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特表2023-521532デバイスにおける局所減光のためのデジタルプロジェクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】デバイスにおける局所減光のためのデジタルプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   G02C 11/00 20060101AFI20230518BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20230518BHJP
   G02C 7/10 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
G02C11/00
G02B27/02 Z
G02C7/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548477
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 US2021024195
(87)【国際公開番号】W WO2021211280
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】16/849,859
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ, ジャスミン ソリア
(72)【発明者】
【氏名】フルニ, クリストフ アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】マツダ, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ, クオホア
(72)【発明者】
【氏名】シー, ユイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴワード, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】レイボビチ, マシュー チャールズ ラウル
【テーマコード(参考)】
2H006
2H199
【Fターム(参考)】
2H006BE02
2H006CA00
2H199CA02
2H199CA12
2H199CA13
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA53
2H199CA66
(57)【要約】
デバイスは、光学アセンブリとデジタルプロジェクタとを含む。光学アセンブリは、光学アセンブリの裏側において可視シーン光を受光し、眼方向側のほうへ光路上で可視シーン光を向けるように構成される。光学アセンブリは、光路上に配設された減光レイヤを含む。減光レイヤは、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含む。デジタルプロジェクタは、光学アセンブリの眼方向側に配設され、減光レイヤの領域の暗化をアクティベートし、領域内の可視シーン光を減光するために、光波長の範囲内のアクティベーション光を選択的に発するように構成される。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼方向側および裏側を有する光学アセンブリであって、前記光学アセンブリの前記裏側において可視シーン光を受光し、前記眼方向側のほうへ光路上で前記可視シーン光を向けるように構成され、前記光学アセンブリは、
前記眼方向側と前記裏側との間で前記光路上に配設された減光レイヤであって、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含む、減光レイヤ
を含む、光学アセンブリと、
前記光学アセンブリの前記眼方向側に配設されたデジタルプロジェクタであって、前記減光レイヤの領域の暗化をアクティベートし、前記領域内の前記可視シーン光を減光するために、光波長の前記範囲内のアクティベーション光を選択的に発するように構成された、デジタルプロジェクタと
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記光学アセンブリは、
前記減光レイヤと前記光学アセンブリの前記眼方向側との間で前記光路上に配設された表示レイヤであって、前記眼方向側のほうへ可視表示光を向けるように構成された、表示レイヤ
をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記アクティベーション光が、非可視光、紫外光、赤外光、または紫色光を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記光学アセンブリは、
前記光学アセンブリの前記裏側と前記減光レイヤとの間で前記光路上に配設された裏側フィルタであって、前記範囲の光波長を遮断し、前記可視シーン光を通すように構成された、裏側フィルタ
をさらに備え、任意選択的に、
前記裏側フィルタが、前記範囲の光波長を遮断するための第1の状態と、前記光学アセンブリの視野全体にわたって前記減光レイヤの暗化をアクティベートするために前記範囲の光波長を通すための第2の状態との間で選択的に切り替えられるように構成されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記光学アセンブリは、
前記光学アセンブリの前記眼方向側と前記減光レイヤとの間で前記光路上に配設された眼方向側フィルタであって、
前記減光レイヤに前記アクティベーション光を通すことと、
光波長の前記範囲内の他の光を遮断することと、
前記可視シーン光を通すことと
を行うように構成された、眼方向側フィルタ
をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記眼方向側フィルタが、前記眼方向側フィルタへの前記アクティベーション光の入射角に基づいて前記アクティベーション光を通すように構成されている、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記眼方向側フィルタが、前記アクティベーション光を通し、光波長の前記範囲内の前記他の光を遮断するように構成された回折格子を備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記眼方向側フィルタが、前記アクティベーション光を通し、光波長の前記範囲内の前記他の光を遮断するように構成された誘電体ミラーを備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デジタルプロジェクタが、前記暗化をアクティベートするために、前記減光レイヤの前記領域内でのラスタ走査によって前記アクティベーション光を向けるように構成されたレーザースキャナを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デジタルプロジェクタが、前記減光レイヤの複数の別々で別個の領域を暗化するために、前記アクティベーション光を向けるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
フレームと、
前記フレームに結合されたテンプルアームと、
前記テンプルアームに結合されたデジタルプロジェクタと、
前記フレーム内に固定された光学アセンブリであって、前記光学アセンブリの裏側において可視シーン光を受光し、前記光学アセンブリの眼方向側のほうへ光路上で前記可視シーン光を向けるように構成され、ここにおいて、前記光学アセンブリは、
前記眼方向側と前記裏側との間で前記光路上に配設された減光レイヤであって、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含み、前記デジタルプロジェクタが、前記減光レイヤの領域の暗化をアクティベートし、前記領域内の可視シーン光を減光するために、光波長の前記範囲内のアクティベーション光を選択的に発するように構成された、減光レイヤ
を含む、光学アセンブリと
を備える、ヘッドマウントデバイス。
【請求項12】
前記光学アセンブリは、
前記減光レイヤと前記光学アセンブリの前記眼方向側との間で前記光路上に配設された表示レイヤであって、前記眼方向側のほうへ可視表示光を向けるように構成された、表示レイヤ
をさらに備える、請求項11に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項13】
前記アクティベーション光が、非可視光、紫外光、赤外光、または紫色光を含む、請求項11に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項14】
前記光学アセンブリは、
前記光学アセンブリの前記裏側と前記減光レイヤとの間で前記光路上に配設された裏側フィルタであって、前記範囲の光波長を遮断し、前記可視シーン光を通すように構成された、裏側フィルタ
をさらに備える、請求項11に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項15】
デバイスであって、
仮想グラフィックを提示するために、前記デバイスの眼方向側のほうへ可視表示光を向けるように構成された表示レイヤであって、前記デバイスの裏側において受光された可視シーン光を通すように構成された、表示レイヤと、
前記表示レイヤと前記裏側との間に配設された減光レイヤであって、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含む、減光レイヤと、
前記デバイスの前記眼方向側に配設されたレーザースキャナと、
前記可視シーン光が前記仮想グラフィックの可視性に干渉するとの決定に応答して、前記可視シーン光を減光するために前記減光レイヤ中の領域の暗化をアクティベートするために、光波長の前記範囲内のアクティベーション光を発するように前記レーザースキャナを制御するように構成されたコンピューティングデバイスと
