(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】ポッド型車両
(51)【国際特許分類】
B60R 21/02 20060101AFI20230518BHJP
B60R 21/0134 20060101ALI20230518BHJP
B62D 27/06 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
B60R21/02
B60R21/0134
B62D27/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552338
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 IB2021051670
(87)【国際公開番号】W WO2021137203
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2020-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】202010359207.3
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2020/061837
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522343784
【氏名又は名称】ツェ,ホー,クン
【氏名又は名称原語表記】TSE,Ho Keung
【住所又は居所原語表記】Room 1003,BLK5,Lihe Apartment,2Yin Tong Street,Eastern District,Zhongshan City,Guangdong 528403(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100177127
【氏名又は名称】▲高▼橋 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ツェ,ホー,クン
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BC33
3D203BC34
(57)【要約】
内部にあるシャーシから分離可能なポッドを有する車両であって、車両は、ポッドをシャーシから取り外させ、さらに、危険時の避難またはポッド移送の際、ポッドを車両から部分的または完全に外して移動させる制御システムを有する。その後、制御システムは、別の車両がシャーシ内に侵入するのを防止するためのデバイスをアクティブにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離可能部を支えることが可能である陸上車用の装置であって、そのように支えられる場合、前記分離可能部は比較的低い高さで車両の支持部に置かれ、前記車両に着脱可能に固定され、
衝撃抵抗/衝撃吸収手段と、
前記車両が前記分離可能部を支えていない場合、前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段をアクティブにするための制御手段と、
を含む、装置。
【請求項4】
前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段の少なくとも一部が特定の位置まで移動または延在しているかを直接的または間接的に検出することによって、前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段が前記アクティブ化後に正常に機能するかを判定するための手段、
または、前記アクティブ化後、前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段が正常に機能しているかに関するユーザーによる判定を受信するための手段、
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
自律的に、あるいは人間の運転手によって、前記車両を運転するための要求を受信するための手段であって、前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段が正常に機能していると判定された場合、前記要求を承認し、それ以外の場合、前記要求を拒否する、もしくは、前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段が正常に機能していると判定された場合、許可された速度よりも遅い速度で前記車両を自律的に運転する、手段、または、
