(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】皮質安定化を伴う骨固定インプラント
(51)【国際特許分類】
A61B 17/68 20060101AFI20230517BHJP
【FI】
A61B17/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561472
(86)(22)【出願日】2021-04-08
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2021059195
(87)【国際公開番号】W WO2021204951
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522392852
【氏名又は名称】ロック-イン エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ラカーズ,ギヨーム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL28
4C160LL42
(57)【要約】
皮質安定化を伴う骨固定インプラント
本発明は、皮質安定化を伴う骨固定インプラントであって、内側に第1のねじ山(20)と外側に第2のねじ山(21)とを有する拡張可能なスリーブ(2)と、拡張可能なスリーブ(2)の内側プロファイルに相補的な外側プロファイルを有し、第2のねじ山(21)と逆のねじピッチを有する外側ねじ山(11)を有するねじ(1)と、を備える。
インプラントは、当該逆のねじを作動させることにより、折り畳まれた静止位置から展開した位置に切り替わり、拡張可能なスリーブ(2)へねじ(1)を貫通させ、遠位部分での変形によって拡張可能なスリーブ(2)の径方向の拡張を生じさせる。
展開した位置では、拡張可能なスリーブ(2)は、円錐台形状を有する。
ねじ(1)の近位部分は、外側骨固定ねじ山(15)と、展開した位置において拡張可能なスリーブ(2)の広がりとは逆に広がる円錐台形部分と、を含む。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定組織内に植え込むことができる皮質安定化を伴う骨固定インプラントであって、
第1の内径を有する近位部分(22)と、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を有する遠位部分(23)との間に延びている拡張可能なスリーブ(2)であって、前記2つの部分が長手方向軸(L)を画定し、前記第1及び第2の内径が前記拡張可能なスリーブ(2)の内側プロファイルを画定し、前記拡張可能なスリーブ(2)が、一方では、前記拡張可能なスリーブ(2)の内側に少なくとも第1のねじ山(20)を、他方では、前記拡張可能なスリーブ(2)の外側に少なくとも第2のねじ山(21)を備える、拡張可能なスリーブ(2)と、
近位部分(12)と遠位部分(13)との間に延びているねじ本体(1)であって、一方では、前記長手方向軸(L)に沿って、前記拡張可能なスリーブ(2)の前記内側プロファイルと相補的な外側プロファイルを有し、他方では、ねじピッチが前記拡張可能なスリーブ(2)の前記第2の外側ねじ山(21)に対して逆になっている、少なくとも1つの外側ねじ山(11)を有する、ねじ本体(1)と、を備え、
前記インプラントは、前記ねじ(1)を前記拡張可能なスリーブ(2)内に貫通させ、かつ、前記ねじ(1)の外径が、少なくとも遠位部分で、少なくとも1つの収縮部(271)によって前記拡張可能なスリーブ(2)の前記第2の内径よりも大きいという事実に起因して、変形によって前記拡張可能なスリーブ(2)を拡張させることによって、前記逆のねじの作動により、折り畳まれた静止位置から展開した位置に切り替えることができ、
前記インプラントの前記展開した位置では、前記拡張可能なスリーブ(2)の前記第2の内径が、前記スリーブの前記第1の近位径以上である、
皮質安定化を伴う骨固定インプラントにおいて、
前記スリーブは、前記拡張によって得られた円筒形状又は円錐台形部分を有し、
前記インプラントは、前記展開した位置において前記インプラントの前記近位部分の近くに、前記近位部分に向かって広がる近位円錐台形部分を有し、前記近位円錐台形部分は、
前記スリーブ(2)の前記外側プロファイルによって、
又は前記ねじ本体(1)の前記外側プロファイルによって、
又は前記展開した位置における前記スリーブ(2)及び前記ねじ本体(1)の前記外側プロファイルの相補的な形状によって、
のいずれかで、形成され、
前記近位円錐台形部分が、その周囲に外側骨固定ねじ山(15、252)を有する、ことを特徴とする、骨固定インプラント。
【請求項2】
