オンス/平方ヤード、少なくとも1.4オンス/平方ヤード、少なくとも1.5オンス/平方ヤード、少なくとも1.6オンス/平方ヤード、少なくとも1.7オンス/平方ヤード、少なくとも1.8オンス/平方ヤード、少なくとも2.0オンス/平方ヤード、少なくとも2.2オンス/平方ヤード、少なくとも2.4オンス/平方ヤード、少なくとも2.5オンス/平方ヤード、少なくとも2.6オンス/平方ヤード、少なくとも2.8オンス/平方ヤード、少なくとも3.0オンス/平方ヤード、少なくとも3.2オンス/平方ヤード、少なくとも3.3オンス/平方ヤード、少なくとも3.4オンス/平方ヤード、少なくとも3.5オンス/平方ヤード、少なくとも3.6オンス/平方ヤード、少なくとも3.8オンス/平方ヤード、少なくとも4.0オンス/平方ヤード、少なくとも5.0オンス/平方ヤード、少なくとも7オンス/平方ヤード、少なくとも10オンス/平方ヤード、少なくとも15オンス/平方ヤード、少なくとも20オンス/平方ヤード、少なくとも25オンス/平方ヤード、少なくとも30オンス/平方ヤード、少なくとも35オンス/平方ヤード、少なくとも40オンス/平方ヤード、少なくとも45オンス/平方ヤード、少なくとも50オンス/平方ヤード等の目付を示してもよい。更に、いくらかの実施形態において、目付は、50オンス/平方ヤード以下、45オンス/平方ヤード以下、40オンス/平方ヤード以下、35オンス/平方ヤード以下、25オンス/平方ヤード以下、20オンス/平方ヤード以下、15オンス/平方ヤード以下、10オンス/平方ヤード以下、7オンス/平方ヤード以下、5.0オンス/平方ヤード以下、4.5オンス/平方ヤード以下、4.0オンス/平方ヤード以下、3.8オンス/平方ヤード以下、3.6オンス/平方ヤード以下、3.5オンス/平方ヤード以下、3.4オンス/平方ヤード以下、3.3オンス/平方ヤード以下、3.2オンス/平方ヤード以下、3.0オンス/平方ヤード以下、2.8オンス/平方ヤード以下、2.6オンス/平方ヤード以下、2.5オンス/平方ヤード以下、2.4オンス/平方ヤード以下、2.2オンス/平方ヤード以下、1.8オンス/平方ヤード以下、1.6オンス/平方ヤード以下、1.5オンス/平方ヤード以下、1.4オンス/平方ヤード以下、1.2オンス/平方ヤード以下、1.0オンス/平方ヤード以下、0.8オンス/平方ヤード以下、0.6オンス/平方ヤード以下、0.5オンス/平方ヤード以下、0.4オンス/平方ヤード以下、0.2オンス/平方ヤード以下などであってもよい。これらの任意の組み合わせが可能である。例えば、材料は、0.4オンス/平方ヤード~3.5オンス/平方ヤードの間、1オンス/平方ヤード~2オンス/平方ヤードの間、2オンス/平方ヤード~3オンス/平方ヤードの間、0.8オンス/平方ヤード~1.5オンス/平方ヤードの間、0.8オンス/平方ヤード~1.2オンス/平方ヤードの間、0.5オンス/平方ヤード~1オンス/平方ヤードなどの密度を示してもよい。別の例として、材料は、1.7オンス/平方ヤード~3.3オンス/平方ヤードの間の密度を示してもよい(1オンスは28.3495g、1ヤードは0.9144m)。更に、材料は、例えば不織材料および/または織物材料から形成される、組成物内に1以上の層を含んでもよいと解されるべきである。加えて、目付は、場合によっては、未処理の材料または処理された材料、例えば、ポリエチレンオキシドなどの親水性ポリマーによる処理を含む材料に対して決定されてもよい。例えば、一組の実施形態において、上記の目付は、未処理の材料についてのものである。
【0035】
いくつかの実施形態では、気体または液体などの流体は、材料中の繊維間の空間を通って流れることができ、空間は、気体が流れることができる同等の直径または多孔度を有するものとして特徴付けられることがある。従って、別の一連の実施形態では、不織材料および/または織物材料などの材料の繊維密度は、材料の多孔度に基づいて決定することができる。材料内の多孔度は、当業者に知られている任意の好適な技術、例えば、顕微鏡法または電子顕微鏡法、毛細管流動細孔測定(capillary flow porometry)等により決定することができる。例えば、一組の実施形態では、材料は、顕微鏡検査によって決定された数平均多孔度(孔径は孔の最小断面寸法である)、または細孔測定によって決定された平均フロー孔径が、約1cm未満、約5mm未満、約3mm未満、約1mm未満、約0.5mm未満、または約0.3mm未満を有する。平均多孔度はまた、約100μm未満、約90μm未満、約80μm未満、約70μm未満、約60μm未満、約50μm未満、約40μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、約10μm未満、約5μm未満、約1μm未満などであってもよい。材料はまた、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、少なくとも約60μm、少なくとも約70μm、少なくとも約80μm、少なくとも約90μm、少なくとも約100μm、少なくとも約300μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約3mmなどの多孔度を有することができる。これらのいずれかの組み合わせも可能であり、例えば、材料は、1つの実施形態において、約30μm~約1ミリメートルの間の多孔度を有してもよい。
【0036】
更に別の一連の実施形態では、材料の密度は、通気度を用いて決定されてもよい;例えば、材料は、空気が材料を通って容易に流れることができるように十分に低い繊維の密度を有することができる。これを測定する1つの方法は、77°F(25℃)で水の0.5インチの差圧(124Pa)を材料全体にかけて、材料を通る通気度を決定することである。(水の差圧1インチは248.84Pa)。このような通気度は、例えば、本明細書中に記載されるような任意の処理後の最終材料を用いて決定することができる。場合によっては、これは、0.01インチ~0.1インチの間の厚さ、または本明細書中に記載されるような他の厚さを有する材料について決定されてもよい。例えば、いくつかの場合において、材料の通気度は、少なくとも5CFM/平方フィート(即ち、立方フィート/分/平方フィート)(1分当たりの平方フィートで測定される表面積当たりのCFMまたは立方フィート)(1.5m/分/m)、場合によっては、少なくとも10立方フィート/分/平方フィート、少なくとも15立方フィート/分/平方フィート、少なくとも20立方フィート/分/平方フィート、少なくとも25立方フィート/分/平方フィート、少なくとも50立方フィート/分/平方フィート、少なくとも75立方フィート/分/平方フィート、少なくとも100立方フィート/分/平方フィート、少なくとも125立方フィート/分/平方フィート、少なくとも150立方フィート/分/平方フィート、少なくとも200立方フィート/分/平方フィート、少なくとも250立方フィート/分/平方フィート.少なくとも300立方フィート/分/平方フィート、少なくとも350立方フィート/分/平方フィート、少なくとも400立方フィート/分/平方フィート、少なくとも450立方フィート/分/平方フィート、少なくとも500立方フィート/分/平方フィート、少なくとも550立方フィート/分/平方フィート、少なくとも600立方フィート/分/平方フィート、少なくとも700立方フィート/分/平方フィート、少なくとも750立方フィート/分/平方フィート、少なくとも800立方フィート/分/平方フィート、少なくとも900立方フィート/分/平方フィート、少なくとも1000立方フィート/平方フィート等である。更に、いくらかの実施形態において、材料の通気度は、1000立方フィート/分/平方フィート以下、900立方フィート/分/平方フィート以下、800立方フィート/分/平方フィート以下、750立方フィート/分/平方フィート以下、700立方フィート/分/平方フィート以下、600立方フィート/分/平方フィート以下、550立方フィート/分/平方フィート以下、500立方フィート/分/平方フィート以下、450立方フィート/分/平方フィート以下、400立方フィート/分/平方フィート以下、350立方フィート/分/平方フィート以下。