前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段が正常に機能していないと判定された場合、自律的に、もしくは人間の運転手によって前記車両を運転することに関する要求を受信するための手段を無効にするための手段、
をさらに含む、請求項4に記載の装置。
【請求項11】
比較的高い高さに前記支持部を上げるための手段をさらに含み、
前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段は、前記支持部と、前記支持部を上げるための前記手段とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
分離可能部を支えることが可能である陸上車用の装置であって、そのように支えられる場合、前記分離可能部は比較的低い高さで車両の支持部に置かれ、前記車両に着脱可能に固定され、
前記支持部を持ち上げるための持ち上げ手段と、
前記車両が前記分離可能部を支えていない場合、別の車両が前記車両に侵入することを防止するために、前記持ち上げ手段に、前記支持部を比較的高い高さに持ち上げさせるための制御手段と、
を含む、装置。
【請求項16】
陸上車用の装置であって、前記陸上車は分離可能部を有し、前記分離可能部は比較的低い高さで前記車両の支持部に置かれ、前記車両に着脱可能に固定され、
前記車両に関わる危険イベントまたは差し迫った危険イベントを検出するための手段と、
前記危険イベントまたは差し迫った危険イベントが検出された場合、前記分離可能部を前記車両から離れさせるための着脱手段と、
衝撃抵抗/衝撃吸収手段と、
制御手段であって、前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段の少なくとも一部を、前記分離可能部の移動によって残された第1の空間及び/または前記車両の外側にある第2の空間のうちの少なくとも一部に移動または延在させるが、前記車両の外側に部分的に移動し得る前記分離可能部によって現在占有されている第3の空間内に延在させないことによって、別の車両が前記車両に侵入することを防止する、制御手段と、
を含む、装置。
【請求項17】
前記制御手段は、前記分離可能部が前記車両から完全に外れて移動しているかを検出するための第1の手段、及び/または前記車両に対する前記分離可能部の位置を判定するための第2の手段を含み、
前記第1の手段及び/または前記第2の手段から取得された結果に基づいて、前記制御手段は、前記第1の空間及び/または前記第3の空間の寸法を判定する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
比較的高い高さに前記支持部を上げるための手段をさらに含み、
前記衝撃抵抗/衝撃吸収手段は、前記支持部と、前記支持部を上げるための前記手段とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の装置を含む、陸上車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許文献は、英国特許出願公開第2007051.2号明細書及びPCT出願PCT/IB2020/061837(「先行出願」)に対する優先権を主張し、それらの全内容は、本特許文献の開示の一部として、参照によって組み込まれる。そして、本特許文献が先行出願の全内容と違いがある場合、望ましくないが許容可能なものよりも望ましい代替案として考えるべきである。
【0002】
本発明は車両に関し、具体的には、人間または製品を運ぶための分離可能ポッドを有する車両に関する。
【背景技術】
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】英国特許出願公開第2007051.2号明細書
【特許文献2】PCT出願PCT/IB2020/061837
【特許文献3】米国特許出願15/929,449,が承認されました米国特許第11,254,272号明細書
【特許文献4】米国特許第9,076,471号明細書
【特許文献5】米国特許第6,357,813号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、車両内にいる乗客は衝突時にエアバッグによって保護されるが、重傷、または人命/物品の損失は、依然として避けられるわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の目的は、事故時に、車両のシャーシから、人間または製品を支えるために使用されるポッドを分離及び保護することによって、良質の保護を提供することである。