を備える、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、一般にヘッドマウントデバイスに関し、排他的にではないが特に、ヘッドマウントデバイスに含まれるフォトクロミックレイヤの局所減光に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートデバイスは、一般的に他のデバイスまたはネットワークと通信する電子デバイスである。いくつかの状況では、スマートデバイスは、ユーザとインタラクティブに動作するように構成され得る。スマートデバイスは、ほんのいくつかの例を挙げれば、ヘッドマウントデバイス、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、またはスマートディスプレイなど、様々なフォームファクタをサポートするように設計され得る。
【0003】
スマートデバイスは、ゲーミング、航空、エンジニアリング、医学、エンターテインメント、ビデオ/オーディオチャット、アクティビティトラッキングなど、様々なアプリケーションにおいて使用するための1つまたは複数の電子的構成要素を含み得る。いくつかの例では、ヘッドマウントデバイスまたはHMDなど、スマートデバイスは、データ、情報、画像、または他の仮想グラフィックスを、ユーザが実世界を閲覧することを同時に可能にしながら提示することができるディスプレイを含み得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様では、眼方向側および裏側を有する光学アセンブリであって、光学アセンブリの裏側において可視シーン光を受光し、眼方向側のほうへ光路上で可視シーン光を向けるように構成され、ここにおいて、光学アセンブリは、眼方向側と裏側との間で光路上に配設された減光レイヤであって、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含む、減光レイヤを含む、光学アセンブリと、光学アセンブリの眼方向側に配設されたデジタルプロジェクタであって、減光レイヤの領域の暗化をアクティベートし、領域内の可視シーン光を減光するために、光波長の範囲内のアクティベーション光を選択的に発するように構成された、デジタルプロジェクタとを備える、デバイスが提供される。
【0005】
光学アセンブリは、減光レイヤと光学アセンブリの眼方向側との間で光路上に配設された表示レイヤであって、眼方向側のほうへ可視表示光を向けるように構成され得る、表示レイヤをさらに備え得る。
【0006】
アクティベーション光は、非可視光、紫外光、赤外光、または紫色光を含み得る。
【0007】
光学アセンブリは、光学アセンブリの裏側と減光レイヤとの間で光路上に配設された裏側フィルタであって、範囲の光波長を遮断し、可視シーン光を通すように構成され得る、裏側フィルタをさらに備え得る。
【0008】
裏側フィルタは、範囲の光波長を遮断するための第1の状態と、光学アセンブリの視野全体にわたって減光レイヤの暗化をアクティベートするために範囲の光波長を通すための第2の状態との間で選択的に切り替えられるように構成され得る。
【0009】
光学アセンブリは、光学アセンブリの眼方向側と減光レイヤとの間で光路上に配設された眼方向側フィルタであって、減光レイヤにアクティベーション光を通すことと、光波長の範囲内の他の光を遮断することと、可視シーン光を通すこととを行うように構成され得る、眼方向側フィルタをさらに備え得る。
【0010】
眼方向側フィルタは、眼方向側フィルタへのアクティベーション光の入射角に基づいてアクティベーション光を通すように構成され得る。
【0011】
眼方向側フィルタは、アクティベーション光を通し、光波長の範囲内の他の光を遮断するように構成された回折格子を備え得る。
【0012】
眼方向側フィルタは、アクティベーション光を通し、光波長の範囲内の他の光を遮断するように構成された誘電体ミラーを備え得る。
【0013】
デジタルプロジェクタは、暗化をアクティベートするために、減光レイヤの領域内でのラスタ走査によってアクティベーション光を向けるように構成されたレーザースキャナを備え得る。
【0014】
デジタルプロジェクタは、減光レイヤの複数の別々で別個の領域を暗化するために、アクティベーション光を向けるように構成され得る。
【0015】
本発明の態様では、フレームと、フレームに結合されたテンプルアームと、フレーム内に固定された光学アセンブリであって、光学アセンブリの裏側において可視シーン光を受光し、光学アセンブリの眼方向側のほうへ光路上で可視シーン光を向けるように構成され、ここにおいて、光学アセンブリは、眼方向側と裏側との間で光路上に配設された減光レイヤであって、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含み、デジタルプロジェクタが、減光レイヤの領域の暗化をアクティベートし、領域内の可視シーン光を減光するために、光波長の範囲内のアクティベーション光を選択的に発するように構成された、減光レイヤを含む、光学アセンブリとを備える、ヘッドマウントデバイスが提供される。
【0016】
光学アセンブリは、減光レイヤと光学アセンブリの眼方向側との間で光路上に配設された表示レイヤであって、眼方向側のほうへ可視表示光を向けるように構成された、表示レイヤをさらに備え得る。
【0017】
アクティベーション光は、非可視光、紫外光、赤外光、または紫色光を含み得る。
【0018】
光学アセンブリは、光学アセンブリの裏側と減光レイヤとの間で光路上に配設された裏側フィルタであって、範囲の光波長を遮断し、可視シーン光を通すように構成された、裏側フィルタをさらに備え得る。
【0019】
本発明の態様では、仮想グラフィックを提示するために、デバイスの眼方向側のほうへ可視表示光を向けるように構成された表示レイヤであって、デバイスの裏側において受光された可視シーン光を通すように構成された、表示レイヤと、表示レイヤと裏側との間に配設された減光レイヤであって、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含む、減光レイヤと、デバイスの眼方向側に配設されたレーザースキャナと、可視シーン光が仮想グラフィックの可視性に干渉するとの決定に応答して、可視シーン光を減光するために減光レイヤ中の領域の暗化をアクティベートするために、光波長の範囲内のアクティベーション光を発するようにレーザースキャナを制御するように構成されたコンピューティングデバイスとを備える、デバイスが提供される。
【0020】
コンピューティングデバイスは、領域内の可視シーン光と可視表示光との間のコントラストを決定することによって、または可視シーン光の色を可視表示光の色と比較することによって、領域中の可視シーン光が仮想グラフィックの可視性に干渉すると決定するように構成され得る。
【0021】
コンピューティングデバイスは、減光レイヤ中の領域の暗化の量を変動させるようにレーザースキャナを制御するように構成され得る。
【0022】
コンピューティングデバイスは、暗化をアクティベートするために、減光レイヤの領域内でラスタ走査するようにレーザースキャナを制御するように構成され得る。
【0023】
コンピューティングデバイスは、減光レイヤの複数の別々で別個の領域を暗化するために、アクティベーション光を向けるようにレーザースキャナを制御するように構成され得る。
【0024】
本開示の非限定的で非網羅的な態様が、以下の図を参照しながら説明され、同様の参照番号は、別段に規定されていない限り、様々な図全体にわたって同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】ヘッドマウントデバイスのニアアイ光学アセンブリを通したユーザの眺めを図示する図である。
図1B】ヘッドマウントデバイスのニアアイ光学アセンブリを通したユーザの眺めを図示する図である。
図2】本開示の態様による、ヘッドマウントデバイスを図示する図である。
図3A】本開示の態様による、インフィールド減光器を含む、ヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図3B】本開示の態様による、ニアアイ光学アセンブリの暗化された領域をもつ、図3Aのヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図4A】本開示の態様による、ニアアイ光学アセンブリの断面図である。
図4B】本開示の態様による、減光レイヤの暗化された領域をもつ図4Aのニアアイ光学アセンブリの断面図である。
図5】本開示の態様による、眼方向側フィルタと裏側フィルタとを含むニアアイ光学アセンブリの断面図である。
図6】本開示の態様による、複数の減光レイヤを含むニアアイ光学アセンブリの断面図である。
図7】本開示の態様による、アクティベーションレイヤから減光レイヤを離間させるための間隙を含むニアアイ光学アセンブリの断面図である。
図8】本開示の態様による、矩形に整形された暗化された領域をもつ、ヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図9A】本開示の態様による、複数のインフィールド減光器をもつニアアイ光学アセンブリを含む、ヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図9B】本開示の態様による、複数のインフィールド減光器をもつニアアイ光学アセンブリを含む、ヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図10】本開示の態様による、別々で別個の暗化された領域を提供する複数のインフィールド減光器をもつニアアイ光学アセンブリを含む、ヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図11】本開示の態様による、暗化された領域を提供するためにアクティベーション光を漏洩させるための導波管をもつニアアイ光学アセンブリを含む、ヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図12】本開示の態様による、単一の導波管に光学的に結合された複数の抽出特徴を含むインフィールド減光器をもつ、ヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図13】本開示の態様による、回折格子を含むインフィールド減光器をもつ、ヘッドマウントデバイスの部分を図示する図である。
