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特表2023-521484脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/15 20060101AFI20230517BHJP
【FI】
A61B17/15
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562883
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2021059647
(87)【国際公開番号】W WO2021209496
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】102020110346.8
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランツ-ペーター ファームバッハ
(72)【発明者】
【氏名】ローランド ベッティガー
(72)【発明者】
【氏名】ベルナ リヒテル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL23
(57)【要約】
本発明は脛骨切除ガイド用の位置合わせ装置(1)に関し、位置合わせ装置(1)は、患者の脛骨(3)の遠位端にクランプするために互いに対抗して作用する少なくとも2つのクランプ要素(4、4a)を有するクランプ装置(2)と、脛骨(3)の近位端と接触するための接触装置(6)であって、脛骨(3)の切除中にツールを案内するためのツール・ガイド装置(8)を備える接触装置(6)と、接触装置(6)に対して分離可能に接続され、クランプ装置(2)に対して調節可能に接続されて、脛骨(3)に対して装置(2、6)を位置合わせするように設計された伸縮自在装置(10)と、を備え、伸縮自在装置(10)は、その近位領域(52)に、活性化されたとき伸縮自在装置(10)から接触装置(6)を分離するように設計された分離装置(12)も有し、クランプ装置(2)のクランプ要素(4)は、分離装置(12)が活性化された後には、伸縮自在装置(10)を脛骨(3)から片手で取り外すことができるように設計されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮自在装置(10)を備え、前記伸縮自在装置(10)が、その近位端部分に、鋸ブロック(8)を装備可能、または装備しており、また、その遠位端部分に、少なくとも2つのクランプ要素(4、4a)を有する足首シャックル装置、詳細にはクランプ装置(2)を有し、前記クランプ装置(2)の前記クランプ要素(4、4a)が、それぞれアーチ形に設計されており、前記クランプ要素(4、4a)が、たとえば患者の脛骨の遠位端をクランプするために互いに対抗するように作動して枢動することができる、特に脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置(1)において、
もっぱら前記クランプ要素(4、4a)のばね弾性を利用して前記脛骨から前記クランプ装置(2)が取り外され得るように、前記クランプ要素(4、4a)の各々が少なくとも部分的に弾性であることを特徴とする、位置合わせ装置(1)。
【請求項2】
前記クランプ装置(2)が脛骨接触ブロック(86)を備え、
前記脛骨接触ブロック(86)が、とりわけ、実質的にV字形に分岐する2つの剛体の接触アーム(82)から成り、
前記接触アーム(82)の自由端領域に、弾性的に曲がり得る/柔軟なクランプ要素(4、4a)が枢動可能に関節接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の位置合わせ装置(1)。
【請求項3】
前記クランプ装置(2)がラチェット機構(76)をさらに備え、
前記クランプ要素(4、4a)が、前記ラチェット機構(76)によって、それぞれ前記脛骨接触ブロック(86)上に支持されており、
前記ラチェット機構(76)によって、前記クランプ要素(4、4a)のそれぞれに、互いに無関係の、好ましくは大きさが異なる予張力がかかり得ることを特徴とする、請求項1または2に記載の位置合わせ装置(1)。
【請求項4】
前記クランプ要素(4、4a)がフォーク形にさらに設計されており、
また、それぞれのフォーク(60)のプロング(62)が、閉状態(64)においてオーバーラップするやり方で互いに係合するように、互いにオフセットして配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の位置合わせ装置(1)。
【請求項5】
伸縮自在装置(10)を備え、前記伸縮自在装置(10)が、その近位端領域に、鋸ブロック(8)を装備し得、または装備しており、その遠位端領域に、足首シャックル装置、詳細にはクランプ装置(2)を備える、特に脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置(1)であって、
好ましくは請求項1から4のいずれか一項に記載の位置合わせ装置(1)において、前記伸縮自在装置(10)が、その近位領域に鋸ブロック・アダプタ(12)を備え、前記鋸ブロック・アダプタ(12)が、手動活性化の場合には前記伸縮自在装置(10)から前記鋸ブロック(8)を分離するように設計されていることを特徴とする、位置合わせ装置(1)。
【請求項6】
前記伸縮自在装置(10)が、その近位領域にハンドル(14)を備え、
前記ハンドル(14)が、片手で取り囲まれ得るように設計されており、前記鋸ブロック・アダプタ(12)が、その活性化のための圧力要素(16)を、前記ハンドル(14)の上に備え、
前記圧力要素が、前記伸縮自在装置(10)の縦軸(20)に対して、好ましくは90°~150°、より好ましくは95°~120°の角度A、特に100°の角度Aで配置されており、そのため、前記圧力要素(16)が片手の親指で活性化され得ることを特徴とする、請求項5に記載の位置合わせ装置(1)。
【請求項7】
前記鋸ブロック・アダプタ(12)が、クランプまたは保持ブラケット(30)を好ましくはロッカのやり方で支持するプラグの性質の雄アダプタ・インタフェースとして設計されており、
前記クランプまたはブラケットが、好ましくは前記鋸ブロック(8)に面する一方の端部において、少なくとも1つの係合切込みを形成し、他方の端部には、前記保持ブラケット(30)を、好ましくは解放方向へ手動で枢動させるための圧力要素が配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の位置合わせ装置(1)。
【請求項8】
プラグ・コネクタの性質の雌アダプタ・インタフェースが、前記鋸ブロック(8)上に形成されて、前記鋸ブロック・アダプタ(12)上の前記プラグ状のアダプタ・インタフェースによって特に耐トルク性のやり方で選択的に係合され、
前記係合が、特に前記鋸ブロック(8)側の保持端(44)の背後に係合することにより、前記保持ブラケット(30)によって固定される、ことを特徴とする、請求項7に記載の位置合わせ装置(1)。
【請求項9】
前記鋸ブロック・アダプタ(12)が、前記鋸ブロック・アダプタ(12)を、前記ハンドル(14)の好ましくは近位端にしっかりと接続することができる手動着脱式のドッキング・ポイントを有する個別の部分として形成され、
前記鋸ブロック・アダプタ(12)が、前記ハンドル(14)からも独立して、前記貫通穴に入り込む伸縮自在装置(10)上に保持され、前記伸縮自在装置(10)の縦方向(20)に移動可能であるように、より好ましくは、垂直方向の貫通穴を有することを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の位置合わせ装置(1)。
【請求項10】
伸縮自在装置(10)であって、その近位端部分に、鋸ブロック(8)を装備し得、または装備しており、その遠位端部分に、足首シャックル装置、特にクランプ装置(2)を有し、近位のハンドル(14)と、前記近位のハンドル(14)の中で縦方向に移動可能に支持された遠位のスライド・ロッド要素(11)とを有する伸縮自在装置(10)を備える、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置(1)であって、
好ましくは請求項1から9のいずれか一項に記載の位置合わせ装置(1)において、前記伸縮自在装置(10)が、前記ハンドル(14)上に配置された、好ましくは手動で調節可能な固定要素(104)を備え、前記固定要素(104)が、前記ハンドル(14)と前記スライド・ロッド要素(11)との間に摩擦力を選択的に生成するように設計して用意されたものであり、前記固定要素(104)が、好ましくは、前記ハンドル(14)と前記スライド・ロッド要素(11)との間に第1の圧縮力がもたらされる第1の位置に到達するように調節され得、また、前記ハンドル(14)と前記スライド・ロッド要素(11)との間に、前記第1の圧縮力とは異なる第2の圧縮力がもたらされる第2の位置に到達するようにも調節され得ることを特徴とする、位置合わせ装置(1)。
【請求項11】
前記固定要素(104)が、前記ハンドル(14)に挿入することまたはねじ込むことが可能なハウジング(114)と、前記ハウジングに挿入されるかまたはねじ込まれ、前記ハウジング(114)から軸方向に突出して、クランプ・ピン(120)を軸方向に移動可能なやり方で支持する回転つまみ(102)と、を有し、
前記クランプ・ピンには、前記回転つまみ(102)の内部で、ばね(124)によって突出方向に予張力がかかり、前記ばね(124)が、前記回転つまみ(102)上で、好ましくは前記回転つまみ(102)の中へ軸方向にねじ込まれる調節ねじ(122)において軸方向に支持され、前記クランプ・ピン(120)が、前記ばね(124)によって囲まれた軸方向の部分(121)を有し、
前記軸方向の部分(121)は、前記回転つまみ(102)が、所定の深さだけ前記ハウジング(114)に挿入されるかまたはねじ込まれると、前記回転つまみ(102)上で、特に前記調節ねじ(122)上で、軸方向に支持されるように設計して用意されたものであることを特徴とする、請求項10に記載の位置合わせ装置。
【請求項12】
前記クランプ・ピンの軸方向の中途部分にリング状の周囲のカラーが備わっており、
前記周囲のカラーが、一方では前記付勢ばね(124)用のばね座として、他方では、前記突出量を制限するための、前記回転つまみ(102)用の軸方向ストッパとして使用され、前記周囲のカラーが前記回転つまみ(102)にぶつかる位置における前記ばね(124)の予張力を調節するために前記調節ねじ(122)が用意されていることを特徴とする、請求項11に記載の位置合わせ装置(1)。
【請求項13】
足首シャックル装置、詳細にはクランプ装置(2)、特に前記脛骨の切除中にツールを案内するための鋸ブロック(8)、伸縮自在装置(10)であって、近位において、前記鋸ブロック(8)に接続されており、または接続され得、遠位において、前記足首シャックル装置(2)に接続されており、または接続され得る伸縮自在装置(10)、ならびに、脛骨切除の場合の切除高さを感知するための接触装置(6)、といった構成要素を備える、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置(1)であって、
好ましくは請求項1から12のいずれか一項に記載の位置合わせ装置(1)において、前記鋸ブロック(8)が、着脱式のやり方で前記接触装置(6)を受けるように設計された、好ましくは穴である少なくとも1つの台座凹部(150)を備えることを特徴とする、位置合わせ装置(1)。
【請求項14】
前記接触装置(6)が、好ましくはばね荷重ラッチ機構(154)を有する、好ましくは円筒形の中空体(156)である挿入要素を備え、
前記挿入要素が、前記接触装置(6)を、軸方向において固定するやり方で回転可能であり、しかし好ましくは前記台座凹部(150)の中で回転可能であるように、ラッチするやり方で前記台座凹部(150)に挿入され得ることを特徴とする、請求項13に記載の位置合わせ装置。
【請求項15】
足首シャックル装置、詳細にはクランプ装置(2)、特に前記脛骨の切除中にツールを案内するための鋸ブロック(8)、伸縮自在装置(10)であって、その近位端部分において、前記鋸ブロック(8)に接続されており、または接続され得、その遠位端部分において、前記足首シャックル装置(2)に接続されており、または接続され得る伸縮自在装置(10)、ならびに近位固定ユニット(202)、といった構成要素を備える、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置(1)であって、
好ましくは請求項1から14のいずれか一項に記載の位置合わせ装置(1)において、前記伸縮自在装置(10)が、その近位領域に、前記近位固定ユニット(202)を選択的に受けるための打込み装置マウントを備え、前記打込み装置マウントが、前記伸縮自在装置(10)の、少なくとも部分的に中空体として形成された前記スライド・ロッド要素(11)によって形成されている、ことを特徴とする位置合わせ装置(1)。
【請求項16】
前記近位固定ユニット(202)が、とりわけ、上にピン打込み機構(224)が配置された、水平方向のカンチレバー・アームまたは横梁(222)と、前記位置合わせ装置(1)上に、好ましくは前記伸縮自在装置(10)上に、より好ましくはスライド・シャフト要素(11)上に、前記固定ユニット(202)をクランプするための一体化された機構(208)を有する垂直方向の支柱(408)と、から成ることを特徴とする、請求項15に記載の位置合わせ装置。
【請求項17】
足首シャックル装置、詳細にはクランプ装置(2)、特に前記脛骨の切除中にツールを案内するための鋸ブロック(8)、ならびに、伸縮自在装置(10)であって、その近位端部分には、前記鋸ブロック(8)に接続されているかまたは接続され得る近位のハンドル(14)を備え、その遠位端部分には、前記ハンドル(14)の中に移動可能なやり方で受けられて、前記足首シャックル装置(2)に接続されているかまたは接続され得る、遠位のスライド・シャフト要素(11)を備える伸縮自在装置(10)、といった構成要素を備える、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置(1)であって、
好ましくは請求項1から16のいずれか一項に記載の位置合わせ装置(1)において、選択的に交換可能であって、伸縮自在なやり方で選択的に前記ハンドル(14)に挿入され得る、シャフト長さの異なるスライド・シャフト要素(254、258)のセット(250)によって特徴付けられる、位置合わせ装置(1)。
【請求項18】
足首シャックル装置、詳細にはクランプ装置(2)、特に前記脛骨の切除中にツールを案内するための鋸ブロック(8)、ならびに、伸縮自在装置(10)であって、その近位端部分には、前記鋸ブロック(8)に接続されているかまたは接続され得る近位のハンドル(14)を備え、その遠位端部分には、前記ハンドル(14)の中に移動可能に受けられて、前記足首シャックル装置(2)に接続されているかまたは接続され得る、遠位のスライド・シャフト要素(11)を備える伸縮自在装置(10)、といった構成要素を備える、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置(1)であって、
好ましくは請求項1から17のいずれか一項に記載の位置合わせ装置(1)において、前記足首シャックル装置(2)が、好ましくは前記スライド・シャフト要素(11)の側の台座(5)に挿入され得る挿入ロッド(93)の形態の結合部分、ならびに、好ましくは脛骨接触ブロック(86)に枢動可能に支持された2つのクランプ要素(4、4a)の形態の足首シャックル部分であって、前記伸縮自在装置(10)の縦方向(20)において前記結合部分に対してオフセットされている足首シャックル部分を備えることを特徴とする、位置合わせ装置(1)。
【請求項19】
前記足首シャックル部分が、前記結合部分に対して近位の第1の回転位置と、前記結合部分に対して遠位の第2の回転位置と、において静止するように、前記結合部分が、前記スライド・シャフト要素(11)に対して180°オフセットした2つの回転位置において結合され得ることを特徴とする、請求項18に記載の位置合わせ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者の脛骨の遠位端をクランプするように互いに対抗して作動する少なくとも2つのクランプ要素を有するクランプ装置を備える脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置または位置合わせ補助器具に関し、この位置合わせ装置は、脛骨の切除中にツールを案内するためのツール・ガイド装置を備える、脛骨の近位端と接触するための接触装置と、接触装置に対して分離可能に接続され、クランプ装置に対して調節可能に接続され、脛骨に対して接触装置およびクランプ装置を位置合わせするように設計された伸縮自在装置を備える。加えて、本発明は、それぞれの代替形態の独立請求項のそれぞれの前文による、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置の個々の場合に関する。
【背景技術】
【0002】
人工関節の埋込み手術を成功させるためには、患者の骨、特に脛骨を正確に切除することが非常に重要である。一方では骨除去の程度を最小限に抑え、同時にすべての欠陥骨組織を確実に除去するために、切除面が正確に局在化されなければならない。関節運動の全範囲にわたって関節の関節表面の位置合わせを確実にするために、解剖軸、特に脛骨軸に対する平面の位置合わせは、手術中に連続的に監視されなければならない。
【0003】
膝関節における脛骨切除面は、通常、足首に近い脛骨から離れて固定される円柱状の調節ロッドまたは伸縮自在装置を有する(鋸ブロック用の)位置合わせ装置または調節ガイドを使用して正確に設定される。伸縮自在装置が、脛骨に沿って、対応する解剖学的脛骨軸に対して(基本的に)平行に延在する。次いで、脛骨軸に対して切除面が画定され得る。最終的に、位置合わせ装置にツール・ガイド装置が取り付けられ、切除面を画定する。通常、ツール・ガイド装置はこの目的のための通路スロット有し、これに、前後に動く外科用器具(鋸)の平坦な切断刃が通される。
【0004】
脛骨切除面の位置合わせを調節するために、脛骨に位置合わせ装置が取り付けられ、その一端は患者の足に向けて伸縮自在装置に接続され、その他端(端部)にはツール・ガイド装置が接続される。ここで、2つの位置合わせおよび固定すなわち「前方固定」と「近位固定」との原理は基本的に区別される。「前方固定」の場合には、位置合わせ装置は、もっぱら上記で説明された足/足首シャックルによって固定され、「近位固定」の場合には、位置合わせ装置の近位端部分に、いわゆる顆問隆起脛骨に打ち込まれる追加の打込みピンが与えられる。
【0005】
米国特許第6,221,035 B1号は、脛骨切除に使用される前方固定タイプの位置合わせ補助器具の固定クランプの形態の足首/骨シャックルを開示している。この場合、伸縮自在な位置合わせロッドの遠位端部分に固定クランプが配置され、この遠位端部分には脛骨切断ブロックが装着される。
