(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】架橋組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/19 20060101AFI20230517BHJP
A61K 8/65 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/24 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/23 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20230517BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230517BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230517BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230517BHJP
B01J 13/00 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/65
A61K8/64
A61K8/73
A61K8/60
A61K8/24
A61K8/23
A61K8/25
A61K8/27
A61K8/26
A61Q19/00
A61Q19/10
A61Q5/02
B01J13/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562141
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021026582
(87)【国際公開番号】W WO2021207601
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517013128
【氏名又は名称】ヴァーテラス ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ジェイ・ダウニー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エイチ・ヤマモト
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ・エイチ・ジェイム
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・エー・カーニック・ザ・サード
【テーマコード(参考)】
4C083
4G065
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB111
4C083AB112
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB211
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB271
4C083AB272
4C083AB291
4C083AB321
4C083AB361
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC372
4C083AC402
4C083AC422
4C083AD152
4C083AD211
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD411
4C083AD421
4C083AD431
4C083CC03
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC07
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD17
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083DD39
4C083DD41
4C083EE07
4G065AA02
4G065AA05
4G065AA06
4G065AA08
4G065AB22X
4G065AB25X
4G065AB35Y
4G065BA07
4G065BA09
4G065BA13
4G065BB06
4G065CA02
4G065CA15
4G065DA02
4G065EA01
4G065EA03
4G065EA10
(57)【要約】
本発明は、化学的プロセス及びより具体的には、架橋組成物を形成するための化学的プロセス並びにその方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a:コロイド状材料、
b:非水溶性無機物、及び
c:架橋剤
を含む、組成物。
【請求項2】
前記コロイド状材料が、安定剤、粘滑剤(demulcent)、結合剤、乳化剤又は品質改良剤(texturizer)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記コロイド状材料が、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アガー、デキストリン、糖、ウェランガム、キサンタンガム、グァーガム、アカシアガム、コーンファイバーガム、ピーチガム、ローカストビーンガム、ガムロジン、タマリンドガム、トラガカントガム、フラックスシードガム、カラギーナンガム、アラビアガム、タラガム及びセスバニアガムからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記非水溶性無機物が、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸二カルシウム、酸化鉄、黄酸化鉄、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ素、硫黄及び酸化亜鉛からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記架橋剤が、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸バリウム及びアルミン酸ストロンチウムからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
約150mJ未満のベーシックフローエネルギー(basic flow energy)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
約125mJ未満のベーシックフローエネルギーを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
約100mJ未満のベーシックフローエネルギーを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記コロイド状材料及び前記架橋剤の非存在下で、前記非水溶性無機物のベーシックフローエネルギーの約85%未満のベーシックフローエネルギーを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記コロイド状材料及び前記架橋剤の非存在下で、前記非水溶性無機物のベーシックフローエネルギーの約75%未満のベーシックフローエネルギーを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記コロイド状材料及び前記架橋剤の非存在下で、前記非水溶性無機物のコンディションド(conditioned)嵩密度の約97%未満のコンディションド嵩密度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記コロイド状材料及び前記架橋剤の非存在下で、前記非水溶性無機物のコンディションド嵩密度の約95%未満のコンディションド嵩密度を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
約10~約50ミクロンの体積モーメント平均粒子径を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
