IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニバーシティ オブ ワシントンの特許一覧 ▶ ランプロジェン, インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-521550トランスデューサー、ナノ粒子トランスデューサーデバイス、およびシステム、ならびに関連する使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】トランスデューサー、ナノ粒子トランスデューサーデバイス、およびシステム、ならびに関連する使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/34 20060101AFI20230518BHJP
   G01N 21/78 20060101ALI20230518BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20230518BHJP
   C12Q 1/25 20060101ALI20230518BHJP
   C12Q 1/26 20060101ALI20230518BHJP
   C12Q 1/32 20060101ALI20230518BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
C12M1/34 Z
G01N21/78 C
G01N33/543 575
C12Q1/25
C12Q1/26
C12Q1/32
C09K11/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552832
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(85)【翻訳文提出日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 US2021027454
(87)【国際公開番号】W WO2021211820
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/012,002
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】517075883
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ワシントン
【氏名又は名称原語表記】University of Washington
【住所又は居所原語表記】4545 Roosevelt Way NE, Suite 400, Seattle, Washington 98105 US
(71)【出願人】
【識別番号】518431358
【氏名又は名称】ランプロジェン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チウ, ダニエル ティー.
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ハオビン
(72)【発明者】
【氏名】ユー, ジアンボ
【テーマコード(参考)】
2G054
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G054AA07
2G054AB02
2G054AB05
2G054BB07
2G054BB13
2G054CA21
2G054CA22
2G054CA23
2G054CA25
2G054CE02
2G054EA03
2G054EA07
2G054EB02
2G054FA12
2G054FA33
2G054FA42
2G054FB03
2G054GA03
2G054GB10
2G054GE06
2G054JA01
4B029AA07
4B029BB16
4B029BB20
4B029FA12
4B063QA01
4B063QQ03
4B063QQ41
4B063QQ64
4B063QQ67
4B063QQ70
4B063QQ79
4B063QQ80
4B063QR02
4B063QR03
4B063QR04
4B063QR66
4B063QS03
4B063QS28
4B063QS36
4B063QX01
(57)【要約】
分析物の濃度を決定するためのトランスデューサー、キット、システム、および方法が記載される。一実施形態では、トランスデューサーは、発色団と、発色団と物理的に会合した酵素と、を含む。一実施形態では、トランスデューサーは、複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成されている。一実施形態では、複数の反応要素は、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含む。一実施形態では、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される。
【選択図】図7I
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物の濃度測定のためのナノ粒子トランスデューサーであって、
発色団を含むナノ粒子と、
前記ナノ粒子と物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)依存性酵素またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)依存性酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、ナノ粒子トランスデューサー。
【請求項2】
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、請求項1に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項3】
前記分析物が、NADHを含む、請求項1に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項4】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項5】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項6】
前記ナノ粒子が、ポリマードット(Pdot)を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項7】
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項8】
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項9】
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項10】
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項11】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項12】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の前記濃度によって決定される、請求項11に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項13】
前記蛍光比が、前記分析物の濃度とともにレシオメトリック的に変動する、請求項12に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項14】
前記発色団から発せられる蛍光が、分析物の濃度の範囲内の前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項15】
分析物の濃度測定のためのトランスデューサー基材であって、
基材に結合された発色団を含むナノ粒子と、
前記基材に結合されており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、トランスデューサー基材。
【請求項16】
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、請求項15に記載のトランスデューサー基材。
【請求項17】
前記分析物が、NADHを含む、請求項15に記載のトランスデューサー基材。
【請求項18】
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、請求項15~17のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項19】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載のトランスデューサー基材。
【請求項20】
前記酵素が、グルコースオキシダーゼである、請求項15に記載のトランスデューサー基材。
【請求項21】
前記複数の反応要素の反応要素が、酸素を含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記酸素の濃度によって決定される、請求項15に記載のトランスデューサー基材。
【請求項22】
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、請求項15~21のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項23】
前記酵素が、前記ナノ粒子に結合されていない、請求項15~22のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項24】
前記基材が、紙基材である、請求項15~23のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項25】
前記酵素が、前記基材に共有結合されている、請求項15~24のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項26】
前記ナノ粒子が、前記基材に共有結合されている、請求項15~25のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項27】
前記酵素が、前記基材と物理的に会合している、請求項15~23のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項28】
前記酵素および前記ナノ粒子が、前記基材上に凍結乾燥される、請求項27に記載のトランスデューサー基材。
【請求項29】
前記酵素が、スポット上で前記ナノ粒子に隣接して前記基材に結合されている、請求項15~28のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項30】
前記酵素が、第1の酵素であり、前記ナノ粒子が、第1のナノ粒子であり、前記発色団が、第1の発色団であり、前記反応が、第1の反応であり、
前記トランスデューサー基材が、
前記基材に結合された第2の発色団を含む第2のナノ粒子と、
第2の複数の反応要素を含む第2の反応を触媒するように構成された前記基材に結合された前記第1の酵素とは異なる第2の酵素と、
前記第2の複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の第2の反応物および1つ以上の第2の生成物を含み、前記第2の発色団から発せられる蛍光の量が、前記第2の複数の反応要素の第2の反応要素の濃度によって決定される、請求項29に記載のトランスデューサー基材。
【請求項31】
前記スポットが、第1のスポットであり、前記第2のナノ粒子が、前記第1のスポットから分離した第2のスポット上で前記基材に結合されている、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項32】
前記第2のナノ粒子が、前記スポット上で前記基材に結合されている、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項33】
前記第1の発色団が、第1の吸収波長範囲の光を吸収するように構成されており、前記第2の発色団が、前記第1の吸収波長範囲とは異なる第2の吸収波長範囲の光を吸収するように構成されている、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項34】
前記第1の発色団から発せられる前記蛍光が、第1の発光波長範囲にあり、前記第2の発色団から発せられる蛍光が、前記第1の発光波長範囲とは異なる第2の発光波長範囲にある、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項35】
前記第2の反応が、前記第1の反応とは異なる、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項36】
前記第2の反応が、前記第1の反応と同じである、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項37】
ナノ粒子およびそれに結合された酵素を含有する前記基材上のスポットの数が、2、4、6、8、24、96、384、および1536から選択される、請求項29~36のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項38】
ナノ粒子およびそれに結合された酵素を含有する前記基材上のスポットの数が、2~10、2~50、2~100、2~500、または2~1000の範囲である、請求項29~37のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項39】
前記スポットのサイズが、約1μm~約500μmの範囲である、請求項29~38のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項40】
前記基材が、流体試料を前記スポットにウィッキングさせるように構成されている、請求項15~39のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項41】
前記ナノ粒子が、Pdotを含む、請求項15~40のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項42】
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、請求項15~41のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項43】
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、請求項15~42のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項44】
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、請求項15~43のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項45】
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、請求項15~43のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項46】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、請求項15~45のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項47】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の前記濃度によって決定される、請求項46に記載のトランスデューサー基材。
【請求項48】
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、請求項47に記載のトランスデューサー基材。
【請求項49】
分析物の濃度測定のためのキットであって、
発色団を含むナノ粒子と、
前記ナノ粒子と物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、キット。
【請求項50】
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、請求項49に記載のキット。
【請求項51】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項50に記載のキット。
【請求項52】
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、請求項49~51のいずれか一項に記載のキット。
【請求項53】
前記分析物が、NADHを含む、請求項49~52のいずれか一項に記載のキット。
【請求項54】
前記酵素が、グルコースオキシダーゼである、請求項49に記載のキット。
【請求項55】
前記複数の反応要素の反応要素が、酸素を含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記酸素の濃度によって決定される、請求項49に記載のキット。
【請求項56】
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、請求項49~55のいずれか一項に記載のキット。
【請求項57】
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されていない、請求項49~55のいずれか一項に記載のキット。
【請求項58】
前記酵素および前記ナノ粒子が、ヒドロゲルビーズに封入される、請求項49~57のいずれか一項に記載のキット。
【請求項59】
前記酵素および前記ナノ粒子が、凍結乾燥粉末中にある、請求項49~57のいずれか一項に記載のキット。
【請求項60】
前記酵素および前記ナノ粒子が、共通の溶媒中に分散されている、請求項49~57のいずれか一項に記載のキット。
【請求項61】
前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記1つ以上の反応物の反応物の濃度によって決定される、請求項49~60のいずれか一項に記載のキット。
【請求項62】
前記ナノ粒子が、Pdotを含む、請求項49~61のいずれか一項に記載のキット。
【請求項63】
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、請求項49~62のいずれか一項に記載のキット。
【請求項64】
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、請求項49~63のいずれか一項に記載のキット。
【請求項65】
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、請求項49~64のいずれか一項に記載のキット。
【請求項66】
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、請求項49~65のいずれか一項に記載のキット。
【請求項67】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、請求項49~66のいずれか一項に記載のキット。
【請求項68】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、請求項67に記載のキット。
【請求項69】
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、請求項68に記載のキット。
【請求項70】
分析物の濃度測定のためのトランスデューサーであって、
半導体発色団ポリマーを含む発色団と、
前記半導体発色団ポリマーと物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、トランスデューサー。
【請求項71】
前記半導体発色団ポリマーが、縮合状態にない、請求項70に記載のトランスデューサー。
【請求項72】
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、基材に結合されている、請求項70または71に記載のトランスデューサー。
【請求項73】
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、凍結乾燥粉末中にある、請求項70~72のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項74】
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、共通の溶媒中に分散されている、請求項70または71に記載のトランスデューサー。
【請求項75】
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、請求項70~74のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項76】
前記分析物が、NADHを含む、請求項70~75のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項77】
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、請求項70~76のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項78】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項77に記載のトランスデューサー。
【請求項79】
前記酵素が、前記発色団に共有結合されている、請求項70~78のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項80】
前記発色団が、2つ以上の半導体発色団ポリマーのブレンドを含む、請求項70~79のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項81】
前記発色団が、前記半導体発色団ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体発色団ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、請求項70~79のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項82】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、請求項70~81のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項83】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、請求項82に記載のトランスデューサー。
【請求項84】
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、請求項83に記載のトランスデューサー。
【請求項85】
分析物の濃度測定のためのシステムであって、
請求項1に記載のナノ粒子トランスデューサー、請求項15に記載のトランスデューサー基材、請求項40に記載のキット、または請求項70に記載のトランスデューサーと、
前記ナノ粒子トランスデューサー、前記トランスデューサー基材、前記キット、または前記トランスデューサーの前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導するように構成された、照明源と、
前記発色団からの前記蛍光に基づいてシグナルを生成するように構成された、光検出器と、
コントローラーであって、前記照明源および前記光検出器に動作可能に結合されており、かつ前記コントローラーによって実行された場合、前記システムに、
前記照明源で前記発色団を照明すること、および
前記光検出器からの前記シグナルに基づいて前記分析物の濃度を決定することを実行させる、論理を含む、コントローラーと、を含む、システム。
【請求項86】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
前記光検出器が、前記シグナル蛍光波長におけるシグナル蛍光の量および前記対照蛍光波長における対照蛍光の量を検出するように構成されており、前記コントローラーが、前記コントローラーによって実行された場合、前記システムに、前記シグナル蛍光および前記対照蛍光の測定量に基づいて測定された蛍光比を決定することを含む動作を実行させる、論理をさらに含む、請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記分析物の前記濃度を決定することが、前記測定された蛍光比に基づく、請求項89に記載のシステム。
【請求項90】
前記システムが、請求項15に記載のトランスデューサー基材を受け入れるように成形される、請求項85~89のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項91】
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、Pdotであって、発色団および複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記Pdotに結合されたNADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素を含む、Pdotと接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記Pdotを照射して、それから蛍光を誘導することと、
前記Pdotからの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
【請求項92】
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、前記流体を、Pdotであって、発色団および複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記Pdotと物理的に会合した酵素を含む、Pdotと接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導することと、
前記発色団からの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
【請求項93】
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、発色団であって、半導体発色団ポリマーおよび複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記発色団と物理的に会合した酵素を含む、発色団と接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導することと、
前記発色団からの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
【請求項94】
前記発色団および前記酵素が、基材に結合されている、請求項91~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記発色団および前記酵素が、共通の溶媒中に分散されている、請求項91~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記発色団および前記酵素が、ヒドロゲルビーズに封入される、請求項91~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記酵素が、前記発色団に結合されていない、請求項91~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長で発せられる蛍光量と、対照蛍光波長で発せられる蛍光量との比率に等しい蛍光比を定義し、前記蛍光比が、流体成分の濃度によって決定される、請求項91~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記分析物の前記濃度を前記決定することが、前記シグナル蛍光波長および前記対照蛍光波長で蛍光を測定することと、前記測定に基づいて測定された蛍光比を決定することと、前記測定された蛍光比に基づいて前記分析物の濃度を決定することと、を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記流体が、血液、血漿、血清、リンパ液、唾液、涙、間質液、髄液、尿、汗、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項91~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記分析物が、アミノ酸である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記分析物が、NADHまたはNADPHである、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記分析物が、アスコルビン酸、グルタミン酸、ドーパミン、コレステロール、アルコールからなる群から選択される、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記分析物が、薬物または薬物代謝産物である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記分析物が、タンパク質、核酸分子、または伝達分子である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記分析物が、炭水化物、脂質、または代謝産物である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記分析物が、代謝産物である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記代謝産物が、乳酸、グルタミン酸、グルコース、およびβ-ヒドロキシ酪酸からなる群から選択される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記分析物が、糖である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月17日に出願された米国特許出願公開第63/012,002号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
体液の代謝産物のレベルを監視することは、病気や怪我を管理するための重要な要素である。例としては、フェニルケトン尿症(PKU)を評価するためのフェニルアラニン、糖尿病を管理するためのグルコース、メープルシロップ尿症を監視するためのロイシン、組織酸素化を評価するための乳酸、チロシン血症を検出するためのチロシン、虚血性脳卒中を評価するためのグルタミン酸、および非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を監視するためのα-ケトグルタル酸が挙げられる。目的の代謝産物の測定のためのバイオセンサーは、患者および介護者の両方の生活の質を著しく改善した。近年、医療診断およびヘルスケア管理の分野で、ポイント・オブ・ケア(POC)での使用に好適な、信頼性が高く、使いやすく、費用対効果の高い代謝産物監視の需要が高まっている。しかしながら、技術的な障害および課題が、一部の疾患関連代謝産物バイオセンサーの商品化を依然として妨げている。かかる課題としては、多重監視、特異性、可搬性、操作性、および長期的安定性を挙げることができる。
【0003】
最近、材料科学、生物学、および医学の学際的研究において、半導体ポリマードット(Pdot)がかなりの注目を集めている。小さい蛍光色素および無機半導体量子ドット(Qdot)と比較して、Pdotは、非常に望ましい特徴を示し、これには、高輝度、速い発光速度、大きい吸収断面積、優れた光安定性、無毒性、および汎用的な表面改質特徴が含まれる。このような卓越した特性により、細胞標識、インビボイメージング、単一粒子追跡、薬物/遺伝子送達、および腫瘍療法に広く使用される。加えて、小型のPdotベースのバイオセンサーが開発されており、これには、pH、温度、金属イオン、酸素、およびグルコース用のセンサーが含まれる。
【0004】
しかしながら、我々の知る限り、Pdotを使用した反応の従来の監視には、酵素とPdotの間の共有結合が必要とされてきた。このような共有結合は、分析物の濃度を決定する際のPdotの作製および展開の方法を制限する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらおよび関連する課題に対処するために、本開示は、ナノ粒子トランスデューサー、ナノ粒子トランスデューサーデバイスおよびシステム、ならびに関連する使用方法などのトランスデューサーを提供する。特定の実施形態では、および本明細書でさらに詳細に考察されるように、例えば、酵素とPdot、および/または酵素と発色団ポリマーが、共通の溶媒中に分散され、共通の基材に結合され、一緒に結合され、一緒にヒドロゲルビーズに封入される場合など、酵素は、Pdotおよび/または発色団ポリマーと物理的に会合する。
【0006】
したがって、一態様では、本開示は、分析物の濃度測定のためのナノ粒子トランスデューサーを提供し、ナノ粒子トランスデューサーが、発色団を含むナノ粒子と、ナノ粒子に結合されており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成されたNADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素と、を含み、複数の反応要素が、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される。
【0007】
別の態様では、本開示は、分析物の濃度測定のためのトランスデューサー基材を提供し、トランスデューサー基材が、基材に結合された発色団を含むナノ粒子と、基材に結合されており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、複数の反応要素が、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される。
【0008】
さらに別の態様では、本開示は、分析物の濃度測定のためのキットを提供し、キットが、発色団を含むナノ粒子と、ナノ粒子と物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、複数の反応要素が、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される。
【0009】
別の態様では、本開示は、分析物の濃度測定のためのトランスデューサーを提供し、トランスデューサーが、半導体発色団ポリマーを含む発色団と、半導体発色団ポリマーと物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、複数の反応要素が、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される。
【0010】
一態様では、本開示は、分析物の濃度測定のためのシステムを提供し、システムが、本明細書に記載の任意の実施形態によるナノ粒子トランスデューサー、本明細書に記載の任意の実施形態によるトランスデューサー基材、本明細書に記載の任意の実施形態によるキット、または本明細書に記載の任意の実施形態によるトランスデューサーと、ナノ粒子トランスデューサー、トランスデューサー基材、キット、またはトランスデューサーの発色団を照明してそこから蛍光を誘導するように構成された、照明源と、発色団からの蛍光に基づいてシグナルを生成するように構成された、光検出器と、コントローラー(照明源および光検出器に動作可能に結合されている)および論理(コントローラーによって実行された場合、システムに、照明源で発色団を照明すること、および光検出器からのシグナルに基づいて分析物の濃度を決定することを含む操作を実行させる)と、を含む。
【0011】
一態様では、本開示は、流体中の分析物の濃度を測定する方法を提供し、本方法は、流体を、Pdot(複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成されたPdotに結合された発色団と、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素と、を含む)と接触させることであって、複数の反応要素が、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、Pdotを照射してそこから蛍光を誘導することと、Pdotからの蛍光を測定することと、測定された蛍光に基づいて分析物の濃度を決定することと、を含む。
【0012】
一態様では、本開示は、流体中の分析物の濃度を測定する方法を提供し、本方法は、流体を、Pdot(複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された発色団と、Pdotと物理的に会合した酵素と、を含む)と接触させることであって、複数の反応要素が、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、Pdotを照射してそこから蛍光を誘導することと、Pdotからの蛍光を測定することと、測定された蛍光に基づいて分析物の濃度を決定することと、を含む。一実施形態では、発色団から発せられる蛍光は、シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しい蛍光比を定義する。一実施形態では、1つ以上の発色団から発せられる蛍光は、シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しい蛍光比を定義する。一実施形態では、蛍光比は、流体成分(fluid component)または流体成分(fluid constituent)の濃度によって決定される。