【0006】
固定クランプ自体が、2つのばねで付勢されたクランプ・アームを有し、その各々がフレームに対して回転軸のまわりで回転され得る。これらのクランプ・アームは、開位置に至り、脛骨と接触した後には手動解放装置によって解放される。次いで、クランプ・アームは、ばねの予荷重により、足首関節または脛骨を囲んでクランプする。クランプ・アームは、締結方向/クランプ方向に予張力がかかる。位置合わせ補助器具が、足首の上または直上に、ばね予荷重によって圧力ばめ固定されるが、クランプ力の影響により、患者の身体部分に血腫が生じかねないという不都合がある。
【0007】
クランプ・アームは、足首関節または足首にばね荷重の効果を及ぼす。しかしながら、固定クランプは患者の組織には適合せず、クランプ・アームが、足/下肢の形状および足首関節の太さに依拠して、程度の異なる接触力/クランプ力をかける。これによって、固定クランプの保持力も足首の形状に依拠することになる。
【0008】
その上、たとえば米国特許第7,344,542 B2号から、伸縮自在な主ロッドの近位端部分に横梁が剛結合されている近位固定タイプの脛骨位置合わせガイドが知られている。横梁の自由端部分には、位置合わせ補助器具のさらなる固定のために脛骨に打ち込まれた固定ピンがあり、また、横梁にはレバーも支持されており、これは、作動するとき、横梁に保持されたピンを脛骨から引き抜くために脛骨に押し付けられる。これは、全体の横梁が、組み込まれたピンとともに、骨からてこで引き離され、結果として、脛骨切断ブロックまたは鋸ゲージと垂直方向の主ロッドとの間の接続が、不利なやり方で同時に解放されなければならないことを意味する。
【0009】
最後に、釘の頭の下に到達して、てこおよび伝達装置によって骨から取り出すことができる手術釘抜きが、米国特許出願公開第2010/0087831 A1号から原理的に知られている。
【0010】
上記で説明されたタイプの脛骨位置合わせ補助器具/位置合わせ装置には、特に取扱いに関して、以下のような根本問題がある。
【0011】
たとえば、言及された2つの接続機構の原理に対して、設計の異なる利用可能な位置合わせ補助器具が必要になる。これは割高であり、保管、殺菌などを含めて、取扱いプロセスの全体が複雑になる。
【0012】
その上、位置合わせ補助器具は、外科手術中に患者の下肢から取り外されることが多い。取り外すためには、締結原理に依拠して、たとえば遠位締結および/または近位締結を緩めるために、常に、従来の位置合わせ補助器具に対するいくつかの手作業/操作が必要となる。
【0013】
この点において、身体寸法は患者特有のものであって、かなり異なることにもう一度留意されたい。しかしながら、既知の設計の従来の位置合わせ補助器具の対象になり得るのは、対応する調節の選択肢による、個々の場合における偏差の制限された範囲のみである。これは、既知のシステムでは、個々の場合における脛骨の完全な世界中の長さ範囲を対象にするのは不可能であるが、場合によりオーバーラップする長さ範囲を有するいくつかのシステム/位置合わせ補助器具を在庫にしておかなければならないことを意味し、コストおよび複雑な取扱いプロセスに関して上記で既に言及された課題を必然的に伴う。また、内反/外反の位置合わせの調節のために、最初に粗く調節される伸縮自在なロッド/主ロッドの長さが、位置合わせ不良に対して常に積極的に(手動で)確保されなければならない。これは、通常なら、粗く調節された長さを改善するためと想定される、後続のロック機構の操作(たとえば、一時的な手動の部分的解除)が、長さ調節の精細な補正にも常に必要になることを意味する。
【0014】
従来技術には、通常は力適合のやり方で患者の足首に固定されるか、またはクランプ・アームが圧力ばめのやり方で予荷重をかけられ、クランプ・アームにもたらされる固有の弾性によって位置決めの能力が不十分になるという別の課題がある。患者の組織に適合しない。最悪の場合には、これは着脱式の固定に通じるが、それでも、最初説明された切除面の位置合わせにおける寸法精度または正確さに対する高い要件により、十分ではない。弾性的な予張力がかかったクランプ・アームの種々のクランプ力により、とりわけ、患者の身体部分に血腫をもたらす可能性もある。
【0015】
クランプ力は患者のそれぞれの組織に依拠するので、すべての身体構造上のサイズが従来技術において既知の固定クランプの対象になるわけではない。したがって、位置合わせ装置の固定クランプの種々の変形形態を製造して最適の適合のために準備しておく必要があるが、高コストや管理しづらさのために実際問題としては実施されない。足首に対してばね荷重をかける位置合わせ装置の固定クランプの場合には、ばねからかかる接触力が足の形状および足首の太さに依拠して変化するので問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の基本的な目的は、従来技術の前述の不都合を少なくとも部分的に防止するかまたは少なくとも低減することであり、詳細には、患者の身体の先端/手足/下肢に対して、特に簡単に安全に速く固定したり、簡単に速くそこから固定を解放したりすることが可能で、取扱いが効率的な(脛骨)位置合わせ装置を提供することであり、位置合わせ装置は、好ましくは身体の先端の種々の組織に適合されているかまたは適合可能であり、好ましくは任意の組織に対して使用可能であって、動作モードおよび構成によって可能な限り血腫を防止するものである。また、位置合わせ装置は、好ましくはできるだけ簡単な設計にするべきであり、必要に応じて、組立て、洗浄、および殺菌も簡単にするべきである。全体として、当のタイプの位置合わせ装置または位置合わせ補助器具の取扱いに関連したコストをできるだけ低く抑えることも可能にするべきである。最後に、位置合わせ装置は、応用に関して、好ましくはできるだけ融通性があるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、請求項1の機能と、それぞれの代替形態の独立請求項4、7、10および12の機能とによる位置合わせ装置/位置合わせ補助器具に関連して達成される。
【0018】
本発明による位置合わせ装置(「髄外の脛骨位置合わせシステム」)は、髄外の位置合わせシステムであり/これを形成するものであり、詳細には、ルールに従う全体または単関節丘の膝関節形成術(TKA/UKA)において、近位の脛骨を切開するためのものである。この位置合わせ装置は、基本的には、従来技術から知られている、近位脛骨を切開するための臨床要件および外科医の構想に従って、脛骨の適切な標識まで鋸ブロックを調節するため、また、脛骨の前方の骨端部に対して鋸ブロックを取り付けるとき十分に安定させるために使用され得る。その上、この位置合わせ装置は、外科医が望むなら、たとえば脛骨に対して選択的に固定されていることにより、鋸ブロックの助けを借りて、骨の鋸引き中にも十分に高い安定性を保証するべきである。
【0019】
本発明によるシステムまたは位置合わせ装置は、1つのユニットにおいて、ユーザが必要とする別々の位置合わせ原理と固定原理との両方を実現するものである。以下では、これらは「前方固定」および「近位固定」と称されるバージョンである。これらの呼称は、上記で既に定義された最初の固定選択肢によるものである。本発明によれば、「近位固定」バージョンは、好ましくは「前方固定」バージョンに(アダプタのような)追加の「近位固定ユニット」を配置し、「顆問隆起脛骨」に対する近位固定をさらに可能にすることによって達成される。「前方固定」の場合には、近位領域において、鋸ブロックの長穴を通って「脛骨粗面」に配置されたピンによって(標準としての)最初の固定が実行される。
【0020】
以下のパラメータは、本発明による位置合わせ装置を用いて設定または調整される。
内反/外反の切断角。
屈曲/伸長の切断角(後方/前方の切断角(傾斜)、および/または背面/腹面の切断角(傾斜))。
近位の切断高さ(≒所望の骨部分の太さ)。
【0021】
本発明による位置合わせ装置は基本的に以下の構成要素から成り、これらは、個々に(別個に)特許請求することができ、分割出願の状況において追求される可能性もある。
・遠位の保持クランプ(特に足クランプ)
遠位の保持クランプ(以下、単なる例として足クランプと称する)は、本発明による位置合わせ装置の遠位端に配置される。これは以下の機能を実現する。
・位置合わせ装置を、足首の領域において、脛骨に対して(または解剖学的脛骨軸に対して、したがって通常は機械的脛骨軸に対しても)側方運動および回転運動に関して、保持し、安定させる
・遠位の標識を参照した、位置合わせ装置の位置合わせ
1.遠位の前方の足首中心
2.遠位の脛骨の前端
・以下のパラメータの調節機能
1.内反/外反の切断角
2.前方/後方の切断角(傾斜)
・位置合わせ装置の、患者の下肢からの簡単な外傷性の取外し
・位置合わせ装置の縦方向の範囲の拡大/縮小
【0022】
・シャフト
(伸縮自在)シャフトは、好ましくはスライド・ロッドおよびハンドルで構成される。これら2つの要素は、望遠鏡と同様に、互いに接続される。このシャフトは、遠位の機器部品(足クランプ)を近位の機器部品(鋸ブロック、必要に応じて鋸ブロック用のアダプタおよび/または近位接続機構を有するバージョン用の接続機構アーム)に接続する。
【0023】
このシャフトは以下の追加機能をも実現する。
上記で言及された3つのパラメータのすべてに関して位置合わせ装置の位置合わせを支援する。これは、脛骨に関する先端(人差し指、中指および親指を有する)と前方のシャフト端(人差し指と親指との間の手の底部を有する)とを、脛骨に関する先端に対して同時に接触させることにより、シャフトを視覚的かつ/または触覚的に参照することによって行われる。
好ましくは、位置合わせ装置の設定された位置合わせ高さを確保するように使用される拘束ユニット(たとえば、ばね荷重クランプ要素を有するつまみネジ)を含む。「前方固定」バージョンでは、位置合わせ装置の高さ調節は、もっぱらこの機能によって設定される。「近位固定」バージョンについては、好ましくは適応的に取付け可能かつ垂直方向に移動可能な往復台もあって、これに、鋸ブロックが取り付けられているか、または取り付けられ得る。
拘束ユニットの別の機能には、初めに概算され、まだ最終的に決定されていない、位置合わせ装置を位置合わせするときに設定する高さを確保するものがある。これは、たとえば拘束ユニットのばね荷重ピンが位置合わせ装置の遠位シャフト部分を押し付けることによって実現される自動ロック効果によって行われる。これによって、ユーザは、内反/外反、回転および高さの位置合わせを同時に補正することができる。調節可能な自己付着により、重力によって位置合わせ装置が縮小するのを防止し、したがって、取扱いおよび時間の消費が容易になり、手術時間に好ましい効果があり、したがって外科チームおよび患者にプラス効果がある。
【0024】
クランプ・ユニットは種々のバージョンにおいて実現され得る。
1.クランプ機能および自己接着性のスライド機能を有する解決策によって、または
2.クランプ機能、自己接着性のスライド機能、および自由落下を伴う全開機能を用いて。
【0025】
・鋸ブロックをシャフトに固定するためのアダプタ
好ましくは、鋸ブロック・アダプタは位置合わせ装置の近位端(特にハンドル)に配置され、以下の機能を有する。
右または左の下肢用の脛骨鋸ブロックを収容する。
最終的な切断高さ調節のための、特に「近位固定」バージョンと組み合わせたシャフト上の自由滑走機構。特にアダプタが当初は中立点に固定される場合には、「前方固定」バージョンとともに自由滑走を使用することが考えられる。これによって、固定ユニットを拘束した後に、より簡単に高さを補正することができる。
【0026】
・近位固定ユニット
任意選択で配置される「近位固定ユニット」は、基本的に、水平方向のカンチレバー・アームおよび垂直な支柱から成る。「近位固定ユニット」、または垂直な支柱は、「前方固定」バージョンのシャフトの近位端に対して選択的に取り付けられ得る。近位固定ユニットは以下の機能を有する。
「前方固定」バージョンの近位シャフト部分における「近位固定ユニット」の固定や解放が簡単である。
支柱のカンチレバー・アームは、外部から作用するスライド力がゼロまたは小さいものであれば、必要なら自己付着を伴って、水平方向に移動可能である。カンチレバー・アームが移動可能であることにより、位置合わせ装置が世界中の脛骨の組織に適合し、ユーザは、意図された傾斜をいつでも設定できることが保証される。
好ましくは2つの打込みピンによって顆問隆起脛骨に固定することにより、回転および横変位に対して現状を確保する。
衝撃レバーを用いてピンを解放する。
切断高さ調節中に鋸ブロック・アダプタを案内する。
【0027】
・調節可能な切断高さフィーラ
切断高さフィーラは、近位の脛骨鋸ブロックに対して選択的に取り付けられ得、基本的に以下の要素から成る。
脛骨鋸ブロックに対する、ロック・アンド・リリース機構を有するアダプタ・インタフェース
接触チップを有する留置式滑り接触アーム
高さ調節用のユニット
調節可能な切断高さフィーラは以下の機能を有する。
脛骨鋸ブロックに対する、切断高さフィーラの容易な組付け/取外し。
接触チップを用いる骨の標識の走査。切断高さは、ユーザによって選択された標識を基準として設定される。
骨端の脛骨の種々の組織に適合するため、また同一のアダプタ位置から脛骨内顆および脛骨外顆に達するための、高さフィーラの水平方向の可動性。
切断高さの調節
【0028】
・近位の脛骨鋸ブロック
好ましくは、脛骨鋸ブロックの種々の変形形態がある。各変形形態は以下の機能において異なる。
左右の脛骨に適用可能である。
「前方固定」および「近位固定」の2つのバージョンに適合する。
【0029】
鋸ブロックは以下の機能または機能要素を有する。
骨部分に対する鋸刃の誘導
鋸ブロックを骨に取り付けるため、および切断高さを±4mmまで補正するための穴
(鋸ブロック)アダプタによって位置合わせ装置/シャフトに装着するためのアダプタ・インタフェース
切断高さフィーラを装着するためのアダプタ・インタフェース
本発明の上記の目的は、別個に保護可能であり、したがって別個に請求可能であり、以下のようにより詳細に説明される。
【0030】
本発明の第1の要点は、必要に応じて別個に特許請求することができ、とりわけ、位置合わせ装置に、詳細には脛骨切除ガイドに、伸縮自在に伸長可能なシャフト(伸縮自在装置)を設けることにあり、伸縮自在装置は、その近位端領域に鋸ブロックを装備することができ/装備しており、その遠位端領域に一種の(足)シャックル装置、詳細にはクランプ装置を有し、クランプ装置は、たとえば患者の脛骨の遠位端をクランプするために互いに対抗して作動する少なくとも2つの枢動するクランプ要素/クランプ・アームを備え、クランプ装置のクランプ要素は、それぞれアーチ形に設計されており、位置合わせ装置/シャフトの縦軸の方向から見て、脛骨の遠位領域を、クランプ要素の間でクランプ式に受けるように設計された楕円形の領域を形成するように互いに位置合わせされる。本発明によれば、クランプ要素は、それぞれ弾性に設計され、または弾力材で作製されており、そのため、位置合わせ装置のクランプ装置は、好ましくは、クランプ要素のばね特性を利用することにより、片手で脛骨から取り外され得る。
【0031】
言い換えれば、位置合わせ装置または伸縮自在/伸長可能なシャフトの遠位端部に配置されたクランプ装置は、好ましくはY字形の脛骨接触ブロックを有し、これは、とりわけ、2つの基本的にV字形に分岐した剛体の接触アームから成る(往復台を形成する)ものであって、それぞれの自由端領域には、弾性的に曲がる/曲がりやすいクランプ・アームが枢動可能に関節接合されており、それぞれが、枢動して締まる方向/クランプ方向において、円弧状に予成形されている。このように形成されたクランプ・アームが、クランプ方向へ互いに枢動すると(足クランプが閉じると)、上面図において前述の楕円形のクランプ形状がもたらされ、結果として、患者の足首領域においてそれによってクランプされた脛骨には、クランプのほぼ全周に沿って、詳細には、背後から、横方向に、また前方から、力が同時にかかる。
【0032】
クランプ要素は、弾性に設計されているので、脛骨の遠位端にも、組織に対して優しく、すなわち傷つけることなく、高い並進および回転の安定性を伴って取り付けられる。脛骨の下端を参照すると、これは、足首関節を足背の接点まで直接含んでいる下部の第3脛骨の領域を表す。
【0033】
位置合わせ装置または足首シャックル装置(足クランプ)は、さらに、好ましくはラチェット機構を備え、これによって、クランプ要素は、足首シャックル装置の脛骨接触ブロックにおいてそれぞれ支持され、各クランプ要素には、互いに無関係な別々の予張力がかかり得る。
【0034】
ばね弾性により、クランプ要素は有利に弾性を得、同時に、全体の位置合わせ装置の不意の調節に対して、大きい保持力ならびに回転および並進の高い安定性を得る。この高い安定性は、クランプ要素が、ラチェット機構によって閉じられ、さらには保持されるという事実によって達成される。
【0035】
その上、足クランプが閉じているとき、2つのクランプ要素がそれぞれの自由端において組み合わされる。この組合せにより、側方の保持力および後側方からの保持力を同時にかけることが有利に可能である。このようにして、脛骨に対して、大きい面締結力および面保持力が、有利なやり方で多次元にかかる。
【0036】
特に有利なやり方では、弾性クランプ要素に応力がかかるのは脛骨と接触しているときのみであるため、この保持力は、脛骨のすべての身体構造上の周囲寸法にわたって一定である。脛骨を保持するための圧縮力がかかるのは脛骨がクランプ要素と接触しているときのみであるため、クランプ要素は両方の機能を有利に実現する。
【0037】
さらなる好ましい実施形態によれば、クランプ要素は、さらに、それぞれフォーク形に設計され、それぞれのフォークのプロングは、閉状態(閉じた足クランプ)では互いにオーバーラップして係合するように、互いにオフセットして配置され、その結果脛骨がしっかりと保持される。このように、クランプ要素は、脛骨を、背後から、横方向に、また前方から、同時に把持して保持する。フォーク形に構成されたクランプ要素は、脛骨の後方の領域において組み合わされ得て、脛骨を接触ブロックに押し付ける。特に有利なやり方では、クランプ要素は、足首関節の領域において組み合わさるように設計される。
【0038】
好ましくは、プロングのそれぞれの先端は、クランプ要素のそれぞれの円弧形状の逆に成形され、そのため、脛骨に傷つけることなく脛骨から取り外される。クランプ要素は、先端領域が湾曲しているので、組織に対して非常に優しいやり方で(最初にラチェット機構を開く必要はなく)脛骨から取り除かれ得、その一方で、先端が組織に切り込むことは、有利に防止されるかまたは軽減される。
【0039】
別個に請求され得る本発明の第2の要点は、伸縮自在装置すなわち伸縮自在シャフトが、その近位領域に、好ましくは、上記で説明された足クランプに加えて、伸縮自在装置またはシャフトから鋸ブロックを(手動で)活性化/解放して分離する/結合解除するように設計された分離装置すなわち鋸ブロック・アダプタ(分離装置と称されることもある)を備えることである。このようにして、位置合わせ装置/位置合わせ補助器具すなわち伸縮自在シャフトを、切断/鋸ブロックから、実質的に1回の手作業で容易に接続解除することができる。好ましい事例では、足クランプが上記で説明された本発明の第1の主要概念に従って設計されていると、クランプ要素は、弾性拡張による本来の弾性によって(ラチェット機構において足クランプを開くことなく)、遠位の脛骨から(片手で)容易に取り除くことができ、そのため、位置合わせ装置が、全体として1回の動作で取り外され得る。