約25~約50ミクロンの体積モーメント平均粒子径を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記非水溶性無機物が、約65質量%~約85質量%の量である、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記非水溶性無機物が、約70質量%~約80質量%の量である、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記コロイド状材料が、約13質量%~約35質量%の量で存在する、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記コロイド状材料が、約20質量%~約25質量%の量で存在する、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記架橋剤が、約0.3質量%~約1.5質量%の量である、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記架橋剤が、約2質量%~約4質量%の量である、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
約1質量%~約3質量%の量の水をさらに含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記非水溶性無機物が、約63質量%~約85%の量である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記架橋剤が、約0.3質量%~約1.5質量%の量である、請求項21又は22に記載の組成物。
【請求項24】
前記架橋剤が、コロイド状材料に対して、約2質量%~約4質量%の量である、請求項21~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記コロイド状材料が、約13質量%~約34質量%の量で存在する、請求項21~24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
a:コロイド状材料、
b:非水溶性無機物、
c:架橋剤、及び
d:水
を含む、水性組成物。
【請求項27】
前記水が、約40質量%~約70質量%の量である、請求項26に記載の水性組成物。
【請求項28】
コロイド状材料が、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤である、請求項26又は27に記載の水性組成物。
【請求項29】
前記コロイド状材料が、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アガー、デキストリン、糖、ウェランガム、キサンタンガム、グァーガム、アカシアガム、コーンファイバーガム、ピーチガム、ローカストビーンガム、ガムロジン、タマリンドガム、トラガカントガム、フラックスシードガム、カラギーナンガム、アラビアガム、タラガム及びセスバニアガムからなる群から選択される、請求項26~28のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項30】
前記非水溶性無機物が、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸二カルシウム、酸化鉄、黄酸化鉄、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ素、硫黄及び酸化亜鉛からなる群から選択される、請求項26~29のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項31】
前記架橋剤が、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸バリウム及びアルミン酸ストロンチウムからなる群から選択される、請求項26~30のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項32】
前記非水溶性無機物が、約19質量%~約51質量%の量である、請求項26~31のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項33】
前記非水溶性無機物が、約19質量%~約40質量%の量である、請求項26~32のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項34】
前記コロイド状材料が、約4質量%~約21質量%の量で存在する、請求項26~33のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項35】
前記架橋剤が、約0.1質量%~約1質量%の量である、請求項26~34のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項36】
前記架橋剤が、前記コロイド状材料に対して、約2.0質量%~約4.0質量%の量である、請求項26~35のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項37】
請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物又は請求項26~36のいずれか一項に記載の水性組成物、及びベース組成物を含む、パーソナルケア組成物。
【請求項38】
前記ベース組成物が、ローション、クリーム、フェイスマスク、コンディショナー又はセラムである、請求項37に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項39】
前記ベース組成物が、エマルジョン、界面活性剤系又は水性ゲルの形態である、請求項37又は38に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項40】
ローション、クリーム、フェイスマスク、コンディショナー及びセラムからなる群から選択されるベース組成物を含み、前記ベース組成物がエマルジョンの形態である、請求項37又は38に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項41】
ボディウォッシュ、洗顔料又はシャンプーからなる群から選択されるベース組成物を含み、前記ベース組成物が界面活性剤系の形態である、請求項37~39のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項42】
セラムであるベース組成物を含み、前記ベース組成物が水性ゲルである、請求項37~39のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年4月9日に出願された米国仮出願63/007,490号に対する優先権を主張し、その内容を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、化学的プロセス、より具体的には架橋組成物を形成するための化学的プロセス及びその方法に関する。
【背景技術】
【0003】
食品、パーソナルケア及び医薬産業で、様々な化合物及び材料が配合に使用されている。幅広い範囲の安定剤、賦形剤、粘滑剤、結合剤、品質改良剤、充填剤、着色剤等が知られており、食品、パーソナルケア製品及び医薬品を配合することに適用されている。このような材料の例は、無機化合物又は元素であり、食品、パーソナルケア及び医薬産業で、幅広い範囲で使用されていることがわかる。配合に、物理的特性及び化学的特性が大きく異なるいくつかの異なる活性成分及び不活性成分を使用することはよくある。たとえば、いくつかの適用では、活性成分が、安定剤、賦形剤、粘滑剤、結合剤、品質改良剤、充填剤、結合剤、着色剤等の1つ又は複数の不活性成分と共に配合されている。いくつかの適用では、配合物中の様々な成分の物理的特性が大きく異なる可能性がある。たとえば、いくつかの医薬又はパーソナルケア配合物は、水溶性成分及び非水溶性成分の両方を含む。いくつかの配合物では、1つ又は複数の活性成分が水溶性である可能性があるが、その一方で、1つ又は複数の不活性成分が水溶性(たとえば、アカシアガム)又は非水溶性(たとえば、着色剤)のいずれかである可能性がある。
【0004】
成分の使用に関する規制は、企業に大量の時間及びお金を費やして、製品を再配合することを求める可能性がある。たとえば、パーソナルケア品でのホウ砂の使用に関する最近の規制は、製造業者に製品の配合を再設計するように求めた。このような製品の再設計は、製品の物理的な外観及び感触が大衆によって知られ又は受け入れられている場合、あるいは製品が、特定の配合で規制当局によって承認されている場合、困難になり得る。
【0005】