【0013】
一態様では、本開示は、流体中の分析物の濃度を測定する方法を提供し、本方法は、流体を、発色団(半導体発色団ポリマーと、複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された発色団と物理的に会合する酵素と、を含む)と接触させることであって、複数の反応要素が、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、発色団を照明してそこから蛍光を誘導することと、発色団からの蛍光を測定することと、測定された蛍光に基づいて分析物の濃度を決定することと、を含む。
【0014】
本概要は、簡略化された形態の概念の選択を紹介するために提供され、以下の詳細な説明でさらに説明される。本概要は、特許対象の主要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許対象の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく理解されるようになるため、本発明の前述の態様および付随する利点の多くが、より容易に理解されるようになるであろう。
【0016】
図1A】本開示の一実施形態による、PFBT Pdotの透過型電子顕微鏡(TEM)の画像である。
図1B】本開示の一実施形態による、動的光散乱(DLS)によって測定される図1AのPdotのサイズ分布を図示する。
図1C】本開示の一実施形態による、6つの異なるPdot:(左から右へ)PFO、PDHF、PFBT、PFBTTBT、PFTBT、およびDPA-CNPPV Pdotのゼータ電位を図示する。
図1D】本開示の実施形態による、白色光(上)および365nmの紫外線照明(下)下のPdot溶液の写真を含む。
図1E】本開示の一実施形態による、PFO、PDHF、PFBT、PFBTTBT、PFTBT、およびDPA-CNPPV Pdotの吸収スペクトル(1E)および発光スペクトル(1F)を図示する。
図1F】本開示の一実施形態による、PFO、PDHF、PFBT、PFBTTBT、PFTBT、およびDPA-CNPPV Pdotの吸収スペクトル(1E)および発光スペクトル(1F)を図示する。
図2A】本開示の一実施形態による、λex=380nmで励起することによって得られるNADH濃度の増加に伴うPFO Pdotの蛍光を図示する。
図2B】本開示の一実施形態による、λex=380nmで励起することによって得られるNADH濃度の増加に伴うPDHF Pdotの蛍光を図示する。
図2C】本開示の一実施形態による、λex=330nmで励起することによって得られるNADH濃度の増加に伴うPFBT Pdotの蛍光を図示する。
図2D】本開示の一実施形態による、λex=380nmで励起することによって得られるNADH濃度の増加に伴うPFBTTBT Pdotの蛍光を図示する。
図2E】本開示の一実施形態による、λex=380nmで励起することによって得られるNADH濃度の増加に伴うPFTBT Pdotの蛍光を図示する。
図3A】本開示の一実施形態による、生理学的に関連するNADH範囲(0~2mM)の存在下でのDPA-CNPPV Pdot(λex=385nm)の発光スペクトルである。
図3B】本開示の一実施形態による、レシオメトリック較正プロット(R/R;R=I458nm/I627nm;Rは、図3AのPdotの蛍光強度比を示す。
図3C】本開示の一実施形態による、より高いNADH濃度(2~10mM)の存在下での図3AのDPA-CNPPV Pdot(λex=385nm)の発光スペクトルを図示する。
図3D】本開示の一実施形態による、レシオメトリック較正プロット(R/R;R=I458nm/I627nm;Rは、図3CのPdotの蛍光強度比を示す。
図3E】本開示の一実施形態による、30分間の385nm光の励起下での図3AのDPA-CNPPV Pdotの光安定性を図示する。
図3F】本開示の一実施形態による、水性懸濁液中の図3AのDPA-CNPPV PdotのNADH(1mM)に対する応答曲線を図示する。
図3G】本開示の一実施形態による、様々な潜在的に干渉する生物学的に関連する分析物(1mM):(1)水、(2)NADH、(3)NAD、(4)グルコース、(5)H、(6)乳酸、(7)クエン酸、(8)Na、(9)K、(10)Ca2+、(11)Mg2+、(12)Clの存在下でのDPA-CNPPV Pdotの選択性を図示する。
図3H】本開示の一実施形態による、様々な潜在的に干渉する生物学的に関連する分析物(1mM):(1)水、(2)NADH、(3)NAD、(4)グルコース、(5)H、(6)乳酸、(7)クエン酸、(8)Na、(9)K、(10)Ca2+、(11)Mg2+、(12)Clの存在下でのDPA-CNPPV Pdotの発光スペクトルを図示する。
図3I】本開示の一実施形態による、NADH(1mM)に対するDPA-CNPPV Pdotの応答性の可逆性を図示する。
図3J】本開示の一実施形態による、0mMのNADHおよび2mMのNADHにおける、385nmでの励起によるDPA-CNPPV Pdotの発光スペクトルを示す。
図3K】本開示の一実施形態による、365nmのUV光で照明された溶液中の図3JのPdotの写真である。
図3L図3JのPdotの、NADHおよびNADPHに対する蛍光応答を図示しており、NADH、NADPH、NAD、およびNADPによるDPA-CNPPV/PSMA Pdotの滴定が、NADHおよびNADPHに対する蛍光応答のみを示し、NADおよびNADPが、Pdotの発光をクエンチせず、UV照射下、458nmで自ら発光しないことを示す。
図4A】本開示の一実施形態による、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で処理した、PFBT Pdot標識MCF-7細胞の重ね合わせた明視野および蛍光の顕微鏡画像である。
図4B】本開示の一実施形態による、図4Aの画像の三次元蛍光強度を図示する。
図4C】本開示の一実施形態による、NADHで処理した、PFBT Pdot標識MCF-7細胞の重ね合わせた明視野および蛍光の顕微鏡画像である。
図4D】本開示の一実施形態による、図4Cの画像の3次元蛍光強度を図示する。
図5A】本開示の一実施形態による、365nmのUV光による照明下で撮影された生理学的に関連するNADH範囲(0~2mM)の溶液中のDPA-CNPPV Pdotの写真である。
図5B】本開示の一実施形態による、図5Aの元の関心領域(ROI)をRGBチャネルに分割した画像を示す。
図5C】本開示の一実施形態による、生理学的に適切なNADH範囲(0~2mM)における、図5AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図5D】本開示の一実施形態による、NADHの不在下(0mM)における、図5AのPdotの蛍光強度の3次元分布を示す。
図5E】本開示の一実施形態による、NADH(2mM)の存在下における、図5AのPdotの蛍光強度の三次元分布を示す。
図5F】本開示の一実施形態による、NADHの不在下および存在下における、図5AのPdotのR/R蛍光強度比の平均を図示する。
図5G】本開示の一実施形態による、DPA-CNPPV Pdotおよびスマートフォンを用いるインビボにおけるNADHのレシオメトリック画像を概略的に示しており、NADH(0.1mmol)の有無でPdotをマウスに注入した場合、NADH濃度が増加するにつれて、発光が赤色から青色にシフトする。挿入図:2つの注入領域からの青チャネルの強度と赤チャネルの強度の比(B/R比)のヒートマップ画像が右に示され、高いB/R比(赤色)は、高いNADH濃度を示す。
図5H】本開示の一実施形態による、スマートフォンカメラを用いる生きたマウスにおける濃度依存的なレシオメトリックイメージングを示し、関心領域(正方形のマーキング領域)は、DPA-CNPPV Pdot単独(0.1mg/mL、100μL;0mMのNADH)またはNADHとともに(0.25、0.5、および1.0mM)のいずれかの皮下注射の位置に対応する。
図5I】本開示の一実施形態による、図5GのBチャネルおよびRチャネルの蛍光強度を示す。
図5J図5Hの関心領域についての平均R/Rを示す。
図6A】本開示の一実施形態による、様々な濃度のフェニルアラニン(0~2400μM)の存在下でのPdotの蛍光スペクトルを図示する。
図6B】本開示の一実施形態による、フェフェニルアラニン濃度の関数としての、図6AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図6C】本開示の一実施形態による、0~120μMのフェニルアラニン濃度での図6AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図6D】本開示の一実施形態による、軽度の良性HPAに対応する120~360μMのフェニルアラニン濃度での図6AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図6E】本開示の一実施形態による、軽度HPAに対応する360~600μMのフェニルアラニン濃度での図6AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図6F】本開示の一実施形態による、軽度PKUに対応する600~900μMのフェニルアラニン濃度での図6AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図6G】本開示の一実施形態による、中等度PKUに対応する900~1200μMのフェニルアラニン濃度での図6AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図6H】本開示の一実施形態による、古典的PKUに対応する1200~1800μMのフェニルアラニン濃度での図6AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図6I】本開示の一実施形態による、古典的なPKUに対応する1800~2400μMのフェニルアラニン濃度での図6AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図7A】本開示の一実施形態による、様々なフェニルアラニン濃度(100μLウェル-1)を有する溶液中のPdotをロードした96ウェルアッセイマイクロプレートの画像であり、強調表示された部分は、フェニルアラニン濃度を示している。
図7B】本開示の一実施形態による、図7Aの96ウェルアッセイマイクロプレートを画像化するように構成された、システムのデジタルカメラの画像である。
図7C】本開示の一実施形態による、フェニルアラニン濃度の関数としての図7BのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図7D】本開示の一実施形態による、マイクロプレートの読み出しのための本開示のシステムのスマートフォンカメラの画像である。
図7E】本開示の一実施形態による、フェニルアラニン濃度の関数としての図7DのPdotセンサーのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図7F】本開示の一実施形態による、トランスデューサー基材の画像である。
図7G】本開示の一実施形態による、図7Fのトランスデューサー基材を測定するための、蛍光プレートリーダーの画像である。
図7H】本開示の一実施形態による、図7Fのトランスデューサー基材から測定された蛍光からのフェニルアラニン濃度の関数としての図7AのPdotのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図7I】本開示の一実施形態による、フェニルアラニン感知機構を概略的に示し、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼが、NADによるL-フェニルアラニンの酸化を触媒し、NADHの化学量論的形成をもたらす。NADHは、627nmのPdotの蛍光発光をクエンチし、458nmでも蛍光を発する。フェニルアラニン濃度が増加すると、蛍光発光は赤色(Pdot発光)から青色(NADH発光)にシフトする。代謝産物の濃度は、デジタルカメラまたはプレートリーダーを用いて、溶液中または紙ベースのアッセイ形式で、青チャネル対赤チャネル発光強度の比率に基づいてレシオメトリック的に測定される。
図7J】本開示の一実施形態による、60μMのPhe(健常)における青チャネルおよび赤チャネルの単一のウェルでの画素強度分布を示す。
図7K】本開示の一実施形態による、1200μMのPhe(古典的PKUの閾値)における青チャネルおよび赤チャネルの単一のウェルでの画素強度分布を示す。
図7L図7Jおよび7Kと同様に、青チャネルおよび赤チャネル発光の平均比を示し、60μM~1200μMのPheの間の顕著な増加を示す。
図8】本開示の一実施形態による、Pdotにおける使用に好適な、共役ポリマー、PFO、PDHF、PFBT、PFBTTBT、PFTBT、DPA-CNPPV、およびDPA-CNPFの分子構造の例を示す。
図9】本開示の一実施形態による、室温における保管時間の関数としてのPBS溶液中のPFBT Pdotの流体力学的直径を図示し、エラーバーは、3つの測定値の標準偏差を表す。
図10】本開示の一実施形態による、NADPH濃度の増加に伴うPFO Pdotの蛍光発光(λex=380nm)を図示する。
図11】本開示の一実施形態による、NADHの不在下(F)および存在下(F)における、PFO Pdotの蛍光発光の比率F/Fを図示する。
図12A】本開示の一実施形態による、様々なNADH濃度(0~2mM)におけるPDHF Pdot(λem=428nm)のF/Fを図示する。
図12B】本開示の一実施形態による、様々なNADH濃度(0~2mM)におけるPFBT PdotのF/F(λem=546nm)を図示する。
図12C】本開示の一実施形態による、様々なNADH濃度(0~2mM)におけるPFBTTBT PdotのF/F(λem=626nm)を図示する。
図12D】本開示の一実施形態による、様々なNADH濃度(0~2mM)にけるPFTBT PdotのF/F(λem=638nm)を図示する。
図13】本開示の一実施形態による、λex=380nmで励起することによって得られた、NADH(10mM)の添加前後のPFBTTBT Pdotの蛍光発光を図示する。
図14】本開示の一実施形態による、NADH濃度(λex=385nm)の増加に伴うDPA-CNPF Pdotの蛍光を図示する。
図15】本開示の一実施形態による、特定の細胞標的化のための、PFBT Pdot生体共役の概略図である。
図16】本開示の一実施形態による、NAD(P)Hレベルによる代謝産物の定量の概略図である。NAD(P)H依存性酵素を用いて、特定の酵素反応が行われ、目的の分析物がNAD(P)によって酸化される。NAD(P)Hのレベルは、試料中の分析物のレベルに対応する。
図17A】、本開示の一実施形態による、様々な濃度の乳酸の存在下での乳酸デヒドロゲナーゼによるPdotセンサーの蛍光スペクトルを図示する。
図17B】本開示の一実施形態による、乳酸濃度の関数としての図17AのPdotセンサーのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図17C】本開示の一実施形態による、様々な濃度のグルタミン酸の存在下でのグルタミン酸デヒドロゲナーゼによるPdotセンサーの蛍光スペクトルを図示する。
図17D】本開示の一実施形態による、グルタミン酸濃度の関数としての図17CのPdotセンサーのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図17E】本開示の一実施形態による、様々な濃度のグルコースの存在下でのグルコースデヒドロゲナーゼによるPdotセンサーの蛍光スペクトルを図示する。
図17F】本開示の一実施形態による、グルコース濃度の関数としての図17EのPdotセンサーのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図17G】本開示の一実施形態による、様々な濃度のBHBの存在下でのβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)デヒドロゲナーゼによるPdotセンサーの蛍光スペクトルを図示する。
図17H】本開示の一実施形態による、BHB濃度の関数としての図17GのPdotセンサーのレシオメトリック較正プロット(R/R)である。
図18A】本開示の一実施形態による、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ(PheDH)の存在または不在下でのフェニルアラニンバイオセンサーの蛍光発光を示す。
図18B】本開示の一実施形態による、内因性NADHレベルのバックグラウンド補正を示す。PheDHを含まない図18Aのセンサーは、内因性NADHを測定し、PheDHを含む値からこの値を差し引くことで、フェニルアラニンの濃度が得られる。
図18C】本開示の一実施形態による、フェニルアラニンバイオセンサーを含有する血漿試料にフェニルアラニンでスパイクした、蛍光プレートリーダー(18C)およびデジタルカメラ(18D)を使用して測定された蛍光を示す。
図18D】本開示の一実施形態による、フェニルアラニンバイオセンサーを含有する血漿試料にフェニルアラニンでスパイクした、蛍光プレートリーダー(18C)およびデジタルカメラ(18D)を使用して測定された蛍光を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、概して、トランスデューサーを使用して流体中の分析物の濃度を監視、決定、および/または測定するための、装置、組成物、キット、システム、および方法に関する。一実施形態では、分析物は、流体中の分子である。一実施形態では、流体は、血液であり、例えば、本明細書に開示される組成物、システム、および方法は、対象の血液中の1つ以上の選択された分子の濃度を監視するのに有用である。一実施形態では、流体は、涙であり、例えば、本明細書に開示される組成物、システム、および方法は、対象の涙中の1つ以上の選択された分子の濃度を監視するのに有用である。一実施形態では、流体は、汗であり、例えば、本明細書に開示される組成物、システム、および方法は、対象の汗中の1つ以上の選択された分子の濃度を監視するのに有用である。一実施形態では、流体は、唾液であり、例えば、本明細書に開示される組成物、システム、および方法は、対象の唾液中の1つ以上の選択された分子の濃度を監視するのに有用である。一実施形態では、流体は、リンパ液であり、例えば、本明細書に開示される組成物、システム、および方法は、対象のリンパ液中の1つ以上の選択された分子の濃度を監視するのに有用である。一実施形態では、流体は、脊髄液であり、例えば、本明細書に開示される組成物、システム、および方法は、対象の脊髄液中の1つ以上の選択された分子の濃度を監視するのに有用である。一実施形態では、流体は、尿であり、例えば、本明細書に開示される組成物、システム、および方法は、対象の尿中の1つ以上の選択された分子の濃度を監視するのに有用である。
【0018】
以下の説明において、多数の特定の詳細は、実施形態の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、本明細書に記載の技術は、特定の詳細のうちの1つ以上を用いずに実施され得、または他の方法、成分、材料などを用いて実施され得ることは、関連する技術分野の当業者には理解されよう。他の例では、特定の態様を曖昧にしないように、周知の構造、材料、または動作は、詳細には示されないか、または説明されない。
【0019】
本明細書全体を通して、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態では任意の好適な様式で組み合わせることができる。
【0020】
トランスデューサー
一態様では、本開示は、流体中の分析物の濃度を監視するためのトランスデューサーを提供する。本明細書でさらに説明されるように、一実施形態では、かかるトランスデューサーは、トランスデューサーの成分に隣接する分析物の濃度に基づくシグナルまたはそれに比例するシグナル(例えば、光シグナル)を発するのに好適である。かかる実施形態では、トランスデューサーは、分析物の存在もしくは不在または濃度に基づいて光シグナルを生成するように構成されている。
【0021】
一実施形態では、トランスデューサーは、ナノ粒子トランスデューサー、例えば、分析物の濃度測定のためのナノ粒子トランスデューサーであり、ナノ粒子トランスデューサーは、1つ以上の発色団(例えば、1つ以上の半導体発色団ポリマー)と、ナノ粒子に物理的に会合した(例えば、結合した)酵素と、を含む。一実施形態では、酵素は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)依存性酵素またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)依存性酵素である。一実施形態では、NADH依存性酵素もしくはNADPH依存性酵素の活性(例えば、基質に作用する速度)または(分析物と1つ以上の反応要素との間の)化学量論は、NADHもしくはNADPHの濃度および/または酵素に隣接するNADもしくはNADPの濃度に依存する。一実施形態では、分析物は、NADHもしくはNADPH、またはNADもしくはNADPを含む。本開示の実施例に関して本明細書でさらに考察されるように、驚くべきことに、本明細書に記載されるトランスデューサーは、NADHおよび/もしくはNADPHまたはNADおよび/もしくはNADPを含む、分析物および/もしくは反応要素の濃度を監視または決定するのに好適であることが見出された。
【0022】
一実施形態では、酵素は、複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成されている。一実施形態では、複数の反応要素は、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量は、複数の反応要素の反応要素の濃度によって、かつ/またはそれに基づいて決定される。一実施形態では、複数の反応要素の反応要素は、NADHを含み、発色団から発せられる蛍光の量は、NADHの濃度によって決定される。
【0023】
別の実施形態では、トランスデューサーは、分析物の濃度測定のためのトランスデューサー基材であり、トランスデューサー基材が、基材に結合された発色団を含むナノ粒子と、基材に結合されており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含む。実施例7に関して本明細書でさらに考察されるように、驚くべきことに、ナノ粒子などの発色団を含むトランスデューサーおよび共通の基材に結合された酵素が、分析物の濃度を測定および/または監視するのに好適であることが見出された。
【0024】
上記のように、トランスデューサー基材の一実施形態では、ナノ粒子および酵素は、基材に結合されている。基材は、ナノ粒子および酵素への結合に好適な任意の基材を含み得る。かかる基材は、限定されないが、ポリマー基材、ガラス基材、シリカベース基材、シリコンベース基材、金属基材、織布基材、不織布基材などを含むことができる。一実施形態では、基材は、繊維性および/または紙ベースの基材である。一実施形態では、基材は、多孔質膜である。一実施形態では、多孔質膜は、紙、ニトロセルロース、ナイロン、およびウィック(wick)として機能し得ることが当業者によって認識されている多くの他の材料を含む。一実施形態では、基材は、紙基材である。
【0025】
一実施形態では、酵素は、基材に共有結合している。一実施形態では、ナノ粒子は、基材に共有結合している。一実施形態では、酵素および/またはナノ粒子は、基材と物理的に会合している。かかる物理的会合は、共有結合を含み得るが、酵素、ナノ粒子、および基材間の他の非共有結合性の会合も含まれ得る。これに関して、酵素および/またはナノ粒子は、イオン結合、ファンデルワールス力、水素結合などを介して基材と会合することができる。一実施形態では、酵素および/またはナノ粒子は、液相成長(liquid deposition)またはブロッティングなどによって基材上に沈着される。一実施形態では、酵素およびナノ粒子は、基材上に凍結乾燥される。
【0026】
一実施形態では、ナノ粒子は、基材の全体未満を含むスポットまたは領域などの、基材のスポットまたは他の空間的に限定された領域で、基材に結合されている。本明細書でさらに考察されるように、基材上のナノ粒子のこのような限定された配置または局在化により、様々な試料および反応条件を試験および分析することが可能になる。一実施形態では、酵素は、スポット上でナノ粒子に隣接する基材に結合されている。一実施形態では、酵素は、基材に結合され、ナノ粒子は、スポット上で基材に結合されている。
【0027】
一実施形態では、基材は、空間的に異なる部分またはスポットにおいて基材に結合されたいくつかのナノ粒子を含む。一実施形態では、基材は、スポットにも結合され、かつそれにも結合されたナノ粒子の数に対応するいくつかの酵素を含む。これに関して、一実施形態では、基材は、ナノ粒子および酵素の対、または様々なスポットで基材に結合された数種類のナノ粒子および数種類の酵素を含む。
【0028】
一実施形態では、基材は、基材上の領域またはスポットに結合され、それに結合された酵素を含まない1つ以上のナノ粒子をさらに含む。酵素なしで基材に結合されたかかる1つ以上のナノ粒子は、対照(例えば、較正のための対照スポット)としての使用に好適である。
【0029】
一実施形態では、酵素は、第1の酵素であり、ナノ粒子は、第1の発色団を含む第1のナノ粒子であり、反応は、第1の反応である。かかる実施形態では、トランスデューサー基材は、基材に結合された第2の発色団を含む第2のナノ粒子と、第2の複数の反応要素を含む第2の反応を触媒するように構成された基材に結合された、第1の酵素とは異なる第2の酵素と、をさらに含み得る。一実施形態では、第2の複数の反応要素は、分析物を含む1つ以上の第2の反応物および1つ以上の第2の生成物を含み、第2の発色団から発せられる蛍光の量は、第2の複数の反応要素の第2の反応要素の濃度によって決定される。
【0030】
一実施形態では、スポットは、第1のスポットであり、第2のナノ粒子は、第1のスポットから分離した第2のスポット上で基材に結合されている。これに関して、例えば、第1の酵素と第2の酵素が異なる場合など、異なる酵素を用いて試料をアッセイするために、試料が、第1のスポットおよび第2のスポットに適用され得る。一実施形態では、第2の反応は、第1の反応とは異なる。一実施形態では、空間多重化を使用して異なるスポットによって異なる分析物の濃度を決定するために、単一の試料が、異なるスポットに適用される。一実施形態では、第1の酵素と第2の酵素が同じである場合など、同じ反応を複数回反復して行うために、試料が、第1のスポットおよび第2のスポットに適用され得る。したがって、一実施形態では、第2の反応は、第1の反応と同じである。一実施形態では、同じ反応を行うために、試料が、第1のスポットおよび第2のスポットに適用されるが、異なる濃度範囲または動的範囲にわたって適用され、その場合、第1の酵素および第2の酵素も同じである。したがって、一実施形態では、第2の反応は、第1の反応と同じである。
【0031】
一実施形態では、第2のナノ粒子は、基材上の第1のナノ粒子に隣接して結合される。したがって、一実施形態では、第2のナノ粒子は、スポット上で基材に結合されている。かかる実施形態は、スペクトルの多重化を使用して、異なる発色団を有する異なるナノ粒子によって異なる分析物の濃度を決定するために、光学的に異なる発色団を含むナノ粒子を用いて単一の試料をアッセイするのに好適であり得る。
【0032】
一実施形態では、第1の発色団は、第1の吸収波長範囲の光を吸収するように構成されており、第2の発色団は、第1の吸収波長範囲とは異なる第2の吸収波長範囲の光を吸収するように構成されている。かかる構成は、例えば、異なるナノ粒子が異なる波長の光および/または異なる光源で励起される吸収または励起の多重化に好適である。同様に、一実施形態では、第1の発色団から発せられる蛍光は、第1の発光波長範囲にあり、第2の発色団から発せられる蛍光は、第1の発光波長範囲とは異なる第2の発光波長範囲にある。かかる構成は、異なるナノ粒子からの蛍光が異なる波長範囲および/または異なるセンサーで検出される発光の多重化に好適である。一実施形態では、第1の発色団および第2の発色団は、同じまたは類似の吸収波長範囲で光を吸収するが、異なる波長範囲で光を発するように構成されている。かかる構成は、発光の多重化を利用するが、励起の多重化を利用しない。一実施形態では、第1の発色団および第2の発色団は、同じまたは類似の発光波長範囲で光を発するが、異なる波長範囲で光を吸収するように構成されている。かかる構成は、励起の多重化を利用するが、発光の多重化を利用しない。一実施形態では、第1の発色団および第2の発色団は、異なる吸収波長範囲で光を吸収し、異なる発光波長範囲で光を発するように構成されている。かかる構成は、励起と発光の両方の多重化を利用する。
【0033】
上記のように、特定の実施形態では、ナノ粒子および酵素は、例えば、異なる反応を多重化するために、異なる濃度下で同じ反応を行うために、または反応を二重に行うために、いくつかの空間的に別々の部分またはスポットで基材に結合されている。一実施形態では、ナノ粒子およびそれに結合された酵素を含有する基材上のスポットの数は、2、4、6、8、24、96、384、および1536から選択される。かかるスポットは、標準的なマルチウェルプレートのウェルに、したがって、例えば、そのような標準的なマルチウェルプレートのウェルに含有される試料の蛍光を測定するために使用されるリーダーまたは他のセンサーに、空間的に対応するように構成され得る。一実施形態では、ナノ粒子およびそれに結合された酵素を含有する基材上のスポットの数は、2~10、2~50、2~100、2~500、もしくは2~1000、またはそれ超の範囲である。
【0034】
酵素およびナノ粒子は、高い空間分解能および小さいスポットサイズを有するように、基材(例えば、紙ベースまたは他の多孔質基材)に適用することができる。かかる構成は、単一の基材上で多数の異なるナノ粒子/酵素対をアッセイするのに好適である。一実施形態では、スポットのサイズは、約1μm~約10μm、約1μm~約25μm、約1μm~約50μm、約1μm~約100μm、約1μm~約250μm、約1μm~約400μm、または約1μm~約500μmの範囲である。
【0035】
一実施形態では、基材は、流体試料をスポットにウィッキングさせるように構成されている。このようなウィッキング基材は、流体試料を、基材の第1の部分に適用し、例えば、ナノ粒子および酵素が結合されている基材の別の部分に(例えば、毛管作用を介して)運ぶ反応およびアッセイに好適である。一実施形態では、基材は、適用ゾーンから、酵素とナノ粒子の対が沈着する空間的に異なるスポットに、別々に通じる1つ以上の流体的に分離された経路を含む。
【0036】
一実施形態では、ウィッキング基材は、基材上の1つ以上のスポットに到達する流体が、測定に干渉し得る細胞または他の粒子を含まないまたは実質的に含まないように、測定に干渉し得る細胞または他の粒子(例えば、血液細胞)を、流体試料から濾過または分離するように構成されている。一実施形態では、基材は、試料適用部分と、試料適用部分および試料適用部分と流体的に連絡する1つ以上のスポットの間に配置されたフィルターと、を含む。
【0037】
一実施形態では、ナノ粒子は、ポリマードット(Pdot)を含む。本明細書で使用される場合、「ポリマードット」または「Pdot」という用語は、安定したサブミクロンサイズの粒子(例えば、ナノ粒子)を形成するように崩壊する1つ以上の半導体ポリマーを含む粒子構造を指す。一実施形態では、ポリマードットは、高度に蛍光性のナノ粒子であり、発光は、例えば、可視IR領域から近IR領域まで調節可能である。ポリマードットは、例えば、光を吸収し、次いで、蛍光により光を発することができる発色団ポリマーを含むことができる。一部の実施形態では、ポリマードットは、少なくとも1つの縮合ポリマー(例えば、半導体ポリマー)を含む。2つ以上の縮合ポリマー(例えば、2つ以上の半導体ポリマー)を有するポリマードットについて、縮合ポリマーは、同じまたは異なる種類のポリマーであり得る。例えば、Pdotは、半導体ポリマーおよび非半導体ポリマーの両方を含むことができる。
【0038】
選択された分析物を監視するためのナノ粒子トランスデューサーは、酵素、ナノ粒子、および発色団の適切な選択から構築され得る。本明細書でさらに考察されるように、酵素は、ナノ粒子に結合(例えば、共有結合)される必要はない。酵素は、分析物の濃度が、反応速度、または産生もしくは消費される反応要素の量に影響を及ぼすことができるように、分析物を伴う反応を触媒する酵素として選択することができる。反応物は、反応物および生成物を含む複数の反応要素を含むことができる。酵素は、その触媒反応の各反応物が分析される流体中に存在するように選択することができる。発色団は、発色団の蛍光が、酵素によって触媒される反応の反応物もしくは生成物の濃度、または反応物が消費される速度もしくは生成物が形成される速度によって決定されるように選択することができる。ナノ粒子は、酵素および発色団の両方がナノ粒子に組み込まれるか、またはナノ粒子と結合されることを可能にするように選択することができる。例えば、ナノ粒子は、Pdotであってもよく、酵素がPdotに共有結合され、発色団がPdotに組み込まれ、かつ/またはPdotに共有結合されていることを可能にする。場合によっては、発色団は、ナノ粒子のすべてまたは実質的にすべてを含むことができ、場合によっては、例えば、Pdotは、1つ以上の発色団から完全にまたは実質的に完全に作製され得る。
【0039】
Pdotなどのナノ粒子を含むトランスデューサーが記載されているが、特定の実施形態では、本開示のトランスデューサーは、未縮合状態の発色団を含む。例えば、一実施形態では、トランスデューサーは、半導体発色団ポリマーを含む発色団と、半導体発色団ポリマーと物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、かかる発色団は、縮合した半導体発色団ポリマーを含まない。
【0040】
一実施形態では、未縮合半導体発色団ポリマーおよび酵素は、基材に結合されている。一実施形態では、未縮合半導体発色団ポリマーおよび酵素は、凍結乾燥粉末中にある。一実施形態では、半導体発色団ポリマーおよび酵素は、共通の溶媒中に分散されている。
【0041】
一実施形態では、酵素、発色団、およびナノ粒子は、所与の分析物を検出するためのナノ粒子トランスデューサーを作製するために、以下のように、潜在的な酵素、発色団、およびナノ粒子のセットから選択することができる。酵素のセットから、分析物が反応物である反応を触媒する酵素を選択する。かかる反応ごとに、反応が起こった結果として濃度が変化する他の反応要素を特定する。例えば、反応が起こるたびに、反応物の濃度が低下し、生成物の濃度が上昇する(可逆反応の場合、逆の反応が逆の効果をもたらす)。これらの反応要素から、各酵素について、反応要素のうちの1つの濃度の変化に応答して、その蛍光量が変化する発色団のセットから、対応する発色団を特定する。発色団が一致しない場合、その酵素を除外する。残りのそれらの酵素/発色団の対から、かかる対を1つ選択し、Pdotなどのナノ粒子(その各々が物理的に会合され得るか、または結合されかつ/もしくは組み込まれ得る)を選択し、それによって、ナノ粒子トランスデューサーを構築するための要素を選択する。第2の発色団(異なる波長で発光し、任意の反応要素に応答してその強度が変化しない)は、対照発色団として機能するように、発色団のリストから選択され得る。代替的に、反応物または生成物の濃度に応答して強度が変化する波長および強度が変化しない異なる波長の両方で、元々選択された発色団が蛍光を発する場合、その単一の発色団は、それ自体の対照として機能し得る。
【0042】
一実施形態では、本明細書に記載のトランスデューサーは、分析物を伴う反応を触媒する酵素を含む。反応は、反応物および生成物を含む反応要素を有し、そのうちの1つが分析物である。ナノ粒子は、発色団を含み、光ビームによる照明に応答して1つ以上の波長で蛍光を発する。波長のうちの少なくとも1つの蛍光の量は、分析物以外の反応物または生成物の分子の濃度に依存する。酵素およびナノ粒子の発色団は近接しているか、または物理的に会合している。したがって、酵素によって触媒される反応が、反応物を消費し生成物を生成するにつれて、当該反応物および生成物のそれぞれの濃度が変化し、反応物の濃度が低下し、生成物の濃度が増加する。分析物が高濃度で存在すると、低濃度よりも速く反応を進行させるため、その分析物の存在で、生成物の濃度が比較的高くなり、反応物の濃度が比較的低くなる。したがって、酵素とナノ粒子の発色団はともにトランスデューサーとして機能し、分析物の濃度の変化を蛍光の変化に変換する。一実施形態では、トランスデューサーの1つの波長発光の蛍光強度は、分析物の濃度を決定するために使用される。一実施形態では、トランスデューサーの2つの波長発光の蛍光強度の比率を使用して、分析物の濃度が決定される。この蛍光は、光学センサーのシグナルから分析物の濃度を決定するために、波長選択的な様式で、容易に測定することができる。
【0043】
一実施形態では、ナノ粒子は、半導体ポリマーを含み、光ビームによる照明に応答して、1つ以上の波長で蛍光を発する。波長のうちの少なくとも1つの蛍光の量は、分析物以外の反応物または生成物の分子の濃度に依存する。場合によっては、ナノ粒子は、半導体ポリマーと、1つ以上の波長で蛍光を発する色素と、を含む。色素は、ナノ粒子を形成するために、半導体ポリマーに物理的にドープされるか、または化学的に結合され得る。半導体ポリマーは、色素の蛍光強度を増強または増幅するために、色素へのエネルギー移動を有し得る。
【0044】
一実施形態では、本明細書に記載の流体は、体液であり、例えば、血液、血漿、血清、汗、涙、リンパ液、脊髄液、尿、唾液、または他の流体(体組織内もしくは体組織から、または体組織によって分泌される)などの、対象の体内に存在する体液または対象の体から取り出される体液である。対象は、動物であり得、一実施形態では、対象は、ヒトである。