図14A】本開示の態様による、デジタルプロジェクタを含む例示的なヘッドマウントデバイスを図示する図である。
図14B】本開示の態様による、デジタルプロジェクタを含むヘッドマウントデバイスの別の例を図示する図である。
図15】本開示の態様による、レーザースキャナとともに使用するための、ヘッドマウントディスプレイのニアアイ光学アセンブリの断面図である。
図16】本開示の態様による、レーザースキャナとともに使用するための、眼方向側フィルタおよび裏側フィルタを含むニアアイ光学アセンブリの断面図である。
図17】本開示の態様による、インフィールド減光器の動的制御のための例示的なコンピューティングデバイスを図示する図である。
図18】本開示の態様による、ニアアイ光学アセンブリの減光レイヤによって提供される暗化の変動する量を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
様々な態様および実施形態が、ヘッドマウントデバイスによって提供される局所減光に関係する特定の例を示すために、以下の説明および関連する図面において開示される。代替の態様および実施形態が、本開示を読めば当業者に明らかになり、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく構築および実践され得る。追加として、よく知られている要素は、本明細書で開示される態様および実施形態の関連する詳細を不明瞭にしないように、詳細に説明されないか、または省略され得る。
【0027】
「一実施形態」または「実施形態」への本明細書全体を通しての言及は、実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。これにより、本明細書全体にわたる様々な場所での「一実施形態では」または「実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。その上、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0028】
本開示のいくつかの実装形態では、「ニアアイ」という用語は、ニアアイデバイスが利用されている間、ユーザの眼の50mm以内に置かれるように構成された要素を含むと定義され得る。それゆえ、「ニアアイ光学要素」または「ニアアイシステム」は、ユーザの眼の50mm以内に置かれるように構成された1つまたは複数の要素を含む。
【0029】
本開示の態様では、可視光は、約380nm~700nmの波長範囲を有すると定義され得る。非可視光は、紫外光および赤外光など、可視光範囲の外側にある波長を有する光と定義され得る。約700nm~1mmの波長範囲を有する赤外光は、近赤外光を含む。本開示の態様では、近赤外光は、約700nm~1.4μmの波長範囲を有すると定義され得る。紫色光は、約380~450nmの範囲内の波長を有する光を含み得る。
【0030】
上述のように、ヘッドマウントデバイスは、データ、情報、画像、または他の仮想グラフィックスを、ユーザが実世界を閲覧することを同時に可能にしながら提示するように構成されたディスプレイを含み得る。しかしながら、仮想グラフィックスは、環境が明るすぎる場合、仮想グラフィックスと実世界のユーザの現在の眺めとの間のコントラストが不十分である場合、仮想グラフィックの色が仮想グラフィックの後ろの実世界の色に一致する場合、またはそれらの何らかの組合せの場合、ユーザが閲覧することが困難であり得る。例として、図1Aは、ヘッドマウントデバイスの光学アセンブリ102を通した実世界シーン100のユーザの眺めを図示する。図1A中に示されているように、光学アセンブリ102は、ユーザが実世界シーン100を閲覧することを、ユーザに仮想グラフィック104を同時に提示しながら可能にする。図示されている例では、仮想グラフィック104はアイコンであるが、他の例では、仮想グラフィック104は、ユーザへの提示のために光学アセンブリ102によって生成された、テキスト、映像、ビデオ、または他の視覚情報を含み得る。しかしながら、図1A中に示されているように、仮想グラフィック104は、(たとえば、図1A中で低木/灌木として図示されている)実世界オブジェクト106のユーザの眺めと同じロケーションで光学アセンブリ102上に位置決めされる。いくつかの例では、実世界オブジェクト106は、仮想グラフィック104のユーザの可視性に干渉することがある。すなわち、実世界オブジェクト106は、仮想グラフィック104と同じまたは仮想グラフィック104に類似の色であり得、および/または実世界オブジェクト106と仮想グラフィック104との間のコントラストは、低すぎることがある。これにより、いくつかの状況では、仮想グラフィック104は、仮想グラフィック104が、実世界オブジェクト106のユーザの眺めと同じ位置に配置されたとき、ユーザが見分けることが困難であり得る。
【0031】
それゆえに、本開示の態様は、仮想グラフィック104の可視性を増加させるために、実世界シーン100から受光された光の局所減光を提供する。たとえば、図1Bは、光学アセンブリ102によって提供される、領域108の暗化を図示する。示されているように、領域108は、実世界オブジェクト106および仮想グラフィック104に対応するロケーションにおいて、実世界シーン100から受光された光を減光するかまたは遮るために、光学アセンブリ102によって暗化される。いくつかの例では、「局所減光」は、(たとえば、視野全体よりも小さい)光学アセンブリ102によって提供される視野の一部分のみを減光することを指す。図1Bは、図1A中に示されている眺めに対して変化しないものとして、仮想グラフィック104を図示しているが、仮想グラフィック104は、領域108の暗化によって提供される実世界オブジェクト106の減光により、増加された可視性を有し得る。
【0032】
光学アセンブリ102によって提供される減光は、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するフォトクロミック材料を含む、光学アセンブリ102の減光レイヤによって提供され得る。いくつかの態様では、アクティベートされたとき、フォトクロミック材料は、フォトクロミック材料の可視光吸収の、強度および/または波長の変化を生じる可逆的光化学反応を受け得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、領域108など、減光レイヤの領域の暗化は、光学アセンブリ102内に含まれる1つまたは複数のインフィールド減光器を介してアクティベートされる。インフィールド減光器は、光学アセンブリ102内に組み込まれた、導波管、抽出特徴、回折格子などを含み得、ここで、インフィールド減光器は、光学アセンブリ102の特定の領域に対応するフォトクロミック材料の暗化をアクティベートするために、アクティベーション光を選択的に発するように構成される。
【0034】
他の実施形態では、領域108の暗化は、ヘッドマウントデバイスの中に組み込まれたデジタルプロジェクタによってアクティベートされ得る。たとえば、デジタルプロジェクタは、フォトクロミック材料の暗化をアクティベートするために光学アセンブリ102の特定の領域にアクティベーション光を選択的に発するために、ヘッドマウントデバイスのフレームおよび/またはテンプルアームに取り付けられ得る。これらおよび他の実施形態は、以下でより詳細に論じられる。
【0035】
図2は、本開示の態様による、例示的なヘッドマウントデバイス200を図示する。ヘッドマウントデバイス200など、ヘッドマウントデバイスは、ユーザに人工現実コンテンツを提供するためにユーザの頭に一般的に着用される、1つのタイプのスマートデバイスである。人工現実とは、ユーザへの提示の前に何らかの様式で調整された現実の形態であり、この形態は、たとえば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、ハイブリッド現実、あるいはそれらの何らかの組合せおよび/または派生物を含み得る。
【0036】
ヘッドマウントデバイス200の図示されている例は、フレーム202、テンプルアーム204Aおよび204B、ならびにニアアイ光学アセンブリ206Aおよびニアアイ光学アセンブリ206Bを含むものとして示されている。図2は、ニアアイ光学アセンブリ206Aの例の分解図をも図示する。ニアアイ光学アセンブリ206Aは、表示レイヤ210、アクティベーションレイヤ212、および減光レイヤ214を含むものとして示されている。
【0037】
図2中に示されているように、フレーム202は、ユーザの頭にヘッドマウントデバイス200を固定するためのテンプルアーム204Aおよび204Bに結合される。例示的なヘッドマウントデバイス200は、フレーム202ならびに/またはテンプルアーム204Aおよび204Bの中に組み込まれた支持ハードウェアをも含み得る。ヘッドマウントデバイス200のハードウェアは、処理論理、データを送り、受信するためのワイヤードおよび/またはワイヤレスデータインターフェース、グラフィックプロセッサ、ならびにデータおよびコンピュータ実行可能命令を記憶するための1つまたは複数のメモリのうちのいずれかを含み得る。一例では、ヘッドマウントデバイス200は、ワイヤード電力を受け取るように構成され得、および/あるいは1つまたは複数のバッテリーによって電力供給されるように構成され得る。加えて、ヘッドマウントデバイス200は、ビデオデータを含むワイヤードおよび/またはワイヤレスデータを受信するように構成され得る。
【0038】
