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特表2023-521534家庭用製氷機及びこれを用いたファニーアイスの製氷方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】家庭用製氷機及びこれを用いたファニーアイスの製氷方法
(51)【国際特許分類】
   F25C 1/20 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
F25C1/20 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548964
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 KR2021012250
(87)【国際公開番号】W WO2022196876
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033829
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033831
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033832
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033833
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522320567
【氏名又は名称】ディーエイチ グローバル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DH GLOBAL CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】1, Cheomdanyeonsin-ro Buk-gu Gwangyu 61089 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】チュ ソンボク
(72)【発明者】
【氏名】リュ チャンフン
(72)【発明者】
【氏名】カン ソンチョル
(57)【要約】
本発明は家庭用製氷機に関する。本発明に係る家庭用製氷機は、製氷トレイ自体を揺動させる必要がなく、揺動板の揺動回転により製氷水に揺動を十分に発生させることができるので、製氷トレイのサイズを大きくすることなく、透明氷を容易に生成することができ、前記揺動板と製氷トレイが同軸に形成され、脱氷のために回転させる際、前記製氷トレイの中心軸を中心に回転させるので、脱氷のための追加の空間が必要ではなくコンパクトに構成することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケースの内部に設けられて冷媒が循環する圧縮機及び凝縮器と、製氷水を収容する製氷トレイとを有し、前記凝縮器から供給される冷媒によって製氷水を結氷させる製氷モジュールと、前記製氷モジュールで生成された氷を貯蔵する氷貯蔵槽と、前記製氷トレイに連結されて前記製氷トレイの回転の際に生成された氷を前記氷貯蔵槽に案内する案内板と、前記製氷水を揺動させる揺動モジュールと、を含み、
前記製氷モジュールは、前記凝縮器に連結されて前記製氷トレイの内部にU字形状に配置される蒸発管と、前記蒸発管から前記製氷トレイの底に向かって突設される冷却突起と、前記製氷トレイを回転駆動させるトレイ駆動部と、を備え、
前記揺動モジュールは、前記製氷トレイの内部に挿入され、前記製氷モジュールの冷却突起に向かって製氷水を揺動させる揺動板を備えることを特徴とする家庭用製氷機。
【請求項2】
前記揺動板は、U字形状に配置される前記蒸発管の中間に挿入して配置され、複数の冷却水通過孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の家庭用製氷機。
【請求項3】
前記揺動モジュールは、
前記揺動板に連結され、前記製氷トレイの回転軸に連結される揺動軸と、
前記揺動軸を回転させる揺動板駆動部と、
前記揺動軸の一側端部に設けられる揺動ヘッドと、