【0045】
本開示の様々な実施形態は、発色団を提供し、本明細書に提供されるトランスデューサーを使用して分析物の濃度の効率的かつ正確な測定に有利な特性を有する。かかる特徴の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(1)高輝度(トランスデューサーのシグナルが容易に検出および回収されるようにする)、(2)高感度(酵素によって触媒される反応の反応要素に対する)、(3)高い吸収断面積(強力なエネルギーの適用を必要とせずに、ナノ粒子トランスデューサーの蛍光が容易に誘導される)、(4)良好な安定性(例えば、熱安定性)(トランスデューサーがインビボで長時間活性である)、(5)検出可能および識別可能な波長(場合によっては、経皮的に)、および/または(6)良好な耐疲労性(継続的な分析物の監視に使用する場合に分解を低減する)。一実施形態では、本開示に記載されるナノ粒子トランスデューサーの発色団は、これらの特徴の一部またはすべてを含む。
【0046】
例えば、本開示は、一実施形態では、流体成分の濃度の関数として変動するピーク発光波長でシグナルの蛍光発光強度を示すトランスデューサーを提供する。ナノ粒子トランスデューサーはまた、流体成分の濃度に応答して実質的に変化しないピーク発光波長で異なる対照発光強度を有する発色団を含むことができる。一実施形態では、ピーク発光波長は、約200ナノメートル~約300ナノメートル、約250ナノメートル~約350ナノメートル、約300ナノメートル~約400ナノメートル、約350ナノメートル~約450ナノメートル、約400ナノメートル~約500ナノメートル、約450ナノメートル~約550ナノメートル、約500ナノメートル~約600ナノメートル、約550ナノメートル~約650ナノメートル、約600ナノメートル~約700ナノメートル、約650ナノメートル~約750ナノメートル、約700ナノメートル~約800ナノメートル、約750ナノメートル~約850ナノメートル、約800ナノメートル~約900ナノメートル、約850ナノメートル~約950ナノメートル、約900ナノメートル~約1000ナノメートル、約950ナノメートル~約1050ナノメートル、約1000ナノメートル~約1100ナノメートル、約1150ナノメートル~約1250ナノメートル、または約1200ナノメートル~約1300ナノメートルの範囲内にある。
【0047】
別の例として、本開示の一部の実施形態は、長期的なインビボ分析物の濃度の監視のための十分な安定性を示すトランスデューサーを提供し、例えば、トランスデューサーは、実質的に分解することなく、長期間、分析物の濃度を安定して検出することができる。様々な実施形態では、ナノ粒子トランスデューサーの安定性は、交換の必要がなく、当該トランスデューサーがインビボで長期間使用され得ることを確実にするのに有利である。一実施形態では、トランスデューサーの集団は、集団中のトランスデューサーの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または少なくとも99.95%が、特定の期間にわたって分析物の濃度変化に応答して蛍光を調節する能力を保持する場合、「安定」であるとみなされる。一実施形態では、トランスデューサーの発光強度が、特定の期間にわたって分析物の濃度変化を測定する能力を保持する場合、トランスデューサーは「安定」であるとみなされる。一実施形態では、絶対発光強度を著しく減少させ得るにもかかわらず、2つの発光ピークの強度比が、特定の期間にわたって分析物の濃度変化を測定する能力を保持する場合、トランスデューサーは「安定」であるとみなされる。一実施形態では、時定数(例えば、蛍光シグナル強度が1/eに減衰する時間)が少なくとも約3時間、約6時間、約12時間、約24時間、約1日、約2日、約4日、約10日、約20日、約30日、約1ヶ月、約2ヶ月、約4ヶ月、約6ヶ月、約1年、またはそれ超である場合、トランスデューサーは安定であるとみなされる。一実施形態では、ナノ粒子トランスデューサーは、分析物の検出が特定の期間にわたって確実に実行され得るように十分なシグナル強度を維持する。
【0048】
本開示の一実施形態では、発色団の発光スペクトルは、他の発光源との重複を低減または最小化するように、ピーク発光波長で狭い帯域の発光特性を示すように選択または設計される。例えば、一実施形態では、発色団は、約5ナノメートル、約10ナノメートル、約15ナノメートル、約20ナノメートル、約25ナノメートル、約30ナノメートル、約35ナノメートル、約40ナノメートル、約45ナノメートル、約50ナノメートル、約60ナノメートル、約70ナノメートル、約80ナノメートル、約90ナノメートル、または約100ナノメートル以下のピーク発光帯域幅(例えば、発光ピークの半値全幅(FWHM))を有する。
【0049】
発色団組成物
様々な種類の発色団が、本開示のトランスデューサー、組成物、方法、キット、およびシステムとともに使用するのに好適であり、色素、染料、タンパク質、ポリマー、ビーズ、粒子、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。一実施形態では、トランスデューサーは、1つ以上の発色団(例えば、フルオロフォア)を含む。本明細書に記載の発色団を使用して、様々な機構に従って、トランスデューサーを生成することができる。一実施形態では、発色団は、光ビームによる照明に応答して、1つ以上の波長で蛍光を発する半導体ポリマーを含む。一実施形態では、発色団は、光ビームによる照明に応答して、1つ以上の波長で蛍光を発する半導体ポリマーPdotを含む。半導体ポリマーの蛍光の量は、反応物または生成物の分子の濃度に依存し得る。ある波長範囲での半導体ポリマーの蛍光の量は、反応物または生成物の分子の濃度に依存する場合があり、一方、別の異なる波長範囲での半導体ポリマーの蛍光の量は、反応物または生成物の分子の濃度に比較的依存しない場合があり、したがって、レシオメトリック測定用の対照の波長範囲として機能することができる。
【0050】
一実施形態では、本開示のトランスデューサーは、1つ以上(例えば、2つ以上)の発色団を含む。一実施形態では、1つ以上の発色団は、2つ以上の異なる波長範囲において蛍光を発するように構成されており、例えば、本明細書でさらに考察されるように、レシオメトリック蛍光測定に好適である。一実施形態では、発色団は、半導体ポリマーと、1つ以上の波長で蛍光を発する色素と、を含む。色素の蛍光の量は、反応物または生成物の分子の濃度に依存する。色素は、ナノ粒子を形成するために半導体ポリマーに物理的にドープまたは化学的に結合され得る。発色団ポリマーは、色素の蛍光強度を増強または増幅するために色素へのエネルギー移動を有し得る。
【0051】
一実施形態では、発色団から発せられる蛍光は、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む。一実施形態では、発色団から発せられる蛍光は、シグナル波長で発せられる蛍光の量と、対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、シグナル蛍光比は、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される。一実施形態では、蛍光比は、分析物の濃度とともに、レシオメトリック的に変動する。一実施形態では、発色団から発せられる蛍光は、分析物の濃度の範囲内の分析物の濃度とともに、レシオメトリック的に変動する。一実施形態では、対照波長での蛍光は、様々な濃度の反応要素で、一定のままである。一実施形態では、対照波長での蛍光は、反応要素の濃度の変化とともに変動する。
【0052】
上記のように、一実施形態では、発色団は、2つ以上の異なる波長範囲で蛍光を発する。一実施形態では、発色団は、2つ以上の波長範囲(例えば、対照蛍光波長)のうちの1つで蛍光を発し、変化する反応要素の濃度で一定または相対的に一定のままであり、2つ以上の波長範囲のうちの別のもの(例えば、対照蛍光波長)で蛍光を発し、変化する反応要素の濃度とともに変動する。一実施形態では、発色団は、2つ以上の異なる波長範囲で蛍光を発するように構成されており、発せられる蛍光が、2つ以上の異なる波長範囲のうちの少なくとも2つで、反応要素の濃度とともに変動する。
【0053】
一実施形態では、トランスデューサーは、少なくとも1つの発色団半導体ポリマー粒子(「ポリマードット」または「Pdot」としても知られる)を含み、これには、安定なサブミクロンサイズの粒子に崩壊する1つ以上のポリマー(例えば、半導体ポリマー、非半導体ポリマー、またはそれらの組み合わせ)が含まれる。半導体ポリマー粒子は、一実施形態では、以下のいくつかの理由により、他の種類の発色団と比較して有利である:(1)それらが非常に明るく(量子ドットよりも最大30倍明るく)、かつ光安定性である、(2)それらが速い光子発光速度度を有し、しばしばサブナノ秒の寿命を有するため、高速の光学検出に好適である、(3)それらが良好な生体適合性を有し、量子ドットのような細胞毒性の重金属から構成されていない、および(4)それらが増幅されたエネルギー移動を示すため、蛍光発光が良好に調節され得る(例えば、エネルギー移動を介して色素によって)。
【0054】
発色団ポリマー粒子の様々な構造および組成物は、本明細書に提示される態様に適用可能である。本明細書に提供される発色団ポリマー粒子は、単一のポリマーで構成されているか、または代替的に、ポリマーのブレンドを含む。一実施形態では、1つ以上のポリマーは、ポリマーマトリックスを形成するために、崩壊、沈殿、および/または縮合される。一実施形態では、発色団ポリマー粒子の特性は、成分ポリマーの構造および/または特性に依存する。したがって、一実施形態では、ポリマー骨格(主鎖)、側鎖、末端単位、および置換基を変化させて、特定の特性を得る。一実施形態では、発色団ポリマー粒子の光学特性は、ポリマー骨格(主鎖)の構造を変化させることによって調整される。
【0055】
一実施形態では、本明細書に提供される発色団ポリマー粒子は、1つ以上の発色団を含み、本明細書において発色団単位とも称される。一実施形態では、発色団は、特定の波長の光(例えば、UV領域から近赤外領域まで)を吸収し、発光性であってもなくてもよい。一実施形態では、発色団単位には、非局在化したπ電子を有する構造の単位、小さい有機色素分子の単位、および/または金属錯体の単位が含まれるが、これらに限定されない。様々な実施形態では、発色団は、ポリマーマトリックスの一部であるか、または、例えば、ブレンド、架橋などによって、ポリマーマトリックスに組み込まれる。一実施形態では、発色団ポリマーは、半導体ポリマーである。
【0056】
一実施形態では、本開示の発色団ポリマー粒子は、1つ以上の発色団ポリマーを含む。一実施形態では、発色団ポリマーは、特定の波長(例えば、紫外線から近赤外線スペクトルまでの範囲)の光を吸収する少なくとも一部を含む。本開示による発色団ポリマーは、発光性であってもなくてもよい。一実施形態では、発色団ポリマーは、1つ以上の発色団単位を含む。発色団ポリマーの例としては、非局在化されたπ電子を有する構造の単位を含むポリマー(例えば、半導体ポリマー)、小さい有機色素分子の単位を含むポリマー、金属錯体の単位を含むポリマー、およびそれらの任意の組み合わせの単位を含むポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、発色団単位は、ポリマー骨格に組み込まれる。一実施形態では、発色団単位は、側鎖、またはポリマーの末端単位に共有結合されている。発色団ポリマーは、当該技術分野で一般的によく知られた標準的な合成方法を使用して作製される。
【0057】
様々な種類の発色団ポリマー粒子は、本開示の光感知アプローチのためのプラットフォームとして使用するのに好適である。発色団ポリマー粒子は、様々な構成を採用することができ、均一で均質な組成を有するモノリシックポリマー粒子、または異なるコアおよびキャップ構造を有するポリマー粒子を含むが、これらに限定されない。本明細書に提供される発色団ポリマー粒子は、当該技術分野で既知の任意の方法によって形成することができ、沈殿に依存する方法、エマルション(例えば、ミニまたはマイクロエマルション)の形成に依存する方法、および縮合に依存する方法を含むが、これらに限定されない。図8に、発色団ポリマー粒子に好適な繰り返し単位の化学構造の例を示す。本明細書に記載の技術による使用に好適な発色団ポリマー粒子の例は、例えば、PCT出願第PCT/US2010/056079号、同第PCT/US2012/071767号、同第PCT/US2011/056768号、同第PCT/US2013/024300号、および同第PCT/US2013/063917号、ならびに米国特許公開第2013/0266957号に見出すことができる(これらの各々は、参照により本明細書に援用される)。
【0058】
一実施形態では、発色団ポリマー粒子は、ナノ粒子である。一実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子のサイズは、ナノ粒子の最小寸法を指す「限界寸法」の観点から定義される。一部のナノ粒子は、形状が概ね球形であり、これにより、限界寸法は球形粒子の直径である。一実施形態では、特定のナノ粒子(例えば、ナノスフィアおよびナノキューブ)は、サイズが完全にナノスコピックである。一実施形態では、ナノ粒子のすべての寸法がナノスケールというわけではない。例えば、ナノシリンダーは、ナノスケールの直径を有するが、マイクロスケールの長さを有することができる。多種多様なナノ粒子の形状が、本明細書に記載の態様に適用可能であり、球体、円柱、楕円体、多面体、プリズム、ロッド、ワイヤー、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。一実施形態では、当業者によって理解されるように、ナノ粒子の形状は、光学特性に寄与する(例えば、ナノロッドは、ナノスフィアとは異なる光学特性を有し得る)。
【0059】
一実施形態では、発色団ポリマー粒子の典型的なサイズは、100ナノメートル未満である。一実施形態では、コロイド状ポリマーナノ粒子は、疎水性のポリマー内部からなる。一実施形態では、発色団ポリマー粒子は、安定した粒子に形成されている少なくとも1つの発色団ポリマーを含む。粒径は、例えば、5ナノメートル~500ナノメートルまで変化させることができる。一実施形態では、粒子の限界寸法(例えば、直径)は、1,000ナノメートル未満、700ナノメートル未満、500ナノメートル未満、400ナノメートル未満、300ナノメートル未満、200ナノメートル未満、100ナノメートル未満、50ナノメートル未満、40ナノメートル未満である。一実施形態では、粒子の限界寸法は、30ナノメートル未満、20ナノメートル未満、または10ナノメートル未満である。
【0060】
一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、1つ以上の発色団ポリマーから形成されるポリマーマトリックスを含む。発色団ポリマーの種類の任意の好適な数および組み合わせは、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子、例えば、1つ以上の発色団ポリマー、2つ以上の発色団ポリマー、3つ以上の発色団ポリマー、4つ以上の発色団ポリマー、5つ以上の発色団ポリマー、6つ以上の発色団ポリマー、7つ以上の発色団ポリマー、8つ以上の発色団ポリマー、9つ以上の発色団ポリマー、10以上の発色団ポリマー、50以上の発色団ポリマー、または100以上の発色団ポリマーに組み込むことができる。発色団ポリマー粒子の質量全体に対する、発色団ポリマーの質量濃度または質量比は、1%~99%、10%および99%、20%および99%、30%および99%、40%および99%、または50%および99%変化させることができる。
【0061】
発色団ポリマーの様々な種類および組成物は、本開示の態様による使用に適用可能である。発色団ポリマーは、ホモポリマーまたはヘテロポリマーであってもよい。様々な実施形態では、発色団ポリマーは、半導体ポリマー、非半導体ポリマー、またはそれらの組み合わせである。例えば、いくつかの半導体ポリマーは、本開示による発色団ポリマー粒子での使用に好適である。半導体ポリマーの例としては、ポリフルオレン系ポリマー(ポリ(9,9-ジヘキシルフルオレニル-2,7-ジイル)(PDHF)系ポリマーおよびポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)(PFO)系ポリマーを含むが、これらに限定されない)、フルオレン系コポリマー(ポリ[{9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレン-フルオレニレン}-アルト-コ-{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン}](PFPV)系、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-コ-(l,4-ベンゾ-{2,1,3}-チアジアゾール)](PFBT)系、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-コ-(4,7-ジ-2-チエニル-2,l,3-ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)、およびポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-コ-(4,7-ジ-2-チエニル-2,l,3-ベンゾチアジアゾール)](PF-0.1TBT)系を含むがこれらに限定されないが、これらに限定されない)、フェニレンビニレンポリマー(ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-PPV)系およびポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)](CN-PPV)系半導体ポリマーを含むがこれらに限定されないが、これらに限定されない)、フェニレンエチニレン系ポリマー(ポリ(2,5-ジ(3’,7’-ジメチルオクチル)フェニレン-1,4-エチニレン(PPE)系半導体ポリマーを含むがこれらに限定されないが、これらに限定されない)、BODIPY系半導体ポリマー、スクアライン系半導体ポリマー、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
多種多様な発色団ポリマー構造は、本開示の様々な実施形態に従って使用するのに好適である。一実施形態では、発色団ポリマーは、直鎖状ポリマーである。他の態様では、発色団ポリマーは、分岐状ポリマーである。一実施形態では、発色団ポリマーは、デンドリマーである。一実施形態では、発色団ポリマーは、ブラシ状ポリマーである。一実施形態では、発色団ポリマーは、星状ポリマーである。
【0063】
一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、ポリスチレン系の櫛様ポリマーを含有する。ポリスチレン系櫛様ポリマーの非限定的な例としては、ポリスチレングラフトアクリル酸、ポリスチレングラフトエチレンオキシド、ポリスチレングラフトブチルアルコールなどが挙げられる。一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、ポリ(メチルメタクリレート)系櫛様ポリマーを含有する。ポリ(メチルメタクリレート)系櫛様ポリマーの非限定的な例としては、ポリ(メチルメタクリレート)グラフトアクリル酸、ポリ(メチルメタクリレート)グラフトエチレンオキシドなどが挙げられる。一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、カルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチン、またはホスフィン基を含む櫛様ポリマーを含有する。
【0064】
一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、例えば、カルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチン、ホスフィンまたは同様の官能基で末端繰り返し単位上に官能化されたポリマーを含有する。かかるポリマーの例としては、ポリ(メタ)アクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ポリイソブチレン、ポリジエン、ポリフェニレン、ポリエチレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリウレタン、それらのブロックコポリマー、それらのランダムコポリマーまたは交互コポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、1つ以上の官能化繰り返し単位を有するコポリマー、例えば、両親媒性ポリマー(ポリ((メタ)アクリル酸)系コポリマー(例えば、ポリ(アクリル酸-b-アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸-b-メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(n-ブチルアクリレート-アクリル酸)、ポリ(アクリル酸-b-メチルメタクリレートナトリウム)、ポリ(メタクリル酸-b-ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート-b-メタクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート-b-N,N-ジメチルアクリルアミド)、ポリ(メチルメタクリレート-b-アクリル酸ナトリウム)、ポリ(メチルメタクリレート-b-メタクリレートナトリウム)、ポリ(ネオペンチルメタクリレート)-b-メタクリル酸)、ポリ(t-ブチルメタクリレート-b-エチレンオキシド)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸-b-アクリル酸)を含むが、これらに限定されない)、ポリジエン系コポリマー(例えば、ポリ(ブタジエン(1,2付加)-b-エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン(1,2付加)-b-メチルアクリル酸、ポリ(ブタジエン(1,4付加)-b-アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)-b-エチレンオキシド、ポリ(ブタジエン(1,4付加)-b-アクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)-b-N-メチル 4-ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、およびポリ(イソプレン-b-N-メチル 2-ビニルピリジニウムヨージド))、ポリ(エチレンオキシド)系コポリマー(例えば、ポリ(エチレンオキシド-b-アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド-b-アクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド-b-ブチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド-b-c-)カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド-b-ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド-b-ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド-b-メタクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド-b-メチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド-b-メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-ニトロベンジルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド-b-t-ブチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-t-ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-テトラヒドロフルフリルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-2-エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド-b-2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-2-メチルオキサゾリン))、ポリイソブチレン系コポリマー(例えば、ポリ(イソブチレン-b-アクリル酸)、ポリ(イソブチレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(イソブチレン-b-メタクリル酸))、ポリスチレン系コポリマー(例えば、ポリ(スチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-b-アクリル酸)、ポリ(スチレン-b-アクリル酸セシウム)、ポリ(スチレン-b-エチレンオキシド)、ブロック接合部で酸開裂可能なポリ(スチレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-メタクリル酸)、ポリ(4-スチレンスルホン酸-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレンスルホン酸-b-メチルブチレン)、ポリ(スチレン-b-N,N-ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン-b-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン-b-N-メチル 2-ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン-b-N-メチル-4-ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン-b-プロピルアクリル酸)、ポリ(スチレン-b-アクリル酸ナトリウム)ポリ(スチレン-b-メタクリル酸ナトリウム)、ポリp-クロロメチルスチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-co-p-クロロメチルスチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-co-p-クロロメチルスチレン-b-アクリル酸)、ポリ(スチレン-b-メチルブチレン-co-イソプレンスルホン酸))、ポリシロキサン系コポリマー(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン-b-アクリル酸)、ポリ(ジメチルシロキサン-b-エチレンオキシド)、ポリ(ジメチルシロキサン-b-メタクリル酸))、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)系コポリマー(例えば、ポリ(フェロセニルジメチルシラン-b-エチレンオキシド))、ポリ(2-ビニルナフタレン)系コポリマー(例えば、ポリ(2-ビニルナフタレン-b-アクリル酸))、ポリ(ビニルピリジンおよびN-メチルビニルピリジニウムヨージド)系コポリマー(例えば、ポリ(2-イニル(inyl)ピリジン-b-エチレンオキシド)、ポリ(2-ビニルピリジン-b-メチルアクリル酸)、ポリ(N-メチル 2-ビニルピリジニウムヨージド-b-エチレンオキシド)、ポリ(N-メチル 4-ビニルピリジニウムヨージド-b-メチルメタクリレート)、ポリ(4-ビニルピリジン-b-エチレンオキシド)PEO末端官能性OH)、ならびにポリ(ビニルピロリドン)系コポリマー(例えば、ポリ(ビニルピロリドン-b-D/L-ラクチド))などを含有する。
【0066】
本開示の一実施形態では、本明細書に提供される発色団ポリマー粒子は、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)]としても知られるポリマーCN-PPVを含み、これは、明るく、コンパクトな、オレンジ色を発する半導体ポリマー粒子である。一実施形態では、CN-PPVは、大きい吸収断面積、高い量子収率、および速い発光速度などの優れた蛍光特性を有する。一実施形態では、発色団ポリマー粒子は、本質的にCN-PPVからなるポリマーを含む。一実施形態では、粒子は、CN-PPVおよび少なくとも1つの他の材料を含む。例えば、CN-PPVは、追加の機能性を提供するコポリマーまたは他の材料と混合することができる。
【0067】
一実施形態では、本開示の発色団ポリマー粒子は、少なくとも2つの異なる発色団単位を有する半導体コポリマーを含む。例えば、共役コポリマーは、所与の比率で存在する、フルオレン発色団およびベンゾチアゾール発色団の両方を含有することができる。半導体コポリマーを合成するために使用される典型的な発色団単位には、フルオレン単位、フェニレンビニレン単位、フェニレン単位、フェニレンエチニレン単位、ベンゾチアゾール単位、チオフェン単位、カルバゾールフルオレン単位、ホウ素ジピロメテン単位、およびこれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。異なる発色団単位は、ブロックコポリマーのように分離することも、混合することもできる。一実施形態では、発色団コポリマーは、主要な発色団種の同一性を書くことによって表される。例えば、PFBTは、一定の比率でフルオレン単位およびベンゾチアゾール単位を含有する発色団ポリマーである。場合によっては、微量の発色団種の割合、および微量の発色団種の同一性を示すために、ダッシュを使用する。例えば、PF-0.1 BTは、90%のポリフルオレン(PF)および10%のベンゾチアゾール(BT)を含有する発色団コポリマーである。
【0068】
一実施態様では、発色団ポリマー粒子は、半導体ポリマーのブレンドを含む。ブレンドは、ホモポリマー、コポリマー、およびオリゴマーの任意の組み合わせを含むことができる。発色団ポリマー粒子を形成するために使用されるポリマーブレンドは、得られるポリマー粒子の特性を調整するために、例えば、ポリマー粒子の所望の励起スペクトルまたは発光スペクトルを得るために選択することができる。
【0069】
本開示の様々な実施形態では、半導体発色団ポリマー粒子は、部分的には、他の蛍光レポーターよりも高い量子収率を示すため、検出感度の改善を提供する。一実施形態では、使用される発色団ポリマー粒子の量子収率は、5%超、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超である。様々な実施形態では、半導体発色団ポリマー粒子は、部分的には、大きい吸収断面積を示すため、改善された検出感度を提供する。様々な実施形態では、半導体発色団ポリマー粒子は、部分的には、他の蛍光レポーターよりも速い発光速度を示すため、改善された検出感度を提供する。一実施形態では、使用される発色団ポリマー粒子の発光速度は、約100ピコ秒~約50ナノ秒である。
【0070】
一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、小さい有機色素分子、金属錯体、環境感知色素、フォトクロミック色素、およびそれらの任意の組み合わせの単位を有するポリマー(例えば、小さい有機色素、金属錯体、環境感知色素、フォトクロミック色素、またはそれらの任意の組み合わせと共有結合またはグラフトされたポリスチレンなどの光学不活性ポリマー)を含む。一実施形態では、発色団ポリマー粒子は、発光単位として、小さい有機色素分子、金属錯体、環境感知色素、フォトクロミック色素、またはそれらの任意の組み合わせと共有結合された半導体ポリマーを含む。このような発光単位は、発光色を調整し、量子収率を増加させるか、または発色団ポリマー粒子の光物理学的特性を改善することができる。一実施形態では、小さい有機色素、または金属錯体は、感知機能を有し、したがって、イオン感知能などの発色団ポリマー粒子にさらなる官能性を加える。
【0071】
一実施形態では、ナノ粒子トランスデューサーは、1つ以上の発色団(例えば、フルオロフォア)を含む。発色団は、流体成分に依存する蛍光を発する。一実施形態では、流体成分は、ナノ粒子トランスデューサーの酵素によって触媒される反応の反応要素であり、この反応には、分析物が含まれる。場合によっては、流体成分は、反応の生成物であり、場合によっては、流体成分は、反応の反応物である。一実施形態では、反応速度は、分析物の濃度の関数として変化し、それによって、流体成分の濃度が変化し、それに応じて、トランスデューサーの蛍光が変動する。
【0072】
一実施形態では、発色団は、色素を含む。一実施形態では、色素は、1つ以上の流体成分に対して感受性である。本明細書に開示されるナノ粒子トランスデューサーとともに使用され得る色素の例としては、Pt(II)-およびPd(II)-ポルフィリン、リン光Ru(II)錯体、ならびにIr(III)錯体が挙げられる。色素の例としては、Pt(II)オクタエチルポルフィン(PtOEP)、Pt(II)メソ-テトラ(ペンタフルオロフェニル)ポルフィン(PtTFPP)、Pt(II)オクタエチルポルフィンケトン(PtOEPK)、Pd(II)オクタエチルポルフィン(PdOEP)、およびPd(II)メソ-テトラ(ペンタフルオロフェニル)ポルフィン(PdTFPP)、Pd(II)-メソ-テトラ-(4-カルボキシフェニル)ポルフィリン(PdTPCPP)、Pd(II)-メソ-テトラ-(4-カルボキシフェニル)テトラベンゾポルフィリンデンドリマー(PdTCPTBP)、Pt(II)-コプロポルフィリン(PtCP)、Pt(II)-メソ-テトラベンゾポルフィリンブチルオクタエステル(PtTBP)、Pt(II)-コプロポルフィリン-ケトン(PtCPK)、シクロメタール化Ir(III)1-クロロ架橋二量体クマリン錯体(Ir(III)(Cx)2(acac))、および[Ru(bpy)2-(4-カルボキシフェニル)イミダゾ-[4,5-f][1,10]フェナントロリン(H2)]2+[Ru(bpy)2(picH2)]2+)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
一実施形態では、発色団は、イオン、pH、活性酸素種、活性窒素種、および温度に感受性である発色団単位を含む。一実施形態では、発色団は、イオン、pH、活性酸素種、活性窒素種、および温度に感受性である発色団単位または色素を含む。ナノ粒子トランスデューサーを構築するための発色団単位または色素の例としては、ナトリウム感受性、カリウム感受性、カルシウム感受性、マグネシウム感受性、鉄感受性、亜鉛感受性、銅感受性、マンガン感受性、pH感受性、活性酸素種感受性、活性窒素種感受性、または温度感受性の色素または発色団単位が挙げられる。イオン、pH、活性酸素種、活性窒素種、および温度に感受性のある発色団を含むナノ粒子には、例えば、PCT/US2010/056079に記載されているものが含まれる。
【0074】
一実施形態では、発色団は、1つ以上の流体成分に対して感受性である半導体発色団ポリマーを含む。半導体ポリマーは、1つ以上の流体成分に対して感受性のある蛍光を有するように設計および合成することができる。
【0075】
一実施形態では、発色団は、本開示の実施例に関して本明細書でさらに考察されるように、NADHおよび/もしくはNADPHまたはNADおよび/もしくはNADPの濃度に依存する蛍光を発する。
【0076】
一実施形態では、発色団は、過酸化水素(H)の濃度に依存する蛍光を発する。過酸化水素は、生成物反応要素であり得る。一実施形態では、ナノ粒子は、過酸化水素の濃度に依存する蛍光を発する発色団ポリマーを含む。一実施形態では、ナノ粒子は、発色団ポリマーと、1つ以上の波長で蛍光を発する色素と、を含む。色素の蛍光の量は、過酸化水素の濃度に依存し得る。色素は、例えば、ナノ粒子を形成するために、発色団ポリマーに物理的にドープまたは化学的に結合され得る。発色団ポリマーは、発色団ポリマーと色素との間のエネルギー移動を有して、色素の蛍光強度を増強または増幅することができる。本明細書に開示されるナノ粒子トランスデューサーとともに使用することができる過酸化水素感受性色素の例としては、クマリン誘導体、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体、シアニン誘導体、ホウ素-ジピロロメテン(BODIPY)誘導体が挙げられる。
【0077】
一実施形態では、発色団は、酸素の濃度に依存する蛍光を発する。酸素は、反応物反応要素であり得る。一実施形態では、ナノ粒子は、酸素の濃度に依存する蛍光を発する発色団ポリマーを含む。一実施形態では、ナノ粒子は、発色団ポリマーと、1つ以上の波長で蛍光を発する色素と、を含む。色素の蛍光の量は、酸素の濃度に依存し得る。色素は、例えば、ナノ粒子を形成するために、発色団ポリマーに物理的にドープまたは化学的に結合され得る。発色団ポリマーは、発色団ポリマーと色素との間のエネルギー移動を有して、色素の蛍光強度を増強または増幅することができる。本明細書に開示されるナノ粒子トランスデューサーとともに使用され得る酸素感受性色素の例としては、Pt(II)-およびPd(II)-ポルフィリン、リン光Ru(II)錯体、およびIr(III)錯体、ならびにその誘導体が挙げられる。
【0078】
