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特表2023-521509ワイヤハーネス構造体、ガラスアセンブリ及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス構造体、ガラスアセンブリ及び自動車
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20230517BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20230517BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
B60R16/02 620C
B60J1/17 A
H02G11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563117
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(85)【翻訳文提出日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 CN2021084972
(87)【国際公開番号】W WO2022016904
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202010702764.0
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516151818
【氏名又は名称】フーイャォ グラス インダストリー グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ビフイ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ヤジン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シャオナン
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,ヤンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,レーニ
【テーマコード(参考)】
3D127
5G371
【Fターム(参考)】
3D127CB05
3D127CC05
3D127DF03
3D127DF06
3D127EE20
5G371AA01
5G371BA01
5G371BA07
5G371CA02
5G371CA07
(57)【要約】
ワイヤハーネス構造体(400)が提供される。当該ワイヤハーネス構造体(400)は、固定具アセンブリ(3)、第1のワイヤハーネス(11)及び牽引機構(2)を備える。固定具アセンブリは(3)、車体アセンブリ(300)に接続されるように構成されている。第1のワイヤハーネス(11)は第1の端部及び第2の端部を含み、第1の端部は、昇降可能な自動車用ドアガラス(5)に接続されるように構成されており、第2の端部は、固定具アセンブリ(3)に接続されるように構成されている。牽引機構(2)はその一端が車体アセンブリ(300)に接続されるように構成されており、第1のワイヤハーネス(400)が張られるように、牽引機構(2)はその他端が第1のワイヤハーネス(400)の第1の端部と第2の端部との間に接続されるように構成されている。当該ワイヤハーネス構造体によれば、ワイヤハーネスの揺れという課題が解決されることができる。ガラスアセンブリ及び自動車がさらに提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定具アセンブリ、第1のワイヤハーネス及び牽引機構を備えるワイヤハーネス構造体であって、
前記固定具アセンブリは、車体アセンブリに接続されるように構成されており、
前記第1のワイヤハーネスは第1の端部及び第2の端部を含み、前記第1の端部は、昇降可能な自動車用ドアガラスに接続されるように構成されており、前記第2の端部は、前記固定具アセンブリに接続されるように構成されており、
前記牽引機構はその一端が前記車体アセンブリに接続されるように構成されており、前記第1のワイヤハーネスが張られるように、前記牽引機構はその他端が前記第1のワイヤハーネスの前記第1の端部と前記第2の端部との間に接続されるように構成されている、
ことを特徴とするワイヤハーネス構造体。
【請求項2】
前記牽引機構は滑車アセンブリ、復帰部材及び支持フレームを含み、前記滑車アセンブリは前記第1のワイヤハーネスに可動接続されており、前記復帰部材はその一端が前記滑車アセンブリに接続されており、前記復帰部材はその他端が前記支持フレームに接続されており、前記支持フレームは前記車体アセンブリに接続されるように構成されており、
前記第1のワイヤハーネスが終始張られた状態にあるように、前記復帰部材は前記滑車アセンブリを強く引っ張るように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項3】
前記復帰部材は渦巻きばねであり、前記渦巻きばねは前記支持フレームに巻かれている、
ことを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項4】
前記復帰部材は、伸縮可能な弾性部材である、
ことを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項5】
前記支持フレームは回転軸及び支持スタンドを含み、前記支持スタンドは前記車体アセンブリに接続されるように構成されており、前記回転軸は前記支持スタンドに回転接続されており、前記復帰部材は前記回転軸に巻かれている、
ことを特徴とする請求項3に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項6】
前記支持スタンドは第1の支持部、第2の支持部及び接続部を含み、前記第1の支持部と前記第2の支持部は、隔てて対向配置され且つ前記接続部に接続されており、前記接続部は前記車体アセンブリに接続されるように構成されており、前記第1の支持部は第1の孔を有し、前記第2の支持部は第2の孔を有し、前記回転軸は前記第1の孔内と前記第2の孔内を貫通する、