前記揺動ヘッドに隣接して設けられ、前記揺動ヘッドの接触を検知して回転を制限するリミットスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の家庭用製氷機。
【請求項4】
製氷水供給源から供給される製氷水を前記製氷水トレイに注入する製氷水供給管と、
前記製氷水供給管の一方に取り付けられ、供給される製氷水の温度を測定する製氷水温度センサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の家庭用製氷機。
【請求項5】
前記製氷トレイの内部に収容された製氷水の温度を検知する第2の製氷水温度センサをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の家庭用製氷機。
【請求項6】
前記揺動モジュールは、前記第2の製氷水温度センサで測定した値に応じて揺動速度を調整し、
前記製氷モジュールは、前記製氷水温度センサで測定した値に応じて製氷時間を調整することを特徴とする請求項5に記載の家庭用製氷機。
【請求項7】
製氷水供給源から供給される製氷水を前記製氷水トレイに注入する製氷水供給管をさらに備え、前記製氷水供給管は、一方が延びて前記圧縮機の外周面に螺旋状に巻かれて配置されることを特徴とする請求項1に記載の家庭用製氷機。
【請求項8】
一方が前記蒸発管に連結され、他方が製氷機の内部ケースに連結され、前記蒸発管を支持する支持ブラケットをさらに備え、前記支持ブラケットは前記蒸発管の高さ方向の中央の上部に連結されることを特徴とする請求項1に記載の家庭用製氷機。
【請求項9】
前記支持ブラケットは、U字形状の前記蒸発管の湾曲した円弧部に連結されることを特徴とする請求項8に記載の家庭用製氷機。
【請求項10】
製氷水を収容する製氷トレイを有し、凝縮器から供給される冷媒によって製氷水を結氷させる製氷モジュールと、前記製氷トレイの内部に挿入されて、前記製氷モジュールの冷却突起に向かって製氷水を揺動させる揺動板とを有する揺動モジュールと、を備える製氷機を用いた製氷方法において、
前記冷却突起の周辺の製氷水を冷却させて前記揺動板を揺動回転させて前記冷却突起の周辺に透明氷を結氷させる透明氷生成ステップと、
前記冷却突起の周辺の製氷水を冷却させて、前記揺動板を回転させることなく冷却して前記冷却突起の周辺に半透明氷を結氷させる半透明氷生成ステップと、
前記透明氷生成ステップと前記半透明氷生成ステップとを交互に繰り返すステップを備えることを特徴とするファニーアイスの製氷方法。
【請求項11】
前記透明氷生成ステップは、前記製氷モジュールの製氷水の温度を測定し、測定された温度に応じて前記揺動板の揺動回転速度を調整することを特徴とする請求項10に記載のファニーアイスの製氷方法。
【請求項12】
前記揺動板の揺動回転速度は、前記製氷水が高温の際には低速に揺動回転するように調整し、前記製氷水が低温の際には高速に揺動回転するように調整されることを特徴とする請求項11に記載のファニーアイスの製氷方法。
【請求項13】
前記透明氷生成ステップは、前記製氷モジュールに供給される製氷水の温度を上げて前記透明氷の透明度を高めるように調整されることを特徴とする請求項10に記載のファニーアイスの製氷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭用製氷機に関し、より具体的には、製氷機内の製氷水を揺動させてコンパクトでかつ透明氷を容易に作ることができ、蒸発管の腐食の発生を防止して蒸発管の維持管理が容易で、別途の熱源を用いなく、供給される製氷水の温度を上げて透明氷の透明度を向上させることができる透明度が向上された透明氷の製氷機及びこれを用いたファニーアイスの製氷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製氷機は、供給された製氷水を冷却して氷を作る装置である。
【0003】
従来の製氷装置は製氷機本体と製氷ユニットを含み、製氷機本体は製氷ユニットで作られた氷を貯蔵するための氷貯蔵槽を含み、製氷ユニットは製氷機と、冷却板及び蒸発管からなり、製氷皿には製氷水が満たされ、冷却板の下面には製氷水に浸漬される多数の冷却突起が設けられる。蒸発管は冷却板の上面に設けられ、冷凍システムと連結されている。蒸発管の内には冷媒が流れ、この冷媒の熱交換によって冷却板及び冷却突起が冷却される構造からなる。