一実施形態では、発色団は、色素および半導体発色団ポリマーを含み、色素および半導体発色団ポリマーは、相互作用して増強された蛍光を生成する。一実施形態では、半導体ポリマーは、流体成分に対して感受性ではなく、かかるポリマーからの蛍光は、安定した内部標準を提供することができ、それによって、他の波長での可変的な蛍光のシグナルの対照として機能する。半導体発色団ポリマーは、色素へのエネルギー移動を有し、色素の蛍光を増幅および増強することができる。一実施形態では、半導体ポリマーは、流体成分に対して感受性であり、かかるポリマーからの蛍光は、分析物の存在および/または濃度を示すことができる。本明細書に開示されるナノ粒子トランスデューサーとともに使用することができる半導体発色団ポリマーの例としては、ポリ(9,9-ジヘキシルフルオレン)(PDHF)系、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン)(PFO)系、およびポリ{[9,9-ジ(3-(3-メチルオキセタン-3-イル)メトキシ)ヘキシルフルオレニル-2,7-ジイル-co-[9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル]}(do-PFO)系、ポリ[{9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレン-フルオレニレン}-アルト-コ-{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシロキシ)-4-フェニレン}(PFPV)系、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニルフルオレニル-2,7-ジイル)-コ-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)系、フェニレンビニレンポリマー、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-PPV)系、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)](CN-PPV)系、ポリ(2,5-ジ(3’,7’-ジメチルオクチル)フェニレン-1,4-エチニレン(PPE)系、BODIPY系、およびスクアライン系半導体ポリマー、ならびにそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、色素は、1つ以上の流体成分に対して感受性である。
【0079】
一実施形態では、発色団は複数の色素を含む。第1の色素は、1つ以上の流体成分に対して感受性であり、第2の色素は、感受性色素と相互作用して、増強された蛍光を生成することができる。一実施形態では、少なくとも1つの色素は、流体成分に対して感受性ではなく、したがって、内部標準として安定した蛍光を提供する。複数の色素は、異なる波長で蛍光を発することができ、各色素の蛍光の独立した測定を可能にする。感受性および非感受性色素は、互いに相互作用して、1つ以上の流体成分に対して感受性である色素の蛍光を増幅および増強することができる。
【0080】
一実施形態では、発色団は、複数の半導体ポリマーを含む。一実施形態では、複数の半導体ポリマーのうちの第1の半導体ポリマーは、1つ以上の流体成分に対して感受性であり、複数の半導体ポリマーのうちの第2の半導体ポリマーは、流体成分に対して感受性ではなく、したがって、内部標準として安定した蛍光を提供する。複数の半導体ポリマーは、異なる波長で蛍光を発することができ、各半導体ポリマーの蛍光の独立した測定を可能にする。一実施形態では、発色団は、半導体ポリマーを含む。一実施形態では、半導体ポリマーの複数のモノマー単位のうちの半導体ポリマーの第1のモノマー単位は、1つ以上の流体成分に対して感受性であり、半導体ポリマーの複数のモノマー単位のうちの半導体ポリマーの第2のモノマー単位は、流体成分に対して感受性ではなく、したがって、内部標準として安定した蛍光を提供する。半導体ポリマーの複数のモノマー単位は、異なる波長で蛍光を発することができ、異なる半導体ポリマーのモノマー単位の蛍光の測定を可能にする。
【0081】
一実施形態では、発色団ポリマー粒子は、追加の機能(例えば、イオン感知または代謝産物感知)を有するように、他の発色団ポリマー(例えば、小さい有機色素、金属錯体、フォトクロミック色素、またはそれらの任意の組み合わせと共有結合またはグラフトされた不活性ポリマー)と物理的に混合または化学的に架橋された半導体ポリマーを含む。
【0082】
一実施形態では、発色団ポリマー粒子は、発光色を調整し、量子収率および/もしくは光安定性を向上させ、ならびに/または追加の機能(例えば、磁気機能、プラズモン共鳴機能など)を提供するように、他の構成要素(例えば、蛍光色素、無機発光材料、磁性材料、金属材料など)と物理的に混合または化学的に架橋された半導体ポリマーを含む。
【0083】
所与の発色団ポリマー粒子の光学特性(例えば、吸収波長)は、その組成および/または構造を改変することによって調整することができる。半導体ポリマーは、可視スペクトル全体を含む紫外線から赤外線までの範囲の吸収波長で発色される。一実施形態では、約200ナノメートル~約300ナノメートル、約250ナノメートル~約350ナノメートル、約300ナノメートル~約400ナノメートル、約350ナノメートル~約450ナノメートル、約400ナノメートル~約500ナノメートル、約450ナノメートル~約550ナノメートル、約500ナノメートル~約600ナノメートル、約550ナノメートル~約650ナノメートル、約600ナノメートル~約700ナノメートル、約650ナノメートル~約750ナノメートル、約700ナノメートル~約800ナノメートル、約750ナノメートル~約850ナノメートル、約800ナノメートル~約900ナノメートル、約850ナノメートル~約950ナノメートル、または約900ナノメートル~約1000ナノメートルのピーク吸収波長を有する発色団ポリマー粒子が使用される。
【0084】
半導体ポリマーは、可視スペクトル全体を含む紫外線から赤外線までの発光波長で発色される。一実施形態では、約200ナノメートル~約300ナノメートル、約250ナノメートル~約350ナノメートル、約300ナノメートル~約400ナノメートル、約350ナノメートル~約450ナノメートル、約400ナノメートル~約500ナノメートル、約450ナノメートル~約550ナノメートル、約500ナノメートル~約600ナノメートル、約550ナノメートル~約650ナノメートル、約600ナノメートル~約700ナノメートル、約650ナノメートル~約750ナノメートル、約700ナノメートル~約800ナノメートル、約750ナノメートル~約850ナノメートル、約800ナノメートル~約900ナノメートル、約850ナノメートル~約950ナノメートル、約900ナノメートル~約1000ナノメートル、約950ナノメートル~約1050ナノメートル、約1000ナノメートル~約1100ナノメートル、約1150ナノメートル~約1250ナノメートル、または約1200ナノメートル~約1300ナノメートルのピーク発光波長を有する発色団ポリマー粒子が使用される。
【0085】
一実施形態では、本開示は、狭い帯域の発光を有する1つ以上の発色団を提供する。狭い帯域の発光は、限定されないが、複数の蛍光シグナルの分解能を含む特定の用途に有利である。1つ以上の発色団の発光波長は、紫外線領域から近赤外線領域まで変化し得る。一実施形態では、発光帯のFWHMは、約100ナノメートル未満、約70ナノメートル、約65ナノメートル、約60ナノメートル、約55ナノメートル、約50ナノメートル、約45ナノメートル、約40ナノメートル、約35ナノメートル、約30ナノメートル、約25ナノメートル、約20ナノメートル、または約10ナノメートルである。一実施形態では、本明細書に記載のポリマー粒子のFWHMは、約5ナノメートル~約100ナノメートル、約10ナノメートル~約70ナノメートル、約20ナノメートル~約60ナノメートル、または約30ナノメートル~約50ナノメートルの範囲であり得る。
【0086】
一実施形態では、本開示の様々な1つ以上の発色団は、狭帯域の発光単位(例えば、狭帯域の繰り返し単位および/または狭帯域の単位)を有するポリマーを含む。例えば、本開示は、狭帯域繰り返し単位を含むホモポリマーまたはヘテロポリマーを含むことができ、繰り返し単位には、BODIPYおよび/またはBODIPY誘導体の繰り返し単位、スクアラインおよび/またはスクアライン誘導体の繰り返し単位、金属錯体および/または金属錯体誘導体の繰り返し単位、ポルフィリンおよび/またはポルフィリン誘導体の繰り返し単位、金属ポルフィリンおよび/または金属ポルフィリン誘導体の繰り返し単位、フタロシアニンおよび/またはフタロシアニン誘導体の繰り返し単位、ランタニド錯体および/またはランタニド錯体誘導体の繰り返し単位、ペリレンおよび/またはペリレン誘導体の繰り返し単位、シアニンおよび/またはシアニン誘導体の繰り返し単位、ローダミンおよび/またはローダミン誘導体の繰り返し単位、クマリンおよび/またはクマリン誘導体の繰り返し単位、ならびに/またはキサンテンおよび/またはキサンテン誘導体の繰り返し単位が含まれる。一実施形態では、狭帯域の単位は、例えば、ポリマー粒子に埋め込まれたまたは結合された、狭帯域の繰り返し単位または蛍光ナノ粒子である。1つ以上の発色団は、例えば、量子ドットを含むことができる。任意選択的に、狭帯域の単位は、本開示のポリマー粒子において狭帯域の発光を与えるポリマーまたは蛍光色素分子を含む。
【0087】
一部の実施形態では、1つ以上の発色団の化学組成および構造は、1つ以上の発色団の吸収スペクトルに影響を与えることができる。吸収ピークは、紫外線領域から赤外線領域にシフトすることができる。一部の実施形態では、1つ以上の発色団の吸収ピークは、特定のレーザー波長に調整され得る。一部の実施形態では、例えば、吸収ピークを405nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約450nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約488nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約532nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約561nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約633nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約635nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークは約640nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約655nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約700nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約750nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約800nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約850nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約900nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約980nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを波長スペクトルの近赤外線領域(例えば、750nm~1200nm)に調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを約1064nmに調整することができる。一部の実施形態では、例えば、吸収ピークを380~420nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを440~460nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを478~498nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを522~542nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを550~570nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを625~645nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを645~665nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを690~710nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを740~760nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを790~810nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを890~910nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを970~990nmに調整することができる。一部の実施形態では、吸収ピークを1054~1074nmに調整することができる。
【0088】
特定の実施形態では、発色団の吸光幅は、吸収極大の20%~16%で測定される。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の20%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、吸収極大の19%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の18%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の17%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の16%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の15%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の14%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の13%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の12%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の11%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。一部の実施形態では、発色団は、吸収極大の10%で、200nm未満、190nm未満、180nm未満、170nm未満、160nm未満、150nm未満、140nm未満、130nm未満、120nm未満、110nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、または40nm未満の吸光幅を有する。
【0089】
本開示の一実施形態では、本明細書に提供される装置、組成物、システム、および方法は、例えば、入射放射線(紫外線、可視光、遠赤外線、近赤外線、または他の光など)に応答して、1つ以上の波長で蛍光を生成することができる1つ以上の発色団(例えば、色素または半導体発色団ポリマー)を利用する。場合によっては、所与の波長における発色団からの蛍光の量は、流体成分の局所濃度(シグナル発色団)の関数として変動する。他の態様では、発色団からの蛍光の量は、当該局所濃度(対照発色団)に応答して変化しない。一実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、それぞれ、シグナル波長および対照波長で蛍光を発する、シグナルおよび対照発色団の両方を組み込むことができる。本明細書の様々な実施形態は、1つまたは2つの異なる発光波長を有するナノ粒子の関連で説明されるが、本明細書に提示されるアプローチは、2つを超える波長を発するナノ粒子にも適用可能であることを理解されたい。例えば、2つのシグナル波長および1つまたは2つの対照波長で発光するナノ粒子を提供することができ、これを複数の分析物の測定シグナルに使用することができる。異なるシグナル波長/対照波長対を有する複数の異なるナノ粒子を提供することができ、各々が、異なる分析物に応答する(または任意選択的に、例えば、冗長なシグナリングの場合、同じ分析物に応答する)。
【0090】
一実施形態では、シグナル波長で蛍光を生成する発色団は、異なる濃度の流体成分の場合、異なる光学特性(例えば、発光スペクトル、吸収スペクトル、ピーク発光波長、ピーク励起波長、発光強度、発光寿命、発光速度)を示す。例えば、発色団は、分子などの流体成分の濃度の増加に応答して、増加した(または減少した)蛍光を示し得る。一実施形態では、蛍光の変動は、流体成分の濃度の関数としてレシオメトリックであり得る。分子は、例えば、酸素、またはNADHもしくはNADPH、またはNADもしくはNADP、または過酸化水素であり得、これは、酵素によって測定および触媒される分析物を伴う反応の反応物または生成物であり得る。酵素は、酵素によって触媒される反応が、分子の局所濃度を変化させ、それによって、分析物の濃度の変化に応答して発色団の蛍光を変化させるように、発色団を含むナノ粒子に物理的に会合または結合され得る。一実施形態では、かかる変化は、レシオメトリックであり得る。蛍光は、対照波長で生成することができ、対照対シグナルの蛍光比が分析物の濃度のシグナルとして機能し、例えば、蛍光強度測定における特定のノイズ源および不確実性を排除または低減することができる。
【0091】
酵素組成物
本明細書に開示される一実施形態では、小分子の検出は、小分子の反応を触媒し、複数の反応要素を含む酵素(例えば、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素)と、反応要素(例えば、複数の反応要素のNADHまたはNADPH)の濃度に基づいて蛍光を発するように構成された発色団との統合に基づいて、提供される。本明細書に開示される一実施形態では、分子(例えば、脂質、炭水化物、タンパク質、核酸、代謝産物、ペプチド、薬物、酵素の基質)の検出は、分子の反応を触媒し、複数の反応要素を含む酵素(例えば、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素)と、反応要素(例えば、複数の反応要素のうちのNADHまたはNADPH)の濃度に基づいて蛍光を発するように構成された発色団との統合に基づいて、提供される。本明細書に開示される一実施形態では、小分子の検出は、トランスデューサーと、小分子の反応を触媒する酵素(例えば、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素)との統合に基づいて、提供される。
【0092】
場合によっては、測定のために発色団を酵素と直接混合することができる。場合によっては、ナノ粒子を酵素に連結するために共有結合が提供され、例えば、細胞内感知に使用され得るコンパクトなプローブが得られる。一実施形態では、酵素は、発色団と物理的に会合する。本明細書でさらに考察されるように、かかる物理的会合は、発色団を有する共通の溶媒中に分散された酵素、発色団を有する共通の基材に結合された酵素、発色団を有する共通の粉末中で凍結乾燥された酵素、発色団を有するヒドロゲルビーズに封入された酵素、またはその他、発色団と物理的/化学的に接触している酵素を含むことができる。一実施形態では、発色団と物理的に会合される酵素は、発色団に結合されている。この点で、酵素は、発色団に直接または間接的に物理的に結合されている。このようなカップリングには、共有結合が含まれ得る。別の実施形態では、酵素と発色団との間の結合は、イオン結合、ファンデルワールス力、水素結合などの1つ以上の非共有結合または相互作用を介する。したがって、一実施形態では、結合は、共有結合を含まない。
【0093】
本明細書の他箇所で考察されるように、発色団はいくつかの異なる形態をとることができ、いくつかの異なる種類の発色団を含むことができる。一実施形態では、発色団は、ナノ粒子の形態である。一実施形態では、発色団は、半導体ポリマー(例えば、半導体ポリマーナノ粒子の形態)である。本明細書の他箇所に記載されるように、一実施形態では、発色団は、発色団および他のポリマー成分が、縮合した安定なサブミクロン状態で存在する場合など、ポリマードットまたはPdotの一部である。一実施形態では、発色団は、発色団ポリマーを、例えば、未縮合状態の半導体発色団ポリマーとして含むことができる。
【0094】
ナノ粒子の表面に酵素のコロナ(corona)を形成すると、ナノ粒子-酵素バイオコンジュゲートは、酵素が感受性である小分子分析物の存在下で、例えば、NADもしくはNADPまたはNADHもしくはNADPHを枯渇または産生するナノリアクターとして振舞う。したがって、小分子の濃度は、分析物が枯渇または産生されるとき、トランスデューサーの光シグナルによって監視される。この感知スキームの性能は、以下を含む要因に依存する:(1)分析物の存在が、反応要素分布プロファイルの明らかな変化を誘導することができるかどうか、(2)トランスデューサーが、分析物の濃度変化を光シグナルに変換することができるかどうか。加えて、インビボ検出は、局所微小血管灌流、組織内の分析物の利用可能性、および酵素活性などの問題とも密接に関連する。以下の実施例では、NAD/NADHは、分析物の濃度を感知する際の本明細書に記載のトランスデューサーの有効性が、インビトロ用途およびインビボ用途の両方についての理論的分析および実験的証拠の両方とともに示され得る例として提供される。本明細書に記載の実施例に基づいて、トランスデューサーは、適切に反応する酵素、およびそれによって触媒される反応の反応要素に感受性である対応する発色団の選択を通して、小分子、大分子、および他の流体成分を含む多種多様な分析物の検出のための蛍光シグナルを生成するように作製することができる。
【0095】
一実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子トランスデューサーは、酵素を含み、酵素は、反応を触媒する。この反応は、測定される分析物を含み、生成物を生成し、反応物を消費し、まとめて反応要素と称される。一実施形態では、反応要素は、流体成分を含み、流体成分の濃度は、反応によって変化する。例えば、流体成分は、反応生成物であり得、反応は、流体成分の濃度を増加させ得る。代替的に、流体成分は、反応物であり得、反応物は、その濃度を減少させ得る。
【0096】
一実施形態では、流体成分は、NADHであり、NADHが生成物である。一実施形態では、流体成分は、NADHであり、NADHが反応物である。一実施形態では、流体成分は、NADであり、NADが反応物である。一実施形態では、流体成分は、NADであり、NADが生成物である。一実施形態では、流体成分は、NADPHであり、NADPHが生成物である。一実施形態では、流体成分は、NADPHであり、NADPHが反応物である。一実施形態では、流体成分は、NADPであり、NADPが反応物である。一実施形態では、流体成分は、NADPであり、NADPが生成物である。一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素および分析物は、それぞれ、以下の対のうちの1つ以上を含む:フェニルアラニンおよびフェニルアラニンデヒドロゲナーゼ(図6Aおよび6Bを参照)、乳酸および乳酸デヒドロゲナーゼ(図17Aおよび17Bを参照)、グルタミン酸およびグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(図17Cおよび17Dを参照)、グルコースおよびグルコースデヒドロゲナーゼ(図17Eおよび17Fを参照)、ならびにβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)およびBHBデヒドロゲナーゼ(図17Gおよび17Hを参照)。
【0097】
一実施形態では、流体成分は、NADH以外であり、例えば、流体成分は、イオンであり得、酵素は、イオン濃度を変化させる反応を触媒し得、発色団は、当該イオン濃度によって調節される蛍光を生成し得、流体成分は、酸もしくは塩基であり得、酵素は、pHを変化させる反応を触媒し得、発色団は、当該pHによって調節される蛍光を生成し得、または流体成分は、熱エネルギーであり得、酵素は、温度を変化させる反応を触媒し得、発色団は、当該温度によって調節される蛍光を生成し得る。一実施形態では、流体成分は、過酸化水素であり得、酵素は、過酸化水素濃度を変化させる反応を触媒し得、発色団は、当該過酸化水素濃度によって調節された蛍光を生成し得る。例えば、過酸化水素は、反応の生成物であり得る。一実施態様では、流体成分は、酸素であり、酵素は、酸素濃度を変化させる反応を触媒し得、発色団は、当該酸素濃度によって調節された蛍光を生成し得る。例えば、酸素は、反応の反応物であり得る。
【0098】
一実施形態では、複数の酵素がナノ粒子トランスデューサーに結合され、それぞれの複数の反応を触媒する。複数の反応は、反応鎖を形成し、1つの反応の1つ以上の生成物は、別の反応の反応物である。例えば、酵素カスケードは、複数の酵素によって提供され得、各酵素が、カスケードのステップを実行する。複数の反応のうちの少なくとも1つは、反応物としての分析物を含み、反応のうちの少なくとも1つは、発色団発光強度を調節するための反応要素としての流体成分を有する。
【0099】
一実施形態では、酵素は、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である。一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、デヒドロゲナーゼである。一実施形態では、デヒドロゲナーゼは、(-)-メントールデヒドロゲナーゼ、(+)-ネオメントールデヒドロゲナーゼ、(+)-サビノールデヒドロゲナーゼ、(+)-trans-カルベオールデヒドロゲナーゼ、(3S,4R)-3,4-ジヒドロキシシクロヘキサ-1,5-ジエン-1,4-ジカルボン酸デヒドロゲナーゼ、(R)-2-ヒドロキシ-脂肪酸デヒドロゲナーゼ、(R)-2-ヒドロキシ酸デヒドロゲナーゼ、(R)-4-ヒドロキシフェニル乳酸デヒドロゲナーゼ、(R)-アミノプロパノールデヒドロゲナーゼ、(R)-デヒドロパントイン酸デヒドロゲナーゼ、(S)-2-ヒドロキシ-脂肪酸デヒドロゲナーゼ、(S)-カルニチン3-デヒドロゲナーゼ、1,2-ジヒドロキシ-6-メチルシクロヘキサ-3,5-ジエンカルボン酸デヒドロゲナーゼ、1,3-プロパンジオールデヒドロゲナーゼ、1,6-ジヒドロキシシクロヘキサ-2,4-ジエン-1-カルボン酸デヒドロゲナーゼ、2-アルキン-1-オールデヒドロゲナーゼ、2-デヒドロ-3-デオキシ-D-グルコン酸5-デヒドロゲナーゼ、2-デオキシ-D-グルコン酸3-デヒドロゲナーゼ、2-ヒドロキシメチルグルタル酸デヒドロゲナーゼ、2-ヒドロキシプロピル-CoMデヒドロゲナーゼ、2-オキソアルデヒドデヒドロゲナーゼ、2-オキソイソ吉草酸デヒドロゲナーゼ、2,3-ジヒドロ-2,3-ジヒドロキシ安息香酸デヒドロゲナーゼ、2,3-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-p-クミン酸デヒドロゲナーゼ、2,4-ジアミノペンタン酸デヒドロゲナーゼ、2,5-ジオキソ吉草酸デヒドロゲナーゼ、3-(イミダゾール-5-イル)乳酸デヒドロゲナーゼ、3-α-ヒドロキシ-5β-アンドロスタン-17-オン3α-デヒドロゲナーゼ、3-α-ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ、3-α-ヒドロキシグリシルレチン酸デヒドロゲナーゼ、3-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-α(17β)-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-α(または20β)-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-β-ヒドロキシ-5α-ステロイドデヒドロゲナーゼ、3-β-ヒドロキシ-5β-ステロイドデヒドロゲナーゼ、3-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-β(または20α)-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-デヒドロ-L-グロン酸2-デヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシ-2-メチルブチリル-CoAデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシ酸-エステルデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシベンジル-アルコールデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシイソ酪酸デヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシピメロイル-CoAデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ、3-イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、3(または17)a-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、4-(ヒドロキシメチル)ベンゼンスルホン酸デヒドロゲナーゼ、4-カルボキシ-2-ヒドロキシムコン酸-6-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、4-ホルミルベンゼンスルホン酸デヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸デヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシスレオニン-4-リン酸デヒドロゲナーゼ、4-ホスホエリトロン酸デヒドロゲナーゼ、4-トリメチルアンモニオブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、5-カルボキシメチル-2-ヒドロキシムコン酸-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、5,6-ジヒドロキシ-3-メチル-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロキノリンデヒドロゲナーゼ、5-ヒドロキシエイコサノイドデヒドロゲナーゼ、6-エンド-ヒドロキシシネオールデヒドロゲナーゼ、6-ヒドロキシヘキサン酸デヒドロゲナーゼ、6-オキソシネオールデヒドロゲナーゼ、6-オキソヘキサン酸デヒドロゲナーゼ、6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、7-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、7-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、11-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、12-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、12-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、15-ヒドロキシイコサテトラエン酸デヒドロゲナーゼ、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ、16-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、17-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、20-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、21-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、アシルCoAデヒドロゲナーゼ、アラニンデヒドロゲナーゼ、アラノピンデヒドロゲナーゼ、α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ、α-グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、アルドース1-デヒドロゲナーゼ、アリルアルコールデヒドロゲナーゼ、アミノブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アミノムコン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アロゲン酸デヒドロゲナーゼ、アリールアルコールデヒドロゲナーゼ、アリールアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アスパラギン酸デヒドロゲナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ベンジル-2-メチル-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、β-アラノピンデヒドロゲナーゼ、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、ベタインアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ボルネオールデヒドロゲナーゼ、ブタナールデヒドロゲナーゼ、ブタンジオールデヒドロゲナーゼ、カルニチン3-デヒドロゲナーゼ、カルベオールデヒドロゲナーゼ、コレスト-5-エン-3β,7α-ジオール3β-デヒドロゲナーゼ、コレスタンテトラオール26-デヒドロゲナーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、シンナミルアルコールデヒドロゲナーゼ、cis-1,2-ジヒドロ-1,2-ジヒドロキシナフタレンデヒドロゲナーゼ、cis-1,2-ジヒドロベンゼン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ、cis-1,2-ジヒドロキシ-4-メチルシクロヘキサ-3,5-ジエン-1-カルボン酸デヒドロゲナーゼ、cis-2,3-ジヒドロビフェニル-2,3-ジオールデヒドロゲナーゼ、cis-3,4-ジヒドロフェナントレン-3,4-ジオールデヒドロゲナーゼ、cis-ジヒドロエチルカテコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、シクロヘキサン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ、シクロヘキサノールデヒドロゲナーゼ、シクロペンタノールデヒドロゲナーゼ、D-アラビニトール2-デヒドロゲナーゼ、D-アラビニトール4-デヒドロゲナーゼ、D-アラビノース1-デヒドロゲナーゼ、D-アラビノース1-デヒドロゲナーゼ、D-リソピンデヒドロゲナーゼ、D-イジトール2-デヒドロゲナーゼ、D-リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、D-ノパリンデヒドロゲナーゼ、D-ピニトールデヒドロゲナーゼ、D-threo-アルドース1-デヒドロゲナーゼ、D-キシロース1-デヒドロゲナーゼ、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ、ジベンゾチオフェンジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ、ジヒドロブノロールデヒドロゲナーゼ、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ、ジヒドロウラシルデヒドロゲナーゼ、ジメチルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、DTDP-6-デオキシ-L-タロース4-デヒドロゲナーゼ、DTDP-ガラクトース6-デヒドロゲナーゼ、エフェドリンデヒドロゲナーゼ、エリトロース-4-リン酸デヒドロゲナーゼ、エストラジオール17-α-デヒドロゲナーゼ、エストラジオール17-β-デヒドロゲナーゼ、ファルネソールデヒドロゲナーゼ、フルオレン-9-オールデヒドロゲナーゼ、フルオロアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ガラクチトール2-デヒドロゲナーゼ、ガラクチトール-1-リン酸5-デヒドロゲナーゼ、ガラクトースデヒドロゲナーゼ、γ-グアニジノブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、GDP-6-デオキシ-D-タロース4-デヒドロゲナーゼ、GDP-マンノース6-デヒドロゲナーゼ、ガイソシジンデヒドロゲナーゼ、ゲラニオールデヒドロゲナーゼ、グルコン酸2-デヒドロゲナーゼ、グルコン酸5-デヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸(グルタミン酸)デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸-5-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、グルタル酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、グリセリン酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、グリセロール2-デヒドロゲナーゼ、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、グリシンデヒドロゲナーゼ、グリコールアルデヒドデヒドロゲナーゼ、グリオキシル酸デヒドロゲナーゼ、ヘキサデカノールデヒドロゲナーゼ、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ、ホモイソクエン酸デヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、水素デヒドロゲナーゼ、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸デヒドロゲナーゼ、ヒドロキシマロン酸デヒドロゲナーゼ、ヒポタウリンデヒドロゲナーゼ、インダノールデヒドロゲナーゼ、インドール乳酸デヒドロゲナーゼ、イノシン-5’-一リン酸デヒドロゲナーゼ、イノシトール2-デヒドロゲナーゼ、イソクエン酸(イソクエン酸)デヒドロゲナーゼ、イソピペリテノールデヒドロゲナーゼ、イソプロパノールデヒドロゲナーゼ、キヌレン酸-7,8-ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ、L-アミノ酸デヒドロゲナーゼ、L-アミノアジピン酸-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、L-アラビニトール2-デヒドロゲナーゼ、L-アラビニトール4-デヒドロゲナーゼ、L-アラビノース1-デヒドロゲナーゼ、L-アルギニンデヒドロゲナーゼ、L-エリトロ-3,5-ジアミノヘキサン酸デヒドロゲナーゼ、L-グリコールデヒドロゲナーゼ、L-グロン酸3-デヒドロゲナーゼ、L-イジトール2-デヒドロゲナーゼ、L-イドン酸5-デヒドロゲナーゼ、L-ラムノース1-デヒドロゲナーゼ、L-トレオン酸3-デヒドロゲナーゼ、L-スレオニン3-デヒドロゲナーゼ、L-キシロース1-デヒドロゲナーゼ、ラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、乳酸(乳酸)デヒドロゲナーゼ、ロイシンデヒドロゲナーゼ、長鎖アルコールデヒドロゲナーゼ、リジンデヒドロゲナーゼ、リンゴ酸(リンゴ酸)デヒドロゲナーゼ、マロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、マンニトール2-デヒドロゲナーゼ、マンニトールデヒドロゲナーゼ、マンニトール-1-リン酸5-デヒドロゲナーゼ、meso-酒石酸デヒドロゲナーゼ、メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ、メチルマロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、モルヒネ6-デヒドロゲナーゼ、マイコチオール依存性ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ、N-アセチルヘキソサミン1-デヒドロゲナーゼ、N-アシルマンノサミン1-デヒドロゲナーゼ、N-メチルアラニンデヒドロゲナーゼ、NADHデヒドロゲナーゼ、NADPHデヒドロゲナーゼ、ニコチン酸デヒドロゲナーゼ、オクタノールデヒドロゲナーゼ、ω-ヒドロキシデカン酸デヒドロゲナーゼ、オピンデヒドロゲナーゼ、オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ、パントイン酸4-デヒドロゲナーゼ、ペリリルアルコールデヒドロゲナーゼ、フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ

、フェニルグリオキシル酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ、リン酸デヒドロゲナーゼ、フタル酸4,5-cis-ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ、ピメロイル-CoAデヒドロゲナーゼ、プレコリン-2デヒドロゲナーゼ、プレフェン酸デヒドロゲナーゼ、プロパンジオールリン酸デヒドロゲナーゼ、ピリドキサール4-デヒドロゲナーゼ、ピリドキシン4-デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、キナ酸デヒドロゲナーゼ、レチナールデヒドロゲナーゼ、レチノールデヒドロゲナーゼ、リビトール2-デヒドロゲナーゼ、リビトール-5-リン酸2-デヒドロゲナーゼ、リボース1-デヒドロゲナーゼ、S-(ヒドロキシメチル)グルタチオンデヒドロゲナーゼ、サッカロピンデヒドロゲナーゼ、サリチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、セクオイトールデヒドロゲナーゼ、セリン2-デヒドロゲナーゼ、セリン3-デヒドロゲナーゼ、シキミ酸デヒドロゲナーゼ、sn-グリセロール-1-リン酸デヒドロゲナーゼ、ソルビトール-6-リン酸2-デヒドロゲナーゼ、ソルボース5-デヒドロゲナーゼ、ステロール-4α-カルボン酸3-デヒドロゲナーゼ、ストロンビンデヒドロゲナーゼ、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、スクシニルグルタミン酸-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、酒石酸デヒドロゲナーゼ、タウロピンデヒドロゲナーゼ、テレフタル酸1,2-cis-ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ、テストステロン17β-デヒドロゲナーゼ、チオモルホリン-カルボン酸デヒドロゲナーゼ、trans-1,2-ジヒドロベンゼン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ、trans-アセナフテン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ、トリプトファンデヒドロゲナーゼ、UDP-グルコース6-デヒドロゲナーゼ、UDP-N-アセチルグルコサミン6-デヒドロゲナーゼ、UDP-N-アセチルムラミン酸デヒドロゲナーゼ、ウレイドグリコール酸デヒドロゲナーゼ、ウロン酸デヒドロゲナーゼ、バリンデヒドロゲナーゼ、バニリンデヒドロゲナーゼ、ベロシミンデヒドロゲナーゼ、ボミフォリオールデヒドロゲナーゼ、キサンチンデヒドロゲナーゼ、およびキサントキシンデヒドロゲナーゼからなる群から選択される。
【0100】
一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、レダクターゼである。一実施形態では、レダクターゼは、(S)-ウスニン酸レダクターゼ、1,2-デヒドロレチクリニウムレダクターゼ、1,2-ジヒドロボミレニンレダクターゼ、1,5-アンヒドロ-D-フルクトースレダクターゼ、2-アルケナールレダクターゼ、2-クマル酸レダクターゼ、2-デヒドロパントイン酸2-レダクターゼ、2-デヒドロパントラクトンレダクターゼ、2-エン酸塩レダクターゼ、2-ヘキサデセナールレダクターゼ、2-ヒドロキシ-1,4-ベンゾキノンレダクターゼ、2-ヒドロキシ-3-オキソプロピオン酸レダクターゼ、2-ヒドロキシ-6-オキソ-6-フェニルヘキサ-2,4-ジエン酸レダクターゼ、2-オキソアジピン酸レダクターゼ、2-オキソプロピル-CoMレダクターゼ、2,4-ジクロロベンゾイル-CoAレダクターゼ、2,5-ジデヒドログルコン酸レダクターゼ、2’-ヒドロキシダイゼインレダクターゼ、2’-ヒドロキシイソフラボンレダクターゼ、3”-デアミノ-3”-オキソニコチアナミンレダクターゼ、3-デヒドロスフィンガニンレダクターゼ、3-ケトステロイドレダクターゼ、3-メチルブタナールレダクターゼ、3-メチレンオキシインドールレダクターゼ、3-オキソアシル-(アシル-キャリアタンパク質)レダクターゼ、4-(ジメチルアミノ)フェニルアゾキシベンゼンレダクターゼ、4-ヒドロキシ-テトラヒドロジピコール酸レダクターゼ、4-オキソプロリンレダクターゼ、5-アミノ-6-(5-ホスホリボシルアミノ)ウラシルレダクターゼ、6-ピルボイルテトラヒドロプテリン2’-レダクターゼ、6,7-ジヒドロプテリジンレダクターゼ、8-オキソコホルマイシンレダクターゼ、12-オキソフィトジエン酸レダクターゼ、アセトアセチル-CoAレダクターゼ、アシルグリセロンリン酸レダクターゼ、アルドースレダクターゼ、アルドース-6-リン酸レダクターゼ、α-サントニン1,2-レダクターゼ、アントシアニジンレダクターゼ、アピオース1-レダクターゼ、アクアコバラミンレダクターゼ、アスパラガス酸レダクターゼ、アゾベンゼンレダクターゼ、ベルベリンレダクターゼ、β-ニトロアクリル酸レダクターゼ、ビリベルジンレダクターゼ、ビオカニンAレダクターゼ、ビス-γ-グルタミルシスチンレダクターゼ、カルボニルレダクターゼ、CDP-4-デヒドロ-6-デオキシグルコースレダクターゼ、クロルデコンレダクターゼ、コレステノン5α-レダクターゼ、シンナモイル-CoAレダクターゼ、cis-2-エノイル-CoAレダクターゼ、CoA-グルタチオンレダクターゼ、CoA-ジスルフィドレダクターゼ、コバラミン(II)レダクターゼ、コデイノンレダクターゼ、コルチゾンα-レダクターゼ、ククルビタシンΔ23-レダクターゼ、シアノコバラミンレダクターゼ、シスチンレダクターゼ、D-キシルロースレダクターゼ、Δ1-ピペリデイン-2-カルボン酸レダクターゼ、Δ14-ステロールレダクターゼ、Δ24-ステロールレダクターゼ、Δ24(241)-ステロールレダクターゼ、2-メチル-3-オキソコハク酸ジエチルレダクターゼ、二鉄トランスフェリンレダクターゼ、ジヒドロケンペロール4-レダクターゼ、ジヨードフェニルピルビン酸レダクターゼ、ジビニルクロロフィリドa8-ビニルレダクターゼ、DTDP-4-デヒドロ-6-デオキシグルコースレダクターゼ、DTDP-4-デヒドロラムノースレダクターゼ、エノイル-(アシルキャリアタンパク質)レダクターゼ、エリトルロースレダクターゼ、フェレドキシン-NADレダクターゼ、鉄キレートレダクターゼ、フラバノン4-レダクターゼ、フラビンレダクターゼ、FMNレダクターゼ、フルクツロン酸レダクターゼ、フマル酸レダクターゼ、GDP-4-デヒドロ-6-デオキシ-D-マンノースレダクターゼ、GDP-4-デヒドロ-D-ラムノースレダクターゼ、グルクロン酸レダクターゼ、グルクロノラクトンレダクターゼ、グルタミル-tRNAレダクターゼ、グリオキシル酸レダクターゼ、ヒドロキシルアミンレダクターゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAレダクターゼ、ヒドロキシフェニルピルビン酸レダクターゼ、ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ、次亜硝酸レダクターゼ、インドール-3-アセトアルデヒドレダクターゼ、L-キシルロースレダクターゼ、ラクトアルデヒドレダクターゼ、レグヘモグロビンレダクターゼ、ロイコアントシアニジンレダクターゼ、長鎖脂肪酸アシル-CoAレダクターゼ、マレイル酢酸レダクターゼ、マンノース-6-リン酸6-レダクターゼ、マンヌロン酸レダクターゼ、水銀(II)レダクターゼ、(メチオニンシンターゼ)レダクターゼ、メチルグリオキサールレダクターゼ、メバルド酸レダクターゼ、モノデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ、マイコチオンレダクターゼ、N-ヒドロキシ-2-アセトアミドフルオレンレダクターゼ、N-アセチル-γ-グルタミルリン酸レダクターゼ、NADPH-シトクローム-c2レダクターゼ、NADPH-ヘムタンパク質レダクターゼ、NADPH:キノンレダクターゼ、亜硝酸レダクターゼ、ニトロキノリン-N-オキシドレダクターゼ、オロト酸レダクターゼ、オキサログリコール酸レダクターゼ、p-ベンゾキノンレダクターゼ、フロログルシノールレダクターゼ、プレコリン-6Aレダクターゼ、プロゲステロン5α-レダクターゼ、プロスタグランジン-E29-レダクターゼ、タンパク質-ジスルフィドレダクターゼ、プロトクロロフィリドレダクターゼ、プテリジンレダクターゼ、ピロリン-2-カルボン酸レダクターゼ、ピロリン-5-カルボン酸レダクターゼ、ルブレドキシン-NAD+レダクターゼ、ルブレドキシン-NAD(P)+レダクターゼ、サルタリジンレダクターゼ、セピアプテリンレダクターゼ、ソルボースレダクターゼ、スルカトンレダクターゼ、タガツロン酸レダクターゼ、テトラヒドロキシナフタレンレダクターゼ、trans-2-エノイル-CoAレダクターゼ、トリメチルアミン-N-オキシドレダクターゼ、トロピノンレダクターゼ、トリパノチオンジスルフィドレダクターゼ、ボミレニンレダクターゼ、キサントンマチンレダクターゼ、ゼアチンレダクターゼからなる群から選択される。
【0101】
一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、オキシゲナーゼである。一実施形態では、オキシゲナーゼは、(S)-リモネン3-モノオキシゲナーゼ、(S)-リモネン7-モノオキシゲナーゼ、2-ヒドロキシビフェニル3-モノオキシゲナーゼ、2-ヒドロキシシクロヘキサノン2-モノオキシゲナーゼ、2-ヒドロキシキノリン8-モノオキシゲナーゼ、2-ニトロフェノール2-モノオキシゲナーゼ、2,4-ジクロロフェノール6-モノオキシゲナーゼ、2,6-ジヒドロキシピリジン3-モノオキシゲナーゼ、3-ヒドロキシ安息香酸4-モノオキシゲナーゼ、3-ヒドロキシ安息香酸6-モノオキシゲナーゼ、3,9-ジヒドロキシプテロカルパン6a-モノオキシゲナーゼ、4-アミノ安息香酸1-モノオキシゲナーゼ、4-ヒドロキシアセトフェノンモノオキシゲナーゼ、4-ヒドロキシ安息香酸3-モノオキシゲナーゼ、4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒドオキシムモノオキシゲナーゼ、4-ヒドロキシフェニル酢酸1-モノオキシゲナーゼ、4-ヒドロキシキノリン3-モノオキシゲナーゼ、4-ニトロフェノール2-モノオキシゲナーゼ、5-O-(4-クマロイル)-D-キナ酸3’-モノオキシゲナーゼ、27-ヒドロキシコレステロール7α-モノオキシゲナーゼ、アルベンダゾールモノオキシゲナーゼ、アルケンモノオキシゲナーゼ、アンヒドロテトラサイクリンモノオキシゲナーゼ、アントラニル酸3-モノオキシゲナーゼ、アントラニロイル-CoAモノオキシゲナーゼ、安息香酸4-モノオキシゲナーゼ、ベンゾイル-CoA 3-モノオキシゲナーゼ、コレスタントリオール26-モノオキシゲナーゼ、コレステロール7α-モノオキシゲナーゼ、シクロペンタノンモノオキシゲナーゼ、ジヒドロケリルビン12-モノオキシゲナーゼ、ジヒドロサンギナリン10-モノオキシゲナーゼ、フラボノイド3’-モノオキシゲナーゼ、ヒドロキシフェニルアセトニトリル2-モノオキシゲナーゼ、イミダソール酢酸4-モノオキシゲナーゼ、キヌレニン3-モノオキシゲナーゼ、L-リジン6-モノオキシゲナーゼ、ロイコトリエン-B420-モノオキシゲナーゼ、ロイコトリエン-E420-モノオキシゲナーゼ、リモネン6-モノオキシゲナーゼ、メリロト酸3-モノオキシゲナーゼ、メチルテトラヒドロプロトベルベリン14-モノオキシゲナーゼ、N-メチルコクラウリン3’-モノオキシゲナーゼ、オルシノール2-モノオキシゲナーゼ、フェノール2-モノオキシゲナーゼ、フェニルアセトンモノオキシゲナーゼ、ホスファチジルコリン12-モノオキシゲナーゼ、プロトピン6-モノオキシゲナーゼ、クェスチンモノオキシゲナーゼ、キニーネ3-モノオキシゲナーゼ、サリチル酸1-モノオキシゲナーゼ、タキシフォリン8-モノオキシゲナーゼ、trans-ケイ皮酸2-モノオキシゲナーゼ、trans-ケイ皮酸4-モノオキシゲナーゼ、バニリン酸モノオキシゲナーゼ、2-アミノベンゼンスルホン酸2,3-ジオキシゲナーゼ、2-クロロ安息香酸1,2-ジオキシゲナーゼ、2-ヒドロキシキノリン5,6-ジオキシゲナーゼ、3-ヒドロキシ-2-メチルピリジンカルボン酸ジオキシゲナーゼ、3-フェニルプロパン酸ジオキシゲナーゼ、4-クロロフェニル酢酸3,4-ジオキシゲナーゼ、4-スルホ安息香酸3,4-ジオキシゲナーゼ、5-ピリドキシン酸ジオキシゲナーゼ、アントラニル酸1,2-ジオキシゲナーゼ、ベンゼン1,2-ジオキシゲナーゼ、安息香酸1,2-ジオキシゲナーゼ、ビフェニル2,3-ジオキシゲナーゼ、ナフタレン1,2-ジオキシゲナーゼ、一酸化窒素ジオキシゲナーゼ、フタル酸4,5-ジオキシゲナーゼ、セネシオニンN-オキシゲナーゼ、テレフタル酸1,2-ジオキシゲナーゼ、およびトルエンジオキシゲナーゼからなる群から選択される。
【0102】
一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、シンターゼである。一実施形態では、シンターゼは、(S)-カナジンシンターゼ、(S)-ケイランチフォリンシンターゼ、(S)-スチロピンシンターゼ、6-メチルサリチル酸シンターゼ、6’-デオキシカルコンシンターゼ、ベルバムニンシンターゼ、コリダリンシンターゼ、脂肪酸シンターゼ、脂肪酸アシル-CoAシンターゼ、GDP-L-フコースシンターゼ、グルタミン酸シンターゼ、グリセオリンシンターゼ、グリシン開裂系(グリシンシンシンターゼ)、イコサノイル-CoAシンターゼ、リコジオンシンターゼ、ロバスタチンノナケチドシンターゼ、ミコセロセートシンターゼ、N5-(カルボキシエチル)オルニチンシンシンターゼ、プレコリン-3Bシンターゼ、PreQ1シンターゼ、プロスタグランジン-Fシンターゼ、ソラレンシンターゼ、プテロカルピンシンターゼ、サルタリジンシンターゼ、およびセコロガニンシンシンターゼからなる群から選択される。
【0103】
一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、ヒドロキシラーゼである。一実施形態では、ヒドロキシラーゼは、3-ヒドロキシフェニル酢酸6-ヒドロキシラーゼ、4-ヒドロキシ安息香酸1-ヒドロキシラーゼ、4’-メトキシイソフラボン2’-ヒドロキシラーゼ、5-β-コレスタン-3α,7α-ジオール12α-ヒドロキシラーゼ、7-デオキシロガニン7-ヒドロキシラーゼ、7-α-ヒドロキシコレスタン酸-4-エン-3-オン12α-ヒドロキシラーゼ、8-ジメチルアリルナリンゲニン2’-ヒドロキシラーゼ、24-ヒドロキシコレステロール7α-ヒドロキシラーゼ、コレステロール24-ヒドロキシラーゼ、デオキシサルパジンヒドロキシラーゼ、イソフラボン2’-ヒドロキシラーゼ、イソフラボン3’-ヒドロキシラーゼ、リトコール酸6β-ヒドロキシラーゼ、タベルソニン16-ヒドロキシラーゼ、タキサン10-β-ヒドロキシラーゼ、タキサン13-α-ヒドロキシヒドロキシラーゼ、およびビノリンヒドロキシラーゼからなる群から選択される。
【0104】
一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、15-オキソプロスタグランジン13-オキシダーゼ、ラトステロールオキシダーゼ、NADHペルオキシダーゼ、NADPHペルオキシダーゼ、3α,7α,12α-トリヒドロキシコレスタン-26-アール26-オキシドレダクターゼ、ミリストイル-CoA11デサチュラーゼ、ホスファチジルコリンデサチュラーゼ、ATP依存性NAD(P)H-水和物デヒドラターゼ、GDP-マンノース4,6-デヒドラターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、モノプレニルイソフラボンエポキシダーゼ、およびステロール14-デメチラーゼからなる群から選択される。
【0105】
キット
別の態様では、本開示は、分析物の濃度測定のためのキットを提供する。一実施形態では、キットは、発色団を含むトランスデューサー(例えば、ナノ粒子トランスデューサー)と、ナノ粒子と物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含む。一実施形態では、酵素およびトランスデューサーならびに/または酵素および発色団が、共通の溶媒中に分散され、共通の基材に結合され、ともに結合され、一緒にヒドロゲルビーズに封入される場合など、酵素は、トランスデューサーおよび/または発色団と物理的に会合する。一実施形態では、トランスデューサーは、本明細書に記載のトランスデューサーのいずれかによるトランスデューサーである。一実施形態では、ナノ粒子は、Pdotを含む。一実施形態では、酵素は、本明細書に記載される酵素である。一実施形態では、キットは、本開示の方法による1つ以上の反応を行うのに好適な構成要素を含む。
【0106】
一実施形態では、複数の反応要素は、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、発色団から発せられる蛍光の量は、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される。一実施形態では、酵素は、本開示のトランスデューサーに関して本明細書でさらに考察されるように、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である。一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、複数の反応要素の反応要素は、NADHおよび/またはNADを含み、発色団から発せられる蛍光の量は、NADHおよび/またはNADの濃度によって決定される。一実施形態では、分析物は、NADHおよび/またはNADを含む。一実施形態では、複数の反応要素の反応要素は、NADPHおよび/またはNADPを含み、発色団から発せられる蛍光の量は、NADPHおよび/またはNADPの濃度によって決定される。一実施形態では、分析物は、NADPHおよび/またはNADPを含む。
【0107】
NADHおよびNADH依存性またはNADPHおよびNADPH依存性酵素が記載されているが、他の分析物と酵素の対が、本開示の範囲内であることが理解されるであろう。その点に関して、一実施形態では、分析物は、グルコースであり、酵素は、グルコースオキシダーゼである。一実施形態では、複数の反応要素の反応要素は、酸素を含み、発色団から発せられる蛍光の量は、酸素の濃度によって決定される。
【0108】
上記のように、酵素およびナノ粒子は、物理的に会合している。場合によっては、測定のために発色団を酵素と直接混合することができる。場合によっては、ナノ粒子を酵素に連結するために共有結合が提供され、例えば、細胞内感知に使用され得るコンパクトなプローブが得られる。一実施形態では、酵素は、発色団と物理的に会合する。本明細書でさらに考察されるように、かかる物理的会合は、発色団を有する共通の溶媒中に分散された酵素、発色団を有する共通の基材に結合された酵素、発色団を有する共通の粉末中で凍結乾燥された酵素、発色団を有するヒドロゲルビーズに封入された酵素、またはその他、発色団と物理的/化学的に接触している酵素を含むことができる。一実施形態では、発色団と物理的に会合される酵素は、発色団に結合されている。この点で、酵素は、発色団に直接または間接的に物理的に結合されている。このようなカップリングには、共有結合が含まれ得る。別の実施形態では、酵素と発色団との間の結合は、イオン結合、ファンデルワールス力、水素結合などの1つ以上の非共有結合または相互作用を介する。したがって、一実施形態では、結合は、共有結合を含まない。
【0109】
本明細書の他箇所で考察されるように、発色団はいくつかの異なる形態をとることができ、いくつかの異なる種類の発色団を含むことができる。一実施形態では、発色団は、ナノ粒子の形態である。一実施形態では、発色団は、半導体ポリマー(例えば、半導体ポリマーナノ粒子の形態)である。本明細書の他箇所に記載されるように、一実施形態では、発色団は、発色団および他のポリマー成分が、縮合した安定なサブミクロン状態で存在する場合など、ポリマードットまたはPdotの一部である。一実施形態では、発色団は、発色団ポリマーを、例えば、未縮合状態の半導体発色団ポリマーとして含むことができる。
【0110】
本明細書でさらに考察されるように、驚くべきことに、本開示のトランスデューサーは、共有結合のみを介するのではなく、物理的会合を介して、分析物の濃度を検出または監視するように動作し得ることが見出されている。したがって、かかる物理的会合は、共有結合を含み得、酵素は、ナノ粒子に共有結合されている。加えて、かかる物理的会合には、酵素およびナノ粒子の非共有結合を介するような他の会合形態が含まれる。したがって、一実施形態では、酵素は、ナノ粒子に共有結合していない。一実施形態では、酵素およびナノ粒子は、イオン結合、ファンデルワールス力、水素結合などを介して会合することができる。
【0111】
一実施形態では、酵素およびナノ粒子は、一緒に混合される。一実施形態では、酵素およびナノ粒子は、一緒にヒドロゲルビーズに封入される。一実施形態では、酵素およびナノ粒子は、凍結乾燥粉末中にある。かかる凍結乾燥粉末は、例えば、共通の溶媒に再水和および/または再構成され得る。一実施形態では、酵素およびナノ粒子は、共通の溶媒中に分散されている。一実施形態では、酵素およびナノ粒子は、基材または表面に共有結合または非共有結合している。一実施形態では、酵素およびナノ粒子は、共通の基材または表面に共有結合または非共有結合している。
【0112】
方法
別の態様では、本開示は、流体中の分析物の濃度を測定するための方法を提供する。一実施形態では、本方法は、部分的にまたは全体的に、本開示のシステムを使用して行われる。
【0113】
一実施形態では、本方法は、本開示に従って、流体をトランスデューサーと接触させることを含む。一実施形態では、本方法は、流体をPdotと接触させることを含み、反応を触媒するように構成されたPdotに結合された発色団およびNADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素を含む。一実施形態では、本方法は、流体をPdotと接触させることを含み、反応を触媒するように構成されたPdotと物理的に会合した発色団および酵素を含む。一実施形態では、本方法は、流体を発色団と接触させることを含み、反応を触媒するように構成された発色団と物理的に会合した半導体発色団ポリマーおよび酵素を含む。一実施形態では、流体は、液体である。一実施形態では、流体は、気体である。一実施形態では、流体は、液体および気体の組み合わせである。流体を、例えば、トランスデューサーと接触させることを含む方法が説明されるが、特定の実施形態では、本開示の方法が、本開示のトランスデューサーを固体またはスラリーと接触させることを含むことが理解されよう。一実施形態では、本方法は、本明細書に記載されるトランスデューサーを表1の生物学的検体と接触させることを含む。
【0114】
発色団および酵素は、本開示のトランスデューサーに関して本明細書でさらに説明されるように、結合および/または物理的に会合され得る。したがって、一実施形態では、発色団および酵素は、基材に結合されている。一実施形態では、発色団および酵素は、共通の基材または同じ表面に結合されている。同様に、一実施形態では、発色団および酵素は、共通の溶媒中に分散されている。一実施形態では、発色団および酵素は、一緒にヒドロゲルビーズに封入される。一実施形態では、酵素は、Pdotに結合されておらず、例えば、酵素が、Pdotに共有結合されていない。一実施形態では、Pdotは、酵素に共有結合されている。
【0115】
場合によっては、測定のために発色団を酵素と直接混合することができる。場合によっては、ナノ粒子を酵素に連結するために共有結合が提供され、例えば、細胞内感知に使用され得るコンパクトなプローブが得られる。一実施形態では、酵素は、発色団と物理的に会合する。本明細書でさらに考察されるように、かかる物理的会合は、発色団を有する共通の溶媒中に分散された酵素、発色団を有する共通の基材に結合された酵素、発色団を有する共通の粉末中で凍結乾燥された酵素、発色団を有するヒドロゲルビーズに封入された酵素、またはその他、発色団と物理的/化学的に接触している酵素を含むことができる。一実施形態では、発色団と物理的に会合される酵素は、発色団に結合されている。この点で、酵素は、発色団に直接または間接的に物理的に結合されている。このようなカップリングには、共有結合が含まれ得る。別の実施形態では、酵素と発色団との間の結合は、イオン結合、ファンデルワールス力、水素結合などの1つ以上の非共有結合または相互作用を介する。したがって、一実施形態では、結合は、共有結合を含まない。
【0116】
本明細書の他箇所で考察されるように、発色団はいくつかの異なる形態をとることができ、いくつかの異なる種類の発色団を含むことができる。一実施形態では、発色団は、ナノ粒子の形態である。一実施形態では、発色団は、半導体ポリマー(例えば、半導体ポリマーナノ粒子の形態)である。本明細書の他箇所に記載されるように、一実施形態では、発色団は、発色団および他のポリマー成分が、縮合した安定なサブミクロン状態で存在する場合など、ポリマードットまたはPdotの一部である。一実施形態では、発色団は、発色団ポリマーを、例えば、未縮合状態の半導体発色団ポリマーとして含むことができる。
【0117】
本明細書でさらに考察されるように、一実施形態では、反応は、複数の反応要素を含み、複数の反応要素は、分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含む。本明細書でさらに考察されるように、一実施形態では、発色団から発せられる蛍光の量が、複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される。
【0118】
一実施形態では、本方法は、発色団を照明して、それから蛍光を誘導することをさらに含む。一実施形態では、かかる照明は、発色団によって吸収される波長で発色団を照明することを含む。一実施形態では、本方法は、第2の発色団(例えば、発色団を照明するために使用される光とは異なる波長範囲)を照明することをさらに含む(例えば、励起多重化)。一実施形態では、照明は、本開示の一実施形態に従って、システムの照明源によって提供される。
【0119】
一実施形態では、本方法は、発色団からの蛍光を測定することをさらに含む。一実施形態では、発色団から発せられる蛍光は、シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しい蛍光比を定義する。一実施形態では、蛍光比は、流体成分(fluid component)または流体成分(fluid constituent)の濃度によって決定される。
【0120】
実施形態では、本方法は、測定された蛍光に基づいて、分析物の濃度を決定することをさらに含む。一実施形態では、分析物の濃度を決定することは、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長で蛍光を測定することと、その測定に基づいて、測定された蛍光比を決定することと、測定された蛍光比に基づいて、分析物の濃度を決定することと、を含む。
【0121】
上記のように、本方法は、本開示に従って流体をトランスデューサーと接触させることを含む。かかる流体には、分析物をアッセイするのに好適な任意の流体が含まれ得る。一実施形態では、流体は、分析物を含有すると考えられるか、または含有すると疑われる生体流体である。一実施形態では、流体は、血液、血漿、血清、リンパ液、唾液、涙、間質液、髄液、尿、汗、およびこれらの組み合わせから選択される。
【0122】
本開示の方法は、流体中のいくつかの分析物の濃度を決定または監視するのに好適である。かかる分析物は、本明細書に記載のNADH依存性酵素もしくはNADPH依存性酵素または他の酵素によって消費または変化されるものであり得る。一実施形態では、分析物は、アミノ酸である。一実施形態では、分析物は、NADHである。一実施形態では、分析物は、アスコルビン酸、グルタミン酸、ドーパミン、コレステロール、アルコールからなる群から選択される。一実施形態では、分析物は、薬物である。一実施形態では、分析物は、薬物代謝産物である。一実施形態では、分析物は、タンパク質、核酸分子、または伝達分子である。一実施形態では、分析物は、炭水化物、脂質、または代謝産物である。一実施形態では、分析物は、糖である。一実施形態では、分析物は、代謝産物である。一実施形態では、代謝産物は、乳酸、グルタミン酸、グルコース、およびβ-ヒドロキシ酪酸からなる群から選択される。一実施形態では、代謝産物は、表1の代謝産物のうちのいずれか1つ以上による代謝産物である。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【0123】
一実施形態では、代謝産物は、表2の代謝産物のうちのいずれか1つ以上による代謝産物である。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【0124】
一部の実施形態では、ステップのいくつかまたはすべてが各プロセスで説明される順序は、限定的であるとみなされるべきではない。むしろ、本開示の利益を受ける当業者は、ステップの一部が、図示されていない様々な順序で、またはさらに並行して実行され得ることを理解するであろう。
【0125】
システム
別の態様では、本開示は、分析物の濃度測定のためのシステムを提供する。一実施形態では、システムは、トランスデューサー(例えば、ナノ粒子トランスデューサー)および/もしくはトランスデューサー基材、または本明細書でさらに説明されるキットを含む。一実施形態では、システムは、本開示の方法を実行するように構成されており、好適である。
【0126】
本明細書の他箇所で考察されるように、本開示のトランスデューサーおよびキットは、発色団(例えば、酵素と物理的に会合した発色団)を含む。場合によっては、測定のために発色団を酵素と直接混合することができる。場合によっては、ナノ粒子を酵素に連結するために共有結合が提供され、例えば、細胞内感知に使用され得るコンパクトなプローブが得られる。一実施形態では、酵素は、発色団と物理的に会合する。本明細書でさらに考察されるように、かかる物理的会合は、発色団を有する共通の溶媒中に分散された酵素、発色団を有する共通の基材に結合された酵素、発色団を有する共通の粉末中で凍結乾燥された酵素、発色団を有するヒドロゲルビーズに封入された酵素、またはその他、発色団と物理的/化学的に接触している酵素を含むことができる。一実施形態では、発色団と物理的に会合される酵素は、発色団に結合されている。この点で、酵素は、発色団に直接または間接的に物理的に結合されている。このようなカップリングには、共有結合が含まれ得る。別の実施形態では、酵素と発色団との間の結合は、イオン結合、ファンデルワールス力、水素結合などの1つ以上の非共有結合または相互作用を介する。したがって、一実施形態では、結合は、共有結合を含まない。
【0127】
本明細書の他箇所で考察されるように、発色団はいくつかの異なる形態をとることができ、いくつかの異なる種類の発色団を含むことができる。一実施形態では、発色団は、ナノ粒子の形態である。一実施形態では、発色団は、半導体ポリマー(例えば、半導体ポリマーナノ粒子の形態)である。本明細書の他箇所に記載されるように、一実施形態では、発色団は、発色団および他のポリマー成分が、縮合した安定なサブミクロン状態で存在する場合など、ポリマードットまたはPdotの一部である。一実施形態では、発色団は、発色団ポリマーを、例えば、未縮合状態の半導体発色団ポリマーとして含むことができる。
【0128】
一実施形態では、システムは、トランスデューサー、トランスデューサー基材、キット、またはトランスデューサーの発色団を照明して、それから蛍光を誘導するように構成された照明源を含む。一実施形態では、照明源は、レーザーである。一実施形態では、照明源は、レーザーダイオードである。一実施形態では、照明源は、LED(発光ダイオード)である。一実施形態では、照明源は、ランプである。
【0129】
一実施形態では、照明源は、発色団を励起するように構成された電磁放射線を発するように(例えば、発色団から蛍光を発するように)構成されている。
【0130】
一実施形態では、照明源は、第1の照明源であり、システムは、第2の電磁放射線(例えば、第1の照明源から発せられる電磁放射とは異なる波長範囲を有する第2の電磁放射線)を発するように構成された第2の照明を含む。かかる第1の照明源および第2の照明源は、異なる発色団(例えば、異なる波長範囲を有する電磁放射線によって吸収および励起されるように構成された発色団)を有するトランスデューサーを励起するのに好適であり得る。これに関して、かかるシステムは、本明細書でさらに説明されるように、励起の多重化に好適である。
【0131】
一実施形態では、システムは、発色団からの蛍光に基づいてシグナルを生成するように構成された光検出器を含む。一実施形態では、光検出器は、第1の光検出器であり、シグナルは、第1のシグナルであり、システムは、第2のシグナルを生成するように構成された第2の光検出器を含む。一実施形態では、第2の光検出器は、第1の光とは異なる波長範囲を有する光に基づいて第2のシグナルを生成するように構成されている。この点で、システムは、例えば、異なる発色団(異なる酵素と反応するように構成された異なるトランスデューサーの一部である発色団など)からの蛍光から第1のシグナルおよび第2のシグナルを生成するように構成され得る。この点で、システムは、発光の多重化を行うように構成され得る。これに関して、システムは、例えば、シグナル波長で、および対照波長で、第1のシグナルおよび第2のシグナルを生成するようにも構成され得る。この点で、本開示の方法に関して本明細書でさらに説明されるように、システムは、レシオメトリック蛍光測定を行うように構成され得る。
【0132】
一実施形態では、システムは、照明源および光検出器に動作可能に結合されたコントローラーを含む。実施形態では、コントローラーは、論理を含み、コントローラーによって実行された場合、システムに動作を実行させる。かかる動作は、本開示の方法のうちの1つ以上を実行するように構成され得る。一実施形態では、動作は、照明源で発色団を照明することと、光検出器からのシグナルに基づいて分析物の濃度を決定することと、を含む。本開示の実施例に関して本明細書でさらに考察されるように、本開示のトランスデューサーから発せられる蛍光の量または強度は、分析物の濃度に基づくことができる。これに関して、トランスデューサーの発色団の検出/測定された蛍光の量または強度は、分析物の濃度を推測および/または計算するために使用され得る。
【0133】
一実施形態では、光検出器は、シグナル蛍光波長におけるシグナル蛍光の量、および対照蛍光波長における対照蛍光の量を検出するように構成されている。一実施形態では、コントローラーは、論理をさらに含み、コントローラーによって実行された場合、シグナル蛍光および対照蛍光との測定量に基づいて、測定された蛍光比を決定することを含む動作を、システムに実行させる。一実施形態では、分析物の濃度を決定することは、測定された蛍光比に基づく。一実施形態では、システムは、分析物の濃度を示すシグナルを生成するように構成されている。