300立方フィート/分/平方フィート以下、250立方フィート/分/平方フィート以下、200立方フィート/分/平方フィート以下、150立方フィート/分/平方フィート以下、125立方フィート/分/平方フィート以下、100立方フィート/分/平方フィート以下。75立方フィート/分/平方フィート以下、50立方フィート/分/平方フィート以下、25立方フィート/分/平方フィート以下、20立方フィート/分/平方フィート以下、15立方フィート/分/平方フィート以下、10立方フィート/分/平方フィート以下、5立方フィート/分/平方フィート以下などであってもよい。これらの任意の組み合わせが可能である。例えば、材料は、50立方フィート/分/平方フィート~100立方フィート/分/平方フィートの間、200立方フィート/分/平方フィート~300立方フィート/分/平方フィートの間、100立方フィート/分/平方フィート~200立方フィート/分/平方フィートの間、500立方フィート/分/平方フィート~600立方フィート/分/平方フィートの間等の通気度を示してもよい。更に、材料は、場合によっては、その構造的完全性によって制限されることがあり、すなわち、繊維の密度が不十分な材料は、それ自体の重量を支えることができず、従って、その通気度を測定することができない。
【0037】
更に、一組の実施形態において、材料の通気度は、いかなる処理もない状態で決定することができる。例えば、材料は、例えば、繊維の少なくとも一部および/またはそれ自体に結合したポリエチレンオキシドなどの親水性ポリマーを含んでもよく、そのようなポリマーは、例えば、当業者に既知の方法を用いて、未処理材料の通気度を決定するために除去することができる。例えば、ポリエチレンオキシドを除去するために、過剰量のコハク酸ナトリウムの溶液への暴露を使用してもよく、次いで、処理除去後の材料を、通気度について評価してもよい。例えば、いくつかの場合には、処理除去後の材料の通気度は、少なくとも50立方フィート/分/平方フィート、少なくとも75立方フィート/分/平方フィート、少なくとも100立方フィート/分/平方フィート、少なくとも125立方フィート/分/平方フィート、少なくとも150立方フィート/分/平方フィート、少なくとも200立方フィート/分/平方フィート、少なくとも250立方フィート/分/平方フィート、少なくとも300立方フィート/分/平方フィート、少なくとも350立方フィート/分/平方フィート、少なくとも400立方フィート/分/平方フィート、少なくとも450立方フィート/分/平方フィート、少なくとも500立方フィート/分/平方フィート、少なくとも550立方フィート/分/平方フィート、少なくとも600立方フィート/分/平方フィート、少なくとも700立方フィート/分/平方フィート、少なくとも750立方フィート/分/平方フィート、少なくとも800立方フィート/分/平方フィート、少なくとも900立方フィート/分/平方フィート、少なくとも1000立方フィート/分/平方フィート等であってもよい。更に、いくらかの実施形態において、材料の通気度は、1000立方フィート/分/平方フィート以下、900立方フィート/分/平方フィート以下、800立方フィート/分/平方フィート以下、750立方フィート/分/平方フィート以下、700立方フィート/分/平方フィート以下、600立方フィート/分/平方フィート以下、550立方フィート/分/平方フィート以下、500立方フィート/分/平方フィート以下、450立方フィート/分/平方フィート以下、400立方フィート/分/平方フィート以下、350立方フィート/分/平方フィート以下。300立方フィート/分/平方フィート以下、250立方フィート/分/平方フィート以下、200立方フィート/分/平方フィート以下、150立方フィート/分/平方フィート以下、125立方フィート/分/平方フィート以下、100立方フィート/分/平方フィート以下。75立方フィート/分/平方フィート以下、50立方フィート/分/平方フィート以下、25立方フィート/分/平方フィート以下、20立方フィート/分/平方フィート以下、15立方フィート/分/平方フィート以下、10立方フィート/分/平方フィート以下、5立方フィート/分/平方フィート以下等であってもよい。これらの任意の組み合わせが可能である。例えば、材料は、50立方フィート/分/平方フィート~100立方フィート/分/平方フィートの間などの通気度を示してもよい。
【0038】
いくらかの態様に従って、材料内に他の材料を含んでもよい。例えば、一組の実施形態では、材料の疎水性および/または親水性を制御することが可能となる。いくらかの実施形態では、材料は疎水性または親水性であってよく、および/またはそれをより疎水性または親水性にするために処理されてもよい。例えば、より疎水性の材料については、約75°より大きい、約90°より大きい、約100°より大きい、約120°より大きい、約135°より大きい等の水接触角を有してもよく、より親水性の材料については、約100°未満、約90°未満、約75°未満、約60°未満、約45°未満、約30°未満等の水接触角を有してもよい。
【0039】
従って、いくらかの実施形態では、材料は、例えば、より疎水性または親水性にするために、何らかの方法で官能基化されてもよい。例えば、ポリマーなどの薬剤は、材料をより疎水性または親水性にするために、繊維の少なくとも一部および/またはそれ自体に結合され、および/またはコーティングされてもよい。そのような薬剤の非限定的な例としては、例えば、フルオロアルキルエステル、パーフルオロアクリレート、トリフルオロ化炭化水素、テトラフルオロ化炭化水素、フッ素化アクリレート、パーフルオロアクリレートなどの(例えば、3、4、5、6、7または8個の炭素を有する)フッ素化炭化水素、反応性オルガノシリコーン等のシリコーン類、ポリジメチルシロキサンまたはポリメチル水素シロキサン等のポリシロキサン類、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ホウ砂、クレー等を挙げることができる。従って、例えば、ポリエチレンオキシドなどのポリマーは、材料の繊維の少なくとも一部および/または、場合によってはそれ自身に結合され、および/または被覆されてもよい。これらなどの薬剤は、市販されている。例えば、ポリエチレンオキシドは、「Polyox」および「Ucarfloc」などの商品名で市販されている。
【0040】
一組の実施形態では、ポリマーは、例えば、特定の高分子量ポリマーの場合、粒子として材料に適用されてもよい。場合によっては、粒子は、比較的小さいおよび/またはより均一な粒子として適用されてもよい。そのような粒子分布は、例えば、篩い分けまたは濾過などの技術を使用して形成することができる。例えば、粒子は、1000μm未満、900μm未満、800μm未満、700μm未満、600μm未満、500μm未満、400μm未満、300μm未満、250μm未満、200μm未満、150μm未満、100μm未満、50μm未満、40μm未満、30μm未満、25μm未満、20μm未満、15μm未満、10μm未満などの平均粒子径を有するように適用されてもよい。
【0041】
いくらかの場合において、薬剤は、材料内の繊維の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または約100%に、化学的および/または物理的に結合されてもよい。薬剤は、材料の繊維の一部または全部に、例えば、内部で結合および/または被覆されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、薬剤の少なくとも一部は、材料の表面上のフィルムまたは被膜として存在してもよい。
【0042】