【0004】
近年、製氷水の内の気泡が凍りつつ氷がぼやける白濁を防止し、透明な氷を製造できる製氷機が提供されている。
【0005】
製氷の過程において氷に発生する白濁現象は、氷が作られる過程の中に、不均一な製氷速度によって部分的に先に作られた氷に囲まれた水が氷になって体積が増加するので、先に作られた氷の組織が破壊されて氷の組織内に発生した空隙が白濁として現れる。
【0006】
このような白濁を除去するためには、製氷皿の内の製氷水に揺動を発生させ、製氷の過程において作られる氷に発生する空隙や気泡を除去しなければならない。
【0007】
製氷水に揺動を発生させるために、従来の製氷装置として、構造的に揺動板がL字形状に形成された揺動板を製氷皿の下部に設けたものが提示されているが、前記従来の技術は、一端部を水皿の外部で振動を加えて、折れた部分が軸となるので、これを水皿に具現するための設置構造が複雑な問題があり、揺動板に接触する氷を検出するための検出構造を水皿に具現するので、さらに複雑な構造を有する欠点があった。
【0008】
また、製氷水に揺動を発生させるために、従来の製氷装置として、製氷皿の揺動範囲を大きくするために製氷皿の一方を延ばして、偏向された軸点を形成したことが示されている。
【0009】
しかし、上述した従来の技術では製氷装置の一方を延ばすので製氷皿が大きくなり、脱氷のために製氷皿を回転させるための空間が必要となり、大きくなった製氷皿により製氷装置が全体的に大きくなるという問題があり、これにより、製氷皿内の製氷水の量が多くなり、製氷効率が低下する問題がある。
【0010】
また、従来の透明氷の製氷機は、透明氷を製造するために噴射方式を用いる場合、透明度を任意に調整することが難しく、透明度が一律な透明氷のみを製造するしかなく、様々な形状の透明氷を製造することが難しいという問題があった。
【0011】
また、従来の製氷機は、図11に示すように、U字形状に配置された蒸発管を固定するためにブラケット等を溶接して支持している。しかし、従来の製氷機においては、ブラケットが蒸発管を支持しながら連結しなければならないので、蒸発管の下部で溶接等の方法により固定されるのに、製氷水や電解液等がブラケットと蒸発管との連結部位に染み込んだり溜まりやすくなるので、連結部位で腐食が発生しやすく、これにより蒸発管が腐食するなどの問題が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した従来の技術の問題を解決しようとするものであって、製氷トレイを揺動させることなく製氷水を揺動させて透明氷を容易に生成でき、製氷機をコンパクトにすることができる家庭用製氷機を提供することである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、蒸発管を製氷機に容易に支持しながらも蒸発管との連結部位に腐食が発生することを防止し、蒸発管の維持管理が容易な家庭用製氷機を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、別途の熱源を用いることなく、供給される製氷水の温度を上げて効率よく製氷できる製氷機を提供することである。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、製氷トレイを揺動させることなく製氷水を揺動させて透明氷を容易に生成することができ、コンパクトでかつ透明氷と半透明氷が混在したファニーアイスの製氷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した目的を達成するために、本発明に係る家庭用製氷機は、ケースと、前記ケースの内部に設けられて冷媒が循環する圧縮機及び凝縮器と、製氷水を収容する製氷トレイとを有し、前記凝縮器から供給される冷媒によって製氷水を結氷させる製氷モジュールと、前記製氷モジュールで生成された氷を貯蔵する氷貯蔵槽と、前記製氷トレイに連結されて前記製氷トレイの回転の際に生成された氷を前記氷貯蔵槽に案内する案内板と、前記製氷水を揺動させる揺動モジュールと、を含み、前記製氷モジュールは、前記凝縮器に連結されて前記製氷トレイの内部にU字形状に配置される蒸発管と、前記蒸発管から前記製氷トレイの底に向かって突設される冷却突起と、前記製氷トレイを回転駆動させるトレイ駆動部と、を備え、前記揺動モジュールは、前記製氷トレイの内部に挿入され、前記製氷モジュールの冷却突起に向かって製氷水を揺動させる揺動板を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上述した構成を有する本発明の製氷機に係ると、前記製氷トレイ自体を揺動させる必要がなく、揺動板の揺動回転により製氷水に揺動を十分に発生させることができるので、製氷トレイのサイズを大きくすることなく、透明氷を容易に作ることができる。