ことを特徴とする請求項5に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項7】
前記回転軸は回転軸主体及び第1の位置制限円盤を含み、前記回転軸主体は前記第1の孔内と前記第2の孔内を貫通し、前記第1の位置制限円盤は前記回転軸主体の外周を取り囲むように接続されており、且つ前記第1の支持部から離反する前記第2の支持部の一側にあり、前記第1の位置制限円盤の外径は前記第2の孔の孔径より大きい、
ことを特徴とする請求項6に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項8】
前記第1の位置制限円盤から遠い前記回転軸主体の一端に第1の環状溝が配置されており、前記第1の環状溝は前記第2の支持部から離反する前記第1の支持部の一側にあり、前記支持フレームは第1の環状部材をさらに含み、前記第1の環状部材の少なくとも一部は前記第1の環状溝内に配置されており、前記第1の環状部材の外径は前記第1の孔の孔径より大きい、
ことを特徴とする請求項7に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項9】
前記滑車アセンブリは、互いに接続された滑車スタンドと滑車本体を含み、前記滑車スタンドは前記復帰部材に接続されており、前記滑車本体と前記滑車スタンドは間隔空間を形成し、前記第1のワイヤハーネスは前記間隔空間を貫通し、且つ前記滑車本体に押し当てられている、
ことを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項10】
前記滑車本体は前記滑車スタンドに回転接続されており、前記第1のワイヤハーネスの前記第1の端部が自動車用ドアガラスとともに運動する場合に、前記第1のワイヤハーネスは前記滑車本体の回転を駆動することができる、
ことを特徴とする請求項9に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項11】
前記第1のワイヤハーネスは、フラットワイヤハーネスである、
ことを特徴とする請求項10に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項12】
前記滑車本体は回転シャフト及びシャフトスリーブを含み、前記回転シャフトは前記滑車スタンドに回転接続されており、前記シャフトスリーブは前記回転シャフトの外周にスリーブされており、前記第1のワイヤハーネスは前記シャフトスリーブに押し当てられており、前記第1のワイヤハーネスの押し当てにより前記シャフトスリーブは変形する、
ことを特徴とする請求項10に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項13】
前記滑車スタンドは第1のサポート部、第2のサポート部及び中間部を含み、前記第1のサポート部と前記第2のサポート部は、隔てて対向配置され且つ前記中間部に屈曲して接続されており、前記第1のサポート部は第1のスルーホールを有し、前記第2のサポート部は第2のスルーホールを有し、前記滑車本体は前記第1のスルーホール内と前記第2のスルーホール内を貫通し、前記滑車本体と前記中間部はともに前記間隔空間を形成する、
ことを特徴とする請求項9に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項14】
前記滑車スタンドは延伸部をさらに含み、前記延伸部はその一端が前記中間部に接続されており、前記延伸部はその他端が前記復帰部材に接続されている、
ことを特徴とする請求項13に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項15】
前記滑車本体は滑車主体及び第2の位置制限円盤を含み、前記第2の位置制限円盤は前記滑車主体の外周を取り囲むように接続されており、前記第2の位置制限円盤は前記第1のサポート部から離反する前記第2のサポート部の一側にあり、前記第2の位置制限円盤の外径は前記第2のスルーホールの孔径より大きい、
ことを特徴とする請求項13に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項16】
前記第2の位置制限円盤から遠い前記滑車主体の一端に第2の環状溝が配置されており、前記第2の環状溝は前記第2のサポート部から離反する前記第1のサポート部の一側にあり、前記滑車アセンブリは第2の環状部材をさらに含み、前記第2の環状部材の少なくとも一部は前記第2の環状溝内に配置されており、前記第2の環状部材の外径は前記第1のスルーホールの孔径より大きい、
ことを特徴とする請求項15に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項17】
前記ワイヤハーネス構造体は第2のワイヤハーネス及び制御装置アセンブリをさらに備え、前記第2のワイヤハーネスはその一端が前記固定具アセンブリに接続され且つ前記第1のワイヤハーネスに電気的に接続されており、前記第2のワイヤハーネスはその他端が前記制御装置アセンブリに電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項18】
前記固定具アセンブリは互いに接続されたブラケットと接続ケースを含み、前記ブラケットは前記車体アセンブリに接続されるように構成されており、前記接続ケースは前記第1のワイヤハーネス及び前記第2のワイヤハーネスに接続されている、
ことを特徴とする請求項17に記載のワイヤハーネス構造体。
【請求項19】
ガラスアセンブリであって、
前記ガラスアセンブリは昇降可能な自動車用ドアガラス及び請求項1~18のいずれか一項に記載のワイヤハーネス構造体を含み、前記ワイヤハーネス構造体は第1のワイヤハーネスを備え、前記第1のワイヤハーネスの第1の端部は、前記自動車用ドアガラスに接続されている、
ことを特徴とするガラスアセンブリ。
【請求項20】