図2は、フレーム202に取り付けられるように構成されたニアアイ光学アセンブリ206Aおよび206Bを図示する。フレーム202は、ニアアイ光学アセンブリ206Aおよび206Bの周辺部の少なくとも一部分を取り囲むことによって、ニアアイ光学アセンブリ206Aおよび206Bを収容し得る。ニアアイ光学アセンブリ206Aは、ニアアイ光学アセンブリ206Aの裏側211において可視シーン光222を受光し、眼方向側209に向かって光路上で可視シーン光222を向けるように構成される。いくつかの例では、ニアアイ光学アセンブリ206Aは、ユーザが、環境からの可視シーン光222を、表示レイヤ210を介してユーザの眼に向けられた表示光224をも受光しながら閲覧することができるような、拡張現実または複合現実を容易にするために、ユーザには透明に見え得る。さらなる例では、ニアアイ光学アセンブリ206Aおよび206Bの一部または全部は、仮想現実ヘッドセットの中に組み込まれ得、ここで、ニアアイ光学アセンブリ206Aおよび206Bの透明性質は、ユーザが、仮想現実ヘッドセットに組み込まれた電子ディスプレイ(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイなど)を閲覧することを可能にする。
【0039】
図2中に示されているように、表示レイヤ210は、ニアアイ光学アセンブリ206Aの眼方向側209と裏側211との間でニアアイ光学アセンブリ206Aの光路上に配設される。特に、表示レイヤ210は、眼方向側209と減光レイヤ214との間に配設される。いくつかの例では、表示レイヤ210は、ヘッドマウントデバイス200のユーザの眼に1つまたは複数の仮想グラフィックスを提示するために、表示光224を向けるように構成された導波管216を含み得る。いくつかの態様では、導波管216は、ユーザの眼に、電子ディスプレイによって生成された表示光224を向けるように構成される。いくつかの実装形態では、電子ディスプレイの少なくとも一部分は、ヘッドマウントデバイス200のフレーム202中に含まれる。電子ディスプレイは、表示光224を生成するための、LCD、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、ピコプロジェクタ、または液晶オンシリコン(LCOS)ディスプレイを含み得る。
【0040】
図2は、眼方向側209と裏側211との間でニアアイ光学アセンブリ206Aの光路上に配設されるものとして、減光レイヤ214を図示している。特に、減光レイヤ214は、表示レイヤ210と裏側211との間に配設されるものとして示されている。いくつかの例では、減光レイヤ214は、ある範囲の光波長への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含む。たとえば、フォトクロミック材料は、赤外(IR)および/または紫外(UV)光など、非可視光への曝露に応答して可逆的光化学反応を受けるように構成され得る。他の例では、フォトクロミック材料は、400~440nmの範囲内の波長を有する紫色光への曝露に応答して暗化するようにアクティベートされ得る。いくつかの態様では、フォトクロミック材料は、プラスチックまたはガラスなど、透明材料に適用されるフィルムまたは染料である。他の態様では、フォトクロミック材料は、プラスチックまたはガラスなど、透明基板内に吊着されたフォトクロミック化合物によって提供される。
【0041】
いくつかの態様では、減光レイヤ214のフォトクロミック材料は、ニアアイ光学アセンブリ206Aによって提供される視野全体にわたって(たとえば、減光レイヤ214全体にわたって)分散される。他の態様では、フォトクロミック材料は、視野のいくらかの部分(たとえば、減光レイヤ214の上半分)のみに設けられ得る。
【0042】
図2はまた、減光レイヤ214に隣接して、ニアアイ光学アセンブリ206Aの光路上に配設されたアクティベーションレイヤ212含むものとして、ニアアイ光学アセンブリ206Aを示している。図示されている例は、減光レイヤ214の眼方向側209に配設されるものとして、アクティベーションレイヤ212を示しているが、他の例では、アクティベーションレイヤ212は、減光レイヤ214の裏側211に配設され得る。アクティベーションレイヤ212はまた、少なくとも1つのインフィールド減光器218を含むものとして示されている。インフィールド減光器は、減光レイヤ214の領域220の暗化をアクティベートするために、アクティベーション光226を選択的に発するように構成される。いくつかの例では、アクティベーション光226は、減光レイヤ214のフォトクロミック材料をアクティベートする光波長の範囲内にある(たとえば、IR光、UV光、紫色光など)。
【0043】
いくつかの例では、インフィールド減光器218は、透明基板上に配設され得、減光レイヤ214に向かってアクティベーション光226を発するように構成され得る。いくつかの態様では、インフィールド減光器218は、フレーム202のリムの中に組み込まれた光源によって生成された光を、減光レイヤ214に向かってアクティベーション光226として光を発するための抽出特徴または回折格子に向けるように構成された導波管を含み得る。アクティベーション光を生成する光源は、発光ダイオード、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)、端面発光LED、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)ダイオード、またはスーパールミネッセントダイオード(SLED)であり得る。
【0044】
図2中に示されているように、インフィールド減光器218は、ニアアイ光学アセンブリ206Aによって提供される視野内に配設される。インフィールド減光器218は、ニアアイ光学アセンブリ206Aの中に軽微な遮りを導入し得るが、インフィールド減光器218は、ヘッドマウントデバイス200の着用者にとって知覚不可能であるかまたは取るに足らないほどに小さいことがある。追加として、インフィールド減光器218からの遮りは、人間の眼によって合焦不可能であるほどに眼の近くに置かれ、それゆえ、インフィールド減光器218が知覚可能ではないかまたは取るに足らないことを支援する。
【0045】
いくつかの例では、アクティベーションレイヤ212および/または減光レイヤ214は、ユーザの眼に光(たとえば、シーン光222)を合焦させるための曲率を有し得る。これにより、アクティベーションレイヤ212および/または減光レイヤ214は、いくつかの例では、レンズと呼ばれ得る。いくつかの態様では、アクティベーションレイヤ212および/または減光レイヤ214は、ユーザの指定に対応する厚さおよび/または曲率を有する。言い換えれば、アクティベーションレイヤ212および/または減光レイヤ214は、処方レンズであり得る。
【0046】
上述のように、アクティベーションレイヤ212のインフィールド減光器218は、領域220の暗化をアクティベートするために、減光レイヤ214に向かってアクティベーション光226を発するように構成される。いくつかの例では、インフィールド減光器218の有効化は、ヘッドマウントデバイス200のコンピューティングデバイスによって動的に決定される。たとえば、ヘッドマウントデバイス200は、可視シーン光222が、領域220において、可視表示光224によって生成された仮想グラフィックの可視性に干渉するかどうかを決定するコンピューティングデバイスを含み得る。コンピューティングデバイスは、領域220内の可視シーン光222の色の比較に基づいて、および/または領域220内の可視シーン光222と可視表示光224との間のコントラストを決定することによって、そのような決定を行い得る。領域220内の可視シーン光222の色が、可視表示光224の色と同じであるかまたは可視表示光224の色に類似する場合、および/あるいは可視シーン光222と可視表示光224との間のコントラストが、低コントラストしきい値よりも低い場合、コンピューティングデバイスは、インフィールド減光器218が、領域220を暗化するために、アクティベーション光226を発することを有効化し得る。
【0047】
いくつかの態様では、アクティベーション光226によって誘起される減光レイヤ214の光化学反応は、可逆的であり得る。一実施形態では、インフィールド減光器218がアクティベーション光226をもはや発しないようにインフィールド減光器218を無効化することは、減光レイヤ214のフォトクロミック材料が、フォトクロミック材料の前の非暗化状態に自然に戻ることを可能にする。他の実施形態では、ヘッドマウントデバイス200は、減光レイヤ214に無色化光を向けることによって、減光レイヤ214を減光レイヤ214の非暗化状態にアクティブに復元するように構成され得る。いくつかの例では、無色化光は、インフィールド減光器218によって、またはヘッドマウントデバイス200中に含まれる(明示的に図示されていない)他の光源によって発せられ得る。無色化光は、可視光、UV光、および/またはIR光など、フォトクロミック材料がフォトクロミック材料の非暗化状態に復元される速度を増加させる波長を有する光であり得る。
【0048】
図3Aは、本開示の態様による、インフィールド減光器を含む、ヘッドマウントデバイス300の部分を図示する。ヘッドマウントデバイス300の図示されている例は、フレーム302、ニアアイ光学アセンブリ304、光源306、光導波路308、および抽出特徴310を含むものとして示されている(光導波路308および抽出特徴310は、本明細書ではまとめてインフィールド減光器と呼ばれる)。ヘッドマウントデバイス300は、図2のヘッドマウントデバイス200の1つの可能な実装形態であり、ここで、フレーム302はフレーム202に対応し、ニアアイ光学アセンブリ304はニアアイ光学アセンブリ206Aに対応する。
【0049】
図3A中に示されているように、光源306は、ヘッドマウントデバイス300のフレーム302の中に組み込まれ得、ここで、光源306は、アクティベーション光(たとえば、図2のアクティベーション光226)を選択的に生成するように構成される。光導波路308は、減光レイヤ(たとえば、減光レイヤ214)の低屈折率クラッディング内に埋め込まれた、透明な高屈折率導波管であり得る。いくつかの例では、光導波路308は、屈折率整合プリズムを介してまたは格子インカプラによって、光源306に光学的に結合される。光導波路308は、ニアアイ光学アセンブリ304の周辺部にある光源306からの(たとえば、内部全反射による)アクティベーション光を、視野内にある抽出特徴310に向けるように構成される。