【0007】
したがって、本発明の別の目的は、事故時またはポッド移送時に、ポッドをシャーシから離すことを可能にすることである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ポッドが内部にあるシャーシから分離可能である、車両の概略図である。
【
図2】ポッドを持ち上げるための支持面4を伴う、車両の概略図である。
【
図3】バッテリーパック7を伴う車両の概略図である。
【
図4】バッテリーパック7が支持面4によってシャーシ底部8から持ち上げられている、車両の概略図である。
【0009】
上記の図は縮尺が比例していない場合があり、例えば、
図1では、ポッドとシャーシとの間のギャップについて、分かりにくくしないように、かなり誇張していることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に従って、そして
図1を参照すると、本発明の車両では、ポッドは、マルチポイント電気機械式ロックシステムであり得る取り付けデバイスによって、直接的または間接的に、シャーシに着脱可能に固定される。
【0011】
制御システムに制御されたハザード検出器が、衝突が起こり得るまたはシャーシ上で火災が起こり得るハザードを検出または予測するとき、制御システムは、取り付けデバイスをシャーシからポッド(「着脱ポッド」)を着脱させる。
【0012】
制御システムは、シャーシもしくはポッドに設置された、またはシャーシに部分的に及びポッドに部分的に設置された、または部分的もしくは完全にクラウドベースである、1つ以上の処理ユニットを含む任意の従来のコンピューティングシステムであり得ることに留意されたい。
【実施例1】
【0013】
第1の実施形態に従って、そして
図2を参照すると、シャーシフロアから、シャーシフロアの上にある任意の上向き突出部よりも上方の高さまで、伸縮自在駆動デバイス5によって支持面4を持ち上げさせることによって、制御システムは、支持面4の着脱されたポッドの水平移動(すなわち、横方向及び/または縦方向の移動)を可能にする(クッション6がポッドを持ち上げるために膨張しない場合、他の方法で、低い高さが許容可能になるであろう)。
【0014】
次に、制御システムは、ハザード検出器によって提供された衝突の情報に従った方向に、ポッドを衝突衝撃から逃れさせるまたは離れさせる。
【0015】
「先行出願」によって開示されている駆動機構、または任意の従来の駆動機構は、支持面4を持ち上げて、ポッドを水平に移動させるために使用できる。
【0016】
本発明の車両は支持面4を有さない場合がある。
図1を参照すると、車両は上向きに突出するヘッド1及びテール2を有し、支持面4がない場合、ポッドは横方向にだけ移動できる。
【0017】
本発明の車両は、ホイールの直径を縮小するために特別に設計されていない限り、及び/またはホイールがかなり低い高さでシャーシに取り付けられない限り、代わりに、平面のスケートボード型シャーシを有し得、道路走行用ホイールは上向き突出部だけがあり、そのような場合、支持面4は必要なくなる。
【0018】
支持面4は、シャーシに配置されたクッションデバイス(複数可)と交換され得、「先行出願」によって開示されたように、制御システムによってクッションデバイスを膨張させる場合、着脱されたポッドを押し上げるために、クッションデバイスはシャーシフロアの上にある空間を占有する。
【実施例2】
【0019】
第2の実施形態に従って、そして
図2を参照すると、従来のエアバッグであり得るクッション6はポッド内に配置され、膨張するとき、ポッドの下の空間を占有する。
【0020】
危険時の避難の際、クッション6は、上述の駆動機構及び/または外部衝撃によって、ポッドがシャーシから外れて移動させられるとき、制御システムからの特定の信号によって膨張し得る。
【0021】
具体的には、制御システムは、着脱されたポッドがシャーシフロア3(または、存在する場合、代わりに、支持面4)から離され、地面に当たる前に、ポッドのどの部分がシャーシから外れて移動しているかを判定または連続的に判定し、ひいては、外れて移動した部分の底部の表面(複数可)を保護するために、複数のクッション6の全てをその全範囲もしくは全動作範囲まで膨張させる。このとき、クッション6は、全て膨張しない場合がある、または、外れて移動する前に一部分だけ/部分的に膨張し得る。制御システムは、シャーシに対するポッドの位置を判定するために、レーザー距離センサ等の任意の従来の方法を使用し得ることよって、どの部分が外れて移動しているかを判定する。