前記少なくとも1つの収縮部(271)が、前記近位部分に対して、前記長手方向軸(L)に沿って、前記拡張が所望される骨組織内の深さに応じて決定された距離に位置することを特徴とする、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記ねじ(1)が、前記拡張可能なスリーブ(2)の内部に埋め込まれることによって前記骨組織内に植え込まれるように構成されており、前記外側骨固定ねじ山(15)を含む前記ねじ(1)の前記近位部分が、前記骨組織内に植え込まれるように構成されており、前記ねじ(1)の前記近位部分上に円錐台形外側プロファイルを有し、前記円錐台形外側プロファイルの円錐開口角度が、前記展開した位置において前記拡張可能なスリーブ(2)の前記円錐台形部分の円錐開口角度と逆になっていることを特徴とする、組み合わされた請求項1又は2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記ねじ(1)が、前記拡張可能なスリーブ(2)の内部に埋め込まれることによって前記骨組織内に植え込まれるように構成されており、前記外側骨固定ねじ山(15)を含む前記ねじ(1)の前記近位部分が、前記骨組織内に植え込まれるように構成されており、前記ねじ(1)の前記近位部分上に外側円筒形プロファイルを有することを特徴とする、組み合わされた請求項1~3のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項5】
前記拡張可能なスリーブ(2)の前記近位部分の前記円錐台形部分と前記ねじ(1)の前記円錐台形外側プロファイルとが、互いに対向して配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のインプラント。
【請求項6】
前記拡張可能なスリーブ(2)の前記近位部分の前記円錐台形部分の角度が、前記ねじ(1)の前記円錐台形外側プロファイルの角度よりも大きく、より大きな広がりを可能にし、基本的な安定性を改善することを特徴とする、請求項5に記載のインプラント。
【請求項7】
前記ねじ(1)が、前記拡張可能なスリーブ(2)への前記ねじ(1)のねじ込みが、骨組織内への前記拡張可能なスリーブ(2)のねじ込みと反対方向に実行されなければならない時点を視覚化するために、少なくとも1つの距離マーカ(16)を備えることを特徴とする、請求項6に記載のインプラント。
【請求項8】
前記拡張可能なスリーブ(2)の前記第2の外側ねじ山(21)のねじ山高さが、前記拡張可能なスリーブ(2)の内側の前記第1のねじ山(20)及び前記ねじ(1)の前記外側ねじ山(11)の前記機械的ねじのねじ山高さよりも大きいことを特徴とする、組み合わされた請求項1~7のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項9】
前記拡張可能なスリーブ(2)の前記遠位部分(23)が、円錐状のコアを有するねじ山(232)を備える円錐台形部分(291)を有し、前記拡張可能なスリーブ(2)が骨内に深く埋め込まれることを可能にすることを特徴とする、組み合わされた請求項1~8のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項10】
前記遠位部分(23)が、セルフタッピングノッチ(231)を含む、組み合わされた請求項1~9のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項11】
前記拡張可能なスリーブ(2)が、前記遠位部分(23)まで延びている長手方向貫通スロット(24)を含むことを特徴とする、組み合わされた請求項1~10のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項12】
長手方向貫通スロット(24)と同数のセルフタッピングノッチ(231)があることを特徴とする、請求項11に記載のインプラント。
【請求項13】
前記拡張可能なスリーブ(2)が、長手方向非貫通スロット(25)を含む、組み合わされた請求項1~12のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項14】
前記ねじ(1)が、前記ねじ(1)の遠位部分(17)に、切り込み刃を有する少なくとも1つの後部溝(171)を含む先端を備え、前記拡張可能なスリーブ(2)の前記近位部分(22)と前記遠位部分(23)との間に延びている、前記2つの端部分によって画定される長手方向軸(L)に対する前記切り込み刃の角度が、前記展開した位置から前記静止位置までねじを緩める間の前記ねじ(1)の回転方向に応じて決定されて、前記骨インプラントの引き抜き中に骨を削ることを特徴とする、請求項9に記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科ねじのみ若しくはプレートを伴う、歯科、整形外科、外科手術、若しくは骨成形用途用の骨インプラント、例えば腰、肘、足首、肩、及び膝などの関節用の歯科若しくは靭帯インプラント、又は例えば椎骨用の脊柱骨インプラントの分野に関する。これらの適用分野は、例として挙げられており、本発明の範囲を限定するものではない。
【0002】
より具体的には、本発明は、多孔性骨への植え込みが非常に安定的である骨インプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