車体アセンブリ及び請求項19に記載のガラスアセンブリを含む自動車であって、
前記ガラスアセンブリは、前記車体アセンブリに取り付けられている、
ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は自動車分野に関し、具体的に、ワイヤハーネス構造体、ガラスアセンブリ及び自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術の発展に伴い、自動車の知能化は急速に進んでいる。例えば、自動車における昇降可能なドアガラスは既に画面表示などの機能を備えた。関連技術では、自動車用ドアガラスと制御装置アセンブリは、ワイヤハーネスアセンブリを介して電気的に接続されており、一部のワイヤハーネスは自動車用ドアガラスとともに昇降する。しかし、その一部の運動するワイヤハーネスが安定した運動軌跡制御を欠くため、自動車用ドアガラスが昇降する際に、ワイヤハーネスは揺れるようになり、ワイヤハーネスの詰まりや異音の発生などの課題が生じ、それはガラスの表示機能、電源機能などに影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
本出願において、ワイヤハーネス構造体、ガラスアセンブリ及び自動車が提供される。当該ワイヤハーネス構造体によれば、ワイヤハーネスの揺れという課題が解決されることができる。
【0004】
本出願の実施形態において、ワイヤハーネス構造体が提供される。当該ワイヤハーネス構造体は固定具アセンブリ、第1のワイヤハーネス及び牽引機構を備える。
固定具アセンブリは、車体アセンブリに接続されるように構成されており、
第1のワイヤハーネスは第1の端部及び第2の端部を含み、第1の端部は、昇降可能な自動車用ドアガラスに接続されるように構成されており、第2の端部は、固定具アセンブリに接続されるように構成されており、
牽引機構はその一端が車体アセンブリに接続されるように構成されており、第1のワイヤハーネスが張られるように、牽引機構はその他端が第1のワイヤハーネスの第1の端部と第2の端部との間に接続されるように構成されている。
【0005】
本出願において、牽引機構はその一端が第1のワイヤハーネスの第1の端部と第2の端部との間に接続されることによって、第1のワイヤハーネスが張られた状態にあるようになる。換言すると、牽引機構を利用して第1のワイヤハーネスを強く引っ張る。張られた状態にある第1のワイヤハーネスは、外部の影響による自由な揺れをしなくなるため、第1のワイヤハーネスの詰まりや異音の発生などの課題を回避することができる。
【0006】
牽引機構は滑車アセンブリ、復帰部材及び支持フレームを含み、滑車アセンブリは第1のワイヤハーネスに可動接続されており、復帰部材はその一端が滑車アセンブリに接続されており、復帰部材はその他端が支持フレームに接続されており、支持フレームは車体アセンブリに接続されるように構成されている。第1のワイヤハーネスが終始張られた状態にあるように、復帰部材は滑車アセンブリを強く引っ張るように構成されている。
【0007】
復帰部材は渦巻きばねであり、渦巻きばねは支持フレームに巻かれている。
【0008】
復帰部材は、伸縮可能な弾性部材である。
【0009】
支持フレームは回転軸及び支持スタンドを含み、支持スタンドは車体アセンブリに接続されるように構成されており、回転軸は支持スタンドに回転接続されており、復帰部材は回転軸に巻かれている。
【0010】
支持スタンドは第1の支持部、第2の支持部及び接続部を含み、第1の支持部と第2の支持部は、隔てて対向配置され且つ接続部に接続されており、接続部は車体アセンブリに接続されるように構成されており、第1の支持部は第1の孔を有し、第2の支持部は第2の孔を有し、回転軸は第1の孔内と第2の孔内を貫通する。
【0011】
回転軸は回転軸主体及び第1の位置制限円盤を含み、回転軸主体は第1の孔内と第2の孔内を貫通し、第1の位置制限円盤は回転軸主体の外周を取り囲むように接続されており、且つ第1の支持部から離反する第2の支持部の一側にあり、第1の位置制限円盤の外径は第2の孔の孔径より大きい。
【0012】
第1の位置制限円盤から遠い回転軸主体の一端に第1の環状溝が配置されており、第1の環状溝は第2の支持部から離反する第1の支持部の一側にあり、支持フレームは第1の環状部材をさらに含み、第1の環状部材の少なくとも一部は第1の環状溝内に配置されており、第1の環状部材の外径は第1の孔の孔径より大きい。
【0013】
滑車アセンブリは、互いに接続された滑車スタンドと滑車本体を含み、滑車スタンドは復帰部材に接続されており、滑車本体と滑車スタンドは間隔空間を形成し、第1のワイヤハーネスは間隔空間を貫通し、且つ滑車本体に押し当てられている。
【0014】
滑車本体は滑車スタンドに回転接続されており、第1のワイヤハーネスの第1の端部が自動車用ドアガラスとともに運動する場合に、第1のワイヤハーネスは滑車本体の回転を駆動することができる。
【0015】
第1のワイヤハーネスは、フラットワイヤハーネスである。
【0016】
滑車本体は回転シャフト及びシャフトスリーブを含み、回転シャフトは滑車スタンドに回転接続されており、シャフトスリーブは回転シャフトの外周にスリーブされており、第1のワイヤハーネスはシャフトスリーブに押し当てられており、第1のワイヤハーネスの押し当てによりシャフトスリーブは変形する。
【0017】
滑車スタンドは第1のサポート部、第2のサポート部及び中間部を含み、第1のサポート部と第2のサポート部は、隔てて対向配置され且つ中間部に屈曲して接続されており、第1のサポート部は第1のスルーホールを有し、第2のサポート部は第2のスルーホールを有し、滑車本体は第1のスルーホール内と第2のスルーホール内を貫通し、滑車本体と中間部はともに間隔空間を形成する。
【0018】
滑車スタンドは延伸部をさらに含み、延伸部はその一端が中間部に接続されており、延伸部はその他端が復帰部材に接続されている。
【0019】
滑車本体は滑車主体及び第2の位置制限円盤を含み、第2の位置制限円盤は滑車主体の外周を取り囲むように接続されており、第2の位置制限円盤は第1のサポート部から離反する第2のサポート部の一側にあり、第2の位置制限円盤の外径は第2のスルーホールの孔径より大きい。