【0022】
代替として、従来の自由落下検出デバイス(米国特許第9,076,471号明細書は、参照によって本明細書に組み込まれ、例示的で非限定的な例を提供する)を使用して、シャーシからのポッドの自由落下を検出し、制御システムに自由落下信号を発し得、それに応答して、上述の方法で、外れて移動した部分(代わりに、その部分はまだ外れて移動していない)の底部を保護するために、クッション6をその全範囲または全動作範囲まで膨張させる。
【実施例3】
【0023】
第3の実施形態に従って、危険時の避難の際、制御システムは、着脱されたポッドに好ましい移動方法を行わせる。移動方法は、存在する場合、支持面4によってポッドを持ち上げるならびに/もしくは傾けること、及び/またはポッドを水平に移動させること、及び/またはすぐにもしくは後で、移動を開始することを含み得る。
【0024】
そして、制御システムは、ポッドの移動を行わない場合、損失をもたらすものと比較するとき、より少ない損失(人命の損失、及び/または物品の損失、及び/または負傷等を含む)がもたられる場合、好まれるポッドの移動方法を判定する。
【0025】
望ましくは、制御システムは、予想されるそれらの各々の損失を比較することによって、例えば、シャーシから部分的または完全に外してポッドを横方向及び/または縦方向に移動させるために、2つ以上の可能な方法の中から、好ましい移動方法を見つけるべきである。可能な方法及び比較をより多く行うことで、結果は良くなる。好ましい移動方法として、移動しないことも考えられ得る。
【0026】
改善として、好ましい移動方法では、例えば、全自動運転によって、車両を移動させることが要求され得る。具体的には、好ましい移動方法では、車両をより低速度に減速させることが要求され得、及び/または、ポッドがシャーシから着脱され得る前に、新しい位置に到達しており、同様に、また、車両をその低速度に減速させること、及び/もしくはその新しい位置を移動させることが要求され得る、または、車両をさらに低速度に減速させることが要求され得、及び/もしくはポッドをシャーシから部分的または完全に外して移動させ得る前に、さらに、別の新しい位置に到達している。これは、ポッドが外部物体に衝撃すること、または外部物体がポッドに衝突することを回避する等の理由で行われる。
【0027】
上述の損失を判定するために、制御システムは、隣接する経路、車線、近くの領域等に存在する人間、動物、車両等の、本発明の車両の外部にある物体を検出及び識別することが可能であり、この能力を達成するために、従来の車線変更補助及び/または全自動運転で使用される技術を含み得る。
【実施例4】
【0028】
第4の実施形態に従って、制御システムに制御されて、シャーシフロア3(または、存在する場合、代わりに、支持面4)の1つ以上の側面にヒンジで連結されたバリアプレート(複数可)が存在し、従来技術、例えば、電動式のカーテイルゲート技術を使用することによって、ポッドの水平移動を防止するために、垂直上方位置、すなわち、バリア位置へのポッド水平移動を可能にするために、水平下方位置または垂直下方位置(すなわち、非バリア位置)から移動でき、米国特許第6,357,813号明細書は、例示的で非限定的な例として、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0029】
危険時の避難またはポッド移送の際、制御システムは、外部衝撃等によって好ましくない方向(複数可)に意図しないでポッドが移動することを防止するために、選択的に、バリアプレート(複数可)をバリア位置にセットする。
【0030】
制御システムは、さらに、直立したバリアプレート(複数可)に対面するポッドの側面(複数可)を保護するために、クッション(複数可)を膨張させ、ポッドがバリアプレート(複数可)に衝突することを防止し得る。クッション(複数可)は、ポッドまたはバリアプレート(複数可)に配置され得る。
【0031】
好ましい移動方法を判定するための上述の革新的なアプローチは、また、好ましくない方向(複数可)、すなわち、より大きい損失をもたらす移動方向(複数可)を判定するために使用される。代替として、好ましくない方向(複数可)は、単に、ポッドを検出/予想される衝撃を直接的にまたはさらに直接的に直面するように導く方向(複数可)であり得る。
【0032】