【0134】
一実施形態では、システムは、本明細書でさらに説明されるように、トランスデューサー基材を受け入れるように成形される。一実施形態では、トランスデューサー基材は、システムによる分析のための分析物を含有するかまたは潜在的に含有する試料(例えば、流体試料)を受け入れるように構成されている。
【0135】
一部の実施形態では、上で説明されたプロセスまたは動作は、コンピュータのソフトウェアおよびハードウェアの観点から説明される。記載される技術は、機械によって実行された場合、記載された動作を機械に実行させる有形または非一時的機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体内に具現化された機械実行可能命令を構成し得る。
【0136】
一実施形態では、非一時的機械可読記憶媒体は、それに記憶された命令を有し、処理システムによって実行された場合、処理システムに、例えば、本開示の方法のステップまたは部分を含む動作を実行させる。
【0137】
有形機械可読記憶媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、製造ツール、1つ以上のプロセッサのセットを有する任意のデバイスなど)によってアクセス可能な非一時的形式で情報を提供する(すなわち、記憶する)任意の機構を含む。例えば、機械可読記憶媒体は、記録可能/非記録可能媒体(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)を含む。さらに、プロセスは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)などのハードウェア内に具現化され得るか、またはその他であり得る。
【0138】
概要に記載されているものを含む本発明の例示された実施形態の上記の説明は、網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。本発明の特定の実施形態および実施例は例示的な目的で本明細書に記載されているが、関連技術分野の当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な変更が可能である。
【0139】
これらの変更は、上記の詳細な説明に照らして本発明に対して行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本発明を本明細書に開示される特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきであり、これらは、特許請求の範囲の解釈の確立された教義に従って解釈されるべきである。
【実施例
【0140】
実施例1:材料
ポリ[9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル]-ジメチルフェニル(DMP)(PFO、ADS129BE、Mw:40,000~150,000)でエンドキャップされたもの、ポリ[9,9-ジヘキシルフルオレニル-2,7-ジイル]-DMP(PDHF、ADS130BE、Mw:40,000~150,000)でエンドキャップされたもの、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-co-(1,4-ベンゾ-{2,1’,3}-チアジアゾール)](PFBT、ADS133YE、Mw:15,000~200,000)、ポリ[{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレンフェニレン)}-co-{2,5-ビス(N,N’-ジフェニルアミノ)-1,4-フェニレン}](DPA-CNPPV、ADS113RE、Mw:15,000~50,000)、ポリ[{9,9-ジヘキシル-2,7-ビス(1-シアノビニレン)フルオレニレン}-alt-co-{2,5-ビス(N,N’-ジフェニルアミノ)-1,4-フェニレン}](DPA-CNPF、ADS111RE、Mw:25,000~250,000)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン-ビニレン]-ポリシルセスキオキサン(POSS)(MEHPPV、ADS200RE、Mw:>100,000)でエンドキャップされたもの、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)](CNPPV、ADS110RE、Mw:約15,000)は、America Dye Source Inc.(Montreal,Canada)から入手した。L-フェニルアラニンデヒドロゲナーゼは、Sporosarcina種(PheDH、1.4.1.20)、ポリ(スチレン-コマレイン酸無水物)(PSMA、平均Mw:約1,700)、無水テトラヒドロフラン(THF、≧99.9%)をSigma-Aldrich(St.Louis,USA)から得、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド水和物の酸化型(NAD)および還元型(NADH)、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の酸化型(NADP)および還元型(NADPH)を、別途示されない限り、さらに精製することなくTokyo Chemical Industry Co.,Ltd.(Tokyo,Japan)から得た。ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(1,4-ベンゾ-{2,1,3’-チアジアゾール)]-co-4,7-ビス(チオフェン-2-イル)ベンゾ-2,1,3-チアジアゾール](PFBTTBT)およびポリ[2,7-(9,9-ジ-オクチル-フルオレン)-alt-4,7-ビス(チオフェン-2-イル)ベンゾ-2,1,3-チアジアゾール](PFTBT)を、本発明者らのグループで合成した。Milli-Q水(18.2MΩ・cm-2、25℃)を実験全体を通して使用し、他のすべての化学試薬を受け取ったまま使用した。
【0141】
実施例2:NADH-感受性Pdotの合成
Pdotを、ナノ沈殿法を使用して調製した。典型的な調製では、蛍光共役ポリマーを無水THF中に溶解して、原液(1.0mg mL-1)を作った。ストック溶液をTHF中でさらに希釈し、蛍光ポリマー(0.1mg mL-1)および機能性ポリマーPSMA(0.02mg mL-1)を含有する混合物を生成した。上記の溶液の5mLアリコートを、激しい超音波処理の下で、10mLのMilli-Q水中に速やかに分散させた。90℃で約60分間、窒素ガスを送って、THFを除去した。0.2μmの膜フィルターを通して濾過することによって、少量の凝集体を除去した。
【0142】
Pdotは、可視スペクトルの全範囲にわたるエネルギー帯理論により開発されている。図8は、この研究において用いられた半導体ポリマー(PFO、PDHF、PFBT、PFBTTBT、PFTBT、DPA-CNPPV、およびDPA-CNPFを含む)の化学構造を示す。NADH感受性Pdotを、両親媒性ポリマーPSMAとの疎水性相互作用を通してポリマーを折り畳み、歪ませることによって、容易なナノ沈殿法を介して調製した。
【0143】
実施例3:NADH-感受性Pdotの特徴付け
得られたPdotの形態は、透過型電子顕微鏡法(TEM)によって特徴付けられ、これにより、Pdotが単分散され、形状がほぼ球形であることが示された(図1A)。Pdotの平均直径が、動的光散乱(DLS)によって決定され、約19nmの流体力学的直径を有した(図1B)。ゼータ電位測定は、Pdotが中性pHで負に荷電した表面を有し、初期ζ電位が約-37mVであることを示した(図1C)。これらの透明なPdotは、室温で数週間、リン酸緩衝食塩水(PBS)溶液中で安定したままであり(図9)、さらなる凝集または分解の明らかな兆候はなかった。図1Dは、それぞれ、白色光および365nmの紫外線(UV)下のPdot懸濁液の写真を示す(左から右へ:PFO、PDHF、PFBT、DPA-CNPPV、PFBTTBT、およびPFTBT Pdot)。図1Eに示されるように、吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルの変化は、ポリマー構造に応じて変動する。励起すると、Pdot水性懸濁液は、ほぼ全色の発光(400~750nm)で強い蛍光を示した(図1F)。
【0144】
UV-Vis吸収スペクトルを、DU720走査分光光度計(Beckman Coulter,Inc.,CA,USA)で記録した。蛍光スペクトルを得て、LS-55蛍光分光計(LS55,PerkinElmer Life and Analytical Sciences,Shelton,CT,USA)を使用して較正した。蛍光の量子収率を、CCDカメラおよび積分球を備えたHamamatsuフォトニックマルチチャネルアナライザーC10027を使用して測定した。量子収率の較正には、溶媒を参照として使用した。水溶液中のPdotのサイズ分布およびゼータ電位を、Malvern Zetasizer Nano ZS機器を用いて、動的光散乱(DLS)によって決定した。Pdotの形態は、200kVで動作するFEI Tecnai F20 TEMで記録した。
【0145】
表3に、Pdotのサイズおよび光物理学的特性をまとめた。
【表3】
【0146】
実施例4:PdotのNADHに対する蛍光応答
NADHに対するPdotの蛍光応答を最初に水溶液中で調査して、最良の候補を見つけた。本実施例は、NADHと共通の溶媒中に分散したPdotを実証する。
【0147】
図2Aは、NADHの添加時のPFO Pdotの代表的な発光スペクトル変化を示す(NADPH時のアッセイは、図10に提供されている同様のスペクトル進化を示した)。発光は、NADH濃度の増加によって強く消光する。図11は、溶解したNADHに対するPFO Pdotの蛍光強度のStern-Volmerプロットを示す。データは、0~2mMの生理学的に関連する範囲のNADH濃度の線形関数と非常によく適合する。検出限界(LOD)は25μM、消光定数(KSV)は1.04×10-1である。また、他のPdotの発光の消光も同様の条件で調査した。PDHF Pdotは、KSVが0.94×10-1で36μMのLODを有し(図2B図12A)、PFBT Pdotは、KSVが4.89×10-1で14μMのLODを有し(図2C図12B)、PFBTTBTは、KSVが1.17×10-1で27μMのLODを有し(図2D図12C)、PFTBTは、KSVが0.97×10-1で28μMのLODを有する(図2E図12D)。PFBT Pdotは、これらのPdotの中で最小のLODおよび最大のKSVを示し、NADHの検出において優れた感度を示した。図13は、本開示の一実施形態による、λex=380nmでの励起によって得られた、NADH(10mM)を添加する前後での、PFBTTBT Pdotの蛍光発光を図示する。これらの結果は、PdotがNADHの検出のための有望な「ターンオフ(turn-off)」蛍光プローブであることを実証する。
【0148】
レシオメトリック蛍光プローブは、2つ以上の異なる波長における分析物誘導性の発光強度の変化に依存し、これは、シグナル対ノイズ比を大幅に増加させ、定量化を改善する。NADHに対するDPA-CNPPV Pdotの発光応答を調べたところ、発光帯は、627nmでの赤色発光の大幅な減少および458nmでの青色発光の随伴的な増加とともに劇的に変化し、結果として、NADHに対するレシオメトリックセンサーが得られた。
【0149】
500~800nmの領域で記録されたDPA-CNPPV Pdotの蛍光量子収率(QY)は、100mMのNADHの存在下では、10.8%~3.4%に減少し、400~500nmの領域で記録された対応するQYは0.2%~1.3%に増加した(表4)。蛍光強度比(R=I458nm/627nm、相対変動:R/R、式中、Rは、NADHの不在下における純粋なPdotの蛍光強度比を示し、Rは、異なるNADH濃度での蛍光強度比である)の変化は、それぞれ、0~2mM(図3A、3B)および2~10mM(図3C、3D)の広範囲において、NADHの濃度と優れた線形関係を示した。NADHに対するDPA-CNPPV PdotのLODは、3.1μMと低く判定された。
【表4】
【0150】
蛍光プローブの光安定性は、分析物の長期監視にとって重要な問題である。図3Eから、DPA-CNPPV Pdotの蛍光強度が、385nm光の連続照明の下で、30分間ほぼ一定のままであることが分かる。さらに、反応速度論の結果は、DPA-CNPPV PdotとNADHとの反応が、5秒以内に完了する過激な時間依存性の蛍光強度比の変化を引き起こすことを実証し(図3F)、これは、DPA-CNPPV PdotプローブとNADHとの間の迅速な応答を示唆した。選択性は、バイオセンシングで注意すべき別の重要なセンサーパラメータである。DPA-CNPPV Pdotセンサーは、活性酸化種および還元種、異なる炭水化物誘導体、ならびに豊富な細胞性カチオンを含む様々な潜在的に干渉する基質の存在下で高い選択性を示す。NADHは、I458nm/I627nmの発光比の顕著な増強を誘発するが(図3G)、最大1mMの他の潜在的に干渉する基質によるスペクトルの変化は識別できない(図3H)。比率Pdotセンサーの可逆性も調べる。DPA-CNPPV Pdotセンサーを、限外濾過およびゲル濾過によって、NADH(1mM)から繰り返し分離した。センサーの応答は、サイクルごとの測定で変わらず(図3I)、DPA-CNPPV Pdotセンサーの良好な可逆性を実証し、これは、化学反応を伴わない電子伝達機構とも一致した。図3Jおよび3Kは、NADHが、627nmでPdotの発光を消光し、458nmで蛍光することを示す。図3Jは、DPA-CNPPV Pdotの発光スペクトル、ならびに0および2mMのNADHにおける、385nmで励起したNADHの発光スペクトルを示す。図3Kは、365nmのUV光で照明したPdot溶液の写真を示す。図3Lは、NADHおよびNADPHに対するセンサーの蛍光応答を示す。図3Lは、NADHおよびNADPHに対するセンサーの蛍光応答を示す。NADH、NADPH、NAD、およびNADPによるDPA-CNPPV/PSMA Pdotの滴定は、NADHおよびNADPHに対してのみ蛍光応答を示した。これは、NADおよびNADPがPdot発光を消光せず、それらが、UV照明下、458nmで発光しないことを示す。
【0151】
また、本発明者らは、他のDPAベースのPdot(DPA-CNPF)とNADHとの発光性能を調査し、DPA-CNPPVと同様の結果を得た(図14)。NADHに対する高速で、感度が高く、選択的で、可逆的な応答により、Pdotセンサーは、代謝産物を監視する上で大きい可能性を有する。
【0152】
実施例5:生細胞におけるNADHの検出
Pdotプローブの感度、選択性、および安定性を確認した後、本発明者らは、次に、生細胞におけるNADHをイメージングするためのPdotの応用の可能性を探索した。本実施例は、NADHと共通の溶媒中のPdotを実証する。
【0153】
極めて明るい蛍光を有するPdotsは、特異的な細胞標識に成功裏に適用されている。ここでは、インビトロアプリケーションの例として、PFBT Pdotを選択する。ストレプトアビジンで官能化したPdotを使用して、循環腫瘍細胞MCF-7を検出するために、特異的な細胞標的タンパク質EpCAMを標識する(図15)。
【0154】
Pdotで標識されたMCF-7細胞を、それぞれPBSおよびNADHとともにインキュベートした。乳癌細胞株であるMCF-7細胞は、American Type Culture Collection(Manassas,VA,USA)から購入した。初代培養MCF-7細胞を、10%のウシ胎仔血清および1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で、5% COを含有する加湿環境で、37℃で培養した。培地を2日ごとに交換した。0.25%のトリプシン-EDTAを使用して、80%コンフルエンスの細胞を剥離し、次いで、800rpmで5分間遠心分離した。ペレットを、培地に再懸濁し、培養フラスコ中で継代培養した。
【0155】
本発明者らは、Pdot上のカルボキシル基と生体分子ストレプトアビジン上のアミン基との間のEDC触媒反応を使用して、生体共役を行った。典型的な生体共役反応において、80μLのポリエチレングリコール(PEG、5%(w/v))および等量の濃縮HEPES緩衝液(1M)を、4mLのPFBT Pdot溶液(50μg/mL、Milli-Q水中)に添加し、pH7.3の20mMのHEPES緩衝液中のPdot溶液を得た。次いで、240μLのストレプトアビジン(5mg/mL)を溶液に添加し、ボルテックスした。次に、80μLの新たに調製したEDC溶液(5mg/mL、脱イオン水中)を添加し、得られた混合物を、ロータリーシェーカー上で、室温で4時間放置した。得られたPdot-ストレプトアビジン生体共役物を、Sephacryl HR-300ゲル媒体を使用してゲル濾過によって、遊離生体分子から分離した。表面マーカーEpCAMを標識するために、MCF-7細胞を、培養フラスコから回収し、洗浄し、遠心分離し、標識緩衝液(1×PBS、1% BSA)に再懸濁した。MCF-7細胞を、5mL丸底チューブ中の100μLの標識緩衝液中に分散させ、ビオチン化一次抗EpCAM(0.5mg/mL)およびPdot-ストレプトアビジンと順次インキュベートした。次いで、Pdotタグ付きMCF-7細胞を、NADH(1mM)の不在下または存在下、PBS溶液(10mM、pH=7.4)中で、37℃で30分間インキュベートした。20×対物レンズを用いて、蛍光顕微鏡で蛍光イメージングを行った。励起光を、キセノンランプによって提供し、バンドパスフィルター(Semrock FF01-350/52)によってフィルタリングした。蛍光シグナルを、バンドパスフィルター(Semrock FF01-525/20)によってフィルタリングした。画像の処理および解析は、Image JおよびMatlabソフトウェア上で行った。
【0156】
図4Aは、NADHを含まないPBS中のPFBT Pdot標識MCF-7細胞の重ね合わせた明視野と蛍光の画像を示す。Pdot標識MCF-7細胞は、強い蛍光を示す。対照群と比較すると、NADHを受容する細胞の蛍光は明らかに低下している(図4C)。蛍光強度における上記の分化は、それらの3Dインタラクティブ強度によってより鮮明に提示される(図4Bおよび4D)。Pdotの蛍光強度は、NADH濃度に反比例し、Pdotセンサーによる生細胞におけるNADHの検出が成功したことを示す。
【0157】
実施例6:ポイント・オブ・ケア(POC)検査およびインビボイメージングのための、デジタルカメラまたはスマートフォンを使用したシオメトリックNAD(P)H感知
本実施例は、NADHと共通の溶媒中に分散したPdotを実証する。
【0158】
近年、POC用途用のバイオセンサーに大きい革新が見られ、個人が臨床検査室や病院を訪れることなく簡単な診断または予後検査を行えるようになり、それによって、利便性が向上している。これはまた、医師がより迅速に結果を受け取る可能性を高め、より良い臨床管理の即時決定を可能にする。デジタルカメラおよびスマートフォンカメラベースのPOC検査は、経済的な配慮と機器の可用性により、POC検査のための移動可能な診断システムおよび監視システムを生成するための潜在的な技術として急速に台頭している。図5Aに示されるように、生理学的に関連する範囲のNADHとともにインキュベートした後、DPA-CN-PPV Pdotについての赤色から青色への溶液の蛍光色の変化は、スマートフォンカメラによって直接可視化することができる。NADHの不在下では、溶液の蛍光色は赤色であったが、NADH濃度の増加に伴って、発光色が最終的に青色に変わった。大きいレシオメトリック変動により、溶液の蛍光色の変化の明確な可視化が可能になった。一次トゥルーカラー画像の各々は、赤(R)、緑(G)、青(B)のチャンネルに分割することができる。画像処理アルゴリズムを使用してデジタル化した後(図5B)、NADH濃度の定量化のためにB/Rチャネルの強度比を使用する。図5Cに、0~2mMの生理学的に関連する範囲における強度比(R=B/R)の線形応答を示した。NADH濃度が0mM~2mMに増加した場合、最大の比率の増強は100倍超に達し得る(図5D~5F)。これらの結果は、スマートフォンカメラまたはデジタルカメラと組み合わせたレシオメトリックDPA-CNPPV Pdotセンサーが、NADHの監視のための実行可能なアプローチを提供することを示した。
【0159】
加えて、次に、NADHのインビボイメージングのためのDPA-CNPPV Pdotの実現可能性を、UVランプ励起下で、スマートフォンによってイメージングされたPdotの蛍光を処理することによって評価する(図5G~5J)。
【0160】
ここで、雌Balb/cヌードマウスを、研究動物のケアおよび使用に関するガイドラインに従って使用した。麻酔下のヌードマウスに、異なる濃度のNADH(0mM(すなわち、NADHなし)、ならびに0.25、0.5、および1.0mMのNADH)とともに、PBS中のDPA-CNPPV Pdotの皮下注射を行った。UVランプを照明に使用し、スマートフォンカメラをイメージングに使用した(図5G)。図5Hは、様々なNADH濃度(0.25、0.5、および1.0mM)での濃度依存的感知を示す。関心領域のトゥルーカラー画像を、青チャンネル画像と赤チャンネル画像に分割して、B/R比を計算した(図5I、5J)。B/R比は、PdotセンサーのインビボNADH検出応答において優れた線形性を示した。
【0161】
実施例7:PKU用Pdotセンサー
本実施例は、Pdotに結合したNADH依存性酵素およびPdotと共通の基材に結合したNADH依存性酵素を示す。
【0162】
代謝産物は、エネルギー変換、構造、シグナル伝達、エピジェネティックな影響、補因子活性、および他の生物との相互作用などの様々な機能を有するため、生物のあらゆる側面において非常に重要な役割を果たす。NAD/NADHおよびNADP/NADPHは、代謝の中心となる補因子である。NAD/NADHおよびNADP/NADPHが関与する反応の総数は500を超える。これらの反応のほとんどは、デヒドロゲナーゼを伴う。デヒドロゲナーゼは、通常、NADを還元することによって目的の基質を酸化する酸化還元酵素のグループに属する酵素である。化学量論的に産生されたNADHは、NADH感受性Pdotセンサーによって定量化することができる。NADHのレベルは、試料中の基質のレベルに対応する(図16)。ここで、代謝産物を検出するための本発明者らの戦略は、NADH感受性Pdotセンサーと、目的の酸化反応の分析物を触媒するNADH依存性酵素との統合に基づく。また、代謝産物を検出するための本発明者らの戦略は、NADPH感受性Pdotセンサーと、目的の酸化反応の分析物を触媒するNADPH依存酵素との統合に基づくこともできる(図16)。
【0163】
NADH感受性Pdotセンサーの最初の応用として、フェニルケトン尿症(PKU)用のスマートフォンベースのアッセイを開発した。PKUは、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)の欠損に起因する必須アミノ酸フェニルアラニンの代謝の遺伝性障害である。PKUを有する乳児および小児は、典型的には、徐々に進行する神経疾患の兆候を発現する。フェニルアラニンを定量化するために、測定用に、フェニルアラニンに対して高い比活性を有する酵素フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ(PheDH)を有するDPA-CNPPV Pdotセンサーを使用した(図6A)。既定濃度のフェニルアラニンを、Pdotセンサー(0.05mg/mLのDPA-CNPPV Pdot、3mMのNAD、1μMのPheDH、pH10.5の200mMのグリシン緩衝液を含有する)にスパイクした。10分間のインキュベーション後、蛍光分光計を使用して、反応混合物中のセンサーの発光比を測定した。
【0164】
得られた発光センサーは、フェニルアラニンで滴定した場合、18.9倍の発光比の変化を示した。フェニルアラニンのPdotのLODが、3.5μMであると決定された。センサーのc50(最大センサー応答の50%をもたらすフェニルアラニン濃度)が、279.7μMであると測定された。(図6B)。
【0165】
PKU患者は、生涯にわたって血中フェニルアラニンレベルを制御するために、生まれたときから利用可能なすべての選択肢を用いて管理する必要がある。血中のフェニルアラニンが毒性レベルに上昇し、不可逆的な脳損傷および神経学的合併症を引き起こすことから、これは重要である。PKU患者は、治療前の血液または血清または血漿中フェニルアラニン濃度に従って分類される:新たに診断された新生児は、120~360μMのレベルでは、良性軽度高フェニルアラニン血症(HPA)を示し、360~600μMのレベルでは、軽度HPAを示し、600~900μMのレベルは、軽度PKUを示し、900~1200μMのレベルでは、中等度PKUを示し、1200μMを超えるレベルでは、古典的なPKUを示す。図6C~6Iに示されるように、発光の比率は、異なる臨床症状の血中フェニルアラニンの関連する範囲において、フェニルアラニンレベルとの線形関係を示した。健常レベルでは、Pdotセンサーは、2.6μMの分解能、4.89×10-1の感度を有する。表5に、最大シグナル変化、感度、および分解能を含む他の動的範囲におけるPKUセンサーの性能パラメータをまとめている。
【表5】
【0166】
健康問題の予防に役立つように、頻繁な血液検査により、子供の血中のフェニルアラニンのレベルを測定する。フェニルアラニンの定量化には、ガスリー細菌抑制アッセイ、塩化第二鉄検査、色素ベースの蛍光アッセイ、PCR法を含む、多数の方法や試薬が開発されている。しかしながら、これらの方法は、典型的には、複雑な調製または長い検査時間を伴う。したがって、家庭でフェニルアラニンを容易に、迅速に、かつ正確に検出することができる新しい材料および方法の開発は、かなりの意義がある。自己検査のフェニルアラニン測定を実施するために、96ウェルマイクロプレートおよびデジタルカメラを使用してアッセイを設計した(図7A)。この酵素アッセイは、10分間のインキュベーションを必要とする。次いで、フェニルアラニン濃度を、ROI画像の発光比(R/R)から計算することができる(図7B)。異なる色温度設定により、デジタルカメラおよびスマートフォンで撮影された写真が異なっているように見える(図7D、7E)。96ウェルアッセイマイクロプレートの場合、SONY a7カメラ(ファイル形式:RAW、WB:3000、ISO:2000、シャッター速度:1/20)を使用して、写真を撮影した。スマートフォンカメラ(iPhone(登録商標) iOS13.1、自動モード)を使用して、写真を撮影した。比率を使用して、フェニルアラニン濃度を計算した。さらに、本発明者らは、紙ベースのセンサーの有望な可能性を示した。
【0167】
図7Iは、スキームの例示的な図である。ここで、本発明者らは、溶液または紙ベースのアッセイにおいてNAD(P)H感受性Pdotと代謝産物特異的NAD(P)H依存性酵素とを組み合わせる代謝産物バイオセンサーを設計した(図7I)。代謝産物の酵素触媒酸化は、NAD(P)Hを生成し、紫外線(UV)照明下、NAD(P)Hは、Pdotの赤色発光を消光する一方、青色領域で蛍光も発する。NAD(P)H感受性Pdotは、発光共役ポリマーであるポリ[{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレンフェニレン)}-co-{2,5-ビス(N,N’-ジフェニルアミノ)-1,4-フェニレン}](DPA-CNPPV)および両親媒性ポリマーであるポリ(スチレン-co-マレイン酸無水物)(PSMA)からなる。UV照明によるPdotの励起は、458nmでのNAD(P)Hによる発光とともに、NAD(P)Hによって消光される627nmでの発光をもたらす。酸化された代謝産物の濃度を正確に測定するために、458nmおよび627nmの発光強度の比率、または青色対赤色チャネルの発光強度の比率(デジタルカメラもしくは携帯電話を使用し、かつRGB画像処理を使用する場合)が使用される。
【0168】
HP Pro400 M401 dneプリンターを使用して、グレード1 Chrのセルロースクロマトグラフィー用紙(GE Healthcare)を、96ウェルプレートのテンプレートを用いてパターン化した。紙ベースのアッセイは、0.05mg/mLのDPA-CNPPV Pdot、3mMのNAD、2μMのPheDH、pH10.5の200mMのグリシンを含有する4μLの緩衝液を、紙ディスク上に凍結乾燥することによって調製した。液体窒素の冷浴を、凍結乾燥の最初の2時間の間に使用した。測定のため、4μLの分析物(pH10.5の緩衝液中)を試験紙に直接添加した。10分間のインキュベーション後、蛍光プレートリーダー、デジタルカメラ、または携帯電話カメラを使用して、試験紙上のセンサーの発光比を測定した。白紙を対照として使用して、紙からのバックグラウンド蛍光干渉を除去した。
【0169】
デヒドロゲナーゼおよびNADH感受性Pdotを96ウェル試験紙上に凍結乾燥した。緩衝液および凍結乾燥センサーを含有する試験紙(図7F)に添加するために必要な分析物は0.4μLのみであり、その結果を、蛍光プレートリーダー(図7G)またはデジタルカメラもしくは携帯電話(図7Cおよび(図7E)を使用して分析することができる。酵素反応を、少量の分析物を含有する試料を試験紙上に添加することによって開始した(図7F)。画像をRGB画像処理アルゴリズムで分析し、画素強度分布から各ウェル内の平均青色チャネル強度および赤チャネル強度を計算した(図7J~7L)。青色チャネルと赤色チャネルの強度の比率は、60μMのPhe(健常)では、1200μMのPhe(古典的PKUの閾値)よりも有意に低かった(図7L)。図7Hに示されるように、紙ベースのシステムによるフェニルアラニンの測定は、PKUレベルを明確に反映した。シンプルで迅速なアッセイ手順により、患者が、ポイント・オブ・ケアの自己検査を受けることができる。表6は、読み出しのためにデジタルカメラ(例えば、携帯電話または独立型カメラから)を使用して紙アッセイ用のPdotセンサーの性能を示す。
【表6】
【0170】
実施例8:PKU用のPdotセンサーを使用するヒト血漿試料のアッセイ
本実施例は、Pdotとして共通の基材に結合したNADH依存性酵素を示す。
【0171】
この点に関して、本発明者らは、次に、ヒト血漿試料をアッセイする際の紙ベースのアッセイの性能を評価した。バイオセンサーを、PheDHの不在下または存在下で試料を分析することによって較正して(図18A)、血中の内因性NADH濃度の患者間変動を補正した。PheDHを用いて得られた値からPheDHなしで得られた値を差し引いて、フェニルアラニン濃度を得た(図18Bで「差」とラベル付けされた)。PKUスクリーニング用途の原理の証明として、様々な濃度のフェニルアラニンでスパイクされた血漿試料を紙アッセイで分析し、読み出しのためにプレートリーダー(図18C)およびデジタルカメラ(図18D)を使用した場合に得られた結果を比較した。
【0172】
血中の内因性NADHを補正するために、健常なヒトドナーからの全血(EDTAを含む)をPlasmaLab International(Everett,USA)から入手した。血漿を、遠心分離によって全血から分離した。内因性NADHの補正は、PheDH酵素の有無で、Pdotセンサーを使用することによって達成された。血漿(0.2mL)を、0.0625mg/mLのDPA-CNPPV/PSMA Pdot、3.75mMのNAD、0または2.5μMのPheDH、およびpH10.5の250mMのグリシン緩衝液を含有する0.8mLの溶液に添加し、混合物を10分間インキュベートした。PheDHを含まない反応は、内因性NADHを測定し、PheDHを含む反応は、内因性NADHおよびNADH(フェニルアラニンの変換によって産生される)を測定する。その2つの値を差し引くことで、フェニルアラニンの濃度が得られる。
【0173】
血漿中フェニルアラニンの測定のための紙ベースのアッセイを調製するために、グレード1 Chrのセルロースクロマトグラフィー用紙を上記のようにパターン化した。0.05mg/mLのDPA-CNPPV/PSMA Pdot、3mMのNAD、2μMのPheDH、およびpH10.5の200mMのグリシンを含有する4μLの緩衝液を、紙ディスク上に凍結乾燥することによって、試験紙を調製した。液体窒素の冷浴を、凍結乾燥の最初の2時間の間使用した。
【0174】
実施例9:他の代謝疾患、薬物代謝、または代謝産物用のPdotセンサー
本実施例は、NADH依存性酵素を含む共通の溶媒中に分散したPdotを実証する。
【0175】
NADまたはNADPで酸化することができる任意の代謝産物は、本明細書に記載の本発明者らのセンサーで分析または測定することができる。非限定的な例として、本発明者らは、乳酸、グルタミン酸、グルコース、およびβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)のNADH依存性酵素反応を使用して、様々な分析物濃度で試料を正確に分析した(図17A~17H)。ここで、異なる量の乳酸、グルコース、グルタミン酸、またはβ-ヒドロキシ酪酸分析物を、対応するPdotセンサー溶液にスパイクした。溶液は、乳酸の場合、0.05mg/mLのPdot、3mMのNAD、1μMの乳酸デヒドロゲナーゼ、200mMのグリシン緩衝液(pH9.8)から構成されており、グルコースの場合、0.05mg/mLのPdot、3mMのNAD、1μMのグルコースデヒドロゲナーゼ、50mMのHEPES緩衝液(pH8.0)から構成されており、グルタミン酸の場合、0.05mg/mLのPdot、3mMのNAD、1μMのグルタミン酸デヒドロゲナーゼ、50mMのHEPES緩衝液(pH7.3)から構成されており、β-ヒドロキシ酪酸の場合、0.05mg/mLのPdot、3mMのNAD、1μMのβ-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、50mMのHEPES緩衝液(pH7.8)から構成された。乳酸の検出は、出血、呼吸不全、肝疾患、および敗血症を含む医学的状態において重要であり、グルコースの監視は、糖尿病の管理において重要であり、グルタミン酸の監視は、神経変性疾患の診断および監視において有用であり、β-ヒドロキシ酪酸の感知は、高ケトン血症を検出するために使用される。500を超えるNAD(P)H依存性酵素および300を超える関連する代謝産物が、100を超える医学的に関連する代謝産物(例えば、表1および表2を参照)を含めて、このシステムと適合性がある(例えば、表2を参照)。
【0176】
例示的な実施形態が説明および記載されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更がその中で行われ得ることを理解されたい。
排他的権利または特権が主張される本発明の実施形態は、以下のように定義される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図7L
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図17H
図18A
図18B
図18C
図18D
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物の濃度測定のためのナノ粒子トランスデューサーであって、
発色団を含むナノ粒子と、
前記ナノ粒子と物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)依存性酵素またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)依存性酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、ナノ粒子トランスデューサー。
【請求項2】
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、請求項1に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項3】
前記分析物が、NADHを含む、請求項1に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項4】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項5】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項6】
前記ナノ粒子が、ポリマードット(Pdot)を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項7】
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項8】
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項9】
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項10】
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項11】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項12】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の前記濃度によって決定される、請求項11に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項13】
前記蛍光比が、前記分析物の濃度とともにレシオメトリック的に変動する、請求項12に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項14】