【0018】
また、前記揺動板と製氷トレイとが同軸に形成され、脱氷のために回転させる際に、前記製氷トレイの中心軸を中心に回転させるので、脱氷のための追加の空間が必要ではなく、コンパクトに構成することができる。
【0019】
また、本発明に係ると、蒸発管を製氷機に容易に支持しながらも蒸発管との連結部位に腐食が発生することを防止して蒸発管を安定的に維持管理することができる。
【0020】
また、本発明に係ると、製氷水供給管の一部を延ばして圧縮機の外周面に配置することにより、別途の熱源を用いることなく、圧縮機の熱が供給されることができ、供給される製氷水の温度を上げて効率よく製氷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る製氷機を示す図である。
図2】本発明に係る製氷機の内部の斜視図である。
図3】本発明の製氷機の要部の切開斜視図である。
図4】本発明の製氷モジュールと揺動モジュールを示す図である。
図5】本発明の製氷トレイと揺動板を示す図である。
図6】本発明の製氷トレイと揺動板の回転を説明する図である。
図7】本発明の圧縮機及び第2の製氷水供給管を示す図である。
図8】本発明の蒸発管と支持ブラケットを示す平面図である。
図9】本発明の蒸発管と支持ブラケットを示す側面図である。
図10】本発明に係る製氷方法を説明するフローチャートである。
図11】従来の技術に係る蒸発管と支持ブラケットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上述した目的を達成するために、本発明に係る家庭用製氷機は、ケースと、前記ケースの内部に設けられて冷媒が循環する圧縮機及び凝縮器と、製氷水を収容する製氷トレイとを有し前記凝縮器から供給される冷媒によって製氷水を結氷させる製氷モジュールと、前記製氷モジュールで生成された氷を貯蔵する氷貯蔵槽と、前記製氷トレイに連結されて前記製氷トレイの回転の際に生成された氷を前記氷貯蔵槽に案内する案内板と、前記製氷水を揺動させる揺動モジュールと、を含み、前記製氷モジュールは、前記凝縮器に連結されて前記製氷トレイの内部にU字形状に配置される蒸発管と、前記蒸発管から前記製氷トレイの底に向かって突設される冷却突起と、前記製氷トレイを回転駆動させるトレイ駆動部と、を備え、前記揺動モジュールは、前記製氷トレイの内部に挿入され、前記製氷モジュールの冷却突起に向かって製氷水を揺動させる揺動板を備えることを特徴とする。
【0023】
ここで、前記揺動板は、U字形状に配置される前記蒸発管の中間に挿入して配置され、複数の冷却水通過孔が形成されていることを特徴とする。
【0024】
ここで、前記揺動モジュールは、前記揺動板に連結され、前記製氷トレイの回転軸に連結される揺動軸と、前記揺動軸を回転させる揺動板駆動部と、前記揺動軸の一側端部に設けられる揺動ヘッドと、前記揺動ヘッドに隣接して設けられ、前記揺動ヘッドの接触を検知して回転を制限するリミットスイッチをさらに備えることを特徴とする。
【0025】
ここで、製氷水供給源から供給される製氷水を前記製氷水トレイに注入する製氷水供給管と、前記製氷水供給管の一方に取り付けて、供給される製氷水の温度を測定する製氷水温度センサをさらに備えることを特徴とする。
【0026】
ここで、前記製氷トレイの内部に収容された製氷水の温度を検知する第2の製氷水温度センサをさらに備えることを特徴とする。
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明に係る家庭用製氷機に関する実施形態について詳細に説明する。
【0028】
図1乃至図9に示すように、本発明に係る家庭用製氷機1は、ケース2と、凝縮器3と、圧縮機4と、氷貯蔵槽6と、製氷モジュール10と、揺動モジュール20と、を含む。