【0020】
第2の位置制限円盤から遠い滑車主体の一端に第2の環状溝が配置されており、第2の環状溝は第2のサポート部から離反する第1のサポート部の一側にあり、滑車アセンブリは第2の環状部材をさらに含み、第2の環状部材の少なくとも一部は第2の環状溝内に配置されており、第2の環状部材の外径は第1のスルーホールの孔径より大きい。
【0021】
ワイヤハーネス構造体は第2のワイヤハーネス及び制御装置アセンブリをさらに備え、第2のワイヤハーネスはその一端が固定具アセンブリに接続され且つ第1のワイヤハーネスに電気的に接続されており、第2のワイヤハーネスはその他端が制御装置アセンブリに電気的に接続されている。
【0022】
固定具アセンブリは互いに接続されたブラケットと接続ケースを含み、ブラケットは車体アセンブリに接続されるように構成されており、接続ケースは第1のワイヤハーネス及び第2のワイヤハーネスに接続されている。
【0023】
本出願において、ガラスアセンブリがさらに提供される。当該ガラスアセンブリは、昇降可能な自動車用ドアガラス及び上記ワイヤハーネス構造体を含み、ワイヤハーネス構造体は第1のワイヤハーネスを備え、第1のワイヤハーネスの第1の端部は、自動車用ドアガラスに接続されている。
【0024】
本出願において、自動車がさらに提供される。当該自動車は、車体アセンブリ及び上記ガラスアセンブリを含み、ガラスアセンブリは車体アセンブリに取り付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本出願の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、説明される図面は本出願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとって、創造的な努力なしに、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
図1図1は、本出願の実施形態に係る自動車を示す概略図である。
図2図2は、本出願の実施形態に係る第1の状態にあるガラスアセンブリを示す概略図である。
図3図3は、図2に示されるガラスアセンブリの側面図である。
図4図4は、本出願の実施形態に係る第2の状態にあるガラスアセンブリを示す概略図である。
図5図5は、本出願の実施形態に係るワイヤハーネス構造体を示す概略図である。
図6図6は、本出願の実施形態に係る支持フレームを示す概略図である。
図7図7は、図6に示される支持フレームのA-Aに沿った断面図である。
図8図8は、本出願の実施形態に係る滑車アセンブリを示す概略図である。
図9図9は、図8に示される滑車アセンブリのB-Bに沿った断面図である。
図10図10は、本出願の実施形態に係るシャフトスリーブの配置された滑車アセンブリを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本出願の実施形態の図面を参照しながら本出願の実施形態の技術的解決策を明晰に、全面的に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本出願の一部の実施形態のみであり、全ての実施形態ではない。本出願における実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得ることができるすべての他の実施形態は、皆本出願の保護範囲に属する。
【0027】
本出願の明細書、請求項及び図面における「第1」「第2」などの用語は特定のシーケンスの説明のためではなく、異なる対象を区別するために用いられる。また、「含む」、「備える」又は他のいかなるバリアントなどの用語はその他の構成要素を含むことを排除せず、カバーすることを意図する。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、リストされたステップもしくはユニットに限定されず、選択的に、リストされていない他のステップもしくはユニットを含み、又は選択的に、これらのプロセス、方法、システム、製品又はデバイスに固有の他のステップもしくはユニットを含むことができる。
【0028】
本明細書に言及される「実施形態」は、実施形態と結びついて説明される特定の特徴、構造、又は特性は本出願の少なくとも一つの実施形態に含まれることができることを意味する。明細書のいかなるところに現れる当該言葉は必ずしも同じ実施形態を示すとは限らず、他の実施形態と相互に排他的な独立した実施形態又は選択可能な実施形態ではない。当業者は、組み合わせられた少なくとも2つの実施形態の間に矛盾がない場合に、本明細書に記載される実施形態が他の実施形態と組み合わせることができることを明示的に又は暗示的に理解することができる。
【0029】
図1を参照すると、本出願において、自動車100が提供される。自動車100は乗用車、多目的車(multi-purpose vehicles、MPV)、スポーツ用多目的車(sport/suburban utility vehicle、SUV)、オフロード車(off-road vehicle、ORV)、ピックアップトラック、ワンボックスカー、客車、トラックなどを含むが、それらに限定されない。
【0030】
自動車100は、車体アセンブリ300及び以下の任意の実施形態に記載のガラスアセンブリ200を含む。ガラスアセンブリ200は、車体アセンブリ300に取り付けられている。
【0031】
車体アセンブリ300は、自動車100の少なくとも一部であり、又は、自動車100の少なくとも一部の構造部品及び電子部品を含む。例えば、車体アセンブリ300はフレーム、フロアパネル、変速機、座席、センターコンソールのパネルなどを含むことができる。
【0032】
図2図4を参照すると、本出願において、ガラスアセンブリ200がさらに提供される。ガラスアセンブリ200は、昇降可能な自動車用ドアガラス5及び以下の任意の実施形態に記載のワイヤハーネス構造体400を含む。ワイヤハーネス構造体400は第1のワイヤハーネス11を備える。第1のワイヤハーネス11の第1の端部は、自動車用ドアガラス5に接続されている。