骨固定インプラントは、概して、歯科用途のために顎骨又は椎骨などの骨組織内に形成されたハウジング内に植え込まれるように意図された細長本体からなる。
【0004】
骨固定インプラントは、損傷を生じさせることなく、骨組織内に容易に導入することができ、骨組織内の固定デバイスが安定していることが重要である。実際、現在の骨固定インプラントデバイスは、骨組織においてデバイス自体のサイズに必要とされるよりも多くの亀裂又は損傷を生じさせずに固定することができず、更に、今日の多くの治療技術は、骨組織内に固定されたデバイスが可能な限り不動のままであることを必要とする骨成長に依存するため、骨インプラントの固定が確実であり、非常に安定していることが必要である。
【0005】
更に、特に骨内の位置決め又は植え込みに起因し得る骨インプラントの誤った位置決めリスクを回避するために、骨組織内への植え込みの実行が容易であることも必要である。
【0006】
更に、落下、衝撃、又は事故の場合、インプラントが骨組織内の所定の位置に留まること、すなわち、骨を通って移動しないことが重要である。このために、インプラントは、非常に高い安定性が必要である。
【0007】
最新技術は、特許文書EP2603163(B1)を含み、当文書には、骨組織内に植え込むことができる、固定が改善された骨内インプラントを記載しており、この骨内インプラントは、骨組織内の把持部と呼ばれる部分と、拡張部と呼ばれる部分と、を備える固定デバイスを含み、これらの2つの部分が相対的に可動である。本特許で言及される本発明はまた、一方では把持部上に、他方では拡張部上に配設された協働する機械的接続手段を備え、その結果、2つの部品の相対可動度は少なくとも1つの自由度を有し、当該2つの部品の相対変位が把持部を拡張させ、その拡張により骨組織内で把持部を把持させる。この特許に記載されている骨インプラントは、特に歯科分野の用途に見られる。
【0008】
しかしながら、そのような解決策は、骨インプラントが組織内で回転及び併進しないよう固定されているが、衝撃中に移動する、特に後退するリスクを呈するという欠点を有する。
【0009】
したがって、本発明は、極めて安定した様式で骨組織内に植え込み、かつ、固定することができる骨インプラントを提案することによって、これらの欠点を解決することを目的とする。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明は、骨組織内に容易に植え込み可能であり安定的である、以下骨インプラントと称する骨固定インプラントを提案することによって、先行技術の欠点を克服することを目的とする。
【0011】
この結果を達成するために、本発明は、骨組織内に植え込むことができる皮質安定化を伴う骨固定インプラントに関し、このインプラントは、
第1の内径を有する近位部分と、当該第1の内径よりも小さい第2の内径を有する遠位部分との間に延びている拡張可能なスリーブであって、これらの2つの部分が長手方向軸(L)を画定し、当該第1及び第2の内径が拡張可能なスリーブの内側プロファイルを画定し、拡張可能なスリーブが、一方では、拡張可能なスリーブの内側に少なくとも第1のねじ山を、他方では、拡張可能なスリーブの外側に少なくとも第2のねじ山を備える、拡張可能なスリーブと、
近位部分と遠位部分との間に延びているねじ本体であって、一方では、当該長手方向軸に沿って、拡張可能なスリーブの内側プロファイルと相補的な外側プロファイルを有し、他方では、ねじピッチが拡張可能なスリーブの第2の外側ねじ山に対して逆になっている、少なくとも1つの外側ねじ山を有する、ねじ本体と、を備える。
インプラントは、ねじを拡張可能なスリーブ内に貫通させ、かつ、ねじの外径が、少なくとも遠位部分で、少なくとも1つの収縮部によって拡張可能なスリーブの第2の内径よりも大きいという事実に起因して、変形によって拡張可能なスリーブを拡張させることによって、当該逆のねじ山の作動により、折り畳まれた静止位置から展開した位置に切り替えることができる。
インプラントの展開した位置では、拡張可能なスリーブの第2の内径は、スリーブの第1の近位径以上である。
スリーブは、拡張によって得られた円筒形状又は円錐台形部分を有する。
インプラントは、展開した位置においてインプラントの近位部分の近くに、近位部分に向かって広がる近位円錐台形部分を有し、この近位円錐台形部分は、
スリーブの外側プロファイルによって、
又は、ねじ本体の外側プロファイルによって、
又は、展開した位置において、スリーブ及びねじ本体の外側プロファイルの相補的な形状によって、
のいずれかで、形成される。
当該近位円錐台形部分は、その周囲に外側骨固定ねじ山を有する。
【0012】
ある特徴によれば、当該少なくとも1つの収縮部は、近位部分に対して、かつ、長手方向軸に沿って、拡張が所望される骨組織内の深さに応じて決定された距離に位置する。
【0013】
1つの特徴によれば、ねじは、拡張可能なスリーブの内部に埋め込まれることによって骨組織内に植え込まれるように構成されており、外側骨固定ねじ山を含むねじの近位部分が、骨組織内に植え込まれるように適合されており、ねじの近位部分上に円錐台形外側プロファイルを有し、円錐台形外側プロファイルの円錐開口角度が、展開した位置において拡張可能なスリーブの円錐台形部分の円錐開口角度と逆になっている。