配合及び再配合化学の課題の1つは、材料を効率的に処理する能力であり得る。たとえば、食品、パーソナルケア又は医薬製剤で使用されるいくつかの成分は、処理中に低い流動性を有する。このような場合、最終製品の製造は、困難及びより高価になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのようなために、改善された配合組成物及びそれらを調製するための方法に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明はa:安定剤、粘滑剤(demulcent)、結合剤、乳化剤又は品質改良剤(texturizer);b:非水溶性無機物;及びc:架橋剤、を含む組成物を提供する。
【0008】
本発明のさらなる実施形態、特徴及び利点が、以下の詳細な説明から及び本発明の実施を通して明らかになるだろう。本発明の化合物は、以下の列挙された項のいずれかの実施形態として、記載され得る。本明細書に記載されるあらゆる実施形態は、実施形態が互いに矛盾しない範囲で、本明細書に記載される他のいずれかの実施形態と関連して使用され得るということが理解されるであろう。
【0009】
項1 a:コロイド状材料、
b:非水溶性無機物、及び
c:架橋剤
を含む、組成物。
【0010】
項2 前記コロイド状材料が、安定剤、粘滑剤(demulcent)、結合剤、乳化剤又は品質改良剤(texturizer)である、項1に記載の組成物。
【0011】
項3 前記コロイド状材料が、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アガー、デキストリン、糖、ウェランガム、キサンタンガム、グァーガム、アカシアガム、コーンファイバーガム、ピーチガム、ローカストビーンガム、ガムロジン、タマリンドガム、トラガカントガム、フラックスシードガム、カラギーナンガム、アラビアガム、タラガム及びセスバニアガムからなる群から選択される、項1又は2に記載の組成物。
【0012】
項4 前記非水溶性無機物が、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸二カルシウム、酸化鉄、黄酸化鉄、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ素、硫黄及び酸化亜鉛からなる群から選択される、項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【0013】
項5 前記架橋剤が、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸バリウム及びアルミン酸ストロンチウムからなる群から選択される、項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【0014】
項6 約150mJ未満のベーシックフローエネルギー(basic flow energy)を有する、項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【0015】
項7 約125mJ未満のベーシックフローエネルギーを有する、項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【0016】
項8 約100mJ未満のベーシックフローエネルギーを有する、項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【0017】
項9 前記コロイド状材料及び前記架橋剤の非存在下で、前記非水溶性無機物のベーシックフローエネルギーの約85%未満のベーシックフローエネルギーを有する、項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【0018】
項10 前記コロイド状材料及び前記架橋剤の非存在下で、前記非水溶性無機物のベーシックフローエネルギーの約75%未満のベーシックフローエネルギーを有する、項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【0019】
項11 前記コロイド状材料及び前記架橋剤の非存在下で、前記非水溶性無機物のコンディションド(conditioned)嵩密度の約97%未満のコンディションド嵩密度を有する、項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【0020】
項12 前記コロイド状材料及び前記架橋剤の非存在下で、前記非水溶性無機物のコンディションド嵩密度の約95%未満のコンディションド嵩密度を有する、項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【0021】
項13 約10~約50ミクロンの体積モーメント平均粒子径を有する、項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【0022】
項14 約25~約50ミクロンの体積モーメント平均粒子径を有する、項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【0023】
項15 前記非水溶性無機物が、約65質量%~約85質量%の量である、項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【0024】
項16 前記非水溶性無機物が、約70質量%~約80質量%の量である、項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【0025】
項17 前記コロイド状材料が、約13質量%~約35質量%の量で存在する、項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【0026】
項18 前記コロイド状材料が、約20質量%~約25質量%の量で存在する、項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【0027】
項19 前記架橋剤が、約0.3質量%~約1.5質量%の量である、項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【0028】
項20 前記架橋剤が、約2質量%~約4質量%の量である、項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【0029】
項21 約1質量%~約3質量%の量の水をさらに含む、項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【0030】
項22 前記非水溶性無機物が、約63質量%~約85%の量である、項21に記載の組成物。
【0031】
項23 前記架橋剤が、約0.3質量%~約1.5質量%の量である、項21又は22に記載の組成物。
【0032】
項24 前記架橋剤が、コロイド状材料に対して、約2質量%~約4質量%の量である、項21~23のいずれか一項に記載の組成物。
【0033】
項25 前記コロイド状材料が、約13質量%~約34質量%の量で存在する、項21~24のいずれか一項に記載の組成物。
【0034】
項26 a:コロイド状材料、
b:非水溶性無機物、
c:架橋剤、及び
d:水
を含む、水性組成物。
【0035】
項27 前記水が、約40質量%~約70質量%の量である、項26に記載の水性組成物。
【0036】
項28 コロイド状材料が、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤である、項26又は27に記載の水性組成物。
【0037】
項29 前記コロイド状材料が、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アガー、デキストリン、糖、ウェランガム、キサンタンガム、グァーガム、アカシアガム、コーンファイバーガム、ピーチガム、ローカストビーンガム、ガムロジン、タマリンドガム、トラガカントガム、フラックスシードガム、カラギーナンガム、アラビアガム、タラガム及びセスバニアガムからなる群から選択される、項26~28のいずれか一項に記載の水性組成物。
【0038】
項30 前記非水溶性無機物が、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸二カルシウム、酸化鉄、黄酸化鉄、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ素、硫黄及び酸化亜鉛からなる群から選択される、項26~29のいずれか一項に記載の水性組成物。