前記発色団から発せられる蛍光が、分析物の濃度の範囲内の前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、先行請求項のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
【請求項15】
分析物の濃度測定のためのトランスデューサー基材であって、
基材に結合された発色団を含むナノ粒子と、
前記基材に結合されており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、トランスデューサー基材。
【請求項16】
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、請求項15に記載のトランスデューサー基材。
【請求項17】
前記分析物が、NADHを含む、請求項15に記載のトランスデューサー基材。
【請求項18】
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、請求項15~17のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項19】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載のトランスデューサー基材。
【請求項20】
前記酵素が、グルコースオキシダーゼである、請求項15に記載のトランスデューサー基材。
【請求項21】
前記複数の反応要素の反応要素が、酸素を含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記酸素の濃度によって決定される、請求項15に記載のトランスデューサー基材。
【請求項22】
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、請求項15~21のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項23】
前記酵素が、前記ナノ粒子に結合されていない、請求項15~22のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項24】
前記基材が、紙基材である、請求項15~23のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項25】
前記酵素が、前記基材に共有結合されている、請求項15~24のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項26】
前記ナノ粒子が、前記基材に共有結合されている、請求項15~25のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項27】
前記酵素が、前記基材と物理的に会合している、請求項15~23のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項28】
前記酵素および前記ナノ粒子が、前記基材上に凍結乾燥される、請求項27に記載のトランスデューサー基材。
【請求項29】
前記酵素が、スポット上で前記ナノ粒子に隣接して前記基材に結合されている、請求項15~28のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項30】
前記酵素が、第1の酵素であり、前記ナノ粒子が、第1のナノ粒子であり、前記発色団が、第1の発色団であり、前記反応が、第1の反応であり、
前記トランスデューサー基材が、
前記基材に結合された第2の発色団を含む第2のナノ粒子と、
第2の複数の反応要素を含む第2の反応を触媒するように構成された前記基材に結合された前記第1の酵素とは異なる第2の酵素と、
前記第2の複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の第2の反応物および1つ以上の第2の生成物を含み、前記第2の発色団から発せられる蛍光の量が、前記第2の複数の反応要素の第2の反応要素の濃度によって決定される、請求項29に記載のトランスデューサー基材。
【請求項31】
前記スポットが、第1のスポットであり、前記第2のナノ粒子が、前記第1のスポットから分離した第2のスポット上で前記基材に結合されている、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項32】
前記第2のナノ粒子が、前記スポット上で前記基材に結合されている、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項33】
前記第1の発色団が、第1の吸収波長範囲の光を吸収するように構成されており、前記第2の発色団が、前記第1の吸収波長範囲とは異なる第2の吸収波長範囲の光を吸収するように構成されている、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項34】
前記第1の発色団から発せられる前記蛍光が、第1の発光波長範囲にあり、前記第2の発色団から発せられる蛍光が、前記第1の発光波長範囲とは異なる第2の発光波長範囲にある、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項35】
前記第2の反応が、前記第1の反応とは異なる、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項36】
前記第2の反応が、前記第1の反応と同じである、請求項30に記載のトランスデューサー基材。
【請求項37】
ナノ粒子およびそれに結合された酵素を含有する前記基材上のスポットの数が、2、4、6、8、24、96、384、および1536から選択される、請求項29~36のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項38】
ナノ粒子およびそれに結合された酵素を含有する前記基材上のスポットの数が、2~10、2~50、2~100、2~500、または2~1000の範囲である、請求項29~37のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項39】
前記スポットのサイズが、約1μm~約500μmの範囲である、請求項29~38のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項40】
前記基材が、流体試料を前記スポットにウィッキングさせるように構成されている、請求項15~39のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項41】
前記ナノ粒子が、Pdotを含む、請求項15~40のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項42】
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、請求項15~41のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項43】
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、請求項15~42のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項44】
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、請求項15~43のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項45】
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、請求項15~43のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項46】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、請求項15~45のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
【請求項47】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の前記濃度によって決定される、請求項46に記載のトランスデューサー基材。
【請求項48】
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、請求項47に記載のトランスデューサー基材。
【請求項49】
分析物の濃度測定のためのキットであって、
発色団を含むナノ粒子と、
前記ナノ粒子と物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、キット。
【請求項50】
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、請求項49に記載のキット。
【請求項51】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項50に記載のキット。
【請求項52】
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、請求項49~51のいずれか一項に記載のキット。
【請求項53】
前記分析物が、NADHを含む、請求項49~52のいずれか一項に記載のキット。
【請求項54】
前記酵素が、グルコースオキシダーゼである、請求項49に記載のキット。
【請求項55】
前記複数の反応要素の反応要素が、酸素を含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記酸素の濃度によって決定される、請求項49に記載のキット。
【請求項56】
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、請求項49~55のいずれか一項に記載のキット。
【請求項57】
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されていない、請求項49~55のいずれか一項に記載のキット。
【請求項58】
前記酵素および前記ナノ粒子が、ヒドロゲルビーズに封入される、請求項49~57のいずれか一項に記載のキット。
【請求項59】
前記酵素および前記ナノ粒子が、凍結乾燥粉末中にある、請求項49~57のいずれか一項に記載のキット。
【請求項60】
前記酵素および前記ナノ粒子が、共通の溶媒中に分散されている、請求項49~57のいずれか一項に記載のキット。
【請求項61】
前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記1つ以上の反応物の反応物の濃度によって決定される、請求項49~60のいずれか一項に記載のキット。
【請求項62】
前記ナノ粒子が、Pdotを含む、請求項49~61のいずれか一項に記載のキット。
【請求項63】
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、請求項49~62のいずれか一項に記載のキット。
【請求項64】
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、請求項49~63のいずれか一項に記載のキット。
【請求項65】
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、請求項49~64のいずれか一項に記載のキット。
【請求項66】
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、請求項49~65のいずれか一項に記載のキット。
【請求項67】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、請求項49~66のいずれか一項に記載のキット。
【請求項68】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、請求項67に記載のキット。
【請求項69】
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、請求項68に記載のキット。
【請求項70】
分析物の濃度測定のためのトランスデューサーであって、
半導体発色団ポリマーを含む発色団と、
前記半導体発色団ポリマーと物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、トランスデューサー。
【請求項71】
前記半導体発色団ポリマーが、縮合状態にない、請求項70に記載のトランスデューサー。
【請求項72】
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、基材に結合されている、請求項70または71に記載のトランスデューサー。
【請求項73】
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、凍結乾燥粉末中にある、請求項70~72のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項74】
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、共通の溶媒中に分散されている、請求項70または71に記載のトランスデューサー。
【請求項75】
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、請求項70~74のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項76】
前記分析物が、NADHを含む、請求項70~75のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項77】
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、請求項70~76のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項78】
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項77に記載のトランスデューサー。
【請求項79】
前記酵素が、前記発色団に共有結合されている、請求項70~78のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項80】
前記発色団が、2つ以上の半導体発色団ポリマーのブレンドを含む、請求項70~79のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項81】
前記発色団が、前記半導体発色団ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体発色団ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、請求項70~79のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項82】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、請求項70~81のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
【請求項83】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、請求項82に記載のトランスデューサー。
【請求項84】
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、請求項83に記載のトランスデューサー。
【請求項85】
分析物の濃度測定のためのシステムであって、
請求項1に記載のナノ粒子トランスデューサー、請求項15に記載のトランスデューサー基材、請求項40に記載のキット、または請求項70に記載のトランスデューサーと、
前記ナノ粒子トランスデューサー、前記トランスデューサー基材、前記キット、または前記トランスデューサーの前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導するように構成された、照明源と、
前記発色団からの前記蛍光に基づいてシグナルを生成するように構成された、光検出器と、
コントローラーであって、前記照明源および前記光検出器に動作可能に結合されており、かつ前記コントローラーによって実行された場合、前記システムに、
前記照明源で前記発色団を照明すること、および
前記光検出器からの前記シグナルに基づいて前記分析物の濃度を決定することを実行させる、論理を含む、コントローラーと、を含む、システム。
【請求項86】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
前記光検出器が、前記シグナル蛍光波長におけるシグナル蛍光の量および前記対照蛍光波長における対照蛍光の量を検出するように構成されており、前記コントローラーが、前記コントローラーによって実行された場合、前記システムに、前記シグナル蛍光および前記対照蛍光の測定量に基づいて測定された蛍光比を決定することを含む動作を実行させる、論理をさらに含む、請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記分析物の前記濃度を決定することが、前記測定された蛍光比に基づく、請求項8に記載のシステム。
【請求項90】
前記システムが、請求項15に記載のトランスデューサー基材を受け入れるように成形される、請求項85~89のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項91】
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、Pdotであって、発色団および複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記Pdotに結合されたNADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素を含む、Pdotと接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記Pdotを照射して、それから蛍光を誘導することと、
前記Pdotからの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
【請求項92】
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、前記流体を、Pdotであって、発色団および複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記Pdotと物理的に会合した酵素を含む、Pdotと接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導することと、
前記発色団からの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
【請求項93】
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、発色団であって、半導体発色団ポリマーおよび複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記発色団と物理的に会合した酵素を含む、発色団と接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導することと、
前記発色団からの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
【請求項94】
前記発色団および前記酵素が、基材に結合されている、請求項91~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記発色団および前記酵素が、共通の溶媒中に分散されている、請求項91~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記発色団および前記酵素が、ヒドロゲルビーズに封入される、請求項91~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記酵素が、前記発色団に結合されていない、請求項91~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長で発せられる蛍光量と、対照蛍光波長で発せられる蛍光量との比率に等しい蛍光比を定義し、前記蛍光比が、流体成分の濃度によって決定される、請求項91~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記分析物の前記濃度を前記決定することが、前記シグナル蛍光波長および前記対照蛍光波長で蛍光を測定することと、前記測定に基づいて測定された蛍光比を決定することと、前記測定された蛍光比に基づいて前記分析物の濃度を決定することと、を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記流体が、血液、血漿、血清、リンパ液、唾液、涙、間質液、髄液、尿、汗、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項91~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記分析物が、アミノ酸である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記分析物が、NADHまたはNADPHである、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記分析物が、アスコルビン酸、グルタミン酸、ドーパミン、コレステロール、アルコールからなる群から選択される、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記分析物が、薬物または薬物代謝産物である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記分析物が、タンパク質、核酸分子、または伝達分子である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記分析物が、炭水化物、脂質、または代謝産物である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記分析物が、代謝産物である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記代謝産物が、乳酸、グルタミン酸、グルコース、およびβ-ヒドロキシ酪酸からなる群から選択される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記分析物が、糖である、請求項91~100のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本概要は、簡略化された形態の概念の選択を紹介するために提供され、以下の詳細な説明でさらに説明される。本概要は、特許対象の主要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許対象の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図されていない。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
分析物の濃度測定のためのナノ粒子トランスデューサーであって、
発色団を含むナノ粒子と、
前記ナノ粒子と物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)依存性酵素またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)依存性酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、ナノ粒子トランスデューサー。
(項目2)
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、項目1に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目3)
前記分析物が、NADHを含む、項目1に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目4)
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目5)
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目6)
前記ナノ粒子が、ポリマードット(Pdot)を含む、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目7)
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目8)
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目9)
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目10)
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目11)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目12)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の前記濃度によって決定される、項目11に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目13)
前記蛍光比が、前記分析物の濃度とともにレシオメトリック的に変動する、項目12に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目14)
前記発色団から発せられる蛍光が、分析物の濃度の範囲内の前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、先行項目のいずれか一項に記載のナノ粒子トランスデューサー。
(項目15)
分析物の濃度測定のためのトランスデューサー基材であって、
基材に結合された発色団を含むナノ粒子と、
前記基材に結合されており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、トランスデューサー基材。
(項目16)
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、項目15に記載のトランスデューサー基材。
(項目17)
前記分析物が、NADHを含む、項目15に記載のトランスデューサー基材。
(項目18)
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、項目15~17のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目19)
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目18に記載のトランスデューサー基材。
(項目20)
前記酵素が、グルコースオキシダーゼである、項目15に記載のトランスデューサー基材。
(項目21)
前記複数の反応要素の反応要素が、酸素を含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記酸素の濃度によって決定される、項目15に記載のトランスデューサー基材。
(項目22)
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、項目15~21のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目23)
前記酵素が、前記ナノ粒子に結合されていない、項目15~22のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目24)
前記基材が、紙基材である、項目15~23のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目25)
前記酵素が、前記基材に共有結合されている、項目15~24のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目26)
前記ナノ粒子が、前記基材に共有結合されている、項目15~25のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目27)
前記酵素が、前記基材と物理的に会合している、項目15~23のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目28)
前記酵素および前記ナノ粒子が、前記基材上に凍結乾燥される、項目27に記載のトランスデューサー基材。
(項目29)
前記酵素が、スポット上で前記ナノ粒子に隣接して前記基材に結合されている、項目15~28のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目30)
前記酵素が、第1の酵素であり、前記ナノ粒子が、第1のナノ粒子であり、前記発色団が、第1の発色団であり、前記反応が、第1の反応であり、
前記トランスデューサー基材が、
前記基材に結合された第2の発色団を含む第2のナノ粒子と、
第2の複数の反応要素を含む第2の反応を触媒するように構成された前記基材に結合された前記第1の酵素とは異なる第2の酵素と、
前記第2の複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の第2の反応物および1つ以上の第2の生成物を含み、前記第2の発色団から発せられる蛍光の量が、前記第2の複数の反応要素の第2の反応要素の濃度によって決定される、項目29に記載のトランスデューサー基材。
(項目31)
前記スポットが、第1のスポットであり、前記第2のナノ粒子が、前記第1のスポットから分離した第2のスポット上で前記基材に結合されている、項目30に記載のトランスデューサー基材。
(項目32)
前記第2のナノ粒子が、前記スポット上で前記基材に結合されている、項目30に記載のトランスデューサー基材。
(項目33)
前記第1の発色団が、第1の吸収波長範囲の光を吸収するように構成されており、前記第2の発色団が、前記第1の吸収波長範囲とは異なる第2の吸収波長範囲の光を吸収するように構成されている、項目30に記載のトランスデューサー基材。
(項目34)
前記第1の発色団から発せられる前記蛍光が、第1の発光波長範囲にあり、前記第2の発色団から発せられる蛍光が、前記第1の発光波長範囲とは異なる第2の発光波長範囲にある、項目30に記載のトランスデューサー基材。
(項目35)
前記第2の反応が、前記第1の反応とは異なる、項目30に記載のトランスデューサー基材。
(項目36)
前記第2の反応が、前記第1の反応と同じである、項目30に記載のトランスデューサー基材。
(項目37)
ナノ粒子およびそれに結合された酵素を含有する前記基材上のスポットの数が、2、4、6、8、24、96、384、および1536から選択される、項目29~36のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目38)
ナノ粒子およびそれに結合された酵素を含有する前記基材上のスポットの数が、2~10、2~50、2~100、2~500、または2~1000の範囲である、項目29~37のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目39)
前記スポットのサイズが、約1μm~約500μmの範囲である、項目29~38のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目40)
前記基材が、流体試料を前記スポットにウィッキングさせるように構成されている、項目15~39のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目41)
前記ナノ粒子が、Pdotを含む、項目15~40のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目42)
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、項目15~41のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目43)
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、項目15~42のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目44)
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、項目15~43のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目45)
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、項目15~43のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目46)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、項目15~45のいずれか一項に記載のトランスデューサー基材。
(項目47)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の前記濃度によって決定される、項目46に記載のトランスデューサー基材。
(項目48)
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、項目47に記載のトランスデューサー基材。
(項目49)
分析物の濃度測定のためのキットであって、
発色団を含むナノ粒子と、
前記ナノ粒子と物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、キット。
(項目50)
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、項目49に記載のキット。
(項目51)
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目50に記載のキット。
(項目52)
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、項目49~51のいずれか一項に記載のキット。
(項目53)
前記分析物が、NADHを含む、項目49~52のいずれか一項に記載のキット。
(項目54)
前記酵素が、グルコースオキシダーゼである、項目49に記載のキット。
(項目55)
前記複数の反応要素の反応要素が、酸素を含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記酸素の濃度によって決定される、項目49に記載のキット。
(項目56)
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されている、項目49~55のいずれか一項に記載のキット。
(項目57)
前記酵素が、前記ナノ粒子に共有結合されていない、項目49~55のいずれか一項に記載のキット。
(項目58)
前記酵素および前記ナノ粒子が、ヒドロゲルビーズに封入される、項目49~57のいずれか一項に記載のキット。
(項目59)
前記酵素および前記ナノ粒子が、凍結乾燥粉末中にある、項目49~57のいずれか一項に記載のキット。
(項目60)
前記酵素および前記ナノ粒子が、共通の溶媒中に分散されている、項目49~57のいずれか一項に記載のキット。
(項目61)
前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記1つ以上の反応物の反応物の濃度によって決定される、項目49~60のいずれか一項に記載のキット。
(項目62)
前記ナノ粒子が、Pdotを含む、項目49~61のいずれか一項に記載のキット。
(項目63)
前記発色団が、半導体ポリマーを含む、項目49~62のいずれか一項に記載のキット。
(項目64)
前記発色団が、2つ以上の半導体ポリマーのブレンドを含む、項目49~63のいずれか一項に記載のキット。
(項目65)
前記発色団が、色素を含み、前記色素が、前記ナノ粒子内に含有される、項目49~64のいずれか一項に記載のキット。
(項目66)
前記発色団が、半導体ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、項目49~65のいずれか一項に記載のキット。
(項目67)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、項目49~66のいずれか一項に記載のキット。
(項目68)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、項目67に記載のキット。
(項目69)
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、項目68に記載のキット。
(項目70)
分析物の濃度測定のためのトランスデューサーであって、
半導体発色団ポリマーを含む発色団と、
前記半導体発色団ポリマーと物理的に会合しており、かつ複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された、酵素と、を含み、
前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、トランスデューサー。
(項目71)
前記半導体発色団ポリマーが、縮合状態にない、項目70に記載のトランスデューサー。
(項目72)
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、基材に結合されている、項目70または71に記載のトランスデューサー。