また、バリアプレートは、他の従来の制御可能バリアと交換できることにも留意されたい。そして、そのようなバリアを用いると、危険時の避難の際にポッドを水平に移動させるための上述の駆動機構は、全く必要ではなくなくなり、駆動機構をなくし、コストを節約できるで、絶対に、これはさらに望まれる。
【実施例5】
【0033】
第5の実施形態に従って、外部衝撃及び/または上述の駆動機構(複数可)によって生じる任意のポッド移動により、シャーシに着脱可能に固定されるとき、ポッド自体によって最初に占有されていたシャーシに空間が残る。
【0034】
制御システムは、シャーシに対するポッド位置を判定するために上述の技術を使用することによって、または、ポッドがシャーシから完全に外れて移動しているかを検出するために圧力センサを使用することによって、そのように残された空間またはポッドによって現在占有されている空間の寸法を判定し、次に、別の車両等の外部物体が車両内に侵入することを防止するために、従来のデバイスを残された空間を部分的または完全に占有するような位置まで延在/移動させる、またはさらに、車両から外側に延在/移動させるが、ポッドによって現在占有されている空間内に延在/移動できなく、これにより、ポッドとの衝突をもたらす(車両は、また、上述のバリアプレート(複数可)、追加の衝撃を抵抗/吸収する材料及び/または構造に取り付けられるまたは接続されるかに関係なく、支持面4、伸縮自在駆動デバイス5を含み得る)。
【0035】
代替として、伸縮自在駆動デバイス5ではない場合がある伸縮自在駆動デバイスは、加圧流体によって(または、バネ作用によって)内圧がかかり得、ひいては、ポッドが離れ、空間を残すときはいつでも、空間の周りに配置されたその伸縮自在駆動デバイスは、加圧流体によって空間内に自動的に延在する。
【0036】
流体加圧デバイスは、制御システムに制御された流体加圧デバイスまたは予圧流体を貯蔵する容器によって供給される。
【0037】
別の代替として、支持面4は、同様の寸法(代替として、フレーム構造)のトラスと交換され得る。支持面4またはトラスが、最低高さ、すなわち、シャーシフロアの高さから、より高い高さに持ち上げられる場合、ポッドによって最初に占有されていた空間を良好に占有し、別の車両によって良好に侵入を防止する。
【実施例6】
【0038】
第6の実施形態に従って、制御システムは、上述の圧力センサまたは任意の他の従来技術によって、本発明の車両がポッドを支えているかを判定し、また、ポッドが車両にないかを判定し、次に、制御システムは、上述の侵入防止デバイス(複数可)またはその一部を、アクティブにさせる、または既定位置に移動/延在させる。制御システム自体がポッドを本発明の車両から外して移動させる場合、判定は不要になる。
【0039】
望ましくは、制御システムは、侵入防止デバイス(複数可)またはその一部が既定位置まで移動/延在しているかを直接的または間接的に検出することによって、侵入防止デバイス(複数可)が正常に機能しているかを判定するための従来の移動/位置検出器であり得るセンサを有する。一例として、侵入防止デバイス(複数可)またはその一部の物理位置を検出するためのデバイスが使用される。別の例として、侵入防止デバイス(複数可)またはその一部が、既定位置まで移動/延在するときの位置にそのデバイスをロックし、デバイス(複数可)が正常にロックされているかどうかを示す信号を制御システムに送信するための専用の電気機械式ロックが使用される。
【0040】
代替として、目視検査によって、侵入防止デバイス(複数可)またはその一部が既定位置まで移動/延在しているかを知ることができ、したがって、制御システムに関連付けられた入力デバイスは、侵入防止デバイス(複数可)が正常に機能しているかどうかを示すためのユーザー入力を受信するために使用され得る。
【0041】
侵入防止デバイス(複数可)が正常に機能していないと判定された場合、本発明の車両がある場所から目的地まで走行するとき、制御システムは、侵入防止デバイス(複数可)が正常に機能する場合に許可された速度よりも遅い速度で、以下の場所が利用可能である場合、本発明の車両を近くの駐車場所まで運転させ、そうでなければ、目的地まで運転させる。
【0042】
他方では、制御システムが運転の要求(自律運転要求または非自律運転要求)を受信したが、侵入防止デバイス(複数可)が正常に機能していないと判定された場合、制御システムは要求を拒否し得る、または特定の速度で、もしくは許可された速度よりも遅い別の速度で自律的に運転し得る。代替として、侵入防止デバイス(複数可)が正常に機能していないと判定された場合、制御システムは、そのような要求を直接的または間接的に受信することから無効になり得る。
【0043】