【0039】
項31 前記架橋剤が、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸バリウム及びアルミン酸ストロンチウムからなる群から選択される、項26~30のいずれか一項に記載の水性組成物。
【0040】
項32 前記非水溶性無機物が、約19質量%~約51質量%の量である、項26~31のいずれか一項に記載の水性組成物。
【0041】
項33 前記非水溶性無機物が、約19質量%~約40質量%の量である、項26~32のいずれか一項に記載の水性組成物。
【0042】
項34 前記コロイド状材料が、約4質量%~約21質量%の量で存在する、項26~33のいずれか一項に記載の水性組成物。
【0043】
項35 前記架橋剤が、約0.1質量%~約1質量%の量である、項26~34のいずれか一項に記載の水性組成物。
【0044】
項36 前記架橋剤が、前記コロイド状材料に対して、約2.0質量%~約4.0質量%の量である、項26~35のいずれか一項に記載の水性組成物。
【0045】
項37 項1~25のいずれか一項に記載の組成物又は項26~36のいずれか一項に記載の水性組成物、及びベース組成物を含む、パーソナルケア組成物。
【0046】
項38 前記ベース組成物が、ローション、クリーム、フェイスマスク、コンディショナー又はセラムである、項37に記載のパーソナルケア組成物。
【0047】
項39 前記ベース組成物が、エマルジョン、界面活性剤系又は水性ゲルの形態である、項37又は38に記載のパーソナルケア組成物。
【0048】
項40 ローション、クリーム、フェイスマスク、コンディショナー及びセラムからなる群から選択されるベース組成物を含み、前記ベース組成物がエマルジョンの形態である、項37又は38に記載のパーソナルケア組成物。
【0049】
項41 ボディウォッシュ、洗顔料又はシャンプーからなる群から選択されるベース組成物を含み、前記ベース組成物が界面活性剤系の形態である、項37~39のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【0050】
項42 セラムであるベース組成物を含み、前記ベース組成物が水性ゲルである、項37~39のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、アカシアガム溶液に対するいくつかの試験された架橋剤の粘度効果を示すチャートである。
【
図2】
図2は、25%アカシアガム溶液に対する、様々な濃度のアルミン酸ナトリウム及びホウ砂の粘度効果を示すチャートである。
【
図3A】
図3Aは、非コロイド状の4%酸化鉄組成物と比較した4%酸化鉄コロイド(左)を示す。
【
図3C】
図3Cは、非コロイド状の4%酸化鉄組成物の顕微鏡画像を示す。
【
図4A】
図4Aは、非コロイド状の4%硫黄組成物と比較した5.33%硫黄コロイド(左)を示す。
【
図4B】
図4Bは、5.33%硫黄コロイドの顕微鏡画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明をさらに説明する前に、本開示は、説明された特定の実施形態に限定されず、当然に変化し得ることが、理解されるであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図していないことも理解されるべきである。
【0053】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者によって広く理解されるものと、同一の意味を有する。本明細書で言及される全ての特許、出願、公開された出願及びその他の刊行物は、参照によってその全体が組み込まれる。このセクションで記載されている定義が、本明細書に参照により組み込まれる特許、出願又はその他の刊行物に記載されている定義と反する又は矛盾する場合、このセクションに記載されている定義は、本明細書に参照により組み込まれる定義よりも優先される。
【0054】
本明細書で又は添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他に指示しない限り、複数形の指示物(referents)を含む。さらに、特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を除外するように作成され得ることに、留意されたい。そのため、この記述は、特許請求の範囲の要素の詳述と関連して「単独で(solely)」「のみ(only)」等のような排他的な用語の使用又は「ネガティブ」な限定の使用に対する先行基準(antecedent basis)として機能することを意図している。
【0055】
本明細書で使用される場合、用語「含む(including)」、「含有する(containing)」及び「含む(comprising)」は、それらの開放的(open)で、非限定的な意味で使用される。
【0056】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書で使用される定量的な表現のいくつかは、用語「約」で修飾されない。用語「約」が明示的に使用されるかどうかに関わらず、本明細書で与えられるすべての量は、実際に与えられた値を指すことを意味し、かつ、当業者に基づいて合理的に推察される、この与えられた値への近似値を指すことも意味し、この与えられた値に対する実験及び/又は測定条件による等価物及び近似値が含まれることを、理解されるであろう。収率が割合で与えられる場合には、その収率は、特定の化学量論的条件下で得ることができる同一の実体の最大量に対して与えられる収率の実体の量を指す。割合で示される濃度は、別段の異なる指示がない限り、質量比を指す。
【0057】
明確性のために、別々の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴も、別々又はあらゆる好適なサブコンビネーションで提供され得る。本発明で採用される化学物質に関する実施形態の全ての組み合わせは、それぞれの組み合わせ及びすべての組み合わせが個別に及び明示的に開示されたものと同様に、本明細書に開示されている。さらに、そのような変数を説明する実施形態に記載される化学物質のすべてのサブコンビネーションもまた、それぞれのサブコンビネーション及びすべてのサブコンビネーションが個別に及び明示的に開示されたものと同様に、具体的に本発明で採用され及び本明細書で開示される。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、a:コロイド状材料、b:非水溶性無機物及びc:架橋剤を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、a:安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤、b:非水溶性無機物及びc:架橋剤を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物はコロイドであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコロイドは、a:コロイド状材料、b:非水溶性無機物及びc:架橋剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコロイドは、a:安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤、b:非水溶性無機物及びc:架橋剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコロイドは、a:安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤、品質改良剤又はそれらの組み合わせであり得るコロイド状材料、b:非水溶性無機物及びc:架橋剤を含む。
【0061】
