(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】金属薄板部材同士を結合して金属薄板スタックを形成するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01F 41/02 20060101AFI20230517BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20230517BHJP
B32B 37/12 20060101ALI20230517BHJP
H02K 15/02 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
H01F41/02 B
B32B15/08 A
B32B37/12
H02K15/02 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561075
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2021059118
(87)【国際公開番号】W WO2021204912
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520269008
【氏名又は名称】フェストアルピーネ オートモーティヴ コンポーネンツ デッティンゲン ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】voestalpine Automotive Components Dettingen GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Daimlerstrasse 29, 72581 Dettingen an der Erms, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘン ランクスヴァイアト
(72)【発明者】
【氏名】ハインリヒ ブルシー
【テーマコード(参考)】
4F100
5E062
5H615
【Fターム(参考)】
4F100AB01A
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA08A
4F100BA08B
4F100BA08C
4F100BA08D
4F100CB03B
4F100CB03C
4F100GB41
4F100GB51
4F100JL12B
4F100JL12C
4F100JL14D
5E062AA06
5E062AC03
5E062AC06
5E062AC11
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB02
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5H615PP02
5H615PP06
5H615SS03
5H615SS05
5H615SS10
5H615SS18
5H615SS24
(57)【要約】
金属薄板部材(2)同士を結合して金属薄板スタック(3)を形成するための装置および方法であって、この方法では、金属薄板部材(2)を電気ストリップ(5)からパンチ(13)を有する打抜き段(11)によって個別化し、特に切り離し、電気ストリップ(5)はその少なくとも1つの平坦面(6,7)に、好ましくは熱によって活性可能な溶融接着塗料層(8)、特にバックラック層を有し、個別化された金属薄板部材(2)を積層し、溶融接着塗料層(8)の活性化によって材料接続的に互いに結合して複数の金属薄板スタック(3)を形成し、金属薄板スタック(3)への積層された金属薄板部材(2)の分離を容易にするために、電気ストリップ(5)および/または個別化された金属薄板部材(2)に分離剤(17)を被着する、方法が示される。有利な状況を提供するために、打抜き段(11)のパンチ(13)は、分離剤(17)としての、特に液状の流体(17.1)を電気ストリップ(5)および/または個別化された金属薄板部材(2)に被着することが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属薄板部材(2)同士を結合して金属薄板スタック(3)を形成するための方法であって、金属薄板部材(2)を電気ストリップ(5)から、パンチ(13)を有する打抜き段(11)によって個別化し、特に切り離し、前記電気ストリップ(5)はその少なくとも1つの平坦面(6,7)に、好ましくは熱によって活性可能な溶融接着塗料層(8)、特にバックラック層を有し、個別化された前記金属薄板部材(2)を積層し、前記溶融接着塗料層(8)の活性化によって材料接続的に互いに結合して複数の金属薄板スタック(3)を形成し、金属薄板スタック(3)への積層された前記金属薄板部材(2)の分離を容易にするために、前記電気ストリップ(5)および/または前記個別化された金属薄板部材(2)に分離剤(17)を被着する、方法において、