制御システムは、また、修復を要求するために警告信号を発して、及び/または他の近くの車両に潜在的リスクを警告する。信号は、車両の位置等の本発明の車両を識別するための情報と、侵入防止デバイスの異常機能に関する情報とを含む。その情報は、望ましくは、本発明の車両の速度、方向に関する情報、及び/または本発明の車両がシャーシ底部にオイルタンクもしくはバッテリーパックを有することと、侵入により爆発が生じ得ること等、危険が伴い得ることを示す情報を含み得る。
【実施例7】
【0044】
第7の実施形態に従って、第1の実施形態に開示された上述の方法で、ポッド移送の際、ポッドは、少なくとも1つの上向き突出部よりも上方の高さまで持ち上げられている本発明の車両の支持面4の中/外に向かって、隣接プラットフォームまで水平に移動させられる。
【0045】
隣接プラットフォームは、実質的に同じ高さまで持ち上げられている支持面4を伴う別の車両であり得る。
【0046】
ポッド収容プラットフォームの制御システムは、支持面4に、移送されたポッドをシャーシフロアの高さまで下げさせ、取り付けデバイスによって、ポッドをシャーシに直接的または間接的に着脱可能に固定させる。
【0047】
ポッドの移動は、協調して、ポッド移送機もしくは収容プラットフォームの制御システム、または両方の制御システムに制御される。
【実施例8】
【0048】
第8の実施形態に従って、
図3を参照すると、本発明の車両は、望ましくは、空間を節約するためにシャーシ底部8に部分的または全体的に埋め込まれたバッテリーパック7を有する。
【0049】
そして、制御システムは、シャーシ底部が、道路上の石であり得るシャーシ底部の下の障害物に当たるかを検出するためのLIDAR、カメラ、及び/または衝撃検出器であり得るセンサ(
図3、
図4に示されない)を有する。
【0050】
図4を参照すると、そのような障害物が検出される場合、制御システムは、支持面4を持ち上げさせることによって、支持面4の下面に着脱可能に固定されたバッテリーパック7を、バッテリーパック7の損傷を防止するまたは少なくとも減らす高さまで持ち上げる。
【0051】
その高さは、以下の情報が利用可能である場合、検出された障害物のサイズ及び/または高さに従って判定するべきである。
【0052】
本発明の車両が障害物を通過した後、制御システムは、支持面4をシャーシフロアの高さまで下げさせる。
【0053】
ポッドは、プロセス全体にわたって、シャーシに間接的に着脱可能に固定され、すなわち、シャーシと接続される支持面4に着脱可能に固定されることに留意されたい。
【0054】
上記の実施形態/例/代替案はほんの一例として与えられることに留意されたい。そして、それらの任意の1つまたは任意の組み合わせにおける様々な変更及び修正は、本発明の主旨から逸脱することなくなされ得ることは、当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0055】
1 シャーシヘッド
2 シャーシテール
3 シャーシフロア
4 支持面
5 伸縮自在駆動デバイス
6 クッション
7 バッテリーパック
8 シャーシボトム
【手続補正書】
【提出日】2023-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の安全性を向上させるための装置であって、前記車両はシャーシ及びポッドを含み、前記ポッドは少なくとも1つの人及び/または荷物を支えるためのものであり、前記ポッドは前記シャーシに置かれ、前記シャーシに対する前記ポッドのあらゆる移動を防止するために、直接的または間接的に、前記シャーシに着脱可能に固定され、前記装置は、
前記車両に関わる危険イベントまたは差し迫った危険イベントを検出して、関連の危険信号を提供するための第1の検出手段と、
前記ポッドを前記シャーシに対して移動させることを可能にするように、前記危険信号によって、直接的または間接的に、前記ポッドを前記シャーシから着脱させるための着脱手段と、
前記車両の外部にある物体を検出するための第2の検出手段であって、前記物体は検出された前記危険イベントまたは差し迫った危険イベントに関連しない、前記第2の検出手段と、
前記物体を識別するための識別手段と、
直接的または間接的に、前記危険信号、前記第2の検出手段の検出結果、及び前記識別手段の識別結果に基づいて、前記ポッドを移動させる2つ以上の方式に対してもたらされ得る損失を予測するための予測手段と、
前記予測手段が予測した損失に基づいて、前記2つ以上の方式の中から、少なくとも1つの方式を選択するための選択手段と、を含み、