本明細書に記載される組成物に使用されるコロイド状材料は、特に制限されず、かつ、食品、パーソナルケア又は医薬産業で公知のコロイド状材料であり得ることを理解されたい。本明細書に記載される組成物に使用される安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤は、特に制限されず、かつ、食品、パーソナルケア又は医薬産業で公知の任意の安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤であり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤はコロイド状材料であり得る。本明細書で使用される場合、「コロイド状材料」は、溶液中に微粒子状物質を懸濁させるように機能する材料を指す。コロイド状材料は、カルボキシ基及びヒドロキシ基を含有する糖分子から構成される多糖類であることを理解されたい。これらのコロイド状材料は、1×105Daよりも大きく、特に2×105~5×106Daの分子量を有するだろう。例示的なコロイド状材料には、限定されるものではないが、バイオガム、食用ガム、天然ガム、植物性ガム、でんぷんガム及び多糖類ガムが含まれる。コロイド状材料の例には、限定されるものではないが、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アガー、デキストリン、糖、ウェランガム、キサンタンガム、グァーガム、アカシアガム、コーンファイバーガム、ピーチガム、ローカストビーンガム、ガムロジン、タマリンドガム、トラガカントガム、フラックスシードガム、カラギーナンガム、アラビアガム、タラガム及びセスバニアガムが含まれる。いくつかの実施形態では、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤は、アカシアガムであるコロイド状材料であり得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、コロイド状材料は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約13質量%~約35質量%の範囲の量である。いくつかの実施形態では、コロイド状材料は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約15質量%~約30質量%の範囲の量である。いくつかの実施形態では、コロイド状材料は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約20質量%~約25質量%の範囲の量である。いくつかの実施形態では、コロイド状材料は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約13質量%~約35質量%の範囲内の任意の範囲の量である。
【0063】
いくつかの実施形態では、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約13質量%~約35質量%の範囲の量である。いくつかの実施形態では、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約15質量%~約30質量%の範囲の量である。いくつかの実施形態では、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約20質量%~約25質量%の範囲の量である。いくつかの実施形態では、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約13質量%~約35質量%の範囲内の任意の範囲の量である。
【0064】
本明細書に記載される組成物に使用される非水溶性無機物は、特に制限されず、かつ、食品、パーソナルケア又は医薬産業で広く使用される任意の非水溶性無機物であり得ることを理解されたい。本明細書に記載される実施形態での使用に好適な非水溶性無機物の例には、限定されるものではないが、二塩基性リン酸カルシウム(結合剤又は充填剤として使用される賦形剤)、リン酸三カルシウム(結合剤又は充填剤として使用される賦形剤)、硫酸二カルシウム等のカルシウム無機物、フルオリド、ヨード、酸化鉄(賦形剤又は着色剤)、黄酸化鉄(賦形剤又は着色剤)等の鉄無機物、酸化マグネシウム(希釈剤)、炭酸マグネシウム(希釈剤)等のマグネシウム無機物、マンガン無機物、モリブデン無機物、リン、ケイ素、硫黄及び酸化亜鉛(着色添加剤として使用される賦形剤)等の亜鉛無機物、硫酸バリウム(賦形剤)が含まれる。いくつかの実施形態では、非水溶性無機物は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約65質量%~約85質量%の量である。いくつかの実施形態では、非水溶性無機物は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約70質量%~約80質量%の量である。いくつかの実施形態では、非水溶性無機物は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約75質量%~約80質量%の量である。いくつかの実施形態では、非水溶性無機物は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約65質量%~約85質量%の範囲内の任意の範囲の量である。
【0065】
非水溶性無機物は、粉末の形態であってもよい。これらの非水溶性無機物粉末は、様々な粒子サイズ及び粒度分布で使用可能である。本明細書で使用される粒子サイズは、特定されているように、体積によるメディアン粒子サイズ又は体積モーメント平均D[4,3]、を参照することができる。粒子サイズの定義及びその測定方法に対する例示的な参考文献は、Malvern Instrumentsの、「A basic guide to particle characterization」ホワイトペーパーである。粒子サイズは、Malvern Instruments社の粒子分析器又は類似の装置によって測定されたものとして、報告されている。本明細書に記載される組成物は、直径5~100ミクロンの範囲の体積によるメディアン粒子サイズで、非水溶性無機物に適用可能である。酸化マグネシウム等のいくつかの材料では、10又は50ミクロンの体積によるメディアン粒子サイズを有する狭い粒度分布で、容易に入手可能である。硫黄等のその他は、25~45ミクロンの体積によるメディアン粒子サイズで、2~110ミクロンの範囲の典型的により広い粒度分布を有する。
【0066】
本明細書に記載される組成物で使用される架橋剤は、特に限定されるものではないが、コロイド状材料等の安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤のヒドロキシル基及びカルボキシ基を連結することによって凝集材料又は架橋材料として機能するあらゆる架橋剤であり得ることを理解されたい。例示的な架橋剤には、限定されるものではないが、ボレート、クロメート、チタネート、ジルコネート及びアルミネートが含まれる。いくつかの実施形態では、架橋剤は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属に基づく金属アルミネートであり得る。架橋剤の例には、限定されるものではないが、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸バリウム及びアルミン酸ストロンチウムが含まれる。いくつかの実施形態では、架橋剤はアルミン酸カルシウムである。いくつかの実施形態では、架橋剤はアルミン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、架橋剤はアルミン酸バリウムである。いくつかの実施形態では、架橋剤はアルミン酸ストロンチウムである。いくつかの実施形態では、架橋剤はアルミン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、架橋剤は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約0.3質量%~約1.5質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約0.5質量%~約1質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約0.7質量%~約1質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、本明細書に記載される組成物の固形物基準に対して、約0.3質量%~約1.5質量%の範囲内の任意の範囲の量である。
【0067】