【0033】
なお、自動車用ドアガラス5と第1のワイヤハーネス11の第1の端部との間の接続は電気的接続であり、その接続は取り外し不可能な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよい(例えば、自動車用ドアガラス5と第1の端部はコネクタによって取り外し可能な電気的接続を実現する)。
【0034】
ガラスアセンブリ200は第1の状態及び第2の状態を備える。ガラスアセンブリ200が第1の状態にある場合に、図2及び図3に示されるように、自動車用ドアガラス5は最も低い位置にある。ガラスアセンブリ200が第2の状態にある場合に、図4に示されるように、自動車用ドアガラス5は最も高い位置にある。第1の状態及び第2の状態に関する下記説明は、ここの記述を参照されたい。
【0035】
以下、図面を参照しながら上記実施形態に係るガラスアセンブリ200に含まれるワイヤハーネス構造体400について、詳細に説明する。
【0036】
図2図4とともに、図5を参照すると、本出願において、ワイヤハーネス構造体400がさらに提供される。ワイヤハーネス構造体400は固定具アセンブリ3、第1のワイヤハーネス11及び牽引機構2を含む。
【0037】
固定具アセンブリ3は、車体アセンブリ300に固定されている。
【0038】
第1のワイヤハーネス11は、第1の端部及び第2の端部を含む。第1のワイヤハーネス11の第1の端部は、昇降可能な自動車用ドアガラス5に接続されるように構成されている。自動車用ドアガラス5が昇降する際に、それに対応して、第1のワイヤハーネス11の第1の端部は自動車用ドアガラス5とともに昇降し、第1のワイヤハーネス11の運動を駆動する。第1のワイヤハーネス11の第2の端部は、固定具アセンブリ3を介して車体アセンブリ300に固定されるように、固定具アセンブリ3に接続されるように構成されている。
【0039】
車体アセンブリ300に固定されるように、牽引機構2はその一端が車体アセンブリ300に接続されるように構成されている。第1のワイヤハーネス11が折り曲げられた状態にあり、且つ第1のワイヤハーネスが張られるように、牽引機構2はその他端が第1のワイヤハーネス11の第1の端部と第2の端部との間に接続されるように構成されている。
【0040】
関連技術では、第1のワイヤハーネス11の第1の端部は、自動車用ドアガラス5に固定されており、第2の端部は、固定具アセンブリ3を介して車体アセンブリ300に固定されている。第1の端部と第2の端部との間の部分(以下、中間部分と呼ぶ)は自由な状態にあり、即ち、中間部分は自由に運動することができる。自動車用ドアガラス5が第1の端部の運動を駆動する過程において、又は自動車100の走行中に、中間部分は影響を受けて揺れ始め、中間部分の詰まりや異音の発生などの課題が生じる。従って、中間部分は安定した運動軌跡制御を欠き、自動車用ドアガラス5の表示機能、電源機能なども影響を受ける。
【0041】
本出願において、牽引機構2はその一端が第1のワイヤハーネス11の第1の端部と第2の端部との間に接続されることによって、第1のワイヤハーネス11が張られた状態にあるようになる。換言すると、牽引機構2を利用して第1のワイヤハーネス11を強く引っ張る。張られた状態にある第1のワイヤハーネス11は、外部の影響による自由な揺れをしなくなるため、第1のワイヤハーネス11の詰まりや異音の発生などの課題を回避することができる。
【0042】
図2図4とともに、図5を参照すると、ワイヤハーネス構造体400は、第2のワイヤハーネス12及び制御装置アセンブリ4をさらに備える。第2のワイヤハーネス12は、その一端が固定具アセンブリ3に接続され且つ第1のワイヤハーネス11に電気的に接続されている。1つの実施形態において、固定具アセンブリ3は第1のワイヤハーネス11及び第2のワイヤハーネス12の電気的接続の媒介であり、即ち、第1のワイヤハーネス11と第2のワイヤハーネス12はいずれも、固定具アセンブリ3に電気的に接続されており、その電気的接続はコネクタで実現されることができるが、それに限定されない。別の実施形態において、第1のワイヤハーネス11と第2のワイヤハーネス12は直接に接続されてもよく、即ち、固定具アセンブリ3は、第1のワイヤハーネス11及び第2のワイヤハーネス12を固定する機能のみを発揮し、第1のワイヤハーネス11と第2のワイヤハーネス12とに電気的に接続されるというわけではない。当然ながら、他の実施形態もあるが、ここで詳述されない。
【0043】
さらに、第2のワイヤハーネス12はその他端が制御装置アセンブリ4に電気的に接続されている。それによって、制御装置アセンブリ4は自動車用ドアガラス5に電気的に接続されるようになり、自動車用ドアガラス5は対応の機能(例えば表示機能)を備え、制御装置アセンブリ4は、自動車用ドアガラス5が時間、天気状況、ナビゲーションルートなどを表示するよう制御することができる。当然ながら、上記は例示的な説明のみであり、自動車用ドアガラス5は他の機能を備えてもよく、本出願では限定されない。
【0044】
図4を参照すると、牽引機構2は滑車アセンブリ21、復帰部材22及び支持フレーム23を含む。
【0045】
滑車アセンブリ21は第1のワイヤハーネス11に可動接続されており、即ち、滑車アセンブリ21と第1のワイヤハーネス11は相対的に運動可能である。具体的に、自動車用ドアガラス5が異なる位置にある場合に、滑車アセンブリ21と第1のワイヤハーネス11との接触位置が異なる。ガラスアセンブリ200が第1の状態から第2の状態に切り替わる過程において、自動車用ドアガラス5は徐々に上昇し且つ滑車アセンブリ21の上昇を駆動し、滑車アセンブリ21が上昇中に第1のワイヤハーネス11の第2の端部に次第に近づく。ガラスアセンブリ200が第2の状態から第1の状態に切り替わる過程において、自動車用ドアガラス5は徐々に下降し且つ滑車アセンブリ21の下降を駆動し、滑車アセンブリ21が下降中に第1のワイヤハーネス11の第1の端部に次第に近づく。
【0046】