前記ポッドは前記車両の道路走行用ホイールを含まない、装置。
【請求項2】
前記2つ以上の方式は、前記ポッドの移動が必要ではない方式を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記予測手段がより少ない損失と予測した方式を選択する、言い換えれば、
前記選択手段は、前記予測手段が人命及び/もしくは物品の損害がより少なくなると予測した方式を選択する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記予測手段がより多い損失と予測した方式を選択しない、言い換えれば、
前記選択手段は、前記予測手段が人命及び/もしくは物品の損害がより大きくなると予測した方式を選択しない、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記2つ以上の方式は、前記シャーシから部分的もしくは完全に外して、及び/または異なる方向に、及び/または異なる時間に、前記ポッドを移動させることを含み、
前記選択手段が選択した方式に従って、前記ポッドを前記シャーシに対して移動させるための移動手段をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記選択手段が選択する方式のそれぞれは、前記ポッドが移動し得る好ましい方向を含み、前記ポッドが前記好ましい方向に移動することを可能にするバリア手段をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記選択手段が選択しない方式のそれぞれは、前記ポッドが移動すべきではない好ましくない方向を含み、前記ポッドが前記好ましくない方向に移動することを防止するためのバリア手段をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記危険イベントまたは差し迫った危険イベントは、衝突衝撃または火災の危険である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
車両の安全性を向上させるための装置であって、前記車両はシャーシ及びポッドを含み、前記ポッドは少なくとも1つの人及び/または荷物を支えるためのものであり、前記ポッドは前記シャーシの支持面に置かれ、前記シャーシに対する前記ポッドのあらゆる移動を防止するために、直接的または間接的に、前記支持面に着脱可能に固定され、前記装置は、
前記車両に関わる衝撃または差し迫った衝撃を検出して、関連の衝撃信号を提供するための検出手段と、
前記ポッドを前記支持面に対して移動させることを可能にするように、前記ポッドを前記シャーシから着脱させるための着脱手段と、
前記衝撃信号によって、直接的または間接的に、状況に応じて、前記着脱手段の動作を制御する処理手段と、
持ち上げ手段と、を含み、
前記衝撃信号によって、直接的または間接的に、前記持ち上げ手段に前記支持面を持ち上げさせる及び/または傾かせることを行わせる前記処理手段であって、前記処理手段は前記持ち上げ手段を制御して、前記ポッドを前記支持面から部分的または完全に外して横方向及び/または縦方向に移動することを可能または容易にする目的のためのものであり、そして前記ポッドの移動は前記車両に関わる衝撃及び/または移動手段による可能性もあり、また、前記支持面を持ち上げさせる及び/または傾かせることは、他の車両が前記車両内に侵入することを防止する前記支持面を利用する目的のためのものであり、
前記ポッドは前記車両の道路走行用ホイールを含まない、装置。
【請求項10】
前記処理手段は、また、前記持ち上げ手段に、前記支持面を隣接プラットフォームと同じまたは実質的に同じ高さに持ち上げさせるためのものであり、その結果、前記ポッドは、前記支持面の中に/から外れて、水平または実質的に水平に、前記隣接プラットフォームから外れて/の中に移動でき、前記移動手段に、直接的または間接的に、前記支持面と前記隣接プラットフォームとの間に前記ポッドを移動させるためのものである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
車両の安全性を向上させるための装置であって、前記車両はシャーシ及びポッドを含み、前記ポッドは少なくとも1つの人及び/または荷物を支えるためのものであり、前記ポッドは前記シャーシに置かれ、前記シャーシに対する前記ポッドのあらゆる移動を防止するために、直接的または間接的に、前記シャーシに着脱可能に固定され、前記装置は、