前記打抜き段(11)の前記パンチ(13)は、分離剤(17)としての、特に液状の流体(17.1)を前記電気ストリップ(5)および/または前記個別化された金属薄板部材(2)に被着することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記パンチ(13)は、前記金属薄板部材(2)の個別化時に前記流体(17.1)を被着することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記パンチ(13)は、前記流体(17.1)の被着時に少なくとも1つのカッティングエッジ(13.2)で前記溶融接着塗料層(8)に密に接触し、ひいては、前記溶融接着塗料層における、前記流体(17.1)が被着される面(F)を少なくとも部分的に制限することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記流体(17.1)を接触押圧法で被着することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記パンチ(13)は、そのパンチ底部(13.1)に対して可動の、前記流体(17.1)を被着する押圧パンチ(20)、特に押圧パッドまたはフェルトを有することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記流体(17.1)を噴霧することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記パンチ(13)は、前記流体(17.1)を方形の衝突面で被着する少なくとも1つの噴霧ノズルを有することを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
金属薄板部材(2)同士を結合して金属薄板スタック(3)を形成するための装置であって、少なくとも1つの平坦面(6,7)が好ましくは熱によって活性可能な溶融接着塗料層(8,9)によって被覆された電気ストリップ(5)から金属薄板部材(2)を個別化するためのパンチ(13)を備えた打抜き段(11)を有する打抜き工具(10)と、個別化された前記金属薄板部材(2)を積層して複数の金属薄板スタック(3)を形成するための積層装置(16)と、分離剤を有し、該分離剤を前記電気ストリップ(5)および/または前記個別化された金属薄板部材(2)に被着し、これによって、金属薄板スタック(3)への積層された前記金属薄板部材(2)の分離を容易にするように構成された機構(18)と、を備える装置において、
前記打抜き段(11)の前記パンチ(13)は、特に液状の流体(17.1)として形成された前記分離剤(17)を前記電気ストリップ(5)および/または前記個別化された金属薄板部材(2)に被着するように構成された前記機構(18)を有することを特徴とする、装置。
【請求項9】
前記パンチ(13)は、パンチ底部(13.1)と少なくとも1つのカッティングエッジ(13.2)とを有し、前記カッティングエッジ(13.2)は、前記パンチ底部(13.1)から突出して、前記溶融接着塗料層(8)と共に前記流体(17.1)に対する封止面を形成するように構成されていることを特徴とする、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記機構(18)は、前記パンチ(13)に対して可動の、前記流体(17.1)を被着するための押圧パンチ(20)、特に押圧パッドまたはフェルトを有し、前記押圧パンチ(20)は、前記パンチ(13)の前記パンチ底部(13.1)に設けられた凹部(19)内に設けられていることを特徴とする、請求項8または9記載の装置。
【請求項11】