支持フレーム23は、車体アセンブリ300に固定されるように、車体アセンブリ300に接続されるように構成されている。なお、支持フレーム23と車体アセンブリ300との接続は、取り外し可能な接続であってもよく、取り外し不可能な接続であってもよい。
【0047】
復帰部材22はその一端が滑車アセンブリ21に接続されている。復帰部材22はその他端が支持フレーム23に接続されている。第1のワイヤハーネス11が終始張られた状態にあるように、復帰部材22は滑車アセンブリ21を強く引っ張るように構成されている。
【0048】
さらに、復帰部材22は伸縮性を有する。以下、自動車用ドアガラス5の昇降中に復帰部材22自体の特性が果たす役割について説明する。
【0049】
ガラスアセンブリ200が第1の状態から第2の状態に切り替わる(即ち、自動車用ドアガラス5が最低点から最高点まで上昇する)過程において、第1のワイヤハーネス11は滑車アセンブリ21の上昇を駆動し、滑車アセンブリ21は上昇中に復帰部材22を徐々に引き伸ばし、それ対応して、復帰部材22は滑車アセンブリ21の上昇方向と反対方向の復元力を生じるため、第1のワイヤハーネス11は引き戻されて下降する傾向を維持する。それによって、第1のワイヤハーネス11は終始張られた状態にあり、揺れなくなる。ガラスアセンブリ200が第2の状態から第1の状態に切り替わる(即ち、自動車用ドアガラス5が最高点から最低点まで下降する)過程において、滑車アセンブリ21は下降し、復帰部材22自体は復元して元の形状に戻る復元力を備えるため、復帰部材22は徐々に短くなり、滑車アセンブリ21の下降方向に滑車アセンブリ21を強く引っ張る。それによって、第1のワイヤハーネス11は終始張られた状態にあり、揺れなくなる。
【0050】
選択的に、ガラスアセンブリ200が第1の状態にある場合に、復帰部材22が生じる復元力は0より大きい。即ち、第1の状態の場合に、復帰部材22は既に引き伸ばされており、第1のワイヤハーネス11が終始張られた状態にあることが確保されることができる。当然ながら、別の実施形態において、ガラスアセンブリ200が第1の状態にある場合に、復帰部材22が生じる復元力は0に等しくてもよい。
【0051】
選択的に、復帰部材22は伸縮可能な弾性部材であり、例えば、ばね、定荷重ばねなどが挙げられる。
【0052】
選択的に、復帰部材22は渦巻きばねであり、渦巻きばねは支持フレーム23に巻かれている。渦巻きばねは軸線を囲んで一体に巻かれることによって、自体の収納を実現し、占有スペースを縮小することができる。なお、渦巻きばねは定荷重渦巻きばねであることができるが、それに限定されない。定荷重渦巻きばねは滑車アセンブリ21に一定の引張力を提供することができ、それによって、第1のワイヤハーネス11は終始張られた状態にある。
【0053】
本出願の実施形態では、復帰部材22が渦巻きばねであることを例示として説明される、その具体的なタイプは限定されない。
【0054】
図5を参照すると、固定具アセンブリ3は、互いに接続されたブラケット31と接続ケース32を含む。接続ケース32は第1のワイヤハーネス11及び第2のワイヤハーネス12に接続されている。ブラケット31は車体アセンブリ300に接続されるように構成されており、それによって、固定具アセンブリ3が車体アセンブリ300に固定されることが実現される。なお、ブラケット31と車体アセンブリ300との間の接続は取り外し可能な接続であってもよく、例えば、ネジ締結具による接続などが挙げられる。その接続は取り外し不可能な接続であってもよく、例えば、はんだ付けなどが挙げられる。
【0055】
以下、図面を参照しながら、ワイヤハーネス構造体400に含まれる支持フレーム23について、詳細に説明する。
【0056】
図6を参照すると、支持フレーム23は回転軸231及び支持スタンド232を含む。支持スタンド232は車体アセンブリ300に接続されるように構成されいる。その接続はネジ締結具による接続、リベット、はんだ付けであってもよいが、それらに限定されない。回転軸231は支持スタンド232に回転接続されており、即ち、回転軸231は支持スタンド232に対して相対的に回転することができる。復帰部材22は回転軸231に巻かれている。自動車用ドアガラス5の昇降中に、復帰部材22は回転軸231の回転を駆動し、復帰部材22の伸縮を実現する。
【0057】
図6及び図7を参照すると、支持スタンド232は第1の支持部2321、第2の支持部2322及び接続部2323を含む。第1の支持部2321と第2の支持部2322は、隔てて対向配置され且つ接続部2323に接続されている。接続部2323は車体アセンブリ300に接続されるように構成されており、それによって、支持スタンド232が車体アセンブリ300に固定されることが実現される。図7に示されるように、第1の支持部2321は第1の孔K1を有し、第2の支持部2322は第2の孔K2を有する。第1の孔K1と第2の孔K2は対向して配置されている。回転軸231は第1の孔K1内と第2の孔K2内を貫通する。即ち、回転軸231の離反する両端はそれぞれ、第1の支持部2321と第2の支持部2322によってサポートされており、それによって、回転軸231は良好な回転安定性を持つことができる。
【0058】
図6及び図7を参照すると、回転軸231は、回転軸主体2311及び第1の位置制限円盤2312を含む。回転軸主体2311の軸径は第1の孔K1及び第2の孔K2の孔径以下であり、回転軸主体2311は第1の孔K1内と第2の孔K2内を貫通する。第1の位置制限円盤2312は、回転軸主体2311の外周を取り囲むように接続されており、且つ第1の支持部2321から離反する第2の支持部2322の一側にある。第1の位置制限円盤2312の外径は第2の孔K2の孔径より大きい。換言すると、第1の位置制限円盤2312の存在により、回転軸231は第2の孔K2を通り抜けることができず、第2の孔K2から第1の孔K1に向かう方向に回転軸231の運動が限定される。
【0059】