前記ポッドが前記シャーシから部分的または完全に外れて移動するかを判定するための位置判定手段であって、前記ポッドによって残された空間に関連する空間情報を生成するためのものである、前記位置判定手段と、
衝撃抵抗/吸収デバイスと、
別の車両が前記ポッドによって残された空間内に侵入するのを防止するために、直接的または間接的に前記空間情報に基づいて、前記衝撃抵抗/吸収デバイスの少なくとも一部を移動または延在させるための侵入防止手段と、を含み、
前記ポッドは前記車両の道路走行用ホイールを含まない、装置。
【請求項12】
車両の安全性を向上させるための装置であって、前記車両はシャーシ及びポッドを含み、前記ポッドは少なくとも1つの人及び/または荷物を支えるためのものであり、前記ポッドは前記シャーシに置かれ、前記シャーシに対する前記ポッドのあらゆる移動を防止するために、直接的または間接的に、前記シャーシに着脱可能に固定され、前記装置は、
前記ポッドを移動させるための移動手段と、
衝撃抵抗/吸収デバイスと、
前記移動手段に、前記ポッドを前記シャーシから部分的または完全に外して移動させるための制御手段であって、移動された前記ポッドによって残された空間内に別の車両が侵入するのを防止するために、状況に応じて、前記衝撃抵抗/吸収デバイスの少なくとも一部を移動または延在させる、前記制御手段と、を含み、
前記ポッドは前記車両の道路走行用ホイールを含まない、装置。
【請求項13】
車両の安全性を向上させるための装置であって、前記車両はシャーシ及びポッドを含み、前記ポッドは少なくとも1つの人及び/または荷物を支えるためのものであり、前記ポッドは前記シャーシに置かれ、前記シャーシに対する前記ポッドのあらゆる移動を防止するために、直接的または間接的に、前記シャーシに着脱可能に固定され、前記装置は、
デバイス自体の材料強度に依存し、内部のあらゆる流圧でない衝突衝撃に抵抗する衝撃抵抗/吸収デバイスを含み、
前記衝撃抵抗/吸収デバイスの少なくとも一部が、前記ポッドの移動によって生じた空間の少なくとも一部を占めるように内圧によって自動的に移動または拡張することにより、前記ポッドが前記シャーシから部分的または完全に移動された後に他の車両が前記空間に侵入するのを防止するために、前記衝撃抵抗/吸収デバイスは前記シャーシに配置され、
前記ポッドは前記車両の道路走行用ホイールを含まない、装置。
【請求項14】
車両の安全性を向上させるための装置であって、前記車両はシャーシ及びポッドを含み、前記ポッドは少なくとも1つの人及び/または荷物を支えるためのものであり、前記ポッドは前記シャーシに置かれ、前記シャーシに対する前記ポッドのあらゆる移動を防止するために、直接的または間接的に、前記シャーシに着脱可能に固定され、前記装置は、
前記ポッドの一部が前記シャーシから移動し、関連信号を提供するかを判定するための移動検出手段と、
前記ポッドに配置される1つ以上のクッションを含む緩衝デバイスと、
直接的または間接的に、前記関連信号に応答して、前記1つ以上のクッションを含む緩衝デバイスをアクティブにするためのアクティブ手段と、を含み、
アクティブになった前記1つ以上のクッションを含む緩衝デバイスは、前記シャーシから外れて移動した前記ポッドの下にある1つの空間またはより多くの空間を占有する一方で、
アクティブになる前の前記1つ以上のクッションを含む緩衝デバイスは、前記1つの空間またはより多くの空間を専有していない状態であり、ここで、
前記ポッドは前記車両の道路走行用ホイールを含まない、装置。
【請求項15】
車両の安全性を向上させるための装置であって、前記車両はシャーシ及びポッドを含み、前記ポッドは少なくとも1つの人及び/または荷物を支えるためのものであり、前記ポッドは前記シャーシの支持面に置かれ、前記シャーシに対する前記ポッドのあらゆる移動を防止するために、直接的または間接的に、前記支持面に着脱可能に固定され、前記装置は、
前記支持面の下面に固定される、または着脱可能に固定される、エネルギーを前記車両に提供するためのデバイスと、
前記シャーシの底面が道路上の物体に当たっているまたは当たりそうであるかを検出し、関連の危険信号を発するための検出手段と、
前記デバイスと一緒に、前記支持面を持ち上げるために、直接的または間接的に、前記危険信号によって起動される持ち上げ手段と、を含み、
前記ポッドは前記車両の道路走行用ホイールを含まない、装置。
【請求項16】
前記デバイスは電池であり、前記物体は障害物であり、前記危険信号は前記障害物のサイズまたは高さの情報を含み、前記持ち上げ手段は、前記サイズまたは高さの情報に従って、前記支持面を一定の高さまで持ち上げる、請求項15に記載の装置。
【国際調査報告】