【0014】
別の特徴によれば、ねじは、拡張可能なスリーブの内部に埋め込むことによって骨組織内に植え込まれるように構成され、外側骨固定ねじ山を備える近位部分が、骨組織内に植え込まれるように構成され、近位部分に外側円筒形プロファイルを有する。
【0015】
別の特徴によれば、拡張可能なスリーブの近位部分の円錐台形部分とねじの円錐台形外側プロファイルとは、互いに対向して配置されている。
【0016】
別の特徴によれば、拡張可能なスリーブの近位部分の円錐台形部分の角度は、ねじの円錐台形外側プロファイルの角度よりも大きく、より大きな広がりを可能にし、基本的な定性を改善する。
【0017】
別の特徴によれば、ねじは、拡張可能なスリーブへのねじのねじ込みが、骨組織内への拡張可能なスリーブのねじ込みと反対方向に実行されなければならない時点を視覚化するために、少なくとも1つの距離マーカを備える。
【0018】
別の特徴によれば、拡張可能なスリーブの第2の外側ねじ山のねじ山高さは、拡張可能なスリーブの内側の第1のねじ山及びねじの外側ねじ山の機械的ねじのねじ山の高さよりも大きい。
【0019】
別の特徴によれば、拡張可能なスリーブの遠位部分は、拡張可能なスリーブが骨に深く埋め込まれることを可能にする円錐状のコアを備えたねじ山を含む円錐台形部分を有する。
【0020】
別の特徴によれば、遠位部分は、セルフタッピングノッチを含む。
【0021】
別の特徴によれば、拡張可能なスリーブは、その遠位部分まで延びている長手方向貫通スロットを含む。
【0022】
他の特徴によれば、長手方向貫通スロットと同数のセルフタッピングノッチがある。
【0023】
別の特徴によれば、拡張可能なスリーブは、長手方向非貫通スロットを含む。
【0024】
別の特徴によれば、ねじは、ねじの遠位部分に、切り込み刃を有する少なくとも1つの後部溝を含む先端を備え、拡張可能なスリーブの近位部分と遠位部分との間に延びている、2つの端部分によって画定される長手方向軸に対する切り込み刃の角度が、展開した位置から静止位置までねじを緩める間のねじの回転方向の関数として決定されて、骨インプラントの引き抜き中に骨を削る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、単に例として挙げられた、本発明の実施形態の詳細な説明を読み、以下の図面を参照することで明らかとなる。
【
図1a】本発明による、骨インプラントを構成する要素の詳細図を示す。
【
図1b】本発明による、骨インプラントを構成する要素の詳細図を示す。
【
図2】本発明による、骨インプラントを構成する要素の詳細図を示す。
【
図3a】本発明による、拡張前の拡張可能なスリーブの詳細図を示す。
【
図3b】本発明による、拡張後の拡張可能なスリーブの詳細図を示す。
【
図3c】本発明による、スリーブの外側プロファイルによって形成された展開した位置における近位円錐台形部分の詳細図を示す。
【
図4a】本発明による、拡張可能なスリーブの拡張前の骨インプラントスリーブの内部の断面図を示す。
【
図4b】本発明による、拡張可能なスリーブの拡張前の骨インプラントスリーブの内部の断面図を示す。
【
図5】本発明による、ねじの外側プロファイルによって形成された展開した位置における近位円錐台形部分の詳細図を示す。
【
図6】本発明による、拡張した位置における骨インプラントの図を示す。
【
図7】本発明による、拡張した位置における骨インプラントの図を示す。
【
図8】本発明による、拡張した位置における拡張可能なスリーブの図を示す。
【
図9】本発明による、拡張した位置における拡張可能なスリーブの図を示す。
【
図10a】本発明による、拡張した位置における骨インプラントの内部の図を示す。
【
図10b】本発明による、拡張した位置における骨インプラントの内部の図を示す。
【
図11】本発明による、拡張した位置における骨インプラントの内部の図を示す。
【
図13】本発明による、ねじ及びスリーブの外側プロファイルによって形成された展開した位置における近位円錐台形部分の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の様々な実施形態を、特に、例示的かつ非限定的な図面を参照して以下に説明する。
【0027】
本出願は、骨組織内への骨インプラントの植え込みに関する。
【0028】
本明細書では、「植え込み」という用語は、一般にはねじ込みによって骨インプラントを骨組織内に導入するという事実を示すことに留意されたい。本出願で提案される植え込みは、骨組織内の骨インプラントの良好な維持を確実にするために、骨インプラントの十分に堅固で安定した導入を示す。
【0029】
加えて、「骨組織(複数可)」という用語は、概して、本出願の骨インプラントシステムがあらゆる種類の骨組織内に植え込み可能であるため、緻密質(皮質骨又は骨膜)又は海綿状(軟質、多孔質)骨であるかどうかにかかわらず、全ての種類の骨を示す。
【0030】