非限定的な例として、場合によっては、例えば水素結合によって、水を引き寄せることができ、および/または水と化学的に複合化することができる親水性ポリマーが使用されてもよい。例えば、いくらかの実施形態は、繊維および親水性ポリマーを、例えば、かなりの量の親水性ポリマーを放出することなく、水を保持することができる系に結合する樹脂を形成する化学マトリックスに関するものである。場合によっては、例えば、7(質量)ppm以下、6ppm以下、5ppm以下、4ppm以下、3ppm以下、2ppm以下、1ppm以下、700ppb以下、500ppb以下、300ppb以下、200ppb以下、100ppb以下、70ppb以下、50ppb以下、30ppb以下、20ppb以下、10ppb以下の親水性ポリマーを、上記材料に暴露された流体、例えば前述の炭化水素などの液体内に含んでもよい。場合によっては、例えば、現行の検出技術を使用して、流体内に親水性ポリマーがないか、または検出不可能な濃度で存在する場合がある。
【0043】
親水性ポリマーは、いくつかの実施形態において、水を引き寄せるために材料中に配置されてもよい。例えば、親水性ポリマーは、例えば、材料内に実質的に均一に結合されるように、等方性繊維または繊維のアレイ内に分散または組み込まれてもよい。材料への親水性ポリマーの結合は、化学的および/または物理的であってよく、本明細書中に記載の技術のいずれかが、そのような結合を引き起こすために使用されてもよい。場合によっては、結合は、例えば本明細書中に記載されているように、材料が多孔質または通気性のままであるようなものであってもよい。そのような材料は、その後、例えば、親水性ポリマーへの自由水の水素結合に起因して、液体から、例えば、水を引き付けるために使用することができ、例えば、炭化水素を含む液体のための回収用途において、液体から水を除去するために、および/または材料中を水が通過するのを防止するために、使用することができる。
【0044】
一組の実施形態において、親水性ポリマー、例えばポリエチレンオキシドの材料への結合の均一性は、水を材料に通過させることの難しさを決定することによって決定されてもよい。例えば、材料の試料を比較的高い圧力で水に暴露し、水の試料を通過する能力を用いて、結合の均一性を決定してもよい。例えば、親水性ポリマーが材料内に実質的に均一に分布していない実施形態は、被覆の「隙間(gaps)」となり、すなわち、水が比較的妨げられずに材料を通って浸透することができ、それによって比較的短時間で材料を横切る突破および通過を達成することをもたらす可能性がある。対照的に、より均一な結合は、少なくとも5分、少なくとも10分、少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間等の材料を通る水の輸送に対する抵抗をもたらす可能性がある。いくつかの実施形態において、試料は、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも0.1インチ、少なくとも0.25インチ、少なくとも0.5インチ、少なくとも1インチ、少なくとも1.5インチ、少なくとも2インチ等の厚さを有してよく、および/または3インチ以下、2インチ以下、1.5インチ以下、1インチ以下、0.5インチ以下、0.25インチ以下、0.1インチ以下等の厚さを有してよい。
【0045】
薬剤は、任意の好適な技術を用いて、例えば、化学的および/または物理的に、材料に結合されてもよい。薬剤は、任意の好適な形態、例えば、液体として、固体または粉末などとして、適用されてもよい。適用技術の1つの例として、散乱コーティングが挙げられる。場合によっては、ポリマー粉末は、例えば、回転散乱ローラー、散乱コーティング、スプレー付着などを用いてスプレーすることによって、材料上に散布または散乱されてもよく、散乱コーティング、スプレー付着などを使用してもよい。他の例としては、焼結技術が挙げられ、ここでは、熱および/または圧力を材料に加えて、例えば、化学的および/または物理的に、薬剤との結合を引き起こしてもよい。更に追加の非限定的な例としては、スピン結合、酸結合、熱結合、高ロフト熱結合、点結合などがある。様々な実施形態において、1つ、2つ、またはそれ以上のそのような技術が使用されてもよい。
【0046】
いくつかの場合において、薬剤は、例えば、化学的に材料に結合される。例えば、ポリエチレンオキシドのようなポリマーは、材料内の繊維に化学的に結合されるか、または官能基化されてもよい。結合させることができるポリマーは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、または本明細書中に記載される他の任意のポリマーを含む。
【0047】
ポリマーは、様々な実施形態に従って、任意の好適な分子量を有してもよい。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ある範囲の平均分子量(M、粘度平均分子量)および/または多分散度を有してもよい。非限定的な例として、いくつかの実施形態において、ポリエチレンオキシドは、少なくとも1,000、少なくとも3,000、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも30,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも300,000、少なくとも500,000、少なくとも1,000,000、少なくとも2,000,000、少なくとも3,000,000、少なくとも4,000,000、少なくとも5,000,000、少なくとも6,000,000、少なくとも7,000,000、少なくとも8,000,000、少なくとも9,000,000、少なくとも10,000,000、少なくとも11,000,000などの平均分子量を有してもよい。更に、いくつかの実施形態において、ポリエチレンオキシドは、12,000,000未満、11,000,000未満、10,000,000未満、9,000,000未満、8,000,000未満、7,000,000未満、6,000,000未満、5,000,000未満、4,000,000未満、3,000,000未満、2,000,000未満、1,000,000未満、500,000未満、300,000未満、100,000未満、50,000未満、30,000未満、10,000未満、5,000未満、3,000未満、1,000未満等の平均分子量を有してもよい。これらのうちの任意の組み合わせも、様々な実施形態において可能である。例えば、平均分子量は、5,000~10,000、100,000~500,000、5,000,000~12,000,000、5,000,000~7,000,000、9,000,000~11,000,000等であってもよい。別の例として、平均分子量は、7,000,000~9,000,000であってもよい。
【0048】
薬剤は、任意の好適な量または濃度で材料に適用することができる。例えば、0.01~0.1インチの厚さを有する材料に対して、薬剤は、少なくとも1g/平方ヤード、少なくとも2g/平方ヤード、3g/平方ヤード、少なくとも5g/平方ヤード、少なくとも10g/平方ヤード、少なくとも15g/平方ヤード、少なくとも20g/平方ヤード、少なくとも25g/平方ヤード、少なくとも30g/平方ヤード、少なくとも40g/平方ヤード、少なくとも50g/平方ヤード、少なくとも60g/平方ヤード、少なくとも70g/平方ヤード、少なくとも80g/平方ヤード、少なくとも90g/平方ヤード、少なくとも100g/平方ヤード、少なくとも120g/平方ヤード、少なくとも140g/平方ヤード、少なくとも160g/平方ヤード、少なくとも180g/平方ヤード、少なくとも200g/平方ヤード、少なくとも220g/平方ヤード、少なくとも240g/平方ヤード、少なくとも250g/平方ヤード、少なくとも300g/平方ヤード、少なくとも350g/平方ヤード、少なくとも400g/平方ヤード、少なくとも450g/平方ヤード、少なくとも500g/平方ヤード等の量で存在してもよい。更に、いくらかの実施形態では、薬剤は、500g/平方ヤード以下、450g/平方ヤード以下、400g/平方ヤード以下、350g/平方ヤード以下、300g/平方ヤード以下、250g/平方ヤード以下、240g/平方ヤード以下、220g/平方ヤード以下、200g/平方ヤード以下、180g/平方ヤード以下、160g/平方ヤード以下、140g/平方ヤード以下、120g/平方ヤード以下、100g/平方ヤード以下、90g/平方ヤード以下、80g/平方ヤード以下、70g/平方ヤード以下、60g/平方ヤード以下、50g/平方ヤード以下、40g/平方ヤード以下、30g/平方ヤード以下、25g/平方ヤード以下、20g/平方ヤード以下、15g/平方ヤード以下、10g/平方ヤード以下、5g/平方ヤード以下などで適用されてもよい。これらの任意の組み合わせが可能である。例えば、薬剤は、20g/平方ヤード~200g/平方ヤードの間、100g/平方ヤード~300g/平方ヤードの間、120g/平方ヤード~180g/平方ヤードの間、70g/平方ヤード~160g/平方ヤードの間、70g/平方ヤード~90g/平方ヤードの間などで適用されてもよい。