いくつかの実施形態では、架橋剤は、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤に対して、約2.0質量%~約4.0質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤に対して、約2.5質量%~約3.5質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤に対して、約2.0質量%~約3.0質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、安定剤、粘滑剤、結合剤、乳化剤又は品質改良剤に対して、約2.0質量%~約4.0質量%の範囲内の任意の範囲の量である。
【0068】
いくつかの実施形態では、架橋剤は、コロイド状材料に対して、約2.0質量%~約4.0質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、コロイド状材料に対して、約2.5質量%~約3.5質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、コロイド状材料に対して、約2.0質量%~約3.0質量%の量である。いくつかの実施形態では、架橋剤は、コロイド状材料に対して、約2.0質量%~約4.0質量%の範囲内の任意の範囲の量である。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、ある量の水を含む。いくつかの実施形態では、水は、固体組成物の約3質量%までの量である。いくつかの実施形態では、水は、固体組成物の約1質量%~約3質量%の量である。本明細書に記載される組成物中の様々な成分の量は、組成物中の固形物基準に関して測定される質量パーセント量又は組成物中の様々な成分のアブソリュート質量パーセントの量であり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、スプレードライ組成物等の組成物が無水である場合、組成物の固形物基準がアブソリュートとほぼ等価であり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、スプレードライ組成物等の組成物が、組成物の約3質量%までの量で水を含む場合、本明細書に記載される組成物中の様々な成分の量の値は、水の量を考慮した組成物中の固形物基準に関して測定される質量パーセント量であり得る。いくつかの実施形態では、スプレードライ組成物等の組成物が、組成物の約3質量%までの量で水を含む場合、本明細書に記載される組成物中の様々な成分の量の値は、組成物中の水の量を含む組成物のアブソリュート質量基準に関して測定される質量パーセント量であり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物はベーシックフローエネルギー(basic flow energy)を有する。例示的には、ベーシックフローエネルギーは、組成物の流動に対する抵抗の測定値である。たとえば、より高いベーシックフローエネルギーを有する組成物は、より低いベーシックフローエネルギーを有する組成物よりも、オーガー系で流動により抵抗し得る。このように、ベーシックフローエネルギーの改善は、改善された粉末の計量及び処理を、提供することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、Freeman Technology FT4パウダーレオメーターによって測定される約150mJ未満、約125mJ未満又は100mJ未満のベーシックフローエネルギーを有する。いくつかの実施形態では、コロイド状材料、架橋剤及び非水溶性無機物を含む組成物のベーシックフローエネルギーは、非水溶性無機物を含み、かつ、コロイド状材料及び架橋剤を含まない組成物のベーシックフローエネルギーより小さい。いくつかの実施形態では、組成物は、コロイド状材料及び架橋剤の非存在下で、非水溶性無機物のベーシックフローエネルギーの約85%未満又は約70%未満のベーシックフローエネルギーを有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、コンディションド(conditioned)嵩密度を有する。低い応力で、均一な充填状態で測定されるコンディションド嵩密度は、局所的な応力や過剰な空気の影響を受けていない粉末の通常のコンディションを表す。コンディションド嵩密度の減少は、粒子の解凝集の指標となり得、凝集する傾向の高い粉末サンプルで典型的に観察されるバイモーダル分布と比較して、より均一な粒度分布を生み出す。そのように、コンディションド嵩密度の改善は、改善された分散特性を提供することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、Freeman Technology FT4パウダーレオメーターによって測定される、約0.8g/mL未満、約0.75g/mL未満又は0.7g/mL未満のコンディションド嵩密度を有する。いくつかの実施形態では、コロイド状材料、架橋剤及び非水溶性無機物を含む組成物のコンディションド嵩密度は、非水溶性無機物を含み、かつ、コロイド状材料及び架橋剤を含まない組成物のコンディションド嵩密度より小さい。いくつかの実施形態では、組成物は、コロイド状材料及び架橋剤の非存在下で、非水溶性無機物のコンディションド嵩密度の約97%未満又は約95%未満のコンディションド嵩密度を有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコロイド組成物等の本発明の組成物は、水性スラリーとして調製することができる。いくつかの実施形態では、水性組成物は、約40質量%の水~約70質量%の水を含む。いくつかの実施形態では、水性組成物は、約40質量%の水~約60質量%の水を含む。いくつかの実施形態では、水性組成物は、約50質量%の水を含む。いくつかの実施形態では、水性組成物は、約70質量%の水を含む。本明細書に記載される組成物中の様々な成分の量は、組成物中の固形物基準に関して測定される質量パーセント量又は本明細書に記載される組成物中の様々な成分のアブソリュート質量パーセントの量であり得ることを理解されたい。
【0073】
本明細書に記載されるコロイド組成物等の本発明の組成物は、非水溶性無機物の架橋組成物を必要とする様々な用途で有用であり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコロイド組成物等の本発明の組成物は、スキンケア品、制汗剤、デオドラント、化粧品、ヘアケア品等として当技術分野で知られる、パーソナルケア品(別名:パーソナルケア組成物)で使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコロイド組成物等の本発明の組成物は、本明細書に記載されるパーソナルケア組成物の約0.1質量%~約20質量%の量であり得る。パーソナルケア組成物で使用される、本明細書に記載されるコロイド組成物等の本発明の組成物の量の範囲は、6質量%~20質量%、0.1質量%~15質量%、4質量%~10質量%、0.5質量%~10質量%、1質量%~10質量%、2質量%~14質量%、3質量%~13質量%、2質量%~5質量%等の0.1質量%~20質量%の全ての可能な範囲及び値を含むことを理解されたい。パーソナルケア品は、モイスチャライザー、コンディショナー、アンチエイジング組成物、美白剤(skin lightener)、サンレスタンナー、日焼け止め、制汗剤、シェイブプレパレーション、アフターシェイブ、ファンデーション、リップスティック、ヘアスタイリング品、シャンプー、クレンザー等としての使用等の一次用途を有し得る。パーソナルケア品は、ローション、液体ソープ、クリーム、フェイスマスク、コンディショナー、セラム、ボディウォッシュ、洗顔料、シャンプー等のベース組成物を含み得る。パーソナルケア品は、溶液(水又は油ベース)、分散液、エマルジョン、水性ゲル、界面活性剤系等の様々な形態に配合され得るということを理解されたい。いくつかの実施形態では、パーソナルケア品は、ゲル、スティック、流動性固体、非晶質材料等の流体又は固体であり得る。いくつかの実施形態では、エマルジョン組成物は、水相、1つ又は複数の乳化剤、1つ又は複数の皮膚軟化剤、1つ又は複数のヒューメクタント、1つ又は複数のスキンケア活性剤(ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、アラントイン、パンテノール、ペプチド等)、1つ又は複数のレオロジー調整剤(合成ガム及び天然ガム等)又は1つ又は複数の防腐剤、その他の化粧品原料等を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤系は、水、1つ又は複数のアニオン性、両性、非イオン性及びカチオン性界面活性剤、1つ又は複数のモイスチャライザー、1つ又は複数のヒューメクタント、1つ又は複数の植物性成分、1つ又は複数のレオロジー調整剤、1つ又は複数の防腐剤、その他の化粧品原料等を含む。いくつかの実施形態では、水性ゲルは、水、1つ又は複数のレオロジー調整剤、1つ又は複数のモイスチャライザー、1つ又は複数のヒューメクタント(グリセリン、グリコール、ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、アラントイン、パンテノール、ペプチド等のスキンケア活性剤等)、1つ又は複数の防腐剤、その他の化粧品原料等を含む。「その他の化粧品原料」には、The Personal Care Product Council’s International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook, 16th Editionに概説されているものが、含まれるということを理解されたい。