前記機構(18)は、前記流体(17.1)を被着するためのノズル、特にフラットジェットノズルを有することを特徴とする、請求項8または9記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属薄板部材同士を結合して金属薄板スタックを形成するための装置および方法であって、この方法では、金属薄板部材を電気ストリップから、パンチを有する打抜き段によって個別化し、特に切り離し、電気ストリップはその少なくとも1つの平坦面に、好ましくは熱によって活性可能な溶融接着塗料層、特にバックラック層を有し、個別化された金属薄板部材を積層し、溶融接着塗料層の活性化によって材料接続的に互いに結合して複数の金属薄板スタックを形成し、金属薄板スタックへの積層された金属薄板部材の分離を容易にするために、電気ストリップおよび/または個別化された金属薄板部材に分離剤を被着する、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融接着塗料層によって被覆された電気ストリップに分離剤を設けることが、例えば国際公開第2014089593号に基づき知られている。これによって、積層された金属薄板部材から金属薄板スタックを分離することが容易になる。例えば、分離剤が、金属薄板部材を電気ストリップから切り離して積層装置内に押し込む打抜き段の上流側で電気ストリップに噴霧される。
【0003】
つまり、分離剤の被着は、切離しに先行するステップで行われるので、分離剤の被着と順送り打抜き工具の制御とを同期するときの手間が増すことになる。さらに、被着後、電気ストリップは長手方向で最後の打抜き段に向かって移動するので、溶融接着塗料層における分離剤の位置決めが危険に曝されることがある。そして、その結果としての分離剤の不正確な被着が、積層された金属薄板スタック相互の分離を困難にしてしまうほか、1つの金属薄板スタックの金属薄板部材同士の結合が望ましくない形で減少する事態も招いてしまう。これは、方法の再現性を困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の課題は、先行技術のこのような方法を、その再現性に関して、金属薄板スタックの分離を容易にするための手段によって改善することである。さらに、この方法をより簡単に取り扱うことができるようにすることも求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、課された課題を請求項1の特徴によって解決する。
【0006】
打抜き段のパンチが、分離剤としての流体を電気ストリップおよび/または個別化された金属薄板部材に被着することによって、電気ストリップ上の分離剤が、電気ストリップの送り方向への運動に供されなくなり、また、電気ストリップの、その送り方向への運動が行われることなしに、分離剤を電気ストリップまたは個別化された金属薄板部材に被着することができる。これによって、特に分離剤の位置固定および特に正確な位置決め可能性を確保することができる。これは、流体が液体である場合に特に有利である。
【0007】
この効果は、金属薄板スタックの正確な分離可能性のほか、金属薄板スタック自体の安定性にも役立つ。なぜならば、分離剤が金属薄板部材の望ましくない領域に侵入することができなくなるかまたは電気ストリップの望ましい領域を越えて被着されることがなくなるからである。この危険は、特に流体が液体である場合に生じる。
【0008】
したがって、本発明に係る方法は、高い再現性を有することができる。さらに、この方法は比較的手間を要さない。なぜならば、最後の打抜き段のクロック調整によって、分離剤の被着を容易に制御することができるからである。
【0009】
金属薄板部材の個別化時にパンチが流体を被着すると、パンチ自体が、分離剤の被着を局所的に制限する制限体として働くことができる。これによって、方法の再現性をさらに改善することができる。
【0010】
パンチが、流体の被着時に少なくとも1つのカッティングエッジで溶融接着塗料層に密に接触し、ひいては、パンチが、溶融接着塗料層における、流体が被着される面を少なくとも部分的に制限すると、カッティングエッジが、分離剤が横方向に流出することを阻止するという可能性を得ることができる。これは、分離剤の確実かつ十分な被着をさらに容易にする。これによって、高い再現性を達成することができる。
【0011】
好ましくは、流体が、接触押圧法で被着される。これによって、分離剤を被着する精度を高めることができ、ひいては、金属薄板スタックへの金属薄板部材の正確な分離をさらに容易にすることができる。
【0012】
パンチが、そのパンチ底部に対して可動の、流体を被着する押圧パンチ、特に押圧パッドまたはフェルトを有すると、分離剤の被着をさらに容易にすることができ、しかも、電気ストリップまたは個別化された金属薄板部材の表面に凹凸がある場合でも、接触するパンチによって分離剤を十分に被着することができる。
【0013】
代替的に、つまり、接触式の上述したような分離剤の被着の代わりに、流体を噴霧することも考えられる。
【0014】
そのために、好ましくは、パンチが、流体を方形の衝突面で被着する少なくとも1つの噴霧ノズルを有している。
【0015】