【0040】
言い換えれば、有利には、足クランプおよび近位の鋸ブロック・アダプタ/アダプタ・インタフェースの構造的な設計により、伸縮自在シャフト(または位置合わせ補助器具)は、患者の脛骨から組織に優しいやり方、すなわち非外傷のやり方の(1回の)簡単な操作で取り除かれ得る。
【0041】
ここでの決定的な要因は、足クランプの保持要素が、十分な弾性に設計されていて、解放機構を動作させる必要なく、遠位の脛骨から容易に取り外すことができ、同時に、位置合わせ装置の不意の調節に対して十分に高い回転および並進の安定性を示すことである。加えて、この場合、分離装置すなわち脛骨鋸ブロック用のアダプタ・インタフェースは、鋸ブロックから位置合わせ装置を解放するためのハンドル(好ましくはレバーまたは解除ボタン)が簡単な親指圧力で作動され得るように設計されていて、シャフトが関連する手の全体で握られ得ることが有利である。位置合わせ装置に、説明された装置および要素が備わっているので、骨に鋸ブロックを取り付けた後に、親指圧力で解除ボタンを動作させれば、それ以上の操作を必要とすることなく、患者の脛骨から位置合わせ装置を片手で取り外すことができる。
【0042】
本発明の第2の主要概念の好ましい実施形態によれば、伸縮自在装置および/または伸縮自在シャフトの近位の領域にはハンドルがあり、これは、片手で握ることができように、また、活性化のための分離装置/鋸ブロック・アダプタがハンドルの上に圧力要素を有するように設計されおり、この圧力要素は、片手の親指で活性化され得るように、伸縮自在装置の縦軸に対して、好ましくは90°~150°、より好ましくは95°~120°の角度Aで、とりわけ100°の角度Aで配置される。
【0043】
圧力要素が100°の好ましい角度Aで配置されていると、圧力要素の位置に特に容易に手が届く。したがって、1回の親指圧力で圧力要素が有利に起動することができ、位置合わせ装置は、作業者の片手で脛骨から取り外され得る。有利には、これによって追加の手動または手順のステップがなくなり、1回の動作で位置合わせ装置を取り外すことができる。
【0044】
より具体的には、鋸ブロック・アダプタは、シャフト側の雄アダプタ・インタフェースとして、ほぼプラグのように設計されており、たとえば釘形の2つの突起を有し、そこに、好ましくはクランプまたは保持ブラケットがロッカのようなやり方で装着されている。保持ブラケットの一端部には、少なくとも1つの係合切込み(たとえばラッチ・フック)が形成されており、他端部には、好ましくは保持ブラケットを手動で解放方向に枢動させるための圧力要素が配置されている。
【0045】
したがって、鋸ブロックには、たとえば2つの(盲)孔を有するソケットのような雌アダプタ・インタフェースが配置/設計されていて、特に耐トルク性のやり方でプラグと係合することができ、この係合は、たとえば、鋸ブロック側の保持端の背後に係合することにより、保持ブラケットによって確保される。ここで、雄アダプタ・インタフェースが鋸ブロック側に設けられ、雌アダプタ・インタフェースがシャフトに設けられてもよいことに、明確に留意されたい。
【0046】
好ましくは、鋸ブロック・アダプタは、ドッキング・ポイントを備える個別の(独立した)構成要素として形成され、ドッキング・ポイントには、アダプタが、好ましくはその近位端にあるハンドルを用いてしっかりと接続され得る。さらに好ましくは、鋸ブロック・アダプタには、伸縮自在シャフトの一部(足クランプを遠位に配置したスライド・ロッド要素)がスライドしてハンドルとアダプタの両方に(完全に)入り込むことができるように、垂直な貫通穴がある。
【0047】
その上、別個に請求され得る独創的な第3の主要概念によれば、本発明は脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置を提供することにあり、この位置合わせ装置は、患者の脛骨の遠位端をクランプするための、好ましくは本発明の第1の主要概念によるクランプ装置(足クランプ)、脛骨の切除中にツール/鋸を案内するためのツール・ガイド装置/鋸ブロック、好ましくは本発明の第2の主要概念による伸縮自在装置/伸縮自在シャフトであって、ツール・ガイド装置/鋸ブロックおよびクランプ装置を、脛骨に位置合わせするように設計されて、これらの装置に接続された伸縮自在装置/伸縮自在シャフト、といった構成要素を備え、伸縮自在装置は、スライド・ロッド要素(遠位にクランプ装置が配置されている)を移動可能に受けるように設計されたハンドル要素またはハンドルと、ハンドルとスライド・ロッド要素との間に配置された(手動で調節可能な)固定要素であって、ハンドルとスライド・ロッド要素との間に第1の圧縮力がかかる第1の位置に到達するように(手動で)調節することができ、さらに、ハンドルとスライド・ロッド要素との間に、第1の圧縮力とは異なる(第1の圧縮力よりも大きい)第2の圧縮力がかかる第2の位置に到達するように調節され得る固定要素を備える。
【0048】
したがって、提供される固定要素は、ハンドルとスライド・ロッド要素との間に配置されるように設計されて伸縮自在装置に接続され、ハンドルとスライド・ロッド要素との間に第1の圧縮力および第2の圧縮力を生成し得るものである。伸縮自在装置は、ハンドルとスライド・ロッド要素との間に異なる2つの圧縮力を供給することによって容易に調節され得、処置する医師の要求に応じて動作することができる。
【0049】
第1の位置では、生成された(第1の)圧縮力が、位置合わせ装置の垂直方向すなわち伸縮自在シャフトの縦方向の配置において、ハンドル要素とスライド・ロッド要素との間に自動ロック効果をもたらし、第2の位置では、ハンドル要素とスライド・ロッド要素とが互いに対して固定される(第2の)圧縮力が生成される、という点において好ましい実施形態が提供される。
【0050】
したがって、第1の位置では、単に、自動ロックのスライド・ロッドが有利に達成され、この自動ロック効果は、少なくとも、重力によるハンドルとスライド・ロッド要素との相対移動を防止するためには十分なものであり、また、第2の位置では、固定要素によって、ハンドピースのスライド・ロッドが付加的に固定される。たとえば摩擦クランプによる固定は、固定要素すなわち拘束/締結ねじを回すことにより、リミット・ストップまでなら有利に達成される。スライド・ロッドをその軸方向で可動にするための、ハンドルにおける自動ロック解除は、ねじが、途中まで開いた状態から全開になったとき、ハンドルとスライド・ロッドとの間の(スプリング力に依拠する)クランプ力によって摩擦接続を生じさせる固定要素すなわち拘束/締結ねじに、ばね荷重ピンを組み込むことによって達成される。このクランプ力は、生成された静止摩擦が重力を打ち消すように設計され、重力が作用する質量は、位置合わせ装置の近位端および/または遠位端に取り付けられた要素によってかなり影響を受ける。有利には、クランプ力の効果により、取り扱う医師またはユーザは、高さを調節するためにいつでも要素を解放することができ、設定された高さは維持される。したがって、この位置合わせ装置は、有利には、懸念されるように重力によって縮小することはない。これによって、ユーザは、いつでも高さを再調節することができ、その上、たとえば内反/外反および/または傾斜といった他のパラメータの調節に集中することができる。全体として、これは、取扱い中の作業の流れを有益なやり方で容易にするものである。拘束/締結ねじは、(大まかな)高さ調節が完了しているときに限って、リミット・ストップまでなら回され、結果として、バネ効果が中和され、ハンドルとスライド・ロッド(要素)との間に印加される、ねじ込み力の関数としてのクランプ力は、以前に印加されたスプリング力よりもはるかに大きく、最終的に、2つの要素を互いに対してしっかりとクランプする。
【0051】
さらなる好ましい実施形態では、固定要素は、第3の位置において、ハンドルとスライド・ロッド要素との間に第3の圧縮力が作用するようにさらに調節可能であり、位置合わせ装置の垂直方向の配置では、印加される重力によって、要素(ハンドル、スライド・ロッド)が個々の他のものの中へ自動的にスライドするように設計されている。この第3の位置では、このように、自由落下するスライド・ロッドが提供される。
【0052】
これは、たとえば、固定要素のクランプ・ピンが、もはや静止摩擦を生成しないか、または小さい/無視できる静止摩擦しか生成しないという事実、すなわち、締結ねじが全開のとき、クランプ・ピンに作用するばね力が小さいので前述の静止摩擦がもはや重要ではなく、クランプ・ピンとスライド・ロッドとの間には滑り摩擦しか存在しないという事実によって達成される。
【0053】
本発明の、別個に特許請求され得るさらなる第4の主要概念は、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置を提供するものであり、この位置合わせ装置は、患者の脛骨の遠位端をクランプするための、好ましくは本発明の第1の主要概念によるクランプ装置(足首シャックル)、脛骨の切除中にツールを案内するためのツール・ガイド装置/脛骨鋸ブロック、好ましくは本発明の第2の主要概念および/または第3の主要概念による伸縮自在装置/伸縮自在シャフトであって、ツール・ガイド装置/およびクランプ装置を、脛骨に位置合わせするように設計されて、これらの装置に接続された/接続され得る伸縮自在装置/伸縮自在シャフといった構成要素を備え、ツール・ガイド装置は、切除高さを感知/微調整するための高さ感知要素または切断高さフィーラ(調節可能な接触要素)を解放可能に受けるように設計された台座凹部/ドッキング/アダプタ・インタフェースを有する。
【0054】
上記の実施形態によれば、切断高さフィーラは、近位の脛骨鋸ブロックに対して選択的に取り付けられ、基本的に、
・好ましくはラッチ・アンド・リリース機構を有する、脛骨鋸ブロックに対するアダプタ・インタフェース
・必要に応じて接触チップを有する留置式の滑り接触アーム
・(手動の)高さ調節用ユニットといった要素から成る。
【0055】
(調節可能な)切断高さフィーラは以下の機能を有する。
・(たとえば左右の下肢用に)互いに異なるように設計される得る個々の脛骨鋸ブロックに対する、スタイラスの簡単な組付けおよび取外し
必要に応じて、スタイラスの遠位端には、ばね荷重ラッチ機構が取り付けられ、これは、スタイラスが、この目的ために脛骨鋸ブロックに用意された穴/台座凹部/ドッキング・ポイントに導入/挿入された後に、スタイラスを所定位置に拘束する。スタイラスは、依然として、それぞれの鋸ブロックに対して挿入軸のまわりで回転可能である。
たとえば「ばね荷重ノーズ」によって、任意選択の軸方向の拘束が達成される。ばね荷重ノーズは、斜めになった遠位の接触面により、挿入中に横方向へ押し返され、脛骨鋸ブロックに全面的に挿入されたとき、脛骨鋸ブロックの溝の中で所定位置に係止する。
「ばね荷重ノーズ」はレバーによって拘束位置から解放され得る。レバーは、操作されたとき、ばねに対抗してノーズを引き戻し、したがってロックを解放する。この状態では、スタイラスは鋸ブロックから容易に取り外され得る。
【0056】
・接触チップを用いる骨の標識の走査。切断高さは、ユーザによって選択された標識を基準として設定される。
標識は、接触アームの後方端に取り付けられた接触チップを用いて検知される。接触チップが精巧であるため、非常に小さい骨質の構造体が、目視制御によって、視覚的に、非常に都合よく正確に検知され得る。
【0057】
・骨端の脛骨の種々の組織に適合するため、また同一のアダプタ位置から脛骨内顆および脛骨外顆に達するための、高さフィーラの水平方向の可動性。
好ましくは回転可能なスタイラスと、好ましくはその主軸に沿って移動可能な接触アームとの支援の下に、脛骨顆の近位表面上のあらゆる骨質の標識に到達することができる。この状況では、接触アームの寸法は、世界中の(アジア人、白人等の)組織が考慮に入れられるように設計されている。
接触アームは、所望の伸長長さを維持するために、たとえば摩擦係合による自動ロックのやり方で、軸方向変位に対して確保され得る。
【0058】
・切断高さの調節
鋸ブロックの鋸スロットの下端に対するスタイラスの接触チップの距離は、脛骨鋸ブロックの所定位置にスタイラスをラッチすることにより、また、鋸ブロック上のスタイラスの定義された停止によって、決定される。
設定された切断高さは、たとえば調節可能な高さフィーラのねじ頭の円周上の数字によって指示される。設定された高さを指示する数字は、好ましくは接触アームの保持ユニットの前方端におけるポインティング要素によって指示される。
0~16mm(または0~14mm)の脛骨部分の太さの調節が、好ましくはねじ頭を1回転させるだけで達成される。この場合、高さは、ねじ頭のガイド要素における螺旋体によって調節される。ねじ頭がスタイラスから完全に外れてしまうのを防止するために、必要に応じて、ガイド要素の上端に停止要素が用意される。
【0059】
・切断高さの最終的な調節および近位の脛骨切断のための位置合わせ装置の位置合わせ
所望の切断高さに設定した後に、スタイラスが、ユーザによって選択された標識に対して移動され、位置合わせ装置が位置合わせされる。ハンドルを、装着要素/鋸ブロック・アダプタと一緒にスライド・ロッド上で移動させることによって標識に近づく。一旦、位置合わせ装置の高さが調整され、内反/外反および傾斜がユーザの要求通りに調整されると、最後に、鋸ブロックは、固定ピンを、この目的ために鋸ブロックに用意された固定孔に通して、骨にしっかりと固定される。この後、脛骨を鋸切断できるように、少なくともスタイラスは取り外す必要がある。
【0060】
ここでは切断高さフィーラとも称される高さ感知要素が、上記で説明された近位の脛骨鋸ブロックに取り付けられ得る。高さ感知要素を使用することにより、ツール・ガイド装置/鋸ブロックの鋸スロットの下端に対する高さ感知要素の接触チップの距離が、有利なやり方で定義される。高さ感知要素の接触チップにより、非常に精細な骨質の構造を、目視制御によって非常に正確に検知することが有利に可能になる。全体として、高さ感知要素により、位置合わせ装置全体の特に正確な位置合わせが達成される。
【0061】
好ましい実施形態では、台座凹部は、ツール・ガイド装置/鋸ブロックの上面から位置合わせ装置/シャフトの縦軸に沿って延在する(盲または貫通)穴であり、高さ感知要素は、ラッチ機構を備える挿入要素/合い釘を有し、これが、ラッチするやり方で台座凹部に挿入され得る。
【0062】
高さ感知要素(スタイラスとも称される)の遠位端、すなわち挿入要素/合い釘の遠位(自由)端/端部に、ばね荷重ラッチ機構が取り付けられて、スタイラスを鋸ブロックの台座凹部に係止する。有利には、スタイラスは依然として挿入軸のまわりで回転可能であって、高さ感知要素が簡単に位置合わせされ得る。
【0063】
より好ましい実施形態では、好ましくは挿入要素自体にラッチ機構が配置され、このラッチ機構が備える移動止めノーズが、挿入状態では、台座凹部の背後で、高さ感知要素を軸方向に保持するように係合する。
【0064】
軸方向の拘束は「ばね荷重ノーズ」によって有利に達成され、これは、スタイラスが挿入されるとき、その遠位の接触面/滑り面が傾斜しているため、横方向へ自動的に押し返され、ツール・ガイド装置に完全に挿入されたときには、ツール・ガイド装置の切込みにおいて所定位置にラッチする。「ばね荷重ノーズ」は、さらに、拘束位置から、レバーまたは作動押しボタンを手で用いて、そのばね付勢に対抗して横方向に収縮することができ、したがってラッチ係合が相殺される。この状態では、スタイラスは、ツール・ガイド装置から、すなわち鋸ブロックから、有利なやり方で容易に取り外され得る。
【0065】
その上、本発明の別個に特許請求され得る本発明の独創的な第5の概念は、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置を提供するものであり、この位置合わせ装置は、好ましくは、患者の脛骨の遠位端をクランプするための、好ましくは本発明の独創的な第1の概念によるクランプ装置(足首シャックル)、脛骨の切除中にツールを案内するためのツール・ガイド装置/鋸ブロック、好ましくは本発明の第2~第4の主要概念のうち少なくとも1つによる伸縮自在装置または伸縮自在シャフト、といった構成要素を備え、この伸縮自在装置は、その近位端部分においてツール・ガイド装置に接続されており、または接続され得、その遠位端部分においてクランプ装置に接続されており、または接続され得、また、ツール・ガイド装置およびクランプ装置を脛骨に位置合わせするように設計されており、その近位の領域に、近位固定ユニットまたは打込み装置を選択的に受けるための打込み装置取付け台を有し、少なくとも部分的に伸縮自在装置の中空体として設計された、好ましくはスライド・シャフト/スライド・ロッド要素である、シャフトによって形成されている。
【0066】
上記で既に言及されたように、本発明による位置合わせ装置は、簡単な器械を追加することにより、解決策の1つの変形形態から第2のものに変換される。2つの変形形態は、「前方固定」および「近位固定」である。
【0067】
この変換は、「前方固定」バージョンの上に、追加の「近位固定ユニット」すなわち打込み装置を配置することにより、「顆問隆起脛骨」に対して近位締結の適用を可能にすること(「近位固定」バージョン)によって解決される。
【0068】
「近位固定ユニット」は、基本的に、打込みピンユニットを含む水平方向のカンチレバー・アームと、このユニットを、位置合わせ装置またはシャフト、詳細にはスライド・シャフト要素にクランプするためのレバー機構を含む垂直方向の支柱とから成る。「近位固定ユニット」は、「前方固定」バージョンの位置合わせ装置の近位端に取り付けられる。近位固定ユニットは以下の機能を有する。
・「前方固定」バージョンの近位部分における「近位固定ユニットの固定や解放が簡単である。
固定は、好ましくはレバー展開機構によって実行される。
レバーを作動させる(親指で下方へ押す)ことにより、支柱の内部でロッドが上方へ移動する。
この目的のために、ロッドは「近位固定ユニット」の遠位のシャフト部分(支柱)の穴の中で案内される。
ロッドの遠位端には、近位へたとえば45°傾斜した正方形要素がしっかりと取り付けられている。
前記正方形要素は、好ましくは前記ロッド上の正方形要素と同一の正方形状を有する、「近位固定ユニット」のシャフトの、たとえばこれも45°傾斜した遠位端に接する。
両方の正方形要素が形成するユニットが、(ハンドルの領域において)「前方固定」バージョンの近位端の正方形のシャフト管に挿入される。
2つの正方形要素の、好ましい45°傾斜は、互いに左右反転して配置される。
このとき、より遠位に配置された正方形要素が、レバー機構およびロッドによって近位へ引かれると、反転したやり方で配置された45°傾斜のために、前記2つの正方形要素の横方向のオフセットが生じる。