【0050】
抽出特徴310は、光導波路308に光学的に結合され、ニアアイ光学アセンブリ304の領域の暗化をアクティベートするために、減光レイヤに向かってアクティベーション光を発するように構成される。たとえば、図3Bは、インフィールド減光器が、ニアアイ光学アセンブリ304の領域312を暗化することを有効化された、ヘッドマウントデバイス300を図示する。いくつかの例では、抽出特徴310は、拡張されたビーム幅を有するためにアクティベーション光を外部結合するためのテーパエキスパンダを含む。
【0051】
図4Aは、本開示の態様による、ニアアイ光学アセンブリ400の断面図である。ニアアイ光学アセンブリ400の図示されている例は、表示レイヤ410、アクティベーションレイヤ412、および減光レイヤ414を含むものとして示されている。ヘッドマウントデバイスのユーザの眼402も、図4A中に示されている。ニアアイ光学アセンブリ400は、図2のニアアイ光学アセンブリ206Aの1つの可能な実装形態である。
【0052】
図4A中に示されているように、表示レイヤ410は、眼402に1つまたは複数の仮想グラフィックスを提示するために、ニアアイ光学アセンブリ400の眼方向側209に向かって可視表示光224を向けるように構成される。ニアアイ光学アセンブリ400はまた、裏側211において可視シーン光222A~222Cを受光するものとして示されており、ここで、ニアアイ光学アセンブリ400は、眼402による閲覧のために、眼方向側209に可視シーン光222A~222Cを向けるように構成される。アクティベーションレイヤ412は、抽出特徴404に光学的に結合された光導波路401を含むものとして示されている。光導波路401および抽出特徴404は、アクティベーションレイヤ412の透明材料406内に埋め込まれたものとして示されている。インフィールド減光器(たとえば、光導波路401および抽出特徴404)が、無効化された(換言すれば、アクティベーション光を発していない)時、シーン光222A~222Cは、実質的に影響を受けずに減光レイヤ414中を伝搬することを可能にされる。
【0053】
図4Bは、インフィールド減光器が、減光レイヤ414内の領域420の暗化をアクティベートするために、アクティベーション光226を発することを有効化されたときの、図4Aのニアアイ光学アセンブリ400の断面図である。図4B中に示されているように、減光レイヤ414内のフォトクロミック材料の暗化は、領域420に限定され、ここで、領域420を通過しないシーン光222Aおよび222Cは、実質的に影響を受けずに減光レイヤ414中を伝搬し続けるのに対して、領域420を通過するシーン光222Bは、実際、減光されたシーン光222Dに減光される。いくつかの例では、領域420の暗化は、可視シーン光222Dが可視シーン光222Bよりも低い輝度を有するように、可視シーン光222Bの吸収を増加させる。他の例では、領域420の暗化は、実質的に可視シーン光222Bのいずれも減光レイヤ414を通過しないように、可視シーン光222Bを遮断し得る。
【0054】
図5は、本開示の態様による、裏側フィルタ502Aおよび眼方向側フィルタ502Bを含むニアアイ光学アセンブリ500の断面図である。ニアアイ光学アセンブリ500は、図2のニアアイ光学アセンブリ206Aの1つの可能な実装形態である。
【0055】
図5中に示されているように、裏側フィルタ502Aは、裏側211と減光レイヤ414との間でニアアイ光学アセンブリ500の光路上に配設される。裏側フィルタ502Aは、ニアアイ光学アセンブリ500の外側へのアクティベーション光226の漏れを防ぐために、アクティベーション光226を吸収および/または反射するように構成され得る。裏側フィルタ502Aはまた、減光レイヤ414のフォトクロミック材料の暗化をアクティベートする外部光(たとえば、裏側211に入射するシーン光または他の光)を遮断するように構成され得る。図5中にさらに示されているように、裏側フィルタ502Aは、可視シーン光222A~222Cを通すように構成される。
【0056】
いくつかの実施形態では、裏側フィルタ502Aは、第1の状態と第2の状態との間で選択的に切り替えられるように構成される。第1の状態は、裏側フィルタ502Aが、減光レイヤ414のフォトクロミック材料の暗化をアクティベートする範囲の(裏側211において受光された)光波長を、可視シーン光222A~222Cを通しながら遮断することを有効化し得る。第2の状態は、裏側フィルタ502Aが、範囲の光波長と可視シーン光222A~222Cの両方を通すことを有効化し得る。第2の状態にあるとき、裏側フィルタ502Aは、明るい光状況において望ましいことがあるような、ニアアイ光学アセンブリ500の視野全体にわたる減光レイヤ414の暗化を可能にし得る。この実施形態では、裏側フィルタ502Aは、切替え可能な波長板および少なくとも1つの偏光レイヤのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0057】
図5は、さらに、眼方向側209と減光レイヤ414との間でニアアイ光学アセンブリ500の光路上に配設された眼方向側フィルタ502Bを含むものとして、ニアアイ光学アセンブリ500を図示している。眼方向側フィルタ502Bは、ニアアイ光学アセンブリ500の外側へのアクティベーション光226の漏れを防ぐために、アクティベーション光226を吸収および/または反射するように構成され得る。眼方向側フィルタ502Bはまた、減光レイヤ414のフォトクロミック材料の暗化をアクティベートする外部光(たとえば、眼方向側209に入射するシーン光または他の光)を遮断するように構成され得る。図5中にさらに示されているように、眼方向側フィルタ502Bは、可視シーン光222A~222Dを通すように構成される。
【0058】
図6は、本開示の態様による、複数の減光レイヤ602および604を含むニアアイ光学アセンブリ600の断面図である。ニアアイ光学アセンブリ600は、図2のニアアイ光学アセンブリ206Aの1つの可能な実装形態である。
【0059】
いくつかの実装形態では、インフィールド減光器(たとえば、抽出特徴404)は、複数の(たとえば、反対の)方向にアクティベーション光を発するように構成され得る。たとえば、図6は、抽出特徴404を、眼方向側209に向かってアクティベーション光608を発し、ならびにニアアイ光学アセンブリ600の裏側211に向かってアクティベーション光606を発するものとして図示している。これにより、いくつかの例では、ニアアイ光学アセンブリ600は、複数の減光レイヤを含み、各々は、フォトクロミック材料を含み得る。図6中に示されているように、アクティベーションレイヤ412は、第1の減光レイヤ602と第2の減光レイヤ604との間に配設される。抽出特徴404は、第1の領域610の暗化をアクティベートするために、第1の減光レイヤ602に向かってアクティベーション光606を発するように構成される。抽出特徴はまた、第2の領域612の暗化をアクティベートするために、第2の減光レイヤ604に向かってアクティベーション光608を発するように構成される。
【0060】
図7は、本開示の態様による、アクティベーションレイヤ702から減光レイヤ414を離間させるための間隙706を含むニアアイ光学アセンブリ700の断面図である。ニアアイ光学アセンブリ700は、図2のニアアイ光学アセンブリ206Aの1つの可能な実装形態である。いくつかの例では、アクティベーション光712のビーム幅714を増加させるために、また、暗化される領域710のサイズを増加させるために、間隙706が設けられ得る。一例では、間隙706は、間隙706が空隙であるように、アクティベーションレイヤ702と減光レイヤ414との間に置かれた1つまたは複数のスペーサ708によって設けられる。他の例では、間隙706は、ガラスまたはプラスチックなど、透明層によって設けられ得る。
【0061】
いくつかの態様では、アクティベーションレイヤ中に含まれる抽出特徴は、暗化される減光レイヤの領域が様々な形状および/または構成を有するようにアクティベーション光を発するように構成され得る。たとえば、再び図3Bを参照すると、抽出特徴310は、領域312が円形に整形されるようにアクティベーション光を発するように構成される。別の実装形態では、図8は、本開示の態様による、矩形に整形された暗化された領域812をもつ、ヘッドマウントデバイス800の部分を図示する。ヘッドマウントデバイス800の図示されている例は、フレーム802、光学アセンブリ804、および光源806を含むものとして示されている。光学アセンブリ804は、光導波路808および抽出特徴810を含むものとして示されている。示されているように、抽出特徴810は、矩形プロファイルを有するアクティベーション光を発するように構成され、暗化された正方形形状の領域812を生じる。いくつかの実施形態では、抽出特徴810は、所望の光出力パターンを達成するように設計およびエンジニアリングされた、1つまたは複数の微細格子、ナノ格子、および/またはメタ表面を含む。ヘッドマウントデバイス800は、図2のヘッドマウントデバイス200の1つの可能な実装形態である。
【0062】
図9Aおよび図9Bは、本開示の態様による、複数のインフィールド減光器(換言すれば、抽出特徴910A~910M)をもつニアアイ光学アセンブリ904を含む、ヘッドマウントデバイス900の部分を図示する。ヘッドマウントデバイス900の図示されている例は、フレーム902およびニアアイ光学アセンブリ904を含むものとして示されている。フレーム902は、光源906A~906Mを含むものとして示されており、ニアアイ光学アセンブリ904は、抽出特徴910A~910Mを含むものとして示されている。ヘッドマウントデバイス900は、図2のヘッドマウントデバイス200の1つの可能な実装形態である。