図7を参照すると、第1の位置制限円盤2312から遠い回転軸主体2311の一端に第1の環状溝C1が配置されている。第1の環状溝C1は、第2の支持部2322から離反する第1の支持部2321の一側にある。支持フレーム23は第1の環状部材233をさらに含む。第1の環状部材233の少なくとも一部は、第1の環状溝C1内に配置されている。第1の環状部材233の外径は第1の孔K1の孔径より大きい。換言すると、第1の環状部材233の存在により、回転軸231は第1の孔K1を通り抜けることができず、第1の孔K1から第2の孔K2に向かう方向に回転軸231の運動が限定される。
【0060】
以下、図面を参照しながら、ワイヤハーネス構造体400に含まれる滑車アセンブリ21について、詳細に説明する。
【0061】
図8を参照すると、滑車アセンブリ21は、互いに接続された滑車スタンド211と滑車本体212を含む。滑車スタンド211は復帰部材22に接続されている。滑車本体212と滑車スタンド211は間隔空間C3を形成する。第1のワイヤハーネス11は間隔空間C3を貫通し、且つ滑車本体212に押し当てられている。自動車用ドアガラス5の昇降中に、間隔空間C3は、滑車アセンブリ21と第1のワイヤハーネス11に相対的に運動するための空間を提供する。上記実施形態から分かるように、自動車用ドアガラス5が異なる位置にある場合に、滑車アセンブリ21と第1のワイヤハーネス11との接触位置が異なる。本実施形態において、ガラスアセンブリ200が第1の状態と第2の状態との相互切り替えを行う際に、滑車本体212は、第1のワイヤハーネス11の第1の端部と第2の端部との間で運動する。なお、滑車アセンブリ21と第1のワイヤハーネス11との相対的な運動はスライドであってもよく、ローリングであってもよい。
【0062】
図8を参照すると、滑車本体212は滑車スタンド211に回転接続されている。第1のワイヤハーネス11の第1の端部が自動車用ドアガラス5とともに運動する場合に、第1のワイヤハーネス11は滑車本体212の回転を駆動することができる。即ち、第1のワイヤハーネス11は摩擦力で滑車本体212を駆動し、それによって、滑車本体212は滑車スタンド211に対して相対的に回転する。滑車本体212が回転することができるため、相対運動の際に、滑車本体212と第1のワイヤハーネス11との間に転がり摩擦が発生し、摩耗を少なくすることができる。
【0063】
選択的に、第1のワイヤハーネス11は、フラットワイヤハーネスである。フラットワイヤハーネスの設計によって、第1のワイヤハーネス11と滑車本体212との接触面積を大きくすることができ、第1のワイヤハーネス11は滑車本体212の回転を駆動しやすくなる。
【0064】
図8及び図9を参照すると、滑車スタンド211は、第1のサポート部2111、第2のサポート部2112及び中間部2113を含む。第1のサポート部2111と第2のサポート部2112は、隔てて対向配置され且つ中間部2113に屈曲して接続されている。図9に示されるように、第1のサポート部2111は第1のスルーホールK3を有し、第2のサポート部2112は第2のスルーホールK4を有する。第1のスルーホールK3と第2のスルーホールK4は対向して配置されている。滑車本体212は第1のスルーホールK3内と第2のスルーホールK4内を貫通する。即ち、滑車本体212の離反する両端はそれぞれ第1のサポート部2111と第2のサポート部2112によってサポートされており、それによって、滑車本体212は良好な接続安定性を持つことができ、第1のワイヤハーネス11が終始張られた状態にあることをさらに確保することができる。また、滑車本体212と中間部2113はともに間隔空間C3を形成する。即ち、滑車本体212と中間部2113は、隔てて対向配置されて間隔空間C3を形成する。第1のワイヤハーネス11は間隔空間C3を貫通する。
【0065】
図8を参照すると、滑車スタンド211は延伸部2114をさらに含む。延伸部2114はその一端が、滑車本体212から離反する中間部2113の一側に接続されており、延伸部2114はその他端が復帰部材22に接続されている。換言すると、滑車アセンブリ21は、延伸部2114を介して復帰部材22に接続されている。その接続は、はんだ付け、リベット又はネジ締結具による接続であることができるが、それらに限定されない。
【0066】
図8及び図9を参照すると、滑車本体212は、滑車主体2123及び第2の位置制限円盤2124を含む。滑車主体2123の軸径は、第1のスルーホールK3の孔径及び第2のスルーホールK4の孔径以下であり、滑車主体2123は第1のスルーホールK3内と第2のスルーホールK4内を貫通する。第2の位置制限円盤2124は滑車主体2123の外周を取り囲むように接続されている。第2の位置制限円盤2124は、第1のサポート部2111から離反する第2のサポート部2112の一側にある。第2の位置制限円盤2124の外径は第2のスルーホールK4の孔径より大きい。換言すると、第2の位置制限円盤2124の存在により、滑車本体212は第2のスルーホールK4を通り抜けることができず、第2のスルーホールK4から第1のスルーホールK3に向かう方向に滑車本体212の運動が限定される。
【0067】
図9を参照すると、第2の位置制限円盤2124から遠い滑車主体2123の一端に第2の環状溝C2が配置されている。第2の環状溝C2は、第2のサポート部2112から離反する第1のサポート部2111の一側にある。滑車アセンブリ21は第2の環状部材213をさらに含む。第2の環状部材213の少なくとも一部は第2の環状溝C2内に配置されている。第2の環状部材213の外径は第1のスルーホールK3の孔径より大きい。換言すると、第2の環状部材213の存在により、滑車本体212は第1のスルーホールK3を通り抜けることができず、第1のスルーホールK3から第2のスルーホールK4に向かう方向に滑車本体212の運動が限定される。
【0068】
図10を参照すると、選択的に、滑車本体212は、回転シャフト2121及びシャフトスリーブ2122を含む。回転シャフト2121は滑車スタンド211に回転接続されている。シャフトスリーブ2122は回転シャフト2121の外周にスリーブされている。第1のワイヤハーネス11は、シャフトスリーブ2122に押し当てられている。第1のワイヤハーネス11の押し当てにより、シャフトスリーブ2122は変形する。シャフトスリーブ2122は変形しやすい材料である。シャフトスリーブ2122はゴムベルト、ゴムスリーブであることができるが、それらに限定されない。シャフトスリーブ2122が変形することによって、第1のワイヤハーネス11とシャフトスリーブ2122は十分に接触し、両者の間の摩擦力が大きくなり、第1のワイヤハーネス11は滑車本体212の回転を駆動しやすくなり、第1のワイヤハーネス11と滑車との間のスライドを回避することができる。