【0029】
前記ケース2は、下ケース2aとケース本体と上ケース2bとを備え、前記ケース2の内部には冷却モジュール、氷貯蔵槽、製氷モジュール、揺動モジュールが収容される。
【0030】
前記ケース2の内部には、前記下ケース2aの上部に圧縮機4と、凝縮器3と、蒸発器(図示せず)が設けられる。冷媒は、前記圧縮機4で高温、高圧の蒸気状態となり、前記凝縮器3に移動し、前記凝縮器3で高圧の液状となり、冷媒は毛細管に沿って蒸発器に移動しながら低圧の湿蒸気状態となり、後述する蒸発管12に流入する。この際、冷媒が蒸発しながらその周囲から熱を吸収するに従って、前記蒸発管12の周囲に冷気を提供する。
【0031】
前記ケース2の上面には状態表示灯(図示せず)を取り付けて、遠距離でも製氷機の状態を確認できるように構成することができる。
【0032】
前記製氷モジュール10は、製氷トレイ11と、蒸発管12と、冷却突起12aと、トレイ駆動部14とを備える。
【0033】
前記製氷トレイ11は、断面が略半円形状に形成され、製氷水は製氷水供給源から供給され、前記製氷トレイ11に収容される。
【0034】
前記製氷トレイ11には、前記蒸発管12と前記冷却突起12aとが収容される。前記蒸発管12は、前記製氷トレイ11の内部に略U字形状に配置される。
【0035】
前記冷却突起12aは、蒸発管12から前記製氷トレイ11側に向かって下方に突設される。前記蒸発管12は、圧縮機、凝縮器、膨張弁などを経て再び蒸発管に至る循環構造の冷凍サイクルの一部をなすように構成される。前記冷却突起12aは、前記製氷トレイ11に収容される製氷水に浸漬され、前記蒸発管12から伝導される蒸発温度によって前記冷却突起の周辺の製氷水を冷却して氷を作る。前記冷却突起12aは、U字形状に形成された前記蒸発管12に設けられ、2列構造に形成される。
【0036】
前記蒸発管12は支持ブラケット50によって支持される。
【0037】
前記支持ブラケット50は、一方が前記蒸発管に連結され、他方が製氷機の内部ケースに連結されて前記蒸発管を支持するように構成される。
【0038】
本発明において、前記支持ブラケット50は、図8及び図9に示すように、前記蒸発管の高さ方向の中央の上部に連結されることが好ましい。
【0039】
図11に示すように、従来の技術に係る製氷機においては、蒸発管の下部で溶接等の方法によりブラケットが蒸発管を支持しながら連結していたが、この場合、製氷水や電解液等がブラケットと蒸発管との連結部位に染み込んだり溜まりやすくなるので、連結部位で腐食や錆Rが発生しやすく、これにより蒸発管が腐食するなどの問題があった。
【0040】
本実施形態においては、前記支持ブラケット50は、前記蒸発管の高さ方向の断面から見て、前記蒸発管の中心線を基準にして中央の上部に連結されることが好ましい。前記支持ブラケット50が前記蒸発管の高さ方向の湾曲部位の上部に連結されることにより、前記蒸発管と前記支持ブラケット50との間に隙間や挟まれた空間を除去できるので、前記蒸発管が製氷水や電解液に浸漬されても前記蒸発管と前記支持ブラケットとの間に錆や腐食が発生する心配がなくなる。
【0041】
また、前記支持ブラケット50は、図8に示すように、U字形状の前記蒸発管で湾曲する円弧部分の範囲αで連結され、最もたるみが発生しやすい部分で前記蒸発管を支持するように構成される。
【0042】
前記製氷トレイ11は、トレイ駆動部14によって回転駆動することができる。
【0043】
前記製氷トレイ11の一方には、製氷トレイ本体の外側にトレイ回転軸13が設けられる。本実施形態において、前記トレイ回転軸13は前記製氷トレイ11の中央に形成されて、前記製氷トレイ11の回転の際に別途の追加空間が必要としないので、コンパクトに構成することができる。
【0044】
前記トレイ回転軸13は前記トレイ駆動部14に連結されて前記製氷トレイを回転駆動することができる。前記トレイ駆動部14によって前記製氷トレイ11を回転駆動して脱氷された前記透明氷を前記氷貯蔵槽に搬送することができる。
【0045】
前記製氷モジュール10の一方には、製氷水を揺動させる揺動モジュール20が設けられる。
【0046】
前記揺動モジュール20は、揺動板22と、リミットスイッチ23と、揺動ヘッド24と、揺動板駆動部25と、を備える。