【0063】
図9A中に示されているように、フレーム902は、複数の光源906A~906Mを含む。光源906A~906Mの各々は、それぞれのアクティベーション光を生成するように個々に制御可能であり得る。図9Aは、それぞれの光導波路を介してそれぞれの光源906A~906Mからアクティベーション光を受光するために結合された複数の抽出特徴910A~910Mをさらに図示する。図5Aは、13個のインフィールド減光器(たとえば、抽出特徴910A~910M)を含むものとして、ニアアイ光学アセンブリ904を図示しているが、他の実施形態では、ニアアイ光学アセンブリ904は、1つまたは複数を含む、任意の数のインフィールド減光器を含み得る。加えて、インフィールド減光器は、様々な構成で視野内に配列され得、ここで、インフィールド減光器は、視野の一部分のみにわたって、または視野全体にわたってカバレッジを提供する。
【0064】
示されているように、各抽出特徴910A~910Mは、ニアアイ光学アセンブリ904の減光レイヤのそれぞれの領域912A~912Mを暗化するために、アクティベーション光を発するように構成される。いくつかの例では、ヘッドマウントデバイス900のコンピューティングデバイスは、光源906A~906Mうちの1つまたは複数が、様々な領域912A-912Mを動的に暗化することを選択的に有効化し得る。いくつかの例では、領域912A~912Mのうちのいずれを暗化すべきかの決定は、ニアアイ光学アセンブリ904によって生成されるべきである仮想グラフィックスの、サイズ、形状、数、および/または位置に基づく。図9Bは、光源906C、906E、および906F~906Kが、それぞれの領域912C、912E、および912F~912Kを暗化することを有効化され、光源906A、906B、906D、906L、および906Mが、無効化された(換言すれば、アクティベーション光を生成していない)例を図示する。
【0065】
図10は、本開示の態様による、別々で別個の暗化された領域1014A~1014Cを提供する複数のインフィールド減光器をもつニアアイ光学アセンブリ1004を含む、ヘッドマウントデバイス1000の部分を図示する。ヘッドマウントデバイス1000は、図2のヘッドマウントデバイス200の1つの可能な実装形態である。ヘッドマウントデバイス1000は、フレーム1002およびニアアイ光学アセンブリ1004を含むものとして示されている。フレーム1002は、光源1006、1008、および1010を含むものとして示されている。ニアアイ光学アセンブリ1004は、複数のインフィールド減光器(換言すれば、抽出特徴1012A~1012K)を含むものとして示されている。
【0066】
いくつかの実装形態では、ニアアイ光学アセンブリ1004によって生成される仮想グラフィックスは、視野内の知られており、繰返し可能なロケーションにおいて生成され得る。それゆえに、インフィールド減光器は、仮想グラフィックスのためのこれらの知られているロケーションに対応する領域1014A~1014Dを提供するために、ニアアイ光学アセンブリ1004内に配置され得る。加えて、光源1006、1008、および1010の各々は、領域1014A~1014Dの各々が、決定された必要性に基づいて個々に暗化され得るように、個々に制御され得る。
【0067】
図11は、本開示の態様による、暗化された領域1110を提供するためにアクティベーション光を漏洩させるための光導波路1108をもつニアアイ光学アセンブリ1104を含む、ヘッドマウントデバイス1100の部分を図示する。ヘッドマウントデバイス1100の図示されている例は、フレーム1102およびニアアイ光学アセンブリ1104を含むものとして示されている。フレーム1102は、光源1106を含むものとして示されており、ニアアイ光学アセンブリ1104は、光導波路1108を含むものとして示されている。ヘッドマウントデバイス1100は、図2のヘッドマウントデバイス200の1つの可能な実装形態である。
【0068】
インフィールド減光器の上記で説明された例は、光導波路に結合された専用の抽出特徴を介して提供される。しかしながら、いくつかの実施形態では、抽出特徴は省略され得、ここで、光導波路は、ニアアイ光学アセンブリの減光レイヤに向かってアクティベーション光を漏洩させるように構成される。たとえば、光導波路1108は、アクティベーション光が光導波路1108中を伝搬するとき、制御された様式で本質的に損失性であるように設計され得る。アクティベーション光は、領域1110における暗化をアクティベートするために、減光レイヤに向かって光導波路1108を離れ得る。別の例では、光導波路1108は、あまり損失性ではないように設計され得るが、設計された散乱体が、光導波路1108の長さに沿って配列され、光導波路1108の中に統合される。アクティベーション光が、光導波路1108を伝搬し、散乱体に遭遇したとき、アクティベーション光の一部分は、領域1110を暗化するために、光導波路1108から減光レイヤの中に漏洩する。
【0069】
図12は、本開示の態様による、単一の導波管1208に光学的に結合された複数の抽出特徴1210を含むインフィールド減光器をもつ、ヘッドマウントデバイス1200の部分を図示する。ヘッドマウントデバイス1200の図示されている例は、フレーム1202およびニアアイ光学アセンブリ1204を含むものとして示されている。フレーム1202は、光源1206を含むものとして示されており、ニアアイ光学アセンブリ1204は、光導波路1208および複数の抽出特徴1210を含むものとして示されている。ヘッドマウントデバイス1200は、図2のヘッドマウントデバイス200の1つの可能な実装形態である。
【0070】
図12中に示されているように、抽出特徴1210の各々は、光導波路1208に光学的に結合される。動作中、光導波路1208は、光源1206から抽出特徴1210の各々にアクティベーション光を向けるように構成され、ここで、各抽出特徴1210は、領域1212を暗化するために、減光レイヤに向かってアクティベーション光を発するように構成される。
【0071】
図13は、本開示の態様による、回折格子1312を含むインフィールド減光器をもつ、ヘッドマウントデバイス1300の部分を図示する。ヘッドマウントデバイス1300の図示されている例は、フレーム1302およびニアアイ光学アセンブリ1304を含むものとして示されている。フレーム1302は、光源1306を含むものとして示されており、ニアアイ光学アセンブリ1304は、光導波路1308、テーパエキスパンダ1310、および回折格子1312を含むものとして示されている。ヘッドマウントデバイス1300は、図2のヘッドマウントデバイス200の1つの可能な実装形態である。
【0072】
図示されている例では、回折格子1312(たとえば、ボリュームブラッグ格子)は、テーパエキスパンダ1310を介して光導波路1308に光学的に結合される。光導波路1308は、光源1306から回折格子にアクティベーション光を向けるように構成され、ここで、回折格子1312は、領域1314を暗化するために、減光レイヤに向かってアクティベーション光を向けるように構成される。
【0073】
上記で図示された実施形態は、光学アセンブリ内に含まれる1つまたは複数のインフィールド減光器を介して減光レイヤの1つまたは複数の領域の暗化を提供する。しかしながら、他の実施形態では、減光レイヤの領域の暗化は、ヘッドマウントデバイスの中に組み込まれたデジタルプロジェクタによってアクティベートされ得る。たとえば、図14Aは、本開示の態様による、デジタルプロジェクタ1408Aを含むヘッドマウントデバイス1400Aを図示する。
【0074】
ヘッドマウントデバイス1400Aの図示されている例は、フレーム1402、テンプルアーム1404、ニアアイ光学アセンブリ1406、およびデジタルプロジェクタ1408Aを含むものとして示されている。いくつかの態様では、デジタルプロジェクタ1408Aは、テンプルアーム1404上にニアアイ光学アセンブリ1406の眼方向側に配設され得る。示されているように、デジタルプロジェクタ1408Aは、ニアアイ光学アセンブリ1406中に含まれる減光レイヤの領域1412の暗化をアクティベートするために、アクティベーション光1410Aを発するように構成されたレーザースキャナであり得る。いくつかの実施形態では、デジタルプロジェクタ1408Aによって生成されるアクティベーション光1410Aは、減光レイヤ中に含まれるフォトクロミック材料の暗化をアクティベートする光波長の範囲のステアラブルレーザービームである。
【0075】
いくつかの態様では、デジタルプロジェクタ1408Aのレーザースキャナは、減光レイヤの暗化をアクティベートするために、領域1412内でのラスタ走査によってアクティベーション光1410Aを向けるように構成される。図14Aは、単一の矩形領域1412を暗化するために、アクティベーション光1410Aを向けるものとして、デジタルプロジェクタ1408Aを示しているが、デジタルプロジェクタ1408Aは、減光レイヤの、様々な形状(たとえば、円形形状、不規則形状、楕円形形状など)の複数の別々で別個の領域を暗化するために、アクティベーション光1410Aを向けるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、デジタルプロジェクタ1408Aは、アクティベーション光1410Aを生成するための単一のレーザー光源を含む。他の実施形態では、デジタルプロジェクタ1408Aは、ニアアイ光学アセンブリ1406上に仮想グラフィック(たとえば、図1Aおよび図1Bの仮想グラフィック104)を投影するために、表示光を生成するための1つまたは複数の追加の光源を含み得る。たとえば、デジタルプロジェクタ1408Aは、(換言すれば、減光レイヤを暗化する光波長の範囲内の)アクティベーション光1410Aを生成するための第1のレーザー光源と、仮想グラフィックを生成するための追加の赤色、緑色、および青色レーザー光源とを含み得る。
【0076】