更に、使用される用語は、それらの一般的な意味で解釈されるべきではなく、本出願で詳述される機能上の考慮事項に照らして解釈されるべきである。
【0031】
図1a、
図1b及び
図2は、骨インプラントの例示的かつ非限定的な例示的実施形態である。
【0032】
例えば、
図1a、
図1b、及び
図2に示されるように、骨組織内に植え込むことができる骨インプラントは、近位部分(22)と遠位部分(23)との間に延びている拡張可能なスリーブ(2)を備え、これらの2つの部分は長手方向軸(L)を画定し、拡張可能なスリーブは、一方では、拡張可能なスリーブ(2)の内側に少なくとも第1のねじ山(20)を、他方では、拡張可能なスリーブ(2)の外側に少なくとも第2のねじ山(21)を備える。
【0033】
「近位」及び「遠位」という用語は、本出願では、植え込みデバイスが保持されて骨組織内の植え込みを可能にする部分、及び骨組織内に最初に植え込まれる部分(近位部分の反対側)をそれぞれ指す。
【0034】
「近位部分及び遠位部分」という用語は、本出願では、遠位端及び近位端の近くに位置する部分を指す。
【0035】
本出願では、「拡張可能なスリーブ(2)」という用語は、概して、中空の一般的な円筒を示す。
【0036】
いくつかの実施形態では、骨インプラントはまた、軸(L)と同一直線上にある軸上で近位部分(12)と遠位部分(13)との間に延びているねじ(1)であって、一方では、長手方向軸(L)に沿って、拡張可能なスリーブ(2)の内側プロファイルと相補的な外側プロファイルを有し、他方では、ねじピッチが拡張可能なスリーブ(2)の第2の外側ねじ山(21)に対して逆になっている、少なくとも1つの外側ねじ山(11)を有する、ねじ(1)、を備える。
【0037】
ねじ(1)の近位部分(12)は、皮質骨に直接植え込まれることに留意されたい。
【0038】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)の近位端は、ねじ(1)をねじ込むことを可能にする作動手段を備え、当該作動手段は、例えば、
図1bに示されるように、その使用に応じて、施術者にとって望ましい任意の形状の構造を有する。作動手段は、例えば六角形の穴又はトルクス又は十字形又は任意の他の作動手段であり、ねじ(1)の近位端は、骨固定インプラントの望ましい目的場所に応じて様々な形状(多軸若しくは非多軸骨接合バーを固定するため、又はプレート若しくは任意の他のデバイスを固定するためのヘッド)を有し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)は、施術者が必要に応じて、例えばセメントを注入することを可能にする、ねじ(1)を通るカニューレを備える。
【0040】
骨インプラントは、チタンもしくは植え込み可能な医療用ステンレス鋼、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又はポリエーテルケトンケトン(PEKK)、あるいは当業者がその機械的及び物理化学的特性並びに生体適合性に応じて適合性を判断することができる任意の他の材料で作製されていることに留意されたい。
【0041】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)は、施術者が必要に応じて、例えばセメントを注入することを可能にする、ねじ(1)を通るカニューレを備える。
【0042】
いくつかの実施形態では、拡張可能なスリーブ(2)の外側の第2のねじ山(21)は、骨の固定を可能にする。本出願で使用される「骨固定」という用語は、一般的に反復的なねじ込み動作、衝撃、又は打撃の形態の押圧作用下で、直線経路に沿って骨組織内に入ることを意図した少なくとも1つの要素を含む様々なタイプのデバイスを示す。骨固定ねじは、より良好な固定を確実にするために、一般に機械的ねじよりも高いねじ山の高さを有することが知られている。加えて、骨固定ねじは、一般に機械的ねじとは異なり、当業者であれば、骨の種類及び所望の用途に応じて、コアの直径、ねじピッチ、及びワイヤ高さを変化させることが可能であり、本出願はこれらの様々な実施形態を包含する。拡張可能なスリーブ(2)の第2の外側ねじ山(21)のねじ山高さは、拡張可能なスリーブ(2)の内側の第1のねじ山(20)及びねじ(1)の外側ねじ山(11)の機械的ねじのねじ山高さよりも大きい。したがって、第2のねじ山(21)は、第1のねじ山(20)よりも高い縁部を有し、骨インプラントが骨内に入り、固定されることを可能にする。
【0043】
更に、いくつかの実施形態では、台形ねじなどのいくつかの機械的ねじは、抵抗がより少なく、骨内に固定された拡張可能なスリーブ(2)へのねじ(1)の貫通を容易にする。台形ねじはまた、骨インプラントに対する圧迫下で骨組織の大きな負荷を分配することを可能にする。
【0044】
いくつかの実施形態では、拡張可能なスリーブ(2)の遠位部分(23)は、例えば、
図1a~
図4bに示されるように、拡張可能なスリーブ(2)が骨内に深く埋め込まれることを可能にする円錐状のコアを有するねじ山(232)を備えた円錐台形部分(291)を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、スリーブ(2)の遠位部分(23)は、セルフタッピングであり、例えば、