【0047】
前記揺動板22は、前記製氷トレイの内部に挿入され、前記製氷モジュールの冷却突起に向かって製氷水を揺動させる。
【0048】
前記揺動板22は、前記製氷トレイ11の前記トレイ回転軸13と同軸に形成され、前記製氷トレイの回転軸を中心に回動するように構成される。前記揺動板22は、2列に配置された前記冷却突起の各列の間に配置される。
【0049】
前記揺動板22の構成により、前記製氷トレイ自体を揺動させる必要がなく、前記スイングレバーの回転により製氷水に揺動を十分に発生させることができるので、従来の製氷機のように製氷トレイを揺動させるための揺動範囲ほどの追加のトレイ部分を必要としないので、製氷機をコンパクトに構成することができ、透明氷を容易に生成することができる。
【0050】
前記揺動板22は、揺動軸221と、揺動プレート222と、冷却水通過孔223と、を備える。前記揺動軸221は、前記トレイ回転軸13に連結されるように構成される。
【0051】
前記揺動プレート222は略板状に形成され、前記揺動プレート222には複数の冷却水通過孔223が形成される。前記冷却水通過孔223を備えることにより、前記揺動板の両方の製氷水が互いに通過できるように構成して、前記揺動板をより容易に回転できる。
【0052】
前記揺動板駆動部25は、前記内部ケース5に固定される揺動モジュール固定部21に設けられる。前記揺動板駆動部25は、揺動ヘッド24を媒介にして前記揺動板22に連結される。
【0053】
前記揺動板駆動部25の回転駆動により、前記揺動板22は前記製氷トレイ11の内部で左右に回転し、前記製氷トレイ11の内部に収容された製氷水を揺動させて透明氷を生成する。
【0054】
前記揺動ヘッド24の左右にはリミットスイッチ23が取り付けられる。前記リミットスイッチ23は、前記揺動ヘッド24との接触により前記揺動板22の回転の程度を検知することができる。
【0055】
前記冷却突起によって生成される透明氷が徐々に大きくなるに従って、前記揺動板の回転範囲が徐々に小さくなり、それによって前記揺動ヘッド23の回転も小さくなる。前記揺動ヘッドの回転が小さくなり、前記リミットスイッチ23との接触がなくなると、透明氷の製氷が完了したと判断し、製氷が完了したか否かを容易に検知することができる。
【0056】
前記製氷トレイ11の一方には、前記案内板7と氷貯蔵槽6が設けられる。
【0057】
前記案内板7は、図4に示すように、前記製氷トレイの回転の際に前記製氷トレイの側面端部に当接する第1の案内板7aと、前記前記第1の案内板7aとは異なる傾斜角度を形成する第2の案内板7bと、前記第1の案内板と前記第2の案内板とを連結する案内連結部7cと、を備える。
【0058】
前記案内板7に隣接して氷貯蔵槽6が設けられる。前記氷貯蔵槽6は、前記製氷モジュールと前記氷貯蔵槽を収容する内部ケース5の内部に収容され、前記氷貯蔵槽6には、前記製氷モジュール10により製氷が完了して脱氷された透明氷が運ばれて貯蔵される。前記氷貯蔵槽6の底面には開口を最小化にして、常温水の水温により貯蔵された氷が溶けることを最小化にできる。
【0059】
一方、前記製氷トレイ11には製氷水供給管30が連結される。前記製氷水供給管30は、製氷水供給源から製氷水が供給され、前記製氷水を前記製氷トレイに供給するように構成される。
【0060】
前記製氷水供給管30の一方には製氷水温度センサ31を取り付ける。前記製氷水温度センサ31を取り付けることにより、前記製氷トレイ11に供給される製氷水の温度を測定し、製氷水の温度を製氷のための最適な温度に制御して製氷の効率を向上させることができる。また、前記製氷水温度センサ31によって測定された製氷水の温度に応じて製氷時間を制御し、製氷水の温度に応じて前記揺動板のスイング速度を調整して製氷時間を短縮することができる。
【0061】
また、前記製氷トレイの内部に収容された製氷水の温度を検知する第2の製氷水温度センサ41をさらに備えることができる。前記第2の製氷水温度センサ41は、一方が支持ブラケット40によって前記内部ケースに連結され、他方が前記製氷トレイ11に収容された製氷水に浸漬される。
【0062】