(項目73)
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、凍結乾燥粉末中にある、項目70~72のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
(項目74)
前記半導体発色団ポリマーおよび前記酵素が、共通の溶媒中に分散されている、項目70または71に記載のトランスデューサー。
(項目75)
前記複数の反応要素の反応要素が、NADHを含み、前記発色団から発せられる前記蛍光の量が、前記NADHの濃度によって決定される、項目70~74のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
(項目76)
前記分析物が、NADHを含む、項目70~75のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
(項目77)
前記酵素が、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である、項目70~76のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
(項目78)
前記NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素が、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目77に記載のトランスデューサー。
(項目79)
前記酵素が、前記発色団に共有結合されている、項目70~78のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
(項目80)
前記発色団が、2つ以上の半導体発色団ポリマーのブレンドを含む、項目70~79のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
(項目81)
前記発色団が、前記半導体発色団ポリマーおよび色素を含み、前記色素および前記半導体発色団ポリマーが、照明時に相互作用して、増強された蛍光を生成する、項目70~79のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
(項目82)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、項目70~81のいずれか一項に記載のトランスデューサー。
(項目83)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、項目82に記載のトランスデューサー。
(項目84)
前記蛍光比が、前記分析物の前記濃度とともにレシオメトリック的に変動する、項目83に記載のトランスデューサー。
(項目85)
分析物の濃度測定のためのシステムであって、
項目1に記載のナノ粒子トランスデューサー、項目15に記載のトランスデューサー基材、項目40に記載のキット、または項目70に記載のトランスデューサーと、
前記ナノ粒子トランスデューサー、前記トランスデューサー基材、前記キット、または前記トランスデューサーの前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導するように構成された、照明源と、
前記発色団からの前記蛍光に基づいてシグナルを生成するように構成された、光検出器と、
コントローラーであって、前記照明源および前記光検出器に動作可能に結合されており、かつ前記コントローラーによって実行された場合、前記システムに、
前記照明源で前記発色団を照明すること、および
前記光検出器からの前記シグナルに基づいて前記分析物の濃度を決定することを実行させる、論理を含む、コントローラーと、を含む、システム。
(項目86)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長および対照蛍光波長を含む、項目85に記載のシステム。
(項目87)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、前記シグナル蛍光波長で発せられる蛍光の量と、前記対照蛍光波長で発せられる蛍光の量との比率に等しいシグナル蛍光比を定義し、前記シグナル蛍光比が、前記複数の反応要素の前記反応要素の濃度によって決定される、項目86に記載のシステム。
(項目88)
前記光検出器が、前記シグナル蛍光波長におけるシグナル蛍光の量および前記対照蛍光波長における対照蛍光の量を検出するように構成されており、前記コントローラーが、前記コントローラーによって実行された場合、前記システムに、前記シグナル蛍光および前記対照蛍光の測定量に基づいて測定された蛍光比を決定することを含む動作を実行させる、論理をさらに含む、項目87に記載のシステム。
(項目89)
前記分析物の前記濃度を決定することが、前記測定された蛍光比に基づく、項目89に記載のシステム。
(項目90)
前記システムが、項目15に記載のトランスデューサー基材を受け入れるように成形される、項目85~89のいずれか一項に記載のシステム。
(項目91)
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、Pdotであって、発色団および複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記Pdotに結合されたNADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素を含む、Pdotと接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記Pdotを照射して、それから蛍光を誘導することと、
前記Pdotからの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
(項目92)
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、前記流体を、Pdotであって、発色団および複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記Pdotと物理的に会合した酵素を含む、Pdotと接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導することと、
前記発色団からの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
(項目93)
流体中の分析物の濃度を測定する方法であって、
前記流体を、発色団であって、半導体発色団ポリマーおよび複数の反応要素を含む反応を触媒するように構成された前記発色団と物理的に会合した酵素を含む、発色団と接触させることであって、前記複数の反応要素が、前記分析物を含む1つ以上の反応物および1つ以上の生成物を含み、前記発色団から発せられる蛍光の量が、前記複数の反応要素の反応要素の濃度によって決定される、接触させることと、
前記発色団を照明して、それから蛍光を誘導することと、
前記発色団からの前記蛍光を測定することと、
前記測定された蛍光に基づいて前記分析物の前記濃度を決定することと、を含む、方法。
(項目94)
前記発色団および前記酵素が、基材に結合されている、項目91~93のいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
前記発色団および前記酵素が、共通の溶媒中に分散されている、項目91~93のいずれか一項に記載の方法。
(項目96)
前記発色団および前記酵素が、ヒドロゲルビーズに封入される、項目91~93のいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
前記酵素が、前記発色団に結合されていない、項目91~96のいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
前記発色団から発せられる前記蛍光が、シグナル蛍光波長で発せられる蛍光量と、対照蛍光波長で発せられる蛍光量との比率に等しい蛍光比を定義し、前記蛍光比が、流体成分の濃度によって決定される、項目91~97のいずれか一項に記載の方法。
(項目99)
前記分析物の前記濃度を前記決定することが、前記シグナル蛍光波長および前記対照蛍光波長で蛍光を測定することと、前記測定に基づいて測定された蛍光比を決定することと、前記測定された蛍光比に基づいて前記分析物の濃度を決定することと、を含む、項目98に記載の方法。
(項目100)
前記流体が、血液、血漿、血清、リンパ液、唾液、涙、間質液、髄液、尿、汗、およびこれらの組み合わせから選択される、項目91~99のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記分析物が、アミノ酸である、項目91~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目102)
前記分析物が、NADHまたはNADPHである、項目91~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目103)
前記分析物が、アスコルビン酸、グルタミン酸、ドーパミン、コレステロール、アルコールからなる群から選択される、項目91~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目104)
前記分析物が、薬物または薬物代謝産物である、項目91~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目105)
前記分析物が、タンパク質、核酸分子、または伝達分子である、項目91~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目106)
前記分析物が、炭水化物、脂質、または代謝産物である、項目91~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目107)
前記分析物が、代謝産物である、項目91~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目108)
前記代謝産物が、乳酸、グルタミン酸、グルコース、およびβ-ヒドロキシ酪酸からなる群から選択される、項目107に記載の方法。
(項目109)
前記分析物が、糖である、項目91~100のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、1つ以上の発色団ポリマーから形成されるポリマーマトリックスを含む。発色団ポリマーの種類の任意の好適な数および組み合わせは、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子、例えば、1つ以上の発色団ポリマー、2つ以上の発色団ポリマー、3つ以上の発色団ポリマー、4つ以上の発色団ポリマー、5つ以上の発色団ポリマー、6つ以上の発色団ポリマー、7つ以上の発色団ポリマー、8つ以上の発色団ポリマー、9つ以上の発色団ポリマー、10以上の発色団ポリマー、50以上の発色団ポリマー、または100以上の発色団ポリマーに組み込むことができる。発色団ポリマー粒子の質量全体に対する、発色団ポリマーの質量濃度または質量比は、1%~99%、10%99%、20%99%、30%99%、40%99%、または50%99%変化させることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
一実施形態では、本明細書に記載の発色団ポリマー粒子は、1つ以上の官能化繰り返し単位を有するコポリマー、例えば、両親媒性ポリマー(ポリ((メタ)アクリル酸)系コポリマー(例えば、ポリ(アクリル酸-b-アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸-b-メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(n-ブチルアクリレート-アクリル酸)、ポリ(アクリル酸-b-メチルメタクリレートナトリウム)、ポリ(メタクリル酸-b-ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート-b-メタクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート-b-N,N-ジメチルアクリルアミド)、ポリ(メチルメタクリレート-b-アクリル酸ナトリウム)、ポリ(メチルメタクリレート-b-メタクリレートナトリウム)、ポリ(ネオペンチルメタクリレート)-b-メタクリル酸)、ポリ(t-ブチルメタクリレート-b-エチレンオキシド)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸-b-アクリル酸)を含むが、これらに限定されない)、ポリジエン系コポリマー(例えば、ポリ(ブタジエン(1,2付加)-b-エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン(1,2付加)-b-メチルアクリル酸、ポリ(ブタジエン(1,4付加)-b-アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)-b-エチレンオキシド、ポリ(ブタジエン(1,4付加)-b-アクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)-b-N-メチル 4-ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、およびポリ(イソプレン-b-N-メチル 2-ビニルピリジニウムヨージド))、ポリ(エチレンオキシド)系コポリマー(例えば、ポリ(エチレンオキシド-b-アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド-b-アクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド-b-ブチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド-b-c-)カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド-b-ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド-b-メタクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド-b-メチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド-b-メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-ニトロベンジルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド-b-t-ブチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-t-ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-テトラヒドロフルフリルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-2-エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド-b-2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-2-メチルオキサゾリン))、ポリイソブチレン系コポリマー(例えば、ポリ(イソブチレン-b-アクリル酸)、ポリ(イソブチレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(イソブチレン-b-メタクリル酸))、ポリスチレン系コポリマー(例えば、ポリ(スチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-b-アクリル酸)、ポリ(スチレン-b-アクリル酸セシウム)、ポリ(スチレン-b-エチレンオキシド)、ブロック接合部で酸開裂可能なポリ(スチレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-メタクリル酸)、ポリ(4-スチレンスルホン酸-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレンスルホン酸-b-メチルブチレン)、ポリ(スチレン-b-N,N-ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン-b-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン-b-N-メチル 2-ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン-b-N-メチル-4-ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン-b-プロピルアクリル酸)、ポリ(スチレン-b-アクリル酸ナトリウム)ポリ(スチレン-b-メタクリル酸ナトリウム)、ポリp-クロロメチルスチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-co-p-クロロメチルスチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-co-p-クロロメチルスチレン-b-アクリル酸)、ポリ(スチレン-b-メチルブチレン-co-イソプレンスルホン酸))、ポリシロキサン系コポリマー(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン-b-アクリル酸)、ポリ(ジメチルシロキサン-b-エチレンオキシド)、ポリ(ジメチルシロキサン-b-メタクリル酸))、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)系コポリマー(例えば、ポリ(フェロセニルジメチルシラン-b-エチレンオキシド))、ポリ(2-ビニルナフタレン)系コポリマー(例えば、ポリ(2-ビニルナフタレン-b-アクリル酸))、ポリ(ビニルピリジンおよびN-メチルビニルピリジニウムヨージド)系コポリマー(例えば、ポリ(2-ルピリジン-b-エチレンオキシド)、ポリ(2-ビニルピリジン-b-メチルアクリル酸)、ポリ(N-メチル 2-ビニルピリジニウムヨージド-b-エチレンオキシド)、ポリ(N-メチル 4-ビニルピリジニウムヨージド-b-メチルメタクリレート)、ポリ(4-ビニルピリジン-b-エチレンオキシド)PEO末端官能性OH)、ならびにポリ(ビニルピロリドン)系コポリマー(例えば、ポリ(ビニルピロリドン-b-D/L-ラクチド))などを含有する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
一実施形態では、酵素は、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素である。一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、シンターゼ、ヒドロキシラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、NADH依存性酵素またはNADPH依存性酵素は、デヒドロゲナーゼである。一実施形態では、デヒドロゲナーゼは、(-)-メントールデヒドロゲナーゼ、(+)-ネオメントールデヒドロゲナーゼ、(+)-サビノールデヒドロゲナーゼ、(+)-trans-カルベオールデヒドロゲナーゼ、(3S,4R)-3,4-ジヒドロキシシクロヘキサ-1,5-ジエン-1,4-ジカルボン酸デヒドロゲナーゼ、(R)-2-ヒドロキシ-脂肪酸デヒドロゲナーゼ、(R)-2-ヒドロキシ酸デヒドロゲナーゼ、(R)-4-ヒドロキシフェニル乳酸デヒドロゲナーゼ、(R)-アミノプロパノールデヒドロゲナーゼ、(R)-デヒドロパントイン酸デヒドロゲナーゼ、(S)-2-ヒドロキシ-脂肪酸デヒドロゲナーゼ、(S)-カルニチン3-デヒドロゲナーゼ、1,2-ジヒドロキシ-6-メチルシクロヘキサ-3,5-ジエンカルボン酸デヒドロゲナーゼ、1,3-プロパンジオールデヒドロゲナーゼ、1,6-ジヒドロキシシクロヘキサ-2,4-ジエン-1-カルボン酸デヒドロゲナーゼ、2-アルキン-1-オールデヒドロゲナーゼ、2-デヒドロ-3-デオキシ-D-グルコン酸5-デヒドロゲナーゼ、2-デオキシ-D-グルコン酸3-デヒドロゲナーゼ、2-ヒドロキシメチルグルタル酸デヒドロゲナーゼ、2-ヒドロキシプロピル-CoMデヒドロゲナーゼ、2-オキソアルデヒドデヒドロゲナーゼ、2-オキソイソ吉草酸デヒドロゲナーゼ、2,3-ジヒドロ-2,3-ジヒドロキシ安息香酸デヒドロゲナーゼ、2,3-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-p-クミン酸デヒドロゲナーゼ、2,4-ジアミノペンタン酸デヒドロゲナーゼ、2,5-ジオキソ吉草酸デヒドロゲナーゼ、3-(イミダゾール-5-イル)乳酸デヒドロゲナーゼ、3-α-ヒドロキシ-5β-アンドロスタン-17-オン3α-デヒドロゲナーゼ、3-α-ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ、3-α-ヒドロキシグリシルレチン酸デヒドロゲナーゼ、3-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-α(17β)-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-α(または20β)-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-β-ヒドロキシ-5α-ステロイドデヒドロゲナーゼ、3-β-ヒドロキシ-5β-ステロイドデヒドロゲナーゼ、3-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-β(または20α)-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3-デヒドロ-L-グロン酸2-デヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシ-2-メチルブチリル-CoAデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシ酸-エステルデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシベンジル-アルコールデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシイソ酪酸デヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシピメロイル-CoAデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ、3-イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、3(または17)a-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、4-(ヒドロキシメチル)ベンゼンスルホン酸デヒドロゲナーゼ、4-カルボキシ-2-ヒドロキシムコン酸-6-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、4-ホルミルベンゼンスルホン酸デヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸デヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、4-ヒドロキシスレオニン-4-リン酸デヒドロゲナーゼ、4-ホスホエリトロン酸デヒドロゲナーゼ、4-トリメチルアンモニオブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、5-カルボキシメチル-2-ヒドロキシムコン酸-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、5,6-ジヒドロキシ-3-メチル-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロキノリンデヒドロゲナーゼ、5-ヒドロキシエイコサノイドデヒドロゲナーゼ、6-エンド-ヒドロキシシネオールデヒドロゲナーゼ、6-ヒドロキシヘキサン酸デヒドロゲナーゼ、6-オキソシネオールデヒドロゲナーゼ、6-オキソヘキサン酸デヒドロゲナーゼ、6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、7-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、7-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、11-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、12-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、12-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、15-ヒドロキシイコサテトラエン酸デヒドロゲナーゼ、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ、16-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、17-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、20-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、21-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、アシルCoAデヒドロゲナーゼ、アラニンデヒドロゲナーゼ、アラノピンデヒドロゲナーゼ、α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ、α-グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、アルドース1-デヒドロゲナーゼ、アリルアルコールデヒドロゲナーゼ、アミノブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アミノムコン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アロゲン酸デヒドロゲナーゼ、アリールアルコールデヒドロゲナーゼ、アリールアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アスパラギン酸デヒドロゲナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ベンジル-2-メチル-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、β-アラノピンデヒドロゲナーゼ、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、ベタインアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ボルネオールデヒドロゲナーゼ、ブタナールデヒドロゲナーゼ、ブタンジオールデヒドロゲナーゼ、カルニチン3-デヒドロゲナーゼ、カルベオールデヒドロゲナーゼ、コレスト-5-エン-3β,7α-ジオール3β-デヒドロゲナーゼ、コレスタンテトラオール26-デヒドロゲナーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、シンナミルアルコールデヒドロゲナーゼ、cis-1,2-ジヒドロ-1,2-ジヒドロキシナフタレンデヒドロゲナーゼ、cis-1,2-ジヒドロベンゼン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ、cis-1,2-ジヒドロキシ-4-メチルシクロヘキサ-3,5-ジエン-1-カルボン酸デヒドロゲナーゼ、cis-2,3-ジヒドロビフェニル-2,3-ジオールデヒドロゲナーゼ、cis-3,4-ジヒドロフェナントレン-3,4-ジオールデヒドロゲナーゼ、cis-ジヒドロエチルカテコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、シクロヘキサン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ、シクロヘキサノールデヒドロゲナーゼ、シクロペンタノールデヒドロゲナーゼ、D-アラビニトール2-デヒドロゲナーゼ、D-アラビニトール4-デヒドロゲナーゼ、D-アラビノース1-デヒドロゲナーゼ、D-リソピンデヒドロゲナーゼ、D-イジトール2-デヒドロゲナーゼ、D-リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、D-ノパリンデヒドロゲナーゼ、D-ピニトールデヒドロゲナーゼ、D-threo-アルドース1-デヒドロゲナーゼ、D-キシロース1-デヒドロゲナーゼ、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ、ジベンゾチオフェンジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ、ジヒドロブノロールデヒドロゲナーゼ、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ、ジヒドロウラシルデヒドロゲナーゼ、ジメチルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、DTDP-6-デオキシ-L-タロース4-デヒドロゲナーゼ、DTDP-ガラクトース6-デヒドロゲナーゼ、エフェドリンデヒドロゲナーゼ、エリトロース-4-リン酸デヒドロゲナーゼ、エストラジオール17-α-デヒドロゲナーゼ、エストラジオール17-β-デヒドロゲナーゼ、ファルネソールデヒドロゲナーゼ、フルオレン-9-オールデヒドロゲナーゼ、フルオロアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ガラクチトール2-デヒドロゲナーゼ、ガラクチトール-1-リン酸5-デヒドロゲナーゼ、ガラクトースデヒドロゲナーゼ、γ-グアニジノブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、GDP-6-デオキシ-D-タロース4-デヒドロゲナーゼ、GDP-マンノース6-デヒドロゲナーゼ、ガイソシジンデヒドロゲナーゼ、ゲラニオールデヒドロゲナーゼ、グルコン酸2-デヒドロゲナーゼ、グルコン酸5-デヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸(グルタミン酸)デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸-5-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、グルタル酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、グリセリン酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、グリセロール2-デヒドロゲナーゼ、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、グリシンデヒドロゲナーゼ、グリコールアルデヒドデヒドロゲナーゼ、グリオキシル酸デヒドロゲナーゼ、ヘキサデカノールデヒドロゲナーゼ、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ、ホモイソクエン酸デヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、水素デヒドロゲナーゼ、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸デヒドロゲナーゼ、ヒドロキシマロン酸デヒドロゲナーゼ、ヒポタウリンデヒドロゲナーゼ、インダノールデヒドロゲナーゼ、インドール乳酸デヒドロゲナーゼ、イノシン-5’-一リン酸デヒドロゲナーゼ、イノシトール2-デヒドロゲナーゼ、イソクエン酸(イソクエン酸)デヒドロゲナーゼ、イソピペリテノールデヒドロゲナーゼ、イソプロパノールデヒドロゲナーゼ、キヌレン酸-7,8-ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ、L-アミノ酸デヒドロゲナーゼ、L-アミノアジピン酸-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、L-アラビニトール2-デヒドロゲナーゼ、L-アラビニトール4-デヒドロゲナーゼ、L-アラビノース1-デヒドロゲナーゼ、L-アルギニンデヒドロゲナーゼ、L-エリトロ-3,5-ジアミノヘキサン酸デヒドロゲナーゼ、L-グリコールデヒドロゲナーゼ、L-グロン酸3-デヒドロゲナーゼ、L-イジトール2-デヒドロゲナーゼ、L-イドン酸5-デヒドロゲナーゼ、L-ラムノース1-デヒドロゲナーゼ、L-トレオン酸3-デヒドロゲナーゼ、L-スレオニン3-デヒドロゲナーゼ、L-キシロース1-デヒドロゲナーゼ、ラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、乳酸(乳酸)デヒドロゲナーゼ、ロイシンデヒドロゲナーゼ、長鎖アルコールデヒドロゲナーゼ、リジンデヒドロゲナーゼ、リンゴ酸(リンゴ酸)デヒドロゲナーゼ、マロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、マンニトール2-デヒドロゲナーゼ、マンニトールデヒドロゲナーゼ、マンニトール-1-リン酸5-デヒドロゲナーゼ、meso-酒石酸デヒドロゲナーゼ、メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ、メチルマロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、モルヒネ6-デヒドロゲナーゼ、マイコチオール依存性ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ、N-アセチルヘキソサミン1-デヒドロゲナーゼ、N-アシルマンノサミン1-デヒドロゲナーゼ、N-メチルアラニンデヒドロゲナーゼ、NADHデヒドロゲナーゼ、NADPHデヒドロゲナーゼ、ニコチン酸デヒドロゲナーゼ、オクタノールデヒドロゲナーゼ、ω-ヒドロキシデカン酸デヒドロゲナーゼ、オピンデヒドロゲナーゼ、オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ、パントイン酸4-デヒドロゲナーゼ、ペリリルアルコールデヒドロゲナーゼ、フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ、フェニルグリオキシル酸デヒド

ロゲナーゼ、ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ、リン酸デヒドロゲナーゼ、フタル酸4,5-cis-ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ、ピメロイル-CoAデヒドロゲナーゼ、プレコリン-2デヒドロゲナーゼ、プレフェン酸デヒドロゲナーゼ、プロパンジオールリン酸デヒドロゲナーゼ、ピリドキサール4-デヒドロゲナーゼ、ピリドキシン4-デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、キナ酸デヒドロゲナーゼ、レチナールデヒドロゲナーゼ、レチノールデヒドロゲナーゼ、リビトール2-デヒドロゲナーゼ、リビトール-5-リン酸2-デヒドロゲナーゼ、リボース1-デヒドロゲナーゼ、S-(ヒドロキシメチル)グルタチオンデヒドロゲナーゼ、サッカロピンデヒドロゲナーゼ、サリチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、セクオイトールデヒドロゲナーゼ、セリン2-デヒドロゲナーゼ、セリン3-デヒドロゲナーゼ、シキミ酸デヒドロゲナーゼ、sn-グリセロール-1-リン酸デヒドロゲナーゼ、ソルビトール-6-リン酸2-デヒドロゲナーゼ、ソルボース5-デヒドロゲナーゼ、ステロール-4α-カルボン酸3-デヒドロゲナーゼ、ストロンビンデヒドロゲナーゼ、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、スクシニルグルタミン酸-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、酒石酸デヒドロゲナーゼ、タウロピンデヒドロゲナーゼ、テレフタル酸1,2-cis-ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ、テストステロン17β-デヒドロゲナーゼ、チオモルホリン-カルボン酸デヒドロゲナーゼ、trans-1,2-ジヒドロベンゼン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ、trans-アセナフテン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ、トリプトファンデヒドロゲナーゼ、UDP-グルコース6-デヒドロゲナーゼ、UDP-N-アセチルグルコサミン6-デヒドロゲナーゼ、UDP-N-アセチルムラミン酸デヒドロゲナーゼ、ウレイドグリコール酸デヒドロゲナーゼ、ウロン酸デヒドロゲナーゼ、バリンデヒドロゲナーゼ、バニリンデヒドロゲナーゼ、ベロシミンデヒドロゲナーゼ、ボミフォリオールデヒドロゲナーゼ、キサンチンデヒドロゲナーゼ、およびキサントキシンデヒドロゲナーゼからなる群から選択される。
【国際調査報告】