【0049】
一組の実施形態において、薬剤は、材料に実質的に均一に結合される。例えば、材料の異なる部分内の薬剤の濃度が、1未満、0.8未満、0.6未満、0.5未満、0.4未満、0.3未満、0.2未満、または0.1未満の変動係数を示すように薬剤が分散されてもよい。
【0050】
更に、いくらかの場合には、薬剤の均一性は実験的に決定されてもよい。例えば、材料の試料の片側に流体を置き、圧力下でもう片側に押し通してもよい。材料を通って流体を通過させるために実際に必要な圧力の量は、材料内の薬剤の均一性の関数である可能性があり、薬剤が存在しない領域は、流体が通過しやすい弱点である可能性がある。従って、流体輸送を引き起こすのに必要な圧力を決定することによって、薬剤の均一性を決定することができる。
【0051】
1つの例として、1つの実施形態では、材料は1インチの厚さを有してもよい。場合によっては、印加圧力は、少なくとも5psi(ゲージ圧)、少なくとも10psi、少なくとも20psi、少なくとも30psi、少なくとも40psi、少なくとも50psi、少なくとも60psi、少なくとも70psi、少なくとも80psi、少なくとも90psi、少なくとも100psi、少なくとも110psi、少なくとも120psi、少なくとも130psi、少なくとも140psi、少なくとも150psi、少なくとも160psi、少なくとも170psi、少なくとも180psi、少なくとも190psi、少なくとも200psi、少なくとも250psi、少なくとも300psi、少なくとも350psi、少なくとも400psi、少なくとも450psi、少なくとも500psi等であってもよい。しかし、場合によっては、流体が材料を通過し始めるまで、圧力を徐々に増加させてもよい。
【0052】
流体は、薬剤に対して非反応性のものであってもよいが、他の場合には、流体は薬剤と反応してもよい。このような流体は、薬剤と反応することによって、材料を弱めることができ、例えば、非反応性の流体と比較して、より低い圧力で流体の輸送を可能にすることができると解すべきである。しかしながら、薬剤のより均一な分布は、そのような材料が抵抗することを可能にする場合があり、これは、例えば、流体が材料を通過するために必要なより大きな圧力によって決定される場合がある。
【0053】
(例えば、薬剤、例えば、ポリエチレンオキシドに対して)非反応性流体の例には、これらに限定されないが、炭化水素および炭化水素系流体が含まれる。場合によっては、非反応性流体は、水に溶解せず、および/または非反応性流体は、水に暴露されると、分離するかまたは別の相を形成する。非反応性流体の具体的な非限定的な例としては、灯油、エタン、プロパン、航空ガソリン(またはアブガス)、ディーゼル燃料、ナフサ、ガソリン、ランプ油、鉱油、ナフサ、ジェット燃料、パラフィンなどが挙げられる。場合によっては、1つ以上のそのような流体の組み合わせが存在してもよい。
【0054】
(例えば、薬剤、例えば、ポリエチレンオキシドに対して)反応性流体の例には、これらに限定されないが、水または他の水性流体、例えば、ポリエチレンオキシドまたは本明細書中に記載されるなどの他の親水性ポリマーで溶解するか、または他の方法で反応することができるものが含まれる。いくつかの態様において、反応性流体は水に可溶であり、例えば、水から分離されない。
【0055】
ポリエチレンオキシドなどの薬剤でコーティングまたは結合することができる材料の非限定的な例としては、化学結合材料、スパンボンド材料、酸結合材料、熱結合材料、高ロフト熱結合材料、点結合材料、ハイドロエンタングル材料(例えば、プレーンおよびアパーチャハイドロエンタングル;aperture hydroentanglement)、ニードルパンチ材料(例えば、カード化ウェブ、エアレイドウェブを使用)、メルトブロー材料、連続気泡発泡体、織布ミクロンスクリーンなどがある。材料は、例えば、本明細書中に記載されているように、不織部分および/または織物部分を含んでもよい。
【0056】
前述のように、いくつかの態様において、熱および/または圧力を含む焼結技術が、例えば化学的および/または物理的に、薬剤との結合を引き起こすために材料に適用されてもよい。例えば、一組の実施形態では、熱を適用して、ポリエチレンオキシドなどの薬剤を材料に、例えば、化学的および/または物理的に(例えば、ポリエチレンオキシドの少なくともいくつかを材料の繊維上に溶融および固化させることによって)結合させてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、少なくとも約60°F、少なくとも約80°F、少なくとも約100°F、少なくとも約120°F、少なくとも約140°F、少なくとも約160°F、少なくとも約180°F、少なくとも約200°F、少なくとも約220°F、少なくとも約240°F、少なくとも約260°F、少なくとも約280°F、少なくとも約300°F、少なくとも約320°F、少なくとも約330°F、少なくとも約340°F、少なくとも約360°F、少なくとも約380°F、少なくとも約400°F等の温度に加熱されてもよい。しかしながら、場合によっては、温度は、約400°F以下、約380°F以下、約360°F以下、約340°F以下、330°F以下、約320°F以下、約300°F以下、約280°F以下、約260°F以下、約240°F以下、約220°F以下、約200°F以下、約180°F以下、約160°F以下、約140°F以下、約120°F以下、約100°F以下、約80°F以下等であってもよい。いくつかの実施形態では、これらの値のいずれかに含まれる温度、例えば、約180°F~340°Fの間にある温度まで加熱してもよい。
【0057】
いくらかの実施形態では、用途に応じて、熱を材料の実質的に全てまたは一部のみに適用することができる。従って、例えば、材料は実質的に均一に加熱することができるか、または材料の異なる部分に異なる温度を付すことができる。
【0058】
材料を加熱するために、任意の好適な技術を使用してもよい。好適な技術の例としては、これらに限定されないが、オーブンまたは他の密閉された温度制御環境内での加熱、電気抵抗加熱、放射加熱、放射線(例えば、赤外線)への暴露、例えば、直接表面接触による材料への熱源の適用などが挙げられる。加熱は、伝導、対流、放射、および/またはこれらの組み合わせ、若しくは他の技術によって行われてもよい。
【0059】
いくつかの場合において、比較的均一な方法で熱を加えてもよい。例えば、一組の実施形態では、材料のどの部分も、材料の平均温度よりも25°F以下、20°F以下、15°F以下、10°F以下、または5°F以下高い温度まで加熱されないように、および/または材料のどの部分も、材料の平均温度よりも25°F未満、20°F未満、15°F未満、10°F未満、または5°F未満低い温度に加熱されないように熱を加える。場合によっては、例えば、熱が比較的均一に加えられるように、加熱中に材料を冷却してもよい。例えば、比較的均一な加熱を確保するために、材料の周囲の空気を循環または対流させてもよい。
【0060】