上記で説明されたように、デジタルプロジェクタ1408Aは、減光レイヤの暗化をアクティベートするために、領域1412内でのラスタ走査によってアクティベーション光1410Aを向けるように構成されたレーザースキャナを含み得る。しかしながら、他の実施形態では、デジタルプロジェクタは、同時に、領域1412全体上にアクティベーション光を投影し得る。たとえば、図14Bは、本開示の態様による、デジタルプロジェクタ1408Bを含む別のヘッドマウントデバイス1400Bを図示する。図14B中に示されているように、デジタルプロジェクタ1408Bは、領域1412全体を同時に暗化するために、アクティベーション光1410Bを発するように構成される。
【0077】
いくつかの態様では、デジタルプロジェクタ1408Bは、領域1412を暗化するために、所望のパターンでアクティベーション光1410Bを生成するように構成可能である複数のピクセルを含む。たとえば、デジタルプロジェクタ1408Bは、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、液晶オンシリコン(LCOS)デバイス、マイクロ発光ダイオード(μLED)デバイスなどを含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、デジタルプロジェクタ1408Bは、アクティベーション光1410Bを生成するための単一の光源を含む。他の実施形態では、デジタルプロジェクタ1408Bは、ニアアイ光学アセンブリ1406上に仮想グラフィック(たとえば、図1Aおよび図1Bの仮想グラフィック104)を投影するために、表示光を生成するための1つまたは複数の追加の光源を含み得る。例として、LCOSデバイスとして実装されるとき、デジタルプロジェクタ1408Bは、(換言すれば、減光レイヤを暗化する光波長の範囲内の)アクティベーション光1410Bを生成するための第1のLCOSデバイスと、仮想グラフィックを生成するための少なくとも1つの追加のLCOSデバイス(たとえば、赤色、緑色、および青色)とを含み得る。動作中、デジタルプロジェクタ1408Bは、順次、赤色、緑色、および青色光で一方のLCOSデバイスを照明し、次いで、アクティベーション光1410B(たとえば、UV、IR、紫色など)で他方のLCOSデバイスを照明するように構成され得る。
【0079】
図15は、本開示の態様による、レーザースキャナとともに使用するための、ヘッドマウントディスプレイのニアアイ光学アセンブリ1506の断面図である。ニアアイ光学アセンブリ1506は、表示レイヤ1510および減光レイヤ1514を含むものとして示されている。ニアアイ光学アセンブリ1506は、図14Aおよび図14Bのニアアイ光学アセンブリ1406の1つの可能な実装形態である。
【0080】
図15中に示されているように、減光レイヤ1514は、眼方向側1509と裏側1511との間でニアアイ光学アセンブリ1506の光路上に配設される。表示レイヤ1510は、減光レイヤ1514と眼方向側1509との間で光路上に配設される。表示レイヤ1510はまた、ヘッドマウントデバイスのユーザの眼402に1つまたは複数の仮想グラフィックスを提示するために、眼方向側1509に向かって表示光1524を向けるものとして示されている。
【0081】
いくつかの態様では、減光レイヤ1514は、減光レイヤ1514が、ある範囲の光波長(たとえば、IR、UV、紫色など)への曝露に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック材料を含むという点で、図4Aの減光レイヤ414に類似する。図15中に示されているように、レーザースキャナ1408は、減光レイヤ1514の領域1512の暗化をアクティベートするために、光波長の範囲内にあるアクティベーション光1410を発するように構成される。
【0082】
図16は、本開示の態様による、レーザースキャナ1408とともに使用するための、裏側フィルタ1602Aおよび眼方向側フィルタ1602Bを含むニアアイ光学アセンブリ1600の断面図である。ニアアイ光学アセンブリ1600の図示されている例は、表示レイヤ1610、減光レイヤ1614、裏側フィルタ1602A、および眼方向側フィルタ1602Bを含むものとして示されている。ニアアイ光学アセンブリ1600は、図14Aおよび図14Bのニアアイ光学アセンブリ1406の1つの可能な実装形態である。
【0083】
図15中に示されているように、裏側フィルタ1602Aは、裏側1611と減光レイヤ1614との間でニアアイ光学アセンブリ1600の光路上に配設される。裏側フィルタ1602Aは、ニアアイ光学アセンブリ1600の外側へのアクティベーション光1410の漏れを防ぐために、アクティベーション光1410を吸収および/または反射するように構成され得る。裏側フィルタ1602Aはまた、減光レイヤ1614のフォトクロミック材料の暗化をアクティベートする外部光(たとえば、裏側1611に入射するシーン光または他の光)を遮断するように構成され得る。図16中にさらに示されているように、裏側フィルタ1602Aは、可視シーン光222を通すように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、裏側フィルタ1602Aは、第1の状態と第2の状態との間で選択的に切り替えられるように構成される。第1の状態は、裏側フィルタ1602Aが、減光レイヤ1614のフォトクロミック材料の暗化をアクティベートする範囲の(裏側1611において受光された)光波長を、可視シーン光222を通しながら遮断することを有効化し得る。第2の状態は、裏側フィルタ1602Aが、範囲の光波長と可視シーン光222の両方を通すことを有効化し得る。第2の状態にあるとき、裏側フィルタ1602は、明るい光状況において望ましいことがあるような、ニアアイ光学アセンブリ1600の視野全体にわたる減光レイヤ1614の暗化を可能にし得る。この実施形態では、裏側フィルタ1602Aは、切替え可能な波長板および少なくとも1つの偏光レイヤのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0085】
図16は、さらに、眼方向側1609と減光レイヤ1614との間でニアアイ光学アセンブリ1600の光路上に配設された眼方向側フィルタ1602Bを含むものとして、ニアアイ光学アセンブリ1600を図示している。眼方向側フィルタ1602Bは、ニアアイ光学アセンブリ1600の外側へのアクティベーション光1410の漏れを防ぐために、アクティベーション光1410を吸収および/または反射するように構成され得る。眼方向側フィルタ1602Bはまた、減光レイヤ1614のフォトクロミック材料の暗化をアクティベートする外部光(たとえば、眼方向側1609に入射するシーン光または他の光)を遮断するように構成され得る。図16中にさらに示されているように、眼方向側フィルタ1602Bは、可視シーン光222を通すように構成される。
【0086】
いくつかの実施形態では、眼方向側フィルタ1602Bは、減光レイヤ1614にアクティベーション光1410を通すが、また、光波長の範囲内の他の光を遮断するように構成される。たとえば、眼方向側フィルタ1602Bは、レーザースキャナ1408によって生成されたUV光を通すが、減光レイヤ1614の暗化を場合によってはアクティベートする(たとえば、環境からの)他のUV光を遮断するように構成され得る。一例では、眼方向側フィルタ1602Bは、アクティベーション光1410が、角度的に選択的であることによって、通ることを選択的に可能にし得る。すなわち、眼方向側フィルタ1602Bは、眼方向側フィルタ1602Bへのアクティベーション光1410の入射角に基づいてアクティベーション光1410を通すように構成され得る。一例では、これは、レーザースキャナ1408が、ニアアイ光学アセンブリに対して知られているロケーションにおいておよび知られている角度でヘッドマウントデバイスのテンプルアーム(たとえば、図14のテンプルアーム1404)に取り付けられるので、成就され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、眼方向側フィルタ1602Bは、アクティベーション光1410を通し、光波長の範囲内にある他の光を遮断するように構成された回折格子を含む。別の実施形態では、眼方向側フィルタ1602Bは、アクティベーション光1410を通し、光波長の範囲内にある他の光を遮断するように構成された誘電体ミラーを含む。
【0088】
図17は、本開示の態様による、インフィールド減光器の動的制御のための例示的なコンピューティングデバイス1702を図示する。コンピューティングデバイス1702の図示されている例は、通信インターフェース1704、1つまたは複数のプロセッサ1706、ハードウェア1708、およびメモリ1710を含むものとして示されている。一例では、図17中に図示されている構成要素のうちの1つまたは複数は、図2のヘッドマウントデバイス200のフレーム202および/またはテンプルアーム204A/204Bの中に組み込まれ得る。別の例では、図17中に図示されている構成要素のうちの1つまたは複数は、図14Aおよび図14Bのヘッドマウントデバイス1400Aおよび1400Bのフレーム1402および/またはテンプルアーム1404の中に組み込まれ得る。他の例では、図17中に図示されている構成要素のうちの1つまたは複数は、インフィールド減光器の動的制御の1つまたは複数の態様を実施するためにヘッドマウントデバイス200/1400に通信可能に結合されたリモートコンピューティングデバイスの中に組み込まれ得る。
【0089】
通信インターフェース1704は、コンピューティングデバイス1702が、他のネットワーク化されたデバイスにデータを送信し、他のネットワーク化されたデバイスからデータを受信することを可能にする、ワイヤレスおよび/またはワイヤード通信構成要素を含み得る。ハードウェア1708は、追加のハードウェアインターフェース、データ通信、またはデータ記憶ハードウェアを含み得る。たとえば、ハードウェアインターフェースは、データ出力デバイス(たとえば、電子ディスプレイ、オーディオスピーカー)、および1つまたは複数のデータ入力デバイスを含み得る。