【0069】
以上、本出願の実施態様が示され説明されたが、上記実施態様は例示であり、本出願を制限するものと理解されるべきではない。当業者であれば、本出願の範囲内で上記実施態様に対して変更、修正、置換、及び変形を加えることができる。これらの改善及び潤色も本出願の保護範囲に属すべきである。
【符号の説明】
【0070】
100…自動車
200…ガラスアセンブリ
300…車体アセンブリ
400…ワイヤハーネス構造体
2…牽引機構
3…固定具アセンブリ
4…制御装置アセンブリ
5…自動車用ドアガラス
11…第1のワイヤハーネス
12…第2のワイヤハーネス
21…滑車アセンブリ
22…復帰部材
23…支持フレーム
31…ブラケット
32…接続ケース
211…滑車スタンド
212…滑車本体
213…第2の環状部材
231…回転軸
232…支持スタンド
233…第1の環状部材
2111…第1のサポート部
2112…第2のサポート部
2113…中間部
2114…延伸部
2121…回転シャフト
2122…シャフトスリーブ
2123…滑車主体
2124…第2の位置制限円盤
2311…回転軸主体
2312…第1の位置制限円盤
2321…第1の支持部
2322…第2の支持部
2323…接続部
C1…第1の環状溝
C2…第2の環状溝
C3…間隔空間
K1…第1の孔
K2…第2の孔
K3…第1のスルーホール
K4…第2のスルーホール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
滑車本体は滑車スタンドに回転接続されており、第1のワイヤハーネスの第1の端部が自動車用ドアガラスとともに運動する場合に、第1のワイヤハーネスは滑車本体の回転を駆動する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図6及び図7を参照すると、回転軸231は、回転軸主体2311及び第1の位置制限円盤2312を含む。回転軸主体2311の軸径は第1の孔K1及び第2の孔K2の孔径以下であり、回転軸主体2311は第1の孔K1内と第2の孔K2内を貫通する。第1の位置制限円盤2312は、回転軸主体2311の外周を取り囲むように接続されており、且つ第1の支持部2321から離反する第2の支持部2322の一側にある。第1の位置制限円盤2312の外径は第2の孔K2の孔径より大きい。換言すると、第1の位置制限円盤2312の存在により、回転軸231は第2の孔K2を通り抜けることができず(即ち、第2の孔K2から外れることができず)、第2の孔K2から第1の孔K1に向かう方向に回転軸231の運動が限定される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
図7を参照すると、第1の位置制限円盤2312から遠い回転軸主体2311の一端に第1の環状溝C1が配置されている。第1の環状溝C1は、第2の支持部2322から離反する第1の支持部2321の一側にある。支持フレーム23は第1の環状部材233をさらに含む。第1の環状部材233の少なくとも一部は、第1の環状溝C1内に配置されている。第1の環状部材233の外径は第1の孔K1の孔径より大きい。換言すると、第1の環状部材233の存在により、回転軸231は第1の孔K1を通り抜けることができず(即ち、第1の孔K1から外れることができず)、第1の孔K1から第2の孔K2に向かう方向に回転軸231の運動が限定される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
図8及び図9を参照すると、滑車本体212は、滑車主体2123及び第2の位置制限円盤2124を含む。滑車主体2123の軸径は、第1のスルーホールK3の孔径及び第2のスルーホールK4の孔径以下であり、滑車主体2123は第1のスルーホールK3内と第2のスルーホールK4内を貫通する。第2の位置制限円盤2124は滑車主体2123の外周を取り囲むように接続されている。第2の位置制限円盤2124は、第1のサポート部2111から離反する第2のサポート部2112の一側にある。第2の位置制限円盤2124の外径は第2のスルーホールK4の孔径より大きい。換言すると、第2の位置制限円盤2124の存在により、滑車本体212は第2のスルーホールK4を通り抜けることができず(即ち、第2のスルーホールK4から外れることができず)、第2のスルーホールK4から第1のスルーホールK3に向かう方向に滑車本体212の運動が限定される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
図9を参照すると、第2の位置制限円盤2124から遠い滑車主体2123の一端に第2の環状溝C2が配置されている。第2の環状溝C2は、第2のサポート部2112から離反する第1のサポート部2111の一側にある。滑車アセンブリ21は第2の環状部材213をさらに含む。第2の環状部材213の少なくとも一部は第2の環状溝C2内に配置されている。第2の環状部材213の外径は第1のスルーホールK3の孔径より大きい。換言すると、第2の環状部材213の存在により、滑車本体212は第1のスルーホールK3を通り抜けることができず(即ち、第1のスルーホールK3から外れることができず)、第1のスルーホールK3から第2のスルーホールK4に向かう方向に滑車本体212の運動が限定される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項10】
前記滑車本体は前記滑車スタンドに回転接続されており、前記第1のワイヤハーネスの前記第1の端部が自動車用ドアガラスとともに運動する場合に、前記第1のワイヤハーネスは前記滑車本体の回転を駆動する、
ことを特徴とする請求項9に記載のワイヤハーネス構造体。
【国際調査報告】