加えて、いくつかの実施形態では、加熱の代わりに、または加熱に加えて、材料に圧力を加えてもよい。場合によっては、加熱および加圧は、同時に起こるか、または少なくとも部分的に時間的に重複してもよい。他の場合では、加熱および加圧は、順次起こる。材料に圧力を加えるために、空気圧で圧力を加える、機械的に圧力を加える、油圧で圧力を加える、材料を高圧ガス室に入れる、回転式プレスで圧力を加える、プラテンプレスで圧力を加えるなど、任意の好適な技術を用いてもよい。また、場合によっては、少なくとも部分的に内部で圧力を発生させてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、材料は発泡体を含む。連続気泡(open-cell)発泡体および独立気泡(closed-cell)発泡体(例えば、気泡を透過させるように改質したもの)、並びにそれらの組み合わせを含む、任意の好適な発泡体を使用することができる。物品が複数の独立気泡を含む場合、気泡は、実質的に同じまたは実質的に異なる体積、形状、または寸法を有してもよい。発泡体はまた、任意の平均気泡サイズを有してもよく、これは、例えば顕微鏡技術などの当業者に既知の技術を使用して容易に決定することができる。例えば、発泡体は、約1cm未満、約5mm未満、約3mm未満、約1mm未満、約0.5mm未満、約0.3mm未満、または約0.2mm未満の顕微鏡によって決定される数平均気泡サイズ(気泡サイズは気泡の最小断面寸法である)または細孔測定によって決定される平均流動孔径を有することができる。平均気泡サイズはまた、約100μm未満、約90μm未満、約80μm未満、約70μm未満、約60μm未満、約50μm未満、約40μm未満、約30μm未満、約20μm未満、約10μm未満などであってもよい。発泡体はまた、場合によっては、少なくとも約10μm、少なくとも約20μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、少なくとも約60μm、少なくとも約70μm、少なくとも約80μm、少なくとも約90μm、少なくとも約100μm、少なくとも約200μm、少なくとも約300μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約3mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cmなどの平均気泡サイズを有してもよい。発泡体はまた、上記記載の範囲の任意の2つの間に入る平均気泡サイズを有することができ、例えば、発泡体は、約1mm~約5mmの間の平均気泡サイズを有することができる。平均気泡サイズを決定するために、顕微鏡法または電子顕微鏡法、毛細管流動細孔測定等の当業者に既知の技術が使用されてもよい。
【0062】
発泡体は、場合によっては、実質的に難燃性であってもよく、および/または発泡体は、例えば、発泡体内の気泡の存在に起因して、防音性であってもよい。例えば、発泡体は、空気等の気体に対して比較的低い透過性を有することができる。発泡体はまた、いくらかの実施形態において構造的支持を提供することができる。例えば、発泡体は、材料に剛性または構造的安定性を提供することができる。発泡体はまた、自己支持性または耐荷重性であってもよい。しかしながら、他の場合、発泡体は、可撓性または容易に変形可能である。使用できる発泡体の非限定的な例としては、これらに限定されるものではないが、Styrofoam(または発泡スチレン)などのポリマー発泡体、ポリウレタン発泡体、ポリフッ化ビニリデン発泡体、ポリイミド発泡体、ラテックス発泡体、ポリエーテルイミド発泡体、メラミン発泡体などが挙げられる。発泡体は、これらのポリマーのうちの1つのみを含むものであってもよく、或いは場合によっては、発泡体はこれらのポリマーのうちの2つ以上を含むものであってもよい。発泡体はまた、場合によっては、合成発泡体であってもよく、および/または発泡体は、他の材料、例えば、セノスフェア(または浮灰)、ガラス微小球、炭素微小球、ポリマー微小球等を含んでもよい。微小球は、存在する場合、中実であっても中空であってもよい。発泡体は、様々な実施形態に従って、不織材料および/または織物材料に付着されてもよい。
【0063】
いくらかの実施形態では、ポリエチレンオキシドなどの薬剤を材料に結合させるために、圧力を加えてもよい。場合によっては、例えば、圧力を加えるのと同時におよび/または順次に、任意の好適な順序で、熱も加えてもよい。例えば、空気圧で、機械的に、油圧で、および/または高圧ガス室に材料を配置することによって、圧力を加えてもよい。更に、場合によっては、少なくとも部分的に内部で圧力を発生させてもよい。
【0064】
圧力は、用途に応じて、材料の実質的に全てに加えられても、または一部のみに加えられてもよい。一組の実施形態では、印加圧力は、少なくとも5psi(ゲージ圧)、少なくとも10psi、少なくとも20psi、少なくとも30psi、少なくとも40psi、少なくとも50psi、少なくとも60psi、少なくとも70psi、少なくとも80psi、少なくとも90psi、少なくとも100psi、少なくとも110psiであってよい。少なくとも120psi、少なくとも130psi、少なくとも140psi、少なくとも150psi、少なくとも160psi、少なくとも170psi、少なくとも180psi、少なくとも190psi、少なくとも200psi、少なくとも250psi、少なくとも300psi、少なくとも350psi、少なくとも400psi、少なくとも450psi、少なくとも500psi等であってもよい (1psiは6894.757Pa)。圧力はまた、いくつかの実施形態において、500psi以下、450psi以下、400psi以下、350psi以下、300psi以下、250psi以下、200psi以下、190psi以下、180psi以下、170psi以下、160psi以下、150psi以下、140psi以下、130psi以下、120psi以下、110psi以下、105psi以下、100psi以下、90psi以下、80psi以下、70psi以下、60psi以下、50psi以下、40psi以下、30psi以下、20psi以下、10psi以下、5psi以下等であってよい。更に、圧力は、これらの値のいずれかの範囲内に含まれてもよく、例えば、100psi~120psi、20psi~120psi、20psi~80psi、40psi~60psiの圧力であってよい。更に、いくつかの実施形態において、材料の異なる部分は、異なる圧力、例えば、上記圧力のいずれかに付されてもよい。
【0065】
そのような熱および/または圧力を、任意の好適な時間加えてもよい。熱および/または圧力は、定常的に加えられてもよく、場合によっては、熱および/または圧力は、時間に対して変化してもよい。熱と圧力の両方が使用される場合、それぞれが加えられる時間は同じでも異なっていてもよく、1つ以上は、例えば、約1分未満、約45秒未満、約30秒未満、約20秒未満、約15秒未満、約10秒未満、または5秒未満とすることができる。熱および圧力のうちの1つ以上が独立して加えられることができる時間の他の非限定的な例としては、約1分以上、約2分以上、約3分以上、約4分以上、約5分以上、約6分以上、約7分以上、約8分以上、約9分以上、約10分以上、約12分以上、約15分以上、約20分以上、約25分以上、約30分以上、約35分以上、約40分以上、約45分以上、約50分以上、約55分以上、約60分以上が挙げられる。
【0066】
場合によっては、熱および/または圧力は、例えば、不織材料および/または織物材料などの材料に連続的に加えてもよい。例えば、材料のロールを巻き戻し、プレス機および/またはヒーターに直線的に通し、材料が通過する際に熱および/または圧力を加えることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、加熱および/または圧力に加えて、またはその代わりに、例えば、剛性または構造安定性を高めるために、他の処理(またはプロセス)を材料に適用することもできる。例としては、これらに限定されないが、電磁エネルギー(例えば、熱、紫外線など)、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)、化学的強化(例えば、他の結晶構造、樹脂などとの塩処理(salting))、および/または物理的処置(例えば、伸長、圧縮、延伸など)が挙げられる。これらの処理の1つ以上を、材料が形成される前、間、または後に材料に行ってもよい。場合によっては、これらを連続的に、または同時になど行ってもよい。