図3a~
図4bに示されるように、セルフタッピング(ミリング及びタッピング)ノッチ(231)を含む。この遠位部分(23)は、インプラントの挿入前に事前に穴を開けることを回避して植え込み中に骨を保つことを可能にし、よって、植え込まれた領域の周りに最大量の骨を保持することができ、骨インプラントの安定性を向上させる。事実、骨統合の時間が短縮され、合成又は天然にかかわらず、任意のタイプの骨充填材料を追加する必要性を抑える。加えて、ノッチ(231)の分布が、遠位部分(23)の部分の各々にわたって良好なバランスを確保することによって、骨組織内へのインプラントの挿入中の力分布の良好な均一性を保証する。
【0046】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)は、例えば、
図2に示されるように、拡張可能なスリーブ(2)へのねじ(1)のねじ込みが、骨組織内への拡張可能なスリーブ(2)のねじ込みと反対方向に実行されなければならない時点を視覚化するために、少なくとも1つの距離マーカ(16)を備える。
【0047】
いくつかの実施形態では、距離マーカ(16)は、レーザマーカである。
【0048】
いくつかの実施形態では、インプラントを配置することは、以下の
距離マーカ(16)が骨皮質の表面と面一になるまで、骨インプラントを外側ねじ山(21)の方向にねじ込む工程と、
骨インプラントを第2のねじ山(11)の方向にねじ込んで、ねじ付きねじ(1)の骨内へのねじ込みを完了し、拡張可能なスリーブ(2)の拡張を進める工程と、を含む。
【0049】
本発明のいくつかの変形例では、皮質骨は、皮質プレフォームツールによって穿孔される。
【0050】
本出願はまた、骨組織内における骨インプラントの拡張に関する。
【0051】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)の外側プロファイルと拡張可能なスリーブ(2)の内側プロファイルは相補的であり、それにより、それらのプロファイルが、拡張構成において、
拡張可能なスリーブ(2)の内径とねじ(1)の外径の相補性によって支持される近位支承部と、
拡張可能なスリーブの内径がねじ(1)の外径よりも小さくなるまで、遠位部分に向かって狭くなっている、拡張可能なスリーブ(2)とねじ(1)との協働によって支持される遠位支承部と、
2つの支承部の間に位置する「中央」支承部であって、ねじ(1)の外径と拡張可能なスリーブ(2)の内径との間の協働によって形成され、それにより「中央」位置での拡張可能なスリーブ(2)の外径を、近位支承部における拡張可能なスリーブ(2)の外径よりも大きくさせる、「中央」支承部と、をもたらす。
【0052】
いくつかの実施形態では、例えば、
図4a及び
図4bに示されるように、インプラントは、ねじ(1)を拡張可能なスリーブ(2)に貫通させ、かつ、ねじ(1)の外径が、遠位部分において少なくとも1つの収縮部(271)によって拡張可能なスリーブ(2)の内径よりも大きいという事実に起因して、変形によって拡張可能なスリーブ(2)を拡張させることによって、逆のねじ山の作動により、折り畳まれた静止位置から展開した位置に切り替えることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、収縮部(271)は、近位部分に対して、かつ、長手方向軸(L)に沿って、拡張が所望される骨組織内の深さに応じて決定された距離に位置する。当該距離は、例えば、
図4a及び
図4bに示されるように、骨皮質及び/又は所望の圧迫に関して特に、施術者自身によって決定されることに留意されたい。
【0054】
いくつかの実施形態では、拡張可能なスリーブ(2)の近位端と遠位端との間の中間部分のダクトは、中央支承部が位置する場所の径よりも大きい、直径差を有する。
【0055】
いくつかの実施形態では、近位端と遠位端との間の中間部分の拡張可能なスリーブ(2)のダクトは、非連続的な勾配を有する。したがって、収縮部(271)は、例えば、骨のタイプに応じて近位端からの可変距離に位置して、様々な深さで拡張を提供することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)の近位部分は、例えば、
図1a、
図1b及び
図2に示されるように、外側骨固定ねじ山(15)を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)は、拡張可能なスリーブ(2)の内部に埋め込むことによって骨組織内に植え込まれるように構成されており、外側骨固定ねじ山(15)を含むねじ(1)の近位部分は、骨組織内に植え込まれるように適合されており、例えば、
図11に示されるように、展開した位置における拡張可能なスリーブ(2)の近位部分の広がりに対して逆に広がる円錐台形部分を有する。この2つの円錐台の広がりの逆転は、特にこれら2つの円錐台が骨皮質の周囲に位置するという事実に起因して、インプラントの安定性を改善する圧迫及び/又は摩擦を必要とする。