前記製氷水温度センサ31と前記第2の製氷水温度センサ41とを備えることにより、前記製氷トレイの内部で製氷されている製氷水の温度を測定して、前記蒸発管及び前記冷却突起に循環している冷媒の循環時間や前記揺動板の揺動回転速度などを制御して、製氷の効率性を向上させることができる。
【0063】
一方、前記製氷水供給管30は、一部を延ばして第2の製氷水供給管30'で構成する。前記第2の製氷水供給管30'は、図7に示すように、前記圧縮機4の外周面を囲むように配置される。前記第2の製氷水供給管30'は、前記圧縮機4の外周面を螺旋状に囲むように配置され、前記第2の製氷水供給管30'を過ぎる製氷水は、前記圧縮機から供給される熱を受け入れて製氷水の温度を上げることができる。
【0064】
例えば、製氷水供給源から5℃に供給された製氷水は、前記圧縮機に配置された前記第2の製氷水供給管30'を過ぎながら10℃に温度が上がって前記製氷モジュールに供給され、温度が上がった製氷水は前記冷却突起の冷媒により結氷されるのに、低温の製氷水より時間がかかるようになり、前記揺動板の揺動回転を低速にしても結氷することができるので、透明氷を生成する際に透明度を向上させることができる。
【0065】
上述した構成を有する本発明の製氷機を用いたファニーアイスの製氷方法について説明する。
【0066】
本発明に係るファニーアイスの製氷方法は、一つの氷に透明氷部分と半透明氷部分が交互に生成されて断面から見て、まるで木の年齢のように生成されて面白い形状の氷を生成することを例にする。
【0067】
本発明に係るファニーアイスの製氷方法は、まず、前記冷却突起の周辺に透明氷を結氷させる透明氷生成ステップを有する(ステップS1)。前記透明氷生成ステップは、前記冷却モジュールの周辺の製氷水を冷媒との熱交換により冷却して、前記揺動板を揺動回転させて前記冷却モジュールの周辺に透明氷を結氷させる。
【0068】
この際に、前記製氷モジュールの製氷水の温度を測定し、測定された温度に応じて前記揺動板の揺動回転速度を調整することが好ましい。
【0069】
また、前記揺動板の揺動回転速度は、前記製氷水が高温の際に低速に揺動回転するように調整し、前記製氷水が低温の際には高速に揺動回転するように調整されることが好ましい。
【0070】
高温の製氷水は冷媒により結氷されるのに、低温の製氷水より時間がかかることになり、前記揺動板の揺動回転を低速にしても前記製氷水に十分な揺動が発生しつつ結氷することができるので、透明氷を生成する際に透明度を向上させることができる。
【0071】
前記製氷水供給管30の一部を前記圧縮機4の外周面を囲むように配置して、前記圧縮機から供給される熱を受け入れて製氷水の温度を上げることができる。例えば、製氷水供給源から一定の温度で供給された製氷水は、前記圧縮機に配置された製氷水供給管を過ぎながら温度が上がって前記製氷モジュールに供給され、温度が上がった製氷水は前記冷却突起の冷媒によって結氷するのに、低温の製氷水より時間がかかるようになり、前記揺動板の揺動回転を低速にしても結氷することができるので、透明氷を生成する際に透明度を向上させることができる。
【0072】
前記冷却突起の周辺に透明氷が所定の厚さに生成された後、透明氷の外周面に半透明氷を生成させる(ステップS2)。
【0073】
前記半透明氷生成ステップは、前記冷却モジュールの周辺の製氷水を冷却させて、前記揺動板を回転させることなく冷却し、前記冷却モジュールの周辺に半透明氷を結氷させる。噴射方式による透明氷の生成方法は、前記のような半透明氷または不透明氷の生成が難しいが、本発明は、前記揺動板を揺動回転させることなく結氷させると、上述したような半透明氷を容易に生成することができる。
【0074】
そして、前記透明氷生成ステップと前記半透明氷生成ステップとを交互に繰り返すステップS3を有する。
【0075】
これにより、1つの氷に透明氷部分と半透明氷部分が交互に生成され、断面から見て、まるで木の年齢のように生成される氷を得ることができる。
【0076】
以上、説明した本発明は、前記実施形態及び添付図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であることは、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者には明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】