本発明に課された更なる課題は、簡略化された構造を有しているにもかかわらず、互いに安定した状態で結合された金属薄板部材を金属薄板スタックに分離することができる、金属薄板部材同士を結合して金属薄板スタックを形成するための装置を提供することである。
【0016】
本発明は、この課された課題を請求項8の特徴によって解決する。
【0017】
打抜き段のパンチが、特に液状の流体として形成された分離剤を電気ストリップおよび/または個別化された金属薄板部材に被着するように構成された機構を有することによって、互いに結合された金属薄板部材を金属薄板スタックに正確に分離するために重要な金属薄板部材にだけ被覆を保証することができる。この手段は、パンチに比較的簡単に設けることもできるので、これにより、装置の構造が単純になる。
【0018】
好ましくは、パンチは、パンチ底部と少なくとも1つのカッティングエッジとを有し、カッティングエッジは、パンチ底部から突出して、溶融接着塗料層と共に流体に対する封止面を形成するように構成されている。これによって、カッティングエッジは、分離機能に対して付加的に、流体による溶融接着塗料層の被着を制限する働きもする。これは、分離剤の確実かつ十分な被着をさらに容易にする。これによって、高い再現性を達成することができる。
【0019】
機構が、パンチに対して可動の、流体を被着するための押圧パンチ、特に押圧パッドまたはフェルトを有し、押圧パンチが、パンチのパンチ底部に設けられた凹部内に設けられていると、装置は、被着の特に高い精度を得ることができる。本発明によれば、表面に凹凸がある場合でも、接触するパンチによって十分な量の分離剤を被着することを保証することができる。
【0020】
機構が、流体を被着するためのノズル、特にフラットジェットノズルを有することによって、分離剤の非接触式の被着形態も同様に考えられる。例えば、機構をパンチ底部において中心に配置することによって、電気ストリップおよび/または金属薄板部材における被覆すべき面にわたって分離剤を均一に分配することができる。
【0021】
図面において、例えば本発明の対象を1つの変化形態に基づき詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る方法を実施するための装置を概略的に示す図である。
【
図2】装置の他の運動位置における、
図1の打抜き段を示す詳細図である。
【
図4】他の形態で形成された金属薄板部材を示す、
図2に対する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1によれば、本発明に係る方法を実施するための装置1が概略的に示してある。この装置1は、打ち抜かれた金属薄板部材2同士を積層して金属薄板スタック3を形成するために用いられる。そのために、コイル4から電気ストリップ5が繰り出され、この電気ストリップ5はその平坦面6,7のうちの1つの平坦面に、本実施例では全面にわたって被着された熱硬化性の溶融接着塗料層8を有しているが、もちろん、溶融接着塗料から成る層が、両平坦面6,7に同様に全面にわたって設けられていてもよい。
【0024】
このような熱硬化可能なまたは熱硬化性の溶融接着塗料は、「バックラック(Backlack)」という名称でも知られている。例えば溶融接着塗料は、エポキシ樹脂ベースを有していてよい。好ましくは、溶融接着塗料は、例えばジシアンジアミドベースのような硬化剤を備えたビスフェノールベースのエポキシ樹脂系である。特に、上述した溶融接着塗料は、硬化剤としてジシアンアミドを備えたビスフェノールA型エピクロロヒドリン樹脂系であってよい。この二段硬化式のエポキシ樹脂系は、電気ストリップにB状態で存在している。したがって、部分架橋された溶融接着塗料は、なお反応性を有している。熱供給によって、B状態にある溶融接着塗料はさらに反応し、これによって完全架橋のC状態に移行することができ、これは焼付けとも呼ばれる。典型的には、この部分架橋された溶融接着塗料層は、数マイクロメートルの厚さを有している。
【0025】
溶融接着塗料で被覆された電気ストリップ5から、打抜き工具9によって複数の金属薄板部材2が個別化され、これは、全般的に述べたように、例えば切抜き、切り落とし、ノッチング、トリミング、分割、押出しなどのような切離しであってよい。
図1からさらに分かるように、ここでは例えば順送り打抜き工具または順送り複合工具である打抜き工具9が、複数回の行程で切離しを実施する。したがって、打抜き工具9は、2つよりも多くの打抜き段を有していてよい(これは図面には示されていない)。
【0026】