【0090】
メモリ1710は、コンピュータ記憶媒体など、コンピュータ可読媒体を使用して実装され得る。いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなど、情報の記憶のために任意の方法または技術で実装された揮発性および/または不揮発性で、取外し可能および/または取外し不可能な媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、限定はしないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、高精細マルチメディア/データ記憶ディスク、または他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいはコンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用され得る任意の他の非送信媒体を含む。
【0091】
コンピューティングデバイス1702のプロセッサ1706およびメモリ1710は、ディスプレイモジュール1712および減光制御モジュール1714を実装し得る。ディスプレイモジュール1712および減光制御モジュール1714は、特定のタスクを実施するかまたは特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム命令、オブジェクト、および/またはデータ構造を含み得る。メモリ1710は、ディスプレイモジュール1712および/または減光制御モジュール1714によって使用されるデータストア(図示せず)をも含み得る。
【0092】
ディスプレイモジュール1712は、ニアアイ光学アセンブリの領域中の可視シーン光(たとえば、図2の可視シーン光222)が、同じ領域中に配置された可視表示光224によって生成された仮想グラフィック(たとえば、図1の仮想グラフィック104)の可視性に干渉することを決定するように構成され得る。いくつかの実装形態では、ヘッドマウントデバイスは、可視シーン光に関する情報(たとえば、輝度、コントラスト、色など)を提供する1つまたは複数の光センサーを含み得る。別の実装形態では、ヘッドマウントデバイスは、光学アセンブリによって提供される視野の画像を取得するために(たとえば、図2のテンプルアーム204B上に)位置決めされたカメラを含み得る。ディスプレイモジュール1712は、可視シーン光が仮想グラフィックの可視性に干渉しているかどうかを決定するために、光センサーから画像および/またはデータを受信し得る。
【0093】
いくつかの態様では、ディスプレイモジュール1712は、光センサーから取得された示度に基づいて、および/または視野の画像に対して画像処理を実施することによって、仮想グラフィックの可視性を決定する。これは、周囲の明るさを決定すること、および/または可視シーン光と仮想グラフィックとの間のコントラストを決定することを含み得る。別の例では、ディスプレイモジュール1712は、仮想グラフィックが表示されるべきであるところに対応する領域中の可視シーン光の色を比較することによって、仮想グラフィックの可視性を決定し得る。可視シーン光が明るすぎる場合、シーン光と仮想グラフィックとの間のコントラストは低すぎ、および/またはシーン光の色が仮想グラフィックの色に類似する場合、ディスプレイモジュール1712は、その場合、可視シーン光が実際、仮想グラフィックの可視性に干渉すると決定する。
【0094】
可視シーン光が仮想グラフィックの可視性に干渉するというディスプレイモジュール1712による決定に応答して、減光制御モジュール1714は、その場合、可視シー光を減光しおよび/または遮るために、ニアアイ光学アセンブリの減光レイヤの1つまたは複数の領域の暗化をアクティベートし得る。たとえば、図2のヘッドマウントデバイス200を参照すると、減光制御モジュール1714は、インフィールド減光器218が、減光レイヤ214中の領域220の暗化をアクティベートするために、アクティベーション光226を発することを有効化し得る。上記で論じられたように、領域220の暗化は、表示光224によって生成された仮想グラフィックの可視性を増加させるために、領域220内の可視シーン光222を減光し得る。
【0095】
別の例として、図14Aのヘッドマウントデバイス1400を参照すると、減光制御モジュール1714は、領域1412内のニアアイ光学アセンブリ1406の表示レイヤによって生成された仮想グラフィックの可視性を増加させるために領域1412の暗化をアクティベートするために、アクティベーション光1410Aを発するようにデジタルプロジェクタ1408Aを制御し得る。減光制御モジュール1714は、暗化をアクティベートするために、領域1412をラスタ走査するようにデジタルプロジェクタ1408Aのレーザースキャナを制御するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、減光制御モジュール1714は、減光レイヤの複数の別々で別個の領域を暗化するために、アクティベーション光1410Aを向けるようにデジタルプロジェクタ1408Aを制御するように構成され得る。
【0096】
いくつかの態様では、減光制御モジュール1714は、減光レイヤの領域によって提供される暗化の量を変動させるように構成され得る。たとえば、図18は、本開示の態様による、ニアアイ光学アセンブリ1802の減光レイヤによって提供される暗化の変動する量を図示する。ニアアイ光学アセンブリ1802は、図2のニアアイ光学アセンブリ206Aによってならびに/または図14Aおよび図14Bのニアアイ光学アセンブリ1406によって提供され得る暗化の様々な量を図示する。たとえば、第1の領域1804は第1の量だけ暗化され、第2の領域1806は第2の量だけ暗化され、第3の領域1808は第3の量だけ暗化される。いくつかの態様では、特定の領域を暗化するための量は、仮想グラフィックをユーザにとって十分に可視にするために必要とされる減光の量に基づいて決定される。たとえば、いくつかの実装形態では、視野の上側領域は、地面の眺めを含み得る視野の下側領域よりも一般に明るい、空の眺めを含み得る。これにより、視野の上半分中の領域は、視野の下半分中の領域よりも暗化され得る。また、外部光源(たとえば、接近する車両のヘッドライト、ランプなど)によって引き起こされた視野内の明るいスポットは、周囲エリアと比較して一層減光される必要があり得る。
【0097】
図2のヘッドマウントデバイス200または図14Bのヘッドマウントデバイス1400Bの中に組み込まれたとき、暗化の量を変動させることは、減光制御モジュール1714が、インフィールド減光器218またはデジタルプロジェクタ1408Aの光源のパルス幅変調を実施することを含み得る。たとえば、減光制御モジュール1714は、減光レイヤの暗化の量を増加または減少させるために、光源の周波数、オン時間、および/またはオフ時間を調整し得る。
【0098】
図14Aのヘッドマウントデバイス1400Aの中に組み込まれたとき、暗化の量を変動させることは、減光制御モジュール1714が、デジタルプロジェクタ1408Aのレーザースキャナの走査速度および/またはレーザー出力を、ニアアイ光学アセンブリ1406中に含まれる減光レイヤの暗化を増加または減少させるように制御することを含み得る。
【0099】
本発明の実施形態は、人工現実システムを含むか、または人工現実システムとともに実装され得る。人工現実とは、ユーザへの提示の前に何らかの様式で調整された現実の形態であり、この形態は、たとえば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、ハイブリッド現実、あるいはそれらの何らかの組合せおよび/または派生物を含み得る。人工現実コンテンツは、すべて生成されたコンテンツ、またはキャプチャされた(たとえば、実世界の)コンテンツと組み合わせられた生成されたコンテンツを含み得る。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、ハプティックフィードバック、またはそれらの何らかの組合せを含み得、これらのうちのいずれかが、単一チャネルで、または(閲覧者に対して3次元効果をもたらすステレオビデオなど)複数チャネルで提示され得る。追加として、いくつかの実施形態では、人工現実はまた、たとえば、人工現実中のコンテンツを作り出すために使用され、および/または場合によっては、人工現実中で(たとえば、人工現実中でアクティビティを実施するために)使用される、アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはそれらの何らかの組合せに関連し得る。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続されたヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スタンドアロンHMD、モバイルデバイスまたはコンピューティングシステム、あるいは1人または複数の閲覧者に人工現実コンテンツを提供することが可能な任意の他のハードウェアプラットフォームを含む、様々なプラットフォーム上で実装され得る。
【0100】
要約書において説明されるものを含んで、本発明の図示されている実施形態の上記の説明は、網羅的なもの、または開示される厳密な形態に本発明を限定するものではない。本発明の特定の実施形態および本発明のための例が、説明の目的で本明細書で説明されたが、当業者が認識するように、様々な変更形態が、本発明の範囲内で可能である。
【0101】
これらの変更形態は、上記の詳細な説明に照らして本発明に対して行われ得る。以下の特許請求の範囲において使用される用語は、本明細書で開示される特定の実施形態に本発明を限定すると解釈されるべきでない。そうではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってもっぱら決定されるべきであり、以下の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】