【0058】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)は、拡張可能なスリーブ(2)の内部に埋め込むことによって骨組織内に植え込まれるように構成されており、外側骨固定ねじ山(15)を含むねじ(1)の近位部分は、骨組織内に植え込まれるように適合されており、円筒形部分又は任意のオフセット形状を有する。
【0059】
得られた反対の逆転二重円錐台は、植え込み中に骨組織内に骨インプラントの力を分配することによってインプラントの漸進的な植え込みを可能にし、円筒形の線上ではなく円錐表面上の力の伝達を可能にする。更に、反対の逆転二重円錐台は、最も密度の高い椎骨の皮質部分に対する軸方向の係止を確実にする。したがって、骨組織における骨インプラントの非常に高い安定性に寄与する。
【0060】
いくつかの実施形態では、例えば、
図3aに示されるように、拡張可能なスリーブ(2)は、遠位部分(23)の端部に鋭角αを有する。この角度αは、拡張中にねじ(1)が拡張可能なスリーブ(2)に入るにつれて広がり増大する。
【0061】
いくつかの実施形態では、例えば、
図3bに示されるように、角度αは、拡張中に漸増的広がり角度βになり、角度βは、拡張した拡張可能なスリーブ(2)の角度である。
【0062】
いくつかの実施形態では、例えば、
図3cに示されるように、皮質部分は、骨インプラントを圧迫し、皮質部分は、拡張可能なスリーブ(2)、又はねじ(1)、又はその両方によって保持される角度γを有する。角度αは、次第に広がることによって、拡張可能なスリーブ(2)の角度βになり、角度γに対向する。
【0063】
展開した位置では、拡張可能なスリーブ(2)の壁は、いくつかの実施形態では、角度βをなす代わりに平行であり得ることに留意されたい。
【0064】
いくつかの実施形態では、拡張可能なスリーブ(2)は、角度α及びβの存在によって、例えば
図5に示されるように、中央支承部にドーム形状を有する。
【0065】
実際には、いくつかの実施形態では、インプラントは、例えば、
図1a、
図1b、
図4a、
図4b、
図6、及び
図8~
図10に示されるように、一方では、当接機構(26)が、拡張可能なスリーブ(2)とねじ本体(1)とをこれらの2つのそれぞれのねじピッチの逆転により噛み合わせる静止構成と、他方では、拡張可能なスリーブ(2)とねじ(1)の相補的な内側ねじ山及び外側ねじ山を相互に作動し、ねじ(1)を拡張可能なスリーブ(2)に貫通させ、ねじ(1)の拡張可能なスリーブ(2)への貫通中に、拡張可能なスリーブ(2)の内径よりも大きいねじ(1)の外径により、拡張可能なスリーブ(2)の変形によって少なくとも遠位部分において拡張可能なスリーブ(2)の拡張を生じさせることによって得られる拡張構成と、の間で拡張可能である。
【0066】
いくつかの実施形態では、インプラントの展開した位置において、拡張可能なスリーブ(2)の第2の遠位径は、スリーブ(2)の第1の近位径以上であるため、スリーブ(2)は、拡張によって得られた円筒形状又は円錐台形部分を有する。
【0067】
インプラントは、展開した位置においてインプラントの近位部分の近くに、近位部分に向かって広がる近位円錐台形部分を有し、この近位円錐台形部分は、
例えば、
図3cに示されるように、拡張可能なスリーブ(2)によって角度γが保持されるモードにおいて、拡張可能なスリーブ(2)の外側プロファイルによって、
又は、例えば、
図5に示されるように、ねじ(1)によって角度γが保持されるモードにおいて、ねじ本体(1)の外側プロファイルによって、
又は、例えば、
図13に示されるように、ねじ(1)及び拡張可能スリーブ(2)によって角度γが保持されるモードにおいて、展開した位置において、スリーブ(2)及びねじ本体(1)の外側プロファイルの相補的な形状によって、
のいずれかで、形成される。
【0068】
当該近位円錐台形部分は、その周囲に外側骨固定ねじ山(15、215)を有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、インプラントの展開した位置において、拡張可能なスリーブ(2)は、例えば、
図5~
図10bに示されるように、少なくとも1つの近位部分(22)に円錐台形状を有し、ねじ(1)の近位部分の近くでねじ(1)の遠位部分に向かって広がる。
【0070】
いくつかの実施形態では、拡張可能なスリーブ(2)は、少なくとも1つの近位部分(22)に円筒形状又は円錐形状を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、ねじ(1)は、例えば、
図1a、
図1b、
図2、
図5、
図10a、
図10b、及び
図12に示されるように、遠位部分(13)の先端に先端(17)を備え、その外側プロファイルは、拡張可能なスリーブ(2)の遠位部分(23)の内側プロファイルと相補的である。
【0072】