【0074】
本明細書に記載される組成物の用途は、本明細書に記載されるコロイド組成物等の本発明の組成物と、本明細書に記載される任意の形態のベース組成物及び担体を混合して、最終製品を提供することを含み得ることを、さらに理解されたい。本明細書で使用される場合、「担体」は、水(たとえば、水性担体)、水混和性溶媒、油等のパーソナルケア品の技術分野において知られる任意の担体を意味する。
【0075】
好適な担体には、水性及び/又は水混和性溶媒が含まれる。パーソナルケア品は、約1質量%~約95質量%の水及び/又は水混和性溶媒を含み得る。組成物は、約1質量%、約3質量%、約5質量%、約10質量%、約15質量%、約20質量%、約25質量%、約30質量%、約35質量%、約40質量%、約45質量%、約50質量%、約55質量%、約60質量%、約65質量%、約70質量%、約75質量%、約80質量%又は約90質量%から、約95質量%、約90質量%、約85質量%、約80質量%、約75質量%、約70質量%、約65質量%、約60質量%、約55質量%、約50質量%、約45質量%、約40質量%、約35質量%、約30質量%、約25質量%、約20質量%、約15質量%、約10質量%又は約5質量%の水及び/又は水混和性溶媒を含み得る。好適な水混和性溶媒には、一価アルコール、二価アルコール、多価アルコール、グリセロール、グリコール、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール及びそれらの混合物が含まれる。特に好適な溶媒には、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール等の低級脂肪族アルコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、へプタンジオール、デカンジオール等のジオール、グリセリン、水及びそれらの混合物が含まれる。特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、水、ジオール、グリセリン及びそれらの組み合わせを含む。
【0076】
好適な担体には、油も含まれる。パーソナルケア組成物は、約0.1質量%~約95質量%の1つ又は複数の油を、含み得る。組成物は、約0.1質量%、約0.5質量%、約1質量%、約2質量%、約5質量%、約10質量%、約15質量%、約20質量%、約25質量%、約30質量%、約35質量%、約40質量%、約45質量%、約50質量%、約55質量%、約60質量%、約65質量%、約70質量%、約75質量%、約80質量%、約85質量%又は約90質量%から、約95質量%、約85質量%、約80質量%、約75質量%、約70質量%、約65質量%、約60質量%、約55質量%、約50質量%、約45質量%、約40質量%、約35質量%、約30質量%、約25質量%、約20質量%、約15質量%、約10質量%、約5質量%又は約3質量%の1つ又は複数の油を含み得る。油は、水又は水溶性溶媒に適していない材料を、可溶化、分散又は担持するために使用され得る。好適な油には、シリコーン、炭化水素、エステル、アミド、エーテル及びそれらの混合物が含まれる。油は周辺条件で流体であり得る。しかしながら、特定のパーソナルケア製品の形態(すなわち、固体又は半固体スティック)は、非流動性の油を必要とし得る。油は揮発性又は不揮発性であり得る。「不揮発性」は、1気圧、25℃で約0.2mmHg以下の蒸気圧を示す材料及び/又は1気圧で少なくとも約300℃の沸点を有する材料を意味する。「揮発性」は、材料が、20℃で少なくとも約0.2mmHgの蒸気圧を示すことを意味する。揮発性油は、重く油っぽいフィルムが望ましくない場合、より軽い感触を提供するために使用され得る。
【0077】
好適な油には、揮発性油が含まれる。特定の実施形態では、揮発性油は、25℃で約0.5~5センチストークスの範囲の粘度を有し得る。揮発性油は、スキンケア組成物が皮膚に塗布された後、より迅速なスキンケア組成物の乾燥を促進するために使用され得る。不揮発性油も、組成物での使用に好適である。不揮発性油は、皮膚軟化特性及び保護特性のために、通常使用される。
【0078】
その他の好適な油には、エステルが含まれる。好適なエステルは、典型的には、少なくとも10個の炭素原子を含む。これらのエステルには、脂肪酸又はアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステル(たとえば、モノエステル、多価アルコールエステル並びにジ及びトリカルボン酸エステル)が含まれる。本明細書のエステルのヒドロカルビル基は、アミド基及びアルコキシ基等(たとえば、エトキシ又はエーテル結合)のその他の適合性官能基を含み又はそれと共有結合し得る。例示的なエステルには、限定されるものではないが、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリル酸へキシル、ラウリル酸イソへキシル、パルミチン酸イソへキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、アジピン酸ジへキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、安息香酸(C12~C15)アルキル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル及びアジピン酸オレイルが含まれる。その他の好適なエステルは、The Personal Care Product Council’s International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook, 16th Editionに、the functional category of “Esters.”の下、さらに記載されている。パーソナルケア組成物での使用に好適なその他のエステルには、多価アルコールエステル及びグリセリドとして知られるものが含まれる。
【0079】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるベース組成物を含むパーソナルケア品は、ヒューメクタント、増粘剤、懸濁剤、乳化剤、皮膚軟化剤、構造化剤又はpH調整剤等の当業者に知られている様々な成分を含む。
【0080】
乳化剤は、ベース組成物がエマルジョンの形態である場合又は非混和性材料が組み合わされている場合、特に好適であり得る。パーソナルケア品は、約0.05質量%、約0.1質量%、約0.2質量%、約0.3質量%、約0.5質量%又は約1質量%から約20質量%、約10質量%、約5質量%、約3質量%、約2質量%又は約1質量%の乳化剤を、含み得る。乳化剤は、非イオン性、アニオン性又はカチオン性であり得る。乳化剤の非限定的な例は、米国特許3,755,560号、米国特許4,421,769号及びM.C. Publishing Co社出版のMcCutcheon's, Emulsifiers and Detergents, 2010 Annual Edで開示されている。その他の好適な乳化剤は、The Personal Care Product Council’s International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook, 16th Editionに、the functional category of “Surfactants - Emulsifying Agentsの下、さらに記載されている。