【0068】
例えば、一組の実施形態では、超音波を材料に適用する。超音波は、任意の好適な周波数、例えば、少なくとも約15kHz、少なくとも約20kHz、少なくとも約25kHz、少なくとも約30kHz、少なくとも約35kHz、少なくとも約40kHz、少なくとも約45kHz、少なくとも約50kHzなどを有してよく、任意の好適な技術、例えば、市販のものなどの超音波振動子(またはトランスデューサ、変換器)を用いて適用してもよい。いくつかの場合において、周波数は、約60kHz以下、約50kHz以下、約45kHz以下、約40kHz以下、約35kHz以下、約30kHz以下、約25kHz以下、約20kHz以下などである。更に、電力は、少なくとも約50W、少なくとも約75W、少なくとも約100W、少なくとも約150W、少なくとも約200Wなどであってもよい。また、超音波は、任意の長さの時間、例えば、約5分以上、約10分以上、約12分以上、約15分以上、約20分以上、約25分以上、約30分以上、約35分以上、約40分以上、約45分以上、約50分以上、約55分以上、約60分以上など適用することが可能である。
【0069】
また、別の例として、場合によっては、剛性を高めるために樹脂を材料に添加してもよい。使用できる樹脂の例としては、これらに限定されないが、フェノール樹脂、アセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリカ樹脂、ウレタン樹脂、溶剤含浸型樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。更に、いくつかの実施形態では、材料は、その通気度を変化させることができる化合物、例えば、ある種の無機化合物を含むこともできる。
【0070】
一組の実施形態では、材料は、材料を通る熱伝達を低減するため、および/または材料を通る火災の広がりを抑制または抵抗するために処理してもよい。例えば、様々な難燃剤のいずれかを使用して材料を処理することができ、難燃剤は、材料が形成される前および/または後に添加することができる。難燃剤は、例えば、材料を形成するために組み立てる前に繊維に適用してもよく、または形成後の材料は、任意の好適な技術によって難燃剤に晒すことができる。いくつかの実施形態では、難燃剤を材料に噴霧してもよく、材料を(例えば、好適な容器内に収容された)難燃剤に浸しても、または浸漬してもよく、難燃剤を材料に塗装してもよく、難燃剤を材料に静電結合してもよい等である。繊維は、場合によっては、難燃剤を部分的または完全に含浸させることができ、および/または難燃剤が、材料内の1つ以上の繊維の周りにシェルまたはコーティングを形成してもよい。場合によっては、繊維は難燃剤で飽和している。
【0071】
難燃剤の例としては、それらに限定されないが、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウム三水和物、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハンタイト(huntite)、ハイドロマグネサイト、水和物、赤リン、ホウ酸亜鉛またはホウ酸ナトリウムなどのホウ素化合物、炭酸亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンチモン、炭酸アルミニウムなどの鉱物;クロレンド酸誘導体、塩素化パラフィンなどの有機塩素系化合物;ポリ臭化ジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエタン、ヘキサブロモブテン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、臭素化脂肪族ポリオール、ポリエーテルトリオール、オクタブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモジフェニルエーテル、完全臭化ジフェノキシベンゼン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモジフェニルエーテル、(ビスペンタブロモフェニル)エタン、臭化トリメチルフェニルインデン、テトラブロモビスフェノールA、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ポリジブロモフェニレンオキシド、テトラブロモフタル酸無水物、1,2‐ビス(テトラブロモフタルイミド)エタン、テトラブロモフタル酸ジオール、テトラブロモフタル酸エステル、テトラブロモビスフェノールA、ポリジブロモフェニレンオキシド、臭素化ポリスチレン、ポリ(ペンタブロモベンジル)アクリレート、臭素化ポリスチレン、臭素化カーボネートオリゴマー、臭素化エポキシオリゴマー、テトラブロモフタル酸無水物、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカンなどの有機臭素化合物;スルファミン酸またはスルファミン酸塩;スルファミド;またはトリス(2,3‐ジブロモプロピル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、リン酸メラミン、リン酸トリ‐о‐クレジル、メチルホスホン酸ジメチル、ホスフィネート、リン酸トリ‐m‐クレジル、リン酸トリス(2‐クロロプロピル)、リン酸トリス‐(1,3‐ジクロロ‐2‐プロピル)、リン酸トリス(クロロエチル)、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸トリ‐p‐クレジル、トリスクロロプロピルホスフェート、トリス(クロロイソプロピル)ホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、テトラキス(2‐クロロエチル)ジクロロイソペンチルジホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナンスレン‐10‐オキシド、6‐(2,5‐ジヒドロキシフェニル)‐6H‐ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン‐6‐オキシド、テトラフェニルレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)などの有機リン系または有機リン酸化合物が挙げられる。更に、これらおよび/または他の難燃剤のいずれかの組み合わせも、他の実施形態において使用することができる。例えば、適用される難燃剤は、これらのいずれかの1つ、2つ、3つ、またはそれ以上、および/または他の難燃剤を含んでいてもよい。
【0072】
別の組の実施形態では、材料は、抗菌剤で処理されてもよい。抗菌剤、抗真菌剤、防腐剤などを含む、多種多様な抗菌剤のいずれかを使用してもよい。抗菌剤は、材料が形成される前および/または後に材料に添加してもよく、或いは形成後の材料を、噴霧または浸漬等の任意の好適な技術によって抗菌剤に暴露してもよい。
【0073】
抗菌剤の例としては、これらに限定されないが、乳酸、クエン酸、酢酸などの有機酸、およびそれらの塩;銅または銀などの金属(例えば、複合体中に含まれるものなどのポリマー内に含浸されてもよい);Silpure(銀も含む)、若しくは「Ultra-Fresh DM-25」または「Ultra-Fresh DW-56」(Thompson Research社);或いは、シナモン油、クローブ油、ユーカリ油、ニンニク油、オレガノ油、ラベンダー油、レレシュワ油、レモン油、レモンマートル油、ミント油、ニーム油、ブラッククミン油、オニオン油、ペパーミント油、サンダルウッド油、シデリティス(ironwort)、ティーツリー油、またはタイム油などの油が挙げられる。抗菌剤および防腐剤の例としては、これらに限定されないが、アルコール類;塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、オクテニジンなどの第4級アンモニウム化合物;ホウ酸;ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどのアルデヒド類;または、フェノール、о‐フェニルフェノール、クロロキシレノール、ヘキサクロロフェン、チモールなどのフェノール類などが挙げられる。抗真菌剤の非限定的な例としては、ティーツリー油、シンナムアルデヒド、シナモン精油、ホホバ油、ニーム油、ローズマリー油、モノセリンなどが挙げられる。