両方の要素が正方形の管の中にあるときにこの横方向のオフセットが生じると、「前方固定」バージョンの位置合わせ装置のシャフトの(正方形の管の)近位端における「近位固定ユニット」が、必然的にクランプされ、したがって固定される。
前記レバー機構を開くことによってクランプが解放され、「近位固定ユニット」の全体が、たった1回の手作業で位置合わせ装置から取り外され得る。「近位固定ユニットを把持しているとき、リリース用のレバーは指(好ましくは中指および/または薬指)で上方へ移動される。
【0069】
・支柱のカンチレバー・アームは、外部から作用するスライド力がゼロであるかまたは小さいものであれば、自己付着を伴って、水平方向に移動可能である。
カンチレバー・アームが可動であることにより、位置合わせ装置が世界中の脛骨の組織に適合し、したがって、ユーザは、意図した傾斜をいつでも設定できることが保証される。
好ましくは2つの打込みピンを使用して顆問隆起脛骨に固定することにより、回転および横変位に対して現状を確保する。
・ピンは、必要に応じて、付加的な衝撃レバーを用いて取り外される。
・切断高さの調節中に、鋸ブロックまたは鋸ブロック・アダプタをシャフトの縦方向に案内する。
鋸ブロックの高さを調節するためには、伸縮自在シャフトに沿って、ハンドルから独立して軸方向にスライドさせるために、「前方固定」バージョンの位置合わせ装置の近位端に取り付けられた脛骨鋸ブロック・アダプタが解放されなければならない。
解放は、対応するロック機構を作動させて、鋸ブロック・アダプタとハンドルとの間の結合を解除することによって達成される。たとえば、ロック機構(押しボタン)は、位置合わせ装置の近位端において側面に取り付けられる。
スライドつまみの機能は次の2つの位置を想定する。
1.脛骨鋸ブロック・アダプタを係止する位置≒「前方固定」
2.脛骨鋸ブロック・アダプタを解放する位置≒「近位固定」
【0070】
有利には、位置合わせ装置は、簡単な器械を追加することによって、結果的に、解決策の、「前方固定」という1つの変形形態から、上記で定義された「近位固定ユニット」という第2の変形形態に変換される。
【0071】
さらに有利には、打込み装置は、前記クランプ機構によって、中空体/スライド・シャフト要素にクランプされ得るように、シャフトの中空体、すなわち、伸縮自在装置の、少なくとも部分的に中空な、近位へ開いたスライド・シャフト要素に、その遠位端において挿入され得る。したがって、ボルト、ねじなどの押し込み式の接続が、好ましくは不要になり、採用されるのは、迅速かつ容易であり得る摩擦接続のみである。
【0072】
別個に特許請求され得る第6の主要概念によれば、本発明は、好ましくは、脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置を提供することにあり、この位置合わせ装置は、患者の脛骨の遠位端をクランプするために互いに対抗して作動する少なくとも2つのクランプ要素であって、足クランプ受け装置に挿入されるように設計されたカンチレバーに取り付けられている少なくとも2つのクランプ要素を備える、好ましくは本発明の第1の主要概念によるクランプ装置、脛骨の切除中にツールを案内するためのツール・ガイド装置、ツール・ガイド装置およびクランプ装置を脛骨に位置合わせするように設計されて、これらの装置に接続された、好ましくは本発明の第2~第5の主要概念のうち少なくとも1つによる伸縮自在装置であって、スライド・シャフト/スライド・ロッド要素をスライド可能に受けるように設計されたハンドル要素を有する伸縮自在装置といった構成要素を備える。この位置合わせ装置は、第1の長さを有する第1のスライド・シャフト要素/スライド・ロッド要素と、第2の長さを有する第2のスライド・シャフト要素/スライド・ロッド要素とを備え、それぞれのスライド・ロッド要素は、必要に応じてハンドル要素に挿入されるように用意されたものであり、それぞれのスライド・ロッドは、その遠位端において、足クランプ受け装置に対して好ましくは垂直に接続され、第1のスライド・ロッド要素の第1の長さと第2のスライド・ロッド要素の第2の長さとの比は、好ましくは1~1.5、より好ましくは1.1~1.3であり、特に1.27であって、長さは、それぞれの場合において、スライド・ロッドの近位端から足クランプ受け装置の中心まで測定され、そのため、第1および第2のスライド・ロッドの各々によって、脛骨の種々の長さが切除され得る。
【0073】
言い換えれば、本発明の第6の主要概念は、好ましくは本発明の第1~第5の主要概念のうち少なくとも1つによる1つの位置合わせ装置の状況で、位置合わせ装置の長さ範囲をできるだけコスト効率よく変化させるための可能性を一般的にもたらすことに関するものである。この目的のために、基本的に2つの手段が有効であり、一緒に、または別個に採用され得る。
【0074】
第1に、伸縮自在(伸長可能)シャフトまたは伸縮自在装置を有する本タイプの位置合わせ装置を提供する第1の可能性があり、この位置合わせ装置の近位端部分には鋸ブロックが装着されており、または装着することができ、遠位端部分にはクランプ装置または足クランプが配置されており、または取り付けられ得る。本発明によれば、伸長可能なシャフトまたは伸縮自在装置のスライド・シャフト要素/スライド・ロッド要素(または単にスライド・ロッド)が、ハンドルに、軸方向に移動可能なやり方で受けられ、好ましくは、選択された/選択され得る伸長位置において、拘束装置(拘束ねじ)によってハンドルに固定され得る。本発明によれば、この位置合わせ装置は、異なるシャフト/ロッド長さのスライド・ロッド/スライド・シャフト要素のセット(互いに異なるロッド長さを有する少なくとも2つのスライド・ロッド)を備え、これらは選択的に交換可能であって、ハンドルに選択されたやり方で伸縮自在に挿入され得る。
【0075】
有利なやり方では、脛骨の種々の長さ、すなわち種々の脚長が、このように切除され得る。これは、スライド・ロッドの利用可能なセットの一部として、種々の長さに利用可能なスライド・ロッドに置換することによって達成される。したがって、この位置合わせ装置を使用すれば、脛骨のすべての長さを有利なやり方で切除することができる。
【0076】
その上、足クランプ受け装置のクランプ要素が、カンチレバー・アームに対して長手方向にオフセットするやり方で取り付けられ、カンチレバー・アームは、180°回転することにより、クランプ要素が位置合わせ装置の遠位端に位置合わせされ得る第1の位置と、クランプ要素が位置合わせ装置の近位端に位置合わせされ得る第2の位置とにおいて足クランプ受け装置に挿入することができ、そのため、カンチレバー・アームが第1の位置から第2の位置まで180°回転して足クランプ受け装置に挿入されたとき、縦方向におけるクランプ要素の高さオフセットが達成されるという第2の可能性(別個に、または上記の第1の可能性と組み合わせて使用され得る)がある。
【0077】
言い換えれば、提供されるこの種の位置合わせ装置は、好ましくは、伸縮自在(伸長可能)シャフトまたは伸縮自在装置を有し、伸縮自在装置の近位端部分には鋸ブロックが装着されており、または装着することができ、遠位端部分にはクランプ装置または足首シャックル装置が配置されており、または取り付けられ得る。本発明によれば、伸長可能なシャフト/伸縮自在装置のスライド・シャフト要素/スライド・ロッド要素(または単にスライド・ロッド)が、ハンドルに軸方向に移動可能なやり方で受けられ、好ましくは、選択された/選択され得る伸長位置において、拘束装置(拘束ねじ)によってハンドルに固定され得る。この目的のために、特にスライド・ロッド要素の伸縮自在装置の遠位端部分には、クランプ装置/足首シャックル装置を装着する/取り付けるためのレセプタクル/支持体が設けられる。
【0078】
クランプ装置/足首シャックル装置は、足首シャックル部分を有し、これは、(好ましくは本発明の第1の主要概念に関連して既に説明されたように)好ましくはY字形またはV字形の脛骨接触ブロックまたは装着ブロックであって、好ましくは本発明の第1の主要概念に従ってクランプ要素が取り付けられており、この足首シャックル装置は、好ましくは挿入ロッドである結合部分をさらに有し、これがスライド・ロッド側のレセプタクルと係合し得る。
【0079】
本発明によれば、足首シャックル部分、特にクランプ要素および/または脛骨接触ブロックは、結合部分がシャフト側レセプタクルに挿入されたとき/シャフト側レセプタクルと係合したとき、結合部分の回転方向に依拠して、足首シャックル部分、特にクランプ要素が(シャフトの方向から見て)結合部分の上(近位)または下(遠位)に配置されるように、結合部分に対して、特に挿入ロッドに対して非対称に配置され、すなわち伸縮自在装置の縦方向にオフセットして配置される。このようにして、近位の鋸ブロックと足首シャックル部分特にクランプ要素との間の距離は、結合部分の組み立て中に結合部分の対応する回転方向によって、要求通りに(非対称性/縦方向のオフセットに依拠して)より大きく/より小さくされ得る。
【0080】
特に好ましい実施形態では、足クランプの受け装置または挿入装置の高さオフセットは、足クランプ受け装置の中心からクランプ要素のそれぞれの端ポイントまで測定される。遠位端に向かう第1の位置では、この距離は好ましくは10mm~20mmであって、特に15mmである。足クランプ受け装置を180°回転させる可能性により、両方向に好ましくは15mmの追加の長さ調節機能が達成される。全体として、可逆性の足クランプ受けまたは挿入装置を有するスライド・ロッドの種々の長さを組み合わせることにより、長さ調節において非常に融通性がある位置合わせ装置が提供され、したがって世界中の脛骨サイズに使用され得る。
【0081】
さらに有利な実施形態は、すべて従属請求項の対象事項である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
本発明が、好ましい実施形態を用いて、添付図面を参照しながら以下でより詳細に説明される。
図1】本発明の第1の好ましい実施形態による位置合わせ装置の斜視図である。
図2図1の第2の好ましい実施形態の分解斜視図である。
図3図1および図2の位置合わせ装置の側面図である。
図4】本発明のさらに好ましい実施形態による位置合わせ装置の斜視図である。
図5】ツール・ガイド装置の斜視図である。
図6図5のツール・ガイド装置の側面斜視図である。
図7図5のツール・ガイド装置の正面斜視図である。
図8】ツール・ガイド装置の第2の実施形態の斜視図である。
図9図8のツール・ガイド装置の第2の実施形態の斜視図である。
図10図8のツール・ガイド装置の第2の実施形態の正面斜視図である。
図11】閉じたクランプ要素を有する、本発明によるクランプ装置の斜視図である。
図12】閉じたクランプ要素を有する、本発明によるクランプ装置の平面図である。
図13a】開いたクランプ要素を有する、本発明によるクランプ装置の斜視図である。
図13b】開いたクランプ要素を有する、本発明によるクランプ装置のさらなる斜視図である。
図14】本発明による図13のクランプ装置のラチェット機構を示す図である。
図15】挿入された脛骨および開いたクランプ要素を有する、本発明による図13のクランプ装置を示す図である。
図16】挿入された脛骨および閉じたクランプ要素を有する、本発明による図13のクランプ装置を示す図である。
図17】1つの調節状態におけるクランプ装置のラチェット機構を示す図である。
図18】別の調節状態におけるクランプ装置のラチェット機構を示す図である。
図19】別の調節状態におけるクランプ装置のラチェット機構を示す図である。
図20】1つの位置におけるツール・ガイド装置と組み合わせた、本発明による分離装置を示す図である。
図21】別の位置におけるツール・ガイド装置と組み合わせた、本発明による分離装置を示す図である。
図22】別の位置におけるツール・ガイド装置と組み合わせた、本発明による分離装置を示す図である。
図23】別の位置におけるツール・ガイド装置と組み合わせた、本発明による分離装置を示す図である。
図24】本発明による位置合わせ装置のドローオフ方向を示す図である。
図25】本発明による分離装置の斜視図である。
図26】本発明による位置合わせ装置のさらなる斜視図である。
図27】本発明による固定要素の第1の斜視図である。
図28】本発明による固定要素のさらなる斜視図である。
図29】本発明による固定要素の詳細図である。
図30】本発明による固定要素の別の詳細図である。
図31】本発明による固定要素の別の詳細図である。
図32】本発明による固定要素の別の詳細図である。
図33】本発明による固定要素の別の詳細図である。
図34】本発明による固定要素の別の詳細図である。
図35】本発明による固定要素の別の詳細図である。
図36】本発明による接触装置の斜視図である。
図37】本発明による接触装置のさらなる斜視図である。
図38】本発明による接触装置のさらなる斜視図である。
図39】本発明による接触装置のさらなる斜視図である。
図40】本発明による接触装置の詳細図である。
図41】本発明による接触装置の詳細図である。
図42】本発明による接触装置のさらなる斜視図である。
図43】本発明による接触装置のさらなる斜視図である。
図44】本発明による接触装置のさらなる斜視図である。
図45】本発明による打込み装置の第1の斜視図である。
図46】本発明による打込み装置のさらなる斜視図である。
図47】本発明による打込み装置の詳細図である。
図48】本発明による打込み装置の詳細図である。
図49】本発明による打込み装置の詳細図である。
図50】本発明による打込み装置の詳細図である。
図51】本発明による打込み装置の詳細図である。
図52】本発明による位置合わせ装置の斜視図である。
図53】本発明による位置合わせ装置の斜視図である。
図54】本発明による位置合わせ装置の斜視図である。
図55】本発明による位置合わせ装置の斜視図である。
図56】長さの異なるスライド・ロッドを示す図である。
図57】本発明によるクランプ装置を示す図である。
図58】本発明によるクランプ装置を示す図である。
図59】本発明による位置合わせ装置のさらなる斜視図である。
図60】本発明による位置合わせ装置のさらなる斜視図である。
図61】本発明による位置合わせ装置のさらなる斜視図である。
図62】本発明による位置合わせ装置のさらなる斜視図である。
【0083】
図面は、実際は単なる概略図であり、本発明の理解を支援することのみを意図するものである。同一の要素には同一の参照符号が備わっている。様々な実施形態の機能が交換可能である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
図1は、好ましくは近位領域52および遠位領域54を備える「前方固定バージョン」の本発明による髄外脛骨位置合わせ装置1の形態の位置合わせ装置を示す。近位領域52は患者の身体に面する領域として定義され、遠位領域54は患者の身体の外方を向く領域として定義される。したがって、遠位領域54は、たとえば患者の足/足首が配置される領域である。
【0085】
したがって位置合わせ装置1は、とりわけ、位置合わせ装置1の中央部を形成する伸縮自在装置10であって、近位のハンドル14、ハンドル14の中で軸方向に移動できるように支持された(伸縮自在/伸長可能な)遠位のスライド・シャフト要素11、および足首シャックル/クランプ装置2用の遠位のレセプタクル/接続ポイント5を有する伸縮自在装置10と、遠位のレセプタクル5に挿入され得る(挿入されている)またはこれと係合され得る、遠位の足首シャックル/クランプ装置2と、ハンドル14に対して、好ましくはその近位端面において、解放可能に結合された/解放可能に結合され得る、近位の(装着)鋸ブロック・アダプタ/分離装置12と、鋸ブロック・アダプタ12に対して解放可能に結合された鋸ブロック/ツール・ガイド装置8と、好ましくは鋸ブロック8に対してその遠位側において解放可能に結合された接触装置(調節可能な高さフィーラ/接触装置)6を備える。
【0086】
位置合わせ装置1の遠位領域に配置されたクランプ装置2は、クランプ要素4および4aを含み/備え、これらはアーチ形に成形されているので間に楕円形の領域22が形成され、脛骨をクランプまたは保持するように設けられたものである。伸縮自在装置10は縦軸20に沿って延在する。伸縮自在装置10の近位領域に配置されたハンドル14の遠位端/端部には、鋸ブロック・アダプタ/分離装置12が(直接的または間接的に)接続/配置されており、したがって、ハンドル14を有するユニットを選択的に形成する。鋸ブロック・アダプタ12には、好ましくはハンドル14に対して角度Aで配置/位置合わせされる作動/圧力要素16が設けられる。よって、前記圧力要素は近位領域52の方(上方)を指し、そのため、取り扱う医師は、片手の指でハンドル14を囲み、同時に、親指で圧力要素16を動作させることができる。近位領域52には、接触装置6が着脱式で取り付けられた鋸ブロック(ツール・ガイド装置とも称される)8が配置されている。圧力要素16は、ツール・ガイド装置(鋸ブロック)8から伸縮自在装置10を分離するように設けられた分離装置(鋸ブロック・アダプタ)12上で作動する。ツール・ガイド装置8は、脛骨に対してしっかりと接続されると、直ちに、圧力要素16によって分離装置12を起動することによって、伸縮自在装置10から分離され得る。
【0087】
図2は、「近位固定バージョン」の位置合わせ装置1を分解図で示すものである。
【0088】
図1によれば、位置合わせ装置1の中央部にある伸縮自在装置10の近位領域52は、鋸ブロック・アダプタ12を介してツール・ガイド装置/鋸ブロック8に接続されており/接続することができ、ツール・ガイド装置/鋸ブロック8には接触装置6が取り付けられる/取り付けられ得る。その上、伸縮自在装置10には、打込み装置202が、(適応性のある/選択的なやり方で)付加的に取り付けられる/取り付けられ得る。遠位領域54において、伸縮自在装置10に、クランプ要素4、4aを備えるクランプ装置2が取り付けられる/取り付けられ得る。この点で、図2の位置合わせ装置1は、図1ものに概念的に対応するが、伸縮自在装置10の近位端部分に打込み装置202が付加的に取り付けられる点が異なる。
【0089】
図3は、図2の位置合わせ装置1の側面図ならびに分解図を示し、図4は、位置合わせ装置1を完全に組み立てた状態を示す。詳細には、図3による図解では、本発明による位置合わせ装置1上の個々のインタフェースが、少なくとも部分的に見分けがつく。したがって、鋸ブロック8は鋸ブロック・アダプタ/分離装置12に対して選択的に係合することができ、接触装置6は鋸ブロック8に対して選択的に係合することができ、打込み装置202は、伸縮自在装置10に、特に遠位のスライド・シャフト要素11の近位端/端部に対して選択的に係合さすることができ、スライド・シャフト要素11は、この目的のためにハンドル14の近位の方へ軸方向に(完全に)入り込む。図4には、打込み装置202がスライド・シャフト要素11の近位端部分に挿入された様子が示されている。
【0090】