【0081】
構造化剤は、粘度を高めて、濃くして(thicken)、固化して若しくはパーソナルケア品に、固体構造又は結晶構造を提供するために使用され得る。構造化剤は、典型的には、溶解性、分散性、相適合性に基づいてグループ化されている。水性又は水構造化剤の例には、高分子剤、天然又は合成ガム、多糖類等が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約0.0001質量%、約0.001質量%、約0.01質量%、約0.05質量%、約0.1質量%、約0.5質量%、約1質量%、約2質量%、約3質量%、約5質量%から約25質量%、約20質量%、約10質量%、約7質量%、約5質量%、約4質量%又は約2質量%で1又は複数の構造化剤を含む。
【0082】
多糖類及びガムは、好適な水性相増粘剤であり得る。高分子構造化剤の好適なクラスには、限定されるものではないが、カルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、スルホン化ポリマー、高分子量ポリアルキルグリコール又はポリグリセリン、それらのコポリマー、それらの疎水性修飾誘導体並びにそれらの混合物が含まれる。
【0083】
いくつかの実施形態では、パーソナルケア品に提供されるその他の成分には、限定されるものではないが、グリセリン、キサンタンガム、セテアリルアルコール/セテアレス-20ブレンド、ステアリン酸グリセリル/ステアリン酸PEG-100ブレンド、アジピン酸ジカプリル、ジメチコンが含まれる。いくつかの実施形態では、ベース組成物は、10~15質量%のグリセリン又はプロピレングリコール等のその他のヒューメクタント、2~5質量%のキサンタンガム又はアクリラートコポリマー若しくは合成ポリマー等のその他の増粘剤/懸濁剤、48~62質量%のジステアリン酸PEG-150、セテアレス-20、セテアレス-25、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、乳化用ワックスNF、ポリソルベート20、セテアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-100及び/又はそれらのブレンド等の乳化剤、20~30質量%のアジピン酸ジカプリル、ジメチコン、安息香酸C12~C15アルキル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリド、ミリスチン酸イソプロピル又はパルミチン酸イソプロピル等の皮膚軟化剤を含む。いくつかの実施形態では、上で提供された質量%値は、「乾燥」又は「非水性」の値である。
【0084】
いくつかの実施形態では、ベース組成物は、1.0~5.0質量%のグリセリン又はプロピレングリコール等のその他のヒューメクタント、0.1~0.75質量%のキサンタンガム又はアクリラートコポリマー若しくは合成ポリマー等のその他の増粘剤/懸濁剤、3~10質量%のジステアリン酸PEG-150、セテアレス-20、セテアレス-25、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、乳化用ワックスNF、ポリソルベート20、セテアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-100及び/又はそれらのブレンド等の乳化剤、1.0~5.0質量%のアジピン酸ジカプリル、ジメチコン、安息香酸C12~C15アルキル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリド、ミリスチン酸イソプロピル又はパルミチン酸イソプロピル等の皮膚軟化剤を含む。いくつかの実施形態では、パーソナルケア品は、60~80質量%の水を含有し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、ベース組成物は、1.5~2.25質量%のグリセリン又はプロピレングリコール等のその他のヒューメクタント、0.3~0.75質量%のキサンタンガム又はアクリラートコポリマー若しくは合成ポリマー等のその他の増粘剤/懸濁剤、7.2~9.3質量%のジステアリン酸PEG-150、セテアレス-20、セテアレス-25、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、乳化用ワックスNF、ポリソルベート20、セテアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-100及び/又はそれらのブレンド等の乳化剤、3.0~3.5質量%のアジピン酸ジカプリル、ジメチコン、安息香酸C12~C15アルキル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリド、ミリスチン酸イソプロピル又はパルミチン酸イソプロピル等の皮膚軟化剤を含む。いくつかの実施形態では、パーソナルケア品は、60~80質量%の水を含有し得る。
【0086】
本明細書に記載される組成物及び製品は、以下の非限定的な実施例によって実証され得る。当業者は、様々な実施形態について提供される説明に基づいて本明細書で提供される実施例を調整して、代替の組成物及び製品を調製することができるということを理解されたい。
【実施例】
【0087】
実施例1
アカシアガム及び架橋剤の組み合わせを、25グラムのガムを75グラムの脱イオン化水に溶解させ、溶液が透明になるまで混合して、その後、76℃に加熱しながら評価対象の架橋剤をゆっくりと加えて、評価した。各溶液を、24時間、室温で冷却した。溶液の粘度を、25℃で、Brookfield LV DV-II+粘度計を使用して測定した。溶液の粘度の測定は、調製したサンプル間で有意差を示した。コントロールとして、非架橋溶液を調製したところ、80cPの測定粘度であったが、その一方で、比較のホウ砂溶液を調製したところ、100000cP以上の測定された粘度であった。25%水性溶液中のアカシアガムの質量に対する2%~10%の範囲の各架橋剤の様々なレベルを評価すると、ガム溶液の粘度の類似の増加が得られた(
図1)。アルミン酸ナトリウムが、粘度に対して有意な影響を生み出したたった1つの添加剤であった。
【0088】
【0089】
実施例2
実施例1に記載する方法を使用して、25%アカシアガム溶液に加えられた、ホウ砂及びアルミン酸ナトリウムの様々な濃度の粘度上昇の比較を実施した(表2及び
図2)。アルミン酸ナトリウムは、混合物中の充填レベルを調整することによって、ホウ砂の特性に匹敵し得ることがわかった。
【0090】
【0091】
実施例3
表3に示す成分を脱イオン化水と混合して、30質量%の固形物で水性スラリーを調製した。水ベース系に対する典型的なパラメーターを使用して、スラリーをスプレードライして、水分含有量3%未満を達成した。得られた粉末を、Malvern Instruments社の粒子分析器で測定した粒度分布及び水分含有量について分析した。コンディションド嵩密度(CBD)及びベーシックフローエネルギー(BFE)を、Freeman Technology FT4パウダーレオメーターを使用して決定した。BFEを分析して、未処理の非水溶性無機物と比較して、スプレードライ製品の向上した粉末流動性を確認した。より低いBFE値は、より優れた制限流の挙動を示す。結果を、表3に示す。
【0092】
【0093】
実施例4
粘性懸濁液内での向上した分散性及び解凝集性を確認するために実験を行った。実施例3のスプレードライ粉末製品及び各未処理の非水溶性無機物の両方を用いて、同一の処理条件で、懸濁液を調製した(表4)。懸濁液Gは、より多い量のスプレードライ粉末を含有し、未処理の非水溶性無機物の全体の無機物含有量の75%の含有量の無機物に匹敵した。得られた懸濁液を、ドローダウンバールを使用して薄膜に広げ、各コロイド系の分散性及び解凝集性を、それぞれのコントロールと比較した。分散が明確に均一でなく、かつ、ドローダウン膜に大きな凝集物を確認した場合、試験結果を不合格とした。ドローダウン膜の画像については、
図3A~3C及び
図4A~4Cを参照されたい。酸化鉄コロイド粉末(
図3D)及び酸化鉄粉末(
図3E)間の粒子サイズの比較については、
図3D及び3Eを参照されたい。
【0094】
【0095】
**懸濁液ベースは、13%のグリセリン、3%キサンタンガム、21%セテアリルアルコール/セテアレス-20ブレンド、35%ステアリン酸グリセリル/ステアリン酸PEG-100ブレンド、14%アジピン酸ジカプリル、14%ジメチコンを含む。
【国際調査報告】