第1の打抜き段10によって、電気ストリップ5は打抜きのために準備され、例えば、この際、一部11が切り離され、これによって、金属薄板スタック3に切欠きを形成することができる。電気ストリップのこの前処理は、さらに金属薄板部材2を個別化するための金属薄板ストリップを準備する。
【0027】
次に、第2の打抜き段11で、電気ストリップ5から金属薄板部材2が切離しによって個別化される。このような切離しは、例えば述べたように、切抜き、切り落とし、ノッチング、トリミング、分割、押出しなどであってよい。
【0028】
両打抜き段10,11は、打抜き工具9の上側工具9.1に所属のパンチ12,13を有している。パンチ12,13は、打抜き工具9の下側工具9.2の各々のダイ14,15と協働する。
【0029】
打抜き段11によって個別化された金属薄板部材2は、上側工具9.1の押圧によって積層装置16内に押し込まれるか、またはそこで積層される。そのために、積層装置16は、下側工具9.2にガイドを有している。詳しく示されていない対応ホルダ10もガイドに設けられている。
【0030】
積層装置16がアクティブに加熱されてもよく、これによって、好ましくは不活性状態の溶融接着塗料層8を熱によって活性化させ、金属薄板部材2の間で接着剤結合または材料接続的な結合を行うことができ、つまり、熱硬化性の溶融接着塗料層をC状態に移行させることができる。このとき、金属薄板スタック3への金属薄板部材2の焼付けとも呼ばれるこの材料接続的な結合は、他の工具もしくは炉内でまたは熱としての別の形態のエネルギ供給によって行うことが考えられるが、このような結合形態は図示されていない。
【0031】
積層装置16から進出する互いに結合された金属薄板部材2をより容易に金属薄板スタック3へと分離できるようにするために、電気ストリップ5は、溶融接着塗料層8の、1つの金属薄板スタック3の最初または最後の金属薄板部材2であることが望ましい金属薄板部材2に位置する部分に分離剤17が被着されるように準備される。分離剤17として、本実施例では、液状の流体17.1、つまり液体が使用される。
【0032】
従来技術とは異なり、この被着は、第2の打抜き段11、つまり、金属薄板部材2を電気ストリップ5から切り離す段ひいては個別化を実施する打抜き段で行われる。本発明によれば、第2の打抜き段11のパンチ13が、この流体17.1を電気ストリップ5にかつ/または個別化された金属薄板部材2に被着する。好ましくは、この流体は溶融接着塗料層8に被着される。しかしながら、この流体を、電気ストリップ5および/または金属薄板部材2の被覆されていない平坦面または電気ストリップ5および/または金属薄板部材2の他の被覆層に被着することも考えられる。
【0033】
そのために、パンチ13は、パンチ底部13.1に設けられた凹部19に、つまり内方へのパンチ底部13.1の湾曲部または後退部に設けられ、流体17.1を接触押圧法で溶融接着塗料層8に被着する機構18を有しており、流体17.1を接触押圧法で溶融接着塗料層8に被着する。全般的に言えることであるが、流体17.1は電気ストリップ5および/または金属薄板部材2に被着され、これによって、次いで、流体17.1を、積層された2つの金属薄板部材2の間に位置させることができる。
【0034】
図2と、一部を示す図である
図3とからも部分的に認識できる押圧パンチ20は、流体17.1が含浸させられているかまたは流体17.1によって単に湿潤されており、溶融接着塗料層8に押し付けられる。そのために、押圧パンチ20は、パンチ13に対して運動し、つまり、電気ストリップ5の方向に直線的に移動する。パンチ13に流体を含浸させるために、パンチ13は押圧パッドまたはフェルトとして形成されていてよい。
【0035】
さらに、
図2および
図3から分かるように、この分離剤17は、パンチ13による金属薄板部材2の個別化時にまたは本実施例では切離し時に被着される。これによって、パンチ13の環状のカッティングエッジ13.2が接触圧を密封し、これによって分離剤17の流出が阻止される。パンチ底部13.1と環状のカッティングエッジ13.2との間には一種のキャビティが形成され、このキャビティは、接触圧を促進し、特に正確な押圧のためにも役立つ。これによって、流体17.1を所望の面Fにだけ供給するための高い再現性が保証される。
【0036】
同じことは、
図4に示した、例えばロータとして形成された他の金属薄板部材2に対しても言える。ここでも、機構18によって、所望の面Fにだけ流体17.1を供給することができる。
【0037】
金属薄板スタック3は、例えば電気機械でステータまたはロータとして使用することができる。しかしながら、例えば変換器、コイル等のための鉄心としてのこのような薄板スタックの他の使用目的も考えられる。
【国際調査報告】