図5図10は、ツール・ガイド装置/鋸ブロック8および鋸ブロック・アダプタ/分離装置12の種々の図を示す。図5には、ツール・ガイド装置8が、圧力要素/押しボタン16を含む分離装置12と一緒に示されている。ツール・ガイド装置/鋸ブロック8は、好ましくは、鋸ブロック8をねじまたは釘で脛骨に固定するために使用され得る横方向の打込み穴300を有する。ツール・ガイド装置/鋸ブロック8は、脛骨を切除するためのツール/鋸を案内するやり方で受けるように設計されており、鋸ブロック8には、ツール/鋸を案内するためのツール・ガイド・スロット/鋸スロット302が形成されている。図6は、水平方向に位置合わせして脛骨に固定されたときのツール・ガイド・スロット302を有するツール・ガイド装置8を、鋸ブロック・アダプタ12から分離された状態で示すものである。図7は、雌の結合部分を有するツール・ガイド装置8を示すものであり、この場合、2つの垂直方向に間隔を置いて配置された受け穴28と、脛骨に打ち込むための締結具または釘を受けるように設けられた追加の打込みスロット303とを伴う。
【0091】
ツール・ガイド装置すなわち鋸ブロック8は、ガイドスロット302の内部で骨部分用の鋸刃を案内すること、骨に対してツール・ガイド装置8すなわち鋸ブロックを固定するため、また、必要に応じて切断高さを±4mmまで補正するための、打込み/固定穴300および/または打込みスロット303を設けること、位置合わせ装置/伸縮自在装置10に装着するためのアダプタ・インタフェース(受け穴28を有する雌の結合部分)を設けること、接触装置/切断高さフィーラ6に装着するためのアダプタ・インタフェースを設けること、といった機能または機能要素を有する。
【0092】
加えて、たとえば図5および図8は、本発明による鋸ブロック8の別々のバージョン、すなわち「前方固定の変形形態」バージョン(図5)および「近位固定の変形形態」バージョン(図8)を示すものであり、図5のバージョンでは切断高さフィーラ6用のアダプタ・インタフェース(嵌込み孔)がオフセットされており、両方の変形形態に関して、2つのアダプタ・インタフェースが設けられている。
【0093】
図11図13bはクランプ装置2の斜視図を示す。図13aは、2つのクランプ要素/クランプ・アーム4および4aを有するクランプ装置2を示す。クランプ要素4および4aはそれぞれアーチ形に成形され、(外へ曲げられた)それぞれの自由端において穏やかに先細りになっており、そのため、クランプ要素4、4aは、患者の皮膚に傷つけたり、解放されたクランプ・アーム端が患者の皮膚を引っ掻いたりしてしまうことなく、脛骨または足首から(弾性的に)引き離され得る。
【0094】
具体的にはクランプ装置2は、好ましくは断面が正方形(長方形)の挿入ロッド93および中空の大梁95を有するT継手92の形態の装着ブロックを有し、大梁95にはスピンドル機構/スピンドル90が装着されていて、その縦軸のまわりで大梁95の端面に配置された回転つまみ304によって回転され得る。大梁95上に支持された往復台(脛骨接触ブロック)86にスピンドル90が係合し、そのため、回転つまみ304によってスピンドル90を手で回転させると、往復台86が大梁95に沿って前後に移動され得る。往復台86は、中央の接触領域78、ならびに互いに対してV字形に位置合わせされた2つの接触アーム82をさらに備え、どちらの接触アーム82にも自由端部分にラチェット機構76が配置/設置されており、クランプ要素4、4aが、それぞれ一方の接触アーム82に対して枢動可能に装着され、互いに(閉じる方向に)手動で枢動され得て係合し、当初は、それぞれに関連付けられたラチェット機構76によって、(開く方向に)枢動して戻るのを防止される。
【0095】
その上、それぞれのラチェット機構76が有する付勢ばね77(詳細には図11に下肢ばねとして示されている)が、関連するクランプ要素4、4aに開く方向に付勢する。最終的に、それぞれのラチェット機構76が有するラチェット・レバー84によって、関連するラチェット機構76がロック解除/解放され得る。
【0096】
クランプ要素4および4aはあらかじめ曲げられた(ばね板)ばね鋼で作製され、隣同士に配置されてフォーク60のやり方で間隔を置いたいくつかのプロングまたはフィンガ62から成り、そのため、互いに向かい合うクランプ要素4、4aのプロング/フィンガ62が閉じる方向に旋回すると、オーバーラップするやり方で互いに係合することができるので、脛骨3に対する確かな固定を保証する。
【0097】
図11は、脛骨3を十分にクランプまたは保持できるように、クランプ装置2のクランプ要素4と4aとが閉じて互いに係合した状態を示す。クランプ要素4および4aに予荷重をかけるために、ラチェット・レバー84が、最初に、互いに離れる方向に押され、その結果、ラッチのつめ(図11に、ラチェット・レバー84と一体的に形成されたつめ/歯として概略的に示されている)が、それぞれのクランプ要素4、4a上の外の歯部において係合する。クランプ要素4、4aを解放するには、ラチェット・レバー84は少し内側へ(互いに近づく方へ)押すと(図11を参照されたい)、関連するクランプ要素4、4aからラッチのつめが外れてラチェット効果が解消される。回転つまみ304が取り付けられているスピンドル機構90によって、クランプ要素4、4aは、共通の往復台86により大梁95に沿って両方向に移動され得る。上記で既に説明されたように、大梁95にはスピンドル機構90が組み込まれている。このようにして、クランプ要素4、4aは、患者または医師を、たとえばスピンドルの突出部分による傷害などのリスクにさらすことなく、既に脛骨を包含する状態で脛骨の横方向に最適に位置合わせされ得る。
【0098】
T継手92は、往復台86およびその上に配置された接触アーム82と協働して、実質的にY字形の脛骨接触ブロック・アセンブリ・ユニットを形成し、これが、伸縮自在装置10の側の対応する遠位の足首シャックル・レセプタクル5に挿入され得る。
【0099】
この目的のために、T継手92はマンドレル/挿入ロッド93を形成し、これは、断面図が好ましくは長方形で、少なくとも2つの縦方向の対向面上のラッチ/把持構造94を有し、これによって、全体のクランプ装置2またはアセンブリ・ユニットは、伸縮自在装置10またはそのレセプタクル5に対して、移動可能に固定されており、または固定され得る。
【0100】
図12は、閉状態のクランプ装置2の平面図であり、クランプ要素4と4aとの間に、脛骨を受けるための楕円形の領域22(図12に概略的に示されている)が形成されている。ここで、脛骨3は、横方向の接触アーム82およびクランプ要素4、4aを含むV字形の接触ブロック/要素86によって受けられる。中央の接触領域78において、V字形の接触ブロック86と横方向の接触アーム82との間に、好ましくはそれぞれの側に45°の角度Cが形成される(すなわち、2つの接触アーム82がおよそ90°の共通角を囲む)。したがって、V字形の接触ブロック86に、脛骨の、特に人間工学的接触がもたらされる。
【0101】
その上、図12は、本発明による足首シャックル2を用いて達成可能な、脛骨3に対する力の印加方向を示す。
【0102】
したがって、脛骨は、2つのクランプ要素4、4aのプロング/フィンガが脛骨の後側で互いに交差する/つかまえる/オーバーラップすることによって完全に囲まれ、前面の接触ブロック/往復台86に押し付けられる。クランプ要素4、4aは、あらかじめ曲げられており、また弾性であるので、脛骨に側面からクランプ力を印加することもでき、全周を効果的にチャッキングする。これは、図12の力矢印によって明瞭に示されている。
【0103】
図13aが示すクランプ装置2では、クランプ要素4、4aは開位置にあり、そのため脛骨が挿入され得る。ラチェット・レバー84を互いに近づくように移動させるとクランプ要素4、4aまたはラチェット機構が解放され、そのため、クランプ要素4、4aは、内部のばね付勢によって開位置に至り得、2つのラチェット・レバー84を互いに離れるように移動させるとラチェット機構が復活し、そのため、クランプ要素4、4aは個々に閉鎖位置に至り得て、そこで所定位置にラッチされ得る。
【0104】
上記で既に説明されたように、往復台/脛骨接触ブロック86およびそこに装着されたクランプ要素4、4aならびにスピンドル90の横方向の調節機能をもたらすために回転つまみ(複数可)304が設けられており、スピンドル90は、往復台86を変位させてT継手92または大梁95に組み込むために回転つまみ304によって作動され得る。
【0105】
図13bには、クランプ装置2がそれぞれのクランプ要素4および4aと一緒に示されており、クランプ要素4および4aは、それぞれのフォーク60によって互いに係合して脛骨のほぼ全周をクランプし、必要に応じて、円周方向にほぼ一定のチャック力をもたらすように設計されている。
【0106】
図14は、クランプ装置2、ならびにクランプ要素4と接触ブロック/往復台86との蝶番領域86を示す。クランプ要素4はラチェット機構76に結合されており、ラチェット機構76はラチェット・レバー84によって解放され得るが、図14に示されているラチェット・レバー84は1つだけである。ラチェット・レバー84のラッチのつめ(参照符号なし)が見られ、これは、クランプ要素4の蝶番領域における外の歯部において、ばね荷重のやり方で係合することができ、また、外の歯部からラッチのつめを外すために、ラッチのつめに対してラチェット・レバー84が一体的に接続されている。さらに、回転つまみ304が示されており、これによって脛骨接触ブロック86が横方向に調節可能/移動可能である。
【0107】
図15は、開状態のクランプ装置2の上面図を示す。クランプ要素4、4aは、それぞれの(内側の/蝶番に近い)端/蝶番領域68を介してラチェット機構76に結合されている。クランプ要素4、4aは、好ましくは金属薄板または他の弾性素材で作製されている。クランプ要素4、4aは、それぞれが脛骨から外傷なしで除去または回収され得るように、それぞれが、自由端/先端66において(半径方向の)外側へ向けられている(外側へ曲げられている)。クランプ要素4、4aの蝶番に近い端68は、好ましくはプラスチック部品(強化要素)70で強化され(またはプラスチックの鞘に納められ)、詳細には、このさらなる構造体のクランプ要素4、4aはモーメントに対して十分な耐疲労性を得る。
【0108】
図16は閉状態のクランプ要素4、4aも示す。クランプ要素4と4aとの間に、脛骨または足首を受けるための楕円形の領域22が形成されている。クランプ要素4、4a、V字形の接触要素/接触ブロック/往復台86、および接触ブロック86のそれぞれの横方向の接触領域/接触アーム82は、脛骨のまわりで周方向に作用する力効果308をもたらす。具体的には、クランプ要素4、4aは、力効果308が脛骨の円周方向のいくつかの別々の位置において脛骨に作用するように設計されており、そのため、脛骨は全周をしっかりと保持される。
【0109】
たとえば図3に関連して、図13bから、接触ブロック86またはT継手92に対するクランプ・アーム4、4aの空間的配置を見ることができる。
【0110】
結果的に、クランプ・アーム4、4aは、T継手92に対して、高さにおいて(シャベルのやり方で)オフセットして配置され、すなわち、T継手92と同一の面にはない。これにより、図3による回転位置の場合にはクランプ・アーム4、4aはT継手よりも下に配置され、T継手92が180°回転するとクランプ・アーム4、4aはT継手92の上に来るという直接的な結果を得る。
【0111】
ここで、図13aによる挿入マンドレル93は正方形プロファイルであって、伸縮自在装置10の遠位端におけるレセプタクル5は結果的に長方形の受けダクトを形成し、これに挿入マンドレル93が挿入されて、そこで所定位置にラッチされることを想起されたい。これは、(T継手92の上または下にある)クランプ・アーム4、4aと近位に配置された鋸ブロック8との間の距離が、T継手92の回転方向に依拠して増大または縮小し、その結果、伸縮自在装置10の全長範囲が、全体として付加的に縮小または増大することを意味する。
【0112】
図17a、図17b~図19は、それぞれクランプ装置2の断面図を示す。図17a、図17bは、クランプ要素4、4aが、それぞれクランプ要素4、4aの近くの蝶番端68を介してラチェット機構76に結合されていることを示す。図17aは開いたクランプ位置を示し、図17bは閉じたクランプ位置におけるクランプ要素4、4aを示す。ばね77は、クランプ要素4、4aに開方向の予荷重をかけ、個々に手動でラチェット動作を不能にするための隣接したラチェット・レバー84をそれぞれ有する2つのラチェット機構76が見られる。
【0113】
図18および図19はクランプ装置2の拡大図を示し、それぞれのラチェット機構76にそれぞれのクランプ要素4、4aが結合されている。加えて、どちらのラチェット機構76の伸縮ばね77も緩んだ状態である。
【0114】
足クランプとも称されるクランプ装置2は、伸縮自在装置10が、脛骨鋸ブロック8の近位のアダプタ・インタフェース12において、また、特に簡単な取扱い操作で、組織に優しく、すなわち傷つけることなく、患者の脛骨から取り外され得るように設計されており、そのために、クランプ・アーム4、4aのばね弾性が利用される。これは、外科医が、脛骨に鋸ブロック8を残したまま脛骨から伸縮自在装置10を取り外すことを望む場合には、押しボタン16を押して伸縮自在装置10から鋸ブロック8を分離し、同時に、(ラチェット・レバー84を作動させることなく)クランプ装置2を取り外すだけでよいことを意味する。
【0115】
その上、クランプ・アーム4、4aのばね弾性により、脛骨の周囲にわたってほぼ一定のクランプ力がかかり、そのため、力が正確に印加されるので血腫が防止され得る。クランプ装置2すなわち足クランプは、この目的のために、クランプ要素4、4aすなわち足首シャックル2の保持要素に十分な弾性があり、そのため、解放機構を動作させることなく、遠位の脛骨から容易に取り外され得、同時に、ETAの不意の調節に対して、回転および並進の安定性が十分に高く、また、ラチェット機構76も、ラチェット・レバー84によって手動で開かれ得る、といった事実によって特に区別される。
【0116】
ラチェット機構76は、それぞれのラチェット・レバー84によって動作可能/動作不能にされる。その上、クランプ要素4、4aを脛骨から取り外すだけでなく、ラチェット・レバー84を解放することも可能である。そこで、ラチェット・レバー84を作動させた後に2つのクランプ要素4、4aが伸縮ばね77によって自動的に開かれ、したがって脛骨を解放する。
【0117】
上記で既に説明したように、脛骨鋸ブロック8用、すなわちツール・ガイド装置用のアダプタ・インタフェースは、鋸ブロック8から伸縮自在装置10を解放するために、親指で押しボタン16を押すだけでアダプタ・インタフェースを形成する鋸ブロック・アダプタ12を作動させることができ、結果として保持機構18(以下でより詳細に説明される)が鋸ブロック8を解放するように設計されている。上記で説明された鋸ブロック8ならびにクランプ装置2に関連する変形形態により、鋸ブロック8を脛骨に固定して鋸ブロック・アダプタ12を動作させた後に(すなわち保持機構18を作動させた後に)、親指で押しボタン16を押してクランプ・アーム4、4aのばね弾性を利用すれば、それ以上の操作を必要とすることなく、アダプタ12およびクランプ装置2を含む伸縮自在装置10を患者の脛骨から片手で取り外すことが可能になる。これによって、全体の位置合わせ装置1の取扱いが、かなりの程度まで容易になる。
【0118】
図20図23は、分離装置/鋸ブロック・アダプタ12と組み合わせたツール・ガイド装置/鋸ブロック8の種々の斜視図を示す。図20では、ツール・ガイド装置8は、分離装置12に(選択的に)取り付けられている/結合されている。分離装置12は、好ましくは表面50がレリーフ状の圧力要素16を含む保持機構18を有する。それぞれの取り扱う医師が、圧力要素16のレリーフ状の表面50を親指で押す。
【0119】
図21は、分離装置12とツール・ガイド装置8との相互作用を示す。具体的には、ツール・ガイド装置8が有するアダプタ・ソケット36は、複数の雌の受け要素28を有する。雌の受け要素28は、各々が、分離装置12のそれぞれの雄の受け要素/突起/ピン26を受け入れるように設けられたアダプタ・ソケット36の凹部/穴であるのが好ましい。それぞれの雌の受け要素28にそれぞれの雄の受け要素26をはめると、ツール・ガイド装置8の分離装置12におけるすべての3つの空間方向の確かな支持が保証される。分離装置12には、保持ブラケットまたはフック要素30の形態の保持機構18も装着され、これは、ツール・ガイド装置8のアダプタ・ソケット36を囲んで、対応する切込み44の中に/上に受け止めるために設けられる。
【0120】
図22は、ツール・ガイド装置8と鋸ブロック・アダプタ12とが結合された状態の側面図を示す。したがって、固定ブラケット30は、好ましくは、実質的にU字形の中空のプロファイルを形成するように曲げられた金属薄板の構成要素から成り、U字形プロファイルのそれぞれ自由端である2つの腹板/側面がフックを形成しており、U字形プロファイルの接続腹板は圧力要素16に形成されている。このようにして形成されたこの固定ブラケット30が、その両側において鋸ブロック・アダプタ12の基体24に対して蝶番式に取り付けられる(すなわち、中空のU字形プロファイルが基体24を受ける)。中空のU字形プロファイルは、このように、ロッカ蝶番の片側の圧力要素16および反対側のフックと、一種のロッカを形成する。図22による結合状態では、固定ブラケット30のフックは、鋸ブロック8上の、詳細には、その装着/アダプタ・ソケット36上のボルト状またはピン状の突起の形態で、切込み44と係合し、したがって、鋸ブロック8を、鋸ブロック・アダプタ12のアダプタ・インタフェース上に保持する。
【0121】
加えて、図22は、鋸ブロック・アダプタ12の基体24に、横方向の作動押しボタンを指示しており、これが、ラッチ機構(鋸ブロック・アダプタ12の底面に象徴的に示されている)と相互作用することにより、鋸ブロック・アダプタ12は、たとえば図15に示されるように、ハンドル14とのユニットを選択的に形成するためにハンドルの頂面(ハンドルの上部)においてハンドル14と結合され得る。
【0122】
図23は、分離装置/鋸ブロック・アダプタ12の(詳細には保持機構の)動作モードと、分離装置12の基体24に結合されるツール・ガイド装置/鋸ブロック8の動作モードとを示す。
【0123】
親指の圧力によって圧力要素16を作動させることにより、固定ブラケット30を枢動することができ、そのフックが持ち上げられ得ることが理解できる。この状態において、鋸ブロック8が分離装置12のアダプタ・インタフェース上に配置することができ、プラグとソケットとの原理に従って、雄の突起/合い釘26が雌の凹部/穴28に挿入される。最後に、圧力要素16が解放されるとき、固定ブラケット30のフックが(重力またはばね荷重によって)下方へ振れ、鋸ブロック8上の突起44の背後に係合する(図22を参照されたい)。分離装置12は、対応する、係合を解除するやり方で鋸ブロック8から分離される。
【0124】
図24は、ツール・ガイド装置8が脛骨に取り付けられて/取り付けられたまま、伸縮自在装置10から分離されるときの位置合わせ装置1(足クランプ2およびアダプタ12を加えた伸縮自在装置10)の除去方向を示す。取り扱う医師は、親指で圧力要素16のレリーフ状の表面50を押して(その結果、保持ブラケット30が鋸ブロック8を解放して)、患者の脛骨からクランプ装置2と一緒に伸縮自在装置10を簡単に取り除く。その際、クランプ装置2は別個に開くわけではなく、クランプ要素4と4aとは、除去中にばね弾性によって(自動的に)広がる。ここで、指示された取り扱う医師の手322が、伸縮自在装置10またはハンドル14を囲む。