【0074】
いくつかの態様において、1つ以上の更なる材料を、材料に付着または固定化されてもよく、および/またはそうでなければ、最終複合材料中に存在してもよい。1つ以上の材料は、任意の好適な技術、例えば、接着、ニードリング、キルティング、ステッチボンド、ニードルパンチまたはニードルフェルト、熱結合、ハイドロエンタングルメント、超音波結合、化学結合、ラミネート、加熱、プレスなどによって、付着または固定化されてもよい。前述のように、材料は、様々な実施形態において、不織部分および/または織物部分を含んでもよい。
【0075】
以下の実施例は、本開示のいくらかの実施形態を例示することを意図しているが、本開示の全範囲を例示するものではない。
【0076】
2020年4月1日に出願され、D'Eliaらによる発明の名称「Materials, Including Nonwoven Materials, and Methods Thereof」の米国仮出願番号63/003,825号は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【実施例
【0077】
(実施例1)
この実施例では、いくらかの実施形態に従って、結合(またはボンディング)の均一性を決定するための試験を例示する。この実施例は、材料に添加されるポリマーなどの薬剤の結合の程度または均一性がどのように決定または試験され得るかを例示する。例えば、量または分布の観点から薬剤の塗布のコンシステンシーを決定することができる。
【0078】
ここでは、薬剤(例えば、ポリエチレンオキシド)の分布を決定する試験方法の1つの例について記載する。この方法は、材料および/またはそれ自身に対する薬剤の分布または結合の程度を決定するために使用することができる。場合によっては、量または分布の観点から薬剤の塗布のコンシステンシーを決定することができる。
【0079】
この試験の1つの例には、円筒状体の直径によって定義される平面に沿って切断された本質的に2つに分割された円筒状体である装置を含む。材料のサンプルは、円筒状体の2つの半分の間にシールがあるように、2つの円筒状体の間に挟まれている。材料の厚さは、材料のプライ(層)当たり約0.1インチである。このシールの完全性は、試験の過程で円筒状体内部に加えられる圧力よりも大きい場合がある。
【0080】
円筒状体は、円筒状体の高さが垂直になるように取り付けられ、材料は水平面内に保持される。上側の円筒状体内に流体を導入し、材料の表面にかかるようにする。流体の量の例としては、流体に暴露される材料の体積の最低300%であるが、他の場合には、流体はこれより多くても少なくてもよく、例えば、円筒状体内の試験される材料の体積の最低100%、最低200%、最低400%、または最低500%であってもよい。
【0081】
1つの試験において、材料を通る薬剤(例えば、ポリエチレンオキシド)に対して非反応性流体の移動が決定される。非反応性流体(例えば、ポリエチレンオキシドなどの薬剤に対して)の例としては、ケロシン、または本明細書中に記載される他の材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。流体の体積は、円筒状体内で試験される材料の体積の少なくとも300%、または本明細書中に記載されているなどの他の体積であってよい。1つの非拘束例では、円筒状体の下半分を加圧し、材料を介して空気を円筒状体の通気度のある上半分に押し出し、そこで流体を通して泡立ち、大気中に逃げるようにしてもよい。例えば、圧力は、少なくとも1psi(ゲージ)、少なくとも2psi、少なくとも5psi、少なくとも10psi、少なくとも15psi、少なくとも20psi、少なくとも25psi、少なくとも30psi、少なくとも40psi、少なくとも50psi、少なくとも60psi、少なくとも75psi、少なくとも100psiなど(1psi=6894.76Pa)に上昇されてもよい。
【0082】
別の非拘束例では、非反応性流体は、例えば、本実施例に記載された体積まで、材料の表面に静止するように、円筒状体の上部に加えられる。円筒状体の上部は密閉され、円筒状体の下部は通気される。円筒状体の上部は、例えば、本実施例に記載された圧力まで加圧され、材料を通して、非反応性流体を通気された下部円筒状体に押し込むことができる。場合によっては、流体を材料に通すのに必要な圧力の大きさおよび/または持続時間は、試験流体に対する材料の有効性およびコンシステンシー(または一貫性)を定義するのに使用することができる。例えば、より均一に結合した薬剤を有する材料は、ブレークスルーが発生し、流体が材料を通過し始める前に、圧力の大きさまたは持続時間の増加を示す場合がある。
【0083】
別の試験では、材料に添加された薬剤の官能基価を決定することができる。薬剤(例えば、ポリエチレンオキシド)と相互作用することが知られている反応性流体を円筒状体の上半分に導入し、材料の表面上に静止させる。(例えば、ポリエチレンオキシドのような薬剤に対して)反応性流体の例には、これらに限定されないが、水が含まれる。流体の体積は、円筒状体内で試験される材料の体積の少なくとも300%、または本明細書中に記載されるような他の体積であってよい。円筒状体の上半分を加圧し、下半分を通気して、試験流体を材料に押し込む。試験流体を材料に押し込むのに必要な圧力の大きさおよび/または持続時間は、試験流体に対する材料の有効性およびコンシステンシーを定義するために用いてもよい。
【0084】
これらの試験は、他の力を考慮する必要がある。例えば、材料の上で反応流体を加圧すると、例えば、「a standard Mullen Burst or Ball Burst tests for textiles, reference test methodologies ASTM D774 and ASTM D3786」と同様の方法で膨張または破裂させることができる材料に物理的な力を付与する。このような材料の物理的な歪みは、試験の結果に直接影響を与える可能性がある。従って、上記差圧の下で材料が変形したり歪んだりしないように、大きなゲージのスクリーン(例えば、20メッシュのステンレス鋼)を材料の下に置いて、材料を支持し、スクリーンのメッシュは、材料を通過する流体の動きを著しく妨げない程度に大きい。
【0085】
(実施例2)
この実施例は、実施例1のシステムを使用して、材料に結合された薬剤の官能基価と分布を評価する例を提供する。材料は、ポリエチレンオキシドを塗布して結合させたPETおよびテンセル繊維を含む材料を用いて、前述の実施例に基づき調製した。ポリエチレンオキシドは水を複合化し、炭化水素系流体を複合化しない。2.5インチ×2.5インチの試料片を、内径1.5インチのアクリル製円筒状体を含む装置に取り付けた。パラフィンランプオイルを円筒状体の上部に導入し、材料の表面上に静止させた。その後、円筒状体の上部を密閉し、円筒状体の下部を通気した。
【0086】
次いで、圧縮空気を最大2psi(13,789.5Pa)まで上部円筒状体に導入する。ランプオイルは、材料を通して流した。
【0087】
次いで、上部円筒状体を減圧し、円筒状体の上半分に水を導入し、材料の表面上に静止させた。その後、円筒状体の上部を密閉し、円筒状体の下部を通気した。圧縮空気を、最小30psi(206,843Pa)で上部の円筒状体に導入した。最低5分間は、水が材料を通して、円筒状体の下半分に入らないようにする。
【0088】
場合によっては、ランプオイルと区別するために、水に少量の食品用染料を導入することができる。
【0089】
試験の受け入れ基準は、場合によっては、材料の設計、および材料に結合された薬剤に依存する可能性がある。
【0090】