いくつかの実施形態では、拡張可能なスリーブ(2)の近位部分の円錐台形部分とねじ(1)の円錐台形外側プロファイルは、互いに端部同士で接して、又は互いに対向して配置されて、拡張可能なスリーブ(2)の近位部分(22)に接続され、拡張可能なスリーブ(2)の近位部分の円錐台形部分の角度は、ねじ(1)の当該円錐台形外側プロファイルの角度よりも大きく、より大きな広がりを可能にする、及び/又は全体の拡張を容易にする。
【0073】
いくつかの実施形態では、例えば、
図2、
図3、
図5、
図6、
図7、
図8に示されるように、拡張可能なスリーブ(2)は、その遠位部分(23)まで延びている長手方向貫通スロット(24)と、拡張可能なスリーブ(2)の拡張を可能にする長手方向非貫通スロット(25)と、を含む。いくつかの貫通スロット(24)又は非貫通スロット(25)が存在し、遠位部分(23)が、2つのタイプのスロット、すなわち、長手方向貫通スロット(24)及び長手方向非貫通スロット(25)を含むことが好ましい。
【0074】
いくつかの実施形態では、貫通スロット(24)と非貫通スロット(25)との間の相乗作用はまた、展開した位置において円錐台形状及び/又はドーム形状を可能にする。
【0075】
いくつかの実施形態では、長手方向貫通スロット(24)と同数のセルフタッピングノッチ(231)が存在する。
【0076】
いくつかの実施形態では、貫通スロット(24)と非貫通スロット(25)とは、拡張可能なスリーブ(2)の長さにわたって互いに対してオフセットされて配置されている。長さにわたる、貫通スロット(24)と非貫通スロット(25)とのオフセットは、拡張中の拡張可能なスリーブ(2)の柔軟性及び機械的強度を改善する。
【0077】
本発明のいくつかの変形例では、骨固定部(15、215)の伸長が可能である。
【0078】
いくつかの実施形態では、遠位部分(23)の長手方向貫通スロット(24)及び非貫通スロット(25)は、拡張可能なスリーブ(2)の円筒形の拡張を可能にする。長手方向非貫通スロット(25)は、拡張中に、拡張可能なスリーブ(2)とねじ(1)との間の3つの支承部上の接触プロファイルを維持することを可能にし、拡張による力を、拡張した拡張可能なスリーブ(2)の外周にわたって均一に分布させることによって、骨組織内の骨インプラントの安定性に寄与する。長手方向貫通スロット(24)及び非貫通スロット(25)は、拡張可能なスリーブ(2)の材料の弾性限界と、ねじを緩める間のその弾性収縮とに対応することによって、拡張可能なスリーブ(2)の近位部分(22)の径方向の拡張を可能にする。
【0079】
いくつかの実施形態では、前記長手方向貫通スロット(24)は、拡張可能なスリーブ(2)の長さの10~90%にわたって延びている。
【0080】
いくつかの実施形態では、例えば、
図3aに示されるように、拡張可能なスリーブ(2)の部分は、ねじの底部にテーパ角度アルファ(α)を含み、拡張可能なスリーブ(2)の形状により、ねじ込み動作中に、解剖学的円錐プリフォームツールによって形成される空洞内での拡張可能なスリーブ(2)の自動センタリングを確実にする。
【0081】
1つの代替的な実施形態(図示せず)によれば、ねじ(1)は、皮質ねじ部を含まない。この変形例は、他の植え込み状況に適合した、より短いねじ(1)と拡張可能なスリーブ(2)とのアセンブリを作製することを可能にする。
【0082】
当業者であれば、この目的のために、及びインプラントの目的に従って、この部分の形状を適合させることによる他のアセンブリモードに従って、様々なタイプの先端及び構造体をねじ(1)の近位部分に追加することができると理解するであろう。非限定的な例として、これらのアセンブリは、ねじ、クリップ留め、キー締め、接合、又は溶接によって作製することができる。
【0083】
したがって、本発明で提案された骨インプラントは、骨組織内に迅速かつ正確に植え込まれ、骨組織において植え込まれた状態を非常に安定した様式で保ち得る。
【0084】
本出願は、図面及び/又は様々な実施形態を参照して様々な技術的特徴及び利点を説明している。当業者であれば、反すると明示的に述べられない、又はこれらの特性が不適合である、又は組み合わせが機能しない限り、実際に、所与の実施形態の技術的特徴が1つ以上の他の実施形態の特徴と組み合わせることができることを理解するであろう。
【0085】
より一般的には、様々なタイプのインプラント保持手段及び/又は脊椎保持手段の組み合わせが想定され、本出願で提供される機能的及び構造的考察を使用して当業者によって理解されるであろう。更に、特に、本出願で提供される機能的考察は、必要とされ得る構造的適合が当業者の実行範囲内にあるように十分な説明を提供するものであるため、所与の実施形態に記載されている技術的特徴は、反すると明示的に述べられない限り、このモードの他の特徴から分離することができる。
【0086】
当業者は、本出願を読めば、特許請求される本発明の適用範囲から逸脱することなく、詳細に説明されるもの以外の多くの特定の形態の実施形態が可能であることを理解するであろう。したがって、本実施形態は、例示として考慮されるべきであるが、添付の特許請求の範囲によって定義される分野において修正することができ、本発明は、上記の詳細に限定されるべきではない。
【国際調査報告】