【0125】
図25は、取り扱う医師の手322の親指が伸縮自在装置10の圧力要素16を押す様子を示す。取り扱う医師の手322の指が、ハンドル14において伸縮自在装置10を囲む。
【0126】
図26および図27は、「近位固定の変形形態」による伸縮自在装置10を有する本発明による位置合わせ装置1を示すものであり、伸縮自在装置10の遠位領域にはやはり、好ましくは上記の説明によるクランプ装置2が設けられており、近位領域にはやはり、アダプタ12を介して、好ましくは上記の説明によるツール・ガイド装置8が配置されており、これに、好ましくは接触装置6が取り付けられる/取り付けられ得る。図26および図27において指示された横方向32は、患者の脛骨に接近する方向を意味する。
【0127】
(すべての固定の変形形態では)伸縮自在装置10に拘束要素または固定要素104が設けられ、好ましくは、この横方向32に見られるように、位置合わせ装置1の上流の伸縮自在装置10に挿入され得る。とりわけ、伸縮自在装置10を、選択された様々な長さ位置に自動ロックのやり方で固定するため、および/または伸縮自在装置10が自由に引き離され得るように、固定要素104が設けられる。固定要素104は、さらに、ハンドル14に形成された受け要素/受け部分100の中へ横方向32に挿入されるように設けられる。さらに、受け部100には、固定要素104を受け部100から取り外すことができる解放位置へと手動で移動されるように設計された係止要素112が配置されており、係止要素112は、(不作動の)ラッチ位置では、固定要素104を受け部100に保持する。
【0128】
図28は、スライド・ロッド要素11を示す拡大図であり、スライド・ロッド要素11上の、固定要素104と向かい合う面に縦方向の溝形の凹部(以下縦方向の溝と称される)118が形成されており、縦方向の溝は、固定要素104が縦方向の溝118とスライド式に係合しているとき最小の伸張位置および最大の伸張位置(伸縮自在ストローク)を定義するエンド・ストッパによって、遠位と近位とに制限される。
【0129】
図29図35は、固定要素104の様々な詳細図を示す。
【0130】
図29は、伸縮自在装置10上の対応する受け部100に挿入されて係止要素112によって保持されるように設けられた固定要素104の側面図を示す。ハンドル要素14の遠位端部分に、対応する受け部100が設けられている。ハンドル要素14はスライド・ロッド要素11を囲む。図29には、固定要素104から半径方向に(下方へ)突き出る合い釘116も明瞭に見られ、これは、係止要素112に対する係合要素/切込みとして使用されるものである。もちろん、バイヨネット・ロックまたはねじ接続などの他のラッチする係合の解決策も考えられる。
【0131】
図30は、受け部100を係止要素112および固定要素104と一緒に示す部分断面図である。したがって、固定要素104は、全体的に、スライド・ロッド要素11の縦方向の溝118の中に係合するようにばねで付勢され、軸方向へ移動可能に回転つまみ102で支持された内部ボルト120と、ばね付勢はバイパスして、またはばね付勢と同時に、スライド・ロッド要素11に対して拘束力を印加するために、回転つまみ102を回転可能に受けるための好ましくはスリーブ形のハウジング114とから成る。
【0132】
図31および図32は、ハンドル14の受け部分100に挿入される係止要素104を詳細に示すものである。したがって、スライド・ロッド11の縦方向の溝118にスライド・ブロック(参照符号なし)が受けられ、これの中/上にボルト120が軸方向に支持される。ボルト120は、中央部にボルト120に対してスライド・ブロックの方向に予張力を印加するためのコイルばね124を支持するばね板を有する/形成する。ばね板は、同時に、回転つまみ102の肩にぶつかる停止要素として使用され、回転つまみ102からボルト120やばね124が落下するのを防止する。ボルト120ならびに付勢ばね124は、回転つまみ102の軸方向に受けられて、好ましくはスリーブ形であるハウジング114の中に軸方向に挿入され/ねじ込まれ、ハウジング114は、受け部100に挿入され、係止要素112によって保持される/固定される(詳細には図31を参照されたい)。設定ねじ122は、付勢ばね124に対するアバットメントとして使用される回転つまみ102の端面(自由端面)にねじ込まれる。したがって、回転つまみ102の内部で設定ねじ122を回転させると、このようにボルト120に対する(回転つまみの内部の)ばね付勢を変化させることができる。
【0133】
加えて、ボルト120は、付勢ばね124によって囲まれてばね板から設定ねじ122の方へ延在するコイル部分121を有し、したがって付勢ばね124を案内する。
【0134】
図33は、たとえばボルト(クランプ・ピン)120に作用する予張力を調節するために設けられた調節ねじといった調節要素/設定ねじ122を有する固定要素104を示す。その上、ハンドル14の受け部100の固定要素104を係止する係止要素112が見られる。図33の下部の領域にはスライド・ロッド要素11が示されており、これは、ハンドル14に対するスライド・ロッド要素11の2つの最大伸張位置128、130のうち1つを表す、溝形の凹部118の(上側)停止部分128を示す。
【0135】
固定要素104の動作モードが、図31図35を参照しながら以下で簡単に説明される。
【0136】
最初に、固定要素104が、受け部100の中へ(そこに形成された穴に)、好ましくはスライドするやり方で挿入され、固定要素104のスリーブ形のハウジング114は、係止要素112によって回転方向および軸方向が固定される。この状態では、回転つまみ104の内部のボルト/クランプ・ピン120が、スライド・ロッド要素11の縦方向の溝118に突き出て、そこに、ばね124の予荷重の関数としての圧縮力を(縦方向の溝118が受けているスライド・ブロックを介して間接的に)印加する。このように、回転つまみ104の内部の設定ねじ122を回転させることによってばね124の予荷重を増減し、それによってスライド・ロッド11と固定要素104のボルト120との間の摩擦力を変化させることができる。これによって、摩擦を、たとえば実質的にゼロまで減少させること、または、伸縮自在装置10の少なくとも重力による現在のストローク位置のいかなる変位も防止するように増加させることが可能になる。
【0137】
ストローク位置を固定する(静止させる)ために、回転つまみ104をスリーブ形のハウジング114にさらにねじ込むことができ、結果として、回転つまみ104は、ハウジング114の中のある特定のねじ込み位置から、スライド・ブロックを直接押し付け、すなわち、具体的にはボルト120のコイル部分121(このとき、回転つまみ102の中の設定ねじ122で軸方向に支持されている)によって押し付け、スライド・ブロックは、スライド・ロッド11に対して直接押し付けられ/固定され、ばね付勢はバイパスされる。
【0138】
以下では、図36図44を参照しながら高さ感知装置(高さ拘束ユニットまたは高さ調節ユニットとも称される)6が説明される。
【0139】
図36には、好ましくは上記で説明されたものであるツール・ガイド装置/鋸ブロック8が示されており、高さ感知要素/高さ調節ユニット6を選択的に挿入され得る台座凹部/穴150を備える/有する。この状況では、ツール・ガイド装置8は1つまたは複数の台座穴/台座凹部150を有するが、ここで、クランプ・ストラップを有するサイド・ノッチ、磁気的支持装置等も代わりに設けられ得ることに留意されたい。少なくとも1つの台座凹部150が、ツール・ガイド装置/鋸ブロック8と高さ調節ユニット6との間にアダプタ・インタフェース334の一部を形成する。
【0140】
原理的に、高さ調節ユニット6は、基本的には、接触アーム338に装着された、または接触アーム338上に形成された(共に高さ感知組立体152を形成する)接触チップ166と、少なくとも1つの高さ調節のために接触アーム338を支持するスピンドル機構168と、アダプタ・インタフェース334の、鋸ブロック8の上面151から台座凹部150と係合するためのさらなる部分としての、好ましくはラッチ装置/ラッチ機構154を有する挿入マンドレル/シャフト156とから成る。
【0141】
図37は、本発明による高さ調整ユニット6の斜視図を示す。したがって、高さ調節ユニット6は、水平方向の可動自由度346、垂直方向の調節自由度340、および回転自由度348を有する。この目的のために、高さ調節ユニット6の挿入マンドレル/シャフト156は、好ましくは中空のシャフトとして設計されており、したがってラッチ装置154を収容することができ、ラッチ装置154は、高さ調節ユニット6を鋸ブロック8に対して軸方向に固定するために、鋸ブロック8側の台座凹部150に対して機能的に作用する切込み係合になり得る。この目的のために、ばねで付勢された移動止めノーズ160が、挿入マンドレル156に設けられ、水平方向/半径方向にシャフト156の周囲を超えて突出し、また、鋸ブロック8との移動止め係合を解放するために、作動押しボタン158によって挿入マンドレル156の中に収縮することができる。回転自由度348は、このように、脛骨鋸ブロック8の受け穴150における挿入マンドレル/シャフト156の回転自由によってもたらされる。
【0142】
接触アーム338には細長い穴があり(図37を参照されたい)、これに、摩擦要素/保持往復台354を介して接触アーム338と結合された(スライドする/自由な)スピンドル機構/スピンドル168が入り込み、接触アーム338は、摩擦要素/保持往復台354によって摩擦で保持されるが、スピンドル機構168上で縦方向に(伸長可能なやり方で)移動可能である。このように、スピンドル機構168上の高さ感知組立体152または接触アーム338の水平方向の可動性により、(摩擦要素354を介した)水平方向の可動自由度346がもたらされる。
【0143】
図38は、ツール・ガイド装置8に挿入するように設けられた高さ感知要素6の側面図を示す。したがって、高さ感知要素6の下側(鋸ブロック8に面する)には、挿入マンドレル156およびレバー158の形態の作動要素があり、レバー158は、不作動状態では、挿入マンドレル156に配置または挿入マンドレル156上に形成された、レバー・ストッパ(参照符号なし)によって支えられる。さらに、接触アーム338の外側の(近位)端には、脛骨の骨質標識に接触するように接触チップ166が設けられる。最後に、挿入マンドレル156に対して軸方向に結合されたスピンドル/ねじ168を有するスピンドル機構が示されており、これは、中央部に接触アーム338を含む摩擦要素354を搬送するものである。
【0144】
図39および図40は、高さ調整ユニット6が既に挿入されている鋸ブロック/ツール・ガイド装置8の斜視図を示す。高さ調節ユニット6のスピンドル機構は、上記で既に指示されたスピンドル/ねじ要素168、ならびにねじ要素168上に設けられた/装着されたねじ歯車172を有する。ねじ歯車172は、摩擦要素354と相対的に回転可能に結合されており、そのため、摩擦要素354(接触アーム338を含む)は、ねじ歯車172を介してスピンドル168に保持される(軸方向に移動可能である)。
【0145】
図40の詳細が図41に示されている。図41は、鋸ブロック8の台座凹部150に挿入される移動止めノーズ160を有する移動止め装置154を示す。その上、レバー・ストッパと移動止めノーズ160を作動させるための作動レバー158との間に、ばね要素164配置されており、レバー158を移動止めノーズ160の移動止め係合位置(図41によれば半径方向に突出している)へと付勢する。具体的には、レバー158は、その中央部が挿入マンドレル156の内部で枢動可能に装着される2脚の直角の偏向レバーとして設計され、一方の脚が作動レバー/作動部分を形成し、他方の脚が、移動止めノーズ160に対して動作可能に接続されており、移動止めノーズ160は、好ましくは押しブロックの形態に設計され、作動レバー158の1つの脚のばね付勢によって半径方向の外へ推進される。
【0146】
図42および図43は、異なる調節位置に挿入された高さ調節ユニット6を有するツール・ガイド装置/鋸ブロック8を示す。
【0147】
図42による調節位置と図43による調節位置との間に、調節された切断高さ/切断高さ差(接触レベルとも称する)366が見られる。接触レベル368は、切断レベル370を定義する、鋸ブロック8の水平方向の鋸スロットに対する接触チップ166の高さを定義する。
【0148】
図44も、ねじ要素/スピンドル168を含んでいる取付け高さ感知要素152を有するツール・ガイド装置8を示す。そしてまた、ねじ要素168は、高さ感知組立体152の高さを調節するねじ歯車172によって動作可能である。具体的には、螺旋体/スピンドル168は、好ましくは挿入マンドレル156の中で相対回転するように案内され、高さ感知組立体152は、摩擦要素354を介してねじ要素168に螺着されている。そしてまた、ねじ歯車172が、相対回転するように、摩擦要素354上に(高さ感知組立体152のさらなる構成要素として)装着されており、そのため、螺旋体/スピンドル168上でねじ歯車172が回転すると、接触アーム338がスピンドル168に沿って変位する。最後に、摩擦要素354とねじ歯車172との間に、好ましくはラッチ機構372が配置され、これは、高さ調節要素152の定義された高さ(スピンドル上の軸方向位置)を維持するために設けられるものである。
【0149】
本発明による高さ調節ユニット/切断高さフィーラ6の動作モードは、以下のように要約され得る。
【0150】
調節可能な切断高さフィーラ6には、ツール・ガイド装置8上の、すなわち脛骨鋸ブロック上の、簡単な組立て分解ユニットとして与えられている基本機能を有する。スタイラスすなわち高さ拘束ユニット6の遠位端には、全体にわたって参照符号154によって表されるばね荷重ラッチ機構が取り付けられている。スタイラスは、この目的のために設けられた、脛骨鋸ブロック8の台座凹部(貫通穴)150に差し込まれた/挿入された後に、ラッチ機構154によって拘束されるが、好ましくは依然として挿入軸のまわりで回転可能である。
【0151】
ばね荷重移動止めノーズ160によって軸方向の拘束が達成される。これは、ばね荷重移動止めノーズ160は、台座凹部150への挿入マンドレル156の差込み中/挿入中に、その外側の(遠位の)接触面/滑り面が傾斜しているので、挿入マンドレル156へと横方向に押し返され、脛骨鋸ブロック8に完全に挿入されたときには、好ましくは、脛骨鋸ブロック8の溝の所定位置にラッチされることを意味する。ばね荷重移動止めノーズ160は、作動レバー158が手動で枢動されると、ばね164に対抗して移動止めノーズ160を収縮させる作動レバー158によってラッチ位置から解放される。この状態では、スタイラスは鋸ブロック8から容易に取り外され得る。さらに、接触チップ166によって、脛骨の骨質標識が感知される。ツール・ガイド装置8の切断高さは、ユーザによって選択された標識を基準とし、それに応じてねじ歯車172を回転させることによって調節される。標識は、接触アーム338の端に取り付けられた接触チップ166によって検知される。接触チップ166の触覚精度により、非常に小さい骨質の構造体でも、目視制御によって、視覚的に、非常に都合よく正確に検知され得る。
【0152】
高さ感知組立体152、詳細には接触アーム338の水平方向の可動性は、脛骨の種々の組織に適合して、同一のアダプタ位置から内側脛骨および外側脛骨の位置合わせを達成するために使用される。この目的のために、図37に示される摩擦要素354における接触アーム338の水平方向の可動性が与えられる。回転するスタイラスと、その主軸に沿って移動可能な接触アーム338との支援の下に、脛骨の近位表面上のあらゆる骨質標識に到達することができる。接触アーム338の寸法は、世界中の(たとえばアジア人または白人の)既存の組織が考慮に入れられ得るように設計されている。
【0153】
接触アーム338は、接触アーム338の所望の伸長長さを維持するために、摩擦要素354上に軸方向の変位に対する摩擦係合による自動ロックのやり方で固定される。スタイラスが、ツール・ガイド装置8における、すなわち脛骨鋸ブロックにおける所定位置にラッチするという事実、および鋸ブロック8の上のスタイラスの定義された停止により、鋸ブロック8の鋸キーの下端に対するスタイラスの接触チップ166の距離が安全に達成され、設定された切断高さは、たとえばねじ歯車172の周囲の数字344によって指示される。設定された高さを指示する数字は、好ましくは摩擦要素354(保持ユニット)の前方端のポインティング要素に対してインデックスを付けられる。
【0154】
たとえば、ねじ歯車172を一回転させるだけで、脛骨部分の太さが0~16mm(または0~14mm)に設定される。ねじ168の上端における停止要素/停止部分が、ねじ歯車172がスタイラスから完全に抜けるのを防止する。
【0155】
接触チップ166に対する所望の切断高さを設定した後に、高さ感知組立体152は、ユーザによって選択された標識に対して移動され、位置合わせ装置が位置合わせされる。標識は、詳細には、取付け要素が既に係合した状態で、ハンドル14を遠位のクランプ装置2とともにスライド・ロッド11に沿って移動させることにより、(手動で)接近される。一旦、位置合わせ装置1が、高さ、内反、外反、および傾斜に関してユーザの望み通りに位置合わせされると、ツール・ガイド装置8すなわち鋸ブロックは、最終的に、固定ピン、好ましく釘を、この目的ために用意された固定穴300を通して、骨にしっかり固定される。その後、脛骨の鋸切断が可能になるように、スタイラスを取り外す必要がある/取り外すことができる。この目的のために、伸縮自在装置1は脛骨に残すことができ、またはクランプ装置2およびアダプタ12と一緒に簡単に取り外すことができ、鋸ブロック8は(既に取り外された接触装置6は伴わずに)脛骨に残される。
【0156】
前方固定バージョンの位置合わせ装置を近位固定バージョンの位置合わせ装置に変換するために、伸縮自在装置10の近位端部分に、以下で説明される近位固定ユニット/固定装置202が、好ましくは上記で説明されたように選択的に装着され得る。
【0157】
この目的のために、図45に示される、任意選択の近位の打込み装置/固定ユニット202は、好ましくは、少なくとも打込み機構224の中でスライド可能に案内されるピンを好ましくは2本打ち込むように設計された打込み機構224と、打ち込まれた2本のピンを解放するように設計して用意された衝撃レバー400と、「近位固定」バージョンの位置合わせ装置を選択的/一時的に生成するために、「前方固定」バージョンの位置合わせ装置(伸縮自在装置)と近位固定ユニット202との間に接続(好ましくはクランプ)するための連結機構406とを備える。
【0158】