本開示のいくつかの実施形態が本明細書中に記載および例示されたが、当業者は、機能を実行し、および/または結果および/または前述の1つ以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構造体を容易に予測し、そのような変形および/または改良はそれぞれ、本開示の範囲内であるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書中に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示であることを意味することを容易に理解し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、そのために本開示の教えが用いられる特定の用途または応用に依存することを容易に理解する。当業者は、日常的な実験のみを用いて、本明細書中に記載された本開示のいくらかの実施形態に対する多くの同等物を認識するか、または日常的な実験以上のことを用いずに確認することができる。従って、前述の実施形態は例示としてのみ提示され、特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で、本開示は、具体的に説明され、特許請求の範囲に記載された以外の方法で実施することができると理解されるべきである。本開示は、本明細書中に記載された、個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関する。また、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに矛盾しない場合には、本発明の範囲内に包含されている。
【0091】
本明細書と参照により援用される文書とが、矛盾するおよび/または整合しない開示を含む場合、本明細書が支配的であるものとする。参照により援用される2つ以上の文書が、互いに関して矛盾するおよび/または整合しない開示を含む場合、より遅い発効日を有する文書が支配するものとする。
【0092】
本明細書中で定義および使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により援用される文献内の定義、および/または定義された用語の通常の意味よりも優先されると理解されるべきである。
【0093】
本明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、不定冠詞「a」および「an」は、明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると解されるべきである。
【0094】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、句「および/または」は、結合した要素、即ち、ある場合には結合して存在し、他方で分離して存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると解されるべきである。明確に示されない限り、具体的に識別されたそれらの要素に関連するかまたは関連しないかを、「および/または」の文節によって具体的に識別された要素以外に、他の要素が任意に存在してもよい。従って、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」は、「~を含む」などのオープンエンドの語と合わせて使用される場合、1つの態様において、BなしのA(任意にB以外の要素を含む);別の態様において、AなしのB(任意にA以外の要素を含む);更に別の態様において、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む);などを意味する。
【0095】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、「または」は、上記定義した「および/または」と同じ意味を有すると解されるべきである。例えば、1つのリスト中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は包括的である、即ち、
多くの要素または要素のリストの、1つより多いも含む少なくとも1つ、任意に、リストに挙げられていない更なる項目を含むと解釈されるべきである。明確に示されている項目のみ、例えば、「~の内の1つのみ」または「~の内の正確に1つ」、或いは特許請求の範囲において使用される場合の「~から成る」は、多くの要素または要素のリストの内の正確に1つを含むことを意味する。一般的に、本明細書中で用いられる用語「または」は、「どちらか」、「~の内の1つ」、「~の内の1つのみ」または「~の内の正確に1つ」などの排他性を有する用語が先行する場合、排他的選択肢(即ち、「一方、または両方でない他方」)を示すものとして解釈されるのみである。特許請求の範囲において使用される場合の「本質的に~から成る」は、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有する。
【0096】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、1つ以上の要素の1つのリストに関する語句「少なくとも1つ」は、要素のリスト中の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると解されるべきであるが、要素のリスト内に具体的に挙げられたそれぞれの要素の少なくとも1つを必ずしも含んでおらず、かつ要素のリスト中の要素どうしの組み合わせを必ずしも除外しない。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が、具体的に識別されたそれらの要素に関連するかまたは関連しないかを意味する要素のリスト内で具体的に識別された要素以外に、要素が任意に存在してもよいことを可能にする。従って、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、或いは同等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの態様において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Bが存在しないA(任意にB以外の要素を含む);別の態様において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Aが存在しないB(任意にA以外の要素を含む);更に別の態様において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Aおよび任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、B(任意に他の要素を含む);などを意味することができる。
【0097】
本明細書中において、数に関して単語「約」が使用される場合、本開示の更に別の実施形態は、単語「約」の存在によって変更されないその数を含むと理解されるべきである。
【0098】
また、反対のことが明確に示されていない限り、複数の工程または行為を含む本明細書中に記載の方法において、方法の工程または行為の順序は、必ずしも工程または行為の順序に限定されないと解されるべきである。
【0099】
明細書中と同様に特許請求の範囲において、このような「~を含有する(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(carrying)」、「~を有する(having)」、「~を含有する(containing)」、「~を含む(involving)」、「~を含む(holding)」などのすべての移行句は、オープンエンドである、即ち、それらに限定されないが含むことを意味すると解される。移行句「~から成る」および「本質的に~から成る」だけは、「United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03」に記載されているように、それぞれクローズまたはセミクローズな移行句である。
【国際調査報告】