具体的には、固定装置202の横梁222の1つの自由端部分に、打込み機構224および衝撃レバー400が配設される。打込み機構224は、好ましくは2本の打込みピンのための一種のアンビルとして使用される打込みピンユニット404を有する。この目的のために、中央のガイド・ピン200は、横梁222に、その縦軸に対して90°に近い角度で(しっかりと)固定され、横梁には、アンビルが、ガイド・ピン200を囲むフレーム/フレーム・ハウジング201の形態でスライド可能に装着される。横梁222に面する、アンビル/フレーム201の下側において、好ましくは2本ある打込みピン203が、好ましくは横梁222の2つの貫通穴に装着される/導かれるガイド・ピン200と平行に位置合わせして固定される。ハンマを使ってアンビルに手動で衝撃を加えると、アンビルに保持/固定されたピン203が横梁222の中で縦方向に案内されて患者の骨に打ち込まれ、衝撃方向は、横梁222に固定された、アンビルを縦方向に案内するガイド・ピン200によって保証される。
【0159】
衝撃レバー400は、横梁222に対してロッカのようなやり方で蝶番式に取り付けられており、アンビル/フレーム・ハウジング201と係合して作動する打込み機構224に面する側の係合部分と、ハンマまたは類似の衝撃工具でたたかれ得る、反対側の衝撃部分とを有する。すなわち、ロッカ状の衝撃レバー400の衝撃部分がたたかれると、その係合する部分から、ピン衝撃装置の反対側のフレーム・ハウジング201の下側に力がかかり、それによって患者の骨からピン203が引き抜かれる。
【0160】
横梁222は、収容ケース/固定要素402に、軸方向にスライド可能に挿入され、収容ケース/固定要素402は、たとえば収容ケース402の中の横梁222の軸方向のスライド移動を低速にする湾曲した板ばねの形態のスリップ/スライド・ブレーキ(図45に指示されている)405を収容する。この状況では、横梁222は、好ましくは多角形のプロファイル(長方形のプロファイル)に作製され、そのため、ケース402の中で横梁222がその縦軸のまわりで回転するのが防止され得る。
【0161】
横梁222に対して実質的に直角に、または少し傾斜するように調整された支柱408が、収容ケース402に固定されており、伸縮自在装置10に対して固定ユニット202を選択的に固定するために、横梁222内に/横梁222上に、好ましくはラッチ/クランプ機構208の形態の連結機構406が設けられる(詳細には図47を参照されたい)。図47によれば、このクランプ機構208は、支柱408の自由な遠位端面に置かれる楔形のクランプ板216から基本的に成り、支柱408の端面は、好ましくは支柱の縦軸に対して楔形に傾斜している/傾いている。支柱408は、張力要素(引張棒)または制御要素210が縦方向に移動可能なやり方では装着される、少なくとも部分的に管状の(中空の)本体210から形成される。クランプ板216は、支柱408内を案内される張力要素(引張棒)または制御要素210を介して、横梁222の収容ケース402上に枢動可能に装着された作動レバー214に対して動作可能に接続されている。図48および図49によれば、作動レバー214には、たとえばユーザの親指が作動レバー214を滑らずに押すことができるように、好ましくは、ざらざらした、または畝のある押しボタンを有する作動部分がある。結果的に、作動レバー214がはじかれて引張棒210に張力がかかると、楔形のクランプ板216が、支柱408の(楔形に)面取りされた端面218に沿って半径方向の外側へ変位し、それによって、支柱408の全体的な断面積が人為的に増加される。
【0162】
支柱408はまた、ケースから外方を向く(遠位)端部の小さい断面(断面積)を有する領域と、ケースに面する(近位)端部の大きい断面(断面積)を有する領域とを有し、これらは周囲の肩によって互いに分離されている(詳細には図48を参照されたい)。小さい断面を有する領域は、伸縮自在装置10の中空の伸縮自在ロッド/スライド・ロッド要素11の中に(わずかな遊びを伴って)挿入され、そこでクランプ機構208によって拘束され得るように寸法設定されている。大きい断面の領域は、実質的に、スライド・ロッド要素11の外側の断面に対応し、そのため、支柱408がスライド・ロッド要素11に完全に(ストッパとしての周囲の肩まで)挿入されたとき、実質的に滑らかなスライド・ロッド面がもたらされる。
【0163】
図46は、作動オプションを含む打込み機構224を有する固定ユニット202を示す。したがって、固定は、好ましくはハンマの打撃によってピン203を打ち込むことによって達成される。衝撃レバー400をハンマでさらに打撃すればピン203が解放される。クランプ機構208は、押しボタン214を作動させることによって活性化/非活性化される。
【0164】
図47に示される固定ユニット202は、固定機構224および接続/クランプ機構208を備える。接続/クランプ機構208またはその手動の作動レバー214が上方へ(近位へ)引かれた位置にある場合には、支柱408と、位置合わせ装置1の近位固定の変形形態において支柱408が挿入されるスライド・ロッド要素11との間のクランプ動作が解除される。ここで、接続/クランプ機構208は、支柱408の遠位端面の食付き部218によって支柱408に対して半径方向の外側または内側へ移動可能な、楔形のクランプ板216上の制御要素/プル・ロッド210を介して作動する。作動レバー214を下方へ(遠位の方へ)押すことによってプル・ロッド210を介してクランプ板216が上方へ(近位の方へ)引かれると、直ちに、クランプ板216が横へ、詳細には半径方向の外側へ、支柱408が既に挿入されているスライド・ロッド11に対するクランプ位置へと移動される。他方では、レバー214が上方へ押された場合には、制御要素210すなわちロッドが下方へ(遠位の方へ)移動して、クランプ板216を解放する。クランプ板216は、その楔形状の結果として半径方向の内側へ移動し、クランプ効果を解消する。
【0165】
図47は、図48による閉じたクランプ機構208の拡大図を示し、ここにおいて、上記で既に説明されたように、作動レバー216が下方へ移動している。したがって、楔形のクランプ板216も、支柱408と向かい合う面において、板の中心軸に対して約45°の角度で傾斜している。支柱408の自由(遠位)端面にもほぼ等しい傾斜が認められ、そのため、両方の傾斜面が動作可能に/スライド式に係合すると、クランプ板216は、支柱408の中心軸に対して垂直に調整された状態を保つ。しかしながら、この設計の代替として、図48図51によれば、中空の支柱408の遠位端/端部に、一種の拡大するコーンを設けることも可能であり、このコーンは、作動レバー214をそれに応じて作動させると、遠位端部分を、中空/管状の支柱408に引き込んで、半径方向へ弾性的に膨張させるものである。この目的のために、支柱408は、その遠位端部分に割り溝(さらには示されていない)を伴って形成されてよい。支柱408の遠位端に、(たとえばプラスチック材料で作製された)弾性の突張る本体を設け、レバー214が作動されると、これが軸方向に圧縮されてプラスチック材料を半径方向の外へ変位させることも考えられる。
【0166】
図52図55は「前方固定の変形形態」の位置合わせ装置、詳細には、ツール・ガイド装置8を備える伸縮自在装置10を示し、ツール・ガイド装置8は伸縮自在装置10に対して既に適合されている。縦軸20は、基準軸として伸縮自在装置10の縦方向に延在し、同時に、図52によるスライド・ロッド11の中心軸をも表す。明瞭に見られる鋸ブロック・アダプタ12は、ハンドル14の上/近位のアダプタによって、(縦軸20に沿って)軸方向に、スライド・ロッド11にわたって移動可能に案内され、スライド・ロッド11は、たとえば図54に示されるように、スライド・ロッド11を収容する鋸ブロック・アダプタ12の上面(近位面)に形成された貫通孔から突出する。
【0167】
図53に示される伸縮自在装置10の分解図によれば、スライド・ロッド11は、近位に向かう開放端面を有する中空のシャフトとして設計されている。この分解図は、「近位固定の変形形態」としての位置合わせ装置1を選択的に確立するための、ツール・ガイド装置/鋸ブロック8および任意選択の固定ユニット202を示す。スライド・ロッド11の外のり寸法ならびに固定ユニット202の支柱408の外のり寸法が明瞭に示されており、支柱408の、外径が小さい遠位端部分は、患者の組織に対するスライド・ロッド11の長さ調整/適合のために、スライド・ロッド11の中へ、せいぜいこれの肩まで、ほぼ遊びなく挿入され得、これによって、支柱自体の、小さい外径の遠位端部分が、スライド・ロッド11の外径に基本的に対応する大きい外径の近位部分から分離される。
【0168】
図54は、ツール・ガイド装置8と、ハンドル14の上のスライド・ロッド11上に配置されたアダプタ12とを示し、ハンドル14の作動要素は、好ましくは、作動していない/押されていない押しボタン410であり、そのため、脛骨切断ブロック・アダプタ12が伸縮自在装置10のハンドル14に拘束されてユニットを形成する。この状態では、ハンドル14は、接触針166の位置合わせのために、スライド・ロッド11に対して移動され得る。これは、前方固定の変形形態の位置合わせ装置1に対応する。対照的に、図55の伸縮自在装置10では、脛骨切断ブロック・アダプタ12は、アダプタ12上の押しボタン410が押されてハンドル14から解放されており、したがってハンドル14に対して自由に移動可能である。中空体/スライド・ロッド要素11に打込み装置202が挿入されている。これは近位固定の変形形態の位置合わせ装置1に対応するものであり、これによれば、伸縮自在装置10すなわちスライド・ロッド11が支柱408によって近位の方へ延長され、したがって、鋸ブロック・アダプタ12のための延長した動きガイドを形成する。
【0169】
図56は、たとえば長さの異なる少なくとも2つのスライド・ロッド要素254および258を備える、スライド・ロッド要素のセット250を示す。例として、第1のスライド・ロッド要素254は、たとえば207mmである第1の(短い)長さを有し、したがって短いスライド・ロッドを特徴付ける。第2のスライド・ロッド258は、第1の長さとは異なる、たとえば264mmである第2の(長い)長さを有する。足クランプ受け装置/受けダクト5の縦軸が、スライド・ロッド254、258のそれぞれの下限を定義し、ここから、それぞれの場合のスライド・ロッドの長さが測定され得る。
【0170】
ここで、本発明によるスライド・ロッドのセット250は、長さの異なる3つ以上のスライド・ロッドをも有し得ることに留意されたい。種々の患者組織を考慮に入れるために、これに対する代案として、またはそれに加えて、この目的のために、1つのセットで、異なる長さの支柱408を有するいくつかの固定ユニットを用意することも申し分なく考えられる。
【0171】
図57は、第1の(短い)スライド・ロッド254に取り付けられた足クランプ受け装置/受けダクト5を有する伸縮自在装置10の遠位端領域を示す。ここで、足クランプ受け装置5によって、カンチレバー・アーム93を受ける。クランプ要素4、4aは、遠位端に向かう受けダクト5内のカンチレバー・アーム93の、対応する回転配向によって、カンチレバー・アーム93に対してオフセットして配置される。これによって、上記で既に説明されたように、中央のクランプ要素機構と比較して長さが+15mm変化する。
【0172】
図58は足クランプ装置の第2の位置を示す。この場合、クランプ要素4、4aは、カンチレバー・アーム93に対して近位端の方へ(すなわち上方へ)オフセットされ、結果として、カンチレバー・アーム93が足クランプ受け装置5に収容される。足クランプ受け装置2の中心軸と足クランプ要素4、4aの上端とで、高さオフセット268を示す。第2の位置では、中央のクランプ要素機構と比較して、長さにおける-15mmの平均変化が与えられる。
【0173】
図59は、短いスライド・ロッド254上に配置されたツール・ガイド装置8を有する位置合わせ装置1を示す。図60は、短いスライド・ロッドのバージョンよりも、近位の方へ、ハンドル14を大幅に超えてさらに突出する長いスライド・ロッド258を有する位置合わせ装置1を示す。
【0174】
図61が示す、「前方固定」バージョン用のツール・ガイド装置8および接触装置6を有する位置合わせ装置1では、接触針166と鋸ブロック8との間の高さ間隔を微調整するために、ハンドル14から鋸ブロック・アダプタ12が分離されている。図62が示す位置合わせ装置1はツール・ガイド装置8を備え、ツール・ガイド装置8上には、近位固定用の打込み装置202を有する接触装置6がさらに配置されている。また、この場合には、鋸ブロック・アダプタ12がハンドル14から分離される。本発明によって、種々の長さのスライド・ロッドのセットを形成することにより、位置合わせ装置1は、たとえば脚長が短いアジア人または脚長が非常に長い白人に対して、世界中の種々の脚長に適用可能である。これは、単に、異なるロッド長さを有するスライド・ロッドに交換することによって有利に達成される。
【0175】
これらの長さバージョンにより、短いスライド・ロッド254が約200mm~約380mmの脚長に適合し、長いスライド・ロッド258が約260mm~約438mmの脚長に適合することが可能になる。
【0176】
2つのスライド・ロッド254および258の有効な長さが約120mmオーバーラップするので、ユーザは、スライド・ロッド254と258とのうち1つを選択して、位置合わせ装置1を、大多数の患者に有利に適用することができる。
【0177】
位置合わせの2つの実施形態に関して、長さ設定は、好ましくは以下のように区別する。
たとえば図61に示される「前方固定」については、第1のスライド・ロッド254の長さ256は約200mm~約360mmであり、第2のスライド・ロッド要素258の長さは約260mm~約420mmである。
図62に示される「近位固定」の実施形態の位置合わせ装置1については、第1のスライド・ロッド254の第1の短いスライド・ロッド長さは255mm~約380mmである。第2のスライド・ロッド要素258の第2の長さに関して、図62に示される近位固定の実施形態用の第2のスライド・ロッド要素の長さは約315mm~約438mmである。
【0178】
その上、上記の説明によれば、図57および図58に示されるように、足クランプ2を180°回転させる能力によって、長さにおける+15mmまたは-15mmの変化が達成される。長さにおけるこの変化は、スライド・ロッド11を置換する必要性なしで有利に達成される。足クランプを回転させる能力によって達成される、長さにおける、説明された+15mmまたは-15mmの変化は、上記の、位置合わせ装置の長さにおける変化の説明に既に含まれている。非常に短い脛骨の長さについては、図61に示されるように、「前方固定」を用いて、調節を約180mmまで縮小することがなお可能である。しかしながら、こうすると、ツール・ガイド装置8すなわち脛骨鋸ブロックにおける長穴または打込みスロット302を、位置合わせ装置(ETA)の第1の前方固定バージョン用に使用することができなくなってしまう。
【0179】
本発明による位置合わせ装置1の好ましい諸実施形態は、以下のように要約される。
【0180】
脛骨切除ガイド用位置合わせ装置1の第1の実施形態は、患者の脛骨3の遠位端をクランプするために互いに対抗して作動する少なくとも2つのクランプ要素4、4aを有するクランプ装置2と、脛骨3の切除中にツールを案内するためのツール・ガイド装置または鋸ブロック8と、ツール・ガイド装置8に装着可能な、脛骨3の近位端と接触するための任意選択の接触装置6と、脛骨3に対して装置2、8を位置合わせするように設計された伸縮自在装置10であって、近位においてツール・ガイド装置8に、遠位においてクランプ装置2に、分離可能なやり方で接続される伸縮自在装置10とを備え、伸縮自在装置10は、その近位領域52に、手動で活性化するとき伸縮自在装置10から鋸ブロック8を分離するように設計された分離装置または切断ブロック・アダプタ12をさらに備え、および/または、クランプ装置2のクランプ要素4に曲げ弾性があり、そのため、分離装置12を活性化した後に、クランプ要素の曲げ弾性を利用することによって、好ましくは脛骨から伸縮自在装置10を取り外すことができる。
【0181】
さらに、この実施形態では、伸縮自在装置10は、その近位領域52に、作業者が手で握ることができるように設計されたハンドル14を有することができ、また、ハンドル14の上にある分離装置/鋸ブロック・アダプタ12は、活性化/鋸ブロック解放のための作動/圧力要素16を有し得、作動/圧力要素16は、伸縮自在装置10の縦軸20に対して、好ましくは90°~150°の角度A18で、より好ましくは95°~120°の角度A18で、特に100°の角度A18で配置され、そのため、圧力要素16は片手56の親指で作動され得る。
【0182】
さらに、この実施形態では、伸縮自在装置の遠位領域54にはクランプ装置2が配置され得、また、それぞれがアーチ形の形状を有する2つの弾性クランプ要素4、4aが、伸縮自在装置10の縦軸20の方向から見たとき、閉状態では間に楕円形の領域22を形成するように互いに位置合わせされ得、楕円形の領域22は、脛骨3の遠位領域をクランプするやり方で受けるために用意されるものである。
【0183】
さらに、この実施形態では、分離装置12の基体24は、ツール・ガイド装置8の少なくとも1つの雌の(または雄の)受け要素28と形状適合して係合するように設計された少なくとも1つの雄の(または雌の)受け要素26を備えてよく、分離装置12の作動/圧力要素16には、ツール・ガイド装置8上に切込みを備えるように設計されたフック/ブラケット要素30が動作可能に接続されており、好ましくは、少なくとも1つのピン要素44が、ツール・ガイド装置8から横方向32に縦軸34まで延在し、そのため、閉状態では、受け要素26と28とが互いに遊離するのが防止される。好ましいやり方では、雄の受け要素28は円錐形である。
【0184】
さらに、この実施形態では、分離装置12の基体24は軸受ジャーナルを備えてよく、軸受ジャーナルは、横方向から見たとき、好ましくは、少なくとも1つの雄の受け要素26と、伸縮自在装置10のスライド・ロッド11用の台座凹部40との間に配置され、また、軸受ジャーナル上に、フック/ブラケット要素30が、好ましくは30°以下の角度で、枢動可能に配置/装着され得る。
【0185】
さらに、この実施形態では、ツール・ガイド装置8のピン要素44は横方向から見て滴形に設計することができ、また、ツール・ガイド装置8の雄の受け要素26が基体24の雌の受け要素28とはめ合わされるとき、フック要素30が、滴形状44に沿ってスライドすることによって持ち上げられ、そのため、受け要素26、28がはめ合わされるとき、フック要素30が滴形のピン要素44とラッチされ得る。
【0186】
さらに、この実施形態では、分離装置の基体24は、その横方向32に延在するストップ・ピンをさらに備えてよく、ストップ・ピンは、好ましくは、軸受ピンと、ツール・ガイド装置8用のストップ面との間に配置され、また、フック要素30に、ストップ・ノッチがさらに形成することができ、ストップ・ノッチは、ツール・ガイド装置8が所定位置にラッチされていないとき、ストップ・ピンと協働することによってフック要素30の枢支端ストッパを形成するために設けられるものである。
【0187】
脛骨切除ガイド用位置合わせ装置1の独立して請求され得る実施形態は、その遠位領域54に、患者の脛骨の遠位端をクランプするために互いに対抗して作動する少なくとも2つのクランプ要素4、4aを備えるクランプ装置2を有し、クランプ装置2のクランプ要素4の各々が、アーチ形の設計であって、それらの間に、位置合わせ装置1の縦軸20の方向から見て(閉状態では)楕円形の領域22を形成するように互いに位置合わせされ、前記楕円形の領域が、脛骨の遠位領域を、クランプするやり方で受けるように設計されており、位置合わせ装置(1)のクランプ装置2が脛骨(5)から片手で取り外され得るように、クランプ要素4、4aの各々が弾性に設計されているという点において提供される。
【0188】
さらに、この実施形態では、クランプ要素4、4aはフォーク形にさらに設計することができ、また、それぞれのフォーク60のプロング62が、閉状態では互いにオーバーラップするやり方で係合して脛骨3を所定位置に保持するように、互いにオフセットして配置され得る。
【0189】
さらに、この実施形態では、プロング62のそれぞれの先端66が、クランプ要素4、4aのそれぞれのアーチ形の形状に関して逆の方向に成形され得、そのため、脛骨3からの取外しプロセスは非外傷性である。
【0190】
さらに、この実施形態では、クランプ要素/クランプ・フォーク4、4aの(遠位の/蝶番に近い)端68が、それぞれ強化要素70によって囲まれて/取り囲まれて保持され得、強化要素70は、好ましくはプラスチックで作製され、それぞれのクランプ要素4、4aを、V字形の接触ブロック86に接合されたそれぞれのラッチ要素74に接続する。
【0191】
さらに、この実施形態では、ラッチ要素74はそれぞれラチェット機構76を備えてよく、そのため、閉状態64において脛骨に調節可能な予張力が作用するように、クランプ要素/クランプ・フォーク4、4aに予張力がかかり得る。
【0192】
さらに、この実施形態では、位置合わせ装置1の縦方向20から見ると、V字形の接触ブロック86が中央の接触領域78を有し得、ここから、横方向の接触アーム82が、それぞれ、好ましくは30°~60°、より好ましくは40°~50°、特に45°の角度Cで、両側へV字形に延在する。
【0193】
さらに、この実施形態では、V字形の軸受ブロック86は、スピンドル機構90を介して、横方向に調節可能なやり方でT継手92に結合され得(軸受ブロック86の軸受アーム82との相互作用において全体的にY字形になり得)、T継手92は、好ましくは、ラッチ機構94を介して、位置合わせ装置1の伸縮自在装置10に対して調節可能に接続される。
【0194】
脛骨切除ガイド用位置合わせ装置1の、独立して請求され得る実施形態は、患者の脛骨の遠位端をクランプするための(遠位の)クランプ装置2と、脛骨の切除中にツールを案内するための(近位の)ツール・ガイド装置8と、脛骨に対して近位の装置および遠位の装置2、8を位置合わせするように設計され、近位においてツール・ガイド装置8に、遠位においてクランプ装置2に、接続される/接続され得る伸縮自在装置10であって、伸長可能なやり方でスライド可能に装着されるスライド・ロッド要素11を受けるように設計されたハンドル要素14を有する伸縮自在装置10とを備え、伸縮自在装置10は拘束/固定要素104を備え、拘束/固定要素104は、ハンドル要素14とスライド・ロッド要素11との間に配置されており、要素14と11との間に第1の圧縮力が作用して両方の要素14と11との相対変位にブレーキがかかり得る第1の位置に到達するように調節され得、要素14と11との間に第2の圧縮力が作用して両方の要素14と11とを互いに対して拘束する第2の位置に到達するようにさらに調節され得る。
【0195】
さらに、この実施形態では、固定要素104は、第3の位置において、要素14と11との間に第3の圧縮力が作用して、両方の要素14と11との相対変位に対するブレーキを実質的に解除できるように、さらに調節可能であり得る。
【0196】
さらに、この実施形態では、係止要素112は、固定要素104と伸縮自在装置10との間に配置することができ、固定要素104を伸縮自在装置10において係止位置に保持したり、固定要素104を伸縮自在装置10から取り外すことができるように固定要素104を解放位置において解放したり、するように設計されている。
【0197】
さらに、この実施形態では、スライド・ロッド要素11は、その縦方向の延長に溝形の凹部118を有することができ、これは、固定要素104のクランプ・ピン120を受けて案内するように用意されるものである。溝形の凹部118は、クランプ・ピン120の定義された案内を有利にもたらす。
【0198】
さらに、この実施形態では、固定要素104は調節要素122を備えてよく、調節要素122は、固定要素104のばね要素124に対して、ばね要素124によって生成される圧力/クランプ力を、それぞれの位置106、108、110において調節できるように作用する。
【0199】
さらに、この実施形態では、位置合わせ装置1の横方向32から見たとき、受け要素/受け部100は、脛骨の遠い方の側におけるハンドル14上に配置され得/形成され得、ハンドル14は、係止要素112を、好ましくは移動可能なやり方で受けるように設計されている。
【0200】
さらに、この実施形態では、スライド・ロッド要素11がハンドル要素14から滑り出るのを防止するために、スライド・ロッド要素11は、その2つの軸端部分において、溝形の凹部118の中に、固定要素104用のストッパ128、130を有し得る。
【0201】
脛骨切除ガイド用位置合わせ装置1の独立して請求され得る実施形態は、患者の脛骨3の遠位端をクランプするためのクランプ装置2と、脛骨の切除中にツールを案内するためのツール・ガイド装置8と、脛骨3に対して装置2、8を位置合わせするように設計された伸縮自在装置10であって、近位においてツール・ガイド装置8に接続されており、遠位においてクランプ装置2に接続されている、伸縮自在装置10とを備え、ツール・ガイド装置8は、切除高さを感知するための接触装置6を解放可能なやり方で受けるように設計された台座凹部150を有する。
【0202】
さらに、この実施形態では、台座凹部150は、ツール・ガイド装置8の近位の上面151から位置合わせ装置1の縦軸20に沿って延在する穴であり得、また、接触装置6は、ラッチ機構154を有する挿入要素/挿入マンドレル156を備えてよく、この挿入要素/挿入マンドレルは、台座凹部150に、(軸方向に)ラッチされ得、(回転可能に)挿入され得る。
【0203】
さらに、この実施形態では、ラッチ機構154はレバー要素/作動レバー158を有し得、レバー要素/作動レバー158は、好ましくは挿入マンドレル156内に/上に配置され、移動止めノーズ160はレバー要素/作動レバー158を介して作動され得、挿入マンドレル156が挿入された状態では、移動止めノーズ160は、接触装置6をそこで軸方向に保持するために、台座凹部150の背後に係合する。
【0204】
さらに、この実施形態では、接触装置6は、接触アーム338の近位端に配置された接触チップ166を有する高さ感知組立体152を備えてよく、この接触チップは、ツール・ガイド装置8上の縦方向34と、位置合わせ装置1の横方向32とにおいて、調節可能に拘束され得る。
【0205】
さらに、この実施形態では、縦方向20の調節のために、挿入マンドレル156と接触チップ166との間にねじ要素168が設けられ得、接触チップ166は、好ましくは、スライド可能に/自由に接触アーム338に入り込んで、ツール・ガイド装置8の切断面170に対する接触チップ166の高さ間隔を判読可能に出力するように設計されている。
【0206】
さらに、この実施形態では、ねじ要素168上に、ねじ要素168とねじ係合して相対的に回転可能に保持されたねじ歯車172があり得、ねじ歯車172は、好ましくはその周囲の面上に数値174があり、これによって、高さ間隔を調節することができる。
【0207】
脛骨切除ガイド用位置合わせ装置1の、独立して請求され得る実施形態は、患者の脛骨3の遠位端をクランプするための(遠位の)クランプ装置2と、脛骨の切除中にツールを案内するための(近位の)ツール・ガイド装置8と、ハンドル14と、ハンドル14の中でスライド可能に案内されるスライド・ロッド11と、を有する伸縮自在装置10であって、脛骨3に対して装置2、8を(縦方向に)位置合わせするように設計され、近位においてツール・ガイド装置8に接続されており、遠位においてクランプ装置2に接続されている、伸縮自在装置10とを備え、伸縮自在装置10は、その近位端領域52に、打込み装置202を受けるための打込み装置マウント204を備え、打込み装置202は、伸縮自在装置10の、少なくとも一部は中空体として設計されたスライド・ロッド11によって形成されている。好ましくは、スライド・ロッド11は、伸縮自在装置10の縦方向において(設計位置において)、ハンドル14に完全に入り込んで、ハンドル14の近位に打込み装置マウント204を形成する。
【0208】
さらに、この実施形態では、打込み装置202は、その遠位端において、スライド・ロッド11の中空体部分の中へ、中空体部分の中で打込み装置202側のクランプ機構208によってクランプされ得るようなやり方で、挿入され得る。
【0209】
さらに、この実施形態では、クランプ機構208は、好ましくは引張り/圧縮ロッドの形態の細長い制御要素210を備えてよく、制御要素210は、打込み装置202の中空体/支持管408の中で移動可能に案内され、制御要素210は、その近位領域において、レバー要素214に作用し得る(手動の)作動力によって、クランプ/傾斜要素216が、スライド・ロッド11の中空体部分にクランプされ得るようなやり方で、レバー要素214によって縦方向20に移動可能である。
【0210】
さらに、この実施形態では、打込み装置202の中空体408は、その遠位端/端面に食付き部218を有し、また、傾斜要素216も、制御要素210に面する端/端面に、対応する食付き部220を有し、そのため、打込み装置202の傾斜要素216は、制御要素210によって張力を印加されると、打込み装置202の中空体408から横/半径方向32に滑って離れ、その結果、伸縮自在装置10のスライド・ロッド11にクランプされ得る。
【0211】
さらに、この実施形態では、打込み装置202は、挿入された状態では、伸縮自在装置10のスライド・ロッド11と周方向に同じ高さであり、そのため、ツール・ガイド装置8は、伸縮自在装置10のスライド・ロッド11と打込み装置202の中空体408とに沿って、縦方向20に移動可能である。
【0212】
さらに、この実施形態では、打込み装置202は、その近位端部分に横梁222を備え、横梁222は、打込み装置202の中空体408において、中空体408に対して実質的に垂直に、縦方向にスライド可能に装着されており、その自由な(近位の)端部に、脛骨3に対する位置合わせ装置1の近位固定用の固定装置224を備える。打込み装置202は、この実施形態によって、3つの空間方向(すなわち、中空体408に沿った高さ方向、横梁222に沿った横方向、必要に応じて中空体408のまわりの回転)のすべてにおいて自由に移動できるように有利なやり方で支持され、したがって、それぞれの境界条件に適合され得る。
【0213】
位置合わせ装置1の、独立して請求され得る好ましい実施形態は、患者の脛骨3の遠位端をクランプするための、互いに枢動可能な少なくとも2つのクランプ要素/クランプ・アーム4、4aを備える(遠位)クランプ装置2であって、クランプ要素/クランプ・アーム4、4aが、位置合わせ装置1の伸縮自在装置10上の(遠位)足クランプ受け装置5に挿入されるように設計されたカンチレバー・アーム93上に装着される、クランプ装置2と、脛骨の切除中にツールを案内するためのツール・ガイド装置8と、脛骨3に対して装置2、6を位置合わせするように設計されて、ツール・ガイド装置8およびクランプ装置2に接続された伸縮自在装置10であって、スライド・ロッド要素11を、内部で縦方向に移動させ得るように支持するハンドル要素14を備える、伸縮自在装置10とを備え、位置合わせ装置1は、少なくとも、第1の短いスライド・ロッド長さを有する第1のスライド・ロッド要素254と、少なくとも、第2の長いスライド・ロッド長さを有する第2のスライド・ロッド要素258とを有する、スライド・ロッド要素のセット250を備え、本発明によるスライド・ロッドのセット250のそれぞれのスライド・ロッド要素254、258は、必要に応じてハンドル要素14に挿入されるように用意されたものであり、スライド・ロッドのセット250のそれぞれのスライド・ロッド254と258は、他の点では、互いに同一構造に設計され、特に、それらの遠位端部分において、足クランプ受け装置5に接続されており/足クランプ受け装置5を伴って形成されており、また、第1のスライド・ロッド要素254の第1の長さと第2のスライド・ロッド要素258の第2の長さとの比は、好ましくは1~1.5、より好ましくは1.1~1.3であり、特に1.27になり、そのため、スライド・ロッドのセット250の第1のスライド・ロッド254および第2のスライド・ロッド258によって、脛骨の種々の長さが切除され得、この長さは、スライド・ロッド254、258の近位端から足クランプ受け装置5の中心軸262まで測定される。
【0214】
本発明による位置合わせ装置1の独立して請求され得る実施形態によれば、足クランプ受け装置5のクランプ要素/クランプ・アーム4、4aは、カンチレバー・アーム93の縦方向に関して軸方向にオフセットして配置され、カンチレバー・アーム93は、第1の位置と第2の位置との間にそれぞれ180°の回転を伴って足クランプ受け装置5に挿入することができ、そのため、クランプ要素4、4aは、第1の位置では位置合わせ装置1の遠位端の方へ配置され、第2の位置では位置合わせ装置1の近位端の方へ配置され、その結果、カンチレバー・アーム93を、第1の位置から第2の位置へと180°回転させて足クランプ受け装置5に挿入すれば、伸縮自在装置10の縦方向20におけるクランプ要素4、4aの高さ/長さオフセットが達成される。
【0215】
さらに、この実施形態では、足クランプ受け装置5の高さオフセットは、足クランプ受け装置5の中心軸262からクランプ要素4、4aのそれぞれの切点270まで測定され、好ましくは10mm~20mmであり、特に15mmである。
【符号の説明】
【0216】
1:位置合わせ装置
2:クランプ装置
3:脛骨
4、4a:クランプ要素
5:クランプ装置マウント
6:接触装置
8:ツール・ガイド装置
10:伸縮自在装置
11:スライド・ロッド(スライド要素)
12:鋸ブロック・アダプタ/分離装置
14:ハンドル
16:圧力要素
18:保持機構
20:縦軸
22:楕円形の領域
24:基体
26:雄の受け要素
28:雌の受け要素
30:フック要素
32:横方向
34:縦軸
36:アダプタ・ソケット
44:切下げ/突起
50:レリーフ状の表面
52:近位領域
54:遠位領域
60:フォーク
62:プロング
66:先端
68:クランプ要素の端
70:強化要素
74:ラッチ要素
76:ラチェット機構
77:付勢ばね
78:中央の接触領域
82:ベアリング・アーム/側方の接触領域
84:ラチェット・レバー
86:往復台/脛骨接触ブロック
90:スピンドル機構
92:T継手
93:挿入ロッド
94:ラッチ機構
95:大梁
100:受け部
102:回転つまみ
104:固定要素
112:係止要素
114:ハウジング
116:合い釘
118:溝形の凹部
120:クランプ・ピン/ボルト
122:調節要素
124:ばね要素
128:上部の停止要素
130:下部の停止要素
150:台座凹部
151:上面
152:高さ感知組立体
154:ラッチ機構
156:挿入要素
158:レバー要素
160:移動止めノーズ
164:ばね要素
166:接触チップ
168:ねじ要素
170:ツール・ガイド装置の切断面
172:ねじ歯車
174:数値
200:ガイド・ピン
201:フレーム
202:打込み装置
203:打込みピン
204:打込み装置マウント
208:クランプ機構
210:制御要素
212:中空体
214:レバー要素
216:傾斜要素/クランプ板
218:食付き部
222:横梁
224:打込み機構
250:スライド・ロッド要素のセット
254:第1のスライド・ロッド要素
258:第2のスライド・ロッド要素
262:足クランプ受け装置の中心
268:高さオフセット
270:端ポイント
300:打込み穴
302:ツール・ガイド・スロット
303:打込みスロット
304:調節ねじ/回転つまみ
306:固定力
308:力効果
322:手
334:アダプタ・インタフェース
336:垂直方向のストッパ
338:接触アーム
340:垂直方向の可動性
344:表示要素
346:水平方向の可動性
348:回転自由
354:摩擦要素
364:拘束溝
366:切断高さ
368:接触レベル
370:切断レベル
372:ラッチ機構
400:衝撃レバー
402:収納ケース
404:打込みピン・ユニット
405:スライド・ブレーキ
406:連結機構
408:支柱/中空体
410:スライドつまみ/押しボタン
図1
図2
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図47-48】
図49-51】
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【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮自在装置を備え、前記伸縮自在装置が、その近位端部分に、鋸ブロックを装備可能、または装備しており、また、その遠位端部分に、少なくとも2つのクランプ要素を有する足首シャックル装置、詳細にはクランプ装置を有し、前記クランプ装置の前記クランプ要素が、それぞれアーチ形に設計されており、前記クランプ要素が、たとえば患者の脛骨の遠位端をクランプするために互いに対抗するように作動して枢動することができる、特に脛骨切除ガイドのための位置合わせ装置において、
もっぱら前記クランプ要素のばね弾性を利用して前記脛骨から前記クランプ装置が取り外され得るように、前記クランプ要素の各々が少なくとも部分的に弾性であることを特徴とする、位置合わせ装置。
【請求項2】
前記クランプ装置が脛骨接触ブロックを備え、
前記脛骨接触ブロックが、とりわけ、実質的にV字形に分岐する2つの剛体の接触アームから成り、
前記接触アームの自由端領域に、弾性的に曲がり得る/柔軟なクランプ要素が枢動可能に関節接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の位置合わせ装置。
【請求項3】
前記クランプ装置がラチェット機構をさらに備え、
前記クランプ要素が、前記ラチェット機構によって、それぞれ前記脛骨接触ブロック上に支持されており、
前記ラチェット機構によって、前記クランプ要素のそれぞれに、互いに無関係の、大きさが異なる予張力がかかり得ることを特徴とする、請求項1または2に記載の位置合わせ装置。
【請求項4】
前記クランプ要素がフォーク形にさらに設計されており、
また、それぞれのフォークのプロングが、閉状態おいてオーバーラップするやり方で互いに係合するように、互いにオフセットして配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の位置合わせ装置。
【国際調査報告】